JP2008044310A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 印字速度が速くローコストでかつ耐久性の高いのインクジェットヘッドを提供する。インクジェット記録ヘッド基板表面のパッド数を減少する。
【解決手段】 ヒータを駆動するMOSトランジスタのソースに接続される接地電位ライン(GNDH)が、基板の裏面に設けられた電極から基板内に設けられた導電領域(高濃度不純物拡散領域)を介してMOSトランジスタに接続される。基板表面にはGNDH配線やパッドが存在しない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録ヘッドに関する。
インクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドには、インクを吐出する複数のノズルと、各ノズルに供給されるインクを一時的に保持する共通液室と、共通液室と各ノズルとを連通するインク流路とが設けられ、各インク流路内にはインクを吐出するために利用されるエネルギを発生するためのヒータ(電気熱変換素子)が形成されている。各ヒータはシリコン等からなる基板上に設けられ、各ヒータに電力を供給するための駆動素子となるMOSトランジスタや配線等とともに基板上に一体的に形成されている。
記録を行う際には、共通液室に供給されたインクが各インク流路に導かれ、ノズルでメニスカスを形成して保持される。このときヒータを選択的に駆動させることにより、膜沸騰が生じてインク流路内に気泡が発生し、この気泡の成長によってインクがノズルから吐出される。
このような構成のインクジェット記録ヘッドを用いての記録方法によれば、品位の高い画像を高速、低騒音で記録することができるとともに、この記録方法を行うインクジェット記録ヘッドでは液体を吐出するためのノズルを高密度に配置することができるため、小型の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得ることができるという多くの優れた利点を有している。このため、このような記録方法は、近年、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの多くのオフィス機器に利用されており、さらに、捺染装置などの産業用システムにまで利用されるようになってきている。
図10は、インクジェット記録ヘッドを構成する基板上における各素子の配置構成の一従来例を示す模式的平面図である。
図10において、1はシリコン等からなる基板、2はインク吐出に利用される熱エネルギを発生するためのヒータが配列されている領域、3は個々のヒータ選択的に電力を供給するためのMOSトランジスタが配列されている領域、4は前記MOSトランジスタのスイッチング動作を制御するための論理回路や、MOSトランジスタのゲート電極に印加をする電圧を出力する昇圧回路が配置されている領域である。
5は論理回路や、静電気に対する保護回路等の入力回路が配置された領域、6は基板外部との電気的接続を行なうためのパッド、7は基板1の裏面側に設けられたインクタンク(不図示)から基板1の表面に配置されている各ヒータの位置へインクを供給するためのインク供給口である。
図2は、図10でのAA′線における断面図であり、図10には示されていない、ノズルや流路の断面構造も併せて示すものである。なお、図2では図10に示したMOSトランジスタや論理回路等の図示は省略されている。
図2において、8はヒータ、9は流路、10はノズル、11は流路9やノズル10を形成するノズル材、12はインクタンクである。
基板1の裏面側に設けられたインクタンク12に貯留されたインクは、インク供給口7と流路9を介してそれぞれのヒータ8の位置に供給される。そして、この供給されたインクにはヒータが発生する熱エネルギが付与され、その結果、インク中に生じる気泡13の生成時の圧力によってノズル10からインク滴14が吐出される。
上述の基板の構成において、インク供給口7はアルカリ性のウェットエッチング液を用いた異方性エッチングによって形成される。基板表面の結晶面として、(100)面を表面にもつシリコン基板を用いてインクジェット記録ヘッドを形成するのが一般的であるが、この場合、形成されるインク供給口7の側面の面方位は(111)であり、このインク供給口7の側面と基板1の表面とで形成される角度(テーパ角)は54.7°となる。
図3に、図10に示したインクジェット記録ヘッドの、ヒータの駆動回路の構成を説明するためのブロック図を示す。
図3において、インクを吐出するための吐出エネルギを発生するヒータ8の一端は、ヒータ8に所定の電力を供給するための供給源となる第1の電源ライン(VH)16に接続され、ヒータ8の他端にはヒータに対する電力の供給を制御するMOSトランジスタ15のドレイン(D)が接続されている。MOSトランジスタ15のソース(S)は第1の接地電位ライン17と接続され、MOSトランジスタ15のオン/オフを制御するための制御電圧が印加されるゲート(G)には昇圧回路18が接続されている。昇圧回路18は論理回路21から出力される電圧を昇圧して出力し、MOSトランジスタ15のオン抵抗が充分に小さくなるような電圧をMOSトランジスタのゲート(G)に印加する。昇圧回路18は、第2の電源ライン19と、第2の接地電位ライン20に接続される。
論理回路21では、外部からの入力信号に従って、どのMOSトランジスタ15を駆動するか決定し、スイッチ22のオン/オフによって信号の入り切りが制御される。論理回路21は、第3の電源ライン23と、第2の接地電位ライン20、および信号入力ライン24に接続される。
このように、論理回路21に接続されている接地電位ラインは、昇圧回路18の接地電位ラインと基板内で接続されている。
現在の一般的なインクジェット記録ヘッドでは、ヒータに流れる電流は40mA乃至200mAであり、1つのヘッドで同時に駆動するヒータの数は数10個乃至100個に及ぶ。従って、瞬間的にはヘッドに数A乃至約数10Aの大電流が流れることになる。
従って、前記第1の電源ライン16および第1の接地電位ライン17には大電流が流れる。このため、できるだけこれらの配線の配線抵抗が低いヘッド構造が望まれる。また、このような理由により、前記したように第1の接地電位ラインと、第2の接地電位ラインは別々に分けられ、同時に多くのヒータを駆動した場合でも、論理回路や昇圧回路が、大電流が流れることによって生じるノイズや、接地電位の揺らぎの影響を受け難くしている。
図4に従来のインクジェット記録ヘッドにおける、第1の電源ライン16および第1の接地電位ライン17の配置例を示す。図4に示したように、第1の電源ライン16および第1の接地電位ライン17は、配線抵抗が低くなるようにできる限り配線幅が太くなるように配置され、パッド6に接続される。
図5に、図4中Bで示された領域の拡大図を示す。図5において、8はヒータ、16は第1の電源ライン、17は第1の接地電位ライン、15はMOSトランジスタである。第1の電源ラインおよび第1の接地電位ラインは、第2層のAL配線により形成されている。
ヒータの一方の端は、第1の電源ライン16に接続され、他端は、第2層のAL配線25に接続されている。この第2層のAL配線25は、スルーホール26を介して下層にある第1層のAL配線(不図示)に接続され、さらにこの第1のAL配線はMOSトランジスタ15のドレインに接続される。
第2層のAL配線により形成されている、第1の接地ライン17はスルーホール27を介して下層にある第1のAL配線(不図示)に接続され、さらにこの第1のAL配線はMOSトランジスタ15のソースに接続される。
図6にMOSトランジスタの構造を示す。図6において28はコンタクトホール、29はドレイン電極配線、30はソース電極配線、31はゲートである。ドレイン電極配線29およびソース電極配線30は、第1層のAL配線により形成されている。
前記したように、ドレイン電極配線29は、スルーホール26を介して上層の第2層のAL配線25に接続され、ソース電極配線30は、スルーホール27を介して上層の第2層のAL配線で形成される接地電位ライン17に接続される。
図7に、図6中CC‘線における断面図を示す。図7中32はドレインの一部を形成するN+領域(濃度の濃いN型不純物注入領域)、33はドレインの一部を形成するN−領域(濃度の薄いN型不純物注入領域)、34はソースを形成するN+領域である。また、基板1は濃度の薄いP型不純物が注入された、P−領域から成っている。ヒータを駆動するMOSトランジスタ15は、高い印加電圧でも破壊されない高耐圧の特性が求められる。高耐圧特性を得るためにはドレインに電界緩和層を有することが望まれる。図7では電界緩和層であるN−領域を備えたMOSトランジスタを示した。高耐圧のMOSトランジスタとしては、チャネル領域を拡散によって形成するDMOSの構造でも良い。また、ヒータに印加する電圧が低い場合や、MOSトランジスタの駆動方法によっては、電界緩和層の無い一般的なMOSトランジスタでも良い。
以上説明したように、インクジェット記録ヘッドのヒータ8を駆動するMOSトランジスタ15およびMOSトランジスタに接続されている第1の電源ライン16および第1の接地電位ライン17の断面構造は、図8の様になる。図8では、各層の接続の関係を説明するための模式図であり、ヒータは表示していない。また、35は素子分離のために形成される酸化膜である。
図8に示したように、ヒータ8を駆動するMOSトランジスタ15およびMOSトランジスタに接続されている第1の電源ライン16および第1の接地電位ライン17は共に、基板表面の第2層のAL配線を介してパッド(不図示)まで接続されている。
図9に従来のインクジェット記録ヘッドにおける、第1の電源ライン16および第1の接地電位ライン17の、他の配置例を示す。
図4ではインク供給口7の両端に配置されたそれぞれのヒータ8およびMOSトランジスタ15に、第1の電源ライン16および第1の接地電位ライン17をそれぞれ1つのAL配線で形成した場合について示した。図9では、ヒータ8およびMOSトランジスタ15に接続する第1の電源ライン16および第1の接地電位ライン17が、数個の配線に分岐して接続される場合について示した。
図9では、ヒータが配列されている領域2が4つのグループに分けられ、それに伴い、電源ライン16および接地電位ライン17も4つのグループに分けられて配線されている。1つのグループは図9中Dで示された領域である。第1の電源ライン16および第1の接地電位ライン17は、図9に示すように、分けられたグループに対応するように分割され、それぞれのグループの、一連の複数のヒータに対して別々の配線で配置される。個々の配線はパッド近傍で接続される。
このような構成を採ることにより、ヒータの耐久性や印字品位向上を実現させることができる。以下にこれに関して説明する。
インクを吐出するためヒータに印加される電圧は、ヒータから熱エネルギを発生させるためにインクジェット記録ヘッドに印加された電圧のうち、ALの配線抵抗、MOSトランジスタトランジスタのオン抵抗等の寄生抵抗による電圧降下分だけ低下した電圧が印加されることとなるが、ヒータの耐久性や印字品位向上のため、インクジェット記録ヘッドの動作モードにかかわらず、すべてのヒータに同一の電圧が印加されることが望ましい。
現在の技術では、1つの基板中に配置されたMOSトランジスタのオン抵抗はほぼ一定と考えられる。したがって、それぞれのヒータに接続されているAL配線の抵抗値がほぼ同一になるような構成にすれば、すべてのヒータにほぼ同一の電圧が印加されることになる。
ところが、図4に示した配線構成では、ヒータの配置位置によりAL配線抵抗は異なる。図4中、パッド近傍に配置されたヒータに接続されたAL配線抵抗は小さく、基板長辺方向中央部近傍に配置されたヒータに接続されたAL配線抵抗は大きくなる。
また、図4のAL配線構成では、同一の配線に接続された複数のヒータの内、何個のヒータを駆動するによって、配線抵抗による電圧降下の程度が変化する。
このように、ヒータの位置や駆動方法により配線抵抗による電圧降下の値が変化する場合、最もインクの吐出が起こり難いヒータ、最もインクの吐出が起こり難い駆動方法すなわち最も多くのヒータを同時に駆動する場合に合わせてヒータに印加する電圧を決定する。
この様なヒータ構成、ヒータ駆動形態では、配線抵抗の低いヒータにおいてヒータ駆動数が少ない場合、ヒータには過大な電圧が印加されることになる。
各ヒータに接続されているAL配線抵抗をほぼ同一にする方法の1つとして、各ヒータに接続されているAL配線抵抗をほぼ同一にし、それぞれ独立に、パッド近傍まで引き出す方法が考えられる。
しかしながら、現在のインクジェット記録ヘッドでは、100ノズル以上の多くのノズルを備えたものが多く、上述したような各ヒータから独立したAL配線を配置する構成を採ることは困難である。
そのため、隣接して配置されている所望の数のヒータを1つのグループとし、1つのグループ中のヒータに接続されているAL配線は1つのグループに含まれるヒータで共通に用いるという方法が用いられている。この際、1つのグループ中では最大でも1つのヒータにしか電圧が印加されない。すなわち、同時に複数のヒータに電圧が印加されることがないようなグループ分けがなされている。これにより、ヒータの同時駆動数に依存する電圧降下の変動を発生しないようにしている。また、異なったグループ間でもAL配線抵抗はほぼ同一になるような配置がなされている。
図9では、(1)、(2)、(3)、(4)で示したAL配線の抵抗値がそれぞれほぼ等しくなるように、(5)、(6)、(7)、(8)で示したAL配線の抵抗値がそれぞれほぼ等しくなるように配置されている。
以上のようなグループ分けをした構成とし、グループ内では同時に駆動するヒータが無い様にヒータを駆動することで、インクジェット記録ヘッド中の各ヒータに接続されているAL配線に起因する電圧降下を、同時駆動するヒータ数によらずほぼ同一にすることができる。
なお、論点を簡潔に説明するため、図9では配線を4つのグループに分けた、分割数の少ない比較的簡単な配線形態を示したが、実際のインクジェット記録ヘッドでは、ノズル数が100以上である場合が多く、この場合AL配線の分割数(グループの数)は8乃至64と非常に多くなっている。
特開平10−71714号公報 特開2004−50636号公報
近年のインクジェット記録ヘッドでは、印字速度を上げるために印字幅は大きく設定する場合が多く、基板の長辺は10mm乃至30mmと比較的大きい基板サイズであるのに対し、コストダウンのために基板面積の縮小を行い、収量を増やしているため、基板の短辺は、3mm乃至1mmと小さいサイズになっている。このように基板長辺のサイズが大きくなり、且つ基板短辺のサイズが小さくなっているため、AL配線の抵抗値は大きくなる傾向にある。AL配線抵抗は基板のサイズ、配線方法、AL配線の厚さ等により決定されるが、現在の一般的なインクジェット記録ヘッドにおいては、5Ω乃至30Ωである。
これまで説明してきた様に、AL配線抵抗はなるべく小さいことが望まれる。
特に、図9に示したヒータおよびMOSトランジスタに接続する配線が、数個の配線に分岐して接続される場合、抵抗値の増大が問題になるだけではない。基板短辺のサイズが小さくなるにつれ、それぞれの配線の配線幅も細くなるため、配線の抵抗値ばらつきが発生し易くなり、更には、配線の分割数が多い場合、AL配線の配置が困難になる場合も生じる。
また、基板サイズの減少に伴いパッドの配置も困難になっている。
本発明はこのような課題を解決するもので、その目的とするところは、印字速度が速くローコストでかつ耐久性の高いのインクジェットヘッドを提供することである。
より具体的には、印字幅が広くローコストなインクジェット記録ヘッド、すなわち基板長辺のサイズが大きく、基板短辺のサイズが小さいインクジェットヘッドにおいて、ヒータおよびヒータを駆動するMOSトランジスタに接続されている導電層の寄生抵抗を下げることのできるインクジェット記録ヘッドを提供することである。
本発明の他の目的は、インクジェット記録ヘッド基板表面のパッド数を減少することである。
本発明のインクジェット記録ヘッドは、ヒータを駆動するMOSトランジスタのソースに接続される接地電位ラインが、基板の裏面に設けられた電極から基板内に設けられた導電領域を介してMOSトランジスタに接続されることを特徴とする。
以上説明したように、本発明のインクジェット記録ヘッドは、ヒータを駆動するMOSトランジスタのソースに接続される、接地電位ラインが、基板の裏面に設けられた電極から基板内に設けられた導電領域(拡散層)を介して接続されることを特徴とする。
この構成において、基板の厚さ、基板中の拡散層の不純物濃度、拡散層の構成を適切にすることで、接地電位ラインの抵抗値を小さくすることができる。また、接地電位ラインの配線が基板表面から無くなるため、基板表面での、ヒータに電力を供給する第1の電源ラインの配線幅を広くすることができ、第1の電源ラインの抵抗値も低下させることができる。
あわせて、従来基板表面に配置されていた接地電位ラインのパッドを無くすことができるので、基板表面のパッド数を削減できる。
以上の特徴をもっているので、基板サイズを小さくした場合でも寄生抵抗の比較的低いインクジェット記録ヘッドが作製できる。
以下に、本発明のインクジェット記録ヘッドに関して、より詳しく説明する。なお、ここに示す実施例は、本発明の最良の実施の形態の一例ではあるものの、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。
図1に、本発明による、インクジェット記録ヘッドの構造の模式図を示す。図1はインクジェット記録ヘッドを構成する基板の断面図である。図1において、図8に用いた符合と同一番号の物は同一の構成物を表す。図1において36は基板表面に設けられたP−領域、37は基板裏面に設けられたP+領域、38は基板表面の所望の領域に形成されたP+領域、39は第1層のAL配線30と、前記P+領域38を接続するコンタクトホール、40は基板裏面に設けられた電極である。
このような構造は以下のような工程で作成できる。
ボロン等のP型不純物を5E17cm−3乃至5E18cm−3含む基板を用いてエピタキシャル成長を行い基板表面に5E15乃至5E16のP型不純物を含む領域を形成した。これにより、基板裏面にはP+領域37が、基板表面にはP−領域36が形成される。次に一般的に知られている半導体工程により、基板表面の所望の部分にP+領域38を形成した。次に、基板表面にMOSトランジスタ、配線、ヒータ等を形成した。
続いて基板裏面をバックラップ処理し、基板の厚さを薄くした。今回は厚さ625μmの基板をバックラップし、厚さ200μmにした。なお、基板の厚さを薄くするのは、後に説明するが、寄生抵抗を低くするためであり、必ずしも必要な処理ではない。その後金属蒸着法により、ニッケル、銀、金、等の金属膜を基板裏面に形成し、電極40を形成した。
MOSトランジスタのソース34は、第1層のAL配線30に、コンタクトホール30を介して接続されている。第1層のAL配線30は、前記のようにP+領域38にコンタクトホール39を介して接続されている。P+領域38は、基板裏面に設けられたP+領域37に接続され、P+領域37は、基板裏面に設けられた電極40に接続されている。
従って本発明では、MOSトランジスタのソース34に接続される接地電位ラインは、基板裏面に設けられた電極40に引き出される。基板裏面に設けられた電極40は、抵抗値を低減するため、基板裏面の広い領域、たとえばほぼ全面に設けられ、外部との電気的接続に用いられる。
従来のインクジェット記録ヘッドでは、ヒータに接続されている第1の電源ラインも、ヒータを駆動するMOSトランジスタに接続されている、第1の接地電位ラインも、基板表面に設けられたAL配線を介してパッドまで引き伸ばされ、このパッドから外部と電気的接続をとっていたが、本発明では、第1の接地電位ラインは基板裏面に出されているので、基板表面側は、第1の電源ラインを自由に配置することができる。
図11に本発明によるインクジェット記録ヘッドの平面図の一例を示す。上記のように本発明により基板表面にMOSトランジスタのソースに接続されている配線が無くなるため、第1の電源ラインの配線幅を約2倍太くすることができ、抵抗値を約1/2に下げることができる。また、基板表面に第1の接地電位ライン用のパッドが不必要になるのでパッドを削減できる。従って、基板サイズの縮小、基板短辺のサイズ縮小を行なった際にも、AL配線の抵抗値の増大を抑えることができ、パッドの配置が困難になる問題に関しても改善される。
図12に本発明によるインクジェット記録ヘッドの平面図の、他の一例を示す。図12では、第1の電源ラインの配線を、ヒータのグループ毎に分割して配置した場合について示した。この場合も図11に示した場合と同様、AL配線幅を太くすることができ、パッド数も減少させることができる。
図13に図12で、Dで示した部分の拡大図を示す。
図13に示したように、MOSトランジスタのソースに接続されている配線30は、コンタクトホール39を介してP+領域37に接続される。
前記したように、同一グループ内に配置されたヒータは同時に駆動することは無い。すなわち同一グループ内のMOSトランジスタは同時に動作することは無い。ソースに接続されている配線30は、配線抵抗を低減することを目的とし、同一グループ内で接続されている。従って、この接続されたAL配線30は複数のコンタクトホール39を介してN+領域38に接続され最終的に基板裏面の電極40に接続されている。
MOSトランジスタのソースに接続されている接地電位ラインの寄生抵抗は主に、AL配線抵抗および拡散抵抗からなる。このうちAL配線抵抗は、AL配線の領域が比較的狭い範囲であるのでほとんど無視できる。拡散抵抗の抵抗値は、基板裏面に設けられたP+領域37、および基板表面の所望の領域に形成されたP+領域38、の抵抗から決定される。これら領域の抵抗は、P型不純物の濃度、基板の厚さ、接続されているP+領域37の幅および長さ、等で決定される。P型不純物濃度を2E18cm−3、基板の厚さを200μm、P+領域38の幅を50μm、長さを650μmとした場合、拡散抵抗は約4Ωと、従来のインクジェット記録ヘッドのAL配線抵抗の一般的な抵抗値よりも低くすることができた。
本発明のインクジェット記録ヘッドの、第1の電源ラインおよび第1の接地電位ラインの接続形態を説明するための模式図(断面図)。 従来のインクジェット記録ヘッドの構造を説明するための模式図(断面図)。 従来のインクジェット記録ヘッドの、ヒータの駆動回路の構成を説明するためのブロック図を示す。 従来のインクジェット記録ヘッドの、第1の電源ラインおよび第1の接地電位ラインの配置形態を説明するための模式図(平面図)。 従来のインクジェット記録ヘッドの、第1の電源ラインおよび第1の接地電位ラインの接続形態を説明するための模式図(平面図)。 従来のインクジェット記録ヘッドの、MOSトランジスタの配線の接続形態を説明するための模式図(平面図)。 従来のインクジェット記録ヘッドの、MOSトランジスタの配線の接続形態を説明するための模式図(断面図)。 従来のインクジェット記録ヘッドの、第1の電源ラインおよび第1の接地電位ラインの接続形態を説明するための模式図(断面図)。 従来のインクジェット記録ヘッドの、第1の電源ラインおよび第1の接地電位ラインの、他の配置形態を説明するための模式図(平面図)。 従来のインクジェット記録ヘッドの構造を説明するための模式図(平面図)。 本発明のインクジェット記録ヘッドの、第1の電源ラインおよび第1の接地電位ラインの配置形態を説明するための模式図(平面図)。 本発明のインクジェット記録ヘッドの、第1の電源ラインおよび第1の接地電位ラインの、他の配置形態を説明するための模式図(平面図)。 本発明のインクジェット記録ヘッドの、MOSトランジスタの配線の接続形態を説明するための模式図(平面図)。
符号の説明
1 基板
2 ヒータが配置されている領域
3 MOSトランジスタが配置されている領域
4 論理回路や昇圧回路が配置されている領域
5 論理回路や入力回路が配置されている領域
6 パッド
7 インク供給口
8 ヒータ
9 流路
10 ノズル
11 ノズル材
12 インクタンク
13 泡
14 液滴
15 MOSトランジスタ
16 第1の電源ライン
17 第1の接地電位ライン
18 昇圧回路
19 第2の電源ライン
20 第2の接地電位ライン
21 論理回路
22 スイッチ
23 第3の電源ライン
24 信号入力ライン
25 第2層のAL配線
26 スルーホール
27 スルーホール
28 コンタクトホール
29 ドレイン電極配線
30 ソース電極配線
31 ゲート
32 ドレインの一部を形成するN+領域
33 ドレインの一部を形成するN−領域
34 ソースを形成するN+領域
35 酸化膜
36 基板表面に設けられたP−領域
37 基板裏面に設けられたP+領域
38 P+領域
39 コンタクトホール
40 基板裏面に設けられた電極

Claims (5)

  1. インクを吐出するために利用される熱エネルギを発生するヒータと、前記ヒータに電力を供給するためのMOSトランジスタとを基板表面に有し、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであって、
    前記MOSトランジスタの少なくとも1つの端子に印加される電圧が、前記MOSトランジスタが配置されている基板の裏面に設けられた電極から、前記基板内に設けられた導電領域を介して前記MOSトランジスタに印加されることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記基板内に設けられた導電領域は、基板内に設けられた不純物濃度の高い領域であることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記MOSトランジスタの端子はソースであり、前記MOSトランジスタに印加される電圧は接地電位であることを特徴とする、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. インクを吐出するために利用される熱エネルギを発生するヒータと、前記ヒータに電力を供給するためのMOSトランジスタとを基板表面に有し、インクを吐出して記録を行なうインクジェット記録ヘッドであって、
    前記MOSトランジスタの少なくとも1つの端子に電圧を印加するための電極が、前記MOSトランジスタが配置されている基板の表面に設けられていないことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記MOSトランジスタの端子はソースであり、前記MOSトランジスタが配置されている基板の表面に設けられていない電極は、接地電位を印加するための電極であることを特徴とする、請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
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