JP2008040261A - 光反射回路 - Google Patents

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Hiroshi Terui
博 照井
Yasuji Omori
保治 大森
Keizo Shudo
啓三 首藤
Kazuo Matsunaga
和夫 松永
Ikuo Ogawa
育生 小川
Yasushi Yamazaki
裕史 山崎
Atsushi Abe
淳 阿部
Akemasa Kaneko
明正 金子
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Abstract

【課題】本発明は、対向ミラー構成を必要としないことにより、斜め蒸着プロセスを2回行うことなく、且つ、LDやPDのモジュールサイズに合わせて不必要に回路長を長くすることがなく、且つ、電子回路のノイズ対策の点で実装性に優れた光反射回路を安価に提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る光反射回路は、光反射回路の上部溝に設置されたミラーを透明体の斜面に形成されている反射膜とし、当該反射膜の直下に位置する基板を透明とするか、又は下部溝を設けることで、光反射回路の下面からも導波光を入出射できるようにしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信や光情報処理の分野で用いられる光回路の内で、特に光導波路のコアを伝播する光信号を回路面に垂直に取り出したり逆に回路面に垂直な伝搬方向の光をコア内に導入したりする垂直光路変換ミラーを備える光反射回路に関する。
従来の光反射回路は、図14に示すような断面のものであった(例えば、特許文献1参照。)。基板81上に形成された光反射回路中の左側コア82の端部に矩形断面の溝83が設けられている。この溝83に現れているコア端対向部には、液状硬化樹脂で成る透明体84が設置されており、その表面には反射膜85がコーティングされている。さらに反射膜85への塵埃の混入を防止するために、溝83に現れているコア82の端と反射膜85の間は保護樹脂86で埋められている。さらに、保護樹脂86の上に透明保護板87が被せられている。このような構造でコア82と図14の上方との垂直光路変換機能が実現されていた。
これをデバイスに適用した従来例が図15、図16である。ここでは光アクセスシステムに適用されるトライプレクサの例を述べる。トライプレクサは、光加入者システムの光電変換端末として用いられる。トライプレクサは、図16に示すように、1.3μm発光LD16が波長1.3μmの光を発光し、1.49μm受光PD18又は1.55μm受光PD17が光を受光する機能を有する。この場合、光反射回路は、図15に示すような回路構成となっている。すなわち光反射回路はマッハツェンダー型1.3/1.49、1.55μm波長分離回路88と、波長分離回路88の長波長側に接続されたフィルタ挿入型1.49/1.55μm波長分離回路89とから成っている。
LD(半導体レーザ)からの1.3μm光は、右側45°のミラー11bに垂直に入射し、光反射回路中を右方へ伝搬して出力光となる。一方右端の入出力端から入射した1.49、1.55μm光は光分離回路88を通過して回路左側のフィルタ挿入型1.49/1.55μm光分離回路89に入射する。1.49μm光は光分離回路89で透過され、回路の左端から出射される。一方1.55μm光は光分離回路89で反射され、左側45°ミラー11aから回路に垂直に上方に出射される。この回路に受発光素子であるLDやPD(フォトダイオード)を実装した形態が図16である。
特許3405065号公報
さて、このような従来型のトライプレクサでは以下のような問題があった。まず、ミラー11aとミラー11bの向きが互いに反対向きであることである。ミラー11aとミラー11bの反射膜(図14の符号85)は特許3405065号に示す斜め蒸着法による液状硬化樹脂の濡れ性制御によって形成されるが、斜め蒸着プロセスを2回行う必要があり手間がかかる点である。もう一つの問題は、図16をみれば判るように、1.3μm発光LD16と1.55μm受光PD17のモジュールサイズに合わせて回路長を長くする必要がある点である。この二つの問題点によって光反射回路の価格が高くなってしまうという問題があった。
さらに、1.3μm発光LD16と1.55μm受光PD17を並べて配置する構成となっているため、これらに直近して配置する必要がある駆動電子回路12が隣接してしまい、高速、広ダイナミックレンジ光バースト伝送のような高い機能が要求される際に、駆動電子回路12の間に十分な電気的アイソレーションが確保できないという問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みて、対向ミラー構成を必要とせず、且つ、電子回路のノイズ対策の点で実装性に優れた光反射回路を安価に提供することを目的とする。
上記目的を実現するため、本発明に係る光反射回路は、光反射回路の上部に反射させるミラーを透明体の斜面に形成されている反射膜とし、当該反射膜の直下に位置する基板を透明とするか、又は基板を貫通する溝を設けることで、光反射回路の下面からも導波光を入出射できるようにしたことを特徴とする。
具体的には、本発明に係る光反射回路は、透明な基板と、前記基板の上面に順に積層された下部クラッド層及び上部クラッド層と、前記下部クラッド層と前記上部クラッド層とで挟まれ、導波光を伝搬するコアと、前記上部クラッド層の上面から前記下部クラッド層に達する深さを有し、前記コアに交差する位置に設置されている上部溝と、前記上部溝に現れる2つの前記コアの端部の間に配置され、前記一方のコアの端部から出射される導波光を前記上部溝の上方に反射し、前記他方のコアの端部から出射される導波光を前記基板に向けて反射する反射膜と、を備えることを特徴とする。
反射膜が上部溝及び透明基板に導波光を反射するので、光反射回路の上下両面に受光素子を設置することが可能となる。これにより光反射回路の回路面積が半分にでき、小型化できる。また、受光素子と発光素子を基板の反射側に設置できるため、駆動電子回路のノイズを減少させることができる。
また、本発明に係る光反射回路は、基板と、前記基板の上面に順に積層された下部クラッド層及び上部クラッド層と、前記下部クラッド層と前記上部クラッド層とで挟まれ、導波光を伝搬するコアと、前記上部クラッド層の上面から前記下部クラッド層に達する深さを有し、前記コアに交差する位置に設置されている上部溝と、前記上部溝の直下の前記基板を前記基板の下面から貫通し、前記下部クラッド層に設置されている前記上部溝の手前までに達する深さを有する下部溝と、前記上部溝に現れる2つの前記コアの端部の間に配置され、前記一方のコアの端部から出射される導波光を前記上部溝の上方に反射し、前記他方のコアの端部から出射される導波光を前記下部溝に向けて反射する反射膜と、を備えることを特徴とする。
反射膜が上部溝及び下部溝に導波光を反射するので、光反射回路の上下両面に受光素子を設置することが可能となる。ここで、基板を貫通する下部溝を設けているので、透明でない基板や高屈折率の基板を用いる場合であっても、光反射回路の回路面積が半分にでき、小型化できる。また、受光素子と発光素子を基板の反射側に設置できるため、駆動電子回路のノイズを減少させることができる。
また、本発明に係る光反射回路では、前記上部溝は、前記コアの光軸と直交する上部側面を有し、前記上部側面に、前記上部側面に対して45°傾斜している45°斜面を有し、かつ、前記上部溝の底面及び前記上部側面と密着する透明体が設けられており、前記反射膜は、前記透明体の前記45°斜面の表面に形成されていることが好ましい。本発明により、45°斜面を有する透明体をさらに備えることで、反射膜の実装を容易にすることができる。光軸合わせをするための遊び部分が必要なくなるので、光反射回路の面積をさらに小さくすることができる。
また、本発明に係る光反射回路では、前記透明体は、前記導波光に対して透明なエポキシ樹脂からなることが好ましい。透明体が液状硬化樹脂であるエポキシ樹脂からなることで、濡れ性制御によって45°斜面を形成することができる。
また、本発明に係る光反射回路では、前記下部溝を満たす透明充填材と、前記透明充填材によって前記下部溝の下部に固定されている球レンズと、をさらに備え、前記基板は、(100)シリコン単結晶基板であり、前記下部溝に、<110>方向及びそれと等価な方向を辺とする正方形開口と、(111)面を側壁とする位置合わせ用V溝とが設けられており、前記球レンズは、前記V溝に嵌合設置されていることが好ましい。光反射回路が球レンズをさらに備えることで、平行光となった導波光を、基板の下から出射することができる。また、球レンズをさらに備えることで、基板の下から球レンズに入射した平行光を、コアの端面に集光することができる。さらに、(100)シリコン単結晶基板を採用し、さらに(111)面を側壁とするV溝を基板に設けることで、V溝を出射光軸に合わせ込まれた正方形開口とすれば、球レンズをV溝に嵌合設置することで、球レンズを無調整で実装することができる。
本発明によれば、光反射回路のミラー直下の基板が透明であるか、又は、光反射回路のミラー直下の基板を貫通させた下部溝を設けることで、光反射回路のミラー直下の基板の下面からも導波光を入出射できるようにしたので、光反射回路の上下両面に受光素子を設置することが可能となる。これにより光反射回路の回路面積が半分にでき、小型化できる。また、受光素子と発光素子を基板の反射側に設置できるため、駆動電子回路のノイズを減少させることができる。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
図1は、第一の実施形態の光反射回路の断面図である。図1に示す光反射回路91は、透明な基板1’上に、下部クラッド層21と、コア2と、上部クラッド層22とが順に積層されて形成された光回路に、コア2を切ってコア2a、2bとなるように矩形断面の上部溝3が設けられている。上部溝3は、上部クラッド層22の上面から下部クラッド層21に達する深さを有し、コア2aとコア2bをつなぐ直線に交差する位置に設置されている。ここで、上面は光反射回路91の上方向に配置されている面であり、下面は光反射回路91の下方向に配置されている面である。光反射回路91の上下方向は、基板1’に対して下部クラッド層21の配置されている方向が上方向であり、下部クラッド層21に対して基板1’の配置されている方向が下方向である。この上部溝3によって現れる2箇所のコア2a、2bの端部のうち、コア2bの端部の現れている上部側面23と上部溝の底面24とで構成されるコーナー部に透明な物質で成る透明体4が設置されている。透明体4は、コア2aとコア2bをつなぐ直線に対して45°傾斜している45°斜面を有し、45°斜面の表面には反射膜5がコーティングされている。さらに反射膜5への塵埃の混入を防止するために、コア2aの端と反射膜5の間は透明樹脂6で埋められた上に透明な透明保護板7が被せられている。反射膜5の一方の面は、一方のコア2aの端部から出射される導波光を上部溝3の上方に反射する。また、反射膜5の他方の面は、他方のコア2bの端部から出射される導波光を基板1’に向けて反射する。
図14に示す従来例と異なるのは、反射膜5のコーティングされている45°斜面を形成している透明体4がコア2bにて伝搬される導波光に対して透明であることと、基板1’もコア2bにて伝搬される導波光に対して透明であることである。このようにすれば、コア2aとの垂直光入出力は従来通り図の垂直上方と結合するが、これに加えて、コア2bとの垂直光入出力機能が基板1’の下面側とで実現され、この2つの機能が一つの反射膜5で可能になる。
さらに、上部側面23は、コア2bの光導波路と直交していることが好ましい。この場合、透明体4は、上部溝3の底面24及び上部側面23と密着しており、上部側面23に対して45°傾斜している45°斜面の表面に反射膜5が形成されていることが好ましい。上部側面23がコア2bの光導波路と直交しており、さらに透明体4が45°斜面を有するので、透明体4を上部側面23に密着させればコア2aとコア2bを結ぶ直線に対して45°傾斜している反射面を容易に形成することができる。これにより、反射膜5の実装が容易になる。また、光軸調整用の遊びを小さくできるので、光反射回路91の面積をさらに小さくすることができる。
図2は、第二の実施形態の光反射回路の断面図である。基板1が不透明な場合や、シリコンなどの高屈折率材料であって、基板1側に出射する際に光反射回路92の下部クラッド層21と基板1表面との境界面での反射が大きい場合には、基板1側出射部に部分的に入出射用の下部溝13を設け、ここに塵埃等の混入を防止するため、コア2a、2bと近い屈折率の透明充填材14を埋めれば、図1と同等の機能が得られる。ここで、上部溝3は、上部クラッド層22の上面から下部クラッド層21に達する深さを有し、コア2と交差する位置に設置されている。また、下部溝13は、上部溝3の直下の基板1を基板1の下面から貫通し、下部クラッド層21に設置されている上部溝3の手前までに達する深さを有する。下部溝13は、後述の実施例で述べるように、穴のあけ代の余裕をみてあらかじめ所望の厚みだけ下部クラッド層21及び基板1に下面側からサンドブラスト法やダイヤモンドドリルで穴あけ作業を行えば形成可能である。
図3は第三の実施形態の光反射回路の断面図である。基板1には(100)シリコン単結晶基板を想定している,コア2bから基板1の下面側への垂直出射光の光軸にほぼ一致するように、下部溝13が設置されている。下部溝13は、基板下面の表面から光反射回路の下部クラッド層21の界面まで達しており、しかも図3に示すように、下部溝13の開口径は2段構造となっている。基板1の下面の表面側から見て1段目は、あらかじめ入出射光の光軸に一致するように合わせ込まれた正方形開口の位置あわせ用V溝31となっており、V溝31の側壁によって球レンズ15が位置決め保持されている。それより上方の2段目は、V溝31より小さい半径の下部クラッド層21まで達する穴で反射膜5からの反射光を導入するためのものである。下部溝13とV溝31は透明充填材14で満たされており、球レンズ15は透明充填材14でV溝31に固定されている。すなわち、球レンズ15は、透明充填材14によって下部溝13の下部のV溝31に嵌合設置されている。このようにあらかじめ基板1側出射光軸に合わせ込まれた正方形開口のV溝31と球レンズ15を用いれば、球レンズ15の実装時には無調整で基板1側への出射光を平行光束として取り出して共焦点系を構成したり、出射光をPDの受光面に集光したりすることが可能である。
今、共焦点系を組むために、コア2bから出射した導波光が平行ビームとなって基板下面側に出射する条件を考える。そのためには、コア2bの端部が球レンズ15の焦点となるようにすればよい。焦点距離fは、外界、球レンズ15、および透明充填材14の屈折率をn、n、およびnとし、球レンズ15の半径をr、とすると次の(1)式で与えられる。
Figure 2008040261
ここで、球レンズ15のパラメータとV溝31の形状との関係について図4、図5によって説明する。反射膜5は45°斜面に形成されているので45°反射であり、焦点距離fは、図4及び図5において球レンズ15の中心から光反射回路の上部クラッド層の表面までの距離となればよいので、コア2の厚み、シリコン基板1の厚み、およびV溝31の角度をそれぞれt、T、およびθとすると、次の(2)式が成り立つ必要がある。
Figure 2008040261
ここでdは球レンズ15とV溝31の接触点の基板1下面の表面からの距離であり、正方形開口の開口長をaとすると、次の(3)式で与えられる。
Figure 2008040261
下部溝13の2段目は、図4に示すように基板1の下面の表面から距離dより深いところから開いていれば球レンズ15はV溝31で支えられることになる。よって、図5に示すように2段目の穴の半径bは、次の(4)式を満たせば必要なV溝領域を壊さずに空けることができる。
Figure 2008040261
球レンズ15は方向性が無く、その中心が光軸に合ってさえいればよいので、実装の際も転がしてV溝31にはめこむだけでよく、簡便である。性能の面では、球レンズ15は収差が残る問題があるが、これは球対称な屈折率分布型のレンズであるGRIN球レンズを使用すれば解決される(例えば、「高分子」、40巻、1991年10月号、p.690参照)。
上記の図1、図2、図3に示す透明体4は、液状硬化樹脂を用いれば、特許3405065にある斜め蒸着法を用いた樹脂の濡れ性制御によって実現できる。導波光の波長域として光通信に用いられる近赤外領域である波長1.28〜1.65μmを想定した場合、この波長域で透明なエポキシ樹脂を選択して用いればよい。
さて、以上説明したように、本実施形態に係る光反射回路91、92、93は、基板下面側から光の入出射が可能になるので、図6に示す回路構成が可能となる。図6は、本実施形態に係る光反射回路92を適用した3波WDM光反射回路の一例であり、図6(A)は断面構造の模式図を示し、図6(B)は上面構造の模式図を示す。図15に示す従来例と比較すると明らかなように、図6では図15で示すミラー11aが1個だけでよいことになる。1個のミラー11aに、波長分離回路9からの1.55μm光を上方から取り出し、一方1.3μm光は同じミラー11aの基板1下面から入射させればよい。
ここで、図1、図2、図3では、反射膜5がコア2a、2bの光軸に対して45°に傾斜している例を示したが、光反射回路91、92、93の上下両面に反射できれば、45°からずれていてもよい。例えば、図1に示す基板1’の下に1.3μm発光LDを配置し、当該1.3μm発光LDの出射した1.3μm光を、基板1’を介して反射膜5へ入射させる場合、図1に示す反射膜5の傾斜が45°からずれていることで、1.3μm発光LDから出射された1.3μm光が基板1’の下面に対して垂直入射でなくなる。このため、1.3μm発光LDからの出射光が基板1’の下面で反射されて1.3μm発光LDへ戻ることを防止することができる。
以上のように、光反射回路92を使用すれば前述の図15、図16で説明したトライプレクサは図7や図8に示す構成となる。1.3μm発光LD16と1.55μm受光PD17を二つ並べるために要するPLCの長さは考慮する必要は無くなり、PLCチップサイズは現実には半分以下となる。また、LDとPDは対向させて配置できるため、駆動電子回路12のノイズ問題も大幅に緩和される。
次に本実施形態の構造を実際に実現した光反射回路91、92、93の実施例について述べる。まず、複数列ある実施例に共通する部分を述べる。ここでは本発明を適用した光反射回路として、基板1又は基板1’上にSiOを主成分とするガラスから成る石英系光導波回路を火炎直接堆積法、及びドライエッチング法にて形成したものを用いた。コア−クラッド間の比屈折率差は0.5%、下部クラッド層21の厚みは20μm以上、コア2は7μm角、上下両クラッド層を含む全厚みは40μm以上である。この光反射回路に、コア2を直角に切ってコア2aとコア2bとなるように幅60μmの矩形断面の上部溝3をドライエッチング法で形成した。
この上部溝3によって現れる2箇所の光導波路端であるコア2a、コア2bの端部のうち、コア2bの端を含む上部側面23と底面24とでなるコーナー部に特願平8−134585「光導波回路及びその製造方法」に記述してあるように、エポキシ樹脂の濡れ性制御によって液状硬化樹脂であるエポキシ樹脂によって透明体4を形成し、しかる後に金蒸着膜を0.2μmの厚みに付着、パターン化して反射膜5を形成した。次に、透明UV硬化樹脂を、上部溝3を埋める透明樹脂6および光反射回路上部に張る透明保護板7の接着剤として用いて本発明の光反射回路を形成した。透明保護板7としては、厚み0.2mmの両面研磨BK7ガラスを用いた。
本実施例は図1に示す光反射回路91に関するものである。透明基板1’として厚み1mmの両面研磨石英板を用いた。また透明体4を形成するためには無着色、無充填の光学用透明エポキシ樹脂を用いた。かような光反射回路91のコア2a、2bに波長1.55μmの同一強度の光をコア2aの端部とコア2bの端部から入射させ、上部溝3からの上方出射光強度P(2)と透明基板1’側出射光強度P(2’)の比P(2’)/P(2)を測定したところ、−0.1dB以下であり、従来の上方出射と比較して同等の基板側出射機能が得られた。
本実施例は図2に示す光反射回路92に関するものである。基板1として厚み1mmの片面研磨(100)シリコン単結晶基板を用いた。まずこの基板1の研磨側に20μmの厚みに下部クラッド層21を火炎直接堆積法で形成した。次に基板1の下面側にサンドブラスト法によって以下の手順で下部溝13を形成した。まず基板1の下面側に厚み100μmのドライフィルムレジストを貼り付け、ホトプロセスでレジストをパターン化して、下部溝13を空けるべき所定の位置のレジストを500μmφの開口で除去した。その際、後に反対側に光導波路をパターン化する時のために、ウェーハの端にマーカーも形成しておいた。
次に粒径10μmのシリコンカーバイト粉末を砥粒として、スリット型ノズルを用い、基板1の下面全体をスキャンして穴明け作業を行った。作業は2段階で行い、まず2気圧の噴射圧で10μm/分の掘削速度で95分間、0.95mmまで掘り進んだ後、噴射圧を0.5気圧に下げて掘削速度を2.5μm/分に落として20分間堀り進んだ。かようにして得られた下部溝13の形状は基板1の下面表面側で520μmφ、基板1と下部クラッド層21との界面で100μmφのすり鉢型であった。基板1と下部クラッド層21との界面から下部クラッド層21側へのオーバーエッチング量は5μm以下であった。
次にレジストを所定の手順で除去してからこれを70℃の5%水酸化カリウム液に1分間浸漬して掘削穴内のシリコン残滓を除去洗浄した。最後に下部溝13を透明なUV硬化樹脂で埋めて透明充填材14として図2に示す形態を実現した。
かような光反射回路のコア2a、2bに波長1.55μmの同一強度の光をコア2aの端部とコア2bの端部から入射させ、上方出射光強度P(2)と基板側出射光強度P(2’)の比P(2’)/P(2)を測定したところ、前記実施例1と同様に−0.1dB以下であり、従来の上方出射と比較して同等の基板側出射機能が得られた。
本実施例は図3、図4、図5に示す光反射回路93についてのものであり、球レンズ15を用いてコア2bとの間に平行光ビームの垂直入出射を可能にする実際例を明らかにする。まず想定波長であるが、ここでは光通信で多用される1.55μmとした。この波長において、図3に示す外界、球レンズ15、及び透明充填材14の屈折率はそれぞれn=1.00、n=1.50、n=1.50とした。屈折率nはBK7ガラス、nは汎用アクリル系透明UV硬化樹脂の値である。基板1には厚み1mmの(100)シリコン単結晶基板を使用した。そのため、焦点距離も1mmとした。これらの諸数値を前述の(1)式に代入すると基板1の下面表面から球レンズ15とV溝側壁の接触点までの距離dは0.329mmとなる。すると(3)式より正方形開口の開口長aは1.282mmとなる。以上の前検討に基づき、図9、図10、図11、図12、図13に示す工程で図3に示すような球レンズ付光反射回路93を作製した。
図9に示す第1工程では、まず厚さ1.04mmの両面研磨で0.02mmの両面熱酸化膜付の(100)シリコン単結晶基板を用いた。シリコン部分の厚みは丁度1mmとなる。これの下面の所定の位置にホトリソ工程で熱酸化膜をエッチングして、<110>方向を辺とする開口長1.282mmの正方形開口をあけてV溝31を形成した。次にこれを72℃の20%水酸化カリウム水溶液に6時間16分浸漬し、距離d=350μmの深さのV溝を形成した。
次に、図10に示す第2工程では、(4)式を満たす半径の値として、半径0.3mmのダイヤモンドドリルで中央部にV溝底から反対側の熱酸化膜の界面まで達する穴をあけた。その後、これを70℃の5%水酸化カリウム液に1分間浸漬して掘削穴内のシリコン残滓を除去洗浄した。
次に、図11に示す第3工程では、(100)シリコン単結晶基板1の上面側に前述した工程で石英系光反射回路を形成した。その際、下面の下部溝13と光反射回路のパターン合わせには両面アライナを用いた。光反射回路の総厚みはあらかじめ付いていた熱酸化膜の厚みも含めて40μmとした。次に、図12に示す第4工程では、上部溝3に透明エポキシ樹脂で透明体4とその表面に反射膜5を形成した。
次に、図13に示す第5工程では、透明樹脂6として透明UV硬化樹脂を用いて上部溝3を埋めた上に透明保護板7として厚み0.2mmのBK7ガラスを貼り付けた。最後に下面の下部溝13に透明充填材14としての透明UV硬化樹脂を流し込んでから、無調芯で半径0.5mmのBK7球レンズ15をはめ込み、固定した。
かような光反射回路93のコア2a、2bに波長1.55μmの同一強度の光25をコアの端部から入射させ、上方出射光強度P(2)と基板側出射光強度P(2’)の比P(2’)/P(2)を測定したところ、前記実施例1及び実施例2と同様に−0.1dB以下であり、従来の上方出射と比較して同等の基板1側出射機能が得られた。また下面出射光は、基板1の下面表面から10mmの距離までビーム径200μmの平行光束として出射しており、レンズ効果も確認された。
以上述べたように、本発明によれば、以下のような効果が期待できる。まず、従来の上方垂直入出射に加えて、下面側入出射機能が加わるため、回路レイアウトを工夫すれば光反射回路に従来の2倍の機能を盛り込める。これはすなわち回路面積の縮小とコストダウンにつながることは明らかである。
また、電子回路との実装性も格段に向上する。例えば前記したトライプレクサに本発明を適用した場合、図7に示すような実装レイアウトが可能となる。1個のLDと2個のPDをその駆動電子回路12とともに実装しようとする場合、本発明を適用すれば光反射回路を挟んだ完全直交配置となり、相互の電子回路のアイソレーションを確保する上で理想的な配置が実現できる。これは、ますます高性能化する高速、広ダイナミックレンジ光バースト信号送受信端末を実現する上での必須なものである。さらに、図8に示すように、高精度位置決め固定が要求されるLDと光導波路の結合において、共焦点系が構成できる点である。しかも球レンズ15と光導波路の位置合わせは、ホトリソプロセスでのマスク合わせで実現されて、実装時には何らの位置あわせ作業が要らないため、極めて量産性に優れている。
本発明は低価格、高機能な通信用光デバイス開発に資する。
第一の本実施形態の光反射回路の断面図である。 第二の本実施形態の光反射回路の断面図である。 第三の本実施形態の光反射回路の断面図である。 第三の本実施形態の光反射回路の断面構造を示す説明図である。 第三の本実施形態の光反射回路の基板下面の構造を示す説明図である。 本実施形態に係る光反射回路を適用した3波WDM光反射回路の一例であり、図6(A)は断面構造の模式図を示し、図6(B)は上面構造の模式図を示す。 第一の本実施形態の光反射回路を適用したトライプレクサの構成図である。 第三の本実施形態の光反射回路を適用したトライプレクサの構成図である。 第三の本実施形態の光反射回路の作製の第1工程を示す説明図であり、図9(A)は断面構造を示し、図9(B)は下面構造の模式図を示す。 第三の本実施形態の光反射回路の作製の第2工程を示す説明図であり、図10(A)は断面構造を示し、図10(B)は下面構造の模式図を示す。 第三の本実施形態の光反射回路の作製の第3工程を示す説明図であり、図11(A)は断面構造を示し、図11(B)は下面構造の模式図を示す。 第三の本実施形態の光反射回路の作製の第4工程を示す説明図であり、図12(A)は断面構造を示し、図12(B)は下面構造の模式図を示す。 第三の本実施形態の光反射回路の作製の第5工程を示す説明図であり、図13(A)は断面構造を示し、図13(B)は下面構造の模式図を示す。 従来の光反射回路の断面図である。 従来の3波WDM光反射回路の一例であり、図15(A)は断面構造の模式図を示し、図15(B)は上面構造の模式図を示す。 従来の光反射回路を適用したトライプレクサの構成図である。
符号の説明
1 基板
1’ 透明な基板
2、2a、2b コア
3 上部溝
4 透明体
5 反射膜
6 透明樹脂
7 透明保護板
9 波長分離回路
11a、11b ミラー
12 駆動電子回路
13 下部溝
14 透明充填材
15 球レンズ
16 1.3μm発光LD
17 1.55μm受光PD
18 1.49μm受光PD
21 下部クラッド層
22 上部クラッド層
23 上部溝の上部側面
24 上部溝の底面
25 光
31 V溝
81 基板
82 コア
83 溝
84 透明体
85 反射膜
86 保護樹脂
87 透明保護板
88 マッハツェンダー型1.3/1.49、1.55μm波長分離回路
89 フィルタ挿入型1.49/1.55μm波長分離回路
91、92、93 光反射回路

Claims (5)

  1. 透明な基板と、
    前記基板の上面に順に積層された下部クラッド層及び上部クラッド層と、
    前記下部クラッド層と前記上部クラッド層とで挟まれ、導波光を伝搬するコアと、
    前記上部クラッド層の上面から前記下部クラッド層に達する深さを有し、前記コアに交差する位置に設置されている上部溝と、
    前記上部溝に現れる2つの前記コアの端部の間に配置され、前記一方のコアの端部から出射される導波光を前記上部溝の上方に反射し、前記他方のコアの端部から出射される導波光を前記基板に向けて反射する反射膜と、を備えることを特徴とする光反射回路。
  2. 基板と、
    前記基板の上面に順に積層された下部クラッド層及び上部クラッド層と、
    前記下部クラッド層と前記上部クラッド層とで挟まれ、導波光を伝搬するコアと、
    前記上部クラッド層の上面から前記下部クラッド層に達する深さを有し、前記コアに交差する位置に設置されている上部溝と、
    前記上部溝の直下の前記基板を前記基板の下面から貫通し、前記下部クラッド層に設置されている前記上部溝の手前までに達する深さを有する下部溝と、
    前記上部溝に現れる2つの前記コアの端部の間に配置され、前記一方のコアの端部から出射される導波光を前記上部溝の上方に反射し、前記他方のコアの端部から出射される導波光を前記下部溝に向けて反射する反射膜と、を備えることを特徴とする光反射回路。
  3. 前記上部溝は、前記コアの光軸と直交する上部側面を有し、
    前記上部側面に、前記上部側面に対して45°傾斜している45°斜面を有し、かつ、前記上部溝の底面及び前記上部側面と密着する透明体が設けられており、
    前記反射膜は、前記透明体の前記45°斜面の表面に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射回路。
  4. 前記透明体は、前記導波光に対して透明なエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項3に記載の光反射回路。
  5. 前記下部溝を満たす透明充填材と、
    前記透明充填材によって前記下部溝の下部に固定されている球レンズと、をさらに備え、
    前記基板は、(100)シリコン単結晶基板であり、
    前記下部溝に、<110>方向及びそれと等価な方向を辺とする正方形開口と、(111)面を側壁とする位置合わせ用V溝とが設けられており、
    前記球レンズは、前記V溝に嵌合設置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光反射回路。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012078527A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Sumitomo Bakelite Co Ltd 光導波路モジュールおよび電子機器
WO2021149589A1 (ja) * 2020-01-20 2021-07-29 株式会社中原光電子研究所 光部品

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