JP2008039604A - デジタル式変位測定器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンコーダ30の構成要素とは別に、かつ本体10側に設けられた第1係止部41と、スピンドル20に同期して移動され第1係止部41に当接される第2係止部42とを含み、両係止部41、42が当接したときにスピンドル20の進退を規制するオーバーストローク防止機構40を有することを特徴とするデジタル式変位測定器。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2のように、係合キーとキー溝との係合に与圧力が用いられている場合、係合キーがストッパを乗り越えてしまうため、スピンドルのオーバーストロークを防止することができない。
オーバーストローク防止機構を構成する第1係止部および第2係止部が、エンコーダ構成要素とは別に設けられているので、スピンドルを急激に、または過剰な力で後退させた場合においても、係合キーが、破損またはせん断されるおそれがなく、また、係合キーとキー溝との係合に与圧力が用いられている場合においても、係合キーがストッパを乗り越えることがない。
したがって、係合キーとキー溝との係合手段にかかわらず、スピンドルのオーバーストロークを防止でき、スピンドルが急激に、または過剰な力で後退されても、構成要素を破損させることがなく、測定誤差を防止することができる。
なお、ストップリングを構成する円筒径が拡縮可能な部材としては、金属や樹脂などの弾性部材が挙げられるが、特に金属が好ましい。
このような構成によれば、ストップリングは、円筒の一部に切欠きを有するC字形状であるから、ストップリングの円筒径が容易に拡縮可能で、第2係止部を構成するストップリングとして好適に使用することができる。
本発明によれば、第1係止部は、内筒に設けられた段差部であり、第2係止部は、スピンドルの外周面に設けられスピンドルの外周面から突出する突起部であるので、第1係止部と第2係止部とが当接したときに、スピンドルの進退が規制され、スピンドルのオーバーストロークを防止することができる。
このような構成によれば、突起部が、スピンドルの外周面に設けられた突起部材収納孔と、この突起部材収納孔に係合される突起部材とによって構成されるので、突起部の構成が単純であり、従来の構造のデジタル式変位測定器に突起部を付け加えることが容易である。また、内筒が、内筒の外周面から内周面まで貫通し、突起部材が通過可能な突起部材取付孔を有し、この突起部材取付孔を介して、突起部材が、突起部材収納孔に係合されるので、突起部材の突起部材収納孔への取り付けが容易である。
このような構成によれば、内筒が、内筒の外周面周方向に沿って突起部材取付孔を挟むように設けられた二つの防水リングと、内筒を覆うように設けられ二つの防水リングに当接する外筒とから構成される防水機構を有するので、内筒の内部と外部が遮断され、デジタル式変位測定器の防水性を向上することができる。また、突起部材取付孔から埃などの異物が入り込むことを防ぐことができる。
本発明によれば、第1係止部は、内筒の外周面に設けられ内筒の外周面から突出する突起部であり、第2係止部は、シンブルの内周面に形成されスピンドルの軸を中心とする円周状の段差部であるので、第1係止部と第2係止部とが当接したときに、スピンドルの進退が規制され、スピンドルのオーバーストロークを防止することができる。
[第1実施形態]
図1に、本発明の第1実施形態に係るデジタル式変位測定器であるデジタル式マイクロメータ1の部分断面図を示す。図1において、デジタル式マイクロメータ1は、略U字形の本体10と、この本体10に摺動自在に設けられたスピンドル20と、本体10の内部においてスピンドル20の変位量を検出するエンコーダ30と、スピンドル20のオーバーストロークを防止するオーバーストローク防止機構40と、測定値を表示するディスプレイ50とを有している。
ロータ31は、係合キー311を有するロータ支持部材312に支持されている。係合キー311は、ロータ支持部材312に設けられスピンドル20の軸方向に垂直なねじ孔313に螺合され、係合キー311の円錐形状の先端部が、スピンドル20のキー溝23に係合されている。これにより、ロータ31は、スピンドル20の軸方向への進退にかかわらず定位置に保持され、ステータ32との間隔が一定に保持されている。
第1係止部41は、スピンドル挿入孔130の雌ねじ部131の本体10内部側の端部130Aからなる。第2係止部42は、スピンドル20のねじ軸22の外周面周方向に沿って設けられたリング溝221と、このリング溝221に係合されるストップリング222とを有する。
両係止部41、42は、スピンドル20を後退させ続けたとき、係合キー311がキー溝23のアンビル10A側の端部にさしかかる手前で、互いに当接するように配置されている。
ストップリング222は、円筒の一部にスリット222Bを有するC字形状の金属部材で、円筒径が容易に拡縮可能である。ストップリング222は、外周面の一端面側に他端面に向かうに従って径が大きくなるテーパ部222Aを有し、ストップリング222の外径はスピンドル挿入孔130よりも大きく、ストップリング222のテーパ部222Aの最小外径はスピンドル挿入孔130よりも小さい。これにより、ストップリング222は、スピンドル挿入孔130の雌ねじ部131に対し、テーパ部222Aの径小側端面からは弾性変形により挿通可能であり、逆方向からは挿通不能に構成されている。ストップリング222は、テーパ部222Aをアンビル10A側に向けてリング溝221に係合されている。
(1)第1係止部41および第2係止部42が当接したときにスピンドル20の進退が規制されるので、キー溝23の末端の円弧状の底部に係合キー311の先端が食い込み、ロータ31とステータ32との間隔が変化することを防止することができ、測定誤差が回避できる。
(2)オーバーストローク防止機構40を構成する第1係止部41および第2係止部42が、エンコーダ30の構成要素とは別に設けられているので、スピンドル20を急激に、または過剰な力で後退させた場合においても、係合キー311が、破損またはせん断されるおそれがなく、また、係合キー311とキー溝23との係合に与圧力が用いられている場合においても、係合キー311がストッパを乗り越えることがない。
(3)第1係止部41と第2係止部42とは、円周面で当接するので、より確実にスピンドル20のオーバーストロークを防止することができる。
図4に、本発明の第2実施形態に係るデジタル式マイクロメータ1のスピンドル20周辺の部分断面図を、図5に、本発明の第2実施形態に係るデジタル式マイクロメータ1のオーバーストローク防止機構40の一部を切欠いた斜視図を示す。ここにおいて、本実施形態は、内筒13に突起部材取付孔135と防水機構60とが設けられている点と、オーバーストローク防止機構40の構成とが、前述の第1実施形態と異なる。その他の構成および作用は同一であるから、同一符号を付してそれらの説明を省略する。
突起部材取付孔135は、段差部13Aに隣接して設けられており、板状部材410の突起部材取付孔135に相当する部分にも、突起部材取付孔135と同じ形状の孔部410Aが設けられている。
防水機構60は、内筒13の外周面周方向に沿って突起部材取付孔135を挟むように設けられた二つの防水リング139と、内筒13を覆うように設けられ二つの防水リング139に当接する円筒状の外筒16とから構成される。二つの防水リング139は、ゴム製のOリングである。二つの防水リング139のうち一方は、内筒13の突起部材取付孔135よりアンビル10Aに近い部分に、外周面周方向に沿って設けられた第1防水リング溝137と係合されている。二つの防水リング139の他方は、テーパナット134の外周面周方向に沿って設けられた第2防水リング溝137と係合されている。
(6)突起部421が、スピンドル20の外周面に設けられた突起部材収納孔423と、この突起部材収納孔423に係合される突起部材422とによって構成されるので、突起部421の構成が単純であり、従来の構造のデジタル式マイクロメータ1に突起部421を付け加えることが容易である。また、内筒13が、内筒13の外周面から内周面まで貫通し、突起部材422が通過可能な突起部材取付孔135を有し、この突起部材取付孔135を介して、突起部材422が、突起部材収納孔423に係合されるので、突起部材422の突起部材収納孔423への取り付けが容易である。
図6に、本発明の第3実施形態に係るデジタル式マイクロメータ1のスピンドル20周辺の部分断面図を示す。ここにおいて、本実施形態は、シンブル14の構成と、オーバーストローク防止機構40の構成とが、前述の第1実施形態と異なる。その他の構成および作用は同一であるから、同一符号を付してそれらの説明を省略する。
第2円筒部材142のアンビル10A側の端部は、第1円筒部材141に係合される。他方の端部は、スピンドル20のねじ軸22の末端に固定されている。よって、シンブル14は、スピンドル20と同期して周方向に回転しつつ軸方向に移動する。
突起部411は、内筒13のテーパナット134の外周面に設けられ、スピンドル20の軸に垂直な円柱形状のキー穴413と、このキー穴413に係合される円柱形状の係止キー412とからなる。
第1円筒部材141に外筒16を挿通する。キー穴413に係止キー412を係合させる。スピンドル20を、ねじ軸22と第2円筒部材142とが固定された状態で、スピンドル挿入孔130のアンビル10Aと逆側の端部から挿入する。第1円筒部材141と、第2円筒部材142とを係合させる。
(8)第2係止部42が、シンブル14の内周面に形成された円周状の段差部141Aからなるので、係止キー412は、スピンドル20の軸方向の位置が一定であれば、テーパナット134の外周面周方向のどこに設けても、スピンドル20のオーバーストロークを防止することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれるものである。
たとえば、ストップリング222は、容易に弾性変形可能な軟質樹脂からなり、スリット222Bを備えない構成としてもよい。このような場合でも、ストップリング222は、容易に弾性変形可能な軟質樹脂からなるので、スピンドル挿入孔130に対し、テーパ部222A側からは弾性変形により挿通可能であり、逆方向からは挿通不能となる。
たとえば、スピンドル20の外周面周方向に設けられたリング溝と、このリング溝に係合するストップリングとから構成してもよい。このような場合でも、ストップリングが、段差部13Aに当接し、スピンドル20の摺動を規制することができる。
たとえば、テーパナット134の外周面周方向に設けられたリング溝と、このリング溝に係合するストップリングとから構成してもよい。このような場合でも、ストップリングが、段差部141Aに当接し、スピンドルの摺動を規制することができる。このとき、ストップリングの外周が段差部141Aと円周面で当接するので、係止キー412の一点が段差部141Aと当接する第3実施形態の構成よりも確実にスピンドル20の摺動を規制することができる。
このような場合でも、係合キー311は、板ばねの与圧力によってキー溝23に係合されており、ロータ31とステータ32との間隔を一定に保持しつつ、スピンドル20の回転をロータ31に伝達することができる。
10 本体
13 内筒
13A 段差部
14 シンブル
16 外筒
20 スピンドル
22 ねじ軸
23 キー溝
30 エンコーダ
31 ロータ
32 ステータ
40 オーバーストローク防止機構
41 第1係止部
42 第2係止部
60 防水機構
130 スピンドル挿入孔
130A 端部
131 雌ねじ部
135 突起部材取付孔
139 防水リング
141A 段差部
221 リング溝
222 ストップリング
222A テーパ部
222B スリット
311 係合キー
312 ロータ支持部材
410 板状部材
411 段差部
412 係止キー
413 キー穴
421 突起部
422 突起部材
423 突起部材収納孔
Claims (7)
- 本体と、この本体に摺動自在に設けられたスピンドルと、このスピンドルの変位量を検出するエンコーダとを備え、
前記エンコーダは、前記スピンドルの周方向に回転するロータと、このロータと所定間隔あけて対向し、前記本体に固定されているステータとを有し、
前記ロータは、前記スピンドルの外周面軸方向に形成されたキー溝に係合可能な係合キーを有するロータ支持部材に支持され、前記ステータとの間隔が一定に保持されているデジタル式変位測定器であって、
前記エンコーダ構成要素とは別に、かつ前記本体側に設けられた第1係止部と、前記スピンドルに同期して移動され前記第1係止部に当接される第2係止部とを含み、両係止部が当接したときに前記スピンドルの進退を規制するオーバーストローク防止機構を有することを特徴とするデジタル式変位測定器。 - 請求項1に記載のデジタル式変位測定器において、
前記本体は、前記スピンドルを貫通させるスピンドル挿入孔と、このスピンドル挿入孔の内面に形成され前記スピンドルの雄ねじ部が螺合する雌ねじ部とを有し、
前記第1係止部は、前記雌ねじ部の前記本体内部側の端部に設けられ、
前記第2係止部は、前記スピンドルの外周面周方向に沿って設けられたリング溝と、このリング溝に係合されるストップリングとを有し、
このストップリングは、略円筒状に形成され円筒径が拡縮可能な部材であり、外周面の少なくとも一端面側に他端面に向かうに従って径が大きくなるテーパ部を有し、前記雌ねじ部に対し、前記テーパ部の径小側端面からは弾性変形によって挿通可能で、逆側の端面からは挿通不能に構成されていることを特徴とするデジタル式変位測定器。 - 請求項2に記載のデジタル式変位測定器において、
前記ストップリングは、円筒の一部に切欠きを有するC字形状であることを特徴とするデジタル式変位測定器。 - 請求項1に記載のデジタル式変位測定器において、
前記本体は、前記スピンドルを覆うように設けられた内筒を有し、
前記第1係止部は、前記内筒に設けられた段差部であり、
前記第2係止部は、前記スピンドルの外周面に設けられ前記スピンドルの外周面から突出する突起部であることを特徴とするデジタル式変位測定器。 - 請求項4に記載のデジタル式変位測定器において、
前記突起部は、前記スピンドルの外周面に設けられた突起部材収納孔と、この突起部材収納孔に係合される突起部材とによって構成され、
前記内筒は、前記内筒の外周面から内周面まで貫通し、前記突起部材が通過可能な突起部材取付孔を有し、
この突起部材取付孔を介して、前記突起部材が、前記突起部材収納孔に係合されることを特徴とするデジタル式変位測定器。 - 請求項5に記載のデジタル式変位測定器において、
前記内筒に防水機構が設けられ、
この防水機構は、前記内筒の外周面周方向に沿って前記突起部材取付孔を挟むように設けられた二つの防水リングと、前記内筒を覆うように設けられ前記二つの防水リングに当接する外筒とを有することを特徴とするデジタル式変位測定器。 - 請求項1に記載のデジタル式変位測定器において、
前記本体は、前記スピンドルを覆うように設けられた内筒と、この内筒の外周面を覆うように設けられ前記スピンドルと同期して移動するシンブルとを有し、
前記第1係止部は、前記内筒の外周面に設けられ前記内筒の外周面から突出する突起部を含み、
前記第2係止部は、前記シンブルの内周面に形成され前記スピンドルの軸を中心とする円周状の段差部を含むことを特徴とするデジタル式変位測定器。
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JP2003202201A (ja) * | 2001-12-28 | 2003-07-18 | Mitsutoyo Corp | 測定器 |
JP2005227285A (ja) * | 2004-02-11 | 2005-08-25 | Carl Mahl Holding Gmbh | 間隔測定のための精密測定機器 |
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