JP2008039086A - ころおよびスラストころ軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受機能を向上することができるころを提供する。
【解決手段】ころ11の表面には、微小の凹形状のくぼみが設けられており、くぼみが設けられた表面のくぼみの平均面積は、30〜100μmの範囲内である。ころ11の外径面13に設けられたフルクラウニングは、第一のクラウニング14aと、第二のクラウニング14bと、第三のクラウニング14cとを含む。ころ11の転動軸心方向の長さがころ11の径方向の長さの2倍以下である場合には、ころ11の端面12aからころの転動軸心方向の長さの32%の位置における第一のクラウニング14aの曲率半径R1は、R551〜R1000であり、ころ11の端面12aからころの転動軸心方向の長さの23%の位置における第二のクラウニング14bの曲率半径R2は、R321〜R550であり、ころ11の端面12aからころの転動軸心方向の長さの15%の位置における第三のクラウニング14cの曲率半径R3は、R200〜R320である。
【選択図】図1

Description

この発明は、ころおよびスラストころ軸受に関するものである。
回転軸を支持するころ軸受において、スラスト荷重が負荷される場合には、スラストころ軸受が使用される。カーエアコン用コンプレッサやオートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション及びハイブリッド自動車等に使用されるスラストころ軸受は、近年の省燃費化や小型化、高出力化の要求により、高速回転、希薄潤滑環境等、過酷な使用環境下でも使用に耐えうる特性が要求される。過酷な使用環境に耐えうるスラストころ軸受が、特許3604458(特許文献1)や特許3661133(特許文献2)、特開平2−168021号公報(特許文献3)に開示されている。
特許3604458(段落番号0018、図3) 特許3661133(段落番号0020〜0021、図1、図2) 特開平2−168021号公報
特許文献1によると、スラストころ軸受は、ころおよびレース(軌道輪)を有する。ころの転動軸心方向の外周面には、曲率の異なる第一および第二のクラウニングが設けられている。こうすることにより、軌道輪の撓みに応じて、接触面圧を小さくし、過大負荷の発生を抑制して、軸受機能の安定化および寿命の向上を図っている。しかし、ころの径方向の長さところの転動軸心方向の長さとの関係が不明であり、ころのサイズに応じて、最適なクラウニングを形成することができない。
ここで、特許文献2に開示のスラスト針状ころ軸受に含まれるころは、ころの径方向の長さところの転動軸心方向の長さの比が1.2〜2.0であって、軌道面との接触長さがころの転動軸心方向の長さの3/4以下となるようにクラウニングが設けられている。こうすることにより、ころの姿勢を安定させ、寿命の向上等を図ることにしている。
しかし、ころに設けられるクラウニングは部分クラウニングであり、ころの転動軸心方向にクラウニングが設けられていない部分もある。そうすると、上記した過酷な使用環境下において、種々の不具合を生じるおそれがある。
また、特許文献3によると、ころの表面に表面処理を施し、表面粗さに関するパラメータを規定することにより、ころの耐摩耗性を向上させている。具体的には、ころの表面に、表面処理によって微小の凹形状のくぼみを設け、くぼみを設けた表面の回転方向の表面粗さパラメータRMS(L)と、これに直交する方向の表面粗さパラメータRMS(C)との比であるRMS(L)/RMS(C)の値を、1.0以上とし、かつ、表面粗さパラメータSk値を、−1.6以下と規定している。
ここで、表面粗さパラメータRMSとは、粗さ中心線から粗さ曲線までの高さの偏差の自乗を測定長さの区間で積分し、その区間で平均した値の平方根である。別名、自乗平均平方根粗さともいう(ISO4287:1997)。また、後述する表面粗さパラメータRqniと同義である。
また、表面粗さパラメータSk値とは、粗さ曲線の歪み度(スキューネス)を指し(ISO4287:1997)、凹凸分布の非対称性を知る目安の統計量であり、ガウス分布のような対称な分布ではSk値は0に近くなり、凹凸の凸部を削除した場合は負、逆の場合は正の値をとることになる。
このように表面粗さパラメータRMSの比等を規定することにより、相手面が粗面または仕上げられた面であっても、ころ等の耐摩耗性を向上させ、寿命を長くしている。
しかし、低粘度のオイルが使用される等、形成される油膜厚さが極端に薄くなる状況においては、耐摩耗性を十分に確保できず、このようなころを備えるころ軸受の長寿命化等を図ることができない。
この発明の目的は、軸受機能を向上することができるころを提供することである。
この発明の他の目的は、軸受機能を向上したスラストころ軸受を提供することである。
この発明に係るころは、外径面にフルクラウニングが設けられている。ころの表面には、微小の凹形状のくぼみが設けられており、くぼみが設けられた表面のくぼみの平均面積は、30〜100μmの範囲内である。フルクラウニングは、ころの転動軸心方向の中央に設けられる第一のクラウニングと、第一のクラウニングに連なるように第一のクラウニングの両端面側に設けられる第二のクラウニングと、第二のクラウニングに連なるように第二のクラウニングの両端面側に設けられる第三のクラウニングとを含む。ここで、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍以下である場合には、ころの両端面からころの転動軸心方向の長さの32%の位置における第一のクラウニングの曲率半径R1は、R551〜R1000であり、ころの両端面からころの転動軸心方向の長さの23%の位置における第二のクラウニングの曲率半径R2は、R321〜R550であり、ころの両端面からころの転動軸心方向の長さの15%の位置における第三のクラウニングの曲率半径R3は、R200〜R320である。また、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍よりも長く3倍未満である場合には、ころの両端面からころの転動軸心方向の長さの22%の位置における第一のクラウニングの曲率半径R4は、R561〜R670であり、ころの両端面からころの転動軸心方向の長さの16%の位置における第二のクラウニングの曲率半径R5は、R421〜R560であり、ころの両端面からころの転動軸心方向の長さの12%の位置における第三のクラウニングの曲率半径R6は、R310〜R420である。
このようなころは、サイズに応じて、負荷される荷重を適切に受けることができる。具体的には、ころの転動軸心方向の長さところの径方向の長さの比に応じて、比較的小さな荷重を受ける場合には、大きい曲率半径の第一のクラウニングで荷重を受けることができる。また、比較的大きな荷重や、軸受取付座面の撓みや傾きが小さい場合には、大きい曲率半径の第一のクラウニングおよびやや大きい曲率半径の第二のクラウニングで荷重を受けることができる。さらに大きな荷重や、軸受取付座面の撓みや傾きが大きい場合には、大きい曲率半径の第一のクラウニング、やや大きい曲率半径の第二のクラウニングおよび小さい曲率半径の第三のクラウニングで荷重を受けることができる。そうすると、様々な荷重負荷条件に対して、曲率半径の異なる各クラウニングで適切に荷重を受けることができる。
また、ころの表面に微小の凹形状のくぼみを設け、くぼみが設けられた表面の平均面積の値をこのように規定することによって、適切に油膜を形成することができる。
その結果、寿命や静粛性の向上、トルクの軽減等を図って、軸受機能を向上させることができる。
好ましくは、くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRymax(基準長毎最大高さの最大値)は、0.4〜1.0μmの範囲内である。表面粗さパラメータRymaxとは、基準長毎最大高さの最大値である(ISO4287:1997)。表面粗さパラメータRymaxをこのような範囲に規定することによっても、さらに適切に油膜を形成することができる。
さらに好ましくは、くぼみが設けられた表面の表面粗さを、表面粗さパラメータRqni(自乗平均平方根粗さ)で表した場合に、ころの転動軸心方向の表面粗さパラメータRqni(L)ところの周方向の表面粗さパラメータRqni(C)との比であるRqni(L)/Rqni(C)は、1.0以下である。表面粗さパラメータRqniの値についても、このような範囲に規定することにより、さらに適切に油膜を形成することができる。
さらに好ましくは、浸炭窒化処理が施されている。このように構成することにより、強度や靭性等を向上させることができる。
この発明の他の局面においては、スラストころ軸受は、上記したいずれかのころを備え、スラスト荷重を支持する。このようなスラストころ軸受は、寿命や静粛性の向上、トルクの軽減等を図ることができる。
このようなころは、サイズに応じて、負荷される荷重を適切に受けることができる。そうすると、様々な荷重負荷条件に対して、曲率半径の異なる各クラウニングで適切に荷重を受けることができる。また、ころの表面に微小の凹形状のくぼみを設け、くぼみの平均面積をこのように規定することによっても、適切に油膜を形成することができる。その結果、寿命や静粛性の向上、トルクの軽減を図ることができ、軸受機能を向上させることができる。
また、この発明に係るスラストころ軸受によれば、寿命や静粛性の向上を図ることができると共に、トルクの軽減も図ることができ、軸受機能を向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍以下であるころを、ころの転動軸心を含む平面で切断した場合のころの一部を示す断面図である。ころ11の転動軸心方向の長さLwは、ころ11の径方向の長さDwの2倍以下である。すなわち、Lw/Dw≦2の関係を有する。
図1を参照して、ころ11は、転動軸心方向の両端に位置する両端面12a、12bと、転動面となる外径面13を有する。ころ11の両端面12a、12bは、F端面、すなわち、平らな端面である。
外径面13には、フルクラウニングが設けられている。フルクラウニングとは、ころ11の面取り部を除いた転動軸心方向の全域に対して、クラウニングが設けられた形状をいう。フルクラウニングは、ころ11の転動軸心方向の中央に設けられる第一のクラウニング14aと、第一のクラウニング14aに連なるように第一のクラウニング14aの両端面12a、12b側に設けられる第二のクラウニング14bと、第二のクラウニング14bに連なるように第二のクラウニング14bの両端面12a、12b側に設けられる第三のクラウニング14cとを含む。すなわち、第一〜第三のクラウニング14a〜14cは、滑らかに連なるように設けられている。
ここで、ころの転動軸心方向の長さLwの32%を長さL1とすると、ころ11の一方の端面12aからL1の位置における第一のクラウニング14aの曲率半径R1は、R551〜R1000である。他方の端面12b側においても同じ構成である。すなわち、第一のクラウニング14aは、ころ11の両端面12a、12bからころの転動軸心方向の長さLwの32%の位置における曲率半径R1が、R551〜R1000となるように設けられている。
また、ころの転動軸心方向の長さLwの23%を長さL2とすると、ころ11の一方の端面12aからL2の位置における第二のクラウニング14bの曲率半径R2は、R321〜R550である。他方の端面12b側においても同じ構成である。すなわち、第二のクラウニング14bは、ころ11の両端面12a、12bからころの転動軸心方向の長さLwの23%の位置における曲率半径R2が、R321〜R550となるように設けられている。
また、ころの転動軸心方向の長さLwの15%を長さL3とすると、ころ11の一方の端面12aからL3の位置における第三のクラウニング14cの曲率半径R3は、R200〜R320である。他方の端面12b側においても同じ構成である。すなわち、第三のクラウニング14cは、ころ11の両端面12a、12bからころの転動軸心方向の長さLwの15%の位置における曲率半径R3が、R200〜R320となるように設けられている。
このように構成することにより、ころ11は、負荷される荷重を適切に受けることができる。具体的には、比較的小さな荷重を受ける場合には、大きい曲率半径R1の第一のクラウニング14aで荷重を受けることができる。また、比較的大きな荷重や、軸受取付座面の撓みや傾きが小さい場合には、大きい曲率半径R1の第一のクラウニング14aおよびやや大きい曲率半径R2の第二のクラウニング14bで荷重を受けることができる。さらに大きな荷重や、軸受取付座面の撓みや傾きが大きい場合には、大きい曲率半径R1の第一のクラウニング14a、やや大きい曲率半径R2の第二のクラウニング14bおよび小さい曲率半径R3の第三のクラウニング14cで荷重を受けることができる。そうすると、様々な荷重負荷条件に対して、曲率半径の異なる第一〜第三のクラウニング14a〜14cで適切に荷重を受けることができる。
ここで、一方の端面12aからころ11の外径面13の頂点15までのころ11の転動軸心方向の長さをaとし、他方の端面12bからころ11の外径面13の頂点15までのころ11の転動軸心方向の長さをbとすると、その長さの差|a−b|を、ころの転動軸心方向の長さLwの4%以下とする。こうすることにより、双方の端面12a、12b側に設けられた左右の第一、第二および第三のクラウニング14a、14b、14cに対し、ころ11に負荷された荷重をほぼ均等に分配して受けることができる。したがって、ころ11の挙動を安定させることができる。
また、第一、第二および第三のクラウニング14a〜14cが設けられた部分でのころ11の真円度を、それぞれ1.5μm以下とすることが好ましい。さらに、一方の端面12a側に設けられたクラウニングと、他方の端面12b側に設けられたクラウニングとのクラウニング量の差は、1μm以下とすることが好ましい。このように構成することにより、さらに軸受機能の向上を図ることができる。なお、クラウニング量とは、ころ11の外径面13の頂点15において、ころ11の転動軸心と平行に仮想の直線を引き、その仮想直線から上記した左右の第一〜第三のクラウニング14a〜14cまでのL1、L2、L3の位置におけるそれぞれの最短の長さをいう。
図2は、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍より長く3倍未満のころを、ころの転動軸心を含む平面で切断した場合のころの一部を示す断面図であり、図1に対応する。ころ16の転動軸心方向の長さLw’は、ころ16の径方向の長さDw’の2倍よりも長く3倍未満である。すなわち、2<Lw’/Dw’<3の関係を有する。
図2を参照して、上記したころ11と同様、ころ16の外径面18には、フルクラウニングが設けられている。フルクラウニングは、ころ16の転動軸心方向の中央に設けられる第一のクラウニング19aと、第一のクラウニング19aに連なるように第一のクラウニング19aの両端面17a、17b側に設けられる第二のクラウニング19bと、第二のクラウニング19bに連なるように第二のクラウニング19bの両端面17a、17b側に設けられる第三のクラウニング19cとを含む。第一〜第三のクラウニング19a〜19cは、滑らかに連なるように設けられている。
ここで、ころの転動軸心方向の長さLw’の22%を長さL4とすると、ころ16の一方の端面17aからL4の位置における第一のクラウニング19aの曲率半径R4は、R561〜R670である。他方の端面17b側においても同じ構成である。すなわち、第一のクラウニング19aは、ころ16の両端面17a、17bからころの転動軸心方向の長さLw’の22%の位置における曲率半径R4が、R561〜R670となるように設けられている。
また、ころの転動軸心方向の長さLw’の16%を長さL5とすると、ころ16の一方の端面17aからL5の位置における第二のクラウニング19bの曲率半径R5は、R421〜R560である。他方の端面17b側においても同じ構成である。すなわち、第二のクラウニング19bは、ころ16の両端面17a、17bからころの転動軸心方向の長さLw’の16%の位置における曲率半径R5が、R421〜R560となるように設けられている。
また、ころの転動軸心方向の長さLw’の12%を長さL6とすると、ころ16の一方の端面17aからL6の位置における第三のクラウニング19cの曲率半径R6は、R310〜R420である。他方の端面17b側においても同じ構成である。すなわち、第三のクラウニング19cは、ころ16の両端面17a、17bからころの転動軸心方向の長さLw’の12%の位置における曲率半径R6が、R310〜R420となるように設けられている。
このように構成することにより、上記したころ11と同様に、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍よりも長く3倍未満であるころ16は、負荷される荷重を適切に受けることができる。そうすると、様々な荷重負荷条件に対して、曲率半径の異なる第一〜第三のクラウニング19a〜19cで適切に荷重を受けることができる。
また、一方の端面17aからころ16の外径面18の頂点20までのころ16の転動軸心方向の長さをa’とし、他方の端面17bからころ16の外径面18の頂点20までのころ16の転動軸心方向の長さをb’とすると、その長さの差|a’−b’|を、ころの転動軸心方向の長さLw’の3%以下とする。こうすることにより、双方の端面17a、17b側に設けられた左右のクラウニングに対し、ころ16に負荷された荷重をほぼ均等に分配して受けることができる。したがって、ころ16の挙動を安定させることができる。
また、この場合も同様に、第一、第二および第三のクラウニング19a〜19cが設けられた部分でのころ16の真円度を、それぞれ1.5μm以下とすることが好ましい。さらに、一方の端面17a側に設けられたクラウニングと、他方の端面17b側に設けられたクラウニングとのクラウニング量の差は、1μm以下とすることが好ましい。
次に、上記した構成のころを含むスラストころ軸受と、従来のころを含むスラストころ軸受との寿命試験、音響試験およびトルク試験を行った。表1および表2は、実施例1、2と比較例1〜8の構成を示す。表1において示す実施例1および比較例1〜4は、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍以下であるころである。また、表2において示す実施例2および比較例5〜8は、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍より長く3倍未満であるころである。なお、以下の評価試験に関して、用いた軸受サイズについては、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍以下の場合は、内径φ41mm×外径φ55.6mm×幅(ころの径方向の長さ)3mmとし、ころの本数を32本とする。また、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍より長く3倍未満の場合は、内径φ41mm×外径φ60.4mm×幅(ころの径方向の長さ)3mmとし、ころの本数を32本とする。なお、以下の表中、「ころ長さ」とは、「ころの転動軸心方向の長さ」を示す。
Figure 2008039086
Figure 2008039086
次に、寿命試験の試験条件を表3に、試験結果を表4および表5に示す。なお、寿命試験の試験結果については、実施例1、2の寿命を1とした寿命比で示している。
Figure 2008039086
Figure 2008039086
Figure 2008039086
表1〜表5を参照して、実施例1と比較例1、実施例2と比較例5とを比較すると、比較例1の寿命は、0.71、比較例5の寿命は、0.64であり、いずれも寿命が短くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例1、5は、実施例1、2に対して、ころの外径面の頂点の位置が、ころの転動軸心方向の中央位置からずれているため、ころの挙動が安定しない。そうすると、ころがスキューしやすくなり、ころの滑りが生じてしまう。したがって、油膜切れを引き起こし、金属接触となって接触部が発熱し、表面損傷や表面起点型の剥離が発生したためである。
実施例1と比較例2、実施例2と比較例6とを比較すると、比較例2の寿命は、0.83、比較例6の寿命は、0.88であり、いずれも寿命が短くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例2、6は、実施例1、2に対して、各クラウニングの真円度の値が大きい。各クラウニングの真円度の値が大きいと、ころの転動方向の回転が不安定となる。したがって、ころの挙動が安定せず、円滑に回転することができないためである。また、局部的に接触している部分が増加するため、局部的に接触面圧が高くなり、内部起点型の剥離が発生したためである。
実施例1と比較例3、実施例2と比較例7とを比較すると、比較例3の寿命は、0.36、比較例7の寿命は、0.29であり、いずれも寿命が短くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例3、7は、実施例1、2に対して、各クラウニングRが小さく構成されている。したがって、ころの挙動が不安定となり、さらに、全体的に接触面圧が高くなり、内部起点型の剥離が発生したためである。
実施例1と比較例4、実施例2と比較例8とを比較すると、比較例4の寿命は、0.22、比較例8の寿命は、0.14であり、いずれも寿命が短くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例4、8は、実施例1、2に対して、各クラウニングRが大きく構成されている。そうすると、全体的に接触面圧が低くなるが、エッジロードが発生する。したがって、局部的に接触面圧は高くなり、内部起点型の剥離が発生したためである。また、スキューにより、ころの滑りが発生しやすくなる。したがって、油膜切れを引き起こし、金属接触となって接触部が発熱し、表面損傷や表面起点型の剥離が発生したためである。
上記より、比較例1〜4に対して実施例1の方が寿命が長く、比較例5〜8に対して、実施例2の方が寿命が長い。
次に、音響試験の試験条件を表6に、試験結果を表7および表8に示す。また、音響試験の試験結果については、音響値は、試験回数を10回とした場合の平均値である。
Figure 2008039086
Figure 2008039086
Figure 2008039086
表6〜表8を参照して、実施例1と比較例1、実施例2と比較例5とを比較すると、実施例1の音響値は、65.2dBAであるのに対して、比較例1の音響値は、72.6dBAであり、実施例2の音響値は、66.0dBAであるのに対して、比較例5の音響値は、72.3dBAであり、いずれも音響値が高くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例1、5は、実施例1、2に対して、ころの外径面の頂点の位置が、ころの転動軸心方向の中央位置からずれている。したがって、ころの挙動が安定しないためである。
実施例1と比較例2、実施例2と比較例6とを比較すると、比較例2の音響値は、76.2dBA、比較例6の音響値は、77.4dBAであり、いずれも音響値が高くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例2、6は、実施例1、2に対して、各クラウニングの真円度の値が大きい。各クラウニングの真円度の値が大きいと、ころの転動方向の回転が不安定となる。したがって、ころの挙動が安定せず、円滑に回転することができないためである。
実施例1と比較例3、実施例2と比較例7とを比較すると、比較例3の音響値は、71.9dBA、比較例7の音響値は、71.0dBAであり、いずれも音響値が高くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例3、7は、実施例1、2に対して、各クラウニングRが小さく構成されている。したがって、ころの挙動が不安定であるためである。
実施例1と比較例4、実施例2と比較例8とを比較すると、比較例4の音響値は、65.3dBA、比較例8の音響値は、66.0dBAであり、いずれも実施例1、2と同程度である。これには、以下の理由が考えられる。比較例4、8は、実施例1、2に対して、各クラウニングRが大きく構成されている。したがって、ころの挙動が安定しているためである。
上記より、比較例1〜3に対して、実施例1の音響値の方が低く、比較例5〜7に対して、実施例2の音響値の方が低い。
次に、トルク試験の試験条件を表9に、試験結果を表10および表11に示す。また、トルク試験の試験結果については、実施例1、2の回転トルクを1とした回転トルク比で示している。また、比較例9として、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍以下であって、部分クラウニングが設けられた部分クラウニングころ、比較例10として、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍より長く3倍未満であって、部分クラウニングが設けられた部分クラウニングころを示している。
Figure 2008039086
Figure 2008039086
Figure 2008039086
表9〜表11を参照して、実施例1と比較例1、実施例2と比較例5とを比較すると、比較例1の回転トルクは、1.4、比較例5の回転トルクは、1.4であり、いずれもトルクが高くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例1、5は、実施例1、2に対して、ころの外径面の頂点の位置が、ころの転動軸心方向の中央位置からずれているため、ころの挙動が安定しない。したがって、ころがスキューしやすくなり、ころの滑りが生じてしまうためである。
実施例1と比較例2、実施例2と比較例6とを比較すると、比較例2の回転トルクは、1.0、比較例6の回転トルクは、1.0であり、いずれも実施例1、2と同程度である。これには、以下の理由が考えられる。比較例2、6は、実施例1、2に対して、各クラウニングの真円度が大きい。各クラウニングの真円度が大きいと、ころの挙動は安定しないが、ころの転動方向の回転が不安定となるだけで、ころの滑りが生じることはないためである。
実施例1と比較例3、実施例2と比較例7とを比較すると、比較例3の回転トルクは、1.1、比較例7の回転トルクは、1.1となり、いずれもトルクが高くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例3、7は、実施例1、2に対して、各クラウニングRが小さく構成されている。したがって、ころの挙動が不安定となり、さらに、全体的に接触面圧が高くなり、弾性ヒステリシス損失が大きくなるためである。
実施例1と比較例4、実施例2と比較例8とを比較すると、比較例4の回転トルクは、1.7、比較例8の回転トルクは、1.9となり、いずれもトルクが高くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例4、8は、実施例1、2に対して、各クラウニングRが大きく構成されている。したがって、ころのスキューにより、ころの滑りが発生しやすくなり、ころの滑りおよびころの滑りによる転がり粘性抵抗が大きくなるためである。
実施例1と比較例9、実施例2と比較例10とを比較すると、比較例9は、2.5、比較例10は、3.2となり、いずれもトルクが高くなっている。これには、以下の理由が考えられる。比較例9、10は、実施例1、2と比べて、有効接触長さが長い。したがって、スキューしやすく、ころの滑りが大きいためである。また、ころの挙動の安定度に関わらず、転がり粘性抵抗が高いためである。
上記より、比較例1、3、4、9に対して実施例1の方がトルクが低く、比較例5、7、8、10に対して、実施例2の方がトルクが低い。
また、ころの表面に微小の凹形状のくぼみを設けることにより、耐摩耗性等を向上させることができる。微小の凹形状のくぼみは、バレル処理等の表面処理によって設けることができる。バレル処理とは、表面処理を行うころと、メディアとをバレルに投入し、バレルを回転させることにより行う表面処理をいう。バレル処理条件、すなわち、バレルの回転数や回転時間、投入するメディアの粒度や量等によって、表面処理状態が異なる。バレル処理による表面処理によって、ころの表面粗さは変化するが、バレル処理条件を特殊な条件とすることにより、後述するくぼみの平均面積等を、規定の範囲内とすることができる。
なお、表面粗さパラメータRyni、Rymax、Sk、Rqniの算出方法は、以下の通りである。ここで、表面粗さパラメータRyniとは、基準長毎最大高さの平均値、すなわち、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値である(ISO4287:1997)。
パラメータ算出規格 :JIS B0601:1994(サーフコム JIS1994)
カットオフ種別 :ガウシアン
測定長さ :5λ
カットオフ波長 :0.25mm
測定倍率 :×10000
測定速度 :0.30mm/s
測定装置 :面粗さ測定器サーフコム1400A(東京精密社製)
また、バレル処理による表面処理によって設けられた微小の凹形状のくぼみの面積率、平均面積の定量的測定については、以下の方法で行った。
まず、ころの表面を拡大し、その画像から市販されている画像解析システムにより定量化する。ここで、特開2001−183124号公報に開示されている表面性状検査方法および表面性状検査装置を用いれば、精度よく測定することができる。なお、画像の白い部分は表面平坦部、黒い部分は微小の凹形状のくぼみとして解析する。
評価方法は、以下の通りである。
面積率 :観察視野範囲で2値化しきい値((明部の輝度+暗部の輝度)/2)よりも小さい画素(黒)の占める割合
平均面積 :黒の面積の合計/総数
観察視野 :826μm×620μm(ころの場合、ころの直径が4未満は、413μm×310μmが望ましい)
ここで、表面処理を施していないころ、従来の表面処理を施したころ、表面処理条件を変更したころの表面形状を測定した。図3(A)〜図3(C)は、ころの表面の粗さ曲線を表す図であり、ころに対して表面処理を行わなかった場合(図3(A))、従来の表面処理を行った場合(図3(B))、処理条件を変更して表面処理を行った場合(図3(C))を示す。また、表12は、比較例11として、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍以下であって、上記したフルクラウニングを施し、表面処理を行わなかったころ、比較例12として、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍以下であって、上記したフルクラウニングを施し、従来の表面処理を行ったころ、実施例3として、ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍以下であって、上記したフルクラウニングを施し、処理条件を変更して表面処理を行ったころのくぼみの平均面積等を算出した表である。
Figure 2008039086
油膜パラメータΛ :0.10
図4は、比較例11、12および実施例3に示すころを含むスラストころ軸受の寿命結果を示すグラフである。図4において、縦軸は、寿命(時間)を示す。図4を参照して、比較例11の寿命が257時間、比較例12の寿命が278時間であるのに対し、実施例3の寿命は375時間と、大幅に寿命が長くなっている。
したがって、PAGオイルを含む潤滑剤で、油膜パラメータΛが0.10という過酷な潤滑条件にも関わらず、実施例3に示すころを含むスラストころ軸受は、耐摩耗性が良好である。
また、このようなスラストころ軸受について、金属接触率を測定するピーリング試験を行った。図5は、金属接触率を測定する際に使用した2円筒試験機51の概略図である。図5を参照して、駆動側円筒52と従動側円筒53は、各々の回転軸の片端に取り付けられ、2本の回転軸54、55はそれぞれプーリ56、57を介して別々のモータで駆動できるようになっている。駆動側円筒52側の回転軸54をモータで駆動し、従動側円筒53は駆動側円筒52に従動させる自由転がりにした。従動側円筒53は、表面処理に関して、比較例13と実施例4の2種類を用意した。
また、詳細な試験条件については、表13に示す。
Figure 2008039086
このような条件で行った金属接触率の試験結果を図6(A)、図6(B)に示す。図6(A)は、比較例13における金属接触率と経過時間を表す図である。図6(B)は、実施例4における金属接触率と経過時間を表す図である。なお、縦方向、横方向の目盛は、図6(A)および図6(B)中に示す。図6(A)および図6(B)を参照して、実施例4中の黒色で表示されている部分、すなわち、金属接触している部分は、比較例13に比べて、少なくなっている。具体的には、比較例13に比べて、実施例4は、油膜形成率(=100%−金属接触率)が、運転開始時で10%程度、試験終了時(2時間経過後)で2%程度、向上している。
このような実施例4に示すころを含むスラストころ軸受は、比較例13に示すころを含むスラストころ軸受と比較して、油膜形成能力に優れ、金属接触による偏摩耗等を引き起こすことは少なく、適切に相手面との間に油膜を形成することができる。
以上より、外径面に上記した第一〜第三のクラウニングが設けられ、その表面に微小の凹形状のくぼみが設けられ、くぼみの平均面積等が上記した範囲内にあるころは、適切に油膜を形成することができ、かつ、適切に荷重を受けることができる。したがって、寿命や静粛性の向上、トルクの軽減等を図って、軸受機能を向上させることができる。
なお、上記したころは、浸炭窒化処理を行うことにより、長寿命等を実現することができる。ころを840℃で2〜3時間浸炭窒化処理し、230℃で焼戻した後、上記したようにころにフルクラウニングを設ける。こうすることにより、ころの表層(表面から0.05mmまで)における残留オーステナイト量を、全体の15%〜35%とすることができる。したがって、強度や靭性等を向上させることができ、長寿命を実現して、さらに軸受機能を向上させることができる。
なお、スラストころ軸受に含まれ、上記したころを保持する保持器については、様々な構成のものが適用される。
図7は、上記した構成のころおよび保持器を含み、この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受を軸方向から見た図である。図8は、図7に示すスラストころ軸受を、図7中の線VIII−O−VIIIで切断した場合の断面図である。図9は、図7においてIXで示す部分の拡大図である。図10は、図8において、Xで示す部分の拡大図である。
図7〜図10を参照して、スラストころ軸受31は、複数のころ41と、複数のころ41を保持する保持器21とを備える。ころ41は、上記した構成、すなわち、外径面に第一、第二および第三のクラウニングを含むフルクラウニングが設けられている。また、その表面には微小の凹形状のくぼみが設けられており、ころ41のくぼみの平均面積等は、上述の通りである。ころ41の端面42は、A端面、すなわち、径方向の中央部が、転動軸心方向に膨出しており、その断面が単一の曲率で構成されている端面である。なお、図7〜図10において、理解の容易の観点から、ころ41に設けられた微小の凹形状のくぼみおよびころ41のフルクラウニング形状は、図示していない。
保持器21は、円板状の部材から構成されており、一対の環状部23a、23bと、ころ41を保持するためのポケット22を形成するように、一対の環状部23a、23bを連結する複数の柱部24とを備える。ポケット22は、回転軸を中心として、放射状に複数設けられている。各ポケット22には、ころ41の脱落を防止するためのころ止め部25が設けられている。ポケット22には、ころ41の移動を許容する遊びが設けられている。ころ41は、ポケット22内において、許容範囲内で回転軸方向、径方向、周方向に動くことができ、ころ41の動くことができる遊隙量は、ころ止め部25等によって定められる。
複数の柱部24の径方向の中央部は、回転軸方向に折り返すようにして折り曲げられている。また、保持器21の外周側および内周側の鍔部26a、26bについても、回転軸方向に折り返すようにして折り曲げられている。鍔部26a、26bおよび柱部24の断面は、略W字状である(図8参照)。ポケット22の外周側の壁面27aには、上記したように回転軸方向に折り曲げられた外周側の鍔部26aが位置している。すなわち、回転軸方向に折り曲げられた外周側の鍔部26aは、ポケット22の外周側の壁面27aを形成している。
このような構成のスラストころ軸受は、ころ41の外周側の端面42とポケット22の外周側の壁面27aが接触する際に、接触面圧Pとすべり速度Vとを乗じた値であるPV値を低減することができるため、さらに軸受機能を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態においては、バレル処理による表面処理により、ころに微小の凹形状のくぼみを設けたが、これに限らず、ショット、または液体ホーニング処理等の表面処理により、微小の凹形状のくぼみを設け、ころのくぼみの平均面積を上記した範囲内の値にしてもよい。
また、ころの端面は、曲率の異なる複数の曲面から構成されるAR端面、断面が略R形状であるR端面であってもよい。
また、上記の実施の形態においては、スラストころ軸受に適用した場合について説明したが、これに限らず、ラジアルころ軸受についても適用される。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係るころおよびスラストころ軸受は、軸受機能が向上されるため、高速回転、希薄潤滑環境等、過酷な使用条件下において長寿命等が要求されるカーエアコン用コンプレッサやオートマチックトランスミッション、マニュアルトランスミッション及びハイブリッド自動車等に、有効に利用される。
ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍以下であるころを、ころの転動軸心を含む平面で切断した場合のころの一部を示す断面図である。 ころの転動軸心方向の長さがころの径方向の長さの2倍より長く3倍未満のころを、ころの転動軸心を含む平面で切断した場合のころの一部を示す断面図である。 ころの表面の粗さ曲線を表す図であり、(A)表面処理なしのころ、(B)従来の表面処理を施したころ、(C)条件を変更した表面処理を施したころを示す。 図3に示すころを含むスラストころ軸受の寿命結果を示すグラフである。 金属接触率を測定する2円筒試験機を表す概略図である。 図5に示す試験機で測定した金属接触率を表す図であり、(A)従来の表面処理、(B)条件を変更した表面処理を施したものである。 この発明の一実施形態に係るスラストころ軸受を軸方向から見た図である。 図7に示すスラストころ軸受を、図7中の線VIII−O−VIIIで切断した場合の断面図である。 図7に示すスラストころ軸受のうち、図7中のIXで示す部分の拡大図である。 図8に示すスラストころ軸受のうち、図8中のXで示す部分の拡大図である。
符号の説明
11,16,41 ころ、12a,12b,17a,17b,42 端面、13,18 外径面、14a,19a 第一のクラウニング、14b,19b 第二のクラウニング、14c,19c 第三のクラウニング、15,20 頂点、21 保持器、22 ポケット、23a,23b 環状部、24 柱部、25 ころ止め部、26a,26b 鍔部、27a,27b 壁面、31 スラストころ軸受、51 2円筒試験機、52 駆動側円筒、53 従動側円筒、54,55 回転軸、56,57 プーリ。

Claims (5)

  1. 外径面にフルクラウニングが設けられたころであって、
    前記ころの表面には、微小の凹形状のくぼみが設けられており、
    前記くぼみが設けられた表面のくぼみの平均面積は、30〜100μmの範囲内であり、
    前記フルクラウニングは、前記ころの転動軸心方向の中央に設けられる第一のクラウニングと、前記第一のクラウニングに連なるように前記第一のクラウニングの両端面側に設けられる第二のクラウニングと、前記第二のクラウニングに連なるように前記第二のクラウニングの両端面側に設けられる第三のクラウニングとを含み、
    前記ころの転動軸心方向の長さが前記ころの径方向の長さの2倍以下である場合には、前記ころの両端面から前記ころの転動軸心方向の長さの32%の位置における前記第一のクラウニングの曲率半径R1は、R551〜R1000であり、前記ころの両端面から前記ころの転動軸心方向の長さの23%の位置における前記第二のクラウニングの曲率半径R2は、R321〜R550であり、前記ころの両端面から前記ころの転動軸心方向の長さの15%の位置における前記第三のクラウニングの曲率半径R3は、R200〜R320であり、
    前記ころの転動軸心方向の長さが前記ころの径方向の長さの2倍よりも長く3倍未満である場合には、前記ころの両端面から前記ころの転動軸心方向の長さの22%の位置における前記第一のクラウニングの曲率半径R4は、R561〜R670であり、前記ころの両端面から前記ころの転動軸心方向の長さの16%の位置における前記第二のクラウニングの曲率半径R5は、R421〜R560であり、前記ころの両端面から前記ころの転動軸心方向の長さの12%の位置における前記第三のクラウニングの曲率半径R6は、R310〜R420である、ころ。
  2. 前記くぼみが設けられた表面の表面粗さパラメータRymax(基準長毎最大高さの最大値)は、0.4〜1.0μmの範囲内である、請求項1に記載のころ。
  3. 前記くぼみが設けられた表面の表面粗さを、表面粗さパラメータRqni(自乗平均平方根粗さ)で表した場合に、
    前記ころの転動軸心方向の表面粗さパラメータRqni(L)と前記ころの周方向の表面粗さパラメータRqni(C)との比であるRqni(L)/Rqni(C)は、1.0以下である、請求項1または2に記載のころ。
  4. 浸炭窒化処理が施されている、請求項1〜3のいずれかに記載のころ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のころを備え、スラスト荷重を支持する、スラストころ軸受。
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