JP2008038816A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室内での旋回流の生成の安定化を図ることができる内燃機関の吸気装置を提供することである。
【解決手段】吸気管30内に設けられた開閉弁10を絞ることにより燃焼室内に旋回流を生成する内燃機関の吸気装置1であって、吸気管30は、開閉弁10により絞られた流路に向けて吸気流が集まるように、開閉弁10の配置位置での断面形状とその上流側での断面形状とが異なっている。この構成により、燃焼室内で旋回流を安定して生成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸気管内を流れる吸気流を調整するための開閉弁を備えた内燃機関の吸気装置に関する。
内燃機関の気筒側へ吸気流を供給する吸気管(吸気ポートとも称される)内に開閉弁を配置して吸気流を調整する吸気装置に関しては従来から複数の提案がある(特許文献1、2参照)。内燃機関にこのような構造を採用すると吸気管の開口率を調整できるのでタンブル流を強化して希薄混合気の安定な燃焼を図ることができる。
特開平8−189367号公報 特許3567295号公報
また、このような吸気装置は、一端が回動自在に軸支されている片持ち式の開閉弁を備えたものがある。図3は、片持ち式の開閉弁を備えた従来の吸気装置1Xの説明図である。尚、図3(a)では、開閉弁10Xの全閉時の吸気装置1Xを示しており、図3(b)では、開閉弁10Xの全開時の吸気装置1Xを示している。また、図3(c)では、形状の理解を容易にすべく、開閉弁10Xの外観図を示すとともに、開閉弁10Xの各部の名称を示している。
開閉弁10Xは、全開時に図3(b)に示すように吸気管の内壁30Xの壁面に格納される。一方、図3(a)に示すように、開閉弁10Xの側端部と、吸気管の内壁10Xとの間に間隙が設けられている。したがって、全閉時には、意図して絞った吸気の流れ(以下、単に主流とも称す)F1のほかに、この間隙を通過する吸気の流れ(以下、単に間隙流とも称す)F2も発生する。間隙流F2の発生により、主流F1の流速が遅くなってしまい、燃焼室内で安定した旋回流を生成することができないおそれがあった。また、主流F1が、開閉弁10Xの先端部を通過して吸気管の内壁30Xの隅部にまで広がってしまい、これにより、主流F1を意図した速度に絞ることができないおそれがあった。
また、開閉弁を通過した主流F1は、その下流側での吸気管の形状によっては、主流F1の流速が低下するおそれがあった。この場合も、燃焼室内で安定した旋回流を生成することができないおそれがあった。
そこで本発明の目的は、燃焼室内での旋回流の生成の安定化を図ることができる内燃機関の吸気装置を提供することである。
上記目的は、吸気管内に設けられた開閉弁を絞ることにより燃焼室内に旋回流を生成する内燃機関の吸気装置であって、前記吸気管は、前記開閉弁により絞られた流路に向けて吸気流が集まるように、前記開閉弁の配置位置での断面形状とその上流側での断面形状とが異なっている、ことを特徴とする内燃機関の吸気装置によって達成できる。
この構成により、開閉弁により絞られた流路に向けて吸気流が集まるので、この流路を通過する吸気流の流速を速めることができる。従って燃焼室内へ突入する吸気流の流速を上げることができ、燃焼室内で旋回流を安定して生成することができる。
また、上記目的は、吸気管内に設けられた開閉弁を絞ることにより燃焼室内に旋回流を生成する内燃機関の吸気装置であって、前記吸気管は、前記開閉弁により絞られた流路を通過した吸気流の流速の低下を抑制するように、前記開閉弁の配置位置での断面形状とその下流側での断面形状とが異なっている、ことを特徴とする内燃機関の吸気装置によっても達成できる。
この構成により、開閉弁により絞られた流路を通過した吸気流の流速の低下を抑制できる。従って燃焼室内へ突入する吸気流の流速の低下を抑制でき、燃焼室内で旋回流を安定して生成することができる。
また、上記構成において、前記吸気管は、前記開閉弁の配置位置での断面幅よりも上流側での断面幅を狭く形成してある、構成を採用できる。
上流側での断面幅を狭く形成してあるので、前記開閉弁により絞られた流路に向けて吸気流を集めることが容易となる
また、上記構成において、前記吸気管は、前記開閉弁の配置位置での断面幅よりも下流側での断面幅が狭く形成してある、構成を採用できる。
下流側での断面幅が狭く形成してあるので、開閉弁により絞られた流路を通過した吸気流の流速の低下の抑制が容易となる。
前記吸気管は、前記開閉弁により絞られた流路が形成される側の隅部の断面形状は、前記開閉弁の配置位置での隅部よりも上流側で滑らかなアール状に形成されている、構成を採用できる。
この構成により、開閉弁の配置位置での隅部にまで吸気が広がるのを抑制できる。
前記吸気管は、前記開閉弁により絞られた流路が形成される側の隅部の断面形状は、前記開閉弁の配置位置での隅部よりも下流側で滑らかなアール状に形成されている、構成を採用できる。
本発明によると、燃焼室内での旋回流の生成の安定化を図ることができる内燃機関の吸気装置を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る内燃機関の吸気装置について説明する。
図1は、実施例1に係る吸気装置1について示した図である。
吸気装置1は、不図示の内燃機関の気筒側とインテークマニホルドとを接続する部分に配設されている。図1で下側の端部2が吸気装置1の気筒側となる。吸気流GSは図示のようにインテークマニホルド側から気筒に向って流れている。なお、一般に吸気装置の吸気管は内燃機関のシリンダヘッド内に形成される場合が多いが、本発明に係る吸気装置はこのような形態に限らない。吸気管はインテークマニホルドの一部、或いは独立した配管として存在する形態であってもよい。以下で示す実施例は吸気管を設ける場所を特に限定することなく説明する。
図1に示すように、吸気管30には開閉弁10が配置されている。この開閉弁10は上流側の端部に支軸15を備えている。この支軸15は吸気管3の内壁に設けた軸受に軸支されており、この軸受を中心に回動する。
また、支軸15はアクチュエータ(不図示)からの回転力が伝達されている。アクチュエータはECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)(不図示)によって駆動が制御されている。このECUは図示しない内燃機関を制御するECUと兼用してもよい。この場合には、内燃機関の状態に応じてアクチュエータを制御して開閉弁10を所望の位置に移動させることができる。
開閉弁10が吸気管30の内壁に沿うように倒れた位置にあるときに、吸気管3の開口率が最大となる開状態となる。これとは逆に、図1に示すように開閉弁10が吸気管3内で立上がった位置あるときに、吸気管30の開口率が最小となる閉状態となる。これにより、吸気流の流路が絞られる。また、開閉弁10は、この閉状態を形成する位置と開状態を形成する位置との間を回動する。
この開閉弁10は、前述したように基端部側となる支軸15が吸気管3の内壁に設けた軸受により軸支されているので片持ち状態で回動する。
また、この開閉弁10の先端部には、閉状態において吸気流を絞るための切欠部11が形成されている。
従って、閉状態においては、主流F1は、閉弁10の切欠部11と、吸気管30の内壁面の上面との隙間を通過する。これにより、主流F1の流路が絞られ、燃焼室内で、ダンブル流を発生させることができる。また、開閉弁10を、全閉位置又は全開位置に位置づけられることにより、燃焼室内での旋回流の強さを調整することができる。
次に、吸気管30の内壁の形状について説明する。
図1(B)は、図1(A)に示したA−A断面図である。A―A断面上での吸気管30の内壁の断面形状は実線で示してある。また、開閉弁10が配置されている位置での吸気管30の内壁の断面形状は、破線で示している。
また、吸気管30は、開閉弁10が配置された位置よりも上流側での上流内壁31、開閉弁10が配置された位置での中流内壁32、開閉弁10が配置された位置よりも下流側での下流内壁33を有する。
上流内壁31と中流内壁32とについて説明する。
図1(B)に示すように、上流側から下流側に向かって吸気管30内を見た場合、開閉弁10は、その一部が隠れた状態で上流内壁31に囲まれるように見える。尚、開閉弁10が閉状態にあるときは、吸気管30の中流内壁32の上面と、切欠部11との間を主流F1が通過する。
吸気管30の、中流内壁32の断面形状と上流内壁31の断面形状とは異なって形成されている。詳細には、上流内壁31の上面側の上流隅部311の形状と、中流内壁32の上面の中流隅部321の形状とが異なっている。図1(B)に示すように、上流隅部311の形状は、中流隅部321の形状よりも、ゆるやかなアール状に形成されている。詳細には、上流隅部311の形状は、中流隅部321の形状よりも、大きな曲率半径で形成されている。
従って、上流隅部311間の幅は、中流隅部321間の幅よりも狭く形成されている。このような形状により、開閉弁10が閉状態において、上流側から流れ込む主流F1が、隅部321と開閉弁10との隙間に流れ込むことを抑制できる。即ち、吸気管30は、切欠11と中流内壁32の上面との間に向けて(開閉弁10により絞られた流路に向けて)主流F1が集まるように形成されている。
この構成により、切欠11と中流内壁32の上面との間を通過する主流F1の流速を速めることができる。従って燃焼室内へ突入する吸気流の流速を上げることができ、燃焼室内で旋回流を安定して生成することができる。
次に、吸気管30の下流内壁33について説明する。
下流内壁33の形状は、上流内壁31と略同様である。即ち、下流隅部331の形状は、中流隅部321の形状よりも、ゆるやかなアール状に形成されている。これにより、開閉弁10により絞られた流路を通過した主流F1の広がりを抑制できる。即ち、吸気管30は、切欠11と中流内壁32の上面との間を通過した(開閉弁10により絞られた流路を通過した)主流F1の流速の低下を抑制できる。従って燃焼室内へ突入する吸気流の流速の低下を抑制でき、燃焼室内で旋回流を安定して生成することができる。
次に、吸気装置の変形例について説明する。実施例2に係る吸気装置1Aについては、前述した吸気装置1と同一の部分には同一の符号を付することによって重複する説明を省略する。図2は、吸気装置1Aについて示した図である。
図2(B)は、図2(A)に示したA−A断面図である。A―A断面上での吸気管30の内壁の断面形状は実線で示してある。また、開閉弁10が配置されている位置での吸気管30の内壁の断面形状は、破線で示している。
また、吸気管30は、実施例1に係る吸気装置1と同様に、開閉弁10が配置された位置よりも上流側での上流内壁31a、開閉弁10が配置された位置での中流内壁32、開閉弁10が配置された位置よりも下流側での下流内壁33を有する。
まず、上流内壁31aと中流内壁32aとについて説明する。
図2(B)に示すように、上流内壁31aの幅31awは、中流内壁32aの幅32awよりも狭く形成されている。このような構成によっても、上流側から流れ込む主流F1が、隅部321と開閉弁10との隙間に流れ込むことを抑制できる。この構成によっても、実施例1に係る吸気装置1と同様の効果を得ることができる。
特に、実施例1に係る吸気装置1と異なり、上流内壁31aの幅全体が中流内壁32aよりも狭く形成さているため、主流F1が、閉状態における開閉弁10の両側部と中流内壁32aの側面との間の間隙を通過することを更に抑制することができる。また、上流内壁31aの上流隅部311aについても、中流内壁321aの中流隅部321aよりもゆるやかなアール状に形成されているため、上流側から流れ込む主流F1が、隅部321aと開閉弁10との隙間に流れ込むことを抑制できる。
次に、吸気管30の下流内壁33aについて説明する。
下流内壁33aの形状についても、上流内壁31aと略同様である。即ち、下流内壁33aの幅33awは、中流内壁32の幅32awよりも狭く形成されている。このような構成によっても、開閉弁10により絞られた流路を通過した主流F1の広がりを抑制でき、燃焼室内で旋回流を安定して生成することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、実施例1においては、上流隅部311の形状がゆるやかなアール状に形成されているがこのような形状に限定されない。
また、実施例2においては、上流内壁31aの幅全体が、中流内壁32aの幅よりも狭く形成されているが、このような形状に限定されず、例えば、一部分のみ幅が狭くなっている形状であってもよい。
また、実施例1、2においては、上流内壁31、31aと下流側内壁33、33aとを略同一形状としたが、このような構成に限定されず、例えば、上流内壁の形状を実施例2で示した形状とし、下流内壁の形状を実施例1で示した形状としてもよい。
実施例1に係る吸気装置について示した図である。 実施例2に係る吸気装置について示した図である。 従来の吸気装置について示した図である。
符号の説明
1、1A 吸気装置
5 第1吸気通路
10 開閉弁
11 切欠部
30 吸気管
31、31a 上流内壁
32、32a 中流内壁
33、33a 下流内壁
311、311a 上流隅部
321、321a 中流隅部
331,331a 下流隅部
F1 主流

Claims (6)

  1. 吸気管内に設けられた開閉弁を絞ることにより燃焼室内に旋回流を生成する内燃機関の吸気装置であって、
    前記吸気管は、前記開閉弁により絞られた流路に向けて吸気流が集まるように、前記開閉弁の配置位置での断面形状とその上流側での断面形状とが異なっている、ことを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  2. 吸気管内に設けられた開閉弁を絞ることにより燃焼室内に旋回流を生成する内燃機関の吸気装置であって、
    前記吸気管は、前記開閉弁により絞られた流路を通過した吸気流の流速の低下を抑制するように、前記開閉弁の配置位置での断面形状とその下流側での断面形状とが異なっている、ことを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  3. 前記吸気管は、前記開閉弁の配置位置での断面幅よりも上流側での断面幅を狭く形成してある、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気装置。
  4. 前記吸気管は、前記開閉弁の配置位置での断面幅よりも下流側での断面幅が狭く形成してある、ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気装置。
  5. 前記吸気管は、前記開閉弁により絞られた流路が形成される側の隅の断面形状が、前記開閉弁の配置位置での隅部よりも上流側で滑らかなアール状に形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気装置。
  6. 前記吸気管は、前記開閉弁により絞られた流路が形成される側の隅の断面形状が、前記開閉弁の配置位置での隅部よりも下流側で滑らかなアール状に形成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の吸気装置。
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