JP2008038362A - 探査機器坑井内挿入装置及び探査機器坑井内挿入方法 - Google Patents

探査機器坑井内挿入装置及び探査機器坑井内挿入方法 Download PDF

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Abstract

【課題】傾斜角の大きな坑井や水平な坑井の中に、探査機器を安全かつ容易に挿入できる探査機器坑井内挿入装置の提供。
【解決手段】掘削流体を中に流すことができる第1の管体5と、第1の管体5から分岐し、かつ、第1の管体5に連通する第2の管体9と、によって本体3を形成し、第1の管体5の両端には、ドリルストリングの掘管107と接合可能に螺子7A、7Bを切り、本体3の中に通されたケーブル89と第2の管体9との間をシールするシール部材19と、本体3とによって探査機器坑井内挿入装置1を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ドリルストリングが入っている坑井の中に、ケーブルに接続した探査機器を挿入する探査機器坑井内挿入装置及び探査機器坑井内挿入方法に関する。
トンネルや坑道等の掘削作業においては、作業を安全かつ効率的に進めるために、作業を行う対象地域の地中のデータを事前に検討しておく。
技術者が地表を調査して地中のデータを取得しようとしても、取得できる地中のデータには限度がある。このため、対象地域の地中のデータを取得することを目的として、対象地域内に試掘井が掘削される。試掘井の多くは、下方に向かって掘削される垂直井や傾斜井である。試掘井を掘削すれば、地下からコアサンプルを取得できる。また、試掘井の中に探査機器を入れて、様々な地中のデータを取得することもできる。
対象地域が広範な地域である場合、対象地域内に複数本の試掘井が掘削される。試掘井が掘削された地点から地中のデータが集められる。集められた地中のデータに基づいて、試掘井が掘削されていない場所の地中のデータが補完され、対象地域全域にわたる地中のデータが取得される。
試掘井の中に探査機器を入れる場合、例えば、探査機器をケーブルに接続して試掘井の中に吊り降ろす(例えば、特許文献1を参照)。探査機器が取得するデータは有線又は無線で地上に送信され、あるいは、探査機器内に記録される。
また、試掘井を水平方向に掘削する場合がある。例えば、トンネルの掘削方向に向かって水平な試掘井を掘削すれば、トンネルの掘削作業を行う場所から地中のデータを直接取得でき、非常に好ましい。
特開平6−66950号公報
試掘井の中にケーブルに接続した探査機器を吊り降ろす場合、探査機器は自重で試掘井の中に入っていく。しかし、試掘井の傾斜角度が大きくなると、探査機器は試掘井の中に入っていきにくくなる。なぜならば、試掘井の中で探査機器やケーブルが坑壁に当たったり擦れ合ったりし、坑壁に引っかかってしまうからである。坑壁に引っかかった探査機器やケーブルを無理矢理動かそうとすると、坑壁が崩壊し、探査危機が試掘井の中に抑留されてしまう恐れがある。試掘井の中に抑留された探査危機の回収作業は、非常に手間のかかる作業となることが多い。また、場合によっては、試掘井が崩壊し、別の試掘井を改めて掘削しなおさねばならなくなる。
試掘井が水平な坑井である場合、試掘井の中に探査機器を自重で吊り降ろすことはできない。このような場合、例えば、ドリルストリングの先端に探査機器を装着し、ドリルストリングと一緒に探査機器を試掘井の中に入れることができる。しかし、ドリルストリングを試掘井の中から出し入れすると、坑壁がドリルストリングと摺れて崩壊する恐れが大きくなる。また、ドリルストリングを試掘井の中から出し入れする作業は、時間を要する作業であり、作業効率が悪くなる。
本発明は、上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、傾斜角の大きな坑井や水平な坑井の中に、探査機器を安全かつ容易に効率よく挿入できる探査機器坑井内挿入装置及び探査機器坑井内挿入方法を提供することである。
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明に係る探査機器坑井内挿入装置は、ドリルストリングが入っている坑井の中に、ケーブルに接続した探査機器を挿入する探査機器坑井内挿入装置であって、掘削流体を中に流すことができる第1の管体と、当該第1の管体から分岐し、かつ、当該第1の管体に連通する第2の管体と、を有する本体を備え、前記第2の管体側から前記第1の管体側まで前記本体の中に通された前記ケーブルと、前記第2の管体と、の間をシールするシール部材を備え、前記第1の管体の両端には、ドリルストリングの掘管と接合可能に螺子が切られている。
まず、作業員が、探査機器坑井内挿入装置の本体の中に、第2の管体側から第1の管体側までケーブルを通す。そして、第1の管体の一端から外に出ているケーブルに探査機器を接続する。
次いで、作業員がドリルストリングの掘管の坑口側部分を開放し、ケーブルに接続した探査機器をこの開放部分から掘管の中に入れる。作業員は、探査機器を掘管の中に入れたら、掘管の坑口側部分に、第1の管体の両端のうちのケーブルが外に出ている側の端を螺合させて接合する。
作業員は、掘管の坑口側部分に第1の管体の一端を接合したら、掘削流体の供給装置に第1の管体の他端を接続する。また、作業員は、第2の管体の中のケーブルと第2の管体との間を、シール部材によってシールする。
次いで、作業員は、掘削流体の供給装置から第1の管体に掘削流体を流す。掘削流体は第1の管体から掘管の中へ流れ、掘管の中の探査機器をドリルストリングの先端へ向かって押圧する。掘削流体によって押圧された探査機器は、ドリルストリングの先端の開口部まで押し出される。
なお、ドリルストリングの先端の開口部とは、例えば、ドリルストリングの先端に装着されたコアビットの中央に開口する穴である。また、ドリルストリングの先端からドリルビットが取り外されており、ドリルストリングの先端が掘管となっている場合、ドリルストリングの先端の開口部は、掘管の先端に開口する穴である。
坑井の傾斜角度の大きさに関係なく、また、坑井が下方、上方、水平方向のうちのいずれの方向に掘削されているかに関係なく、掘削流体は、探査機器をドリルストリングの先端の開口部まで押し出すことができる。すなわち、坑井の傾斜角や掘削方向に関係なく、探査機器を坑井の中に挿入することができる。
探査機器に接続されているケーブルは、探査機器に引っ張られて、第2の管体側から掘管の中に引き込まれる。第2の管体とケーブルとの間は、シール部材によってシールされているので、第1の管体の中を流れる掘削流体が第2の管体側から外に漏れ出すことは防止されている。
ドリルストリングの先端の開口部まで押し出された探査機器は、坑底から必要な地中のデータを取得できる。
坑底から一定距離の区間、あるいは、坑底から坑口までの区間から地中のデータを連続して取得しなければならない場合、作業員は、その区間の長さに相当する長さのドリルストリングスを坑井の中から引き抜く。そして、作業員は、ケーブルを巻き取って探査機器を坑井の中から引き出す。探査機器は所望する区間からドリルストリングに邪魔されることなく地中のデータを取得できる。
探査機器とケーブルはドリルストリングの掘管の中を通って坑井の中に挿入されるので、坑壁が探査機器やケーブルに接触して崩壊することが防止される。また、ドリルストリングを坑井から繰り返し出し入れする必要がなくなり、坑壁の崩壊の危険性を低く抑えることができ、作業時間を短縮し、作業効率を向上させることができる。
なお、探査機器として、従来ある探査機器を特に限定することなく用いることができる。探査機器として、例えば、ガンマ線検層装置、密度検層装置、中性子検層装置、NMR装置、低効率装置、抵抗率検層装置、マイクロ抵抗率/キャリパ検層装置、音波検層装置、その他従来ある検層装置を挙げることができる。また、これらの検層装置を組み合わせて探査機器とすることもできる。
ケーブルとして、例えば、ピアノ線やいわゆるアーマードケーブルを使用することができる。また、ケーブルは、通信線を内蔵しているものであってもよいし、通信線を内蔵していないものであってもよい。
掘削流体は、泥水であっても清水であってもよい。
請求項2の発明に係る探査機器坑井内挿入装置は、請求項1に記載の探査機器坑井内挿入装置であって、前記シール部材は、前記ケーブルの表面に摺接するシールと、当該シールを前記第2の管体の中で支承するシール支承部材と、を有する。
シール部材のシールがケーブルの表面に摺接しているので、第1の管体の中の掘削流体が、ケーブルを伝わって第2の管体から外に漏れ出ることが防止される。掘削流体の圧力が大きな場合、シールの数を増やせばよい。
第1の管体の中を掘削流体が流れ、掘削流体がシールを濡らすと、シールとケーブルの表面との間の密着性が高まり、シールのシール性も高まる。
シールを形成する材質として、例えば、皮革、ゴム、金属、プラスチック、布等を挙げることができる。
請求項3の発明に係る探査機器坑井内挿入装置は、請求項2に記載の探査機器坑井内挿入装置であって、前記シールは、円錐形をなし、当該円錐形の頂部に前記ケーブルが通る穴を有し、当該穴の縁が前記ケーブルの表面と摺接する。
シールの円錐形の頂部の穴の直径とケーブルの直径とを対応させておけば、この穴に通されるケーブルの表面は、この穴の縁と密着し、摺接する。
シールの円錐形の頂部は、第1の管体側を向いていてもよいし、第1の管体とは反対側を向いていてもよい。第1の管体の中を流れる掘削流体の圧力に応じて、シールの円錐形の頂部の向きを選ぶことができる。
請求項4の発明に係る探査機器坑井内挿入装置は、請求項3に記載の探査機器坑井内挿入装置であって、前記シール支承部材が、前記シールの円錐形の頂部を前記第1の管体側に向けて支承する。
シールの円錐形の頂部が第1の管体側を向いている場合のほうが、シールの円錐形の頂部が第1の管体とは反対側を向いている場合よりも、高い圧力の掘削流体をシールできる。
シールの円錐形の頂部が第1の管体側を向いていれば、第1の管体の中を流れる掘削流体の圧力がシールの円錐形の頂部近傍の外側面を押圧し、押圧されたシールの円錐形の頂部近傍の内側面がケーブルの表面に密着する。第1の管体の中を流れる掘削流体の圧力が大きくなると、シールとケーブルの表面との間の密着性が高まり、シールのシール性も高まる。
請求項5の発明に係る探査機器坑井内挿入装置は、請求項3又は請求項4に記載の探査機器坑井内挿入装置であって、前記シールが、厚さ0.4〜1.0mmの牛皮によって形成されている
探査機器を坑井内に吊り降ろすために使用されるケーブルの直径は、およそ5〜6mmであり、9mmを超える直径のケーブルが使用されることは殆どない。発明者の知見によれば、厚さが0.4mm未満の牛皮によってシールを形成した場合、シールが第1の管体の中を流れる掘削流体の圧力に耐え切れず、掘削流体がケーブルを伝わって第2の管体から外に漏れ出てしまう。
また、発明者の知見によれば、厚さが1.0mmを超える牛皮によってシールを形成した場合、シールの円錐形の頂部近傍に大きなしわができ、シールの円錐形の頂部の穴の縁とケーブルの表面との間に隙間ができてしまう。このため、第1の管体の中を流れる掘削流体がケーブルを伝わって第2の管体から外に漏れ出てしまう。
発明者の知見によれば、厚さが0.4〜1.0mmの牛皮によってシールを形成すれば、シールの円錐形の頂部の穴の縁がケーブルの表面に隙間なく密着し、シールのシール性が非常に高くなり、第2の管体から掘削流体が漏れ出ることが防止される。
発明者の知見によれば、特に、厚さ0.4〜0.6mmの牛皮によってシールを形成すると、シールのシール性が一層高くなる。厚さ0.45〜0.55mmの牛皮によってシールを形成すると、シールのシール性がより一層高くなる。
請求項6の発明に係る探査機器坑井内挿入方法は、ドリルストリングが入っている坑井の中に、ケーブルに接続した探査機器を挿入する探査機器坑井内挿入方法であって、請求項1から請求項5のうちのいずれかの請求項に記載した探査機器坑井内挿入装置の前記本体の中に前記第2の管体側から前記第1の管体側までケーブルを通し、前記第1の管体側から外に出ているケーブルに探査機器を接続する第1の工程と、前記ドリルストリングの掘管の坑口側部分を開放し、前記第1の工程でケーブルに接続した前記探査機器をこの開放部分から前記掘管の中に入れ、前記探査機器を入れた前記掘管の坑口側部分に前記第1の管体を接合する第2の工程と、前記第2の工程の後、掘削流体の供給装置に前記第1の管体を接続する第3の工程と、前記第2の工程の後、前記ケーブルと前記第2の管体との間を、前記探査機器坑井内挿入装置の前記シール部材によってシールする第4の工程と、前記第3の工程及び前記第4の工程の後、掘削流体の前記供給装置から掘削流体を前記第1の管体を介して前記掘管に流し、この掘削流体によって前記掘管の中に入れた前記探査機器を前記ドリルストリングの先端の開口部まで押し出す第5の工程と、を有する。
第1の工程において、作業員が、探査機器坑井内挿入装置の本体の中に、第2の管体側から第1の管体側までケーブルを通す。そして、作業員が、第1の管体の一端から外に出ているケーブルに探査機器を接続する。
次いで、第2の工程において、作業員が、ドリルストリングの掘管の坑口側部分を開放する。このドリルストリングの掘管の坑口側部分を開放する作業と、第1の工程の作業とでは、作業員はどちらの作業を先に行ってもよいし、これらの作業を同時に行ってもよい。そして、作業員が、ケーブルに接続した探査機器を開放部分から掘管の中に入れる。作業員は、探査機器を掘管の中に入れたら、掘管の坑口側部分に、第1の管体の両端のうちのケーブルが外に出ている側の端を螺合させて接合する。
ケーブルは、第2の管体側から第1の管体側まで本体の中に通されているだけである。ケーブルは、第1の管体と第2の管体によって自身の回転を拘束されていない。すなわち、掘管の坑口側部分に第1の管体の一端を螺合させて接合する際、本体が回転する。このとき、本体は、本体の中に通されたケーブルの周りを回転するだけであり、本体の中のケーブルは回転しない。したがって、ケーブルが回転して捩れることは防止されている。
第2の工程が終わった後の第3の工程において、作業員は、掘削流体の供給装置に、第1の管体の他端を接続する。このとき、第1の管体の他端を掘削流体の供給装置に直接接続してもよいし、掘管を介して接続してもよい。
また、第2の工程が終わった後の第4の工程において、作業員は、第2の管体の中を通っているケーブルと第2の管体との間を、シール部材によってシールする。
なお、第3の工程の作業と、第4の工程の作業とでは、作業員はどちらの作業を先に行ってもよいし、これらの作業を同時に行ってもよい。
第3の工程及び第4の工程終わった後の第5の工程において、作業員は、掘削流体の供給装置から第1の管体に掘削流体を流す。掘削流体は第1の管体から掘管の中へ流れ、掘管の中の探査機器をドリルストリングの先端へ向かって押圧する。掘削流体によって押圧された探査機器は、ドリルストリングの先端の開口部まで押し出される。
坑井の傾斜角度の大きさに関係なく、また、坑井が下方、上方、水平方向のうちのいずれの方向に掘削されているかに関係なく、掘削流体は、探査機器をドリルストリングの先端の開口部まで押し出すことができる。すなわち、坑井の傾斜角や掘削方向に関係なく、探査機器を坑井の中に挿入することができる。
探査機器とケーブルはドリルストリングの掘管の中を通って坑井の中に挿入されるので、坑壁が探査機器やケーブルに接触して崩壊することが防止される。また、ドリルストリングを坑井から繰り返し出し入れする必要がなくなり、坑壁の崩壊の危険性を低く抑えることができ、作業時間を短縮し、作業効率を向上させることができる。
請求項7の発明に係る探査機器坑井内挿入方法は、請求項6に記載の探査機器坑井内挿入方法であって、前記第5の工程の後、前記ドリルストリングの一部分又は全部を坑井内から引き抜く第6の工程を有する。
坑底から一定距離の区間、あるいは、坑底から坑口までの区間から地中のデータを連続して取得しなければならない場合、作業員は、その区間の長さに相当する長さのドリルストリングスを坑井の中から引き抜く。そして、作業員は、ケーブルを巻き取って探査機器を坑井の中から引き出す。探査機器は所望する区間からドリルストリングに邪魔されることなく地中のデータを取得できる。
本発明は、上記のような探査機器坑井内挿入装置及び探査機器坑井内挿入方法であるので、傾斜角の大きな坑井や水平な坑井の中に、探査機器を安全かつ容易に効率よく挿入できる。
本発明を実施するための最良の形態を図1から図7を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る探査機器坑井内挿入装置の構成図、図2は第1のシール支承部材の説明図であり、図2(i)は第1のシール支承部材の後端側端面図、図2(ii)は第1のシール支承部材の側面図、図2(iii)は図2(i)のI−I線断面図、図3は第2のシール支承部材の説明図であり、図3(i)は第2のシール支承部材の後端側端面図、図3(ii)は第2のシール支承部材の側面図、図3(iii)は図3(i)のII−II線断面図、図4は第3のシール支承部材の説明図であり、図4(i)は第3のシール支承部材の後端側端面図、図4(ii)は第3のシール支承部材の側面図、図4(iii)は図4(i)のIII−III線断面図、図5はシールの説明図であり、図5(i)は探査機器坑井内挿入装置に装着前のシールの斜視図、図5(ii)は円錐形に丸めたシールの斜視図、図6はシール部材によるシール作業の説明図、図7は本発明に係る探査機器坑井内挿入方法の説明図であり、図7(i)は第1の工程から第2の工程の途中までの説明図、図7(ii)は第2の工程の途中から第5の工程までの説明図、図7(iii)は第6の工程の説明図である。
図1に示すように、探査機器坑井内挿入装置1は、本体3、シール部材19、キャップ79を備える。
本体3は第1の管体5と第2の管体9とからなる。第1の管体5は、従来、坑井の掘削に用いられている掘管107と同じ管径を有するまっすぐな管体である。第1の管体5の先端には雄螺子7Aが切られており、掘管107の後端に螺合させて接合可能に構成されている。また、第1の管体5の後端には雌螺子7Bが切られており、掘管107の先端や、後述するスイベル113に螺合させて接合可能に構成されている。
第2の管体9が第1の管体5の途中から分岐している。第2の管体9は第1の管体5と連通している。第2の管体9の先端側が第1の管体5に接続されている。第2の管体9の後端には雄螺子11が切られており、キャップ79を第2の管体9の後端に装着可能に構成されている。
第2の管体9の内部には段部13が形成されており、段部13を境として、第2の管体9の先端側の内部15Aの内径は、第2の管体9の後端側の内部15Bの内径よりも小さい。
キャップ79は内側に雌螺子81が切られており、キャップ79の中央には穴83が形成されている。穴83の直径は、第2の管体9の後端側の内部15Bの内径よりも小さく、また、後述する第3のシール支承部材65の後端側の円柱形部71の外径よりも小さい。
ここで、第1の管体5の中心軸CL1と第2の管体9の中心軸CL2との交点をXと名付ける。また、交点Xよりも第1の管体5の先端側にある中心軸CL1上の一点をPと名付け、交点Xよりも第1の管体5の後端側にある中心軸CL1上の一点をQと名付け、交点Xよりも第2の管体9の後端側にある中心軸CL2上の一点をRと名付ける。そして、点Pと交点Xとを結んでできる線分を線分PXと名付け、点Qと交点Xとを結んでできる線分を線分QXと名付け、点Rと交点Xとを結んでできる線分を線分RXと名付ける。
線分PXと線分RXとの交角θ(図1を参照)は、90°よりも大きく、180°よりも小さい。
シール部材19は、シール21A、21Bとシール支承部材29とからなる。
図5(i)に示すように、シール21A、21Bは、厚さ0.5mmの円盤形の牛皮によって形成されている。シール21A、21Bの中心にはそれぞれ穴23が形成されている。シール21A、21Bの外側縁から中心の穴23まで切れ目25が形成されている。図5(ii)及び図6に示すように、シール21A、21Bは、穴23を頂部として円錐形に巻くことができる構成となっている。
図1及び図6に示すように、シール支承部材29は、第1のシール支承部材31、第2のシール支承部材49、第3のシール支承部材65を有する。
図2及び図6に示すように、第1のシール支承部材31は略円筒形の外形を有する。第1のシール支承部材31はその中心軸CLX方向に沿って2分割可能に構成されており、2分割された一方が構成部材33Aをなし、2分割された他方が構成部材33Bをなしている。構成部材33Aと構成部材33Bとは互いに同じ形となっている。
第1のシール支承部材31の外周面には周方向に連続する段部39が形成されている。第1のシール支承部材31のうちで段部39よりも先端側(図2(ii)における下側)の円柱部分が円柱形部35をなし、段部39よりも後端側(図2(ii)における上側)の円柱部分が円柱形部37をなしている。円柱形部35の外径は円柱形部37の外径よりも小さい。円柱形部35の外径は、第2の管体9の先端側の内部15Aの内径に対応した大きさであり、円柱形部37の外径は、第2の管体9の後端側の内部15Bの内径に対応した大きさである。
第1のシール支承部材31は、第1のシール支承部材31の中心軸CLX方向に貫通する穴41を有し、第1のシール支承部材31を構成部材33Aと構成部材33Bに2分割すると、その分割して現れる面上に穴41が露出する構成となっている(図6を参照)。
穴41は、3つの穴41A、穴41B、穴41Cによって形成されており、穴41A、穴41B、穴41Cが第1のシール支承部材31の先端側から後端側に向かって順番に並んでいる。
穴41Aの内径は後述するケーブル89の直径と対応する大きさである、穴41Aと穴41Bとの間には段部43が形成されている。穴41Bの内径は穴41Aの内径よりも大きい。穴41Cの内側面45は、第1のシール支承部材31の先端側から後端側に向かって徐々に内径が広がるテーパ面となっている。内側面45のテーパ角はδである。
図3及び図6に示すように、第2のシール支承部材49の外形は、先端側(図3(ii)における下側)の円錐形部分と、後端側(図3(ii)における上側)の円柱形部分とによって形成されている。第2のシール支承部材49の先端側の円錐形部分が円錐形部53をなし、後端側の円柱形部分が円柱形部55をなしている。
第2のシール支承部材49はその中心軸CLY方向に沿って2分割可能に構成されており、2分割された一方が構成部材51Aをなし、2分割された他方が構成部材51Bをなしている。構成部材51Aと構成部材51Bとは互いに同じ形となっている。
円柱形部55の外径は、第2の管体9の内部15Bの内径と対応した大きさである。円錐形部53の外側面57のテーパ角はδであり、円錐形部53が、第1のシール支承部材31の穴41C内に入ることができる構成となっている。
第2のシール支承部材49は、第2のシール支承部材49Yの中心軸CLY方向に貫通する穴59を有し、第2のシール支承部材49を構成部材51Aと構成部材51Bに2分割すると、その分割して現れる面上に穴59が露出する構成となっている(図6を参照)。
穴59は、2つの穴59A、穴59Bによって形成されており、穴59A、穴59Bが第2のシール支承部材49の先端側から後端側に向かって順番に並んでいる。穴59Aの内径は第1のシール支承部材31の穴41Bの内径と同じ大きさである。穴59Bの内側面61は、第2のシール支承部材49の先端側から後端側に向かって徐々に内径が広がるテーパ面となっている。内側面61のテーパ角はδである。
図4及び図6に示すように、第3のシール支承部材65の外形は、先端側(図4(ii)における下側)の円錐形部分と、後端側(図4(ii)における上側)の円柱形部分とによって形成されている。第3のシール支承部材65の先端側の円錐形部分が円錐形部69をなし、後端側の円柱形部分が円柱形部71をなしている。
第3のシール支承部材65はその中心軸CLZ方向に沿って2分割可能に構成されており、2分割された一方が構成部材67Aをなし、2分割された他方が構成部材67Bをなしている。構成部材67Aと構成部材67Bとは互いに同じ形となっている。
円柱形部71の外径は、第2の管体9の内部15Bの内径と対応した大きさである。円錐形部69の外側面70のテーパ角はδであり、円錐形部69が、第2のシール支承部材49の穴59B内に入ることができる構成となっている。
第3のシール支承部材65は、第3のシール支承部材65の中心軸CLZ方向に貫通する穴73を有し、第3のシール支承部材65を構成部材67Aと構成部材67Bに2分割すると、その分割して現れる面上に穴73が露出する構成となっている(図6を参照)。
穴73は、2つの穴73A、穴73Bによって形成されており、穴73A、穴73Bが第3のシール支承部材65の先端側から後端側に向かって順番に並んでいる。穴73Aの内径は第1のシール支承部材31の穴41Bの内径と同じ大きさである。穴73Aと穴73Bとの間には段部75が形成されており、穴73Bの内径は穴73Aの内径よりも小さい。穴73Bの内径は、第1のシール支承部材31の穴41Aの内径と同じ大きさである。
第1のシール支承部材31の穴41C内に第2のシール支承部材49の円錐形部53を入れ、第2のシール支承部材49の穴59B内に第3のシール支承部材65Yの円錐形部69を入れたとき、第1のシール支承部材31の段部39から第3のシール支承部材65の後端までの距離は、第2の管体9の段部13から第2の管体9の後端までの距離に等しい。
次に、図7を参照しつつ、探査機器87について説明する。探査機器87とは、坑井の中から地中のデータを収集する検層装置のことである。検層装置として、例えば、ガンマ線検層装置、密度検層装置、中性子検層装置、NMR装置、低効率装置、抵抗率検層装置、マイクロ抵抗率/キャリパ検層装置、音波検層装置、その他従来ある検層装置を挙げることができる。また、これらの検層装置を複数個組み合わせて探査機器87とすることもできる。
探査機器87の一端はケーブル89と接続可能に構成されている。このケーブル89は、いわゆるアーマードケーブルであり、通信線を内蔵している。探査機器87が収集する信号は、ケーブル89の通信線を介して信号受信装置(図示せず)まで送信される構成となっている。
図7に示す坑井93は、水平に掘削された坑井である。坑井93の中には、坑井93を掘削するのに用いたドリルストリング103が入っている。ドリルストリング103は、1本又は複数本の互いに接続された掘管107と、先端に装着されたビット109とを有する。
ドリルストリング103の後端側にはスピンドル111が装着されている(図7(ii)を参照)。スピンドル111が回転して、ドリルストリング103が回転し、ドリルストリング103の先端のビット109も回転し、回転するビット109が坑井93の坑底95を掘削する構成となっている。
ドリルストリング103の後端はスイベル113に接続されている。スイベル113は、掘削流体のポンプ115に接続されており、掘削流体がポンプ115からドリルストリング103内に流される構成となっている。ポンプ115が掘削流体の供給装置をなしている。掘削流体は清水である。
ビット109は、いわゆるコアビットであり、ビット109の先端にはコアサンプルを取り込む穴が開口している。このビット109の先端の穴がドリルストリング103の先端の開口部105をなしている。ビット109はコアチューブ(図示せず)を有しており、ビット109の中に取り込まれたコアサンプルがコアチューブに入り、コアキャッチャー(図示せず)が、コアチューブに入ったコアサンプルを回収する構成となっている。
次に、作用について説明する。
予定した深度の坑井93が掘削されたら、作業員は坑井93の掘削作業を止める。そして、作業員はコアキャッチャーをドリルストリング103に入れ、コアチューブに入ったコアサンプルを回収する。
コアサンプルの回収が終わったら、作業員は第1の工程を開始する。図7(i)に示すように、作業員はケーブル89をキャップ79の穴83に通し、次いで、ケーブル89を第2の管体9の後端側から第1の管体5の先端側まで本体3の中に通し、ケーブル89を第1の管体5の先端から外に出す。作業員は、第1の管体5の先端の外に出ているケーブル89に、探査機器87の一端を接続し、第1の工程を終える。
次いで、作業員は第2の工程を開始する。坑井93の坑口97において、作業員はドリルストリング103を構成している掘管107同士の接続を切り離し、坑底95へ連なる掘管107の坑口側部分を開放する。
なお、作業員は、掘管107の坑口側部分を開放する作業を第1の工程の作業よりも先に行ってもよいし、後に行ってもよいし、同時に行ってもよい、
そして、作業員は、第1の工程でケーブル89と接続した探査機器87を、開放部分から掘管107の中に入れる。探査機器87を掘管107内に入れた後、作業員は、掘管107の坑口側部分に第1の管体5の先端の雄螺子7Aを螺合させて接合し(図7(ii)を参照)、第2の工程を終える。
ケーブル89は、第2の管体9側から第1の管体5側まで本体3の中に通されているだけである。ケーブル89は、第1の管体5と第2の管体9によって自身の回転を拘束されていない。すなわち、掘管107の坑口側部分に第1の管体5の先端を螺合させて接合する際、本体3は、本体3の中に通されたケーブル89の周りを回転するだけであり、ケーブル89は回転しない。したがって、ケーブル89が回転して捩れることは防止されている。
第2の工程が終わったら、作業員は第3の工程を開始する。作業員は第1の管体5の後端を1本の掘管107を介してスイベル113に接続する(図7(ii)を参照)。第1の管体5は、スイベル113から掘削流体のポンプ115に接続される。
また、第2の工程が終わったら、作業員は第4の工程を開始する。作業員は第2の管体9の中を通っているケーブル89と第2の管体9との間を、シール部材19によってシールする。シール部材19によるシール作業は以下のようにして行う(図1及び図6を参照)。
まず、作業員は、第2の管体9の後端とキャップ79との間に位置するケーブル89を、2枚のシール21A、21Bの各穴23に通す。シール21Aが第2の管体9側に位置し、シール21Bがキャップ79側に位置する。そして、作業員は、ケーブル89の周りでシール21A、21Bをそれぞれ円錐形に丸め、シール21A、21Bの各穴23の縁をケーブル89の表面に密着させる。このとき、作業員は、シール21A、21Bの円錐形の頂点を本体3側に向ける。なお、ここで、本体3側とは、第1の管体5側であり、第2の管体9側でもある。
次いで、作業員は、シール21Aと第2の管体9との間に位置するケーブル89を、第1のシール支承部材31の構成部材33Aと構成部材33Bとの間に挟み、ケーブル89を第1のシール支承部材の穴41の中に入れる。このとき、作業員は、第1のシール支承部材31の円柱形部35を第2の管体9側に向け、第1のシール支承部材31の円柱形部37をシール21A側に向ける。
また、作業員は、シール21Aとシール21Bとの間に位置するケーブル89を、第2のシール支承部材49の構成部材51Aと構成部材51Bとの間に挟み、ケーブル89を第2のシール支承部材の穴59の中に入れる。このとき、作業員は、第2のシール支承部材49の円錐形部53をシール21A側に向け、円柱形部55をシール21B側に向ける。
さらに、作業員は、シール21Bとキャップ79との間に位置するケーブル89を、第3のシール支承部材65の構成部材67Aと構成部材67Bとの間に挟み、ケーブル89を第3のシール支承部材の穴73の中に入れる。このとき、作業員は、第3のシール支承部材65の円錐形部69をシール21B側に向け、第3のシール支承部材65の円柱形部71をキャップ79側に向ける。
次いで、作業員は、第1のシール支承部材31をケーブル89沿いに滑らせて第2の管体9の中に入れ、第1のシール支承部材31の段部39を、第2の管体9の段部13に着座させる。
作業員は、第1のシール支承部材31を第2の管体9の中に入れたら、シール21Aをケーブル89沿いに滑らせて第2の管体9の中に入れ、シール21Aを第1のシール支承部材31の穴41Cの中に入れる。
次いで、作業員は、第2のシール支承部材49をケーブル89沿いに滑らせて第2の管体9の中に入れ、第2のシール支承部材49の円錐形部53をシール21Aの円錐形の内側に入れる。シール21Aは、第1のシール支承部材31と第2のシール支承部材49との間に挟まれる。
シール21Aの円錐形の外側面26が、第1のシール支承部材31の穴41Cの内側面45に密着し、シール21Aの円錐形の内側面27が、第2のシール支承部材49の円錐形部53の外側面57に密着する。また、シール21Aの円錐形の頂部の穴23の縁が、ケーブル89の表面に密着する。
作業員は、第2のシール支承部材49を第2の管体9の中に入れたら、シール21Bをケーブル89沿いに滑らせて第2の管体9の中に入れ、シール21Bを第2のシール支承部材49の穴59Bの中に入れる。
次いで、作業員は、第3のシール支承部材65をケーブル89沿いに滑らせて第2の管体9の中に入れ、第3のシール支承部材65の円錐形部69をシール21Bの円錐形の内側に入れる。シール21Bは、第2のシール支承部材49と第3のシール支承部材65との間に挟まれる。
シール21Bの円錐形の外側面26が、第2のシール支承部材49の穴59Bの内側面61に密着し、シール21Bの円錐形の内側面27が、第3のシール支承部材65の円錐形部69の外側面70に密着する。また、シール21Bの円錐形の頂部の穴23の縁が、ケーブル89の表面に密着する。
第3のシール支承部材65の後端は、シール21Aとシール21Bの厚さ相当分だけ第2の管体9の後端から外に突出する。
作業員は、第3のシール支承部材65を第2の管体9内に入れたら、キャップ79の雌螺子81を第2の管体9の後端の雄螺子11に螺合させ、第4の工程を終える。キャップ79を締め付けることによって、シール21Aは第1のシール支承部材31と第2のシール支承部材49との間に密着して支承され、シール21Bは第2のシール支承部材49と第3のシール支承部材65との間に密着して支承される。また、第1のシール支承部材31の段部39が第2の管体9の段部13と面接触して密着する。
第2の管体9内において、ケーブル89の表面には、シール21A、21Bの各穴23の縁が密着して摺接しており、シール21Aは第1のシール支承部材31と第2のシール支承部材49とに挟まれて密着し、シール21Bは第2のシール支承部材49と第3のシール支承部材65とに挟まれて密着し、第1のシール支承部材31の段部39が第2の管体9の段部13に面接触して密着しているので、ケーブル89と第2の管体9の間はしっかりとシールされることとなる。
シール21A、21Bを予め掘削流体によって濡らしておけば、シール21A、21Bとケーブル89の表面との密着性が高くなり、シール21Aと第1のシール支承部材31と第2のシール支承部材49との密着性も高くなり、シール21Bと第2のシール支承部材49と第3のシール支承部材65との密着性も高くなる。この結果、ケーブル89と第2の管体9の間のシール性が高くなる。
なお、作業員は、第3の工程を第4の工程よりも先に行ってもよいし、後に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
第3の工程及び第4の工程が終わったら、作業員は第5の工程を開始する。作業員は掘削流体のポンプ115を動かし、掘削流体をポンプ115から第1の管体5に流す。掘削流体は第1の管体5からドリルストリング103の掘管107の中に流れ込み、掘管107の中の探査機器87をドリルストリング103の先端の開口部105へ向かって押圧する。掘削流体によって押圧された探査機器87は、開口部105まで押し出される(図7(ii)を参照)。探査機器87が開口部105まで押し出されたら、作業員は掘削流体のポンプ115を停止し、第5の工程が終わる。
坑井93の傾斜角度の大きさに関係なく、また、坑井93が下方、上方、水平方向のうちのいずれの方向に掘削されているかに関係なく、掘削流体は、探査機器87をドリルストリング103の先端の開口部105まで押し出すことができる。すなわち、坑井93の傾斜角や掘削方向に関係なく、探査機器87を坑井93の中に挿入することができる。
ケーブル89は、探査機器87に引っ張られ、第2の管体9側から掘管107の中に引き込まれる。第1の管体5から少量の掘削流体が第1のシール支承部材31の穴41Aと穴41Bに流れ込む。穴41B内に流れ込んだ掘削流体は、シール21Aの円錐形の頂部近傍を濡らし、シール21Aの穴23の縁とケーブル89の表面との密着性を高める。また、穴41B内に流れ込んだ掘削流体が、シール21Aの円錐形の頂部近傍の外側面26を押圧し、シール21Aの円錐形の頂部近傍の内側面27がケーブル89の表面に密着する。第1の管体の中を流れる掘削流体の圧力が大きくなると、シール21Aのケーブル89の表面に対する密着性が高まり、シール21Aのシール性も高まる。したがって、掘削流体が、シール21Aの穴23とケーブル89との間から第2のシール支承部材49側へ漏れ出ることが防止されている。
掘削流体が、シール21Aの穴23とケーブル89との間から第2のシール支承部材49側へ漏れ出ることがあったとしても、第2のシール支承部材49側へ漏れ出た掘削流体がシール21Bの円錐形の頂部近傍を濡らし、シール21Bの穴23の縁とケーブル89の表面との密着性を高める。また、掘削流体が、シール21Bの円錐形の頂部近傍の外側面26を押圧し、シール21Bの円錐形の頂部近傍の内側面27がケーブル89の表面に密着する。第1の管体の中を流れる掘削流体の圧力が大きくなると、シール21Bのケーブル89の表面に対する密着性が高まり、シール21Bのシール性も高まる。したがって、掘削流体が、シール21Bの穴23とケーブル89との間から第3のシール支承部材65側へ漏れ出ることが防止されている。
探査機器87とケーブル89はドリルストリング103の掘管107の中を通って坑井93の中に挿入されるので、坑壁99が探査機器87やケーブル89に接触して崩壊することが防止される。また、ドリルストリング103を坑井93から繰り返し出し入れする必要がなくなり、坑壁99の崩壊の危険性を低く抑えることができ、作業時間を短縮し、作業効率を向上させることができる。
ポンプ115から掘管107に流れた掘削流体は、ビット109の開口部105から坑底95に流れ、坑底95から掘管107と坑壁99との間の隙間を通って坑口97まで流れる。
ドリルストリング103の先端の開口部105まで押し出された探査機器87は、坑底95から地中のデータを取得できる。探査機器87が取得した地中のデータは、ケーブル89内の信号線によって信号受信装置まで送信される。
坑底95から一定距離の区間、あるいは、坑底95から坑口97までの区間から地中のデータを連続して取得しなければならない場合、作業員は、第5の工程の後、第6の工程を行う(図7(iii)を参照)。第6の工程において、作業員は、地中のデータを連続して取得しようとする区間の長さに相当する長さのドリルストリングス103を坑井の中から引き抜く。ドリルストリング103を坑井93内から引き抜いたら、第6の工程が終わる。
第6の工程が終わったら、作業員は、ケーブル89を巻き取って、探査機器87を坑井93内から引き出す。坑井93のうち、地中のデータを連続して取得したい部分からは、ドリルストリング103が撤去されており、探査機器87はドリルストリング103に邪魔されずに地中のデータを取得できる。
本発明者の知見によれば、第2の管体9とケーブル89との間のシール性を高く維持するために、テーパ角δを20°以上90°未満の範囲内に納めることが好ましい。テーパ角δを30〜45°の範囲内に納めれば、第2の管体9とケーブル89との間のシール性が一層高くなる。テーパ角δを37〜39°とすれば、第2の管体9とケーブル89との間のシール性がより一層高くなる。
本実施の形態において、線分PXと線分QXとの交角θは、90°よりも大きく、180°よりも小さい。この交角θの大きさを180°に近づければ、第1の管体5と第2の管体9との接続部分において、本体3の中に通されているケーブル89が折れ曲がる角度を小さく抑えることができる。ケーブル89が折れ曲がる角度を小さく抑えることができれば、ケーブル89の損傷を防止でき、好ましい。
本実施の形態において、第1の管体5がまっすぐな管体によって構成されているが、替わりに、図8(i)の変形例1に示す構成や、図8(ii)の変形例2に示す構成とすることができる。
図8(i)の変形例1に示す探査機器坑井内挿入装置1の本体3においては、第1の管体5は第2の管体9との接続箇所で折れ曲がっている。そして、この接続箇所において、第1の管体5の先端側部分と第2の管体9とが一直線をなしてまっすぐにつながっている。すなわち、線分PXと線分RXとの交角θが180°となっている。交角θが180°となっているので、第1の管体5と第2の管体9との接続部分において、本体3の中に通されているケーブル89が折れ曲がることが防止される。
図8(ii)の変形例2に示す探査機器坑井内挿入装置1の本体3においては、第1の管体5と第2の管体9とが「Y」の字形をなす。線分PXと線分RXとの交角θを180°に近づけることが容易である。
本発明に係る探査機器坑井内挿入装置の構成図である。 第1のシール支承部材の説明図であり、(i)は第1のシール支承部材の後端側端面図、(ii)は第1のシール支承部材の側面図、(iii)は図2(i)のI−I線断面図である。 第2のシール支承部材の説明図であり、(i)は第2のシール支承部材の後端側端面図、(ii)は第2のシール支承部材の側面図、(iii)は図3(i)のII−II線断面図である。 第3のシール支承部材の説明図であり、(i)は第3のシール支承部材の後端側端面図、(ii)は第3のシール支承部材の側面図、(iii)は図4(i)のIII−III線断面図である。 シールの説明図であり、(i)は探査機器坑井内挿入装置に装着前のシールの斜視図、(ii)は円錐形に丸めたシールの斜視図である。 シール部材によるシール作業の説明図である。 本発明に係る探査機器坑井内挿入方法の説明図であり、(i)は第1の工程から第2の工程の途中までの説明図、(ii)は第2の工程の途中から第5の工程までの説明図、(iii)は第6の工程の説明図である。 変形例に係る探査機器坑井内挿入装置の構成図であり、(i)は変形例1に係る探査機器坑井内挿入装置の構成図、(ii)は変形例2に係る探査機器坑井内挿入装置の構成図である。
符号の説明
1 探査機器坑井内挿入装置
3 本体
5 第1の管体
7A 第1の管体の先端の雄螺子
7B 第1の管体の後端の雌螺子
9 第2の管体
11 第2の管体の後端の雄螺子
13 第2の管体の内部の段部
15A、15B 第2の管体の先端側の内部
19 シール部材
21A、21B シール
23 シールの穴
25 シールの切れ目
26 シールにより形成される円錐形の外側面
27 シールにより形成される円錐形の内側面
29 シール支承部材
31 第1のシール支承部材
33A、33B 第1のシール支承部材の構成部材
35、37 第1のシール支承部材の円柱形部
39 第1のシール支承部材の外周面の段部
41、41A、41B、41C 第1のシール支承部材の穴
43 第1のシール支承部材の穴の中の段部
45 第1のシール支承部材の穴の内側面
49 第2のシール支承部材
51A、51B 第2のシール支承部材の構成部材
53 第2のシール支承部材の円錐形部
55 第2のシール支承部材の円柱形部
57 第2のシール支承部材の円錐形部の外側面
59、59A、59B 第2のシール支承部材の穴
61 第2のシール支承部材の穴の内側面
65 第3のシール支承部材
67A、67B 第3のシール支承部材の構成部材
69 第3のシール支承部材の円錐形部
70 第3のシール支承部材の円錐形部の外側面
71 第3のシール支承部材の円柱形部
73、73A、73B 第3のシール支承部材の穴
75 第3のシール支承部材の穴の中の段部
79 キャップ
81 キャップの雌螺子
83 キャップの穴
87 探査機器
89 ケーブル
93 坑井
95 坑底
97 坑口
99 坑壁
103 ドリルストリング
105 ドリルストリングの先端の開口部
107 掘管
109 ビット
111 スピンドル
113 スイベル
115 掘削流体のポンプ
CL1 第1の管体の中心軸
CL2 第2の管体の中心軸
X 第1の管体の中心軸と第2の管体の中心軸との交点
P、Q 第1の管体の中心軸上の点
R 第2の管体の中心軸上の点
CLX 第1のシール支承部材の中心軸
CLY 第2のシール支承部材の中心軸
CLZ 第3のシール支承部材の中心軸

Claims (7)

  1. ドリルストリングが入っている坑井の中に、ケーブルに接続した探査機器を挿入する探査機器坑井内挿入装置であって、
    掘削流体を中に流すことができる第1の管体と、当該第1の管体から分岐し、かつ、当該第1の管体に連通する第2の管体と、を有する本体を備え、
    前記第2の管体側から前記第1の管体側まで前記本体の中に通された前記ケーブルと、前記第2の管体と、の間をシールするシール部材を備え、
    前記第1の管体の両端には、ドリルストリングの掘管と接合可能に螺子が切られていることを特徴とする探査機器坑井内挿入装置。
  2. 前記シール部材は、前記ケーブルの表面に摺接するシールと、当該シールを前記第2の管体の中で支承するシール支承部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の探査機器坑井内挿入装置。
  3. 前記シールは、円錐形をなし、当該円錐形の頂部に前記ケーブルが通る穴を有し、当該穴の縁が前記ケーブルの表面と摺接することを特徴とする請求項2に記載の探査機器坑井内挿入装置。
  4. 前記シール支承部材が、前記シールの円錐形の頂部を前記第1の管体側に向けて支承することを特徴とする請求項3に記載の探査機器坑井内挿入装置。
  5. 前記シールが、厚さ0.4〜1.0mmの牛皮によって形成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の探査機器坑井内挿入装置。
  6. ドリルストリングが入っている坑井の中に、ケーブルに接続した探査機器を挿入する探査機器坑井内挿入方法であって、
    請求項1から請求項5のうちのいずれかの請求項に記載した探査機器坑井内挿入装置の前記本体の中に前記第2の管体側から前記第1の管体側までケーブルを通し、前記第1の管体側から外に出ているケーブルに探査機器を接続する第1の工程と、
    前記ドリルストリングの掘管の坑口側部分を開放し、前記第1の工程でケーブルに接続した前記探査機器をこの開放部分から前記掘管の中に入れ、前記探査機器を入れた前記掘管の坑口側部分に前記第1の管体を接合する第2の工程と、
    前記第2の工程の後、掘削流体の供給装置に前記第1の管体を接続する第3の工程と、
    前記第2の工程の後、前記ケーブルと前記第2の管体との間を、前記探査機器坑井内挿入装置の前記シール部材によってシールする第4の工程と、
    前記第3の工程及び前記第4の工程の後、掘削流体の前記供給装置から掘削流体を前記第1の管体を介して前記掘管に流し、この掘削流体によって前記掘管の中に入れた前記探査機器を前記ドリルストリングの先端の開口部まで押し出す第5の工程と、を有することを特徴とする探査機器坑井内挿入方法。
  7. 前記第5の工程の後、前記ドリルストリングの一部又は全部を坑井内から引き抜く第6の工程を有することを特徴とする請求項6に記載の探査機器坑井内挿入方法。
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