JP2008036609A - ガス発生器とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 組立作業が容易なガス発生器の製造方法の提供。
【解決手段】 点火器21を包囲するように筒状部材43を被せる工程、筒状部材43の上端開口部からガス発生剤44を充填する工程、更にカップ部材41を被せ、その開口部周縁を点火器カラー31の環状溝33に嵌め込み固定する工程、を有するガス発生器の製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、シートベルトリトラクタ用として適したガス発生器とその製造方法に関する。
シートベルトリトラクタ用のガス発生器では、点火器に接触させてガス発生剤を配置するが、使用するガス発生剤の量は少なく、カップに収容された状態で点火器に接触されている。
点火器は点火器カラーに取り付けられ、その点火器カラーに対してカップが取り付けられている。点火器の作動部には着火薬が配置され、カバーで覆われているが、点火器カラーから作動部が突起した状態となる。よって、ガス発生剤が充填されたカップを点火器カラーに取り付ける際には、突起した作動部をガス発生剤に向かって押し込むようにして取り付けることになる。このため、前記作動部とガス発生剤の接触により、ガス発生剤が粉砕されたり、変形破壊されたりして、ガス発生器の性能が変化する可能性がある。
特許文献1には、シートベルト装置に使用できるガス発生器が開示されており、図16〜図21には、図15で示すガス発生器の組立方法が示されている。図15で示すガス発生器では、カップ40内にガス発生剤成型体50が充填されている。このガス発生器は、カップ40の底板部42を下にして、燃焼制御部材30をカップ40内部に挿入する(図18);その状態で、カップ40と燃焼制御部材30との隙間からシュート治具150を用いて成型体50を充填する(図19);所定量の成型体50を充填し終わった後は、シュート治具150を取り除き(図20)、イグナイタ組立体を被せる(図21)との工程を経て組み立てられる。
この組立方法であると、シュート治具150を用意することが必要となり、更にカップ40内部に成型体50を充填する際に、カップ開口端部と燃焼制御部材30との隙間にガス発生剤を充填することになるため充填しにくい。また、燃焼制御部材30は下端になるほど径が小さくなるため(図19参照)、カップ40奥(底部分)に均一に成型体50が入ったかどうかが確認し辛い。
特開2006−136861号公報
本発明では、構造が単純で組み立てやすいガス発生器とその製造方法を提供することを課題とする。
〔請求項1〕
請求項1の発明は、課題の解決手段として、
着火部を有する点火器が点火器カラーに固定された点火器組立体と、ガス発生剤が収容されたガス発生剤収容室を有し、前記着火部が前記ガス発生剤収容室内に突き出されるように位置しているガス発生器であって、
前記ガス発生剤収容室が、カップ部材と筒状部材の組み合わせを含むものであり、
前記カップ部材と前記筒状部材が、前記カップ部材の内周面と前記筒状部材の外周面が接触乃至は近接された状態で、かつ前記カップ部材の底面と前記筒状部材の上端側開口部が接触乃至は近接された状態で組み合わされ、前記カップ部材の開口部が前記点火器カラーに固定されているものである、ガス発生器を提供する。
カップ部材と共に筒状部材を用いてガス発生剤収容室の周面と天井面を形成する場合、まず筒状部材を配置することで、天井面が開口した状態のガス発生剤収容室が形成され、その上にカップ部材を被せることにより、密閉された状態のガス発生剤収容室が形成される。そして、前記したように、ガス発生剤収容室の天井面が開口されている状態でガス発生剤を充填すると、特許文献1で用いているような特別なシュート治具は必要なく、充填作業も容易であり、更に充填作業時にガス発生剤が着火部で押されることがないため、ガス発生剤が粉砕されたり、変形破壊されたりすることがない。
また、カップ部材と筒状部材の高さを予め同一程度に設定しておくことで、筒状部材の上端側の開口部周縁までガス発生剤を充填すれば、カップ部材を被せた後の底面側に空隙が生じることもなくなる。前記したような空隙が生じた場合、充填したガス発生剤が外部振動を受けて動き、粉砕されたり、異音発生の原因となるが、そのような問題も防止される。なお、筒状部材の高さは、ガス発生剤の充填量に応じて調整しておくことが望ましい。
筒状部材は一時的にガス発生剤を充填できる空間が確保できる程度の強度を有していればよいので、厚みも薄くすることができる。このため、カップ部材を被せて二重壁構造にした場合でも、外径はカップ部材のみの場合と比べても殆ど変わらない程度にすることができる。
カップ部材と筒状部材は、相互に接触した状態でもよいし、僅かな隙間を開けた状態であってもよいが、カップ部材と筒状部材が接触状態にある方が小型化の点で好ましく、更にカップ部材の底面と筒状部材の上端側の開口部が接触された状態であると、前記底面で筒状部材が下方に押された状態で固定できるため好ましい。
なお、カップ部材はアルミニウム、ステンレス等の金属製の公知のものを用いることができ、点火器組立体の作動により全体が破壊されるもの、周面又は底面のみが破壊されるもの、特定部位(例えば、閉塞された穴、予め形成された脆弱部)において破壊されるもののいずれでもよい。
〔請求項2〕
請求項2の発明は、課題の他の解決手段として、前記筒状部材が、前記点火器組立体の作動により、燃焼、変形、破裂又は溶融するものである、請求項1記載のガス発生器を提供する。
上記のとおり、筒状部材を燃焼、変形、破裂(破壊や破断も含む)又は溶融するものにすることで、ガス発生剤が燃焼して発生した燃焼ガスがカップ部材を破って放出することが阻害されることがない。なお、筒状部材自体をガス発生剤等のガス発生源で形成し、前記点火器組立体により着火させて発生した燃焼ガスを利用できるようにすることもできる。
筒状部材は、厚さ50μm程度のアルミニウム箔、前記アルミニウム箔と同程度の強度を有する樹脂からなるものを用いることができる。
〔請求項3〕
請求項3の発明は、課題の他の解決手段として、前記筒状部材が、周面に多数の穴を有しており、前記穴径が前記ガス発生剤よりも小さなものである、請求項1又は2記載のガス発生器を提供する。
筒状部材を周面に多数の穴を有するものにした場合、点火器組立体の作動によりガス発生剤が燃焼してガスが発生したとき、前記ガスは、前記穴を通り、カップ部材を破壊して放出される。このため、筒状部材を周面に多数の穴を有するものにした場合は、筒状部材は点火器組立体の作動によっても燃焼、変形、破裂又は溶融しないものにすることができるが、点火器組立体の作動により、燃焼、変形、破裂又は溶融するものにしてもよい。
〔請求項4〕
請求項4の発明は、他の課題の解決手段として、
請求項1〜3のいずれかに記載のガス発生器の製造方法であって、
点火器を包囲するように筒状部材を被せる工程、
前記筒状部材の上端開口部からガス発生剤を充填する工程、
前記筒状部材にカップ部材を被せ、前記カップ部材の開口部周縁を点火器カラーに固定する工程、
を有するガス発生器の製造方法を提供する。
点火器を包囲するように筒状部材を被せることで、天井面(上端側開口部)が開いた状態のガス発生剤収容室が形成されることになり、前記した開口部分から容易にガス発生剤を充填することができる。このため、ガス発生剤の充填作業が容易であり、作業状態の確認も容易である。
次の工程にて、筒状部材にカップ部材を被せて、開口している天井面をカップ部材底面で塞ぎ、カップ部材の開口部周縁を点火器カラーに固定することにより、密閉状態のガス発生剤収容室内にガス発生剤が充填された状態になる。
〔請求項5〕
請求項5の発明は、他の課題の他の解決手段として、前記点火器を包囲するように筒状部材を被せる工程において、前記筒状部材の下端側の開口部周縁を点火器カラーが有する環状溝に嵌め込み、更に次工程において、前記環状溝に前記カップ部材の開口部側を嵌め込んだ後、前記開口部側を固定する、請求項4記載のガス発生器の製造方法を提供する。
このように予め形成された環状溝に筒状部材とカップ部材の開口部側を一緒に嵌め込めば、位置決め及び固定が容易であり、作業が簡略化される。なお、カップ部材の開口部側にフランジを形成し、前記フランジを環状溝に嵌め込むことで、より固定強度が高められる。
〔請求項6〕
請求項6の発明は、他の課題の他の解決手段として、前記筒状部材にカップ部材を被せる工程において、前記カップ部材の内周面と前記筒状部材の外周面が接触され、かつ前記カップ部材の底面と前記筒状部材の上端側開口部が接触されるようにする、請求項4又は5記載のガス発生器の製造方法を提供する。
上記のとおりにカップ部材と筒状部材が接触された状態にすることで、全体の容積をより小さくすることができ、カップ部材の底面で筒状部材を上から押さえることになるため、筒状部材の固定強度が高められる。
〔請求項7〕
請求項7の発明は、課題の解決手段として、
着火部を有する点火器が点火器カラーに固定された点火器組立体と、ガス発生剤が収容されたガス発生剤収容室を有し、前記着火部が前記ガス発生剤収容室内に突き出されるように位置しているガス発生器であって、
前記ガス発生剤収容室が、第1カップ部材と第2カップ部材の組み合わせを含むものであり、
前記第1カップ部材と前記第2カップ部材が、前記第1カップ部材が、凹部を有する底面側が前記点火器側になるように配置され、前記第2カップ部材が前記第1カップ部材に被せられており、
前記第2カップ部材の内周面と前記第1カップ部材の外周面が接触乃至は近接された状態で、かつ前記第2カップ部材の底面と前記第1カップ部材の上端側開口部が接触乃至は近接された状態で組み合わされ、前記第2カップ部材の開口部が前記点火器カラーに固定されているものである、ガス発生器を提供する。
第1カップ部材と共に第2カップ部材を用いてガス発生剤収容室の周面と天井面を形成する場合、まず、好ましくは点火器組立体の少なくとも着火部を含む部分の外形と同形状の凹部を底面に有する第1カップ部材を、底面側から点火器に被せて配置することで、天井面が開口した状態のガス発生剤収容室が形成され、その上に第2カップ部材を被せることにより、密閉された状態のガス発生剤収容室が形成される。そして、前記したように、ガス発生剤収容室の天井面が開口されている状態でガス発生剤を充填すると、特許文献1で用いているような特別なシュート治具は必要なく、充填作業も容易であり、更に充填作業時にガス発生剤が着火部で押されることがないため、ガス発生剤が粉砕されることがない。
また、第2カップ部材と第1カップ部材の高さを予め同一程度に設定しておくことで、第1カップ部材の上端側の開口部周縁までガス発生剤を充填すれば、第2カップ部材を被せた後の底面側に空隙が生じることもなくなる。前記したような空隙が生じた場合、充填したガス発生剤が外部振動を受けて動き、粉砕されたり、異音発生の原因となるが、そのような問題も防止される。なお、第1カップ部材の高さは、ガス発生剤の充填量に応じて調整しておくことが望ましい。
第1カップ部材は、底面において、被せようとする点火器組立体の少なくとも着火部を含む部分の外形と一致又は近似した凹部を有するものである。第1カップ部材の底面側を点火器組立体に嵌め込んだ後にガス発生剤を充填する作業があるため、第1カップ部材底面の凹部は、第1カップ部材を点火器組立体に嵌め込んだときに、ガス発生剤の充填作業性を損なわない程度に第1カップ部材を静止させることができる程度の形状及び深さであればよい。
また第1カップ部材は、一時的にガス発生剤を充填できる空間が確保できる程度の強度を有していればよいので、厚みも薄くすることができる。このため、第2カップ部材を被せて二重壁構造にした場合でも、外径は第2カップ部材のみの場合と比べても殆ど変わらない程度にすることができる。
第2カップ部材と第1カップ部材は、相互に接触した状態でもよいし、僅かな隙間を開けた状態であってもよいが、第2カップ部材と第1カップ部材が接触状態にある方が小型化の点で好ましく、更に第2カップ部材の底面と第1カップ部材の上端側の開口部が接触された状態であると、前記底面で第1カップ部材が下方に押された状態で固定できるため好ましい。
なお、第2カップ部材は、アルミニウム、ステンレス等の金属製の公知のものを用いることができ、点火器組立体の作動により全体が破壊されるもの、周面又は底面のみが破壊されるもの、特定部位(例えば、閉塞された穴、予め形成された脆弱部)において破壊されるもののいずれでもよい。
〔請求項8〕
請求項8の発明は、課題の他の解決手段として、前記第1カップ部材が、前記点火器組立体の作動により、燃焼、変形、破裂又は溶融するものである、請求項7記載のガス発生器を提供する。
上記のとおり、第1カップ部材を燃焼、変形、破裂(破壊や破断も含む)又は溶融するものにすることで、ガス発生剤が燃焼して発生した燃焼ガスがカップ部材を破って放出することが阻害されることがない。なお、第1カップ部材自体をガス発生剤等のガス発生源で形成し、前記点火器組立体により着火させて発生した燃焼ガスを利用できるようにすることもできる。
第1カップ部材は、厚さ50μm程度のアルミニウム箔、前記アルミニウム箔と同程度の強度を有する樹脂からなるものを用いることができる。
〔請求項9〕
請求項9の発明は、課題の他の解決手段として、前記第1カップ部材が、周面に多数の穴を有しており、前記穴径が前記ガス発生剤よりも小さなものである、請求項7又は8記載のガス発生器を提供する。
第1カップ部材を周面に多数の穴を有するものにした場合、点火器組立体の作動によりガス発生剤が燃焼してガスが発生したとき、前記ガスは、前記穴を通り、第2カップ部材を破壊して放出される。このため、第1カップ部材を周面に多数の穴を有するものにした場合は、第1カップ部材は点火器組立体の作動によっても燃焼、変形又は溶融しないものにすることができるが、点火器組立体の作動により、燃焼、変形又は溶融するものにしてもよい。
〔請求項10〕
請求項10の発明は、課題の他の解決手段として、
請求項7〜9のいずれかに記載のガス発生器の製造方法であって、
点火器を包囲するように、底面に凹部を有する第1カップ部材の底面側を点火器上に被せる工程、
前記第1カップ部材の上端開口部からガス発生剤を充填する工程、
前記第1カップ部材に第2カップ部材を被せ、前記第2カップ部材の開口部周縁を点火器カラーに固定する工程、
を有するガス発生器の製造方法を提供する。
点火器を包囲するように第1カップ部材の底面側を点火器上に被せることで、天井面(上端側開口部)が開いた状態のガス発生剤収容室が形成されることになり、前記した開口部分から容易にガス発生剤を充填することができる。このため、ガス発生剤の充填作業が容易であり、作業状態の確認も容易である。なお、予め底面に凹部を有する第1カップ部材内にガス発生剤を充填したものを、点火器に被せる工程を含む製造方法でもよい。
次の工程にて、第1カップ部材に第2カップ部材を被せて、開口している天井面を第2カップ部材底面で塞ぎ、第2カップ部材の開口部周縁を点火器カラーに固定することにより、密閉状態のガス発生剤収容室内にガス発生剤が充填された状態になる。
〔請求項11〕
請求項11の発明は、課題の他の解決手段として、前記点火器カラーが有する環状溝に前記第2カップ部材の開口部側を嵌め込んだ後、前記開口部側を固定する、請求項10記載のガス発生器の製造方法を提供する。
このように予め形成された環状溝に第2カップ部材の開口部側を嵌め込めば、位置決め及び固定が容易であり、作業が簡略化される。なお、第2カップ部材の開口部側にフランジを形成し、前記フランジを環状溝に嵌め込むことで、より固定強度が高められる。
〔請求項12〕
請求項12の発明は、課題の他の解決手段として、前記第1カップ部材に前記第2カップ部材を被せる工程において、前記第2カップ部材の内周面と第1カップ部材の外周面が接触され、かつ前記第2カップ部材の底面と前記第1カップ部材の上端側開口部が接触されるようにする、請求項10又は11記載のガス発生器の製造方法を提供する。
上記のとおりに第2カップ部材と第1カップ部材が接触された状態にすることで、全体の容積をより小さくすることができ、第2カップ部材の底面で第1カップ部材を上から押さえることになるため、第1カップ部材の固定強度が高められる。
本発明のガス発生器は、ガス発生剤の充填作業を含む組立作業が容易であり、組立作業途中にて、ガス発生剤が粉砕、破壊、変形したりすることがない。
<第1のガス発生器>
図1は、本発明のガス発生器10を示す縦断面図で、シートベルトリトラクタに使用されるガス発生器を示したものである。ガス発生器10は、点火器組立体20とガス発生剤収容室40との組み合わせからなるものである。
点火器組立体20は、電気式の点火器21が点火器カラー31に固定されてなるものである。点火器21は、アイレット22で一体化された一対の導電性ピン23を有しており、導電性ピン23同士は、ブリッジワイヤ24で電気的に導電可能なものである。一対の導電性ピン23の一部は、樹脂からなる成形部材25で包囲されている。アイレット22は、成形部材25から、その一端面(ブリッジワイヤ24側)が露出された状態である。
成形部材25上には、アイレット22を包囲するようにして筒状のチャージホルダー26が取り付けられており、内部にはキャビティ27が形成され、着火薬28が充填されている。キャビティ27は、蓋部材29によって閉塞されている。
点火器21は、金属製の点火器カラー31に取り付けられている。図1では、点火器カラー31に形成された環状部分32をかしめて成形部材25を保持することで、点火器21が固定されている。
点火器カラー31に形成された環状溝33には、カップ部材41の開口部に形成されたフランジ42が嵌め込まれている。カップ部材41の内部には、筒状部材43が配置されている。筒状部材43は、下端部は環状溝33に嵌め込まれ、上端部はカップ部材41の天井面に当接されており、外周面はカップ部材41の内周面と接触している。カップ部材41と筒状部材43は、環状溝33の周壁33aをかしめることで共に固定されている。
カップ部材41と筒状部材43内の空間がガス発生剤収容室40となっており、所要量のガス発生剤44が充填されている。
筒状部材43は、点火器21の作動によりガス発生剤44が着火燃焼して発生した高温ガスによって、容易に燃焼、変形又は溶融するものが好ましく、厚さ50μm程度のアルミニウム箔や同程度の強度を有する樹脂(ナイロン6−12、ナイロン6−6等)製のものを用いることができる。但し、カップ部材41の底面に脆弱部(溝、傷、厚みの薄い部分等)を形成したり、金属箔で閉塞された孔を形成したりして、前記高温ガスの圧力により底面を開裂させ、そこから高温ガスを放出させる構造である場合には、筒状部材43は、点火器21の作動による火炎、ガス等によって燃焼、変形又は溶融しないものでもよい。
また、カップ部材41の周面に脆弱部(溝、傷、厚みの薄い部分等)を形成したり、金属箔で閉塞された孔を形成したりして、前記高温ガスの圧力により周面を開裂させ、そこから高温ガスを放出させる構造である場合には、筒状部材43は、周面に複数の穴(ガス発生剤44の最小径部分よりも小さな径の穴)を有するものや、周面に脆弱部を有するものでもよい。
次に、図1に示すガス発生器10の動作を説明する。なお、カップ部材41は、作動時において底面が破壊されるものである。
導電性ピン23に着火電流が伝わることにより点火器21が作動し、着火薬28の燃焼により火炎・ガス等を発生させる。これら火炎等は、ガス発生剤収容室40内のガス発生剤44を着火・燃焼させ、作動用ガスを発生させる。この作動用ガスは、カップ部材41の天井面を破って、上方向に放出される。このため、筒状部材43は、そのままの状態で残存していても作動上の問題はない。
<第1のガス発生器の製造方法>
次に、図2(A)、(B)、(C)により、図1で示すガス発生器の製造方法を説明する。図2は、製造工程を示す縦断面図である。
図2(A)に示すように、点火器組立体20の成形部材25の外周面に接するようにして筒状部材43を被せて行き、開口部周縁を環状溝33に当接させる。この工程により、チャージホルダ26は筒状部材43で包囲される。
次に、図2(B)に示すように、筒状部材43の上端開口部からガス発生剤44を充填する。筒状部材43の高さは、ガス発生剤44の充填量に応じて調整しておき、上端側の開口部周縁43aまで充填されるように調整しておくことが好ましい。このようにすることで、図2(C)で示す次工程にて、筒状部材43にカップ部材41を被せたとき、筒状部材41内に充填されたガス発生剤44とカップ部材底面41aとの間に隙間が生じることがなくなる。
次に、図2(C)に示すように、筒状部材43にカップ部材41を被せ、カップ部材41のフランジ42を環状溝33に嵌め込む。このとき、カップ部材41の内周面と筒状部材43の外周面が接触し、かつカップ部材底面41aと筒状部材43の上端側の開口部周縁43aが接触するようにする。このようにすることで、筒状部材43がカップ部材底面41aと環状溝33で上下から押圧されるので、筒状部材43が強く固定される。
その後、環状溝の周壁33aをかしめて、フランジ42を固定する。このようにすることで、カップ部材41が固定されると共に、カップ部材41の周面が筒状部材43の周面を押圧するため、筒状部材43の固定強度も高められる。
本発明の製造方法によれば、従来技術のように、着火部とガス発生剤が強く接触することがないため、製造途中にガス発生剤が粉砕されることがない。また、ガス発生剤44は筒状部材43の上端側の開口部から充填できるので、充填作業自体が容易であり、充填状態の確認も容易である。更に、ガス発生剤の充填量に応じて筒状部材の高さを調整し、筒状部材の高さに応じてカップ部材の高さを調整しておくことにより、カップ部材を被せたとき、カップ部材底面と充填されたガス発生剤との間に、ガス発生剤が移動するような間隙を生じさせることがなくなる。
<第2のガス発生器及びその製造方法>
図3は、本発明の別実施形態であるガス発生器100を示す縦断面図で、シートベルトリトラクタに使用されるガス発生器を示したものであり、図4は、図3で示すガス発生器の製造工程を示す縦断面図である。
図3に示すガス発生器100は、図1に示す筒状部材43の代わりに第1カップ部材111を用いたほかは、図1に示すガス発生器10と同一構造である。図1と同一番号は、同じ構成要素であることを意味し、図1のカップ部材41と図3の第2カップ部材41は名称のみが異なるものである。
第1カップ部材111は、底面側に凹部112を有しており、凹部112は、チャージホルダ26と蓋部材29に接触して、成形部材25とかしめられた環状部分32に接触乃至は近接した状態で被せられるような形状である。第2カップ部材41と第1カップ部材111内の空間がガス発生剤収容室40となっており、所要量のガス発生剤44が充填されている。
第1カップ部材111は、点火器21の作動によりガス発生剤44が着火燃焼して発生した高温ガスによって、容易に燃焼、変形又は溶融するものが好ましく、厚さ50μm程度のアルミニウム箔や同程度の強度を有する樹脂(ナイロン6−12、ナイロン6−6等)製のものを用いることができる。
次に、製造方法について説明する。図4(A)に示すように、点火器組立体20に上方から第1カップ部材111の凹部112を被せる。その後、図4(B)に示すように、第1カップ部材111の開口部からガス発生剤44を充填する。第1カップ部材111の高さは、ガス発生剤44の充填量に応じて調整しておき、上端側の開口部周縁113まで充填されるように調整しておくことが好ましい。このようにすることで、図4(C)で示す次工程にて、第1カップ部材111に第2カップ部材41を被せたとき、第1カップ部材111内に充填されたガス発生剤44と第2カップ部材底面41aとの間に隙間が生じることがなくなる。
その後、図4(C)に示すように第1カップ部材111に第2カップ部材41を被せ、第2カップ部材41のフランジ42を環状溝33に嵌め込む。このとき、第2カップ部材41の内周面と第1カップ部材111の外周面が接触し、かつ第2カップ部材底面41aと第1カップ部材111の上端側の開口部周縁113が接触するようにする。このようにすることで、第1カップ部材111が第2カップ部材底面41aと蓋部材29で上下から押圧されるので、第1カップ部材111が強く固定される。
その後、環状溝の周壁33aをかしめて、フランジ42を固定する。このようにすることで、第2カップ部材41が固定されると共に、第2カップ部材41の周面が第1カップ部材111の周面を押圧するため、第1カップ部材111の固定強度も高められる。
なお、図4(A)、(B)で示す工程において、予め所要量のガス発生剤44を充填した第1カップ部材111を点火器組立体20に被せた後、図4(C)で示す組立工程に移行してもよい。
本発明のガス発生器の縦断面図。 図1のガス発生器の製造工程を説明するための縦断面図。 本発明の他実施形態のガス発生器の縦断面図。 図3のガス発生器の製造工程を説明するための縦断面図。
符号の説明
10 ガス発生器
20 点火器組立体
21 点火器
26 チャージホルダ
31 点火器カラー
41 カップ部材
42 フランジ
43 筒状部材
44 ガス発生剤

Claims (12)

  1. 着火部を有する点火器が点火器カラーに固定された点火器組立体と、ガス発生剤が収容されたガス発生剤収容室を有し、前記着火部が前記ガス発生剤収容室内に突き出されるように位置しているガス発生器であって、
    前記ガス発生剤収容室が、カップ部材と筒状部材の組み合わせを含むものであり、
    前記カップ部材と前記筒状部材が、前記カップ部材の内周面と前記筒状部材の外周面が接触乃至は近接された状態で、かつ前記カップ部材の底面と前記筒状部材の上端側開口部が接触乃至は近接された状態で組み合わされ、前記カップ部材の開口部が前記点火器カラーに固定されているものである、ガス発生器。
  2. 前記筒状部材が、前記点火器組立体の作動により、燃焼、変形、破裂又は溶融するものである、請求項1記載のガス発生器。
  3. 前記筒状部材が、周面に多数の穴を有しており、前記穴径が前記ガス発生剤よりも小さなものである、請求項1又は2記載のガス発生器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のガス発生器の製造方法であって、
    点火器を包囲するように筒状部材を被せる工程、
    前記筒状部材の上端開口部からガス発生剤を充填する工程、
    前記筒状部材にカップ部材を被せ、前記カップ部材の開口部周縁を点火器カラーに固定する工程、
    を有するガス発生器の製造方法。
  5. 前記点火器を包囲するように筒状部材を被せる工程において、前記筒状部材の下端側の開口部周縁を点火器カラーが有する環状溝に嵌め込み、更に次工程において、前記環状溝に前記カップ部材の開口部側を嵌め込んだ後、前記開口部側を固定する、請求項4記載のガス発生器の製造方法。
  6. 前記筒状部材にカップ部材を被せる工程において、前記カップ部材の内周面と前記筒状部材の外周面が接触され、かつ前記カップ部材の底面と前記筒状部材の上端側開口部が接触されるようにする、請求項4又は5記載のガス発生器の製造方法。
  7. 着火部を有する点火器が点火器カラーに固定された点火器組立体と、ガス発生剤が収容されたガス発生剤収容室を有し、前記着火部が前記ガス発生剤収容室内に突き出されるように位置しているガス発生器であって、
    前記ガス発生剤収容室が、第1カップ部材と第2カップ部材の組み合わせを含むものであり、
    前記第1カップ部材と前記第2カップ部材が、前記第1カップ部材が、凹部を有する底面側が前記点火器側になるように配置され、前記第2カップ部材が前記第1カップ部材に被せられており、
    前記第2カップ部材の内周面と前記第1カップ部材の外周面が接触乃至は近接された状態で、かつ前記第2カップ部材の底面と前記第1カップ部材の上端側開口部が接触乃至は近接された状態で組み合わされ、前記第2カップ部材の開口部が前記点火器カラーに固定されているものである、ガス発生器。
  8. 前記第1カップ部材が、前記点火器組立体の作動により、燃焼、変形、破裂又は溶融するものである、請求項7記載のガス発生器。
  9. 前記第1カップ部材が、周面に多数の穴を有しており、前記穴径が前記ガス発生剤よりも小さなものである、請求項7又は8記載のガス発生器。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載のガス発生器の製造方法であって、
    点火器を包囲するように、底面に凹部を有する第1カップ部材の底面側を点火器上に被せる工程、
    前記第1カップ部材の上端開口部からガス発生剤を充填する工程、
    前記第1カップ部材に第2カップ部材を被せ、前記第2カップ部材の開口部周縁を点火器カラーに固定する工程、
    を有するガス発生器の製造方法。
  11. 前記点火器カラーが有する環状溝に前記第2カップ部材の開口部側を嵌め込んだ後、前記開口部側を固定する、請求項10記載のガス発生器の製造方法。
  12. 前記第1カップ部材に前記第2カップ部材を被せる工程において、前記第2カップ部材の内周面と第1カップ部材の外周面が接触され、かつ前記第2カップ部材の底面と前記第1カップ部材の上端側開口部が接触されるようにする、請求項10又は11記載のガス発生器の製造方法。



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