JP2008035165A - 整合器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可変容量及び可変インダクタンスを有する整合回路23と、整合回路23を通過する信号についてインピーダンスに関する電圧及び位相に関する電圧を検出する検出手段22と、終端抵抗26と、整合回路23の出力側を第2の機器に接続する状態と終端抵抗26に接続する状態とを切り替える切替手段27と、切替手段27により整合回路23の出力側を終端抵抗26に接続する状態へ切り替えて検出手段22による検出結果に基づいて整合回路23を検査する制御手段24と、を備えた。
【選択図】 図2
Description
このような整合器では、1個或いは複数個の整合回路を有し、整合回路により整合を取るための整合シーケンスが設定される。そして、整合器では、設定された整合シーケンスに従ってインピーダンスを整合点に収束させる調整処理を行う。整合回路は例えば可変容量と可変インダクタンスを組み合わせて構成されており、調整処理では整合回路の可変容量の値Cや可変インダクタンスの値Lを調整することが行われる。
また、従来の整合回路部分の自己診断の方法では、実際の整合試験を実施することから、整合時に整合回路が有する全ての回路(例えば、コンデンサやコイルなど)を使用するわけではないため、壊れている部分を見落とす可能性があった。
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたもので、信号を外部へ出力しない状態で、整合回路の自己診断を行うことが可能な整合器を提供することを目的とする。
すなわち、可変容量及び可変インダクタンスを有する整合回路と、前記整合回路を通過する信号についてインピーダンスに関する電圧及び位相に関する電圧を検出する検出手段と、終端抵抗と、前記整合回路の出力側を前記第2の機器に接続する状態と前記終端抵抗に接続する状態とを切り替える切替手段と、前記切替手段により前記整合回路の出力側を前記終端抵抗に接続する状態へ切り替えて前記検出手段による検出結果に基づいて前記整合回路を検査する制御手段と、を備えた。
また、可変容量としては、例えば、容量の値が可変なコンデンサ回路が用いられる。
また、可変インダクタンスとしては、例えば、インダクタンスの値が可変なコイル回路が用いられる。
また、整合回路の構成としては、種々なものが用いられてもよい。
また、終端抵抗としては、種々なものが用いられてもよい。
図1には、無線機システムの構成例を示してある。この無線機システムは、例えば、高い周波数(HF:High Frequency)の信号を通信する無線通信装置などに設けられている。
本例の無線機システムは、無線機1と、アンテナ(空中線)2と、無線機1とアンテナ2との間に設けられた整合器3を備えている。また、無線機1は、送受信機11と、例えば電力増幅器から成る増幅器12を備えている。
本例の無線機システムでは、整合器3が無線機1とアンテナ2との間のインピーダンス整合を取る。そして、送信では送受信機11から出力される送信信号が増幅器12により増幅されてアンテナ2から無線により送信され、受信ではアンテナ2により受信された信号が増幅器12により増幅されて送受信機11により処理される。
本例の整合器3は、減衰回路21と、検出回路22と、整合回路23と、制御部24と、電源部25と、抵抗(終端抵抗)26と、スイッチ27を備えている。ここで、終端抵抗26は、スイッチ27と接地点(グラウンド)との間に設けられている。また、整合回路23としては、例えば、無線周波数(RF:Radio Frequency)の信号に対応した回路が用いられている。
本例の整合器3では、無線機1の増幅器12から入力される信号が減衰回路21と検出回路22と整合回路23とスイッチ27を介してアンテナ2或いは終端抵抗26へ出力され、アンテナ2から入力される信号がスイッチ27と整合回路23と検出回路22と減衰回路21を介して無線機1の増幅器12へ出力される。
電源部25は、各回路へ電源を供給する。
なお、非減衰な経路(本例では、短絡の信号経路)については、例えば減衰器を有しなくとも現実の回路では減衰量が完全にはゼロとはならずに多少の減衰が発生することも考えられるが、ここでは、積極的に減衰を行う経路に対してそのような減衰を行わない経路であるという意味であり、現実的に多少の減衰が発生してしまうようなものについても非減衰な経路に包含される。
なお、低電力モードと大電力モードとしては、それぞれ、低電力モードに比べて大電力モードの方が電力レベルが大きいという要件を満たす種々な状態が用いられてもよい。一例として、通常の運用時と同等な或いは通常の運用時に近い電力レベルの状態を大電力モードとし、それより低い電力レベルの状態を低電力モードとして用いることができる。
制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やメモリを用いて構成されており、整合動作時には、検出回路22により検出された各種の電圧に基づいて、整合回路23を制御して、整合回路23により最適な整合が取られるようにする。なお、制御部24は、例えば、各種の制御信号を整合回路23へ出力することで整合回路23を制御し、また、整合動作時には、検出電圧に基づいて整合回路23による整合状態の良し悪しを判定し、この判定結果に基づいて制御を行う。
ここで、R極性は、検出回路22により検出されたインピーダンス電圧Rを所定の抵抗値(例えば、50オーム(Ω))の時の電圧と比較して、大きいか或いは小さいかに応じて“1”或いは“0”という極性を持たせたものである。
また、φ極性は、検出回路22により検出された位相電圧φを誘導性でもなく容量性でもない0の部分と比較して、例えば、位相電圧φが正(プラス)の電圧である場合には誘導性を表す“1”という極性を持たせ、位相電圧φが負(マイナス)の電圧である場合には容量性を表す“0”という極性を持たせたものである。
また、本例では、整合動作時に、整合の程度を確認するために、制御部24は、VSWR(反射係数)の値を検出する。VSWRは、進行波電圧Pf、反射波電圧Pr、平方根(ルート)を表す記号sqrtを用いて、[{sqrt(Pf)+sqrt(Pr)}/{sqrt(Pf)−sqrt(Pr)}]と表される。VSWRの値は、理想的な整合が取られた場合に、1となる。
一例として、整合回路23は、無線機1とアンテナ2とを接続する線路上に可変コンデンサから成る可変容量を有し且つ当該可変容量よりアンテナ2の側の点と接地点(グラウンド)との間に可変コイルから成る可変インダクタンスを有するT形整合回路を備える。他の例として、整合回路23は、無線機1とアンテナ2とを接続する線路上に可変コンデンサから成る可変容量を有し且つ当該可変容量より無線機1の側の点と接地点(グラウンド)との間に可変コイルから成る可変インダクタンスを有するT形整合回路を備える。
また、整合回路23が2個以上の異なる形の整合回路を備えるような構成とすることもできる。この場合、整合回路23は、複数の整合回路を切り替えるスイッチなどの機能を有し、制御部24からの制御信号に応じて、使用する整合回路すなわち検出回路22とアンテナ2との間に接続する整合回路を切り替えることが可能である。
本例では、制御部24は、スイッチ27へ切替制御信号を出力して当該スイッチ27を切り替えることが可能である。
整合回路23は、コンデンサ回路とコイル回路から構成されている。
コンデンサ回路は、1個のリレー及び1個のコンデンサを有する信号経路を複数であるn個並列に配置して構成されており、総じて、n個のコンデンサA1〜An及びn個のリレーB1〜Bnを有している。
コイル回路は、複数であるm個のスイッチD1〜Dmを直列に接続して各スイッチD1〜Dmの両端にそれぞれ1個のコイルを接続して構成されており、総じて、m個のコイルC1〜Cmを有している。
なお、本例では、コンデンサ回路よりもアンテナ2の側にある信号線路上の点と接地点(グラウンド)との間にコイル回路が設けられている。
コイル回路では、各リレーD1〜Dmの接続状態をオン(ON)とオフ(OFF)とで切り替えることにより、接続されて有効となるコイルC1〜Cmを変更することができ、一例として、それぞれ同一のインダクタンスを有するコイルC1〜Cmの中で有効となるものの数(0個以上m個以下)を変更することができ、これにより、接続されて有効となる合成インダクタンスの値Lを変更することができる。
本例では、整合器3における自己診断の処理は、制御部24により制御されて行われる。
制御部24は、自己診断の処理を行うときには整合回路23と終端抵抗26とが接続される状態へスイッチ27を切り替えてその状態を維持し、例えば、他のときには整合回路23とアンテナ2とが接続される状態へスイッチ27を切り替えてその状態を維持する。なお、他の構成例として、自己診断の処理以外の他の処理においても、整合回路23と終端抵抗26とを接続する状態を用いる場合がある構成とされてもよい。
このように、自己診断時には、整合器3の内部に設けられた終端抵抗26へ送信信号が出力されるように切り替えられるため、アンテナ2から送信信号が出力されないようにすることができる。
このように、自己診断時には、低電力モードへ切り替えられるため、検出回路22において低電力での電圧検出が可能となり、また、終端抵抗26として、運用する電力に対して、大幅に小さい定格のものを使用することが可能である。
制御部24は、このような検出電圧の性質に基づいて、整合回路23を構成する各回路素子(例えば、リレーB1〜Bn、D1〜DmやコンデンサA1〜AnやコイルC1〜Cm)が正常に動作しているか否かを判定する自己診断の処理を行う。本例では、制御部24がこのような判定を行うために参照する情報として、例えば、整合回路23の切り替え状態(設定態様)とそのときに予想される検出電圧の値或いは傾向(例えば、プラス又はマイナスの変化方向)との対応などの情報が予めメモリに記憶されている。
なお、本例では、検出回路22は故障していないとして説明したが、例えば、制御部24は、検出回路22から入力される電圧に異常が発生した場合に、検出回路22の故障(或いは、故障の可能性)を検出する。
また、本例の整合器3では、自己診断時には、送信信号(送信波)を終端抵抗26へ接続する状態とすることにより、装置外部へ送信信号を出力せずに、整合回路23の構成部分(例えば、リレーB1〜Bn、D1〜DmやコンデンサA1〜AnやコイルC1〜Cm)に故障があるか否かを短時間で明確に見つけ出すことができる。
また、本例の整合器3では、自己診断時には、低電力モードとすることにより、検出回路22により検出される電圧を小さくすることができ、終端抵抗26にかかる負担を小さくすることができる。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
Claims (1)
- 第1の機器と第2の機器との間に接続されて、前記第1の機器から前記第2の機器を見たインピーダンスを整合する整合器において、
可変容量及び可変インダクタンスを有する整合回路と、
前記整合回路を通過する信号について、インピーダンスに関する電圧及び位相に関する電圧を検出する検出手段と、
終端抵抗と、
前記整合回路の出力側を前記第2の機器に接続する状態と前記終端抵抗に接続する状態とを切り替える切替手段と、
前記切替手段により前記整合回路の出力側を前記終端抵抗に接続する状態へ切り替えて、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記整合回路を検査する制御手段と、
を備えたことを特徴とする整合器。
Priority Applications (1)
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JP2006205808A JP2008035165A (ja) | 2006-07-28 | 2006-07-28 | 整合器 |
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2006
- 2006-07-28 JP JP2006205808A patent/JP2008035165A/ja active Pending
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