JP2008034657A - キャリア抑圧光パルス列発生方法及びこの方法を実現するモード同期半導体レーザ - Google Patents

キャリア抑圧光パルス列発生方法及びこの方法を実現するモード同期半導体レーザ Download PDF

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Abstract

【課題】CS光パルス列を構成する光パルスの半値幅を変えることが可能であり、かつ小型で消費電力が小さい。
【解決手段】光変調領域10、利得領域12、位相調整領域14及び分布反射鏡領域16を具えて構成される分布帰還型半導体レーザ100である。利得領域には、p側電極26とn側共通電極32とを介して、定電流源38によって電流が注入されて、レーザ発振に必要な反転分布が形成される。光変調領域では、モード同期の発現に必要な光変調がなされる。分布反射鏡領域には回折格子18が形成されている。モード同期半導体レーザの縦モードのうち、分布反射鏡領域のブラッグ波長を周波数に換算した周波数f0に近接する2つの縦モードが、f0+(frep/2)及びf0-(frep/2)となるように、位相調整領域ならびに分布反射鏡領域の実効屈折率を調整することによって、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を発生させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、キャリア抑圧RZ(Return to Zero)フォーマットの強度変調による光パルス信号を生成するための、キャリア抑圧光パルス列を発生させる方法及びこの方法を実現させるためのモード同期半導体レーザに関する。
光通信ネットワークは、伝送の長距離化及び大容量化が進められている。この光通信ネットワークを構成する光通信システムにおいて用いられる光信号のフォーマットは、様々なものが提案されており、そのうちの幾つかは実用化されている。実用化されている光信号のフォーマットで代表的なものは、光強度の強弱によって2値デジタル信号を表す、強度変調フォーマットである。そして、この強度変調フォーマットには、大別して2種類あり、それらは、連続する「1」信号の間で光強度が保たれるNRZ(Non Return to Zero)フォーマットと、連続する「1」信号の間で光強度が一旦ゼロになるRZフォーマットとである。
RZフォーマットの光信号は、時間軸上で規則正しく一定の間隔で並んだ光パルス列に対して、この光パルス列を構成する個々の光パルスを光強度変調器によって、光変調することによって生成される。光パルス列を構成する個々の光パルスを光変調するとは、光パルス列を構成する光パルスを、選択的に遮断あるいは透過させることによって2値デジタル信号を生成することである。RZフォーマットの光信号を生成するには、光パルス列が予め必要で、この光パルス列を発生する光源が必須である。
RZフォーマットの光信号は、上述したように、時間軸上で規則正しく一定の間隔で並んだ光パルス列を光変調して得られる2値デジタル信号であるので、以後、光パルス信号及び光パルス列との表現は、以下の意味で用いるものとする。すなわち、光パルス信号との表現は、時間軸上で規則正しく一定の間隔で並んだ光パルス列を光変調して得られる、2値デジタル信号としての光パルスの列を意味する場合のみに用いるものとする。一方、光パルス列との表現は、時間軸上で規則正しい一定の間隔で欠損することなく並ぶ光パルスの総体を指すものとして用いる。
RZフォーマットは、連続する「1」信号の間においても光強度が一旦ゼロになるフォーマットであるので、一般に、NRZフォーマットに比べ、光搬送波としての光の波長帯域は広くなる。以後、光搬送波としての光の波長帯域を、光パルス信号あるいは光パルス列の波長スペクトル帯域ということもある。
RZフォーマットの光パルス信号は、「1」を意味するビットを示す光パルスは常に単独に時間軸上に存在するので、この光パルス信号は、半値幅の狭い光パルスの集合として構成されることになる。一方、NRZフォーマットの光パルス信号は、「1」を意味するビットが連続して現れる場合には、「1」が連続する間一続きの幅の広い光パルスとして構成される。そのため、NRZフォーマットの光パルス信号を構成する光パルスの半値幅は、RZフォーマットの光パルス信号を構成する光パルスの半値幅に比べて、平均して広くなる。
従って、RZフォーマットの光パルス信号の占有する周波数帯域(以後、周波数スペクトル帯域と記載することもある。)は、NRZフォーマットの光パルス信号の占有する周波数スペクトル帯域より広くなる。以後の説明において、周波数で表現されるスペクトルであるか、波長で表現されるスペクトルであるかを区別する必要のないときは、単にスペクトルということもある。
スペクトル帯域が広くなると、第1に信号の伝送媒体である光ファイバの有する群速度分散によって光パルスの時間軸上での半値幅が広がるという、波形歪みの効果が顕著に現れ、これによって伝送距離が制限される。第2に、波長多重方式による大容量化を考慮すると、隣接する波長が割り当てられたチャンネル間のクロストークを抑制する為に、隣接するチャンネルに割り当てる波長差を大きくとる必要が生じる。いずれにしても、スペクトル帯域が広い光パルス信号は、それが利用される光通信ネットワークの、周波数帯域の効率的な利用の観点から好ましくない。
そこで、RZフォーマットの光パルス信号のスペクトル帯域を狭くする方法が提案されてきた。その中の代表的な方法が、時間軸上で隣接する光パルス間で、光搬送波としての位相を反転させた光パルス列をRZフォーマットする、いわゆるキャリア抑圧RZフォーマットを採用することである(例えば、非特許文献1参照)。時間軸上で隣接する光パルス間で光搬送波としての位相が反転するとは、隣接する光パルス間の位相差がπであるということと同義である。以後、キャリア抑圧RZフォーマットを、CS-RZフォーマット(Carrier-suppressed-RZフォーマット)と記載することもある。
時間軸上で隣接する光パルス間で光搬送波としての位相を反転させるとは、光搬送波としての位相が連続しておらず、光搬送波の位相がπだけ急変する位相跳躍部分が、隣接する光パルス間に存在することを意味する。従って、隣接する光パルス間で生じる干渉の効果は、互いの振幅を相殺させる効果となる。一方、時間軸上で隣接する光パルス間の光搬送波としての位相が同相である場合には、これらの光パルス間で生じる干渉の効果は、互いの振幅が足し合わされる効果となる。
CS-RZフォーマットは、時間軸上で隣接する光パルス間の光搬送波としての位相が同相である通常のRZフォーマット比べ、スペクトル帯域を25%程度低減できる(非特許文献1参照)。そのため、光ファイバの群速度分散による波形歪への耐性に優れ、また、周波数利用効率に優れる。さらにまた、CS-RZフォーマットは、光パルス信号のデューティ比が高くなっても、時間軸上で隣り合った光パルス間の干渉による波形歪が、通常のRZフォーマットよりも抑えられる。このため、光パルス信号を構成する光パルスの時間軸上での幅を、通常RZフォーマットよりも広く取ることが出来る。その結果、光搬送波のスペクトル帯域を低減できる。すなわち、CS-RZフォーマットの光パルス信号を採用することによって、長距離伝送特性・周波数利用効率に優れた光通信システムの実現が可能となる。
ここで、光パルスのデューティ比とは、時間軸上において隣接して並ぶ光パルスの間隔(1ビット当たりの時間幅であり、時間スロットと呼ばれることもある。)に対する、当該光パルスの半値幅の比をいう。従って、デューティ比が高くなるとは、光パルスの半値幅が、時間スロットに対して広くなることを意味する。すなわち、時間スロットを固定して光パルスの半値幅を広くする、あるいは光パルスの半値幅を固定して時間スロットを狭くすると、デューティ比が高くなる。
従来、CS-RZフォーマットの光パルス信号を生成するために必要とされる、CS光パルス列を発生する方法としては、以下の4通りの方法が提案されている。
第1の方法は、マッハツェンダ干渉計型のLiNbO3光強度変調器を用いる方法である(例えば、非特許文献1参照)。以後LiNbO3光強度変調器をLN光強度変調器と記載することもある。この方法を、繰り返し周波数が40 GHzであるCS光パルス列発生を例にして説明する。まず連続波(CW: Continuance Wave)光源から発生するCW光をLN光強度変調器に入力する。そして、LN光強度変調器のDCバイアスレベルを透過率最小の電圧値に設定して、繰り返し周波数が20 GHzであって、かつ最大-最小間の電圧差(peak-to-peak 電圧、以下でVppと記載することもある。)が半波長電圧Vπの2倍である電気変調信号(多くの場合、正弦波)でLN光強度変調器を変調すれば、繰り返し周波数が40 GHzのCS光パルス列がLN光強度変調器から出力される。
第1の方法によれば、CW光源の波長を変えても光パルスの特性変化が小さいので、高性能な波長可変CS光パルス列発生光源が提供できる。これは、LN光強度変調器の光変調特性の波長依存性が小さい為である。また、第1の方法は、繰り返し周波数を容易に変えられるという利点もある。
第2の方法は、チャープグレーティング(Chirped Grating)を集積化したモード同期半導体レーザを用いて、チャープグレーティングの分散を利用し、2モードレーザ発振させる方法である(例えば、非特許文献2参照)。説明の便宜上、ここで、チャープグレーティングのブラッグ波長近傍の3つの縦モードを考える。これら3つの縦モードの周波数を低周波数側からfm-1、fm、fm+1とする。そして、チャープグレーティングの分散を利用して、m-1次とm次の縦モード間の周波数差(fm-fm-1)と、m次とm+1次の縦モード間の周波数差(fm+1-fm)とを、モード同期動作による周波数引き込みが生じないほど大きく異なった値とする。ここで、mは整数である。
このモード同期半導体レーザに、周波数(fm+1-fm)で変調を与えてモード同期を生じさせた場合、m-1次のモードは、周波数引き込みが生じないため、モード同期せず、モード同期発振しない。すなわち、このレーザはm次とm+1次との2モード発振をする。2モード発振状態は、最も基本的なCS光パルス列発生状態である。従って、この方法でCS光パルス列を発生させることができる。
上述の第2の方法は、単一素子を用いてCS光パルス列発生が可能であるという利点を有しており、この方法を実現するための装置は、小型化及び低コスト化することが可能である。
第3の方法は、上述の第2の方法をより一般化した方式である。すなわち、波長の異なる2つの縦単一モード発振レーザを用意し、その両者の出力を合波することで、両者の波長差に相当する繰り返し周波数のCS光パルス列を発生させる方法である。
第3の方法は、2つの縦単一モード発振レーザの波長を変えることによって、波長及び繰り返し周波数を変えることができるという利点を有している。
第4の方法は、光パルス光源と光遅延干渉計を用いた方法である。この方法について、繰り返し周波数が40 GHzであるCS光パルス列発生を例にして説明する。まず、繰り返し周波数が20 GHzで、隣接する光パルス間の光搬送波としての位相が揃った、通常の光パルス列を発生する光パルス光源を用意する。次に、この光パルス列を2つに分岐する。遅延光学系を用いて、この2分岐した光パルス列の一方に25 psの時間遅延を与えると同時に、光搬送波としてπの位相差を与える。その後、両者を合波することにより、繰り返し周波数が40 GHzであるCS光パルス列が得られる。光分岐及び合成回路や、遅延光学系としては、光ファイバ型の遅延光学系を用いても良いし、非特許文献3に開示されるように、ハーフミラーと空間光学系を組み合わせた構成の遅延光学系でも良い。
A. Hirano, Y. Miyamoto, S. Kuwahara, M. Tomizawa, and K.Murata, "A novel mode-splitting detection scheme in 43-Gb/s CS- and DCS-RZsignal transmission," IEEE J. Lightwave Technology., vol. 20, No. 12, pp.2029-2034, 2002. K. Sato, A. Hirano, and N. Shimizu, "Dual mode operationof semiconductor mode-locked lasers for anti-phase pulse generation,"Technical Digest of OFC 2000, paper ThW3-1, 2000. H. Murai, M. Kagawa, H. Tsuji, and K. Fujii, "EAmodulator-based optical multiplexing/demultiplexing techniques for 160Gbit/s OTDM signal transmission," IEICE Trans. Electron., vol. E88-C, No.3, pp. 309-318, 2005.
しかしながら第1の方法は、LN光強度変調器とは別個にCW光源が必要であるため、第1の方法を実現するための装置は大型となる。また、一般的なLN光強度変調器における半波長電圧Vπは、5 V〜10 Vであるが、必要とされる変調電圧Vppは2Vπであるので、必要な変調電圧Vppは、10 V〜20 Vとなる。これは、LN光強度変調器のインピーダンスを50Ωとして、電力に換算すれば、24 dBm〜30 dBmと大きな値であり、第1の方法は、大きな消費電力を要する方法である。
第2の方法では、原理的に正弦波の光パルス列しか得られない。すなわち、第2の方法では、システム仕様に応じたフレキシブルなパルス幅の設定が出来ない。
第3の方法でも、原理的に正弦波の光パルス列しか得られない。また、第3の方法では、2つのレーザを位相同期させて発振させる必要があり、その位相同期を実現させるための制御装置が必要となる。その結果、第3の方法を実現するための装置は、大型かつ高コストとなる。
上述の第4の方法を実現させるためには、CS光パルス列の繰り返し周波数の半分の周波数(上述の例では20 GHz)の通常の光パルス列を発生する光源が必要である。ここで、通常の光パルス列とは、この光パルス列を構成する光パルスの位相が等しい光パルス列をいう。第4の方法において、光搬送波としての位相の制御を考慮すると、幾何学的な長さに換算して数μmに相当する高精度な光遅延制御を、光遅延干渉計において実行することが必要となる。すなわち第4の方法を実現させるための装置は、その構成が複雑で、かつ、高精度な制御回路が必要であり、大型で高コストとなる。
そこで、この発明の目的は、CS光パルス列発生方法であって、このCS光パルス列を構成する光パルスの半値幅を変えることが可能であり、かつ小型で消費電力が小さくてすむ、CS光パルス列発生方法を提供することにある。
また、この発明の他の目的は、この方法を実現する為のモード同期半導体レーザを提供することにある。
なお、半導体レーザをモード同期動作させる技術分野においては、モード同期動作の実現に必要とされる光変調器等のデバイスが一体的に組み込まれた半導体レーザが使われる。このため、モード同期とは本来レーザの動作形態を意味する用語であるが、モード同期動作をさせることを前提にして設計製造された半導体レーザを、モード同期半導体レーザと呼ぶこともある。従って、以下に説明する分布帰還型半導体レーザ、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ及びリング共振器型半導体レーザは、モード同期動作をさせることを前提にして設計製造されているので、いずれもモード同期半導体レーザである。
上述の目的を達成するため、この発明の要旨によれば、以下の構成のCS光パルス列発生方法が提供される。
この発明の第1のCS光パルス列発生方法の基本動作原理は、ブラッグ周波数がf0である回折格子を具えた分布帰還型半導体レーザを、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、f0±q(frep/2)で与えられる(qは奇数である。)発振縦モードで、モード同期動作させることである。ここで、縦モードとは、発振光のスペクトルを指し、共振器モードと呼ばれることもある。
このモード同期動作によって、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列が、上述の分布帰還型半導体レーザから出力される。ブラッグ周波数f0とは、ブラッグ波長λBを周波数に換算した値である。すなわち、λBを真空中の波長とし、cを光速とした場合、f0×λB=cである。
この発明の第1のCS光パルス列発生方法は、分布帰還型半導体レーザを、以下の(A1)から(C1)のステップを含んで操作することによって、この分布帰還型半導体レーザをモード同期動作させて、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を出力させる方法である。
(A1)分布帰還型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するための電流注入を行うステップ(ステップA1)
(B1)分布帰還型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように、発振縦モードを調整するステップ(ステップB1)
(C1)発振縦モードを周波数frepで変調するステップ(ステップC1)。
この発明の第1のCS光パルス列発生方法は、この発明の第1の分布帰還型半導体レーザ利用することによって実現される。
第1の分布帰還型半導体レーザは、光強度を変調する機能を有する光変調領域と、反転分布が形成される利得領域と、実効屈折率が可変である位相調整領域と、ブラッグ周波数がf0である回折格子が形成されている分布反射鏡領域とを具えて構成される分布帰還型半導体レーザである。光変調領域と、利得領域と、位相調整領域と、分布反射鏡領域とは、直列に配置されて共振器に収められている。
光利得領域に電流注入することによって、分布帰還型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するステップA1が実現される。
位相調整領域及び分布反射鏡領域の実効屈折率は、発振縦モードがf0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、この分布帰還型半導体レーザがモード同期動作するように調整することができる構成とされている。また、光変調領域に対しては、交流電流を注入あるいは交流電圧を印加することによってその透過率を周波数がfrepで変調することができる構成とされている。すなわち、この分布帰還型半導体レーザを、位相調整領域及び分布反射鏡領域の実効屈折率の少なくとも何れか一方の実効屈折率を調整することによってモード同期動作させ(ステップB1)、この分布帰還型半導体レーザから繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を出力させる(ステップC1)ことが可能である。
この発明の第2のCS光パルス列発生方法は、光変調領域、利得領域、位相調整領域及び布反射鏡領域に加えて、更に光吸収係数を調整するための光吸収係数調整領域を具える第2の分布帰還型半導体レーザを用いて実施される。すなわち、第2のCS光パルス列発生方法は、この第2の分布帰還型半導体レーザを、上述のステップA1、B1及びC1に、更に以下のステップD2を含んで操作することによって、この分布帰還型半導体レーザをモード同期動作させて、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を出力させる方法である。
上述のステップA1が実行された後に、以下のステップD2が実施され、続いてステップB1及びステップC1が実行される。
(D2)分布帰還型半導体レーザが具える分布反射鏡領域に近接する一方の共振器端面から反射される反射光を、該分布反射鏡領域に到達しないように減衰させるステップ(ステップD2)。
第2の分布帰還型半導体レーザの光吸収係数調整領域は、分布反射鏡領域とこの分布反射鏡領域に近接する一方の共振器端面との間に設置されている。すなわち、第2の分布帰還型半導体レーザは、光変調領域、利得領域、位相調整領域、分布反射鏡領域及び光吸収係数調整領域がこの順に直列に配置されており、光変調領域と外部との端面が第1の端面であり、光吸収係数調整領域と外部との端面が第2の端面である。分布反射鏡領域に近接する一方の共振器端面とは、第2の端面を意味する。
光吸収係数調整領域の光吸収係数を調整することによって、一方の共振器端面(第2の端面)における反射光が分布反射鏡領域に到達しない十分な大きさに減衰させることが可能である。この状態が実現されると、第2の分布帰還型半導体レーザの発振縦モードを確定する境界条件は、第1の端面からの反射と分布反射鏡領域からの反射とによって確定され、第2の端面は、第2の分布帰還型半導体レーザの発振縦モードの確定になんら影響を与えない。
この発明の第1及び第2のCS光パルス列発生方法を実施するに当たり、好ましくは、分布帰還型半導体レーザの位相調整領域及び分布反射鏡領域に電極を具えるのが良い。この電極を介して位相調整領域及び分布反射鏡領域に電流を注入することによって、プラズマ効果を発現させて実効屈折率を変化させることができる。また、この電極を介して位相調整領域及び分布反射鏡領域に電圧を印加することによって、ポッケルス効果を発現させて実効屈折率を変化させることもできる。
上述のプラズマ効果あるいはポッケルス効果を利用する以外にも、温度を制御することによって位相調整領域及び分布反射鏡領域の実効屈折率を変化させることが可能である。この温度制御を実施可能とするために、位相調整領域及び分布反射鏡領域に抵抗加熱膜を具えるのが好適である。
この発明の第3のCS光パルス列発生方法の基本動作原理は、透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタと、多電極半導体レーザとを含む外部共振器を具えたファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザを、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、f0±q(frep/2)で与えられる(qは奇数である。)発振縦モードで、モード同期動作させることである。このモード同期動作によって、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列が、上述のファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザから出力される。
この発明の第3のCS光パルス列発生方法は、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザに対して、以下の(A3)から(C3)のステップを含んで操作することによって、この分布帰還型半導体レーザをモード同期動作させて、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を出力させる方法である。
(A3)ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するための電流注入を行うステップ(ステップA3)
(B3)ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように、発振縦モードを調整するステップ(ステップB3)
(C3)発振縦モードを周波数frepで変調するステップ(ステップC3)
この発明の第3のCS光パルス列発生方法は、上述したように、この発明のファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザを利用することによって実現される。
この発明のファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザは、透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタと、光強度を変調する機能を有する光変調領域及び反転分布が形成される利得領域を直列に配置されて構成された多電極半導体レーザとを具えている。この波長フィルタと、この多電極半導体レーザとは直列に配置されて外部共振器に収められている。
多電極半導体レーザの利得領域に電流注入することによって、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するステップA3が実現される。
外部共振器の間隔は、発振縦モードがf0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、このファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザがモード同期動作するように調整する(ステップB3)ことができる構成とされている。また、光変調領域に対しては、周波数がfrepに等しい交流電圧を印加することによってその透過率を変調する(ステップC3)ことができる構成とされている。このファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザを、モード同期動作させることによって、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザから繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列が出力される。
この発明の第4のCS光パルス列発生方法の基本動作原理は、リング共振器を具えたリング共振器型半導体レーザを、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、f0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、モード同期動作させることである。このモード同期動作によって、繰り返し周波数がfrepであるCSパルス列が、このリング共振器型半導体レーザから出力される。
この発明の第4のCS光パルス列発生方法は、リング共振器を具えたリング共振器型半導体レーザに対して、以下の(A4)から(C4)のステップを含んで操作することによって、このリング共振器型半導体レーザをモード同期動作させて、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を出力させる方法である。
(A4)リング共振器型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するための電流注入を行うステップ(ステップA4)
(B4)リング共振器型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように、発振縦モードを調整するステップ(ステップB4)
(C4)発振縦モードを周波数frepで変調するステップ(ステップC4)。
この発明の第4のCS光パルス列発生方法は、上述したように、この発明のリング共振器型半導体レーザを利用することによって実現される。
この発明のリング共振器型半導体レーザは、透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタと、光強度を変調する機能を有する光変調領域と、反転分布が形成される利得領域と、を直列に配置されて構成された多電極半導体レーザと、光学長を変化させるための可動光遅延器と含んで構成されている。波長フィルタと、多電極半導体レーザと、可動光遅延器とは、リング共振器に収められている。
多電極半導体レーザの利得領域に電流注入することによって、リング共振器型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するステップA4が実現される。
リング共振器の周回共振器長は、発振縦モードがf0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、このリング共振器型半導体レーザがモード同期動作するように調整すること(ステップB4)ができる構成とされている。また、光変調領域に対しては、周波数がfrepに等しい交流電圧を印加することによってその透過率を変調すること(ステップC4)ができる構成とされている。このリング共振器型半導体レーザを、モード同期動作させることによって、リング共振器型半導体レーザから繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列が出力される。
第1及び第2のCS光パルス列発生方法の基本発明は、ブラッグ周波数がf0である回折格子を具えた第1の分布帰還型半導体レーザを、f0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、モード同期動作させることによって、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を発生させる方法である。詳細は後述するが、f0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードでモード同期動作させることにより、分布帰還型半導体レーザから、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を出力させることができるという効果を奏する。
第1のCS光パルス列発生方法は、第1の分布帰還型半導体レーザによって以下のように実現される。
ステップA1では、電流注入を行うことによって、利得領域において第1の分布帰還型半導体レーザが発振するための条件である反転分布が形成される。ステップA1が実施されることで、第1の分布帰還型半導体レーザは発振状態となる。
ステップB1では、位相調整領域及び分布反射鏡領域の実効屈折率の少なくとも何れか一方の実効屈折率を調整することによって、分布帰還型半導体レーザの共振条件が確定され、発振縦モードがf0±q(frep/2)であるモード同期動作に必要な条件が整えられる。すなわち、第1の分布帰還型半導体レーザをこの状態で発振させると、発振縦モード間には相関がないが、発振縦モードがf0±q(frep/2)である発振光を出力可能である状態となる。
ステップC1では、光変調領域の透過率が周波数frepで変調されることによって、第1の分布帰還型半導体レーザをモード同期動作させることができる。すなわち、発振縦モード間に一定の相関関係が導入された状態となる。発振縦モード間が一定の相関関係を保った状態で第1の分布帰還型半導体レーザを発振させることによって、繰返し周波数がfrepである光パルス列を出力させることができる。
第2のCS光パルス列発生方法は、第2の分布帰還型半導体レーザによって以下のように実現される。第2のCS光パルス列発生方法も、第1のCS光パルス列発生方法と同様に、第2の分布帰還型半導体レーザを、f0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードでモード同期動作させることによって、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を発生させる方法である。
第1のCS光パルス列発生方法と異なる点は、光吸収係数調整領域の光吸収係数の値を、光吸収係数調整領域側の共振器端面における反射光が分布反射鏡領域に到達しない十分な大きさに設定するステップD2を含んでいることである。従って、第2のCS光パルス列発生方法を実現するための第2の分布帰還型半導体レーザは、光吸収係数調整領域を具えている。
このステップD2を実行することによって、光吸収係数調整領域の光吸収係数の値を、光吸収係数調整領域側の共振器端面における反射光が分布反射鏡領域に到達しない十分な大きさに設定することができる。このように、光吸収係数調整領域側の共振器端面における反射光が分布反射鏡領域に到達しないようにすることによって、次の効果が得られる。すなわち、反射光が分布反射鏡領域に到達しないということは、分布反射鏡領域側の共振器端面(劈開面)の反射率が0であることと等価となる。従って、分布反射鏡領域側の共振器端面の残留反射の影響を受けることなく、CS光パルス列を確実に発生させることができる。分布反射鏡領域側の共振器端面の残留反射が存在すると、規則正しい光パルスの列として、CS光パルス列を生成することが困難となる。
第3のCS光パルス列発生方法は、分布帰還型半導体レーザの代わりにファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザを利用する点が、第1及び第2のCS光パルス列発生方法と異なる点である。第1及び第2のCS光パルス列発生方法において利用される分布帰還型半導体レーザが具える分布反射鏡領域に対応する構成要素は、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザが具える波長フィルタである。また、第1及び第2のCS光パルス列発生方法においては、位相調整領域及び分布反射鏡領域の実効屈折率の少なくとも何れか一方の実効屈折率を調整することによって、分布帰還型半導体レーザの共振条件を設定するが、第3のCS光パルス列発生方法においては、外部共振器の間隔を調整することによって、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザの共振条件を設定する。
第3のCS光パルス列発生方法においても、CS光パルス列を発生させる基本動作原理は、第1及び第2のCS光パルス列発生方法における基本動作原理と同様である。すなわち、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザを、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、f0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、モード同期動作させることによって、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を発生させるという効果を奏する。
第4のCS光パルス列発生方法は、リング共振器型半導体レーザをモード同期動作させることによって、CS光パルス列を発生させる方法である。第1及び第2のCS光パルス列発生方法において利用される分布帰還型半導体レーザが具える分布反射鏡領域に対応する構成要素は、第3のCS光パルス列発生方法と同様に、リング共振器型半導体レーザが具える波長フィルタである。また、第4のCS光パルス列発生方法においては、リング共振器に配置した可動光遅延器の光遅延量を調整することによって、発振縦モードがf0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、このリング共振器型半導体レーザがモード同期動作するように、リング共振器の周回共振器長が調整される。
第4のCS光パルス列発生方法においても、CS光パルス列を発生させる基本動作原理は、上述の第1から第3のCS光パルス列の発生方法と同様である。すなわち、リング共振器型半導体レーザを、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、f0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、モード同期動作させることによって、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を発生させるという効果を奏する。
第3及び第4のCS光パルス列発生方法において、モード同期動作に必要とされる周波数frepで変調する動作(ステップC3及びC4)は、共に光変調領域の透過率を周波数frepで変調することによって実現できる。
以上説明したように、この発明の第1から第4のCS光パルス列発生方法によれば、それぞれの方法において利用される、分布帰還型半導体レーザ、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ及びリング共振器型半導体レーザを、f0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、モード同期動作させることによって、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を発生させることが可能である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、各図は、この発明に係る一構成例を図示するものであり、この発明が理解できる程度に各構成要素の配置関係等を概略的に示しているに過ぎず、この発明を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、特定の材料および条件等を用いることがあるが、これら材料および条件は好適例の一つに過ぎず、従って、何らこれらに限定されない。また、各図において同様の構成要素については、同一の参照番号を付して示し、その重複する説明を省略することもある。
<第1実施例>
図1(A)及び(B)を参照して、第1のCS光パルス列発生方法を実現するための第1の分布帰還型半導体レーザの構成について説明する。また、この第1の分布帰還型半導体レーザのモード同期動作原理について説明する。図1(A)及び(B)は、共に第1のモード同期半導体レーザ、すなわち第1のCS光パルス列発生方法を実現させるための分布帰還型半導体レーザの概略的構造を説明するための図である。
図1(A)は、位相調整領域及び分布反射鏡領域の光導波路の実効屈折率の変化をプラズマ効果あるいはポッケルス効果によって実現する分布帰還型半導体レーザを拡大断面図で示している。また、図1(B)は、位相調整領域及び分布反射鏡領域の光導波路の実効屈折率の変化を温度変化によって実現する分布帰還型半導体レーザを拡大断面図で示している。以後の説明において、位相調整領域あるいは分布反射鏡領域の光導波路の実効屈折率を、単に位相調整領域あるいは分布反射鏡領域の実効屈折率ということもある。
図1(A)と図1(B)に示す分布帰還型半導体レーザは、位相調整領域及び分布反射鏡領域の構造の一部が異なるだけであるので、同様の構成要素については同一の参照番号を付して説明する。
第1実施例の分布帰還型半導体レーザは、共振器周回周波数の自然数倍が、発生する光パルス列の繰り返し周波数frepに近似するモード同期半導体レーザである。ここで近似するとは、分布帰還型半導体レーザの共振器周回周波数自然数倍と、光パルス列の繰り返し周波数frepとの差が、この分布帰還型半導体レーザをモード同期動作させるために必要な、周波数引き込みが生じる程度に小さいという意味である。
第1のCS光パルス列発生方法を実現するための分布帰還型半導体レーザ100は、光変調領域10、利得領域12、位相調整領域14及び分布反射鏡領域16をこの順序に直列に接続して具えている。各領域はそれぞれ、p側クラッド層20およびn側クラッド層22で挟まれたダブルへテロ構造の光導波路10a、12a、14a及び16aが形成されている。分布帰還型半導体レーザ100において、発振光は、光導波路10aを伝播することでその強度が変調(損失変調)され、光導波路12aを伝播することで誘導放出による増幅がなされ、光導波路14aを伝播することでその位相速度が変化を受け、光導波路16aにおいてブラッグ反射される。発振光の変調は、このように損失変調によって行えるが、光導波路12aにおいて利得変調することも可能である。
光変調領域10、利得領域12、位相調整領域14及び分布反射鏡領域16とは、それぞれ、光導波路がp側クラッド層20およびn側クラッド層22に挟まれて構成され、p側及びn側の電極も含めた構造を意味する。すなわち、光変調領域10を例にして説明すると、光変調領域10とは、光変調領域のp側電極24、p側クラッド層20の光変調領域部分、光変調領域の光導波路10a、n側クラッド層22の光変調領域部分、及びn側共通電極32の光変調領域部分を含む全体を指す。利得領域12、位相調整領域14及び分布反射鏡領域16においても同様である。
利得領域12には、p側電極26とn側共通電極32とを介して、定電流源38によって電流が注入されることによって、レーザ発振に必要な反転分布が形成されて利得が発生する(ステップA1)。また、光変調領域10では、モード同期の発現に必要な光変調がなされる(ステップC1)。光変調領域10の光変調を生じさせるには、この領域に電流を注入する方法と、電圧を印加する方法とがある。
電流を注入する方法を実施するには、p側電極24とn側共通電極32との間に、定電流源34から供給される定電流と、交流電源36から供給される周波数がfrepの交流電流36とを結合器58で足し合わせた電流を流すことで行える。
また、光変調領域10において光変調を生じさせる方法として電圧を印加する方法を実施するには、p側電極24とn側共通電極32との間に、定電圧源34から供給される定電圧と、交流電源36から供給される周波数がfrepの交流電圧とを結合器58で足し合わせて、印加することで行える。
位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16は、レーザ発振波長に対して透明な材料で構成される。例えば、レーザ発振波長が1.55μm帯のInGaAsP系半導体レーザの場合、位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16を、バンドギャップ波長が1.3μmのInGaAsP層で構成する。
また、レーザ発振波長はこの例に限定されるものではなく、1.1μm、や1.48μmとすることも可能である。その場合にはこのレーザ発振波長に対応して透明となるようにInGaAsPの混晶比を選定して、位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16を形成する。また、分布帰還型半導体レーザ100の発振波長に応じて、InGaAsP以外の材料を用いることも可能である。分布帰還型半導体レーザ100の発振波長に応じて、その発振波長に対応するバンドギャップを有する材料を選択することで、必要とされる発振波長が得られる分布帰還型半導体レーザ100を構成することが可能である。
分布反射鏡領域の光導波路16aとp側クラッド層20との界面近傍のp側クラッド層20側、あるいは分布反射鏡領域の光導波路16aとn側クラッド層22との界面近傍のn側クラッド層22側のいずれかには、回折格子18が形成される。図1(A)及び(B)では、回折格子18が分布反射鏡領域の光導波路16aとp側クラッド層20との界面近傍のp側クラッド層20側に形成されている例を示している。ここで、界面の近傍とは、分布反射鏡領域16を導波される光のエバネッセント場(evanescent field)が到達する範囲を意味する。
上述のように、光変調領域10および利得領域12を、電流あるいは電圧によって変調することで、分布帰還型半導体レーザ100はモード同期動作し、繰り返し周波数frepの光パルス列を発生する。図1(A)に示すように、位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16に、それぞれ位相調整領域のp側電極28および分布反射鏡領域のp側電極30と、n側共通電極32を介して、それぞれ定電流源あるいは定電圧源40及び42を用いて、定電流の注入あるいは逆バイアス電圧を印加することができる。このことによって、定電流の注入の場合はプラズマ効果を用いて、位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16の実効屈折率を調整することができる。また、逆バイアス電圧印加の場合は、ポッケルス効果などを用いて、位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16の実効屈折率を調整することができる。
分布帰還型半導体レーザ100の縦モードのうち、分布反射鏡領域16のブラッグ周波数f0に近接する2つの縦モード、f0+(frep/2)及びf0-(frep/2)、すなわち、両縦モードが周波数軸上でブラッグ周波数に対して対称な関係となるように、位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16の実効屈折率を調整する(ステップB1)ことが可能である。
位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16の実効屈折率の調整は、図1(A)に示した手法とは別の手法によっても、実現できる。図1(B)にこの別の手法による分布帰還型半導体レーザ200の素子構造の一例を示す。分布帰還型半導体レーザ200が、図1(A)に示す分布帰還型半導体レーザ100の素子構造と相違するのは、位相調整領域14及び分布反射鏡領域16のそれぞれのp側クラッド層20の上面に、SiO2などの絶縁膜48を形成し、その上部にそれぞれPtなどの抵抗加熱膜50及び54が形成されている点である。この抵抗加熱膜50及び54に、それぞれ定電流源52及び56を用いて電流を流し、ジュール熱を発生させ、温度変化によって、位相調整領域14と分布反射鏡領域16との実効屈折率を変化させる。
CS光パルス列は、分布帰還型半導体レーザ100及び200の、分布反射鏡領域16側の共振器端面44、光変調領域10側の共振器端面46の何れからも出力されるので、どちらから出力されるCS光パルス列を実用に供してもよい。また、分布反射鏡領域16側の共振器端面44は、無反射膜を施しておくのが望ましい。
第1のCS光パルス発生方法における分布帰還型半導体レーザの動作原理を説明するために、まず図2を参照してCS光パルス列の時間波形の特徴について説明する。図2は、CS光パルス列を形成している光搬送波の振幅包絡線の時間波形を示す図であり、横軸は時間を示しており、及び縦軸は光強度を示している。ただし、縦軸は、後述する第1光パルスの光強度を正の方向にとってあり、第1光パルス列を構成する光パルスと光搬送波としての位相がπずれている第2光パルス列の光強度を負の方向にとって示してある。
光強度の変化として観測される光パルスは、光搬送波としての光の電場ベクトルの振幅波形の包絡線として表される。従って、以後の説明において、光パルスの時間波形という場合は、光の電場ベクトルの振幅波形の包絡線を表しているものとする。
CS光パルス列とは、時間軸上に並ぶ隣接する光パルス間の、光搬送波としての位相が互いに反対位相の関係にある光パルス列である。すなわち、時間軸上に並ぶ隣接する光パルス間の光搬送波としての両者の位相差はπに等しい関係となっている。
時間軸上におけるCS光パルス列の時間波形の周期Trepが1/frep(繰り返し周波数がfrep)であるとすると、このCS光パルス列の時間波形は、周期が2Trep(=2/frep)である第1光パルス列と、周期が2Trep(=2/frep)である第2光パルス列との合成波形であると考えることが出来る。
ここで、図2に示すように、第1光パルス列とは、周期が2Trep(繰り返し周波数がfrep/2)で、隣接する光パルス間の光搬送波としての光位相が同相である光パルス列である。また、第2光パルス列とは、周期が同じく2Trepで、隣接する光パルス間の光搬送波としての光位相が同相であり、かつ第1光パルス列とTrep(=1/frep)だけずれた時間に発生し、かつその光搬送波としての光位相が第1光パルス列に対して反転した(位相差がπである)光パルス列である。
図3(A)から(C)を参照して、CS光パルス列の周波数スペクトルについて説明する。図3(A)は、繰り返し周波数がfrep/2である第1光パルス列の周波数スペクトルを示す図である。図3(B)は、繰り返し周波数がfrep/2であり、第1光パルス列に対して搬送波としての位相がπずれている第2光パルス列の周波数スペクトルを示す図である。図3(C)は、第1光パルス列と第2光パルス列とを合成して得られる光パルス列の周波数スペクトルを示す図である。図3(A)から(C)において、横軸は光搬送波としての周波数を表している。また、縦軸は周波数スペクトル成分のそれぞれの振幅の大きさを示しており、第1光パルスの周波数スペクトル成分の振幅を正の方向にとってあり、この周波数スペクトル成分と位相がπずれている周波数スペクトル成分の振幅を負の方向にとって示してある。
第1光パルス列の周波数スペクトルの振幅波形は、図3(A)に示すように、光搬送波としての周波数をf0とすると、周波数f0の縦モードを中心として、振幅がEmの縦モードが、周波数軸上でfrep/2だけ離れて、全て同位相で離散的に存在する波形となる。ここで、mは整数であり、m=0とした振幅E0が、第1光パルス列の光搬送波としての周波数の振幅成分に相当する。ここで、周波数f0の縦モードあるいは振幅がEmの縦モードとは、それぞれ周波数がf0である周波数スペクトルの振幅成分あるいは振幅がEmである周波数スペクトルの振幅成分を意味している。
第2光パルス列のスペクトルの振幅波形は、図3(B)に示すように、第1光パルス列のスペクトルと同様に、周波数f0の縦モードを中心として、振幅の絶対値がEmの縦モードが、周波数がfrep/2だけ離れて離散的に存在する波形となる。ここでも、mは整数であり、m=0とした振幅E0が、第2光パルス列の光搬送波としての周波数の振幅成分に相当する。ただし、第2光パルス列は、第1光パルス列とTrep(=1/frep)だけずれた時間に発生し(第1の要請)、かつその光搬送波としての位相が、第1光パルス列に対して反転している(第2の要請)。位相が反転するとは、両者の位相差がπであるということと同義である。
第2光パルス列が第1光パルス列とTrep(=1/frep)だけずれた時間に発生するという第1の要請のために、第2光パルス列の各縦モードの位相は、mが奇数の縦モードに対しては、第1光パルス列の縦モードの位相に対してπだけずれる。すなわち、mが奇数の縦モードに対しては、振幅の正負が逆転する。また、第2光パルス列の光搬送波としての位相が、第1光パルス列に対して反転しているという第2の要請によって、第2光パルス列の全縦モードの位相は、第1光パルス列の縦モードの位相に対してπだけずれる。
第1及び第2の要請が満足される結果、第2光パルス列のスペクトルの振幅波形は、mが偶数の縦モードに関しては、第1光パルス列のスペクトルに対して、その振幅の正負が逆転した波形となる。従って、第1光パルス列と第2光パルス列の合成波形であるCS光パルス列のスペクトルの振幅波形は、図3(C)に示すような波形となる。すなわち、光搬送波としての周波数成分を含む偶数次の縦モードが消失し、奇数次の縦モードのみが、周波数がfrepだけ離れて離散的に存在するスペクトル波形となる。
なお、CS光パルス列との名前は、この光パルス列の光搬送波としての周波数成分のうち特定次数の縦モード(ここでは、偶数次の縦モード)を消失させることによって、すなわちキャリア抑圧(carrier suppressed)することによって、生成される光パルス列であることに由来する。
以上説明したようにCS光パルス列の時間波形は、その時間波形及び周波数スペクトルが、図2及び図3(C)で与えられる関係にある。すなわち、図2に示すように、隣接する光パルス間の光搬送波としての両者の位相差がπに等しい関係で並ぶ光パルスである。また、CS光パルス列の周波数スペクトルを構成する縦モード成分は、図3(C)に示すように、周波数f0の縦モードを中心として、光搬送波としての周波数成分を含む偶数次の縦モードが消失し、奇数次の縦モードのみが、周波数がfrepだけ離れて離散的に存在する。すなわち、CS光パルス列の周波数スペクトルは、qを奇数としてf0±q(frep/2)で与えられる周波数成分(縦モード成分)から成っている。
次に、このような時間波形及び周波数スペクトルを有するCS光パルス列を発生させるという視点で、以上説明したCS光パルスの時間波形と周波数スペクトル波形との関係を、説明すると次のようになる。
CS光パルス列の振幅の時間波形ecs(t)は、次式(1)で与えられる。
Figure 2008034657
式(1)の第1項が第1光パルス列の振幅の時間波形を与え、第2項が第2光パルス列の振幅の時間波形を与える。ここで、隣接する光パルスの時間軸上での間隔である光パルスの周期をTrepで表してある。すなわち、Trepは、光パルス列の繰り返し周波数frepと互いに逆数の関係にあり、Trep=1/frepである。
式(1)は次式(2)に変形することができる。
Figure 2008034657
ここで、式(2)に現れる(1-exp(imπ))は、mが偶数のとき0となるから、式(2)においてmが偶数となる項は消滅し、その結果、CS光パルス列の振幅の時間波形を与えるecs(t)は、次式(3)で表される。
Figure 2008034657
すなわち、図3(C)に示したスペクトル波形に対応した、偶数次の縦モードが消失し、奇数次の縦モードのみからなる時間波形が得られる。
ここで、図3(C)および式(3)で表される、CS光パルス列のスペクトルおよび時間波形について、さらに考察する。
上述の式(3)を、次式(4)で与えられる関係で定義される数列Amを導入して、次式(5)の形に変形する。
Figure 2008034657
Figure 2008034657
ここで、式(5)の第2項に対して(m+1)をnに置き換えるという変換を行うと、次式(6)が得られる。
Figure 2008034657
式(6)は、次のように解釈することができる。以下、図4(A)から(C)及び図5(A)から(C)を参照して説明する。
図4(A)から(C)は、後述する第3と第4光パルス列及び合波光パルス列の周波数スペクトルを示す図であり、(A)は第3光パルス列の周波数スペクトル、(B)は第4光パルス列の周波数スペクトル、(C)は第3光パルス列と第4光パルス列との合波光パルスの周波数スペクトルを示す図である。図4(A)から(C)において、横軸は周波数を縦軸は振幅の大きさを、それぞれ任意スケールで示してある。
また、図5(A)から(C)は、第3と第4光パルス列及び合波光パルス列の時間波形を示す図であり、(A)は第3光パルス列の時間波形、(B)は第4光パルス列の時間波形、(C)は第3光パルス列と第4光パルス列との合波光パルスの時間波形を示す図である。図5(A)から(C)において、横軸は時間を縦軸は光強度を、それぞれ任意スケールで示してある。ただし、図5(C)の縦軸は、後述する第3及び第4光パルス列の光強度を正の方向にとってあり、第3及び第4光パルス列を構成する光パルスと光搬送波としての位相がπずれている光パルスの光強度を負の方向にとって示してある。
式(6)によれば、CS光パルス列のスペクトルは、第3光パルス列と第4光パルス列との合成波形で与えられる。ここで、第3光パルス列は、図4(A)に示すように、その光搬送波としての中心周波数がf0+(frep/2)であり、この周波数を起点として、m番目の縦モード(mは整数である。)の振幅が2Amであり、周波数がfrepだけ離れて離散的に周波数軸上に存在するスペクトル波形を有する。すなわち、振幅が2Amであるm番目の縦モードの周波数は、qを奇数としてf0+q(frep/2)である(ただし、q=2m+1である。)。また、第4光パルス列は、図4(B)に示すように、光搬送波としての中心周波数がf0-(frep/2)であり、この周波数を起点として、m番目の縦モードの振幅が2A-mであり、周波数がfrepだけ離れて離散的に存在するスペクトル波形を有する。振幅が2A-mであるm番目の縦モードの周波数は、qを奇数としてf0-q(frep/2)である(ただし、q=2m+1である。)。
式(6)で与えられるように、あるいは図4(A)及び図4(B)に示すように、第3光パルス列のスペクトルと、第4光パルス列のスペクトルとは、その縦モード振幅が、周波数に対して互いに反対称なスペクトル形状を有する。また、第3及び第4光パルス列のそれぞれにおいて、mの値で指定される各縦モードの位相は同相である。
このことは、第3光パルス列を構成する光パルス間で位相が揃っており、また、第4光パルス列を構成する光パルス間で位相が揃っていることを意味する。また、第3光パルス列と第4光パルス列とを比較すると、それぞれの光搬送波としての成分の位相も互いに同位相である。このことは、第3光パルス列と第4光パルス列とをそれぞれ構成している光パルスは、同時に発生することを意味している。
従って、第3及び第4光パルス列との合波光パルスの周波数スペクトルは、図4(C)に示すようになる。
以上説明した内容を、時間波形の関係として示すと、図5(A)から(C)に示す関係となる。図5(A)から(C)は、光パルス列の時間波形を示している。すなわち、図5(A)に示す光キャリア周波数がf0+(frep/2)であり、繰り返し周波数がfrepである通常のRZ光パルス列である第3光パルス列と、図5(B)に示す光キャリア周波数がf0-(frep/2)であり、繰り返し周波数がfrepである通常のRZ光パルス列である第4光パルス列とが、同じタイミングで発生していると、その合成時間波形は、図5(C)に示すCS-RZ光パルス列となる。
この発明の第1及び第2のCS光パルス列発生方法は、上記のような状況を、分布反射鏡領域を有する分布帰還型半導体レーザをモード同期動作させることによって実現する方法である。以下、上記のような状況を実現するために主要な役割を果たす分布反射鏡領域の特性と、分布帰還型半導体レーザの縦モード(共振器モードと呼ばれることもある。)との関係について、図6を参照して説明する。
図6は、分布反射鏡領域の反射率スペクトル(太い実線)、侵入長(破線)及び縦モード(細い実線)の関係の説明に供する図であり、横軸に波長を任意スケールで目盛って表示してある。また、縦軸は省略してあるが、縦軸方向に、実線で示す反射率スペクトル及び縦モードについては光強度を、破線で示す侵入長については長さを、それぞれ任意スケールで表示している。
ここでは、分布反射鏡領域16側の共振器端面44での端面反射率が0である理想的な状況を仮定して説明する。共振器端面44での端面反射率が0であれば、分布帰還型半導体レーザの発振動作について、共振器端面44での端面反射についての影響を考慮する必要がなく、純粋に回折格子による反射特性のみで決定される状況となる。また、侵入長とは、分布反射鏡領域16からの反射光の位相Φを次式(7)で定義したときのLeffのことを意味する。
Φ=2nDBRk0Leff (7)
ここで、nDBRは分布反射鏡領域の実効屈折率、k0は波数である。図6に示すように、共振器端面44での端面反射率が0であれば、反射率及び侵入長のプロファイル(波長依存性)は、波長軸上でブラッグ波長λBに対して対称となる。
ここで、分布帰還型半導体レーザの縦モードのうち、ブラッグ波長λB(周波数に換算してf0)に最近接する2つの縦モード(波長に換算した値)が、図6に示す波長軸に関してブラッグ波長λBに対称な位置に存在する場合を考える。二つの縦モードの周波数間隔は、共振器周回周波数に一致し、かつそれは、発生するCS光パルス列の繰り返し周波数(frep)に近似する。ここで近似するとは、二つの縦モードの周波数間隔と、frepとの差が、分布帰還型半導体レーザに対してモード同期動作を生じさせた場合に、周波数引き込みが生じる程度に小さいという意味である。
この状態で、分布帰還型半導体レーザが、レーザ発振しているものとする。この場合、上記の二つの縦モードは、分布反射鏡領域での反射率の極大および侵入長の極小が、ブラッグ波長に対して対称の位置にあり、しかも両極値はブラッグ波長に近似していることから、二つの縦モードは、共にレーザ発振条件が同一であり、この分布帰還型半導体レーザは、上記二つの縦モードでレーザ発振が生じる。この状態でモード同期動作を生じさせた場合、このレーザは、それぞれ上記の二つの縦モードのそれぞれの波長に相当する周波数を有する、2波長のモード同期動作が生じる。
さらにまた、分布反射鏡領域での反射率及び侵入長の周波数プロファイルは、その反射率の極大及び侵入長の極小が、ブラッグ波長を周波数に換算した周波数に対して、互いに対称な位置に存在し、プロファイル自身は同一の形状となる。また、モード同期動作が生じた場合、これら二つの波長の光(上述の二つの縦モードに対応する周波数の光)の間には、変調サイドバンドを介して互いに周波数引き込みが生じる。その結果、これら二つの光の光搬送波としての周波数間隔は、変調周波数、すなわち、frepに固定されると共に、その位相同期も実現する。従って、これら2波長のモード同期パルス列は、その波長差がちょうど繰り返し周波数(frep)と一致し、かつ、位相同期している為、発生する時間も一致している。
以上説明したように、図6に示した共振器端面44での端面反射率が0であるという条件でモード同期動作をさせた分布帰還型半導体レーザは、先に図4(A)から(C)及び図5(A)から(C)を参照して説明したCS光パルス列発生条件を満足するため、CS光パルス列を発生することになる。
第1及び第2のCS光パルス列発生方法を実現するには、ブラッグ波長に最近接する2つの縦モードが、波長軸上でブラッグ波長に対称に配置するように設定しなければならない。レーザの縦モード波長は、図1(A)及び(B)に示した構造の分布帰還型半導体レーザについては、次式で決定される。
mλ=2nmodLmod+2ngainLgain+2npcLpc+2nDBRLeff (8)
ここで、nmod、ngain、npc、nDBRはそれぞれ、光変調領域10、利得領域12、位相調整領域14、分布反射鏡領域16の実効屈折率である。また、Lmod、Lgain、Lpcはそれぞれ、光変調領域10、利得領域12、位相調整領域14の領域の長さである。Leffは、分布反射鏡領域16の侵入長である。
式(8)に示すように、npc及びnDBRの少なくとも何れか一方を変化させることで、縦モード波長を変化させることが可能である(ステップB1)。
図1(A)に示した構成の分布帰還型半導体レーザを利用して第1のCS光パルス列発生方法を実現するには、位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16に、それぞれp側電極28および30とn側共通電極32を介して、それぞれ定電流源あるいは定電圧源40及び42を用いて、定電流を注入し、あるいは逆バイアス電圧を印加して、npc及びnDBRを変化させる。すなわち、定電流を注入する場合はプラズマ効果によって、また、逆バイアス電圧印加の場合はポッケルス効果によって、npc及びnDBRの実効屈折率を、分布反射鏡領域16のブラッグ波長に近接する2つの縦モードが、周波数軸上で、ブラッグ周波数に対称に配置するように調整することが可能である。周波数軸上でブラッグ周波数に対称に配置するとは、2つの縦モードに対応する周波数の一方がブラッグ周波数より小さく、もう一方がブラッグ周波数より大きく、かつ両者の周波数とブラッグ周波数との差が等しいことを意味する。
図1(B)に示した分布帰還型半導体レーザは、位相調整領域14ならびに分布反射鏡領域16のp側クラッド層20の上部に、SiO2などの絶縁膜48が形成されており、その上部にPtなどの抵抗加熱膜50、54が形成されている。この抵抗加熱膜50、54に、定電流源52ならびに56を用いて電流を流し、ジュール熱を発生させ、温度変化によって、npc及びnDBRの実効屈折率を、図6に示すように、分布反射鏡領域16のブラッグ波長に近接する2つの縦モードが、ブラッグ波長に対称に配置するように調整する。
第1のCS光パルス列発生方法によれば、非特許文献2に開示されたチャープグレーティングを集積化したモード同期半導体レーザを用いた方法と同様に、単一の半導体レーザ素子を用いてCS光パルス列を発生させることができる。そして、その発生するCS光パルス列のパルス形状は、非特許文献2に開示されたモード同期半導体レーザの場合と異なり、正弦波に限定されることがない。すなわち、光パルスの半値幅を変えることが可能であることを意味する。
この理由は次の通りである。すなわち、非特許文献2に述べられる方法によれば、発生するCS光パルス列は、2本のレーザ発振縦モードによって生成されるので、発生するCS光パルス列を構成する光パルスの時間波形形状は、正弦波に限定される。
一方、第1のCS光パルス列発生方法によれば、そのスペクトルの発振縦モード数は、2本に限定されないので、発生するCS光パルス列を構成する光パルスの時間波形形状は、正弦波に限定されることがない。すなわち、第1のCS光パルス列発生方法によって発生するCS光パルス列を構成する光パルスは、f0±q(frep/2)の二つ以上の周波数成分によって構成され、q=1に限定されないからである。
このように、CS光パルス列を構成する光パルスの時間波形形状が正弦波以外の波形であることの利点は、例えば次の点にある。光変調領域10において強い利得または吸収変調を与え、かつ分布反射鏡領域16において実現される反射率プロファイルのバンド幅を広く設定することによって、光パルス幅が狭いCS光パルス列を発生することが可能となることである。あるいは逆に、光変調領域10において弱い利得あるいは吸収変調を与えることで、光パルス幅の広いCS光パルス列を発生することも可能となることである。すなわち、発生させるCS光パルス列を構成する光パルス幅を任意に設定することができるという利点がある。
光変調領域10へ直流電圧をバイアス電圧として印加し、かつ変調電圧を重ねて印加することで、パルス幅可変なCS光パルス列が容易に発生できる。すなわち、光変調領域10を、半導体電界吸収型変調器(Electro-absorption Modulator、EA変調器ということもある。)として機能させることによって、パルス幅可変なCS光パルス列が容易に発生できる。この理由を図7(A)から(C)を参照して説明する。
図7(A)から(C)は、EA変調器の特性と光ゲート波形との関係の説明に供する図であり、図7(A)はEA変調器の電圧に対する透過率を示す図であり、図7(B)は印加する直流電圧を順バイアス側に設定し、変調電圧を重畳したときの光ゲート特性の説明に供する図であり、図7(C)は印加する直流電圧を逆バイアス側に設定し、変調電圧を重畳したときの光ゲート特性の説明に供する図である。
図7(A)から(C)において、横軸はEA変調器に印加する電圧を任意スケールで示してあり、(+)とあるのは順方向電圧であることを示し、(-)とあるのは逆電圧であることを示す。縦軸は透過率を任意スケールで示してある。また、図7(B)及び(C)において、EA変調器をゲート素子として捉えた場合の、EA変調器から出力される出力光の強度の時間波形をゲート波形として、それぞれ右側に示してある。
図7(A)に示すように、EA変調器に逆バイアス電圧を印加した場合、EA変調器を構成する半導体のバンドギャップ波長が長波長側にシフトする効果が発現し、吸収量が増加する。その吸収量の増加は、印加した電圧に対して線形ではなく、より急激に増加し、従って、EA変調器は、逆バイアス電圧が印加された場合、印加された電圧に対して透過率が急激に変化するという特性を示す。一方、EA変調器に順バイアス電圧を印加した場合は、EA変調器を構成する半導体のバンドギャップ波長が使用波長より50 nm〜100 nm短波長に設定されている為、透過率の変化は微小である。
ここで、EA変調器に印加する直流電圧を順バイアス側に設定し、変調電圧を重畳したときのEA変調器のゲート素子としての光ゲート特性は図7(B)のようになり、光強度がONとなっている時間(光が透過している時間)がOFFとなっている時間(光が遮断されている時間)よりも長いという特性を持つパルス幅の広い光ゲート特性が得られる。第1のCS光パルス列発生方法を実施するため、この駆動条件で、光変調領域10としてEA変調器構造とした分布帰還型半導体レーザを駆動させれば、パルス幅の広いCS光パルス列を発生することが可能となる。光ゲート特性は、直流電圧および変調電圧を変化させれば変化するので、発生するCS光パルス列のパルス幅を可変にできる。
一方、EA変調器に印加する直流電圧を逆バイアス側に設定し、変調電圧を重畳したときのEA変調器のゲート素子としての光ゲート特性は図7(C)のようになり、光強度がOFFとなっている時間がONとなっている時間よりも長いという特性を持つ、パルス幅の狭い光ゲート特性が得られる。第2のCS光パルス列発生方法を実施するため、この駆動条件で、光変調領域10としてEA変調器構造とした分布帰還型半導体レーザを駆動させればパルス幅の狭いCS光パルス列を発生することが可能となる。また、直流電圧および変調電圧を変化させることで、発生するCS光パルス列のパルス幅を可変にできる。
モード同期レーザにおいては、モード同期光パルスがレーザ共振器内を周回するという特性があるために、光変調領域で生じる利得あるいは吸収変調効果が、一つの光パルスに対して複数回生じる。従って、一回の利得あるいは吸収変調が強くなくても、上述した多重変調効果によって共振器内を周回するたびに、光パルスが成長していく。能動モード同期レーザの場合、利得あるいは吸収変調の強さは、印加する変調電圧に応じて変化する。このことは、能動モード同期レーザにおいては、多重変調効果のために、変調電圧が小さくても、光パルスが生成されるに十分な利得あるいは吸収変調効果が担保し得ることを意味する。
また、光変調領域10として、先に述べたEA変調器構造を採用すれば、その印加電圧に対する消光特性は、非特許文献1などで用いられているLN光強度変調器に比べ、より急峻である。すなわち、LN光強度変調器に比べ、より低い変調電圧で、モード同期動作を生じさせるのに十分な吸収変調効果が得られる。すなわち、EA変調器の印加電圧に対する消光特性の急峻性と、モード同期動作における多重変調効果を併用することで、非特許文献1に開示されているLN光強度変調器を用いたCS光パルス列発生方法に比べ、格段に低い変調電圧でCS光パルス列を発生することが出来る。以後、EA変調器構造が採用された光変調領域を電界吸収型光変調領域ということもある。
次に、第1のCS光パルス列発生方法を実証するための実験及びその結果について説明する。実証実験は、文献(S. Arahira and Y. Ogawa, “40 GHz actively mode-locked distributed Bragg reflector laser diode module with an impedance-matchingcircuit for efficient RF signal injection,” Jpn. J. Appl. Phys., vol. 43, No. 4B, pp. 1960-1964, 2004.)に開示されている、分布帰還型半導体レーザを能動モード同期動作させることによって行った。この分布帰還型半導体レーザは、光変調領域にEA変調器構造が採用されている。
実証実験で用いた分布帰還型半導体レーザは、電界吸収型光変調領域の長さが165μm、利得領域の長さが610μm、位相調整領域の長さが110μm、分布反射鏡領域の長さが50μmである、InP系の多電極半導体レーザ素子である。共振器長は1065μmであり、共振器周回周波数は約40 GHzである。利得領域は、量子井戸構造であって、量子井戸層を0.6%の圧縮歪InGaAsP層とし、障壁層を無歪のInGaAsP層で形成した多重量子井戸構造である。この多重量子井戸構造のフォトルミネッセンスピーク波長が1562 nmになるように、量子井戸層及び障壁層のそれぞれの組成比及び厚さが設定されている。
電界吸収型光変調領域、位相調整領域、分布反射鏡領域の導波層には、そのフォトルミネッセンスピーク波長が1465 nmになるように、各層の組成比及びそれぞれの厚さが設定されているバルクInGaAsP層を用いた。また、分布反射鏡領域側の共振器端面は、Al2O3薄膜を用いて、反射率が約2%となる無反射膜コートを施した。分布帰還型半導体レーザの利得領域に電流を注入してレーザ発振をさせるための発振閾値は約30 mA、注入電流に対する出力光強度の比であるスロープ効率は0.1 W/A程度であった。これら発振閾値及びスロープ効率の値は、半導体レーザとして典型的な値である。
図8(A)及び(B)を参照して、第1実施例のCS光パルス列発生の実験結果を説明する。図8(A)及び(B)は、第1実施例のCS光パルス列発生の実験結果の説明に供する図であり、図8(A)は発生したCS光パルス列の時間波形を示す図であり、図8(B)はスペクトル波形を示す図である。図8(A)の横軸は時間を1目盛り10 psにとって示してあり、縦軸は光強度を任意単位で示してある。図8(B)の横軸は波長をnm単位で目盛って示してあり、縦軸はレーザ発振スペクトル強度をdBm単位で目盛って示してある。
図8(A)及び(B)に、それぞれCS 光パルス列の時間波形及び発振光のスペクトル波形を示す。この時間波形及び発振光のスペクトルは、次の条件下で、観測されたものである。すなわち、利得領域に71 mAの電流を注入し、また、位相調整領域に3.25 mAの電流を注入し、電界吸収型光変調領域に、+0.39 Vの順バイアス電圧と、繰り返し周波数が39.81312GHzで、変調電圧強度が+2.4 dBmである変調電圧を印加させた。
まず、図8(B)に示すように、発振光のスペクトルは、中心のスペクトル成分(スペクトル曲線のブラッグ波長λBに対応する部分)が極小となっており、かつ波長軸上でブラッグ波長を中心として左右対称であって、CS光パルス列に特有なスペクトル形状を示している。このことから、CS光パルス列が発生している様子がわかる。すなわち、ブラッグ波長λBを中心にして、左右対称に縦モードスペクトルピークが並んでいる。
また、図8(A)に示すCS光パルス列の時間波形から、パルス幅は14.9 psと見積もられた。パルス幅をパルス周期で除した値であるデューティ比は、この場合、59.3%(14.9/25.1=0.593)と見積もられた。このような高いデューティ比にもかかわらず、光強度は連続する光パルス間で0(隣接する光パルスのピーク位置の中間で光強度が0となっている。)まで落ちている。これもまた、CS光パルス列の特徴の一つであり、すなわち、連続する光パルス間で位相が反転しているため、連続する光パルスの中間では、干渉して強度が0になることを示している。
図9を参照して、電界吸収型光変調領域に印加する、バイアス電圧と変調電圧強度を変化させた場合の、パルス幅可変特性の実験結果について説明する。図9は、第1実施例の分布帰還型半導体レーザから出力されるCS光パルス列の光パルス幅の、変調器バイアス電圧及び変調電圧依存性を示す図である。図9において、横軸は変調器バイアス電圧をV単位で目盛って示してあり、縦軸は分布帰還型半導体レーザから出力される光パルス列を構成する光パルスの半値幅をps(ピコ秒)単位で目盛って示してある。図9において、(a)は、RF(Radio Frequency)信号強度が-1.1 dBm、(b)はRF信号強度が+2.4 dBm、(c)はRF信号強度が+7.4 dBm、(d)はRF信号強度が+15.9 dBm、(e)はRF信号強度が+18.1 dBmである場合を、それぞれ示している。
図9に示した例では、光パルスの半値幅をを3.3 psから15.9 psまでの範囲で可変することができた。図9に示す結果から、CS光パルス列を変調して生成されるRZフォーマットの光パルス信号を用いた光通信システムにおいて一般的に用いられる、デューティ比50%(この場合、パルス幅12.55ps)のCS光パルス列を発生させることを想定した場合、電界吸収型光変調領域の透過率を変調するために必要とされるRF信号強度は+7.4 dBm以下である。図9(a)から(c)に示すように、パルス幅12.55psのCS光パルス列を発生させるには、RF信号強度は+7.4 dBm以下で十分であることがわかる。
これは、従来例である非特許文献1に開示のLN光強度変調器を用いたCS光パルス列発生方法での値(24 dBm-30 dBm)に比べ、おおよそ1/50〜1/200の値である。すなわち、第1のCS光パルス発生方法によれば、従来のLN光強度変調器を用いたCS光パルス列発生方法に比べて消費電力が低いことを意味している。
図10(A)及び(B)を参照して、第1実施例の分布帰還型半導体レーザがモード同期動作することによって出力される、CS光パルス列の時間波形及び波長スペクトル波形の特性について説明する。図10(A)及び(B)は、光パルス幅3.3 psのCS光パルス列を示す図であり、図10(A)は時間波形を示し、図10(B)は波長スペクトルを示す図である。図10(A)の横軸は時間をps単位で目盛って示してあり、縦軸は光強度を任意担任で目盛って示してある。また、図10(B)の横軸は波長をnm単位で目盛って示してあり、縦軸は波長スペクトルの強度をdBm単位で目盛って示してある。
図10(B)に示すように、波長スペクトルは、中心(図10(B)で上向きの矢印で示す波長位置)のスペクトル成分がなく、かつ、左右対称な形状となっている。すなわち、図10(B)で上向きの矢印で示す波長位置でスペクトルの強度が極小を示しており、この極小位置を中心に波長スペクトルが左右対称の形となっている。このことから、分布帰還型半導体レーザからは、図10(A)に示す時間波形を有するCS光パルス列が発生している様子がわかる。
以上説明したように、第1のCS光パルス列発生方法によれば、多電極型の分布帰還型半導体レーザを用いることによって、光パルス幅が可変であるCS光パルス列を発生させることが可能である。また、CS光パルス列を発生させるために必要とされる、電界吸収型光変調領域の透過率を変調するために必要とされる変調電圧も、従来の方法に比べて低くてすむ。すなわち、第1のCS光パルス列発生方法によれば、装置そのものをコンパクト化でき、低消費電力で駆動させることが可能であり、しかも発生させるCS光パルス列を構成する光パルスの幅を調整することが可能である。
<第2実施例>
図11を参照して、第2のCS光パルス列発生方法を実現するための第2の分布帰還型半導体レーザである分布帰還型半導体レーザ300の構成について説明する。また、この分布帰還型半導体レーザ300のモード同期動作原理について説明する。図11は、第2のCS光パルス発生方法を実現するための分布帰還型半導体レーザ300の概略的拡大断面図である。
分布帰還型半導体レーザ300の、分布帰還型半導体レーザ100及び200との相違点は、分布反射鏡領域16の共振器端面側に、更に光吸収係数調整領域60が集積化されている点である。その他の部分の構成は、図1(A)及び(B)に示した分布帰還型半導体レーザ100及び200と同一であるので、重複する説明を省略する。
分布帰還型半導体レーザ300の共振器を構成する2つの共振器端面は、光変調領域側の共振器端面46と光吸収係数調整領域側の共振器端面66とで構成される。光吸収係数調整領域60側の共振器端面66は、第1実施例の分布帰還型半導体レーザ100及び200とは異なり、無反射膜コーティングが施されていない劈開面を利用することができる。
分布帰還型半導体レーザ300で発生するCS光パルス列は、光変調領域側の共振器端面46から出力される。光吸収係数調整領域60には、p側電極62とn側共通電極32を介して、定電圧源64より逆バイアス電圧が印加される。
この発明の第1のCS光パルス発生方法の実施においては、分布帰還型半導体レーザの分布反射鏡領域16の反射率及び侵入長の波長依存性が、ブラッグ波長に対して対称な特性を有していることが条件となっている。この条件が厳密に満たされるためには、図1に示す分布反射鏡領域16側の共振器端面44での端面反射率が0であることが必要である。
一般に、分布帰還型半導体レーザの共振器端面を構成する劈開面の反射率は0ではなく有限な大きさを有している。劈開面をコーティングしても、反射率を十分に小さくすることは容易でない。分布帰還型半導体レーザの共振器端面の反射率が0でない場合には、その反射率及び侵入長の波長依存性は、以下で説明されるように、形成される回折格子の初期位相、および端面反射率に非常に大きな影響を受ける。
図12を参照して、回折格子の初期位相について説明する。図12は、回折格子の初期位相の説明に供する図であり、分布反射鏡領域16を拡大して示してある。回折格子の初期位相とは、図12に示されるように、分布反射鏡領域16の光入力端(分布反射鏡領域16の左端)での回折格子の位相のことである。
回折格子の周期は、発振波長1.55μm 帯のInP系半導体レーザの場合を例にとれば、240 nmである。従って、回折格子の初期位相を正確に設定するためには、数十nmよりも短い寸法を再現よく加工できる作製技術が必要であり、現状では非常に難しい。従って、回折格子の初期位相を設計値に従って設定された分布帰還型半導体レーザを加工することは、現状では不可能である。すなわち、分布帰還型半導体レーザを加工する上で、回折格子の初期位相を設計パラメータとすることはできない。
一方、端面反射率が0でない分布反射鏡の反射率特性は、回折格子によるブラッグ反射と、分布反射鏡領域16の端面によるフレネル反射の干渉により決定される。ブラッグ反射による反射光の位相の特性は、回折格子の初期位相の関数である。このため、ブラッグ反射光とフレネル反射光との干渉光を確定させる両者の合成反射率は、回折格子の初期位相ならびに端面反射率に強く依存する。
有限な端面反射率を有する分布反射鏡の振幅反射率rDBRは、次式(9)から(12)によって与えられる(例えば、末松安晴編著“半導体レーザと光集積回路”オーム社第1版を参照)。
Figure 2008034657
ここで、nDBR、LDBRはそれぞれ分布反射鏡領域の実効屈折率および領域長、λBraggはブラッグ波長、αは吸収係数、κは回折格子の結合係数、φは回折格子の初期位相、r0は端面反射率(振幅反射率)である。
ちなみに、端面反射率が0のときのrDBRは、次式(13)で与えられる。
Figure 2008034657
図13(A)から(E)を参照して、上述の式(9)から(13)を用いて計算される、分布反射鏡のエネルギー反射率|rDBR2について説明する。図13(A)から(E)は、分布反射鏡のエネルギー反射率を示す図であり、図13(A)から(E)はそれぞれ、劈開面の反射率R0及び劈開端面のエネルギー反射率を、回折格子の初期位相φをパラメータとして変化させた場合について示している。それぞれの図において、横軸は波長をnm単位で目盛って示してあり、縦軸はエネルギー反射率を任意単位で示してある。
ここで、図13(A)から(E)に示すエネルギー反射率は、nDBR=3.2、LDBR=50μm、λBragg=1550 nm、α=10cm-1、κ=100cm-1として計算した結果である。この計算条件は、典型的な分布帰還型半導体レーザが有している特性である。
図13(A)に示す結果は、劈開端面のエネルギー反射率R0(|r0|2)が0のときの計算結果であり、図13(B)から(E)に示す結果は、劈開端面のエネルギー反射率R0(=|r0|2)が0.274(|r0|2=0.274)である場合において、それぞれ、回折格子の初期位相φを0から1.5πまで0.5πおきに変化させた時の計算結果である。
劈開端面のエネルギー反射率が0である場合には、回折格子の初期位相φを変化させても、分布反射鏡のエネルギー反射率|rDBR2に変化はない。同じく、侵入長Leffにも変化はない。分布反射鏡のエネルギー反射率|rDBR2及び侵入長Leffの波長依存性は、図6を参照して説明したようにブラッグ波長に対称な特性となり、従って、この条件を満たす分布帰還型半導体レーザによれば、第2のCS光パルス列発生方法を実現できる。
一方、劈開端面は、劈開端面のエネルギー反射率R0は0ではないので、分布反射鏡のエネルギー反射率|rDBR2は回折格子の初期位相φに依存して変化する。一般に、分布反射鏡領域の反射率及び侵入長のプロファイル(波長依存性)は非対称であると共に、分布反射鏡領域の反射率が最大になる波長、およびその波長での侵入長も大きく変化する。侵入長の波長依存性も、分布反射鏡領域の反射率の波長依存性と同様、非対称になる。
すなわち、劈開端面のエネルギー反射率R0が十分に小さくなければ、第1のCS光パルス列発生方法が実現されない。従って、第1のCS光パルス列発生方法を実現するための分布帰還型半導体レーザの劈開端面(分布反射鏡領域16側の共振器端面44)の反射率を下げる為に、低反射コーティングをする必要が生じる。この場合、実用上問題となるのは、どの程度まで劈開端面のエネルギー反射率R0を下げれば、十分に小さいエネルギー反射率であるといえるのかという点である。すなわち、分布反射鏡領域16側の共振器端面44でのフレネル反射の影響を十分抑えて、図6及び図13(A)に示すような、ブラッグ波長に対して対称な反射特性が、制御不能なパラメータφ(回折格子の初期位相)に依存することなく得ることが可能であるかという点が技術的問題である。
図14(A)から(D)を参照して、分布反射鏡領域からの最大反射率、ピーク波長シフト量及び侵入長の、初期位相φ依存性について説明する。図14(A)から(D)は、第1実施例における、劈開面の反射率R0をパラメータとして変化させた場合の、分布反射鏡領域からの最大反射率、ピーク波長シフト量及び侵入長の初期位相φ依存性を示す図である。
図14(A)は分布反射鏡領域からの最大反射率、図14(B)はピーク波長シフト量、図14(C)は侵入長を分布反射鏡領域の長さが50μmであるときについてそれぞれ示しており、図14(D)は分布反射鏡領域の長さが50μmであるときのピーク波長シフト量を示している。各図とも、横軸は回折格子の初期位相φを示している。また、図14(A)の縦軸は最大反射率を示してあり、図14(B)及び図14(D)の縦軸はピーク波長シフト量をGHz単位で目盛って示してあり、図14(C)の縦軸は侵入長をμm単位で目盛って、それぞれ示してある。
図14(B)におけるピーク波長シフト量は、周波数の差(Δfpeak)として示してある。すなわち、周波数の差(Δfpeak)は、ピーク波長をλpeakとして、次式(14)で与えられる。
Figure 2008034657
ここで、cは真空中の光速である。
図14(A)から(C)に示すように、分布反射鏡領域16側の共振器端面44のエネルギー反射率が0である場合の分布反射鏡領域からの反射特性(図中で0%としてある点線で示してある。)とほぼ一致した反射特性を実現する為には、R0が0.1%でも不十分であり、0.001%ないしはそれ以下に低減しなければならない。このような小さな反射率を、低反射コーティングによって実現するのは高い技術が要求される。すなわち、図1(A)及び(B)に示した分布反射鏡の端面を一方の共振器端面として有する分布帰還型半導体レーザを用いて、CS光パルス列を発生させる場合、次のような課題が生じると予想される。
分布反射鏡領域16側の共振器端面44のエネルギー反射率R0が0でないことによって発生する反射光や、回折格子の初期位相(φ)により、分布反射鏡領域の反射特性が大きく変化する。その結果、発生するCS光パルス列のパルス特性が、用いられる分布帰還型半導体レーザ素子によって大きくばらつき、あるいはCS光パルス列発生方法を実現させることが困難となる。
劈開端面において発生する反射光の影響を抑制する一つの手段は、分布反射鏡領域の長さLDBRを十分に長くして、分布反射鏡領域に入力された光が分布反射鏡の端面に到達する前に、ブラッグ反射で反射してしまう構造にすることである。図14(D)は、分布反射鏡領域の長さLDBRを500μmと長くした場合の、ピーク波長のシフト量を計算した結果を示している。ここでは、R0=27.4%として計算している。分布反射鏡の一方の端面が劈開面であり、反射率を低減していないにもかかわらず、ピーク波長シフト量は回折格子の初期位相にほとんど依然せずほぼ0であり、最大反射率を与える波長がブラッグ波長にほぼ一致した状態を維持している。すなわち、この場合、分布反射鏡領域16側の共振器端面44の端面反射率が0の場合の反射特性とほぼ一致した反射特性が実現されている。
しかしながら、よく知られているように、分布反射鏡の領域長LDBRを長くすると、反射率プロファイルのバンド幅(反射が生じる波長帯域)は狭くなる。これは、レーザ発振し得る縦モード数を制限することになる。その結果、モード同期動作が生じたときのスペクトル幅が制限されることになる。スペクトル幅とパルス幅とは互いにフーリエ変換の関係にあることから、レーザ発振し得る縦モード数が制限されると、モード同期動作が生じたときに得られる光パルス幅の最短値が制限されれることになる。従って、この結果、光パルス幅の可変幅が制限されるという不利益が生じる。
そこで、第2のCS光パルス列発生方法に利用される分布帰還型半導体レーザは、分布反射鏡領域の長さを長くすることなく、劈開端面において発生した反射光や回折格子の初期位相に依存しないモード同期動作が可能である、分布帰還型半導体レーザである。第2のCS光パルス列発生方法に利用される分布帰還型半導体レーザ300は、分布帰還型半導体レーザ100あるいは200における分布反射鏡領域16側の共振器端面44に接続して、さらに光吸収係数調整領域60が設けられている。また、光吸収係数調整領域60側の共振器端面66は、低反射膜コーティングを施す必要がない。
光吸収係数調整領域60には、p側電極62とn側共通電極32を介して、定電圧源64より逆バイアス電圧が施される。逆バイアス電圧印加により、光吸収係数調整領域60のバンドギャップ波長が長波長側にシフトし、その結果、光吸収係数調整領域60の吸収係数が増加する。分布反射鏡領域16を左端から右端へと通過してきた光は、光吸収係数調整領域60を通過し、光吸収係数調整領域60側の共振器端面66で反射され、その後、再び、光吸収係数調整領域60を通過した後、再度、分布反射鏡領域16に入力される。分布反射鏡領域16に再入力される光の強度は、光吸収係数調整領域60を往復するときの光の減衰量と、光吸収係数調整領域60側の共振器端面66の端面反射率の積で決定される。
したがって、光吸収係数調整領域60を通過するときの光の減衰量が大きければ、すなわち、光吸収係数調整領域60の光吸収係数の値を、光吸収係数調整領域側の共振器端面66における反射光が分布反射鏡領域16に到達しない十分な大きさに設定する(ステップD2)ことによって、分布反射鏡領域16に再入力される光の強度を十分低減することが出来る。これは、第1実施例において、分布反射鏡領域16側の共振器端面44の端面反射率を十分低下した場合と等価である。したがって、光吸収係数調整領域60を通過するときの光の減衰量が十分大きければ、光吸収係数調整領域60側の共振器端面66の端面反射率がある程度大きくとも、第1実施例における、分布反射鏡領域16側の共振器端面44の端面反射率を0とした場合に得られる反射率特性に極めて一致した反射率特性を実現することが出来る。その結果、共振器端面66の端面反射率がある程度大きくとも、分布帰還型半導体レーザ300から、CS光パルス列を発生することが可能となる。
図15(A)から(C)を参照して、図11に示す光吸収係数調整領域を具える分布帰還型半導体レーザにおける、回折格子初期位相依存性に対する、分布反射鏡領域からの反射光の、最大反射率、ピーク波長シフト量、及び侵入長依存性について説明する。図15(A)から(C)は、第2実施例における、光吸収係数調整領域の吸収係数αEAをパラメータとして、分布反射鏡領域からの最大反射率、ピーク波長シフト量及び侵入長の初期位相φ依存性を示しており、図15(A)は分布反射鏡領域からの最大反射率、図15(B)はピーク波長シフト量、図15(C)は侵入長についてそれぞれ示している。図15(A)から(C)において、横軸は回折格子の初期位相φを示している。また、図15(A)の縦軸は最大反射率を示してあり、図15(B)の縦軸はピーク波長シフト量をGHz単位で示してあり、図15(C)の縦軸は侵入長をμm単位で、それぞれ示してある。
図15(A)から(C)に示す計算結果は、図13(A)から(E)、及び、図14(A)から(D)と同一のパラメータを仮定して得られたものである。すなわち、nDBR=3.2、LDBR=50μm、λBragg=1550 nm、α=10 cm-1、κ=100 cm-1として、計算されている。また、光吸収係数調整領域60側の共振器端面66の端面反射率は、共振器端面66が劈開面であるとして、27.4 %とした。また、光吸収係数調整領域60の光吸収係数(αEA)は、それぞれ230 cm-1及び345 cm-1とし、光吸収係数調整領域60の領域長は300μmであるとした。
吸収係数αEAが230 cm-1及び345 cm-1を長さ100μm当たりの光減衰量に換算すると、それぞれ-10 dB、-15 dBに相当し、光吸収係数調整領域60の機能と同一の機能を有する一般的な電界吸収型光変調器であれば、十分実現可能な値である。また、比較のために、光吸収係数調整領域60を具えず、共振器端面44の端面反射率R0の値が0である、第1実施例の分布帰還型半導体レーザに対する計算結果を、図中のr0=0で示した点線で示す。
図15(A)から(C)に示すように、光吸収係数調整領域60の吸収係数αEAが345 cm-1と大きい場合には、最大反射率、ピーク波長シフト量、侵入長は、回折格子初期位相にほぼ依存せず一定量となることがわかる。またそれらは、r0=0で示した点線で示される、端面反射率R0の値が0である理想的な第1実施例の分布帰還型半導体レーザの分布反射鏡の特性とほぼ一致している。このときの分布反射鏡領域の反射特性は、反射率、侵入長ともその波長依存性がブラッグ波長に対して対称である、CS光パルス列発生に必要とされる望ましい反射特性が得られることがわかった。
図11に示す、光吸収係数調整領域60を具える分布帰還型半導体レーザ300によれば、分布反射鏡領域の回折格子の初期位相や、共振器端面の端面反射率に依存することなく、図6に示すようなブラッグ波長に対して対称な反射特性を有する分布反射鏡を実現できる。その結果、回折格子の初期位相や、共振器端面66からの反射光に起因する、分布反射鏡の反射特性のばらつきを抑制でき、素子間の特性ばらつきを抑制できる。また、光吸収係数調整領域60を具える分布帰還型半導体レーザ300によれば、CS光パルス列発生をより確実に実現できる。
<第3実施例>
図16を参照して、第3のCS光パルス列発生方法に利用するファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400の構成について説明する。図16は、第3実施例のファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400の構成を説明するための概略的拡大断面図である。ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400は、透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタ68と、光強度を変調する機能を有する光変調領域10及び反転分布が形成される利得領域12を直列に配置されて構成された多電極半導体レーザ素子500とを具えて構成される。この波長フィルタ68と、この多電極半導体レーザ素子500とは直列に配置されて外部共振器に収められている。
より詳しく説明すると、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400は、光変調領域10と利得領域12を有し、利得領域側の端面74に低反射膜コーティングが施された、多電極半導体レーザ素子500と、波長フィルタ68と、可動ミラー70が、直線状に並んだ構成を有する。多電極半導体レーザ素子500、波長フィルタ68及び可動ミラー70は、レンズ等を用いて光学的に結合されている。光共振器は、多電極半導体レーザ素子500の低反射膜コーティングが施されていないもう一方の端面46と、可動ミラー70の反射面76とで形成される。利得領域12には、p側電極26とn側共通電極32を介して、定電流源38より電流注入されることにより反転分布が形成され、レーザ発振を生じさせる(ステップA3)。
また、可動ミラー70は可動ミラー制御装置72を用いてその位置を変化させることにより、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400の共振器長を変化させる機能を有する(ステップB3)。また、光変調領域10は、p側電極24とn側共通電極32の間に、定電流源あるいは定電圧源34からの定電流あるいは定電圧と、交流電源36からの周波数frepの交流電圧が印加されることにより、モード同期の発現に必要な光変調が生じる(ステップC3)。
この半導体レーザ400に対して、上述のステップA3からステップC3の各ステップを含んで操作することによって、このファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザをモード同期動作させて、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を出力させる。
図16に示すファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400としてのファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザにおいて、多電極半導体レーザ素子500の利得領域12に、定電流源38から電流注入する(ステップA3)。
可動ミラー制御装置72を用いて可動ミラー70を動かして共振器長を変化させることによって、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400の縦モードの位置が、波長フィルタ68の透過特性の中心波長に対称に配置するように調整する(ステップB3)。そして、光変調領域10に、定電圧源34からのバイアス電圧とともに交流電源36からの変調電圧を印加する(ステップC3)。
交流電源36からの変調電圧の周波数(frep)が、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400の光共振器を光が1周回するのに要する時間の逆数で与えられる共振器周回周波数の自然数倍に近似するとき、モード同期動作が生じて、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400から、繰り返し周波数frepのモード同期光パルス列が発生する。近似するとは、共振器周回周波数の自然数倍と、光パルス列の繰り返し周波数frepとの差が、周波数引き込みが生じる程度に小さいことを意味する。このようにすることによって、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ400より出力された光パルス列は、CS光パルス列となる。
第3のCS光パルス列発生方法によれば、第1及び第2のCS光パルス列発生方法によって得られる効果に加えて次の効果が得られる。すなわち、可動ミラー70による共振器長の変化量を大きくとることは容易であるので、共振器周回周波数を大きく変化させることができる。すなわち、発生するCS光パルス列の繰り返し周波数frepを大幅に可変に出来る。また、同じく、波長フィルタ68の透過特性の中心波長を大きくかえることは容易であるので、レーザ発振スペクトルの中心波長を大きく変更することが容易に行える。、すなわち、発生するCS光パルス列の中心波長を大幅に可変に出来る。
<第4実施例>
図17を参照して、第4のCS光パルス列発生方法に利用するリング共振器型半導体レーザ600の構成を説明する。図17は、第4実施例のリング共振器型半導体レーザ600の構成を説明するための概略的拡大断面図である。リング共振器型半導体レーザは、透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタ68と、光強度を変調する機能を有する光変調領域10及び反転分布が形成される利得領域12を直列に配置されて構成された多電極半導体レーザ500と、光学長を変化させるための可動光遅延器84と含んで構成される。この波長フィルタ68と、多電極半導体レーザ500と、可動光遅延器84とは、リング共振器に収められている。
光変調領域10に対しては、周波数がfrepに等しい交流電圧を印加することによってその透過率を変調することができ、リング共振器の周回共振器長は、可動光遅延器84によって、発振縦モードがf0±q(frep/2)で与えられる発振縦モードで、このリング共振器型半導体レーザがモード同期動作するように調整することができる。このリング共振器型半導体レーザを、モード同期動作させることによって、リング共振器型半導体レーザから繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列が出力される。
より詳しく説明すると、リング共振器型半導体レーザ600は、光変調領域10と利得領域12を有し、一方の端面80に低反射膜コーティングが施された、多電極半導体レーザ素子500と、波長フィルタ68と、可動光遅延器84とが、リング状に並んだ構成である。多電極半導体レーザ素子500、波長フィルタ68及び可動光遅延器84は、レンズ等(図示を省略してある。)を用いて光学的に結合されている。光共振器は、多電極半導体レーザ素子500と、波長フィルタ68と、可動光遅延器84とを含むループ状の光経路として形成される。
利得領域12には、p側電極26とn側共通電極32を介して、定電流源38より電流注入されることにより反転分布が形成され、レーザ発振を生じさせる(ステップA4)。
また、可動光遅延器84は可変光遅延器制御装置88を用いてその位置を変化させることにより、リング共振器型半導体レーザ600のループ状の共振器長を変化させる機能を有する(ステップB4)。光変調領域10は、p側電極24とn側共通電極32の間に、定電流源あるいは定電圧源34からの定電流あるいは定電圧と、交流電源36からの周波数frepの交流電圧が印加されることにより、モード同期の発現に必要な光変調が生じる(ステップC4)。
このリング共振器型半導体レーザに対して、上述のステップA4からステップC4の各ステップを含んで操作することによって、このリング共振器型半導体レーザをモード同期動作させて、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列を出力させる。
図17に示すリング共振器型半導体レーザ600としてのリング共振器型半導体レーザにおいて、多電極半導体レーザ素子500の利得領域12に、定電流源38から電流注入する(ステップA4)。
可動光遅延器制御装置88を用いて可動光遅延器84を制御して共振器長を変化させることによって、リング共振器型半導体レーザ600の縦モードの位置が、波長フィルタ68の透過特性の中心波長に対称に配置するように調整する(ステップB4)。そして、光変調領域10に、定電圧源34からのバイアス電圧とともに交流電源36からの変調電圧を印加する(ステップC4)。
交流電源36からの変調電圧の周波数(frep)が、リング共振器型半導体レーザ600のループ状共振器を光が1周回するのに要する時間の逆数で与えられる共振器周回周波数の自然数倍に近似するとき、モード同期動作が生じて、リング共振器型半導体レーザ600から、繰り返し周波数frepのモード同期光パルス列が発生する。ここで、近似するとは、共振器周回周波数の自然数倍と、光パルス列の繰り返し周波数frepとの差が、周波数引き込みが生じる程度に小さいことをいう。このようにすることによって、リング共振器型半導体レーザ600より出力された光パルス列は、CS光パルス列となる。
第4のCS光パルス列発生方法によれば、第1及び第2のCS光パルス列発生方法によって得られる効果に加えて次の効果が得られる。すなわち、可動光遅延器84によるループ状共振器の全長の変化量を大きくとることは容易であるので、共振器周回周波数を大きく変化させることができる。すなわち、発生するCS光パルス列の繰り返し周波数frepを大幅に可変に出来る。また、同じく、波長フィルタ68の透過特性の中心波長を大きくかえることは容易であるので、レーザ発振スペクトルの中心波長を大きく偏光することが容易に行える。、すなわち、発生するCS光パルス列の中心波長を大幅に可変に出来る。
図17において、リング共振器型半導体レーザ600は、リング状共振器内での光の進行方向を一方向に規定し、レーザ発振動作の安定性を担保する為に、光アイソレータ82と、リング共振器を構成すると共に光の取り出しを行うための光カプラ86とを具えている。
第1から第4のCS光パルス列発生方法で利用されるモード同期半導体レーザは、上述の例に限定されることなく、InP系半導体素材に限らずGaAs系半導体素材によっても実現可能である。また、多電極半導体レーザ素子の各領域の配置についても、例えば、利得領域、位相調整領域、光変調器領域の配置を入れ替えた構造としてもよい。
<能動モード同期動作及び受動モード同期動作>
第1から第4実施例において、光変調領域10をEA変調器として機能させ、分布帰還型半導体レーザ、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ及びリング共振器型半導体レーザを能動モード同期動作させることによって、CS光パルス列の発生を実現する例を説明した。これに対して、光変調領域10を可飽和吸収体(saturable absorber)として機能させる、いわゆる受動モード同期動作を利用しても第1及び第2のCS光パルス列発生方法を実現することが可能である。この場合には、光変調領域10を可飽和吸収体として機能させるために必要とされる逆バイアス電圧を、光変調領域10に対して定電圧源34から供給する。従って、この場合には、交流電源36は不要となる。
受動モード同期動作をさせた場合においても、受動モード同期半導体レーザの縦モードのうち、分布反射鏡領域のブラッグ周波数f0に近接する2つの縦モードが(f0+(frep/2))及び(f0-(frep/2))、すなわち、周波数軸上でブラッグ周波数に対して対称な関係となるように、位相調整領域ならびに分布反射鏡領域の実効屈折率を調整する(ステップB1)ことによって、この受動モード同期半導体レーザから発生する光パルス列は、繰り返し周波数がfrepであるCS光パルス列となる。
また、光変調領域10を可飽和吸収体として機能させた上で、更に光変調領域10に対して交流電圧を印加することによって、時間ジッタを低減した、いわゆるハイブリッドモード同期動作させることによっても、CS光パルス列を発生することができる。
分布帰還型半導体レーザ、ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ及びリング共振器型半導体レーザをハイブリッドモード同期動作させるためには、まず、光変調領域10を可飽和吸収体として機能させるために、光変調領域10に対して定電圧源34から逆バイアス電圧を印加する。その上で、更に逆バイアス電圧に加えて周波数frepの交流電場を交流電源36から供給する。
ハイブリッドモード同期動作させることによって、周波数frepの交流電場を印加しない受動モード動作の場合と比較して、出力されるCS光パルス列の周期が一層安定化(時間ジッタが低減)されるという利点が得られる。また、共振器周回周波数とCS光パルス列の繰り返し周波数frepとの差が大きくても、周波数引き込みが起こるので、モード同期動作が実現されやすいという利点が得られる。
第1実施例のモード同期半導体レーザの概略的構成図であり、(A)は、位相調整領域及び分布反射鏡領域の実効屈折率の変化をプラズマ効果あるいはポッケルス効果によって実現する例を示し、(B)は、位相調整領域及び分布反射鏡領域の実効屈折率の変化を温度変化によって実現する例を示す図である。 CS光パルス列の時間波形を示す図である。 CS光パルス列の周波数スペクトルの説明に供する図であり、(A)は、繰り返し周波数がfrep/2である第1光パルス列の周波数スペクトルを示し、(B)は、繰り返し周波数がfrep/2であり、第1光パルス列に対して搬送波としての位相がπずれている第2光パルス列の周波数スペクトルを示し、(C)は、第1及び第2光パルス列を合成して得られる光パルス列の周波数スペクトルを示す図である。 第3と第4光パルス列及び合波光パルス列の周波数スペクトルを示す図であり、(A)は第3光パルス列の周波数スペクトル、(B)は第4光パルス列の周波数スペクトル、(C)は合波光パルス列の周波数スペクトルを示す図である。 第3と第4光パルス列及び合波光パルス列の時間波形を示す図であり、(A)は第3光パルス列の時間波形、(B)は第4光パルス列の時間波形、(C)は合波光パルス列の時間波形を示す図である。 分布反射鏡領域の反射率スペクトル、侵入長及び縦モードの関係の説明に供する図である。 EA変調器の特性と光ゲート波形との関係の説明に供する図であり、(A)はEA変調器の電圧に対する透過率を示す図であり、(B)は印加する直流電圧を順バイアス側に設定し、変調電圧を重畳したときの光ゲート特性の説明に供する図であり、(C)は印加する直流電圧を逆バイアス側に設定し、変調電圧を重畳したときの光ゲート特性の説明に供する図である。 第1実施例のCS光パルス列発生の実験結果の説明に供する図であり、(A)は発生したCS光パルス列の時間波形を示す図であり、(B)はスペクトル波形を示す図である。 第1実施例のモード同期半導体レーザから出力されるCS光パルス列の光パルス幅の、変調器バイアス電圧及び変調電圧依存性を示す図である。 第1実施例のモード同期半導体レーザから出力される光パルス幅3.3 psのCS光パルス列を示す図であり、(A)は時間波形を示し、(B)は波長スペクトルを示す図である。 第2実施例のモード同期半導体レーザの概略的構成図である。 回折格子の初期位相の説明に供する図である。 分布反射鏡のエネルギー反射率を示す図である。(A)から(E)はそれぞれ、劈開面の反射率R0及び回折格子の初期位相φをパラメータとして変化させた場合について示している。 第1実施例における、劈開面の反射率R0をパラメータとして変化させた場合の、分布反射鏡領域からの最大反射率、ピーク波長シフト量及び侵入長の、初期位相φ依存性を示す図であり、(A)は分布反射鏡領域からの最大反射率、(B)はピーク波長シフト量、(C)は侵入長を分布反射鏡領域の長さが50μmであるときについてそれぞれ示しており、(D)は分布反射鏡領域の長さが50μmであるときのピーク波長シフト量を示している。 第2実施例における、光吸収係数調整領域の吸収係数αEAをパラメータとして変化させた場合の、分布反射鏡領域からの最大反射率、ピーク波長シフト量及び侵入長の初期位相φ依存性を示す図であり、(A)は分布反射鏡領域からの最大反射率、(B)はピーク波長シフト量、(C)は侵入長についてそれぞれ示している。 第3実施例のモード同期半導体レーザの概略的構成図である。 第4実施例のモード同期半導体レーザの概略的構成図である。
符号の説明
10:光変調領域
12:利得領域
14:位相調整領域
16:分布反射鏡領域
18:回折格子
20:p側クラッド層
22:n側クラッド層
24:光変調領域のp側電極
26:利得領域のp側電極
28:位相調整領域のp側電極
30:分布反射鏡領域のp側電極
32:n側共通電極
34、40、42:定電流源(または定電圧源)
36:交流電源
38:定電流源
44:分布反射鏡領域側の共振器端面
46:光変調領域側の共振器端面
48:絶縁膜
50、54:抵抗加熱膜
52、56:定電流源
58:結合器
60:光吸収係数調整領域
62:光吸収係数調整領域のp側電極
64:定電圧源
66:光吸収係数調整領域側の共振器端面
68:波長フィルタ
70:可動ミラー
72:可動ミラー制御装置
74:利得領域側の端面
76:可動ミラーの反射面
78、80:多電極半導体レーザ素子の端面
82:光アイソレータ
84:可動光遅延器
86:光カプラ
88:可動光遅延器制御装置
100、200、300:分布帰還型半導体レーザ
400:ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ
500:多電極半導体レーザ素子
600:リング共振器型半導体レーザ

Claims (14)

  1. ブラッグ周波数がf0である回折格子を具えた分布帰還型半導体レーザを、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、f0±q(frep/2)で与えられる(qは奇数である。)発振縦モードでモード同期動作させることを特徴とするキャリア抑圧光パルス列発生方法。
  2. ブラッグ周波数がf0である回折格子を具えた分布帰還型半導体レーザに対して、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させるために、
    該分布帰還型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するための電流注入を行うステップと、
    前記分布帰還型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように(qは奇数である。)、該発振縦モードを調整するステップと、
    前記分布帰還型半導体レーザを、繰り返し周波数frepで利得又は損失変調するステップとを含む、
    ことを特徴とするキャリア抑圧光パルス列発生方法。
  3. ブラッグ周波数がf0である回折格子を具えた分布帰還型半導体レーザに対して、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させるために、
    該分布帰還型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するための電流注入を行うステップと、
    該分布帰還型半導体レーザが具える分布反射鏡領域に近接する一方の共振器端面から反射される反射光を、該分布反射鏡領域に到達しないように減衰させるステップと、
    前記分布帰還型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように(qは奇数である。)、該発振縦モードを調整するステップと、
    前記分布帰還型半導体レーザを、繰り返し周波数frepで利得又は損失変調するステップとを含む、
    ことを特徴とするキャリア抑圧光パルス列発生方法。
  4. 透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタと、多電極半導体レーザとを含む外部共振器を具えたファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザを、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、f0±q(frep/2)で与えられる(qは奇数である。)発振縦モードでモード同期動作させることを特徴とするキャリア抑圧光パルス列発生方法。
  5. 透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタと、多電極半導体レーザとを含む外部共振器を具えたファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザに対して、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させるために、
    前記ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するための電流注入を行うステップと、
    前記ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザの共振器長を、該ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように(qは奇数である。)調整するステップと、
    前記ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザを、繰り返し周波数frepで利得又は損失変調するステップとを含む、
    ことを特徴とするキャリア抑圧光パルス列発生方法。
  6. 透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタと、多電極半導体レーザとを含むリング共振器を具えたリング共振器型半導体レーザを、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、f0±q(frep/2)で与えられる(qは奇数である。)発振縦モードでモード同期動作させることを特徴とするキャリア抑圧光パルス列発生方法。
  7. 透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタと、多電極半導体レーザとを含むリング共振器を具えたリング共振器型半導体レーザに対して、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させるために、
    該リング共振器型半導体レーザが発振するために必要な利得を形成するための電流注入を行うステップと、
    該リング共振器型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように(qは奇数である。)、該発振縦モードを調整するステップと、
    前記リング共振器型半導体レーザを、繰り返し周波数frepで利得又は損失変調するステップステップとを含む、
    ことを特徴とするキャリア抑圧光パルス列発生方法。
  8. 光強度を変調する機能を有する光変調領域と、反転分布が形成される利得領域と、実効屈折率が可変である位相調整領域と、ブラッグ周波数がf0である回折格子が形成されている分布反射鏡領域とを具え、前記光変調領域と、前記利得領域と、前記位相調整領域と、前記分布反射鏡領域とが直列に配置されて共振器に収められて構成された分布帰還型半導体レーザであって、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、
    該分布帰還型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように(qは奇数である。)共振器長が調整されており、
    前記光変調領域の透過率を周波数frepで変調することによって、モード同期動作させて、キャリア抑圧されかつ繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させることが可能とされている
    ことを特徴とする分布帰還型半導体レーザ。
  9. 光強度を変調する機能を有する光変調領域と、反転分布が形成される利得領域と、実効屈折率が可変である位相調整領域と、ブラッグ周波数がf0である回折格子が形成されている分布反射鏡領域と、光吸収係数を調整するための光吸収係数調整領域を具え、前記光変調領域と、前記利得領域と、前記位相調整領域と、前記分布反射鏡領域と、該光吸収係数調整領域とが直列に配置されて共振器に収められて構成された分布帰還型半導体レーザであって、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、
    前記光吸収係数調整領域の光吸収係数の値を、該光吸収係数調整領域側の共振器端面から反射される反射光が前記分布反射鏡領域に到達しない十分な大きさに設定されており、
    該分布帰還型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように(qは奇数である。)共振器長が調整されており、
    前記光変調領域の透過率を周波数frepで変調することによって、モード同期動作させて、キャリア抑圧されかつ繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させることが可能とされていることを特徴とする分布帰還型半導体レーザ。
  10. 前記位相調整領域及び前記分布反射鏡領域が、それぞれプラズマ効果を発現させて当該領域の実効屈折率を変調するための電流を供給する電極を具えることを特徴とする請求項8又は9に記載の分布帰還型半導体レーザ。
  11. 前記位相調整領域及び前記分布反射鏡領域が、それぞれポッケルス効果を発現させて当該領域の実効屈折率を変調するための電圧を印加する電極を具えることを特徴とする請求項8又は9に記載の分布帰還型半導体レーザ。
  12. 前記位相調整領域及び前記分布反射鏡領域が、それぞれ当該領域の温度を制御するための抵抗加熱膜を具えることを特徴とする請求項8又は9に記載の分布帰還型半導体レーザ。
  13. 透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタと、
    光強度を変調する機能を有する光変調領域と、反転分布が形成される利得領域と、を直列に配置されて構成された多電極半導体レーザとを具え、
    該波長フィルタと、該多電極半導体レーザとを外部共振器で挟んで構成されたファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザであって、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、
    該ファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように(qは奇数である。)、前記外部共振器の間隔が調整されており、
    前記光変調領域の透過率を周波数frepで変調することによって、モード同期動作させて、キャリア抑圧されかつ繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させることが可能とされていることを特徴とするファブリ・ペロ外部共振器型半導体レーザ。
  14. 透過中心波長が周波数に換算してf0である波長フィルタと、
    光強度を変調する機能を有する光変調領域と、反転分布が形成される利得領域と、を直列に配置されて構成された多電極半導体レーザと、
    光学長を変化させるための可動光遅延器とを含むリング共振器を具えたリング共振器型半導体レーザであって、繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させる条件下で、
    該リング共振器型半導体レーザの発振縦モードがf0±q(frep/2)となるように(qは奇数である。)、前記可動光遅延器の光遅延量が調整されており、
    前記光変調領域の透過率を周波数frepで変調することによって、モード同期動作させて、キャリア抑圧されかつ繰り返し周波数がfrepである光パルス列を出力させることが可能とされていることを特徴とするリング共振器型半導体レーザ。
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