JP2008032998A - 光拡散性シートとその製造方法およびその用途 - Google Patents

光拡散性シートとその製造方法およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 光拡散性スクリーンとしたときに充分満足しうるレベルにまでシンチレーションを低減することができる光拡散性シートを提供する。
【解決手段】 本発明の光拡散性シートは、透明性基材に透明性微粒子を含有させた光拡散層1が主層2の上に積層されてなる光拡散性シートであって、前記透明性微粒子の屈折率(Nd)と前記透明性基材の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)が0.015〜0.04であるとともに、前記光拡散層表面においてはJIS−B0601:1994準拠の十点平均粗さ(Rz)と凹凸の平均間隔(Sm)との比率(Rz/Sm)が0.01以下であり、JIS−K7136準拠のヘイズが30〜80%である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば背面投射型プロジェクションテレビの表示部材として有用な光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズ等に好適に用いられる光拡散性シートとその製造方法およびその用途に関する。
背面投射型プロジェクションテレビの表示部材として、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとを備えた光拡散性スクリーンが使用されており、これら光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズやレンチキュラーレンズには、光拡散性シートが原板として用いられている。しかし、従来の光拡散性スクリーンには、出射光の輝度むら、いわゆるシンチレーションが発生するといった問題があった。
これまでに、光拡散性スクリーンのシンチレーションを低減する方法として、1)光拡散性シート中に光拡散効果のある透明性微粒子を添加混入する方法(例えば特許文献1参照)や、2)光拡散性シートの表面に微細な凹凸形状を付ける方法(例えば特許文献2参照)が提案されている。
さらに、前記1)と前記2)を併用した方法、すなわち、光拡散性シートの表面に光拡散効果のある透明性微粒子を含有させた光拡散層を設けることによりシート表面に微細な凹凸形状を付ける方法も知られている。この方法において、光拡散性シートの光を拡散させる部分は、光拡散層外部の表面の凹凸と空気との界面、および光拡散層内部の透明性微粒子とシートを形成する基材との界面の両方である。例えば、フレネルレンズシートの入光側表面をこのような光拡散層を有する構成とすれば、フレネルレンズの光拡散層とレンチキュラーレンズの光拡散層との距離を最も大きく取ることができるので、シンチレーション低減に効果が期待できると考えられている。なお、このような光拡散層を表面に有する構成の光拡散性シートにおいては、基材との屈折率の差が小さく平均粒径が小さい透明性微粒子を用いた場合ほどシンチレーションは低減される傾向があることが知られている。
特開2000−221601号公報 特開2000−180968号公報
しかしながら、前述のように、光拡散効果のある透明性微粒子を添加した光拡散層を光拡散性シートの表面に設けることだけでは、光拡散性スクリーンに適したヘイズを有しつつ、シンチレーションを満足しうるレベルにまで低減するのは難しく、場合によっては実用化に支障をきたすほどのシンチレーションを生じてしまうこともあった。
詳しくは、前述したように、光拡散層に添加する透明性微粒子としては基材との屈折率の差ができるだけ小さい微粒子を用いる方が好ましいと考えられていたが、基材との屈折率の差が0に近い透明性微粒子を透明性基材に添加すると、基材内部では光は殆ど拡散せず、層の表面に突出した透明性微粒子による光拡散効果が大部分を占めることになる。つまり、光拡散層表面の透明性微粒子の状態、すなわち光拡散層の表面状態がシンチレーションに大きく影響することになるのである。しかし、成形等の条件によっては、シンチレーションの少ない最適な表面状態に成形するのが困難な場合もある。また、層の表面に多くの透明性微粒子を突出させるには、大量の透明性微粒子を透明性基材に添加することが必要となるが、コスト面で不利になる。そのため、通常は、基材との屈折率の差が僅かにある透明性微粒子が好ましく使用されていた。ところが、基材との屈折率の差が僅かにある透明性微粒子を用いた場合にも、やはり光拡散層の表面状態によってシンチレーションの程度は左右され、光拡散層外部の光拡散(表面の凹凸と空気との界面での光拡散)と、光拡散層内部の光拡散(透明性微粒子と基材との界面での光拡散)とのバランスによっては、シンチレーション低減効果が充分に得られない場合が生じていたのである。
そこで、本発明の課題は、光拡散性スクリーンとしたときに充分満足しうるレベルにまでシンチレーションを低減することができる光拡散性シートと、該光拡散性シートを容易に得ることができる製造方法と、該光拡散性シートを用いたフレネルレンズとを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、透明性基材に透明性微粒子を含有させた光拡散層を有する光拡散性シートのシンチレーションを低減するには、光拡散層外部の光拡散(表面の凹凸と空気との界面での光拡散)と光拡散層内部の光拡散(透明性微粒子と基材との界面での光拡散)とのバランスをより厳密に制御することが重要であり、それには光拡散層外部および光拡散層内部の光拡散をそれぞれ正確に把握しうるパラメータが必要であると考えた。そして、光拡散層内部の光拡散は透明性微粒子の屈折率(Nd)と透明性基材の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)で、光拡散層外部の光拡散は光拡散層表面の十点平均粗さ(Rz)と凹凸の平均間隔(Sm)との比率(Rz/Sm)でそれぞれ把握することができ、各々を特定範囲とすることにより、光拡散性スクリーンに適した特定範囲のヘイズを有しつつシンチレーションが最も低減されるようなバランスを保たせることができることを見出した。また、これらの特性を満足する光拡散性シートを容易に得ることのできる製造方法をも併せて見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の光拡散性シートは、透明性基材に透明性微粒子を含有させた光拡散層が主層の上に積層されてなる光拡散性シートであって、前記透明性微粒子の屈折率(Nd)と前記透明性基材の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)が0.015〜0.04であるとともに、前記光拡散層表面においてはJIS−B0601:1994準拠の十点平均粗さ(Rz)と凹凸の平均間隔(Sm)との比率(Rz/Sm)が0.01以下であり、JIS−K7136準拠のヘイズが30〜80%である、ことを特徴とする。
本発明の光拡散性シートの製造方法は、透明性微粒子および透明性基材を含んでなる光拡散層形成材料と主層形成材料とをダイから共押出しした後、押出された積層シートを複数の冷却ロールにて冷却して、前記本発明の光拡散性シートを製造する方法であって、押出された直後の積層シートは、第一冷却ロールと該第一冷却ロールに隣接する第二冷却ロールとの間を光拡散層側が第二冷却ロールに接する状態で通過させた後、同状態のまま第二冷却ロール上で冷却し、次いで、第二冷却ロールと該第二冷却ロールに隣接する第三冷却ロールとの間を線圧がかかった状態で通過させて第三冷却ロールに送るようにする、ことを特徴とする。
本発明のフレネルレンズは、レンチキュラーレンズと組み合わされてプロジェクションテレビ用光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズであって、前記本発明の光拡散性シートを用いてなる、ことを特徴とする。
本発明によれば、光拡散性スクリーンとしたときに充分満足しうるレベルにまでシンチレーションを低減することができる光拡散性シートを、容易な方法で提供することができる、という効果がある。このような本発明の光拡散性シートは、シンチレーションを効果的に抑制するうえで、光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズに極めて有効である。
本発明の光拡散性シートは、図1(a)および(b)に示すように、光拡散層1が主層2の上に積層されてなるシートである。
本発明における光拡散層1は、透明性基材に透明性微粒子を含有させた層である。
光拡散層1を構成する透明性基材としては、光学用途に一般に用いられる透明性の高い熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には、メタクリル酸メチル重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体のようなアクリル系樹脂や、ポリカーボネート樹脂、透明ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これら樹脂は、ゴム強化されたものであってもよいし、また、目的に応じて、光拡散剤、酸化防止剤、可塑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤等の各種添加剤が1種または2種以上添加されたものであってもよい。
光拡散層1に含有される透明性微粒子としては、例えば、メタクリル酸メチル重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、スチレン重合体などの熱可塑性樹脂からなる架橋粒子のほか、タルク、ガラスビーズ、シリコーン粒子等が用いられる。
本発明において、光拡散層1に含有される透明性微粒子の大きさは、特に制限されないが、体積平均粒径が、通常0.1〜30μm、好ましくは1〜15μm、より好ましくは4〜9μmであるのがよい。
光拡散層1における透明性微粒子の含有量(濃度)は、1〜40質量%であるのが好ましく、より好ましくは3〜30質量%であるのがよい。光拡散層1における透明性微粒子濃度が1質量%未満であると、ヘイズが30%以上にならないおそれがあり、一方、40質量%を超えると、ヘイズが80%以下とならないおそれがある。なお、本発明における透明性微粒子の濃度は、透明性基材および透明性微粒子の合計量に対する透明性微粒子の割合(質量比)を百分率で示したものである。
光拡散層1の層厚は、特に制限されないが、通常、10〜500μm、好ましくは40〜400μmであるのがよい。光拡散層1の層厚が10μm未満であると、ヘイズを30%以上とするためには透明性微粒子の含有量が過大となるおそれがあり、一方、500μmを超えると、透明性微粒子の濃度が低くてもヘイズが容易に80%を超えるおそれがある。
本発明において、光拡散層1を構成する透明性微粒子の屈折率(Nd)と透明性基材の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)は0.015〜0.04であることが重要である。これにより、光拡散層1の表面の十点平均粗さ(Rz)と凹凸の平均間隔(Sm)との比率(Rz/Sm)が前記範囲である場合に、良好なヘイズを有するとともに充分な光拡散を得ることができ、シンチレーションを効果的に抑制できる。透明性微粒子と透明性基材との屈折率差(|Nd−Nb|)が0.015未満であると、所望の透過拡散性能を得るのに大量の透明性微粒子が必要となるので経済的に不利となり、一方、0.04を超えると、シンチレーションが増えることとなる。
本発明における光拡散層1は、その表面において、JIS−B0601:1994準拠の粗さパラメータである十点平均粗さ(Rz)と凹凸の平均間隔(Sm)との比率(Rz/Sm)が0.01以下でなければならない。ここで、十点平均粗さ(Rz)は実表面の垂直方向の粗さパラメータであるのに対し、凹凸の平均間隔(Sm)は実表面の水平方向の粗さパラメータであり、RzとSmの比率(Rz/Sm)は、表面の凹凸形状、平均的な山の角度を表すのに有効である。光拡散層の表面の凹凸と空気との界面での拡散はシンチレーション低減の観点からはなるべく少ない方が(できれば全くない方が)好ましいのであるが、Rz/Smが前記範囲よりも大きいと、表面の凹凸と空気との界面での光の拡散が強く作用することになる。Rz/Smが前記範囲であり、透明性微粒子の屈折率(Nd)と透明性基材の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)が前記範囲であれば、光拡散層内部の透明性微粒子と透明性基材との界面での拡散が充分に作用することとなる。
本発明における主層2を構成する材料は、特に制限されるものではなく、例えば、光拡散層1を構成する透明性基材として前述した樹脂と同様のものを用いることができる。また、本発明における主層2は、図1(a)に示すように、透明性微粒子を全く含有していなくてもよいし、図1(b)に示すように、透明性微粒子を含有していてもよい。ただし、主層2が透明性微粒子を含有する場合には、その含有量は、光拡散層1における透明性微粒子濃度の20%以下の濃度となるようにすることが好ましい。主層2に含有させる透明性微粒子としては、特に制限はなく、例えば、光拡散層1における透明性基材として前述したものと同様のものを用いることができる。
主層2の層厚は、特に制限されないが、通常、0.5〜5mmであるのがよい。主層2の層厚が0.5mm未満であると、光拡散性シートの強度が不足するおそれがあり、一方、5mmを超えると、これをフレネルレンズとしてレンチキュラーレンズと組合わせて光拡散性スクリーンとしたときに、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとの距離が遠くなり、解像度が低下するおそれがある。
本発明の光拡散性シートは、JIS−K7136準拠のヘイズが30〜80%であり、この範囲内で、適用するプロジェクションテレビの光源の強さや画面のサイズ、組み合わせるレンチキュラーレンズの映像光の透過度合い等に応じて、適宜最適な値に設定すればよい。
以上のように、本発明の光拡散性シートは、透明性微粒子と透明性基材の屈折率差|Nd−Nb|が0.015〜0.04であり、ヘイズが30〜80%であり、Rz/Smが0.01以下であり、これらの要件を満たすことにより、輝度性能を維持しつつシンチレーションが少ない優れたスクリーンを提供しうるシートとなる。
本発明の光拡散性シートの製造方法は、透明性微粒子および透明性基材を含んでなる光拡散層形成材料と主層形成材料とをダイから共押出しした後、押出された積層シートを複数の冷却ロールにて冷却することにより、主層の上に光拡散層が設けられた本発明の光拡散性シートを容易に製造する方法である。
本発明の製造方法において用いる光拡散層形成材料としては、前述した透明性微粒子と透明性基材とを、前述した屈折率差(|Nd−Nb|)等を満足するよう組み合わせて適宜選択し、混合、分散させたものを用いればよい。本発明の製造方法において用いる主層形成材料としては、例えば、前述した透明性基材と同様の材料を用いることができるが、これに制限されるものではない。
共押出成形を行う際の方法については、特に制限はなく、通常の共押出成形方法に準じて行えばよい。例えば、2〜3基の一軸または二軸の押出機を用いて、光拡散層形成材料と主層形成材料をそれぞれ溶融混練した後、フィードブロックダイやマルチマニホールドダイを介して共押出し、光拡散層と主層とを積層シートとして一体化することにより行うことができる。
前記共押出成形により押出された積層シートは、複数の冷却ロールを有するロールユニットにて冷却固化する。ここで用いるロールユニットは、図2に示すように、ダイ7から押出された直後の積層シート3を、まず、第一冷却ロール4と該第一冷却ロール4に隣接する第二冷却ロール5との間に挟み込み、第二冷却ロール5に密着させて巻きつけながら第二冷却ロール5上で冷却し、次いで、第二冷却ロール5と該第二冷却ロール5に近接して配設された第三冷却ロール6に巻きつけて第三冷却ロール6上で冷却するものである。該ロールユニットは、必要に応じて、第三冷却ロール6に次いで、同様に順次隣接するよう配設された第四以降の冷却ロール(不図示)を備えていてもよい。
本発明の製造方法においては、前記ロールユニットで積層シート3を冷却するにあたり、押出された直後の積層シート3を第一冷却ロール4と第二冷却ロール5との間に挟み込み第二冷却ロール5上で冷却する際に、図2に示すように、光拡散層3a側が第二冷却ロール5に接する状態として第一および第二冷却ロール間を通過させ、同状態のまま第二冷却ロール5上で冷却することが重要である。つまり、透明性微粒子を含む光拡散層3aは、第一冷却ロール4と第ニ冷却ロール5との間では第二冷却ロール5と接する側にあり、第二冷却ロール5上で冷却される際には内側にて冷却されることになる。さらに、その後、第二冷却ロール5と該第二冷却ロール5に隣接する第三冷却ロール6との間を線圧がかかった状態で通過させて第三冷却ロール6に送るようにすることが重要である。このように、第二冷却ロール5の内側にて光拡散層1を冷却して透明性微粒子の表面への突出がなるべく少なくなるようにし、かつ、第ニ冷却ロール5と第三冷却ロール6との間で積層シート3に線圧がかかるよう圧着して突出した粒子を押し戻すことによって、光拡散層1の表面を凹凸がほとんどないRz/Smが0.01以下の表面状態とすることができる。透明性微粒子と透明性基材との屈折率差(|Nd−Nb|)が0.015〜0.04である光拡散層材料を用い、本発明の製造方法以外の方法で成形した場合、ヘイズが30〜80%の範囲では通常Rz/Smは0.01を超えることとなり、シンチレーション低減効果は劣ることになる。
本発明の製造方法おいて、前述以外の緒条件に関しては、特に制限はなく、従来公知の方法に準じて適宜設定すればよい。
本発明のフレネルレンズは、レンチキュラーレンズと組み合わされてプロジェクションテレビ用光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズであって、前記本発明の光拡散性シートを用いてなる。本発明の光拡散性シートは、そのままで本発明のフレネルレンズとして用いることができる。本発明のフレネルレンズとレンチキュラーレンズとは、図3に示すように組合せて光拡散性スクリーン(スクリーンセット)とされる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例における各物性の測定方法およびシンチレーションの評価方法については、下記の通りである。
<層の厚み> 得られた積層シート(光拡散性シート)の端面を光学顕微鏡で観察することにより、シート全体の厚み(全厚)(mm)および光拡散層の厚み(表層厚)(μm)を測定した。
<ヘイズ> 得られた積層シート(光拡散性シート)を4cm×6cmに切り出し、JIS−K7136準拠し、ヘイズメーター(村上色彩科学研究所株式会社製「HM−150」)を用いて、光拡散層(表層)側が入光側となるよう試料をセットしてヘイズ(%)を測定した。
<十点平均粗さ(Rz)、凹凸の平均間隔(Sm)> 得られた積層シート(光拡散性シート)を4cm×6cmに切り出し、その光拡散層(表層)側について、表面粗さ測定機(株式会社ミツトヨ製「SJ−201P」)を用いて、十点平均粗さ(Rz)(μm)および凹凸の平均間隔(Sm)(μm)を測定した。測定に際しては、JIS−B0601:1994に基づき、カットオフ値は0.8mm、評価長さは4mmとし、その他の測定条件はデフォルト値として行った。
<シンチレーション評価> 得られた積層シート(光拡散性シート)とピッチ0.25mmのブラックストライプを有するレンチキュラーレンズとを、図3のように貼り合わせてスクリーンセットとした。市販されているDLP光源を有する62インチサイズのリアプロジェクションテレビのスクリーンを透明アクリル板に置き換えたものを用意し、白画面を出力したうえで、画面中央部にスクリーンセットを光拡散性シートの光拡散層1側が光源側となるよう貼り付けた。そして、画面から1m離れた場所からシンチレーションの目視官能評価を行い、シンチレーションが最も少ない場合を1とし、最も多い場合を10とする10段階で判定した。
以下の実施例および比較例において用いた透明性基材および透明性微粒子は、下記の通りである。
・透明性基材:低吸湿アクリル樹脂(住友化学株式会社製「スミペックス HS」;Nb=1.533)
・透明性微粒子:メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル重合体、スチレン重合体からなる架橋粒子(積水化成品工業株式会社製「XX−57K」;Nd=1.510、体積平均粒径10.3μm)
(実施例1)
第1押出機(田辺プラスチック株式会社製;スクリュー径40mm、一軸、ベント付き)に、透明性基材を投入した。他方、第2押出機(田辺プラスチック株式会社製;スクリュー径20mm、一軸、ベント付き)には、透明性基材に透明性微粒子を混合し、表1に示す微粒子濃度(透明性基材および透明性微粒子の合計量に対する透明性微粒子の割合)になるよう希釈したものを投入した。次いで、第1押出機および第2押出機から共押出成形した後、図2に示す3本の冷却ロール(ポリシングロール、縦型)にて冷却し、積層シート(光拡散性シート)を得た。このとき、マルチマニホールドダイ(田辺プラスチック株式会社製;2種3層分配)の上側を閉じ下側を開いて共押出しすることで、積層シートのうち第2押出機から押出された層の面が第二冷却ロールに接するようにし、かつ、第二冷却ロールと第三冷却ロールとの間は積層シートに線圧がかかるよう圧着した状態で通過させた。
得られた光拡散性シートの物性(ヘイズ、Rz/Sm等)およびシンチレーションの評価結果は表1に示す通りであった。実施例1の光拡散性シートは、ヘイズがほぼ同じ比較例1に比べてシンチレーションが少ないことが明らかであった。
(比較例1)
第1押出機(田辺プラスチック株式会社製;スクリュー径40mm、一軸、ベント付き)に、透明性基材を投入した。他方、第2押出機(田辺プラスチック株式会社製;スクリュー径20mm、一軸、ベント付き)には、透明性基材に透明性微粒子を混合し、表1に示す微粒子濃度(透明性基材および透明性微粒子の合計量に対する透明性微粒子の割合)になるよう希釈したものを投入した。次いで、第1押出機および第2押出機から共押出成形した後、図2に示す3本の冷却ロール(ポリシングロール、縦型)にて冷却し、積層シート(光拡散性シート)を得た。このとき、マルチマニホールドダイ(田辺プラスチック株式会社製;2種3層分配)の上側を開き下側を閉じて共押出しすることで、積層シートのうち第1押出機から押出された層の面が第二冷却ロールに接するようにし、かつ、第二冷却ロールと第三冷却ロールとの間を積層シートの全厚よりわずかに広く設定しておくことで、積層シートに線圧がかからないようにした。
得られた光拡散性シートの物性(ヘイズ、Rz/Sm等)およびシンチレーションの評価結果は表1に示す通りであった。比較例1の光拡散性シートは、Rz/Smが本発明の範囲を外れているため、へイズがほぼ同じ実施例1と比較してシンチレーションが多いことが判る。
(実施例2)
第2押出機に投入する透明性微粒子の濃度(透明性基材および透明性微粒子の合計量に対する透明性微粒子の割合)を6.0質量%とし、第2押出機の押出し速度を半減することで光拡散層の厚み(表層厚)を約半分にしたこと以外は、実施例1と同様にして光拡散性シートを得た。
得られた光拡散性シートの物性(ヘイズ、Rz/Sm等)およびシンチレーションの評価結果は表2に示す通りであった。実施例2の光拡散性シートは、ヘイズがほぼ同じ比較例2に比べてシンチレーションが少ないことが明らかであった。
(比較例2)
第2押出機に投入する透明性微粒子の濃度(透明性基材および透明性微粒子の合計量に対する透明性微粒子の割合)を表2に示すようほぼ半分にするとともに第2押出機の押出し速度を半減することで光拡散層の厚み(表層厚)を約半分にしたこと以外は、比較例1と同様にして光拡散性シートを得た。
得られた光拡散性シートの物性(ヘイズ、Rz/Sm等)およびシンチレーションの評価結果は表1に示す通りであった。比較例2の光拡散性シートは、Rz/Smが本発明の範囲を外れているため、へイズがほぼ同じ実施例2と比較してシンチレーションが多いことが判る。
本発明の光拡散性シートの実施形態を示す断面図である。 本発明の光拡散性シートの製造方法に用いられるロールユニットを示す模式図である。 本発明の光拡散性シートをフレネルレンズとして用いた場合のスクリーンセットを示す断面図である。
符号の説明
1 光拡散層
2 主層
3 積層シート
3a 光拡散層
3b 主層
4 第一冷却ロール
5 第二冷却ロール
6 第三冷却ロール
7 ダイ
10 光拡散性シート(フレネルレンズ)
11 レンチキュラーレンズ

Claims (3)

  1. 透明性基材に透明性微粒子を含有させた光拡散層が主層の上に積層されてなる光拡散性シートであって、
    前記透明性微粒子の屈折率(Nd)と前記透明性基材の屈折率(Nb)との差(|Nd−Nb|)が0.015〜0.04であるとともに、前記光拡散層表面においてはJIS−B0601:1994準拠の十点平均粗さ(Rz)と凹凸の平均間隔(Sm)との比率(Rz/Sm)が0.01以下であり、JIS−K7136準拠のヘイズが30〜80%である、ことを特徴とする光拡散性シート。
  2. 透明性微粒子および透明性基材を含んでなる光拡散層形成材料と主層形成材料とをダイから共押出しした後、押出された積層シートを複数の冷却ロールにて冷却して、請求項1に記載の光拡散性シートを製造する方法であって、
    押出された直後の積層シートは、第一冷却ロールと該第一冷却ロールに隣接する第二冷却ロールとの間を光拡散層側が第二冷却ロールに接する状態で通過させた後、同状態のまま第二冷却ロール上で冷却し、次いで、第二冷却ロールと該第二冷却ロールに隣接する第三冷却ロールとの間を線圧がかかった状態で通過させて第三冷却ロールに送るようにする、ことを特徴とする光拡散性シートの製造方法。
  3. レンチキュラーレンズと組み合わされてプロジェクションテレビ用光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズであって、請求項1記載の光拡散性シートを用いてなる、ことを特徴とするフレネルレンズ。

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