JP2008032263A - 蒸気発生装置及びこれを備えた基板乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶剤から金属成分を除去して蒸気を発生させることにより、溶剤の汚染に起因する基板への悪影響を防止することができる蒸気発生装置を提供する。
【解決手段】ヒータ41の加熱により容器75内のイソプロピルアルコールが蒸気にされ、供給口87から外部に供給されるが、容器75に貯留されたイソプロピルアルコールは循環配管47を通ってフィルタ51により金属成分が除去されている。したがって、イソプロピルアルコールに金属成分が含まれていても金属成分が除去されるので、金属成分が蒸気に含まれることを防止でき、イソプロピルアルコールの汚染に起因する基板Wへの悪影響を防止できる。
【選択図】図2
【解決手段】ヒータ41の加熱により容器75内のイソプロピルアルコールが蒸気にされ、供給口87から外部に供給されるが、容器75に貯留されたイソプロピルアルコールは循環配管47を通ってフィルタ51により金属成分が除去されている。したがって、イソプロピルアルコールに金属成分が含まれていても金属成分が除去されるので、金属成分が蒸気に含まれることを防止でき、イソプロピルアルコールの汚染に起因する基板Wへの悪影響を防止できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体ウエハや液晶表示装置用のガラス基板(以下、単に基板と称する)等の基板に対する乾燥用の溶剤蒸気を発生させる蒸気発生装置及びこれを備えた基板乾燥装置に関する。
従来、この種の蒸気発生装置として、イソプロピルアルコール(IPA)を貯留する貯留槽と、貯留槽に付設され、イソプロピルアルコールを加熱するヒータと、貯留槽内のイソプロピルアルコールの蒸気を、基板を処理するためのチャンバに導入する導入管とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第3585199号(図2及び図4)
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、イソプロピルアルコールを貯留槽に供給した際に金属成分が混入したり、貯留槽の内壁から金属成分がイソプロピルアルコール中に溶出したりして、貯留槽のイソプロピルアルコールが金属成分を含む場合がある。そのイソプロピルアルコールを蒸気にして供給するが、特に貯留槽内のイソプロピルアルコールが突沸すると、金属成分がイソプロピルアルコールの蒸気に混入したままチャンバまで導入されてしまい、基板が金属成分で汚染されることがあるという問題がある。
すなわち、従来の装置は、イソプロピルアルコールを貯留槽に供給した際に金属成分が混入したり、貯留槽の内壁から金属成分がイソプロピルアルコール中に溶出したりして、貯留槽のイソプロピルアルコールが金属成分を含む場合がある。そのイソプロピルアルコールを蒸気にして供給するが、特に貯留槽内のイソプロピルアルコールが突沸すると、金属成分がイソプロピルアルコールの蒸気に混入したままチャンバまで導入されてしまい、基板が金属成分で汚染されることがあるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、溶剤から金属成分を除去して蒸気を発生させることにより、溶剤の汚染に起因する基板への悪影響を防止することができる蒸気発生装置及びこれを備えた基板乾燥装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、溶剤蒸気を発生させる蒸気発生装置において、溶剤を貯留する容器と、溶剤を加熱するために前記容器に付設された加熱手段と、前記容器に形成され、発生された溶剤蒸気を外部に供給するための供給口と、前記容器内から溶剤を排出するとともに、再び溶剤を前記容器に戻す循環配管と、前記循環配管を流通する溶剤を濾過するためのフィルタと、を備えていることを特徴とするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、溶剤蒸気を発生させる蒸気発生装置において、溶剤を貯留する容器と、溶剤を加熱するために前記容器に付設された加熱手段と、前記容器に形成され、発生された溶剤蒸気を外部に供給するための供給口と、前記容器内から溶剤を排出するとともに、再び溶剤を前記容器に戻す循環配管と、前記循環配管を流通する溶剤を濾過するためのフィルタと、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、加熱手段の加熱により容器内の溶剤が蒸気にされ、供給口から外部に供給されるが、容器に貯留された溶剤は循環配管を通ってフィルタにより金属成分が除去されている。したがって、溶剤に含まれていたり、容器から溶出した金属成分があったりしても、循環配管に設けられたフィルタにより金属成分が除去されるので、金属成分が蒸気に含まれることを防止できる。その結果、溶剤の汚染に起因する基板への悪影響を防止することができる。
本発明において、前記容器は、ステンレス鋼板製であり、その内面に酸化不動態膜処理が施されていることが好ましい(請求項2)。ステンレス鋼板製の容器であっても、内面に酸化不動態膜処理を施すことにより、容器の内面から溶剤に金属成分が溶出することを防止できる。したがって、容器に溶剤が供給されてから金属成分が溶剤に混入するのを防止できる。
なお、上記の酸化不動態膜処理とは、ステンレス鋼板を電解研磨した後、高温酸化雰囲気下において強固な不動態膜を形成させることである(GOLDEP: ゴールデップ(登録商標)とも呼ばれる)。この処理を行うと、低溶出性、高温耐性、耐オゾン性、機械的強度を向上させることができる。
また、本発明において、前記容器は、ステンレス鋼板製であり、その内面にフッ素樹脂が被着されていることが好ましい(請求項3)。ステンレス鋼板製の容器であっても、内面にフッ素樹脂を被着することにより、容器の内面から溶剤に金属成分が溶出することを防止できる。したがって、容器に溶剤が供給されてから金属成分が溶剤に混入するのを防止できる。
ここでいうフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(PCTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)などが挙げられる。
また、本発明において、前記容器は、ステンレス鋼板製であり、その内面に高機能樹脂が被着されていることが好ましい(請求項4)。ステンレス鋼板製の容器であっても、内面に高機能樹脂(エンジニアリングプラスチックとも呼ばれる)を被着することにより、容器の内面から溶剤に金属成分が溶出することを防止できる。したがって、容器に溶剤が供給されてから金属成分が溶剤に混入するのを防止できる。
ここでいう高機能樹脂としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。
また、本発明において、前記容器は、溶剤の沸騰を抑制するための樹脂製の網を備えていることが好ましい(請求項5)。溶剤中の金属成分が完全に除去できなかったとしても、樹脂製の網により溶剤の突沸を抑制することができるので、溶剤蒸気に金属成分が混入したまま供給されるのを防止できる。また、沸騰石ではなく、樹脂製の網としたので、突沸を抑制しつつも不純物の混入を防止できる。
また、本発明において、前記容器は、溶剤が供給される供給管を備えているとともに、
前記供給管は、溶剤を濾過するフィルタを備えていることが好ましい(請求項6)。容器に溶剤を供給する際に、溶剤に含まれていた金属成分や不純物を供給管のフィルタにより除去することができるので、循環配管のフィルタへの負担を軽減することができる。
前記供給管は、溶剤を濾過するフィルタを備えていることが好ましい(請求項6)。容器に溶剤を供給する際に、溶剤に含まれていた金属成分や不純物を供給管のフィルタにより除去することができるので、循環配管のフィルタへの負担を軽減することができる。
請求項7に記載の発明は、溶剤蒸気により基板を乾燥する基板乾燥装置において、基板を保持する保持機構と、前記保持機構の周囲を囲うチャンバと、前記チャンバ内に溶剤蒸気を供給する供給手段と、溶剤蒸気を発生させる蒸気発生手段と、前記溶剤蒸気発生手段で発生された溶剤蒸気を前記供給手段へ供給する供給管とを備え、前記蒸気発生手段は、溶剤を貯留する容器と、溶剤を加熱するために前記容器に付設された加熱手段と、前記容器に形成されるとともに前記供給管に接続され、前記容器内で発生された溶剤蒸気を前記供給管へ導くための供給口と、前記容器内から溶剤を排出するとともに、再び溶剤を前記容器に戻す循環配管と、前記循環配管を流通する溶剤を濾過するためのフィルタと、を備えたことを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項7に記載の発明によれば、保持機構を囲うチャンバに溶剤蒸気を供給するが、その溶剤蒸気は蒸気発生手段によって発生されている。溶剤蒸気は、加熱手段の加熱により容器内の溶剤が蒸気にされ、供給口及び供給管を介してチャンバに供給されるが、容器に貯留された溶剤は循環配管を通ってフィルタにより金属成分が除去されている。したがって、溶剤に含まれていたり、容器から溶出した金属成分があったりしても、金属成分が除去されているので、金属成分が蒸気に含まれることを防止できる。その結果、溶剤の汚染に起因する基板への悪影響を防止することができ、清浄に基板を乾燥させることができる。
本発明に係る蒸気発生装置によれば、加熱手段の加熱により容器内の溶剤が蒸気にされ、供給口から外部に供給されるが、容器に貯留された溶剤は循環配管を通ってフィルタにより金属成分が除去されている。したがって、溶剤に含まれていたり、容器から溶出した金属成分があったりしても、フィルタにより金属成分が除去されるので、金属成分が蒸気に含まれることを防止できる。その結果、溶剤の汚染に起因する基板への悪影響を防止できる。
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板乾燥装置を備えた基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図1は、実施例に係る基板乾燥装置を備えた基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
この基板処理装置は、処理液を貯留する処理槽1を備えている。この処理槽1は、処理液を貯留し、起立姿勢とされた複数枚の基板Wを収容可能に構成されている。処理槽1の底部には、複数枚の基板Wが整列されている方向(紙面方向)に沿って長軸を有し、処理液を供給するための二本の供給・排気管7が配設されている。各供給・排気管7は、供給管11と吸引管13に分岐されている。供給管11は、処理液供給源15に連通接続されており、その流量が制御弁からなる処理液弁17で制御される。吸引管13は、真空時排気ポンプ19に接続され、排気弁21により開閉される。処理液供給源15は、フッ化水素酸(HF)や、硫酸・過酸化水素水(H2SO4/H2O2)の混合液などの薬液や、純水などを処理液として供給する。
処理槽1は、その周囲がチャンバ27で囲われている。チャンバ27は、上部に開閉自在の上部カバー29を備えている。起立姿勢で複数枚の基板Wを保持するリフタ31は、チャンバ27の上方にあたる「待機位置」と、処理槽1の内部にあたる「処理位置」と、処理槽1の上方であってチャンバ27の内部にあたる「乾燥位置」とにわたって移動可能に構成されている。
なお、上述したリフタ31が本発明における保持機構に相当する。
上部カバー29の下方であってチャンバ27の上部内壁には、溶剤ノズル33と、不活性ガスノズル34とが配設されている。溶剤ノズル33には、供給管35の一端側が連通接続されている。その他端側は、蒸気発生装置37に連通接続されている。この供給管35には、その上流側から順に、溶剤蒸気の流量を調整するための制御弁からなる蒸気弁38と、溶剤蒸気の流量を検出する流量計39と、溶剤蒸気を加熱するためのインラインヒータ40とが配設されている。なお、供給管35は、従来装置の供給管よりも大径(9.52mm程度)で構成され、供給管35の溶剤蒸気の流路抵抗を減らして供給が円滑に行われるようにされている。
なお、上述した溶剤ノズル33が本発明における供給手段に相当する。
蒸気発生装置37は、蒸気発生空間である内部空間を所定温度に温調したり、加熱して溶剤の蒸気を発生させたりするためのヒータ41を備えており、内部空間に溶剤を供給するための溶剤供給源43がフィルタ45を介して連通接続されている。溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)が挙げられる。また、蒸気発生装置37は、内部空間の溶剤を循環させる循環配管47を備え、循環配管47は、上流側から順にポンプ49とフィルタ51を備えている。フィルタ45,51は、溶剤に含まれていたり、供給時に混入したりした金属成分等の不純物を濾過する機能を備えている。
不活性ガスノズル34には、供給管53の一端側が連通接続されている。その他端側は、不活性ガスを供給する不活性ガス供給源55に連通接続されている。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスが挙げられる。不活性ガスの供給量は、不活性ガス弁57によって調整される。その下流側には、インラインヒータ59が取り付けられており、不活性ガス供給源55からの不活性ガスを所定温度に加熱して供給するようになっている。
チャンバ27には、その内部が減圧下であっても液体を排出可能な真空時排水ポンプ61が配設されている。また、チャンバ27には、減圧状態を解消するための開閉弁からなる呼吸弁63が取り付けられているとともに、内部圧力を検出するための圧力計64が配設されている。
処理槽1の底部には、排出口65が形成されている。この排出口65には、QDR弁67が取り付けられている。このQDR弁67から処理槽1内の処理液を排出すると、処理液がチャンバ27内に一旦排出される。チャンバ27の底部には、気液分離部69に連通接続された排出管71が取り付けられ、ここには排液弁73が取り付けられている。気液分離部69は、真空時排水ポンプ61及び排出管71から気体と液体を取り込むとともに、それらを分離して排出する。
上述した処理液弁17、真空時排気ポンプ19、排気弁21、上部カバー29、リフタ31、蒸気発生装置37、蒸気弁38、インラインヒータ40、ヒータ41、ポンプ49、不活性ガス弁57、インラインヒータ59、真空時排水ポンプ61、呼吸弁63、QDR弁67、排液弁73などの動作は、制御部74によって統括的に制御される。
次に、図2を参照して蒸気発生装置37について詳細に説明する。なお、図2は、蒸気発生装置の切欠縦断面図である。
溶剤を貯留する容器75は、例えば、ステンレス鋼板で形成されている。その内面は、酸化不動態膜処理が施されている。酸化不動態膜処理は、ステンレス鋼板を電解研磨した後、高温酸化雰囲気下において強固な不動態膜を形成させる処理をいう。この処理を行うと、低溶出性、高温耐性、耐オゾン性、機械的強度を向上できる。容器75は、内部空間77に一端側が連通し、他端側が溶剤供給源43に連通接続された供給管79を備えている。この供給管79は、上述したフィルタ45を備えている。容器75の底面には、上述したヒータ41が付設されている。また、容器75内には、樹脂製の網80が配設されている。樹脂としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが挙げられる。
容器75が備えている上述した循環配管47は、その一端部が容器75の一側面底部に連通接続され、その他端部が容器75の底部に連通接続されている。ポンプ49が作動されると、内部空間77内の溶剤がフィルタ51を通して循環される。なお、樹脂製の網80は、循環配管47と後述する供給口87、分配管93との間に配置されている。
容器75の上部には、ガス混合室83が2つ配備されている。ガス混合室83は、その内部に蒸気発生槽85を備え、その上部をキャリアガスが流通するように、キャリアガス供給源から一端側にキャリアガスが供給される。このキャリアガスは、例えば、窒素ガス(N2)である。容器75の一端面上部には、容器75内で発生されたイソプロピルアルコールの蒸気を外部に供給するための供給口87が形成されている。この供給口87には、上述した供給管35の他端側が連通接続されている。ガス混合室83の他端側と供給管35は、ガス導入管89で連通接続されている。ガス混合室83には、ポンプ91で汲み上げられた、容器75に貯留するイソプロピルアルコールが分配管93を介して供給される。分配管93から供給されたイソプロピルアルコールは、蒸気発生槽85に供給されて蒸気化される。発生されたイソプロピルアルコールの蒸気は、キャリアガスと混合され、ガス導入管89を通して供給管35に送られる。そして、本発明の加熱手段に相当するヒータ41の加熱(例えば、60〜80℃以上)により容器75内で発生されたイソプロピルアルコールの蒸気と混合されて、溶剤ノズル33へ供給されるようになっている。
なお、容器75の溶剤中にキャリアガスを供給して、バブリングを行うようにしてもよい。これによりイソプロピルアルコールの蒸気化を効率的に行うことができる。
次に、図3を参照して、上述した構成の基板乾燥装置の動作について説明する。なお、図3は、処理毎に各部の動作状況を示す図である。
この図3中において、処理液弁17等の弁の動作が開放または流量が調整されている箇所には「開放」と記してあるが、空白の部分は「閉止」を意味する。同様に、真空時排気ポンプ19等のポンプが動作されている箇所には「ON」と記してあるが、空白の部分は「停止」を意味する。また、蒸気発生装置37は、内部空間を所定温度に加熱してイソプロピルアルコールの蒸気を積極的に発生させている箇所には「沸騰」と記してあるが、空白の部分は、内部空間に、溶剤供給源43からイソプロピルアルコールを液体の状態で供給され、ヒータ41が作動されて、沸騰しない程度にイソプロピルアルコールの液体が温調された状態であって、沸騰しない程度の温度に設定する「温調」を意味する。また、蒸気発生装置37に設けられているポンプ49は、常時作動(「ON」)されているが、適宜に停止(「OFF」)させるようにしてもよい。
制御部74は、上部カバー29を開放し、未処理の基板Wを複数枚保持しているリフタ31を「待機位置」から「乾燥位置」に搬入させる(ステップS1)。このとき排液弁73は開放のままである。次に、制御部74は、チャンバ27内の酸素濃度低減処理を行う(ステップS2)。具体的には、不活性ガス弁57を開放し、不活性ガス供給源55からチャンバ27内に不活性ガスを供給させる。これにより、チャンバ27及び処理槽1の内部にある空気が不活性ガスによってパージされ、その結果、酸素濃度が低減される。さらに、制御部74は、リフタ31を「乾燥位置」から「処理位置」にまで下降させる。
チャンバ27内の酸素濃度が低減されると、制御部74は、処理液弁17を開放する(ステップS3)。これにより、処理液供給源15から薬液が処理液として処理槽1に供給され、溢れた処理液がチャンバ27の底部で回収される。回収された処理液は、排出管71を通して気液分離部69で回収され、図示しない廃液処理部に排出される。このようにして処理液が供給された後、制御部74は、リフタ31を「処理位置」に所定時間だけ維持して基板Wに対して処理液による処理を行う(ステップS3)。
薬液処理を開始して所定時間が経過すると、制御部74は、リフタ31を「処理位置」に維持させたまま、呼吸弁63を開放するとともに、処理液供給源15からの薬液に代えて純水を処理液として供給させる。そして、その状態を所定時間だけ維持して、基板Wを純水で洗浄処理する(ステップS4)。
純水洗浄が完了すると、制御部74は、呼吸弁63を閉止してチャンバ27の内部を閉塞させるとともに、真空時排水ポンプ61を作動させて、チャンバ27底部に排出された処理液を排出してチャンバ27内を低減圧状態にする(ステップS5)。
このとき、制御部74が圧力計64からの圧力値が一定となるように真空時排水ポンプ61の排気圧力を調整するフィードバック制御を行うことがより好ましい。さらに、インラインヒータ40を所定温度の加熱モードに設定するとともに、所定流量となるように調整した蒸気弁38を開放する。これにより、蒸気発生装置37で発生されたイソプロピルアルコール(IPA)の蒸気が、所定の温度に加熱された状態で供給管35、溶剤ノズル33を介してチャンバ27内へ圧力差に応じて供給される。なお、このとき制御部74は、流量計39からの流量値(イソプロピルアルコールの蒸気流量)が所定値で一定となるように、蒸気弁38の弁開度を微調整するフィードバック制御を行うことが好ましい。
上述したように、イソプロピルアルコールの蒸気をチャンバ27内に供給し始めると、イソプロピルアルコールの蒸気がチャンバ27の内部を満たすとともに、処理槽1に貯留されている純水の液面が次第にイソプロピルアルコールの蒸気により置換される(ステップS6)。その所定時間後、制御部74は、リフタ31を「処理位置」から「乾燥位置」へ上昇させる(ステップS7)。
制御部74は、処理槽1に貯留している純水を急速排水させる(ステップS8)。具体的には、QDR弁67を開放して処理槽1内の純水をチャンバ27に排出させる。そして、排気弁21を開放するとともに真空時排気ポンプ19を作動させて、供給・排気管7を介してチャンバ27の内部をさらに減圧する。純水の急速排水が完了すると、制御部74は、QDR弁67を閉止する(ステップS9)。これにより、「乾燥位置」にある基板Wの表面に付着している純水がイソプロピルアルコールの蒸気によって置換される。なお、減圧の際には、制御部74が圧力計64からの圧力値が一定となるように真空時排気ポンプ19の排気圧力を調整するフィードバック制御を行うことが好ましい。
次に、制御部74は、排気弁21、蒸気弁38、排液弁73を閉止するとともに、真空時排気ポンプ19を停止させる(ステップS10)。この処理により、基板Wに対して高減圧乾燥を行う。
その後、真空時排水ポンプ61を停止させるとともに、不活性ガス弁57を開放して不活性ガスをチャンバ27内に導入する(ステップS11)。これによりチャンバ27内の圧力が大気圧にまで回復される。
上記の気圧リカバリの後、制御部74は、不活性ガス弁57を閉止するとともに、上部カバー29を開放するとともに、リフタ31を「乾燥位置」から「待機位置」へと上昇させる(ステップS12)。
その後、制御部74は、処理液弁17、排液弁73、不活性ガス弁57を開放する(ステップS13)。これにより、次なる基板Wの処理のために、新たな処理液を処理槽1に供給させるとともに、チャンバ27内を不活性ガスで充満させておく。
上述したように、本実施例装置に係る蒸気発生装置37によると、ヒータ41の加熱により容器75内のイソプロピルアルコールが蒸気にされ、供給口87から外部に供給されるが、容器75に貯留されたイソプロピルアルコールは循環配管47を通ってフィルタ51により金属成分が除去されている。したがって、イソプロピルアルコールに含まれていたり、容器75から溶出した金属成分があったりしても、金属成分が除去されるので、金属成分が蒸気に含まれることを防止できる。その結果、イソプロピルアルコールの汚染に起因する基板Wへの悪影響を防止することができる。また、容器75は、樹脂製の網80を備えているので、イソプロピルアルコール中の金属成分がフィルタ51で完全に除去できなかったとしても、樹脂製の網80によりイソプロピルアルコールの突沸を抑制することができる。したがって、イソプロピルアルコールの蒸気に金属成分が混入したまま供給されるのを防止できる。その上、沸騰石ではなく、樹脂製の網80としたので、イソプロピルアルコールの突沸を抑制しつつも不純物の混入を防止できる。
また、本実施例装置に係る基板乾燥装置によると、上述した蒸気発生装置37によって発生されたイソプロピルアルコールの蒸気で基板Wを処理するので、イソプロピルアルコールの汚染に起因する基板Wへの悪影響を防止でき、清浄に基板を乾燥させることができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例における蒸気発生装置37では、溶剤としてイソプロピルアルコールを例に採って説明しているが、これに代えて他の溶剤を用いる構成としてもよい。
(2)上述した実施例における蒸気発生装置37では、容器75の内面を酸化不動態膜処理しているが、これに代えて、その内面にフッ素樹脂を被着してもよい。このようにしても同様の作用効果を奏する。なお、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(PCTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)などが例示される。
(3)また、蒸気発生装置37の容器75は、その内面に高機能樹脂を被着させるようにしてもよい。これによっても同様の作用効果を奏する。なお、高機能樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などが例示される。
(4)上述した実施例に係る基板乾燥装置では、処理槽1の上部から溢れた処理液をチャンバ27で回収する構成を採用しているが、処理槽1が内槽と外槽を備え、内槽から溢れた処理液を外槽で回収する構成を採用してもよい。
W … 基板
1 … 処理槽
7 … 供給・排気管
19 … 真空時排気ポンプ
21 … 排気弁
27 … チャンバ
31 … リフタ(保持機構)
33 … 溶剤ノズル(供給手段)
35 … 供給管
37 … 蒸気発生装置
41 … ヒータ(加熱手段)
61 … 真空時排気ポンプ61(排気手段)
63 … 呼吸弁
67 … QDR弁
74 … 制御部
75 … 容器
77 … 内部空間
79 … 供給管
80 … 樹脂製の網
81 … フィルタ
87 … 供給口
91 … ポンプ
1 … 処理槽
7 … 供給・排気管
19 … 真空時排気ポンプ
21 … 排気弁
27 … チャンバ
31 … リフタ(保持機構)
33 … 溶剤ノズル(供給手段)
35 … 供給管
37 … 蒸気発生装置
41 … ヒータ(加熱手段)
61 … 真空時排気ポンプ61(排気手段)
63 … 呼吸弁
67 … QDR弁
74 … 制御部
75 … 容器
77 … 内部空間
79 … 供給管
80 … 樹脂製の網
81 … フィルタ
87 … 供給口
91 … ポンプ
Claims (12)
- 溶剤蒸気を発生させる蒸気発生装置において、
溶剤を貯留する容器と、
溶剤を加熱するために前記容器に付設された加熱手段と、
前記容器に形成され、発生された溶剤蒸気を外部に供給するための供給口と、
前記容器内から溶剤を排出するとともに、再び溶剤を前記容器に戻す循環配管と、
前記循環配管を流通する溶剤を濾過するためのフィルタと、
を備えていることを特徴とする蒸気発生装置。 - 請求項1に記載の蒸気発生装置において、
前記容器は、ステンレス鋼板製であり、その内面に酸化不動態膜処理が施されていることを特徴とする蒸気発生装置。 - 請求項1に記載の蒸気発生装置において、
前記容器は、ステンレス鋼板製であり、その内面にフッ素樹脂が被着されていることを特徴とする蒸気発生装置。 - 請求項1に記載の蒸気発生装置において、
前記容器は、ステンレス鋼板製であり、その内面に高機能樹脂が被着されていることを特徴とする蒸気発生装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の蒸気発生装置において、
前記容器は、溶剤の沸騰を抑制するための樹脂製の網を備えていることを特徴とする蒸気発生装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の蒸気発生装置において、
前記容器は、溶剤が供給される供給管を備えているとともに、
前記供給管は、溶剤を濾過するフィルタを備えていることを特徴とする蒸気発生装置。 - 溶剤蒸気により基板を乾燥する基板乾燥装置において、
基板を保持する保持機構と、
前記保持機構の周囲を囲うチャンバと、
前記チャンバ内に溶剤蒸気を供給する供給手段と、
溶剤蒸気を発生させる蒸気発生手段と、
前記溶剤蒸気発生手段で発生された溶剤蒸気を前記供給手段へ供給する供給管とを備え、
前記蒸気発生手段は、
溶剤を貯留する容器と、
溶剤を加熱するために前記容器に付設された加熱手段と、
前記容器に形成されるとともに前記供給管に接続され、前記容器内で発生された溶剤蒸気を前記供給管へ導くための供給口と、
前記容器内から溶剤を排出するとともに、再び溶剤を前記容器に戻す循環配管と、
前記循環配管を流通する溶剤を濾過するためのフィルタと、
を備えたことを特徴とする基板乾燥装置。 - 請求項7に記載の基板乾燥装置において、
前記容器は、ステンレス鋼板製であり、その内面に酸化不動態膜処理が施されていることを特徴とする基板乾燥装置。 - 請求項7に記載の基板乾燥装置において、
前記容器は、ステンレス鋼板製であり、その内面にフッ素樹脂が被着されていることを特徴とする基板乾燥装置。 - 請求項7に記載の基板乾燥装置において、
前記容器は、ステンレス鋼板製であり、その内面に高機能樹脂が被着されていることを特徴とする基板乾燥装置。 - 請求項7から10のいずれかに記載の基板乾燥装置において、
前記容器は、溶剤の沸騰を抑制するための樹脂製の網を備えていることを特徴とする基板乾燥装置。 - 請求項7から11のいずれかに記載の基板乾燥装置において、
前記容器は、溶剤が供給される供給管を備えているとともに、
前記供給管は、溶剤を濾過するフィルタを備えていることを特徴とする基板乾燥装置。
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---|---|---|---|
JP2006203642A JP2008032263A (ja) | 2006-07-26 | 2006-07-26 | 蒸気発生装置及びこれを備えた基板乾燥装置 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2012154599A (ja) * | 2011-01-28 | 2012-08-16 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 蒸気発生装置 |
JP2019160988A (ja) * | 2018-03-13 | 2019-09-19 | 信越ポリマー株式会社 | 基板用処理液の回収装置 |
-
2006
- 2006-07-26 JP JP2006203642A patent/JP2008032263A/ja active Pending
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