JP2008031395A - 水溶性滑り止め剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無機床材の変色を防止すると同時に適切な摩擦係数を維持し、優秀なノンスリップ性を提供する水溶性滑り止め剤組成物を提供する。
【解決手段】 風呂場や公衆浴場、サウナ、プールなどの壁面もしくは床面の仕上剤などとして使用されるタイルもしくは大理石などの無機床材表面の滑りを緩和させるために使用するアンモニウムバイフルオライドを主成分とする水溶性滑り止め剤組成物において、水酸化アンモニウム(NH4OH)を反応調節剤としてさらに含むことを特徴とする水溶性滑り止め剤組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は水溶性滑り止め剤組成物に関するもので、より詳細なものとしては風呂場や公衆浴場、サウナ、プールなどの壁面もしくは底面の仕上材などとして使われるタイルもしくは大理石などの無機床材の表面の滑りを緩和させるために使うアンモニウムバイフルオライドを主成分とする水溶性滑り止め剤組成物において、水酸化アンモニウムを反応調節剤としてさらに含むことを特徴とする水溶性滑り止め剤組成物に関するものである。
一般的に風呂場や公衆浴場、サウナ、プールなどの底面にはデザインの美感を向上させるために各種タイルもしくは大理石などの無機床材が施工されている。このような無機床材は耐摩耗性と耐久性、耐変色性が優秀なだけでなく、高光沢及び高平滑表面の特性を発揮するので、その使用は著しく増加している。
しかし、このような無機床材は高平滑性と滑り表面の特性のために人が歩行する際に滑りやすくなり、特に水溶性物質や石鹸水などが表面に付いている場合には水膜現象によって滑ることが頻発してたびたび深刻な事故にまでつながることがある。
このような従来技術の問題点を解決しようと、無機床材表面の滑りを緩和させるための方法が講究されたが、その中でも代表的なのはタイル表面に凸凹を形成させたノンスリップ(non−slip)型タイルである。
しかし、ノンスリップ型タイルはタイル表面の凸凹の間に異物が蓄積されて汚染されやすいし、このような汚染除去作業は容易でなく、衛生面でも望ましくなくて、人がノンスリップ型タイルの上を素足で歩行する時にノンスリップ型タイルの凸凹と素足が互いに触接するので触感も満足できなかっただけでなく視覚的にも美感が落ちるし、またノンスリップタイルと足の裏もしくは履き物の面との密着度も落ちるので滑り緩和効果も期待に及ばない。
また、最近は無機床材の表面成分と反応することができる化学処理剤を無機床材表面に塗布して視覚的に識別が不可能なほどの微細な凸凹を形成させることによって滑り発生の根本的原因である水膜現象を最小化にしようとする滑り止め剤が開発され、販売されている。
このような無機床材表面の滑りを緩和させるための滑り止め剤は弗化水素水溶液を主成分とするか、もしくはアンモニウムバイフルオライドのようなフッ素塩を主成分にし、これに界面活性剤が付け加えられた水溶液形態として開示されたことがある(特許文献1ないし3参照)。
このような無機床材表面の滑りを緩和させるための滑り止め剤は、滑り止め剤の原液を使用者が直接稀釈させて無機床材の表面に塗布することができるようにする製品と、滑り止め剤の原液を稀釈した希釈液をスプレータイプの容器に入れて販売することで、使用者が購買して追加的な準備作業なしで直ちに無機床材の表面に塗布できる製品に大別される。
このような製品の中で無機床材の表面に滑り防止剤の原液を稀釈して塗布する方式は、使用者が滑り止め剤の原液と滑り止め剤を稀釈させるための溶媒を正確な希薄の割合で調節して塗布しにくいという問題点があり、滑り止め剤原液と稀釈溶媒との間の比率が不均衡状態である場合、無機床材表面と滑り止め剤との間で予期しない反応が誘発されて無機床材の固有な色を変色させるという問題点もある。
また、滑り止め剤原液と稀釈溶媒との比率が不均衡状態な場合には、無機床材の表面に滑り止め剤を塗布した後、塗布された滑り止め剤が素早く蒸発して無機床材の表面の各部分と滑り止め剤との間に起きる反応の時間が一定でなくなる。このような場合、無機床材の表面に染みや白化現象などが発生されて風呂場やサウナ、プールなどの壁面もしくは底面の仕上材などとして施工された無機床材を損傷させて美感を落とすなどの問題点がある。
このような従来技術の問題点のために、近ごろには使用者が別途の混合過程なしですぐに無機床材に滑り止め剤を塗布できるように、滑り止め剤原液を溶媒に稀釈させて製造される滑り防止剤が製品化され、販売されているが、このような製品も強酸性である弗化水素が過度に発生して酸度が大概高くて無機床材の表面と滑り止め剤との間の反応速度の調節が容易でなく、反応する無機床材表面の各部分の反応を均一に誘導することが難しいという問題点があった。
特開平6−279748号公報 米国特許第5,223,168号明細書 特開昭63−159278号公報
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために、アンモニウムバイフルオライド水溶液に水酸化アンモニウムを反応調節剤として添加し、アンモニウムバイフルオライドで構成された滑り防止剤と無機床材の表面との間の化学反応を引き起こして無機床材の表面にエッチングを誘発することができる弗化水素を生成することにおいて、上記水酸化アンモニウムの添加量を調節することで無機床材表面と滑り止め間の反応の際に反応速度の制御を容易にし、滑り止め剤と反応する無機床材の各部分に均一した反応を誘導して無機床材の変色を防止すると同時に適切な摩擦係数を維持し、優秀なノンスリップ性を提供する水溶性滑り止め剤組成物を提供することがその目的である。
前述した本発明の目的は、アンモニウムバイフルオライドを含む水溶性滑り止め剤組成物において、上記水溶性滑り止め剤組成物に水酸化アンモニウムを反応調節剤として、さらに含むことを特徴とする、水溶性滑り止め剤組成物を提供することによって達成される。
後述では本発明についてより詳細に説明することにする。
本発明の滑り止め剤組成物の主成分はアンモニウムバイフルオライドで、これの水溶液に水酸化アンモニウムを反応調節剤として含むことを特徴とする。
本発明の組成物に付け加えられる水酸化アンモニウムはアンモニウムバイフルオライドが主成分である水溶液に付け加えられて滑り止め剤として無機床材の表面に塗布される際、無機床材の表面と反応して無機床材の表面を腐食させる弗素化合物の生成量を調節する反応調節剤として機能する。このような水酸化アンモニウムはアンモニウムバイフルオライドと無機床材表面との間で反応速度を容易に調節して、無機床材表面各部分と滑り止め剤組成物との間で均一した反応を誘導して無機床材の変色度を低くする主要成分として作用する。
本発明の組成物で、アンモニウムバイフルオライドと反応して無機床材の表面を腐食させる弗素化合物の生成量を調節する反応調節剤として使われる一番望ましい化合物は水酸化アンモニウムである。
このような水酸化アンモニウム化合物は無機床材表面に適切な摩擦係数を算出するために適切な比率の含量で付け加えられなければならないし、アンモニウムバイフルオライドを主成分とする滑り止め剤水溶液に対する上記水酸化アンモニウムの適正添加量は無機床材製品の変色程度と無機床材表面の摩擦係数の相互関係により決定され、1.5ないし1.95重量%が含まれたアンモニウムバイフルオライド水溶液に0.01ないし10重量%、望ましいことには0.5ないし5重量%、最も望ましいことには1.0ないし2.5重量%の水酸化アンモニウムが付け加えられることが望ましい。
上記の適正添加量の範囲は後述する実施例で示しているようにアメリカ材料試験協会(ASTM)とアメリカ産業安全管理公団(OSHA)の摩擦係数の測定値で規定している適正摩擦係数である0.7ないし0.8を維持しながらも同時に無機床材の変色を防止する効果を得るための適正添加範囲である。
アンモニウムバイフルオライドを含有した滑り止め剤水溶液に反応調節剤として水酸化アンモニウムを添加すれば化学反応を引き起こし、無機床材表面と上記滑り止めとの間の化学反応を通じて無機床材の表面上にエッチングを発生させる弗化水素を生成することになる。
本発明の滑り防止剤を使って無機床材の表面にエッチングを加える過程を次の化学反応式で示した。
4HF+SiO2→SiF4+2H2
滑り止め剤水溶液にアンモニウムバイフルオライドが過度に含まれている場合、無機床材の変色を引き起こすため、後述する実施例のように変色度の数値を1以下に維持するには、アンモニウムバイフルオライドが1.95重量%以下含まれた滑り止め剤水溶液を使用することが望ましい、また、水酸化アンモニウムと反応して適正量の弗化水素を生成するための、滑り止め剤水溶液に含まれたアンモニウムバイフルオライドは少なくとも1.5重量%であることが望ましい。
以下では、本発明の実施例を通じてより詳細に説明することにするが、これは本発明の理解のために提示されたことであって、本発明の保護範囲が次の実施の例の内容で限定されるのではない。
前述したように本発明の水溶性滑り止め剤組成物は、アンモニウムバイフルオライド水溶液に反応調節剤として水酸化アンモニウムを添加し、化学反応を引き起こして無機床材の表面にエッチングを誘発できる弗化水素を生成することにおいて、上記水酸化アンモニウムの添加量を調節して無機床材表面と滑り止め剤との反応速度の制御を容易にし、滑り止め剤と反応する無機床材の各部分に均一した反応を誘導して無機床材の変色を誘発しないことと同時に適切な摩擦係数を維持して優秀な滑り止め効果を提供する。
<実施例1>
1.6重量%のアンモニウムバイフルオライド(Ammonium bifluoride;NH4F・HF)水溶液に水酸化アンモニウムを下記の表1と同量の含量を持つようにそれぞれ添加して、珪酸質タイルにそれぞれ塗布した後反応時間をそれぞれ7分と10分にしてセラミックスタイルの微細色差の測定方法(韓国産業規格KS L ISO 10545−16:2002)にて変色度を測定しその結果を下記の表1で示した。
Figure 2008031395
上記表1の実験結果を参照すれば、水酸化アンモニウムの添加量が増加するほど変色度は減少し、これは水酸化アンモニウムをアンモニウムバイフルオライド水溶液に添加する場合の変色防止に効果があることを示した。
<実施例2>
1.6重量%のアンモニウムバイフルオライド水溶液に水酸化アンモニウムを下記の表2と同量の含量を持つようにそれぞれ添加して、各水溶液の酸度(PH)を測定した後、珪酸質タイルにそれぞれ塗布し珪酸質タイルの表面と10分間反応させ、その後摩擦係数測定法(韓国産業規格KS ISO 10545−17)にて摩擦係数を測定してその結果を下記の表2で示した。
Figure 2008031395
上記表2の実験結果を参照すれば、水酸化アンモニウムの添加量が増加するほど水溶液の酸度は益々中性に近づくことになるが、この時摩擦係数は水溶液の酸度により変化することを確認できるし、特に水酸化アンモニウムの添加量が1.0ないし2.5重量%である場合の3.9ないし5.2の酸度で相対的に高い摩擦係数を示す。
従って滑り止め剤が適正摩擦係数である0.7ないし0.8を維持できるように水酸化アンモニウムが1.0ないし2.5重量%のアンモニウムバイフルオライドに添加されるのが望ましい。
<実施例3>
アンモニウムバイフルオライドがそれぞれ下記の表3のように含まれた水溶液に水酸化アンモニウムを2.0重量%添加した後、各処理時間に対する摩擦係数を実施例2と等しい方法で測定してその結果を下記の表3に示した。
Figure 2008031395
上記表3の実験結果を参照すれば、含まれたアンモニウムバイフルオライドが0.5重量%以下である時には有効摩擦力が発生しない、また、アンモニウムバイフルオライドが0.5重量%以上になった時からアンモニウムバイフルオライド添加量に比例して摩擦係数が増加してアンモニウムバイフルオライドが1.95重量%である時を基点として、アンモニウムバイフルオライドを1.95重量%以上添加しても摩擦係数が大きく増加しないことが分かる。
<実施例4>
アンモニウムバイフルオライドがそれぞれ下記の表4のように含まれた水溶液に水酸化アンモニウムを2.0重量%添加した後、各処理時間に対する変色度を実施例1と等しい方法で測定してその結果を下記の表4に示した。
Figure 2008031395
上記表4の実験結果を参照すれば、アンモニウムバイフルオライドの含有量が増加するほど変色度は増加するし、特にアンモニウムバイフルオライドの含有量が2.0重量%以上の時からは変色度が1を超過することが分かる。
上記表3と表4の結果を総合すれば、アンモニウムバイフルオライドが1.5ないし1.95重量%含まれた水溶液を使用すれば、0.8程度の摩擦係数を持つと同時に1以下の変色度を維持できるということが分かる。

Claims (5)

  1. アンモニウムバイフルオライドを含む水溶性滑り止め剤組成物において、上記水溶性滑り止め剤組成物が水酸化アンモニウム化合物を反応調節剤として含むことを特徴とする、水溶性滑り止め剤組成物。
  2. 水溶性滑り止め剤組成物がアンモニウムバイフルオライドを1.5ないし1.95重量%含むことを特徴とする、請求項1記載の水溶性滑り止め剤組成物。
  3. 水溶性滑り止め剤組成物が水酸化アンモニウムを1.0ないし2.5重量%含むことを特徴とする、請求項1記載の水溶性滑り止め剤組成物。
  4. 水溶性滑り止め剤組成物が水酸化アンモニウムを0.5ないし5重量%含むことを特徴とする、請求項1記載の水溶性滑り止め剤組成物。
  5. 水溶性滑り止め剤組成物が水酸化アンモニウムを0.01ないし10重量%含むことを特徴とする、請求項3記載の水溶性滑り止め剤組成物。
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