JP2018115238A - 防滑剤、床材、及び防滑処理方法 - Google Patents

防滑剤、床材、及び防滑処理方法 Download PDF

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悦宏 桐生
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Abstract

【課題】床材の美観を損なうことなく床に防滑処理を施す防滑剤、床材及び防滑処理方法を提供すること。
【解決手段】トリアルコキシシラン(RSi(OR)を含有する第1薬剤と、トリアルコキシシランの重合反応を開始させる触媒を含有する第2薬剤と、を含み、R基は、直鎖のヘキシル基、オクチル基又はデシル基であり、OR基は、メトキシ基またはエトキシ基であり、触媒は、無機酸及び有機酸のうちの少なくとも1以上である防滑剤であって、第1薬剤と第2薬剤とは、別個に保管され、被処理面に適用する前に、第1薬剤と第2薬剤とが混合される、防滑剤。
【選択図】図1

Description

本発明は防滑剤に関する。本発明は、特に、防滑処理された床材を形成するための防滑剤に関する。また、本発明は防滑処理方法に関する。本発明は、特に、防滑処理された床材を形成するための防滑処理方法に関する。さらに、本発明は床材に関する。本発明は、特に、当該防滑剤を施した床材、及び当該防滑処理方法を施した床材に関する。
商業施設等の床には、タイル等が敷かれている。通常、このようなタイルは平滑性が高いので、特に雨の日に床が濡れていると来場者が滑ったり、転倒したりしてしまう。そこで、タイル等の床材に防滑処理をする技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1に記載の防滑剤は、フッ化水素アンモニウム、中性フッ化アンモニウム、クエン酸、アルコール及び植物性粉体を含有する。特許文献1に記載の防滑剤は、腐食作用によりタイル表面に微細な凹凸粗面を形成し、防滑効果を発揮する。
特許文献2に記載の床用ガラスタイルは、強化硝子板の裏面側に、印刷層を有する意匠フィルムが積層された層構成を有しており、強化硝子板の表面側には滑り防止効果を発揮させるために、粒径粗さ60〜130メッシュの金剛砂を圧縮空気により吹き付け、JISB0601に準ずる表面粗さが40〜10μmの範囲の凹凸が形成されている。
特開2008−297426号公報 特開2007−302516号公報
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
特許文献1及び特許文献2に記載の防滑処理においては、床材の表面に微細な凹凸を形成する(ないし、床材表面の穴(ポーラス)を拡張する)ことによって、水を凹凸内に浸透させると共に、靴底(靴の裏)との摩擦係数を高めることによって防滑性を高めている。しかしながら、床材の表面に凹凸を設けると、床材本来の光沢性や反射性が低下する、表面の穴を拡張することにより汚れが入りやすくなる等、床面の美観が損なわれることになる。特に、床材は頻繁に交換するものではないので、長年の使用に伴い、防滑処理を多数回繰り返すと、床材表面は、経年劣化に加えて防滑処理によって大きく損傷を受けることになる。商業施設においては、施設の美観も営業上重要な要素であるので、床材の腐食や摩損によって防滑性を高めることは回避することが望ましい。
本発明の第1視点によれば、
トリアルコキシシラン(RSi(OR)を含有する第1薬剤と、
トリアルコキシシランの重合反応を開始させる触媒を含有する第2薬剤と、を含み、
前記R基は、直鎖のヘキシル基、オクチル基又はデシル基であり、
前記OR基は、メトキシ基またはエトキシ基であり、
前記触媒は、無機酸及び有機酸のうちの少なくとも1以上である防滑剤であって、
前記第1薬剤と前記第2薬剤とは、別個に保管され、
被処理面に適用する前に、前記第1薬剤と前記第2薬剤とが混合される、防滑剤が提供される。
本発明の第2視点によれば、
基材と、
前記基材に結合された防滑膜と、を備え、
前記防滑膜は、(RSiO)構造を有し、前記R基は、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、アミノ基、エポキシ基、及びメタクリル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有し、
前記基材は表面にシリカ又はガラスを有する、床材であって、
前記基材と前記防滑膜が、前記基材のOH基とトリアルコキシシラン(RSi(OR)、但し、前記OR基はメトキシ基またはエトキシ基である、とが縮合反応することによって結合される床材が提供される。
本発明の第3視点によれば、
トリアルコキシシラン(RSi(OR)を含有し、
前記R基が、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、アミノ基、エポキシ基、及びメタクリル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有し、
前記OR基は、メトキシ基またはエトキシ基である第1薬剤、及び、
トリアルコキシシランの重合反応を開始させる触媒を含有する第2薬剤、
を混合して混合物を形成する工程、及び、
前記第1薬剤及び前記第2薬剤を基材に塗布する工程として、前記混合物を前記基材に対して塗布する工程、
を含む防滑処理方法が提供される。
本願発明によれば、特に雨の日等において、床材が濡れているときに使用者(来場者)が滑ってしまうことを防止することができる。また、本願発明によれば、床材の美観を損なうことなく、床に防滑処理を施すことができる。
本願発明の床材の概念図。
本願発明における好ましい形態を以下に示す。
本願発明の特別な一実施形態において、本願発明に係る防滑剤は、触媒が、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、リンゴ酸及びクエン酸からなる群から選択される少なくとも1つの酸であることが好ましい。
本願発明の特別な一実施形態において、本願発明に係る防滑剤は、第1薬剤が、トリアルコキシシランを溶解する第1溶媒をさらに含有し、第1溶媒が、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸ブチル、キシレン、アセトン、ヘキサン、及び酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも1つであり、第2薬剤は、第2溶媒をさらに含有し、第2溶媒は第1溶媒と同じであることが好ましい。
本願発明の特別な一実施形態において、本願発明に係る防滑処理方法は、第1薬剤及び第2薬剤を基材に塗布する工程の後、溶媒を乾燥させる工程をさらに含むことが好ましい。
本願発明の特別な一実施形態において、本願発明に係る防滑処理方法は、溶媒を乾燥させる工程の後、処理面を水で洗浄する工程をさらに含むことが好ましい。
本願発明の防滑剤について説明する。防滑剤は、トリアルコキシシラン(有機シラン化合物)を含有する。防滑剤は、トリアルコキシシランの重合体(例えば、縮合重合体)を含有してもよい。
トリアルコキシシランは、化学式RSi(ORと表記することができる。R基としては、床材に防滑性を付与可能な置換基であればいずれの官能基を用いることができる。R基としては、例えば、飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基を使用することができる。R基は直鎖炭化水素基であってもよいし、有枝炭化水素基であってもよい。R基は脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のうちの少なくとも一方を含むことができる。R基の炭素数は、例えば、2〜15であると好ましく、5〜11であるとより好ましく、6〜10であるとさらに好ましい。R基としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等を適用することができる。このうち、R基としては、直鎖のヘキシル基、オクチル基、又はデシル基であると好ましい。R基は、ヘテロ元素を含有する官能基、例えば含窒素官能基又は含酸素官能基であってもよい。R基としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、メタクリル基等を適用することができる。
OR基としては、触媒によって重合反応及び被処理面との結合を可能にするような置換基であればよい。OR基しては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等を適用することができる。
トリアルコキシシランの3つのOR基は、それぞれ同じアルコキシ基であってもよいし、異なるアルコキシ基であってもよい。
防滑剤は、床材に対して防滑膜を形成するための触媒をさらに含有する。触媒としては、トリアルコキシシランの重合反応を開始させる重合開始剤として作用するものであれば使用することができる。触媒は、トリアルコキシシランと床材の基材との結合(例えば縮合反応)を開始させる化合物であってもよい。触媒としては、例えば酸を使用することができる。酸としては、無機酸及び有機酸のうちの少なくとも一方を使用することができる。触媒の例としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸等が挙げられる。触媒は、1種類であってもよいし、複数の化合物を組み合わせてもよい。
防滑剤は、トリアルコキシシランを溶解する溶媒をさらに含有すると好ましい。溶媒は、トリアルコキシシランを溶解できるものであればよい。溶媒は、防滑膜形成作業の時間短縮を図るため、揮発性のあるものが好ましい。また、防滑剤を被処理面に対して塗布作業が容易となるような揮発性及び流動性を有すると好ましい。溶媒としては、例えば、アルコール類を使用することができる。溶媒の例としては、イソプロピルアルコール、エタノール、ブタノール、アセトン、ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン等を挙げることができる。溶媒は、乾燥性及び作業性を考慮して適宜決定することができる。溶媒は、1種類であってもよいし、複数の種類の組み合わせであってもよい。
本願発明の防滑剤は、別個に分けられた(混合させていない)複数の薬剤を備えることができる。例えば、防滑剤は、第1薬剤と、第1薬剤とは分離された第2薬剤とを備えることができる。この場合、第1薬剤と第2薬剤は、別個に、保管や輸送され、被処理面に対して防滑処理を施す前に、混合されると好ましい。例えば、第1薬剤は、上述のようなトリアルコキシシランを含有する。第2薬剤は、上述のような触媒を含有する。本願発明の防滑剤は、第1薬剤と第2薬剤との混合物とすることもできる。
第1薬剤及び第2薬剤の少なくとも一方は、上述のような溶媒を含有してもよい。第1薬剤及び第2薬剤が溶媒を含有する場合、同じ溶媒であってもよいし、異なる溶媒であってもよい。
第1薬剤におけるトリアルコキシシラン濃度及び第2薬剤における触媒濃度は、第1薬剤と第2薬剤との混合比、並びに、混合物中におけるトリアルコキシシラン濃度及び触媒濃度を考慮して決定すると好ましい。例えば、第1薬剤におけるトリアルコキシシラン濃度は、1〜100重量%であると好ましく、1〜50重量%であるとより好ましく、1重量%〜25重量%であるとさらに好ましい。第2薬剤における触媒濃度は、0.01〜0.15Mであると好ましく、0.025〜0.075Mであるとより好ましい。また、第1薬剤と第2薬剤の混合比は適宜決定することができる。
本願発明の床材について説明する。図1に、本発明の床材の概念図を示す。本発明の床材は、基材と、基材に結合された防滑膜と、を備える。防滑膜は、人間が床材上を歩行するとき等において滑ったり、転倒(滑倒)したりすることを防止する膜である。防滑膜は、上記トリアルコキシシランが重合した(例えば、縮合重合した)ポリマーであると好ましい。防滑膜は、シロキサン構造、例えば(RSiO)構造を有すると好ましい。R基は、上述と同様である。防滑膜(トリアルコキシシランの重合体)は、図1に示すように、基材と結合していると好ましい。防滑膜と基材とは、例えば、縮合反応により結合することができる。防滑膜における複数のR基は、すべて同じ置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
床材は、陶磁器、天然石、又はガラスなどから成り、防滑膜と結合する前の床材の基材(防滑処理前の基材)は、表面(被処理面)に水酸基(OH基)を有すると好ましい。例えば、床材の基材は、被処理面にシリカ成分、ガラス成分を有すると好ましい。床材の基材は、すでに床に配されているものでもよいし、床に配される前のタイル、シート等であってもよい。
次に、本発明の防滑剤の製造方法、床材に対する防滑処理方法、本発明の床材の製造方法、および防滑剤の使用方法について説明する。防滑剤及び床材の構成は、以下の方法からも明らかにすることができる。
まず、トリアルコキシシランを第1溶媒に溶解させた第1薬剤を作製する。また、触媒を第2溶媒に溶解させた第2薬剤を作製する。これにより、第1薬剤及び第2薬剤を備える防滑剤が製造される。トリアルコキシシランの種類及び濃度、触媒の種類及び濃度、並びに第1溶媒及び第2溶媒の種類は上述と同様である。
次に、第1薬剤と第2薬剤とを所定の混合比で混合して混合物を作製する。これにより、本発明の防滑剤が作製される。溶媒に、トリアルコキシシラン及び触媒を直接添加して防滑剤を製造することもできる。あるいは、第1薬剤に触媒を添加することによって防滑剤を製造することもできる。
次に、本発明の防滑剤を、床材の基材の防滑被処理面(例えば露出面)に塗布する。床材の基材は上述と同様である。塗布量は、処理面1m2当たり4mLであると好ましい。防滑剤の塗布方法はいずれであってもよい。防滑剤は、被処理面に対して均等に塗布すると好ましい。例えば、モップ等を用いて防滑剤を塗布することができる。
防滑剤を塗布後、処理面を乾燥させる。すなわち、溶媒を蒸発させる。
乾燥させた後、処理面を水洗いすると好ましい。例えば、自動洗浄装置やポリッシャーで処理面を洗浄してもよい。これにより、防滑処理を施した床材を製造することができる。
[トリアルコキシシランの差異に基づく防滑性試験]
トリアルコキシシランから作製した防滑防止膜に関して、アルキル基の差異による防滑性能の比較試験を行った。表1に示すような配合でイソプロピルアルコールにポリアルコキシシランを溶解させて、ポリアルコキシシランを25重量%含有する第1薬液を作製した。また、表1に示すようなイソプロピルアルコール中に硝酸(硝酸60%水溶液)を0.6重量%含有する第2薬液を作製した。第1薬液と第2薬液とを体積比で1:4で混合して、防滑剤を作製した。防滑剤の組成を表2に示す。実施例において用いたトリアルコキシシランの官能基R及びアルコキシ基OR、溶媒、並びに触媒を表3に示す。表3に示すIPAとは、イソプロピルアルコールのことである。作製した防滑剤をセラミックタイル(陶磁器のタイルであり、その表面に釉薬が塗布、焼成されて釉薬層を形成しているもの)に4mL/m2の量で塗布し、室温にて放置して乾燥後、残渣が生じないように水ぶきした。
100gの滑り片(直方体のゴム)に500g荷重したものをセラミックタイル上に載せる。荷重測定機(アイコーエンジニアリング(株)製、RXシリーズ)で滑り片を、5cmの距離を2秒で引っ張り、このときの最大値(最大静摩擦力)を測定した。実施例1〜6について、静摩擦力測定試験をドライ条件及びウェット条件において2〜7回行った。ドライ条件とは乾燥している状態であり、ウェット条件とは水を散布した状態を表す。表4に、測定した静摩擦力の平均値を示す。ウェット条件とドライ条件との差も示す。また、ウェット条件における静摩擦力の平均値を基に算出した静摩擦係数(=静摩擦力/0.6kg(=5.88N))も示す。比較例として、防滑剤を施していないセラミックタイルについても同様にして静摩擦係数を算出した。
防滑剤を施していない比較例1においては、ウェット条件にすると静摩擦力は大きく低下した。これは、セラミックタイルが濡れると滑りやすくなっていることを示す。一方、実施例1〜6においては、ドライ条件からウェット条件になっても静摩擦力の低下が小さかった。実施例によっては、ウェット条件の方が高い静摩擦力が得られるものもあった。これにより、本発明によれば、床材が濡れたときの滑りを抑制することができる。また、実施例1〜6におけるウェット時の静摩擦係数は、比較例1よりも高くなった。これより、本発明の防滑剤を施すことによって、水に濡れた場合であっても滑りにくくなっていることが分かる。
Figure 2018115238
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Figure 2018115238
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[トリアルコキシシラン濃度の差異に基づく防滑性試験]
トリアルコキシシランとして、トリデシルアルコキシシランを用いて、防滑剤中のトリアルコキシシラン濃度を変化させて、静摩擦力測定試験を行った。トリアルコキシシラン濃度に比例させて、触媒及び水の濃度も高くした。表5に示すような第1液及び第2液を作製し、実施例1〜6と同様にして第1液:第2液=1:4の体積比で混合して、表6に示すような組成の防滑剤を作製した。防滑剤を施す方法及び静摩擦力の測定方法は、実施例1〜6と同様である。表7に測定結果を示す。
実施例7〜9のいずれにおいても、実施例2〜6と同等の高い静摩擦係数が得られた。また、ドライ条件からウェット条件への静摩擦係数の低下も小さく、水に濡れた状態でも高い防滑性能が維持できていることが分かる。
Figure 2018115238
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[触媒の種類の差異に基づく防滑性試験]
表8に示すように、触媒の種類が異なる防滑剤を作製した。防滑剤において、触媒濃度が0.024Mとなるように調整した。防滑剤の組成を表9に示す。上記実施例と同様にして、静摩擦力を測定し、静摩擦係数を算出した。結果を表10に示す。
いずれの触媒においても高い静摩擦係数が維持できた。また、ドライ条件からウェット条件への静摩擦係数の低下も小さかった。これより、触媒の種類は静摩擦係数に大きくは影響しないものと思われる。本発明に使用する触媒としては、トリアルコキシシランの重合が開始できる触媒であればよいと考えられる。
Figure 2018115238
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[触媒の添加率の差異に基づく防滑性試験]
実施例10と同様に、トリデシルアルコキシシラン、IPA、硝酸を使用して、触媒の添加率が異なる防滑剤を作製した。防滑剤の組成を表11及び表12に示す。上記実施例と同様にして、静摩擦力を測定し、静摩擦係数を算出した。結果を表13に示す。なお、実施例17,18及び19における各触媒の混合時のモル濃度は、それぞれ0.01M、0.05M及び0.1Mである。
いずれの触媒の添加率においても、ウェット条件において高い静摩擦係数が維持できた。また、ドライ条件において高い静摩擦係数が得られた。したがって、少なくとも実施例の触媒配合範囲によれば、防滑性能を発揮できると考えられる。
Figure 2018115238
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本発明の防滑剤、床材、床材の製造方法及び防滑処理方法は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。

Claims (5)

  1. トリアルコキシシラン(RSi(OR)を含有する第1薬剤と、
    トリアルコキシシランの重合反応を開始させる触媒を含有する第2薬剤と、を含み、
    前記R基は、直鎖のヘキシル基、オクチル基又はデシル基であり、
    前記OR基は、メトキシ基またはエトキシ基であり、
    前記触媒は、無機酸及び有機酸のうちの少なくとも1以上である防滑剤であって、
    前記第1薬剤と前記第2薬剤とは、別個に保管され、
    被処理面に適用する前に、前記第1薬剤と前記第2薬剤とが混合される、防滑剤。
  2. 前記触媒は、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、リンゴ酸及びクエン酸からなる群から選択される少なくとも1つの酸である、請求項1に記載の防滑剤。
  3. 前記第1薬剤は、トリアルコキシシランを溶解する第1溶媒をさらに含有し、
    前記第1溶媒は、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸ブチル、キシレン、アセトン、ヘキサン、及び酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも1つであり、
    前記第2薬剤は、第2溶媒をさらに含有し、前記第2溶媒は前記第1溶媒と同じである
    請求項1又は2に記載の防滑剤。
  4. 基材と、
    前記基材に結合された防滑膜と、を備え、
    前記防滑膜は、(RSiO)構造を有し、前記R基は、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、アミノ基、エポキシ基、及びメタクリル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有し、
    前記基材は表面にシリカ又はガラスを有する、床材であって、
    前記基材と前記防滑膜が、前記基材のOH基とトリアルコキシシラン(RSi(OR)、但し、前記OR基はメトキシ基またはエトキシ基である、とが縮合反応することによって結合される床材。
  5. トリアルコキシシラン(RSi(OR)を含有し、
    前記R基が、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、アミノ基、エポキシ基、及びメタクリル基からなる群から選択される少なくとも1つの基を有し、
    前記OR基は、メトキシ基またはエトキシ基である第1薬剤、及び、
    トリアルコキシシランの重合反応を開始させる触媒を含有する第2薬剤、
    を混合して混合物を形成する工程、及び、
    前記第1薬剤及び前記第2薬剤を基材に塗布する工程として、前記混合物を前記基材に対して塗布する工程、
    を含む防滑処理方法。
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