JP2008029009A - マルチキャリアデータ伝送の方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、マルチキャリアデータ伝送におけるシステムの効率を高めることができる、マルチキャリアデータ伝送の方法を提供する。
【解決手段】本発明はマルチキャリアデータ伝送の方法を開示しており、座標空間の単位円から相関性の低い候補位相系列を予め選択しておき、前記選択された位相系列を利用して送信側内の送信待ちデータを処理し、処理結果のPAPR値をそれぞれ計算して比較し、PAPRの最小値に対応する候補位相系列を選定位相系列に決定するステップAと、送信信号に前記選定位相系列を乗じた信号を主情報とし、選定位相系列のグループ番号と一緒に受信側に送信するステップBと、受信側において、受信したグループ番号に基づいて選定位相系列を決定し、受信した主情報を送信待ちデータに復元するステップCと、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】本発明はマルチキャリアデータ伝送の方法を開示しており、座標空間の単位円から相関性の低い候補位相系列を予め選択しておき、前記選択された位相系列を利用して送信側内の送信待ちデータを処理し、処理結果のPAPR値をそれぞれ計算して比較し、PAPRの最小値に対応する候補位相系列を選定位相系列に決定するステップAと、送信信号に前記選定位相系列を乗じた信号を主情報とし、選定位相系列のグループ番号と一緒に受信側に送信するステップBと、受信側において、受信したグループ番号に基づいて選定位相系列を決定し、受信した主情報を送信待ちデータに復元するステップCと、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は無線通信におけるマルチキャリア技術に関し、特にマルチキャリアデータ伝送の方法に関する。
近年、無線通信技術の発展と成熟に伴って、直交周波数分割多重(OFDM)などのマルチキャリア技術はマルチパスに対する強い耐性、高いデータ伝送効率、柔軟なリソース割当などのメリットを持っているため広く注目されており、符号分割多重接続(CDMA)の次に来る核心技術になる可能性がある。
マルチキャリア技術のポイントは、ある周波数領域内でチャネルを複数の独立したサブチャネルに分け、各サブチャネルを構成する一本のサブキャリアを用いて変調を行い、且つ、各サブキャリアをパラレルに伝送する。ここからわかるように、マルチキャリア信号は、一連のサブチャネル信号が時間領域で足し合わされ、形成される。従って、ある時刻に比較的大きなピークパルス(peak pulse)が現れ、これが大きなピーク電力対平均電力比PAPR、即ち、信号の最大ピーク値の電力と平均電力との比が比較的高い信号を形成する要因となる。従来の電力増幅器(power amplifier)では比較的広い周波数範囲の信号に対して線形的増幅を行うことができないため、比較的大きなPAPRを有する信号が電力増幅器を通過する場合、大きなスペクトラム拡散とイン・バンド・ディストーション(in-band distortion)を生じることになる。
現在、常用のPAPR低減方法には選択マッピング(SLM)や、部分系列伝送(PTS:Partial Transmit Sequence)やクリッピングなどがある。ここで、SLMとは、予め送信側と受信側に複数のグループ位相系列(sequence)が設定され、送信側は変調されたデータ信号を複数のグループ位相系列と乗じ、各グループ毎にPAPRを計算し、PAPRの最小な1グループを乗じた信号を送信すると共に、受信側の信号復元のために、最小PAPR信号に対応する位相系列のグループ系列番号を副情報として受信側に送信することである。PTSとSLMの区別は、予め信号をグルーピングし、各グループの信号を一つの位相系列と乗じることであり、これにより、各グループの位相系列の次元(dimension)が顕著に減少され、計算の複雑度も明らかに低減される。クリッピングとは、PAPRの閾値を設定し、当該閾値を超えた数値を閾値に置き換える方法である。当該方法は、PAPRを有効に低減できるが、信号の歪み(aberration)を起こし、データ伝送過程で比較的高いビット誤り率(BER,bit error rate)をもたらす。比較的良い性能と比較的低い計算の複雑度のため、PTSはPAPR低減方法の中で最も常用されている方法である。
PTS方式でデータ伝送のたびに行われる位相系列の選択を避けるために、通常、送信待ち信号のグループ数に基づいて予め候補位相系列を決定し、実際の伝送過程において最小のPAPRをもたらす選定位相系列を候補位相系列の中から決定する。計算の複雑度を低減するために、通常、集合{1, -1}又は{1, -1, j, -j}から位相系列内の要素を選択する。例えば、送信待ちデータに1024個のサブキャリアが含まれ、4グループに分けられて、各グループに256個のサブキャリアが含まれている場合、各グループの位相系列に四つの数値を含ませる必要がある。位相因子を集合{1, -1}から選択する場合、16グループの候補位相系列、即ち、1,1,1,1;1,1,1,-1;1,1,-1,1;1,1,-1,1…-1,-1,-1,-1が存在する。上記の位相系列からわかるように、従来のPTSに基づくマルチキャリアデータ伝送の方法では、隣接する位相系列の相関性が比較的大きく、PAPRの低減効果が顕著でないため、実際に使用される選定位相系列を決定するために必要な計算量が比較的大きい。これはより多いハードディスクリソース又は時間リソースを消費し、システムの効率を低減させる。
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、マルチキャリアデータ伝送におけるシステムの効率を高めることができる、マルチキャリアデータ伝送の方法を提供することを目的とする。
上記目的を実現するために、本発明はマルチキャリアデータ伝送の方法を提供する。
マルチキャリアデータ伝送の方法であつて、座標空間の単位円から相関性の低い候補位相系列を予め選択しておき、前記選択された位相系列を利用して送信側内の送信待ちデータを処理し、処理結果のピーク電力対平均電力比PAPR値をそれぞれ計算して比較し、PAPRの最小値に対応する候補位相系列を選定位相系列に決定するステップAと、送信信号に前記選定位相系列を乗じた信号を主情報とし、選定位相系列のグループ番号と一緒に受信側に送信するステップBと、受信側において、受信したグループ番号に基づいて選定位相系列を決定し、受信した主情報を送信待ちデータに復元するステップCと、を含む。
ここで、予め目的関数f(x)を設定することを更に含み、前記座標空間の単位円から相関性の低い候補位相系列を選択することは、繰り返し(iteration)回数kと、候補位相系列xkと、ヘッセ行列(Hesse matrix)Hkとを初期化し、目的関数f(x)のxkでの勾配(Ggradient)gkを計算するステップA01と、勾配gkの無限∞ノルム(norm)||gk||∞が閾値εより小さいかどうかを判断し、小さい場合は、候補位相系列をxkに決定し、候補位相系列を決定する本プロセスを終了し、小さくない場合、続いてステップA03を実行するステップA02と、
探索方向dkをdk=−Hkgkに決定し、dk方向に沿って目的関数f(x)に対して2次/3次混合多項式補間を行うことで、一次元直線探索を行い、補正ステップサイズαkを決定するステップA03と、候補位相系列xkをxk+1=xk+αkdkに補正し、xk+1を利用してf(x)のxk+1での勾配gk+1を得、ヘッセ行列Hk+1を補正し、k=k+1にし、ステップA02に戻るステップA04と、を含む。
探索方向dkをdk=−Hkgkに決定し、dk方向に沿って目的関数f(x)に対して2次/3次混合多項式補間を行うことで、一次元直線探索を行い、補正ステップサイズαkを決定するステップA03と、候補位相系列xkをxk+1=xk+αkdkに補正し、xk+1を利用してf(x)のxk+1での勾配gk+1を得、ヘッセ行列Hk+1を補正し、k=k+1にし、ステップA02に戻るステップA04と、を含む。
ここで、前記候補位相系列のグループ数をU、各グループの候補位相系列の次元をVとし、ステップA01において前記繰り返し回数kと、候補位相系列xkと、ヘッセ行列Hkとを初期化することは、繰り返し回数kを0に初期化し、候補位相系列をU×V行列に初期化し、当該行列内の要素は前記単位円内の任意の数値であり、且つ、各V個の要素は1グループの候補位相系列であり、前記ヘッセ行列Hkを単位行列に初期化する、ことである。
Diffx(i)はx(i)に対する偏微分であり、且つ、1≦i≦U×V、1≦n≦U×V。
ここで、jは虚部を表す。
ここで、sk=αkdk、yk= gk+1−gkである。
ここで、ステップAにおいて前記全体の候補位相系列を利用して送信側内の送信待ちデータを処理し、処理結果のPAPR値を計算することは、前記送信待ちデータをグルーピングし、前記候補位相系列から1グループを現在の候補位相系列として選択するステップA1と、
各グループの送信待ちデータを現在の位相系列内の一つの位相因子と乗じ、累加し、累加結果のPAPRを計算して現在の候補位相系列に対応するPAPRとするステップA2と、使用されていない候補位相系列があるかどうかを判断して、ある場合、使用されていない候補位相系列から1グループを現在の候補位相因子として選択し、ステップA2に戻り、ない場合、ステップAにおける前記PAPR値を比較する操作を行うステップA3と、を含む。
各グループの送信待ちデータを現在の位相系列内の一つの位相因子と乗じ、累加し、累加結果のPAPRを計算して現在の候補位相系列に対応するPAPRとするステップA2と、使用されていない候補位相系列があるかどうかを判断して、ある場合、使用されていない候補位相系列から1グループを現在の候補位相因子として選択し、ステップA2に戻り、ない場合、ステップAにおける前記PAPR値を比較する操作を行うステップA3と、を含む。
ステップCにおいて前記受信した主情報を前記送信待ちデータに復元することは、受信した主情報をグルーピングし、各グループの主情報を前記選定位相系列内の対応の要素で除算し、又は、各グループの主情報を選定位相系列内の要素の共役と乗じることである。
ここで、ステップA1において前記送信待ちデータをグルーピングした後、各グループの送信待ちデータに対して逆高速フーリエ変換を行うことを更に含み、前記各グループの主情報を前記選定位相系列内の対応の要素で除算し、又は、各グループの主情報を選定位相系列内の要素の共役と乗じた後、除算によって得られた結果に対して高速フーリエ変換を行うことを更に含む。
ここで、前記ステップA1の前に、前記送信側内の元データに対して変調処理を行い、変調後のデータを送信待ちデータとすることを更に含み、前記除算によって得られた結果に対して高速フーリエ変換を行った後、高速フーリエ変換の結果に対して復調操作を行うことを更に含む。
本発明を応用すれば、マルチキャリアデータ伝送におけるシステムの効率を高めることができる。具体的に、本発明は以下のような有益な効果を持っている。
1、本発明において、座標空間の単位円範囲内で位相因子を予め選択し、送信待ちデータのグループ数に基づき、勾配を利用して複数グループの相関性の比較的低い候補位相系列を決定する。従来技術に比べて、候補位相系列のグループ数が同じである場合、本発明ではPAPR低減効果が更に顕著であり、PAPR低減要求が同じである場合、本発明では生成する必要のある候補位相系列のグループ数が大いに減少され、これにより、選定位相系列を決定するために必要な計算量が有効に減少される。これで、ハードディスクリソースが一定である場合、送信側のPAPR低減の処理時間を明らかに短縮でき、処理時間に対する要求がある場合、ハードディスクリソースを大幅に節約でき、システムの効率を有効に高めることができる。
2、本発明では比較的少ないグループ数の候補位相系列によってもPAPR低減の良い性能を得ることができるため、選定位相系列を決定するときの計算の複雑度が大幅に低減される。かつ、選定位相系列のグループ番号の付けられている副情報が比較的少ないバイト数を占用するため、データを伝送する際にネットワークリソースを節約でき、システムの効率を更に高めることができる。
本発明の目的、技術方案を更に明確にするように、以下、図面を参照して実施例を挙げながら、本発明について更に詳しく説明する。
本発明はマルチキャリアデータ伝送の方法であり、その核心的発明構想は、送信待ちデータのグループ数に基づき、座標空間が単位円である範囲で候補位相系列を予め決定し、データを伝送する前に、送信待ちデータと候補位相系列を利用して選定位相系列を決定する。
図1は本発明におけるマルチキャリアデータ伝送の方法の例を示すフローチャートである。ここで、予め単位円から相関性の比較的低い候補位相系列が既に選択されており、送信側と受信側に記憶されている。図1を参照して、当該方法は、
全体の候補位相系列を利用して送信側内の送信待ちデータを処理し、処理結果のPAPR値をそれぞれ計算して比較し、PAPRの最小値に対応する候補位相系列を選定位相系列に決定するステップ101と、
PAPRの最小値に対応する処理結果を主情報とし、選定位相系列のグループ番号と一緒に受信側に送信するステップ102と、
受信側において、受信したグループ番号に基づいて選定位相系列を決定し、受信した主情報を送信待ちデータに復元するステップ103と、を含む。
全体の候補位相系列を利用して送信側内の送信待ちデータを処理し、処理結果のPAPR値をそれぞれ計算して比較し、PAPRの最小値に対応する候補位相系列を選定位相系列に決定するステップ101と、
PAPRの最小値に対応する処理結果を主情報とし、選定位相系列のグループ番号と一緒に受信側に送信するステップ102と、
受信側において、受信したグループ番号に基づいて選定位相系列を決定し、受信した主情報を送信待ちデータに復元するステップ103と、を含む。
本発明において、選択される候補位相系列のグループ数が管理者によって予め決定されることができる。決定原則として、PAPR低減効果と計算量など要素に配慮を加える。なお、本発明における送信待ちデータは、送信側で元データ信号を変調処理した後で獲得する結果であることができる。それによって、受信側で主情報を送信待ちデータに復元した後、また復調操作を行う必要がある。
以下、PTS方式の採用を例として、本発明のマルチキャリアデータ伝送の方法を説明する。
が決定されていると仮定する場合、送信側は、まず、元データに対して変調操作を行ってデータs(k)を得、s(k)をグルーピングした後si(k)に形成し、各グループのデータsi(k)に対してそれぞれ逆高速フーリエ変換(IFFT)を行ってデータSi(k)を得る。次に、各グループの候補位相系列を利用してSi(k)を処理する。即ち、各グループの候補位相系列に対して、各グループのSi(k)を異なる位相因子
と乗じ、且つ、累加してデータSu(n)を得る。合わせてUグループの候補位相系列があるため、UグループのデータSu(n)を得る。その後、UグループのデータSu(n)のPAPRを計算し、PAPRの最小のデータを主情報として送信し、主情報に対応する候補位相系列を選定位相系列とし、選定位相系列のグループ番号の付けられている副情報を受信側に送信する。受信側は主情報と副情報を受信した後、副情報に基づいて対応する選定位相系列を決定し、主情報内の各グループのデータを選定位相系列内の要素で除算ずる、又は選定位相系列内の要素の共役と乗じることで位相因子の影響を無くし、得られた結果に対して高速フーリエ変換(FFT)と復調を行って、元データを得る。
ここで、xの範囲は[0,2π]である。
図3は本実施例に係る候補位相系列を生成する方法のフローチャートである。本実施例において、候補位相系列のグループ数がUであり、各グループの候補位相因子の次元がVであると仮定し、ここで、Vは変調処理済みの信号のグルーブ数と一致している。図3に示すように、本実施例において下記のステップに従って候補位相因子を生成する。
ステップ301〜302において、候補位相系列xkと、繰り返し回数kと、ヘッセ行列Hkとを初期化し、目的関数f(x)のxkでの勾配(Ggradient)gkを計算する。
ここで、繰り返し回数を0に初期化し、候補位相系列xkをU×V行列に初期化し、ここの要素は単位円内の任意の数値であり、かつ、各V個の要素が1グループの候補位相因子になる。U=2、V=2を例とする場合、xkの初期値x0を[0,0,0, π/2]Tとすることができる。また、ヘッセ行列のHkの初期値H0は単位行列と等しくする。
ここで、jは虚部を表す。
Diffx(i)はx(i)に対する偏微分であり、且つ、1≦i≦U×V、1≦n≦U×V。
同様な計算プロセスに従って、f(x)のx0での勾配g0の他の三つの要素はそれぞれ2、2と−2に決定される。これで、g0=[2,2,2,−2]T。
ステップ303〜304において、勾配gkの無限∞ノルム(norm)||gk||∞が閾値εより小さいかどうかを判断し、ここで、ε=10-8(1+||gk||∞)、小さい場合、候補位相系列をxkに決定し、候補位相系列を決定する本プロセスを終了し、小さくない場合、続いてステップ305を実行する。
ここで||gk||∞を計算する場合、無限∞ノルムの定義公式内のxとxをそれぞれgkとgkに切り替えることだけでよい。また、閾値はε=10-8(1+||gk||∞)であり、ここからわかるようにεは||gk||∞に従って変化する。||gk||∞がとても小さい場合、xk内の各行のデータの相関性がとても小さいことになるため、それをPAPR低減用の候補位相系列として用いることができる。もちろん、閾値εの式は実際の状況によって調整されることができる。
ステップ305〜306において、探索方向dkをdk=−Hkgkに決定し、dk方向に沿ってf(x)に対して2次/3次混合多項式補間を行うことで、一次元直線探索を行い、補正ステップサイズαkを決定する。
ステップ307〜309において、xkをxk+1=xk+αkdkに補正し、xk+1を利用してf(x)のxk+1での勾配gk+1を得、Hk+1を補正し、k=k+1にし、ステップ303に戻る。
ここの三つのステップは探索方向dkと補正ステップサイズαkを利用し、f(x)のxk+1での勾配gk+1を決定してHk+1を得るプロセスである。
ここで、sk=αkdk、yk= gk+1−gk。
H行列の補正を完成した後、k+1の値をkに付与し、これで、xk、αk、dk、gk及びHkはそれぞれxk+1、αk+1、dk+1、gk+1及びHk+1の内容に更新され、ステップ303に戻った後、勾配が閾値より小さいと決定された場合、候補位相因子の決定が完成される。
H行列の補正を完成した後、k+1の値をkに付与し、これで、xk、αk、dk、gk及びHkはそれぞれxk+1、αk+1、dk+1、gk+1及びHk+1の内容に更新され、ステップ303に戻った後、勾配が閾値より小さいと決定された場合、候補位相因子の決定が完成される。
やはりU=2、V=2、x0=[0,0,0,π/2]T、g0=[2,2,2,−2]Tを例とする場合、毎回の繰り返しの後得られる結果は以下の通りである。
第一回繰り返しにおいて、補正ステップサイズα1=0.1595、x1=[0.3191、−0.3191,−0.3191,1.8899]T、g1=[0.4511,−0.4511,−0.4511,0.4511]T、H1=0.2248×I4×4。
第五回繰り返しにおいて、α5=1,x5=[0.3927,−0.3927,−0.3927,1.9635]T、g5=2.59e−9×[1,−1,−1,1]T。
勾配g5が閾値ε=10-8(1+||gk||∞)より既に小さいため、このときの候補位相系列はx5の内容と等しく、即ち、第1グループの候補位相系列は[0.3927,−0.3927]Tであり、第2グループの候補位相系列は[−0.3927,1.9635]Tであり、かつ、上記2グループの候補位相系列の相関性は非常に小さい。
ここまで、本実施例による候補位相因子を決定するプロセスが完了する。
上記ステップ301〜309からわかるように、本実施例において勾配値に対する制御によって、候補位相因子が決定されている。勾配の物理意味が関数の収束性を表すことにあり、即ち、勾配値がとても小さい場合、関数の最小値に近づくことになり、本実施例で勾配を利用して探索方向を補正し、探索方向に基づいて毎回探索のステップサイズを決定するため、f(x)関数値を比較的小さくするxkを比較的に速く見付けることができ、この場合、xkの各行間の相関性がとても小さく、即ち、各グループの候補位相系列間の相関性がとても低い。それでは、上記候補位相系列を利用してPAPRを決定する場合、各グループの候補位相系列によるPAPRの相違が比較的大きく、PAPR低減の効果が比較的顕著である。且つ、PAPR低減への性能要求が同じである場合、本実施例における候補位相系列のグループ数は従来技術に比べて大いに減少されている。また、本実施例では候補位相系列を決定した後、候補位相系列に対して番号を付け、即ち、各グループの候補位相系列が全て唯一なグループを有することになる。また、送信側と受信側とも内容の同じすべての候補位相系列が格納されている。
また、上記ステップ301〜309を利用して単位円内の特殊範囲{1, -1}で候補位相系列を選択する場合、U=V=4の場合に、相関性の最も低い4グループの位相因子は1, 1, 1, 1;1, -1, 1, -1;1, 1, -1, -1;1, -1, -1, 1である。ここからわかるように、従来の方案で16グループの候補位相系列を処理するに比べて、ここでは4グループの候補位相系列だけを処理して、所要計算の複雑度が大幅に低減されている。なお、16グループの候補位相系列があり、二位相偏移変調(BPSK)変調を採用する場合、副情報は4ビットを必要とし、4グループの候補位相系列があり、BPSK変調を採用する場合、副情報は2ビットだけを必要とし、本発明において、伝送する必要のある副情報量が低減されることがわかる。同様な原理に基づき、本発明では単位円内の{1,-1,j,-j}範囲で相関性の最も低いVグループの位相因子を選択し、これら相関性の小さい位相因子を利用して、比較的良いPAPR抑制効果を得ることもできる。
候補位相系列が決定された前提で、本実施例では図4に示すプロセスに従って、マルチキャリアデータ伝送を行う。図1と図4を結び付け、本実施例におけるマルチキャリアデータ伝送の方法は、以下のステップを含む。
ステップ401〜403において、送信側は元データに対して変調処理を行い、かつグルーピングし、その後、グルーピング済みの各グループに対してIFFT処理を行い、予め決定された候補位相系列から1グループを現在の候補位相系列として選択する。
PTS方式では、データをグルーピングし、各グループのデータを一つの同じ位相因子と乗じることにより、計算量を低減させている。ここで、隣接、ランダム又は交互(interlace)にデーターを選択し,グルーピングする。実践では、データ間の相関性が比較的低い場合、IFFTをした後、もし更にサブキャリアに対してランダムにグルーピングする場合、得られる各グループのデータ間の相関性が更に小さくなることが証明された。各グループのデータを異なる位相因子と乗じる場合、得られるデータのPAPRが比較的小さくなる。ここからわかるように、ランダムにグルーピングすることによっては比較的小さいPAPR値を得られる。
ステップ404〜405において、各グループのIFFT処理結果を現在の位相系列内の一つの位相因子と乗じ、累加し、累加結果のPAPRを計算して現在の候補位相系列に対応するPAPRとする。
例えば、IFFT処理結果に2グループのデータS1(n)とS2(n)が含まれ、現在の候補位相系列に二つの位相因子b1とb2が含まれる場合、ここでは、まず、S1(n)* b1+ S2(n) *b2を計算し、その後対応のPAPRを求める。
ステップ406〜407において、使用されていない候補位相系列があるかどうかを判断して、ある場合、使用されていない候補位相系列から1グループを現在の候補位相因子として選択し、ステップ404に戻り、ない場合、ステップ408を実行する。
ここで、使用されていない候補位相系列があるかどうかを判断する目的は、全ての候補位相因子を利用したかどうかを確認するためである。
ステップ408〜409において、全体の候補位相系列に対応するPAPRを比較し、PAPRの最小値に対応する位相系列を選定位相系列とし、PAPRの最小値に対応する累加結果を主情報とし、選定位相系列のグループ番号を副情報として、受信側に送信する。
本実施例において、PAPR低減の性能要求が同じである場合、候補位相系列のグループ数が従来技術に比べて大いに減少し、即ち、選定位相系列のグループ番号の範囲が明らかに小さくなる。そうすれば、ここで、副情報に占用されるバイト数も比較的少なくなる。これにより、本実施例では副情報の占用するシステムの帯域が減少される。
上記ステップ401〜409の操作は全て送信側で完成される。
ステップ410〜411において、受信側は、受信した副情報に基づいて選定位相系列を決定し、決定された選定位相系列を利用して位相因子による主情報への影響を無くし、その後、位相因子による影響が無くされたデータに対して高速フーリエ変換(FFT)と復調処理を行って、元データを得る。
ここで、受信側によって行われる操作は送信側によって行われる操作の逆操作である。即ち、送信側でデータに対してIFFT、選定位相系列との相乗及び累加など処理を順次行うに対して、受信側では元信号を得るために受信した主情報に対してグルーピング、選定位相系列で除算、FFTなど処理を順次行う。
また、受信側に送信側と同じ候補位相系列が収納されているため、受信側はグループ番号さえ取得すれば、送信側に実際に使用されている選定位相系列の全ての内容をそれ自身から読取ることができる。
ここまで、本実施例におけるマルチキャリアデータ伝送プロセスが完了する。
本実施例において、予め座標空間の単位円範囲で位相因子を選択し、送信待ちデータのグループ数に基づき、勾配を利用して複数グループの相関性の比較的低い候補位相系列を決定する。従来技術に比べて、候補位相系列のグループ数が同じである場合、本実施例のデータ伝送の方法におけるPAPRが大いに低減され、PAPR低減要求が同じである場合、本実施例のデータ伝送の方法で生成する必要のある候補位相系列のグループ数が大いに減少されて、選定位相系列を決定するために必要な計算量が有効に減少される。これで、ハードディスクリソースが一定である場合、送信側のPAPR低減の処理時間を明らかに短縮でき、処理時間に対する要求がある場合、ハードディスクリソースを大幅に節約できる。要するに、本実施例のマルチキャリアデータ伝送はシステムの効率を有効に高めることができる。
また、本実施例では、比較的少ないグループ数の候補位相系列によっても非常に良いPAPR低減の性能を得ることができるため、選定位相系列を決定する際の計算の複雑度が大幅に低減される。且つ、選定位相系列のグループ番号の付けられている副情報が比較的少ないバイト数だけを占用するため、データを伝送する際に、ネットワークリソースを節約でき、システムの効率を更に高めることができる。
上記は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神と原則内で行われる種々の修正、均等切替、改善などは全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
Claims (9)
- マルチキャリアデータ伝送の方法であって、
座標空間の単位円から相関性の低い候補位相系列を予め選択しておき、
前記選択された位相系列を利用して送信側内の送信待ちデータを処理し、処理結果のピーク電力対平均電力比PAPR値をそれぞれ計算して比較し、PAPRの最小値に対応する候補位相系列を選定位相系列に決定するステップAと、
送信信号に前記選定位相系列を乗じた信号を主情報とし、選定位相系列のグループ番号と一緒に受信側に送信するステップBと、
受信側において、受信したグループ番号に基づいて選定位相系列を決定し、受信した主情報を送信待ちデータに復元するステップCと、を含む
ことを特徴とするマルチキャリアデータ伝送の方法。 - 予め目的関数f(x)を設定することを更に含み、
前記座標空間の単位円から相関性の低い候補位相系列を選択することは、
繰り返し回数kと、候補位相系列xkと、ヘッセ行列Hkとを初期化し、目的関数f(x)のxkでの勾配gkを計算するステップA01と、
勾配gkの無限∞ノルム||gk||∞が閾値εより小さいかどうかを判断し、小さい場合は候補位相系列をxkに決定し、候補位相系列を決定する本プロセスを終了し、小さくない場合、続いてステップA03を実行するステップA02と、
探索方向dkをdk=−Hkgkに決定し、dk方向に沿って目的関数f(x)に対して2次/3次混合多項式補間を行うことで、一次元直線探索を行い、補正ステップサイズαkを決定するステップA03と、
候補位相系列xkをxk+1=xk+αkdkに補正し、xk+1を利用してf(x)のxk+1での勾配gk+1を得、ヘッセ行列Hk+1を補正し、k=k+1にし、ステップA02に戻るステップA04と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリアデータ伝送の方法。 - 前記候補位相系列のグループ数をU、各グループの候補位相系列の次元をVとし、ステップA01において前記繰り返し回数kと、候補位相系列xkと、ヘッセ行列Hkとを初期化することは、
繰り返し回数kを0に初期化し、
候補位相系列をU×V行列に初期化し、当該行列内の要素は前記単位円内の任意の数値であり、且つ、各V個の要素は1グループの候補位相系列であり、
ヘッセ行列Hkを単位行列に初期化する
ことを含むことを特徴とする請求項2に記載のマルチキャリアデータ伝送の方法。 - ステップAにおいて前記全体の候補位相系列を利用して送信側内の送信待ちデータを処理し、処理結果のPAPR値を計算することは、
前記送信待ちデータをグルーピングし、候補位相系列から1グループを現在の候補位相系列として選択するステップA1と、
各グループの送信待ちデータを現在の位相系列内の一つの位相因子と乗じ、累加し、累加結果のPAPRを計算して現在の候補位相系列に対応するPAPRとするステップA2と、
使用されていない候補位相系列があるかどうかを判断して、ある場合、使用されていない候補位相系列から1グループを現在の候補位相因子として選択し、ステップA2に戻り、ない場合、ステップAにおける前記PAPR値を比較する操作を行うステップA3と、
を含み、
ステップCにおいて前記受信した主情報を前記送信待ちデータに復元することは、
受信した主情報をグルーピングし、各グループの主情報を前記選定位相系列内の対応の要素で除算し、又は、各グループの主情報を選定位相系列内の要素の共役と乗じることである
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリアデータ伝送の方法。 - ステップA1において前記送信待ちデータをグルーピングした後、各グループの送信待ちデータに対して逆高速フーリエ変換を行うことを更に含み、
前記各グループの主情報を前記選定位相系列内の対応の要素で除算し、又は、各グループの主情報を選定位相系列内の要素の共役と乗じた後、
除算によって得られた結果に対して高速フーリエ変換を行うことを更に含む
ことを特徴とする請求項7に記載のマルチキャリアデータ伝送の方法。 - 前記ステップA1の前に、前記送信側内の元データに対して変調処理を行い、変調後のデータを送信待ちデータとすることを更に含み、
前記除算によって得られた結果に対して高速フーリエ変換を行った後、高速フーリエ変換の結果に対して復調操作を行うことを更に含む
ことを特徴とする請求項8に記載のマルチキャリアデータ伝送の方法。
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