JP2008025174A - 扉開閉機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で扉の回動抵抗を制御することができる扉開閉機構を得る。
【解決手段】扉18、20が連動して回動されると、扉18に設けられたカム部38が、扉18、20を支持する支持体に設けられたリブ40と摩擦し、扉18、20の回動に抵抗力が付与される。しかも、カム部は、非線形の凸凹状に形成されており、前記抵抗力の大きさを扉18、20の回動位置に応じて変化させる。
【選択図】図3
【解決手段】扉18、20が連動して回動されると、扉18に設けられたカム部38が、扉18、20を支持する支持体に設けられたリブ40と摩擦し、扉18、20の回動に抵抗力が付与される。しかも、カム部は、非線形の凸凹状に形成されており、前記抵抗力の大きさを扉18、20の回動位置に応じて変化させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば自動車の車室に設けられる収納ボックスの開口を開閉する扉の開閉機構に関する。
従来の車両用収納装置(例えば、特許文献1参照)では、開口を有する収納ボックスと、この収納ボックスに回動可能に支持されて上記開口を開閉する両開きの扉とを有している。この車両用収納装置では、扉に回動ダンパ(例えば、オイルダンパ)が接続されており、この回動ダンパが扉の回動に抵抗力を付与することで、扉をゆっくりと回動させ、これにより、高級感を出すようにしている。
特開2003−205788号公報
しかしながら、上記構成の車両用収納装置では、上述の如く扉の回動に抵抗力を付与するために回動ダンパを用いる構成であるため、部品点数が増加し、構造が複雑になっている。また、回動ダンパを用いた場合には、扉の回動に一定の抵抗力を付与することしかできず、扉の回動位置に応じて扉の回動抵抗(回動速度)を制御することができない。
本発明は上記事実を考慮し、簡単な構成で扉の回動抵抗を制御することができる扉開閉機構を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明に係る扉開閉機構は、開口を有する支持体に対し、前記開口を開放する開放位置と前記開口を閉塞する閉塞位置との間で回動可能に支持される扉と、前記支持体に設けられる摩擦部と、前記扉に設けられ、前記摩擦部と摩擦することで前記扉の回動に抵抗力を付与すると共に、前記扉の回動位置に応じて前記抵抗力の大きさを変化させるカム部と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の扉開閉機構では、扉が開放位置と閉塞位置との間で回動されると、扉に設けられたカム部が支持体の摩擦部と摩擦し、扉の回動に抵抗力が付与される。しかも、カム部は、前記抵抗力の大きさを扉の回動位置に応じて変化させる。このように、扉のカム部と支持体の摩擦部の摩擦によって扉の回動抵抗を変化させるので、簡単な構成で扉の回動抵抗を制御することができる。
請求項2に記載の発明に係る扉開閉機構は、請求項1に記載の扉開閉機構において、前記カム部は、前記開口位置と前記閉塞位置との間の中間位置に対して前記開放位置側及び前記閉塞位置側に設定される一対の抵抗力増加エリアで前記扉が回動する際に前記抵抗力の大きさを増加させることを特徴としている。
請求項2に記載の扉開閉機構では、カム部によって付与される扉の回動抵抗は、扉が抵抗力増加エリアで回動する際に増加される。この抵抗力増加エリアは、開放位置側及び閉塞位置側にそれぞれ設定されるので、扉が開放位置側及び閉塞位置側へ回動した際に、扉の回動に節度感をもたせることができる。
請求項3に記載の発明に係る扉開閉機構は、請求項1又は請求項2に記載の扉開閉機構において、前記扉は、互いに反対側へ回動される第1扉及び第2扉を有すると共に、前記第1扉と前記第2扉とを連動させる連動機構を有し、かつ、前記カム部は、前記第1扉及び前記第2扉のうちの一方に設けられることを特徴としている。
請求項3に記載の発明に係る扉開閉機構では、第1扉と第2扉の一方が回動されると、他方が一方と連動して反対側へ回動される。このとき、第1扉と第2扉の一方に設けられたカム部が支持体の摩擦部と摩擦し、第1扉と第2扉の回動に抵抗力が付与される。このように、一方の扉に設けられたカム部によって2つの扉の回動に抵抗力を付与できるので、構成が簡単である。
以上説明したように、本発明の請求項1に係る扉開閉機構では、簡単な構成で扉の回動抵抗を制御することができる。
本発明の請求項2に係る扉開閉機構では、扉が開放位置側及び閉塞位置側へ回動した際に、扉の回動に節度感をもたせることができる。
本発明の請求項3に係る扉開閉機構では、1つのカム部によって2つの扉の回動に抵抗力を付与できるので、構成が簡単である。
本発明の実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。なお、図中矢印FRは車両前方向を示し、矢印UPは車両上方向を示し、矢印INは車幅内側方向を示している。
図1に示されるように、この実施形態では、支持体としての車両用コンソールパネル12に収納部14が設けられており、この収納部14は、上方が開口した矩形箱状に形成されている。また、図2に示されるように、収納部14の開口部16には、この開口部16を開閉する一対の両開きの扉18、20(第1扉及び第2扉)が設けられている。扉18、20は、車両前後方向に沿って長尺な板状に形成されており、扉18、20の車両前後方向両端部には、それぞれ板状の支持用アーム18A、18B、20A、20Bが設けられている。
支持用アーム18A、18B、20A、20Bは、板厚方向が車両前後方向に沿う状態で、上端部が扉18、20に一体的に接続されている。扉18、20は、前後の支持用アーム18A、18B、20A、20Bに設けられた支持軸22が収納部14の前壁24及び後壁26(すなわちコンソールパネル12)に軸支されることで、支持軸22回りに回動可能にコンソールパネル12に支持されている。これにより、扉18、20は、収納部14の開口部16を閉塞する閉塞位置(図3参照)と、開口部16を開放する開放位置(図4参照)との間で回動可能とされている。
なお、扉18、20が閉塞位置に配置された状態では、一方の扉18の車幅方向一端部(他方の扉20側の端部)に取り付けられた弾性部材27(例えば、フェルトなど)が、他方の扉20の車幅方向一端部(一方の扉18側の端部)に当るようになっており、これにより、閉塞位置に配置された扉18、20が車両の走行振動等によりガタつくことを防止するようになっている。
車両前方側の支持用アーム18A、20Aは、下端側が円板状に形成されており、一方の支持用アーム18Aの下端側の外周一部には外歯28(連動機構)が形成されている。この外歯28は、支持用アーム18Aの下方で収納部14の前壁24に回転可能に支持された歯車30(連動機構)に噛み合っている。この歯車30は、支持用アーム20Aの下方で前壁24に回転可能に支持された別の歯車32(連動機構)に噛み合っており、この歯車32は、支持用アーム20Aの下端側の外周一部に形成された外歯34(連動機構)に噛み合っている。このため、一方の扉18が支持用アーム18Aと共に支持軸22回りに回動されると、これに連動(同期)して他方の扉20が支持用アーム20Aと共に支持軸22回りに回動される構成になっている。なお、一方の扉18には、車両乗員が一方の扉18を回動操作する際に指をかけるためのツマミ36が設けられている。
また、支持用アーム18Aの外周一部には、非線形の凸凹状に形成されたカム部38が設けられており、このカム部38は、収納部14の前壁24に設けられた摩擦部としてのリブ40に対応している。このリブ40は、板状に形成されて前壁24から後方側へ向けて突出しており、カム部38はリブ40の車幅方向一端側の下端部に接触している。このため、支持用アーム18Aが支持軸22回りに回動すると、カム部38がリブ40と摩擦して、支持用アーム18Aすなわち一方の扉18の回動に所定の抵抗力が付与される。しかも、上述したように、カム部38は非線形の凸凹状に形成されているので、上記抵抗力の大きさは、一方の扉18の回動位置に応じて変化するようになっている。
すなわち、図5に示されるように、カム部38の区間A及び区間Cは、支持軸22の径方向外側へ円弧状に突出しており、カム部38の区間Bは、支持軸22の径方向内側へ円弧状に窪んでいる。このため、カム部38の区間A及び区間Cがリブ40と摩擦している状態と、カム部38の区間Bがリブ40と摩擦している状態とでは、摩擦力の大きさが異なるようになっている。
しかも、図6及び図7に示されるように、カム部38の区間Aの形状は、リブ40との間に生じる摩擦力がエリアA1で小さく、エリアA2で中くらいになり、エリアA3(抵抗力増加エリア)で大きくなるように形成されている。また、図8に示されるように、カム部38の区間Bの形状は、リブ40との間に生じる摩擦力がエリアB1(抵抗力増加エリア)で大きく、エリアB2(中間位置)で小さくなり、エリアB3(抵抗力増加エリア)で大きくなるように形成されている。さらに、図9及び図10に示されるように、カム部38の区間Cの形状は、リブ40との間に生じる摩擦力がエリアC1(抵抗力増加エリア)で大きく、エリアC2で中くらいになり、エリアC1で小さくなるように形成されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図3に示されるように、扉18、20が閉塞位置に配置された状態で、車両乗員が一方の扉18に設けられたツマミ36を車幅方向外側(図3の矢印S方向)へ引っ張ると、扉18、20が連動(同期)して互いに反対側(開放位置側)へ回動され、一方の扉18の支持用アーム18Aに設けられたカム部38が、収納部14の前壁24に設けられたリブ40と摩擦する。これにより、扉18、20の回動に抵抗力が付与され、扉18、20の回動が高級感のあるゆっくりとした動きになる。
しかも、扉18、20が閉塞位置から開放位置へ向けて回動される際には、先ずカム部38の区間Aがリブ40に対しエリアA1→エリアA2→エリアA3の順で摩擦し、リブ40とカム部38との間に生じる摩擦力(すなわち扉18、20の回動に付与される抵抗力)が、小→中→大の順で徐々に大きくなる。すなわち、回動操作の初期には、油圧ダンパを用いた場合と同様に穏やかなトルク特性で抵抗力が大きくなるので、高級感が向上する。
次いで、カム部38の区間Bがリブ40に対しエリアB1→エリアB2→エリアB3の順で摩擦すると、リブ40とカム部38との間に生じる摩擦力が、大→小→大の順で変化する。すなわち、扉18、20の回動に対して付与される抵抗力は、一旦増加した後に、扉18、20が開放位置と閉塞位置との間の中間位置を通過する際に低下され、さらに扉18、20が中間位置から開放位置側へ向けて回動することで再び増加される。したがって、扉18、20の回動操作にターンオーバー的な節度感を与えることができる。
次いで、カム部38の区間Cがリブ40に対しエリアC1→エリアC2→エリアC3の順で摩擦すると、リブ40とカム部38との間に生じる摩擦力(すなわち扉18、20の回動に付与される抵抗力)が、大→中→小の順で徐々に小さくなる。したがって、扉18、20は、開放位置に達する手前で一時的にゆっくりと回動されるので、高級感を向上させることができると共に、扉18、20が開放位置に達するときには、回動の抵抗力が小さくなることで、車両乗員は扉18、20が確実に開放位置に達したことを感覚的に認識することができる。
また、扉18、20が開放位置から閉塞位置へ向けて回動される際にも、閉塞位置から開放位置へ向けて回動される際と基本的に同様の作用・効果が得られる。
このように、この実施形態では、一方の扉18に設けられたカム部38と、収納部14に設けられたリブ40との摩擦によって扉18、20の回動抵抗を変化させるので、部品点数が少ない簡単な構成で扉18、20の回動抵抗を制御することができ、扉開閉機構の低コスト化を図ることができる。これにより、扉開閉機構の汎用性を多用途に広げることができる。
また、この実施形態では、一方の扉18に設けられたカム部38が収納部14に設けられたリブ40に常時接触しているので、扉18とこれに連動する扉20のガタつきを抑制することができ、これによっても高級感を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、一対の扉18、20を備え、カム部38が一方の扉18に設けられた構成としたが、これに限らず、カム部が設けられた扉を1つだけ備えた構成としてもよい。
また、上記実施形態では、開放位置と閉塞位置との間の中間位置に対して開放位置側及び閉塞位置側に、一対の抵抗力増加エリア(エリアA3、B1、及びエリアB3、C1)が設けられた構成としたが、これに限らず、抵抗力増加エリアは開放位置と閉塞位置との間で任意に設定することができる。
さらに、上記実施形態では、コンソールパネル12に設けられた収納部14の扉18、20の開閉機構に対して本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明はグローブボックスの扉の開閉機構、センターパネルに設けられる小物入れの扉の開閉機構、ドアポケッテリアの扉の開閉機構に対しても適用可能である。
12 コンソールパネル(支持体)
18 扉(第1扉)
20 扉(第2扉)
28 外歯(連動機構)
30 歯車(連動機構)
32 歯車(連動機構)
34 外歯(連動機構)
38 カム部
40 リブ(摩擦部)
18 扉(第1扉)
20 扉(第2扉)
28 外歯(連動機構)
30 歯車(連動機構)
32 歯車(連動機構)
34 外歯(連動機構)
38 カム部
40 リブ(摩擦部)
Claims (3)
- 開口を有する支持体に対し、前記開口を開放する開放位置と前記開口を閉塞する閉塞位置との間で回動可能に支持される扉と、
前記支持体に設けられる摩擦部と、
前記扉に設けられ、前記摩擦部と摩擦することで前記扉の回動に抵抗力を付与すると共に、前記扉の回動位置に応じて前記抵抗力の大きさを変化させるカム部と、
を有する扉開閉機構。 - 前記カム部は、前記開口位置と前記閉塞位置との間の中間位置に対して前記開放位置側及び前記閉塞位置側に設定される一対の抵抗力増加エリアで前記扉が回動する際に前記抵抗力の大きさを増加させることを特徴とする請求項1に記載の扉開閉機構。
- 前記扉は、互いに反対側へ回動される第1扉及び第2扉を有すると共に、前記第1扉と前記第2扉とを連動させる連動機構を有し、かつ、前記カム部は、前記第1扉及び前記第2扉のうちの一方に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の扉開閉機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006197999A JP2008025174A (ja) | 2006-07-20 | 2006-07-20 | 扉開閉機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006197999A JP2008025174A (ja) | 2006-07-20 | 2006-07-20 | 扉開閉機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008025174A true JP2008025174A (ja) | 2008-02-07 |
Family
ID=39116099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006197999A Pending JP2008025174A (ja) | 2006-07-20 | 2006-07-20 | 扉開閉機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008025174A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009202797A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-10 | Nifco Inc | 両開きリッドの連動機構 |
JP2009214898A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Dainippon Printing Co Ltd | 包装用箱 |
-
2006
- 2006-07-20 JP JP2006197999A patent/JP2008025174A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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