JP2008025009A - 複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法 - Google Patents

複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶化温度よりも低い熱処理温度においても緻密な複合酸化物の結晶微粒子膜が得られる製造方法を提供する。
【解決手段】本複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法は、基板1上に少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素とチタンとを含む複合酸化物の結晶微粒子膜2を形成する工程と、結晶微粒子膜2上に貴金属膜3を形成する工程と、貴金属膜3が形成された結晶微粒子膜2を400℃以上600℃未満で熱処理する工程とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素とチタンとを含む複合酸化物の結晶微粒子膜を製造する方法に関する。
基板上に種々の結晶微粒子膜を成長させて、薄膜コンデンサ、薄膜圧電体、薄膜焦電体などに適用できる機能性膜を形成する試みが行なわれている。
たとえば、特開平04−342422号公報(以下、特許文献1という)では、ジルコンの無機塩、ランタン化合物、鉛の有機化合物およびチタンの有機化合物からなるゾル液を基板に塗布した後、その基板を加熱処理して塗布膜を結晶化させて(Pb1-xLax)(Zr1-yTiy)O3(0≦x≦1、0≦y≦1)の化学組成を有する強誘電体薄膜を形成する方法が提案されている。
また、特開平07−315810号公報(以下、特許文献2という)では、AおよびB(ここで、AはIA族、IIA族、IIIA族、IVB族およびVB族から選択された元素、BはIVA族およびVA族から選択された元素)を含む複合金属アルコキシド化合物に水と無機触媒または酢酸とを所定のモル比で添加して加水分解した後、基板上に塗布し、熱処理することによりABO3で示される酸化物薄膜を製造する方法が提案されている。
上記特許文献1および特許文献2で提案されている方法は、いずれも酸化物または複合酸化物の前駆体溶液で薄膜を形成し、50℃〜150℃程度の低温で溶媒蒸発および化学反応を起こさせて非結晶性の酸化物または複合酸化物の薄膜を形成する。次に、この薄膜を600℃以上(特許文献1)または200℃〜800℃(特許文献2)で熱処理することにより結晶化させている。
このため、上記特許文献1および特許文献2で提案されている方法においては、以下の三つの問題点があった。一つ目は、基板表面に塗布された薄膜前駆体液は、溶媒と原料中の有機成分が蒸発する際の体積変化により、約30体積%以上の収縮が発生し、薄膜の密度が著しく低下することである。二つ目は、上記の比較的高い温度での熱処理により、薄膜と基板の間または薄膜と他の膜(たとえば、電極膜)との間の反応または拡散が起こり、薄膜の特性および信頼性が低下する可能性があることである。三つ目は、上記のような比較的高い温度での熱処理は、製造コストが高くなるとともに、大量のエネルギー消費による環境劣化をもたらすことである。
特開平04−342422号公報 特開平07−315810号公報
本発明は、上記問題点を解決して、結晶化温度よりも低い熱処理温度においても緻密な複合酸化物の結晶微粒子膜が得られる製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基板上に少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素とチタンとを含む複合酸化物の結晶微粒子膜を形成する工程と、結晶微粒子膜上に貴金属膜を形成する工程と、貴金属膜が形成された結晶微粒子膜を400℃以上600℃未満で熱処理する工程とを含む複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法である。
本発明にかかる複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法において、複合酸化物は、アルカリ土類金属元素として、Ba、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含むことができる。また、貴金属を形成する工程をイオンスパッタリング法または真空蒸着法により行なうことができる。
本発明によれば、結晶化温度よりも低い熱処理温度においても緻密な複合酸化物の結晶微粒子膜が得られる製造方法を提供することができる。
本発明にかかる複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法の一実施形態は、図1を参照して、基板1上に少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素とチタンとを含む複合酸化物の結晶微粒子膜2を形成する工程(図1(a))と、結晶微粒子膜2上に貴金属膜3を形成する工程(図1(b))と、貴金属膜3が形成された結晶微粒子膜2を400℃以上600℃未満で熱処理する工程(図1(c))とを含む。
本実施形態の結晶微粒子膜の製造方法においては、複合酸化物の結晶微粒子の前駆体から形成される非結晶微粒子膜を基板上に形成するのではなく複合酸化物の結晶微粒子から形成される膜を基板上に形成し、また、かかる複合酸化物の結晶微粒子膜上に貴金属膜を形成して400℃以上600℃未満で熱処理することにより、複合酸化物の結晶化温度(たとえば、BaTiO3の場合800℃、(Ba,Sr)TiO3の場合650℃〜750℃)よりも低い温度においても、結晶微粒子膜中の結晶微粒子を成長させることが可能となり、緻密な結晶微粒子膜を形成することができる。ここで、熱処理の温度が、400℃未満であると結晶微粒子の成長が困難となり、600℃以上であると微粒子間の凝集が激しく起こり、塊状の粒子が形成されてしまう。かかる観点から、熱処理の温度は、450℃以上550℃以下であることが好ましい。
以下、本実施形態の複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法を詳しく説明する。
(1)結晶微粒子膜の形成工程
まず、図1(a)を参照して、基板1上に少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素とチタンとを含む複合酸化物の結晶微粒子膜2を形成する(この工程を結晶微粒子膜の形成工程という、以下同じ)。
ここで、1種類のアルカリ土類金属とチタンとを含む複合酸化物とは、(M1,・・・,Mn)TiO3の一般式で表わされる2以上の金属元素を含む酸化物をいう。ここで、Mはアルカリ土類金属元素を示し、(M1,・・・,Mn)TiO3は、n種類のアルカリ土類金属元素全ての原子、Ti原子およびO原子のモル比が1:1:3であることを示す。(M1,・・・,Mn)TiO3の具体例としては、BaTiO3(Ba:Ti:O=1:1:3)、(Ba,Sr)TiO3((Ba+Sr):Ti:O=1:1:3)などが挙げられる。
また、上記複合酸化物は、アルカリ土類金属元素として、Ba、Sr、Caからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含むことが好ましい。アルカリ土類金属元素として、Ba、Sr、Caの少なくともいずれかを含む複合酸化物は、非常に優れた誘電特性、圧電特性を有する膜を形成することが可能だからである。
(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子膜の形成方法は、特に制限はないが、薄く均一な結晶微粒子膜を容易に形成する観点から、基板1の表面に(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子を含むサスペンションを接触させて、基板1の表面に(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子2pを吸着させて(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子膜2を形成する方法が好適に用いられる。
また、基板1の表面に結晶微粒子2pを均一にかつ効率よく吸着させるためには、基板1の表面がサスペンションの溶媒に濡れやすいこと、すなわち基板1の表面におけるサスペンションの接触角が小さいこと、および、基板1の表面と結晶微粒子2pの表面とが互いに反対符号の電荷を有するように帯電し、両者間に静電的な引力が働くことが好ましい。このためには、(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子を含むサスペンションに接触させる前に、基板1の表面をシランカップリング剤などで処理することが好ましい。
したがって、基板1上に少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素とチタンとを含む複合酸化物の結晶微粒子膜2を形成する工程は、具体的には、好ましくは、(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子の合成工程、(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子のサスペンションの調製工程、基板1の表面の処理工程、基板1の表面に(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子のサスペンションを接触させる工程を含む。各工程について、以下に説明する。
(1−1)(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子の合成工程
少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素水酸化物の水溶液にTiO2微粒子を添加し、たとえば80℃以上の温度で攪拌することにより、アルカリ土類金属元素水酸化物とTiO2とが反応して、(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子の粉末が得られる。また、少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素炭酸塩とTiO2とを、たとえば200℃〜300℃、1.0MPa〜3.0MPaの条件で水熱合成することにより、(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子の粉末が得られる。微粒子が結晶であることは、XRD(X線回折)により確認できる。
(1−2)(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子のサスペンションの調製工程
上記(1−1)において得られた(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子を有機溶媒中に分散させて、ビーズミルを用いて凝集している結晶微粒子を解砕して、結晶微粒子の平均粒径が10nm〜200nm程度の微粒子とする。この程度の粒径とすることにより安定なサスペンションが得られやすくなる。次に、上記と同一の有機溶媒を添加して、結晶微粒子を所定量含有するサスペンションが得られる。サスペンションの溶媒として用いられる有機溶媒には、特に制限はないが、(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子の分散性を高める観点から、適度の極性を有することが好ましく、たとえば、トルエンとエタノールの混合溶媒などが好適である。ここで、サスペンション中の(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子の表面には、正の電荷が帯電している。
(1−3)基板の表面処理工程
基板1としては、特に制限はなく、Si基板、サファイア基板、ガラス基板などが好適に用いられる。これらの基板の表面は、その表面に存在する−OH基により親水性であり、(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子のサスペンションの有機溶媒に濡れにくい。そこで、上記基板1の表面をシランカップリング剤で処理することにより親油性として、基板の表面が(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子のサスペンションの有機溶媒に濡れやすくする。
基板1の表面のシランカップリング剤による処理の方法は、特に制限はないが、基板の表面を均一に処理する観点から、有機溶媒に所定のシランカップリング剤を溶解させた溶液(以下、シランカップリング剤溶液という)に基板1を浸漬した後乾燥させる方法が好適である。シランカップリング剤溶液に用いられる有機溶媒には特に制限はないが、基板の乾燥性を高める観点から、トルエンなどが好適である。
また、(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子の表面は正の電荷が帯電しているため、基板の表面への(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子の静電的吸着力を高めるため、基板の表面には負の電荷を帯電させることが好ましい。かかる観点から、上記シランカップリング剤は、その親油性部分には、負の電荷を帯電し得る官能基を含んでいることが好ましい。たとえば、メルカプト基などが好ましく挙げられる。
(1−4)基板の表面に(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子のサスペンションを接触させる工程
上記(1−3)によりシランカップリング剤で表面処理された基板を、上記(1−2)により調製された(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子のサスペンションに浸漬することにより、基板の表面に(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子のサスペンションを接触させて、図1(a)を参照して、基板1の表面上に(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子2pを薄く均一に吸着させる。
次いで、表面上に(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子2が吸着された基板1を乾燥させること(乾燥工程)により、図1(a)を参照して、基板1上に(M1,・・・,Mn)TiO3の結晶微粒子膜2が形成される。
(2)貴金属膜の形成工程
次に、図1(b)を参照して、上記(1)により形成した結晶微粒子膜2上に貴金属膜3を形成する(これを貴金属膜の形成工程という、以下同じ)。ここで、貴金属膜3を形成する方法には、特に制限はないが、均一でかつ薄い膜を形成する観点から、イオンスパッタリング法、真空蒸着法が好適である。
ここで、貴金属膜3を形成する貴金属は、結晶微粒子膜2中の結晶微粒子2pを成長させる触媒作用を有するものであれば特に制限はなく、Pt、Pd、Au、Agなどを含むものが挙げられる。また、単体であっても合金であってもよい。上記触媒作用が大きい観点から、貴金属膜3を形成する貴金属Pt、Pdを含むことが好ましい。また、貴金属膜3の厚さは、特に制限はないが、結晶微粒子2pの平均粒径などを考慮すれば、できるだけ薄い方が好ましく、たとえば、20nm以下が好ましい。
(3)熱処理工程
次に、図1(c)を参照して、貴金属膜3が形成された結晶微粒子膜2を400℃以上600℃未満で熱処理する(これを熱処理工程という、以下同じ)。貴金属膜3が形成された結晶微粒子膜2を熱処理することにより、結晶微粒子膜2中の結晶微粒子2pが成長して、緻密な結晶微粒子膜2が得られる。結晶微粒子膜2上に形成された貴金属膜3の触媒作用により、結晶化温度よりも低い温度においても結晶微粒子2pの成長が可能となる。ここで、熱処理の温度が、400℃未満であると結晶微粒子の成長が困難となり、600℃以上であると微粒子間の凝集が激しく起こり、塊状の粒子が形成されてしまう。かかる観点から、熱処理の温度は、450℃以上550℃以下であることが好ましい。
(実施例1)
1.0mol/l(リットル、以下同じ)のBa(OH)2水溶液1.0リットルに1.0モルのTiO2微粒子を添加して、80℃以上の温度で1時間攪拌すると、Ba(OH)2とTiO2とが反応して、BaTiO3の微粒子の粉末が沈殿した。このBaTiO3微粒子の粉末は、XRD(X線回折)を行なったところ、図2に示すような回折ピークのパターンが得られ、結晶微粒子であることが確認できた。
次いで、このBaTiO3結晶微粒子をトルエンとエタノールの1:1(体積比)混合溶媒中に分散させて、ビーズミルを用いて凝集しているBaTiO3粒子を解砕して、結晶微粒子の濃度が100g/lのスラリーを得た。さらに、このスラリーをトルエンとエタノールの1:1(体積比)混合溶媒で希釈して、結晶微粒子濃度が1g/lのBaTiO3結晶微粒子のサスペンションを得た。このサスペンションのBaTiO3結晶微粒子の粒度分布を、マルバーン社製ゼータサイザーナノシリーズを用いて動的光散乱法により測定した。図3に示すように、サスペンション中のBaTiO3結晶微粒子は、平均粒径が45.6nm、粒径15nm〜200nmの範囲でシャープに単分散していた。
一方、基板1であるSi基板を、水、エタノールおよびアセトンの混合溶媒を用いて超音波洗浄した後、さらに紫外光でドライ洗浄した。洗浄後のSi基板(基板1)を、1体積%の3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのトルエン溶液中に25℃で60分間浸漬して、Si基板(基板1)の表面処理を行なった。
次に、上記の表面処理がされたSi基板を上記のBaTiO3結晶微粒子のサスペンションに25℃で20分間浸漬した後、0℃で48時間以上乾燥させて、図1(a)を参照して、Si基板(基板1)上にBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)を形成した。
次に、図1(b)を参照して、イオンスパッタリング製膜装置を用いてAr雰囲気中でチャージ電流15mAを3分間印加する条件で、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2上に貴金属膜3である厚さ約10nmのPt−Pd合金膜(Pt:Pd=90:10(モル比)))を形成した。このときのBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した。BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)のSEM写真を図5に示す。
次に、図1(c)を参照して、管状電気炉を用いて、500℃で2時間の熱処理条件で、Pt−Pd合金膜(貴金属膜3)が形成されたBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)を熱処理した。熱処理後のBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)のSEM写真を図6に示す。
図5と図6とを対比すると明らかなように、上記熱処理により、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pの粒径が大きくなり、すなわち、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pが成長して、緻密なBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)が得られた。
(実施例2)
BaCO3、SrCO3およびTiO2をそれらのモル比が0.7:0.3:1.0となるように混合して、250℃、1.013MPaの条件で水熱合成させて、(Ba,Sr)TiO3の微粒子の粉末を得た。実施例1と同様にしてXRDにより、この(Ba,Sr)TiO3微粒子の粉末が結晶微粒子であることを確認した。
次いで、実施例1と同様にして、この(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子を用いて、結晶微粒子濃度が1g/lの(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子のサスペンションを得た。このサスペンションの(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子の粒度分布を、実施例1と同様に測定したところ、図4に示すように、サスペンション中の(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子は、平均粒径が51nm、粒径20nm〜200nmの範囲でシャープに単分散していた。
一方、実施例1と同様にして、Si基板(基板1)の表面処理を行なった。
次に、上記の表面処理がされたSi基板を上記の(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子のサスペンションに25℃で20分間浸漬した後、0℃で48時間以上乾燥させて、図1(a)を参照して、Si基板(基板1)上に(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)を形成した。
次に、図1(b)を参照して、イオンスパッタリング製膜装置を用いてAr雰囲気中でチャージ電流15mAを3分間印加する条件で、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2上に貴金属膜3である厚さ約10nmのPt膜を形成した。このときの(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した。(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)のSEM写真を図7に示す。
次に、図1(c)を参照して、管状電気炉を用いて、500℃で2時間、Pt膜(貴金属膜3)が形成された(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)を熱処理した。熱処理後の(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)のSEM写真を図8に示す。
図7と図8とを対比すると明らかなように、上記熱処理により、(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pの粒径が大きくなり、すなわち、(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pが成長して、緻密な(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)が得られた。
(比較例1)
Si基板(基板1)上にBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)を形成した後、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)上に貴金属膜3を形成することなく、熱処理したこと以外は実施例1と同様にして、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)を製造した。熱処理後のBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)のSEM写真を図9に示す。
図5と図9とを対比すると明らかなように、上記熱処理を行なっても、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pの粒径が大きくならず、すなわち、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pが成長せず、緻密なBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)は得られなかった。
(実施例3)
熱処理工程における熱処理条件を500℃で8時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)を製造した。熱処理後のBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)のSEM写真を図10に示す。
図5と図10とを対比すると明らかなように、上記熱処理により、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pの粒径が大きくなり、すなわち、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pが成長して、緻密なBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)が得られた。
(実施例4)
熱処理工程における熱処理条件を450℃で8時間としたこと以外は、実施例2と同様にして、(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)を製造した。熱処理後の(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)のSEM写真を図11に示す。
図7と図11とを対比すると明らかなように、上記熱処理により、(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pの粒径が大きくなり、すなわち、(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pが成長して、緻密な(Ba,Sr)TiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)が得られた。
(比較例2)
熱処理工程における熱処理条件を600℃で20分間としたこと以外は、実施例1と同様にして、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)を製造した。熱処理後のBaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)のSEM写真を図12に示す。
図5と図12とを対比すると明らかなように、上記熱処理により、BaTiO3結晶微粒子膜(結晶微粒子膜2)中の結晶粒子2pが凝集して塊状の粒子が形成され、緻密なBaTiO3結晶微粒子膜は得られなかった。
なお、参考のため、実施例1〜4および比較例1,2について、結晶微粒子膜の組成、貴金属膜、熱処理条件および熱処理前後のSEM写真の図番をまとめた一覧表(表1)を作成した。
上記実施例1〜4より、基板上に少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素とチタンとを含む複合酸化物の結晶微粒子膜を形成し、この結晶微粒子膜上に貴金属膜を形成し、この貴金属膜が形成された結晶微粒子膜を400℃以上600℃未満で熱処理することにより、緻密な結晶微粒子膜が得られることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。ここで、(a)は結晶微粒子膜の形成工程を、(b)は貴金属膜の形成工程を、(c)は熱処理工程を示す。 実施例1で用いられるサスペンション中の結晶微粒子のXRDによる回折ピークのパターンを示す図である。 実施例1で用いられるサスペンション中の結晶微粒子の粒度分布を示す図である。 実施例2で用いられるサスペンション中の結晶微粒子の粒度分布を示す図である。 実施例1における熱処理工程前の結晶微粒子膜のSEM写真である。 実施例1における熱処理工程後の結晶微粒子膜のSEM写真である。 実施例2における熱処理工程前の結晶微粒子膜のSEM写真である。 実施例2における熱処理工程後の結晶微粒子膜のSEM写真である。 比較例1における熱処理工程後の結晶微粒子膜のSEM写真である。 実施例3における熱処理工程後の結晶微粒子膜のSEM写真である。 実施例4における熱処理工程後の結晶微粒子膜のSEM写真である。 比較例2における熱処理工程後の結晶微粒子膜のSEM写真である。
符号の説明
1 基板、2 結晶微粒子膜、2p 結晶微粒子、3 貴金属膜。

Claims (3)

  1. 基板上に少なくとも1種類のアルカリ土類金属元素とチタンとを含む複合酸化物の結晶微粒子膜を形成する工程と、
    前記結晶微粒子膜上に貴金属膜を形成する工程と、
    前記貴金属膜が形成された前記結晶微粒子膜を400℃以上600℃未満で熱処理する工程とを含む複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法。
  2. 前記複合酸化物は、前記アルカリ土類金属元素として、Ba、SrおよびCaからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含む請求項1に記載の複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法。
  3. 前記貴金属を形成する工程は、イオンスパッタリング法または真空蒸着法により行なう請求項1または請求項2に記載の複合酸化物の結晶微粒子膜の製造方法。
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