JP2008023885A - 熱転写記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクリボンの屈曲点となる剥離稜線に記録媒体搬送方向及び印刷面に向かう方向の両方向に傾斜した湾曲形状を持たせることができる剥離部材を備えた熱転写記録装置を提供する。そして、剥離稜線の寸法精度及び量産寸法安定性を保つことができ、安定したインクリボン送りが可能な剥離部材を備えた熱転写記録装置を提供する。
【解決手段】インクリボン2を記録媒体Pから剥離するための剥離部材6を、サーマルヘッドに取り付け可能な取付面6aと、インクリボンの幅方向に延びる先端縁がインクリボンを屈曲させる剥離稜線6bとなる剥離面6cとで構成する。取付面をサーマルヘッドに取り付けた状態で、剥離面は記録媒体を搬送する方向及び印刷面へ向かう方向の両方向に傾斜している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録ヘッドに設けられた複数の発熱抵抗体を画像情報に基づいて駆動することにより、インクリボンに塗布されたインクを記録媒体に溶融転写して画像を記録する熱転写記録装置に関する。
一般に、プリンタ、複写機あるいはファクシミリ等の機能を有する記録装置は、画像情報に基づいて記録ヘッドにより、記録媒体である紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録シートに画像(文字や記号等を含む)を形成するように構成される。記録装置における走査方式にはシリアルタイプとラインタイプがある。シリアルタイプは、記録ヘッドを記録シートに沿って移動させる主走査と記録シートを所定ピッチで紙送りする副走査とを交互に繰り返しながら画像を記録していく方式である。ラインタイプは、一括して1ライン分を記録しながら記録シートの紙送り(副走査)のみで画像を記録していく方式である。また、記録装置は、記録方式によって、インクジェット式、熱転写式、レーザービーム式、感熱式、ワイヤドット式などに分けることができる。熱転写記録装置(熱転写式の記録装置)は、記録ヘッドに設けられた複数の発熱抵抗体を画像情報に基づいて駆動することにより、インクリボンに塗布されたインクを記録紙やプラスチックシート等の記録媒体Pに溶融転写して画像を記録するように構成されている。
図10は従来の熱転写記録装置において記録媒体に画像を記録(印画)する記録部の概略構成を示す側面図である。図10において、インクリボン102と記録媒体Pは、重ねた状態で記録ヘッド(サーマルヘッド)101とプラテンローラ103の間で押圧されている。この状態で、記録媒体Pの方は、搬送方向下流側に設けられたキャプスタンローラ104とピンチローラ105のニップ部で挟持されている。一方、インクリボン102の方は、供給リール109から巻き出されてサーマルヘッド101の加熱面(発熱部)を通過した後、巻き取りリール108上に巻き取られる。熱転写記録は、不図示の駆動源(モータ)で駆動されるキャプスタンローラ104で記録媒体を搬送しながらサーマルヘッド101を駆動することにより行われる。すなわち、画像情報に基づいて記録ヘッド(サーマルヘッド)101の複数の発熱素子を選択的に駆動する(発熱させる)ことにより、インクリボン上のインクを記録媒体P上に熱転写させることにより、熱転写記録が行われる。
1色目の印刷が終了すると、次色の印刷を行うため、サーマルヘッド101を離間し、この状態でキャプスタンローラ104を逆方向に回転させて記録媒体Pを印刷開始位置まで戻す。そして、上記と同様の動作を繰り返すことで2色目以降を印刷する。熱転写記録された直後の記録媒体とインクリボンは、一旦溶融されて固化したインクが記録媒体とインクリボンの両方に固着することで、両者は貼り付いた状態になっている。そこで、インクリボン102は、記録ヘッド101の直ぐ下流側に設けられた剥離部材106によって記録媒体から剥離される。剥離部材106には、剥離の起点である屈曲点となる剥離稜線が形成されている。この剥離部材によって、インクリボンは、記録媒体の搬送経路から分岐した経路に沿って搬送されることになる。つまり、剥離されたインクリボンは巻き取りリール108上に巻き取られ、転写記録された記録媒体Pはキャプスタンローラ104及びピンチローラ105によって排紙口へ向けて搬送される。
上記のような機能を有する剥離部材106は、安定した信頼性の高いインクリボン搬送を実現するために、次のようないくつかの設計要件を満たす必要がある。
まず、剥離部材の材質の要件について説明する。剥離部材はインクリボンの張力によって力を受ける。しかし、剥離部材が撓んで変形してしまうと、インクリボンにしわが寄り印画される画像に悪影響を与える可能性がある。従って、剥離部材は十分な剛性を有する必要があり、剥離部材の材質として一般に金属が使用されている。その際、経済性を考慮して、プレス加工で製作される板金部材を採用することが一般的である。
次に剥離部材の加工方法の要件について説明する。厚さ数ミクロンのインクリボンを屈曲させるため屈曲点となる剥離部材の剥離稜線は、インクリボンに対して円滑な摺動性を有することが必要がある。そこで、板金部材である剥離部材における円滑な摺動性を確保するため、従来、次のような2通りの加工方法のうちのいずれかを採用していた。第1の加工方法は、剥離部材にヘミング曲げを施す方法である。図11は、ヘミング曲げにより稜線を形成した剥離部材106でインクリボン102を屈曲させる状態を示す側面図である。図11に示すように、ヘミング曲げ加工で形成した湾曲面の稜線にインクリボン102を摺動させことにより、該インクリボンにダメージを与えることなく記録媒体に印刷することができる。
第2の加工方法は、破断面のだれ面や破断面の面押しを利用して剥離稜線を形成する方法である。ここで、だれ面は、打ち抜き加工による切断縁に形成された湾曲面である。また、面押しとは、打ち抜き加工による切断縁を滑らかな湾曲面に打ちならすことである。図12は、だれ面や面押しを利用して稜線を形成した剥離部材106でインクリボン102を屈曲させる状態を示す側面図である。図12に示すように、破断面のだれ面上の稜線あるいは面押し湾曲面の稜線にインクリボンを摺動させることにより、上記ヘミング曲げ加工の場合と同様に、インクリボンにダメージを与えることなく記録媒体に印刷することができる。
最後に剥離部材の長手方向の湾曲形状の要件について説明する。剥離部材の剥離稜線をインクリボンの幅方向中央部が膨出した湾曲形状とすることにより、数ミクロンのインクリボンは中央部から外側へ向かって伸ばされながら搬送されることになる。この剥離部材の湾曲形状の効果については、例えば特許文献1に開示されている。この湾曲形状の効果によっても、インクリボンのしわ寄りを防止又は抑制することができ、記録紙等の記録媒体にダメージを与えることなく良好な状態で印刷することができる。図13は湾曲形状の剥離稜線を有する剥離部材106をサーマルヘッド101に取り付けた状態を示す平面図である。図14は図13中の線14−14から見た縦断面図である。図15は図13中の線15−15から見た正面図である。
図13〜図15においては、湾曲形状の理解を容易にするため、湾曲の度合いについては誇張して描かれている。剥離部材106の屈曲点となる剥離稜線には、図示のように、水平方向及び上下方向の2方向に湾曲形状が設けられているが、これはいずれか一方向の湾曲形状だけでも良い。水平方向の湾曲形状は、図13に示すような、印刷の進行方向に中央部が凸となるような湾曲形状である。また、上下方向の湾曲形状は、図15に示すような、プリント面(印刷面)に向かう略鉛直方向で中央部が凸となるような湾曲形状である。
特開2002−144614号公報
図16は、上述のヘミング曲げ加工で製作される剥離部材に前述の2方向に湾曲した剥離稜線を設ける場合の当該湾曲部材106をサーマルヘッド101に取り付けた状態を示す平面図である。図17は図16中の線17−17から見た縦断面図である。図18は図16中の線18−18から見た正面図である。図16〜図18において、湾曲した剥離稜線を有する剥離部材106はスペーサ107を介してサーマルヘッド101に取り付けられている。しかし、ヘミング曲げで加工される剥離部材の稜線に湾曲を設ける場合は、2方向に湾曲を設けることが困難であるという不都合がある。
すなわち、ヘミング曲げという塑性加工によって図16に示すような水平方向の湾曲を設けることは可能であるものの、図18に二点鎖線で示すような上下方向(下方)の湾曲を設けることは困難であるという不都合がある。さらに、図16に示すような水平方向の湾曲を設けることは可能であるが、塑性変形を利用した加工であるため、加工精度が低く、量産における寸法安定性も低いという不都合もあった。従って、ヘミング曲げを採用する場合は、寸法精度が低いことを許容したうえで、図16に示すような搬送方向の湾曲のみを設けることが一般的であった。なお、図16〜図18においても、湾曲形状の理解を容易にするため、湾曲の度合いについては誇張して描かれている。
図19は、上述の破断面のだれ面や面押しを利用して形成された剥離部材に前述の2方向に湾曲した剥離稜線を設ける場合の当該湾曲部材106をサーマルヘッド101に取り付けた状態を示す平面図である。図20は図19中の線20−20から見た縦断面図である。図21は図19中の線21−21から見た正面図である。図19〜図21において、この場合も、湾曲した剥離稜線を有する剥離部材106はスペーサ107を介してサーマルヘッド101に取り付けられている。プレス加工によって破断面のだれ面や面押しを施した稜線を成形する場合は、図21に示すような上下方向(印刷面に向かう方向)の湾曲を設けることは容易である。このため、加工精度を保つことも、量産における寸法安定性を確保することも、期待することができる。
一方、図19に示すような印刷方向(水平方向)の湾曲を設けることは、加工自体は可能である。しかし、塑性変形を利用した加工であるため、加工精度が低く、量産における寸法安定性も低いという不都合もあった。従って、この場合は、図21に示すような印刷面に向かう方向の湾曲のみを設けることが一般的であった。なお、図19〜図21においても、湾曲形状の理解を容易にするため、湾曲の度合いについては誇張して描かれている。
本発明は以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、インクリボンの屈曲点となる剥離稜線に記録媒体を搬送する方向及び印刷面へ向かう方向に湾曲形状を持たせることができる剥離部材を備えた熱転写記録装置を提供することである。そして、剥離稜線の高い寸法精度及び量産における寸法安定性を保つことができる剥離部材を備えた熱転写記録装置を提供することである。
本発明は、記録ヘッドに設けられた複数の発熱抵抗体を画像情報に基づいて駆動することにより、インクリボンに塗布されたインクを記録媒体に溶融転写して画像を記録する熱転写記録装置に関する。この熱転写記録装置は、インクリボンを記録媒体から剥離するためにサーマルヘッドの記録媒体搬送方向下流側に取り付けられた剥離部材を備える。剥離部材は、サーマルヘッドに取り付け可能な取付面と、インクリボンの幅方向に延びる先端縁がインクリボンを屈曲させる剥離稜線となる剥離面とを有する。取付面をサーマルヘッドに取り付けた状態で、剥離面が記録媒体を搬送する方向に対して傾斜している。
本発明によれば、インクリボンの屈曲点となる剥離稜線に記録媒体を搬送する方向及び印刷面へ向かう方向に湾曲形状を持たせることができる剥離部材を備えた熱転写記録装置が提供される。それによって、剥離稜線の高い寸法精度及び量産における寸法安定性を保つことができる剥離部材を備えた熱転写記録装置が提供される。その結果、インクリボンにおけるしわ発生等のダメージを解消することができ、安定したインクリボンの搬送が可能な熱転写記録装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明による熱転写記録装置の一実施形態の要部構成を示す縦断面図である。図1において、記録ヘッド(サーマルヘッド)1のインクリボン2と対向する面(図示の下面)には複数の発熱抵抗体が配列されている。この複数の発熱抵抗体を画像情報に基づいて選択的に駆動(パルス通電)することにより、インクリボン2に塗布されたインクを記録媒体Pに溶融転写して画像を記録するように構成されている。この熱転写記録装置においては、不図示の記録媒体積載部から給送される記録媒体Pに対し、供給リール9から供給されるインクリボン2を合流させ、重ね合わせた記録媒体とインクリボンを記録ヘッド1とプラテンローラ3とで押圧する。
インクリボンは、記録ヘッド1の発熱面の領域で記録媒体Pの印刷面(記録ヘッド側の面)に重ねられている。記録媒体は、サーマルヘッド(記録ヘッド)1の搬送方向下流側に設けられたキャプスタンローラ4とピンチローラ5のニップ部で挟持されている。この記録媒体は、不図示の駆動源(モータ)でキャプスタンローラ4を回転駆動することで、サーマルヘッド1とプラテンローラ3の間を通して搬送される。記録媒体Pとしては、記録紙やプラスチックシートなど、インクを溶融転写して画像を記録できるシート状のものであれば、特に材質に制限されることなく、種々の材質のものを使用することができる。
一方、供給リール9から巻き出されるインクリボン2は、サーマルヘッド1の上流側で記録媒体Pに合流し、サーマルヘッドとプラテンローラ3の間を記録媒体と共に搬送された後、サーマルヘッドの下流側で剥離部材6により記録媒体から剥離される。剥離されたインクリボンは巻き取りリール8によって巻き取られる。熱転写記録は、画像情報に基づいて記録ヘッド(サーマルヘッド)1の複数の発熱素子を選択的に駆動する(発熱させる)ことにより、インクリボン2上のインクを記録媒体P上に溶融転写することにより行われる。1色目の印刷が終了すると、次色の印刷を行うため、サーマルヘッド1を離間し、この状態でキャプスタンローラ4を逆方向に回転させて記録媒体を印刷開始位置まで戻す。そして、上記と同様の動作を繰り返すことで2色目以降を印刷する。
熱転写記録された直後の記録媒体Pとインクリボン2は、一旦溶融されて固化したインクが記録媒体とインクリボンの両方に固着することで、両者は貼り付いた状態になっている。そこで、インクリボンは、サーマルヘッド1の直ぐ下流側に設けられた剥離部材6によって記録媒体から剥離される。剥離されたインクリボンは巻き取りリール8上に巻き取られる。一方、転写記録されてインクリボンを剥ぎ取られた記録媒体は、キャプスタンローラ4及びピンチローラ5によって排紙口へ向けて搬送される。剥離部材6には、剥離の起点である屈曲点となる剥離稜線6bが形成されている。
図2は図1の熱転写記録装置における剥離部材をサーマルヘッドに取り付けた状態で示す平面図である。図3は図2中の線3−3から見た縦断面図である。図4は図2中の線4−4から見た剥離部材の正面図である。図5は図2中の剥離部材を図3中の線5−5に沿って剥離面に垂直な方向から見た矢視図である。図2〜図5において、サーマルヘッド1の記録媒体搬送方向下流側の面には、プレス加工された板金部材からなる剥離部材6が取り付けられている。この剥離部材6は、サーマルヘッド1の搬送方向下流側の面(図示の例ではほぼ垂直な面)に面接触状態で取付け可能な取付面6aと、インクリボンの幅方向と平行でインクリボン2の剥離起点である屈曲点となる剥離稜線6bを有する剥離面6cとを有する。
剥離面6cは、取付け面6aに対し、図示のように、記録媒体を搬送する方向及び記録媒体の印刷面(プリント面)に向かう方向の両方向に傾斜するように、曲げ稜線(側面から見た屈曲点)6dに沿って折り曲げられている。本実施形態では、記録媒体の搬送方向は略水平方向に設定され、印刷面に向かう方向は略鉛直面(上下方向の面)に設定されている。そして、曲げ稜線6dにおける取付面6aと剥離面6cの間の曲げ角度θは、90度以上乃至180度未満に選定されている。剥離部材6は、板金をプレス加工した板金部材であり、その剥離面6cの先端縁はインクリボン2の幅方向中間部分が凸となる曲線状に形成されている。この先端縁は打ち抜き加工による切断縁で形成されている。そして、インクリボン2の屈曲点となる剥離稜線6bは、プレス加工による切断縁のだれ面側の稜線で形成されている。このだれ面は、打ち抜き加工による切断縁に形成された湾曲面である。
図9は打ち抜き加工(プレス加工)による切断縁に形成されただれ面(湾曲面)を示す部分縦断面図である。図9において、ダイの上面にセットされた板金をパンチで打ち抜き加工すると、打ち抜かれた板金(板金部材)の切断縁にはだれ面とばりが形成される。図示上面側のパンチ打ち込み側には湾曲面からなるだれ面が形成される。一方、切断縁の図示下側(抜け側)にはばりが形成される。図9では、ばり及びだれ面の大きさは誇張して描かれており、実際には、数十ミクロンの大きさである。本実施形態では、剥離面6cの先端縁の剥離稜線6bは、図9に示すような打ち抜き加工による切断縁に形成された湾曲面からなるだれ面によって形成される。ただし、だれ面に凹凸があるような場合や、ばりが生じた端縁を剥離稜線にする場合は、端縁を滑らかな面とするための面押し加工を加えて滑らかな湾曲面を形成しても良い。
また、剥離稜線6bの湾曲形状は、剥離面6cが下向き傾斜面であることから、記録媒体Pを搬送する方向及び記録媒体の印刷面に向かう方向の2方向のいずれの方向から見ても中央部が凸になるように湾曲している。本実施形態では、図示のように、記録媒体Pを搬送する方向に平行な方向は略水平方向に設定されており、また、記録媒体の印刷面に垂直に向かう方向は略鉛直方向に設定されている。なお、図2〜図5においては、湾曲形状の理解を容易にするため、剥離稜線6bの湾曲の度合いについては誇張して描かれている。
図2〜図5で説明した本実施形態に係る剥離部材6は、サーマルヘッド1に取り付け可能な取付面6aと、インクリボン2の幅方向に延びる先端縁がインクリボンを屈曲させる剥離稜線6bとなる剥離面6cとを有する。そして、取付面6aをサーマルヘッドに取り付けた状態で、剥離面6cは記録媒体Pを搬送する方向及び印刷面へ向かう方向の両方向に対して傾斜している。従って、従来の剥離部材に比べて次のような顕著な利点(作用効果)が得られる。先ず、第1の利点として、剥離稜線6bの湾曲形状(インクリボンの幅方向中間部分が凸となる形状)は、2方向のいずれから見た形状とも、容易に高い寸法精度で加工することができ、また、量産する場合の寸法安定性も高い水準に維持することができる。
すなわち、剥離部材6は、プレス加工で製作されるので、図3中に矢視線で示すような剥離面6cと垂直な方向から湾曲形状を打ち抜き加工することができる。このため、剥離稜線6bの湾曲形状(インクリボンの幅方向中間部分が凸となる湾曲形状)を加工するに際し、従来のような湾曲形状を塑性変形で加工するよりも、容易に、格段に高い寸法精度と高い量産安定性を確保して作成することができる。その結果、記録媒体Pを搬送する方向に平行な方向の湾曲形状と記録媒体の印刷面に垂直に向かう方向の湾曲形状を、同時に高い寸法精度と高い量産安定性を確保して形成することができる。
第2の利点として、記録ヘッドであるサーマルヘッド1の小型化を図ることができる。すなわち、図3中に斜線Cで示す領域、すなわち剥離面6cの上側の領域は、従来構造では剛性と耐熱性と熱伝導性を確保するために一般にアルミニュウム等の金属材料で形成されていた部分である。本実施形態によれば、図示のように、折り曲げ形状の剥離部材6を剥離稜線6bより記録媒体搬送方向上流側で記録ヘッド1に取り付けるので、剥離部材6の上側に空間が形成される。そこで、この部分の容積だけサーマルヘッドを小型化することができ、小型化によるコストダウンを図ることができる。また、インクリボン2の通過範囲には、リボンガイドを配置したり、リボンの各色の先頭マーカーを検出するセンサ等の部材を配置したりする必要がある。このようなリボンガイドやセンサ等の部品は、これまでの装着位置から上記の空いたスペースCに移動させることができる。従って、これらの部品を上記のスペースCに移動させることにより、装置全体を小型化できるという大きな利点が得られる。
第3の利点として、板金材料の破断縁のだれ面による湾曲面や面押し加工で形成した湾曲面によって形成される剥離稜線6bは、板金部材の片側だけで済ませることができる。図19〜図21の従来の構成では、破断縁の両側にインクリボンが接触する可能性があるので、インクリボンのダメージを防ぐためには両側を平滑な端縁面にする必要性が高かった。これに対し、本実施形態に係る剥離部材6では、図3に示すように、インクリボンが接触する端縁面が片側に限定される。従って、インクリボンのダメージを防ぐために破断縁のだれ面や面押し加工面で形成される剥離稜線6bは、片側に設けるだけで良いことになる。すなわち、本実施形態によれば、剥離部材6の加工工数を削減することができ、量産上の大きなメリットを得ることができる。
なお、本実施形態においても、取付面6aと剥離面6cの間の角度θが180度に近づくに従って、インクリボンが破断縁の両側に接触する可能性が出てくる。このため、本実施形態では、上記の第3の利点は、場合によっては希薄になることがある。
また、図2〜図5においては、剥離部材6は、形状等についての理解を容易にするために縮尺を誇張して描かれている。実際の剥離部材は、縦横比が非常に大きく、細長い部品である。例えば、A6サイズのプリント装置の一例では、長手方向の長さが100mm以上であるのに対し、短手方向の長さは10mm程度である。
図6は図2中の剥離部材6において取付面6aと剥離面6cとの間の曲げ稜線6dの数箇所に抜き孔(又は開口)11を設ける構成を示す平面図である。図7は図6中の線7−7に沿った縦断面図である。図8は図6中の線8−8から見た正面図である。図6〜図8において、剥離部材6の取付面6aと剥離面6cとの間の曲げ稜線6dに沿った数箇所に抜き孔(又は開口)11が形成されている。これらの抜き孔11は、曲げ稜線6dを曲げ加工する前に形成される。図6〜図8に示す剥離部材6は、抜き孔11を設ける点で図2〜図5に示す剥離部材6と相違するが、その他の点では実質的に同じ構成を有する。なお、曲げ稜線6d上の抜き孔(又は開口)11の数は、通常複数箇所に形成されるが、場合によっては1箇所でも良い。図6〜図8に示す剥離部材によれば、図2〜図5の剥離部材と同様の効果が得られることに加え、次のような効果が得られる。すなわち、前もって曲げ稜線6d上に抜き孔(又は開口)11を形成しておくことにより、剥離部材6の曲げ稜線をプレス加工する際の加工性及び量産性を向上させることができるという効果が得られる。
以上説明した実施形態に係る剥離部材6によれば、記録媒体を搬送する方向の湾曲形状及び記録媒体の印刷面に向かう方向の湾曲形状を同時にプレス加工(打ち抜き加工)することができ、同時に高い寸法精度と高い量産安定性を保証することができる。また、サーマルヘッドの小型化によるスペース効率の向上を図ることができる。さらに、剥離部材をプレス加工する際の工程の単純化を図ることもできる。その結果、インクリボンにおけるしわ等のダメージを解消することができ、また、安定したインクリボンの搬送が可能となり、信頼性の高い高品位な熱転写記録装置を提供することが可能となる。また、従来よりもさらに小型化や低価格化を図った熱転写記録装置を提供することも可能となる。
本発明による熱転写記録装置の一実施形態の要部構成を示す縦断面図である。 図1の熱転写記録装置における剥離部材をサーマルヘッドに取り付けた状態で示す平面図である。 図2中の線3−3から見た縦断面図である。 図2中の線4−4から見た剥離部材の正面図である。 図2中の剥離部材を図3中の線5−5に沿って剥離面に垂直な方向から見た矢視図である。 図2中の剥離部材において取付面と剥離面との間の曲げ稜線の数箇所に抜き孔を設ける構成を示す平面図である。 図6中の線7−7に沿った縦断面図である。 図6中の線8−8から見た正面図である。 打ち抜き加工(プレス加工)による切断縁に形成されただれ面(湾曲面)を示す部分縦断面図である。 従来の熱転写記録装置の要部構成を示す縦断面図である。 ヘミング曲げにより稜線を形成した剥離部材でインクリボンを屈曲させる状態を示す側面図である。 だれ面や面押しを利用して剥離稜線を形成した剥離部材でインクリボンを屈曲させる状態を示す側面図である。 湾曲形状の剥離稜線を有する剥離部材をサーマルヘッドに取り付けた状態を示す平面図である。 図13中の線14−14から見た縦断面図である。 図13中の線15−15から見た正面図である。 ヘミング曲げ加工で製作される剥離部材に2方向に湾曲した剥離稜線を設ける場合の当該湾曲部材をサーマルヘッドに取り付けた状態を示す平面図である。 図16中の線17−17から見た縦断面図である。 図16中の線18−18から見た正面図である。 破断面のだれ面や面押しを利用して加工された剥離部材に2方向に湾曲した剥離稜線を設ける場合の当該湾曲部材をサーマルヘッドに取り付けた状態を示す平面図である。 図19中の線20−20から見た縦断面図である。 図19中の線21−21から見た正面図である。
符号の説明
1 サーマルヘッド(記録ヘッド)
2 インクリボン
3 プラテンローラ
4 キャプスタンローラ
5 ピンチローラ
6 剥離部材
6a 取付面
6b 剥離稜線
6c 剥離面
6d 曲げ稜線
8 巻取りボビン
9 供給リール
11 抜き孔(開口)
θ 取付面と剥離面の間の角度

Claims (6)

  1. 記録ヘッドに設けられた複数の発熱抵抗体を画像情報に基づいて駆動することにより、インクリボンに塗布されたインクを記録媒体に溶融転写して画像を記録する熱転写記録装置において、
    インクリボンを記録媒体から剥離するために前記サーマルヘッドの記録媒体搬送方向下流側に取り付けられた剥離部材を備え、
    前記剥離部材は、前記サーマルヘッドに取り付け可能な取付面と、前記インクリボンの幅方向に延びる先端縁がインクリボンを屈曲させる剥離稜線となる剥離面とを有し、
    前記取付面を前記サーマルヘッドに取り付けた状態で、前記剥離面が記録媒体を搬送する方向に対して傾斜していることを特徴とする熱転写記録装置。
  2. 前記取付面と前記剥離面との間の角度が90度以上乃至180度未満であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録装置。
  3. 前記剥離面の先端縁はインクリボンの幅方向中間部分が凸となる曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写記録装置。
  4. 前記剥離部材は板金をプレス加工した板金部材であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱転写記録装置。
  5. 前記剥離部材の剥離稜線は、打ち抜き加工による切断縁に形成された湾曲面で形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱転写記録装置。
  6. 前記取付面と前記剥離面の間の曲げ稜線に抜き孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱転写記録装置。
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