JP2008022608A - 電動モータおよび電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータ5に備えられたロータコア11は、ステアリングシャフト3を同心的に取り囲み、その径方向Y1内方にステアリングシャフト3を取り囲む環状の空間S1が形成された筒状部14と、筒状部14の一端15から径方向Y1内方に延設された支持壁16と、支持壁16から環状の空間S1内に筒状部14と同心的に突出するヒートシンク部18とを有する。ヒートシンク部18は、互いの間に円筒状の空間S2を区画する複数の円筒部材19を有し、これら複数の円筒部材19は、環状の空間S1内に配置されている。ロータコア11の熱は、環状の空間S1の開放側の端部を通じてヒートシンク部18から放散されるようになっている。
【選択図】図1
Description
例えば、下記特許文献1では、筒状のロータコアの軸方向に関する一方の端面に冷却手段としての冷却ファンが連結された電動モータが開示されている。
また、特許文献2記載のような電動パワーステアリング装置に備えられた電動モータでは、高出力であることに加えて、低回転高トルク型であることが望まれている。したがって、電動モータがより高温になり易いという問題がある。このため、電動モータの高温化を抑制するために、冷却手段を設けることが必要となる。
この発明は、かかる背景のもとになされたものであり、軸方向に大型化させることなくロータコアが高温になることを抑制することができる電動モータを提供することを目的とする。
また、円筒状の放熱部を筒状部と同心的に配置することにより、ロータコアの回転によって生じる放熱部の空気抵抗を減少させることができる。これにより、ロータコアをスムーズに回転させることができる。
上記支持壁および放熱部は、互いに異なる材料で形成され、放熱部がアルミニウムを含む材料で形成されていてもよいし、上記筒状部、支持壁および放熱部は、単一の材料で一体に形成されていてもよい。アルミニウムを含む材料によって放熱部を形成する場合には、放熱部の放熱性を向上させることができるので、ロータコアが高温になることを確実に抑制することができる。
また、本発明は、操舵部材(2)に連なるステアリングシャフト(3)と、請求項1〜5の何れか1項に記載の電動モータ(5)とを備え、上記電動モータは、ステアリングシャフトに直接、操舵補助力を伝動することを特徴とする電動パワーステアリング装置(1)である。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動モータ5が備えられた電動パワーステアリング装置1の概略構成を模式的に示す断面図であり、図2は、図1におけるII−II線に沿う電動モータ5の断面の一部を示す拡大断面図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2が一端に連結されたステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3の他端に連結されたラックアンドピニオン機構等のステアリング機構4と、ステアリングシャフト3の途中部に同軸的に連結された電動モータ5とを備える。
電動モータ5は、高出力、且つ、低回転高トルク型の電動モータが用いられており、ステアリングシャフト3に対してその出力を直接的に伝動できるようになっている。電動モータ5の出力をステアリングシャフト3に伝動することにより、運転者の操舵を補助することができるようになっている。
図1および図2を参照して、電動モータ5は、ブラシレスモータであり、回転軸としてのステアリングシャフト3に一体回転可能に連結された筒状のロータ8と、ロータ8の外周を取り囲む環状のステータ9と、ロータ8およびステータ9を収容する筒状のフレーム10とを備える。
ロータコア11は、ロータコア11の径方向Y1に所定間隔を隔ててステアリングシャフト3を同心的に取り囲む筒状部14と、筒状部14の一端15のみから径方向Y1内方に延設され、筒状部14を支持する支持壁16とを含む。
筒状部14および支持壁16は、単一の材料によって一体に形成されている。筒状部14および支持壁16を形成する単一の材料としては、例えば鉄、パーマロイその他の高透磁率の金属等が挙げられる。
具体的には、ヒートシンク部18は、アルミニウムを含む材料で形成されており、互いの間に円筒状の空間S2を区画する複数の円筒部材19を有している。これら複数の円筒部材19は、支持壁16から上記環状の空間S1内に向かって筒状部14と同心的に突出しており、ステアリングシャフト3の外周および筒状部14の内周に対して径方向Y1に所定間隔を隔てて配置されている。したがって、各円筒部材19の内周、外周および軸方向Z1に関する一方の端面は、他の部材に対して非接触となっている。
このように、ヒートシンク部18は、複数の円筒部材19を有しており、各円筒部材19の内周、外周および上記一方の端面は、他の部材に対して非接触となっているので、ロータコア11の熱を放散するための表面積が十分に確保されている。さらに、ヒートシンク部18は、放熱性に優れるアルミニウムを含む材料によって形成されている。したがって、ヒートシンク部18は、フレーム10内で一端が開放された環状の空間S1を通じてロータコア11の熱を十分に放散することができる。その結果、ロータコア11が高温になることを確実に抑制することができる。
ステータコア20は、圧粉磁心および積層鋼板の少なくとも一方によって構成されており、図示はしないが、環状のヨークと、ヨークの内周に突出形成された複数のティースとを有する。上記コイル21は、各ティースに巻回されている。
圧粉磁心は、軟磁性材料を含む粉末材料を圧縮成型し、焼結または樹脂などで固めた磁心である。軟磁性材料としては、例えば、純鉄、鉄シリコン合金、鉄アルミ合金、鉄ニッケル合金、カルボニル鉄、CSC(Coasted Single Crystal)、フェライト等が挙げられる。
フレーム10は、筒状部22と、筒状部22の端部に配置された一対の端壁23,24とを含む。本実施形態では、一対の端壁23,24の一方(端壁23)と筒状部22とが、単一の材料によって一体に形成されている。ステータコア20は、例えば圧入嵌合によって、筒状部22の内周に固定されている。
以上のように本実施形態では、ロータコア11の径方向Y1内方に環状の空間S1を設けることにより、ロータコア11を軽量化することができる。さらに、この環状の空間S1を利用して、環状の空間S1内にヒートシンク部18を配置することにより、電動モータ5を軸方向Z1に大型化させることなく、ロータコア11が高温になることを確実に抑制することができる。
さらに、ロータコア11とともに、ロータコアの外周12に保持された複数の永久磁石13が高温になることを確実に抑制することができるので、永久磁石13の高温化によるモータトルクの低下を防止することができる。
また、上述の実施形態では、筒状部14および支持壁16とヒートシンク部18とが、互いに異なる材料によって形成されている場合について説明したが、筒状部14、支持壁16およびヒートシンク部18は、図3に示すように、単一の材料によって一体に形成されていてもよい。この場合、ロータコア11の強度を確保するため、筒状部14、支持壁16およびヒートシンク部18は、鉄、パーマロイその他の高透磁率の金属等によって形成されていることが好ましい。
また、上述の実施形態では、ヒートシンク部18が複数の円筒部材19によって構成されている場合について説明したが、ヒートシンク部18は、単一の部材によって構成されていてもよい。
Claims (6)
- 回転軸を同心的に取り囲み、回転軸との間に環状の空間を区画する筒状部および筒状部から径方向内方に延設され、筒状部を支持する支持壁を有するロータコアを備え、
このロータコアは、支持壁から上記環状の空間内に筒状部と同心的に突出する円筒状の放熱部を含むことを特徴とする電動モータ。 - 請求項1において、上記放熱部は、互いの間に円筒状の空間を区画する複数の円筒を含むことを特徴とする電動モータ。
- 請求項1または2において、上記放熱部は、アルミニウムを含む材料で形成され、上記支持壁は上記放熱部とは異なる材料で形成されていることを特徴とする電動モータ。
- 請求項1または2において、上記筒状部、支持壁および放熱部が単一の材料で一体に形成されていることを特徴とする電動モータ。
- 請求項1〜4において、上記ロータコアの外周に、ロータコアの周方向に間隔を隔てて、複数の永久磁石が配列されていることを特徴とする電動モータ。
- 操舵部材に連なるステアリングシャフトと、
請求項1〜5の何れか1項に記載の電動モータとを備え、
上記電動モータは、ステアリングシャフトに直接、操舵補助力を伝動することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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