JP2008022223A - 音叉型圧電振動片、圧電振動子およびセンサ検出回路 - Google Patents

音叉型圧電振動片、圧電振動子およびセンサ検出回路 Download PDF

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Abstract

【課題】特定物質の検出や物理量の測定をするセンサ用の音叉型圧電振動片および圧電振動子を提供する。また被検出物質を高精度に検出するセンサ検出回路を提供する。
【解決手段】音叉型圧電振動片10は基部12と、この基部12から突出した複数の振動腕14とを備えている。この基部12と振動腕14は圧電材料で形成されている。そして励振電極16を振動腕14に設けるとともに、励振電極16と導通したマウント電極18を基部12に設けている。また励振電極16の少なくとも一部に触媒材20が設けてある。音叉型圧電振動片10は屈曲振動をするので、振動腕14に応力が加わる箇所、すなわち振動腕14の側面14fに触媒材20を設ければよい。そして触媒材20を白金またはパラジウムにすると、可燃性ガスを検出できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、音叉型圧電振動片、圧電振動子およびセンサ検出回路に関するものである。
可燃性ガスを検出するセンサには、アルミナ基板上に熱電変換材料膜を設けるとともに、この熱電変換材料膜の表面の一部に触媒材を設けたものがある。そして、この可燃性ガスセンサは、可燃性ガスの触媒材との触媒反応から微熱が発生し、この局部的な温度差を熱電変換材料膜で電気信号に変換して出力している(特許文献1)。
特開2003−156461号公報
前述した可燃性ガスセンサの熱電変換材料膜はゼーベック効果を利用したものなので、触媒反応によって生じた微熱ばかりでなく、測定環境の温度によっても熱電変換材料膜に温度差が発生する。そして測定環境の温度を一定に保つことができない場合もある。このため可燃性ガスセンサでは、測定環境の状態に応じて大きな影響を受けるので、高精度の測定を行うことはできない。
またセンサには、前述した可燃性ガスを検出するものの他にも、特定物質を検出したり物理量を測定したりする様々な種類がある。このセンサの一例としては、角速度センサがあり、この角速度センサに音叉型圧電振動片を利用したものがある。ところが音叉型圧電振動片は、電気信号を印加すると一定の周波数で振動腕が屈曲振動するので、真空封止されるのが一般的である。このため前記角速度センサは、音叉型圧電振動片をパッケージ内に真空封止している。そして音叉型圧電振動片は、発振周波数の変化に基づいて特定物質の検出や物理量の測定をするセンサ、特に真空にしたパッケージ内に搭載されず、外部の環境に曝された状態で特定物質の検出や物理量の測定をするセンサに殆ど使用されていなかった。
本発明は、特定物質の検出や物理量の測定をするセンサ用の音叉型圧電振動片および圧電振動子を提供することを目的とする。また本発明は、被検出物質を高精度に検出するセンサ検出回路を提供することを目的とする。
本発明に係る音叉型圧電振動片は、基部と、この基部から突出した複数の振動腕とを圧電材料で形成してなり、励振電極を振動腕に設けるとともに、励振電極と導通したマウント電極を基部に設け、励振電極の少なくとも一部に触媒材を設けたことを特徴としている。なお触媒材は、被検出物質との反応により発熱してなる。すなわち、この触媒材は特定の物質と触媒反応するので、この触媒反応によって発生した熱により振動腕を加熱できる。よって音叉型圧電振動片が配置された測定環境に特定物質(被検出物質)が存在していれば、音叉型圧電振動片の発振周波数を変えることができる。
また本発明に係る音叉型圧電振動片は、前述した触媒材を振動腕の側面に設けたことを特徴としている。音叉型圧電振動片は屈曲振動をする。この屈曲振動の弾性変形は、振動腕の側面が大きくなっている。このため、この部分に触媒材を設けることで弾性変形の大きい箇所が局所的に加熱されるので、屈曲振動に影響を与えて周波数を変えることができる。すなわち音叉型圧電振動片の発振周波数を変えることができる。
また前述した触媒材は、白金またはパラジウムである。これにより音叉型圧電振動片が配置された測定環境に可燃性ガスが存在していると、白金やパラジウムと可燃性ガスとの触媒反応により、音叉型圧電振動片を加熱できる。そして特に、触媒材が白金であれば、白金と水素ガスが触媒反応する。これにより測定環境に可燃性ガス(水素ガス)が存在していれば、音叉型圧電振動片の発振周波数を変えることができる。
また前述した圧電材料は水晶である。水晶は、熱が伝わり難い。このため触媒材と被検出物質との触媒反応によって生じた熱が伝搬(拡散)することはなく、圧電材料を確実に加熱して、音叉型圧電振動片の発振周波数を変えることができる。
また前述した圧電材料は、水晶Z板をX軸回りに20°〜26°回転したものである。この圧電材料は、周波数温度特性が略直線的に変わる。これにより触媒反応によって生じた温度の違いによって発振周波数を変えることができる。
本発明に係る圧電振動子は、前述した音叉型圧電振動片をセンサ用振動片とするとともに、圧電材料に励振電極を設けた圧電振動片を比較用振動片とし、センサ用振動片および比較用振動片を保持容器に搭載したことを特徴としている。これにより圧電振動子は、センサ用振動片と比較用振動片を近接させつつ同じ測定環境下に配置できるので、両振動片の測定条件が変わるのを防止でき、被検出物質を精密に検出できる。また圧電振動子は、センサ用振動片と比較用振動片を別々の保持容器に搭載する場合に比べて、外形寸法を小さくできる。
また本発明に係る圧電振動子は、センサ用振動片と比較用振動片との間に空間分離手段を設けたことを特徴としている。センサ用振動片が搭載されている空間と、比較用振動片が搭載されている空間を空間分離手段で分離できる。これにより比較用振動片が音叉形状の場合、センサ用振動片の屈曲振動と比較用振動片の屈曲振動が空気を介して伝搬して共鳴するのを防止できる。
また前述した比較用振動片とセンサ用振動片とを同一の圧電材料で形成してなるとともに、形状および発振周波数を同一にしている。これにより比較用振動片とセンサ用振動片とは、触媒材の有無の点で異なることになる。よって比較用振動片とセンサ用振動片は、周波数温度特性等の諸条件が同じになるので、圧電振動子が配置される測定環境の条件にかかわらず、被検出物質を高精度で検出できる。
本発明に係るセンサ検出回路は、圧電材料に電極パターンを形成してなる振動片に触媒材を設けたセンサ用振動片と、圧電材料に電極パターンを形成してなる比較用振動片と、センサ用振動片と比較用振動片とに電気信号を供給して発振させる発振回路と、発振回路の後段に接続し、センサ用振動片と比較用振動片とのそれぞれの発振周波数を測定する周波数カウンタと、周波数カウンタの後段に接続し、センサ用振動片の発振周波数と、比較用振動片の発振周波数との差分(測定周波数差)を求める第1減算器とを備えたことを特徴としている。この場合、センサ用振動片や比較用振動片に、前述した音叉型圧電振動片や圧電振動子を用いることができる。
センサ検出回路は、測定環境の状態によってセンサ用振動片の発振周波数が変化するが、比較用振動片の発振周波数もセンサ振動片と同様に変化するので、比較用振動片の値を減算することにより、外乱要因を排除できる。よってセンサ検出回路は、被検出物質の検出結果や物理量の測定結果を精密に得られる。また各周波数カウンタは、検出・測定結果をディジタル信号で出力できる。これにより高精度な測定が可能になり、またセンサ用周波数カウンタ、比較用周波数カウンタ、第1減算器、零補正メモリ、第2減算器、ラッチシフトレジスタおよびタイミングジェネレータを集積することができる。
また本発明に係るセンサ検出回路は、センサ用振動片の初期の発振周波数と、比較用振動片の初期の発振周波数との差分(発振周波数差)を記憶した零補正メモリと、第1減算器および零補正メモリの後段に接続し、第1減算器で求めた測定周波数差と零補正メモリに記憶した発振周波数差との差分を求める第2減算器とを備えたことを特徴としている。なお零補正メモリは、記憶している発振周波数差のデータを書き換え可能にしてなる構成にできる。これによりセンサ用振動片と比較用振動片の発振周波数や周波数温度特性が異なっていても両者の違いを補正できる。
また本発明に係るセンサ検出回路は、第2減算器の後段にラッチシフトレジスタを接続したことを特徴としている。これによりセンサ用振動片に設けた触媒と被検出物質との触媒反応によって生じた発振周波数の変化、すなわち被検出物質の検出結果を外部に出力できる。
以下に、本発明に係る音叉型圧電振動片、圧電振動子およびセンサ検出回路の実施形態について説明する。図1は音叉型圧電振動片の説明図である。ここで図1(A)は音叉型圧電振動片の平面図、図1(B)は振動腕の一部を示す斜視図である。そして図1(B)では、励振電極の記載を省略している。音叉型圧電振動片10は基部12と、この基部12から突出した複数の振動腕14(14a,14b)とを有している。基部12と振動腕14は圧電材料で形成されている。
そして各振動腕14に励振電極16(16a,16b)を設けている。より詳しくは、各振動腕14の中央部14cに励振電極16を設けるとともに、縁部14d、先端部14eおよび側面14fに別の励振電極16を設けている。すなわち一方の振動腕14aの中央部14cに設けた励振電極16aと、他方の振動腕14bの縁部14d、先端部14eおよび側面14fに設けた励振電極16aが導通している。また一方の振動腕14aの縁部14d、先端部14eおよび側面14fに設けた励振電極16bと、他方の振動腕14bの中央部14cに設けた励振電極16bが導通している。そして各励振電極16は、基部12に設けたマウント電極18と1対1に対応して導通している。なお励振電極16やマウント電極18は、例えば、金電極膜と、この金電極膜と圧電材料との固着具合を向上するための下地電極膜(クロム電極膜)とで形成してある。
そして励振電極16の少なくとも一部に触媒材20を設けている。この触媒材20は、音叉型圧電振動片10を特定物質の検出や物理量の測定をするセンサ用振動片40としたときに、被検出物質と反応して熱を発生させるために設けている。そして音叉型圧電振動片10は屈曲振動をするので、この屈曲振動に一番影響する箇所、すなわち屈曲振動によって振動腕14に伸び縮みの力が加わる弾性変形の大きい箇所に触媒材20を設ければよい。具体的には、各振動腕14のいずれか一方の側面に触媒を設ければよい。なお触媒材20は、スパッタ等の成膜法を用いて形成できる。
そして触媒材20には、検出しようとする物質と触媒反応するものを用いる。すなわち音叉型圧電振動片10で特定のガスを検出する場合、触媒材20には、被検出物質となる特定のガスと反応するものを使用する。一例としては、白金やパラジウムを触媒材20として用いれば可燃性ガスと触媒反応する。より具体的には、触媒材20として白金を用いれば水素ガスと触媒反応する。
また圧電材料は、熱伝導の悪いものが好ましい。これは、触媒材20と被検出物質との触媒反応によって熱が発生し、この熱により圧電材料を加熱して屈曲振動の周波数(発振周波数)を変えているからである。すなわち熱伝導が良い圧電材料だと熱が拡散してしまい、触媒反応によって生じた熱により圧電材料が加熱されないからである。このようなことから圧電材料は、例えば水晶であればよい。
また音叉型圧電振動片10は、温度によって発振周波数が異なる特性(周波数温度特性)を有している。この周波数温度特性は、圧電材料によって異なり、また同一の圧電材料であってもカット角によって異なる。そして前述したように、触媒反応によって生じた温度の違いによって発振周波数を変化させるために、音叉型圧電振動片10は周波数温度特性を利用している。このため特定物質の検出成分や物理量の測定をするセンサ振動片として音叉型圧電振動片10を使用するには、周波数温度特性が直線、または直線になっていなくとも直線により近いものが好ましい。
図2は周波数温度特性の説明図である。ここで図2(A)は周波数温度特性を示し、図2(B)はカット角の説明図である。そして図2(A)の縦軸は、基準となる発振周波数から実際の発振周波数がずれた量(dF/F)を示し、横軸は温度を示している。図2(A)に示すように、周波数温度特性は略直線となっており、温度が高くなるにしたがって発振周波数が低くなっている。音叉型圧電振動片10には、図2(A)に示す周波数温度特性となるような圧電材料を使用すればよい。なお図2(A)に示す特性となる圧電材料は、水晶Z板26をX軸(電気軸)回りにθ=23度回転した素板28である(図2(B)参照)。なお図2(B)のY軸は機械軸であり、Z軸は光軸である。またθが20°〜26°の範囲の素板であれば、図2(A)に示すような周波数温度特性となる。
このような音叉型圧電振動片10を保持容器(図示せず)に搭載すると圧電振動子となる。なお音叉型圧電振動片10は、前記保持容器に搭載されても封止されておらず、外部に曝された状態となっている。なお音叉型圧電振動片10を特定物質の検出や物理量の測定に利用する場合、このセンサ用振動片の他に、これから出力される周波数信号を比較・補正するために、比較用振動片を用いることがある。このため前述した音叉型圧電振動片10をセンサ用振動片とした場合、このセンサ用振動片と比較用振動片を1つの保持容器に搭載して圧電振動子を形成することもできる。
図3はセンサ用振動片および比較用振動片を備えた圧電振動子の平面図である。なお図3では、センサ用振動片および比較用振動片に設けてある励振電極やマウント電極の記載を省略している。圧電振動子30は、枡形の保持容器32を備えており、その凹陥部34(枡の内部)に搭載電極36を備えている。各搭載電極36は、保持容器32の外面に設けた外部端子(図示せず)とそれぞれ導通している。この搭載電極36の上に導電性接着剤38を塗布しており、この導電性接着剤38の上にセンサ用振動片40や比較用振動片42を搭載している。この場合、センサ用振動片40や比較用振動片42に設けているマウント電極(図3には図示せず)と搭載電極36が導電性接着剤38を介してそれぞれ導通している。
そして比較用振動片42には、様々な圧電振動片を用いることができる。すなわち比較用振動片42には、例えば音叉形状の圧電振動片やATカット圧電振動片、弾性表面波(SAW)振動片を利用することができる。なお比較用振動片42にはセンサ用振動片40と同一なもの、すなわち形状や圧電材料、発振周波数が同一なものを用いるのが好ましい。このため図3に示す比較用振動片42には、センサ用振動片40と同一な音叉形状の圧電振動片を使用しており、励振電極に触媒材を設けていない点でセンサ用振動片40と異なっている。
また図3に示す場合でも、センサ用振動片40と比較用振動片42は封止されておらず、外部に曝された状態となっている。このためセンサ用振動片40と比較用振動片42に音叉形状の圧電振動片を用い、それぞれを隣接して配置した場合は、センサ用振動片40の屈曲振動と比較用振動片42の屈曲振動が空気の伝搬によって共鳴することがある。これを防ぐためには、センサ用振動片40と比較用振動片42との間に敷居、すなわち空間分離手段44を設ければよい。
なおセンサ用振動片40と比較用振動片42を搭載した圧電振動子30は、図4に示す構成であってもよい。図4に示す圧電振動子30は、断面視するとH型をした保持容器32を備えている。すなわち保持容器32は、上面と下面のそれぞれに凹陥部34を備えており、各凹陥部34の底面48に搭載電極36を備えている。各搭載電極36は、保持容器32の外面に設けた外部端子(図示せず)とそれぞれ導通している。そして搭載電極36に導電性接着剤38を塗布し、センサ用振動片40や比較用振動片42を外部に曝した状態で導電性接着剤38の上に搭載している。この場合、センサ用振動片40や比較用振動片42に設けているマウント電極(図4では図示せず)と搭載電極36が導電性接着剤38を介してそれぞれ導通している。これにより圧電振動子30は、各凹陥部34の底面48(空間分離手段44)に対してそれぞれ反対側にセンサ用振動片40と比較用振動片42を配設しているので、センサ用振動片40と比較用振動片42が共鳴することはない。
そして特定物質の検出や物理量の測定をするためのセンサ検出回路には、前述した音叉型圧電振動片10や圧電振動子30を用いればよい。図5はセンサ検出回路のブロック図である。センサ検出回路50は、センサ用振動片40、センサ用発振回路52、センサ用周波数カウンタ54、比較用振動片42、比較用発振回路56、比較用周波数カウンタ58、第1減算器60、零補正メモリ62、第2減算器64、ラッチシフトレジスタ66およびタイミングジェネレータ68を備えている。
センサ用振動片40は、前述した音叉型圧電振動片10、すなわち圧電材料に励振電極16やマウント電極18(電極パターン)を形成してなる振動片に触媒材20を設けたものである。このセンサ用振動片40にセンサ用発振回路52が接続している。センサ用発振回路52は、センサ用振動片40に電気信号を供給して発振させている。また比較用振動片42は、励振電極やマウント電極(電極パターン)を圧電材料に設けたものである。なお比較用振動片42に設けた励振電極の表面の材料は、センサ用振動片40に設けた触媒材20と異なっている。この比較用振動片42に比較用発振回路56が接続している。比較用発振回路56は、比較用振動片42に電気信号を供給して発振させている。
そしてセンサ用発振回路52にセンサ用周波数カウンタ54が接続し、比較用発振回路56に比較用周波数カウンタ58が接続している。そして各周波数カウンタ54,58は、それぞれが接続している発振回路52,56から出力する周波数信号の周波数を測定している。すなわちセンサ用周波数カウンタ54は、センサ用振動片40の発振周波数を測定することになり、また比較用周波数カウンタ58は、比較用振動片42の発振周波数を測定することになる。
各周波数カウンタ54,58に第1減算器60が接続している。この第1減算器60は、センサ用周波数カウンタ54で測定された周波数と、比較用周波数カウンタ58で測定した周波数との差分(測定周波数差)を求めている。零補正メモリ62は、センサ用振動片40において触媒反応が生じていないとき(初期)の発振周波数(センサ用周波数カウンタ54で測定される初期の周波数)と、比較用振動片42の初期の発振周波数(比較用周波数カウンタ58で測定される初期の周波数)との差分(発振周波数差)を記憶している。
なおセンサ用振動片40や比較用振動片42は、時間の経過と共に発振周波数が変化していく。このため触媒反応が生じていないときのセンサ用振動片40の発振周波数と比較用振動片42の発振周波数との差分が時間の経過によって発振周波数差からずれることになる。したがって零補正メモリ62は、記憶しているデータをユーザによって書き換えできるような構成にすることもできる。
そして第1減算器60と零補正メモリ62に第2減算器64が接続している。この第2減算器64は、第1減算器60で求めた測定周波数差と零補正メモリ62に記憶した発振周波数差との差分、すなわちセンサ用振動片40の発振周波数の変化量を求めている。
第2減算器64にラッチシフトレジスタ66が接続している。ラッチシフトレジスタ66は、第2減算器64から出力した前記変化量(変化量信号)をラッチする。ラッチシフトレジスタ66の後段にセンサ検出回路50の出力端子70が接続しており、この出力端子70を介して前記変化量が外部に出力される。
タイミングジェネレータ68は、センサ用周波数カウンタ54、比較用周波数カウンタ58およびラッチシフトレジスタ66に接続している。このタイミングジェネレータ68は、外部から入力した計測要求信号に応じて、各周波数カウンタ54,58に備えているゲートを開閉させる制御信号を出力するとともに、第2減算器64から出力する変化量信号をラッチシフトレジスタ66にラッチさせる信号(ラッチ信号)を出力する。
次に、センサ検出回路50の動作について説明する。なお以下では、特定物質の検出や物理量の測定をセンサ検出回路50で行う例として、水素ガスを検出する場合について説明する。このためセンサ用振動片40に設ける触媒材20として白金を用いている。
まずセンサ用振動片40と比較用振動片42とを測定環境に配置する。このときセンサ用振動片40の近くに比較用振動片42を配置すると、測定環境の条件を同じにできる。なお図3や図4に示す圧電振動子30を用いれば、センサ用振動片40と比較用振動片42を近接させて測定環境に配置できる。そして各発振回路52,56を用いてセンサ用振動片40と比較用振動片42を発振させる。
タイミングジェネレータ68は、計測要求信号を入力すると、センサ用周波数カウンタ54および比較用周波数カウンタ58に制御信号を出力して、各周波数カウンタ54,58が備えている前記ゲートを開かせる。センサ用周波数カウンタ54は、前記ゲートを開くとセンサ用振動片40の発振周波数(センサ用発振回路52から出力する周波数信号f1の周波数)を測定し、測定結果をディジタル信号で第1減算器60に出力する。また比較用周波数カウンタ58は、前記ゲートを開くと比較用振動片42の発振周波数(比較用発振回路56から出力する周波数信号f2の周波数)を測定し、測定結果をディジタル信号で第1減算器60に出力する。
このとき測定環境に水素ガスが存在していると、センサ用振動片40に設けた触媒材20と水素ガスが反応して発熱し、センサ用振動片40を加熱する。なお励振電極16の一部に触媒材20を設けた場合は、センサ用振動片40を局所的に加熱する。そして水晶等の熱伝導率が悪い圧電材料を用いていると、触媒材20を設けている部分の表層部のみに瞬間的に熱が伝わり、温度変化が生じる。これにより屈曲振動の主要弾性定数が変化して、発振周波数が変化する。すなわち図2に示す圧電材料を用いた場合では、センサ用振動片40の温度上昇に伴って発振周波数が低下する。センサ用周波数カウンタ54は、この発振周波数の変化を測定する。なお比較用振動片42は触媒材20を設けていないので、水素ガスが存在していても発振周波数は低下しない。
タイミングジェネレータ68は基準カウンタ(図示せず)を内部に備えているので、この基準カウンタで行っているカウントが決められた周期に到達したら、各周波数カウンタ54,58に前記ゲートを閉じさせる制御信号を出力する。
そして第1減算器60は測定周波数差を求めているが、センサ用振動片40の発振周波数が変化しているので、この変化分が測定周波数差として求められる。また仮に、センサ用振動片40の初期の発振周波数と比較用振動片42の初期の発振周波数とが異なっていたとしても、これの発振周波数差を零補正メモリ62が記憶している。このため測定周波数差と発振周波数差の差分を第2減算器64で求めると、センサ用振動片40の発振周波数が変化した正確な量を得る。そして第2減算器64は、この変化量信号をラッチシフトレジスタ66に出力する。
ラッチシフトレジスタ66は、タイミングジェネレータ68から入力したラッチ信号に基づいて、変化量信号をラッチする。そしてラッチシフトレジスタ66は、外部からクロック信号を入力すると、ラッチしている変化量信号を出力端子70を介して外部に出力する。このような動作によりセンサ検出回路50は、水素ガスを検出する。
以上説明したように、センシングに用いられる音叉型圧電振動片10は、励振電極16の一部または全部に触媒材20を設けている。この触媒材20は特定の物質と触媒反応するので、この触媒反応によって発生した熱により振動腕14を加熱でき、音叉型圧電振動片10の発振周波数を変えることができる。また音叉型圧電振動片10は、既存のプロセス工程を利用して製造できる。また屈曲振動の弾性変形は、振動腕14の側面が大きくなる。ここに触媒材20を設けることで、弾性変形の大きい箇所が局所的に加熱されるので、屈曲振動の周波数を大きく変えることができる。
また触媒材20を適宜設定すると、これと触媒反応する物質を選択できる。すなわち音叉型圧電振動片10は、様々な被検出物質の検出が可能になる。そして白金やパラジウムを触媒材20として用いると、可燃性ガスの検出が可能になる。特に触媒材20を白金とすると、水素ガスの検出が可能になる。
また音叉型圧電振動片10を形成する圧電材料に水晶を用いると、触媒反応によって生じた熱が伝搬(拡散)することはなく、振動腕14を確実に加熱して、発振周波数を変えることができる。また音叉型圧電振動片10を形成する圧電材料に、X軸回りに回転させた水晶Z板を用いると、周波数温度特性が略直線になる。これにより触媒反応によって生じた温度の違いによって発振周波数を変えることができる。
また圧電振動子30は、センサ用振動片40と比較用振動片42を近接させつつ同じ測定環境下に配置できるので、測定環境の状態によって各振動片40,42の測定条件が変わるのを防止でき、被検出物質を精密に検出できる。また圧電振動子30は、センサ用振動片40と比較用振動片42を別々の保持容器に搭載する場合に比べて、外形寸法を小さくできる。
また圧電振動子30を構成する保持容器32に空間分離手段44を設けたので、センサ用振動片40が搭載されている空間と、比較用振動片42が搭載されている空間を分離できる。これにより比較用振動片42が音叉形状の場合、センサ用振動片40の屈曲振動と比較用振動片42の屈曲振動が空気を介して伝搬して、共鳴するのを防止できる。
また比較用振動片42の圧電材料をセンサ用振動片40のものと同一の材料にすると、圧電材料のカット角も同じになるので周波数温度特性が同じになり、温度勾配を同じにできる。さらにセンサ用振動片40の形状や発振周波数を比較用振動片42のものと同じにすると、圧電振動子30が配置される測定環境の条件、すなわち測定環境の温度変化や気圧の変化、気体粘性等の外乱要因を排除でき、高精度の検出・測定が可能になる。またセンサ用振動片40と比較用振動片42を同一ロットの製品で形成すると、製造条件が同じになるのでより高精度の検出・測定が可能になる。
またセンサ検出回路50は、前述した音叉型圧電振動片10や圧電振動子30を利用することにより、前述した特徴を有することができる。そしてセンサ検出回路50は、測定環境の条件によってセンサ用振動片40の発振周波数が変化するが、比較用振動片42の発振周波数もセンサ用振動片40と同様に変化するので、比較用振動片42の発振周波数を減算することにより、外乱要因を排除できる。よってセンサ検出回路50は、被検出物質の検出結果や物理量の測定結果が精密に得られる。そしてセンサ用振動片40に設ける触媒材20を白金とした場合には、センサ検出回路50は、測定環境中から水素ガスの成分のみを精密に検出できる。またセンサ検出回路50は既存の製造工程を用いて製造できるので、新しいプロセス開発が不要である。さらに高付加価値なセンサを実現できる。
またセンサ検出回路50の各周波数カウンタ54,58は、測定結果をディジタル信号で出力している。このため周波数カウンタ54,58以降の回路をディジタル回路で構成できるので、センサ検出回路50を集積できる。すなわちセンサ用周波数カウンタ54、比較用周波数カウンタ58、第1減算器60、零補正メモリ62、第2減算器64、ラッチシフトレジスタ66およびタイミングジェネレータ68を集積回路(IC)チップ72にすることができる(図5参照)。またこのICチップ72に、センサ用発振回路52や比較用発振回路56も搭載することができる。これによりセンサ検出回路50を容易に開発できるとともに、安価に製造できる。そして前述した音叉型圧電振動片10を搭載する前記保持容器にICチップ72を搭載することもでき、また前述した圧電振動子30にICチップ72を搭載することもできる。
またセンサ検出回路50に零補正メモリ62と第2減算器64を設けることで、センサ用振動片40と比較用振動片42が同一でなくとも、すなわち圧電材料や形状、発振周波数、周波数温度特性が異なっていても両者の違いを補正できる。
なお前述した音叉型圧電振動片10では、励振電極16の一部または全部に触媒材20を設けた構成について説明した。しかし触媒材20が金属(触媒金属)である場合には、励振電極16自体を触媒金属で形成することもできる。すなわち前述した一例では、励振電極16を金電極膜と下地電極膜で形成しているが、これにかえて触媒金属で形成することができる。この場合、マウント電極18も触媒金属で形成することもできる。また圧電材料と触媒金属との固着具合を向上させる下地電極膜を設けてもよい。
また前述したセンサ検出回路50では、センサ用振動片40として前述した音叉型圧電振動片10や圧電振動子30を用いた形態について説明した。このセンサ用振動片40の変形例としては、センサ用振動片40にSAW振動片を用いることができる。この場合、圧電材料の表面にすだれ状電極や反射器等の電極パターンを設けるとともに、圧電材料の裏面や電極パターンの表面に触媒材を設けておく。そして触媒材と被検出物質が触媒反応すると圧電材料が加熱されてSAW振動片の共振周波数が変わる。これによりセンサ検出回路は、特定物質の検出や物理量の測定を行える。
音叉型圧電振動片の説明図である。 周波数温度特性の説明図である。 センサ用振動片および比較用振動片を備えた圧電振動子の平面図である。 圧電振動子の他の形態を示す断面図である。 センサ検出回路のブロック図である。
符号の説明
10…音叉型圧電振動片、12…基部、14…振動腕、16…励振電極、18…マウント電極、20…触媒材、30…圧電振動子、40…センサ用振動片、42…比較用振動片、44…空間分離手段、50…センサ検出回路、52…センサ用発振回路、54…センサ用周波数カウンタ、56…比較用発振回路、58…比較用周波数カウンタ、60…第1減算器、62…零補正メモリ、64…第2減算器、66…ラッチシフトレジスタ。

Claims (11)

  1. 基部と、この基部から突出した複数の振動腕とを圧電材料で形成してなり、
    励振電極を前記振動腕に設けるとともに、前記励振電極と導通したマウント電極を前記基部に設け、
    前記励振電極の少なくとも一部に触媒材を設けた、
    ことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  2. 前記触媒材を、前記振動腕の側面に設けたことを特徴とする請求項1に記載の音叉型圧電振動片。
  3. 前記触媒材は、白金またはパラジウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の音叉型圧電振動片。
  4. 前記圧電材料は水晶であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の音叉型圧電振動片。
  5. 前記圧電材料は、水晶Z板をX軸回りに20°〜26°回転してなることを特徴とする請求項4に記載の音叉型圧電振動片。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の音叉型圧電振動片をセンサ用振動片とするとともに、
    圧電材料に励振電極を設けた圧電振動片を比較用振動片とし、
    前記センサ用振動片および前記比較用振動片を保持容器に搭載した、
    ことを特徴とする圧電振動子。
  7. 前記センサ用振動片と前記比較用振動片との間に空間分離手段を設けたことを特徴とする請求項6に記載の圧電振動子。
  8. 前記比較用振動片と前記センサ用振動片とを同一の圧電材料で形成してなるとともに、形状および発振周波数を同一にしたことを特徴とする請求項6または7に記載の圧電振動子。
  9. 圧電材料に電極パターンを形成してなる振動片に触媒材を設けたセンサ用振動片と、
    圧電材料に電極パターンを形成してなる比較用振動片と、
    前記センサ用振動片と前記比較用振動片とに電気信号を供給して発振させる発振回路と、
    前記発振回路の後段に接続し、前記センサ用振動片と前記比較用振動片とのそれぞれの 発振周波数を測定する周波数カウンタと、
    前記周波数カウンタの後段に接続し、前記センサ用振動片の発振周波数と、前記比較用振動片の発振周波数との測定周波数差を求める第1減算器と、
    を備えたことを特徴とすることを特徴とするセンサ検出回路。
  10. 前記センサ用振動片の初期の発振周波数と、前記比較用振動片の初期の発振周波数との発振周波数差を記憶した零補正メモリと、
    前記第1減算器および前記零補正メモリの後段に接続し、前記第1減算器で求めた前記測定周波数差と前記零補正メモリに記憶した前記発振周波数差との差分を求める第2減算器と、
    を備えたことを特徴とすることを特徴とする請求項9に記載のセンサ検出回路。
  11. 前記第2減算器の後段に、ラッチシフトレジスタを接続したことを特徴とすることを特徴とする請求項10に記載のセンサ検出回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012216901A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Kyocera Crystal Device Corp 複合型圧電デバイス

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