JP2008021764A - 金属用研磨液 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体デバイス製造の化学的機械的平坦化、特に金属配線の平坦化に適し、実用的な研磨速度で研磨した場合であっても、被研磨体のディッシングを抑制しうる金属用研磨液を提供する。
【解決手段】分子内に下記式(1)で表される置換基を有するアミノカルボン酸、酸化剤、及び、シラノール基を表面に有する粒子を含有することを特徴とする金属用研磨液である。下記式(1)中、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、mは0〜3の整数を表す。
−SiR(OH)3−m 式(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの製造に用いる金属用研磨液に関するものであり、特に半導体デバイスの配線工程における銅配線の平坦化に好適に用いられる金属用研磨液に関する。
半導体集積回路(以下LSIと記す)で代表される半導体デバイスの実用化においては、小型化・高速化のため、配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められており、近年配線用の金属として配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発され、このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下CMPと記す)等の種々の技術が用いられてきている。
CMPは積層化で生じたウェハ表面の凹凸を平坦化するための技術で、一般には円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基盤(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基盤の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基盤の表面を平坦化するものである。
銅配線のような金属を研磨するための液としては、砥粒(例えばアルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば過酸化水素)とを含むものが一般的で、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
従来、CMPには、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が平面状ではなく、中央のみがより深く研磨されて皿状のくぼみを生ずる現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、複数の配線金属面表面が皿状の凹部を形成する現象(エロージョン)などの問題点が発生することがあると言われている。
特に、近年はウェハ径の大型化に伴うウェハ中心部と周辺部とでの研磨速度の差によるディッシング低減への要求はますます強くなってきている。さらに、最近は、機械的強度の弱い絶縁材料を用いても膜剥離が発生しないように、低圧力下で研磨を行った時でも十分な研磨速度が得られるような方法が望まれている。
このような問題点を解決するために、砥粒を含まず、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウムおよび水からなる半導体集積回路の銅配線用研磨液が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、凹部に金属膜が残された導体パターンが得られるものの、十分な研磨速度が得難いという問題点を有していた。さらに、低圧力下における良好な研磨を達成する目的で、ウエハ表面を修正するのに有用なイミノ二酢酸とその塩から選ばれるキレート剤を含有する研磨液(例えば、特許文献2参照。)や、α−アミノ酸を含有する化学機械研磨組成物(例えば、特許文献3参照。)などが提案されているが、いずれも、十分な研磨速度とディッシング抑制との両立といった観点からは、なお不十分であり、改良が望まれている。
特開2001−127019号公報 特表2002−538284公報 特表2003−507894公報
上記問題点を考慮してなされた本発明の目的は、半導体デバイス製造の化学的機械的平坦化、特に金属配線の平坦化に適し、実用的な研磨速度で研磨した場合であっても、被研磨体のディッシングを抑制しうる金属用研磨液を提供することにある。
上記の半導体集積回路の銅配線用研磨液に係る問題点について、本発明者らは鋭意検討した結果、下記<1>〜<3>に記載の手段によって解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
<1> 分子内に下記式(1)で表される置換基を有するアミノカルボン酸、酸化剤、及び、シラノール基を表面に有する粒子を含有することを特徴とする金属用研磨液。
−SiR(OH)3−m 式(1)
前記式(1)中、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、mは0〜3の整数を表す。
<2> 前記シラノール基を表面に有する粒子が、平均一次粒子径が5〜90nmの範囲にあるコロイダルシリカであることを特徴とする<1>に記載の研磨液。
<3> 前記分子内に前記式(1)で表される置換基を有するアミノカルボン酸の含有量が0.001〜1.0重量%の範囲にある<1>に記載の研磨液。
本発明の銅配線用研磨液を用いることで、迅速な研磨速度を得ることができ、ディッシングの発生が少ない半導体集積回路の銅配線を得ることができる。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
<半導体集積回路の銅配線用研磨液>
本発明の金属用研磨液は、半導体集積回路の平坦化において主として銅配線などの金属配線の研磨に適する研磨液である。
本発明の金属用研磨液は、構成成分として、分子内に下記式(1)で表される置換基を有するアミノカルボン酸、酸化剤、及び、シラノール基を表面に有する粒子を含有する。
−SiR(OH)3−m 式(1)
前記式(1)中、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、mは0〜3の整数を表す。
研磨液が含有する前記各必須成分はそれぞれ、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
以下、各構成成分について説明する。
<(i)分子内に下記式(1)で表される置換基を有するアミノカルボン酸>
本発明に用いられるアミノカルボン酸は、分子内に下記式(1)で表される置換基を有する特定アミノカルボン酸化合物であり、分子内にシラノール基もしくはシリル基を有することを特徴とする。
−SiR(OH)3−m 式(1)
前記式(1)中、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、mは0〜3の整数を表す。
本発明の半導体集積回路の銅配線用研磨液は、シラノール基もしくはシリル基を有するアミノカルボン酸化合物を含有することにより、ディッシングを抑制しつつも高い研磨速度を得ることができる。
本発明に好適に用いられるシラノール基もしくはシリル基を有する特定アミノカルボン酸化合物は、前記式(1)で表される官能基を分子内に少なくとも1つ持つことを要するが、このようなシラノール基もしくはシリル基を複数有するものであってもよい。研磨速度に対する置換基効果の観点からは、分子内にこのような置換基を1つ〜4つ持つ化合物が好ましく、より好ましくはこのような置換基を1つのみ有する化合物である。
なお、本明細書における基(原子団)の表記において、置換基の有無を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含することを意味するものである。例えば、前記式(1)における「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
式(1)において、本発明における特定アミノカルボン酸は、シラノール基(−Si−OH)の構造を少なくとも1つ分子内に有するものが好ましく、このケイ素原子は2つ以上の水酸基を有する構造であってもよい。
ケイ素原子が有する水酸基以外の他の置換基、即ち、式(1)におけるRが水素原子、アルキル基、又は、アリール基を表す場合、Rとしては、アルキル基、アリール基を好ましく挙げることができ、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましくい。
Rがアルキル基、アリール基を表す場合、これらはさらに置換基を有するものであってもよく、導入可能な置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アクリル基、メタクリル基、アクリロキシ基、スルフィド基、アミノ基、イソシアネート基、シアノ基、メルカプト基、フェニル基、スチリル基、ビニル基などが挙げられる。
本発明における特定アミノカルボン酸は、シラノール基などの式(1)で表される置換基を有するアミノカルボン酸が任意の結合基により結合した構造をとることもできる。このような例としては、例えば、例示化合物として後述する(A−2)の如く、2価の炭化水素基で結合された化合物が例示できる。
本発明に用いられるシラノール基もしくはシリル基を有する特定アミノカルボン酸化合物は常法、例えば、以下の文献、例えば、Liebigs Annalen der Chemie, 2, 145 (1994)、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 8, 51 (1998)、Tetrahedron Ltters, 21, 2689 (1980)、及びJournal of Organometallic Chemistry, 13, 323 (1968)、Journal of Organometallic Chemistry, 9, 251 (1967)、Chemische Berichte, 115, 5, 1694 (1982)、Zhurnal Obschei Khimii, 67, 5, 859 (1997)、Heterocycles, 34, 7, 1365, (1992)およびJournal of Organometallic Chemistry, 247, 351 (1983)、Journal of Physical Chemistry, 95, 15, 5910 (1991)に記載の合成法を参考に合成することができる。
本発明に使用しうる特定アミノカルボン酸化合物の具体例としては、以下の例示化合物(A−1)〜(A−8)などが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2008021764
特定アミノカルボン酸化合物は、金属用研磨剤中に1種類のみを含んでもよいし、化学構造の異なる2種類以上を含んでもよい。
本発明において、研磨に使用する際の半導体集積回路の銅配線用研磨液は、上記特定アミノカルボン酸化合物を0.001〜10.0重量%含むことが好ましく、0.005〜8.0重量%含むことがより好ましく、0.01〜7.0重量%含むことがさらに好ましい。
特定アミノカルボン酸化合物の含有量が上記範囲内であると、研磨速度、ディッシング量、コストのバランスが良好である点で好ましい。
<(ii)シラノール基を表面に有する粒子>
本発明の半導体集積回路の銅配線用研磨液に用いる粒子は、好ましい形態として、少なくともその表面の一部にシラノール基を有する粒子(以下、適宜、特定粒子と称する)を含有する。
本発明においては、前述の如く、半導体集積回路の銅配線用に好適な金属用研磨液に、シラノール基などのSiを含む置換基を分子内に有する特定アミノカルボン酸を含有するが、ここに、さらに、表面にシラノール基を有する粒子を含有させることによって、より高い研磨速度を得ることができる。即ち、シラノール基以外の水酸基を表面に有する粒子を含有させた場合も、シラノール基などのSiを含む置換基を有する特定アミノカルボン酸を含有することによって高い研磨速度が得られるが、表面にシラノール基を有する粒子を含有させることによって、より一層高い研磨速度が得られるという点で好ましい。
本発明におけるシラノール基を表面に有する粒子としては、コロイダルシリカやヒュームドシリカなどの、シラノール基を有するシリカなどの材料からなる粒子、一般に研磨液中で砥粒(研磨粒子)として使用される粒子表面がコロイダルシリカにより被覆されたコアシェル粒子、一般に研磨液中で砥粒(研磨粒子)として使用される粒子表面の一部がコロイダルシリカなどにより被覆された複合粒子、コロイダルシリカの原料(アルコキシシランや珪酸ソーダなど)とその他のポリマー原料(モノマーなど)が均一に混合され、ポリマー化されてなるハイブリッド粒子)、ポリマー粒子や酸化物粒子の表面にシランカップリング処理やシラノールのグラフト化によってシラノール基が導入された粒子が例示できる。
上記コアシェル粒子、複合粒子、ハイブリッド粒子、表面シラノール基導入酸化物粒子において、シラノール基を有する酸化ケイ素以外の材料としては、酸化アルミニウムや酸化セリウム等の無機材料、ポリスチレンおよびスチレン共重合体、ポリメタクリレート等のメタクリル樹脂あるいはアクリル樹脂およびアクリル酸あるいはメタクリル酸共重合成分として含む共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィンなどの有機樹脂材料などから目的に応じて適宜選択して使用することができ、少なくとも最終形態の粒子表面にシラノール基が存在していればよい。
上記本発明における特定粒子の素材、或いは、このような特定粒子を形成する複合材料として用いられるコロイダルシリカは、珪酸ソーダから作製することもできるが、アルコキシシランの加水分解法により作製することが好ましい。使用するアルコキシシランは好ましくはテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブトキシシランであり、特に好ましくはテトラエトキシシラン、テトラメトキシシランである。
表面にシラノール基を有する粒子の平均一次粒子径は、3nmから200nmが好ましく、5nmから90nmがより好ましく、8nmから80nmがさらに好ましい。
平均一次粒子径が5nm以上90nm以下であると、適切な研磨速度が得られ、ディッシング発生量を低くできる点で好ましい。また、前記平均一次粒子径とは、正規分布に近い連続した粒度分布を持つ1つの粒子群でもよいし、正規分布に近い連続した粒度分布を持つ粒子群を2つ以上合わせた粒子でもよい。2つ以上の粒子群を合わせた粒子を含有する場合は、その粒子群の中で最も大きい平均一次粒子径を持つ粒子群の平均一次粒子径は200nm以下であることが望ましく、90nm以下であることがより好ましい。また最も小さな平均一次粒子径を持つ粒子群の平均一次粒子径は、3nm以上であることが望ましく、5nm以上であることがより好ましい。
また、平均二次粒子径は5〜220nmであることが好ましく、5〜95nmであることがより好ましい。平均二次粒子径が5nm以上、95nm以下であると適切な研磨速度が得られ、ディッシング発生量を低くできる点で好ましい。
ここで、本発明において、平均一次粒子径及び平均二次粒子は以下のようにして測定した値である。
すなわち、平均一次粒子径は、BET法による比表面積値から真球状粒子モデルへ換算したときの粒子径であり、比表面積値は市販の測定装置(島津製作所製、ジェミニV2380)により簡便に測定することができる。また、平均二次粒子径とは、動的光散乱法によって得られる平均粒子径(D50値)であり、これは市販の粒度分布測定装置(堀場製作所製、LB−500)によって簡便に測定することができる。
本発明に使用しうるシラノール基を表面に有する粒子は、シラノール基を0.1〜14個/(nm)で含有することが好ましく1〜10個/(nm)で含有することがより好ましい。
粒子表面のシラノール基の数は、表面のシラノール基にHMDS(ヘキサメチルジシラザン)やFOCS(トリデカフルオロテトラヒドロオクチルジメチルクロロシラン)などを導入し、C量やF量を超微量測定することによる算出することができ、本発明においてもその値を用いている。
また本発明の研磨液に含有される砥粒のうち、表面にシラノール基を有する粒子の重量割合は、ユースポイント(即ち、酸化剤や溶媒などを直線混合した場合を含み、実際に研磨に用いる際)における全研磨液に対して、好ましくは0.001重量%以上5重量%以下であり、更に好ましくは0.002重量%以上1.0重量%以下であり、特に好ましくは0.005重量%以上0.8重量%以下である。
含有量が上記範囲内であると、適切な研磨性を発揮することができるので好ましい。
(その他の砥粒)
本発明の研磨液には、本発明の効果を損なわない範囲において前記表面にシラノール基を有する粒子以外の、他の砥粒を併用することができる。併用しうる他の砥粒としては、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化チタン等の酸化物からなる砥粒や、ポリスチレンおよびスチレン共重合体、ポリメタクリレート等のメタクリル樹脂あるいはアクリル樹脂およびメタクリル酸或いはアクリル酸を共重合成分として含む共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン等などの有機樹脂を含む砥粒などを挙げることができる。
表面にシラノール基を有する粒子以外の併用可能な他の粒子の平均一次粒子径は、表面にシラノール基を有する粒子の平均一次粒子径の1/10倍以上2倍以下であることが好ましい。平均一次粒子径が1/10倍以下であると、表面にシラノール基を有する粒子以外の粒子として含まれる砥粒の研磨への寄与が急激に減少し、2倍以上では研磨効率が低下してしまうため、上記範囲であることが好ましい。
また、添加量としては、前記シラノール基を有する粒子の添加量を1とした場合、0〜10であることが好ましく、0〜3であることがより好ましい。
<(iii)酸化剤>
本発明の半導体集積回路の銅配線用研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有する。
酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水および銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。
鉄(III)塩としては例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
鉄(III)の有機錯塩を用いる場合、鉄(III)錯塩を構成する錯形成化合物としては、例えば、酢酸、クエン酸、シュウ酸、サリチル酸、ジエチルジチオカルバミン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−エタンジチオール、マロン酸、グルタル酸、3−ヒドロキシ酪酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、3−ヒドロキシサリチル酸、3,5−ジヒドロキシサリチル酸、没食子酸、安息香酸、マレイン酸などやこれらの塩の他、アミノポリカルボン酸及びその塩が挙げられる。ここで、酸化剤としての鉄(III)の有機錯塩形成に用いられるアミノポリカルボン酸は、前記特定アミノカルボン酸と異なり、その分子内にシラノール基などの式(1)で表される置換基を含有しないものである。
アミノポリカルボン酸及びその塩としては、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,2−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン1−N,N’−二酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸など及びその塩が挙げられる。対塩の種類は、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、特にはアンモニウム塩が好ましい。
中でも、過酸化水素、ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、塩素酸塩、過硫酸塩、鉄(III)の有機錯塩が好ましく、鉄(III)の有機錯塩を用いる場合の好ましい錯形成化合物は、クエン酸、酒石酸、アミノポリカルボン酸(具体的には、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸)を挙げることができる。
酸化剤の中でも過酸化水素、過硫酸塩、並びに鉄(III)のエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸及びエチレンジアミンジコハク酸(SS体)の錯体が最も好ましい。
酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1Lあたり、0.003mol〜8molとすることが好ましく、0.03mol〜6molとすることがより好ましく、0.1mol〜4molとすることが特に好ましい。即ち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が十分で高いCMP速度を確保する点で0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
<その他の成分>
本発明の研磨液は、前記(i)乃至(iii)に記載の成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに他の成分を含有してもよく、好ましい成分として、複素環化合物、界面活性剤、水溶性ポリマー、前述した他の砥粒及び以下に記載の添加剤を挙げることができる。
(複素環化合物)
本発明の金属用研磨液には、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する化合物として複素環化合物を含有することが好ましい。
「複素環化合物」とはヘテロ原子を含んだ複素環を有する化合物である。
複素環を有する化合物に含まれるヘテロ原子の数は限定されるものではないが、2個以上が好ましく、さらに好ましくは4個以上のヘテロ原子を含む化合物である。特に、3個以上の窒素原子を含有する複素環化合物を用いることは好ましく、4個以上の窒素原子を含有する複素環化合物を用いると本発明の顕著な効果が得られ、好ましい。
また、複素環は単環であっても縮合環を有する多環であってもよい。単環の場合の員数は、好ましくは5〜7であり、特に好ましくは5である。縮合環を有する場合の環数は、好ましくは2または3である。
本発明に使用しうる複素環として具体的に、以下のものが挙げられる。
ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピラン環、チオピラン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、クロマン環、チオクロマン環、イソクロマン環、イソチオクロマン環、インドリン環、イソインドリン環、ピリンジン環、インドリジン環、インドール環、インダゾール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、アクリジン環、ペリミジン環、フェナントロリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、アンチリジン環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズチアジアゾール環、ベンズフロキサン環、ナフトイミダゾール環、ベンズトリアゾール環、テトラアザインデン環等が挙げられ、より好ましくはトリアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。
本発明で用いる複素環化合物に導入しうる置換基としては、例えば以下のものが挙げられる。
複素環が有しうる置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、ヘテロ環基が挙げられる。さらに、複数の置換基のうち2以上が互いに結合して環を形成してもよく、例えば、芳香環、脂肪族炭化水素環、複素環などを形成することもできる。
本発明で特に好ましく用いることができる複素環化合物の具体例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
すなわち、1,2,3,4−テトラゾール、5−アミノ−1,2,3,4−テトラゾール、5−メチル−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾールである。
本発明で用いる複素環化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、本発明で用いる複素環化合物は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。本発明で用いる複素環化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液(即ち、水または水溶液で希釈する場合は希釈後の金属用研磨液。以降の「研磨に使用する際の金属用研磨液」も同意である。)の1L中、0.0001〜0.1molが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.05mol、更に好ましくは0.0005〜0.01molである。
(界面活性剤及び/又は親水性ポリマー)
本発明の研磨液は、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを含有することが好ましい。界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面への接触角を低下させる作用を有し、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤及び/又は親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。
その他に、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
界面活性剤としては陰イオン界面活性剤もしくはノニオン系界面活性剤が好ましく、また、塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられ、特にアンモニウム塩およびカリウム塩が好ましい。
さらに、その他の界面活性剤、親水性化合物、親水性ポリマー等としては、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸及びアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール、アルケニルポリプロピレングリコールアルキルエーテル及びアルケニルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、
ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩及びスルホコハク酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等が挙げられる。
但し、適用する基体が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基体がガラス基板等である場合はその限りではない。上記例示化合物の中でもシクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
これらの界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーは1種のみでもよいし、2種以上を使用してもよく、異なる種類の活性剤を併用することもできる。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の半導体集積回路の銅配線用研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。即ち、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、充分な効果を得る上で、0.001g以上が好ましく、CMP速度の低下防止の点から10g以下が好ましい。
(不動態膜形成剤、不動態膜形成助剤)
本発明の半導体集積回路の銅配線用研磨液は、研磨対象の金属表面に不動態膜を形成する(不動態膜形成剤)、もしくは不動態膜の形成を助ける化合物(不動態膜形成助剤)として、アミノカルボン酸化合物を含有することができる。ここでいうアミノカルボン酸化合物は、前述の本発明の必須成分である式(1)で表される置換基を有しないアミノカルボン酸化合物を指す。
本発明において、不動態膜形成剤もしくは不動態膜形成助剤として用いられる「アミノカルボン酸化合物」は、分子内に少なくとも一つのカルボキシル基と少なくとも一つのアミノ基を有する化合物であって、シラノール基などの式(1)で表される置換基を有しない化合物である。
該化合物のアミノ基の少なくとも1つは2級あるいは3級であることがさらに好ましい。該化合物のとして好ましくは、グリシン、アラニン、バリン、グルタミン酸等のα−アミノ酸、β−アラニン等のβ−アミノ酸、イミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、ヒドロキシエチルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、グリシルグリシン、N−メチルグリシン等が挙げられる。分子内に少なくとも一つのカルボキシル基と少なくとも一つのアミノ基を有する化合物を2種以上含有することが更に好ましく、分子内にカルボキシル基を1つだけ有する化合物と、分子内にカルボキシル基を2個以上有する化合物とを併用することが特に好ましい。これらのアミノカルボン酸化合物には、シラノール基等を有する特定アミノカルボン酸と同様の置換基を導入することができる。
本発明で用いるアミノカルボン酸化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、本発明で用いるアミノカルボン酸化合物は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
本発明において、式(1)で表される置換基を有しないアミノカルボン酸化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の半導体集積回路の銅配線用研磨液(即ち、水または水溶液で希釈する場合は希釈後の半導体集積回路の銅配線用研磨液。)1L中、0.001〜10.0molが好ましく、より好ましくは0.005〜8.5mol、更に好ましくは0.01〜8.0molである。
添加量が上記範囲内であると、研磨速度、ディッシング量のバランスが良好である点で好ましい。
(アミノスルホン酸化合物)
本発明の半導体集積回路の銅配線用研磨液は、分子内に少なくとも一つのアミノ基と少なくとも一つのスルホ基を有する化合物を含有することができる。該化合物としては例えば、アミノメタンスルホン酸、タウリン等が挙げられる。添加する場合はタウリンが好ましい。分子内に少なくとも一つのアミノ基と少なくとも一つのスルホ基を有する化合物の添加量は、0.1重量%以上10重量%以下が好ましく、1重量%以上5重量%以下が更に好ましい。
(4級アルキルアンモニウム化合物)
本発明の半導体集積回路の銅配線用研磨液は4級アルキルアンモニウム化合物を含有することができる。
4級アルキルアンモニウムとしては、水酸化テトラメチルアンモニウム、硝酸テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、硝酸テトラエチルアンモニウム、硝酸ステアリントリメチルアンモニウム等が挙げられ、特に好ましくは水酸化トリメチルアンモニウムである。4級アルキルアンモニウム化合物の含有量としては、好ましくは0.01重量%以上20重量%以下であり、更に好ましくは0.1重量%以上5重量%以下であり、特に好ましくは0.5重量%以上2重量%以下である。
(pH調整剤)
本発明の研磨液は、pH調整、緩衝剤として、無機酸、有機酸、塩基性化合物を適宜使用することができる。
pH調整、緩衝剤として使用される無機酸としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸などが挙げられ、無機酸の中では燐酸、硝酸が好ましい。
有機酸としては、水溶性のものが望ましい。以下の群から選ばれたものがより適している。ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸乳酸、アジピン酸、リンゴ酸、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、又はそれらの混合物等が挙げられる。これらの中ではギ酸、酢酸、グリコール酸が好適である。
塩基性化合物としては、後述する緩衝材において挙げられるアルカリ剤を挙げることができる。
(アルカリ剤/緩衝剤)
本発明のアルカリ剤/研磨液は、必要に応じて、pHの調整剤、pHの変動抑制を目的とした緩衝剤を含有することができる。
アルカリ剤及び緩衝剤としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。
アルカリ剤及び緩衝剤の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)、水酸化アンモニウムなどを挙げることができる。
その中でも、特に好ましいアルカリ剤としては、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ剤及び緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく、0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
(添加剤)
また、本発明の研磨液には、以下の添加剤を用いることが好ましい。
アンモニア;
ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等のアミン;
ジチゾン、クプロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;
ベンズイミダゾール−2−チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−ブトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−オクチルオキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、N−(1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル)−N−(1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)−2−エチルヘキシルアミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸等のアゾール;
ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン、
その他、テトラゾール、キナルジン酸などが挙げられる。
これらの中でも、キトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオール、ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
これら添加剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜0.5molとすることが好ましく0.001mol〜0.2molとすることがより好ましく、0.005mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、添加剤の添加量は、エッチング抑制の点から0.0001mol以上が好ましく、CMP速度低下防止の点から0.5mol以下が好ましい。
本発明においては、研磨面への吸着性や反応性、研磨金属の溶解性、被研磨面の電気化学的性質、化合物官能基の解離状態、液としての安定性などにより、適時化合物種、添加量やpHを設定することが好ましい。
本発明の研磨液のpHは、1〜11であることが好ましい。2〜10であることがより好ましい。
研磨液のpHを上記範囲内とすることにより、分散安定性及び、含有する粒子や化合物の安定性という点で好ましい。
また、本発明において、金属用研磨液のpHは後述する酸やアルカリなどにより適宜調製することができる。
なお、本発明の研磨液は水を含まない形態であってもよい。この場合、pH1〜11である研磨液とは、本発明の研磨液を水に溶かした場合に上記pHを示すものを表す。
なお、研磨液の濃縮液作製時に添加する成分の内、室温での水に対する溶解度が5%未満のものの配合量は、濃縮液を5℃などに冷却した際の析出を防止する点で、室温での水に対する溶解度の2倍以内とすることが好ましく、1.5倍以内とすることがより好ましい。
なお、本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
すなわち、濃縮液または濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。
<化学機械的研磨方法>
本発明の化学機械的研磨方法(以下、「CMP方法」又は「研磨方法」ともいう。)本発明の半導体集積回路の銅配線用研磨液を、被研磨面と接触させ、被研磨面と研磨面を相対運動させて研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう。)を含むことを特徴とする。
本発明の化学機械的研磨方法は、前記特定アミノカルボン酸化合物、酸化剤、及び、シラノール基を有する砥粒を含有する本発明の半導体集積回路の銅配線用研磨液を用いることにより、CMPにおいて研磨速度に優れ、ディッシングを効果的に抑制し、得られた半導体集積回路は表面の平坦性に優れる。
(配線金属原材料)
本発明においては、研磨する対象は、例えばLSI等の半導体における金属配線であり、好ましくは銅金属及び/又は銅合金からなる配線、特に好ましくは銅合金からなる配線であり、このような配線用として本発明の金属用研磨液はとくに有用である。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40重量%以下が好ましく、特には10重量%以下、さらには1重量%以下が好ましく、0.00001〜0.1重量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。なお、前記のように本発明の半導体集積回路に好適に使用しうる金属用研磨液は、LSI等の半導体における金属配線の研磨に好適に用いることができる研磨液であるが、該金属配線の研磨に付随して酸や砥粒等の効果により、シリコン基板や酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂等を一部研磨しうるものであってもよいことは言うまでもない。
(接触圧力)
本発明において、研磨面と被研磨面との接触部分にかかる力を、その接触面積で除した値を接触圧力とする。例えば、径がφ200mmの被研磨面全面をφ600mmの研磨面に400Nの力で押し付けた場合は、接触面積は(0.1)π=3.14・10−2であるので、接触圧力は400/(3.14・10−2)=12,732Paである。
本発明のCMP方法に適用される接触圧力は、1,000〜25,000Paであることが好ましく、2,000〜17,500Paであることがより好ましく、3,500〜14,000Paであることがさらに好ましい。
本発明の研磨液を用いることができる装置としては、特に限定されないが、例えば、Mirra Mesa CMP、Reflexion CMP(アプライドマテリアルズ社製)、FREX200、FREX300((株)荏原製作所製)、NPS3301、NPS2301(ニコン社製)、A−FP−310A、A−FP−210A(東京精密(株)製)、2300TERES(ラムリサーチ社製)、Momentum(SpeedFam−IPEC社製)を好ましい例として挙げることができる。
(研磨条件、その他)
本発明のCMP方法について、さらに説明する。
本発明の研磨工程において、研磨している間、研磨パッドには本発明の金属用研磨液をポンプ等で連続的に供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の半導体基板は、流水中でよく洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
本発明の研磨方法では、希釈する水溶液は、次ぎに述べる水溶液と同じである。
水溶液は、予め金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水で、水溶液中に含有した成分と希釈される研磨液の成分を合計した成分が、研磨液を使用して研磨する際の成分となるようにする。水溶液で希釈して使用する場合は、溶解しにくい成分を水溶液の形で配合することができ、より研磨液を濃縮することができる。
濃縮された研磨液に水又は水溶液を加え希釈する方法としては、例えば、濃縮された研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液を研磨パッドに供給する方法がある。混合は、例えば、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
研磨液の供給速度は10〜1,000ml/minであることが好ましく、50〜500ml/minであることがより好ましい。
また、濃縮された研磨液に水又は水溶液を加え希釈し、研磨する方法としては、例えば、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合する方法を用いることができる。さらに別の濃縮された研磨液の希釈方法としては、1つの容器に、所定量の濃縮された研磨液と水又は水溶液を入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給する方法がある。
本発明の別の研磨方法は、金属用研磨液が含有するべき構成成分を少なくとも2群の構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法である。例えば、金属の酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。
また、溶解度の低い添加剤成分を2つの構成成分(A)と(B)に分け、酸化剤、添加剤及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を研磨パッドに供給する1つの配管に結合してその配管内で混合する方法や、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合する方法が用いられる。
例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水又は水溶液の配管を結合する方法である。その他の混合方法は、例えば、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された半導体集積回路の銅配線用研磨液を供給する方法が挙げられる。上記した研磨方法において、金属の酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、且つ1つの構成成分と他の構成成分又は水若しくは水溶液を加え希釈して使用する際に、混合した後に40℃以下とするようにすることもできる。温度が高いと溶解度が高くなるため、半導体集積回路の銅配線用研磨液における溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
金属の酸化剤を含まない他の成分を室温から100℃の範囲で加温して溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、温度が低下したその成分を用いる場合は、予め加温して析出したものを溶解させる必要がある。これには、加温し溶解した構成成分液を送液する手段と、析出物を含む液を撹拌しておき、送液し配管を加温して溶解させる手段を採用することができる。加温した成分が金属の酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると金属の酸化剤が分解してくる恐れがあるので、加温した構成成分とこの加温した構成成分を冷却する金属の酸化剤を含む1つの構成成分で混合した場合、40℃以下となるようにする。
また本発明においては、半導体集積回路の銅配線用研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と酸を含有する成分とに分割して供給する事が好ましい。また、半導体集積回路の銅配線用研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
(バリア金属)
本発明においては、半導体が銅金属及び/又は銅合金からなる配線を用いている場合、配線と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐためのバリア層を設けることが好ましい。バリア層としては低電気抵抗のメタル材料が好ましく、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WNがより好ましく、Ta、TaNが特に好ましい。
層間絶縁膜としては、低誘電率の絶縁性物質の薄膜が好ましく、好適な絶縁性物質としては比誘電率が3.0以下である物質であり、より好ましくは2.8以下の物質である。好ましい低誘電率物質として具体的には、BlackDiamond(アプライドマテリアルズ社製)、FLARE(Honeywell Electronic Materials社製)、SILK(Dow Chemical社製)、CORAL(Novellus System社製)、LKD(JSR(株)製)及びHSG(日立化成工業(株)製)を挙げることができる。
(パッド)
本発明に用いられる研磨用のパッドは、大きくは無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
(ウエハ)
本発明の半導体集積回路の銅配線用研磨液を用いてCMPを行うウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(シラノール基を表面に有する粒子の調製I)
濃度25重量%のアンモニア水 100重量部
イオン交換水 125重量部
エタノール 230重量部
テトラエトキシシラン 35重量部
上記の成分を反応器に仕込み、この反応器をバススターラーを用い回転速度130rpmで撹拌しながら60℃に昇温させ、反応器の温度を一定に維持しながら撹拌を4時間継続した後、大量のエタノールでクエンチすることにより、コロイダルシリカを含むアルコール分散体を得た。
次いで、セラミックスフィルターを用いて、得られた分散体の溶媒をイオン交換水に置換することにより、コロイダルシリカ粒子が分散する水系分散体(B−1)(固形分濃度が20重量%)を調製した。
この水系分散体(B−1)を構成するコロイダルシリカの平均一次粒子径は34nmであり、平均二次粒子径は48nmであった。
(シラノール基を表面に有する粒子の調製II)
スチレンジビニルベンゼン共重合ポリマー(シード粒子) 2重量部
(JSR製 SX8743)
濃度25重量%のアンモニア水 50重量部
イオン交換水 90重量部
エタノール 75重量部
テトラエトキシシラン 10重量部
上記の成分を反応器に仕込み、この反応器をバススターラーを用い回転速度130rpmで撹拌しながら60℃に昇温させ、反応器の温度を一定に維持しながら撹拌を4時間継続した後、大量のエタノールでクエンチすることにより、スチレンジビニルベンゼン共重合体ポリマーをコア粒子にコロイダルシリカをシェルとするコアシェル粒子を含むアルコール分散体を得た。
次いで、セラミックスフィルターを用いて、得られた分散体の溶媒をイオン交換水に置換することにより、前記コアシェル粒子の水系分散体(B−2)(固形分濃度が20質量%)を調製した。
この水系分散体(B−2)を構成するコアシェル粒子の平均一次粒子径は45nmであり、平均二次粒子径は63nmであった。
この粒子の表面にシラノール基を有することは、IR測定のピーク出現により確認した。
(シラノール基を表面に有する粒子の調製III)
シード粒子としてアクリルポリマー(積水化学製)を用いる以外は水系分散体(B−2)を作製したときと同様の操作を行い、水系分散体(B−3)(固形分濃度15質量%)を調整した。
この水系分散体(B−3)を構成するコアシェル粒子の平均一次粒子径は39nmであり、平均二次粒子径は68nmであった。
この粒子の表面にシラノール基を有することは、IR測定のピーク出現により確認した。
尚、上記の水系分散体(B−1)〜(B−3)において、平均一次粒子径及び平均二次粒子径は以下のように測定した。
平均一次粒子径は、BET法による比表面積値から真球状粒子モデルへ換算したときの粒子径であり、比表面積値は市販の測定装置(島津製作所製、ジェミニV2380)によって測定した。また、平均二次粒子径とは、動的光散乱法によって得られる平均粒子径(D50値)であり、これは市販の粒度分布測定装置(堀場製作所製、LB−500)によって測定した。
(シラノール基もしくはシリル基など式(1)であわされる官能基を分子内に有するアミノカルボン酸化合物の合成)
シラノール基もしくはシリル基を有するアミノカルボン酸化合物は、Liebigs Annalen der Chemie, 2, 145 (1994)、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 8, 51 (1998)、Tetrahedron Ltters, 21, 2689 (1980)、及びJournal of Organometallic Chemistry, 13, 323 (1968)、Journal of Organometallic Chemistry, 9, 251 (1967)、Chemische Berichte, 115, 5, 1694 (1982)、Zhurnal Obschei Khimii, 67, 5, 859 (1997)、Heterocycles, 34, 7, 1365, (1992)およびJournal of Organometallic Chemistry, 247, 351 (1983)、Journal of Physical Chemistry, 95, 15, 5910 (1991)に記載の合成法を組合せることで、合成することができる。
(半導体集積回路の銅配線用研磨液の調製)
前記特定アミノカルボン酸の例示化合物(A−1)〜(A−8)および、前記水系分散体(B−1)〜(B−3)に含まれる表面にシラノール基を有する粒子を含む、本実施例で用いた半導体集積回路の銅配線用研磨液に含まれる成分の内容および配合量を下記表1に示す。pHの調整はアンモニアおよび硝酸で行い、各実施例・比較例とも研磨実験の直前に酸化剤として、過酸化水素水を1重量%添加した。時間の経過につれて凝集が見られた研磨用組成液については、ポリビニルアルコールなど前記した水溶性ポリマーを適宜添加して、分散性を確保した。
(研磨速度および配線部の段差評価)
研磨装置としてラップマスター社製CMP装置「LGP−612」を使用し、下記の条件で、表1に示す半導体集積回路の銅配線用研磨液を供給しながら各ウエハに設けられた膜を研磨した。
基板:銅メッキ膜付き8inchシリコンウエハ
テ−ブル回転数:64rpm
ヘッド回転数:64rpm
研磨圧力:153hPa
研磨パッド:ローム&ハース社製 品番IC−1400
スラリー供給速度:200ml/分
研磨速度の測定:研磨前後の電気抵抗から膜圧を換算した。具体的には、
研磨速度(nm/分)
=(研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の銅膜の厚さ)/研磨時間 で測定した。
電気抵抗は、四探針測定法にて求めた。
段差の測定:触針式の段差測定計を用い、50μm/50μmのL/Sでの段差測定を行った。
評価結果を表1に示す。
Figure 2008021764
表1の記載より、本発明の研磨液を用いることで、研磨速度を大きくすることができ、また、ディッシングの発生量が効果的に抑制されていることがわかる。

Claims (3)

  1. 分子内に下記式(1)で表される置換基を有するアミノカルボン酸、酸化剤、及び、シラノール基を表面に有する粒子を含有することを特徴とする金属用研磨液。
    −SiR(OH)3−m 式(1)
    前記式(1)中、Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、mは0〜3の整数を表す。
  2. 前記シラノール基を表面に有する粒子が、平均一次粒子径が5〜90nmの範囲にあるコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1に記載の金属用研磨液。
  3. 前記分子内に前記式(1)で表される置換基を有するアミノカルボン酸の含有量が0.001〜1.0重量%の範囲にある請求項1に記載の金属用研磨液。
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