JP2008021332A - 出入国管理方法及び出入国管理装置 - Google Patents

出入国管理方法及び出入国管理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 入国者自身ないし出国者自身の真正を客観的に直接確認することを可能にして適切な出入国の管理を実現する。
【解決手段】 各国の出入国管理装置1AA、1BB、1CCにおいて、各出国者の出国時処理と各入国者の入国時処理を行う。出国時処理では、出国時指紋採取装置10が出国者を示す氏名等の出国者情報と当該出国者の指紋を示す指紋情報とを管理情報記憶装置11に記憶する。入国時処理では、入国者を示す氏名等の情報に基づいて入国時指紋照合装置13が通信網2を介して他国の出入国管理装置に当該入国者と同一人であるはずの出国者の指紋情報を照会する。その指紋情報を照会先の出入国管理装置が管理情報記憶装置11から検索して返送し、入国時指紋照合装置13が返送された指紋情報の指紋と当該入国者の指紋との照合を行うことにより、当該入国者が元の出国者と同一人か否かを識別する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、指紋を始めとする皮膚紋理の照合により出国者と入国者を識別して出入国の管理を行うための管理技術に関する。
世界各国における出入国の管理については、国際的に共通のルールがあるわけではなく、各国の判断に委ねられている。このため、各国は、それぞれ独自の法令を定め、出国者と入国者の取締等を実施することによって出入国管理を行っている。日本国では、かかる法令に当たるものとして出入国管理及び難民認定法やその関係法務省令等が制定されており、入国者については、出入国港でパスポートの提示等をさせ、所定の条件に適合しているか否かを入国審査官が審査するものとされ、出国者については、有効なパスポートを所持し、かつ、入国審査官に出国の確認を受けるものとされている。出入国管理に世界共通のルールはないが、このように入国者ないし出国者にパスポートを提示させて特定の係官の判断による審査を行う点は一般に世界共通の取扱として定着している。
ところで、パスポートの提示と特定係官の審査による出入国管理においては、パスポートの偽造ないし変造等による不正な出入国が従来より問題になっている。パスポートの偽造や変造が行われるのは、パスポートが既定の様式で人為的に作成される文書であり、それを携帯していれば入国者ないし出国者の真正(入国ないし出国しようとする者が法令等に適合した正当な入国者ないし出国者か否か)を証明できるためである。また、提示されたパスポートに基づく出入国の審査が特定係官の判断という人為的な処理に頼ったものとなっているので、偽造ないし変造されたパスポートでも審査時に人の目を欺くことさえできれば偽造者等の意図通りに出入国ができてしまう。
このようなことは、入国者ないし出国者の真正証明にパスポートの提示以外の挙証が要求される場合にあっても同様であり、不正な出入国を目論む者は、その挙証に要する証拠物等を偽造して出入国の審査を通過しようとする。すなわち、従来からの各国における出入国管理は、携帯品等に表される人為的に作成された情報に基づく人為的な判断によって行われているのが一般的であり、その携帯品等を所持している当の入国者自身や出国者自身を直接問う審査は行っておらず、そのことが不正な出入国の余地を与えていると言うことができる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、指紋を始めとする皮膚紋理の照合により出国者と入国者を識別し、入国者自身ないし出国者自身の真正を客観的に直接確認することを可能にして適切な出入国の管理を実現する技術を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するため、本発明に係る出入国管理方法は、出入国者の皮膚紋理を採取し、その皮膚紋理と当該出入国者を名乗る後の出入国者の皮膚紋理とを照合して当該後の出入国者が当該出入国者と同一人か否かを識別する。
本発明に係る他の出入国管理方法は、出入国者の皮膚紋理を採取する採取過程と、前記採取過程で採取した皮膚紋理を表す情報を記憶する記憶過程と、前記出入国者を名乗る後の出入国者の皮膚紋理を採取し、前記記憶過程で記憶した情報が表す前記出入国者の皮膚紋理と照合する照合過程とを有する。そして、前記照合過程による照合の結果に基づいて前記後の出入国者が前記出入国者と同一人か否かを識別する。
本発明に係る出入国管理装置は、出入国者の皮膚紋理を採取する採取手段と、前記採取手段により採取された皮膚紋理を表す情報を記憶する記憶手段と、前記出入国者を名乗る後の出入国者の皮膚紋理を採取し、前記記憶手段に記憶された情報が表す前記出入国者の皮膚紋理と照合する照合手段とを有する。そして、前記照合手段による照合の結果に基づいて前記後の出入国者が前記出入国者と同一人か否かを識別する。
特に複数国間の出入国管理装置としての本発明に係る出入国管理装置は、各国において出国者の皮膚紋理を採取する各国の採取手段と、各国において当該各国の前記採取手段により採取された皮膚紋理を表す紋理情報を記憶する各国の記憶手段と、各国において、入国者と同一人であるはずの他国の出国者の皮膚紋理を表す紋理情報を他国の前記記憶手段に対して電気通信回線を通じて照会し、前記入国者の皮膚紋理を採取して照会により得られた紋理情報が表す皮膚紋理と照合する各国の照合処理手段とを有する。そして、前記照合処理手段による照合の結果に基づいて前記入国者が前記他国の出国者と同一人か否かを識別する。
この複数国間の出入国管理装置において、前記記憶手段は、出国者を表記上特定する出国者情報に対応させて当該出国者の皮膚紋理を表す紋理情報を記憶し、前記照合処理手段は、電気通信回線を通じて前記入国者を表記上特定する入国者情報を送信することによって他国の前記記憶手段に対する照会を行うものとし、各国において、他国の前記照合処理手段から送信されてきた入国者情報を受信して前記記憶手段内の出国者情報を検索し、受信した入国者情報と同一人を特定する出国者情報に対応して記憶されている紋理情報を、その他国の前記照合処理手段に電気通信回線を通じて返送する検索返送手段をさらに有することにしてもよい。
特に各国における出入国管理装置としての本発明に係る出入国管理装置は、入国者の皮膚紋理を採取する採取手段と、前記採取手段により採取された皮膚紋理を表す紋理情報を、その皮膚紋理が採取された入国者を表記上特定する入国者情報に対応させて記憶する記憶手段と、出国者が名乗る元の入国者と同一人を特定する入国者情報を前記記憶手段内の入国者情報から検索し、当該出国者の皮膚紋理を採取して検索した入国者情報に対応して記憶されている紋理情報が表す皮膚紋理と照合する照合処理手段とを有する。そして、前記照合処理手段による照合の結果に基づいて当該出国者が前記元の入国者と同一人か否かを識別する。
特に各国における出入国管理装置としての本発明に係る他の出入国管理装置は、出国者の皮膚紋理を採取する採取手段と、前記採取手段により採取された皮膚紋理を表す紋理情報を、その皮膚紋理が採取された出国者を表記上特定する出国者情報に対応させて記憶する記憶手段と、入国者が名乗る元の出国者と同一人を特定する出国者情報を前記記憶手段内の出国者情報から検索し、当該入国者の皮膚紋理を採取して検索した出国者情報に対応して記憶されている紋理情報が表す皮膚紋理と照合する照合処理手段とを有する。そして、前記照合処理手段による照合の結果に基づいて当該入国者が前記元の出国者と同一人か否かを識別する。
<構成>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態による出入国管理システム(複数国間の出入国管理装置)の構成を示した図である。この図に示すように、本出入国管理システムは、AA国、BB国、CC国の出入国管理装置1AA、1BB、1CC及び通信網2を有するものとなっている。
出入国管理装置1AA、1BB、1CCは、それぞれAA国、BB国、CC国の出国者及び入国者を指紋の照合によって管理する装置(各国における出入国管理装置)であり、それぞれが図中に示すように出国時指紋採取装置10、管理情報記憶装置11、通信制御装置12及び入国時指紋照合装置13を有している。通信網2は、各国間(AA国の出入国管理装置1AA、BB国の出入国管理装置1BB及びCC国の出入国管理装置1CCの間)を電気通信回線によって通信可能に接続する通信網であり、例えば、固定通信網、移動通信網、インターネット、衛星通信網、海底ケーブル等によって構成される。
なお、AA国、BB国、CC国は、それぞれ国際法上の地位を承認されている国家である必要はないが、自国の出入国管理を独自に行うこととしている国家であり、各国の出入国管理装置1AA、1BB、1CCは、かかる国家における出入国管理を行う場所で使用される(例えば、日本国にあっては、出入国管理及び難民認定法第2条第8号にいう出入国港等で使用される。)。また、図中に明示してある各国の出入国管理装置は、AA国、BB国及びCC国の3国で使用される出入国管理装置1AA、1BB及び1CCの3つだが、これらと同様の出入国管理装置をいくつ使用するかは任意である(例えば、必要に応じて出入国管理装置の設置数を増やし、さらに他の国でも同様の出入国管理装置を使用することにしてもよい。)。
出入国管理装置1AA、1BB、1CCの出国時指紋採取装置10は、それぞれAA国、BB国、CC国から出国する出国者の指紋を採取し、採取した指紋の情報等に係る各種情報処理を行う装置である。この出国時指紋採取装置10は、氏名等の出国者に関する情報や採取した指紋の情報を管理情報記憶装置11内に書き込むと共に、必要に応じて通信制御装置12へ出力するものとなっており、具体的には図2に示すように指示入力部10a、指紋採取部10b及び採取指紋処理部10cを有する構成となっている。
指示入力部10aは、出国者の指紋を採取するに当たっての所定の指示入力を行う入力手段であり、例えば、所定の操作ボタンやキーボード、マウス等のポインティング・デバイス、スキャナ、集音マイクとその音声認識入力装置等によって構成される。ここにいう所定の指示入力には、出国者の指紋採取を開始する制御入力や出国者に関する情報(例えば、国籍、氏名、性別、生年月日等、出国者を表記上特定する文字や記号等の情報)を入力する情報入力等が含まれ、それらの指示入力を出国手続に関する事務を執る所定の出国係官等が指示入力部10aを操作して行う。指示入力部10aは、その出国係官等による指示入力を受け付けて採取指紋処理部10cに供給する。
指紋採取部10bは、出国者の指紋を採取するための指紋採取手段であり、採取した出国者の指紋を表す情報を採取指紋処理部10cへ供給する。本実施形態では、かかる指紋採取手段の一例として、採取指紋処理部10cと接続されたCCD(Charge Coupled Device)カメラ等で構成される画像読取装置を有する指紋採取部10bを採用し、その画像読取装置によって出国者の指紋を読み取り、読み取った指紋を表す指紋画像データを採取指紋処理部10cへ供給するものとする。指紋採取部10bで採取する指紋の位置や範囲については、出国者の指紋における任意箇所の任意範囲を適宜選ぶことにしてもよいが、指紋の照合によって後に同一人を識別するのに足りる分の指紋が採取されるようにする。
採取指紋処理部10cは、その内部での情報処理や外部との情報授受を司る演算部、ROM等の不揮発性メモリや更新可能に情報を記憶するRAM等の半導体メモリで構成された記憶部、内部での処理や外部との授受に係る各種情報を適宜表示する表示部、及び内部での各動作を制御する制御部等を有する情報処理手段であり、指示入力部10aからの指示入力に基づき、指紋採取部10bの前記画像読取装置による指紋読取動作を制御すると共に、指示入力部10aで入力された出国者に関する情報や指紋採取部10bから供給された指紋画像データ等についての処理を行う。この処理動作により、採取指紋処理部10cは、出国者に関する情報を当該出国者の出国者情報として管理情報記憶装置11内に書き込み、かつ、その出国者情報に対応させて当該出国者の指紋画像データに基づく指紋情報を管理情報記憶装置11内に書き込む。また、採取指紋処理部10cは、それらの出国者情報ないし指紋情報を必要に応じて通信制御装置12へ出力する。
ここで、指紋情報とは、各個人の指紋を表す予め定められた所定形式による指紋の情報であり、同一人の指紋であるか否かを識別するに足りる情報が含まれるものとする。簡易な例としては、指紋採取部10bからの指紋画像データをそのまま出国者の指紋情報として用いることにしてもよい。あるいは、指紋採取部10bの画像読取装置で所定の階調による指紋の画像データを取得すると共に、採取指紋処理部10cでフィルタリング等の画像情報処理を行って指紋の画像を隆部と伏部に2値化することにより、2値化した指紋の画像情報を出国者の指紋情報として用いるようにしてもよい。さらに、かかる画像情報等を利用して採取指紋処理部10cで指紋の特徴点を抽出することとし、各特徴点の種類や位置を出国者の指紋情報として用いるようにしてもよい。
一方、出入国管理装置1AA、1BB、1CCの管理情報記憶装置11は、それぞれ、AA国、BB国、CC国の出国者及び入国者を管理するための管理情報を記憶する記憶手段であり、出国時指紋採取装置10、通信制御装置12及び入国時指紋照合装置13と接続され、それらの接続された各装置による情報の読み書きが可能になっている。ここにいう管理情報には、各出国者を識別して管理するための出国者管理情報と各入国者を識別して管理するための入国者管理情報とが含まれ、管理情報記憶装置11は、それらの管理情報を図3に示すようなファイル構造によって記憶するものとなっている。図3のファイル構造中にも示してあるように、出国者管理情報は、各出国者の出国者情報(図中の“出国者X1情報”、“出国者X2情報”、…)と当該各出国者の指紋情報(図中の“指紋情報FX1”、“指紋情報FX2”、…)によって構成され、これらの情報は、上述した出国時指紋採取装置10の採取指紋処理部10cによって書き込まれる。入国者管理情報は、各入国者の入国者情報(図中の“入国者Y1情報”、“入国者Y2情報”、…)と当該各入国者の指紋情報(図中の“指紋情報FY1”、“指紋情報FY2”、…)によって構成され、これらの情報は、後述する入国時指紋照合装置13の所定の処理部によって書き込まれる。
出入国管理装置1AA、1BB、1CCの通信制御装置12は、それぞれ、通信網2を介する出入国管理装置1AA、1BB、1CCの情報通信を担う通信制御手段であり、外部と情報を授受するための通信インターフェースを有し、その通信インターフェースが専用線や有線ないし無線の通信路等によって通信網2と接続されたものとなっている。この通信制御装置12の情報通信機能により、出国時指紋採取装置10と入国時指紋照合装置13は、それぞれが通信網2を介して他国の出入国管理装置と情報を授受できるようになっている。また、通信制御装置12は、それ自体でも所定の情報処理を行い、例えば、管理情報記憶装置11に記憶された情報を必要に応じて読み出して通信網2を介して送信したり、通信網2を介して受けた情報を必要に応じて管理情報記憶装置11に書き込んだりする処理も行う。
出入国管理装置1AA、1BB、1CCの入国時指紋照合装置13は、それぞれ、AA国、BB国、CC国へ入国する入国者の指紋を採取し、入国者の指紋と当該入国者に対応する指紋情報の指紋とを照合する処理を行う装置である。ここで、当該入国者に対応する指紋情報とは、当該入国者が出国して来たはずの国で出入国管理装置の出国時指紋採取装置10により取得された出国者の指紋情報(当該入国者と同一人であるはずの出国者から採取した指紋を表す指紋情報)である。入国時指紋照合装置13は、かかる指紋情報を氏名等の入国者に関する情報に基づいて照会し、照会の結果取得した指紋情報と採取した指紋の指紋情報(出国者の上記指紋情報と同形式の入国者の指紋情報)とに基づいて指紋の照合処理を行う。この入国時指紋照合装置13は、具体的には図4に示すような構成となっており、指示入力部13a、指紋採取部13b、指紋照合処理部13c及び照合結果出力部13dを有している。
指示入力部13aは、入国者の指紋について照合処理をするに当たっての所定の指示入力を行う入力手段であり、例えば、所定の操作ボタンやキーボード、マウス等のポインティング・デバイス、スキャナ、集音マイクとその音声認識入力装置等によって構成される。ここにいう所定の指示入力には、入国者の指紋採取を開始する制御入力や入国者に関する情報(例えば、国籍、氏名、性別、生年月日等、入国者を表記上特定する文字や記号等の情報)を入力する情報入力等が含まれるが、入国者に関する情報としては、上記出国時指紋採取装置10の指示入力部10aで入力する出国者に関する情報と対応する同項目の情報を入力するようにする。それらの指示入力は、入国手続に関する事務を執る所定の入国係官等が指示入力部13aを操作することによって行い、指示入力部13aは、その入国係官等による指示入力を受け付けて指紋照合処理部13cに供給する。
指紋採取部13bは、入国者の指紋を採取するための指紋採取手段であり、採取した入国者の指紋を表す情報を指紋照合処理部13cへ供給する。本実施形態では、かかる指紋採取手段の一例として、指紋照合処理部13cと接続されたCCDカメラ等で構成される画像読取装置を有する指紋採取部13bを採用し、その画像読取装置によって入国者の指紋を読み取り、読み取った指紋を表す指紋画像データを指紋照合処理部13cへ供給するものとする。ここで、指紋採取部13bにより採取する指紋の位置及び範囲については、上記出国時指紋採取装置10の指紋採取部10bで採取する指紋の位置及び範囲と同一になるようにする。
指紋照合処理部13cは、その内部での情報処理や外部との情報授受を司る演算部、ROM等の不揮発性メモリや更新可能に情報を記憶するRAM等の半導体メモリで構成された記憶部、内部での処理や外部との授受に係る各種情報を適宜表示する表示部、及び内部での各動作を制御する制御部等を有する情報処理手段であり、指示入力部13aからの指示入力に基づき、指紋採取部13bの画像読取装置による指紋読取動作を制御すると共に、指示入力部13aで入力された入国者に関する情報や指紋採取部13bから供給された指紋画像データ等に基づいて指紋の照合処理を行う(詳細は後述)。この照合処理により、入国者の指紋と当該入国者に対応する指紋情報の指紋とが照合され、指紋照合処理部13cは、その照合結果等を示す情報を照合結果出力部13dへ供給する。また、指紋照合処理部13cは、管理情報記憶装置11内の入国者管理情報を書き込む上述の処理部に該当し、必要に応じて入国者に関する情報を当該入国者の入国者情報として管理情報記憶装置11内に書き込み、かつ、その入国者情報に対応させて当該入国者の指紋画像データに基づく指紋情報を管理情報記憶装置11内に書き込む。
照合結果出力部13dは、指紋照合処理部13cから供給される情報に基づいて照合処理の結果等を出力する出力手段であり、例えば、ディスプレイ装置等の表示手段やプリンタ等の印刷出力手段によって構成される。なお、この照合結果出力部13dは、指紋照合処理部13cの上記表示部として兼用することにしてもよい。
<基本動作>
次に、上記構成による本出入国管理システムの基本的な動作について説明する。本出入国管理システムの基本的な動作は、大別して出国者の指紋採取処理を行う出国時処理と入国者の指紋照合処理を行う入国時処理とに分けられる。出国時処理は、出入国管理装置1AA、1BB及び1CCのそれぞれにおいて主に出国時指紋採取装置10により行われ、入国時処理は、出入国管理装置1AA、1BB及び1CCのそれぞれにおいて主に入国時指紋照合装置13により行われる。
(1)出国時処理
図5は、そのうちの出国時処理の手順を示したフローチャートである。出国時処理では、まず、出国手続に関する事務を執る出国係官等が出国時指紋採取装置10の指示入力部10aを操作して出国者に関する情報入力を行う(ステップS1)。出国者に関する情報としては、例えば、国籍、氏名、性別、生年月日等を入力するが、現行の出国手続で出国者がパスポートを所持しているのが通例であるので、出国者にパスポートを提示させ、そのパスポート中の記載等を参照して前記出国係官等が出国者に関する情報入力を行うことにするとよい。入力された出国者に関する情報は、指示入力部10aから採取指紋処理部10cへ供給され、採取指紋処理部10cの記憶部に出国者情報として一時格納される。なお、ここで記憶部に一時格納される出国者情報については、採取指紋処理部10cの表示部等に示して適宜確認できるようにしてもよい。
続いて、情報入力がなされた出国者の指紋を指紋採取部10bの画像読取装置による画像読取領域に位置させると共に、指示入力部10aを操作して指紋採取の開始を指示する制御入力を行う。すると、その制御入力が指示入力部10aから採取指紋処理部10cへ供給されて採取指紋処理部10cが指紋採取部10bの画像読取装置を動作させ、前記画像読取領域に位置する出国者の指紋を読み取る動作が実行される。これにより、当該出国者の指紋を表す指紋画像データが指紋採取部10bから採取指紋処理部10cへと供給され、当該出国者の指紋が採取される(ステップS2)。
指紋画像データを供給された採取指紋処理部10cでは、その指紋画像データに基づき、採取した指紋についての情報処理を行う(ステップS3)。ここでの情報処理は、指紋画像データから当該出国者の指紋を表す指紋情報を取得する処理であり、採取指紋処理部10cが供給された指紋画像データを用いて上述の予め定められた所定形式による指紋情報を生成する。
例えば、指紋画像データをそのまま指紋情報とする場合では、採取指紋処理部10cは、供給された指紋画像データ自体についての処理は行わず、必要に応じて外部との授受に適した画像ファイル等の所定形式に指紋画像データをまとめて指紋情報を生成する。隆部と伏部の2値で表した指紋の画像情報を指紋情報とする場合では、採取指紋処理部10cは、供給された指紋画像データに対して適宜必要な画像情報処理を行い、2値化した指紋の画像情報を指紋情報として生成する。指紋の特徴点を指紋情報とする場合では、採取指紋処理部10cは、指紋画像データが表す指紋から特徴点を抽出し(指紋画像データが表す指紋中の隆部と伏部によって特徴点を判別したり、あるいは、各種特徴点(を表す画像)をマザーウェーブレットとした指紋画像のウェーブレット変換を行ったりすることにより、特徴点を抽出し)、抽出した各特徴点の種類や位置等をまとめて指紋情報を生成する。
そして、採取指紋処理部10cにより生成された指紋情報等は、管理情報記憶装置11に出国者管理情報として記憶される(ステップS4)。すなわち、採取指紋処理部10cは、記憶部に格納してある出国者情報を当該出国者の出国者情報として管理情報記憶装置11に書き込むと共に、その出国者情報に対応する指紋情報として当該出国者の指紋画像データから生成した指紋情報を管理情報記憶装置11に書き込む。なお、ここでの書込動作や上述した指紋の採取動作については、それらの動作が正常に完了したかどうかを採取指紋処理部10cの表示部等に示して適宜確認できるようにしてもよい。
これにより、当該出国者についての出国時処理は終了し、以後、他の出国者についても上記同様に出国時処理を行う。AA国、BB国、CC国においては、各出国者を表記上特定する出国者情報と各出国者の指紋を表す指紋情報とが以上のようにして管理情報記憶装置11に記憶され、各出国者を識別管理する出国者管理情報が確保される。
(2)入国時処理
一方、入国時処理は、上記出国時処理で確保された出国者管理情報を利用して行われる。図6は、その手順を示したフローチャートである。入国時処理では、まず、入国手続に関する事務を執る入国係官等が入国時指紋照合装置13の指示入力部13aを操作して入国者に関する情報入力を行う(ステップS10)。入国者に関する情報としては、上述した出国者に関する情報入力で入力することとした情報に対応する同項目の情報を入力する。具体的には、上記出国者に関する情報入力の場合同様、入国者にパスポートを提示させ、そのパスポートの記載等を参照して前記入国係官等が入国者の国籍、氏名、性別、生年月日等を入力することにより、対応する同項目の入国者に関する情報入力を行うようにするとよい。入力された入国者に関する情報は、指示入力部13aから指紋照合処理部13cへ供給され、指紋照合処理部13cの記憶部に入国者情報として一時格納される。なお、ここで記憶部に一時格納される入国者情報については、指紋照合処理部13cの表示部等に示して適宜確認できるようにしてもよい。
次に、情報入力がなされた入国者について、指紋照合処理部13cが当該入国者に対応する指紋情報を照会する(ステップS11)。当該入国者に対応する指紋情報は、上述したように当該入国者が出国して来たはずの国で出入国管理装置の出国時指紋採取装置10により取得された出国者の指紋情報(当該入国者と同一人であるはずの出国者から採取した指紋を表す指紋情報)であり、その国の出入国管理装置において上述の出国時処理により当該入国者の入国者情報と同一人を示す出国者情報に対応して管理情報記憶装置11に記憶されている。そこで、指紋照合処理部13cは、記憶部に格納した当該入国者の入国者情報を照会キーとして通信制御装置12へ供給し、通信網2を介して他国の出入国管理装置へ送信することによって当該入国者に対応する指紋情報を照会する。
この照会においては、通信トラヒック量や演算処理量の軽減という観点からすれば、当該入国者が出国して来たはずの国を特定し、その国の出入国管理装置だけに指紋情報を照会することにするのが望ましい。すなわち、当該入国者のパスポートや出国手続書類等に基づいて当該入国者が出国して来たはずの国を特定し、その特定した国の出入国管理装置を指定するアドレス等を指示入力部13aから入力して指紋照合処理部13cに供給する。これにより、指紋照合処理部13cが通信制御装置12に対して照会キーの送信先を指定し、当該入国者の入国者情報が通信制御装置12から通信網2を介して前記特定した国の出入国管理装置だけに送信されるようにする。一方、当該入国者が出国して来たはずの国を客観的に特定できない場合等には、指示入力部13aから照会キーの送信先を適宜指定し、必要に応じて選定した国の出入国管理装置へ通信制御装置12が当該入国者の入国者情報を送信するようにしてもよい。あるいは、指示入力部13aからは照会キーの具体的な送信先を指定せず、すべての国の出入国管理装置へ通信制御装置12が当該入国者の入国者情報を送信するようにしてもよい。
そして、当該入国者の入国者情報を送信された他国の出入国管理装置においては、その入国者情報を通信制御装置12が受信し、受信した入国者情報に一致する出国者情報(当該入国者の入国者情報が示す人物と同一人を示す出国者情報)を管理情報記憶装置11に記憶されている出国者情報から検索する。この検索の結果、一致する出国者情報があったときは、通信制御装置12は、その出国者情報に対応して記憶されている指紋情報を読み出し、読み出した指紋情報を照会結果として照会元の出入国管理装置(入国者情報を送信してきた出入国管理装置)へ返送する。これに対し、一致する出国者情報がなかったときは、通信制御装置12は、当該入国者に対応する指紋情報に該当する指紋情報がない旨を照会結果として照会元の出入国管理装置へ返送する。
このようにして返送された照会結果は、通信網2を介して照会元の出入国管理装置における通信制御装置12で受信され、当該入国者に対応する指紋情報を照会した指紋照合処理部13cに供給される。すると指紋照合処理部13cは、供給された照会結果に基づき、当該入国者に対応する指紋情報があるか否かによって以後の処理を判断する(ステップS12)。今、照会先とした他国の出入国管理装置における管理情報記憶装置11に対応する指紋情報があり、その指紋情報が照会結果として通信網2及び通信制御装置12を介して指紋照合処理部13cに供給されたとすると、指紋照合処理部13cは、当該入国者についての入国時処理を指紋の採取へと進める(ステップS12での判断結果が“YES”となり、ステップS13へ進む。)。具体的には、指紋照合処理部13cは、供給された指紋情報を記憶部に一時格納すると共に、表示部での所定の表示等によって当該入国者に対応する指紋情報があった旨を前記入国係官等に知らせ、指紋採取の開始指示を待ち受ける待機状態になる。
その後、当該入国者の指紋を指紋採取部13bの画像読取装置による画像読取領域に位置させると共に、指示入力部13aを操作して指紋採取の開始を指示する制御入力を行う。すると、その制御入力が指示入力部13aから指紋照合処理部13cへ供給されて指紋照合処理部13cが指紋採取部13bの画像読取装置を動作させ、前記画像読取領域に位置する当該入国者の指紋を読み取る動作が実行される。これにより、当該入国者の指紋を表す指紋画像データが指紋採取部13bから指紋照合処理部13cへと供給され、当該入国者の指紋が採取される(ステップS13)。
指紋画像データを供給された指紋照合処理部13cでは、その指紋画像データと記憶部に格納してある照会結果の指紋情報とを用い、採取した指紋と対応する指紋情報の指紋との照合処理を行う(ステップS14)。この照合処理では、まず、上記出国時処理における採取指紋処理部10cでの指紋情報生成と同様の処理を行うことにより、指紋採取部13bから供給された指紋画像データを用いて上述の予め定められた所定形式による指紋情報を生成する。そして、生成した指紋情報と対応する指紋情報とに基づき、採取した指紋と対応する指紋情報の指紋とを照合し、それらの双方の指紋が同一か否か(すなわち、当該入国者の指紋が同一人であるはずの出国者の指紋と同一か否か)を判定する。例えば、指紋の画像情報を指紋情報としている場合では、生成した指紋情報の画像と対応する指紋情報の画像とについて各画像中の画素値を用いた相関演算を行い、結果として得られた相関値が一定値(2つの指紋画像を同一とみなすに足りる相関値。指紋画像の形態や情報量、読取の精度等に応じて予め適宜定める。)以上であれば双方の指紋を同一と判定し、一定値以上でなければ双方の指紋を同一でないものと判定する。あるいは、指紋の特徴点を指紋情報としている場合では、双方の指紋情報中の対応する各特徴点の種類や位置が一致するか否かによって双方の指紋が同一か否かを判定する。
このようにして採取した指紋と対応する指紋情報の指紋との照合処理が行われると、その照合結果を示す情報が指紋照合処理部13cから照合結果出力部13dへ供給され、照合結果出力部13dにおいて供給された情報に応じた照合結果出力がなされる(ステップS15)。これにより、採取した指紋と対応する指紋情報の指紋とが同一と判定された場合には、当該入国者の指紋が当該入国者と同一人であるはずの出国者の指紋と同一である旨がディスプレイ装置の表示やプリンタの印刷出力等によって示される。一方、採取した指紋と対応する指紋情報の指紋とが同一でないと判定された場合には、当該入国者の指紋が当該入国者と同一人であるはずの出国者の指紋と同一でない旨が同様の表示や印刷出力等によって示される。これらの照合結果出力により、当該入国者が正当な入国者か否か(元の対応する出国者と同一人か否か)が前記入国係官等に知らされ、入国時処理は終了する。
入国時処理では、以上のようにして入国者の指紋照合処理が行われ、入国者の指紋が他国の出国者(他国で出国時処理を行った対応する元の出国者)の指紋と一致するか否かの照合結果が示される。そして、指紋というものは、忘れることも落とすこともなく各個人が常時携帯している身体の一部であり、各個人自身を直接識別証明できる世界で唯一の個人識別情報である。したがって、かかる指紋の照合をする上述した指紋照合処理は、入国者自身が元の出国者自身と同一人であるか否かを直接識別していることになり、その照合結果によれば、入国者自身ないし出国者自身の真正(人物としての入国者自身が正当な入国者か否か、あるいは、人物としての他国の出国者自身が正当な出国者であったか否か)を客観的に直接確認することができる。
なお、上述した指紋情報の照会(ステップS11)において、照会先とした他国の出入国管理装置の管理情報記憶装置11に対応する指紋情報がなく、その旨が照会結果として通信網2及び通信制御装置12を介して指紋照合処理部13cに供給された場合には、指紋照合処理部13cが入国時処理を結果出力へと進める(ステップS12での判断結果が“NO”となり、ステップS16へ進む。)。この場合の結果出力においては、指紋照合処理部13dが表示部ないし照合結果出力部13dを制御して当該入国者に対応する指紋情報がない旨の表示等を行い、そのまま(上述した指紋の採取以下の処理(ステップS13〜ステップS15)を行わずに)入国時処理を終了する。対応する指紋情報がないということは、入力した当該入国者に関する情報に誤りがある可能性があり、あるいは、当該入国者が不正入国をしようとしている者である可能性もあることになる。
(3)動作例
AA国、BB国、CC国においては、上記出国時処理で確保した出国者管理情報を利用し、出入国管理装置1AA、1BB、1CCが互いに通信網2を介して各入国者に対応する指紋情報を照会しつつ、各入国者について上記入国時処理を行う。例えば、X1なる者がAA国から出国しようとしたとすると、出入国管理装置1AAにおいて、出国者X1に関する情報“出国者X1情報”が指示入力部10aから入力され(図5のステップS1)、指紋採取部10bによってX1の指紋が採取される(ステップS2)。これにより、採取された指紋の指紋画像データから採取指紋処理部10cが指紋情報を生成し(ステップS3)、その指紋情報が“指紋情報FX1”であったとすると、図3中の出国者管理情報における第1段目に示すように、出入国管理装置1AAの管理情報記憶装置11内に出国者情報“出国者X1情報”及び指紋情報“指紋情報FX1”が記憶される(ステップS4)。
このようにX1本人について出入国管理装置1AAでの出国時処理がなされた後に、X1本人が自身のパスポート等により上記出国者X1を名乗って(その者であることを主張し、あるいは、パスポート等の携帯品によって示して)BB国に入国しようとしたとすると、出入国管理装置1BBにおいて、入国者X1に関する情報が指示入力部13aから入力され(図6のステップS10)、入力された情報を照会キーとして入国者X1に対応する指紋情報の照会がなされる(ステップS11)。すなわち、まず、入力された入国者X1に関する情報が入国者情報として出入国管理装置1BBの指紋照合処理部13c及び通信制御装置12により通信網2を介して出入国管理装置1AAに送信され、次いで、その入国者情報を受信した出入国管理装置1AAの通信制御装置12により管理情報記憶装置11内の一致する出国者情報が検索される(あるいは、必要に応じて他の出入国管理装置にも入国者X1の入国者情報が送信され、それらの出入国管理装置においても同様に一致する出国者情報が検索される。)。今、入国者X1は、上記出国者X1を名乗ってBB国に入国しようとしているので、出入国管理装置1BBの指示入力部13aで入力され、照会キーである入国者情報として送信される入国者X1に関する情報は、上記“出国者X1情報”と一致する。したがって、出入国管理装置1AAでは、その入国者情報を受信した通信制御装置12が“出国者X1情報”に対応して管理情報記憶装置11に記憶されている“指紋情報FX1”を読み出し、照会結果として出入国管理装置1BBへ返送する。
これにより、出入国管理装置1BBでは、通信制御装置12を介して指紋照合処理部13cが“指紋情報FX1”を受け、入国者X1に対応する指紋情報があるとして指紋採取部13bにより入国者X1の指紋が採取される(ステップS12及びステップS13)。そして、指紋照合処理部13cにおいて、採取された指紋の指紋画像データから指紋情報が生成され、その生成された指紋情報と“指紋情報FX1”とに基づいて指紋の照合がなされる(ステップS14)。このとき採取される指紋は、X1本人である入国者X1の指紋なので、指紋照合処理部13cで生成される指紋情報は、同じくX1本人の指紋を採取して生成された“指紋情報FX1”と同一の指紋を表す。したがって、指紋採取部13bで採取された指紋と“指紋情報FX1”の指紋は同一と判定され、X1が入国しようとしているBB国の出入国管理装置1BBにおいては、X1の指紋が出入国管理装置1AA(X1が出国して来た国の出入国管理装置)で採取された出国者X1の指紋と同一である旨が照合結果として示される(ステップS15)。
一方、X1本人について出入国管理装置1AAでの出国時処理が上記同様になされた後に、X1以外の者が偽造パスポート等により上記出国者X1を名乗ってCC国に(不正に)入国しようとしたとすると、出入国管理装置1CCにおいては、入国者X1に関する情報が指示入力部13aから入力され(ステップS10)、入力された情報を照会キーとして入国者X1に対応する指紋情報の照会がなされる(ステップS11)。ここでの入国者X1は、X1本人ではないが、上記出国者X1を名乗ってCC国に入国しようとしているので、入力される入国者X1に関する情報が上記“出国者X1情報”と一致することになり、照会結果としては上記同様に“指紋情報FX1”が出入国管理装置1AAから出入国管理装置1CCへ返送されることになる。
これにより、出入国管理装置1CCでは、上記同様に“指紋情報FX1”が指紋照合処理部13cに供給されて指紋採取部13bにより入国者X1の指紋が採取されるが(ステップS12及びステップS13)、入国者X1はX1本人ではないので、上記出国者X1の指紋とは異なる指紋が採取される。このため、指紋照合処理部13cにおいては、上記出国者X1の指紋とは異なる指紋の指紋画像データから指紋情報が生成され、その生成された指紋情報と上記出国者X1の指紋を表す“指紋情報FX1”とに基づいて指紋の照合がなされる(ステップS14)。したがって、指紋採取部13bで採取された指紋と“指紋情報FX1”の指紋は同一でないと判定され、CC国の出入国管理装置1CCにおいては、上記出国者X1を名乗る者の指紋が出入国管理装置1AA(X1本人が出国して来た国の出入国管理装置)で採取された出国者X1の指紋と同一でない旨が照合結果として示される(ステップS15)。
以上のように、本出入国管理システムでは、パスポート等に表された国籍、氏名、性別、生年月日等の出入国者(出国者ないし入国者)を表記上特定する文字や記号等の情報が指紋情報を照会するための照会キーとして利用され、各出国者と各入国者が同一人か否かは指紋の一致ないし不一致によって判定される。すなわち、出入国者の携帯品等に表される人為的に作成された情報の異同によって出入国者が識別されるのではなく、各個人自身の識別情報である指紋の異同によって出入国者が識別される。これにより、各国において入国者自身ないし出国者自身の真正が客観的に直接確認され、入国者自身や出国者自身を直接問う出入国者の識別管理が可能となり、複数国間での適切な出入国管理が実現されることになる。
<他の出入国管理形態>
(1)入国者管理情報による入国者の識別管理
上述した<基本動作>においては、管理情報記憶装置11に入国者管理情報を記憶することとしていないが、これは、入国者管理情報が上述の出国時処理と入国時処理だけを行うに当たっては必要な情報でないためである。入国者管理情報を記憶する場合には、上記入国時処理において指紋照合処理部13cが記憶部に一時格納した入国者情報と指紋画像データから生成した指紋情報を管理情報記憶装置11内に書き込むことにすればよいが、入国者管理情報は、各入国者を識別管理するための情報であることから、特に、各国において一旦入国した各入国者を識別管理するのに利用することができる。
すなわち、ある入国者が入国した後に、その入国者を名乗る者が再び出国しようとする場合に入国者管理情報を利用することができる。その場合においては、出国しようとする者について上記同様に出国時処理を行う(あるいは、上記出国時処理における指紋情報を取得するまでの処理を行う)と共に、取得した指紋情報と入国者管理情報中にある元の入国者の指紋情報とに基づいて上記指紋照合処理と同様に指紋の照合を行う。これにより、元の入国者を名乗って出国しようとする者が実際に元の入国者と同一人か否かを確認することができる。
例えば、AA国の出入国管理装置1AAで入国時処理の時に入国者管理情報を記憶することとした場合には、入国者Y1がAA国に入国すると、その入国時処理の時に入国者Y1の入国者情報“入国者Y1情報”及び指紋情報“指紋情報FY1”が図3中第1段目の入国者管理情報に示すように出入国管理装置1AAの管理情報記憶装置11内に記憶される。そして、後にY1と名乗る者がAA国から出国しようとするときには、Y1に関する情報に基づいて管理情報記憶装置11内の入国者情報から“入国者Y1情報”を検索すると共に、その者の指紋を採取し、採取した指紋の指紋情報と“入国者Y1情報”に対応して記憶されている“指紋情報FY1”とに基づいて上記指紋照合処理同様に指紋の照合を行う。これにより、出入国管理装置1AAにおいては、Y1を名乗って出国しようとする者が実際に元の入国者Y1と同一人か否かが識別され、出国しようとする者と元の入国者Y1が同一人か否かを照合結果によって確認できることになる。
(2)出入国管理装置単独での各国における出入国管理
上記出入国管理装置は、それぞれ、一国において一旦出国した者や一旦入国した者を管理するために単独でも利用することができる。先の(1)入国者管理情報の利用は、上述した出入国管理システムにおいて同時に実施できる出入国管理形態であるが、一国において一旦入国した者を単独の出入国管理装置によって管理する形態でもある。これに対し、一国において一旦出国した者を単独の出入国管理装置によって管理する形態は、一旦出国した者を名乗って入国しようとする者が実際に元の出国者と同一人か否かを確認する形態であり、上記同様に出国時処理を行って管理情報記憶装置11に記憶される出国者管理情報を利用する(なお、この形態も上述した出入国管理システムにおいて同時に実施することが可能である。)。
すなわち、各出国者について上記同様に出国時処理を行うこととし、入国しようとする者については、その者に関する情報を入国時指紋照合装置13の指示入力部13aから入力して指紋照合処理部13cへ供給し、一致する出国者情報(その入国しようとする者が名乗る元の出国者の出国者情報)を指紋照合処理部13cが管理情報記憶装置11内の出国者情報から検索することにする。そして、検索の結果得られた出国者情報に対応して記憶されている指紋情報を指紋照合処理部13cが読み出して記憶部に一時格納し、入国時処理における指紋の採取以下の処理(ステップS13〜ステップS15の処理)を上記同様に行う。このようにすれば、その入国しようとする者の指紋が元の出国者の指紋と同一であるか否かが照合結果として示されることになるので、一旦出国した者を名乗って入国しようとする者が実際に元の出国者と同一人か否かを確認することができる。
例えば、かかる出入国管理をAA国の出入国管理装置1AAで行うこととした場合において、出国者X2がAA国から出国したとすると、その出国時処理の時に出国者X2の出国者情報“出国者X2情報”及び指紋情報“指紋情報FX2”が図3中第2段目の出国者管理情報に示すように出入国管理装置1AAの管理情報記憶装置11内に記憶される。そして、後にX2と名乗る者がAA国に入国しようとするときには、X2に関する情報に基づいて管理情報記憶装置11内の出国者情報から“出国者X2情報”を検索すると共に、その者の指紋を採取し、採取した指紋の指紋情報と“出国者X2情報”に対応して記憶されている“指紋情報FX2”とに基づいて上記指紋照合処理同様に指紋の照合を行う。これにより、出入国管理装置1AAにおいては、X2を名乗って入国しようとする者が実際に元の出国者X2と同一人か否かが識別され、入国しようとする者と元の出国者X2が同一人か否かを照合結果によって確認できることになる。
(3)不正な出国者等の識別管理
上述した出入国管理システムにおいて、正当な出入国をする者は、入国時処理で対応する元の出国者と同一人と識別されるが、他人を名乗って不正な出国をした者があった場合、その者の指紋情報は、後に当該他人本人についての入国時処理が行われる時に対応する指紋情報として照会される。この場合、当該他人が正当な出入国をしていれば、対応する指紋情報が複数照会され、そのうちの1つの指紋が当該他人の指紋と一致することになる。したがって、一致しなかった他の指紋は、当該他人を名乗った不正な出国者の指紋ということになり、それらの指紋の指紋情報は、不正な出国者を特定する手懸りとして利用できる。例えば、それ以降に採取される指紋の指紋情報との比較等を行うことにより、以前に他人を名乗って不正な出国をした者を識別することもできる。
また、出国時処理の時に、指示入力部10aから入力した出国者に関する情報と一致する情報を管理情報記憶装置11の出国者情報中から検索したり、他国の出入国管理装置に照会したり(他国の管理情報記憶装置11の出国者情報中ないし入国者情報中から検索したり)してもよい。このようにすれば、当該出国者が既に出国しているはずの者や他国に入国しているはずの者等を名乗っているか否かを判定することができ、不正な出入国者の特定に供することができる(当該出国者が他人を名乗っている場合には当該出国者が不正な出国者となり、当該出国者が自身を正当に名乗っている場合には以前の出入国者が不正な出入国者となる。)。
(4)不正な入国者等の識別管理
上記入国時処理における指紋情報の照会では、入国者が出国して来たはずの国を客観的に特定できない場合等について、必要に応じて選定した国の出入国管理装置へ入国者情報を送信したり、すべての国の出入国管理装置へ入国者情報を送信したりする例を挙げたが、これによって不正な入国者の真意を探ることもできる。例えば、いずれかの国の出入国管理装置における管理情報記憶装置11に対応する出国者情報があった場合、その国と入国者が出国して来たと主張する国とが異なるときは、当該入国者が不正入国をしようとしている可能性があることになる。
また、入国者情報を特定の国の出入国管理装置に送信し、あるいは、必要に応じて選定した国の出入国管理装置に送信すると、対応する指紋情報がないことが分かったり、同一人であるはずの出国者とは別人であることが照合結果から分かったりする場合があり得る。このような場合においては、当該入国者の入国者情報を送信していない他のすべての国の出入国管理装置に対して当該入国者の指紋情報を送信し、その指紋情報の指紋と一致する指紋が過去に採取した指紋中にあるか否かを各国の出入国管理装置において検索する(管理情報記憶装置11に記憶してある指紋情報との順次照合により検索する)ことにしてもよい。これにより、一致する指紋があれば、その指紋があった出入国管理装置の国から当該入国者が来たことが分かる。
<応用、変形等の例>
(1)出国者管理情報の取扱
上述した<動作>においては、出国者管理情報を出国者が出国する国の出入国管理装置において管理情報記憶装置11内に記憶し、その記憶された出国者管理情報を入国者が入国する国の出入国管理装置側から照会することとしたが、出国者が出国後に入国する入国先国を特定できる場合には、その入国先国の出入国管理装置に予め出国者情報と指紋情報を送信しておくことにしてもよい。
すなわち、出国時処理において、採取指紋処理部10cが出国者の指紋画像データから取得した指紋情報を当該出国者の出国者情報と共に通信制御装置12へ出力し、それらの送信先として当該出国者の入国先国の出入国管理装置を指定する。これにより、当該出国者の出国者情報と指紋情報を通信制御装置12から通信網2を介して入国先国の出入国管理装置へ送信し、それらの情報を入国先国の出入国管理装置で入国予定者情報及びその指紋情報(入国予定者管理情報)として管理情報記憶装置11に記憶することにする。
そして、入国時処理においては、入国者に対応する指紋情報を他国の出入国管理装置に照会するのではなく、入国者に関する情報と一致する入国予定者情報を管理情報記憶装置11から検索することにする。これにより、一致する入国予定者情報があったときは、その入国予定者情報に対応する指紋情報を用いて上記同様に指紋の照合処理等を行い、一致する情報がなかったときは、上記同様に対応する指紋情報がない旨の結果出力をする。
このように、入国先国の出入国管理装置に予め出国者情報と指紋情報を送信しておき、それらの情報を入国先国側で記憶しておいて入国時処理の時に検索することにすれば、通信網2を介する他国との通信を入国時処理の時には行わないことになる。したがって、各入国者の入国時処理に要する時間が短縮され、多数の入国者についての入国時処理も迅速に行うことができる。
(2)出入国管理装置の数
出入国管理装置の数は上述したように任意である。上記出入国管理システムのように、通信網を介する複数国間の出入国管理システムを構築する場合においては、少なくとも2つ以上であれば任意の数の出入国管理装置を設置することとしてよい。また、上記出入国管理システムでは、各国毎に一つの出入国管理装置を使用するものとしたが、このような形態に限らず、各国で必要に応じた任意の数の出入国管理装置を使用することにしてもよい(例えば、各国におけるそれぞれの出入国場所等にそれぞれ上記同様の出入国管理装置を設置してもよい。)。さらに、各国に上記同様の出入国管理装置を複数設置する場合には、他国の出入国管理装置との間で出国者管理情報を照会するのみならず、他国の出入国管理装置と各国内の出入国管理装置のすべての間を通信可能に接続し、すべての出入国管理装置の間で出国者管理情報を交換(照会ないし授受)することにしてもよく、必要に応じて入国者管理情報も交換することにしてもよい。
(3)指紋情報に指紋の特徴点を利用する場合
指紋情報としては、上述したように指紋の特徴点の種類や位置を用いることもできる。指紋の特徴点としては、図7に示すような特徴点を利用することができ、図7中の各特徴点の意味内容は次の通りである。
1) 開始点:時計回りの方向を基準として隆線が現れ始めている端点
2) 終止点:時計回りの方向を基準として隆線が終止している端点
3) 分岐点:時計回りの方向を基準として隆線が1本から2本に分岐している 位置の点
4) 接合点:時計回りの方向を基準として隆線が2本から1本に接合している 位置の点
5) 点 :隆線外にある孤立単独の隆点
6) 短線 :短い隆線(を表す点)
7) 島形線:分岐した隆線がもとの隆線に接合して形成されている島形紋様( を表す点)
8) 損傷 :永久的損傷の傷跡(を表す点)
なお、6) 短線、7) 島形線及び8) 損傷を特定位置の特徴点として取り扱うには、例えば、それぞれの中点、中心点若しくは重心点又は周囲との境界点等を適宜用いることにすればよい。
上記8種類の特徴点は、各人の指紋を始めとする皮膚紋理(身体紋様)において固有の位置に存在し、その分布及び配置又は組合せを照合することによって極めて精度の高い個人識別を行うことができる。人間の一つの指紋には、上記8種類の特徴点を合計すると平均100点程度の特徴点があり、10個の指紋(10本の指)があれば特徴点が1点は合致するといわれている。したがって、例えば特徴点が12点合致するためには、1012=1兆本の指が必要なので、これを人間一人当たりの指の本数10で除すると1000億人となる。すなわち、1000億人の人間がいなければ12点の特徴点がすべて合致する別人は存在せず、この1000億人という人数は現在の世界の人口約65億人に対して遥かに多いので、同一人か否かを識別するには12点の特徴点照合で十分といえる(なお、このように指紋照合用の特徴点を12点で足りるとする理論は、犯罪捜査等における分野では既に確立されている確率論であり、日本国の警察は勿論、米国の連邦捜査局(FBI(Federal Bureau of Investigation))等、世界の警察の多くが12点の特徴点照合による手法(12点合致法)を人物特定に採用している。)。
また、上記8種類の特徴点を用いる場合には、特徴点の少ない者であっても指紋の中央部分1cmの範囲から十分に12点以上の特徴点を抽出できることが発明者の実験精査によって明らかとなっている。ここで、指紋の中央部分1cmとは、爪の生え際における横方向中点の指紋側(爪の反対側)における対応点を中心とした面積1cm分の領域である。このような認識に基づき、少なくとも12点の特徴点(同一人識別に理論上必要とされる個数分の特徴点)が含まれる指紋部位及びその必要面積としては、指紋の中央部分1cmという狭い面積の小領域を採用することができる。
以上のことから、上記出国時指紋採取装置10の指紋採取部10b、入国時指紋照合装置13の指紋採取部13bとしては、それぞれ(例えば示指等の)指紋の中央部分1cmを読み取る画像読取装置等を利用し、それによって得られる指紋画像データから採取指紋処理部10c、指紋照合処理部13cがそれぞれ12点以上の特徴点を抽出することにしてもよい。そして、抽出した各特徴点の種類と位置を上記指紋情報とし、管理情報記憶装置11に書き込んだり指紋照合処理で利用したりすることにする。
この場合、指紋照合処理では、採取した指紋の指紋情報と対応する指紋情報とに基づき、双方の指紋情報中にある各特徴点の種類と位置を比較し、双方の指紋の類似度(特徴点分布の類似度合い)を評価する。具体的には、採取した指紋の指紋情報中にある各種特徴点に相当する特徴点が対応する指紋情報中にあるか否かを判断し、双方の指紋情報に共通して含まれる同一種類の特徴点の存在数やそれら同一種類の特徴点間の位置関係(近さ)等から双方の指紋の類似度合いを算出する。
例えば、対応する指紋情報中にある特徴点と同一種類の特徴点が採取した指紋の指紋情報中にあるか否かを判断し、対応する指紋情報中にある特徴点位置と採取した指紋の指紋情報中にある同一種類の特徴点位置との距離(指紋採取領域における位置の差)を計算する。そして、対応する指紋情報と採取した指紋の指紋情報との双方に共通する同一種類の特徴点が(少なくとも)12点あり、かつ、それら12点それぞれの対応する指紋情報における位置と採取した指紋の指紋情報における位置との距離が一定値以下である場合には、採取した指紋と対応する指紋情報の指紋とが同一であるものと判定する。これに対し、双方に共通する同一種類の特徴点が12点に満たない場合や前記距離が前記一定値を超えている場合には、採取した指紋と対応する指紋情報の指紋とが同一でないものと判定する(なお、前記一定値は、同一の特徴点とみなし得る特徴点位置の誤差として予め定めておく。)。
上記出入国管理システムの各出入国管理装置においては、このようにして採取する指紋の位置と範囲を指紋の中央部分の一定領域(同一人識別に必要な特徴点が含まれる部分)に予め定め、その一定領域から抽出した指紋の特徴点を指紋情報として用いることによっても指紋照合処理を行うことができる。特に、12点程度の特徴点の種類と位置を指紋情報として利用する場合には、指紋情報の情報量は(画像情報等に比べて)比較的少なくなるが、個人識別に必要な数の特徴点を確保しつつ照合処理がなされることになるので、演算処理量を減らして処理時間を短縮することができ、かつ、必要な数を確保された特徴点により精確な指紋の照合を行うこともできる。また、各出入国管理装置間で交換する指紋情報の情報量が少なくて済むので、指紋情報の照会を迅速に行うことができ、通信網2における通信トラヒック量を低減することもできる。
(4)指紋以外の皮膚紋理の利用
個人識別情報として利用できる指紋は、各人について両手の指にある10個の指紋であるが、指紋同様に個人識別情報として利用できる皮膚紋理は他にもある。例えば、手掌部紋様の各部位にある皮膚紋理や足裏紋様の各部位にある皮膚紋理も指紋同様に個人識別情報として利用することができる。手掌部紋様の各部位としては、左右各手各指の末節部(指紋)、拇指を除く左右各手各指の中節部、左右各手各指の基節部、左右各手の示指基底部、左右各手の中指基底部、左右各手の環指基底部、左右各手の小指基底部、左右各手の小指球部、及び左右各手の拇指球部がある。また、足裏紋様の各部位としては、左右各足の第二趾、第三趾、第四趾、第五趾及び第一趾(母趾)、左右各足の第二趾間紋、第三趾間紋、第四趾間紋、第五趾間紋及び第一趾間紋、左右各足の母趾球部、左右各足の三叉線、左右各足の小趾球部、左右各足の踵骨紋、並びに左右各足の踵部がある。
指紋は、これらの皮膚紋理を代表する一例であり、指紋以外の各種皮膚紋理も個人識別情報として利用することができる。したがって、上述したように指紋情報を用いる場合同様、任意の皮膚紋理を採取し、各個人の当該皮膚紋理を表す予め定められた所定形式による紋理の情報を生成することとし、その紋理の情報に基づく当該皮膚紋理の照合によって上記同様に出入国者の識別管理を行うことができる。
さらに、複数の皮膚紋理を採取し、それらの情報を出入国者の識別に利用することにしてもよい。この場合、複数の皮膚紋理の組合せやその採取順序等も併せて出入国者を識別するための情報として利用してもよく、それによってより厳密な識別を行うようにすることもできる。
すなわち、上述した出入国管理システムや各出入国管理装置においては、指紋を始めとする(単一又は複数の)各種皮膚紋理の照合によって出国者と入国者を識別し、複数国間の出入国管理や各国における出入国管理を行うことができる。
(5)その他
1) 上記出国者情報と上記入国者情報は、必ずしも完全に同一の項目で構成される情報でなくてもよく、同一人を示す情報か否かを識別できる程度に互いに対応する項目の情報を含んでいればよい。また、必ずしも国籍や氏名等の情報を含むものでなくてもよく、例えば、各出国者ないし各入国者に数字や記号からなる文字情報等の識別コードを予め割り当て、その識別コードを当該各出国者の出国者情報ないし当該各入国者の入国者情報として用いるものとしてもよい。
2) 上記出国者管理情報や上記入国者管理情報としては、年、月、日、時、分、秒等の各出国者の出国時や各入国者の入国時を含めることにしてもよい。このようにすれば、各出入国者の入国時と出国時の先後や間隔等も出入国者の識別管理で適宜利用できることになる。
3) 上記出入国管理装置では、指紋採取部10bと指紋採取部13bの構成が同様になっているが、それらの構成は必ずしも同様でなくてもよい。指紋採取部10bと指紋採取部13bの構成が異なるものであったとしても、指紋採取部10b、指紋採取部13bによって採取されるそれぞれの指紋に基づき、採取指紋処理部10cと指紋照合処理部13で同形式の指紋情報が生成されるようにすればよい。
4) 上記出国時指紋採取装置10、通信制御装置12、入国時指紋照合装置13は、それぞれ、上述した出国時処理や入国時処理等の動作を実行させるためのプログラムを読み込ませたコンピュータ(外部との通信機能を有するコンピュータ)等によって実現することができる。また、上記管理情報記憶装置11は、それらのコンピュータに内蔵されたハードディスク等の内部記憶装置や各コンピュータに周辺機器として接続された外部記憶装置等によって構成してもよい。さらに、上記出入国管理装置は、出国時指紋採取装置10、管理記憶装置11、通信制御装置12及び入国時指紋照合装置13という複数の装置を有するものとしたが、それら複数の装置による上述の処理動作を実行させるためのプログラムを読み込ませた単一のコンピュータ(外部との通信機能を有するコンピュータ)により単一の装置として構成することにしてもよい。
以上説明したように本発明によれば、出入国者の皮膚紋理を採取し、その皮膚紋理と当該出入国者を名乗る後の出入国者の皮膚紋理とを照合して当該後の出入国者が当該出入国者と同一人か否かを識別することとしたので、各個人が身体の一部として常時携帯している各個人自身の識別情報である指紋を始めとする皮膚紋理の照合によって出国者と入国者が識別される。したがって、入国者自身ないし出国者自身の真正を客観的に直接確認することが可能となり、適切な出入国の管理を実現することができる。
特に、複数国間の出入国管理では、各国において採取した出国者の皮膚紋理を表す紋理情報を記憶手段に記憶すると共に、各国において、入国者と同一人であるはずの他国の出国者の紋理情報を他国の前記記憶手段に対して電気通信回線を通じて照会し、前記入国者の皮膚紋理を採取して照会により得られた紋理情報が表す皮膚紋理と照合することにより、前記入国者が前記他国の出国者と同一人か否かを識別することとしたので、各個人自身の識別情報である皮膚紋理の異同によって各国の出入国者が識別される。これにより、各国において入国者自身ないし出国者自身の真正が客観的に直接確認され、入国者自身や出国者自身を直接問う出入国者の識別管理が可能となり、複数国間での適切な出入国管理を実現することができる。
一方、各国における出入国管理では、採取した入国者の皮膚紋理を表す紋理情報を、その皮膚紋理が採取された入国者を表記上特定する入国者情報に対応させて記憶手段に記憶すると共に、出国者が名乗る元の入国者と同一人を特定する入国者情報を前記記憶手段内の入国者情報から検索し、当該出国者の皮膚紋理を採取して検索した入国者情報に対応して記憶されている紋理情報が表す皮膚紋理と照合することとしたので、当該出国者自身が前記元の入国者自身と同一人か否かが客観的に直接識別される。これにより、一旦入国した元の入国者を名乗って出国しようとする者が実際に元の入国者と同一人か否かを的確に確認することができる。
また、採取した出国者の皮膚紋理を表す紋理情報を、その皮膚紋理が採取された出国者を表記上特定する出国者情報に対応させて記憶手段に記憶すると共に、入国者が名乗る元の出国者と同一人を特定する出国者情報を前記記憶手段内の出国者情報から検索し、当該入国者の皮膚紋理を採取して検索した出国者情報に対応して記憶されている紋理情報が表す皮膚紋理と照合することとしたので、当該入国者自身が前記元の出国者自身と同一人か否かが客観的に直接識別される。これにより、一旦出国した元の出国者を名乗って入国しようとする者が実際に元の出国者と同一人か否かを的確に確認することができる。
本発明の一実施形態による出入国管理システムの構成を示した図である。 同出入国管理システムの各出入国管理装置における出国時指紋採取装置10の具体的な構成を示した図である。 同出入国管理システムの各出入国管理装置における管理情報記憶装置11内の記憶ファイル構造を示した図である。 同出入国管理システムの各出入国管理装置における入国時指紋照合装置13の具体的な構成を示した図である。 同出入国管理システムによる出国時処理の手順を示したフローチャートである。 同出入国管理システムによる入国時処理の手順を示したフローチャートである。 同出入国管理システムで用いる指紋情報として利用可能な指紋の特徴点を例示した図である。
符号の説明
1AA、1BB、1CC 出入国管理装置
2 通信網
10 出国時指紋採取装置
10b 指紋採取部
10c 採取指紋処理部
11 管理情報記憶装置
12 通信制御装置
13 入国時指紋照合装置
13b 指紋採取部
13c 指紋照合処理部

Claims (1)

  1. 出国側の国において出国者の皮膚紋理を採取する皮膚紋理採取手段と、
    入国先国の出入国管理装置に予め出国者情報と皮膚紋理情報を送信する手段と、
    出国者情報と皮膚紋理情報を入国先国側で記憶する手段と、
    入国先国側において入国者の皮膚紋理を採取する入国先国側の皮膚紋理採取手段と、
    入国先国側において、予め受信した出国者情報と指紋情報を入国者の同情報と照合する照合処理手段とを備えることを特徴とする出入国管理装置。
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