JP2008020846A - 配向膜の形成方法、液晶光学素子および光ヘッド装置 - Google Patents
配向膜の形成方法、液晶光学素子および光ヘッド装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008020846A JP2008020846A JP2006194680A JP2006194680A JP2008020846A JP 2008020846 A JP2008020846 A JP 2008020846A JP 2006194680 A JP2006194680 A JP 2006194680A JP 2006194680 A JP2006194680 A JP 2006194680A JP 2008020846 A JP2008020846 A JP 2008020846A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alignment film
- liquid crystal
- ion beam
- alignment
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Optical Head (AREA)
Abstract
【課題】無機材料を用いて配向安定性のよい配向膜を形成する方法を提供する。また、光学特性と信頼性に優れた液晶光学素子および光ヘッド装置を提供する。
【解決手段】有機基を有する無機材料と溶剤とを含む配向膜組成物を基板の上に塗布した後、この配向膜組成物に対して熱処理を行って溶剤を除去する。次いで、配向膜組成物に対して、斜めにイオンビームを照射することにより、有機基の一部を除去し、膜表面に対して傾斜した空孔を有する多孔質の配向膜を形成する。溶剤を除去する工程は、大気中において200℃以下の温度で行われることが好ましい。また、イオンビームを照射する工程は、300℃以下の温度で行われることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】有機基を有する無機材料と溶剤とを含む配向膜組成物を基板の上に塗布した後、この配向膜組成物に対して熱処理を行って溶剤を除去する。次いで、配向膜組成物に対して、斜めにイオンビームを照射することにより、有機基の一部を除去し、膜表面に対して傾斜した空孔を有する多孔質の配向膜を形成する。溶剤を除去する工程は、大気中において200℃以下の温度で行われることが好ましい。また、イオンビームを照射する工程は、300℃以下の温度で行われることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、配向膜の形成方法、液晶光学素子および光ヘッド装置に関する。
CD(compact disk)およびDVD(digital versatile disk)などの光ディスクの表面には、ビットと呼ばれる凹凸が設けられている。光ヘッド装置では、光ディスクにレーザ光を照射し、その反射光を検出することによって、ビットに記録された情報を読み取ることができる。
光ヘッド装置としては、従来より、ビームスプリッタによって光ディスクからの反射光を検出部へ導くものが知られている。この方式によれば、半導体レーザから出射された光は、ビームスプリッタ、コリメータ、収差補正素子、波長板および対物レンズなどを透過した後、光ディスクに集光される。そして、光ディスクで反射された光は、再び対物レンズや液晶レンズ素子などを透過して、ビームスプリッタで反射された後、検出器に入射する。ここで、液晶レンズ素子は、光ディスクに設けられたカバー層の厚みに起因して発生する球面収差を補正する手段として用いられる。
ところで、液晶レンズ素子などの液晶光学素子は、液晶層の初期配向状態並びに電圧印加時の動作状態および配向状態などによって、いくつかのモードに分類される。
例えば、TN(Twisted Nematic;以下、TNと称す。)モードは、誘電率異方性が正である液晶分子を用い、これを基板に対して概ね水平に配向させるとともに、上下の基板間で90度捩れた状態となるようにしたものである。また、垂直配向(Vertical Alignment;以下、VAと称す。)モードは、誘電率異方性が負である液晶分子を用い、これを基板に対して概ね垂直に配向させたものである。
VAモードでは、一対の基板間に挟持された液晶層に対して、基板面に形成された電極を介して電圧を印加すると、液晶の配向が変化して、液晶層が電界に対して垂直、すなわち、液晶の配向方向が基板と平行になる。液晶レンズ素子の場合、電圧を印加することで液晶層の実質的な屈折率を変えて、焦点距離を変化させることができる。
このような液晶光学素子においては、電圧印加時の液晶の動作方向が均一となるようにするため、液晶層を挟持するそれぞれの基板の上に配向膜が形成され、この配向膜に対して配向処理が施されている。
配向膜は、ポリイミドなどの有機材料を適当な溶剤に溶解し、これをスピンコート法などで基板の上に塗布した後に熱処理を行うことによって形成される。
また、配向処理の方法としては、従来よりラビング法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。ラビング法は、ナイロンやレーヨンなどのラビング布で配向膜の表面を一方向に擦ることによって、その方向に液晶分子を配向させるものである。例えば、金属製で円柱状のラビングローラの表面にラビング布を巻きつけて固定し、配向膜の上でラビングローラを移動させながら、適当な速度でラビングローラを回転させて、配向膜の表面をラビング布が擦るようにする。こうしたラビングのメカニズムは、ラビングによって形成された配向膜表面の溝に液晶分子が嵌まり込むことによると考えられている。また、ラビングによって、液晶分子を一方向に配向させるような静電気的な力が配向膜に付与されることによるとも考えられている。
しかし、ラビング法による配向処理では、配向膜の表面をラビング布が擦るので、次のような問題が生じる。すなわち、(1)ラビング布から塵埃が発生しやすいこと、(2)ラビングの際の静電気によって素子が破壊したり、配向膜の配向規制力が低下したりすること、(3)ラビング布の損傷などによって部分的に配向不良が起こり、配向ムラが発生しやすいこと、(4)配向方向の制御や、プレチルト角の選択的な制御が困難であること、(5)配向膜全体に渡って均一な配向特性を付与するのが困難であることなどである。さらに、ラビング布の先端が届かない微細な段差(凹凸)を有する配向膜表面に対して、配向処理を施すことが難しいという問題もあった。
また、有機材料は、光や熱などによって分解しやすいため、配向膜材料として用いた場合には、次のような問題があった。
一般に、有機材料は、短波長(例えば、波長450nm以下)の光を吸収して、分解反応などを起こす。このため、有機材料からなる配向膜では、光ヘッド装置の光源から出射される短波長の光によって劣化が起こりやすい。配向膜が劣化すると、液晶分子の配向不良が起こるため、液晶光学素子の光学特性が低下する。特に、近年では、記録密度を高めるために、青色の波長の光(波長390nm〜430nm)を出力可能な半導体レーザを光源とする光ヘッド装置の開発が進められている。このような光源を用いた場合には、配向膜の劣化による信頼性の低下が顕著となる。
そこで、有機材料をラビングした配向膜に代えて、無機材料の斜め蒸着法や斜めスパッタ法による配向膜により液晶分子を配向させる方法が提案されている。例えば、特許文献2には、基板に対して斜めにスパッタ粒子を入射させて、無機材料からなる配向膜を形成する方法が記載されている。しかしながら、斜めスパッタ法の場合、スパッタ粒子の無駄が多く、入射角度を精度よく制御することが困難であった。また、斜め蒸着法では、斜め入射角の精度を確保するために、蒸発原と基板との距離を大きくとらなければならず、装置が大型化しやすいという問題があった。また、装着できる基板の枚数が限られる上に、通常はバッチ処理となることから、タクト時間が長くて生産性が低いという問題もあった。
一方、従来より、イオンビームを用いた配向処理方法も知られている。例えば、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜に対して、アルゴンイオンを含むイオンビームを照射すると、ポリイミド膜に対してラビング処理を施した場合と同等の配向規制力が得られる。また、この方法によれば、プレチルト角を良好に制御することもできる。
しかし、DLC膜は、可視光の短波長域(波長500nm以下)で吸収が大きくなるので、レーザ光を光源とする光ヘッド装置、特に、青色やこれより短波長の光を光源とする光ヘッド装置などには適さない。一方、DLC膜に代えてシリコン酸化膜を用いると、上記の問題は解消されるものの、液晶分子に対する配向規制力が低下して、プレチルト角の安定性が不十分となりやすいという問題があった。
また、高密度のシリコン酸化膜に代えて、無機多孔質膜を用いることも提案されている。例えば、特許文献3には、多孔質シリカ材料の前駆体溶液を塗布した後、熱処理を行うことによって、多孔質のシリコン酸化膜を形成して垂直配向膜を得ることが記載されている。しかし、多孔質膜を形成しただけでは、電圧を印加したときの液晶分子の動作方向を一定にすることができないという問題があった。すなわち、空孔は多孔質膜の表面に対して略垂直に形成されるので、電圧を印加して液晶分子が水平方向に向かって向きを変える際、液晶分子の向く方向が揃わないという問題があった。
電圧を印加したときに、液晶分子の動作方向を揃えるようにするには、液晶の初期配向状態を基板に対して傾斜させておくのがよい。つまり、電圧を印加していない状態において、液晶分子の長軸が、基板に垂直な方向に対してプレチルト角を持って傾斜しているようにすればよい。
特許文献4には、多孔質膜に対してイオンビームを照射することにより、空孔を斜めに傾斜させる方法が開示されている。しかし、この方法によっても、液晶分子の配向安定性を十分なものとするまでには至っていない。例えば、光ヘッド装置では、小さな面積に強いレーザ光が入射するため、装置内部での温度上昇を考えて、液晶光学素子には85℃程度の耐熱性が必要とされる。しかしながら、特許文献4に記載の方法を用いて作製された液晶光学素子では、高温で液晶分子の配向不良が起こりやすいという問題があった。すななわち、温度が上昇した場合、液晶があたかも電圧駆動されたようにスイッチング動作をしてしまうという温度不安定性の問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、無機材料を用いて配向安定性のよい配向膜を形成する方法を提供することにある。
また、本発明は、光学特性と信頼性に優れた液晶光学素子および光ヘッド装置を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、有機基を有する無機材料と溶剤とを含む配向膜組成物を基板の上に塗布する工程と、
前記配向膜組成物に対して熱処理を行い前記溶剤を除去する工程と、
前記熱処理後の配向膜組成物に対して、斜めにイオンビームまたはプラズマビームを照射することにより、前記有機基の一部を除去して、膜表面に対し傾斜した空孔を有する多孔質の配向膜を形成する工程とを有する配向膜の形成方法に関する。
前記配向膜組成物に対して熱処理を行い前記溶剤を除去する工程と、
前記熱処理後の配向膜組成物に対して、斜めにイオンビームまたはプラズマビームを照射することにより、前記有機基の一部を除去して、膜表面に対し傾斜した空孔を有する多孔質の配向膜を形成する工程とを有する配向膜の形成方法に関する。
本発明の第1の態様において、前記溶剤を除去する工程は、大気中において200℃以下の温度で行われることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記イオンビームまたは前記プラズマビームを照射する工程は、300℃以下の温度で行われることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記イオンビームまたは前記プラズマビームの照射は、酸素を含むガスを用いて行われることが好ましい。
本発明の第1の態様では、前記イオンビームまたは前記プラズマビームを照射した後に、さらに熱処理を行って前記無機材料の重合を進めることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記有機基を有する無機材料は、金属アルコキシドの重合物とすることができる。
前記金属アルコキシドの重合物は、ポリオルガノシロキサンとすることができる。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様によって形成された配向膜を備えた液晶光学素子に関する。この場合、前記配向膜は垂直配向性を有することが好ましい。
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様の液晶光学素子を有する光ヘッド装置に関する。
本発明の第1の態様によれば、有機基を有する無機材料と溶剤とを含む配向膜組成物を用いるので、耐光性に優れた配向膜とすることができる。また、溶剤を除去するための熱処理後の配向膜組成物に対して、斜めにイオンビームまたはプラズマビームを照射することにより、有機基の一部を除去して、膜表面に対し傾斜した空孔を形成するので、配向安定性のよい配向膜を形成することができる。さらに、膜中には有機基が残存するので、疎水性を有する配向膜とすることもできる。
本発明の第2の態様によれば、光学特性と信頼性に優れた液晶光学素子とすることができる。
本発明の第3の態様によれば、光学特性と信頼性に優れた光ヘッド装置とすることができる。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における配向膜の形成方法を示すフローチャートである。また、図2および図3は、配向膜の形成方法を説明する基板の断面図である。尚、図2および図3において、同じ符号を付した部分は同じものであることを示している。
図1は、本実施の形態における配向膜の形成方法を示すフローチャートである。また、図2および図3は、配向膜の形成方法を説明する基板の断面図である。尚、図2および図3において、同じ符号を付した部分は同じものであることを示している。
まず、電極層2が形成された基板1を準備する(ステップ1)。
基板1としては、可視光に対する透過率が高い材料からなる透明基板を用いることができる。具体的には、アルカリガラス、無アルカリガラスおよび石英ガラスなどの無機ガラスの他に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコール、および、ポリフッ化ビニルなどのフッ素含有ポリマーなどの透明材料からなる基板が挙げられる。
電極層2には、透明な導電性材料を用いることができる。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2またはZnOなどを電極材料として用いることができる。但し、本実施の形態においては、電極層2はなくてもよい。
次に、図2に示すように、電極層2が設けられた基板1の上に、配向膜組成物3を塗布する(ステップ2)。配向膜組成物3は、有機基を有する無機材料と溶剤とを含むものとする。
尚、本発明では、通常の液晶光学素子で使用されるように、基板1と電極層2との間に、絶縁層や遮光層などを設けることができる。また、電極層2と配向膜組成物3との間に、絶縁層や遮光層などを設けることもできる。さらに、基板1の電極層2が設けられる側とは反対側の面に、無反射層などを設けることも可能である。
有機基を有する無機材料としては、例えば、一般式SiR1R2R3R4で表されるオルガノシロキサン類の縮合により得られた重合物を挙げることができる。ここで、R1,R2,R3およびR4の内の1つないし4つは、それぞれ独立に(a)水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基およびアシルオキシ基よりなる群から選ばれものとすることができる。また、残りは、(b)水素原子、アルキル基、アリール基およびアルケニル基、並びに、一部の水素原子がハロゲン原子、芳香族基、脂環基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基またはアミノ基で置換されたアルキル基よりなる群から選ばれるものとすることができる。この場合、オルガノシロキサンは、1種類のみであってもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
例えば、シリコンアルコキシド、水および触媒を溶剤に溶かし、シリコンアルコキシドを加水分解して縮合させる。得られた溶液をpH7前後に中和した後、適当な固形分濃度に調整することにより、配向膜組成物3とすることができる。これを、スピンコート法または印刷法などによって、基板1の上に塗布すると、ポリオルガノシロキサンの薄膜が得られる。ポリオルガノシロキサンは、有機基を有する無機材料であって、多孔質シリカの前駆体である。
シリコンアルコキシドとしては、例えば、一般式Si(OR)4で表されるアルコキシシランを挙げることができる。ここで、Rはアルキル基であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシランなどが挙げられる。これらは単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
触媒は、酸およびアルカリのいずれを用いてもよい。
酸触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸およびホウ酸などの無機酸、並びに、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酸およびトリクロロ酢酸などの有機酸を挙げることができる。これらの酸触媒は単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
アルカリ触媒としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムなどの無機塩基を挙げることができる。また、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジメタノールアミン、ジエタノールアミンおよびジプロパノールアミンなどのアルカノールアミン類、メトキシメチルアミン、メトキシエチルアミン、メトキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン、エトキシメチルアミン、エトキシエチルアミン、エトキシプロピルアミンおよびエトキシブチルアミンなどのアルコキシアルキルアミン類、並びに、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリブチルアミンなどのアルキルアミン類などの有機塩基を挙げることもできる。これらのアルカリ触媒は単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
溶剤としては、アルコール系、ケトン系、アミド系またはエステル系などを用いることができる。これらの溶剤は単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールn−ブタノール、イソブタノールs−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどを挙げることができる。これらは単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンなどを挙げることができる。これらは単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
アミド系溶剤としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジンおよびN−アセチルピロリジンなどを挙げることができる。これらは単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
エステル系溶剤としては、例えば、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プリピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピオン酸メチルおよびプロピオン酸エチルなどを挙げることができる。これらは単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本実施の形態において、有機基を有する無機材料の原料として、一般式Si(OR)4で表されるアルコキシシランを用いた場合には、これにさらに一般式SiR5 n(OR6)4−nで表されるアルキルアルコキシシランを加えることが好ましい。ここで、R5はアルキル基、アリール基またはアルケニル基であり、R6はアルキル基である。これにより、多孔質膜の疎水性が高められるので、膜中に水分が浸入するのを効果的に抑制できるようになる。
上記のアルキルアルコキシシランの例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、メチルエチルジメチルシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシランおよびエチルフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。この内で、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランおよびジメチルジエトキシシランが好ましく用いられる。これらは単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、アルキルアルコキシシランの他にも、ヘキサメチルジシラン、ヘキサメチルジシラザンまたはヘキサメチルジシロキサンなどが好ましく用いられる。これらは単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、アルコキシシランと組み合わせて用いてもよい。
尚、本実施の形態においては、配向膜組成物3が界面活性剤を含むことができる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤にいずれをも用いることができる。
次に、基板1上に塗布された配向膜組成物3に対して第1の熱処理(プリベーク)を行う(ステップ3)。
第1の熱処理は、配向膜組成物3中の溶剤を除去することを目的としている。配向膜組成物3がポリオルガノシロキサンを含む場合には、第1の熱処理の過程で、シリコンの重合が一部進行する。しかし、シリコン原子に結合している有機基は、分解したり、揮発したりしないことが好ましい。第1の熱処理の温度は、有機基や溶剤の種類に応じて適宜設定することができるが、通常は70℃〜200℃の範囲で行われる。
一例として、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、水および硝酸を、エタノールと酢酸ブチルの混合溶媒に溶解し、得られた配向膜組成物を透明基板上に塗布した。この配向膜組成物に対して、大気中で温度を変えて熱処理を行った後に、FT−IRスペクトルの測定を行った。加熱前、100℃で20分間加熱、150℃で20分間加熱および200℃で20分間加熱のサンプルでは、それぞれ2,900cm−1付近にアルキル基に起因すると思われる吸収が確認された。尚、これらのサンプルにおいて、上記吸収の強度に大きな相違は見られなかった。これに対して、250℃で20分間加熱、300℃で20分間加熱および350℃で20分間加熱のサンプルでは、2,900cm−1付近の吸収はいずれも消失していた。
FT−IRスペクトルの測定結果から、配向膜組成物に対して、200℃以下の温度で第1の熱処理を行えば、有機基を残存させた状態で溶剤を除去できることが分かった。このことは、イオンビーム照射前の膜が、実質的には多孔質膜となっていないことを示している。ここで、「実質的には」としているのは、イオンビーム照射前の第1の熱処理によって、溶剤が除去されるとともに有機基の一部に分解が生じることがあり、それによって、膜の一部に多孔質化が起こることもあるためである。以下では、説明の都合上、イオンビーム照射前の膜を非多孔質膜と表現する。非多孔質膜は、この後に行うイオンビームの照射によって、実質的な多孔質膜となる。
一方、上記結果から、250℃以上の温度で所定時間の熱処理を行えば、膜中から有機基がほとんど完全に除去されてしまうと考えられる。したがって、イオンビームを照射する前に、250℃以上の高温で焼成処理を行った場合には、イオンビームの照射は多孔質膜に対して行われることになる。特許文献4のような従来法は、この場合に該当する。
次に、第1の熱処理後の配向膜組成物3に対してイオンビームを照射する(ステップ4)。このとき、イオンビームは、基板1に対して傾斜した状態で入射するようにする。このようにすることによって、図3に示すように、膜表面に対して所定の角度で傾斜した空孔5を有する配向膜4を形成することができる。以下、この工程について、さらに詳しく説明する。
イオンビームの照射は、例えば、図4に示すイオンビーム照射装置を用いて行うことができる。
図4において、イオンビームの照射が行われるチャンバ11の中には、基板ホルダ12が設けられている。基板ホルダ12には、基板13がセットされる。ここで、基板13には、非多孔質膜(図示せず)が形成されている。尚、非多孔質膜は、ステップ3で第1の熱処理が行われた後の配向膜組成物に対応する。
チャンバ11には、イオンガン14が装着され、排気口17を通じて真空ポンプ(図示せず)により所定の圧力まで排気される。また、イオンガン14には、ガス導入口15が設けられている。イオンガン14内で生成したイオンは、電極系16に電圧を印加することにより、加速され且つ方向が揃えられてイオンビームとなる。本実施の形態においては、イオンビームが基板13に対して、水平面から所定の角度θで入射するように、基板ホルダ12の位置を調整する。角度θは、所望とするプレチルト角に応じて適宜設定される。例えば、イオンビームが入射する角度θを5度〜50度とすることにより、液晶配向のプレチルト角を、基板13の法線方向から0.1度から20度の間で変化させることができる。尚、イオンビームの照射時間は、配向膜組成物の種類や膜厚、プレチルト角の値などによって適宜設定される。イオンガンとしては、大口径のイオンビームを形成できるKaufmann型、高周波型、または、ECR(electron cyclotron resonance)型などを用いることができるが、本発明で酸素ガスを用いる場合には、熱フィラメントを有しない高周波型やECR型を用いることが好ましい。また、基板13の表面でのチャージアップによって、イオンガンの動作が不安定化するのを防ぐために、中和用電子銃(Neutralizer)18が用いられる。
例えば、基板13を基板ホルダ12にセットし、基板ホルダ12の位置、すなわち、角度θを調整する。次いで、チャンバ11内の空気を排気口17から排出して、0.001Pa以下まで減圧する。次に、ガス導入口15を通じて、イオンガン14内に酸素とアルゴンの混合ガスを導入する。この酸素とアルゴンの混合比は、50体積%:50堆積%〜95体積%:5体積%程度であればよく、例えば、酸素:アルゴン=80体積%:20体積%とすることができる。
導入したガスの圧力が0.05Pa〜0.1Pa程度になったら放電させて、イオンビームを生じさせる。電極系16に印加する加速電圧は、100V〜1,000Vとすることが好ましい。基板ホルダ12の内部は水冷されているので、イオンビームの照射によって昇温しても、通常は200℃以内程度に保たれており、長時間照射の場合でも300℃を超えることはない。
基板13上の非多孔質膜にイオンビームが照射されると、イオンの衝突によって、非多孔質膜内のシリコンと有機基の結合が切れ、非多孔質膜内から有機基が除去される。このとき、イオン種として酸素イオンビームを用いると、アルゴンイオンの場合に比べて、有機成分が選択的且つ効率的に除去される。有機基が抜け出た後には空孔5が形成されるので、非多孔質膜を多孔質膜にすることができる。例えば、配向膜組成物3がポリオルガノシロキサンを含む場合には、イオンビームの照射によって多孔質シリカ膜を得ることができる。ここで、イオンビームは、基板13に対して所定の角度θで入射するので、空孔5は、多孔質膜の表面に対して傾いた状態で形成される。
このように、本発明においては、イオンビームの照射により、非多孔質膜内から有機基を除去して空孔を形成している。また、このとき、非多孔質膜に対して斜めにイオンビームを入射することにより、膜の表面に対して傾いた空孔が形成されるようにしている。つまり、本発明では、非多孔質膜に傾斜した空孔を形成して多孔質膜とする点を特徴の1つとしている。
これに対して、特許文献4は、多孔質膜を形成してから、この多孔質膜にイオンビームを照射して、空孔が斜めになるよう加工するものである。したがって、本発明と特許文献4に記載の方法とは、明確に異なっている。また、これらは、イオンビームの照射時間でも相違する。例えば、同じ条件で生成したイオンビームを用いて、1度〜2度のプレチルト角にしようとする場合、特許文献4の方法では、イオンビームを5秒間〜1分間程度照射すれば十分と考えられる。一方、本発明では、多孔質膜形成のための長時間の熱処理は不要だが、膜表面に対して傾斜した空孔を有する多孔質の配向膜を形成するために、イオンビームの照射時間は4分間〜5分間程度と長くなる。このため、本発明の方法では、特許文献4の方法に比較して、イオンビーム照射時における温度は高いものとなる。
上記のような違いから、本発明によれば、特許文献4に比較して、より高い配向規制力を有する配向膜を得ることができる。次に、本発明によって形成された配向膜の配向規制力について述べる。
一例として、まず、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、水および硝酸を、エタノールと酢酸ブチルの混合溶媒に溶解し、得られた配向膜組成物を、スピンコート法を用いて透明基板の上に塗布した。次いで、この配向膜組成物に対して、電気炉を用いて、大気中で第1の熱処理を120℃で20分間行った。その後、酸素とアルゴンの混合ガスを用いて、イオンビームの照射を行った。酸素とアルゴンの割合は、酸素:アルゴン=80体積%:20体積%とした。また、印加電圧は350Vとし、照射時間は240秒とした。さらに、イオンビームが透明基板に対して、水平面から10度の角度で入射するようにした。この場合、イオンビーム照射時における基板温度は、250℃程度まで上昇していると推定された。尚、この実施例では、100mm口径のECRイオンガンを中和用電子銃を用いずに使用した。
次に、上記のように作製した配向膜付きの透明基板を2枚重ね合わせ、シール材を介して貼り合わせた。このとき、配向膜が形成された面が互いに内側を向くようにするとともに、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておいた。次いで、真空注入法により、開口部を通じて、2枚の透明基板の間に液晶を注入した。
次に、得られた液晶セルに対して、偏光子と検光子を互いにパラレルニコルとなるように貼り合わせた。また、このとき、液晶セルは、その光軸がパラレルニコルの偏光子と検光子を透過する直線偏光の方向に対して45度となるようにした。
また、比較例として、上記と同じ配向膜組成物を、スピンコート法を用いて透明基板の上に塗布した。次いで、この配向膜組成物に対して、電気炉を用いて、大気中で120℃・20分間の熱処理を行い、さらに、400℃で60分間の熱処理を行った。次に、得られた多孔質膜に対して、アルゴンイオン100体積%のガスを用いて、照射時間を5秒とした以外は上記と同様のイオンビーム照射を行った。この場合、イオンビーム照射時における基板温度は100℃以下と推定された。その後、上記と同様にして、液晶セルを作製した。
図5は、上記の液晶セルに対して、電圧を印加しない状態で、温度による透過率の変化を測定した結果である。この図から明らかであるように、比較例では、温度が55℃以上になると、液晶セルの透過率の変化が顕著となる。これは、液晶分子が初期状態である垂直配向状態を保持できなくなって配向変化を起こし、液晶層にリタデーションが発生してしまうためである。一方、本発明では、透過率に比較例のような大きな変化は認められない。これは、液晶層が等方相となる130℃付近まで、垂直配向状態が保持されるためと考えられる。したがって、この結果から、本発明の配向膜が高い配向規制力を有していることが分かる。
本発明において、イオンビーム照射の際に使用されるガスとしては、例えば、酸素、アルゴン、ハイドロカーボン若しくはフッ化炭素またはこれらの混合ガスなどを挙げることができる。膜の空孔率(ポロシティ)を高めるには、酸素を含むガスを用いてイオンビームを照射することが好ましい。ガス中の酸素濃度が高くなるほど、有機基を効果的に除去することができるので、有機基の除去率を高めるには、酸素のみを用いたイオンビーム照射を行うことが好ましい。但し、酸素イオンは、アルゴンイオンに比べて、有機成分を選択的且つ効率的に除去しやすいが、重合ネットワークに対してのスパッタ効果が弱く、異方性の導入効果が小さい。したがって、本発明では、酸素とアルゴンの混合ガスを用いることが好ましい。具体的には、酸素とアルゴンの混合比が50体積%:50体積%〜95体積%:5体積%程度であればよく、例えば、酸素:アルゴン=80体積%:20体積%の比で混合することができる。
本実施の形態において、イオンビーム照射時に非多孔質膜に加わる温度は、実験結果から200℃〜300℃の範囲と推定している。大気中でこの温度による熱処理を行えば、有機基がほとんど除去されてしまうことは、上述したFT−IRスペクトルの測定結果から明らかである。しかしながら、イオンビーム照射下では、大気中に比べて酸素濃度が低いために、上記の温度であっても有機基の除去率は低くなる。したがって、一部の有機基が分解・脱離することにより空孔が形成されつつも、一部の有機基は残存するので膜の疎水性は保持される。すなわち、疎水性を備えた多孔質膜とすることができるので、膜中に水分が浸入することによる信頼性の低下を抑制することが可能となる。
尚、本発明においては、イオンビームを照射した後に、さらに第2の熱処理(焼成処理)を行うことが好ましい。イオンビーム照射時の温度上昇で無機材料の重合反応が起こるが、第2の熱処理を行えば、より十分に重合を進めることができるからである。例えば、配向膜組成物3がポリオルガノシロキサンを含む場合には、第2の熱処理によってシリコンの重合をさらに進めることができる。また、イオンビーム照射の条件と第2の熱処理の条件とを最適化することにより、残存する有機基の量を制御して、所望の空孔率と疎水性を有する膜を形成することができる。
本発明においては、酸素とアルゴンの混合ガスを用いてイオンビームを照射した後に、さらに、アルゴンのみを用いてイオンビームを照射してもよい。この場合には、1回目のイオンビーム照射で形成した空孔を、2回目のイオンビーム照射でより好ましい形状に加工することができる。すなわち、1回目のイオンビーム照射が、化学的エッチングと機械的エッチングによって、有機基を除去して傾斜した空孔を形成するものであるのに対して、2回目のイオンビーム照射は、機械的エッチングによって空孔を加工するものと言うことができる。このように、イオンビームを複数回照射することによって、より配向規制力の高い配向膜を形成することができる。尚、イオンビームの入射角度は、1回目と2回目で同じとすることができるが、変えることも可能である。また、使用するガスは、上記以外のものであってもよい。但し、1回目に使用するガスは、主として有機基を除去できるものとし、2回目に使用するガスは、主として多孔質膜を加工できるものとすることが好ましい。例えば、酸素のみを用いて1回目のイオンビームを照射した後に、アルゴンのみを用いて2回目のイオンビームを照射することもできる。
本発明においては、多孔質膜の疎水性を高めるために、イオンビームを照射した後に疎水化処理を行ってもよい。具体的には、多孔質膜の表面に、ヘキサメチルジシラザンまたはヘキサメチルジシランなどの疎水基を有する化合物の気体を接触させる。そして、この状態で熱処理を施すことにより、多孔質膜表面にある親水性のシラノール基を疎水基と置換することができる。例えば、膜の多孔率を高めるために有機基を多く除去した場合には、疎水性が低下してしまうので、このような疎水化処理を行うのが効果的である。
また、本実施の形態においては、イオンビームを照射したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、非多孔質膜にプラズマビームを照射することもでき、この場合にも上記と同様の配向膜を形成することができる。尚、プラズマビーム照射の際に使用するガスや、プラズマビームが入射する角度θは、イオンビームを照射する場合と同じとすることができる。また、このとき、所望の入射角でプラズマビームを照射して、十分な異方性を持った表面形状を得るために、プラズマビームによる照射は、イオンビームを照射する場合と同様の圧力下(1Pa以下程度)で行うことが好ましい。
さらに、本実施の形態においては、ポリオルガノシロキサンを用いて、多孔質シリカ膜を形成したが、本発明はこれに限られるものではない。
本発明は、有機基を有する無機材料と溶剤とを含む配向膜組成物を基板の上に塗布した後、この配向膜組成物に対して熱処理(プリベーク)を行って溶剤を除去し、さらに、斜めにイオンビームまたはプラズマビームを照射することにより、有機基の一部を除去して、膜表面に対し傾斜した空孔を有する多孔質の配向膜を形成することを特徴としている。ここで、有機基を有する無機材料としては、金属アルコキシドの重合物などを用いることができる。また、得られる配向膜は、酸化シリコンを主骨格とするものの他に、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、三窒化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化ニオブ、酸窒化ニオブ、酸化チタン、酸窒化チタンまたは窒化チタンなどを主骨格とするものであってもよい。
金属アルコキシドの重合物としては、オルガノシロキサン類の重合物の他に、例えば、アルミニウムアルコキシド類、チタンアルコキシド類またはジルコニウムアルコキシド類などの縮合によって得られた重合物を挙げることができる。
アルミニウムアルコキシド類としては、一般式Al(OR7)(OR8)(OR9)で表されるものを挙げることができる。ここで、R7,R8およびR9は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアシル基を表すものとすることができる。
チタンアルコキシド類またはジルコニウムアルコキシド類としては、一般式M(OR10)(OR11)(OR12)(OR13)で表されるものを挙げることができる。ここで、Mは、チタンまたはジルコニウムを表す。また、R10,R11,R12およびR13は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアシル基を表すものとすることができる。
以上述べたように、本実施の形態によれば、非多孔質膜に対してイオンビームを照射することにより、膜表面に対して斜めに傾斜した有機基を有する空孔を形成するので、配向規制力が高く信頼性の高い膜とすることができる。このような本実施の形態による配向膜は、特に垂直配向モードの液晶光学素子に対して好ましく用いられる。
実施の形態2.
実施の形態1で述べた配向膜の形成方法を用いて、液晶光学素子を作製することができる。液晶光学素子としては、例えば、液晶レンズ素子が挙げられる。
実施の形態1で述べた配向膜の形成方法を用いて、液晶光学素子を作製することができる。液晶光学素子としては、例えば、液晶レンズ素子が挙げられる。
図6は、本実施の形態による液晶レンズ素子の断面模式図である。
図6に示すように、液晶レンズ素子21は、第1の透明基板22と、これに対向する第2の透明基板23とを有する。
第1の透明基板22の上には、第1の電極層24と、第1の配向膜25とがこの順に形成されている。一方、第2の透明基板23の上にも、第2の電極層26と、第2の配向膜27とがこの順に形成されている。第1の透明基板22と第2の透明基板23とは、シール材28を介して貼り合わされており、これらの間に液晶層29が充填されて、液晶セル30が構成されている。
第1の電極層24および第2の電極層26は、同心円状にパターニングされていたり、あるいは、同心円状のフレネルレンズボディの表面形状に形成されていたりする。但し、これらの内の一方は、全面ベタの電極とすることもできる。
第1の配向膜25および第2の配向膜27は、実施の形態1で説明した方法を用いて形成された多孔質膜である。
液晶層29には、誘電率異方性が負である液晶分子が用いられているものとする。但し、誘電率異方性が正である液晶分子を用いることもできる。
液晶レンズ素子21は、液晶分子の初期配向状態が基板に対して概ね垂直であるVAモードである。電源31を介して、第1の電極層24と第2の電極層25に電圧を印加すると、液晶分子は、第1の透明基板22と第2の透明基板23に対して水平となるように向きを変える。すると、液晶分子の配位の方向に偏光した入射光に対して、液晶セルの見かけの屈折率は、常光に対する値から異常光に対する値まで連続的に変化する。これにより、液晶レンズ素子21の焦点距離を、常光に対する値から異常光に対する値まで連続的に変えることができる。
本実施の形態の液晶レンズ素子は、高い配向規制力が得られるイオンビームプロセスにより形成されているので、高温下(例えば、85℃)の使用であっても液晶分子の配向安定性が保持される。また、配向膜は疎水性であるので、水分の影響を最小限に抑制することもできる。したがって、光学特性と信頼性に優れた液晶レンズ素子とすることができる。
図7は、図6の液晶レンズ素子21を用いた光ヘッド装置の構成図の一例である。
図7に示す光ヘッド装置32では、光源33から出射された光は、回折格子34、液晶レンズ素子21および位相差素子35を順に透過した後、対物レンズ36によって光ディスク37(または、光ディスク38)に集光される。次いで、光ディスク37(または、光ディスク38)で反射した光は、再び対物レンズ36、位相差素子35および液晶レンズ素子21を順に透過した後、回折格子34によって回折されて、光検出器39,40に到達する。
光源33には、通常の光ヘッド装置に使用される通常のレーザ光源が使用される。具体的には、半導体レーザが好適であるが、他のレーザであってもよい。特に、本実施の形態の液晶レンズ素子21に使用される配向膜は、無機材料からなる主骨格を有しているので、青色レーザ(波長390nm〜430nm)を光源として使用した場合にも、優れた耐光性を示すことができる。
回折格子34は、ホログラムおよびビームスプリッタのいずれであってもよい。ビームスプリッタを用いた場合には、光ディスク37(または、光ディスク38)からの反射光の光路を変えて、光源33とは異なる方向に配置された光検出器(図示せず)に光を導くことができる。
位相差素子35としては、1/4波長板が用いられる。これにより、光の偏光面を回転させて、光源33からの往路の光と、光ディスク37(または、光ディスク38)からの復路の光との偏光方向を変えることができる。
液晶レンズ素子21は、電圧印加の有無により焦点距離を変えることができる。したがって、例えば、液晶レンズ素子21に電圧が印加されていない場合には、光ディスク37に焦点が合うようにし、液晶レンズ素子21に電圧が印加されている場合には、光ディスク38に焦点が合うようにすることができる。また、液晶レンズ素子21に電圧が印加されていない場合には、光ディスク38に焦点が合うようにし、液晶レンズ素子21に電圧が印加されている場合には、光ディスク37に焦点が合うようにすることもできる。
本実施の形態の光ヘッド装置は、配向規制力が高く信頼性に優れた配向膜を有する液晶レンズ素子を使用しているので、優れた光学特性と、高い信頼性とを兼ね備えることができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、液晶光学素子として液晶レンズ素子を例に挙げた。本実施の形態では、実施の形態1で述べた配向膜の形成方法を回折格子に適用する場合について述べる。
実施の形態2では、液晶光学素子として液晶レンズ素子を例に挙げた。本実施の形態では、実施の形態1で述べた配向膜の形成方法を回折格子に適用する場合について述べる。
図8は、本実施の形態によるバイナリ型の回折格子の断面模式図である。但し、本実施の形態においては、表面が傾斜したブレーズ型の回折格子であってもよく、また、ブレーズ型の1周期の表面形状を、階段状に形成されたバイナリ型の表面形状で近似したバイナリブレーズ型の回折格子であってもよい。
図8に示すように、回折格子41は、第1の透明基板42と、これに対向する第2の透明基板43とを有する。
第1の透明基板42の裏面には、第1の低反射膜44が形成されている。一方、第2の透明基板43の表面には、第1の配向膜45と、高分子液晶膜46とが形成されている。第1の配向膜45は、実施の形態1で説明した方法を用いて形成された多孔質膜である。
一方、第2の透明基板43の裏面には、第2の低反射膜47が形成されている。そして、第1の透明基板42の表面と第2の透明基板43の表面とは、等方性充填材48を介して貼り合わされている。
等方性充填材48は、高分子液晶膜46を構成する高分子液晶の常光屈折率または異常光屈折率に等しい屈折率を有する材料からなる。等方性充填材48の屈折率が常光屈折率に等しい場合、回折格子41は、常光屈折率方向の偏光を回折せずに、この光を高い透過率で透過させる。一方、異常光屈折率方向の偏光に対しては、高い回折効率で回折する。等方性充填材48を構成する材料としては、例えば、アクリル樹脂またはエポキシ樹脂などが用いられる。
本実施の形態の回折格子は、配向規制力の高い配向膜を用いているので、所望の配向特性を有する高分子液晶膜が得られる。また、配向膜は疎水性であるので、水分の浸入を抑制することもできる。したがって、光学特性と信頼性に優れた回折格子とすることができる。
図9は、図8の回折格子を用いた光ヘッド装置の構成図の一例である。
図9に示す光ヘッド装置51では、光源52から出射された光は、回折格子41を透過し、対物レンズ53によって光ディスク54に集光される。次いで、光ディスク54で反射した光は、再び対物レンズ53を透過した後に、回折格子41によって回折されて、光検出器55に到達する。
光源52には、通常の光ヘッド装置に使用される通常のレーザ光源が使用される。具体的には、半導体レーザが好適であるが、他のレーザであってもよい。特に、本実施の形態の回折格子41に使用される配向膜は、無機材料からなる主骨格を有しているので、青色レーザ(波長390nm〜430nm)を光源として使用した場合にも、優れた耐光性を示すことができる。
図9では、回折格子41は、ホログラムビームスプリッタとして機能する。そして、回折格子41と光ディスク54との間に、1/4波長板56を挿入することにより、光源52から出射された直線偏光の偏光方向を、往路と復路とで90度回転させることができる。これにより、往路の偏光方向の光に対しては透過率を高めることができ、復路の偏光方向の光に対しては回折効率を高めることができるので、光ヘッド装置51の全体としての光の利用効率をさらに向上させることができる。
本実施の形態の光ヘッド装置は、配向規制力が高く信頼性に優れた配向膜を有する液晶レンズ素子を使用しているので、優れた光学特性と、高い信頼性とを兼ね備えることができる。
尚、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
1 基板
2 電極層
3 配向膜組成物
4 配向膜
5 空孔
11 チャンバ
12 基板ホルダ
13 基板
14 イオンガン
15 ガス導入口
16 電極系
17 排気口
18 中和用電子銃
21 液晶レンズ素子
22,42 第1の透明基板
23,43 第2の透明基板
24 第1の電極層
25,45 第1の配向膜
26 第2の電極層
27 第2の配向膜
28 シール材
29 液晶層
30 液晶セル
31 電源
32,51 光ヘッド装置
33,52 光源
34 回折格子
35 位相差素子
36,53 対物レンズ
37,38,54 光ディスク
39,40,55 光検出器
41 回折格子
44 第1の低反射膜
46 高分子液晶膜
47 第2の低反射膜
48 等方性充填材
2 電極層
3 配向膜組成物
4 配向膜
5 空孔
11 チャンバ
12 基板ホルダ
13 基板
14 イオンガン
15 ガス導入口
16 電極系
17 排気口
18 中和用電子銃
21 液晶レンズ素子
22,42 第1の透明基板
23,43 第2の透明基板
24 第1の電極層
25,45 第1の配向膜
26 第2の電極層
27 第2の配向膜
28 シール材
29 液晶層
30 液晶セル
31 電源
32,51 光ヘッド装置
33,52 光源
34 回折格子
35 位相差素子
36,53 対物レンズ
37,38,54 光ディスク
39,40,55 光検出器
41 回折格子
44 第1の低反射膜
46 高分子液晶膜
47 第2の低反射膜
48 等方性充填材
Claims (10)
- 有機基を有する無機材料と溶剤とを含む配向膜組成物を基板の上に塗布する工程と、
前記配向膜組成物に対して熱処理を行い前記溶剤を除去する工程と、
前記熱処理後の配向膜組成物に対して、斜めにイオンビームまたはプラズマビームを照射することにより、前記有機基の一部を除去して、膜表面に対し傾斜した空孔を有する多孔質の配向膜を形成する工程とを有する配向膜の形成方法。 - 前記溶剤を除去する工程は、大気中において200℃以下の温度で行われる請求項1に記載の配向膜の形成方法。
- 前記イオンビームまたは前記プラズマビームを照射する工程は、300℃以下の温度で行われる請求項1または2に記載の配向膜の形成方法。
- 前記イオンビームまたは前記プラズマビームの照射は、酸素を含むガスを用いて行われる請求項1〜3のいずれか1項に記載の配向膜の形成方法。
- 前記イオンビームまたは前記プラズマビームを照射した後に、さらに熱処理を行って前記無機材料の重合を進める請求項1〜4のいずれか1項に記載の配向膜の形成方法。
- 前記有機基を有する無機材料は、金属アルコキシドの重合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の配向膜の形成方法。
- 前記金属アルコキシドの重合物は、ポリオルガノシロキサンである請求項6に記載の配向膜の形成方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により形成された配向膜を備えた液晶光学素子。
- 前記配向膜は垂直配向性を有する請求項8に記載の液晶光学素子。
- 請求項8または9に記載の液晶光学素子を有する光ヘッド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006194680A JP2008020846A (ja) | 2006-07-14 | 2006-07-14 | 配向膜の形成方法、液晶光学素子および光ヘッド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006194680A JP2008020846A (ja) | 2006-07-14 | 2006-07-14 | 配向膜の形成方法、液晶光学素子および光ヘッド装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008020846A true JP2008020846A (ja) | 2008-01-31 |
Family
ID=39076790
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006194680A Pending JP2008020846A (ja) | 2006-07-14 | 2006-07-14 | 配向膜の形成方法、液晶光学素子および光ヘッド装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008020846A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009006540A1 (de) | 2008-01-31 | 2009-08-06 | Denso Corporation, Kariya | Batterie-Temperaturregler und zweckmäßige Anordnung des Temperaturfühlers |
CN110501337A (zh) * | 2019-08-27 | 2019-11-26 | 东南大学 | 一种有序多孔纳米干涉薄膜中液晶排列取向的测试方法 |
JP2021509490A (ja) * | 2017-12-26 | 2021-03-25 | エルジー・ケム・リミテッド | ファラデーケージを用いたプラズマエッチング方法 |
JP2022163081A (ja) * | 2017-11-21 | 2022-10-25 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | 導波結合器の製造方法 |
-
2006
- 2006-07-14 JP JP2006194680A patent/JP2008020846A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009006540A1 (de) | 2008-01-31 | 2009-08-06 | Denso Corporation, Kariya | Batterie-Temperaturregler und zweckmäßige Anordnung des Temperaturfühlers |
JP2022163081A (ja) * | 2017-11-21 | 2022-10-25 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | 導波結合器の製造方法 |
JP7542033B2 (ja) | 2017-11-21 | 2024-08-29 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | 導波結合器の製造方法 |
JP2021509490A (ja) * | 2017-12-26 | 2021-03-25 | エルジー・ケム・リミテッド | ファラデーケージを用いたプラズマエッチング方法 |
CN110501337A (zh) * | 2019-08-27 | 2019-11-26 | 东南大学 | 一种有序多孔纳米干涉薄膜中液晶排列取向的测试方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7554103B2 (en) | Increased tool utilization/reduction in MWBC for UV curing chamber | |
JP5071644B2 (ja) | ポリオルガノシロキサン、液晶配向膜および液晶表示素子 | |
US6586104B2 (en) | Coating liquid for forming a transparent coating and substrate with a transparent coating | |
JP2008020846A (ja) | 配向膜の形成方法、液晶光学素子および光ヘッド装置 | |
US20100245954A1 (en) | Dual-Function Alignment Layer For Liquid Crystal Devices To Improve Degradation Resistance To Radiation | |
TW200537211A (en) | Liquid crystal alignment agent, liquid crystal alignment film and liquid crystal display element | |
JP2004530790A (ja) | 配向層表面の形成方法 | |
JPH08281861A (ja) | ガスバリヤー性フィルム | |
US20120257145A1 (en) | Composite retardation plate, composite polarizing plate comprising the same and preparation methods for those | |
JP2004053784A (ja) | 液晶表示装置およびその製造方法 | |
JP2008129482A (ja) | 液晶表示装置及びその製造方法 | |
JP6160073B2 (ja) | 液晶配向膜の製造方法、光学素子の製造方法および光記録媒体処理装置の製造方法 | |
JPWO2009001906A1 (ja) | 配向膜の製造方法、液晶光学素子および光ヘッド装置 | |
US6867837B2 (en) | Liquid crystal device and manufacturing method | |
JP5027980B2 (ja) | フッ素添加シリカ薄膜を付着させる方法 | |
JP2009179866A (ja) | 紫外波長域用反射防止膜の製造方法 | |
JP4789704B2 (ja) | 液晶パネルの製造方法 | |
KR100905993B1 (ko) | 인듐옥사이드-징크옥사이드의 건식 식각 방법 | |
TWI238982B (en) | Forming method of inorganic oriented film, inorganic oriented film, substrate for electronic device, liquid crystal panel, and electronic device | |
JPH1034790A (ja) | 積層体 | |
JP4921206B2 (ja) | 液晶パネルの製造方法 | |
JP3760570B2 (ja) | 防汚性薄膜の形成方法 | |
US20100219064A1 (en) | Film forming method | |
CN103730315B (zh) | 一种改善等离子体刻蚀工艺的方法 | |
US20210263206A1 (en) | Vuv polarizer, vuv polarization device, vuv polarization method and alignment method |