JP2008020737A - 画像形成装置 - Google Patents

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昌子 小島
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Abstract

【課題】画像形成の生産性の低下を抑えて簡単かつ低コストに像保持体表面を冷却する工夫がなされた画像形成装置を提供する。
【解決手段】静電潜像を表面に保持する像保持体の該表面に保持された静電潜像を現像剤が収容された現像装置を用いて該現像装置に収容された現像剤により現像することで該像保持体表面に現像像を形成し、該現像像を、シート状の記録媒体に転写する転写領域で該記録媒体に転写し、記録媒体に転写された転写像を加熱することで該転写像を該記録媒体に定着し該記録媒体上に定着像からなる画像を形成する画像形成装置であって、上記像保持体表面の温度を検知する温度検知部と、上記温度検知部の検知結果を受けて上記転写領域へ、該記録媒体の吸熱性よりも高い吸熱性を有する吸熱シートを送り込むシート搬送装置とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を用いて形成された転写像を加熱して記録媒体に定着する画像形成装置に関する。
複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式を用いた画像形成装置では、像保持体表面に保持された静電潜像をトナーが収容された現像装置を用いてその収容されたトナーを現像バイアスの作用により像保持体表面へ移行させることで像保持体表面に現像像を形成する。こうして像保持体表面に形成された現像像は、像保持体表面が用紙等の記録媒体に接する転写領域において記録媒体に直接転写されるか、あるいは中間転写体を介して記録媒体に二次転写される。電子写真方式を用いた画像形成装置の中には、記録媒体に転写された未定着の転写像を加熱して記録媒体に定着させる定着装置を備えたものが多く、像保持体表面の温度が、転写像を加熱する定着装置の発する熱によって上昇することがある。
また、近年では、用紙の両面それぞれに転写像を定着することに対応した両面出力型の画像形成装置が普及してきており、この両面出力型の画像形成装置の中には、まず、用紙の片面(おもて面)に現像像を転写し、次いでその転写像を加熱することで用紙に定着させてから用紙のもう一方の面(裏面)に現像像を転写し定着させるものがある。転写像を用紙のおもて面に加熱定着させてから用紙の裏面に現像像の転写を行う画像形成装置では、用紙おもて面に転写像を加熱定着させる際に用紙自体も加熱されてしまい、像保持体から現像像を用紙に直接転写する場合には、転写領域において像保持体表面が用紙に接するため像保持体表面の温度が加熱された用紙によって上昇してしまう。また、中間転写体を介して現像像を用紙に二次転写する場合であっても、二次転写領域において用紙に接する中間転写体は一次転写領域において像保持体表面に接しているため、加熱された用紙によって中間転写体の温度が上昇し、その温度上昇した中間転写体によって像保持体表面の温度も上昇してしまう。用紙1枚から受ける熱量は少なくても、連続して両面出力を行った場合、像保持体表面の温度上昇は無視できなくなる。
トナーを収容した現像装置は像保持体表面の近傍に配備されており、像保持体表面の温度が上昇すると、現像装置に収容されているトナーの温度も上昇してしまう。現像装置内部では収容したトナーを摩擦帯電させる目的等からトナーの攪拌が行われている。また、現像装置には、転写性を向上させる外添剤粒子をトナー母粒子に付着させたトナーを収容させておくことがある。現像装置に収容されているトナーの温度が上昇すると、トナー粒子表面を構成する結着樹脂が柔らかくなりトナー粒子同士がくっついて凝集してしまう等、トナーが劣化してしまうばかりか、上記外添剤粒子が攪拌作用によってトナー母粒子に埋没してしまい、トナーの転写性が悪化し、定着像である形成画像の濃度低下につながることがある。また、トナーの帯電能力は湿度に影響されやすく、現像装置に収容されているトナーの温度が上昇すると、それに伴って湿度が低下するためトナーが高帯電量化してしまうことがある。高帯電量化したトナーは、現像時に像保持体表面へ移行しにくく、また、電界を利用した転写では被転写面へ移行しにくい。そのため、形成画像の濃度低下がここでも引き起こされる。
そこで、像保持体表面を冷却する技術として、像保持体内部に冷却部材を配置し内部から像保持体表面を冷却する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、像保持体の温度が所定温度以下になるまで両面出力を中止したり給紙間隔を長くとる技術も提案されている(特許文献4参照)。さらに、片面に画像を定着した用紙を一旦待機させることで用紙温度を下げてからもう一方の面に定着像を得る技術も提案されている(特許文献5参照)。
特開平7−334035号公報 特開2003−140533号公報 特開2004−333897号公報 特開平11−344842号公報 特開平8−54759号公報
しかしながら、像保持体内部から冷却する技術では、装置の構造が複雑になるとともに装置のコストが嵩む割には内部からの冷却であるため像保持体表面の冷却効率が悪い。また、両面出力の中止等を行う技術や、片面に画像を定着した用紙を一旦待機させる技術では、画像形成の生産性が極端に落ちてしまうといった不都合が生じる。
本発明は上記事情に鑑み、画像形成の生産性の低下を抑えて簡単かつ低コストに像保持体表面を冷却する工夫がなされた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、静電潜像を表面に保持する像保持体の該表面に保持された静電潜像を現像剤が収容された現像装置を用いて該現像装置に収容された現像剤により現像することで該像保持体表面に現像像を形成し、該現像像を、シート状の記録媒体に転写する転写領域で該記録媒体に転写し、記録媒体に転写された転写像を加熱することで該転写像を該記録媒体に定着し該記録媒体上に定着像からなる画像を形成する画像形成装置であって、
上記像保持体表面の温度を検知する温度検知部と、
上記温度検知部の検知結果を受けて上記転写領域へ、該記録媒体の吸熱性よりも高い吸熱性を有する吸熱シートを送り込むシート搬送装置とを備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、上記転写領域において記録媒体が接する被接触体表面の熱が吸熱シートによって吸熱され、その被接触体表面の温度が低下する。この結果、上記像保持体表面が冷却される。すなわち、転写像を記録媒体に定着する際の熱によって上記像保持体表面の温度が上昇しても、あるいは両面出力時における片面への転写像定着の際に加熱された記録媒体に起因して上記像保持体表面の温度が上昇してもその像保持体表面が冷却され、上記現像装置に収容されたトナーの温度上昇が事前に抑えられる。また、吸熱シートを上記転写領域へ送り込むだけで良いため、装置が複雑化することはなく低コストで上記像保持体表面を冷却することができる。さらに、吸熱シートを上記転写領域へ送り込むタイミングを調整することで画像形成の生産性低下が抑えられる。
ここで、上記像保持体は、回転することでその像保持体表面が上記転写領域を通過するものであってもよい。すなわち、記録媒体への直接転写方式を採用した画像形成装置であってもよく、このような直接転写方式を採用した画像形成装置であれば、両面出力時において加熱された記録媒体によって上記像保持体表面の温度が上昇しても、その像保持体表面が効率よく冷却される。
また、本発明の画像形成装置において、上記像保持体表面に形成された現像像の転写を受け上記転写領域で記録媒体に接する中間転写体を備えたものであってもよい。すなわち、両面出力時において加熱された記録媒体の熱は、中間転写体を介して上記像保持体表面に伝わり、その表面の温度が上昇するが、中間転写体の熱が吸熱シートによって吸熱されるため、像保持体表面も冷却されることになる。
さらに、上記温度検知部は、連続した両面出力の回数や時間から上記像保持体表面の温度が所定温度まで上昇していることを検知するものであってもよいが、上記像保持体表面の温度を検出する温度センサを備え、その温度センサの検出結果に基づいてその像保持体表面の温度が所定温度まで上昇していることを検知するものであることが好ましい。
上記温度検知部が、上記温度センサを備えることで、上記像保持体表面の温度上昇を正確に検知することができるばかりか、画像形成の生産性低下をより抑えることができる。
また、上記温度検知部は、上記像保持体表面の温度がトナーのガラス転移点温度よりも10℃低い温度まで上昇していることを検知するものである態様であることがより好ましい。
上記像保持体表面の温度がトナーのガラス転移点温度よりも10℃低い温度未満であれば、上記現像装置に収容されているトナーは、形成画像の濃度低下が問題になるほど加熱されることはなく、したがって、上記態様によれば、形成画像の生産性を高いレベルに維持したまま形成画像の濃度低下の問題発生が防止される。
また、本発明の画像形成装置において、上記シート搬送装置が、上記転写領域を経由して循環する搬送経路を備え、該搬送経路に沿って上記吸熱シートを搬送するものであることが好ましい。
こうすることで吸熱シートの再利用が行われ、コストが抑えられるばかりか環境面でも好ましい。
さらに、上記搬送経路が、記録媒体に転写された転写像を加熱することでその転写像を記録媒体に定着する定着領域を避けた経路であることがより好ましい。
上記定着領域を避けることで吸熱シートの吸熱能力が大幅に低下することが防止され、吸熱シートを短時間のうちに再利用しても、上記像保持体表面の熱が、再利用した吸熱シートによって十分に吸熱される。
また、本発明の画像形成装置において、上記シート搬送装置が、
シート状の記録媒体を収容し、上記転写領域へつながる第1シート収容部と、
上記第1シート収容部に収容された記録媒体よりも吸熱容量が大きなシート状物を収容し、上記転写領域へつながる第2シート収容部と、
上記温度検知部の検知結果を受けて上記転写領域へ上記第2シート収容部に収容されたシート状物を上記吸熱シートとして送り込むシート搬送制御部とを備えたものであってもよい。
例えば、上記第1シート収容部には普通紙を収容し、上記第2シート収容部には吸熱シートを収容して、画像出力用と冷却用とで2つのシート収容部の使い分けを行うことが可能となる。このようにすることで、シート状の記録媒体の補充や吸熱シートの取替えなどの作業が便利である。
また、本発明の画像形成装置において、上記シート搬送装置が、上記転写領域へ送り込んだ吸熱シートを冷却する冷却手段を備え、その冷却手段で冷却された吸熱シートを上記温度検知部の検知結果を受けてその転写領域へ再度送り込むものであることがより好ましい。
上記冷却手段によって、上記転写領域へ一度送り込まれた吸熱シートの吸熱能力が短時間のうちに回復し、より効率的な上記像保持体表面の冷却がなされる。
また、本発明の画像形成装置において、上記シート搬送装置は、水を含んだゲル状の材料を含有した吸熱シートを上記転写領域へ送り込むものであることが好ましい。
水の熱伝導率は0.561W/mKであって平均的な紙の熱伝導率である0.06W/mKよりもはるかに大きい。水を含んだゲル状物質を含有した吸熱シートによれば、吸熱シート内部に水を蓄えることで、通常の用紙では吸収できないほど大きな熱量が、像保持体から吸熱シート内部の水に移動することとなり、高い冷却効果が発揮される。
また、本発明の画像形成装置において、固体状態から液体状態に変化して熱を吸収する結晶水和物を含有した吸熱シートを上記転写領域へ送り込むものであることも好ましい。
このような結晶水和物を含有した吸熱シートは、上記所定温度に達した像保持体から効率良く吸熱することができる。
また、本発明の画像形成装置において、上記シート搬送装置は、上記吸熱材料として、金属を有した吸熱シートを上記転写領域へ送り込むものであることも好ましい。
金属は、熱伝導率の高いものが多く、金属を有した吸熱シートにより、高い冷却効果が発揮される。
本発明の画像形成装置によれば、画像形成の生産性の低下を抑えて簡単かつ低コストに像保持体表面を冷却することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、電子写真方式を採用したモノクロの両面出力プリンタである。この画像形成装置1は、回転軸10aを中心にして時計回りに回転するドラム状の感光体10を備え、この感光体10の周囲には、帯電器20、現像装置30、転写ロール40、およびクリーニングブレード50が備えられている。また、画像形成装置1は、装置全体の制御を司る本体制御部90も備えている。
図1に示す感光体10は、時計回りに回転するドラム状の積層型電子写真感光体である。すなわち、この感光体10は、円筒上の導電性支持体の上に、電荷発生層と電荷輸送層と保護層をこの記載順に積層してなるものである。保護層は、この感光体10の最表層になる層であって、電荷輸送機能を有する構造単位を持ち、かつ架橋構造を有する樹脂を含有した高強度表面層である。なお、電荷発生物質の蒸着膜等による単層型電子写真感光体を用いてもよい。
帯電器20は、感光体10の表面101に接触した状態で回転する帯電ロール21を備えた接触帯電方式の帯電器である。帯電ロール21には、直流電圧、あるいは直流電圧に交流電圧を重畳させた帯電バイアスが印加される。この帯電ロール21は、感光体10に接触して回転する半導電性のものであり、感光体10との接触部近傍の微小空隙で放電を発生させることにより感光体10を帯電させる。感光体10は、この帯電ロール21によって帯電される。なお、帯電ロール21は単層構造のものであってもよいし多層構造のものであってもよく、さらに導電性のものであってもよい。また、帯電ロール21に代えてブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材、磁気ブラシ状の帯電部材などが適応可能である。帯電ロール21やブレード状の帯電部材については感光体10に対し、接触状態に限らずある程度の空隙(100μm以下)を有した近接状態として配置しても構わない。なお、非接触帯電方式のコロトロン帯電器を用いてもよい。
現像装置30は、現像剤収容体31と、現像ロール32と層規制部材33を有する。現像剤収容体31には小粒径でほぼ球形のトナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が収容されている。現像剤収容体31に収容されたトナーのトナー母粒子表面には、転写性を向上させる転写助剤粒子や帯電を制御する帯電制御剤粒子等の外添剤粒子が付着している。また、この現像剤収容体31には、回転自在な2つの撹拌オーガ311が配備されている。これらの撹拌オーガ311が回転することによって、現像剤収容体31内では現像剤が撹拌されてトナーと磁性キャリアは互いに異なる極性に摩擦帯電され、トナーが磁性キャリアの周面に静電的に付着する。現像ロール32は、感光体表面101に対向した状態で回転する現像スリーブ321を有する。この現像スリーブ321は、表面に現像剤を保持するものであり、現像スリーブ321と感光体表面101とが対向する領域が現像領域になる。現像スリーブ321の内側には、回転する現像スリーブ321に対して固定された状態でマグネットロール(不図示)が配備されている。マグネットロールは、トナーが付着した磁性キャリアを現像スリーブ321に吸着させるためのピックアップ磁極や、現像剤を現像領域で穂立ちさせる磁極や、現像領域通過後の現像剤を現像スリーブ321上から剥がすためのピックオフ磁極等を有する。ピックアップ磁極によって現像スリーブ321に吸着された現像剤は、現像スリーブ321上で層規制部材33によって層状にならされ、現像スリーブ321が回転することで現像領域まで搬送される。現像スリーブ321には直流電圧に交流電圧を重畳させた現像バイアスが印加されている。現像スリーブ321は、現像領域では感光体表面101に近接しており、現像スリーブ321の表面に保持されたトナーは、その現像領域において、現像バイアスの作用によって現像スリーブ321から感光体表面101へ移行する。なお、図1に示す現像ロール32を備えた現像装置に代えて、感光体表面101にブラシを用いてトナーを付着させる公知の現像装置を用いてもよい。
図1に示す画像形成装置1において画像形成が行われる際には、まず、感光体表面101に現像像を形成する現像像形成サイクルが実行される。この現像像形成サイクルでは、感光体10の表面101が、帯電器20によって一様に帯電された後、画像情報に基づくレーザ光Lが照射され、感光体表面101に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置30に収容された現像剤により現像され、感光体表面101には現像像が形成され、現像像形成サイクルが終了する。
転写ロール40は、バネ41により感光体表面101に向けて押し付けられている。この転写ロール40は、導電性あるいは半導電性の回転可能な単層の発泡ロールである。図1に示す画像形成装置1では、感光体10と転写ロール40によって挟み込まれた領域が転写領域Sになる。
また、図1に示す画像形成装置1は、両面出力に対応したシート搬送装置60も備えている。このシート搬送装置60は、用紙を積載した状態で収容する第1トレイ61と、その第1トレイ61から転写領域Sへ向かう送込経路620とを有する。したがって、第1トレイ61は、送込経路620を介して転写領域Sへつながっており、この第1トレイ61に収容された用紙Pnは転写領域Sへ送り込まれる。転写ロール40には、トナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加されており、感光体表面101に形成された現像像は、転写領域Sにおいて感光体表面101から用紙Pnへ転写バイアスの作用により転写される。なお、転写バイアスは、直流電圧であってもよいし直流電圧に交流電圧を重畳させたものであってもよい。
図1に示すクリーニングブレード50は、転写領域Sよりも感光体回転方向下流側であって帯電ロール21よりも感光体回転方向上流側の位置に配備された、ゴム材料からなる板状部材である。感光体10の、転写領域Sを通過した表面101には、転写領域Sにおいて用紙Pnの表面へ移行することができなかった残留トナー等の異物が残留している。クリーニングブレード50は、先端の縁が感光体表面に圧接されており、感光体が回転することでその表面101から残留トナー等の異物を掻き取り、感光体表面101はクリーニングされる。
さらに、図1に示す画像形成装置1は、転写領域Sよりも用紙搬送方向下流側に定着器70を備えている。この定着器70は、加熱源としてのハロゲンランプ711が内蔵された定着ロール71と、定着ロール71に対向するように設けられた圧力ロール72とを備えている。互いに対向する定着ロール71と圧力ロール72の間であるニップ領域Nには、転写領域Sを通過した記録用紙Pnが搬送されてくる。記録用紙Pn上の転写像を構成するトナーは、定着ロール71のハロゲンランプ711により溶融され圧力ロール72からの圧力を受けて記録用紙Pnに定着し、定着像からなる画像が形成される。
また、両面出力に対応したシート搬送装置60には、定着器70および第2トレイ68
を避けて転写領域Sから2つの搬送ロール633,634の間を通って転写領域Sへ戻る転写循環経路630が設けられている。この転写循環経路630の、転写領域Sよりも下流側には、不図示のソレノイドによって駆動する第1ガイド板631が配備されており、転写領域Sよりも上流側には、同じく不図示のソレノイドによって駆動する第2ガイド板632が配備されている。シート搬送装置60には、それぞれのソレノイドをオン/オフすることで第1ガイド板631の姿勢や第2ガイド板632の姿勢を変化させるシート搬送制御部67が備えられている。
シート搬送制御部67は、第1ガイド板631の姿勢を循環姿勢と定着姿勢との間で姿勢変化させる。用紙Pnが、転写領域Sを通過して転写循環経路630に沿って第1ガイド板631の位置まで搬送されてきたときには、第1ガイド板631の姿勢は定着姿勢となるように制御され、用紙Pnは、転写循環経路630から分岐して定着経路640に沿って搬送される。後述するように、吸熱シートPtが転写循環経路630に沿って第1ガイド板631の位置まで搬送されてきたときには、第1ガイド板631の姿勢は循環姿勢となるように制御される。また、シート搬送制御部67は、第2ガイド板632の姿勢を循環姿勢と戻し姿勢とに姿勢変化させる。用紙Pnが転写循環経路630に沿って第2ガイド板632の位置まで搬送されてきたときには、第2ガイド板632の姿勢は循環姿勢となるように制御され、用紙Pnはそのまま転写循環経路630に沿って搬送される。後述するように、吸熱シートPtが転写循環経路630に沿って第2ガイド板632の位置まで搬送されてきたときには、第2ガイド板632の姿勢は戻し姿勢となるように制御される。図1には、循環姿勢の第1ガイド板631と、戻し姿勢の第2ガイド板632がそれぞれ示されている。
図1に示す画像形成装置1における片面出力の際には、第1トレイ61から引き出された用紙Pnは、送込経路620を通って転写領域Sに送り込まれ、感光体表面101から用紙Pnのおもて面に現像像が転写される。おもて面に現像像の転写を受けた用紙Pnは、第1ガイド板631まで搬送され、定着姿勢の第1ガイド板631によって定着経路640に入り定着器70のニップ領域Nへ送り込まれ、おもて面に定着像からなる画像が形成された用紙Pnが出力される。
一方、両面出力の際には、第1トレイ61から引き出された用紙Pnは、片面出力と同じようにして定着器70のニップ領域Nに送り込まれ、用紙Pnのおもて面に定着像からなる画像が形成される。おもて面に画像形成が行われた用紙Pnは、両面経路660上に設けられた搬送ロール661の間を通って転写循環経路630に戻り、図の下方にある第2ガイド板632まで搬送される。第2ガイド板632まで搬送されてきた用紙Pnは、循環姿勢の第2ガイド板632によって転写循環経路630から外れることなく再び転写領域Sへ送り込まれる。転写領域Sに再び送り込まれた用紙Pnは、裏面を感光体表面101に向けた状態で転写領域Sを通過し、感光体表面101から用紙Pnの裏面に現像像が転写される。裏面に現像像の転写を受けた用紙Pnは、おもて面に現像像の転写を受けたときと同じようにして定着器70のニップ領域Nへ送り込まれ、用紙Pnの裏面に定着像からなる画像が形成される。こうして用紙両面に画像形成が行われた用紙Pnが出力されるが、用紙Pnのおもて面に転写像の定着がなされる際、用紙Pnは、定着ロール71に内蔵されたハロゲンランプ711からの熱によって加熱され、用紙Pnの温度が高いまま用紙裏面への転写が行われる。このため、感光体表面101が加熱された用紙Pnに接し、感光体表面101の温度が上昇してしまう傾向にある。また、感光体表面101は、定着ロール71に内蔵されたハロゲンランプ711の輻射熱によっても加熱されてしまうことがある。感光体表面101の温度が上昇したまま次の現像像形成サイクルが実施されると、現像領域において、感光体表面101に近接する現像スリーブ321が感光体表面101の熱によって加熱されてしまう。また、現像スリーブ321に保持されているキャリアも加熱され、さらには、現像に用いられなかったトナーも加熱される。この結果、現像装置30の現像剤収容体31に収容されているトナーの温度が、加熱された現像スリーブ321によって上昇してしまう。また、ピックオフ磁極によって現像スリーブ321上から剥がされたキャリアやトナーが、現像剤収容体31に収容されているトナーに混ざることも、現像剤収容体31に収容されているトナーの温度上昇の一因となる。現像剤収容体31に収容されているトナーの温度が上昇すると、トナー粒子表面を構成する結着樹脂が柔らかくなりトナー粒子同士がくっついて凝集等によりトナーが劣化してしまうばかりか、外添剤粒子が撹拌オーガ311による攪拌作用によってトナー母粒子に埋没してしまったり、トナーが高帯電化してしまい、形成画像の濃度低下が引き起こされる。
図1に示す画像形成装置1では、感光体表面101の温度を検出する温度センサ11が現像領域の近傍に配置されている。本体制御部90は、その温度センサ11の検出結果に基づいて、感光体表面101の温度が、現像剤収容体31に収容されたトナーのガラス転移点温度よりも10℃低い温度(以下、この温度を閾値温度と称する)まで上昇していることを検知する。したがって、温度センサ11と本体制御部90を併せたものが本発明にいう温度検知部の一例に相当する。本体制御部90は、感光体表面101の温度が閾値温度まで上昇していることを検知すると、現像像形成サイクルの実施を一旦中止する。
この画像形成装置1では、第2トレイ68内に、感光体表面101に接触してその表面101を冷却する吸熱シートPtが収容されており、感光体表面101の温度が閾値温度まで上昇していることが検知されると、第2トレイ68内の吸熱シートPtが転写領域Sへ送り込まれる。吸熱シートとしては、熱伝導率の大きい材料を含有するシート状物や、相状態の変化(例えば、固体状態から液体状態への変化)あるいは化学反応などによって熱を吸収する材料を含有するシート状物が採用可能である。また、吸熱シートが画像形成装置内において用紙の搬送機構によって搬送されるためには、厚みが53μm〜255μmの範囲内にあり、曲げこわさが1.1gfcm〜256gfcmの範囲内にある吸熱シートが好ましい。また、吸熱シートの大きさの点では、感光体表面101との接触面積の大きい吸熱シートが、熱容量が大きく冷却効果が高いので好ましい。
図1に示す画像形成装置1では、上記の条件を満たす吸熱シートの一例として、水を含んだゲル状の材料を内包した、A3サイズの吸熱シートが採用されている。
図2は、吸熱シートの構造を模式的に表した断面図である。
図2に示すように、図1に示す画像形成装置1で採用されている吸熱シートPtは、水100の中にポリアクリル酸101が分散したゲル状のコロイド溶液を、OHPシートの材料である高分子ポリマー102が覆った構造を備えている。吸熱シートPtでは、主に、ゲル状となったコロイド溶液中の水100によって、感光体表面101から吸熱シートに伝わった熱が吸収される。水の熱伝導率は0.561W/mKであって平均的な紙の熱伝導率である0.06W/mKよりもはるかに大きい。このため、吸熱シートPtでは、上記の構造により、通常の用紙では吸収できないほど大きな熱量が、感光体表面101から吸熱シート内部の水100に移動することとなり、高い冷却効果が発揮される。
シート搬送制御部67は、感光体表面101の温度が閾値温度まで上昇しているという本体制御部90からの検知結果を受けると、第1ガイド板631の姿勢を循環姿勢にするとともに第2ガイド板632の姿勢を戻し姿勢にする。続いて、シート搬送制御部67は、搬送ロール691を介して第2トレイ68から吸熱シートPtを取り出し、第1連絡経路690aを介して転写循環経路630に入れ、転写領域Sへ送り込む。こうすることで、吸熱シートPtが閾値温度まで上昇した感光体表面101に接触し、感光体表面101の熱が吸熱シートPtに吸熱され、感光体表面101が効果的に冷却される。この結果、この現像剤収容体31に収容されているトナーが問題を生じるほど高温になることが事前に防止される。転写領域Sを通過した吸熱シートPtは、循環姿勢の第1ガイド板631によって転写循環経路630から外れることなく転写循環経路630に沿って第2ガイド板632まで搬送される。連絡姿勢の第2ガイド板632に到達した吸熱シートPtはその第2ガイド板632によって第2連絡経路690bに入り、第2トレイ68に再び収容される。
第2トレイ68には、内部に収容された吸熱シートPtに風を送る冷却ファン681が設けられている。このため、一度吸熱シートに用いられた吸熱シートPtを短時間のうちに再び吸熱シートとして使用しても、感光体表面は充分に冷却される。
以上の説明では、ゲル状のポリアクリル酸を、OHPシートの材料である高分子ポリマーが覆った構造を備えた吸熱シートが採用されているが、以下では、これ以外の構造を備えた吸熱シートの例をいくつか紹介する。
図3は、図2に示すゲル状のポリアクリル酸と高分子ポリマー102との間に、金属膜が設けられた吸熱シートの模式断面図である。
図3に示す吸熱シートPt1では、金属膜103が、ゲル状のポリアクリル酸100を覆い、さらにその金属膜103を高分子ポリマー102が覆った2重構造を備えている。
吸熱シートが金属を含むと曲げこわさが大きくなるが、熱伝導率が高くなるので、図3のような構造を備えることにより、図2に示す吸熱シートPtよりも熱吸収性の高い吸熱シートが実現する。金属膜103として使用される金属材料は、熱伝導率が高いものが好ましく、特に熱伝導率が高いアルミニウムや銅が好ましい。
なお、水を含んだゲル状の材料としては、図2および図3のポリアクリル酸101のコロイド溶液の他にも種々の材料が知られており、本発明では、それらを吸熱シートの材料として使用することもできる。例えば、セルロースが水に分散したコロイド溶液がゲル状となったものも吸熱シートの材料として使用可能である。
図4は、図2に示す、水分を吸収したポリアクリル酸を、リン酸ナトリウムの結晶水和物に置き換えた吸熱シートの模式断面図である。
リン酸ナトリウムの結晶水和物は、常温以上、高温状態に達したときの感光体10の表面温度以下の温度で、固体状態から液体状態に変化し、この状態変化の際に外部から熱を吸収する。図4に示す吸熱シートPt2は、このような特性を有するリン酸ナトリウムの結晶水和物104を、OHPシートの材料である高分子ポリマー102が覆った構造を備えており、高温状態に達した感光体表面101から効率良く熱を奪うことができる。このリン酸ナトリウムの結晶水和物104は、固体状態といってもほぼゲル状となっており、このため、吸熱シートPt2のしなやかさを損なうことなく、上述した曲げこわさの条件(曲げこわさが1.1gfcm〜256gfcmの範囲内に属するという条件)を満たしている。
図5、図4に示すリン酸ナトリウムの結晶水和物と高分子ポリマー102との間に、金属膜が設けられた吸熱シートの模式断面図である。
図5に示す吸熱シートPt3では、金属膜103が、リン酸ナトリウムの結晶水和物104を覆い、さらにその金属膜103を高分子ポリマー102が覆った2重構造を備えている。金属膜103を付加することで、熱伝導率が高くなり、図4に示す吸熱シートPt2よりも熱吸収性の高い吸熱シートが実現する。
なお、高温状態に達したときの感光体10の表面温度と同程度の温度で固体状態から液体状態に変化する材料としては、図4および図5のリン酸ナトリウムの結晶水和物104の他に種々の材料が知られており、本発明では、それらを吸熱シートの材料として使用することもできる。例えば、硫酸ナトリウムの結晶水和物も、吸熱シートの材料として使用可能である。
図6は、金属膜を表面に備えた吸熱シートを表した図である。
図6のパート(a)には、金属膜103を表面に備えた吸熱シートを上から見たときの様子が示されており、図6のパート(b)には、その断面が示されている。
図6のパート(a)および図6のパート(b)に示す吸熱シートPt4では、薄いOHPシート(高分子ポリマー102からなる薄いシート)の表面に金属膜103が設けられている。この吸熱シートPt4では、金属膜103が設けられている面が感光体表面101と直接接する。このように表面に金属膜103を備えるだけの簡単な構成でも吸熱性の高い吸熱シートが実現できる。このように構成が簡単であるため、この吸熱シートPt4には、コストが低いという利点がある。上述したように、金属膜103として使用される金属材料は熱伝導率が高いものが好ましく、特に熱伝導率が高いアルミニウムや銅が好ましい。また、OHPシート表面に、金属膜103を設ける方法としては、金属紛を塗布する方法、金属膜を作製してからOHPシート表面に付着させる方法、金属を蒸着させる方法など、従来から用いられている種々の方法が採用可能である。また、図6のパート(a)に示すようなOHPシートのほぼ全面に金属膜103を設ける代わりに、金属膜103をOHPシート表面に部分的に配置した吸熱シートや、金属膜103をOHPシート内部に取り込んだ吸熱シートも使用可能である。
図7は、金属膜が表面にライン状に配置された吸熱シートを表した図、図8は、金属膜が表面に斑点状に配置された吸熱シートを表した図である。
図7に示す吸熱シートPt5、図8に示す吸熱シートPt6のように、金属膜103を、OHPシート表面に部分的に配置した吸熱シートでも、図6の吸熱シートの吸熱性には劣るものの、充分な吸熱性が発揮される。図7や図8に示す吸熱シートでは、金属膜103として使用される金属の量を減らすことができ、図6の吸熱シートよりさらなる低コスト化が実現する。
図9は、金属膜をOHPシート内部に取り込んだ吸熱シートの模式断面図、図10は、金属粉が、OHPシートの材料である高分子ポリマーと混合されて作製された吸熱シートの模式断面図である。
図9に示す吸熱シートPt7は、金属膜103をOHPシート(高分子ポリマー102からなるシート)内部に取り込んでおり、金属膜103が剥がれるおそれがない吸熱シートとなっている。図10に示す吸熱シートPt8は、金属粉105が内部に分散されており、このような構成によって耐久性の高い吸熱シートが実現する。この金属粉105として使用される金属材料は、金属膜103で使用される材料と同様に熱伝導率が高いものが好ましく、特に熱伝導率が高いアルミニウムや銅が好ましい。
なお、これまで説明してきた画像形成装置1は、いずれも記録媒体への直接転写方式を採用したものであったが、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いた中間転写方式を採用したものであってもよい。中間転写方式を採用した画像形成装置では、両面出力時において加熱された用紙Pnの熱は、感光体表面に形成された現像像の転写を受ける中間転写体を介して感光体表面に伝わり、感光体表面の温度が上昇するが、中間転写体が用紙Pnに接する二次転写領域へ吸熱シートを送り込むことで、中間転写体の熱が吸熱シートによって吸熱されるため、感光体表面も冷却される。
続いて、図1に示す画像形成装置1の変形例について説明する。これまで説明した図1に示す画像形成装置1では、本体制御部90は、感光体表面101の温度を検出する温度センサ11の検出結果に基づいて感光体表面101の温度が閾値温度まで上昇していることを検知する。感光体表面101の温度が閾値温度未満であれば、現像剤収容体31に収容されたトナーは、形成画像の濃度低下が問題になるほど加熱されることはない。したがって、図1に示す画像形成装置1によれば、形成画像の生産性を高いレベルに維持したまま形成画像の濃度低下の問題発生が防止されるが、ここで説明する変形例の画像形成装置では、図1に示す温度センサ11を省略し、コストダウンを図っている。ここでは、温度センサ11を省略した代わりに、本体制御部90には、連続した両面出力が何回続くと感光体表面101の温度が閾値温度まで上昇するかを実験によって求めたデータを記憶させている。こうすることで、本体制御部90は、連続した両面出力の回数をカウントし、そのカウント結果と上記データとを比較することで、温度センサ11の検出結果に基づくよりは不正確ではあるが、感光体表面101の温度が閾値温度まで上昇したかを検知することができる。なお、連続した両面出力の回数に代えて連続した両面出力の時間を用いても良い。
(実施例)
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
試験機として、図1に示す画像形成装置の変形例と同じ構成の、電子写真方式を採用した画像形成装置を用いた。この画像形成装置は、図1に示す画像形成装置において、感光体表面101の温度を検出する温度センサ11が省略されている点と、第2トレイ68から冷却ファン611が取り外されている点を除けば、図1に示す画像形成装置と同じ構成を備えており、本体制御部90が、連続した両面出力の回数をカウントすることで感光体表面101の温度が所定温度まで上昇したことを検知する。ここでは、本体制御部90は、ワンジョブの中で連続した両面出力が8回続くことで感光体表面101の温度が所定温度まで上昇したことを検知する。
表1に、ここで用いた画像形成装置の特徴的構成を示す。
Figure 2008020737
なお、現像装置の現像剤収容体は、ガラス転移点温度が50℃のトナーを含む現像剤を収容したものである。この現像剤収容体に収容されたトナー粒子は、平均粒径が6.4μmであり、形状係数(SF1)が132であるほぼ球状の重合湿式トナー粒子である。ここで、トナーの形状係数(SF1)は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーの最大長の2乗/投影面積(ML/A)と以下の計算式から、各々のトナーについてSF1を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
SF1=(ML/A)×(100×π/4)
また、トナー母粒子表面には、転写助剤粒子や帯電制御剤粒子等の外添剤粒子(平均粒径;40nm〜50nm)が付着している。さらに、転写ロール40には、外形18mmの半導電性発泡ロール体を用いた。
試験では、用紙の両面それぞれに、複数のソリッドパッチ(黒い部分)を有する画像比率1%〜4%の混合チャートを、連続して5000枚にわたって出力するという走行試験の実施中に、8枚出力するたびに転写領域Sへ吸熱シートを1回送り込んだ。この走行試験における5000枚にわたる出力のうち、100枚ごとに、用紙の両面について複数のソリッドパッチそれぞれの濃度をX−rite社製X−rite404を用いて3回測定して平均を取り、さらにそれらの平均値をソリッドパッチ数で平均して1枚分の画像濃度(単位はSAD)を求め、得られた50回分の画像濃度の平均をとることで、最終的な画像濃度を算出した。評価結果を表1に示すが、この表1では、1.42以上を◎、1.39以上1.42未満を○、1.37以上1.39未満を○、1.20以上1.37未満を△、1.2未満を×として表す。この実施例1では○の評価であった。
また、画像形成出力回数(プリント枚数)を1分間隔で1分ごと測定し、片面出力時に換算し、吸熱シートを転写領域Sへ送り込まずに片面出力を続けた場合を100%とした場合の画像形成生産性を算出した。評価結果を表1に示すが、この表1では、95%を超える生産性を◎、90%を超えるが95%以下である生産性を○、90%以下の生産性を×として表す。この実施例1では△の評価であった。
(実施例2)
第2トレイ68に冷却ファン611が備えられている点を除けば実施例1の画像形成装置と同じ構成の画像形成装置を用いて、実施例1と同様な試験を行い、実施例1と同様にして評価を行った。ここで用いた画像形成装置の特徴的構成とともに結果を表1に示す。実施例2における連続両面出力画像濃度の評価は○であり、画像形成生産性の評価は△であった。
(実施例3)
図1に示すように現像領域の近傍に感光体表面101の温度を検出する温度センサ11を配置し、本体制御部90を、その温度センサ11の検出結果に基づいて、感光体表面101の温度が、現像剤収容体31に収容されたトナーのガラス転移点温度(50℃)よりも10℃低い温度(40℃)まで上昇していることを検知するものに代えた以外は、実施例1で用いた画像形成装置の構成と同じ構成の画像形成装置を用いた。すなわち、ここで用いた画像形成装置は、連続した両面出力の回数をカウントすることに代えて、温度センサ11で実際に検出した感光体表面の温度によって、感光体表面が40℃まで上昇したことを検知するものである。ここでの試験では、実施例1と同様な走行試験の実施中に、本体制御部90が感光体表面101の温度が40℃まで上昇したことを検知するたびに転写領域Sへ吸熱シートを1回送り込み、実施例1と同様にして評価を行った。この画像形成装置の特徴的構成とともに評価結果を表1に示す。この実施例における連続両面出力画像濃度の評価は◎であり、画像形成生産性の評価は○であった。
(実施例4)
吸熱シートを収容した第2トレイ68に冷却ファンを取り付けた以外は実施例3で用いた画像形成装置の構成と同じ構成の画像形成装置を用いて、実施例3と同様な試験を行い、実施例1と同様にして評価を行った。ここで用いた画像形成装置の特徴的構成とともに評価結果を表1に示す。実施例4におけるそれぞれの評価は、連続両面出力画像濃度の評価および画像形成生産性のいずれも◎であった。
(実施例5)
本体制御部90を、感光体表面101の温度を検出する温度センサ11の検出結果に基づいて、感光体表面101の温度が、現像剤収容体31に収容されたトナーのガラス転移点温度(50℃)よりも8℃低い温度(42℃)まで上昇していることを検知するものに代えた以外は、実施例3で用いた画像形成装置の構成と同じ構成の画像形成装置を用いた。すなわち、ここで用いた画像形成装置は、実施例3で用いた画像形成装置に比べ、感光体表面の温度がより高温になるまで転写領域Sへの吸熱シートの送り込みを控えるものである。この実施例5における試験では、実施例1と同様な走行試験の実施中に、本体制御部90が感光体表面101の温度が42℃まで上昇したことを検知するたびに転写領域Sへ吸熱シートを1回送り込み、実施例1と同様にして評価を行った。実施例5で用いた画像形成装置の特徴的構成とともに評価結果を表1に示す。この実施例における連続両面出力画像濃度の評価は△であり、画像形成生産性の評価は○であった。
(比較例)
吸熱シートを転写領域Sへ送り込まないようにした以外は、実施例1で用いた画像形成装置の構成と同じ構成の画像形成装置を用いて、実施例1と同様な走行試験を行い、実施例1と同様にして評価を行った。この比較例における連続両面出力画像濃度の評価は×であり、画像形成生産性の評価は◎であった。
連続両面出力画像濃度は1.20以上であることを合格とし、画像形成生産性は、90%を超える生産性を合格にすると、吸熱シートを転写領域Sへ送り込んだ実施例1〜5においては、連続両面出力画像濃度の評価も、画像形成生産性の評価も合格レベルにある。一方、吸熱シートを転写領域Sへ送り込まなかった比較例においては、連続両面出力画像濃度の評価が不合格である。この不合格は、感光体表面の温度が上昇し、現像装置に収容されているトナーが、形成画像の濃度低下が問題になるほど加熱されてしまったことによるものと考える。この結果から、吸熱シートを転写領域Sへ送り込むことにより、画像形成の生産性の低下を抑えて感光体表面を冷却することができることが確認された。
続いて、各実施例を詳細に分析する。まず、感光体表面の温度を検出する温度センサを取り除き連続した両面出力の回数に基づいて検知を行う実施例1および2の生産性の評価結果と、その温度センサで実際に検出した感光体表面の温度に基づいて検知を行うその他の実施例の生産性の評価結果とを比較することにより、感光体表面の温度が所定温度まで上昇したことを検知するには、連続した両面出力の回数に基づくよりも、温度センサで実際に検出した感光体表面の温度に基づく方が、生産性の低下が抑えられることがわかる。
また、感光体表面温度が40℃になったことの検知を受けて転写領域へ吸熱シートを送り込む実施例3とその温度が42℃になったことの検知を受けて転写領域へ吸熱シートを送り込む実施例7とを比較すると、画像濃度の面では実施例3の方が優れている。この比較から、感光体表面の温度が、トナーのガラス転移点温度よりも10℃低い温度まで上昇したタイミングで転写領域へ吸熱シートを送り込むことが、形成画像の濃度低下を抑えるには有効であるといえる。
また、第2トレイ68から冷却ファン611が取り外されている実施例1と第2トレイ68に冷却ファン611が備えられている実施例2とを比較すると、画像濃度の面では実施例2の方が優れている。この比較から、第2トレイ68に冷却ファン611を備えることで、転写領域Sに吸熱シートを送り込んだときの冷却効果がより大きなものになるということが結論できる。
本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す図である。 吸熱シートの構造を模式的に表した断面図である。 図2に示すゲル状のポリアクリル酸と高分子ポリマー102との間に、金属膜が設けられた吸熱シートの模式断面図である。 図2に示す、水分を吸収したポリアクリル酸を、リン酸ナトリウムの結晶水和物に置き換えた吸熱シートの模式断面図である。 図4に示すリン酸ナトリウムの結晶水和物と高分子ポリマー102との間に、金属膜が設けられた吸熱シートの模式断面図である。 金属膜を表面に備えた吸熱シートを表した図である。 金属膜が表面にライン状に配置された吸熱シートを表した図である。 金属膜が表面に斑点状に配置された吸熱シートを表した図である。 金属膜をOHPシート内部に取り込んだ吸熱シートの模式断面図である。 金属粉が、OHPシートの材料である高分子ポリマーと混合されて作製された吸熱シートの模式断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10 感光体
101 表面
20 帯電器
30 現像装置
31 現像剤収容体
32 現像ロール
40 転写ロール
50 クリーニングブレード
60 シート搬送装置
61 給紙トレイ
611 冷却ファン
620 送込経路
630 転写循環経路
631 第1ガイド板
632 第2ガイド板
640 定着経路
660 両面経路
67 シート搬送制御部
68 第2トレイ
681 冷却ファン
690a 第1連絡経路
690b 第2連絡経路
70 定着器
711 ハロゲンランプ
90 本体制御部
S 転写領域
Pn 用紙
Pt,Pt1,Pt2,Pt3,Pt4,Pt5,Pt6,Pt7,Pt8 用紙
100 水
101 ポリアクリル酸
102 高分子ポリマー
103 金属膜
104 リン酸ナトリウムの結晶水和物
105 金属粉

Claims (1)

  1. 静電潜像を表面に保持する像保持体の該表面に保持された静電潜像を現像剤が収容された現像装置を用いて該現像装置に収容された現像剤により現像することで該像保持体表面に現像像を形成し、該現像像を、シート状の記録媒体に転写する転写領域で該記録媒体に転写し、記録媒体に転写された転写像を加熱することで該転写像を該記録媒体に定着し該記録媒体上に定着像からなる画像を形成する画像形成装置であって、
    前記像保持体表面の温度を検知する温度検知部と、
    前記温度検知部の検知結果を受けて前記転写領域へ、該記録媒体の吸熱性よりも高い吸熱性を有する吸熱シートを送り込むシート搬送装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009198697A (ja) * 2008-02-20 2009-09-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2011209646A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Kyocera Mita Corp 定着装置及び画像形成装置

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