JP2008013534A - ペット用プロバイオティクス製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロバイオティクスは消化効果や延命効果など健康にとても有益であるが、そのほとんどは製造工程、輸送、保管、摂取時に死滅してしまう。さらには、酸性の高濃度の塩分条件下では生存出来ない。最終的には、生きた菌が本来持っている良い効果現状で最大限に引き出されていない現状がある。
【解決手段】キサンタンとキトサンの高分子混合体を使ってマイクロカプセル化し、プロバイオティクスを包み込むことで苛酷な環境下での生存能力を高めることができる。重量比やpHの条件を変えることで安定性も変わるため、特定の条件で製造することが重要である。乳酸菌のPediococcus acidilacticiと酵母菌のSaccharomyces boulardiiをペット用乳酸菌として使用すると、消化管疾患が改善し、特に食欲増進、下痢の減少、軟便の向上、嘔吐の減少につながる効果がある。
【選択図】図4

Description

この発明はペット用プロバイオティクスに関するものである。
背景分野
米国特許No.5,968,569はプロバイオティクスを含むゲル化したでんぷん細胞間質のペットフードを示すものであり、具体的には、Saccharomyces属とPediococcus acidilactici属について公開している。 米国特許No.6,551,633はラクターゼと乳糖を含むペット用の牛乳を主成分とするパウダーに関して公表している。また米国特許No.5,968,569もプロバイオティクスに関するものである。 米国特許No.6,780,447はソルビン酸と微生物(生きているもの、または死んでしまったもの)を含む動物用食品であることを公開している。Pediococcus acidilacticiを含む非常に多種の微生物について公表している。 米国特許No.6,827,957は内部がやわらかく、外部にはプロバイオティクスを含む固い殻となっている動物用食品の製造方法を公開したもので、Saccharomyces属について公表されている。 米国特許No.6,835,397はSaccharomyces.boulardiiとPediococcus.acidilacticを含む多種のプロバイオティクスを含むカプセル化された酵母について公表している。 米国公開特許申請番号2003/0049240はLactobacillus属とBifidobacterium属を用いたヘリコバクター感染症を治療する方法について公開している。 米国公開特許申請番号2004/0197352は、微生物の数々の菌種を含む、またクレアチンと血液中の尿素窒素を減少させるプレバイオティクス成分について公開している。 上述とともに関係した手法と制限される前述の例が、実例として挙げられ、あくまで唯一の手法とは限らないことを示唆している。そして、ある論述の他の手法、制限範囲は文献や研究により明白となる。
キサンタンとキトサンの高分子混合体に包み込むペット用のプロバイオティクスの製法を具体化したものである。それらのプロバイオティクスは酵母菌accharomyces属と乳酸菌を含む。プロバイオティクスは酵母菌を示す。プロバイオティクスは乳酸菌を示す。酵母菌はSaccharomyces属を示す。乳酸菌とはPediococcus属を示す。Saccharomyces属酵母菌とはSaccharomyces cereviase boulardii、または通称Saccharomyces boulardiiを示す。乳酸菌とはPediococcus acidilacticiを示す。キサンタンの濃度は重量比が0.2〜2%、キトサンの濃度はpH2〜7の範囲で重量比が0.1〜1%である。キサンタンの濃度は0.125%で、キトサンの濃度はpH4.15で重量比が0.4%である。
主張はペットの下痢、嘔吐、体臭、超過ガスを減少させる方法の一つとしてカプセルに包まれたプロバイオティクスを与えることであることを含む。またペットの食欲不振、下痢、軟便、消化不良、嚥下運動などの問題を減少させる方法の一つとしてカプセル化に包まれたプロバイオティクスを与えることを含む。プロバイオティクスはPediococcus acidilacticiとSaccharomyces cerevisiae boulardiiを示している。プロバイオティクスはキサトサンとキトサン高分子混合体で包み込まれており、またペットは犬を示す。
主張内容を分かりやすく説明をするための手法、方法などを用いているが、その範囲には制限されない。上記主張では、上記に記載されている一つまたは複数の問題が減少・解消されたと明記されているが、別の主張では、別の問題に対する向上があったことを示している。
上記の説明の他に、参考文献や図、下記の説明により主張を更に明確にしている。
発明が解決しようとする課題
プロバイオティクスはもともと人や動物の消化管に住んでいる良性の菌である。プロバイオティクスは人用のサプリメントとしても認められている。抗生物質治療による消化器への副作用があった場合や、旅行などによる継続したストレスに悩む患者に対して、消化器の問題を解消するため、プロバイオティクスを勧める医師もいる。最近医療業界において、プロバイオティクスはワクチンの効果を助け、病気の予防を助け、免疫力を高める重要な作用があると認識し始めた。また食品業界では、プロバイオティクスは人の健康維持のための機能性食品における主要製品であると考えている。家畜生産者たちの間では、プロバイオティクスは抗生物質に比べ、豚、牛、乳牛、鶏にとって、より健康的に成長を促す物質であると考えられているが、ただ単に動物の成長を促すものばかりでなく、腸管に由来する病原菌等からの感染を大幅に減少させるものであるとも認識されている。多くの研究者たちは犬、猫、またモルモットなどの小動物ペットにプロバイオティクスがもたらす効果に魅了され、プロバイオティクスのメカニズムの研究をし、数々のジャーナルにおいて研究成果を公表している。
今日では、ペットフード製造者たちはプレミアム・ペットフードにプロバイオティクスを配合しているし、またプロバイオティクスはカプセルやチュアブル錠剤形式でも販売されるようになった。しかし、ペットオーナーたちにはプロバイオティクスに対する情報がまだ少なく、ペットにもたらす様々な効果が良く認知されていないため、疑い深くプロバイオティクスを積極的に使用しようとはしていないようである。プロバイオティクスは栄養補助食品としてまた強力なニュートラシューティカル製品として人や家畜のヘルスケアに取り入れられているが、ペットオーナーたちには、消化効果や延命効果があるなどプロバイオティクスがペットの健康にとても有益であるという情報がまだ良く伝わっていないのかもしれない。
ではプロバイオティクスはどのようにしてペットに良い効果をもたらすのだろうか? プロバイオティクスはペットの消化管を通り、消化管表面に付着し細胞分裂する。プロバイオティクスが細胞分裂をして成長すると、ペットが食べたフードを分解し酸性物質を生成し、その酸性条件下では、消化管の病原菌が生息しづらい環境になる。幾種かのプロバイオティクスは、病原菌に対して毒素を分泌し、病原菌を減少させる。
またプロバイオティクスが消化管に付着すると免疫原となり、抗体生産能力を高めるため、病原菌感染への免疫力が高まる。プロバイオティクスが細胞分裂すると、消化管表面に広がり、一般的な感染経路とされる病原菌の消化管付着を防ぐ。プロバイオティクスが細胞分裂をしている最中は複雑な栄養素をペットが吸収しやすい単純栄養素へと消化する。この消化作用により生成された栄養素はペットの肉体を強くするだけでなく、通常消化不良とガスの過剰生成のどちらかによって生成された悪臭も減少する。故に、「生きた」プロバイオティクスがペットの消化管へ送られ、それら微生物が付着し、成長するようにしなければならない。ペットがプロバイオティクスの効果を実感するためには、プロバイオティクスを消化管に「生きたまま」到達させる必要があり、摂取時の生育条件が非常に重要な要素になる。
ペットに与えるプロバイオティクスに関してこの重要な2点をもつと詳しく見てみよう。(1)プロバイオティクスの生育条件(2)ペットの消化管に「生きたまま」到達するプロバイオティクス。これらの点を理解すれば、先の飼い主のペットがなぜプロバイオティクスの数々の効果を体験できたのかを見出すことができると思う。ペットショップに行くと、プロバイオティクス(特にプロバイオティクス発酵培養物)を配合している多種のペットフードが目に付くのではないかと思う。面白いことに、カナダのある科学者グループが「プロバイオティクス配合」と主張している19社の市販ペットフード製品に関する大規模調査を行っている。この調査報告によると、いずれの商品にも表示されているプロバイオティクス品種すべてが含まれているものはなく、最もプロバイオティクスの含有量が高い商品でも1.8×100,000CFU/g(Colony Forming Unit over weight,g;一定重量に含まれる「生きた微生物」の数の表示単位)であった。詳細は文献を参照。
Can.Vet.J.,2003,44:212−215
http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pubmed&pubmedid=12677689
動物がペットフードを食べると、ペットの体内において消化を促すさまざまな種類の酵素群が分泌される。これによって抵抗性の弱いプロバイオティクスはペットの消化器系において効果を及ぼす前に死滅してしまう。更にペットフードが消化管を通って行く際においては、プロバイオティクスは酸性で塩分の強い環境に耐えなければならない。しかし、ほとんどのプロバイオティクスはこのような過酷な環境の中で生存することはできず、有効性を失ってしまう。実際にプロバイオティクスの生存率はとても低いため、確実な効果を得るためには多量のプロバイオティクスを摂取することが必須となる。上記研究文献では、プロバイオティクスが効果的に作用するためには、人で10,000,000,000CFU以上、動物で1,000,000,000CFU以上を毎日摂取する必要があると説明している。このことをカナダの科学者たちが調査した中で最もプロバイオティクス濃度が高かった市販製品に置き換えて考えるならば、毎日10kg以上のペットフードを与えなければプロバイオティクスの効果は見られないことになる。このように考えると、先に例に挙げた飼い主がなぜあのような結果を得ることが出来たかヒントになるかと思う。故に、ペットオーナーがペットに与えるプロバイオティクスの適量を認識するならば、プロバイオティクスがペットの健康にもたらす素晴らしい効果を理解して頂けるのではないかと思う。
しかし、プロバイオティクスは生物活性を有するため、十分な量が存在し、管理し、輸送する場合、生育条件,生育過程,保管等の要素で生物活性を制限してしまうと種々の問題が発生する可能性がある。特に製造時に細胞が渇き凍りついてしまったり、フィード工程時に(高温、高圧力によって)、輸送・保管時に(温度差によって)、食した後に消化管によって(低pH値、胆汁酸塩によって)など、プロバイオティクスが死滅してしまう場面は多い。プロバイオティクスが良い効果をもたらすために決定的な要素はまず人や動物が高濃度の「生きた」微生物を摂取することにある。動物用食品の添加物として、また人用の機能食品としてプロバイオティクスは市販されているが、そのほとんどは製造工程、輸送、保管、摂取時などに死滅してしまっている(Cinto−Cruce and Gould,2001)。最近脂質を使ってプロバイオティクスを包含した結果、プロバイオティクスの生存性が高まることが実証された(Pacifico et al.,2001)。しかし、特にはマイクロキャリアーとして高分子混合体を使ってであるが、プロバイオティクスの包含に関しての情報や報告は比較的少ない。
製薬産業、化学産業、食品産業において、価値の高い成分を守り、確実に目的物質を輸送、常に一定量の摂取をコントロールする等の目的でマイクロカプセルを用いている。例えば、アルギン酸ナトリウム(デンプン、ペクチン、乳清タンパクとも組み合わせて)、アラビアゴム(アカシアゴムとして知られている)、カラギナン(ローストビーンガムとも組み合わせて)などの微小担体としての一成分の使用に限定され、乳化やその他特殊加工の技術を要する。しかし、それぞれのシステムには限界があるだけではなく、一般的に安定性が低い。例えば、アルギン酸塩はその単純性、低コスト、優れたバイオ互換性などの理由で最も一般的に使用される混合体であるが、ゲルの構造強度が低いために脱灰や酸性化の影響を受けやすい。高分子混合体を使用したマイクロカプセルは動物が食べる時やペットフード製造などの過酷な処理条件においてもプロバイオティクスを生きたまま保つことができる。よって保存期間が延長されると同時に、室温で保管できるようになれば輸送費なども削減にもつながる。
発明が解決するための手段
微生物のエキソ多糖類は高分子混合体として分類され、食品、薬品、工業製品などで広く使用されている(Marin,1998)。他の担体とは異なり、微生物の高分子混合体は三次元構造を形成することができ、個々の分子間の交差部分を結合し安定させている。(Lo et al.,2003).例えばキャベツの植物病原であるXanthomonas campestrisは細胞外に粘着する物質としてキサンタンガム生成し、細胞が宿主に粘着するのを助けたり、様々な環境因子から自己を保護する。つまり高分子混合体を使って微生物を包み込むことで苛酷な環境下での生存能力を高めることができる。
プロバイオティクスは消化管の病原菌が示す抗原への免疫反応を変化させることができるということが研究で明らかになっている。(Isolauri 2003)。Salmonella typhimurium菌に感染させる以前にマウスにL.acidophilusとL.caseiを同時にまたは片方だけを与えた実験では、プロバイオティクスを与えたグループは〜100%程度S.typhimuriumに感染されても生存できたが、そうでないものは<20%くらいの生存率であった。抗サルモネラ菌抗体の値はL.acidophilus/L.caseiを食べさせたマウスのほうが、血清と消化管粘膜においてより高かった。(Perdigon et al.,1990)同じようにBifidobacterium breveを与えることでコレラ毒素に感染したマウスへのIgA免疫反応を引き起こし、(Yasui et al.,1992)、またL.rhamnosus GGはロタウイルス由来の急性下痢の子供達の細胞でロタウイルスに選択的なIgA抗体を増やすことが判明している。(Kaila et al.,1992).細胞性、液性免疫反応は、ロタウイルス感染した子豚にB.lactis HN019を与える実験にて実証されている(Shu et al.,2001)
B.bifidumをノトバイオティックマウスに与えたところ強い抗体反応が確認された。これはプロバイオティクスが抗原に特有の粘膜免疫反応を刺激し、粘膜以外の場所を保護することを示しています。インフルエンザウイルスで感染させる前にマウスにB.breveを与えると抗インフルエンザ抗体IgGが増えたことが確認された。(Yasui et al,1999).L.casei菌を与えたマウスでは、緑膿菌に対する血清IgA値が高まった。(Alvaez et al.,2001).E.coliとロタウイルスに対するIgA、IgG、IgM抗体は、Bifidobacterium lactis HN019を与えた子豚の糞便から発見された。(Shu et al,,2001).近年では、E.acervulinaに感染したブロイラーにおいてLactobacillusを与えることによる局部の細胞媒介免疫として、IL−2分泌の上昇、E.acervulinaオーシスト生成物が低くなったという結果がDalloul et al.により,2003年に証明された。しかし免疫反応に関してはLactobacillusとBiofidobacterium以外の乳酸菌に関してはあまり報告がない。
プロバイオティクスを与えた鶏から糞便の選択
乳酸菌の種類の違いで、宿主に対する免疫系の刺激が異なる。プロバイオティクスが消化管面で付着し、コロニー形成することが、上記で紹介した微生物が効果を発揮するための第一条件となる。微生物が宿主へ効果的に付着するためには、P.acidilacticiを消化管のような低pH、低胆汁環境で成長させる必要がある。菌を選択する際には、P.acidilacticiを与え、アイメリア属の菌を接種していない鶏の糞から回収し、生存できた菌のみを分離することが重要である。糞は7日目、14日目、18日目、21日目にP.acidilacticiを与えた3羽の鶏から回収した。以下で同じような手法がオーシストの形成物から溶液を分けて実施されて、溶液は再懸濁され、水の代わりにリン酸緩衝生理食塩水中で浸した。慣習的に、コロニー形成数をカウントする為の微生物培養物は、微生物のシングルコロニーと区別され、鶏中のP.acidilacticiのコロニーと関係があると示唆される。コロニー形成評価の為に、目的のコロニーがホモジナイズされた希釈系を、特定の多様な条件下(例えば、E.coliはLB条件下、Clostridium spp.はRCA条件下、Lactobacillus sppはRogosa条件下、P.acidilacticiはMRS条件下)で生育条件により詳細設定をして培養した。コロニー形成群を完全に回収した後、MRSから数百のシングルコロニーを単離させ、さらにP.acidilactici.を選択する為に、標準的な人や動物の消化管モデルとみなした、pH2、0.9%の胆汁を含む新しいMRSに移した。そして、同様に、pH2、0.9%の胆汁を含む新しいMRSに移し変えていくことを2回以上繰り返して、生存できたシングルコロニーがパルスフィールドゲル電気泳動法によって評価され、微生物菌株の確認の為にAPI生化学分析を実施した。なお、グリセロールストックし、マイナス70℃で保存する前に、確認試験を実施した。
生体外細胞系のコロニー形成における菌株の選択
人の細胞系のCaco−2やHT29に対するバクテリアの接着が動物内の乳酸菌と関係があることが確認された。(Brassart et al.,1998;Tuomola and Salminen 1998).さらに、Caco−2、HT29細胞系を有するバクテリアとの共同培養により得られたpH2、0.9%の胆液で生育可能な菌株の選択。Caco−2、HT29細胞系に対するバクテリア接着分子の検討は、顕微鏡検査によって確認され、少なくとも2回以上繰り返されている。さらに鶏内で免疫応答を活性化されたバクテリアをスクリーニングする為に、pH2、0.9%の胆液で生育可能であり、Caco−2とHT29の細胞系に対して接着するバクテリアが、1gあたり10億個という高濃度のプロバイオティクスを鶏に与えることで準備された。
E.maximaを接種した鶏への経口的に与えた菌株の選択
コロニー形成された宿主の免疫応答を活性化することが出来るP.acidilactici菌株の選択をする為に、細胞系に効果的に接着するバクテリアがバクテリアの餌中とE.maximaを接種した鶏中で再選択された。これらの生体内、生体外の菌株選択の方法により、動物内で免疫応答を活性化し、免疫促進作用のあるP.acidilactici菌株が得られるべきである。鶏が、P.acidilacticiの選択菌株を投与され、E.maximaのオーシストを接種し、大量のE.maximaの胞子形成オーシストに感染させる。サンプルの回収、免疫応答の検討をする為の分析、病気感染はどれも同じになった。回収サイクルは、免疫促進作用を有する菌株選択を確実にする為、再度繰り返された。
高分子混合体を使用し、乳酸菌をカプセルに包み込む
生きている犬や猫などのペットに使用する乳酸菌・酵母菌をキサンタンとキトサンの高分子混合体で包み込んで守る。キサンタンガムは水に溶けやすく、低濃度でも粘調性が強い多糖類ゴムである。また水分の蒸発に対し強膜を作り、さらには熱分解にも抵抗力ある。キチン質は、主にN−アセチルグルコサミン残基の側鎖のない連鎖から成っている多糖類である。キトサンは脱アセチル化されたキチン質であり、水処理、写真の感光乳剤、合成繊維や織物の染色効果、そして傷面治療等に使用される混合体である。
プロバイオティクスは重量比が0.5〜2.5%のキサンタンと重量比が0.2〜0.8%のキトサンを含む水溶液で包み込む。pH値は2.0〜7.0である。重量比が1.25%のキサンタンと重量比が0.4%でpHが4.15のキトサンの水溶液が一番好ましい。生きた微生物細胞は1ml毎に最大1010CFUの割合でカプセルに包み込む。
キサンタンとキトサンの混合体でプロバイオティクスを包み込むカプセルは微生物の生存性を確保する、犬や猫に与える量を一定に保つ、プロバイオティクスを食べさせる手助けになるなどの優れた点がある。キサンタンとキトサン混合体でカプセル化されたプロバイオティクスを犬や猫は拒まずに食べる。
発明者はプロバイオティクスを包み込むキサンタンとキトサンの水溶液での効能はキサンタン・キトサン混合体の形成によるものであると提唱する。水溶液に2つの異なった電荷を持つ高分子電解質を混ぜることにより、異なった電荷を持つ混合体はお互いに引き合うため、高分子電解質の複合体を形成するのである。至適pH値でキサンタンはマイナス電荷、キトサンはプラス電荷と結びつく。故に異なる電荷を持つ混合体は結びつき、安定した複合体であり、硬度のあるゲルとなるのである。高いpH値では、キサンタンがイオン分解され、2つの混合体の結合は不安定になり、硬度のないカプセルとなってしまう。
図1はpHが2〜8の場合でのカプセルの強度をグラフ化したものである。カプセルは上述の適切な方法で作られた。カプセルの強度や構造度の強度はTA.XT2iの5kgの負荷と1mmの距離を用いて、様々なpH値において測定された。図1は、pHを変化させた時にpHが3〜4の時、pHが6〜8の時に強度が高くなる。図1のデータは上記のキサンタンとキトサン複合体の形成の理論ディスカッションと一致した。
図2はカプセルに包まれた、また包まれていない微生物が低い温度によってどのように影響されるかを示したものである。カプセルに包まれている微生物また包まれていないものも両方を0℃の温度に1時間放置した。カプセルに包んでいない方の生きた微生物の数は109.3cfu/mlから108.3cfu/mlに減少した。一方でカプセルに包んでいる微生物では109.3cfu/mlから10cfu/mlの減少にとどまった。図2はカプセルが低い温度から守る働きをするということを示している。
図3は微生物をカプセルに包んだ時と包まない時で、高温によってどのように影響されるかを示したものである。カプセルに包んだもの、包まないものの両方ともに60℃の温度に150秒間放置した。カプセルに包んでいない方の生きた微生物の数は10cfu/mlから10cfu/mlに減少した。一方でカプセルに包んでいる微生物では109.3cfu/mlから108.9cfu/mlの減少にとどまった。図3はカプセルが高い温度から守る働きをするということを示している。
図4は微生物をカプセルに包んだ時と包まない時で低いpH値によってどのように影響されるかを示したものである。カプセルに包んだもの、包まないものの両方ともにpH2の範囲で0〜60分間放置した。カプセルに包んでいない方の生きた微生物の数は30分後には10cfu/mlから105.7cfu/mlに減少し、60分後には105.5cfu/mlに減少した。一方でカプセルに包んでいる微生物では30分、60分後どちらも109.3cfu/mlから107.8cfu/mlの減少にとどまった。図4はカプセルが低いpH値から守る働きをするということを示している。
典型的な面と実施例が以上の様に検討されてきたが、技術的手法の改訂、追加等がある。以下に示す、添付の特許請求範囲において、改訂、修正、追加がそれぞれの条項の本質の範疇において含まれることが意図される。
発明の効果
ビーグル、ダルメシアンの血統が混じった8歳になる黒の老犬レトリーバーに下記の観察のように与えた。症例:毎日嘔吐が見られ、体臭がひどく、過剰ガスや悪臭が観察された。
与え方:毎日マイトマックスカプセルをチーズ一切れにはさんで与えた。マイトマックスには4億個のPediococcus acidilacticiとSaccharomyces boulardiiが含まれており、2004年6月21日〜2004年7月4日の間与えた。マイトマックスはイマジリンテクノロジー社(メリーランド州)のゼラチンカプセル入りのプロバイオティクスの商標である。
Figure 2008013534
表1はプロバイオティクスを犬に毎日与えることによって、嘔吐、体臭、過剰ガスを減少させるということを示している。
8匹の1歳から13歳で、それぞれ違った慢性の消化管疾患を持つチェサピークベイレトリーバーにマイトマックスを1日1カプセルを28日間与えた。表2はその結果を示したものである。表2の犬の年齢は年であり、体重はポンドであらわされている。
Figure 2008013534
表2は異なった性別と種別の犬にプロバイオティクス・カプセルを与えた結果、消化機能が向上したことを示す。特には食欲増進、下痢の減少、軟便の向上、嚥下運動問題の減少、嘔吐の減少などである。
図1はpH値範囲とカプセルの硬さの関係を示したものである。 図2は低い温度で、カプセルに入れた場合と入れない場合でのプロバイオティクスの生存能力の関係について示したものである。 図3は高い温度で、カプセルに入れた場合と入れない場合でのプロバイオティクスの生存能力の関係について示したものである。 図4はカプセルに入れた場合と入れない場合でpH2範囲にさらした時間との関係を示したものである。

Claims (23)

  1. プロバイオティクスを生きたまま高分子混合体に包み込む製法。
  2. プロバイオティクスとして乳酸菌・酵母菌を生きたまま高分子混合体に包み込む製法。
  3. プロバイオティクスとしてPediococcus属、Lactobacillus属、Bifidobacterium属、Bacillus属、Streptococcus属、Enterococcus属の乳酸菌・Saccharomyces属の酵母菌を生きたまま高分子混合体に包み込む製法。
  4. プロバイオティクスとしてPediococcus acidilactici、Saccharomyces cerevisiae boulardiiを生きたまま高分子混合体に包み込む製法。
  5. プロバイオティクスを生きたまま、キサンタン・キトサン高分子混合体に包み込む製法。
  6. プロバイオティクスを生きたまま、pH2〜7の範囲でキサンタン(重量比が約0.2〜2%)・キトサン(重量比が約0.1〜1.0%)の高分子混合体に包み込む製法。
  7. プロバイオティクスを生きたまま、pH4.15でキサンタン(重量比が約1.25%)・キトサン(重量比が約0.4%)の高分子混合体に包み込む製法。
  8. プロバイオティクスを生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  9. プロバイオティクスとして酵母菌を生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  10. プロバイオティクスとして乳酸菌を生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  11. プロバイオティクスとして乳酸菌・酵母菌を生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  12. プロバイオティクスとしてSaccharomyces属の酵母菌を生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  13. プロバイオティクスとしてPediococcus属、Lactobacillus属、Bifidobacterium属、Bacillus属、Streptococcus属、Enterococcus属の乳酸菌を生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  14. プロバイオティクスとしてPediococcus属、Lactobacillus属、Bifidobacterium属、Bacillus属、Streptococcus属、Enterococcus属の乳酸菌・Saccharomyces属の酵母菌を生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  15. プロバイオティクスとして酵母菌Saccharomyces cerevisiae boulardiiを生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  16. プロバイオティクスとして乳酸菌Pediococcus acidilacticiを生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  17. プロバイオティクスとして乳酸菌Pediococcus acidilactici・酵母菌Saccharomyces cerevisiae boulardiiを生きたまま与えることは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  18. キサンタン・キトサンの高分子で包含された状態で生きたままプロバイオティクスを使用することは、ペットの消化管疾患を改善する手法の一つ。
  19. プロバイオティクスを生きたまま与えることは、犬・猫・ウサギ・モルモット・鳥類の消化管疾患を改善する手法の一つ。
  20. プロバイオティクスを生きたまま与えることは、ペットの食欲増進、下痢の減少、嘔吐の減少、体臭防止、便通改善、腹部膨満等を助ける手法の一つ。
  21. 抵抗性の高い乳酸菌生成の工程は次に挙げたとおり。
    ▲1▼低pH値、且つ、高濃度の塩存在下での培養。
    ▲2▼次に、▲1▼で生き残った細菌を鶏に与える。
    ▲3▼その後、鶏の排泄物から乳酸菌を単離する。
    ▲4▼最後に、人の細胞腺より分離した乳酸菌を培養し、
    ▲5▼人間の細胞線に粘着した乳酸菌を分離する。
  22. 抵抗性の高い乳酸菌生成の工程は次に挙げたとおり。
    ▲1▼低pH値、且つ、高濃度の塩存在下での培養。
    ▲2▼次に、▲1▼で生き残った細菌を鶏に与える。
    ▲3▼その後、鶏の排泄物から乳酸菌(Pediococcus属、Bifidobacterium属、Bacillus属、Streptococcus属、Enterococcus属)を単離する。
    ▲4▼最後に、人の細胞腺より分離した乳酸菌を培養し、
    ▲5▼人間の細胞線に粘着した乳酸菌を分離する。
  23. 抵抗性の高い乳酸菌生成の工程は次に挙げたとおり。
    ▲1▼低pH値、且つ、高濃度の塩存在下での培養。
    ▲2▼次に、▲1▼で生き残った細菌を鶏に与える。
    ▲3▼その後、鶏の排泄物から乳酸菌(Pediococcus acidilactici、Bifidobacterium属、Bacillus属、Streptococcus属、Enterocpccus属)を単離する。
    ▲4▼最後に、人の細胞腺より分離した乳酸菌を培養し、
    ▲5▼人間の細胞線に粘着した乳酸菌を分離する。
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