JP2017012157A - 食品及び飼料調製のための高温耐性プロバイオティクス - Google Patents

食品及び飼料調製のための高温耐性プロバイオティクス Download PDF

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Abstract

【課題】食品及び飼料調製のための高温耐性プロバイオティクスの提供。
【解決手段】65℃超で生存可能であり、好気性及び嫌気性条件下で生育可能であり、50℃及びそれ超の温度で生育及び増殖が可能であり、1から6.2のpH範囲で生存可能であるペディオコッカスアシディラクティシ株、並びに、高温、低pH値並び好気性及び嫌気性条件に耐性があるペディオコッカスアシディラクティシを選抜するステップを有する、ペディオコッカスアシディラクティシ株を生産する方法。
【選択図】図1

Description

プロバイオティクスは、ヒト及び動物の消化(GI)管に自然に存在する有益な微生物である。1906年に、メチニコフ博士は、ブルガリア及びロシアの大草原の人々が長寿であることは、大量の有益な菌の消費に起因すると述べている。プロバイオティクスという用語は、これら有益な菌に関して使用される。多くのプロバイオティクスによって、健康上の利益(例えば、抗生物質誘導性の下痢、急性下痢症、旅行下痢、アレルギー、呼吸及び尿路感染炎症性大腸疾患、過敏性腸症候群、結腸及び膀胱癌並びに慢性関節リウマチの症状の改善)がもたらされる。(Doron and Gorbrach, 2006; Goldin and Gorbrach, 2008, and Kaur et al 2009)。
ビフィドバクテリウム属及びラクトバチルス属は、動物及びヒトに健康上の利益をもたらすと、研究者が述べた最初のプロバイオティクス菌であったため、それらは商用プロバイオティクス製品に最も一般的に選択されているものである。残念なことに、大部分のビフィドバクテリウム属及びラクトバチルス属は、高温及び/又は酸素曝露に感受性がある(Taiwalkar、Kailasapathy 2004)。従って、ビフィドバクテリウム属及びラクトバチルス属を含むプロバイオティクス製品は、低温で保存して、空気に曝される期間を避けるように保存することを多くの場合推奨されている。多くの場合、素材及び製品は、製品の製造、保管、輸送及び製品展示のプロセスの間に高温及び外気に曝されるため、これらの要件は、かかる製品の製造方法に対して相当な課題を課すものである。
バチルス種は、好適でない条件下で内生胞子を形成するバチルス種の能力によって、おのずと熱耐性乳酸菌となる。これらの内生胞子は、100℃を超える高温下で菌生存率を維持することができる。従って、多くのアジア諸国において利用されている枯草菌は、プロバイオティクス製品に加える良好な候補とすることができる。残念なことに、バチルス種には、バチルスアントラシス(B antracis)(炭疽菌)(Madigan and Martinko, 2005)及びBセレウス(食中毒)(Kotiranta et al 2000)といった致命的な有害病原体が含まれる。従って、高病原性のバチルスアントラシス又はBセレウス由来の病原性遺伝子がプロバイオティクス枯草菌に移る潜在的リスクが存在する。
ペジオコックス属は、ヒト及び犬の消化(GI)管に自然に存在している有益な菌であり(Kim Adachi, 2007)、ヒト用ソーセージ製品の発酵のためのスターターとして利用されている。予想外に、ペジオコックス属は、最大65℃の温度で生存するため選抜することができる。このように選抜された菌は、好気性及び半好気性の両条件下で生育可能であるため、酸素曝露にそれほど影響を受けるものではない。更に重要なこととして、ペジオコックス属は、胃酸性環境にそれほど影響を受けるものではない(Mizutani et al, 2007, Lin and Ishida 2008)。
プロバイオティクス製品及び発酵食品は、それらの利益についての公衆の認識が上がり続けるにつれて、重要性が急速に増してきている。多くのプロバイオティクス製品は、食品又はサプリメントとして商業的に入手可能である。それは、プロバイオティクスを利用する他の分野(例えば乳製品)よりも多様且つ活発的なようである。サプリメントは、カプセル、液体、タブレット、更には食品フォーマットを含む、多くの異なる製品フォーマット及び内容物に含まれている(Messonnier 2001)。これらのプロバイオティクス菌の製造及びパッケージングを成し遂げるために、ある種の産業的な課題(例えば製造工程の間に用いられる典型的な高温及び高圧条件)を克服することが非常に重要である(Bauser et al 2003)。例えば、ネコ、イヌ及び小動物用食餌は、通常、ベーキング又は押出と呼ばれる工程のいずれかで製造されるペレットとして利用可能である。押出工程の間、カットした生地又は原材料の混合物をエキスパンダーに入れつつ、加圧蒸気又は熱水を加える。押し出された粗挽きのものをあまりにも長く空気に曝したり、適切に保存されていない場合、調理後に加える脂肪及びオイルは、酸敗臭がするようになり、食品中のビタミン及びミネラルは、保管又は輸送の間、熱によって分解される可能性がある。従って、加熱は、製造工程と最終製品の保管及び輸送の両方において重要な役割があり、このような高温及び高圧に耐えることができる株の開発は重要である。
この研究において、我々は、65℃超で生育可能であり、1から6.2のpH範囲において生育可能であり、好気性及び嫌気性条件において生育可能であるペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の最適株(NRRL B-50517として農業研究事業団(ARS)特許培養物コレクションに寄託)が提供する。加えて、この株は、50℃又はそれ超の温度で生育及び増殖が可能である。これによって、多くの場合、高温を必要とする食品/飼料製造工程へのプロバイオティクスの挿入とプロバイオティクスを製造する方法の効率が高まる。加えて、温度耐性プロバイオティクスは、例えば、ヒトが消費するコーヒー、お茶又は熱い野菜/肉スープを調製するのに高温を必要とする食品又は飲料と共に利用することができる。さらに、これらの新規の菌によって、胃酸、製造時の苛酷な温度といった極限条件下を生存する能力を有し、保存寿命が長い、プロバイオティクスサプリメント又は機能性食品の開発が可能になる。
本開示の一実施形態には、65℃超で生育可能であり、好気性及び嫌気性条件下で生育可能であり、50℃又はそれ超の温度及び1から6.2のpH範囲で生育及び増殖が可能である、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株が含まれており、より詳しくは、NRRL B-50517として農業研究事業団(ARS)特許培養物コレクションに寄託されているペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株が含まれる。
本開示の更なる実施形態は、高温、低pH値並びに好気性及び嫌気性条件に耐性があるペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)を選抜するステップを含む上述のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株を生産する方法に関する。
本開示のなお更なる実施形態は、上記ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株を含む製造製品に関するものであり、より詳しくは、消費可能な組成物を含む製品に関するものである。
本発明の追加の実施形態は、食品添加のためのプロバイオティクス組成物を含む製造製品に関するものであり、より詳しくは、飼料又は食品に関するものである。
本開示の他の実施形態は、上記ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株を含むプロバイオティクス組成物をヒト又は動物に投与するステップを含む、食事増強法。
図1は、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、4.0、4.5、5.0、5.5及び6.2のpHレベル及び85℃で選抜した後のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)のコロニーの総数を示す。
図2は、IMHPの好気性対嫌気性増殖特性を示す。
発明の詳細な説明
MRS寒天培地の調製
必要な濃度となるように個々の培地成分を脱イオン水に加えて1リットルとしてMRS寒天ブロス及びプレートを調製した。次に、pHは、必要に応じて水酸化ナトリウム又は塩酸を用いて、必要に応じて6.2に調節した(Media composition 2008)。
希釈及び平板播種技術
サンプルの希釈及び塗布は、特定のサンプルに存在する菌数を決定して、特に重要である個々のコロニーを単離する方法である。この研究のために、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株IMPAの商業的に入手可能な形態であるMitogrowTMの0.5g粉末パケットをサンプルとして、5mlの1Xリン酸緩衝食塩(PBS)溶液に溶かした。次に、最高15分間の定期的なボルテックス撹拌によって溶液を完全に混合した。このサンプルから、10μlのサンプルを取得して、エッペンドルフチューブ中の990μlのPBS溶液にて希釈した。これは、サンプルの10-2倍希釈物である。10-2倍希釈物から、10μlのサンプルを取得して、再度、990μlのPBS溶液にて希釈して、10-4倍希釈物を与えた。この手順を繰り返して、希釈液として10μlを10-4倍希釈物から取得することによって、10-6倍希釈物を得た。10-6倍希釈物から、100μlのサンプルを取得して、900μlのPBS溶液に希釈して10-7倍希釈物を得た。最後に、希釈物チューブから、別の100μlのサンプルを取得して、900μlのPBS溶液にて希釈して10-8倍希釈物を得た。
サンプルを何も加えていないPBSチューブをコントロールとして使用した。
上記の方法によって、いくつかのサンプル希釈物を得た。次に、pH 6.2のMRS寒天プレートに、10-6倍、10-7倍及び10-8倍チューブから100μlを加え、そして、ガラスビーズを用いてそれらを広げて培養した。このプレートを45℃で24時間インキュベートすることで、その後、従属栄養細菌カウントとして知られている直接的且つ生存可能なカウント法によってコロニー数を決定することができる(Cell Enumeration 2009)。この方法で、生育したコロニー数をカウントし、それを用いて以下の式によって初期サンプル中の菌数を評価した。
B=N/D
B=コロニー数
N=プレートでカウントしたコロニー数
D=希釈倍率(1、10又は100)
P.アシディラクティシの高温耐性選抜
上記技術手法の後、個々のコロニーを単離した。無菌爪楊枝を使用して単一コロニーを取得して、15mLのファルコンチューブ中の5mlのMRS寒天ブロスに導入した。種培養の量と温度耐性株を単離する可能性を高めるように、いくつかの個々のコロニーを同じように別々のチューブに導入した。これらのチューブを65℃の温水バスインキュベーターで24-48時間インキュベートした。24-48時間のインキュベーション時間は、単一コロニー由来のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)が生存していることの確証を得るために用いた。これは、子孫が前世代よりも熱に耐性となり、65℃に耐性であるだけでなく、さらに高い温度にも耐性である株を得る可能性を高めるような方法で生存細菌を増やす方法でもある。
65℃で24-48時間インキュベートしたチューブ中のP.アシディラクティシが、ある程度成長したか否かを決定するために、各チューブ由来の100μlのブロスを平板播種技術によってMRS寒天プレートで培養して、45℃で一晩インキュベートした後にコロニー数を評価した。選抜によって得た初期の単一コロニーのコロニー数を決定して、熱処理中及びその完了後に菌の生存率を評価することも理想的である。これは、チューブ由来の100μlのブロスをMRS寒天プレートで培養して、5mlのMRS寒天ブロスへの播種の直後に45℃で24時間、それらをインキュベートして、また、24-48時間の熱処理前及びその間の定期的なインターバルで時間的な経過に伴って細胞数の変化を観察することによって行った。
ある程度の成長がある場合、次に、MRS寒天プレートから単離されたコロニーを再度5mlのMRSブロスチューブに導入して、再度65℃でインキュベートして再現性を確認し、菌の生存率も確認した。同じ手順によって、予め設定された温度で生存可能な細菌が増幅される。一旦、手順を繰り返してコロニーが再度単離されると、温度を70℃に上げて実験を繰り返した。85℃で生存する株が出現するまで、選抜温度を上げることによってこの工程を繰り返した。このようにして単離された株を、IMPA-l、IMPA-2等と記録した。
低pH耐性選抜
研究の目的は、高温及び低pHレベルを生存可能な株を単離することとした。これを考慮して、温度耐性選抜によって得られたペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株を、pH選抜のための種培養として使用した。一旦、耐熱性の選抜が、非常に高い温度(例えば85℃)で生存できた所望の株の形で成し遂げられると、希釈及び平板播種技術を通じて得たペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の単一コロニーに、1.0から6.2にわたる種々のpHレベルのMRSブロスに培養物を播種することによるpH耐性試験を行った。
耐熱性方法と同様に、85℃の株の初期培養後に得られたコロニーを2.5pHのMRSブロスに播種して、それらを45℃で24時間インキュベートすることによるpH選抜を引き続き行った。pH選抜の場合、インキュベーション時間は、以前の研究結果(Lin, 2006)に基づいて24時間に制限した。一旦、コロニー数を評価すると、再度、同じpHレベルで手順を繰り返して、ある程度の菌成長があるか否かを観察した。これは、pH2.5レベルに耐性がある生存可能な培養菌の単離を補助する。選抜した株を増やす方法は、4.5のような快適なpHレベルにセットしたMRSブロスにそれを播種して、次に、培養したサンプルを選抜pHレベルに再導入することとした。即ち、一旦、コロニーがpH2.5のMRSブロスにおいて生き残り生育したのならば、それを増やすために、このサンプルを、pH4.5のMRSブロスで24時間培養して、次に、再度、pH2.5で再選抜した。MRSブロスを使用してpH1.5レベルでこの方法を繰り返した。この方法は、pH1.5に耐性を示すペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の増殖に非常に有効であった。
グリセリンストックの調製
種々の温度で生存したペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)(特に85℃及びpH1.5で生存したIMHP)の選抜株を、必要に応じて追実験のために保存した。従って、これは、生育可能な菌体を保存する方法を確立するのに必要であった。広く使用されている技術の1つは、急速凍結法であり、生育培地及び安定保護剤(例えばグリセリン)の混合物中に生育可能な細胞を懸濁した後に、-70℃で保存する方法である。任意の保護なしに菌を直接凍らせることは、機械的及び生理的状態に起因して、凍結及びその後の解凍工程の間に生存率の減少が引き起こされ得ることが観察されている(Morrison 1979)。従って、グリセリンを保護剤として凍結工程中に使用した。
選抜したペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)培養菌を凍結して保存するために、初めに、サンプルを、45℃で一晩インキュベーションした後に、平板播種技術を使用して、MRSブロスからなる5mlのファルコンチューブにおいて培養した。24時間を超えない一晩のインキュベーションの後に、凍結のためにサンプルを調製することが重要である。理由は、一晩のインキュベーションサンプル中の菌は、まだ、成長曲線の「対数」相にあるためである。これは、それを解凍した後に最大限の潜在能力にて容易に生育可能なサンプルの確立を補助する。凍結後、標識した低温チューブに300μlのサンプルをとり、50%のMRSブロスと50%のグリセリンを含む300μlの混合溶液を加える。実験をセットアップする前に、無菌のグリセリン及びMRSブロスを使用して等量のグリセリン及びMRSブロスを含む混合溶液を調製した。ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の培養サンプルとグリセリン-MRSブロス混合物を含む低温チューブを、ボルテックスによって徹底的に混合し、即座に、エタノール/ドライアイス又は-70℃のフリーザーに入れて凍結及び保存工程を開始した。同じ方法で、低温チューブをいくつかセットアップした。それらを「一次種」と称する。ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の選抜株を培養する必要がある場合に、これらのチューブを用いることができる。グリセリンストックを調製する工程中に、100μlの初期培養サンプルを希釈して、45℃で24時間のインキュベーションのためにMRS寒天プレートに塗布した。これを用いて、低温凍結サンプル(希釈して、MRS寒天プレートへ塗布して、45℃で24時間インキュベートしたもの)の生存率を比較する。これを用いて、凍結工程が85℃及び1.5の低pHで生存できるペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)(IMHP)の選抜株の生存に影響を及ぼすか否かの確証及びチェックを行った。
好気性生育特性と嫌気性生育特性との比較
プロバイオティクスの生産には、ある種の技術(例えば従来型のバッチ発酵手順、連続培養及び固定化細胞システム技術)が関係する(Heller 2001)。ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)は、酸素存在下でも無酸素状態でも生存可能な条件的嫌気性生物である(Facklam and Elliot 1995)。しかしながら、生産目的に関していえば、好気性及び嫌気性条件下で培養収率が高い株を同定することは理想的である。最も適した生育条件を決定するために、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)と親株との生育特性の相違を比較する必要がある。理由は、理想的な株は、以前の温度及びpH選抜技術から取得されたためである。85℃及びpH1.5で生存可能な、耐性選抜法後に得た株をMRS寒天プレートで培養し、単一コロニーを、MRS寒天ブロスを含む25mlチューブに導入した。別の培養サンプルを、親型のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)から取得して、MRS寒天プレートでインキュベートし、上述の通り、25mlMRSチューブに播種した。別々の2つのチューブを、好気性及び嫌気性テストのためにセットアップした。温度が45℃で、エアレーションを誘導するために振盪速度を250rpmにセットした環境振盪機中にて好気性チューブを24時間インキュベートした。一方、1mlのミネラルオイルを嫌気性チューブ中のブロス上に加えて、それらの口をテープで封止して、酸素暴露又は空気交換による任意の不都合を回避するようにした。それらを、エアレーションを回避するように静止位置で45℃の標準的なインキュベーターで24時間インキュベートした。標準的なペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の生育特性は、MitogrowTMサンプル由来の菌を使用したのと同じ手順で決定した。これは、野生株と温度及びpH耐性株との間の比較手段とコントロールの両方の働きをする。0.5gのMitogrowTM粉末を、5mlの1XPBS溶液に溶かして、連続的に希釈し、MRS寒天プレートに塗布して、45℃で24時間インキュベートした。次に、単一コロニーを、上述した好気性及び嫌気性条件と同じ処置を施した。
インキュベーション中に、チューブから1mlのブロスを取り出して、それらの吸光度を、波長600nmにセットした分光光度計を用いて測定した。これは、培養液を通過する光量を測定して、通過する光量に基づいて細胞数/mlを評価するアイデアである(Cell Enumeration 2009)。これは、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の成長を決定するだけでなく、手順中に任意の増殖を観察するのに用いることができる間接的且つ完全な方法である。
ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の親株とペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の選抜株(IMHP)との生理的比較
IMPA由来のサンプルと、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、マナッサス、バージニア州)から購入したATCCペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株25743と、85℃及びpH1.5での生存で選抜した上述の株IMHPに対して、温度耐性選抜及びpH選抜を行った。10μlのサンプルを、種々のpHを有するエッペンドルフチューブ中の490μlのMRS培地ブロスに懸濁して、85℃で24時間インキュベートした。初期播種サンプル中のコロニー数は、平板播種技術を用いてMRS寒天プレートに播種した直後に、100μlのブロスを塗布し、45℃で24時間インキュベートして決定した。これによって、処理前の出発集団のコロニー数の計数が得られる。85℃の処理後、エッペンドルフチューブの各々から100μlをMRS寒天プレートに塗布した。それらを45℃で24時間インキュベートした後、合計コロニー数をカウントし、コロニー数(株の生存率と複製能力との間の類似点又は相違点となる指標)が得られる。
同時に、ATCC 25743株、IMPA及びIMHPペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株を、エッペンドルフチューブ中に含まれる1mlのMRSブロスに播種して、pH耐性選抜のためにpH1.5で処理した。このセットアップによって、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の野生型と温度及びpH耐性株との間に相違の確証的方法、及び、平板播種技術を用いた定量的測定が提供された。この実験は、出発集団中のコロニー数及びペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の野生タイプと選抜された株の両方に対する所望の処理後のコロニー数との比較に関する一連の確証的データを確立するように、3回繰り返した。
85℃での、試験的なIMHPペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株のスケールアップ実験
2つの250mlのフラスコのセットに、実験前に作成し殺菌した50mlのMRSブロスを入れた。これらのフラスコに、-70℃で保存されていた100μlのIMHP一次種を、播種材料として加えた。次に、多量のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の培養で最大限増殖できるように、フラスコを45℃で24時間インキュベートした。この多量のサンプルから、10mlのサンプルを抽出して、2つの別々の15mlファルコンチューブに入れた。そして、10mlのサンプルを含むチューブを、2500rpmで15分間遠心した。遠心後、ペレットがチューブの底に形成される一方で上清が上部に残る。上清を廃棄して、ペレットが濃縮されるようにこの手順を繰り返す。次に、各チューブ由来のペレットを2mlのMRSブロスに再懸濁して、100μlのサンプルを、MRS寒天プレート上に塗布して、45℃で24時間インキュベートする。これは、最初の播種材料を基準とし、温度選抜を受けるペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の生存率を決定するのに役立つ。ペレットを有するチューブを、85℃で24時間、徹底的に混合してインキュベートした。インキュベーション期間後、サンプルを、希釈平板播種技術を通じて10-4希釈物として、45℃で24時間、MRSプレート上に塗布した。
上述した実験から残っている30mlを、2500rpmで15分間遠心することで得られたペレットを濃縮して2mlのMRSブロスに再懸濁した。次に、再懸濁された培養液をそれぞれ1mlの2つのサンプルに分けた。以前の実験のように、10-2倍希釈で、85℃でインキュベートされた両サンプルを一定の時間で培養(0時間、1時間、2時間、4時間のインキュベーション)した。正確な結果の再現性を確立するために、実験を繰り返した。
ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の同定のための16sリボソームDNAタイピング
85℃及びpH 1.5の培養条件で生存可能な選抜されたペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici) IMHP株を同定する確証方法として、16sリボソームDNAタイピングを実行した。いくつかの株を、以下の通りにPCRタイピングプロセスで使用した。
種々の株の全てを、MRS寒天プレート上において24時間の最適温度での生育後、4℃に常に維持した。全ての生物の中に保存される16SRNAをエンコードしている遺伝子の高度に保存された領域に接着することができる2つの16SリボソームDNAプライマーを用いた。タイピングプロセスの間使用するプライマーは、以下のプライマーA(360-388) CGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAG(配列番号: 1)及びプライマーAB(847-822) GCGTGGACTACCAGGGTATCTAATCC(配列番号: 2)であり、これらは、真正細菌中でよく保存された領域由来である。上記配列に加えて、「M13」配列決定プライマーの配列をプライマーの5'末端に加えた。その結果、PCR産物は、その後、クローニングなしに直接配列決定することができる。
A. テンプレートゲノムDNAのための細胞溶解物の作成
無菌爪楊枝を用いてMRS寒天プレートに得られた十分に単離されたコロニーに触れて、この爪楊枝の汚染された末端をPCR混合物に浸漬する。
B. PCR
「Ready-to-go」PCRチューブをGE Healthcare Life Sciencesから取得した。これは、ヌクレオチド、緩衝液成分、Mg+2及びTaqポリメラーゼを予め分配された混合物を含んでいる。水中に360及び822プライマーを含む24μ1の「master mix」を各チューブに加えた。次に、爪楊枝をこれらのチューブに浸漬する。これらは、PCR反応の開始が早まることを回避するように氷上に置く。チューブをボルテックスして試薬を混合し、数秒間遠心してチューブの底部に全ての成分を降下させる。この後、水性溶液を覆うには十分な数滴のミネラルオイルをチューブ加え、次に、チューブをサーマルサイクラーに置いた。サイクルプログラムは、以下の通り、94℃で7分、次に、94℃で45秒、55℃で30秒、60秒で72℃を35サイクル、最後に72℃で10秒、そして、4℃に保持した。
C ゲル電気泳動
40mMのトリス、20mMの酢酸及び1mMのEDTAをpH8.4で980mlとなるように脱イオン水を加え、20mlの50X TAB緩衝液を加えることで1X緩衝溶液を作成した。45mlの1X TAE緩衝液を250mlボトルに加えて、1.5%アガロースゲルとなるようにアガロースを加えた。この溶液をマイクロ波にて加熱してアガロースを溶解し、次に、室温で5分間冷却し、そして、ゲルを装置に注入した。5μlのPCR反応物、4μlの1X TAE緩衝液及び1μlの10X添加液を混合することによってサンプルを作成した。各サンプルの全10μlを別々のウェルに添加し、また、100bpのラダーマーカーを端のウェルに10μl添加した。追跡用色素がゲルの4分の3に達するまで、サンプルを100Vで電気泳動した。次に、ゲルを取り除いて臭化エチジウム中で15分間染色して、紫外線(UV)光の下でバンドを観察した。
D. 配列決定のためのサンプルの精製
配列決定の前に、二つの酵素、すなわちエキソヌクレアーゼI及びアルカリ性ホスファターゼでPCRサンプルを処理することによって過剰なプライマーをサンプルから除去した。これらの酵素は、残留する一本鎖プライマーを消化するが、二本鎖PCR産物は、かかる消化に対して耐性がある。10μlのPCR産物を予め標識したチューブに移して、4μlのExo I/AP混合物を加えた。次に、チューブを、プライマー及びdNTPの消化のために37℃で15分間インキュベートし、そして、酵素を失活させるために80℃で15分間インキュベートした。次に、得られた精製PCR産物の配列決定のためにサンプルを移した。
E 分析
この手順において使用する様々な株の16SリボソームDNA配列と大容量リボソームデータベースとの比較を実行して最も密接に関連した生物を決定した。
温度耐性選抜
上述した手順から、IMPA培養後に得られた生存可能なペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)のコロニーを有するMRSプレートを、温度耐性選抜実験のためのスターター播種原として使用した。8つのコロニーを、2枚のプレートからランダムに選抜して、5mlのMRSブロスにそれぞれ播種し、65℃で24時間インキュベートした。インキュベーション期間の後、100μlのサンプルを、MRS寒天プレートに塗布して、更に45℃でインキュベートした。使用した8つのサンプルうち3つは、他と比較して、より多くのコロニーへと増加した。
得られた結果から、試料番号IMPA-3、IMPA-4及びIMPA-7は、それらの周りの他のコロニーと比較してコロニー形態(例えばサイズ)に基づくと、他よりも有望であると考えられ、また、それらが選択されたサンプルのうち生産性がより高かったことからも有望であると考えられた。その結果、得られた各コロニーに65℃での温度耐性選択を更に受けさせて、合計コロニー数の増加を証明した。コロニー形成単位の合計数は、以下の通りであった。
65℃での株の再選択後、各サンプルによって形成された合計コロニー数に基づくと、IMPA-4及びIMPA-7は、IMPA-3よりも有意であることが認められた。それ故、これらの各サンプルから、5つのCFUをランダムに選択して、70℃での選択プロセスを受けさせた。MRS寒天プレート上でのインキュベーションの後、4.3×104の生存可能な細胞のIMPA-7由来のコロニー形成単位の合計数が、第一サイクルの間、3.6×103の生存可能な細胞を有していたIMPA-4のものよりも非常に大きいということが見られた。
IMPA-7がIMPA-4よりも良好な生存を示したため、IMPA-7を、70℃、75℃、80℃及び85℃でのペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の選択のために使用した。それらの生存を決定するために、また、それらを増やすために、いくつかの規定の温度選択サイクルを繰り返した。最も生存した菌コロニーを選択して次の高温温度選択に使用した。また、この方法は、偽陽性の抑制を確実にすることによりエラーの可能性を限定的にしている。各段階での生存率は、単一のコロニーで見つかる生きているペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の量であるy1x108 CFUに基づいて記録した。
pH耐性選抜
85℃での生存が可能である温度耐性法によって選抜されたペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株を、起源の追跡とより良好な理解のために、「IMH」と名前を変えた。IMH株を用いて、高温且つ低pHレベルで生き残ることができる株を選抜した。10μlのIMHサンプルを、pHレベル1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、4.0、4.5、5.0、5.5及び6.2の5mlのMRSブロスに播種した。全てのチューブを、85℃で24時間インキュベートして、平板播種技術を用いて塗布し、生存可能なペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)のコロニーの数を決定した。図1にて証明されている通り、低pHレベルにて顕著な量が生存していた。
pH 2.5で生存したIMHを、pH 2.5のMRSブロスを使用した更なるpH耐性選抜のために使用した。pH選抜株の命名は、「IMP」とした。最初の結果及びコロニー形態(例えばコロニーのサイズ)に基づいて、IMP-1及びIMP-3を選抜した。ランダムに選抜したIMPI及びIMP-3の5つのコロニーを、pH2.5の5mlのMRSに播種して、85℃で24時間インキュベートした。次に、それらを処理後にMRS寒天プレート上に塗布した。同じ選抜手順を、5回繰り返して、偽陽性の選抜の回避を確実にしつつ、株を増やした。
上で得られた結果から、pH2.5且つ85℃耐性の株が確立された。これによって、極度に低い限界点であるpH1.5に株を入れる更なる原動力が提供された。MRSブロスをpH 1.5培地と置き換えた後、類似の手順を用いて、選抜プロセスを、85℃且つpH 1.5で続けた。初期のpH耐性選抜由来のIMP-1及びIMP-3を、最初の播種原として用いて、実験を7サイクル繰り返した。
サイクル1〜サイクル4では、少ないコロニー数が得られた一方で、サイクル5〜7ではIMP-1においてより高い抵抗性及び成長能力が証明された。一方、IMP-3は、前者と比較すると、一貫して低かった。この実験の結果は、表6に記載する。
表6にて説明したように、低pH且つ高温を生き残ることができる効果的な株が得られた。温度耐性及びpH耐性選抜の後に得られ、85℃且つpH 1.5で生き残ることができた最終的な株には、最後の記号として「P」を与えた。IMHPのグリセロールストックを作成して-70℃で保存した。
ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici) IMPA、ATCC25743株及び85℃且つpH 1.5耐性の選抜された株(IMHP)間の生理的比較
ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の選抜された株が生存及び複製ができることを確認するために、親株と選抜された株との間の相違を概説するある種の実験を実行する必要がある。最初は、API-50-CHL Bacteria Identification System(Fisher Scientific、ニュージャージー)を用いて選抜された株がペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)であることを確証した。この後、慎重に、親株とIMHPとの間の相違を証明した。
ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici) ATCC 25743株を、コントロールとしてのIMPAと共にATCCから取得し、IMHPを、API 50 CHL試験を使用して分析し、成長にとって重要なタンパク質、糖質、ミネラル及び他の成分の利用に基づいて菌を特徴づけた。API試験のためのスタンダードプロトコールに従って、試験片を付けて、37℃で48時間インキュベートした。試験片の色の変化が、24時間の指標で観察され、読み取ったデータを陽性、部分的に陽性及び陰性反応として記録した。48時間のインキュベーション期間の後、色の変化を再び観察し、結果をスタンダードと比較して微生物を同定した。得られた結果に基づくと、全3サンプル、即ち、ATCC株25743、IMPA及びIMHPが、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)であることが確定した。
API試験の完了次第、サンプルを85℃で24時間、第一セットの熱処理をした。インキュベーション期間の後、IMPA及びIMHP株をMRS寒天上へ塗布して、細菌コロニーを45℃での一晩のインキュベーションで取得した。結果の立証を確実にするために、同じプロセスを3サイクル繰り返した。85℃での各サイクルの間、IMHPとIMPAとの間に500倍を超える菌生存率の相違があったと確認された。IMHP及びIMPAの生存率は、単一コロニーから得られた初期の生存可能なコロニー数を使用して算出した。初期の播種材料の生存可能な細胞の合計数は、IMHP及びIMPAに関してそれぞれ1.2x 108及び1x 108であった。
したがって、得られた結果は、高温処理後のIMPA及びIMHP株で見られるペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の生存可能な細胞を示す。上記形成されたコロニー形成単位から、IMPA及びIMHPプレート由来の122個の個々のコロニーを85℃処理した。各細菌コロニーを、500μlのMRSブロスに再懸濁して、85℃でインキュベートした。24時間のインキュベーション期間後、各サンプルをMRS寒天プレート上に画線を引いた。それらを45℃で24時間更にインキュベートした。コントロールIMPAの個々のコロニー中の合計生存率は8.2%であって、選抜された株、IMHPでは、100%であった(表9)。
温度生存比較の完了後、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、すなわちIMPA及びIMHP株の2つのサンプルをpH 1.5での比較テストを行った。3回の反復試験スタンダードを使用して実行された実験によって、IMPA及びIMHPの生存能力における有意な相違が証明された。pH比較テスト後に観察されたコロニー数は、以下の表に示す通りに記録された。
pH生存の結果が得られた後、各サンプルをMRS寒天プレート上にて標準的成長条件で培養した。培養したプレートから、コロニーのランダムな選抜を使用して、温度選抜のテストと同様に、pH 1.5での個々のコロニーの生存率を決定した。エッペンドルフチューブから得た各サンプルの合計120コロニーを、pH 1.5のMRSブロスにおいた。24時間のインキュベーション後、各チューブをMRS寒天プレート上に塗布した。45℃でのインキュベーション後の塗布したプレートでの成長を観察した後、各サンプルの生存率を、pH処理の後に得られたコロニー形成単位の数によって決定した。それらは、以下の通りであった。
IMHPの好気性及び嫌気性増殖特性の比較分光光度計法を用いて、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici) IMHPの選抜株の吸光度を、好気性及びほぼ嫌気性条件下で生育させるために、生物を準備した後に600nmで決定した。好気条件での生育は嫌気的条件と比較してわずかに良好であるにもかかわらず、有意な相違が2つの生育条件の間になかった(図2)。
85℃でのIMHPペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の規模拡大実験
選抜されたペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)のIMHP株の試験的バッチを生育させて、商業化にとって重要である多数生育する株の能力及び安定性を決定した。実験のために、IMHP株を、45℃で24時間、250mlのMRSブロスにおいてインキュベートすることによって生育させた。IMHP、すなわちIMHP-A及びIMHP-Bの二重菌ストックをこの実験に用いた。処理前の初期の播種材料を、MRS寒天プレート上で100μlのIMHP-A及びIMHP-Bを培養することによって決定し、更なる実験のために4 8×105 CFU/mLで標準化した。この決定後、IMHP-A及びIMHP-Bを、85℃で熱処理して、それらの安定性を決定するためにランダムな時間間隔で塗布した。MRSプレートを、45℃で一晩インキュベートした。
IMHP-A及びIMHP-Bから得られた合計コロニー数は、インキュベーションの1時間後、合計コロニー数が減少したが、IMHP-Bの場合、2時間で増加し始めて、4時間でほぼ2倍になった。IMHPAの場合、2時間で非常に明白に増加した。
この実験に関して、サンプルは、250mLのフラスコでの試験前に作成されたオリジナルのストックから取得されるため、上記手順と同じ初期の播種材料が確立された。一晩のインキュベーションの後、菌ペレットを遠心によって集めた。このペレットを、1X PBS緩衝液によって2回洗浄して、1mlの1X PBS緩衝液に再懸濁した。従って、初期の播種材料は、4.8×105 CFU/mLであった。沸騰水中のサンプルを90℃の熱水で10分間インキュベートした後、上述の通り、サンプルをMRS寒天プレート上に塗布して、45℃で24時間インキュベートした。沸騰水の結果は、沸騰水処理におけるIMHP-A及びIMHP-Bでの観察において、それぞれ3x 102及び2.4x 103のコロニー形成単位であった。90℃の熱水処理に関して、2つのサンプルは、それぞれ、7.3x 103及び1.6×104のコロニー形成単位の成長を示した。これらの結果から、IMHP株は、沸点であっても又はその付近であっても生存可能であることが示される。
ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の同定のための16SリボソームDNAタイピング
菌は、表現型同定法によって同定することができるが、菌の16SリボソームDNA (リボソームDNA)に基づく同定は、有用且つ非常に正確な代替法である。特徴に関する発現の多様性によって修正可能な表現型同定とは異なり、16SrDNA配列決定は、珍しい単離であっても明白なデータを提供する。正確な16srDNA配列の増加及び目標プライマー配列の伸展は、菌の分子的同定の重要性及び有用性を明白に示す(Olive及びBean1999)。
85℃及びpH 1.5で生存できるペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici) IMHP株を選抜した後、16SリボソームDNAタイピングを実行して、IMHPがペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)であることを確認した。ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici) IMHP、IMHP2.5(両方共85℃及びpH2.5で生存可能なペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株)、IMPA(IMHP及びIMHP2.5の親株)及びATCCペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株25743の菌性16SリボソームDNAを、従来型のPCR技術と特異的16SリボソームDNA配列プライマーを使用して、増幅し、増幅された16SリボソームDNAのダイレクトDNA塩基配列決定を行った。
得られたセンス及びアンチセンスDNA配列の両方を、アライメントプログラムであるCLUSTALWを使用して分析した。
得られた配列を用いて、サンプルの順方向及び逆方向配列に関するアライメントは、以下の通りであった。
アライメントに基づいて、IMHPから得られたペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)の全ての配列と選抜プロセスは、非常に類似しており、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)としても同定されることが観察された。結果の有効性を決定する手段として使用し、そして、偽陽性を回避するために使用したPCR法のためのポジティブコントロールは、大腸菌と同定された一方で、試薬を有する非播種PCRチューブであるネガティブコントロールは、いかなる配列も生産しなかった。
一旦配列が得られると、それらの相同配列を、ミシガン州州立大学ウェブサイトを通じて利用可能なリボソームデータベースプロジェクトを使用して決定した。コントロール以外の全ての配列は、高度な一致を示し、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)と同定されることが判明した。ポジティブコントロールは、大腸菌と同定された一方で、ネガティブコントロールは、配列を有しなかった。これは、苛酷な温度及びpH選抜法で選抜された株がペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)であると立証された。
食品におけるプロバイオティクスプロバイオティクスの数えきれない健康の利益に関する知識が広まり、プロバイオティクスを含む食品に対する要求が増加し続けているため、食品会社は、バイオテクノロジーの会社と共同で仕事をし始めるにつれて、新たな課題に直面している。第一に、彼らは、1又は複数のプロバイオティクス株を多数の利用可能なオプションから選抜しなければならない。理想的には、選ばれた菌は、以下を必要とするだろう:1.任意の製造ストレス(例えば高熱処理)を生き残る、2.所望の食品マトリックスの化学的物理的特性との適合性を備えている、3.組み込まれた以後の製品の保存寿命の間の食品中の生存率を維持する、及び4.その健康利益を受容者に与えるために消化機構による滅失に耐える。
商用サプリメントにおいて人気の多くのプロバイオティクス株(例えばラクトバチルス及びビフィドバクテリウム属)は、これらの要件を効果的に満たさないことから、産業的食糧生産に不適当である。最近の殺菌食品での生存に必要な、重要な高熱抵抗性を欠いていることから、2つの乳酸菌(LAB)の使用が、この環境において高度に制限されている。室温でのこれらの株の不安定性は、食品小売業者及び潜在的消費者のための輸送及び保管に更なる複雑性を示すだろう。偏性嫌気性菌に対する通性嫌気性菌として、ラクトバシラス及びビフィドバクテリウム属は、任意の酸素暴露に対する生存率の減少に特に脆弱であり、食品への組込みに関するそれらの潜在性を更に低下させる。より用途が広く信頼性が高い株が、有効なプロバイオティクスを含む食品の調製に必要とされている。
革新的な解決法
Imagilin Technologyは、非常に多様な温度、浸透圧及び酸素曝露に耐えることができる菌のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici) NRRL B-50517株で構成された独自に調製された粉末である5051(登録商標)を提供する。丈夫な微生物を植物素材から最初に単離して、そのプロバイオティクスから、様々な環境要因及び熱処理手順下で広範囲にわたる食品で生存する能力が証明された。
10から50%の濃度範囲のスクロース溶液のP.アシディラクティシNRRL B-50517の生存率は、浸透圧に対するプロバイオティクス抵抗性で示す(表15)。より弱い菌は、比較的高いモル浸透圧濃度の溶液で生存率を失うであろう一方で、P.アシディラクティシNRRL B-50517は、試験中で最も高い濃度でも著しく安定した細胞数を保持する。比較可能な結果が、9日間にわたる同じ濃度範囲内でラクトースの溶液において得られた(表16)。滅菌水、0.1〜20%のNaCl並びにNaCl及びスクロースの複合溶液の溶液において、P.アシディラクティシNRRL B-50517は、最高1週間、全ての検定サンプルにおいて有意な細胞生存率を維持したことから、無数の化学環境に適応するプロバイオティクス能力が示された(表17)。
*:0.2gの10億(1B) CFU/g P.アシディラクティシNRRL B-50517を、20mLの各スクロース溶液に加えて、室温で保存した。生死判別試験を、0.1%の生理食塩水における連続希釈スクロース + P.アシディラクティシNRRL B-50517溶液にて、MRS上に塗布して一晩のインキュベーション後にプレートを計数することで実行した。**3日目にプレートが汚染されたことから、安定性に関する連続試験を止めた。
結論:P.アシディラクティシNRRL B-50517は、10-50%の濃度の範囲にあるスクロース溶液中での生存率を維持することから、高浸透圧環境に対するP.アシディラクティシNRRL B-50517の抵抗性が示された。
*:0.2gの1B CFU/g P.アシディラクティシNRRL B-50517を、20mLの各ラクトース溶液に加えて、室温で保存した。生死判別試験を、0.1%の生理食塩水における連続希釈スクロース + P.アシディラクティシNRRL B-50517溶液にて、MRS上に塗布して一晩のインキュベーション後にプレートを計数することで実行した。
結論:9日間にわたって、P.アシディラクティシNRRL B-50517は、10%〜50%のラクトース溶液において、高い安定生で菌数を保持した。
*:0.2gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517を、20mLの種々の濃度のNaCl又はスクロース + NaCl溶液に加えて、室温で保存した。生死判別試験を、0.1%の生理食塩水においてスクロース + P.アシディラクティシNRRL B-50517溶液を連続的に希釈して、MRS上に塗布して一晩のインキュベーション後にプレートを計数することで実行した。
生存率に関して広範囲にわたってアッセイしたところ、5051(登録商標)は、ピーナッツバターに組み込んで室温で保存した後、最高113日間、生細胞数(CFU/g)を保持したことから、高保存安定性が示された(表18)。このプロバイオティクスは、ピーナッツバター中で85℃まで加熱してその後室温で保存した場合に同じように良好な結果を示した。プロバイオティクスを85℃加熱したプディングに組み込むと、安定性は、同じように一定であった。細胞数は、冷蔵保存での29日間にわたって、1logの範囲内にとどまった(表19)。
*:P.アシディラクティシNRRL B-50517のサンプル及びピーナッツバターは、20gのピーナッツバターと6gの100B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517粉末との混合によって作成し、室温(23℃)又は37℃で保存した。安定性試験を、0.1gの上記混合物を5mLの0.1%生理食塩水に加えて、この溶液をMRSへの塗布のために希釈して、45℃での一晩のインキュベーション後にプレートを計数することで実行した。生存率のパーセントは、P.アシディラクティシNRRL B-50517 +生理食塩水コントロール(室温での、10mLの0.1%生理食塩水への0.2gの100B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517の添加)の関数として算出した。
結論:P.アシディラクティシNRRL B-50517は、113日間にわたって室温で、ピーナッツバター中において高細胞数(CFU/g)を示すことから、両成分を含む製品は高い保存安定性を維持する。仮に37℃で保存しても、ピーナッツバター及びP.アシディラクティシNRRL B-50517混合物は、22日にわたって同じように高い生存率を示し、22から113日目の生死判別試験で低下する。
*P.アシディラクティシNRRL B-50517のサンプル及びピーナッツバターは、3.8gのピーナッツバターに1.2gの100B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517粉末を混合することによって作成した。空のチューブに、0.5gのピーナッツバター及びP.アシディラクティシNRRL B-50517混合物を加えて5分間ホットプレート上に置く前に85℃まで加熱した。10分間の冷却期間後、10mLの0.1%生理食塩水を各チューブに加えた。生死判別試験は、生理食塩水にて連続的に希釈して、MRS上に塗布し、45℃での一晩のインキュベーション後にプレートを計数することで実行した。生存率のパーセントは、P.アシディラクティシNRRL B-50517 +生理食塩水コントロール(室温での、10mLの0.1%生理食塩水への0.2gの100B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517の添加)の関数として算出した。
結論:高熱処理後の2週間にわたって、P.アシディラクティシNRRL B-50517は、ナッツバターにおいて高い生存率を維持したことから、商業的に生産されたナッツ製品とのP.アシディラクティシNRRL B-50517の適合性がサポートされた。
PB1成分:焙焼されたピーナッツ、糖、水素化植物油(綿実、大豆及びなたね油)(分離防止のため)、塩。
ヘイゼルナッツスプレッド成分:糖、植物油(パーム及びなたね油)、ヘイゼルナッツ、ココア粉末、スキムミルク、ホエー、ラクトース、ヒマワリレシチン(乳化剤)、天然バニラ香料。
5種類の高熱処理オイル(コーンオイル、EVOO、LTOO、落花生油及び植物油)中でのP.アシディラクティシNRRL B-50517の試験は、ピーナッツバターにおいて観察されたものと類似した結果が得られた。2つのオイル(EVOO及びコーンオイル)(表20)は、85℃での30分の連続曝露の後でさえも、印象的な生存率を示した(表21及び表22)。オイル中でのプロバイオティクスの明白な耐久性は、熱を伴う従来の食品調製技術でのその使用に特に貢献する。
*0.1gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517を加えて、特定の期間置く前に、900uLのオイルをホットプレート上で85℃まで加熱した。次に、チューブを取り外して、0.1%の生理食塩水で連続的に希釈してMRS上に塗布する前に、最低10分間冷却させた。プレートを45℃で一晩インキュベートして、次の日に数を数えた。生存率のパーセントは、生理食塩水 + P.アシディラクティシNRRL B-50517コントロール(室温で20mLの0.1%生理食塩水に加えられた0.2gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517)の関数として算出した。
結論:P.アシディラクティシNRRL B-50517は、室温、及び、高温処理後、様々な商用オイル中で高いプロバイオティクス数(CFU/g)を維持する。
*0.1gのP.アシディラクティシNRRL B-50517を加えて、特定の期間置く前に、900uLのオイルをホットプレート上で85℃まで加熱した。チューブを熱源から取り外して、連続的に希釈してMRS上へに塗布する前に、最低10分間冷却させた。プレートを45℃で一晩インキュベートして、次の日に数を数えた。それぞれの熱処理の長さでの生存率のパーセントは、室温でのEVOOの生存率の関数として算出した。
結論:P.アシディラクティシNRRL B-50517は、EVOOでの高熱処理で生き残ることから、85℃で30分間の後であっても高い生細胞数を生産する。このプロバイオティクスは、加熱を伴うものを含む様々な食品調製技術に適合性があるだろう。
*0.1gのP.アシディラクティシNRRL B-50517を加えて、特定の期間置く前に、900uLのオイルをホットプレート上で85℃まで加熱した。チューブを熱源から取り外して、連続的に希釈してMRS上に塗布する前に、最低10分間冷却させた。プレートを37℃で一晩インキュベートして、次の日に数を数えた。それぞれの熱処理の長さでの生存率のパーセントは、室温でのコーンオイルの生存率の関数として算出した。
結論:P.アシディラクティシNRRL B-50517は、コーンオイルでの高熱処理で生き残ることから、85℃で30分間の後であっても高い生細胞数を生産する。このプロバイオティクスは、加熱を伴うものを含む様々な食品調製技術に適合性があるだろう。
P.アシディラクティシNRRL B-50517は、食品産業において使用する殺菌手順を模倣してP.アシディラクティシNRRL B-50517(図1)を有する種々の容器に分散させた種々の食品を85℃の熱で処理した後に生存することができ(表23、表24)、数週間あるいは数ヶ月の間、多様な生理化学的な特性を有する製品において生存率を保持する。これは、生存可能なプロバイオティクスを食品に導入する新規のアプローチを提供するものである。
*100mLカップのShiny Spoon Puddingを、2つの50mLのチューブにあけて、85℃で20分間加熱した。元の容器を水と石鹸で洗浄して、乾燥し、2gの10B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517を入れた。次に、加熱したプディングを元の容器に戻して、20分間冷やし、そして一晩冷蔵庫に保存した。次の日、プディングを混合して、最初に、5mLの生理食塩水で2gのプディングを希釈し、次に、MRS上へ塗布のために連続的な希釈することによって生存率を検定した。プレートを一晩インキュベートして、次の日に数を数えた。
結論:バニラ又はチョコレートプディングのいずれかへ組み込んだものを、殺菌と類似の条件下で85℃に加熱した後、P.アシディラクティシNRRL B-50517は、冷蔵庫温度で保存すると、およそ1ヵ月間、高安定的に細胞数を維持する。
*:サンプルは、以下の通りに作成した:1. 10mLのケチャップを85℃で20分間加熱して、次に、0.4gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517及び5mLの滅菌水と混合して、生存率を試験する前に20分間冷却させた。2. 100gの果実カップ混合物を85℃で45分間加熱して、次に、元の容器の1gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517上に戻し、生存率を試験した。3. 5mLのEVOO及びグレーとバリューオイルのチューブを85℃で20分間加熱して、次に、0.2gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517に加えて、生存率を試験した。4. 5mLの2.5%ラクトースを含むチューブを85℃で20分間加熱して、次に、0.2 gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517を含む15mLチューブに加えた。生存率の試験前に、チューブを20分間冷却させた。5. シロップ混合物中の283gのイチゴをビーカーに入れて85℃で30分間加熱して、次に、元の容器の2gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517上に戻した。20分間の冷却後、上記混合物での、生存率を試験した。6. 5mLのオレンジジュースを85℃で20分間加熱して、次に、0.1gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517に加えて、20分間冷却し、生存率を試験した。
**全ての生存率試験は、0.1%の生理食塩水でP.アシディラクティシNRRL B-50517 + 熱処理済み食品混合物を連続的に希釈し、MRS上に塗布し、一晩のインキュベーション後に数を数えることで実行した。生存率のパーセントは、生理食塩水 + P.アシディラクティシNRRL B-50517コントロール(室温で20mLの0.1%の生理食塩水に加えた0.2gの1B/g P.アシディラクティシNRRL B-50517)の関数として算出した。
結論:P.アシディラクティシNRRL B-50517は、高熱処理後の様々な液体及び固体マトリックス中で生存率を維持することから、殺菌又は他の類似の高熱乾燥滅菌手順後の多くの異なる食品への組込みに高い適合性が示している。

Claims (8)

  1. 65℃超で生存可能であり、好気性及び嫌気性条件下で生育可能であり、1から6.2のpH範囲で生存可能な、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株。
  2. NRRL B-50517としての農業研究事業団(ARS)特許培養物コレクションに寄託された、請求項1に記載のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株。
  3. 高温、低pH値並び好気性及び嫌気性条件に耐性があるペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)を選抜するステップを有する、請求項1に記載のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株を生産する方法。
  4. 請求項1に記載のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株を含む製造製品。
  5. 消費可能な組成物を含む請求項4に記載の製品。
  6. 食品添加のためのプロバイオティクス組成物を含む請求項5に記載の製品。
  7. 飼料又は食品を含む請求項5に記載の製品。
  8. 請求項1に記載のペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)株を含むプロバイオティクス組成物をヒト又は動物に投与するステップを含む、食事増強法。
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