JP2008011498A - 無線通信システム及び張り出し局装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】TRX増幅器4−iは、下流のチェーンから受信したULフレームと上流のチェーンへ送出するULフレームとの位相差を測定して、基地局に報告する。基地局は、報告された位相差等に基づいて、下流のTRX増幅器4−(i+1)に設定すべき進み量を算出する。TRX増幅器4−(i+1)は、上流のチェーンから受信したDLフレームと上流のチェーンへ送出するULフレームとの位相差をその進み量に応じて調整する。
【選択図】図5
Description
無線通信システム1は、無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)100、基地局102、TRX増幅器2−1〜2−n(nは1以上の整数)および移動局104−1〜104−m(mは1以上の整数)から構成される。
また、基地局102とTRX増幅器2−1〜2−nは、デジタル光ファイバ回線などを介して直列に接続される。
さらに、TRX増幅器2−1〜2−nは、それぞれ対応するセル(セクタ)を形成し、セル内の移動局104−1〜104−m等とは、無線通信回線を介して接続される。
さらに、以下、TRX増幅器2−1〜2−nなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単にTRX増幅器2などと略記することがある。
基地局102は、RNC100から信号を受信し、通常の基地局の機能により各セルの各搬送波に対応するベースバンド信号(IQ-data)を生成して、TRX増幅器2−1へ送信する。また基地局102は、TRX増幅器2−1からIQ-dataを受信し、通常の処理を行ってRNC100へ送信する。
TRX増幅器2−2は、TRX増幅器2−1とTRX増幅器2−3との間で信号を中継し、以下同様にして、TRX増幅器2−i(iは2以上n−1以下の整数)は、TRX増幅器2−(i−1)とTRX増幅器2−(i+1)との間で信号を中継する。
以上のようにして、TRX増幅器2−1〜2−nそれぞれと基地局102とは、互いに信号を送受信する。
TRX増幅器2−iは、移動局104からアップリンク信号を無線受信し、増幅,アナログ/デジタル変換、直交復調などの処理を行ってIQ-dataに変換し、TRX増幅器2−(i−1)に対して送信するとともに、TRX増幅器2−(i−1)から自分向けのIQ-dataを受信し、デジタル/アナログ変換、キャリアの直交変調、増幅などの処理を行って、移動局に向けて無線送信する。
移動局104−1〜104−mそれぞれは、TRX増幅器2と信号を送受信する。
DL、ULともに、複数のTRX増幅器2の分のIQ-dataが、16ワードからなるベーシックフレームの第1〜第15ワードに収められる。第0ワード(先頭ワード)は、コントロールワードに割当てられている。各ワードは8bit若しくはその整数倍である。1ベーシックフレーム周期は1チップ時間Tc(1/3.84MHz)と等しい。
また、256ベーシックフレーム単位でハイパーフレームが構成される。ハイパーフレームの先頭のベーシックフレームの先頭ワードは、ハイパーフレームの先頭を示す同期バイト(K28.5コード)になっている。以後この同期バイトをヘッダと称す。その他の先頭ワードは、ハイパーフレーム単位の時分割多重により複数のサブチャネル(Sunchronization and timing、Slow C&M link、Fast C&M link、L1 inband protocol、Vender specific)の伝送に用いられる。これらのサブチャネルのうちVender specificを除いたものをC(Control and management)プレーンデータと呼ぶ。これに対し、第1〜第15ワードのIQ-dataをU(User)プレーンデータと呼ぶ。
更に、150ハイパーフレームを単位とするUMTS NodeBフレームが規定されている。
これらのフレームは8B10B符号によりシリアル信号に変換され、デジタル光ファイバ回線により伝送される。
したがって、無線通信システム1においても、基地局102と各TRX増幅器2との間における処理遅延量を、基地局102が把握し管理することが重要となる。
図2は、非特許文献1から引用した無線通信システム1の各部の遅延の定義を示す図であり、n=2の場合を示している。
基地局102に備えられるR1は基地局の出力端、R4は基地局の入力端である。
TRX増幅器2−1に備えられるRB2はslave portの入力端、RB3はslave portの出力端、RB1はmaster portの出力端、RB4はmaster portの入力端である。ここでmaster portとは、DL信号を出力しUL信号を入力するポート(そこに接続されるものにとって基地局のR1やR4と同等に見えるポート)であり、slave portはその逆である。
TRX増幅器2−2に備えられるR2はslave portの入力端、R3はslave portの出力端、Raはアンテナ端である。各端は伝送されるベースバンド信号(IQ-data)の論理的な接続において定義される。
各TRX増幅器2は、R2に入力されたフレーム信号から再生したクロックに基づいて動作する。
TBdelayDL(1)は、TRX増幅器2−1のRB2からRB1の間の遅延量、T2aは、TRX増幅器2−1のR2からRaまでの処理遅延量である。
T34(1)は、TRX増幅器2−1の出力端RB3から基地局のR4までの遅延量、T34(2)は、TRX増幅器2−2のR3からTRX増幅器2−1のRB4までの遅延量である。
TBdelayUL(1)は、TRX増幅器2−1のRB4からRB3の間の処理遅延量、T3aは、TRX増幅器2−2のRaからR3までの処理遅延量である。
T14(1)は、基地局のmaster port端での、出力のヘッダ(フレームタイミング)と、入力のヘッダとの時間差である。
Toffsetは、TRX増幅器2−2のR2から入力されるヘッダとR3から出力されるヘッダとの時間差であり、TRX増幅器2−2のDL側の処理遅延(T2a)とUL側の処理遅延(Ta3)の合計時間に実質的に等しくなるように設定される。
Toffset(1)も、TRX増幅器2−1のDL側の処理遅延(RB2からアンテナまでの遅延)とUL側の処理遅延の合計時間に実質的に等しくなるように設定される。
T12は、基地局102のR1から末端のTRX増幅器2−2のR2までの遅延であり、
T12=T12(1) + TBdelayDL(1) +T12(2)
である。
T34は、末端のTRX増幅器2−2のR3から、基地局102のR4までの遅延であり、
T34=T34(1) + TBdelayUL(1) +T34(2)
である。
T14は、基地局102のR1からTRX増幅器2−2を経由してR4に戻るまでのIQ-dataの遅延量であり、
T14 = T12 + Toffset + T34
である。一方基地局102で観測されるフレームタイミングの遅延であるT14(1)は、Toffset(1)が下流の遅延とは無関係にTRX増幅器2−1の内部で決定され、
T14(1)=T12(1) + Toffset(1) + T34(1)
となるので、T14とは異なる。
T14 − T14(1) = Tc × N(1) (N(i)は任意の整数)
を求めている。つまりTRX増幅器2−2からのIQ-dataは、TRX増幅器2−1のIQ-dataと同じベーシックフレームではなく、N個遅れたベーシックフレームに収めてよい。
T14−T14(1)は、
T14 − T14(1) = TBdelayDL(1) + T12(2) + Toffset(2)
+T34(2) + TBdelayUL(1) − Toffset(1)
と表されるとおり、TRX増幅器2−1のslave portの入力端からTRX増幅器2−1を経由してTRX増幅器2−1のslave portの出力端に至るまでの間のラウンドトリップ時間と、TRX増幅器2−1内部のToffset(1)との差であり、以後ラウンドトリップ時間差と称す。基地局において、TBdelayDL(i)、TBdelayUL(i)、Toffset(i)、Toffset(i+1)、N(i)が全て既知ならば、それらからT12(i+1)+T34(i+1)を計算することができる。つまり
T12(i+1)+T34(i+1)
=Tc×N(i)+Toffset(i)−(TBdelayDL(i)+Toffset(i+1)+TBdelayUL(i))
またT12(i+1)=T34(i+1)の仮定がTcより十分小さい誤差で成り立つので、T12(i+1)、T34(i+1)を個別に得ることができる。
光ケーブルの遅延であるT12、T34は、他の処理遅延に比べて大きく、数百チップに達することもあるが、丁度チップ単位になっている保証は無い。また、僅かではあるがSerdesデバイスにおける遅延の不確定性も存在する。
また、特許文献2は、複数の基地局が接続する集中制御局が、上り方向フレームと下り方向フレームとの位相差に基づいて、伝送遅延量を推定して制御する方法を開示する。
図4は、TRX増幅器において想定される、master port(RB4)に入力されるULフレームとslave port(RB3)から出力するULフレームのタイミング図であり、図3を詳細に図示したものである。なお、本明細書においてTphaseを以下のように定義する。
Tphase (i)=TBdelayDL(i)+T12(i+1)+Toffset(i+1)+T34(i+1)−Toffset(i) …(式1)
RB3から出力するヘッダのタイミングは、RB1へのヘッダ入力タイミングから、Toffset(i)遅れたタイミングとして規定される。
一方、RB4へのヘッダ入力タイミングは、RB1へのヘッダ入力タイミングから、TBdelayDL(i)+T12(i+1)+Toffset(i+1)+T34(i+1)遅れたタイミングであり、完全に任意である。それらの差であるTphase(i)は、Tc単位となるとは限らない。
上流のチェーンと接続され、下りフレームの受信、上りフレームの送信、及び光/電気変換及びシリアル/パラレル変換を行うスレーブインタフェース回路(201,203)と、
下流のチェーンと接続され、下りフレームの送信、上りフレームの受信、及び光/電気変換及びシリアル/パラレル変換を行い、また、前記スレーブインタフェース回路からフレームの再生成を伴わずに直接導かれたマスターフレームを下流のチェーンに出力する第2インタフェース回路(202,204)と、
スレーブインタフェース回路から入力されたフレームから当該張り出し局装置装置で送信すべき無線信号データを取り出すフォーマット変換回路(208)と、
フォーマット変換回路から入力された無線信号データを無線周波数にアップコンバートしてアンテナへ出力するアップコンバート回路(218)と、
前記アンテナから受信した無線信号をダウンコンバートするダウンコンバート変換回路(220)と、
無線信号データが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから前記アンテナから送出されるまでの時間T2aを調整する送信データ遅延調整回路(232)と、
無線信号データが前記アンテナに入力されてから前記スレーブインタフェース回路から送出されるまでの時間Ta3を調整する受信データ遅延調整回路(234)と、
ある下りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、それと対応する上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間Toffsetを、前記時間T2aと前記Ta3の和に実質的に一致させるオフセット回路(206,210,212)と、
ある上りフレームが前記スレーブインタフェース回路から出力されてから、それと対応する上りフレームがマスターインタフェース回路に入力されるまでの時間Tphaseを測定する位相差検出回路(226)と、
ある下りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてからそれと対応する上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayDLと、前記時間Tphaseに基づく数値と、を前記基地局に報告する制御回路(216)と、を備える。
前記マスターインタフェース回路及びスレーブインタフェース回路はそれぞれ、上りとくだりの遅延時間の誤差が0若しくは正の相関を有し、
前記時間TBdelayULと時間TBdelayULは、前記マスターインタフェース回路及びスレーブインタフェース回路における遅延時間の平均値を含むことを特徴とする。
前記基地局は、ある張り出し局装置装置から報告された時間TBdelayDL、時間TBdelayUL及びNに対応して、その張り出し局装置装置の1つ下流の張り出し局装置装置に対し、送信データ遅延調整回路の遅延をTc・N/2−(TBdelayUL−TBdelayDL)/2小さくし、受信データ遅延調整回路の遅延をTc・N/2+(TBdelayUL−TBdelayDL)/2小さくするように要求する。
本発明に係る張り出し局装置装置は、前記制御回路は、前記時間Toffsetの初期値と、前記時間TBdelayDLと、前記時間Tphaseと、を前記基地局に報告するとともに、前記基地局から要求された遅延を送信データ遅延調整回路及び受信データ遅延調整回路に設定し、
前記基地局は、ある張り出し局装置装置から報告された時間TBdelayDL、時間TBdelayUL及びNに対応して、その張り出し局装置装置の1つ下流の張り出し局装置装置に対し、送信データ遅延調整回路の遅延をTphase/2+TBdelayDL小さくし、受信データ遅延調整回路の遅延をTphase/2小さくするように要求する。
TRX増幅器4−iは、TBdelayUL(i)の測定手段や、ULフレーム生成処理を一定時間にするための遅延調整手段などを適宜備える。またTRX増幅器4−iは、DLフレームを加工することなく、単に下流にTRX増幅器4−iに中継することで、TBdelayDL(i)をほぼ0の固定値とする。
TRX増幅器4−iは、TBdelayUL(i)とTBdelayUL(i)の夫々の誤差が負の相互相関を持たず、誤差の期待値(平均値)が0に近づくことを目指して設計される。
本実施例1の無線通信システムの構成は、従来の図1と同様であり、RNC100、基地局5、TRX増幅器4−1〜4−nおよび移動局104−1〜104−mから構成される。
図5に示すように、TRX増幅器4は、アンテナ200、光電変換部201,202、シリアル/パラレル変換部203,204、DLヘッダ検出部206、DLフォーマット変換部208、オフセット処理部210、ヘッダ生成部212、フォーマット生成部214、制御部216、アップコンバータ218、ダウンコンバータ220、遅延調整部222、ULヘッダ検出部224、位相差検出部226、記憶部230、送信データ遅延調整部232、受信データ遅延調整部234を備える。
光電変換部201や202は、通常同じ構成であり、例えばSFP(Small Form factor Pluggable)光トランシバーを用いることができる。光電変換部202は、光電変換部201が出力するシリアルを直接受けてDL光信号に変換しても良い。
S/P203、204は、通常同じ構成であり、Serdesと呼ばれるデバイスで実現される。
また、DLフォーマット変換部208は、分離したDL_Uプレーンデータの中にベーシックフレーム単位で時分割多重されたIQ-dataから、自身のTRX増幅器用のIQ-data(A×C Container)を取り出してアップコンバータ218に出力するとともに、DL_Cプレーンデータを制御部216に出力する。
遅延時間Toffsetは、T2a+Ta3と(常に)Tc/32以下の時間単位で一致するように、制御部216により設定される。T2aは、DLフォーマット変換部208、オフセット処理部210、ヘッダ生成部212、フォーマット生成部214、送信データ遅延調整部232、アップコンバータ218の処理時間に依存し、Ta3は、ダウンコンバータ220、受信データ遅延調整部234の処理時間に依存する。つまり、T2a+Ta3はアナログ回路の遅延を含んでおり、TRX増幅器4自身での検出は困難なので、通常は製造時にそれぞれ測定され、記憶部230に格納される。
アップコンバータ218は、送信データ遅延調整部232から入力されたIQ-data(ベースバンド信号)をアップサンプルし、ルートロールオフ特性などのフィルタ処理を施し、デジタル/アナログ変換し、無線周波数キャリアを直交変調し、電力増幅して、アンテナ200に出力する。
受信データ遅延調整部234は、ダウンコンバータ220から入力されたベースバンド信号に対し、制御部216から指示された量の遅延を与えてフォーマット生成部214に出力する。この遅延は、Tc/32以下の時間単位で調整することができる。
なお、受信データ遅延調整部234は、ダウンコンバータ220内部にデジタルフィルタと兼用で備えても良く、送信データ遅延調整部232も同様に、アップコンバータ218内部に備えられうる。その場合、デジタルフィルタの構成として特開2006-174228に記載の物を用いることができる。本例においては、送信データ遅延調整部232、受信データ遅延調整部234は必須ではないが、例えばT2a=Ta3=Toffset/2を実現するため、若しくはToffsetをTcの整数倍に合わせるために利用しても良い。
フォーマット生成部214は、受け入れたULフレーム信号を構成するベーシックフレーム毎に存在する自身のTRX増幅器用の領域(A×C Container)に、受け入れたIQ-dataを埋め込み、さらにUL_Cプレーンデータを受け入れたときは、それをULフレーム信号のCプレーンに埋め込み、ULヘッダを受け入れたとき(HFN=0の時など)は、それをULフレーム信号のヘッダと置換する。
フォーマット生成部214は、そのようにして生成した上流へのULフレーム信号を、受け入れたULヘッダのタイミングでS/P変換部204−1に出力する。
なお、遅延調整部222から受け入れたULフレーム信号は、ヘッダ生成部212から受け入れたULヘッダが示すタイミングと、ベーシックフレーム単位で同期しているので、フォーマット生成部214は容易にフレームを生成できる。
結果的にRB4から受け入れたIQ-dataはTBdelayULだけ遅れてRB3から出力されるが、TBdelayUL_minをフォーマット生成部214固有のTc単位の遅延とすると、TBdelayULはTBdelayUL_min+Tfrcと表すことができ、その取りうる値の幅は1Tc未満である。
制御部216は、受け入れたTphaseの端数Tfrcと、TBdelayUL_minと、ポートRB3及びRB4の夫々の微小遅延TRB3、TRB4(後述する)とを加算した結果をTBdelayULとする。また、TphaseとTBdelayUL_minを加算し、端数を切り上げ、Tcに相当する数で除算した結果をNとする。
制御部216は、受け入れたDL_Cプレーンデータ中に、処理遅延情報要求を見つけた場合、受け入れたToffset、TBdelayDL、TBdelayUL、N等などから処理遅延情報報告を作成し、それらの報告をUL_Cプレーンデータとしてフォーマット生成部214に出力する。
図6は、現実のTRX増幅器4の遅延を示す図である。TRX増幅器4は、特に各ポートにおいて、自身では測定も制御もできない微小遅延を有しており、それらをTRB1、TRB2、TRB3、TRB4と表現する。これらの微小遅延は、主に光電変換部やシリアル/パラレル変換部のものであり、バラツキを持っているが、遅延時間の標準値(typical value)はメーカ開示情報などに基づき予測できる場合が多い。本例ではTRB1〜4の標準値を予め記憶部230が記憶するTBdelayDL、Toffset等に組み込んでおき、TRB1〜4を0に見せている。つまり、記憶部230が記憶するT2aにはTRB2が、Ta3にはTRB3が、ToffsetにはTRB2+TRB3が、TBdelayDLにはTRB2+TRB1が含まれている。TBdelayULについては、自身で測定可能なTBdelayUL_min+Tfrcに、記憶部230のTRB3+TRB4を加算して得る。
さらに、TRB1とTRB4の間の相互相関係数、及びTRB2とTRB3の間の相互相関係数が0若しくは正になるように光電変換部201等やシリアル/パラレル変換部203等を構成する。これは例えば、同じ種類の部品を同じ条件で用いることで達成される。
基地局は、下記の式に従いT12(i+1)、T34(i+1) を計算できる。
T12(i+1)=(N(i)+Toffset(i)−Toffset(i+1)−TBdelayUL(i))/2,
T34(i+1)+TBdelayUL(i)=(N(i)+Toffset(i)−Toffset(i+1)+TBdelayUL(i))/2
…(式2)
本実施例2の無線通信システムの構成は、実施例1と同様であり、RNC100、基地局8、TRX増幅器7−1〜7−nおよび移動局104−1〜104−mから構成される。各部の詳細な構成も、特に言及しない限り、実施例1と同様とする。
1つ目には、記憶部230に相当する記憶部430が、Toffsetの初期値Toffset0として、光ファイバでの総遅延時間よりも大きな値(例えば250Tc)を記憶する。このToffset0は実施例1のToffsetとは桁違いに大きい。
2つ目には、送信データ遅延調整部232、受信データ遅延調整部234に相当する送信データ遅延調整部732、受信データ遅延調整部734が、T2a+Ta3をToffsetに一致させるために、十分な遅延量を発生できるようにする。
4つ目には、制御部716は、受け入れたDL_Cプレーンデータ中に、基地局102からの遅延量設定要求を見つけた場合、その要求が示す進み量Tadj1を送信データ遅延調整部232に、Tadj2を受信データ遅延調整部234に、Tadj1+Tadj2をオフセット処理部に、夫々現在の遅延量に減算的に設定する。これにより、TRX増幅器7における実際のToffsetは、1回目の調整によりToffset0−(Tadj1+Tadj2)となる。
図7は、実施例2に係る基地局8の構成図である。
図7に示すように、基地局8は、光電変換部500、フォーマット変換部502、処理遅延統制部、BS機能部504およびRNCインターフェース(IF)506から構成される。
S/P変換部501は、光電変換部500からのシリアル信号をパラレル信号に変換してフォーマット変換部502に出力するとともに、その逆の変換も行う。光電変換部500やS/P変換部501は、TRX増幅器7のものと同等である。
またフォーマット変換部502は、BS機能部504からのUプレーンデータ(U-plane(UL))と、BS機能部504からのCプレーンデータ(C-plane(UL))とをベーシックフレーム単位で時分割多重してDLフレームを作成し、S/P変換部501に出力する。
BS機能部504は、従来と同様の基地局(Base Transceiver Station)基本機能を実現する部分であり、RNCからのマクロに従って呼の設定や解除を行い、ULに関しては各TRX増幅器7から届けられたIQ-dataから呼の信号を取り出してRNCIFに出力し、DLに関してはULと逆の処理を行ってフォーマット変換部502に出力する。
図8に示すように、処理遅延統制部52は、TRX増幅器情報管理部520、Cプレーン解読部524、リンク確立処理部526、位相差情報要求部528、位相差情報取得部530、進み量算出部532、進み量設定要求部534、進み量設定終了通知取得部536およびCプレーン生成部540から構成される。
なお、TRX増幅器7−1との間のレイヤ1のリンク確立処理手段は図示しないが、Synchronization and timingやL1 inband protocolを用いて規格に従い実装される。
位相差情報取得部530は、Cプレーン解読部524からのデータを監視し、位相差情報報告を検出すると、その報告及びその報告の送信元のTRX増幅器7をTRX増幅器情報管理部520に通知する。
またTRX増幅器情報管理部520は、(結果的に0として算出されるものの、)Toffset、N、TBdelayDL、TBdelayULからCPRI準拠の方法でTBdelayDL+T12、T34+TBdelayULを計算してもよい。
位相差情報要求部528は、TRX増幅器情報管理部520からTRX増幅器7−iに対する位相差情報要求を受け取った場合、それをTRX増幅器7−i宛てのレイヤ2フレームに変換してCプレーン生成部540に出力する。
Tadj1、Tadj2は進み方向を正とし、下記の式で算出する。ただし、TRX増幅器7−1を除くTRX増幅器7−iには、既にTadj1 (i)が反映されているものとする。
Tadj1 (i+1)=Tc・N(i)/2−(TBdelayUL(i)−TBdelayDL(i))/2
Tadj2 (i+1)=Tc・N(i)/2+(TBdelayUL(i)−TBdelayDL(i))/2 …(式3)
あるいは、複数のTRX増幅器7−1〜7−nが同時に起動した場合には、下記の式によりTadj1、Tadj2を一括に求めることができる。
Cプレーン生成部540は、リンク確立処理部526、位相差情報要求部528および進み量設定要求部534からの信号を、Cプレーンデータとしてフォーマット変換部502へ出力する。
進み量設定完了報告取得部536(図示せず)は、Cプレーン解読部524からのデータを監視し、進み量設定完了報告を検出すると、その報告及びその報告の送信元のTRX増幅器7をTRX増幅器情報管理部520に通知する。
図9に示すように、ステップ100−1〜100−n(S100−1〜100−n)において、基地局8は、TRX増幅器7−1〜7−nに対して、DLヘッダおよびDL_Cプレーンデータを含むDLフレーム信号を光伝送する。
ステップ104−1〜104−nにおいて、TRX増幅器7−1〜7−nは、基地局5に対して、受信したDLフレーム信号からToffsetの初期値だけ遅れたフレームタイミングでULフレーム信号を光送信する。
ステップ106−1〜106−nにおいて、基地局8は、TRX増幅器7−1〜7−nから受信したULフレーム信号に基づいて、通信回線(レイヤ2)の同期状態を監視し、同期が得られたならば、各TRX増幅器7と協働してTRX増幅器7−1〜7−nとCプレーンリンクを確立する。Cプレーンリンクは、複数回の電文の交換によるハンドシェイクなどにより確立され、その状態は、基地局8と各TRX増幅器7との間で共有される。
図10に示すように、ステップ200(S200)において、TRX増幅器7−iは、自身のヘッダ生成部212で生成したULヘッダと、TRX増幅器7−(i+1)からの受信したULヘッダとの位相差Tphaseを実施例1同様に測定する。なお、末端のTRX増幅器7−nはmaster portに何も入力されないので、位相差は測定しなくてもよい。
ステップ204−1において、処理遅延情報要求を受信したTRX増幅器7−1は、記憶部230に記憶されたTBdelayDL(i)と、実施例1同様に求めたTBdelayUL(i)を、処理遅延情報報告としてCプレーンリンクを用いて基地局5に送信する。
以後各TRX増幅器7−iに対し、同様の処理をステップ202−i及びステップ202−iとして順次行う。
ステップ208において、位相差情報要求を受信したTRX増幅器4−iは、S200−iで算出したN(i)を位相差情報報告としてCプレーンリンクを用いて基地局5に送信する。
以後各TRX増幅器7−iに対し、同様の処理をステップ202−i及びステップ202−iとして順次行う。
ステップ214−1において、基地局5の要求に応じ、TRX増幅器7−2は、進み量Tadj1を送信データ遅延調整部232に、Tadj2を受信データ遅延調整部234に、Tadj1+Tadj2をオフセット処理部に、夫々現在の遅延量に減算的に設定する。
ステップ216−1において、基地局5は、TRX増幅器7−2から、進み量の設定完了通知を取得する。
ステップ218−1において、基地局5は、進み量設定完了通知を取得できたTRX増幅器7−2に対して運用開始処理を行い、TRX増幅器7−2との運用を開始する。
以後各TRX増幅器7−(i+1)に対し、同様の処理をステップ212−i、ステップ214−i及びステップ216−iとして順次行う。またTRX増幅器7−1に対しても適宜運用開始処理を行うものとする。
その後、S202からS218の処理を定期的、もしくはN≠0を検出したときに行うようにしても良い。負のNの報告を正常に受けることができない基地局を想定し、遅延調整部222が調整できる範囲を2Tcにしてもよい。
以上説明したように、本例では、TBdelayDL(i)+T12(i+1)、T34(i+1)+TBdelayUL(i)を0に見せることで、N(i)が0となる。これにより、基地局5では遅延差を考慮しなくてもサイトダイバーシティを行うことができ、遅延差を考慮する場合に比べ、信号を保持するメモリ量が大幅に削減できる。
本実施例3の無線通信システムの構成は、実施例2と同様であり、RNC100、基地局8、TRX増幅器9−1〜9−nおよび移動局104−1〜104−mから構成される。各部の詳細な構成も、特に言及しない限り、実施例2と同様とする。
3つ目には、制御部716に対応する制御部916は、基地局102からの位相差情報要求を見つけた場合、受け入れたTphaseから位相差情報報告を作成し、処理遅延情報要求を見つけた場合、受け入れたTBdelayDLから処理遅延情報報告を作成る。もし本例の動作により遅延が調整された後、基地局102から従来のCPRI規格に則ったToffsetにはToffset0を報告する。
4つ目には、制御部916は、受け入れたDL_Cプレーンデータ中に、基地局102からの遅延量設定要求を見つけた場合、その要求が示す進み量Tadj3+Tadj4を送信データ遅延調整部232に、Tadj4を受信データ遅延調整部234に、2Tadj3+Tadj4をオフセット処理部に、夫々現在の遅延量に減算的に設定する。
1つ目には、TRX増幅器情報管理部520に対応するTRX増幅器情報管理部820が、処理遅延情報報告を処理遅延情報取得部529から入力されると、それをTBdelayDL(i)として記憶し、位相差情報報告を位相差情報取得部530から入力されると、それをTphase(i)として記憶し、それらのTBdelayDL(i)やTphase(i)を進み量算出部532やBS機能部504に提供する。
2つ目には、進み量算出部532に代えて、下記の式でTadj3 (i+1)、Tadj4 (i+1)を算出する進み量算出部832を備える。
Tadj3 (i+1)=Tphase (i)/2
Tadj4 (i+1)=TBdelayDL(i) …(式5)
あるいは、複数のTRX増幅器7−1〜7−nが同時に起動した場合には、下記の式によりTadj3を一括に求めることができる。
本例では、現状のToffset(i+1)からほぼTphase(i)を差し引くことで、Tphase(i)をほぼ0に見せる。もしTphase(i)を丁度差し引くと、僅かでも遅延が揺らぐとN(i)がばたついく可能性があるため、僅かに(TBdelayDL(i)/2だけ)多く差し引く。そのためTadj3、Tadj4を設定した後のTphaseは僅かに負になり、それがTfrcとなる。またTBdelayULはTBdelayUL_minになる。本例においても、TRX増幅器9−iがTBdelayUL等の真値を基地局8へ報告すれば、基地局8において、従来の方法でULのケーブル遅延を適切に求め、補償することはできる。TBdelayULの真値をTcの整数倍とすることで、TBdelayUL有効桁数が少なくても誤差を小さく保つことができる。
100・・・RNC,
102・・・基地局,
2−1〜2−n・・・TRX増幅器,
104−1〜104−m・・・移動局,
3・・・無線通信システム,
4−1〜4−n・・・TRX増幅器,
200・・・アンテナ,
201,202・・・光電変換部,
203,204・・・シリアル/パラレル変換部,
206・・・DLヘッダ検出部,
208・・・DLフォーマット変換部,
210・・・オフセット処理部,
212・・・ヘッダ生成部,
214・・・フォーマット生成部,
216・・・制御部,
218・・・アップコンバータ,
220・・・ダウンコンバータ,
222・・・遅延調整部,
224・・・ULヘッダ検出部,
226・・・位相差検出部,
230・・・記憶部,
232・・・送信データ遅延調整部,
234・・・受信データ遅延調整部,
414・・・フォーマット生成部,
416・・・制御部,
426・・・位相差検出部,
428・・・進み量調整部,
5・・・基地局,
500・・・光電変換部,
502・・・フォーマット変換部,
504・・・BS機能部,
506・・・RNCIF,
52・・・処理遅延統制部,
520・・・TRX増幅器識別情報管理部,
524・・・Cプレーン解読部,
526・・・リンク確立処理部,
527・・・処理遅延情報要求部,
528・・・位相差情報要求部,
529・・・処理遅延情報取得部,
530・・・位相差情報取得部,
532・・・進み量算出部,
534・・・進み量設定要求部,
536・・・進み量設定終了通知取得部,
540・・・Cプレーン生成部。
Claims (5)
- 調整ノードと、複数の測定ノードとの間で信号を伝送し、前記測定ノードそれぞれは、1つ以上の移動ノードとの間で無線信号を伝送する無線通信システムであって、前記複数の測定ノードそれぞれは、他の測定ノードのいずれかからの信号を受けたときには、受けた信号を、この測定ノード以外の測定ノードいずれかまたは前記調整ノードに対して中継し、前記調整ノードから信号を受けたときには、受けた信号を、他の測定ノードのいずれかに対して中継し、
前記測定ノードそれぞれは、
前記受けた信号と、前記中継した信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
前記検出した位相差を前記調整ノードへ通知する位相差通知手段と、
前記調整ノードから送られてくる補正量に基づいて、前記移動ノードから受けた信号を他の測定ノードに送信するタイミングを調整するタイミング調整手段と
を有し、
前記調整ノードは、
前記通知された位相差を補正するための補正量を算出する補正量算出手段と、
前記算出された補正量を、前記位相差を通知した測定ノードに信号を中継した測定ノードに対して送信する補正量送信手段と
を有する
無線通信システム。 - 基地局と、前記基地局にデジタル光伝送路によりデイジーチェーン接続され、それぞれ形成されるセル内の端末との間で無線信号の送受信を行う複数の張り出し局装置と、を有する無線通信システムに用いられる張り出し局装置装置(4)であって、
上流のチェーンと接続され、下りフレームの受信、上りフレームの送信、及び光/電気変換及びシリアル/パラレル変換を行うスレーブインタフェース回路(201,203)と、
下流のチェーンと接続され、下りフレームの送信、上りフレームの受信、及び光/電気変換及びシリアル/パラレル変換を行い、また、前記スレーブインタフェース回路からフレームの再生成を伴わずに直接導かれたマスターフレームを下流のチェーンに出力する第2インタフェース回路(202,204)と、
スレーブインタフェース回路から入力されたフレームから当該張り出し局装置装置で送信すべき無線信号データを取り出すフォーマット変換回路(208)と、
フォーマット変換回路から入力された無線信号データを無線周波数にアップコンバートしてアンテナへ出力するアップコンバート回路(218)と、
前記アンテナから受信した無線信号をダウンコンバートするダウンコンバート変換回路(220)と、
無線信号データが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから前記アンテナから送出されるまでの時間T2aを調整する送信データ遅延調整回路(232)と、
無線信号データが前記アンテナに入力されてから前記スレーブインタフェース回路から送出されるまでの時間Ta3を調整する受信データ遅延調整回路(234)と、
ある下りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、それと対応する上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間Toffsetを、前記時間T2aと前記Ta3の和に実質的に一致させるオフセット回路(206,210,212)と、
ある上りフレームが前記スレーブインタフェース回路から出力されてから、それと対応する上りフレームがマスターインタフェース回路に入力されるまでの時間Tphaseを測定する位相差検出回路(226)と、
ある下りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてからそれと対応する上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayDLと、前記時間Tphaseに基づく数値と、を前記基地局に報告する制御回路(216)と、を備える張り出し局装置装置。 - 前記制御回路は、前記時間Toffsetと、前記時間TBdelayDLと、ある無線信号データを含んだ上りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、その無線信号データを含んだ上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayULと、前記時間Tphaseと前記時間TBdelayULの和に相当する整数値と、を前記基地局に報告し、
前記マスターインタフェース回路及びスレーブインタフェース回路はそれぞれ、上りとくだりの遅延時間の誤差が0若しくは正の相関を有し、
前記時間TBdelayULと時間TBdelayULは、前記マスターインタフェース回路及びスレーブインタフェース回路における遅延時間の平均値を含むことを特徴とする請求項2記載の張り出し局装置装置。 - 前記制御回路は、前記時間Toffsetの初期値と、前記時間TBdelayDLと、ある無線信号データを含んだ上りフレームが前記スレーブインタフェース回路に入力されてから、その無線信号データを含んだ上りフレームがスレーブインタフェース回路から出力されるまでの時間TBdelayULと、前記時間Tphaseと前記時間TBdelayULの和に相当する整数値Nと、を前記基地局に報告するとともに、前記基地局から要求された遅延を送信データ遅延調整回路及び受信データ遅延調整回路に設定し、
前記基地局は、ある張り出し局装置装置から報告された時間TBdelayDL、時間TBdelayUL及びNに対応して、その張り出し局装置装置の1つ下流の張り出し局装置装置に対し、送信データ遅延調整回路の遅延をTc・N/2−(TBdelayUL−TBdelayDL)/2小さくし、受信データ遅延調整回路の遅延をTc・N/2+(TBdelayUL−TBdelayDL)/2小さくするように要求することを特徴とする請求項2記載の張り出し局装置装置。 - 前記制御回路は、前記時間Toffsetの初期値と、前記時間TBdelayDLと、前記時間Tphaseと、を前記基地局に報告するとともに、前記基地局から要求された遅延を送信データ遅延調整回路及び受信データ遅延調整回路に設定し、
前記基地局は、ある張り出し局装置装置から報告された時間TBdelayDL、時間TBdelayUL及びNに対応して、その張り出し局装置装置の1つ下流の張り出し局装置装置に対し、送信データ遅延調整回路の遅延をTphase/2+TBdelayDL小さくし、受信データ遅延調整回路の遅延をTphase/2小さくするように要求することを特徴とする請求項2記載の張り出し局装置装置。
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