JP2008006345A - 廃液の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セメントなどの硬化成分を含む廃液を排水処理しても環境を汚染しない廃液の処理方法を提供する。
【解決手段】セメントミルクなどの廃液から得られる上澄み液に凝集剤を添加し、白濁する成分を生成した後、この上澄み液について遠心分離をかける。これにより、廃液から上澄み液と沈殿物とに分離することができる。そして、上澄み液は排水処理され、沈殿物は固化されて廃棄される。この結果、上記方法により得られた上澄み液は、厚生労働省で定めた水質基準を満たすとともに、排水処理しても環境を汚染しない。また、第1の凝集剤および第2の凝集剤の添加と、遠心分離装置での処理とを併用すれば、廃液を上澄み液と凝集物とに速やかに分離することができる。
【選択図】図1
【解決手段】セメントミルクなどの廃液から得られる上澄み液に凝集剤を添加し、白濁する成分を生成した後、この上澄み液について遠心分離をかける。これにより、廃液から上澄み液と沈殿物とに分離することができる。そして、上澄み液は排水処理され、沈殿物は固化されて廃棄される。この結果、上記方法により得られた上澄み液は、厚生労働省で定めた水質基準を満たすとともに、排水処理しても環境を汚染しない。また、第1の凝集剤および第2の凝集剤の添加と、遠心分離装置での処理とを併用すれば、廃液を上澄み液と凝集物とに速やかに分離することができる。
【選択図】図1
Description
この発明は廃液の処理方法、詳しくはセメントを含むセメントミルクなどの廃液を排水処理する廃液の処理方法に関する。
例えば、土木工事などで使用されるセメントなどの硬化成分を含む廃液として、例えば、セメントミルクの余剰液または混合機(ミキサー)を洗浄した後の洗浄液などが挙げられる。一般的に、セメントミルクの余剰液または混合機などの洗浄液は、水に対するセメントの濃度が薄く、水とセメントなどの硬化成分とを分離しにくい。
また、セメントミルクは、土木工事の現場では、地盤の種類及び注入する深さにより大量に求められることがあり、その余剰液が大量に発生してしまう。そのため、セメントミルクなどの廃液を処理する方法が必要である。例えば、特許文献1には、そのセメントミルク廃液を処理する方法が開示されている。
また、セメントミルクは、土木工事の現場では、地盤の種類及び注入する深さにより大量に求められることがあり、その余剰液が大量に発生してしまう。そのため、セメントミルクなどの廃液を処理する方法が必要である。例えば、特許文献1には、そのセメントミルク廃液を処理する方法が開示されている。
従来、セメントミルクの余剰液を処理する方法は、以下のように行っていた。すなわち、図2のS201工程に示すように、セメントミルクの廃液を1日から数日間静置していた。上記静置により、図2のS202工程に示すように、廃液は沈殿物と上澄み液とに分離していた。この後、図2のS203工程に示すように、上澄み液に炭酸ガスを吹き込んでいた。最後に、図2のS204工程に示すように、沈殿物は固化するなどして廃棄し、上澄み液は排水処理していた。
しかし、上澄み液を排水する場合は、厚生労働省で定める水質基準を満たさなければならない。すなわち、水素イオン濃度(pH)を5.8〜8.6としなければならない。一般に、セメントミルクなどの廃液から発生する上澄み液はpH10以上と非常に高い。そのため、上記図2のS203工程に示すように、上澄み液に炭酸ガスを吹き込んでpHを下げ、上澄み液を中和した状態で排水処理をしていた。
また、上澄み液にカルシウムイオンが一定量含まれると、pHの値によっては空気中の炭酸ガスと反応して白濁してしまうおそれが生じる。そのため、上澄み液に凝集剤を添加し、白濁する成分を凝集物として生成させ、この上澄み液を所定時間静置して凝集物を沈殿させた後、排水処理を行っていた。
しかし、上澄み液を排水する場合は、厚生労働省で定める水質基準を満たさなければならない。すなわち、水素イオン濃度(pH)を5.8〜8.6としなければならない。一般に、セメントミルクなどの廃液から発生する上澄み液はpH10以上と非常に高い。そのため、上記図2のS203工程に示すように、上澄み液に炭酸ガスを吹き込んでpHを下げ、上澄み液を中和した状態で排水処理をしていた。
また、上澄み液にカルシウムイオンが一定量含まれると、pHの値によっては空気中の炭酸ガスと反応して白濁してしまうおそれが生じる。そのため、上澄み液に凝集剤を添加し、白濁する成分を凝集物として生成させ、この上澄み液を所定時間静置して凝集物を沈殿させた後、排水処理を行っていた。
一般的に、排水処理する上澄み液は、pH7程度のレベルでは白濁は生じず、透明の状態を有している。しかし、排水処理した後に、排水した水域のpHの変動により白濁が生じるおそれがある。そのため、排水する前に上澄み液から白濁する成分(炭酸カルシウムなど)を取り除く必要がある。
また、凝集剤を添加して分離するのに、1日から数日間において静置させる必要がある。しかし、実際の土木工事の現場では、大量に発生するセメントミルクの余剰物や洗浄液を貯蔵するための場所を確保するのが困難である。
さらに、セメントミルクは、水に対してセメントなどの硬化成分の濃度が低い。このため、セメントミルクの廃液から上澄み液と硬化成分とを分離しにくい。また、分離する時間を要していた。
また、凝集剤を添加して分離するのに、1日から数日間において静置させる必要がある。しかし、実際の土木工事の現場では、大量に発生するセメントミルクの余剰物や洗浄液を貯蔵するための場所を確保するのが困難である。
さらに、セメントミルクは、水に対してセメントなどの硬化成分の濃度が低い。このため、セメントミルクの廃液から上澄み液と硬化成分とを分離しにくい。また、分離する時間を要していた。
そこで、本願発明者は鋭意努力の結果、上澄み液に凝集剤を添加し、白濁する成分を生成した後、この上澄み液について遠心分離をかければ、短時間で水と凝集物を分離できることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、セメントなどの硬化成分を含む廃液を排水処理しても環境を汚染しない廃液の処理方法を提供することを目的とする。
また、この発明は、速やかに凝集物と水とを分離してセメントミルク廃液の処理方法を提供することを目的とする。
また、この発明は、速やかに凝集物と水とを分離してセメントミルク廃液の処理方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、セメントを含む廃液を処理する廃液の処理方法であって、
上記廃液に第1の凝集剤を所定量添加し、上澄み液と第1の凝集物とに分離する工程と、次いで、上記分離した上澄み液に所定量の炭酸ガスを吹き込み、上記上澄み液を中和させる工程と、この後、上記中和した上澄み液に第2の凝集剤を所定量添加し、第2の凝集物を生成する工程と、次に、上記第2の凝集物を含む上澄み液を遠心分離し、上澄み液と第2の凝集物とに分離する工程と、を含む廃液の処理方法である。
例えば、土木工事から発生するセメントなどの硬化成分を含む廃液としては、セメントミルクまたは混合機(ミキサー)を洗浄したときに発生する洗浄液などが挙げられる。
廃液に含まれる硬化成分の量は限定されない。
上澄み液に吹き込む炭酸ガスの量は限定されない。
セメントミルクなどに含まれるセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉スラグセメントなどが挙げられる。
また、セメントミルクに含まれるセメントの比表面積は限定されない。
さらに、遠心分離は、遠心分離装置を用いて処理される。この遠心分離装置の回転体の大きさ、容量は限定されない。また、上澄み液にかける遠心力も限定されない。
上記廃液に第1の凝集剤を所定量添加し、上澄み液と第1の凝集物とに分離する工程と、次いで、上記分離した上澄み液に所定量の炭酸ガスを吹き込み、上記上澄み液を中和させる工程と、この後、上記中和した上澄み液に第2の凝集剤を所定量添加し、第2の凝集物を生成する工程と、次に、上記第2の凝集物を含む上澄み液を遠心分離し、上澄み液と第2の凝集物とに分離する工程と、を含む廃液の処理方法である。
例えば、土木工事から発生するセメントなどの硬化成分を含む廃液としては、セメントミルクまたは混合機(ミキサー)を洗浄したときに発生する洗浄液などが挙げられる。
廃液に含まれる硬化成分の量は限定されない。
上澄み液に吹き込む炭酸ガスの量は限定されない。
セメントミルクなどに含まれるセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉スラグセメントなどが挙げられる。
また、セメントミルクに含まれるセメントの比表面積は限定されない。
さらに、遠心分離は、遠心分離装置を用いて処理される。この遠心分離装置の回転体の大きさ、容量は限定されない。また、上澄み液にかける遠心力も限定されない。
請求項1に記載の発明にあっては、まず、セメントなどの硬化成分を有する廃液を準備する。次に、その廃液に第1の凝集剤を添加する。第1の凝集剤を添加すると、廃液は、白濁の上澄み液(ブリーディング水)と第1の凝集物(セメントなどの硬化成分の凝集物)とに分離する。次いで、分離した上澄み液に炭酸ガスを吹き込む。これにより、上澄み液は、そのpH値が下がり中和する。そして、白濁の上澄み液は透明になる。この後、透明になった上澄み液に第2の凝集剤を添加する。これにより、上澄み液には第2の凝集物(炭酸ガスの浮遊物など)が生成される。次に、第2の凝集物を含む上澄み液を遠心分離装置に投入する。そして、上澄み液について、例えば2000Gの遠心力で回転させる。これにより、この上澄み液は、遠心分離後の上澄み液と第2の凝集物(沈殿物)とに分離する。この後、上澄み液は排水処理され、第2の凝集物は沈殿物となり、固化されて廃棄される。
この結果、上記方法により得られた上澄み液は、厚生労働省で定めた水質基準を満たすとともに、排水処理しても環境を汚染しない。また、第1の凝集剤および第2の凝集剤の添加と、遠心分離装置での処理とを併用すれば、廃液を短時間で上澄み液と沈殿物(第2の凝集物)とに分離して処理することができる。
この結果、上記方法により得られた上澄み液は、厚生労働省で定めた水質基準を満たすとともに、排水処理しても環境を汚染しない。また、第1の凝集剤および第2の凝集剤の添加と、遠心分離装置での処理とを併用すれば、廃液を短時間で上澄み液と沈殿物(第2の凝集物)とに分離して処理することができる。
請求項2に記載の発明は、上記第1の凝集剤は、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムまたは高分子凝集剤である請求項1に記載の廃液の処理方法である。
高分子凝集剤とは、ノニオン系またはアニオン系の凝集剤である。ノニオンは、日本油脂株式会社製の商品名で、具体的にはポリエチレングリコールエーテルまたはエステルである。ノニオン系高分子凝集剤はアクリルアミドを重合することによって製造されたものである。また、アニオン系高分子凝集剤はアクリルアミドとアクリル酸を共重合することにより製造されたものである。
高分子凝集剤とは、ノニオン系またはアニオン系の凝集剤である。ノニオンは、日本油脂株式会社製の商品名で、具体的にはポリエチレングリコールエーテルまたはエステルである。ノニオン系高分子凝集剤はアクリルアミドを重合することによって製造されたものである。また、アニオン系高分子凝集剤はアクリルアミドとアクリル酸を共重合することにより製造されたものである。
請求項2に記載の発明にあっては、例えば、セメントミルクの廃液に硫酸アルミニウムを所定量添加して攪拌する。しばらく静置しておくと、廃液に含まれるセメントなどの硬化成分が硫酸アルミニウムと反応する。そして、セメントなどの硬化成分を第1の凝集物として硬化させる。これにより、廃液から上澄み液と第1の凝集物(沈殿物)とに分離することができる。
添加する第1の凝集剤の量は廃液の0.1〜5重量%である。0.1重量%未満であると、セメントなどの硬化成分が凝集し硬化する効果が得られない。また、5重量%を越えると、廃液全体が凝集して上澄み液を得られにくくなる。好ましくは0.1〜1重量%である。
添加する第1の凝集剤の量は廃液の0.1〜5重量%である。0.1重量%未満であると、セメントなどの硬化成分が凝集し硬化する効果が得られない。また、5重量%を越えると、廃液全体が凝集して上澄み液を得られにくくなる。好ましくは0.1〜1重量%である。
請求項3に記載の発明は、上記第2の凝集剤は、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは高分子凝集剤である請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の廃液の処理方法である。
請求項3に記載の発明にあっては、第2の凝集剤は、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは高分子凝集剤である。例えば、セメントミルクの廃液を処理する場合、炭酸ガスを吹き込んだ後、上澄み液に第2の凝集剤を添加する。すると、この後に行う遠心分離により、上澄み液と沈殿物(第2の凝集物)との分離を速やかに行うことができる。
添加する第2の凝集剤の量は上澄み液の0.01〜3重量%である。0.01重量%未満であると、上澄み液から凝集物が生成しにくい。また、3重量%を越えると、透明の上澄み液が凝集して上澄み液を得られにくくなる。好ましくは0.01〜1重量%である。
添加する第2の凝集剤の量は上澄み液の0.01〜3重量%である。0.01重量%未満であると、上澄み液から凝集物が生成しにくい。また、3重量%を越えると、透明の上澄み液が凝集して上澄み液を得られにくくなる。好ましくは0.01〜1重量%である。
この発明によれば、セメントミルクなどの廃液から得られる上澄み液に凝集剤を添加し、白濁する成分を生成した後、この上澄み液について遠心分離をかける。これにより、廃液から上澄み液と沈殿物とに分離させ、上澄み液は排水処理され、沈殿物は固化されて廃棄される。
この結果、上記方法により得られた上澄み液は、厚生労働省で定めた水質基準を満たすとともに、排水処理しても環境を汚染しない。
また、第1の凝集剤および第2の凝集剤の添加と、遠心分離装置での処理とを併用すれば、廃液は短時間で上澄み液と沈殿物(第2の凝集物)とに分離することができる。従来のようにしばらく静置することもなく、土木工事などの現場においても静置するための場所を確保する手間が省ける。
さらに、セメントミルクなどのセメントなどの硬化成分の濃度が低いものであっても、従来に比べて速やかに上澄み液と沈殿物とに分離することができる。
この結果、上記方法により得られた上澄み液は、厚生労働省で定めた水質基準を満たすとともに、排水処理しても環境を汚染しない。
また、第1の凝集剤および第2の凝集剤の添加と、遠心分離装置での処理とを併用すれば、廃液は短時間で上澄み液と沈殿物(第2の凝集物)とに分離することができる。従来のようにしばらく静置することもなく、土木工事などの現場においても静置するための場所を確保する手間が省ける。
さらに、セメントミルクなどのセメントなどの硬化成分の濃度が低いものであっても、従来に比べて速やかに上澄み液と沈殿物とに分離することができる。
以下、この発明の一実施例を説明する。
本実施例ではセメントミルクの廃液の処理方法について説明する。まず、図1のS101工程に示すように、土木工事で発生したセメントミルクの余剰液を準備する。セメントミルクに含まれるセメントは、例えば、三菱マテリアル社製の超微粒子セメント「商品名:ファインハード」である。セメントミルクはこれに水などを加えたものである。水セメント比は100〜500%である。
本実施例ではセメントミルクの廃液の処理方法について説明する。まず、図1のS101工程に示すように、土木工事で発生したセメントミルクの余剰液を準備する。セメントミルクに含まれるセメントは、例えば、三菱マテリアル社製の超微粒子セメント「商品名:ファインハード」である。セメントミルクはこれに水などを加えたものである。水セメント比は100〜500%である。
そして、図1のS101工程に示すように、このセメントミルクに第1の凝集剤を添加する。添加する第1の凝集剤は、硫酸アルミニウムである。添加する硫酸アルミニウムは、例えば大明化学工業社製の硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3・nH2O)である。添加する硫酸アルミニウムの量は、セメント重量の0.1〜5重量%である。好ましくは、0.1〜1重量%である。
そして、セメントミルク廃液に第1の凝集物を0.3重量%添加した後、数秒間攪拌する。このあと、図1のS102工程に示すように、セメントミルクの廃液を1〜10時間静置する。すると、セメントミルク中のセメントなどの硬化成分が第1の凝集剤により凝集される。そして、上澄み液とセメントなどの硬化成分(第1の凝集物)とに分離する。分離後の上澄み液は白濁している。
そして、セメントミルク廃液に第1の凝集物を0.3重量%添加した後、数秒間攪拌する。このあと、図1のS102工程に示すように、セメントミルクの廃液を1〜10時間静置する。すると、セメントミルク中のセメントなどの硬化成分が第1の凝集剤により凝集される。そして、上澄み液とセメントなどの硬化成分(第1の凝集物)とに分離する。分離後の上澄み液は白濁している。
次に、図1のS103工程に示すように、白濁した上澄み液に炭酸ガスを所定量吹き込む。この炭酸ガスを吹き込む手段は限定されず、また吹き込む炭酸ガスの量も限定されない。炭酸ガスを吹き込む前においては、上澄み液は10以上のpH値を示している。炭酸ガスを吹き込むと、上澄み液はそのpH値が6〜8まで低下するとともに、白濁していた上澄み液は透明になる。そして、白濁していた成分は、上澄み液の上部に存在する炭酸カルシウムの浮遊物となる。この状態で上澄み液を遠心分離装置にかけても、炭酸ガスの浮遊物の比重が軽く、上澄み液との分離がうまくいかない。
そこで、図1のS104工程に示すように、白濁する成分が消失して透明になった上澄み液に、第2の凝集剤としてポリ塩化アルミニウムを0.03重量%添加して攪拌する。ポリ塩化アルミニウムは、例えば大明化学工業株式社製の商品名「タイパック」(Al2(OH)nCl6−n)である。なお、第2の凝集剤として硫酸アルミニウムを使用することも可能だが、ポリ塩化アルミニウムに比べて添加量が多く必要である。添加したポリ塩化アルミニウムにより、透明の上澄み液には第2の凝集物が生成される。すなわち、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムまたは水酸化アルミニウムなどの凝集物が生成される。
この後、図1のS105工程に示すように、第2の凝集物が生成した上澄み液を遠心分離装置に投入する。そして、第2の凝集物を含む上澄み液について、遠心分離装置を用いて遠心分離を施す。すなわち、遠心分離装置の回転体に上澄み液を投入し、これを2800Gの遠心力で10分間回転させて実施する。すると、上澄み液は、速やかに遠心分離後の上澄み液と沈殿物とに分離する。この後、図1のS106工程に示すように、分離した上澄み液は排水処理され、沈殿物(第2の凝集物)は固化されて廃棄される。
以上の結果、セメントミルクの廃液を処理する際、従来に比べて短時間で処理することができる。また、処理した上澄み液は、厚生労働省の水質基準を満たす。厚生労働省の水質基準とは、水素イオン濃度(pH)を5.8〜8.6の範囲に収めることである。排水した後においても環境を汚染することはない。さらに、大量に発生するセメントミルクの余剰物または洗浄液を貯蔵するための場所を確保する手間も省ける。
この後、図1のS105工程に示すように、第2の凝集物が生成した上澄み液を遠心分離装置に投入する。そして、第2の凝集物を含む上澄み液について、遠心分離装置を用いて遠心分離を施す。すなわち、遠心分離装置の回転体に上澄み液を投入し、これを2800Gの遠心力で10分間回転させて実施する。すると、上澄み液は、速やかに遠心分離後の上澄み液と沈殿物とに分離する。この後、図1のS106工程に示すように、分離した上澄み液は排水処理され、沈殿物(第2の凝集物)は固化されて廃棄される。
以上の結果、セメントミルクの廃液を処理する際、従来に比べて短時間で処理することができる。また、処理した上澄み液は、厚生労働省の水質基準を満たす。厚生労働省の水質基準とは、水素イオン濃度(pH)を5.8〜8.6の範囲に収めることである。排水した後においても環境を汚染することはない。さらに、大量に発生するセメントミルクの余剰物または洗浄液を貯蔵するための場所を確保する手間も省ける。
Claims (3)
- セメントを含む廃液を処理する廃液の処理方法であって、
上記廃液に第1の凝集剤を所定量添加し、上澄み液と第1の凝集物とに分離する工程と、
次いで、上記分離した上澄み液に所定量の炭酸ガスを吹き込み、上記上澄み液を中和させる工程と、
この後、上記中和した上澄み液に第2の凝集剤を所定量添加し、第2の凝集物を生成する工程と、
次に、上記第2の凝集物を含む上澄み液を遠心分離し、上澄み液と第2の凝集物とに分離する工程と、を含む廃液の処理方法。 - 上記第1の凝集剤は、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムまたは高分子凝集剤である請求項1に記載の廃液の処理方法。
- 上記第2の凝集剤は、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは高分子凝集剤である請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の廃液の処理方法。
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---|---|---|---|---|
JP5416308B1 (ja) * | 2013-10-24 | 2014-02-12 | 株式会社テクノス北海道 | アルカリ性排水の中和方法 |
KR20220085169A (ko) * | 2020-12-15 | 2022-06-22 | 에코엔텍(주) | 오탁수 처리시설 및 처리방법 |
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