JP2008004903A - 超電導コイルおよび超電導コイルのボビン - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導線を効率良く、かつ、高密度にボビンに巻き付ける。
【解決手段】帯状の超電導線と、該超電導線が巻き付けられているボビンとからなる超電導コイルであって、前記ボビンの円筒状の本体の外周面には、前記超電導線の1周の巻回毎に、巻付方向を軸線方向と直交する周方向に規制する規制領域と、巻付方向が規制されないフリー領域とに区画するガイド部が設けられ、前記超電導線は、各巻回毎に前記規制領域で周方向に巻き付けられていると共に、前記フリー領域で次ぎの巻回位置へと傾斜させて巻き付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導コイルおよびボビンからなり、特に、ボビンを改良して、帯状の超電導線を高密度に複数層巻きするものである。
従来、超電導コイルとして、本出願人は、特開昭64−11305号公報(特許文献1)等において、図13に示すような円筒状の芯材(ボビン)2の外周面に帯状の超電導線3を螺旋状に巻き付けた超電導コイル1を提供している。
しかしながら、特許文献1で提供している超電導コイル1では、芯材2に超電導線3をガイドする部材を設けていないため、巻き付けた超電導線3がばらけやすい。特に、超電導線3を高密度で巻き付けるために、複数枚の超電導線3を重ね、積層体として芯材2に巻き付けた場合には、前記現象が顕著に生じやすい。
そこで、巻き付ける超電導線をガイドするために芯材の外周面に螺旋状の溝を設け、該螺旋溝内に超電導線を配線して巻き付ける超電導コイルが提供されている。
しかしながら、芯材の外周面に螺旋状の溝を設けると、超電導線の巻付方向が規定されてしまい、芯材の一端から他端まで巻き付けた超電導線を一端側へ巻き返すことができない。
そこで、複数層で巻き付ける場合、芯材の螺旋溝に沿って一端から他端へ超電導線を巻き付けた後、逆方向の螺旋溝が設けられた別の円筒管からなる芯材を被せ、該芯材に超電導線を他端側から一端側へと巻き返して往復させ、これを繰り返すことにより多層巻きとしている場合がある。
前記のような構成とすれば、芯材に超電導線を複数層で巻き付けることができるが、超電導線の各層の間に芯材が介在するため、超電導コイルが大型化する問題がある。
特開昭64−11305号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、最内周に芯材(ボビン)を配置するだけで、該ボビンに超電導線を連続して複数層に巻き付けることができ、かつ、巻回位置の規制および巻付角度が調整ができるようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、第一の発明として、帯状の超電導線と、該超電導線が巻き付けられているボビンとからなる超電導コイルであって、
前記ボビンは、円筒状の本体の外周面に、前記超電導線の一周の巻回毎に、巻付方向を軸線方向と直交する周方向に規制する規制領域と、巻付方向が規制されないフリー領域とに区画するガイド部が設けられ、
前記超電導線は、各巻回毎に前記規制領域で周方向に巻き付けられていると共に、前記フリー領域で次ぎの巻回位置へと傾斜させて巻き付けられていることを特徴とする超電導コイルを提供している。
本発明の超電導コイルでは、ボビンの外周面に超電導線を連続的に傾斜させながら螺旋状に巻き付けるのではなく、1周の巻回(1ターン)は前記規制領域で周方向に巻回けると共に前記フリー領域で次の巻回位置へと傾斜させながら軸線方向に移行させ、これを繰り返してボビンの軸線方向の一端側から他端側へと巻き付けている。前記フリー領域ではガイド部に規制されないため、いずれの方向にも巻き付けることができ、例えば、複数層とする場合には往路と復路とで逆向きとすることができ、また、巻回ピッチを変えることもできる。
さらに、1周の巻回長さの大部分を前記規制領域とすると、該規制領域ではガイド部で超電導線の巻き付け方向を規制しているため、超電導線に蛇行等を発生させず、軸方向に隣接する超電導線の巻回部分と接触することが防止できる。
具体的には、前記超電導線は、ボビンの軸線方向の一端側から他端側へのみ巻き付けられる単層としても良いが、一端側と他端側との間を所要回数往復させて巻き付けられた複数層されることが好ましく、複数層の場合は、往路と復路において前記フリー領域における巻付方向が逆とされている。
このように、本発明では、ボビンの軸線方向の一端側から他端側へ超電導線を巻き付けて一層目を形成した後、一層目の超電導線の外周面に重ねるようにしてボビン軸線方向の他端側から一端側へ超電導線を巻き返して二層目を形成することができ、これを繰り返して複数層の超電導線からなる超電導コイルを形成することができる。このようにして形成した超電導コイルでは、各層間に従来例で示した芯材が介在されないため、効率良くかつ高密度にボビンに超電導線を巻き付けることができる。
本発明の超電導コイルは、1枚の超電導線を前記ボビンに単層あるいは複数層で巻き付けてもよいし、複数枚の超電導線を重ね合わせて積層体とした状態で一括で巻き付けてもよい。
前記超電導線を積層体としたものを2個設け、2個の積層体をボビンの軸線方向に2列の並列状態として巻回し、かつ、各巻回毎に前記フリー領域で、2列の積層体のうちの第1積層体の最外層の超電導線を第2積層体の最外層位置に転位すると共に、該第2積層体の最内層の超電導を第1積層体の最内層位置に転位し、最内層位置の超電導線を1周巻回毎に変える構成としていることが好ましい。
前記ボビンに超電導線を複数層に巻き付けた超電導コイルでは、通電時に、電流分布が内外層で異なり、内周層の超電導線への通電量が多くなる一方、外周層の超電導線への通電量が少なくなり、外周層には全く流れない場合もある。
よって、積層体とした超電導線の内外周位置を変えずに、ボビンに巻き付けた場合、内層側の超電導線にのみ電流が流れ、外周側の超電導線には電流が流れなくなって外周側の超電導線が無駄になる。
そこで、本発明では、ボビンに設けたフリー領域において、超電導線を次の巻回位置へと移行させる際に、2列の第1積層体と第2積層体との間において、第1積層体の最内層の超電導線を第2積層体の最内層位置に転位すると共に、該第2積層体の最外層の超電導を第1積層体の最外層位置に転位し、ターン毎に最内層位置の超電導線を変え、全ての超電導線が積層体中に内外層を入れ替えている。これにより全ての超電導線に均一に電流を流すことができる。
なお、第1積層体と第2積層体の超電導線の枚数は同数であることが好ましいが、1、2枚程度の差があってもよい。
前記周方向の規制領域の長さはフリー領域の長さより大とされ、かつ、該フリー領域は軸線方向の一端から他端にかけて軸線方向と平行に連続して設けられ、周方向の同一箇所で超電導線が傾斜されて次の巻回位置へと移行されていることが好ましい。
前記フリー領域における超電導線の軸線方向の最大移行寸法L1と該フリー領域の周方向の寸法L2とは、L1:L2=1:4〜1:50とされていることが好ましい。
これは、フリー領域の周方向の長さが超電導線の最大移行寸法L1の4倍より小さいと、フリー領域において超電導線が急激に曲げられて損傷するおそれがあり、一方、50倍より大きいと、ガイド部を設けた規制領域が周方向に短くなり過ぎて超電導線が蛇行したり、積層している場合にはばらけやすくなるからである。
なお、前記L1:L2=1:10程度が最も好ましい。
前記ボビンに設けるガイド部は、ボビンの外周面に突設されるフィンあるいはピンからなり、これらガイド部を、前記規制領域において、超電導線の幅と対応させてボビンの軸線方向に間隔をあけて突設しているが、超電導線の幅よりも若干広くして超電導線の巻き付けがスムーズに行えるようにしている。
また、前記ガイド部は規制領域の全長に沿って設けても良いが、間隔をあけて取り付けてもよく、少なくともフリー領域との境界位置となる規制領域の周方向両端に突設している。
さらに、第二の発明として、超電導コイルのボビンを提供しており、該ボビンは前記本発明の超電導コイルのボビンとして好適に用いられるものである。
該ボビンは絶縁材からなり、
円筒状の本体の外周面に、軸線方向に間隔をあけて、該軸線方向と直交方向の円周方向の溝が並設され、これらの溝の周方向の一部にガイド片が突設され、これらガイド片に挟まれた規制領域が設けられていると共に、前記ガイド片を突設ぜずに軸線方向に連続させたフリー領域が設けられ、
前記規制領域は超電導線を周方向に巻回させる領域とされていると共に、前記フリー領域は前記超電導を次ぎの巻回位置へと傾斜させて巻き付ける領域とされていることを特徴とする。
前記ボビンの外周面に軸線方向と直交する周方向の溝を設けているため、螺旋方向の溝を設ける場合と比べて切削加工が容易に行える。また、溝は、超電導線を挿入してガイドする溝ではなく、ガイド片の基部を嵌合固定する溝であるため、溝幅を細くでき、この点からも溝加工が容易となる。
また、溝は全周に設けているため、ガイド片を任意の位置に突設することができる。
ガイド片は、超電導線を複数層とする場合には、最外層の位置までは突設している。
前記ガイド片は円弧状のフィンからなり、該フィンの基部が前記規制領域の溝の全長に沿って圧入されて突設され、かつ、該フィンには冷媒流通用のスリット、孔あるいは切欠きが設けられていることが好ましい。
このように、規制領域の全長に沿ってフィンを突設すると、規制領域における超電導線の方向規制を完全に行うことができ、かつ、隣接する巻回位置の超電導線同士を確実に絶縁できる。
また、ボビンに巻き付ける線材は超電導線であるため、液体窒素等の冷媒を充填して超電導温度とされた冷媒容器中に密封される。複数層の超電導コイルでは内層側の超電導線が冷却されにくくなるが、前記フィンと超電導線との間に隙間があるため、この隙間が冷媒流通路として利用でき、内周側の超電導線を確実に冷却することができる。
特に、フィンにスリット、孔あるいは切欠きを設けると、これらも冷媒流通路として利用でき、密集した超電導線を超電導温度に効率よく冷却できる。
前記フィンに代えてガイドピンをガイド片として設けてもよい。この場合、ガイドピンの基部が前記規制領域の溝に間隔をあけて圧入されて突設される。ガイドピンは前記規制領域の周方向両端と、その間の中央部に突設される3本以上とされることが好ましい。
即ち、規制領域の全長にガイド片を突設しなくとも、規制領域の周方向両端と、その間の中央部に間隔をあけてガイド片を突設することで、超電導線の巻付方向の規制と、隣接する巻回部との干渉を防止できる。この場合、ガイドピンが突設されていない部分は、超電導線の隣接する巻回部間に空隙となり、該空隙が冷媒流通路となるため、超電導線を効率よく冷却することができる。
さらに、本発明は、前記超電導コイルを備えたモータ、発電機、変圧器、超電導電力貯蔵装置(SMES)あるいは限流器からなる超電導機器を提供している。
前述したように、本発明によれば、ボビン周方向で規制領域とフリー領域とに分け、規制領域では超電導線の巻付方向を規制して超電導線を周方向に巻き付ける一方、フリー領域では超電導線を巻付方向および巻付角度(ピッチ)を任意に変えることができる。よって、超電導線の巻き付けをボビン軸線方向に往復させて複数層の超電導線からなる超電導コイルを形成することができる。その結果、各層間に従来例で示したような芯材が介在されず、効率良くかつ高密度にボビンに超電導線を巻き付けることができる。
また、フリー領域では超電導線がフリーの状態となるが、ボビン周方向の大部分を占める規制領域でガイド部により超電導線をガイドしているため、巻き付けた超電導線が蛇行したり、積層体とした場合にはばらけるおそれもなく、よって、隣接する巻回部との干渉を防止することができる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図6は、本発明の第1実施形態を示す。
超電導コイル10は、図1に示すように、ボビン20の外周面に超電導線11をボビン軸線方向に複数回往復させて巻き付けて複数層として形成したものであり、モータからなる超電導機器に用いられるものである。
前記ボビン20は、繊維強化樹脂から成形した円筒状の本体21の外周面に、軸線方向Xに一定寸法をあけて、軸線方向と直交方向の円周溝21aを平行に設け、各円周溝21aにガイド片22を取り付けている。
前記ガイド片22は、繊維強化樹脂製の円弧状平板のフィンからなり、前記溝21aにガイド片22の内周縁の基部を圧入固定している。
図3および図4に示すように、ボビン20の周方向の領域のうち、ガイド片22を設けた領域を超電導線11をボビン20の周方向に巻き付ける規制領域S1とし、両側を前記ガイド片22で挟まれた1周の巻回部分を周方向配線部23している。一方、ガイド片22を設けていない領域をフリー領域S2とし、該フリー領域S2で超電導線11を次ぎの巻回位置へと軸線方向Xに移行させてる領域としている。本実施形態では、フリー領域S2をボビン20の軸線方向に平行に連続して設けている。
前記フリー領域S2における超電導線11の軸線方向の最大移行寸法L1とフリー領域の周方向の寸法L2とは、L1:L2=1:4〜1:50としている。前記超電導線11の軸線方向の最大移行寸法L1はガイド片22間の間隔に相当する。
本実施形態では、ボビン10の本体21の外径は70mm、ガイド片11の間隔(L1)は5mmとし、前記L2は50mmとしている。よって、L1:L2=1:10としている。
前記ボビン20に巻き付ける超電導線11は、ビスマス系超電導材を絶縁被覆した帯状としており、本実施形態では、厚さ0.2mm、幅4.5mmとしている。
第1実施形態では1枚の超電導線11をボビン20の一端から他端にかけて巻き付けた後に他端から一端側へと巻き付け、この往復を繰り返して、10層程度の複数層としている。
詳細には、図5に示すように、超電導線11をボビン20の軸線方向Xの一端E1から他端E2にかけて巻き付けて超電導コイル10の一層目を形成している。ガイド片22を設けた規制領域S1では両側のガイド片22に挟まれた周方向配線部23に超電導線11を配線して周方向に巻き付け、ガイド片22を設けていないフリー領域S2に達すると、周方向配線部23から該フリー領域S2に引き出し、フリー領域S2で次ぎの巻回部となる隣接する周方向配線部23へ傾斜配線し、順次これを繰り返している。
前記のように、ボビン20の一端E1から他端E2にかけて超電導線11を巻き付けた後、他端E2から一端E1にかけて巻き付けて超電導コイル10の二層目を形成している。巻付方法は、一層目と同様であり、図6に示すように、規制領域S1では周方向配線部23に超電導線11を配線して周方向に巻き付け、フリー領域S2では周方向配線部23から引き出した超電導線11を周方向に対して傾斜配線させて、一端E1側に隣接する周方向配線部23に移行させている。前記フリー領域S2における傾斜させた巻付方向は前記1層目と逆方向となる。
前記超電導線11のボビン一端E1から他端E2への往路側の巻き付けと、他端E2から一端E1への復路側の巻き付けを交互に繰り返して、ボビン20に超電導線11を前記のように10層程度巻き付けた超電導コイル10を形成している。
前記構成によれば、超電導線11をボビンに螺旋状に巻き付けるのではなく、ボビン周方向で規制領域S1とフリー領域S2とに分け、規制領域S1ではガイド部22で超電導線11の巻付位置を規制して超電導線11を周方向に巻き付ける一方、ガイド部22を設けていないフリー領域S2では超電導線11を周方向に対して傾斜配線させて軸線方向に移行できる。このフリー領域S2における超電導線11の移行はボビン20の軸線方向Xのいずれの方向でも可能であるため、超電導線11の巻付方向が規制されず、ボビン軸線方向Xの一端E1側から他端E2側への巻き付け及び他端E2側から一端E1側への巻き付けが可能となる。
よって、ボビン軸線方向Xの一端E1側から他端E2側へ超電導線11を巻き付けて一層目を形成した後、一層目の超電導線11の外周面に重ねるようにしてボビン軸線方向Xの他端E2側から一端E1側へ超電導線11を巻き返して二層目を形成することができ、これを繰り返して複数層の超電導線11からなる超電導コイル10を形成することができる。このようにして形成した超電導コイル10では、各層間に芯材が介在されないため、効率良くかつ高密度にボビン20に超電導線11を巻き付けることができる。
また、フリー領域S2ではガイド部22を設けていないため、超電導線11がフリーの状態となるが、ボビン周方向の大部分を占める規制領域S1でガイド部22により超電導線11を周方向にガイドしているため、複数層で巻き付けた超電導線11がばらけるおそれもない。
なお、本実施形態では、ボビン20の本体21に別体のガイド片22を取り付けているが、ガイド片を本体21と一体成形してもよい。
また、全てのガイド片の周方向の一部を切り欠いているが、ボビン軸線方向の両端のガイド片は全周に亙って設けてもよい。このとき、フリー領域S2に設けられたボビン軸線方向両端のガイド片は巻き付ける超電導線と接触しないためガイド部としての機能を果たしていない。
さらに、本実施形態では、ボビン軸線方向に往復させて超電導線を巻き付けているが、軸線方向の一端から他端までの一層巻きとしてもよい。
さらにまた、本実施形態では、超電導コイルをモータからなる超電導機器に用いているが、発電機、変圧器、超電導電力貯蔵装置(SMES)あるいは限流器からなる他の超電導機器に用いてもよい。
図7乃至図9は本発明の第2実施形態を示す。
前記第1実施形態では1枚の超電導線11をボビン20に巻き付けて超電導コイル10を形成しているが、本実施形態の超電導コイル30は、複数枚の超電導線11を重ねた積層体として一括してボビン20に巻き付けてコイルを形成している。
詳細には、それぞれ複数枚(本実施形態では9枚)の超電導線を重ね合わせた第1積層体12と第2積層体13を設け、これら第1積層体12と第2積層体13とを軸線方向に並列させて2列とした状態で、隣接する周方向配線部23に配線してボビン20に巻き付けている。
本実施形態では、第1実施形態と超電導線11の巻付方法を相違させており、後述するように、フリー領域S2における超電導線11の最大移行幅はガイド片22のピッチをL1とすると3L1に相当する(図8(B)の超電導線11Aを参照)。よって、超電導線11の最大移行幅3L1とフリー領域S2の周方向長さL2の比を3L1:L2=1:10、即ち、L1:L2=1:30として、フリー領域S2の周方向長さL2を第1実施形態よりも長くしている。
次に、超電導線11からなる第1積層体12と第2積層体13の巻付方法について説明する。
前記のように、第1積層体12と第2積層体13とをガイド部22を介して隣接する周方向配線部23A、23Bに配線してボビン20に巻き付ける。図7に示すように、1巻回目(1ターン目)の第1積層体12を構成する超電導線11を内層側から外層側にかけて11A〜11I、第2積層体13を構成する超電導線11を外層側から内層側にかけて11J〜11Rとする。
2ターン目を巻き付ける際には、第1積層体12の最内層の超電導線11Aをフリー領域S2において2つの周方向配線部23B、23Cを飛ばして3つ先の周方向配線部23Dに移行し、残りの超電導線11B〜11Iを1つの周方向配線部23Bを飛ばして2つ先の周方向配線部23Cに移行する。
一方、第2積層体13の最外層の超電導線11Jをフリー領域S2において1つ先の周方向配線部23Cに移行して既に巻き付けた超電導線11B〜11Iの最外面へと転位して巻き付け、残りの超電導線11K〜11Rを2つ先の周方向配線部23Dに移行して既に巻き付けた超電導線11Aの最外面に巻き付ける。
よって、2ターン目では第1積層体12が超電導線11B〜11J、第2積層体13が超電導線11K〜11R、11Aにより構成される。
同様に、3ターン目を巻き付ける際には、第1積層体12の最内層の超電導線11Bを3つ先の周方向配線部23Fに移行し、残りの超電導線11C〜11Jを2つ先の周方向配線部23Eに移行する。一方、第2積層体13の最外層の超電導線11Kを1つ先の周方向配線部23Eに移行して既に巻き付けた超電導線11C〜11Jの最外面に巻き付け、残りの超電導線11L〜11R、11Aを2つ先の周方向配線部23Fに移行して既に巻き付けた超電導線11Bの最外面に巻き付ける。
よって、3ターン目では第1積層体12が超電導線11C〜11K、第2積層体13が超電導線11L〜11R、11A、11Bにより構成される。
4ターン目以降も前記と同様の方法により超電導線11をボビン20に巻き付けており、巻き付けがボビン軸線方向の端部まで達すると、軸線方向の逆方向に向けて重ねて巻き付けて、図9に示すように、第1積層体12、第2積層体13をそれぞれ複数層重ねて巻き付けている。
このように、第1、第2積層体12、13を構成する超電導線11をターン毎に1枚ずつ入れ替えることにより、全ての超電導線11が内層側や外層側に偏って配線されないようにしている。
前記構成によれば、全ての超電導線11A〜11Rが内層側、外層側に偏ることなく配線されるため、全ての超電導線に均一に電流を流すことができる。
なお、本実施形態では、第1積層体の最内層を第2積層体の最内層へ、第2積層体の最外層を第1積層体の最外層へ転位させているが、第1積層体の最外層を第2積層体へ、第2積層体の最内層を第1積層体へ転位させる構成としてもよい。
また、本実施形態では、第1積層体と第2積層体の超電導線の枚数を同数としているが、±1枚の範囲で異ならせてもよい。
図10は、本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態では、ボビン20のガイド片22を前記実施形態と相違させており、ガイド片22に外周縁からボビン径方向に延在するスリット22aを周方向に間隔をあけて設けている。
前記構成によれば、ボビン20に巻き付けた超電導線を冷却する液体窒素等からなる冷媒がガイド片22のスリット22aを通ってガイド片22で挟まれた周方向配線部間にも冷媒が流れ込みやすくなるため、下層の超電導線も効率良く冷却することができる。
図11は、本発明の第4実施形態を示す。
本実施形態では、ボビン20に巻き付ける超電導線をガイドするガイド部をガイド片に替えて、ピン状のガイドピン24により構成している。
ガイドピン24は、ボビン20の周方向に所要の間隔をあけて複数設けたガイドピン群25をボビン軸線方向Xに所要の間隔をあけて複数設けている。
ガイドピン24の周方向の間隔は全てを均一とせず、1つの間隔L3を他の残りの間隔L4よりも大きくし、間隔L3を設けた領域をフリー領域S2とし、残りの領域を規制領域S1としている。
超電導線のボビン20への巻付方法は、前記実施形態と同様であり、規制領域S1では超電導線を周方向に巻き付ける一方、フリー領域S2では超電導線をボビン周方向に対して傾斜配線して巻き付けている。
前記構成によれば、ガイドピン24間の周方向の隙間を全て冷媒流通路とできるため、より効率的に超電導線を冷却することができる。
なお、ガイドピン24の周方向の間隔は全て均一でもよく、例えば、図12に示すように、ガイドピン24をボビン周方向に120度間隔で3本設け、各ガイドピン24で挟まれた3つの領域のうち、1つの領域をフリー領域S2、残りの領域を規制領域S1としてもよい。
なお、本発明は前記実施形態に限らず、特許請求の範囲に含まれる形態とすることができる。
本発明の超電導コイルは、自動車等の駆動用モータや、その他発電機、変圧器、超電導電力貯蔵装置(SMES)等の超電導機器に用いられるものである。
本発明の第1実施形態の超電導コイルを示す斜視図である。 超電導コイルを示し、(A)は正面図、(B)はボビン径方向の要部拡大断面図である。 超電導コイル用ボビンを示す斜視図である。 超電導コイル用ボビンを示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。 一層目の超電導線の巻付方法を示す図面である。 二層目の超電導線の巻付方法を示す図面である。 第2実施形態の超電導線の巻付方法を示す図面である。 2ターン目の巻付方法を示し、(A)は第1積層体の巻付方法を示す図面、(B)は第2積層体の巻付方法を示す図面である。 第1、第2積層体を複数層巻き付けた状態を示す図面である。 第3実施形態の超電導コイル用ボビンを示す図面である。 第4実施形態の超電導コイル用ボビンを示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。 第4実施形態の変形例の超電導コイル用ボビンを示す平面図である。 従来例を示す図面である。
符号の説明
10 超電導コイル
11 超電導線
12 第1積層体
13 第2積層体
20 超電導コイル用ボビン
21 芯材
22 ガイド片
22a スリット
23 周方向配線部
24 ガイドピン
S1 規制領域
S2 フリー領域

Claims (11)

  1. 帯状の超電導線と、該超電導線が巻き付けられているボビンとからなる超電導コイルであって、
    前記ボビンの円筒状の本体の外周面には、前記超電導線の1周の巻回毎に、巻付方向を軸線方向と直交する周方向に規制する規制領域と、巻付方向が規制されないフリー領域とに区画するガイド部が設けられ、
    前記超電導線は、各巻回毎に前記規制領域で周方向に巻き付けられていると共に、前記フリー領域で次ぎの巻回位置へと傾斜させて巻き付けられていることを特徴とする超電導コイル。
  2. 前記超電導線は、ボビンの軸線方向の一端側から他端側へと巻き付けられる単層、あるいは、一端側と他端側との間を所要回数往復させて巻き付けられた複数層とされ、
    前記複数層では、往路と復路において前記フリー領域における超電導線の巻付方向が逆とされている請求項1に記載の超電導コイル。
  3. 前記超電導線は複数枚の積層体とされ、2個の積層体がボビンの軸線方向に並列状態で巻回され、かつ、各巻回毎に前記フリー領域で、2個の積層体のうちの第1積層体の最内層の超電導線が第2積層体の最内層位置に転位されていると共に、該第2積層体の最外層の超電導が第1積層体の最外層位置に転位され、最内層位置の超電導線は1周巻回毎に変えられている請求項1または請求項2に記載の超電導コイル。
  4. 前記周方向の規制領域の長さはフリー領域の長さより大とされ、かつ、該フリー領域は軸線方向の一端から他端にかけて軸線方向と平行に連続して設けられ、周方向の同一箇所で超電導線が傾斜されて次の巻回位置へと移行されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  5. 前記フリー領域における超電導線の軸線方向の最大移行寸法L1と該フリー領域の周方向の寸法L2とは、L1:L2=1:4〜1:50とされている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に超電導コイル。
  6. 前記ガイド部は前記ボビンの外周面に突設されるフィンあるいはピンからなり、これらガイド部は、前記規制領域において、超電導線の幅と対応させてボビンの軸線方向に間隔をあけて突設されていると共に、少なくともフリー領域との境界位置となる規制領域の周方向両端に突設されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の超電導コイルを備えた超電導機器。
  8. 円筒状の本体の外周面に、軸線方向に間隔をあけて、該軸線方向と直交方向の円周方向の溝が並設され、これらの溝の周方向の一部にガイド片が突設され、これらガイド片に挟まれた規制領域が設けられていると共に、前記ガイド片を突設せずに軸線方向に連続させたフリー領域が設けられ、
    前記規制領域は超電導線を周方向に巻回させる領域とされていると共に、前記フリー領域は前記超電導を次ぎの巻回位置へと傾斜させて巻き付ける領域とされていることを特徴とする超電導コイルのボビン。
  9. 前記ガイド片は円弧状のフィンからなり、該フィンの基部が前記規制領域の溝の全長に沿って圧入されて突設され、かつ、該フィンには冷媒流通用のスリット、孔あるいは切欠きが設けられている請求項8に記載の超電導コイルのボビン。
  10. 前記ガイド片はガイドピンからなり、該ピンの基部が前記規制領域の溝に間隔をあけて圧入されて突設され、該ガイドピンは前記規制領域の周方向両端と、その間の中央部に突設される3本以上とされている請求項8に記載の超電導コイルのボビン。
  11. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の超電導コイルに用いられる請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の超電導コイルのボビン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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