JP2008003554A - 電子写真用トナー、画像形成装置、及びトナー製造方法 - Google Patents

電子写真用トナー、画像形成装置、及びトナー製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 圧縮応力印加した後のトナー間非静電的付着力が適切な値となり、潜像担持体から中間転写体への転写時に生じる中抜け現象を防止し、良好な画像形成を行うことができる電子写真用トナーと、この電子写真用トナーを使用する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の範囲で圧縮応力を印加した後に計測されるトナーの引っ張り破断応力から算出される、圧縮応力を印加した後のトナー間非静電的付着力をFt[nN]、トナー粒子径をDt[μm]とした際に、Ft/Dt≦3.0[nN/μm]の関係を満たすサンプルトナーCのような電子写真用トナーを用いて画像形成を行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電子写真用トナー、これを用いる画像形成装置、及びこれを製造するトナー製造方法に関するものである。詳しくは、潜像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写し、その後、記録体にトナー像を転写する画像形成に用いられる電子写真用トナーと、この電子写真用トナーを用いる画像形成装置と、このトナーの製造方法とに関するものである。
従来、この種の画像形成では、潜像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する際に、画像の一部が転写されない、いわゆる中抜け現象が発生する場合がある。この中抜け現象は文字画像や線状画像を形成するときに顕著となる。これは、潜像担持体表面に担持されるトナー像は、潜像担持体表面よりも外側に突出した状態で担持されているので、転写時の圧力がトナーに集中しやすい。特に文字画像や線状画像などは画像面積率が低いため、中間転写体に転写する際に機械的圧力がトナーに集中しやすくなる結果、中抜けが発生しやすいと考えられる。
このような中抜け現象を抑制するために従来から種々の工夫がなされてきた。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置においては、画像面積率が低い文字モードを選択した場合は転写時にかかる圧力を下げ中抜け現象を抑制している。一方、画像面積率が高い画像モードを選択した場合は転写時にかかる圧力を上げて転写性を優先する工夫がなされている。
特許文献2に記載の画像形成装置にはトナーに特定の荷重を与えた場合のトナー凝集率を規定し、かつ転写部の荷重を規定することで中抜けを改善する方法が開示されている。
特許文献3に記載の画像形成装置においては、中間転写体の表面粗さを潜像担持体の表面粗さよりも大きくし、使用するトナーの体積平均粒径と、中間転写体及び潜像担持体の表面粗さとの関係を特定の範囲に保っている。これにより、中間転写体側へのトナーの移動を促進させることができるとともに、像担持体側へのトナーの移動を抑制することができることで、中抜け現象の発生を抑制している。
特許文献4に記載の画像形成装置においては、潜像担持体の表面エネルギーを下げることにより、転写の際に潜像担持体に圧着されたトナーの離型性を上げて中抜けを抑制する方法が開示されている。
特開2005−10389号公報 特開2004−334004号公報 特開2001−235946号公報 特開平6−250414号公報
潜像担持体から中間転写体への転写時のトナーの中抜け現象は、トナーに圧縮応力を印加した後のトナー間非静電的付着力が大きく影響することが本発明者らの鋭意研究によって明らかになった。すなわち、圧縮応力の大きさに応じて圧縮後のトナー粒子径に対するトナー間非静電的付着力が大きくなり、同じ圧縮応力を加えた際にトナー粒子径に対するトナー間非静電的付着力の比率が大きくなるトナーほど、転写時の中抜け現象が悪化することが明らかになった。しかしながら、従来は画像形成に用いられる電子写真トナーの圧縮応力を印加した後のトナー間非静電的付着力について検討がなされたものがなかった。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、圧縮応力印加した後のトナー間非静電的付着力が適切な値となり、潜像担持体から中間転写体への転写時に生じる中抜け現象を抑制し、良好な画像形成を行うことができる電子写真用トナーと、この電子写真用トナーを使用する画像形成装置と、この電子写真用トナーを製造するトナー製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体上に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成し、該潜像担持体から該トナー像の転写を受ける中間転写体を備える転写手段を用いて、該トナー像を記録体上に転写する画像形成に用いられる電子写真用トナーにおいて、ホソカワミクロン社製アグロボットを用いて、該アグロボット用の直径15[mm]の二分割可能なセルに充てんし、0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の範囲で圧縮応力を印加した後の該セルを分割に要する引っ張り破断応力を測定し、該引っ張り破断応力をRumpfの式に代入することにより求められる、該圧縮応力を印加した後のトナー間非静電的付着力をFt[nN]とし、トナー粒子径をDt[μm]とすると、Ft/Dt≦3.0[nN/μm]の関係を満たすことを特徴とするものである。
但し、Rumpfの式は、Ft=St×Dt×ε/(1−ε)であり、St[nN/μm]はトナーに所定の圧縮応力を印加して測定される引っ張り破断応力、Dt[μm]はトナー粒子径、εは、トナー層空隙率である。
また、請求項2の発明は、請求項1の電子写真用トナーにおいて、真円度の平均値が1.0以上、1.4以下であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の電子写真用トナーにおいて、真円度の平均値が所定の値より大きくなるように製造されたトナーに対して、該真円度の平均値が所定の値よりも小さくなるように製造されたトナーを混合したものであることを特徴とするものである。
なお、請求項2及び3における真円度は、真円度={(トナー粒子の周囲長)2/(トナー粒子の投影面積)}×(1/4π)であり、その平均は無作為に選んだ100個のトナー粒子の平均である。
また、請求項4の発明は、請求項3の電子写真用トナーにおいて、上記所定の値が1.4であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の電子写真用トナーにおいて、トナー粒子がトナー母体粒子と外添剤とからなり、該外添剤は、体積平均粒径が50[nm]以上、150[nm]以下である微粒子と、該微粒子よりも小粒径な超微粒子とを混合したものであることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の電子写真用トナーにおいて、上記外添剤は、シリカ(SiO)、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)の内の少なくとも一種類を含むことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の電子写真用トナーにおいて、粒径が1〜8[μm]となるように調整したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の電子写真用トナーにおいて、平均粒径が異なる少なくとも2種類以上のトナーを混合したものであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の電子写真用トナーにおいて、トナー粒子が平均粒径の異なる2種類のトナー粒子からなり、大粒径のトナー粒子が4[μm]以上、8[μm]以下、小粒径のトナー粒子が1[μm]以上、4[μm]未満となるように調整したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体上の潜像にトナーを供給してトナー像とする現像手段と、該潜像担持体から該トナー像の転写を受ける中間転写体を備えた転写手段とを備える画像形成装置において、該トナーとして、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の電子写真用トナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、像担持体上の潜像にトナーを現像する現像手段に直流電圧と、該直流電圧に重畳する交流電圧とを印加することを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項3に記載の電子写真用トナーを製造するトナー製造方法において、上記真円度の平均値が所定の値より大きくなるように製造されたトナーと、該真円度の平均値が所定の値よりも小さくなるように製造されたトナーとを出荷時のトナー容器内で混合することにより電子写真用トナーを製造することを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項3に記載の電子写真用トナーを製造するトナー製造方法において、上記真円度の平均値が所定の値より大きくなるように製造されたトナーと、該真円度の平均値が所定の値よりも小さくなるように製造されたトナーとをキャリアと混合する攪拌容器内で混合することにより電子写真用トナーを製造することを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、潜像担持体上に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成し、該潜像担持体から該トナー像の転写を受ける中間転写体を備える転写手段を用いて、該トナー像を記録体上に転写する画像形成に用いられる電子写真用トナーにおいて、Ft/Dt≦3.0[nN/μm]の関係を満たすことを特徴とする電子写真用トナー。
但し、Ftは以下の1〜2の手順より求められる。
1.トナーの引っ張り破断応力Stを測定する。
2.その引っ張り破断応力St[nN/μm]をRumpfの式に代入することにより、トナー間非静電付着力Ft[nN]を求める。
ここで、Stは以下の(i)〜(iv)の手順より測定される。なお、セル内の温度は25[℃]である。
(i)トナーを、直径15[mm]で上下に二分割可能なセルの中に、高さ37[mm]まで充てんする。
(ii)セルの上から板状の部材を速度0.1[mm/s]で下ろすことにより、0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の範囲で、圧縮応力をトナーに印加する。
(iii)圧縮後、約60[s]、圧縮状態を保持する。
(iv)セルを上下に速度0.2[mm/s]で引っ張り、分割に要する引っ張り破断応力St[nN/μm]を測定する。
なお、Rumpfの式は、Ft=St×Dt×ε/(1−ε)であり、St[nN/μm]は前述の方法から測定されるトナーの引っ張り破断応力、Dt[μm]はトナー粒子径、εは、トナー層空隙率である。
上記請求項1乃至14の電子写真用トナーにおいては、図2及び図3を用いて後述する本発明者らの実験の結果、0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の範囲で圧縮応力を印加した後のトナー間非静電的付着力Ftをトナー粒子径Dtで除したFt/Dtの値が3.0[nN/μm]以下となるトナーでは、潜像担持体から中間転写体への転写時にトナー像に圧力が集中しやすい条件で画像形成を行ったとしても、中抜けの発生を抑制することができることがわかった。
請求項1乃至14の発明によれば、潜像担持体から中間転写体への転写時の中抜け現象の発生を抑制し、良好な画像形成を行うことができるという優れた効果がある。
以下、本発明の電子写真トナーについて説明する。
図1に示す画像形成装置は、フルカラーの画像形成装置としてのプリンタ100の装置全体の概略構成図である。図1において、プリンタ100は、互いに異なる4色(イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:K)のトナーを用いる4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kを備えている。さらに、画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kで形成されたトナー像が転写されるための中間転写体としての中間転写ベルト5を備える転写手段としての中間転写ユニット50を備えている。そして、プリンタ100は、4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kを中間転写ベルト5の移動方向に沿って並設されたタンデム型の画像形成装置である。
各画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Kは、潜像担持体としての感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kと、各感光体ドラムの表面を帯電ローラによって帯電する帯電装置3K、3C、3M、3Yとを備えている。また、画像情報に基づいて、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの帯電された表面を、レーザ光Lにより露光することで表面に潜像を形成する不図示の露光装置が備えられている。また、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2K上の潜像をトナー像化する画像形成手段としての現像装置1Y、1M、1C、1Kと、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面をクリーニングする感光体クリーニング装置10Y、10M、10C、10Kとを備えている。
上記4組の画像形成ユニットの感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kは、不図示の感光体ドラム駆動装置によって図中矢印A方向に回転駆動される。また、ブラック用の感光体ドラム2Kと、カラー用の感光体ドラム2Y、2M、2Cとを独立に回転駆動できるようにしても良い。これにより、例えば、モノクロ画像を形成するときにはブラック用の感光体ドラム2Kのみを回転駆動し、またカラー画像を形成するときには4つの感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kを同時に回転駆動することができる。ここで、モノクロ画像を形成するときは、カラー用の感光体ドラム2Y、2M、2Cから離間するように中間転写ベルト5を有する中間転写ユニットが部分的に揺動させられる。
中間転写ベルト5は例えば中抵抗の無端状のベルト材で構成され、二次転写部対向ローラ7及び支持ローラ51、52といった複数の支持ローラに掛け回されている。この支持ローラの一つを回転駆動することにより、中間転写ベルト5を図中矢印方向に無端移動させることができる。
各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kから中間転写ベルト5にトナー像を転写する一次転写位置には、中間転写ベルト5を間に挟んで各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに対向するように一次転写ローラ4Y、4M、4C、4Kが設けられている。転写体としての中間転写ベルト5は、一次転写ローラ4Y、4M、4C、4Kによって押圧されることにより、感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに対して圧接し、それぞれの感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kとの対抗部で一次転写ニップを形成している。
また、中間転写ベルト5を介して二次転写部対向ローラ7に対して対向する位置には、該中間転写ベルト50に所定のニップ圧で当接され、中間転写ベルト5上に形成されたトナー像を記録体である転写紙Pに転写する二次転写ローラ6を備えている。
上述の構成のプリンタ100で、カラー画像を形成するときは、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kは、図中矢印A方向に回転駆動される。このとき、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面は、帯電装置3K、3C、3M、3Yによって所定の極性、例えば、マイナス極性に帯電される。次いで、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの帯電面に、画像書き込み手段から出射する光変調されたレーザ光Lを照射して、これによって、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kの表面に静電潜像を形成する。即ち、レーザ光が照射され感光体表面部分の電位の絶対値が低下した部分が静電潜像(画像部)となり、レーザ光が照射されず電位の絶対値が高く保たれた部分が地肌部となる。次いで、静電潜像が、現像装置1Y、1M、1C、1Kに収納され所定の極性に帯電されたトナーによって、現像されて、トナー像として可視化される。
各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kに形成された各色のトナー像は、各一次転写ニップで圧力と転写電界の作用により中間転写ベルト5上に順次重ね合わせて転写される。これにより、中間転写ベルト5上に4色のトナー像からなるフルカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト5に転写されずに各感光体ドラム2Y、2M、2C、2K上に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置10Y、10M、10C、10Kによって掻き取られ、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2K表面が清掃される。尚、各感光体ドラム2Y、2M、2C、2Kから除去したトナーを、図示しないトナーリサイクル装置により現像装置に搬送して、トナーをリサイクルすることも可能である。
一方、図示しない給紙装置から、転写紙Pが、中間転写ベルト5と二次転写ローラ6との間に、矢印Fの方向から所定のタイミングで搬送される。このとき、中間転写ベルト5上に重ね合わされたフルカラートナー像は、二次転写ローラ6と二次転写部対向ローラ7との間に形成された二次転写ニップで転写紙P上に一括転写される。フルカラートナー像が転写された転写紙Pは、図示しない定着装置により加熱・加圧されてトナー像が転写紙P上に定着される。その後、図示しない定着装置により定着された記録紙は図示しない排紙部から排出される。
図1で説明したプリンタ100の構成に限らず、一般に、画像形成装置の一次転写過程では、転写率の向上や、主操作方向の転写ムラを抑制する目的で、転写部に圧力を加えて接触させる。しかし、トナーの性状とニップ部の圧力の関係により文字画像、線状画像の一部が転写時に欠落或いは潜像担持体に再転写する「中抜け」現象が発生する。本実施形態では、「中抜け」現象と圧縮後のトナー間非静電的付着力との関係から、圧縮後のトナー間非静電的付着力が適正な大きさとなるトナーを使用するとにより、中抜け現象を大幅に低減することができる。
以下、本実施形態で使用するトナーについて説明する。まず、トナーの性状を示す値として使用される圧縮後のトナー間非静電的付着力の算出方法について説明する。
トナー間非静電的付着力Ft[nN]は、トナーの引っ張り破断応力をSt[nN/μm]、トナー粒子径をDt[μm]、トナー層空隙率をεとしたときに、
Rumpfの式:Ft=St×Dt×ε/(1−ε)
を用いて算出することができる。
トナーの引っ張り破断応力St[nN/μm]は、粉体層圧縮・引張強度自動計測システム、アグロボットAGR(ホソカワミクロン社製)を用い、所定の圧縮応力を印加して測定する。測定条件の詳細は、後述するが、本装置は2分割可能なセルの中に、粉体試料を封入し、設定した加圧力で加圧したあとの、上下セルの分割に必要な力から、破断に使用された力およびトナー間の付着力を算出する装置である。
トナー粒子径Dt[μm]は、コールターエレクトリク社製のコールターマルチサイザーにより測定することが可能である。
また、トナー層の空隙率εはアグロボットAGRにより測定されるトナー層の高さとトナー粉体の真比重値により、算出される。なお、ここでのトナー層の高さは、アグロボットAGRによって圧縮応力を印加した後のトナー層の高さであり、真比重値は真比重測定装置(島津製作所製 乾式自動密度計アキュピック1330)を用いて測定する。
また、トナー間非静電的付着力は主にファンデルワールス力によるものと考えられる。トナーの付着力測定方法としては、遠心分離法などが挙げられるが、IS&TNIP7th p.200(1991)によると、トナー非静電的付着力Ft[nN]はトナー粒子径Dt[μm]に比例する。このため、Ft/Dt[nN/μm]を比較することにより、トナー粒子径に依らないトナー非静電的付着力の大きさを比較することが出来る。
なお、Rumpfの式では引っ張り破断応力St[nN/μm]に、トナー粒子径Dt[μm]の2乗を乗じているが、これは破断面の領域内に存在する粒子数を計算するために乗じているものであって、トナー間非静電的付着力Ft[nN]の特性に関連したものではない。
上記Ft/Dt[nN/μm]のDt[μm]は、トナー間非静電的付着力Ft[nN]が粒径Dt[μm]に比例するという特性を考慮し、Dt[μm]で除している。また、トナー間非静電的付着力Ft[nN]が粒径Dt[μm]に比例するという特性は、遠心分離法によるトナー/平面間の付着力測定による実験結果や、一般的なファンデルワールス力の式などから説明することができる。そして、上記アグロボットAGRを用いた測定のようなトナー層内の粒子間の力においても、トナー間非静電的付着力Ft[nN]がトナー粒径Dt[μm]に略比例していると考えることができる。
また、トナー間非静電的付着力Ft[nN]が同じ大きさであっても、トナー粒径Dt[μm]が大きければ、中抜けが生じにくい。これは、トナー間非静電的付着力Ft[nN]が同じでトナー粒径Dt[μm]が大きい場合、トナー粒径Dt[μm]が小さい場合に比べてトナー粒子と感光体との間の付着力や、トナー粒子と転写ベルトとの間の付着力が大きくなるため、トナーが凝集体として存在していられない可能性が高くなることが主な理由と考えられる。他にも、トナーの表面電荷密度が等しい場合、トナー1個の電荷はトナー粒径Dt[μm]の2乗に比例するため、例えばトナー粒径Dt[μm]が1/2になれば、電荷量qは1/4となる。トナー粒子は外部電界による力qEによって動かされるため、外部電界による力は1/4となるが、トナー感光体間の非静電的付着力は1/2にしかならないため、トナー粒子と感光体との間の力が小さくなっても相対的にトナーを動かしにくくなる。また、重力などの影響を考えると、質量に比例するため1/8となり、やはり相対的に動かしにくくなる。このように、トナー粒径を小さくした場合、トナー粒子間の非静電的付着力は小さくなるが、動かすための外力がより小さくなるため、トナー粒径Dt[μm]が小さくなるほど(付着力の値は小さくなっていても)、トナーの付着性や凝集性が上がることになる。これら影響を考慮して、Ft[nN]をDt[μm]で除しており、Ft[nN]の大小だけではトナーの付着力や凝集力を比較することはできない。
本発明者らは、上述のアグロボットAGRを用いて、性状の異なる様々なトナーの圧縮後のトナー間非静電的付着力を測定して定量的に評価し、画像形成装置で発生する中抜け現象についての関係を検討した。
図2は性状が異なる任意の3種類のトナーサンプルA、B、Cに対し、既存の画像形成装置を用いて測定した、転写加圧スプリング力と中抜け度の関係を示すグラフである。画像形成装置は中間転写方式のタンデム型フルカラープリンタであり、シングルカラーモードを使用し、転写圧力を変化させて各トナーによる画像を出力した。
図2において、転写加圧スプリング力とは、一次転写部において、中間転写体と感光体とを加圧し、転写を補助するためのスプリング力の大きさである。本装置の加圧スプリングは、転写ローラの両端に一つづつ設置されており、転写加圧スプリング力は、両端のスプリング力の合計値である。中抜け度は主操作方向3ドット、副操作方向60ドットの細線が均等に配置されたテストチャートを使用して、出力された画像に対し中抜けの状態を1〜5の5段階にランク評価したものである。このテストチャートは画像面積率が低い文字画像や線状画像などを想定したものであり、トナー像に圧力が集中しやすい条件である。
各ランクの評価基準は以下のとおりである。
ランク1:目視観察で「中抜け」部が発見されない状態。
ランク2:目視観察で「中抜け」部と判断することが難しいくらいに辛うじて「中抜け」部を発見できる状態。
ランク3:目視観察で「中抜け」部を辛うじて発見でき、その「中抜け」部が画像品質を損ねない状態。
ランク4:目視観察で「中抜け」部を比較的容易に発見できる状態。
ランク5:目視観察で誰が観察しても「中抜け」部をすぐに発見できる状態。
ここで、ランク2以下は画像として問題のない範囲である。また、スプリング力16[N]以上は通常使用されるスプリング力を超える範囲である。このように、画像形成装置による評価では、トナーによってスプリング力と中抜け度の関係が異なり、図2中のトナーサンプルCが中抜けに対する余裕度が高く好ましい。
なお、図2に示した測定に用いるフルカラープリンタの感光体及び中間転写ベルトとしては、以下(1)〜(3)の条件を満たすような、通常使用される範囲のものであれば、図2に示すスプリング力の範囲で実験を行うと同様の傾向となった。
(1)感光体と中間転写ベルトとの表面粗さ
Rz(十点平均粗さ):0.1〜3[μm]
測定装置:超深度顕微鏡(キーエンス社製 VK8500)
(2)感光体、転写ベルト表面エネルギー
水接触角:50〜120[度]
<水接触角>
測定装置および測定条件
測定機:協和界面科学(株)製 FACE 自動接触角計 CA−W型
測定間隔:10[mm]
繰り返し回数:5[回]
(3)感光体、転写ベルトとの摩擦係数
摩擦係数:0.1〜0.7
測定方法:オイラーベルト法
測定用紙(リコー製PPC用紙 TYPE6200 A4サイズT目)を297×30[mm]のサイズに裁断し、この測定用紙の中央部を感光体ドラムの周方向で90度(π/2rad.)の範囲に巻き回す。そして、測定用紙の一端(下端)に荷重(100[g])を印加し、もう一方にフォースゲージをつないだ後、このフォースゲージを一定速度で移動させる。測定用紙が移動開始した後、フォースゲージの値が安定したときの値を読みとり、次の式により算出する。
μk = 2/π×ln(F/W)
ただし、μkは動摩擦係数、Fはフォースゲージ読みとり値[g]、Wは荷重(100[g])である。
なお、転写ベルトの摩擦係数は、感光体ドラムまたは、感光体ドラムと同一直径の基体に測定したい転写ベルトを巻きつけて、感光体ドラムまたは、感光体ドラムと同一直径の基体と転写ベルトとが滑らないように固定し、感光体ドラムの摩擦係数と同様の方法で測定を行う。
次に、上述のアグロボットAGRを用いて、図2で示したトナーサンプルA、B、Cの各トナーについて、複数の値の圧縮応力を印加した後のトナーの引っ張り破断応力(St[nN/μm])を測定した。
図4は、アグロボットAGRで用いるセル200の説明図である。セル200は、上蓋201、下蓋205、上部セル202及び下部セル203からなり、図4に示すように試料204をセットする。
このとき、上部セル202と下部セル203とに二分割可能なアグロボットAGR用の直径15[mm]のセル内にトナー粉体をセルの高さ(下部セル203の中に入れられた下蓋205の上面から上部セル202の上面までの高さ)の約9割の高さ(約37[mm])まで封入して、セル内のトナー層に圧縮応力を印加した後、セルを上下に引っ張ることでトナーの引っ張り破断応力を測定する。トナー粒子をセルに封入する際には、トナーを半分程入れて10回軽くタッピング、残り半分を入れて10回軽くタッピングといったやり方で封入を行う。セルの9割の高さは、目測にて行う。また、圧縮応力印加後のトナー層の高さを測定し、予め測定したトナーの真比重値からトナー層の空隙率εを算出する。これら、トナーの引っ張り破断応力St[nN/μm]及びトナー層の空隙率εと予め測定したトナー粒子径Dt[μm]とを、Rumpfの式:Ft=St×Dt×ε/(1−ε)に代入して、トナー間非静電的付着力Ft[nN]を算出する。
算出した圧縮応力を印加した後のトナー間非静電的付着力Ftを、トナー粒子径Dtで除したFt/Dt[nN/μm]と、印加した圧縮応力との関係を図3に示す。図2において、高いスプリング力において中抜けが発生し難かったサンプルトナーCは、図3に示すように、高い圧縮応力を印加した場合でも、トナー間非静電的付着力Ftをトナー粒子径Dtで除したFt/Dtの値が増加していない。具体的には、0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の範囲で圧縮応力を印加した後の、Ft/Dt[nN/μm]の値が、3.0[nN/μm]以下となった。
本発明者らは以上のような、トナーのFt/Dt[nN/μm]の値と印加する圧縮応力との関係と、画像形成装置における転写スプリング力と中抜けの関係を多数調査した結果、以下の方法により「中抜け」を抑制できることを見出した。即ち、電子写真用トナーにおいて、トナー粉体を二分割可能なアグロボットAGR用の直径15[mm]のセル内に封入し、0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を加えた後の、トナー層間の引っ張り破断力からRumpfの式を用いて算出される、圧縮後のトナー間非静電的付着力Ft[nN]及びトナー粒子径Dt[μm]によって表させるFt/Dt[nN/μm]が、下記式(I)を満たすトナーを用いることにより、画像形成装置における「中抜け」現象を抑制することができる。
Ft/Dt≦3.0[nN/μm]・・・・(I)
なお、0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を加えた後の、Ft/Dt[nN/μm]の値が3.0[nN/μm]を超えるトナーを使用した場合は、転写ニップ部においてトナーが凝集しやすく、細線などで「中抜け」現象が発生しやすい。
また、圧縮応力を加え、トナー間非静電的付着力を求める測定は、次の(a)〜(d)の条件のもとで行う。
(a)測定時のセル内の温度は25[℃]。
(b)0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の範囲でトナーに圧縮応力を印加するとき、上部セル202の上から上蓋201を速度0.1[mm/s]で下ろす。
(c)圧縮後、約60[s]、圧縮状態を保持する。
(d)上部セル202と下部セル203とを上下へ引っ張る際の速度が、0.2[mm/s]。
また、本発明者らは、前記条件を満たすためのトナー粒子の条件として、下記式(II)より表される真円度の平均値が1.0〜1.4であることが好適であると見出した。真円度は、真球に近づくほど1に近づく。
真円度={(粒子の周囲長)2/(粒子の投影面積)}×(1/4π)・・・・(II)
真円度は、完全な球形であれば1.0となり、その値が小さいほど球形に近い粒子である。そして、真円度の値が小さいほど、すなわち、球形に近いほど、上記アグロボットAGRで印加する圧縮荷重の増加量に対する、トナーの静電的付着力の増加量が小さくなることが後に説明する本発明者らの実験等によって確認された。一方、真円度の平均値が1.4を超えると凝集性が高くなり、加圧時に凝集体になりやすいため、中抜けが多く発生する。前記真円度の測定方法としては、例えば、日立製作所製FE−SEM(S−4500)を用い、1000倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報を、例えば、画像処理ソフト(Media Cybernetics製Image−Pro Plus)を用いて解析をおこない算出することにより測定することが可能である。
上述のように、トナーの真円度が1.0に近ければ近いほど、中抜けを抑制する上では好ましい。真円度が1.0に近いトナーは中抜けしにくく転写率も高いため、転写残トナーは少なくなるが、転写残トナーとなった際の除去は困難である。これは、転写残トナーをクリーニングブレードでクリーニングする際、球形に近いトナーだと感光体表面とクリーニングブレードとの間を回転しながらすり抜けるためである。本発明者らが市場のサンプルを数点測定した結果、真円度は1.25以上あることがクリーニングする上では好ましいことが明らかになった。
クリーニング性を考慮すると真円度が1.0よりもできるだけ大きいトナーであることが好ましい。しかし、真円度が1.0に近いトナーは重合トナーであり、重合トナーは化学的に製造するため、その形状は略球形となり、その真円度を1.0よりも大きくするようにコントロールすることは技術的に困難である。
このような問題に対して、真円度が1.4以上の粉砕トナーに対し、真円度が1.4以下の重合トナーを混合させることにより、「中抜け」現象を抑制しつつ、クリーニング性の向上を図ることが出来る。真円度が1.4以上の粉砕トナーに対し、真円度が1.4以下の球形トナーを混合させることにより、粉砕トナーであっても凝集体を形成し難くなり、「中抜け」現象を防ぐことができる。また、不定形トナーである粉砕トナーを混ぜることにより、球形トナーを用いたとしても、クリーニング性を向上することができた。これは、集団として不定形のものが入ってくることにより、不定形のトナー粒子が球形のトナー粒子の回転を抑制したり、不定形トナーがクリーニングブレードと感光体との隙間に詰まることで、球形トナーがこの隙間に入りこむことを防止したりするためと考えられる。
不定形の粉体トナーと球形の重合トナーのように、形状の異なるトナーを混合させて使う方法としては、出荷時にあらかじめ所定の比率で混合したトナー容器を画像形成装置に装着して使う方法が可能である。この場合、通常のトナー交換作業と同様となるため、利用者に負担にならない。また、キャリアとの混合攪拌が行われるユニットにおいて、形状の異なるトナーを混合攪拌させる方法も可能である。この場合、トナー供給時は別々の容器に封入された、形状の異なるトナーを、キャリアとの混合攪拌時に混合する方法や、あらかじめキャリアとトナーが攪拌された現像剤の中に形状の異なるトナーを混合させておく方法などがある。このような、形状の異なるトナーを別々に供給する方法をとれば、状況に応じてトナーの混合比率を変更することで、使用するトナーの真円度の平均値を調節することが可能となる。
本実施形態の画像形成装置に用いられるトナーはその材料に関しては基本的には公知のものが全て可能である。バインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体が挙げられる。
スチレンの置換重合体としては、以下のものが挙げられる。
スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス。
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば以下に示すもの、及びこれらの混合物が使用できる。
カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン。
使用量は一般にバインダー樹脂100[重量%]に対し0.1〜50[重量%]である。
本実施形態のトナーの製造方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高画質トナー像において体積平均粒径が小さいトナーが好適に利用できるため、以下に説明する重合法によって製造されたものが好ましい。
例えば、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体と、少なくとも2種の樹脂微粒子とを水系媒体中で分散させかつ反応させて接着性基材を生成させつつトナーを得る工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
前記工程においては、例えば、水系媒体相の調製、有機溶媒相の調製、乳化・分散、その他(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)の合成、前記活性水素基含有化合物の合成など)を行う。
前記水系媒体相の調製は、例えば、前記少なくとも2種の樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。該樹脂微粒子の該水系媒体中の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10[重量%]が好ましい。
前記有機溶媒相の調製は、前記有機溶媒中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記未変性ポリエステル樹脂等のトナー原料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
なお、前記トナー原料の中で、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、前記水系媒体相調製において、前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させる際に該水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、前記有機溶媒相を前記水系媒体相に添加する際に、該有機溶媒相と共に前記水系媒体相に添加してもよい。
前記有機溶媒としては、前記トナー原料を溶解乃至分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、除去の容易性の点で沸点が150[℃]未満の揮発性のものが好ましくい。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、などが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー原料100[部]に対し、40〜300[部]が好ましく、60〜140[部]がより好ましく、80〜120[部]が更に好ましい。
前記乳化・分散は、先に調製した前記有機溶媒相を、先に調製した前記水系媒体相中に乳化・分散させることにより行うことができる。そして、該乳化・分散の際、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させると、前記接着性基材が生成する。
前記接着性基材(例えば、前記ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記有機溶媒相を、前記活性水素基含有化合物(例えば、前記アミン類(B))と共に、前記水系媒体相中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)前記有機溶媒相を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した前記水系媒体中に乳化・分散させ、分散体を形成し、該水系媒体相中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよく、あるいは(3)前記有機溶媒相を、前記水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、分散体を形成し、該水系媒体相中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子において濃度勾配を設けることもできる。
前記乳化・分散により、前記接着性基材を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10[分間]〜40[時間]が好ましく、2[時間]〜24[時間]がより好ましく、反応温度としては、0〜150[℃]が好ましく、40〜98[℃]がより好ましい。
前記水系媒体相中において、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む前記分散体を安定に形成する方法としては、例えば、前記水系媒体相中に、前記有機溶媒に溶解乃至分散させた前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、前記着色剤、前記離型剤、前記帯電制御剤、前記未変性ポリエステル樹脂などの前記トナー原料を加えて、せん断力により分散させる方法、などが挙げられる。
前記分散は、その方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することができ、該分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、前記分散体の粒径を2〜20[μm]に制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度などの条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記回転数としては、1000〜30000[rpm]が好ましく、5000〜20000[rpm]がより好ましく、前記分散時間としては、バッチ方式の場合は、0.1〜5[分]が好ましく、前記分散温度としては、加圧下において0〜150℃が好ましく、40〜98[℃]がより好ましい。なお、前記分散温度は高温である方が一般に分散が容易である。
前記乳化・分散において、前記水系媒体の使用量としては、前記トナー原料100[部]に対し、50〜2,000[部]が好ましく、100〜1,000[部]がより好ましい。
前記使用量が、50[部]未満であると、前記トナー原料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000[部]を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記乳化・分散においては、必要に応じて、粒度分布をシャープにし、安定に分散を行う観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、などが挙げられる。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。
このフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等。
このフルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。
前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。
前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。
前記カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、などが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、などが挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、以下のものが挙げられる。
アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等。
前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。
前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。
前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。
前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。
前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記乳化・分散においては、必要に応じて分散安定剤を用いることができる。
この分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能なものなどが挙げられる。
分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法などによって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記乳化・分散においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、などが挙げられる。
前記乳化・分散において得られた乳化スラリーから、有機溶媒を除去する。該有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、液滴中の前記有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、などが挙げられる。
前記有機溶媒の除去が行われると、トナー粒子が形成される。該トナー粒子に対し、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。この分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができ、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして、得られたトナー粒子を、前記着色剤、離型剤、前記帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、更に機械的衝撃力を印加することにより、該トナー粒子の表面から該離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、などが挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
更に、本発明の画像形成装置に用いられるトナーとしては、表面が外添剤によって被覆されているトナーが好適である。前記トナーの表面を外添剤で被覆することにより、トナーと感光体との付着力が低減され、中抜けが発生し難くなる。前記外添剤の外添剤被覆率としては、10〜90[%]であることが好ましく、30〜60[%]であることがより好ましい。前記外添剤被覆率が10[%]未満であると、トナーと感光体との間の付着力を適切な大きさにすることが困難となり、中抜けの増加を引き起こす。前記外添剤被覆率が90[%]を超えると、外添剤の遊離が発生し易くなり、特に繰返しの画像形成により感光体等の画像形成装置の構成部材が損傷し易くなることがある。なお、外添剤被覆率は、トナー1粒子の表面積に対する外添剤の被覆面積比を、トナー表面の電子顕微鏡画像を画像解析することによって計測することが可能である。
前記外添剤は1次粒子径の平均値が50[nm]〜150[nm]である微粒子と、この微粒子より小粒径な超微粒子とを混合したものであることが好適である。外添剤粒径は小粒径である方が、付着力が小さく、凝集性が低いが、平均粒径が50[nm]未満の粒子では、トナーが長期間攪拌された時にトナー母体表面に外添剤が埋没してしまう。外添剤が埋没することにより、トナーの付着力が変化し、中抜けを増加させ、画質の低下を引き起こすこととなる。また、粒径の大きい粒子であるほど、圧縮時のトナー母体の変形を防ぎ、圧縮後のトナー間付着力の増加を低減させることができる。しかし、平均粒径が150[nm]を超える外添剤粒子を使用すると、トナー母体から離脱しやすくなり他部材への付着が起こり、感光体フィルミング等によるの異常画像を引き起こす。このため、小粒径な外添剤の使用により凝集性を低減させ、トナーの圧縮後の付着力増加を防ぎ、トナーが長期間攪拌された時の付着力の増加を防ぎ、凝集性、流動性の安定を図るために平均粒径が50〜150[nm]の外添剤粒子を混合して使用することが効果的である。また、前記外添剤の形状は実質的に球形であることが好ましい。外添剤形状を球形にすることにより、長期間攪拌された時のトナー母体への埋没が進行しにくくなる。
外添剤の材料に関しては基本的には公知のものが全て可能であり、シリカ(SiO)、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)などがより好適である。
前記外添剤としては、例えば、吸湿性を有する無機微粒子である場合には、環境安定性等を考慮すると、疎水化処理を施したものが好ましい。
前記疎水化処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、疎水化処理剤と前記微粉末とを高温度下で反応させる方法などが挙げられる。
前記疎水化処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイルなどが挙げられる。
前記外添剤の外添方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノフージョン等の各種混合装置を用い方法が好適に挙げられる。
本実施形態で用いる電子写真用トナーの体積平均粒径は1〜8[μm]であることが好ましい。
上述したように、トナー粒径Dt[μm]が小さくなるほど、付着性や凝集性が高くなり、トナー粒子の移動が非常に困難になり、制御が難しくなる。体積平均粒径がトナーの粒径が1[μm]未満であると、画像不良が発生することがある。一方、トナー粒径が8[μm]を超えると、電子写真画像の高解像度の要求に対応するのが困難となることがある。
また、本実施形態で用いる電子写真用トナーは、平均粒径が異なる少なくとも2種類以上のトナーを混合したものであることが好ましく、特に粒径が4[μm]以上、8[μm]以下の大粒径のトナーと粒径が1[μm]以上、4[μm]未満の小粒径トナーの2種類を混合したものがより好適である。本発明者らは上述したアグロボットAGRによるトナー間非静電的付着力測定において、充填率が高くなると前記Ft/Dt[nN/μm]の値が小さくなりやすい傾向を確認した。充填率が高い場合、トナー同士が多くの接触点で支えあうため、圧力に対してトナーが変形しにくく、非静電的付着力が増加し難いためと考えられる。大粒径の粒子の間に小粒径の粒子が入り込む層を形成するように、異なる粒径の粒子を混合することで、充填率をあげることができる。
本実施形態で用いる電子写真トナーを画像形成装置において使用するとき、像担持体上に現像するための現像手段に印加する電圧は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することが好ましい。直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を現像手段に印加して現像を行った場合トナーが振動しながら層を形成するため、直流電圧のみを印加した場合に比べて現像されたトナー層の充填率を高くすることができる。
以下、本発明を適用した電子写真用トナーの具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1]
まず、トナーバインダーの合成について説明する。
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4―ヒドロキシフェーノール)プロパン810[部]、テレフタル酸300[部]およびジブチルチンオキサイド2[部]を入れ、常圧で230[℃]で8[時間]反応し、さらに10〜15[mmHg]の減圧で5[時間]反応した後、160[℃]まで冷却して、これに32[部]の無水フタル酸を加えて2[時間]反応した。
次いで、80[℃]まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート188[部]と2[時間]反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次いでプレポリマー(1)267[部]とイソホロンジアミン14[部]を50[℃]で2時間反応させ、重量平均分子量58000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724[部]、テレフタル酸276[部]を常圧下、250[℃]で5[時間]重縮合し、次いで10〜15[mmHg]の減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステル(a)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)200[部]と変性されていないポリエステル(a)800[部]を酢酸エチル溶媒2000[部]に溶解、混合し、トナーバインダー(1)の酢酸エチル溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(1)の物性を測定した。MW分布のピーク5500、Tgは71[℃]、酸価は5.5であった。
次に、トナーの作製について説明する。
ビーカー内に前記のトナーバインダー(1)の酢酸エチル溶液240[部]、銅フタロシアニンブルー顔料4[部]を入れ、60[℃]にてTK式ホモミキサーで12000[rpm]で攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706[部]、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294[部]、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2[部]を入れ均一に溶解した。ついで60[℃]に昇温し、TK式ホモミキサーで12000[rpm]に攪拌しながら、上で述べたトナー材料の溶液を投入し10[分間]攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のコルベンに移し、98[℃]まで昇温して溶媒を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、母体粒子を得た。
帯電制御剤としてサリチル酸誘導体の亜鉛塩をトナー量の4.0[重量%]混合し、加温雰囲気中で攪拌し、トナーの表面に帯電制御剤を固着させ、体積平均粒径が5.8[μm]、真円度の平均値1.35のトナー母粒子Aを得た。このトナー母粒子Aに対して、疎水化処理したシリカA(一次粒子径平均値14[nm])をトナー量の0.3[重量%]、疎水化処理したシリカB(一次粒子径平均値120[nm]の球形粒子)をトナー量の4.0[重量%]、疎水化処理した酸化チタンA(一次粒子径平均値15[nm])をトナー量の0.2[重量%]となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して実施例1のトナー粒子を作製した。
次に、Ft/Dt[nN/μm]の算出方法について説明する。
実施例1で得られたトナーにおいて、粉体層圧縮・引張強度自動計測システム、アグロボットAGR(ホソカワミクロン製)を用いて、0.7×10−2[N/m]および1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を加えた後のトナーの引っ張り破断応力St[nN/μm]を測定する。測定された引っ張り破断応力St[nN/μm]と、予め算出したトナー層の空隙率εと、予め測定したトナー粒子径Dt[μm]とを、Rumpfの式:Ft=St×D×ε/(1−ε)に代入して、トナー間非静電的付着力Ft[nN]を算出する。得られた、Ft[nN]から、Ft/Dt[nN/μm]を算出する。(Ft:トナー層圧縮後のトナー間非静電付着力、Dt:トナー体積平均粒径)
トナーへの圧縮応力の印加、及びトナーの引っ張り破断応力St[nN/μm]の測定では、内径15[mm]のアグロボットAGR用のセルを用いた。また、トナー粒子径Dt[μm]は、コールターエレクトリク社製コールターマルチサイザーにより測定した。
次に、中抜けの評価について説明する。
次に、実施例1で得られたトナーにおいて、リコー製カラー複写機ImagioNeo C600改造機を用いて、転写加圧スプリング力16[N]のときの中抜け評価を行った。この時、現像手段に印加する電圧は直流電圧のみを用いた。
本装置の加圧スプリングは、転写ローラの両端に一つづつ設置されており、転写加圧スプリング力は、両端のスプリング力の合計値である。中抜け度は主操作方向3[ドット]、副操作方向60[ドット]の細線が均等に配置されたテストチャートを使用して、出力された画像に対し、中抜けの状態を図2で説明した中抜け度と同様の評価基準で1〜5の5段階(1が良い、5が悪い)にランク評価したものである。ランク2以下は画像として問題のない範囲である。
上述の実施例1のトナーのFt/Dt[nN/μm]を算出したところ、0.7×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると2.50[nN/μm]、1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると2.71[nN/μm]となった。また、転写加圧スプリング力16[N]で画像形成を行った際の中抜け度は1であった。
[実施例2]
トナー組成物である樹脂や着色剤などを混合攪拌した後に、溶融混練し、次いで、溶融混練された前記構成材料を粉砕・分級して不定形のトナー母粒子Bを得た。トナー母粒子Bの体積平均粒径は、7.6[μm]、真円度の平均値は1.52であった。得られたトナー母粒子Bを熱気流中で結着樹脂の軟化点転以上の温度に加熱することにより球形化処理を施し、更に、球形処理を施した後、分級して球形のトナー母粒子Cを作製した。得られたトナー母粒子Cの体積平均粒径は、7.6[μm]、真円度の平均値は1.20であった。
トナー母粒子Cに対して、疎水化処理したシリカA(一次粒子径平均値14[nm])をトナー量の0.6[重量%]、疎水化処理した酸化チタンA(一次粒子径平均値15[nm])をトナー量の0.7[重量%]となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して実施例2のトナー粒子を作製した。
以上のようにして得られた、実施例2のトナーを、実施例1と同様にして、Ft/Dt[nN/μm]の値を算出し、中抜けの評価を行った。
上述の実施例2のトナーのFt/Dt[nN/μm]を算出したところ、0.7×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると1.82[nN/μm]、1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると2.52[nN/μm]となった。また、転写加圧スプリング力16[N]で画像形成を行った際の中抜け度は1であった。
[比較例1]
実施例1と同様に作製したトナー母粒子Aに、疎水化処理したシリカAを0.3[重量%]、疎水化処理した酸化チタンAを0.2[重量%]配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して比較例1のトナーを作製した。
このようにして得られた、比較例1のトナーを、実施例1と同様にして、Ft/Dt[nN/μm]の値を算出し、中抜けの評価を行った。
比較例1のトナーのFt/Dt[nN/μm]を算出したところ、0.7×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると3.20[nN/μm]、1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると4.51[nN/μm]となった。また、転写加圧スプリング力16[N]で画像形成を行った際の中抜け度は4であった。
比較例1では、実施例1と同様のトナー母粒子Aを用いたが、疎水化処理したシリカB(一次粒子径平均値120[nm]の球形粒子)を添加しなかったため、Ft/Dt[nN/μm]の値が大きく増加したと考えられる。結果、Ft/Dt[nN/μm]が3.0を超え、中抜け度が悪化した。
[比較例2]
実施例2と同様に作製した体積平均粒径、7.6[μm]、真円度の平均値1.52のトナー母粒子Bに、疎水化処理したシリカAを0.6[重量%]、疎水化処理した酸化チタンAを0.7[重量%]配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して比較例2のトナーを作製した。
このようにして得られた、比較例2のトナーを、実施例1と同様にして、Ft/Dt[nN/μm]の値を算出し、中抜けの評価を行った。
比較例2のトナーのFt/Dt[nN/μm]を算出したところ、0.7×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると4.25[nN/μm]、1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると5.84[nN/μm]となった。また、転写加圧スプリング力16[N]で画像形成を行った際の中抜け度は5であった。
比較例2では、実施例2と同組成のトナー母粒子Bを用いたが、球形化処理を施したトナー母粒子Cに比べて、真円度が非常に大きいため、Ft/Dt[nN/μm]の値が大きく増加したと考えられる。結果、Ft/Dt[nN/μm]が3.0を超え、中抜け度が悪化した。
比較例2と実施例2とは、体積平均粒径、外添剤とも同じで、真円度の平均値のみが異なる。実施例2の中抜け度は1で良好であり、比較例2の中抜け度は5で画像不良となっている。このことから、トナーの形状が球形に近いほど、圧縮応力を印加した後のトナーの非静電的付着力の増加量が小さくなると考えられる。
[比較例3]
実施例2と同様に作製した体積平均粒径、7.6[μm]、真円度の平均値1.52のトナー母粒子Bに、疎水化処理したシリカAを0.6[重量%]、疎水化処理したシリカBを1.0[重量%]、疎水化処理した酸化チタンAを0.7[重量%]配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して比較例3のトナーを作製した。
このようにして得られた、比較例3のトナーを、実施例1と同様にして、Ft/Dt[nN/μm]の値を算出し、中抜けの評価を行った。
比較例3のトナーのFt/Dt[nN/μm]を算出したところ、0.7×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると2.90[nN/μm]、1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると3.25[nN/μm]となった。また、転写加圧スプリング力16[N]で画像形成を行った際の中抜け度は4であった。
比較例3では、比較例2と同組成のトナー母粒子Bを用いたが、シリカB(一次粒子径平均値120nmの球形粒子)を添加したため、Ft/Dt[nN/μm]の値に若干の改善がみられる。中抜け度も比較例2に比べて良化した。しかし、トナー母粒子Bの真円度が非常に大きいため、1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を印加した際のFt/Dt[nN/μm]の値が大きく増加したと考えられる。結果、Ft/Dt[nN/μm]が3.0を超え、中抜け度が発生した。
[実施例3]
実施例2で使用した真円度1.20のトナーと、比較例2で使用した真円度1.52トナーとを1:1の重量比で混合し、体積平均粒径7.6[μm]、真円度の平均値が1.385となったトナーを作製した。
以上のようにして得られた、実施例3のトナーを、実施例1と同様にして、Ft/Dt[nN/μm]の値を算出し、中抜けの評価を行った。
上述の実施例3のトナーのFt/Dt[nN/μm]を算出したところ、0.7×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると1.85[nN/μm]、1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると2.25[nN/μm]となった。また、転写加圧スプリング力16[N]で画像形成を行った際の中抜け度は1であった。
このように、真円度の異なるトナー同士を混合することにより、同程度の真円度のトナーよりもさらに圧縮後の付着力を小さくなり、ほとんど中抜けは発生しなかった。
[実施例4]
実施例2と同様にトナー組成物である樹脂や着色剤などを混合攪拌した後に、溶融混練し、次いで、溶融混練された上述の構成材料を粉砕・分級して不定形のトナー母粒子Dを得た。トナー母粒子Dの体積平均粒径は、3.6[μm]、真円度の平均値は1.53であった。トナー母粒子Dに対して、疎水化処理したシリカAを1.3[重量%]、疎水化処理した酸化チタンAを1.5[重量%]配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理してトナーを作製した。
この体積平均粒径3.6[μm]のトナーと実施例2で作製した体積平均粒径7.6[μm]、真円度の平均値1.52、疎水化処理したシリカAを0.6[重量%]、疎水化処理した酸化チタンAを0.7[重量%]配合したトナーを重量比1:1で混合し、実施例4のトナーを作製した。
以上のようにして得られた実施例4のトナーを、実施例1と同様にして、Ft/Dt[nN/μm]の値を算出し、中抜けの評価を行った。
上述の実施例4のトナーのFt/Dt[nN/μm]を算出したところ、0.7×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると2.32[nN/μm]、1.5×10−2[N/m]の圧縮応力を印加すると2.92[nN/μm]となった。また、転写加圧スプリング力16[N]で画像形成を行った際の中抜け度は2であった。
更に、現像手段に直流電圧と交流電圧を重畳した電圧を印加し、転写加圧スプリング力16[N]で画像形成を行った際の中抜け度は1であった。
実施例1、2、3及び比較例1、2の圧縮応力を印加したあとのFt/Dt[nN/μm]の値と、転写加圧スプリング力16[N]で画像形成を行った際の中抜け度の評価を表1に示す。
Figure 2008003554
表1に示すように、実施例1乃至3はいずれも圧縮応力0.7×10−2[N/m]および1.5×10−2[N/m]を印加した後に算出されるFt/Dt[nN/μm]が3.0[nN/μm]以下である。また、転写加圧スプリング力16[N]の時の中抜け度が低く、通常に使用した場合の画像形成装置においても良好な画像が得られる。
以上、本実施形態によれば、0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の範囲で圧縮応力を印加した後に計測されるトナーの引っ張り破断応力から算出される、圧縮応力を印加した後のトナー間非静電的付着力をFt[nN]、トナー粒子径をDt[μm]とした際に、Ft/Dt≦3.0[nN/μm]の関係を満たす電子写真用トナーを用いて画像形成を行うことにより、潜像担持体から中間転写体への転写時にトナー像に圧力が集中したとしても、トナー像を形成するトナーのトナー粒子径に対するトナー間非静電的付着力の上昇を抑制することができる。これにより、中抜け現象の発生を抑制し、良好な画像形成を行うことができる。
また、真円度の平均値が1.0〜1.4であるトナーを使用することにより、球形トナーは、圧縮応力印加後のトナーの非静電的付着力が増加しにくいため、中抜けを抑制することが出来る。
また、真円度の平均値が1.4より大きなトナーに対し、真円度が1.4より小さいトナーを少なくとも転写より前の工程において混合したトナーを使用することにより、クリーニング性を向上しつつ、中抜けを抑制することが出来る。
また、形状の異なるトナーを出荷時にあらかじめ所定の比率で混合し、トナー容器を画像形成装置に装着して使うことにより、通常のトナー交換作業と同様となるため、利用者に負担にならない。
また、形状の異なるトナーをキャリアとの混合攪拌が行われる現像ユニットで行うことにより、状況に応じて形状の異なるトナーの混合比率を変更することができ、使用するトナーの真円度の平均値を調節することが可能となる。
また、トナー粒子が、トナー母体粒子と外添剤からなり、外添剤が、体積平均粒径が50〜150[nm]である微粒子とこの微粒子より小粒径な超微粒子とを混合した外添剤であるトナーを使用することにより、超微粒子の外添剤を備えることでトナー間の付着力を小さくすることができ、体積平均粒径が50〜150[nm]である微粒子を備えることで、外添剤のトナー母体粒子への埋没を防止し、トナーの付着力が変化することを防止することができるので長期にわたって中抜けを抑制することが出来る。
また、トナーの体積平均粒径が1〜8[μm]の範囲内であることにより、画像不良の発生を防止しつつ、電子写真画像の高解像度の要求に対応することができる。
また、平均粒径の異なるトナーを混合して使用することでトナー層の充填率を上げることにより、圧縮応力印加後のトナーの非静電的付着力が増加しにくくなるため、中抜けを抑制することが出来る。
また、画像形成装置であるプリンタ100で用いる電子写真用トナーとして、本実施形態のトナーを使用することにより、転写時の中抜けが発生しない高画質の画像を提供することが出来る。
また、本実施形態のトナーを使用した、画像形成装置であるプリンタ100において、現像手段に印加する電圧を交流電圧と直流電圧を印加した電圧とすることにより、さらに中抜けを抑制することが出来る。
実施形態1にかかるプリンタの概略構成図。 複数のトナーサンプルにおける二次転写部のスプリング力と中抜け度との関係を示すグラフ。 複数のトナーサンプルにおける印加した圧縮応力[N/m]とFt/Dt[nN/μm]との関係を示すグラフ。 アグロボットAGRで用いるセルの説明図。
符号の説明
1 現像装置
2 感光体ドラム
3 帯電装置
4 一次転写ローラ
5 中間転写ベルト
6 二次転写ローラ
7 二次転写部対向ローラ
10 感光体クリーニング装置
11 潤滑剤供給ローラ
20 画像形成ユニット
50 中間転写ユニット
100 プリンタ

Claims (14)

  1. 潜像担持体上に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成し、
    該潜像担持体から該トナー像の転写を受ける中間転写体を備える転写手段を用いて、該トナー像を記録体上に転写する画像形成に用いられる電子写真用トナーにおいて、
    ホソカワミクロン社製アグロボットを用いて、該アグロボット用の直径15[mm]の二分割可能なセルに充てんし、0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の範囲で圧縮応力を印加した後の該セルを分割に要する引っ張り破断応力を測定し、該引っ張り破断応力をRumpfの式に代入することにより求められる、該圧縮応力を印加した後のトナー間非静電的付着力をFt[nN]とし、トナー粒子径をDt[μm]とすると、
    Ft/Dt≦3.0[nN/μm]
    の関係を満たすことを特徴とする電子写真用トナー。
    但し、Rumpfの式は、Ft=St×Dt×ε/(1−ε)であり、St[nN/μm]はトナーに所定の圧縮応力を印加して測定される引っ張り破断応力、Dt[μm]はトナー粒子径、εは、トナー層空隙率である。
  2. 請求項1の電子写真用トナーにおいて、
    真円度の平均値が1.0以上、1.4以下であることを特徴とする電子写真用トナー。
  3. 請求項1または2の電子写真用トナーにおいて、
    真円度の平均値が所定の値より大きくなるように製造されたトナーに対して、該真円度の平均値が所定の値よりも小さくなるように製造されたトナーを混合したものであることを特徴とする電子写真用トナー。
  4. 請求項3の電子写真用トナーにおいて、
    上記所定の値が1.4であることを特徴とする電子写真用トナー。
  5. 請求項1、2、3または4の電子写真用トナーにおいて、
    トナー粒子がトナー母体粒子と外添剤とからなり、該外添剤は、体積平均粒径が50[nm]以上、150[nm]以下である微粒子と、該微粒子よりも小粒径な超微粒子とを混合したものであることを特徴とする電子写真用トナー。
  6. 請求項5の電子写真用トナーにおいて、
    上記外添剤は、シリカ(SiO)、酸化チタン(TiO)、アルミナ(Al)の内の少なくとも一種類を含むことを特徴とする電子写真用トナー。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6の電子写真用トナーにおいて、
    粒径が1〜8[μm]となるように調整したことを特徴とする電子写真用トナー。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6または7の電子写真用トナーにおいて、平均粒径が異なる少なくとも2種類以上のトナーを混合したものであることを特徴とする電子写真用トナー。
  9. 請求項8の電子写真用トナーにおいて、トナー粒子が平均粒径の異なる2種類のトナー粒子からなり、大粒径のトナー粒子が4[μm]以上、8[μm]以下、小粒径のトナー粒子が1[μm]以上、4[μm]未満となるように調整したことを特徴とする電子写真用トナー。
  10. 潜像担持体と、
    該潜像担持体上の潜像にトナーを供給してトナー像とする現像手段と、
    該潜像担持体から該トナー像の転写を受ける中間転写体を備えた転写手段とを備える画像形成装置において、
    該トナーとして、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10に記載の画像形成装置において、像担持体上の潜像にトナーを現像する現像手段に直流電圧と、該直流電圧に重畳する交流電圧とを印加することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項3に記載の電子写真用トナーを製造するトナー製造方法において、
    上記真円度の平均値が所定の値より大きくなるように製造されたトナーと、該真円度の平均値が所定の値よりも小さくなるように製造されたトナーとを出荷時のトナー容器内で混合することにより電子写真用トナーを製造することを特徴とするトナーの製造方法。
  13. 請求項3に記載の電子写真用トナーを製造するトナー製造方法において、
    上記真円度の平均値が所定の値より大きくなるように製造されたトナーと、該真円度の平均値が所定の値よりも小さくなるように製造されたトナーとをキャリアと混合する攪拌容器内で混合することにより電子写真用トナーを製造することを特徴とするトナーの製造方法。
  14. 潜像担持体上に形成された潜像にトナーを供給してトナー像を形成し、
    該潜像担持体から該トナー像の転写を受ける中間転写体を備える転写手段を用いて、該トナー像を記録体上に転写する画像形成に用いられる電子写真用トナーにおいて、
    Ft/Dt≦3.0[nN/μm]
    の関係を満たすことを特徴とする電子写真用トナー。
    但し、Ftは以下の1〜2の手順より求められる。
    1.トナーの引っ張り破断応力Stを測定する。
    2.その引っ張り破断応力St[nN/μm]をRumpfの式に代入することにより、トナー間非静電付着力Ft[nN]を求める。
    ここで、Stは以下の(i)〜(iv)手順より測定される。なお、セル内の温度は25[℃]である。
    (i)トナーを、直径15[mm]で上下に二分割可能なセルの中に、高さ37[mm]まで充てんする。
    (ii)セルの上から板状の部材を速度0.1[mm/s]で下ろすことにより、0.7×10−2[N/m]〜1.5×10−2[N/m]の範囲で、圧縮応力をトナーに印加する。
    (iii)圧縮後、約60[s]、圧縮状態を保持する。
    (iv)セルを上下に速度0.2[mm/s]で引っ張り、分割に要する引っ張り破断応力St[nN/μm]を測定する。
    なお、Rumpfの式は、Ft=St×Dt×ε/(1−ε)であり、St[nN/μm]は前述の方法から測定されるトナーの引っ張り破断応力、Dt[μm]はトナー粒子径、εは、トナー層空隙率である。
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