<本実施の形態の浴室空調システムの全体構成例>
図1は、本実施の形態の浴室空調システム1Aの一例を示す構成図である。本実施の形態の浴室空調システム1Aは、温水を霧状のミストにして浴室101内に噴出するミスト発生装置2と、浴室101の暖房や換気等を行う浴室空調装置3と、ラジオ放送または音楽等を浴室101に向けて流すことができるオーディオ装置200とを備える。
浴室空調システム1Aは、ミスト発生装置2に対する温水HWの供給元として、例えば自然冷媒(CO2)を利用したヒートポンプ方式の給湯装置4と組み合わせて使用される。
ミスト発生装置2は、ミスト生成するノズルユニット2Aと、給湯装置4から供給される温水(水)を、ノズルユニット2Aに供給するか排水するかを切り替える弁ユニット2Bを備える。ここで、ミストとは、霧や靄、さらにはシャワー等の状態を含むものである。
オーディオ装置200は、スピーカー201と、電源入力部、チューナーおよびメインアンプ等が設けられた電源ボックス202とを有する。スピーカー201は、ノズルユニット2Aに設けられている。電源ボックス202は、例えば、ラジオ放送の電波を受信して変換した信号、または後述するように主操作部6の外部入力端子(図示せず。)を介して外部音源203から入力された音の信号をスピーカー201に送信することができる。オーディオ装置200では、電源ボックス202で生成された信号がスピーカー201から音として出される。
浴室空調システム1Aは、浴室101に設置されたミスト操作部5と、浴室101に隣接した洗面脱衣所102に設置された主操作部6が操作されることで、ミスト発生装置2と浴室空調装置3とオーディオ装置200とで実行される動作が選択される。
ミスト操作部5では、主にミスト発生装置2およびオーディオ装置200に関する動作についての操作が行われ、入浴中等の利用者が操作することができる。また、主操作部6では、ミスト発生装置2および浴室空調装置3の動作を含めた全般の運転モードについての操作が行われ、浴室101に入室することなく、暖房、換気や乾燥等に関する操作が可能である。
浴室空調システム1Aは、ミスト発生装置2に備えたミスト制御部7と、浴室空調装置3に備えた空調制御部8と、オーディオ装置200に備えたオーディオ制御部206とに制御される。ミスト制御部7は、ミスト発生装置2の弁ユニット2Bを駆動して、ミストMの噴出の有無を切り替える制御等を行う。また、空調制御部8は、浴室空調装置3を駆動して、浴室101から空気Aを吸い込み、温風HAあるいは送風として吹き出す制御、及び浴室101から吸い込んだ空気Aを屋外へ排気する制御等を行う。オーディオ制御部206は、スピーカー201から流れているラジオ放送または音楽等の音量を、ミスト発生装置2および浴室空調装置3の動作に応じて調節する制御を行う。本実施例では、オーディオ制御部206は、各運転モードに応じて予め設定された音量(後述するミストサウナレベル、暖房レベル、ミストレベルおよび通常レベル。)から、実際に為されているミスト発生装置2および浴室空調装置3の動作に適合する音量を適宜選択して、音量の調節を行う。
そして、浴室空調システム1Aは、ミスト操作部5あるいは主操作部6が操作されることで選択された運転モードに応じて、ミスト制御部7と空調制御部8との間で通信が行われ、浴室空調装置3単独あるいはミスト発生装置2と浴室空調装置3を連動させた制御が実行される。
ミスト操作部5あるいは主操作部6が操作されることで選択され、浴室空調システム1Aで実行される運転モードとして、例えば、ミストサウナモード、暖房モードおよびミストモードが設定されている。ミストサウナモードは、ミスト発生装置2によるミストMの噴出と、浴室空調装置3による温風HAの吹き出しとを連動させて、浴室101内を中温高湿のミストサウナ状態とするものである。暖房モードは、浴室空調装置3による温風HAの吹き出しにより浴室101内を中温状態とするものである。ミストモードは、ミスト発生装置2によるミストMの噴出により浴室101内をミスト状態とするものである。
また、本実施例のミストサウナモードでは、浴室空調装置3により温風HAを吹き出して浴室101内の温度を上昇させてから、ミスト発生装置2で所定の温度に達したミストMの噴出を行うことで、入浴者(利用者)に冷感を与えないようにする。
そして、ミストサウナモードでは、浴室101内の温度及びミストMとして噴出させる温水HWの温度を検出し、浴室101内の状態が入浴に適した状態となったか否かを判断して、後述するように、ミスト操作部5、主操作部6及びオーディオ装置200により入浴者(利用者)等に報知する。
<ミスト発生装置およびオーディオ装置の構成例及び動作例>
図2はミスト発生装置2を構成するノズルユニット2Aの一例を示す構成図で、図2(a)はノズルユニット2Aを下側から見た平面図、図2(b)は図2(a)に示すノズルユニット2AのA−A断面図、図2(c)は図2(a)に示すノズルユニット2AのB−B断面図である。また、図3は、ノズルユニット2Aの一例を分解して示す斜視図である。
ノズルユニット2Aは、ミストを生成する複数のミストノズル11が、各ミストノズル11に温水(水)を供給する供給配管12を介して筐体13の内部に取り付けられている。各ミストノズル11は、筐体13に対して回動可能に設けられた1本の供給配管12に接続されて、一列に並べて配置される。本実施例では、3個のミストノズル11を所定の間隔を開けて配置して、各ミストノズル11が供給配管12と接続され、供給配管12に温水が供給されると、各ミストノズル11に温水が分配されて、各ミストノズル11からミストが噴出される。
また、本実施例では、ノズルユニット2Aに2つのスピーカー201が設けられている。各スピーカー201は、電源ボックス202と電気的に接続されており、電源ボックス202からの信号に応じて音を出すことができる。各スピーカー201は、3つのミストノズル11と略等間隔で一直線上に位置するように設置軸204に設けられている。設置軸204は、横架部材204aにより供給配管12と平行な状態で筐体13に可動自在に軸支されている。設置軸204には、プーリ204bが設けられ、このプーリ204bには、供給配管12との間にタイミングベルト205が掛け渡され、供給配管12の回動に連動して設置軸204が回動するように構成されている。このため、各ミストノズル11が回動されると各スピーカー201も一緒に回動されることとなり、各ミストノズル11からのミストの噴出方向と、各スピーカー201から出された音が進む方向と揃うこととなる。
ノズルユニット2Aは、図1に示す浴室101の天井パネルに形成された開口に筐体13が挿入され、筐体13の下部開口を覆うフロントパネル14が取り付けられて、浴室101の天井パネルに設置される。
フロントパネル14には、各ミストノズル11の配置に合わせて穴部14aが形成され、穴部14aからミストノズル11が露出している。
また、フロントパネル14には、図2および図3に示すように、各スピーカー201の配置に合わせて複数の細穴群14cが形成され、音が出ることの妨げとならないようにスピーカー201が遮蔽されている。
さらに、フロントパネル14には、長尺方向でみた両端に長穴14bが形成されている。フロントパネル14は、長穴14bにネジ14dが筐体13に螺合されることにより、筐体13に固定される構成とされているので、ミストノズル11の並ぶ方向に対して直交する方向で見て、筐体13に対する取り付け位置を調節することができる。このため、ノズルユニット2Aの設置時に、筐体13に対するフロントパネル14の取り付け位置を適宜調節することにより、ミストの噴出方向および出された音が進む方向を適宜調節することができる。
例えば、ノズルユニット2Aは、ミストノズル11の並ぶ方向を、図1に示す浴室101において浴槽101aと洗い場101bの並ぶ方向に対して直交する向きとして設置すると、ミストMの噴出方向および出された音が進む方向を浴槽101a側と洗い場101b側との間で選択可能とすることができる。
図4はミスト発生装置2を構成する弁ユニット2Bの一例を示す構成図である。弁ユニット2Bは流路切替装置の一例で、図1に示す給湯装置4からの配管15aが接続される給湯配管接続部16aと、ノズルユニット2Aへの配管15bが接続される供給配管接続部16bと、ドレン配管15cが接続されるドレン配管接続部16cを備える。
弁ユニット2Bは、給湯配管接続部16aと供給配管接続部16bとの間が供給配管17で接続され、給湯装置4とノズルユニット2Aとの間を接続している。また、弁ユニット2Bは、供給配管17から分岐した排水配管18がドレン配管接続部16cと接続され、給湯装置4とドレン配管15cとの間を接続している。
弁ユニット2Bは、排水配管18との分岐部17aより上流側の供給配管17に、給湯の有無を切り替える給湯切替電磁弁19aを備えると共に、分岐部17aより下流側の供給配管17に、温水または水の供給先をノズルユニット2Aに切り替える供給切替電磁弁19bを備える。
更に、弁ユニット2Bは、温水または水の供給先をドレン配管15cに切り替える排水切替電磁弁19cを、排水配管18に備える。
また、弁ユニット2Bは、給湯切替電磁弁19aと分岐部17aとの間の供給配管17に、供給配管17を流れる温水または水の温度を検出する水温検出センサ20を備える。
ここで、供給配管17に設ける給湯切替電磁弁19a及び供給切替電磁弁19bの設置高さより、排水配管18に設ける排水切替電磁弁19cの設置高さが低くなるように、供給配管17と排水配管18の流路を構成することで、流路中に残水が滞留しないようにしている。
図5及び図6は弁ユニット2Bの動作説明図である。ミスト噴出時は、図5(a)に示すように、給湯切替電磁弁19aと供給切替電磁弁19bは開き、排水切替電磁弁19cは閉じる。これにより、図1に示す給湯装置4から供給された温水HWが、供給配管17を流れてノズルユニット2Aに供給され、ノズルユニット2AでミストMが噴出される。
排水時は、図5(b)に示すように、給湯切替電磁弁19aと排水切替電磁弁19cは開き、供給切替電磁弁19bは閉じる。これにより、給湯装置4から供給された温水HWが、供給配管17及び排水配管18を流れてドレン配管15cから排水(EW)される。
排水の停止時は、まず、図6(a)に示すように、排水切替電磁弁19cは開けた状態で、給湯切替電磁弁19aを閉じた後、供給切替電磁弁19bを開ける。これにより、供給配管17のノズルユニット2Aと接続された側が大気に開放された状態となるので、供給配管17内の残水RWが排水配管18へと流れてドレン配管15cから排水される。
そして、残水RWの排水に要する時間に応じて設定された所定時間経過後、図6(b)に示すように、給湯切替電磁弁19a、供給切替電磁弁19b及び排水切替電磁弁19cの全てを閉じることで、給湯切替電磁弁19aより下流側の流路に残水を滞留させない状態とすることができる。
<浴室空調装置の構成例及び動作例>
図7は浴室空調装置3の構成例及び動作例を示す断面図、図8は浴室空調装置3を下面側から見た斜視図であり、次に、浴室空調装置3の構成の一例及び動作の一例について説明する。
浴室空調装置3は空調装置の一例で、浴室暖房換気乾燥装置等と称され、換気手段及び送風手段を構成するファン部32と熱源としてのヒータ部33を備える。浴室空調装置3は、本体ケース34にファン部32が取り付けられる。ファン部32は、回転駆動される多翼の羽根車(ファン)35と、羽根車35を回転駆動するファンモータ36と、ファンモータ36が取り付けられると共に、風路を形成するファンケース37を備える。
ファン部32は、羽根車35が縦向きに配置され、ファンケース37は、羽根車35の軸方向に沿った下面が開口して吸込口38が形成される。また、ファンケース37は羽根車35の接線方向に沿った一の側面が開口して、風路切換部39を備える。
風路切換部39は風路を切り換えるダンパ40を備える。ダンパ40は後述するダンパモータの駆動力がカム40aを介して伝達され、軸40bを支点に回転して開閉動作を行う。ファンケース37は、風路切換部39と連通して下面に吹出口41を備えると共に、風路切換部39と連通して一の側面に排気口42を備え、ダンパ40の位置によって、吸込口38から吹出口41へ連通した風路か、排気口42へ連通した風路が形成される。
図7(a)では、ダンパ40を全閉した状態を示す。ダンパ40を全閉にすると、排気口42への風路が遮断され、吸込口38から吹出口41へ連通した循環風路43aが形成される。このため、ダンパ40が全閉となる位置をダンパ40の循環位置と称す。
図7(b)では、ダンパ40を全開にした状態を示す。ダンパ40を全開にすると、吹出口41への風路が遮断され、吸込口38から排気口42へ連通した換気風路43bが形成される。このため、ダンパ40が全開となる位置をダンパ40の換気位置と称す。
図7(c)では、ダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にした状態を示す。ダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にすると、吸込口38から吹出口41へ連通した循環風路43aと、吸込口38から排気口42へ連通した換気風路43bの双方が形成される。この中間位置を循環換気位置と称す。
ファンケース37は、ヒータ部33の上流側にイオン発生器44を備える。イオン発生器44はイオン発生手段の一例で、ダンパ40を循環位置あるいは循環換気位置とすることで形成される循環風路43aにイオン放出面が露出する。
イオン発生器44は、正イオンと負イオンの両方あるいは負イオンを発生する。正イオンと負イオンの発生の原理は、誘電体が介在するように対向させた一対の電極間に家庭用交流電源等から取った交流電圧を昇圧して印加することにより、コロナ放電を起こし、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数。)と、O2 −(H2O)n(nは任意の自然数。)が主体のイオンを放出するものである。
これらH+(H2O)m及びO2 −(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで除去することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
これにより、ファン部32の運転と連動させて略同数の正イオンと負イオンを発生させ、略同数の正イオンと負イオンを含む空気を送風することで、循環する空気に含まれる浮遊細菌と図1に示す浴室101の空気中の浮遊細菌の双方を除去して、カビの発生等を抑えることができる。
ヒータ部33は電気ヒータで構成される加熱手段の一例で、上述した吹出口41に備えられる。ここで、ヒータ部33としては例えばPTCヒータを備える。
本体ケース34は、図8に示すように、下面が開口しファン部32の吸込口38と吹出口41が露出する。吸込口38には温度検出センサ31が備えられ、吸込口38から吸い込む空気の温度を検出することで、浴室101の温度を検出可能となっている。
なお、吹出口41に、風向を切り替える電動の吹出ルーバを備える構成としても良い。
本体ケース34は、下面開口部にフロントパネル26が取り付けられる。フロントパネル26は、本体ケース34に着脱できるように構成され、ファン部32の吸込口38と対向して吸込グリル45を備えると共に、ファン部32の吹出口41と対向して吹出グリル46を備える。また、フロントパネル26は、吸込グリル45の裏側にフィルタ47が交換可能に取り付けられる。
更に、本体ケース34は、ファン部32の排気口42と連通する排気ダクト接続部48を一の側面に備える。浴室空調装置3は、排気ダクト接続部48に図1に示す排気ダクト9が接続される。
浴室空調装置3は、ファンモータ36が回転駆動されると、ファン部32の羽根車35が回転する。羽根車35が回転駆動されると、フロントパネル26の吸込グリル45を介してファン部32の吸込口38から浴室101の空気Aが吸い込まれる。
ダンパ40の位置が図7(a)に示す循環位置であると、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気Aは、循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出される。
ヒータ部33は循環風路43aの吹出口41に配置されるので、ヒータ部33が駆動されることで、循環風路43aを通る空気が温められて、温風HAが吹出グリル46から吹き出す。
これにより、ダンパ40を循環位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、ヒータ部33を駆動した場合は、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内に温風HAが吹き出される。
ダンパ40の位置が図7(b)に示す換気位置であると、ファン部32において吸込口38から排気口42への換気風路43bが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、換気風路43b及び排気口42を通り、更に、図1に示す排気ダクト9を通って排気グリル9aから屋外へ排気される。
これにより、ダンパ40を換気位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
ダンパ40の位置が図7(c)に示す循環換気位置であると、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aと、吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出される。
また、吸込口38から吸い込まれた空気の残部は、換気風路43b及び排気口42を通り、更に、図1に示す排気ダクト9を通って排気グリル9aから屋外へ排気される。
これにより、ダンパ40を循環換気位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、ヒータ部33が非駆動の場合は、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
また、ヒータ部33を駆動した場合は、浴室101内の空気を循環させて浴室101内に温風を吹き出しながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
なお、浴室空調装置としては、循環ファンと換気ファンとを備え、循環風路と換気風路とが独立した構成等であっても良い。
<ミスト発生装置と浴室空調装置とオーディオ装置との設置例>
以上説明したミスト発生装置2と浴室空調装置3とオーディオ装置200とは、図1に示すように、それぞれ浴槽101aの長手方向に沿って配置され、ミスト発生装置2と浴室空調装置3とオーディオ装置200とは、浴槽101aと洗い場101bの並び方向に沿って並列される。また、ミスト発生装置2(ノズルユニット2A。)が洗い場101b側に配置される。そして、ミスト発生装置2のミストMの噴出方向、及び浴室空調装置3の温風HA(送風)の吹き出し方向は、通常洗い場101b側に向けられている。
なお、ミスト発生装置2のノズルユニット2Aは、ミストMを室内に噴出できるものであればよいことから、天井に取り付ける構成に限定されるものではなく、例えば、壁面に設けてもよい。
<給湯システムの構成例>
図9は給湯装置4の概要及び接続形態を示す構成図で、次に、給湯装置4の構成の一例及び動作の一例について説明する。
給湯装置4は、大気と冷媒との間の熱交換及び冷媒と水との間の熱交換で温水を生成するヒートポンプユニット53と、ヒートポンプユニット53で生成された温水を貯水する貯湯タンクユニット54を備える。
ヒートポンプユニット53は、大気と冷媒との間で熱交換を行って、冷媒の温度を上昇させる空気熱交換器55と、冷媒と水との間で熱交換を行って、水の温度を上昇させる水熱交換器56を備える。
また、ヒートポンプユニット53は、空気熱交換器55に大気を供給するファン55aと、空気熱交換器55と水熱交換器56との間を接続して、空気熱交換器55と水熱交換器56との間で冷媒を循環させる冷媒配管57を備える。
更に、ヒートポンプユニット53は、空気熱交換器55と水熱交換器56の間で空気熱交換器55の下流側に、空気熱交換器55で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒を圧縮して、温度を更に上昇させる圧縮機58を備える。また、ヒートポンプユニット53は、空気熱交換器55と水熱交換器56の間で水熱交換器56の下流側に、水熱交換器56で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒を膨張させて、温度を低下させる膨張弁59を備える。
貯湯タンクユニット54は、ヒートポンプユニット53で生成された温水を貯水するタンク60を備える。タンク60は、下部側に水が供給されると共に、上部側に温水が供給されて、下部側に比べて上部側の温度が高くなる層化した状態で温水を貯水する。
ヒートポンプユニット53と貯湯タンクユニット54は、水熱交換器56とタンク60の間が温水配管61a及び冷水配管61bで接続され、冷水配管61bにポンプ61cを備える。
温水配管61aは、水熱交換器56の流出側と、タンク60の上部側に設けられる流入口60aとの間を接続する。また、冷水配管61bは、水熱交換器56の流入側と、タンク60の下部側に設けられる流出口60bの間を接続する。
ポンプ61cは、冷水配管61bを介してタンク60の流出口60bから水を吸い込んで水熱交換器56に供給し、水熱交換器56を通過して生成された温水を、温水配管61aを介して流入口60aからタンク60に供給する。
また、貯湯タンクユニット54は、タンク60に貯水された温水を取水する取水配管62と、タンク60に給水を行う給水配管63が、タンク60に接続される。
取水配管62は、流入口60aと独立してタンク60の上部に設けられる高温部取水口60cと接続される高温部取水配管62aと、高温部取水口60cより下側に設けられる中温部取水口60dに接続される中温部取水配管62bを備える。
また、取水配管62は、高温部取水配管62aと中温部取水配管62bの合流箇所に切換弁62cを備え、タンク60における取水元が、高温部取水口60cか中温部取水口60dに切り替えられる。
給水配管63は、流出口60bと独立してタンク60の下部に設けられる給水口60eと接続される。
更に、貯湯タンクユニット54は、取水配管62から供給される温水と、分岐給水配管63aから供給される水を混合させる給湯混合弁64を備える。給湯混合弁64は、取水配管62と分岐給水配管63aの合流箇所に備えられ、取水配管62から供給される温水と、分岐給水配管63aから供給される水の混合比を切り替えて、給湯配管65から供給される温水の温度を調整する。
給湯配管65は、図1に示すミスト発生装置2の弁ユニット2B、浴室101の浴槽101aの蛇口やシャワー101c、洗面脱衣所102の蛇口102a及び台所103の図示しない蛇口等と接続され、温水を供給する。
次に、給湯装置4の動作について説明する。給湯装置4は、貯湯タンクユニット54のタンク60に、給水配管63から水が供給される。タンク60に供給された水は、冷水配管61bによりヒートポンプユニット53の水熱交換器56に供給される。
ヒートポンプユニット53では、ファン55aにより空気熱交換器55に大気が供給され、冷媒配管57を流れる冷媒との間で熱交換が行われ、冷媒の温度が上昇する。空気熱交換器55で熱交換が行われた冷媒は、圧縮機58で圧縮されることで、温度が更に上昇する。
そして、圧縮機58で圧縮されて温度を上昇させた冷媒は、水熱交換器56に供給される。これにより、水熱交換器56においては、大気との熱交換及び圧縮により温度を上昇させた冷媒と、貯湯タンクユニット54から供給された水との間で熱交換が行われ、温水が生成される。
水熱交換器56で熱交換された冷媒は、膨張弁59で膨張させて温度を低下させ、再度空気熱交換器55に供給される。
また、水熱交換器56で熱交換されて生成された温水は、温水配管61aによりタンク60に戻される。これにより、タンク60は、上部側が温度が高く、下部側が温度の低い層化した状態で温水と水が貯水される。
タンク60に貯水された温水は、取水配管62により取水される。ここで、供給する温水の温度が高い場合は、切替弁62cにより高温部取水配管62aから温水を取水し、供給する温水の温度が低い場合は、中温部取水配管62bから温水を取水する。
取水配管62により取水された温水は、分岐給水配管63aから供給される水と給湯混合弁64で混合される。給湯混合弁64で温水と水の混合比を切り替えることで、給湯配管65から供給される温水の温度が調整される。そして、給湯配管65から供給される温水は、ミスト発生装置2、浴室101、洗面脱衣所102及び台所103等に分配される。
なお、給湯装置4は、自然冷媒を利用したヒートポンプ方式でない電気温水器や、ガス給湯器、他の熱源を利用した給湯器でも良い。
<浴室空調システムの制御機能例>
図10は本実施の形態の浴室空調システム1Aの制御系の一例を示す機能ブロック図である。次に、上述したミスト発生装置2、浴室空調装置3、オーディオ装置200及び給湯装置4を備えた浴室空調システム1Aの制御系の構成について説明する。
浴室空調システム1Aは、ミスト発生装置2にミスト制御部7を備え、浴室空調装置3に空調制御部8を備え、オーディオ装置200にオーディオ制御部206を備える。
ミスト制御部7は、本実施例では、ミスト操作部5と、図4で説明した弁ユニット2Bの給湯切替電磁弁19aと、供給切替電磁弁19bと、排水切替電磁弁19cと、水温検出センサ20等とに接続されている。なお、ミスト操作部5は例えば有線でミスト制御部7およびオーディオ制御部206に接続される。
空調制御部8は、本実施例では、主操作部6と、図7及び図8で説明した浴室空調装置3の温度検出センサ31と、ヒータ部33と、ファンモータ36と、イオン発生器44と、ダンパ40を駆動するダンパモータ40b等とに接続されている。なお、主操作部6は例えば有線で空調制御部8に接続される。また、主操作部6には、外部入力端子(図示せず。)を介して外部音源203が接続可能とされている。外部音源203としては、例えばCDプレーヤーのように、音楽の再生が可能な装置等が挙げられる。
オーディオ制御部206は、本実施例では、スピーカー201に接続されている。なお、ミスト操作部5は例えば有線でオーディオ制御部206に接続される。
更に、ミスト制御部7は、空調制御部8と例えば有線で接続される。
ミスト制御部7と空調制御部8とオーディオ制御部206とは、それぞれ図示しないCPUやメモリ等を備え、ミスト操作部5及び主操作部6での操作と、予め記憶されているプログラムに従って、ミスト発生装置2の弁ユニット2Bと、浴室空調装置3と、オーディオ装置200の電源ボックス202とを制御する。
すなわち、ミスト制御部7と空調制御部8とは、ミスト操作部5あるいは主操作部6での所定の操作に従って通信を行い、ミスト制御部7でミスト発生装置2の弁ユニット2Bを制御すると共に、空調制御部8で浴室空調装置3を制御して、ミスト発生装置2と浴室空調装置3を適宜連動させて設定された各運転モードを実行し、浴室101(図1参照。)を各運転モードに応じた雰囲気とする。
また、オーディオ制御部206は、ミスト操作部5または主操作部6での所定の操作に従って通信を行い、電源ボックス202を制御して、両スピーカー201からラジオ放送、音楽等を流させる。
さらに、空調制御部8は、浴室空調装置3単体の動作として、主操作部6での所定の操作に従って浴室空調装置3を制御し、浴室101の暖房を行う暖房運転モードと、浴室101の換気を行う換気運転モードと、浴室101及び浴室101内に干した衣類等の乾燥を行う乾燥運転モードと、入浴者等に対して送風を行う涼風運転モードを選択的に実行する。
図11はミスト操作部5の一例を示す構成図である。ミスト操作部5には、表示部70が設けられている。表示部70には、ミスト操作部5への操作に応じて、現在時刻、選択された運転モード、各装置の運転状態、運転モードの設定時間、設定温度、浴室101の温度、音量、選局用の電波周波数等が適宜表示される。
また、ミスト操作部5には、運転モードを選択する操作ボタンとして、ミストサウナモードの運転及び運転停止を選択するミストサウナボタン71、暖房モードの運転及び運転停止を選択する暖房ボタン72、ミストモードの運転及び運転停止を選択するミストボタン73が設けられており、図7及び図8で説明した浴室空調装置3に風向を切り替える電動の吹出ルーバを備えている場合に吹出ルーバを動作させるルーバボタン74が設けられている。
さらに、ミスト操作部5には、オーディオ装置200を利用するための操作ボタンとして、ラジオ放送のON/OFFのためのラジオボタン75と、外部入力端子に接続された外部音源203からのON/OFFのための外部入力ボタン76と、両スピーカー201から出される音の音量の調節モードに切り替える音量ボタン77とが設けられている。
ついで、ミスト操作部5は、上下ボタン78とON/OFFボタン79とを有する。上下ボタン78は、各ボタン71〜77が押された際、当該押されたボタンに対応する数値等の設定、例えば、設定温度、運転モードの設定時間、吹出ルーバ位置、音量、電波周波数等を適宜設定することができる。ON/OFFボタン79は、浴室空調システム1Aを起動させ、また全ての制御を停止させる。なお、浴室空調システム1Aが起動されていないときに各ボタン71〜77が押されると、各ボタン71〜77に設定された動作に沿って浴室空調システム1Aが起動されるように構成してもよい。
図12は主操作部6の一例を示す構成図である。主操作部6は主操作手段の一例で、運転モードを選択する操作ボタンとして、浴室空調装置3単体での暖房運転モードの開始及び運転停止と、ミスト発生装置2を連動させたミストサウナモードの運転及び運転停止を選択する暖房運転選択ボタン81を備える。
また、換気運転モードの開始及び運転停止を選択する換気運転選択ボタン82と、乾燥運転モードの開始及び運転停止を選択する乾燥運転選択ボタン83と、涼風運転モードの開始及び運転停止を選択する涼風運転選択ボタン84を備える。
更に、所定の換気風量で常時換気を行う24時間換気運転モードを選択する24時間換気運転選択ボタン85と、全ての制御を停止させる停止ボタン86を備える。
なお、図7及び図8で説明した浴室空調装置3に風向を切り替える電動の吹出ルーバを備えている場合に、吹出ルーバを動作させるルーバボタン87を備える。
また、主操作部6は、各操作ボタンで選択された運転モード及び各運転モードで設定される風量、更に、浴室101内の状態等を入浴者等に報知する報知手段として、暖房運転選択ボタン81と対応させたミスト運転ランプ81aと、選択できる暖房の強弱の度合に応じて、例えば強暖房運転ランプ81bと弱暖房運転ランプ81cを備える。
さらに、換気運転選択ボタン82と対応させた換気運転ランプ82aと、乾燥運転選択ボタン83と対応させた乾燥運転ランプ83aと、涼風運転選択ボタン84と対応させた涼風運転ランプ84aと、24時間換気運転選択ボタン85と対応させた24時間換気運転ランプ85aと、イオン運転ランプ88とを備える。
なお、各運転モードで風量等が選択できる場合は、選択できる風量の強弱等に応じて、各操作ボタンに対応させて複数の運転ランプを備える。
ついで、主操作部6は、オーディオ装置200を利用するための操作ボタンとして、ラジオ放送のON/OFFのためのラジオボタン90と、外部入力端子に接続された外部音源203からのON/OFFのための外部入力ボタン91と、両スピーカー201から出される音の音量の調節モードに切り替える音量ボタン92とを備える。なお、外部入力端子を浴室101の外に設けた主操作部6のみに設ければ、外部音源203の防水加工等を不要とすることができる。
更に、主操作部6は、現在時刻等が表示される表示部89を備える。
なお、ミスト操作部5の暖房運転選択ボタン72で選択できる暖房の強弱は、「強」、「弱」の2段階であってもよく、「強」、「中」、「弱」といった3段階であってもよく、それ以上の段階であっても良い。この暖房の強弱は、表示部70に、文字の点灯(継続して表示している状態。)、および文字の点滅(断続的に表示している状態。)等で表示される。
同様に、主操作部6の暖房運転選択ボタン81で選択できる暖房の強弱も、「強」、「中」、「弱」といった3段階でも良く、それ以上の段階であっても良い。また、選択できる暖房の強弱に応じて、暖房運転ランプとして、例えば中暖房運転ランプを備えても良い。
なお、暖房運転の強弱の切り替えは、例えばファン風量を切り替えることで行っているが、ファン風量の切り替えだけでなく、ヒータ部33におけるヒータの発熱量及びヒータの通電時間や、ヒータ通電を入切する温度を変更するようにしたものであっても良い。
また、ミストモードとは、ミスト発生装置2によるミスト運転のみを行うものであり、ミストサウナモードとは、ミスト発生装置2によるミスト運転と浴室空調装置3による空調運転(本実施例では暖房運転。)とを連動させるものである。
<本実施の形態のミストサウナモードの動作例>
図13は本実施の形態の浴室空調システム1Aで実行されるミストサウナモードの実施の形態の一例を示すフローチャートであり、次に、本実施の形態のミストサウナモード実行時の処理の流れについて各図を参照して説明する。
ステップSA1:入浴者等は、浴室101を加湿暖房するため、浴室101に設置されているミスト操作部5のミストサウナボタン71を押すか、洗面脱衣所102に設置されている主操作部6の暖房運転選択ボタン81を所定回数押して、ミストサウナモードを選択する。
ステップSA2:ミスト操作部5のミストサウナボタン71が押されると、ミスト発生装置2のミスト制御部7は、ミストサウナモードが選択されたと判断して、表示部70のミスト運転表示を点滅させると共に、浴室空調装置3の空調制御部8にミスト運転コマンドを送信する。
ここで、ミスト操作部5の表示部70でミスト運転表示が点滅している状態では、ミストサウナモードの運転を開始したが、浴室101の温度を上げるためにミストを噴出せずに待機している状態であることを、浴室101内に居る入浴者等に報知している。
ステップSA3:空調制御部8は、ミスト制御部7からのミスト運転コマンドを受信すると、ミストサウナモードが選択されたと判断して、主操作部6のミスト運転ランプ81aを点滅させる。
ここで、主操作部6でミスト運転ランプ81aが点滅している状態では、ミストサウナモードの運転を開始したが、浴室101の温度を上げるためにミストを噴出せずに待機している状態であることを、浴室101外に居る入浴前の利用者等に報知している。
なお、ミストサウナモードが主操作部6の暖房運転選択ボタン81を押すことで選択された場合は、空調制御部8はミストサウナモードが選択されたと判断してミスト制御部7にミスト運転コマンドを送信する。ミスト制御部7は、空調制御部8からのミスト運転コマンドを受信すると、ミストサウナモードが選択されたと判断して表示部70のミスト運転表示を点滅させると共に、空調制御部8にミスト運転コマンドを返信する。そして、空調制御部8は、ミスト制御部7からのミスト運転コマンドの返信を受信すると、ミスト運転ランプ81aを点滅させる。
ステップSA4:浴室空調装置3の空調制御部8は、ミストサウナモードの運転を開始すると、浴室空調装置3を制御して暖房運転を行う。すなわち、空調制御部8は、ファン風量が例えば「強」となるようにファンモータ36を制御すると共に、ヒータ部33に通電を行う。また、ダンパモータ40bを制御して、ダンパ40を図7(a)に示す循環位置とする。
これにより、浴室空調装置3は、浴室101内の空気を循環させながら、フロントパネル26の吹出グリル46から浴室101内に温風HAを吹き出す。浴室空調装置3では、ヒータ部33としてPTCヒータ等の電気ヒータを利用しているので、通電を開始してから、ヒータ部33が所定の温度に加熱されるまでの時間が短く、温風HAを吹き出すまでの立ち上がり時間は短い。また、ファン風量を「強」としているので、温風HAの吹出量が増加する。
従って、ミストサウナモードでは、浴室101内の温度を短時間でミストの噴出に適した温度まで上げることができる。
なお、浴室空調装置3が暖房運転を行っていることを報知するため、空調制御部8は所定のコマンドを主操作部6とミスト制御部7に送信し、主操作部6の強暖房運転ランプ81bを点灯させると共に、ミスト操作部5の表示部70に強暖房運転表示を点灯させる。
ステップSA5:浴室空調装置3の空調制御部8は、ミストサウナモードの運転を開始すると、浴室101内が所定の状態になることを検出するため、温度検出センサ31で浴室101内の温度TH1を検出する。本処理ステップでは、浴室101内の温度TH1が、ミスト噴出に適した所定のミスト噴出開始温度(例えば30℃)に到達したか否かを判断する。
ステップSA6:浴室空調装置3の空調制御部8は、上述したステップSA5で浴室101内の温度TH1がミスト噴出開始温度(例えば30℃)以上になったと判断すると、ミスト発生装置2のミスト制御部7に運転許可コマンドを送信する。ミスト制御部7は、空調制御部8からの運転許可コマンドを受信すると、ミスト発生装置2を制御して、排水運転を行う。
図14は排水運転の一例を示すフローチャートであり、ミスト噴出前に実行する排水運転の処理の流れについて説明する。
ステップSB1:ミスト発生装置2のミスト制御部7は、弁ユニット2Bの給湯切替電磁弁19aを開く。
ステップSB2:ミスト発生装置2のミスト制御部7は、弁ユニット2Bの排水切替電磁弁19cを開く。これにより、給湯装置4から供給された温水HWがドレン配管15cから排水される。このとき、供給切替電磁弁19bは閉じており、ノズルユニット2Aからミストの噴出は行われない。
ステップSB3:ミスト発生装置2のミスト制御部7は、排水運転を開始すると、水温検出センサ20で給湯装置4から供給される温水HWの水温TH2を検出する。
本例では、給湯装置4から供給される温水HWの水温TH2が、ミスト噴出に適した所定のミスト噴出適合温度(例えば30℃)に到達したか否かを検出し、水温TH2がミスト噴出適合温度(例えば30℃)に到達すると、ミストの噴出に適した水温となったと判断して、図13に示すフローチャートのステップSA7以降の処理を行う。
ここで、ミストサウナモードにおいて、浴室空調装置3で浴室101の暖房を開始して、浴室101内の温度TH1が所定の温度に到達した後、ミスト発生装置2で排水運転を開始することで、排水量を減らすことが可能となる。
ステップSA7:ミスト発生装置2のミスト制御部7は、上述した排水運転で給湯装置4から供給される温水HWの水温TH2が所定のミスト噴出適合温度(例えば30℃)以上になったと判断すると、ミスト操作部5の表示部70のミスト運転表示を点滅から点灯に切り替えると共に、ブザーを鳴らす。
ここで、表示部70でミスト運転表示が点灯している状態では、ミストサウナモードでミストの噴出を行う状態であることを、浴室101内に居る入浴者等に報知しており、ミスト運転表示が第1状態報知手段となっている。
なお、ミスト噴出前にランプによる報知だけでなく、ブザーを鳴らすことで、着衣のまま利用者が浴室101内にいるような場合に、退室を促すことができる。なお、このブザーに代えて、オーディオ装置200から退室を促す音声等を流してもよい。
ステップSA8:ミスト発生装置2のミスト制御部7は、ミストを噴出するため、弁ユニット2Bの給湯切替電磁弁19aは開いた状態で、排水切替電磁弁19cを閉じると共に、供給切替電磁弁19bを開く。これにより、給湯装置4から供給された所定の温度の温水HWがノズルユニット2Aに供給され、ノズルユニット2AでミストMが噴出される。
ステップSA9:浴室空調装置3の空調制御部8は、上述したステップSA6でミスト発生装置2のミスト制御部7に運転許可コマンドを送信した後、浴室101内が所定の状態になったことを検出するため、温度検出センサ31で浴室101内の温度TH1を検出する。本処理ステップでは、浴室101内の温度TH1が、ミスト噴出を開始する条件である上述した所定の室温であるミスト噴出開始温度(例えば30℃)より高く、入浴に適した所定の入浴適合温度(例えば35℃)に到達したか否かを判断する。
ステップSA10:浴室空調装置3の空調制御部8は、上述したステップSA9で、浴室101内の温度TH1が入浴適合温度(例えば35℃)以上になったと判断すると、主操作部6のミスト運転ランプ81aを点滅から点灯に切り替える。
ここで、主操作部6でミスト運転ランプ81aが点灯している状態では、浴室101内が所定の中温高湿のミストサウナ状態となり、入浴に適した状態であることを、浴室101外に居る入浴前の利用者等に報知しており、ミスト運転ランプ81aが第2状態報知手段となっている。なお、この後も浴室空調装置3の暖房運転は終了せずに継続して行う。
ステップSA11:ミスト運転ランプ81aの点灯に加えて、本発明の湯水噴出システムの一例である浴室空調システム1Aでは、空調制御部8が、主操作部6のミスト運転ランプ81aを点滅から点灯に切り替えることを知らせる、すなわち浴室101内が入浴に適した状態であることを知らせる信号をオーディオ制御部206にも送信する。当該信号を受けたオーディオ制御部206は、ノズルユニット2Aに設けられた両スピーカー201から入浴に適した状態であることを認識させる音を出させる。このような音は、入浴に適した状態であることを認識させることができればよく、例えば、音声であってもよく、音楽であってもよい。
なお、図13に示すステップSA5では、浴室101内の温度を温度検出センサ31で検出して、浴室101内の状態を判断したが、タイマにより時間を計測して、所定時間の経過により浴室101の状態がミストの噴出に適した状態となったか否かを判断するようにしても良い。
また、温度検出センサ31による室温の検出と、タイマによる経過時間の計測を組み合わせて、浴室101内の状態を判断するようにしても良い。
更に、湿度センサ等の他の手段で浴室101内がミストの噴出に適した状態となったか否かを判断しても良い。
また、図13に示すステップSA9でも、タイマにより時間を計測して、所定時間の経過により浴室101内が入浴に適したミストサウナ環境であることを判断しても良く、同様に、温度検出センサ31による室温の検出とタイマによる経過時間の計測の組み合わせや、湿度センサ等の他の手段によって、入浴に適した状態であることを判断するようにしても良い。
以上説明したように、本実施の形態の浴室空調システム1Aでは、ミストサウナモードの運転を開始した後、浴室101内がミストサウナ状態となって入浴に適した状態となったことを、洗面脱衣所102に設置した主操作部6のミスト運転ランプ81aの点灯に加えて、スピーカー201から出される音で報知するので、利用者は、浴室101の外にいながら、浴室101内が快適な状態になったことを把握することができる。
これにより、浴室101内が十分に温まる前に入浴者が入室して、寒さを感じることを防ぐことができる。
また、浴室101に設置したミスト操作部5を操作してミストサウナモードの運転を開始した場合に、まず、浴室空調装置3で浴室101の暖房を行って浴室101内の温度を上げてから、ミスト発生装置2でミストの噴出が行われるので、浴室101内が十分に温まる前にミストが噴出されることがなく、寒さを感じることを防ぐことができる。
さらに、利用者は、スピーカー201から出される音で認識することができるので(図13のステップSA11参照。)、浴室101内が快適な状態になったことを確実に把握することができる。これは、例えば、利用者が、ミスト操作部5を操作してから浴室101内が快適な状態になるまでの間に、他の作業を行っている場合、主操作部6を視認しないことが考えられ、主操作部6のミスト運転ランプ81aが点滅から点灯に切り替わったことに気付かない虞があるが、スピーカー201から音が出されれば、他の作業を行っている場合であっても音に気付く可能性が非常に高いことによる。
<本実施の形態の浴室空調システムにおいて、オーディオ装置が動作している状態における音量制御の一例>
オーディオ制御部206は、ミスト操作部5が操作されてオーディオ装置200がON状態とされると、図15に示すフローチャートに沿った制御を開始する。本実施例では、ミスト操作部5のラジオボタン75または外部入力ボタン76(外部入力端子(図示せず。)に外部音源203が接続されている場合。)が操作されてオーディオ装置200がON状態とされると、ミスト発生装置2のノズルユニット2AからのミストMが噴出されてなくかつ浴室空調装置3が動作していない状態に合わせて設定された音量である通常レベルの音量で、ラジオ放送または外部音源203からの音楽等を流すように設定されている。
ステップSC1:ミストサウナモードが実行されているか否かを確認する。ミストサウナモードが実行されている場合ステップSC2に進み、ミストサウナモードが実行されていない場合ステップSC5に進む。
ステップSC2:ミストサウナモードが実行されているので、オーディオ装置200から出されているラジオ放送または音楽等の音量を、ミスト発生装置2のノズルユニット2AからのミストMの噴出音と、暖房運転を行っている浴室空調装置3の動作音とを考慮して設定された音量であるミストサウナレベルに調節する。
ステップSC3:ミストサウナモードが終了されたか否かを確認し、ミストサウナモードが終了された場合ステップSC4に進み、ミストサウナモードが終了されていない場合ステップSC3を繰り返す。
ステップSC4:オーディオ装置200から出されているラジオ放送または音楽等の音量を通常レベルに戻した後(調節した後。)ステップSC5に進む。
ステップSC5:暖房モードが実行されているか否かを確認する。暖房モードが実行されている場合ステップSC6に進み、暖房モードが実行されていない場合ステップSC9に進む。
ステップSC6:暖房モードが実行されているので、オーディオ装置200から出されているラジオ放送または音楽等の音量を、暖房運転を行っている浴室空調装置3の動作音を考慮して設定された音量である暖房レベルに調節する。
ステップSC7:暖房モードが終了されたか否かを確認し、暖房モードが終了された場合ステップSC8に進み、暖房モードが終了されていない場合ステップSC7を繰り返す。
ステップSC8:オーディオ装置200から出されているラジオ放送または音楽等の音量を通常レベルに戻した後(調節した後。)ステップSC9に進む。
ステップSC9:ミストモードが実行されているか否かを確認する。ミストモードが実行されている場合ステップSC10に進み、ミストモードが実行されていない場合ステップSC13に進む。
ステップSC10:ミストモードが実行されているので、オーディオ装置200から出されているラジオ放送または音楽等の音量を、ミスト発生装置2のノズルユニット2AからのミストMの噴出音を考慮して設定された音量であるミストレベルに調節する。
ステップSC11:ミストモードが終了されたか否かを確認し、ミストモードが終了された場合ステップSC12に進み、ミストモードが終了されていない場合ステップSC11を繰り返す。
ステップSC12:オーディオ装置200から出されているラジオ放送または音楽等の音量を通常レベルに戻した後(調節した後。)ステップSC13に進む。
ステップSC13:オーディオ装置200がOFF状態とされたか否かを確認し、OFF状態とされていない場合ステップSC1に戻り、OFF状態とされた場合図15のフローチャートを終了する。
ここで、具体的な場面の例を以下に述べる。
利用者が、浴室101に入り、ミスト操作部5を操作してオーディオ装置200をON状態としてラジオ放送を聴きはじめた後、ミスト操作部5を操作してミストサウナモードを選択した場合、図15のフローチャートのステップSC1からステップSC2へ進むこととなり、ラジオ放送の音量が自動的にミストサウナレベルに調節される。このため、利用者は、ミスト発生装置2のノズルユニット2AからのミストMの噴出音と、暖房運転を行っている浴室空調装置3の動作音とにより、ラジオ放送が聴こえづらくなることはなく、ラジオ放送を心地好く聴きながら温かいミストを浴びることができる。
また、ミスト操作部5を操作してミストサウナモードを選択して温かいミストを浴びている際に、ラジオ放送を聴こうとしてオーディオ装置200をON状態とした場合、上述と同様に、図15のフローチャートのステップSC1からステップSC2へ進むこととなり、通常レベルで流され始めたラジオ放送の音量が、直ちに自動的にミストサウナレベルに調節される。このため、利用者は、ミスト発生装置2のノズルユニット2AからのミストMの噴出音と、暖房運転を行っている浴室空調装置3の動作音とに邪魔されることはなく、ラジオ放送を心地好く聴きながら温かいミストを浴びることができる。
他の運転モードを選択した場合であっても、暖房モードであれば暖房レベルに、ミストモードであればミストレベルに、適宜設定されることとなるので、いずれの運転モードを実行した場合であっても各運転モードに適した音量でラジオ放送または音楽等を聴くことができる。
このように、浴室空調システム1Aでは、ミスト操作部5が操作されてオーディオ装置200がON状態とされると、オーディオ制御部206が図15のフローチャートに沿った制御を実行するので、各運転モードの実行の如何に拘わらず、利用者は、設定された運転モードを利用しつつラジオ放送または音楽等を心地好く聴くことができる。すなわち、浴室空調システム1Aでは、ミスト発生装置2および/または浴室空調装置3が動作している場合にはそれらから出される音を考慮した音量でラジオ放送または音楽等が流され、ミスト発生装置2および浴室空調装置3が動作していない場合にはそれらから出される音がないことを考慮した音量でラジオ放送または音楽等が流されるので、利用者は、各運転モードの実行の如何に拘わらず、ラジオ放送または音楽等を心地好く聴くことができる。
なお、上記した実施例では、オーディオ制御部206は、予め設定された通常レベル、ミストサウナレベル、暖房レベルおよびミストレベルの中から適合するものを選択することにより音量の調節を行っていたが、ミスト発生装置2および浴室空調装置3の動作に応じて音量を調節するものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。例えば、オーディオ制御部206は、浴室101における雑音(例えば、すべての音からオーディオ装置200から出されたものを除いたもの。)を検出し、当該検出された音の音量に応じて適宜調節するものであってもよい。
また、通常レベル、ミストサウナレベル、暖房レベルおよびミストレベルの相関関係を予め設定して、ミスト発生装置2のノズルユニット2AからのミストMが噴出されてなくかつ浴室空調装置3が動作していない時点で出されていた音量、あるいは運転モードが選択された時点で出されていた音量を基準(通常レベル。)として、相対的に適宜音量の調節を行うものであってもよい。
上記した実施例では、ミストサウナモード、暖房モードおよびミストモードが設定され、各運転モードに応じて音量が調節されていたが、各運転モードは上記した実施例に限定されるものではなく、各運転モードに動作する装置の動作音を考慮して音量を調節するものであればよい。
上記した実施例では、各スピーカー201がノズルユニット2Aの一部として組み込まれていたが、オーディオ装置200がミスト発生装置2の動作に応じて音量を調節するものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、ミスト発生装置2とオーディオ装置200とに加えて浴室空調装置3が設けられた構成とされ、オーディオ装置200から出される音がミストサウナモード、暖房モードおよびミストモードのそれぞれに応じた音量に調節するように設定されていたが、ミスト発生装置2とオーディオ装置200とが設けられた構成とし、ミスト発生装置2の動作すなわちミストの噴出の有無に応じてオーディオ装置200から出される音の音量を調節するものであってもよい。
上記した実施例では、各運転モードに応じてオーディオ装置200からの音量を自動的に調節するように構成されていたが、主操作部6およびミスト操作部5の少なくとも一方に自動音量調節装置解除ボタンを設け、当該自動音量調節装置解除ボタンにより自動音量調節を行う場合と行わない場合とを切替可能な構成として、自動音量調節機能の有無を選択できるようにしてもよい。