JP2008002526A - ウォーム及びモータ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軸線C方向においてピッチ円半径が異なる部位を有するウォーム31であって、軸線C方向において略同一のピッチ円半径Paを有する円筒ウォーム部31と、円筒ウォーム部31aの端部に軸線C方向において円筒ウォーム部31aから離れるほどピッチ円半径Pb,Pcが拡径するテーパウォーム部31b,31cと、を備え、円筒ウォーム部31aおよびテーパウォーム部31b,31cにおいて、歯先方向が軸線C方向に対して略垂直に形成された。
【選択図】図2
Description
図7は、歯底径R1が軸線C1方向において略同一である円筒ウォーム131に、ウォームホイール123が噛合している構成を示している。図7の円筒ウォーム131は、ウォーム歯134の圧力角が約10度に設定されており、ウォームホイール123と実質的に範囲A1で噛み合っている。有効噛み合い数は約5枚である。また、ウォーム歯134の延出方向(歯先方向)は軸線C1に対して略垂直となるように形成されている(図中矢印方向)。
鼓形ウォーム231は、ウォームホイール123との噛み合い中央領域(すなわち、歯底径R2が最小となるのど部付近)から軸線C2方向に離れるにしたがって歯先円半径が大きくなるように、歯先面の外径包絡線が略円弧状に形成されている。図8では、ウォーム歯234の圧力角が約10度に設定されている。鼓形ウォーム231は、例えば、転造ダイスを用いた転造加工(例えば特許文献1参照)や、ピニオンカッタ等を用いた歯切り方法による加工(例えば特許文献2参照)によって形成することが可能である。
しかしながら、一般に、負荷がかかった際のウォーム軸の撓みを低減し、鼓形ウォームとウォームホイールの軸間距離が離れ難く安定した噛み合いを確保するために、ウォーム歯の圧力角を図8の例のように10度程度に小さく設定した場合には、鼓形ウォームの軸線方向長さが長くなると、軸線方向両端部において、中央側を向く歯面の法線の傾きが軸線に対して0度を越えて負の値となってしまう。
また、ウォーム歯の歯先方向が、軸線方向に対して略垂直に設定されているので、低圧力角化しても歯面の法線と軸線とがなす角度が負の値となることがなく、製造時においてアンダーカットの発生を防止することができる。したがって、ウォームの軸線方向長さを大きく設定しても低圧力角化を図ることが可能であり、低圧力角化によって、負荷がかかった際のウォーム軸の撓みを低減して、ウォームとウォームホイールの安定した噛み合いを確保することが可能である。
また、円筒ウォーム部およびテーパウォーム部において、ウォーム歯の歯先方向が、軸線方向に対して略垂直に設定されているので、低圧力角化しても歯面の法線と軸線とがなす角度が負の値となることがなく、製造時においてアンダーカットの発生を防止することができる。したがって、ウォームの軸線方向長さを大きく設定しても低圧力角化を図ることが可能であり、低圧力角化によって、負荷がかかった際のウォーム軸の撓みを低減して、ウォームとウォームホイールの安定した噛み合いを確保することが可能である。
また、前記テーパウォーム部は、前記軸線方向に対してピッチ円半径が拡径する拡径度合が略一定に設定された拡径部を複数有し、前記複数の拡径部は、前記円筒ウォーム部から離れて配置されたものほど前記拡径度合が大きく設定されたことを特徴とする。このように複数段の拡径部によってテーパウォーム部を構成することにより、さらに多くの有効噛み合い数を確保することができる。
また、本発明のモータ装置は、上記ウォームを有する減速部と、該減速部に回転出力を出力するモータと、を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明では、ウォーム歯の歯先方向を軸線に対して略垂直に設定しているので、軸線方向においてピッチ円半径を異ならせると共に、圧力角を小さい値に設定した場合であっても、ウォームの軸線方向端部において歯面の法線と軸線とがなす角度が負の値になってしまうことがなく製造時にアンダーカットが生じないので、容易に低圧力角化を図ることが可能である。
図1〜図4は本発明の一実施形態に係るものであり、図1はモータ装置の断面説明図、図2は図1のウォーム軸の要部説明図、図3は図1のウォーム軸とウォームホイールとの噛合状態を示す説明図、図4は図1のウォーム軸のウォーム歯の断面説明図である。
図5,図6は本発明の他の実施形態に係るウォーム軸の断面説明図である。
本例のモータ本体10は、ヨークハウジング11と、一対のマグネット12と、電機子13と、ブラシホルダ14と、一対のブラシ15を主要構成要素としている。また、本例の減速部20は、ギヤハウジング21と、クラッチ22,ウォームホイール23,ウォーム軸30を主要構成要素としている。
ホルダ本体14aは、ヨークハウジング11の開口部11a内にほぼ収容されている。ホルダ本体14aは、一対のブラシ15を回転軸13a側へ付勢した状態で保持しており、ブラシ15の先端部は回転軸13aに固着された整流子18と摺接するようになっている。また、ホルダ本体14aの中央部には上述の軸受16bが取付けられている。回転軸13aは、その先端側が軸受16bに支持され、先端側を減速部20側へ突出させている。
給電部14cは、延出部14bの外側端部分に設けられており、不図示の車両側コネクタが連結可能となっている。ブラシホルダ14には、複数本の導電ターミナル14dがインサート形成されており、一端側が給電部14c内に突出している。また、導電ターミナル14dの他端側は、モータ装置1内にある回転センサ等の各種センサ(不図示)やブラシ15に対して電気的に接続されている。車両側コネクタが給電部14cに連結されることにより、導電ターミナル14dを介して、電源供給や各種電気信号の送受信が行われる。
ウォーム軸30は、ウォームホイール23と噛合するウォーム31と、その両端から長手方向に延出する軸部32,33とを備えている。ウォーム軸30は、ギヤハウジング21内の所定箇所に配設された軸受25a,25bによって回動可能に支承されている。軸受25a,25bは、それぞれ軸部32,33を支承している。
また、ギヤハウジング21には、ウォーム軸30の先端部を保持するための軸受凹部21bが形成されており、この軸受凹部21b内に、軸部33の端部と当接してウォーム軸30のスラスト荷重を支持するボール27が配設されている。
クラッチ22は、回転軸13aからの駆動力をウォーム軸30に伝達し、逆にウォーム軸30からの駆動力を回転軸13aに伝達しないように作動する。つまり、このクラッチ22は、負荷側からの外力によってモータ本体10が回転してしまうのを防止するために設けられている。
なお、本例では、回転軸13aとウォーム軸30とが、クラッチ22を介して連結されているが、これに限らず、クラッチ22を設けることなく、回転軸13aとウォーム軸30とを一体に形成してもよい。
本例のウォーム軸30は、所定形状に形成した金属製軸部材を転造ダイスによって転造加工して形成したものである。ウォーム軸30のウォーム31には、一条の螺旋状のウォーム歯34が形成されている。
図2に示すように、本例のウォーム31は、円筒ウォーム部31aと、その軸方向両端部にそれぞれ設けられたテーパウォーム部31b,31cとを備えている。円筒ウォーム部31aは、歯底径Raが軸線C方向において略同一であると共に、ピッチ円半径Paが略同一となっている。すなわち、ピッチ円筒面を形成している。
図2において、二点鎖線はウォーム歯34の歯先面の外径包絡線Lを示している。より正確には、外径包絡線Lはウォーム歯34の歯先面の外径包絡面と、軸線Cを含む平面との交線である。外径包絡線Lは、円筒ウォーム部31aにおいては軸線Cと略平行な直線となり、テーパウォーム部31b,31cにおいては軸線Cと所定角度をなす直線となる。そして、外径包絡線Lは全体として概略円弧に沿った形状となる。
このように本例のウォーム31は、軸線C方向においてピッチ円半径が異なる部位を有するように形成されている。
図4に示すように、ウォーム歯34は、歯先方向に対して略対称に形成されており、左右の歯面34a,34bの法線と軸線Cとがなす角度は軸線C方向の位置によらず略一定の角度θ(>0度。本例では約10度。)をなす。したがって、ウォーム31では、ウォーム歯34の歯面34a,34bは、それぞれ軸線C方向にわたって平行な面となっている。
また、ウォーム31は低圧力角化されているので、ウォーム軸30の撓みを抑制することができる。
上記実施形態のウォーム31では、テーパウォーム部31b,31cは、円筒ウォーム部31aの両側にそれぞれ一段のみ形成されていたが、これに限らず、図5に示す例のように多段に形成してもよい。このように多段に形成すると、ウォームホイールとの有効噛み合い数をさらに多く確保することができる。
また、上記実施形態では、円筒ウォーム部31aを介してテーパウォーム部31b,31cが連結されていたが、必ずしも円筒ウォーム部31aを形成しなくてもよく、円筒ウォーム部31aを形成することなしに、のど部を境界としてテーパウォーム部31b,31cを連結した構成としてもよい。
また、上記実施形態では、テーパウォーム部31b,31cの歯底面の外径線は直線状に形成されていたが、これに限らず、曲線状に形成してもよい。
11a‥開口部、11b‥軸受凹部、12‥マグネット、13‥電機子、
13a‥回転軸、14‥ブラシホルダ、14a‥ホルダ本体、14b‥延出部、
14c‥給電部、14d‥導電ターミナル、15‥ブラシ、16a,16b‥軸受、
17‥ボール、18‥整流子、20‥減速部、21‥ギヤハウジング、
21a‥開口部、21b‥軸受凹部、22‥クラッチ、23‥ウォームホイール、
25a,25b‥軸受、27‥ボール、30‥ウォーム軸、31‥ウォーム、
31a‥円筒ウォーム部、31b,31c‥テーパウォーム部、
31ba,31bb,31ca,31cb‥拡径部、32,33‥軸部、
32a,33a‥傾斜部、34‥ウォーム歯、34a,34b‥歯面、
123‥ウォームホイール、131‥円筒ウォーム、134‥ウォーム歯、
231‥鼓形ウォーム、234‥ウォーム歯
Claims (6)
- 軸線方向においてピッチ円半径が異なる部位を有するウォームであって、
歯先面の外径包絡線が、噛合するウォームホイールのピッチ円に沿うように略円弧状に形成されると共に、歯先方向が、前記軸線方向に対して略垂直に形成されたことを特徴とするウォーム。 - 軸線方向においてピッチ円半径が異なる部位を有するウォームであって、
前記軸線方向において略同一のピッチ円半径を有する円筒ウォーム部と、
少なくとも該円筒ウォーム部の一端に前記軸線方向において前記円筒ウォーム部から離れるほどピッチ円半径が拡径するテーパウォーム部と、を備え、
前記円筒ウォーム部および前記テーパウォーム部において、歯先方向が前記軸線方向に対して略垂直に形成されたことを特徴とするウォーム。 - 前記テーパウォーム部は、前記軸線方向に対してピッチ円半径が拡径する拡径度合が略一定に設定されたことを特徴とする請求項2に記載のウォーム。
- 前記テーパウォーム部は、前記軸線方向に対してピッチ円半径が拡径する拡径度合が略一定に設定された拡径部を複数有し、
前記複数の拡径部は、前記円筒ウォーム部から離れて配置されたものほど前記拡径度合が大きく設定されたことを特徴とする請求項2に記載のウォーム。 - 前記軸線方向において歯面の圧力角が略同一に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のウォーム。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のウォームを有する減速部と、該減速部に回転出力を出力するモータと、を備えたことを特徴とするモータ装置。
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