JP2007536638A - ディスペンス装置から供与する製品を提案するための製品とプロセス - Google Patents

Abstract

或る実施の形態で、フォワード・コミットメント契約を結ぶ提案を行い（５０２、Ｓ３）、提案の受諾を受ける（Ｓ４）方法である。受諾を受けた後でコード（６１０）を利用可能にする。コードを利用可能にするステップの後で、そのコードが自動販売機に提示されたかどうか判定する。判定のステップの後、製品が自動販売機から供与する。

Description

この出願は米国仮特許出願第６０／５６８，０５７号、２００４年５月４日出願、「自動販売機製品の第三者による提供を容易にするための機器、装置および方法（ＡＰＰＡＲＡＴＵＳ，ＳＹＳＴＥＭＳ ＡＮＤ ＭＥＴＨＯＤＳ ＦＯＲ ＦＡＣＩＬＩＴＡＴＩＮＧ ＴＨＩＲＤ ＰＡＲＴＹ ＳＰＯＮＳＯＲＥＤ ＯＦＦＥＲＳ ＦＯＲ ＡＵＴＯＭＡＴＩＣ ＳＡＬＥＳ ＭＡＣＨＩＮＥ ＰＲＯＤＵＣＴＳ）」の優先権の便益を主張するものであって、参照することによって前記全体をここに含める。

（詳細な説明）
用語
「製品」という用語は、別に明示されない限り、３５Ｕ．Ｓ．Ｃ．§１０１で考慮されている任意の機械、製造品および／または物の構成物を意味する。
「或る実施の形態」、「実施の形態」、「複数の実施の形態」、「前記実施の形態」、「前記複数の実施の形態」、「１つ以上の実施の形態」、「いくつかの実施の形態」、「１つの実施の形態」などの用語は、別に明示されない限り、ここに開示された発明の１つ以上（全てではない）の実施の形態を意味する。
「含む」、「備える」という用語およびその変形は、別に明示されない限り、「含むが限定されない」ことを意味する。
「或る」、「前記」という用語は、別に明示されない限り、「１つ以上」を意味する。

「複数」という用語は、別に明示されない限り、「２つ以上」を意味する。
「ここに」という用語は、別に明示されない限り、「援用される任意のものを含んでこの出願では」を意味する。
「の少なくとも１つ」という句は、別に明示されない限り、かかる句が複数の物（列挙された物のリストなど）を修飾するとき、これらのものの１つ以上の任意の組合せを意味する。例えば、部品、自動車、および車輪の少なくとも１つという句は、（１）部品、（２）自動車、（３）車輪、（４）部品および自動車、（５）部品および車輪、（６）自動車および車輪、または（７）部品、自動車、および車輪、のどれかを意味する。
各プロセス（方法、アルゴリズム、または他の用語で呼んでよい）は１つ以上のステップを含む。したがって、或るプロセスの「ステップ」と言う場合は固有の先行する基礎を有する。

序数（「第１」、「第２」、「第３」など）を或る用語の前の形容詞として用いる場合は、別に明示されない限り、その序数は単に或る機能を示す（その特定の機能と、同じ用語または同様の用語で記述される別の機能とを区別するなど）のに用いられる。例えば、「第１の部品」という言い方は例えば「第２の部品」と単に区別するために用いてよい。したがって、用語「部品」の前に序数「第１」および「第２」を単に用いた場合は２つの部品の間のどのような他の関係も示さないし、同様に、一方または両方の部品の他のどのような特徴も示さない。例えば、用語「部品」の前に序数「第１」および「第２」を単に用いた場合は、（１）どちらかの部品の順序または位置が他方の部品の前または後になることを示さず、（２）どちらかの部品が時間的に他方の部品より前または後に起こる、または作用することを示さず、また（３）どちらかの部品の重要性または質などが他方の部品より上または下に位置付けられることを示さない。更に、単に序数を用いた場合はその序数で識別される機能に数的な制限を定義しない。例えば、用語「部品」の前に序数「第１」および「第２」を単に用いた場合、２つの部品しかないことを示すわけではない。

単一の装置または品物とここに述べるとき、この単一の装置／品物の代わりに１つ以上の装置／品物（これらは協同してもしなくてもよい）を用いてよい。同様に、１つ以上の装置または品物（これらは協同してもしなくてもよい）とここに述べるとき、この１つ以上の装置または品物の代わりに単一の装置／品物を用いてよい。
ここに述べる或る装置の機能性および／または機能は、かかる機能性および／または機能を有すると明示されない１つ以上の他の装置で代わりに実現してよい。したがって、他の実施の形態はここに述べる装置自体を含む必要はない。

開示された例は制限するものではない
多くの実施の形態をこの特許出願で説明し、また単なる例示の目的で提示する。ここに述べる実施の形態は、いかなる意味でも制限するものではなく、また制限する意図もない。ここに開示する発明は、開示から明らかなように、多くの実施の形態に広く適用することができる。当業者が認識するように、ここに開示する発明に種々の修正や変更を行ってよい。ここに開示する発明の特定の機能について１つ以上の特定の実施の形態および／または図面を参照して説明するが、別に明示されない限り、かかる機能は説明に際して参照した１つ以上の特定の実施の形態または図面での使用に限定されるものではないことを理解すべきである。

タイトル（この特許出願の第１ページの最初に示したもの）も要約（この特許出願の終わりに示したもの）も、開示する発明の範囲を決して制限するものと考えてはならない。
別に明示されない限り、互いに通信する装置は互いに連続して通信する必要はない。更に、互いに通信する装置は互いに直接に、または１つ以上の媒介を介して間接に通信してよい。
複数の構成要素または機能を持つ実施の形態の記述は、かかる構成要素／機能の全てがまたは一部でも、必要であることを意味するものではない。本発明の広範囲の可能な実施の形態を例示するために種々の随意の構成要素を記述する。別に明示されない限り、どの構成要素／機能も必須または必要ではない。
また、プロセス・ステップやアルゴリズムなどを一連の順序で記述した場合でも、かかるプロセスは異なる順序で作用してよい。言い換えると、ステップのシーケンスまたは順序が明示的に記述されていても、必ずしも各ステップをその順序で行う必要があることを示すものではない。ここに記述するプロセスのステップは実際には任意の順序で行ってよい。更に、いくつかのステップを同時に行ってもよい。

或るプロセスが複数のステップを含むと記述されていても、必ずしも全てまたは任意のステップが必須または必要であることを示すものではない。ここに記述する発明の範囲内の種々の他の実施の形態は、記述するステップの一部または全てを省略した他のプロセスを含む。別に明示されない限り、どのステップも必須または必要ではない。
或る製品が複数の構成要素、態様、質、特徴、および／または機能を含むと記述する場合でも、前記複数のものの全てが必須または必要であることを示すものではない。ここに記述する発明の範囲内の種々の他の実施の形態は、ここに記述する複数のものの一部または全てを省略した他の製品を含む。
別に明示されない限り、項目の列挙されたリスト（番号が付いていてもいなくてもよい）は、項目のどれかまたは全てが相互に排他的であることを意味するものではない。同様に、別に明示されない限り、項目の列挙されたリスト（番号が付いていてもいなくてもよい）は、項目のどれかまたは全てが任意のカテゴリを包含することを意味するものではない。例えば、「コンピュータ、ラップトップ、ＰＤＡ」という列挙されたリストはこのリストの３品目のどれかまたは全てが相互に排他的であることを意味しないし、また、このリストの３項目のどれかまたは全てが任意のカテゴリを包含することを意味するものではない。

計算
ここに記述する種々の方法およびアルゴリズムは、例えば適当にプログラムされた汎用コンピュータおよび計算装置により実現してよいことは明らかである。一般にプロセッサ（例えば、１個以上のマイクロプロセッサ）はメモリなどの装置から命令を受け、これらの命令を実行することにより、これらの命令が定義する１つ以上のプロセスを実行する。更に、かかる方法およびアルゴリズムを実現するプログラムは、種々の周知の媒体を多数の周知の方法で用いて記憶しまた送信してよい。或る実施の形態では、プロセスを実現するのにソフトウエア命令の代わりに、またはこれと組み合わせて、ハードワイヤード回路またはカスタム・ハードウエアを用いてよい。このように、実施の形態はハードウエアとソフトウエアとの任意の特定の組合せに限定されるものではない。

「プロセッサ」は、任意の１個以上のマイクロプロセッサ、中央処理装置（ＣＰＵ）、計算装置、マイクロコントローラ、ディジタル信号処理プロセッサ、または同様の装置を意味する。
「コンピュータ読取り可能な媒体」という用語は、コンピュータ、プロセッサ、または同様の装置が読み取ることができるデータ（例えば、命令）を提供することに加わる任意の媒体を指す。かかる媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む（しかしこれらに限定されない）多くの形をとってよい。不揮発性媒体は、例えば光ディスク、磁気ディスク、および他の持続的メモリを含む。揮発性媒体は、一般に主メモリを構成するダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ（ＤＲＡＭ）を含む。伝送媒体は同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む（プロセッサに結合するシステム・バスを構成する線を含む）。伝送媒体は音波、光波、および放射電磁波（無線周波数（ＲＦ）および赤外線（ＩＲ）データ通信中に生成されるものなど）を含みまたは伝送してよい。コンピュータ読取り可能な媒体の一般的な形は、例えば、フロッピー（登録商標）・ディスク、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ、任意の他の光媒体、パンチ・カード、紙テープ、穴のパターンを持つ任意の他の物理的媒体、ＲＡＭ、ＰＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ、フラッシュＥＥＰＲＯＭ、任意の他のメモリ・チップまたはカートリッジ、後で説明する搬送波、またはコンピュータが読み取ることのできる任意の他の媒体、を含む。

命令のシーケンスをプロセッサに運ぶのに種々の形のコンピュータ読取り可能な媒体が関わってよい。例えば命令のシーケンスは、（１）ＲＡＭからプロセッサに送られ、（２）無線伝送媒体で運ばれ、および／または（３）種々のフォーマット、標準、またはプロトコル（ブルートゥース、ＴＤＭＡ、ＣＤＭＡ、３Ｇなど）に従ってフォーマットしてよい。
データベースについて記述するとき、当業者が理解するように（１）記述するデータベース構造以外の構造を用いてよく、また（２）データベース以外のメモリ構造を用いてよい。

継続出願
この開示は複数の実施の形態および／または発明の可能な説明を当業者に提供する。これらの実施の形態および／または発明の或るものはこの出願で権利を主張しないが、この出願の優先権の便益を主張する１つ以上の継続出願において権利を主張してよい。

序説および例示的な実施の形態
種々の実施の形態において、顧客が或る商人と将来ビジネスを行う（例えば、取引を行う）ことに同意した場合は、便益ディスペンス装置により顧客に便益が与えられる。商人は便益ディスペンス装置の運営者と、便益のコストを運営者に償還することを同意してよい。
このように、この実施の形態では商人は便益のコストと引き換えに新しい顧客を得ることができる。更に、顧客は便益ディスペンス装置からすぐ便益を得ることができるので、顧客は商人とフォワード・コミットメント契約を結ぶという提案を受諾する気になる。
或る形態では、フォワード・コミットメント契約を結ぶという提案は、便益を供与する装置を介して顧客に提供される。
別の実施の形態では、フォワード・コミットメント契約は携帯電話などのユーザ装置を介して顧客に提案され、対応する便益は便益ディスペンス装置（自動販売機など）から供与される。

例えば、或る顧客が喉が渇いたので飲料自動販売機で飲料を買おうとするが、お金を十分持っていないのでその自動販売機から飲料を買えないことが分かるとする。しかし、顧客は自動販売機に取り付けられた次の掲示を目にする。「喉が渇きましたか。スポーツ・イラストレイテド（登録商標）で飲料が買えます。今すぐ１（８００）５５５−５５５５に電話して、１２冊を１８ドルという特別価格で予約してください」。顧客が携帯電話でこの番号に電話すると、雑誌スポーツ・イラストレイテド（登録商標）の発行者に関連するコントローラは、顧客を識別する情報と、顧客がこの予約提案を受諾したという表示とを受ける。顧客がこの提案された予約に登録すると、コントローラはユーザ装置が英数字コードを使えるようにする（例えば、コードをユーザ装置に出力することにより）。その後で、顧客はこのコードを自動販売機に提示してよい（例えば、顧客は自動販売機の入力装置を介してこのコードを入力する）。このコードを提示すると、自動販売機は顧客が選んだ飲料を供与してよい。自動販売機はコードが提示されたこと、および／または飲料が供与されたことを記録するので、自動販売機の運営者は後で（或る補充期間の後で）雑誌の発行者に償還を求めることができる。

別の実施の形態では、システムは１つ以上の便益ディスペンス装置および１つ以上の商人装置と通信するコントローラを備える。商人は顧客に提案するフォワード・コミットメント契約を作成する。かかる契約は、顧客が将来契約を実行することに同意した場合にすぐ顧客に提供される便益を明記する。次に商人は商人装置を用いてフォワード・コミットメント契約の記載内容をコントローラに送る。後で顧客が便益ディスペンス装置にアクセスすると、すなわち近づくと、コントローラは便益ディスペンス装置またはユーザ装置を介してフォワード・コミットメント契約を顧客に提案する。顧客がフォワード・コミットメント契約を結ぶと、便益ディスペンス装置は顧客にすぐ便益を提供する。或る実施の形態では、商人は顧客に提供された便益と引き換えに後でコントローラに償還する。

或る実施の形態では、前の提案、受諾、および／またはフォワード・コミットメント契約の実績に基づいて、フォワード・コミットメント契約を顧客に提案する。例えば、以前或るフォワード・コミットメント契約を提案した顧客に将来同じ提案を行わないことがある。その上またはその代わりに、以前或るフォワード・コミットメント提案を受諾した顧客に将来同じ提案を行わないことがある。更に、フォワード・コミットメント契約に従って実行しなかった顧客には将来１つ以上の提案を提供しないことがある。
更に、或る実施の形態は顧客がフォワード・コミットメントを実行したことの確認も含んでよい。顧客が実行しなかった場合は、フォワード・コミットメント契約の規定に従って、重大結果（ｃｏｎｓｅｑｕｅｎｃｅ）が課せられる。例えば、商人が提案した雑誌の予約に対して顧客が支払いをしなかった場合は、将来その顧客にフォワード・コミットメント提案を行わないことがある。

種々の実施の形態は、商人または他の販売者が、自動販売を促進し、新しい顧客を獲得し、および／または顧客との関係を確立するのを援助する。例えば種々の実施の形態により、商人の顧客獲得予算を、不確かな広告キャンペーン（支出に関わらず、十分な数の新しい顧客を獲得できないことがある）ではなく、直接の獲得（例えば、或る人が新しい顧客になるのと引き換えにその人にお金が提供される）に用いることができる。種々の実施の形態は、さもなければ商人が顧客を獲得しまた顧客に販売するのに必要とする労力への依存を減らすこともできる。なぜなら、商人は顧客を獲得するために雇用する人員を減らすことができるからである。したがって、かかる実施の形態は商人に、顧客を獲得しまた顧客に販売するための販売担当者や他の要員を雇用し、訓練し、確保することの代替手段を与える。
種々の実施の形態は、顧客が便益を受けおよび／またはコミットメントを行うことに特に乗り気になっているときに、フォワード・コミットメントおよび対応する便益を提供する。顧客は、非常に必要としまたは欲しいときに、即座に明確な便益を受けることができる。したがって、顧客はフォワード・コミットメント契約を結ぼうと非常に乗り気になるかもしれない。

定義
「ＡＴＭカード」という用語は、銀行の顧客または銀行口座の所有者である顧客に関する情報を記憶することのできる製品を指すものとする。この情報は、顧客を識別する情報、口座を識別する情報、および／または銀行口座に関する情報を含んでよい。ＡＴＭカードは周知の方法で機械読取り可能（例えば、自動窓口機により）でよい。
「カジノ」という用語は、ゲーム機の所有者／運営者、その代理人、および／またはプレーヤがゲーム機を使用することで利益を得る任意のエンティティを指すものとする。
「重大結果」という用語は、フォワード・コミットメント契約の当事者である顧客が関連するフォワード・コミットメントを実行しない場合に課せられまたは強制される結果を指すものとする。重大結果は、金融口座に罰金を請求する、法的処置をとる、顧客が義務を果たさなかったことを公表する（または信用調査機関に報告する）、または顧客が将来便益ディスペンス装置を使用することを禁じる、などを含んでよい。

「コントローラ」という用語は、商人装置および／または複数の便益ディスペンス装置と通信しまた相互の通信を容易にすることのできる装置を指すものとする。或る実施の形態では、コントローラは自動販売機などの便益ディスペンス装置の一部または構成要素でよい。
「補充期間」および「販売期間」という用語は同義語であって、それぞれ補充日の時間間隔を指すものとする。
「フォワード・コミットメント契約」および「コミットメント契約」という用語は同義語であって、フォワード・コミットメントを明記する少なくとも１つの条項と便益（すなわち、顧客に与えられる便益）を明記する少なくとも１つの条項とを含む契約（すなわち、商人と顧客との契約）をそれぞれ指すものとする。フォワード・コミットメント契約は、例えばフォワード・コミットメントを結んでいるエンティティが実行できないまたは意思がないときに適用される、移転、譲渡、および／または買取（すなわち、フォワード・コミットメント契約を変更または解消する方法）の規定を有してよい。

「フォワード・コミットメント」という用語は以下の１つ以上を行うコミットメントを指すものとする。すなわち、製品を買う、使用する、貸す、借りる、売る、賃貸する、および／または使用を許可する、仕事を行う、意見を提供する、寄付または寄贈を行う、義務を負う、および／または質問に答える、などである。顧客がフォワード・コミットメント契約を結ぶと、その結果、顧客はフォワード・コミットメントを行う、またはこれに縛られる（例えば、顧客は製品を買う義務を負う）。フォワード・コミットメント契約の条項が満たされると、フォワード・コミットメントは実行されたと見なされてよい。

更に、フォワード・コミットメントは一人以上の当事者と１つ以上の義務とが関わってよい。例えば、フォワード・コミットメントは、（１）一人の人に１つのタスクを、（２）一人の人に複数のタスクを、（３）複数の人にそれぞれ１つのタスクを、（４）複数の人に１つのタスクを協力して、または（５）複数の人の部分集合（指定されたまたは指定されない）に１つ以上のタスクを個別にまたは協力して、行わせてよい。フォワード・コミットメントはエンティティに、定期的にタスクを、或る期間内に或るタスクを、または関係するまたは関係しないまたランダムなまたはランダムでない事象および／または結果に基づいて条件付でタスクを、行わせてよい。フォワード・コミットメントは、フォワード・コミットメントを実行するエンティティが、フォワード・コミットメントを実行することにより便益を得る商人または他の当事者が、および／または第三者が、定義しおよび／または指定してよい。フォワード・コミットメントは複数の重要なタスクを実行することを要求してよい。或るエンティティが重要なタスクを実行することができない場合は、フォワード・コミットメントは実行されなかったと見なしてよい。或る重要なタスクを実行したからといって、必ずしもフォワード・コミットメントが実行されたことにはならない。

「得意客カード」という用語は買い物客（例えば、或る食品雑貨店などの或る商店の買い物客）である顧客に関する情報を記憶することができる製品を指すものとする。この情報は、顧客を識別する情報と、顧客の買い物履歴（例えば、以前の買い物）に関する情報とを含んでよい。得意客カードは周知の方法により機械読取り可能（例えば、ＰＯＳ端末により）でよい。
「定価」および「小売価格」という用語は同義語であって、所定の製品を買うと通常または一般に請求される価格（一般に所定の製品の１単位の購入当たり）をそれぞれ指すものとする。
「ゲーム装置」という用語は任意のゲーム機を指すものとする。例えば、スロット・マシン、ビデオ・ポーカ・マシン、ビデオ・ビンゴ・マシン、ビデオ・キーノ・マシン、ビデオ・ブラックジャック・マシン、ビデオ福引端末などの、価値のあるものを供与する（例えば、クレジット、キャッシュレス・ゲーム・レシート、キャッシュ、および／またはギャンブル・トークンの形で）ことができるものを含む。ゲーム装置はカジノが所有してもしなくてもよく、カジノ内にあってもなくてもよく、スタンドアロンまたはネットワーク化されていてもいなくてもよく、２５Ｕ．Ｓ．Ｃ．§２７０３に定義されているクラスＩＩおよび／またはクラスＩＩＩゲーム区分で動作してもしなくてもよい。

「入力装置」という用語は入力を受けることができる装置を指すものとする。入力装置は他の装置（例えば、売り場専用端末、表示点端末、ユーザ装置、商人装置、自動販売機、便益ディスペンス装置、コントローラ）と通信しまたはその一部でよい。入力装置の例としては、例えば、バーコード・スキャナ、磁気ストライプ読取り機構、コンピュータ・キーボード、売り場専用端末キーパッド、自動販売機キーパッド、タッチ・スクリーン、マイクロホン、赤外線センサ、ソニック・レンジャ、コンピュータ・ポート、ビデオ・カメラ、ディジタル・カメラ、ＧＰＳ受信機、動きセンサ、無線周波数識別（ＲＦＩＤ）受信機、ＲＦ受信機、温度計、圧力検知パッド、体重計、などがある。
「入出力装置」という用語は１つ以上の入力装置および／または１つ以上の出力装置の任意の組合せを指すものとする。

「商人」という用語は、顧客に、顧客のために、またはその他のために製品を売り、賃貸し、および／または使用を許可することを提案するエンティティを指すものとする。例えば、商人は、種々の販売チャンネル、個人、会社、製造業者、卸売業者、直販業者、再販業者、および／または小売業者を含んでよい。商人は、商店、系列販売店、商店街および倉庫を含む建物から取引を行ってよく、および／またはメール・オーダー・カタログ、自動販売機、オンライン・ウェブ・サイト、および／または電話販売を含む任意の数の追加の方法を介して取引を行ってよい。製造業者は顧客に直接販売しないことがあり、その場合は小売業者または他のエンティティが製造業者のための販売チャンネルとして働いてよい。
「商人装置」という用語は、商人から命令を受けることができ、また命令をコントローラおよび／または便益ディスペンス装置に伝えることができる装置を指すものとする。命令は、例えば販売する製品、価格情報、便益、およびフォワード・コミットメント提案を示してよい。

「出力装置」という用語は情報を出力するのに用いられる装置を指すものとする。出力装置は他の装置（例えば、売り場専用端末、表示点端末、ユーザ装置、商人装置、便益ディスペンス装置、コントローラなど）と通信しまたはその一部でよい。出力装置は例えば、ブラウン管（ＣＲＴ）モニタ、液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）画面、発光ダイオード（ＬＥＤ）画面、プリンタ、オーディオ・スピーカ、赤外線送信機、無線送信機、ＭＰ３プレーヤ、ｉＰｏｄ（登録商標）などの遊戯装置、ハンドヘルド・ゲーム装置、ソニー・コンピュータ・エンターテインメント社のＰｌａｙＳｔａｔｉｏｎ Ｐｏｒｔａｂｌｅ（登録商標）を含んでよい。
「プレーヤ・トラッキング・カード」という用語は、カジノ・プレーヤである顧客に関する情報を記憶することができる装置を指すものとする。この情報は、カジノ・プレーヤを識別する情報と、プレーヤに関する金融情報（例えば、プレーヤが償還することができる残りのギャンブル・クレジットの数）を含んでよい。このカードは周知の方法で機械読取り可能（例えば、ゲーム装置により）でよい。

「製品」、「品物」、「商品」、および「サービス」という用語は同義語であって、使用を許可された、賃貸された、販売された、販売用の、賃貸用の、使用許可用の、および／または販売、賃貸、または使用許可用の提案または提示されたもので、製品のパッケージ、製品の予約、契約、情報、サービス、および無形のものを含む任意のものをそれぞれ指すものとする。
「製品コスト」、「品目コスト」、および「コスト」という用語は同義語であって、その製品の運営者または他の販売者に対する製品のコスト（一般に所定の製品の１単位当たり）を指すものとする。
「補充日」および「補充時間」という用語は同義語であって、自動販売機に補充する予定または実際に補充した（例えば、自動販売機の運営者または運営者の代理人が）時間および／または日を指すものとする。

「販売機」、「自動販売機」、「便益ディスペンス装置」、および「ディスペンス装置」という用語は同義語であって、金銭の供与、価値のある製品の供与、および／または価値のあるサービスの実行などの便益を提供することができる任意の装置を指すものとする。ディスペンス装置は多くの異なるタイプがあり、例えば、ゲーム装置、自動販売機（スナックおよび／または飲料販売機を含むがこれらに限定されない）、自動窓口機（ＡＴＭ）、チケット・ディスペンサ、キオスク、有料電話、電話、携帯電話、ページャ、ネットワーク化されたコンピュータ、無線パーソナル・ディジタル・アシスタント（ＰＤＡ）、売り場専用（ＰＯＳ）端末、ガソリン・ポンプ、洗濯機、乾燥機、ジューク・ボックス、スキル・クレーン・ゲーム、アーケード・ゲーム、ゲーム・コンソール、およびオーディオ／ビデオ・プレーヤを含んでよい。ディスペンス装置は、ディスペンス装置の従来の取引処理および供与機能を行うのに用いられるハードウエアおよび／またはソフトウエアだけでなく、運営を支援するハードウエアおよびソフトウエアを含んでよい。または、ディスペンス装置は便益を供与するようディスペンス装置に指示するコントローラからの信号を単に受けて応答することを除いて、運営を支援する任意のハードウエアおよび／またはソフトウエアを全く含まなくてよい。

「無形の価値」および「無形の便益」という用語は、現金など、本質的に価値があるのですぐに満足感を与える品目またはサービスを指すものとする。無形の価値は、銀行口座への電子的資金の転送などの「抽象的な価値」とは異なる。言い換えると、単に知的に理解できるのとは異なり、無形の価値は五感で直接知覚できる。スロット・マシンのトレイに投入する硬貨、ＡＴＭから供与される現金、および自動販売機から供与される食料または飲料は無形の価値の例であり、或る口座内にクレジットまたは利子を蓄積することは抽象的な価値の例である。

「ユーザ装置」、「個人装置」、および「顧客装置」は同義語であって、別のコンピュータまたは装置（商人装置、便益ディスペンス装置、および／またはコントローラなど）との間でデータを送信および／または受信することができる任意の装置を指すものとする。ユーザ装置は多くの異なるタイプがあってよく、例えば、電話、携帯電話、ページャ、ラップトップ、ネットワーク化されたコンピュータ、無線パーソナル・ディジタル・アシスタント（ＰＤＡ）、ゲーム・コンソール、オーディオ／ビデオ・プレーヤ、キオスク、またはこれらの任意の組合せを含む。
「自動販売機運営者」および「運営者」という用語は同義語であって、自動販売機の所有者（またはその代理人）または自動販売機を運営する責任者を指すものとする。

システム
図１Ａを参照すると、或る実施の形態に係るシステム１００Ａはコントローラ１０２を含み、コントローラ１０２は通信網１０４（インターネットまたは他の通信リンクなど）を介して１つ以上のディスペンス装置１０６，１０８，１１０、および／または商人装置１１２，１１４，１１６と一方向または双方向通信を行う。１つの実施の形態では、コントローラ１０２は、ディスペンス装置１０６，１０８，１１０も制御する商人または他のエンティティの部分的なまたは完全な制御下にある。例えば、コントローラ１０２は銀行のＡＴＭネットワーク内のサーバ、カジノのゲーム装置のネットワーク内のスロット・サーバ、または自動販売機のネットワーク内のサーバでよい。或る実施の形態では、単一の機器（例えば、適当にプログラムされた自動販売機）がコントローラおよびディスペンス装置の機能性を実行する。

図１Ｂを参照すると、或る実施の形態に係るシステム１００Ｂは１つ以上の第三者サーバ１１８を更に含む。第三者サーバ１１８もコントローラ１０２と一方向または双方向通信を行ってよい。しかし図１Ｂの実施の形態に示すように、第三者サーバ１１８はコントローラ１０２とディスペンス装置１０６，１０８，１１０との「間」に配置され、ディスペンス装置１０６，１０８，１１０との間の通信は第三者サーバ１１８が関わる。

図１Ａおよび図１Ｂにそれぞれ示す２つの実施の形態の違いは、図１Ｂの実施の形態が第三者サーバ１１８を含むことである。第三者サーバ１１８は、コントローラ１０２を操作するエンティティから物理的に離れた別個のエンティティにより操作される。第三者サーバ１１８は、ディスペンス装置１０６，１０８，１１０に中継または他の方法で送られる信号をコントローラ１０２に送ることにより、ここに述べる種々のプロセスを行ってよい。例えば、或る航空会社は銀行サーバ（コントローラ１０２の機能を行う）と通信する第三者サーバ１１８を操作して、この航空会社で旅行するというコミットメントと引き換えにＡＴＭ（ディスペンス装置１０６，１０８，１１０の機能を実行する）を介して顧客に現金を提供してよい。図１Ａの実施の形態では、図１Ｂの第三者サーバ１１８の機能はコントローラ１０２が行う。

図１Ａおよび図１Ｂに示す２つの実施の形態の更なる違いはシステムの通信トポロジーに関係する。図１Ａおよび図１Ｂの実施の形態では、各ノード（すなわち、通信する各装置）はシステム１００内の全ての他のノードと、例えば仮想私設網（ＶＰＮ）または安全な通信のための他の周知の方法を介して通信してよい。したがって、全てのノードは「論理的に」接続してよい。すなわち、どのノードも他のどのノードとも直接または間接に通信してよい。
しかし、図１Ｂに示す実施の形態では、第三者サーバ１１８は、（１）一般にディスペンス装置１０６，１０８，１１０の所有者／運営者（およびディスペンス装置の顧客）により操作されるノードと、（２）一般にディスペンス装置の所有者／運営者により操作されないシステム１００Ｂ内の他のノード（例えば、一人以上の商人により操作される商人装置）との間の、単一の「ゲートウエイ」として働く。

或る実施の形態では、異なる商人が各商人装置を制御してよい。例えば顧客を別の商人に渡すエンティティがコントローラ１０２を操作してよい。システムが第三者サーバ１１８を含む場合は、単にディスペンス装置１０６，１０８，１１０を操作中の顧客にコントローラ１０２の運営者がアクセスできるようにするためだけの無関係なエンティティが、この第三者サーバ１１８を操作してよい。したがって、かかる例示的な実施の形態では、システムは以下の１つ以上に関係してよい。すなわち、商人（商人装置１１２，１１４，１１６を操作する）、顧客の獲得および関係するサービスを担当する代理人（コントローラ１０２を操作する）、第三者ネットワーク運営者（第三者サーバ１１８を操作する）、および顧客（ディスペンス装置１０６，１０８，１１０を操作して例えば製品を購入する）である。或る実施の形態では、商人は結合されたコントローラ／ディスペンス装置を直接操作してよく、またシステムは商人および顧客だけを含んでよい。
図１Ａおよび図１Ｂに示す実施の形態では共に、ノード（例えば、コントローラ１０２、商人装置１１２，１１４，１１６、ディスペンス装置１０６，１０８，１１０、および／または第三者サーバ１１８）の間の通信は、ネットワークを介さず直接、および／またはインターネット１０４などのネットワークを介して、行ってよい。

図１Ａおよび図１Ｂを共に参照すると、コントローラ１０２、第三者サーバ１１８、商人装置１１２，１１４，１１６、およびディスペンス装置１０６，１０８，１１０はそれぞれ、相互に通信するコンピュータ（Ｉｎｔｅｌ（登録商標）Ｐｅｎｔｉｕｍ（登録商標）プロセッサをベースにしたものなど）を備えてよい。任意の数の第三者サーバ１１８、商人装置１１２，１１４，１１６、および／またはディスペンス装置１０６，１０８，１１０がコントローラ１０２と通信してよい。更に、ディスペンス装置１０６，１０８，１１０は商人装置１１２，１１４，１１６と一方向または双方向に通信してよい。コントローラ１０２、第三者サーバ１１８、商人装置１１２，１１４，１１６、およびディスペンス装置１０６，１０８，１１０はそれぞれ、互いに物理的に近くてよく、または互いに地理的に離れていてよい。コントローラ１０２、第三者サーバ１１８、商人装置１１２，１１４，１１６、およびディスペンス装置１０６，１０８，１１０はそれぞれ、入力装置（図示しない）および出力装置（図示しない）を含んでよい。

上に示したように、コントローラ１０２、第三者サーバ１１８、商人装置１１２，１１４，１１６、およびディスペンス装置１０６，１０８，１１０の間の通信は、例えばインターネット１０４などのインターネット・プロトコル（ＩＰ）ネットワーク、イントラネット、またはリモート・サーバ上のコントローラ１０２（および／または第三者サーバ１１８）で保持されるウェブ・サイトを介したエクストラネットにより、または商用オンライン・サービス・プロバイダ、電子掲示板システム、ルータ、ゲートウエイなどを含むオンライン・データ・ネットワークにより、直接的または間接的でよい。更に別の実施の形態では、諸装置は、イーサネット（登録商標）やトークン・リングなどを含むローカル・エリア・ネットワーク、無線周波数通信、赤外線通信、マイクロ波通信、ケーブル・テレビジョン・システム、衛星リンク、ワイド・エリア・ネットワーク（ＷＡＮ）、非同期転送モード（ＡＴＭ）ネットワーク、公衆交換電話網（ＰＳＴＮ）、その他の無線ネットワークなどにより、コントローラ１０２と通信してよい。

当業者が理解するように、互いに通信する装置は互いに連続して送信する必要はない。逆に、かかる装置は必要に応じて互いに送信するだけでよく、また大部分の時間は実際にデータを交換しなくてよい。例えば、インターネット１０４を介して他の装置と通信する装置は、時には数週間も他の装置にデータを送信しなくてよい。
コントローラ１０２（および／または第三者サーバ１１８）は「ウェブ・サーバ」として機能してよく、例えばハイパー・テキスト・トランスファ・プロトコル（ＨＴＴＰ）などのプロトコルを用いてワールド・ワイド・ウェブを介してアクセス可能なインターネット接続のコンピュータに記憶されている文書であるウェブ・ページを提示および／または生成する。かかる文書は一般に、１つ以上のハイパー・テキスト・マークアップ言語（ＨＴＭＬ）ファイル、関連するグラフィックス、およびスクリプト・ファイルを含む。ウェブ・サーバにより、この技術で周知の方法でコントローラ１０２と通信することができる。商人装置１１２，１１４，１１６およびディスペンス装置１０６，１０８，１１０は、コントローラ１０２および／または第三者サーバ１１８によりまたはそのために生成されまたは保持されるＨＴＭＬ形式にアクセスするために、ウェブ・ブラウザ（ＮＥＴＳＣＡＰＥ（登録商標）が発行するＮＡＶＩＧＡＴＯＲ（登録商標）など）を用いてよい。

上に示したように、コントローラ１０２、第三者サーバ１１８、商人装置１１２，１１４，１１６、およびディスペンス装置１０６，１０８，１１０のどれかまたは全ては、例えばプロセッサ・ベースのキャッシュ・レジスタ、電話、音声応答録音装置（ＩＶＲ）システム（ミッシング・リンク・インタラクティブ・ボイス・リスポンス・システムズ社（ＭＩＳＳＩＮＧ ＬＩＮＫ ＩＮＴＥＲＡＣＴＩＶＥ ＶＯＩＣＥ ＲＥＳＰＯＮＳＥ ＳＹＳＴＥＭＳ）が設計したＭＬ４００−ＩＶＲなど）、携帯電話／無線電話、自動販売機、ページャ、パーソナル・コンピュータ、携帯型コンピュータ（ラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータ、パームトップ・コンピュータ、ハンドヘルド・コンピュータなど）、および／またはパーソナル・ディジタル・アシスタント（ＰＤＡ）、を含んでよい。コントローラ１０２、第三者サーバ１１８、商人装置１１２，１１４，１１６、およびディスペンス装置１０６，１０８，１１０のそれぞれの更なる詳細は図２から図４に関して後で説明する。

上に説明したように、或る実施の形態では単一の装置がコントローラ１０２、第三者サーバ１１８、商人装置１１２，１１４，１１６、および／またはディスペンス装置１０６，１０８，１１０の機能性を含んでよい。例えば、コントローラは商人装置の機能性のいくつかまたは全てを含んでよく、および／または第三者サーバはディスペンス装置の機能性のいくつかまたは全てを含んでよい。更にコントローラ１０２は、商人装置１１２，１１４，１１６を通してではなく商人と直接通信してよい。同様にコントローラ１０２は、ディスペンス装置１０６，１０８，１１０を通してではなく顧客と直接通信してよい。例えば顧客は、ユーザ装置（携帯電話またはＰＤＡなど）を介してコントローラ１０２と直接通信してよい。

図１Ａおよび図１Ｂに図示していないが、コントローラ１０２、第三者サーバ１１８、商人装置１１２，１１４，１１６、およびディスペンス装置１０６，１０８，１１０はまた、１つ以上の銀行および信用機関（例えば、顧客および／または商業クレジット機関）と通信してよく、またかかる機関と周知の方法で通信して取引を行ってよい（例えば、クレジット・カード口座で支払われる取引を処理し、資金を受取人に転送する）。かかる機関との通信は任意の多数の周知の方法で、例えば直接に、または安全な金融ネットワーク（米国連邦準備制度により維持されているＦｅｄｗｉｒｅネットワーク、自動手形交換所（以後「ＡＣＨ」）ネットワーク、手形交換所銀行間入金システム（以後「ＣＨＩＰＳ」）など）を介して、行ってよい。

商人装置１１２，１１４，１１６、および／またはディスペンス装置１０６，１０８，１１０は、コントローラ１０２を介して通信して、情報（例えば、顧客および／またはフォワード・コミットメント契約に関する情報）を提供／受領してよい。第三者サーバ１１８などを含む実施の形態では、かかる情報は第三者サーバ１１８を介して商人装置１１２，１１４，１１６、および／またはディスペンス装置１０６，１０８，１１０が提供／受領してよい。商人装置１１２，１１４，１１６は、例えば情報（例えば、便益を提供することに関する規則）をコントローラ１０２（および／または第三者サーバ１１８）に提供してよい。ディスペンス装置１０６，１０８，１１０は、顧客義務情報をコントローラ１０２（および／または第三者サーバ１１８）に提供してよい。コントローラ１０２（および／または第三者サーバ１１８）は、実行されたフォワード・コミットメント契約に関する情報を商人装置１１２，１１４，１１６に提供してよく、および／または制御信号をディスペンス装置１０６，１０８，１１０の１つ以上に与えて、顧客に便益を提供するようディスペンス装置に指示してよい。

装置
図２は図１Ａのコントローラ１０２（および／または図１Ｂの第三者サーバ１１８）の一例の詳細を示す。或る実施の形態では、コントローラ１０２はシステムを管理し、またここに述べる種々の方法を実行する。コントローラ１０２は、１つ以上のシステム・コントローラ、１つ以上の専用ハードウエア回路、１つ以上の適当にプログラムされた汎用コンピュータ、または任意の他の同様の電子的、機械的、電気機械的、および／または人間が操作する、装置として実現してよい。例えば図１Ｂでは、コントローラ１０２は第三者サーバ１１８と通信するように示されている。図１Ｂの実施の形態の或る実施の形態では、コントローラ１０２および第三者サーバ１１８は図１Ａの実施の形態で示したコントローラ１０２単独の場合と同じ機能性を示してよい。

コントローラ１０２（および／または第三者サーバ１１８）はプロセッサ２００（１つ以上のＩｎｔｅｌ（登録商標）Ｐｅｎｔｉｕｍ（登録商標）プロセッサなど）を含んでよい。プロセッサ２００は、時間に関する情報（指定された時間内にフォワード・コミットメントが実行されたかどうかなど）を決定するのに有用な１つ以上のクロックまたはタイマ（図示しない）を含みまたはこれらと通信してよい。プロセッサ２００は、プロセッサ２００が他の装置（商人装置１１２，１１４，１１６、ディスペンス装置１０６，１０８，１１０および／または第三者サーバ１１８など）と周知の方法で通信するときに通る１つ以上の通信ポートを含みまたはこれらと通信してよい。

またプロセッサ２００はデータ記憶装置２０４と通信してよい。データ記憶装置２０４は磁気、光、および／または半導体のメモリの適当な組合せを含み、また例えば、追加のプロセッサ、通信ポート、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、リード・オンリー・メモリ（ＲＯＭ）、コンパクト・ディスク、および／またはハード・ディスクを含んでよい。プロセッサ２００および記憶装置２０４はそれぞれ、例えば、（１）全体が単一のコンピュータまたは他の計算装置内にあってよく、または（２）遠隔通信媒体（シリアル・ポート・ケーブル、ＬＡＮ、電話線、無線周波数トランシーバ、光ファイバ接続など）により互いに接続されてよい。或る実施の形態では、例えばコントローラ１０２はデータベースを保持するリモート・サーバに接続される１つ以上のコンピュータ（すなわちプロセッサ２００）を備えてよく、データ記憶装置２０４はリモート・サーバ・コンピュータおよび関連するデータベースの組合せで構成する。

データ記憶装置２０４はプロセッサ２００を制御するためのプログラム２０６を記憶する。プロセッサ２００はプログラム２０６の命令を実行し、これにより種々の実施の形態に従って、また特にここに述べる種々の方法に従って動作する。
種々の実施の形態は、例えばモジュラー・オブジェクトを持つ複雑なシステムをモデル化して実世界、物理的オブジェクト、およびその相互関係を表す抽象概念を作るための、例えばオブジェクト指向言語を用いて開発されたコンピュータ・プログラムを含んでよい。しかし当業者が理解するように、種々の実施の形態は、広範囲のプログラミング技術と汎用ハードウエア・システムまたは専用コントローラを用いて、多くの方法で実現することができる。
プログラム２０６は、圧縮された、編集されない、および／または暗号化されたフォーマットで記憶してよい。更にプログラム２０６は、一般に有用なプログラム要素（オペレーティング・システム、データベース管理システム、およびプロセッサ２００がコンピュータ周辺装置とインターフェースするための「装置ドライバ」など）を含んでよい。適当な汎用プログラム要素は当業者に周知である。

更に、プログラム２０６は、ここに述べる種々の実施の形態に特に関係する多数のモジュール、サブルーチン、プログラムなどのどれかを実行するプロセッサに指示する命令を含んでよい。かかるモジュールは以下のどれかまたは全てを実行するようプロセッサに指示してよい。すなわち、（１）ユーザ装置を介しておよび／またはディスペンス装置１０６，１０８，１１０を介してフォワード・コミットメント契約を提案する可能な候補として顧客を識別し、（２）顧客に関する情報や顧客に便益を提案するための１つ以上のルーチンを受け、（３）顧客がフォワード・コミットメント提案を受諾するかどうか判断し、（４）顧客がフォワード・コミットメントを結ぶと、便益を供与するようディスペンス装置１０６，１０８，１１０に信号を送り、（５）顧客がフォワード・コミットメントを実行したことを確認し、（６）契約を果たさない顧客に重大結果を課し、（７）装置の間（商人装置、ディスペンス装置、コントローラ、および／または第三者サーバの間など）の通信を容易にしまた制御し、（８）顧客、商人、第三者、ディスペンス装置、在庫、便益、フォワード・コミットメント、および／または履行に関する情報を追跡するデータベースまたはソフトウエア・オブジェクトを制御する。かかるルーチンおよびその動作の例についてはここに、特に図９に関して詳細に説明する。

或る実施の形態では、プログラム２０６の命令は周知の方法で処理してよい。例えば、命令は別のコンピュータ読取り可能な媒体（例えば、ＲＯＭまたはハード・ドライブ）からプロセッサ２００の主メモリ（例えば、ＲＡＭ）内に読み込んでよい。命令を実行すると、プロセッサ２００は命令が定義するプロセスのステップを実行する（ここに述べるように処理するなど）。別の実施の形態では、プロセスを定義するソフトウエア命令の代わりに、またはこれと組み合わせて、ハード・ワイヤード回路または集積回路を用いてよい。このように、本発明はハードウエア、ファームウエア、および／またはソフトウエアの特定の組合せに一切限定されない。

図２の実施の形態を続けると、記憶装置２０４はまた、（１）フォワード・コミットメント・データベース２０８、（２）顧客データベース２１０、（３）商人データベース２１２、および（４）ディスペンス装置データベース２１４、を記憶する。データベース２０８，２１０，２１２，２１４については後で詳細に説明する。構造の例は添付図内にサンプル項目と共に示す。当業者が理解するように、ここに提示するサンプル・データベースの略図および添付の説明は記憶された情報を表す配列の例である。ここに示す表の他に、任意の数の他の配列を用いてもよい。例えば、図には４個の別個のデータベースが示されているが、種々の実施の形態は実質的に１個、２個、３個、５個、６個、またはそれ以上の機能的に等価のデータベースを用いて実現してよい。同様に、図に示すデータベースの項目は単に情報の例を表すものである。当業者が理解するように、項目の数と内容は図に示すものと大きく異なってよい。更に、データベースを表として示したが、オブジェクト・ベースのモデルまたは他の周知のモデルを用いて、ここに述べるデータおよびデータ・タイプを記憶し、また処理してよい。同様に、オブジェクト方法または挙動を用いて、ここに述べるプロセスを実現してよい。

図３はディスペンス装置１０６の一例を示す。ディスペンス装置１０６はプロセッサ３００を含み、プロセッサ３００は通信インターフェース３０２、ディスペンス装置プログラム３０６を記憶するデータ記憶装置３０４、入力装置３０８、カード読取り装置３１０、表示画面３１２、便益ディスペンス装置３１４に結合してよい。ディスペンス装置プログラム３０６は種々の命令を含んでよい。命令は、プロセッサが実行すると、コントローラ１０２との通信および対話を容易にしまた制御し、および／またはユーザ・インターフェースを作成しまた制御して顧客との通信および対話を容易にする。

更に、ディスペンス装置１０６は他の機能を支援する追加の装置を含んでよい。例えば、ディスペンス装置１０６として機能するＡＴＭは、（１）現金を受け、数え、供与する周知のタイプの機器、（２）受領書を生成する周知のタイプの印刷装置、および／または（３）周知のタイプの機密保護カメラ、を含んでよい。別の例では、ディスペンス装置１０６として機能するゲーム装置は、（１）ゲーム管理者が証明する結果を生成しおよび／または販売する周知の機器を含んでよい。かかる周知の機器は、例えばスロット・マシン（従来のリール・スロット・マシン、ビデオ・スロット・マシン、ビデオ・ポーカ・マシン、ビデオ・キーノ・マシン、ビデオ・ブラックジャック・マシン、および／または他のタイプのゲーム機）を含んでよい。更に別の例では、ディスペンス装置１０６として機能するガソリン・ポンプは、（１）貯蔵コンテナからの燃料の流れを汲み出し、計量し、管理する周知のタイプの機器を含んでよい。更に、図３に図示する種々の装置の代わりに、多くの別の入力および出力装置を用いてよい。これらのディスペンス装置１０６の構成要素の使用については後で説明する。

１つの実施の形態では、１つ以上の便益ディスペンス装置１０６，１０８，１１０、コントローラ１０２、および／または商人装置１１２，１１４，１１６は自動販売機を含む。一般に或る実施の形態に係る自動販売機は、特に、顧客から支払いを受け、価格を管理し、品物を供与および／または配達し、および／またはサービスに対する権利を制御することにより顧客との販売取引を管理する装置を含んでよい。

或る実施の形態では、自動販売機の適当なキャビネットは周知の方法で任意の適当な材料で作ってよい。これには次のどの組合せを含んでもよいがこれらに制限されるものではない。すなわち、（１）市販の等級の鋼（例えば、室外パネルおよび室内の棚材料用）、（２）ガラスまたはプロキシグラスなどの透明な材料（例えば、品物表示窓用）、（３）ゴム（防水絶縁用）、（４）プラスチック、および／または（５）アルミニウム、を含む。種々の実施の形態に従って多くの市販の自動販売機ケーシングを用いてよい。例えば、スナック機の実施の形態では、適当なマシン・ケーシングは、ミネソタ州セントポールのオートマティック・プロダクツ・インターナショナル社（Ａｕｔｏｍａｔｉｃ Ｐｒｏｄｕｃｔｓ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ，Ｌｔｄ．）製の１２９ＳｎａｃｋＳｈｏｐを含んでよい。これは高さ１８２９ｍｍ（７２”），幅９８８ｍｍ（３８ ７／８”），奥行き８８９ｍｍ（３５”）である。他の適当なスナック・マシン・ケーシングには、オートマティック・プロダクツ社製のＡ Ｌａ Ｃａｒｔｅ（登録商標）機、およびコネティカット州スタムフォードのクレーン・マーチャンダイジング・システムズ／クレーン社（Ｃｒａｎｅ Ｍｅｒｃｈａｎｄｉｓｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍｓ／Ｃｒａｎｅ Ｃｏ．）製のＧＰＬ ＳｎａｃｋＶｅｎｄｏｒモデル＃１５９、がある。

自動販売機が飲料自動販売機である実施の形態では、サウスカロライナ州ウイリストンのディキシ・ナルコ社（Ｄｉｘｉｅ Ｎａｒｃｏ，Ｉｎｃ．）から市販されているマシン・ケーシングを用いてよい。飲料マシン・ケーシングは「クーラー」または「ガラス・フロント」スタイルのフロント・パネルを備えてよく、その特徴は顧客が販売在庫を見ることができる透明なフロント・パネル（例えば、ガラス）である。または飲料マシン・ケーシングは「バブル・フロント」スタイルのフロント・パネルを備えてよく、その特徴は装飾フロント・パネルで、自動販売機の運営に販売上関心のある製品メーカのロゴを広告するのに一般に用いられる。
クレーン社製などのスナックと飲料とを組み合わせた自動販売機の実施の形態を含めて、種々の他の自動販売機の実施の形態も考えられている。マシン・ケーシング／キャビネットの適合性に関する詳細は周知である。

周知のように、スナック・マシンの実施の形態に従って形成される自動販売機の在庫の貯蔵および分配の機能は次の１つ以上を含んでよい。すなわち、（１）駆動モータ、（２）金属棚、（３）製品引渡しシステム（例えば、シュート、製品トレイ、製品トレイ・ドアなど）、（４）二重スパイラル（すなわち、二重らせん）品物供与ロッド、（５）改装可能な（すなわち、拡張可能な）棚、および／または（６）冷却ユニット、である。オートマティック・プロダクツ製のモデル１２９ＳｎａｃｋＳｈｏｐのケーシングを用いる実施の形態では、３つの着脱可能な棚を用いて、全部で３０の製品列と、１８５から５２２の普通に販売されるスナック製品の在庫容量を有してよい。飲料マシンの実施の形態に従って形成される自動販売機の在庫の貯蔵および分配の機能は次の１つ以上を含んでよい。すなわち、（１）金属および／またはプラスチック棚、（２）品物供与アクチュエータ／モータ、（３）製品引渡しシュート、および／または（６）冷却ユニット、である。自動販売機の在庫の貯蔵および供与の機構は周知なので、ここでは更に詳細に述べない。

或る実施の形態では、自動販売機は、支払いを受け取りまた釣銭を出す１つ以上の周知の機構（硬貨受け器、紙幣確認機、カード読取り機（例えば、磁気ストライプ読取り機）、および釣銭供与機など）も含んでよい。周知の方法では、磁気ストライプ読取り機はクレジット・カードまたはデビット・カードの磁気ストライプ上のデータを読み取ってよく、また従来の売り場専用のクレジット・カード処理装置と共に従来の取引認可ネットワークを通してカード・ベースの購入を確認してよい。適当なカード・ベースの取引処理装置および方法は、例えばＵＳＡテクノロジーズ社から入手できる。

硬貨受け器、紙幣確認機、および釣銭供与機は通貨保管機（ホッパー）と通信してよく、またペンシルベニア州ウエスト・チェスタのマース社（Ｍａｒｓ，Ｉｎｃ．）のモデルＡＥ−２４００、ＭＣ５０００、ＴＲＣ２００、またはコインコ（ＣｏｉｎＣｏ）モデル９３００−Ｌなどの従来の装置で構成してよい。硬貨受け器および紙幣確認機は通貨保管機が保管する通貨を受けまた確認してよい。釣銭供与機は、適当なとき（例えば、顧客が所定の取引に必要な額を超える通貨を入れたとき）、通貨保管機から顧客に硬貨を返却する。かかる機器は周知のマルチドロップ・バス（Ｍｕｌｔｉｄｒｏｐ Ｂｕｓ）（ＭＤＢ）および／またはマイクロメック（Ｍｉｃｒｏｍｅｃｈ）周辺機能を特徴とする。

別の実施の形態では、自動販売機は顧客の無線装置（例えば、携帯電話）から直接または間接に、無線装置通信ネットワークを介して支払い許可および製品選択命令を受けてよい。かかる実施の形態では、支払い処理機構は、ここに述べるプロセッサに接続されるセルラ・トランシーバを備えてよい。携帯電話を通して自動販売機の品物の選択および支払いを行うことができるシステムおよび方法は、ペンシルベニア州ウエインのＵＳＡテクノロジーズ社から提供されている。更に、かかる実施の形態では、携帯電話はここに述べる入力出力装置として働いてよい。自動販売機支払い処理機構に関する更なる詳細は周知である。

或る実施の形態では、自動販売機は、（１）製品および／または提案の選択を示す顧客、および／または（２）自動販売機の運営者（またはその代理人）、から入力を受ける（一般に自動販売機の仕込みまたは保全のときに起こる）入力装置を含んでよい。また、自動販売機は顧客または運営者に製品または提案の情報を出力するための１つ以上の出力装置を含んでよい。入力装置および出力装置の多くの組合せを用いてよい。或る実施の形態では、自動販売機は１つ以上の入力装置を含んでよい。例えば、自動販売機は顧客の入力を受けるための外部入力装置と、運営者の入力を受けるための内部入力装置とを含んでよい。しかし或る実施の形態では、入力装置は運営者と顧客の両方から入力データを受ける二重機能性を有する。同様に、自動販売機は１つ以上の出力装置を含んでよい（例えば、ここに述べるＬＣＤ画面および複数のＬＥＤ）。しかし或る実施の形態（ここに述べるタッチ・スクリーンを特徴とするものなど）では、入力および出力の機能性は単一の装置で与えてよい。

多くのタイプの入力装置が考えられる。したがって、入力装置は次の１つ以上を備えてよい。すなわち、（１）自動販売機に入力を与えるための一組の英数字キー（プログラマブル・マスタ・メニュー（Ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ Ｍａｓｔｅｒ Ｍｅｎｕ（登録商標））キーパッドなど）、（２）セレクタ・ダイアル、（３）品物ディスペンサのそれぞれのセットに関連する一組のボタン、（４）モニタ・センサ、（５）バーコード読取り機、（６）音声認識モジュール、（７）デュアル・トーン多周波受信機／復号機、（８）無線装置（例えば、携帯電話または無線パーソナル・ディジタル・アシスタント）、および／または（９）自動販売機の設計者が通常用いる任意の他の従来の入力装置、である。
同様に、多くのタイプの出力装置が考えられる。例えば、出力装置は液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）を備えてよい。代わりにまたは追加して、出力装置は１つ以上の発光ダイオード（ＬＥＤ）ディスプレイ（例えば、製品在庫の各列の近くの、自動販売機の関連する棚の上の複数の英数字の多色または単色のＬＥＤディスプレイ）も備えてよい。

１つの実施の形態では、ＬＥＤ表示画面を自動販売機の上に取り付け（ボルトまたは他の取付けハードウエアにより）、これを用いて見込みのある顧客に提案および他のメッセージ（例えば、製品の広告）を伝えてよい。かかる実施の形態に適したＬＥＤ表示画面は、長さ６９９ｍｍ（２７．５”）、高さ１０８ｍｍ（４．２５”）、奥行き４４ｍｍ（１．７５”）のアルミニウム・ケース内に収めてよい。かかる表示画面は１３個の英数字および／または図形文字を表示できる表示面積を有してよい。更に、かかるＬＥＤ表示画面は、ここに述べるようにプロセッサと通信するためのシリアル・コンピュータ・インターフェース（ＲＪ４５／ＲＳ２３２コネクタなど）を備えてよい。更に、かかるＬＥＤディスプレイは現在および近い将来の販売促進に関するテキストおよび図形を複数の色（例えば、赤、黄、緑、黒）で出力する機能を有してよい。

更に、或る実施の形態では、出力装置はプリンタを備える。１つの実施の形態では、プリンタ（ＥＰＳＯＮ ＥＵ−Ｔ４００シリーズＫｉｏｓｋ Ｐｒｉｎｔｅｒなど）はカード・ストック・ペーパ（例えば、０．０６ｍｍから０．１５ｍｍの厚さ）上に印刷することができる。更に、プリンタは種々のタイプの紙の上に種々のフォント・サイズ（例えば、９ポイントから２４ポイントの範囲）の種々の英数字および図形記号を感熱式に行印刷する機能を有してよい。また、かかるプリンタは、ＲＳ２３２／ＩＥＥＥ１２８３４および／または双方向並列接続を介してプロセッサ（ここに述べる）と通信してよい。かかるプリンタは４ＫＢデータ・バッファを更に備えてよい。
また或る実施の形態では、出力装置は顧客に可聴情報を出力するオーディオ・モジュール（オーディオ・スピーカなど）を備える。

すでに述べたように、或る実施の形態では、タッチ・センシティブ・スクリーンを用いて入力および出力機能を行ってよい。種々の実施の形態で用いるのに適した市販のタッチ・スクリーンが、カリフォルニア州フレモントのエロ・タッチシステムズ社（Ｅｌｏ ＴｏｕｃｈＳｙｓｔｅｍｓ，Ｉｎｃ．）で製作されている（エロのＡｃｃｕＴｏｕｃｈシリーズ・タッチ・スクリーンなど）。かかるタッチ・スクリーンは、（１）グレア防止仕上げを施した第１の（例えば、最も外側の）表面硬化（ｈａｒｄ−ｓｕｒｆａｃｅ）画面層、（２）透明な導電被覆加工を施した第２の画面層、（３）均一の導電被覆加工を施したガラス基板を備える第３の画面層、を備えてよい。更に、かかるタッチ・スクリーンは所定の位置精度以内（誤差の標準偏差±２ｍｍ（０．０８０インチ）未満など）で入力を検出してよい。かかるタッチ・スクリーンの感度分解能は１３インチのタッチ・スクリーンで１５，０００タッチ・ポイント／ｃｍ²（１００，０００タッチ・ポイント／ｉｎ²）を超えてよい。かかるタッチ・スクリーンでは、タッチ・スクリーンを介してプロセッサ（ここに述べる）に入力信号を与えるのに必要なタッチ起動力は一般に５７ｇから１１３ｇ（２オンスから４オンス）である。また、種々の実施の形態で用いられるタッチ・スクリーンは環境的ストレス（水、湿度、化学物質、静電エネルギー、など）に耐えることができる。タッチ・スクリーンのこれらの動作の詳細（例えば、駆動電流、信号電流、容量、開回路抵抗、閉回路抵抗など）はこの技術で周知なのでここでは更に詳細には述べない。

図４は商人装置１１２の一例を示す。商人装置１１２はプロセッサ４００を含み、プロセッサ４００は通信ポート４０２、商人装置プログラム４０６を記憶するデータ記憶装置４０４、および入力装置４０８に結合してよい。商人装置プログラム４０６は、コントローラ１０２との通信および対話を容易にしまた制御する１つ以上のルーチンと、商人または商人の計算装置との通信および対話を容易にするユーザ・インターフェースとを含んでよい。商人装置は任意の数の装置（例えば、プロセッサ・ベースのキャッシュ・レジスタ、電話、ＩＶＲシステム、携帯電話／無線電話、自動販売機、ページャ、パーソナル・コンピュータ、ポータブル・コンピュータ（ラップトップ、ウエアラブル・コンピュータ、パームトップ・コンピュータ、ハンドヘルド・コンピュータ、ＰＤＡなど）、および／またはこれらの装置の一部または全ての機能を組み合わせた装置（例えば、ハンドスプリング（Ｈａｎｄｓｐｒｉｎｇ（登録商標））によるトレオ（Ｔｒｅｏ（登録商標））など）で実現してよい。

データベース
図２の実施の形態の例では記憶装置２０４内に４個の特定のデータベースが記憶されている例を示したが、他のデータベース配列を用いてもよい。言い換えると、図２に示した４個の特定のデータベースではなく、任意の数の異なるデータベース・ファイルまたはデータ構造を用いて種々の実施の形態を実現してよい。更に個別のデータベース・ファイルを複数のサーバ（例えば、異なる地理的位置の異なる記憶装置上にあるもの（第三者サーバ１１８など））上に記憶してよい。同様に、プログラム２０６も記憶装置２０４から離れてあり、および／または他のサーバ上にあってよい。上に示したように、或る実施の形態に係るプログラム２０６は、種々の方法を行う必要に応じてデータベース２０８，２１０，２１２，２１４内のデータを検索し、処理し、また記憶するための命令を含む。

１．フォワード・コミットメント・データベース
図５は、或る実施の形態に係るフォワード・コミットメント・データベース２０８の或る実施の形態の表にした表現を示す。フォワード・コミットメント・データベース２０８のこの特定の表にした表現は見本サンプル・レコードまたは項目を含み、それぞれは特定のフォワード・コミットメント契約または特定のタイプのフォワード・コミットメント契約に関する情報を含む。かかるフォワード・コミットメント・データベース２０８は任意の数の項目を含んでよい。或る実施の形態では、フォワード・コミットメント・データベース２０８は、フォワード・コミットメント、目標の顧客または望ましい顧客の特徴、便益、およびフォワード・コミットメントを実行するための要件などを記録し／追跡し／分析するのに用いられる。

図５に示すフォワード・コミットメント・データベース２０８のこの特定の表にした表現は項目またはレコード毎に多数のフィールドを定義する。フィールドは次のものを含んでよい。すなわち、（１）フォワード・コミットメント契約をユニークに識別する表現（例えば、英数字のシーケンス）を記憶する、フォワード・コミットメント識別子フィールド５００、（２）フォワード・コミットメント契約に関連するフォワード・コミットメントの記述の表現を記憶する、フォワード・コミットメント・フィールド５０２、（３）商人が顧客に望む特性の記述の表現を記憶する、望ましい顧客特性フィールド５０４、（４）コミットメント契約に関連する便益の記述の表現を記憶する、便益フィールド５０６、（５）フォワード・コミットメントが実行されたことを証明するのに必要なものの記述の表現を記憶する、必要な証拠フィールド５０８、（６）商人が提案したい残りのフォワード・コミットメント契約の数の記述の表現を記憶する、「残りの提案の数」フィールド５１０、および（７）フォワード・コミットメント契約を提案する商人をユニークに識別する表現を記憶する、商人識別子フィールド５１２、である。

図５に示すフォワード・コミットメント・データベースの例は、このデータベースの実施の形態で記憶する情報の意味を示すデータの例を提供する。フォワード・コミットメント識別子フィールド５００（例えば、「１２５６１Ｆ」、「４２５６４Ｆ」）は、フォワード・コミットメント・データベース２０８の項目により定義されるフォワード・コミットメント契約を識別し索引を付けるのに用いてよい。フォワード・コミットメントの２つの例が２つの図示された項目により定義されており、各項目のそれぞれのフォワード・コミットメント・フィールド５０２に対応するそれぞれのデータにより記述されている。第１の記述、「ビルのボルボ・ディーラで来週ボルボの新車のテスト・ドライブを行うことに同意する」は、見本で製品を試すフォワード・コミットメントの一例である。第２の記述、「メイン・ストリート・タキシード・レンタルで１２月の最後の３週間タキシードを借りることに同意する」は、製品を借りるフォワード・コミットメントの一例である。図５に示す項目の２つの例は期間の要件（すなわち、「来週」、「１２月の最後の３週間」）を含む。したがってどちらの場合も、或る日限までにコミットメントが実行されない場合は、コントローラまたは他の装置は顧客がフォワード・コミットメント契約を破ったと判断して、重大結果を課してよい。望ましい顧客特性フィールド５０４は商人が接触したい顧客のタイプの例を示し、便益フィールド５０６は商人がそうするのに支出したいと思う金額（例えば、顧客当たりの）を示す。

第１のサンプル項目で、第１の記載されたフォワード・コミットメント契約を提案した商人（ビルのボルボ・ディーラで、商人識別子５１２は「９７８Ｍ」）は、「高級車の所有者」がボルボの新車のテスト・ドライブをしてもらうのに２０．００ドルかかってよいと判断した。必要な証拠フィールド５０８は、顧客がフォワード・コミットメントを実行したか、および／またはそれはいつかをビルのボルボ・ディーラがシステム１００に確認することを示す。「残りの提案の数」フィールド５１０は、ビルのボルボ・ディーラがこのフォワード・コミットメント契約を別の２１人の高級車の所有者に提案したいことを示す。他方で、商人はかかる制限を有しないか、または他の情報（例えば、過去の提案の承諾率に部分的に基づいて計算された）に基づいて決定される制限を有してよい。

図５に示す第２の例では、第２の記載されたフォワード・コミットメント契約を提案する商人（メイン・ストリート・タキシード・レンタルで、商人識別子５１２は「１３５Ｍ」）は、「大会社の社員」がタキシードを１２月末まで借りるのにスロット・トークンで４０．００ドルかかってよいと判断した。必要な証拠フィールド５０８は、顧客がフォワード・コミットメントを実行したことをシステム１００に証明するのにメイン・ストリート・タキシード・レンタルからの領収書が必要であることを示す。「残りの提案の数」フィールド５１０は、メイン・ストリート・タキシード・レンタルがこのフォワード・コミットメント契約を別の６人の大会社の社員に提案したいことを示す。別の実施の形態では、「残りの提案の数」フィールド５１０の代わりに、またはこれに加えて、特定のフォワード・コミットメント契約で使ってよい残りの金額（販売促進費またはマーケティング費）を追跡する「予算」フィールドを用いてよい。商人はかかる予算フィールドを用いるのにフォワード・コミットメント契約当たりのコストを定義してよい。

別の実施の形態では、フォワード・コミットメント・データベースは顧客に出される可能性のある提案毎に別個のレコードを記憶してよい。したがって、各別個のレコードをユニークなフォワード・コミットメント識別子で表示し、各レコードは１という「残りの提案の数」を有してよい。かかる実施の形態が有用なのは、顧客が商人装置１１２，１１４，１１６、および／またはコントローラ１０２と通信するユーザ装置を通してフォワード・コミットメント提案を受けて受諾する実施の形態においてである。なぜなら、かかる顧客は、フォワード・コミットメント提案を受諾すると対応するフォワード・コミットメント識別子を受けるからである。フォワード・コミットメント識別子を発行すると、商人装置１１２，１１４，１１６、および／またはコントローラ１０２は「対応するレコードの残りの提案の数」を１にセットしてよく、また顧客はこのフォワード・コミットメント識別子を便益ディスペンス装置（自動販売機など）に提示してよい。

次に便益ディスペンス装置は提示されたフォワード・コミットメント識別子が有効かどうかを、ローカルまたはリモート・データベースに質問することにより、および／または商人装置１１２，１１４，１１６および／またはコントローラ１１２に許可質問を提出することにより、判定する。フォワード・コミットメント識別子を確認した後、便益ディスペンス装置は便益を供与（飲料販売機から炭酸飲料を、またはスナック販売機からスナックを、など）してよい。更に、便益ディスペンス装置から便益が実行された後、便益ディスペンス装置１０６，１０８，１１０、コントローラ１１２、および／または商人装置１１２，１１４，１１６は商人データベース（例えば、図７参照）を更新して、便益ディスペンス装置から供与された便益と、商人が便益ディスペンス装置の運営者に支払う義務がある金額とを反映する。

２．顧客データベース
図６は顧客データベース２１０の或る実施の形態の表にした表現を示す。顧客データベース２１０のこの表にした表現は、或る顧客に関する情報をそれぞれ含む２つのサンプル・レコードまたは項目を含む。或る実施の形態では、顧客データベース２１０は、顧客情報（顧客名、金融口座情報、人口統計（ｄｅｍｏｇｒａｐｈｉｃ）記述、受諾されたフォワード・コミットメント契約、およびその実行状態など）を追跡するのに用いてよい。顧客データベース２１０は任意の数の項目を含んでよい。

図６に示す顧客データベース２１０のこの特定の表にした表現は、項目またはレコード毎に多数のフィールドを定義する。フィールドは次のものを含んでよい。すなわち、（１）或る顧客をユニークに識別する表現を記憶する、顧客識別子フィールド６００、（２）顧客名の表現を記憶する、名前フィールド６０２、（３）顧客がフォワード・コミットメント契約を履行しない（例えば、要求された期間内に実行しない）場合に請求してよい金融口座を識別する銀行口座番号、クレジット・カード口座番号、または他の金融口座識別子の表現を記憶する、金融口座識別子フィールド６０４、（４）フォワード・コミットメント契約を提案してよい望ましい特性を持つ顧客を識別するための顧客の人口統計特性の記述の表現を記憶する、人口統計フィールド６０６、（５）顧客に関する追加の情報（これもフォワード・コミットメント契約を提案してよい望ましい特性を持つ顧客を識別するためのもの）の記述の表現を記憶する、「その他の情報」フィールド６０８、（６）顧客がフォワード・コミットメント識別子５００の形で結んだフォワード・コミットメント契約の表現を記憶する、フォワード・コミットメント・フィールド６１０、および（７）コミットメントの現在の実行状態（実行、不実行、不履行）の表現を記憶する、状態フィールド６１２、である。

金融口座識別子フィールド６０４は通貨または金銭を引き出してよい口座の他の種々のタイプの金融口座を識別してよい。例えば、金融口座識別子フィールド６０４は供与し（例えば、無料で）および／または回収してよい製品のユニットの数を定義する口座を識別してよい。かかる口座で借りたり貸したりすることは、単位の数を増減し、製品のタイプを変更し、製品を供与／回収してよい時期を変更することを含んでよい。かかる口座により、顧客は、例えば自動販売機製品への「予約」の一部として時間に従って製品のユニットを回収することができる。自動販売機で売られる項目への予約を確立しまた管理するためのシステムおよび方法は次の通りであって、それぞれをここに援用する。すなわち、（ａ）米国特許第６，２９８，９７２号、「自動販売機の予約を確立しまた管理するための方法および機器（ＭＥＴＨＯＤ ＡＮＤ ＡＰＰＡＲＡＴＵＳ ＦＯＲ ＥＳＴＡＢＬＩＳＨＩＮＧ ＡＮＤ ＭＡＮＡＧＩＮＧ ＶＥＮＤＩＮＧ ＭＡＣＨＩＮＥ ＳＵＢＳＣＲＩＰＴＩＯＮＳ）」、２００１年１０月９日発行、（ｂ）米国特許第６，０８５，８８８号、「自動販売機の予約を確立しまた管理するための方法および機器（ＭＥＴＨＯＤ ＡＮＤ ＡＰＰＡＲＡＴＵＳ ＦＯＲ ＥＳＴＡＢＬＩＳＨＩＮＧ ＡＮＤ ＭＡＮＡＧＩＮＧ ＶＥＮＤＩＮＧ ＭＡＣＨＩＮＥ ＳＵＢＳＣＲＩＰＴＩＯＮＳ）」、２０００年７月１１日発行、（ｃ）米国特許第５，９８８，３４６号、「自動販売機の予約を確立しまた管理するための方法および機器（ＭＥＴＨＯＤ ＡＮＤ ＡＰＰＡＲＡＴＵＳ ＦＯＲ ＥＳＴＡＢＬＩＳＨＩＮＧ ＡＮＤ ＭＡＮＡＧＩＮＧ ＶＥＮＤＩＮＧ ＭＡＣＨＩＮＥ ＳＵＢＳＣＲＩＰＴＩＯＮＳ）」、１９９９年１１月２３日発行、および（ｄ）ＰＣＴ出願第ＵＳ２００４／０４１５６１号、「自動販売機の顧客と多重取引関係を確立するための製品およびプロセス（ＰＲＯＤＵＣＴＳ ＡＮＤ ＰＲＯＣＥＳＳＥＳ ＦＯＲ ＥＳＴＡＢＬＩＳＨＩＮＧ ＭＵＬＴＩ−ＴＲＡＮＳＡＣＴＩＯＮ ＲＥＬＡＴＩＯＮＳＨＩＰＳ ＷＩＴＨ ＣＵＳＴＯＭＥＲＳ ＯＦ ＶＥＮＤＩＮＧ ＭＡＣＨＩＮＥＳ）」、２００４年１２月９日出願、である。

図６の顧客データベース２１０の例は、このデータベースの実施の形態で記憶する情報の意味を示すデータの例を提供する。顧客識別子６００（すなわち、１１１１２３Ｃ、２２２２３４Ｃ）はフォワード・コミットメント契約を結んだ顧客を識別しまた索引を付けるのに用いてよい。
１つの実施の形態では、顧客識別子は、電話番号（例えば、顧客の携帯電話の）などの顧客の連絡情報を含み、または定義する。このように、顧客が携帯電話などのユーザ装置を介してフォワード・コミットメント提案を受けて受諾する実施の形態では、顧客の電話番号を記録しまた後で参照して、例えば状態フィールド６１２に示されている顧客の実行状態に基づいて、顧客が別のフォワード・コミットメントを受けてはならないかどうか判断してよい。例えば、顧客は自分の携帯電話を用いて、例えばコントローラ、便益ディスペンス装置、および／または商人装置に関連する電話番号（例えば、かかってきた電話を受ける電話番号）に、フォワード・コミットメント提案を受けおよび／または受諾するつもりで電話を掛けてよい。コントローラ、便益ディスペンス装置、および／または商人装置が、顧客の電話番号とその電話番号により正しい電話を受けたかどうかとに基づいて、顧客が前に受諾したフォワード・コミットメント提案を実行しなかったと判断した場合は、その顧客に１つ以上の追加のフォワード・コミットメントを提案しないことがある。

１つの実施の形態では、顧客識別子は、指紋を定義する情報、指紋の走査から得られる情報、および／または指紋が「一致する」と決定してよい情報（それが別の指紋とも一致する場合でも）を含む。例えば、顧客識別子は定義する情報を含んでよい。
例えば、顧客識別子は、（１）顧客の指から指紋を走査しまた（２）指紋を表すデータを生成した（かかるデータは必ずしも指紋をユニークに識別しなくてよい）指紋読取り機から受けたデータを含んでよい。かかる指紋読取り機は自動販売機の入力装置でよく、また例えば顧客が登録するプロセス中に指紋を走査して後で識別してよい。
次に、指紋読取り機を用いて顧客を識別するとき、指紋読取り機はその顧客の指から指紋を走査し、その指紋を表すデータを生成し、記憶された指紋データ（例えば、記憶されている顧客識別子）のどれかとそのデータとが一致するかどうか判断してよい。

１つの実施の形態では、適当な指紋読取り機は富士通ＭＢＦ２００スキャナを含む。これは台湾の台北のタコマ・テクノロジー社（Ｔａｃｏｍａ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，Ｉｎｃ．）と、日本の東京の富士通マイクロエレクトロニクス・アメリカ社（Ｆｊｉｔｓｕ Ｍｉｃｒｏｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｓ Ａｍｅｒｉｃａ，Ｉｎｃ．）で製作されている。富士通ＭＢＦ２００は、５００ｄｐｉの解像度、１２．８ｘ１５ｍｍ（０．５”ｘ０．６”）の画像捕捉面積、および６０ｘ４０ｘ１５ｍｍ（２．４”ｘ１．６”ｘ０．６”）のユニット・サイズを提供する。富士通ＭＢＦ２００はＵＳＢインターフェースなどのインターフェースを通してプロセッサ（例えば、自動販売機の）と通信してよい。富士通ＭＢＦ２００は、自動販売機がリナックス・ベースのオペレーティング・システムにより命令される実施の形態で望ましい。富士通ＭＢＦ２００を特徴とする実施の形態では、周知の指紋一致ソフトウエアを用いてよい。指紋一致ソフトウエアの例として、リトアニア国ビルヌルス（Ｖｉｌｎｌｕｓ）のニューロテクノロジア社（Ｎｅｕｒｏｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｊａ，Ｌｔｄ．）製のＶｅｒｉＦｉｎｇｅｒ４．２がある。

本発明で用いるのに適した別の指紋読取り機として、フロリダ州メルボルンのオーセンテック社（ＡｕｔｈｅｎＴｅｃ，Ｉｎｃ．）製のＡＦ−Ｓ２ ＦｉｎｇｅｒＬｏｃがある。ＡＦ−Ｓ２ ＦｉｎｇｅｒＬｏｃは、２５０ｄｐｉの解像度、１３ｘ１３ｍｍ（０．５１”ｘ０．５１”）の画像捕捉面積、および２４ｘ２４ｘ３．５ｍｍ（０．９４”ｘ０．９４”ｘ０．１４”）のユニット・サイズを提供する。ＡＦ−Ｓ２ ＦｉｎｇｅｒＬｏｃは、ＵＳＢインターフェースなどのインターフェースを通して自動販売機のプロセッサと通信してよい。富士通ＭＢＦ２００は、自動販売機がマイクロソフト・ウインドウズ（Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔ（登録商標）Ｗｉｎｄｏｗｓ（登録商標））ベースのオペレーティング・システムにより命令される実施の形態で望ましい。ＡＦ−Ｓ２ ＦｉｎｇｅｒＬｏｃを特徴とする実施の形態では、ＶｅｒｉＦｉｎｇｅｒ４．２などの指紋一致ソフトウエアを用いてよい。

１つの実施の形態では、顧客識別子は他のバイオメトリック情報（網膜パターンまたは音声プリントに関係する情報など）を含む。同様に、適当な入力装置（例えば、網膜スキャナ、マイクロホン）および適当なソフトウエアにより、かかるバイオメトリック情報を顧客識別子として（完全にまたは部分的に）用いるのが容易になろう。
第１のサンプル項目は、クレジット・カード口座番号「１１１１−１１１１−１１１１−１１１１」を有し、「男性、３３歳」である「サム・ブラウン」という名の顧客を記述する。この人は「歯科医、既婚、２児の父親、（および）、趣味は釣り」である。フォワード・コミットメント・フィールド６１０および状態フィールド６１２によると、サム・ブラウンは２つのフォワード・コミットメント契約「８８８８８Ｆ」および「９９９９９Ｆ」を結んでおり、第１の契約は実行したが第２の契約はまだ実行していない。
第２のサンプル項目は、クレジット・カード口座番号「２２２２−２２２２−２２２２−２２２２」を有し、「女性、４７歳」である「リンダ・ジョーンズ」という名の顧客を記述する。この人は「学生、衣服のショッピングが好き、（および）コルベットの所有者」である。フォワード・コミットメント・フィールド６１０および状態フィールド６１２によると、リンダ・ジョーンズは１つのフォワード・コミットメント契約「１１１１Ｆ」を結んでおり、義務の履行を怠った。

３．商人データベース
次に図７は、或る実施の形態に係る商人データベース２１２の或る実施の形態の表にした表現を示す。商人データベース２１２のこの表にした表現は２つのサンプル・レコードまたは項目を含み、それぞれ或る商人に関する情報を含む。或る実施の形態では、商人データベース２１２は、商人に関する情報（例えば、その商人の金融口座を識別しまたは関係する情報、その商人の代わりに顧客に提供した便益について商人が支払う義務のある金額）を記録し、処理し、および／または追跡するのに用いられる。かかる商人データベース２１２は任意の数の項目を含んでよい。

図７に示す商人データベース２１２の表にした表現は項目またはレコード毎に多数のフィールドを定義する。フィールドは次のものを含んでよい。すなわち（１）商人をユニークに識別する表現を記憶する、商人識別子フィールド７００、（２）顧客に便益を提供するために商人に請求するための銀行口座、クレジット・カード口座、または他の金融口座の番号の表現を記憶する、金融口座識別子フィールド７０２、および（３）商人が支払う義務のある金額（例えば、顧客に便益を提供するために）の表現を記憶する、支払い義務金額フィールド７０４、である。

図７の商人データベース２１２の例は、このデータベースの実施の形態内に記憶する情報の意味を示すデータの例を与える。商人識別子フィールド７００（例えば、２５１Ｍ、６９３Ｍ）は、商人データベース２１２内に記載された異なる商人を識別しまた索引を付けるのに用いてよい。このレコードは、与えられるサービス（すなわち、新しい顧客を与え、また便益を提供する）について商人に請求書を送りまたは実際に請求するのを容易にするために指定してよい金融口座識別子（口座番号、例えば、「３３３３−３３３３−３３３３−３３３３」、「４４４４−４４４４−４４４４−４４４４」で表される）を含んでよい。最後に、このレコードは、商人に与えられるサービスについて商人が支払う義務のある金額（例えば、「４５００ドル」、「２４２０ドル」）などの清算情報を記憶してよい。他の実施の形態では、或る商人について、異なる活動のために支払う義務のある金額や、支払いを行いまたは支払いを受けるための異なる口座を、他のフィールドを用いて記録し、処理し、および／または追跡してよい。

４．ディスペンス装置データベース
図８はディスペンス装置データベース２１４の或る実施の形態の表にした表現を示す。ディスペンス装置データベース２１４のこの表にした表現は、それぞれが或る便益ディスペンス装置に関する情報を含む３つのサンプル・レコードまたは項目を含む。或る実施の形態では、ディスペンス装置データベース２１４は、各便益ディスペンス装置のタイプおよび位置などを記録し、処理し、および／または追跡するのに用いてよい。当業者が理解するように、ディスペンス装置データベース２１４は任意の数の項目を含んでよい。

或る実施の形態では、ディスペンス装置データベースは自動販売機などの１つ以上の便益ディスペンス装置との通信に必要なまたは望ましい通信アドレスまたは他の情報を含んでよい。例えば、ディスペンス装置データベース内に記載された自動販売機毎に、インターネット・プロトコル（ＩＰ）アドレス、ネットワーク・アドレス、電話番号、電子メール・アドレスなどを記憶してよい。コントローラ１０２および／または商人装置１１２，１１４，１１６はかかる通信アドレスにアクセスして、例えばコントローラ１０２および／または商人装置１１２，１１４，１１６と通信するユーザ装置を通して顧客がフォワード・コミットメント提案を受諾すると、例えば、供与要求または命令を１つ以上のディスペンス装置（自動販売機など）に送り、および／または送信してよい。

図８に示すディスペンス装置データベース２１４のこの表にした表現は項目またはレコード毎に多数のフィールドを定義する。フィールドは次のものを含んでよい。すなわち（１）少なくとも１つの便益ディスペンス装置をユニークに識別する表現を記憶する、ディスペンス装置識別子フィールド８００、（２）ディスペンス装置が現在設置されている位置を識別する表現を記憶する、位置フィールド８０２、および（３）ディスペンス装置が有してよい追加の機能を記述する表現を記憶する、装置のタイプ・フィールド８０４、である。ディスペンス装置が現在設置されている位置を識別する表現は、主として人が読むため（例えば、読む人に知らせるため）、および／または機械が解釈するため（例えば、別のデータベースまたはプログラムに入りやすくするため、補充のための配送経路を計画するプログラムなどのプログラムで処理しやすくするため）の情報を含んでよい。

図８のディスペンス装置データベース２１４の例はこのデータベースの実施の形態内に記憶する情報の意味を示すデータの例を与える。ディスペンス装置識別子８００（例えば、１１１１Ｄ、２２２２Ｄ、１２３４Ｄ）は、ディスペンス装置データベース２１４内に記載された異なるディスペンス装置を識別しまた索引を付けるのに用いてよい。位置フィールド８０２および装置のタイプ・フィールド８０４は、商人が例えば顧客を獲得したい場所を選ぶことを決定するのに用いることのできる記述を与えてよい。第１のサンプル項目では、位置情報はＡＴＭディスペンス装置が街の交差点にあることを示す。第２のサンプル項目では、位置情報はコーラの自動販売機ディスペンス装置が中心街のビルの中にあることを示す。第３のサンプル項目では、位置情報はスロット・マシン・ディスペンス装置がカジノのビル内にあることを示す。

種々の実施の形態の利点は、異なる位置にあるこのような異なるタイプのディスペンス装置により、異なる動機および義務を持つ異なるタイプの顧客に商人がアクセスできることである。更に、異なるディスペンス装置は種々の評価基準に従う異なる便益を与えてよい。例えば、繁華街のビルの中のコーラの自動販売機ディスペンス装置は近くの食品店で昼食を買いたいと思うサラリーマンに無料の炭酸飲料を提供してよく、またスロット・マシン・ディスペンス装置は現在の宿の選択をカジノのホテルに切り換えたいと思う行楽客に無料の娯楽を提供してよい。

プロセス
ハードウエア構成要素およびデータベースを含む上に説明したシステムは、種々の実施の形態の種々の方法を実行するのに有用であり適当である。しかし、方法のどれかを実行するのに上に述べた全ての構成要素およびデータベースが必要ではない。実際に或る実施の形態では、種々の実施の形態の種々の方法を実行するのに上に述べた構成要素のどれも用いる必要はない。例えば、上に述べた顧客データベース２１０は顧客と顧客に関する情報とを追跡するのには有用であるが、ここに述べる方法を実行するのに、かかるデータベースを持つ必要は全くない。ここに述べる方法は、代わりに、例えば取引記録に関する従来の顧客リストを用いて行うこともできる。

図９は、例えば、コントローラ１０２（図１Ａおよび図１Ｂ）、第三者、および／または統合された第三者エンティティ／装置（第三者サーバ１１８など）が、実行してよい実施の形態に係るプロセスの例を示す。簡単のために、図９のプロセスの例は、コントローラが行うものとして以下に述べる。
図９のステップＳ１で、システムは便益ディスペンス装置の近くにいる顧客を識別する。ステップＳ２で、顧客に関する情報を受ける。ステップＳ３で、顧客にフォワード・コミットメント提案を行う。ステップＳ４で、顧客がフォワード・コミットメント提案を受諾したかどうかの表示を受ける。ステップＳ５で、顧客が提案を受諾した場合は、便益ディスペンス装置は顧客に便益を提供する。ステップＳ６で、顧客がコミットメントを実行したしたかどうか判断し、ステップＳ７で、顧客がコミットメントを実行しなかった場合は重大結果を課す。
以下に、これら７つのステップＳ１からＳ７について詳細に説明する。

Ｓ１．便益ディスペンス装置の近くにいる顧客を識別する
ステップＳ１で、ディスペンス装置１０６の近くにいる顧客をフォワード・コミットメント契約の可能な候補者と認識する。或る実施の形態では、ディスペンス装置１０６は、顧客に属するカードを受けることにより近くにいる顧客を認識する。カードは、例えば金融口座（例えば、クレジット・カード、デビット・カード、ＡＴＭカード）、プレーヤ・トラッキング・カード、得意客カード、前払い口座カード（例えば、顧客が自動販売機製品の前払いをして、後でその製品を受け取ることができるカード）に対応するカードでよい。

便益ディスペンス装置１０６は、顧客と装置との取引または対話から顧客を認識してよい。例えば、自動販売機は硬貨が投入されて飲料が選択されたことを感知する。顧客はボタンを押して、自分が便益ディスペンス装置１０６の前にいることを示してよい。また、音声認識、赤外線検出、動き検出、画像認識、および他の周知の方法を用いて顧客を識別してよい。或る実施の形態では、便益ディスペンス装置１０６の関係者が人を識別して、顧客が便益ディスペンス装置１０６に近づいたときに便益ディスペンス装置１０６に知らせてよい。別の実施の形態では、顧客のＰＤＡ、携帯電話、または他の装置が、例えば無線プロトコル（例えば、ブルートゥース（Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（商標））を用いて、またはディスペンス装置が他の方法で顧客の装置を検出することにより（例えば、ＲＦＩＤトランシーバにより、顧客の携帯電話のユニークなＲＦ署名を検出することにより）、顧客が近づいたことを便益ディスペンス装置１０６に知らせてよい。
識別すると、例えば図６の顧客データベース２１０などのデータベース内に顧客の識別情報を記憶してよい。

Ｓ２．顧客に関する情報を受ける
ステップＳ２で、システム１００は顧客に関する情報を受けて、フォワード・コミットメントが顧客に受諾されるか、また受諾される場合はどのタイプのフォワード・コミットメント提案が適当かを決定する。
或る実施の形態では、顧客に関する情報は便益ディスペンス装置１０６の入力装置３０８および／またはカード読取り機３１０を介して受ける。別の実施の形態では、顧客に関する情報はユーザ装置から直接または間接に（例えば、電話会社のネットワーク、ルータ、スイッチ、サーバなどを介して）受ける。例えば、コントローラ１０２は周知の方法で自動番号識別（ＡＮＩ）技術を用いて顧客の（携帯）電話番号を受けて解釈してよい。

或る実施の形態では、システム１００は顧客に関する情報を、自分のデータベースから、および／または例えば信用調査機関などの第三者が保持する他のオンライン・データベースから、検索してよい。或る実施の形態では、この情報は顧客にフォワード・コミットメント提案を行うことが適当かどうか判断するのに有用である。例えば、１つの実施の形態では、前にフォワード・コミットメント提案を受諾したが契約の条件を実行しなかった顧客を識別して、追加の提案を受けさせないよう指定してよい。または、或るフォワード・コミットメント提案を前に受諾した／前に拒否した顧客は、将来／所定の期間内は（例えば、かかる前の受諾、前の拒否の１ヶ月以内は）同じまたは同様の提案を受ける資格がないと指定してよい。
更に、或る実施の形態では、顧客情報は顧客に魅力のありそうな便益を決定するのにも有用である。顧客の現在の義務は、顧客がすでにしようと計画していることを見抜くのに有用であり、したがって顧客が受諾しそうなフォワード・コミットメントを識別するのに役に立つ。

種々の実施の形態では、顧客の現在の義務は顧客が実行するのに何らかの圧力を感じそうな活動を説明する。圧力は物理的な必要性から来ることがある。例えば、顧客は結局食べたり眠ったりしなければならない。義務は社会的圧力から起こることがある。家を離れた顧客はホテルに泊まらなければならない。義務は、金融的圧力から、仲間の圧力から、約束をしたことから、道徳的義務から、恐怖から、自尊心から、も起こる。一般的な顧客の義務は、レストランで食事する、目的地に飛ぶ、車にガソリンを入れる、車のオイルを交換する、車のバンパーのへこみを修理する、当座預金口座を開く、新しいクレジット・カードを取得する、毎年健康診断を受ける、シリアルを買う、夜ホテルに泊まる、子どもをサマー・キャンプに送る、ベビーシッタを見つける、シャツを修繕する、芝刈りサービスを頼む、調髪する、所得申告をする、ペットを予防接種に連れて行く、などを含んでよい。
義務に加えて、顧客は便益ディスペンス装置１０６に１つ以上の関心のある意図を示してよい。例えば、そうしなければならないかどうかは別として、顧客は休暇をとる意図を示してよい。

催促されて、または自分の意思で、顧客は自分の義務および／または意図をディスペンス装置１０６に伝えてよい。伝えるには、キー、タッチ・スクリーン、音声入力、無線技術、または任意の他の方法により行ってよい。また顧客は義務の証明または証拠（或る人の名前のホテルの予約を確認するコードなど）を伝えてよい。顧客は更に、他の個人的情報（名前、人口統計記述、住所、購入履歴、趣味、職業など）を伝えてよい。かかる情報はどれも、例えば図６に示した顧客データベース２１０などのデータベース内に記憶してよい。

顧客に関する情報を得るとき、ディスペンス装置は顧客を調査してよい。調査は、前の質問への回答に基づいて新しい質問を決定するという「対話型」でよい。調査は、顧客がフォワード・コミットメントに適当か不適当かを判断するのに役立つ顧客の特徴を引き出すように計画してよい。例えば、顧客が第１の質問に対してメルセデスの所有者であると答えた場合は、第２の質問は顧客が或る高級車ディーラの近くに住んでいるかどうか尋ねてよい。このようにして、或る顧客を、或るディーラでアウディ（Ａｕｄｉ（登録商標））の新車のテスト・ドライブを必要とするフォワード・コミットメントの候補者として調べてよい。

顧客はＰＤＡなどのユーザ装置上に義務を記録してよい。顧客の予約表、住所録、および／または買い物リストなどと同様に、これはかかる装置を普段通りに使用するときに行ってよい。予約表は必ずしも予約自体を含まず、例えば友人の誕生日の通知を、カードまたはギフトを買う備忘メモと共に含んでよい。かかる義務に、ユーザ装置と通信するディスペンス装置１０６を介してコントローラ１０２（および／または第三者サーバ１１８）がアクセスしてよい。例えば、顧客が自分のＰＤＡに「５月２１日午後３時にウールワース・ビルでジャンと会う」という約束を記入して、顧客がＡＴＭタイプのディスペンス装置１０６に対して自分のＰＤＡのデータにアクセスする許可を与える場合は、顧客のＰＤＡはその約束データを、例えば赤外線送信によりＡＴＭディスペンス装置１０６に送ってよい。次にＡＴＭディスペンス装置１０６はこの約束情報をコントローラ１０２に送ってよい。種々の方法の他のステップに関して後で説明するが、運営者および／またはコンピュータ・プログラム２０６はコントローラ１０２が受けた約束データの意味を解釈してよい。約束データを考慮して、コントローラ１０２はＡＴＭを介してフォワード・コミットメント契約を顧客に提示してよく、これにより顧客は５月２１日に或るタクシー会社を用いてウールワース・ビルに行くと約束することを選んでよい。

或る実施の形態では、顧客はコントローラに自分の意図および／または義務を知らせるために自分の意図および／または義務を自分のユーザ装置上に明確に記録してよい。これは、意図および／または義務の記録が顧客自身のメモとして働かない場合でもよい。
このように、顧客の義務、意図、および他の情報に関する情報を受けることにより、システム１００は或る顧客に合った便益を提供し、また顧客が受諾する気になりそうなコミットメントを決定することができる。

Ｓ３．フォワード・コミットメント契約を顧客に提示する
ステップＳ３で、コントローラ１０２（および／または第三者サーバ１１８）は、ディスペンス装置１０６および／またはユーザ装置を介して顧客にフォワード・コミットメント提案として提示する便益、フォワード・コミットメント、および、随意であるが、重大結果を決定する。
（１）顧客に関する情報に基づいて便益を識別する
便益は次のものの提供を含んでよい。すなわち、現金、株式、オプション、ギャンブリング・トークン、スタンプ、チケット、消耗品（例えば、スナック、キャンディ、炭酸飲料、ボトル詰めの水、アイス・ティー）、玩具、他の製品、サービス、保険証券、名誉称号、などである。製品は情報の形でよく、例えばオーディオおよび／またはビデオ記録、運転指示、人の体重、顧客の携帯電話の呼び出し音などでよい。音楽ビデオなどの娯楽製品はディスペンス装置１０６の出力装置を通して直接表示し、または２進形式で顧客のユーザ装置（ＰＤＡまたは携帯電話）に転送してよい。便益は製品の追加物または「付加価値（ｕｐｓｅｌｌｓ）」（保証書など）を含んでよい。サービスは衣類の洗濯や洗車などを含んでよい。或る実施の形態では、便益を識別することは、そもそも便益を提供するかどうかを決定することを含む。

特にゲーム装置タイプのディスペンス装置では、便益は次のものの提供を含んでよい。すなわち、現金、クレジット、ギャンブリング・トークン、リワード・ポイント、キャッシュレス・ギャンブリング・レシート、高い勝つ確率、高い賞金表、負けに備えた保険、高額機を使って小さな金額でプレーする能力、マルチ・スロット・マシンで追加のスロットを無料で使用すること、無料でプレーするのを許可されること、儲けを上のレベルに丸めまたは調整（例えば、８５ドルを丸めて１００ドルに）してもらうこと、スロット・マシンでエキストラ・プライズ・ウイニング・シンボルを可能にすること、スロット・マシンでエキストラ・ペイ・ラインを可能にすること、種々の製品の割引、および補助的便益（無料または割引きの食事または宿泊など）、である。

一般に或る顧客に提供する便益は多数の要因に基づいて識別してよい。これらの要因は次のものを含んでよい。すなわち、この便益は或る顧客（および／または現在の顧客）がフォワード・コミットメント契約を結ぶ、および／または実行するのに十分な動機付けになりそうか、システム１００および／または商人にとって顧客をフォワード・コミットメントに拘束することの価値、現在ディスペンス装置１０６が実際に物理的に供与できる便益（例えば、或る自動販売機の或る商品が一時的に品切れになっていることがある）、収益管理原則（ロバート・Ｇ・クロス（Ｒｏｂｅｒｔ Ｇ． Ｃｒｏｓｓ）著、「収益管理：マーケット支配のためのハード・コア戦術（Ｒｅｖｅｎｕｅ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ： Ｈａｒｄ-Ｃｏｒｅ Ｔａｃｔｉｃｓ ｆｏｒ Ｍａｒｋｅｔ Ｄｏｍｉｎａｔｉｏｎ）」、１９９７年発行、ブロードウエイ・ブックス（Ｂｒｏａｄｗａｙ Ｂｏｏｋｓ）出版、に詳述されている。参照することによってこの書物全体をここに含める）、フォワード・コミットメント契約を結ぶ多数の可能な人の間に限られた数の便益を供与するための任意の所定の方策、などである。

顧客に関する情報は、どの便益が特に動機付けになるか、および便益をいつ提案するかを明らかにしてよい。例えば、スロット・マシン・タイプのディスペンス装置１０６で５０．００ドル損したばかりの顧客は非常に困っているので、実質的に妥当であればどんなフォワード・コミットメントでも結んで５０．００ドルの便益を受諾したいと強く希望するはずである。同様に、ＡＴＭタイプのディスペンス装置１０６で５０．００ドル引き出そうとしたが自分の口座に３５．００ドルしかない顧客は、１５．００ドルの現金の便益を受諾したいと希望するはずである。更に、財布を落としたが家に帰るまでのガソリンが必要な、ガソリン・ポンプ・タイプのディスペンス装置１０６の顧客は、便益として２０リットル（５ガロン）のガソリンを受諾したいと希望するはずである。
便益を識別するとき、コントローラ１０２、商人、および／または第三者サーバ１１８は、或る顧客と或るフォワード・コミットメントを結ぶことの価値を計算し、その価値の一部を便益として顧客に提案してよい。かかる一部は、例えば図５の便益フィールド５０６に反映してよい。

例えば、クレジット・カード会社は、各女性のカード保持者とクレジット・カード会社との契約期間中にカード保持者から平均３００．００ドルの利益が得られると計算するとする。クレジット・カード会社は、会社と契約するのと引き換えに女子のロッカー・ルーム内に置かれた自動販売機タイプのディスペンス装置１０６を用いて顧客に１５０．００ドル提供することを選択してよい。クレジット・カード会社は顧客との契約から１５０．００ドルの利益（システム１００に与える手数料を差し引く）があるとの予想に基づいて、かかる提案を行うことを選択してよい。平均の女性顧客の価値を決定すると、特殊な環境でない限り、クレジット・カード会社は個々の女性に３００．００ドルを超える便益を提案することは決してない。

同様に、複数の顧客がフォワード・コミットメントを結んだときの全価値を計算し、その全価値の一部を便益として種々の複数の顧客に提供してよい。したがって、或る顧客はその顧客が或るフォワード・コミットメントを結んだ価値以上のものを実際に受けることがある。かかる全価値は、上に述べたフォワード・コミットメント・データベースの、例えば予算フィールド内に反映してよい。
カジノの設定では、コントローラ１０２はギャンブラにゲーム装置で追加の時間プレーしてもらう価値を計算してよい。この計算は、そのギャンブラがプレーする料金と、ゲーム装置のホールド率に基づいてよい。ゲーム装置の「ホールド率」は、ゲーム装置の１サイクルの賭けで支払われる硬貨の数と集められる硬貨の数との比を１から引いたものと定義される。「１ドル・マシン」（すなわち、プレー当たり１ドルの賭け）ゲーム装置で１時間追加プレーをしたときのカジノへの価値を計算する式の例は、
価値＝（プレー／時間で表したプレーの料金）＊（１時間）＊（１ドル／プレー）＊（プレー当たりのホールド率）

カジノは、ゲーム装置であるディスペンス装置を介して、ギャンブラが追加の時間プレーしたことの返礼に、便益としてギャンブラにこの計算された価値の一部を提供してよい。
また、コントローラ１０２、商人、および／または第三者サーバ１１８は一般的な顧客獲得コストを計算してよい。コントローラ１０２または商人は、ディスペンス装置１０６が顧客獲得コストまでの価値を持つ便益を提供することに喜んで同意してよい。

場合によっては、提供される便益はディスペンス装置１０６が供与できる資金に依存してよい。例えば、スロット・マシン・タイプのディスペンス装置１０６がそのホッパ内に３０．００ドルの価値の貨幣しか持たない場合は、提供される便益は３０．００ドル以下に制約される。ディスペンス装置１０６が或る便益を提供するのに十分な金額または製品を内部に持っている場合でも、機械の内容を他の便益のために、または機械の通常の使用のために残してよい。例えば、ＡＴＭタイプのディスペンス装置１０６の残金が２００．００ドルしかない場合、銀行の顧客が単に資金を引き出そうとしたときのための金額を残しておくために、小さな便益でも提供しないことがある。または、上得意の顧客に大きな便益を提供できるようにするために、普通の顧客に小さな便益を提供しないことがある。便益をいつ提供するかを決定するのに、ディスペンス装置１０６、またはコントローラ１０２／第三者サーバ１１８は、この装置が使用される頻度、この装置を使用する顧客のタイプ、収入および／または在庫管理原則、および装置の内容を補充する時間と頻度、を考慮したアルゴリズムを用いてよい。

更に、全く提供しないという決定を含めて、便益の決定は顧客の認識できる信頼度に依存する。顧客がクレジット・カードに署名してコミットメントを実行する可能性が５０％しかないと見なされる場合は、クレジット・カード会社へのフォワード・コミットメントの価値は５０％下がるので、その顧客に提供する便益はこれに従って減らしてよい。
顧客に提供する便益はフォワード・コミットメントの価値に直接対応しなくてよい。例えば、誠実な顧客への感謝を示すために、または新しい顧客の誠実性を得るために、便益は不釣合いに大きくてよい。
顧客に提供する便益は商人の競争相手に影響されることがある。例えば、新しいメンバを獲得しようとしているフィットネス・クラブは、そのフィットネス・クラブで３回練習するというフォワード・コミットメントを結ぶ返礼に顧客への便益としてジュースを１本提供することを、競争相手のクラブの外にある飲料自動販売機タイプのディスペンス装置１０６に許可してよい。顧客の注意を逸らすような多くの競合するフィットネス・クラブが便益ディスペンス装置の近くにある場合は、提供される便益の価値を増やしてよい。

（２）顧客に関する情報に基づいてフォワード・コミットメントを識別する
便益に加えて、システム１００はまた、便益と引き換えに顧客が結ぶフォワード・コミットメントを識別する。上に示したように、識別するフォワード・コミットメントは顧客の現在の義務に関する情報に基づいてよい。商人はその後顧客に提案するフォワード・コミットメントをコントローラ１０２に、商人装置１１２を介して定期的に提示してよい。または、商人は１つ以上の便益ディスペンス装置および／またはユーザ装置の入力装置および出力装置を通して、フォワード・コミットメント提案を登録してよい。例えば、自動販売機と同じ地理的距離内にビジネスの場を有する商人は、自動販売機または近くのキオスクを通して１人以上の顧客に提供するフォワード・コミットメント提案を登録して、近い将来の或る時点にその商人と取引することに同意することを条件に顧客が自動販売機から無料の製品を受けることができるようにする。このように、フォワード・コミットメントに、商人は顧客がフォワード・コミットメントを結んだときに顧客に支払う便益の金額を含めてよい。

更に商人は、システム１００がフォワード・コミットメント契約を結んだ顧客毎に、システム１００（自動販売機などの便益ディスペンス装置の運営者を含む）に払ってよい手数料を明記してよい。もちろん、多くの他の手数料構造が可能である。
更に商人は、商人がフォワード・コミットメント契約を結びたい顧客の記述を提供してよい。記述は、年齢、人口統計情報、購買履歴、家族のサイズ、身長、体重、靴のサイズ、性別などを含んでよい。商人は更に、フォワード・コミットメント契約を結びたい顧客の数を明記してよい。

フォワード・コミットメント、便益、手数料の明細、量の明細、顧客の記述は、システム１００がデータベース（例えば、図５に示すフォワード・コミットメント・データベース２０８など）内に記憶してよい。適当な顧客がディスペンス装置１０６と対話すると、コントローラ１０２はデータベース２０８から関係するコミットメントにアクセスしてよい。コントローラ１０２が規則ベースのシステムを用いて適当なフォワード・コミットメントを決定してよく、または或る実施の形態では、コントローラ１０２および／または商人装置１１６の運営者が適当なフォワード・コミットメントを決定してよい。或る実施の形態では、フォワード・コミットメントは人工知能を用いて選択または取得してよい。

フォワード・コミットメントは次のいくつかの特定の例を含んでよい。すなわち、２００３年１０月６日にジョーのパスタ・ハウスで食事して少なくとも２５．００ドル使うというコミットメント、次の６０日以内にニューヨークのＪＦＫ空港からシカゴのオヘア空港までユーナイテッド航空（Ｕｎｉｔｅｄ Ａｉｒｌｉｎｅｓ（登録商標））を用いて飛ぶというコミットメント、次の１２週間にモービル（Ｍｏｂｉｌ（登録商標））給油所からガソリンを毎週１０ガロン買うというコミットメント、次の１５日以内にフリート銀行（Ｆｌｅｅｔ ｂａｎｋ（登録商標））で当座預金を開くというコミットメント、次の１時間スロット・マシンでプレーするというコミットメント、生命保険代理店と打合わせをするというコミットメント、新車をテスト・ドライブするというコミットメント、次の６ヶ月間シリアルの購入をクエーカー（Ｑｕａｋｅｒ（登録商標））銘柄のシリアルに限定するというコミットメント、雑誌の予約を支払うというコミットメント、およびチェース（Ｃｈａｓｅ（登録商標））クレジット・カードと契約して現在の残高から１，０００．００ドルを新しいカードに移すというコミットメント、などである。

或る実施の形態では、現在の義務を顧客が特定の方法で実行することを要求するコミットメントを選択したことに基づいて、フォワード・コミットメントを直接決定してよい。例えば、顧客が仕事場まで長距離ドライブ通勤をするので頻繁にガソリンを買う場合は、システムは顧客にモービルからガソリンを毎週１０ガロン買うフォワード・コミットメントを提案してよい。
或る実施の形態では、現在の義務の内容を調査することによりフォワード・コミットメントを決定してよい。例えば、或る休暇中の人が或る商人のホテルに次の３泊の登録をした場合は、この人は次の３日間その付近のレストランで食事する可能性があると考えてよい。したがって、そのホテルのロビー内にある自動販売機タイプのディスペンス装置１０６はその商人のレストランで次の３日間食事するというフォワード・コミットメントと引き換えに或る便益（例えば、飲料）を提供してよい。

（３）コミットメントを実行しないときの重大結果を識別する
或る実施の形態では、随意であるが、コントローラ１０２はフォワード・コミットメント契約の違反に対して罰金を課すことによりフォワード・コミットメントを「保証して」よい。かかる罰金は顧客の金融口座情報を保持することにより実現してよい。或る実施の形態では、罰金はほとんど苦労なく課すことができる罰金であることが前もって知られており、および／または罰金は容易に徴収できることが前もって知られている金額を含む。例えば、顧客がフォワード・コミットメントを実行しなかった（例えば、要求された期間内に）と判断した場合は、金融口座に請求書を送ってよい（顧客の同意を必要とせずに）。請求された金額は、提供された便益の値、便益の利子、フォワード・コミットメント情報の処理に関連するコスト、および任意の他の手数料または罰金、に関係してよい。

或る実施の形態では、重大結果は顧客が１つ以上の便益ディスペンス装置１０６にアクセスするのを制限してよい。１つの実施の形態では、顧客が現在のフォワード・コミットメント契約の条項に違反した場合は、顧客がどんな方法でも便益ディスペンス装置と取引するのを妨げてよい。例えば、便益ディスペンス装置が自動販売機を含む実施の形態で、現在のフォワード・コミットメント契約の条項に違反した顧客はその自動販売機から製品を購入することができなくなる。別の実施の形態では、重大結果とは、顧客がその便益ディスペンス装置から今後１つ以上の便益を受けることができないことでよい。例えば、商人と取引を続ける期間毎（例えば、雑誌の購読者である月毎）に顧客は便益ディスペンス装置（例えば、自動販売機）から１つの製品（例えば、炭酸飲料）を受けることができるというフォワード・コミットメント提案を顧客は受諾してよい。顧客が商人との取引をやめた場合は、継続中の便益は終わってよい（例えば、製品と引き換えに自動販売機に提示するコードを受けることをやめてよい）。商人との取引を続ける場合は、顧客の継続中の便益は続いてよい（例えば、製品と引き換えに自動販売機に提示するコードを、ユーザ装置を介してまたはメールで引き続き受けてよい）。

或る実施の形態では、重大結果は顧客が将来フォワード・コミットメントを結ぶことの禁止または制限でよい。例えば、顧客が現在のフォワード・コミットメント契約の条項に違反した場合は、将来１つ以上のフォワード・コミットメント提案を受けることができない。
或る実施の形態では、重大結果は提供された便益の返却または取消しを要求することでよい。例えば、便益が或る製品の場合は、システム１００はその製品の返却を要求してよい。製品はディスペンス装置１０６または商人などの関係者に直接返却してよい。
或る実施の形態では、コントローラ１０２は顧客に警告メッセージ（例えば、電子メール、テキスト・メッセージ）を送り、フォワード・コミットメントを実行するよう催促し、実行しない場合は、恐らく別の重大結果を警告する。システムはフォワード・コミットメント契約の条項を守らせる、または受けた損害を回復するために、顧客に対して法的処置を起こしてよい。

（４）契約を顧客に提示する
提案は多くの異なる方法で顧客に提示してよい。例えば、ＬＣＤまたは他の表示画面または装置上にテキスト表示で、予め作成されたテキストをバックライトで、信号またはメッセージをユーザ装置（ＰＤＡまたは携帯電話）に送って、紙にテキストを印刷して（例えば、自動販売機の感熱レシート・プリンタで印刷して）、スピーカを通してコンピュータ合成音声を出力して、スピーカを通して予め記録された音声を出力して、スピーカを通して生の音声を出力して、および／またはブライユ点字表現を用いて、提示してよい。

或る実施の形態では、コミットメント契約の提案は顧客の装置（例えば、ＰＤＡ）に送るが、すぐ表示しなくてよい。顧客が義務または意思を表明するまでは提案を表示しなくてよい。例えば、デルタ航空（Ｄｅｌｔａ Ａｉｒｌｉｎｅｓ（登録商標））で飛ぶというコミットメントを行う返礼に５０．００ドル渡すという提案は、顧客がサンフランシスコの友人に会う約束をしたときにそのＰＤＡを東部標準時間（ＥＳＴ）に設定した顧客にだけ表示してよい。また、提案は顧客の位置に基づいて表示してよい。特に、顧客が便益ディスペンス装置１０６の近くにいる場合に提案を表示してよい。
フォワード・コミットメント契約の提案は、フォワード・コミットメントの全ての記述、提供される便益、および顧客がフォワード・コミットメントを結んでも実行しない場合に課される全ての重大結果または罰金、を含んでよい。提案は更に、フォワード・コミットメント契約を結んだときの顧客の法的権利および義務の記述を含んでよい。

Ｓ４．顧客がフォワード・コミットメント契約を受諾したという表示を受ける
ステップ４で、顧客は提案されたフォワード・コミットメント契約の受諾または拒否を表示する。顧客が提案を拒否した場合は図のプロセスは終了する。或る実施の形態では、システムは魅力を高めるために別の提案または現在の提案の修正を提示してよい。顧客が提案を受諾した場合は、コントローラ１０２は顧客に便益を提供するようディスペンス装置１０６に信号を送る。

種々の異なる実施の形態では、顧客はフォワード・コミットメント契約を受諾したことを多くの異なる周知の方法で表示してよい。例えば、ディスペンス装置１０６または装置のタッチ・スクリーンの「受諾」または同様のボタンを押す、ユーザ装置（携帯電話またはＰＤＡなど）のボタンを押す、受諾したことを便益ディスペンス装置１０６またはユーザ装置に口頭で伝える、手書きの文書に署名して、随意であるが、作成した文書をディスペンス装置１０６に差し込む、スタイラスでタッチ・スクリーン上に署名する、指紋を提供する、虹彩スキャンまたは他のユニークなバイオメトリックを提供する、クレジット・カードまたはデビット・カードの印刷または番号を提供する、手書きの、電子的な、または音声のメッセージを、コントローラ１０２が指定する電話番号または住所にディスペンス装置１０６を介して送信する、などである。

このように、或る実施の形態では、顧客はフォワード・コミットメント提案の受諾を便益ディスペンス装置に表示してよい。別の実施の形態では、顧客はユーザ装置（ＰＤＡなど）を介してフォワード・コミットメントの受諾を表示してよい。ユーザ装置はコントローラ１０２と直接に通信してもよいし、便益ディスペンス装置１０６，１０８，１１０を介してコントローラ１０２と間接に、または便益ディスペンス装置１０６，１０８，１１０だけと通信してよい。

Ｓ５．ディスペンス装置を介して顧客に便益を提供する
ステップＳ５で、便益ディスペンス装置１０６は、コントローラ１０２、第三者サーバ１１８、および／またはユーザ装置（ＰＤＡまたは携帯電話など）から実行を指示する信号を受けると、これに応答して便益を提供する。便益は、現金、トークン、スタンプ、チケット、クーポン、電話時間、消耗品（例えば、スナック、キャンディ、清涼飲料、水など）、製品、情報、またはサービス、などでよい。
便益（現金を供与するＡＴＭが持つもの、トークンを供与するスロット・マシンが持つもの、品物（例えば、消耗品）を供与する自動販売機が持つものなど）は便益ディスペンス装置３１４を介して提供してよい。情報は機械読取り可能な媒体（フロッピー（登録商標）・ディスク、ＣＤ、フラッシュ・ドライブ、またはＤＶＤなど）で供与してよい。別の実施の形態では、情報は便益ディスペンス装置から顧客装置（ＰＤＡまたは携帯電話など）に送信してもよい。

顧客がユーザ装置（ＰＤＡまたは携帯電話など）を介してフォワード・コミットメント提案を受けおよび／または受諾する実施の形態では、コントローラ１０２は、コード、２進ファイル、または他の信号をユーザ装置に送信してよい。次に顧客は２進ファイルまたは他の信号を用いて、便益ディスペンス装置（自動販売機など）から便益（消耗品など）を得てよい。便益を供与する前に、便益ディスペンス装置は、コード、２進ファイル、または他の信号を、ローカルまたはリモートのデータベース（コントローラ１０２のデータベースなど）に記憶されているデータを考慮して評価することにより、顧客が実際に便益を受ける資格があることをまず確認してよい。例えば、便益ディスペンス装置は顧客から提示されたコードの有効性を、そのコードがローカル・データベース内に存在するかどうか判断することにより、またはコントローラ１０２に問い合わせてそのコードがリモート・データベース（例えば、コントローラ１０２のデータベース）内に存在するかどうか判断することにより、確認してよい。

１つの実施の形態では、コントローラ１０２または第三者サーバ１１８は或る英数字コードを顧客のユーザ装置に送り、ユーザ装置は出力装置（ＬＣＤ画面またはスピーカなど）を介してそのコードを顧客に出力する。次に顧客はこのコードを便益ディスペンス装置の入力装置（例えば、自動販売機のキーパッドなど）に入力する。

別の実施の形態では、コントローラ１０２または第三者サーバ１１８は機械読取り可能な信号（例えば、印刷または表示されたしるし、オーディオ、ＲＦ信号）をユーザ装置に送信する。次に、顧客は機械読取り可能な信号（例えば、印刷または表示されたしるし、オーディオ、ＲＦ信号）を便益ディスペンス装置に提示する。例えば、顧客はユーザ装置を便益ディスペンス装置の入力装置の近くに保持してよい。１つの実施の形態では、ユーザ装置は情報をバーコード・フォーマットで受け（例えば、コントローラ１０２または第三者サーバ１１８から）、次に便益ディスペンス装置はこの情報をユーザ装置のＬＣＤ画面から光学的に読み取り、次に解釈すなわち復号してよい。ユーザ装置はＤＴＭＦトーンを定義する情報を受け（例えば、コントローラ１０２または第三者サーバ１１８から）、次にユーザ装置のスピーカを通してこの情報を便益ディスペンス装置のマイクロホンに出力してよい。他のデータ通信媒体およびフォーマット（赤外線信号、ＲＦ信号など）も考えられる。

Ｓ６．顧客がコミットメントを実行したかどうか判断する
ステップＳ６で、システム１００はフォワード・コミットメントが実行されたかどうか判断する。顧客がフォワード・コミットメントを実行した場合は、処理は停止する。実行しなかった場合は、処理はステップＳ７に進む。
或る実施の形態では、コントローラ１０２は顧客の取引記録を調べてよい。取引記録は、得意客口座内に保持されているクレジット・カード請求書送付履歴または購入履歴を含んでよい。これらの取引記録から、コントローラ１０２は、例えば食事をすることに同意したレストランで顧客が食事をしたかどうか判断してよい。フォワード・コミットメント契約の１つの条項は、フォワード・コミットメントの履行が確認できる任意のレコードにコントローラ１０２がアクセスすることを顧客が許可することでよい。かかる実施の形態では、コントローラは多数の周知の方法のどれかで、かかるレコードにアクセスして解釈してよい。

或る実施の形態では、顧客はコントローラ１０２に、顧客がフォワード・コミットメントを実行したことを示す領収書、チケット片、メニュー、ＵＰＣコード、絵、カジノ・トークン、または任意の他の容認できる証拠を提出してよい。所定の期間内にかかる証拠を提示しないと、不履行と定義されることがある。別の実施の形態では、商人はコントローラ１０２および／または第三者サーバに電話しまたはアクセスして、顧客が例えばフォワード・コミットメント契約に従って商人と取引したことを確認してよい。

Ｓ７．顧客がフォワード・コミットメント契約を履行しない場合は重大結果を課す
ステップＳ７で、コントローラ１０２は顧客に重大結果を課す。このように、フォワード・コミットメント契約で同意された重大結果に従って、コントローラ１０２は多くの異なる行動をとってよい。すなわち、顧客に関連する金融口座に請求書を送る、データベース内の顧客の名前、電話番号、または他の識別子にフラグを立てて、顧客が今後フォワード・コミットメントを結ぶことを制限する、データベース内の顧客の名前、電話番号、または他の識別子にフラグを立てて、顧客が便益ディスペンス装置を使用することを制限する、例えば電子メール、ファックス、および／または郵便で顧客に警告メッセージを送る、および顧客に対して法的処置を起こす、ことを含む。

実施の形態の例
以下の例は１つのサンプルの実施の形態を示す。
トム・ジョーンズが歩道を歩いていると、スナックを収めた自動販売機が目に入った。腹が減ったので、自動販売機に近づいて或る品物を買おうと思ったが、品物を買うのに十分な現金を持っていないことに気が付いた。しかし、販売機に貼られた掲示をトムが見ると、「スポーツ・イラストレイテッド誌の予約申込みを行うと無料でスナックが得られます。１−８００−ＳＵＢＳＣＲＩＢＥにすぐ電話してください。」と書いてあった。
トムが携帯電話でこの番号に電話を掛けると、ＩＶＲシステムから、名前、住所、およびクレジット・カード番号を入力するよう指示された。入力が終わると、ＩＶＲシステムはトムの携帯電話に、１０桁のコードと、無料の品物を得るには自動販売機にこのコードを提示するようにという指示とを出力した。このコードと指示は携帯電話のＬＣＤ画面に表示された。
トムは自動販売機の数値キーパッドを用いてこのコードを入力した。これに応じて、自動販売機の制御システムはローカル・データベースを参照してこのコードを確認した。

運営者は、自動販売機を通して雑誌の販売促進を行うという契約を結んだときに、スポーツ・イラストレイテッド誌の発行者から１群の販売促進コードを前もって受けていた。トムの取引の前に、自動販売機の運営者はこれらのコードをローカル・データベース内に記憶した。コードの有効性を確認すると、自動販売機の制御装置は（１）トムにスナックを１つ選ばせ、（２）そのスナックを供与し、（３）この取引をデータベース内に記録した。
次に、自動販売機の運営者はデータベースから取引データを検索して、製品のコストに０．２５ドルの「顧客獲得手数料」を加えた請求書をスポーツ・イラストレイテッド誌の発行者に提出した。このようにして、トムは無料のスナックとスポーツ・イラストレイテッド誌の予約とを受け、自動販売機の運営者は０．２５ドルの利益を得、スポーツ・イラストレイテッド誌は新しい顧客を獲得した。

別の実施の形態
次は、別の実施の形態を示す別の例である。この章で述べる特定の例は、上に述べた異なる実施の形態またはその一部と、実行可能なまたは望ましい任意の方法で組み合わせてよいことを理解すべきである。

種々の実施の形態は、顧客がフォワード・コミットメント契約を結ぶことが法的に可能であることを確認する追加のステップを含んでよい。例えば、顧客の年齢が１８歳未満であれば、それだけでフォワード・コミットメント契約を実行することは法的にできないと考えてよい。したがってコントローラ１０２は、例えば公的な出生記録のデータベースを調べて顧客の年齢を判断してよい。またディスペンス装置１０６は顧客に属する運転免許証またはパスポートなどのＩＤを走査しまたは写真を撮り、光学式文字認識を行って、印刷されたしるしから年齢を判断してよい。限定的な条件で（例えば、或る年齢の人にだけ）発行されるクレジット・カードなどの品目を顧客が所有する場合は、顧客がその品目を所有および／または提示することにより、コントローラ１０２は顧客が有資格であると推断してよい。

或る実施の形態では、ディスペンス装置は埋込みプリンタを用いて、フォワード・コミットメントを記述する一般的なまたはカストマイズされた文書を印刷してよい。顧客はこの文書に署名することによりフォワード・コミットメントを結んでよい。ディスペンス装置１０６内に埋め込まれた、またはディスペンス装置の近くにあるカメラは、署名を記録することにより証人になってよい。顧客は仕上げた文書、または仕上げた文書の写しをディスペンス装置に差し込んでよい。

或る実施の形態では、顧客装置（ＰＤＡなど）がその所有者または別の人の代わりにフォワード・コミットメントを結んでよい。装置は所定のパラメータに基づいてフォワード・コミットメントを結ぶよう予めプログラムされてよい。
例えば、無料で電話する返礼に地方のレストランで５０ドル以下で食事するという任意のフォワード・コミットメント契約を受諾するよう、顧客は自分の携帯電話／ＰＤＡの組合せをプログラムしてよい。次に、顧客がテレホン・カードの自動販売機タイプのディスペンス装置１０６の側を通ると、ディスペンス装置は赤外線周波数を介して、５０分電話する返礼に来週サムのメキシコ料理店で食事するというフォワード・コミットメント契約を放送してよい。携帯電話／ＰＤＡは顧客の識別情報を送り返すことにより、顧客のためにその提案を受諾してよい。携帯電話／ＰＤＡは後で、フォワード・コミットメントを結んだことを顧客に知らせてよい。

或る実施の形態では、フォワード・コミットメントは顧客に、プロセッサ命令を顧客装置にダウンロードするよう要求してよい。コンピュータ命令により装置がフォワード・コミットメントを実行するというこの実施の形態では、フォワード・コミットメントを実行する責任の一部または全てが顧客装置に引き渡される。
例えば、或るフォワード・コミットメントはケーブル・ボックスに、日曜日の午後３時から５時までチャンネル４５を選択し、同時に他の全てのチャンネルの受信を禁止するという命令を受けることを要求してよい。ケーブル・ボックスは指定された時刻にテレビジョンの電源を入れ、チャンネル４５を選択して関係する番組を映す。顧客はいつどのチャンネルを視するかを覚えておく必要がなく、指定された時間にそこにいるだけでよい。同様の例では、フォワード・コミットメントは顧客に、ＰＣから集めた情報をコントローラに与えるソフトウエアを自分のパーソナル・コンピュータ（ＰＣ）にロードするよう要求してよい。

別の実施の形態では、フォワード・コミットメントを結ぶと、ネットワーク化された装置が他の人に利用可能になってよい。例えば、ＰＣを他のことに使っていないときに顧客はＰＣの計算サイクルを地球外の信号の検出に使用できるようにしてよい。関係する便益として、第１の顧客のＰＣ計算サイクルを他の顧客に使用できるようにしてよい。
或る実施の形態では、フォワード・コミットメント契約は買収または他の終結規定を含んでよい。この場合は、フォワード・コミットメントを実行することができない顧客は、コントローラ１０２に補償すること、自分のフォワード・コミットメントを実行する別の人を見つけること、および／または新しいフォワード・コミットメントを結ぶこと、を選択してよい。或る実施の形態では、顧客がコミットメントを実行することができないことをコントローラ１０２に通知して誠意を示したという理由だけで、コントローラ１０２はコミットメントに関連する締切りまたは他の期限を単に変更することに同意してよい。

種々の実施の形態は、顧客が或る商人に関係するフォワード・コミットメントを結んだことをその商人に知らせるという追加のステップを含んでよい。例えば、顧客はその商人のレストランで食事することに同意した。
種々の実施の形態は、便益ディスペンス装置１０６を介して顧客に提供する任意の便益について、商人がコントローラ１０２に償還するという追加のステップを含んでよい。コントローラ１０２は、データベース（例えば、図７に示す商人データベース２１２など）内で商人が支払う義務がある金額を追跡してよい。
或る実施の形態では、顧客はフォワード・コミットメントを実行した回数に基づく格付けを受けてよい。この格付けは顧客にどんな便益およびフォワード・コミットメントを提案するか判断するのに用いてよい。

或る実施の形態では、フォワード・コミットメントは将来購入を行うというコミットメントを含んでよい。コントローラ１０２は顧客の代わりに自動的に購入を行ってよいという許可を受けてよい。この実施の形態では、顧客は購入を行うことを覚えておく必要がない。例えば、まだ手に入らない製品を購入するというフォワード・コミットメントに同意したとき、顧客は金融口座番号および住所を提供してよい。製品が手に入ったとき、コントローラ１０２は自動的に顧客の金融口座に請求し、また製品を顧客の住所に直接出荷してよい。

或る実施の形態では、ディスペンス装置１０６（特に自動販売機タイプのディスペンス装置）は、中央のコントローラを用いずまたは接続せずに、顧客とフォワード・コミットメント契約を結んでよい。かかる実施の形態では、保全要員はディスペンス装置１０６を定期的にチェックして、ディスペンス装置１０６が完了したフォワード・コミットメント契約の記録を検索してよい。上に述べたフォワード・コミットメント・データベース２０８および顧客データベース２１０内に記憶されているものと同じ情報を含むはずのこの記録を用いて、ここに述べた種々のステップを行ってよい。

本発明の或る実施の形態に係るシステムの一例を示す。 本発明の或る実施の形態に係るシステムの別の例を示す。 本発明の或る実施の形態に係るコントローラの一例を示す。 本発明の或る実施の形態に係るディスペンス装置の一例を示す。 本発明の或る実施の形態に係る商人装置の一例を示す。 本発明の或る実施の形態に係るフォワード・コミットメント・データベースの一例のデータ構造の一例を示す。 本発明の或る実施の形態に係る顧客データベースの一例のデータ構造の一例を示す。 本発明の或る実施の形態に係る商人データベースの一例のデータ構造の一例を示す。 本発明の或る実施の形態に係るディスペンス装置データベースの一例のデータ構造の一例を示す。 本発明の或る実施の形態に係るディスペンス装置でフォワード・コミットメントを提案するプロセスの一例を示す。

Claims (25)

1. 方法であって、
   自動販売機の近くにいる顧客を識別し、
   前記顧客に関する情報を受け、
   フォワード・コミットメントを結ぶのと引き換えに前記自動販売機から供与する製品の価格を下げるという提案を出力し、前記フォワード・コミットメント契約は、
   フォワード・コミットメントを明記する条項と、
   前記自動販売機から供与する製品の価格の割引を明記する条項と、
   を定義し、
   前記提案の受諾を受け、
   前記顧客の金融口座を識別する金融口座識別子を受け、
   前記製品の小売価格より低い価格で前記製品を前記顧客に提供する、
   方法。
2. 請求項１記載の方法において、前記顧客に基づいて前記割引を決定することを更に含む、方法。
3. 請求項２記載の方法において、前記割引を決定する前記ステップは、前記フォワード・コミットメントを結んだ顧客の価値に基づいて前記割引を決定することを含む、方法。
4. 請求項１記載の方法において、前記フォワード・コミットメントを実行しない場合の重大結果を決定することを更に含む、方法。
5. 請求項１記載の方法において、前記顧客が前記フォワード・コミットメント契約に明記されたフォワード・コミットメントを実行したかどうか判断することを更に含む、方法。
6. 請求項５記載の方法において、前記フォワード・コミットメントが実行されなかった場合は前記顧客に重大結果を課すことを更に含む、方法。
7. 請求項６記載の方法において、重大結果を課す前記ステップは、前記顧客の金融口座に請求することを含む、方法。
8. 方法であって、
   フォワード・コミットメント契約を結ぶという提案を、携帯電話を介して提供し、
   前記提案の受諾を受け、
   前記受諾を受けた後で前記携帯電話に或るコードを使用可能にし、
   該コードを使用可能にする前記ステップの後で前記コードが自動販売機に提示されたかどうか判断し、
   判断する前記ステップの後で自動販売機から製品を供与する、
   ことを含む方法。
9. 請求項８記載の方法において、前記フォワード・コミットメント契約により明示されたフォワード・コミットメントが実行されたかどうか判断することを更に含む、方法。
10. 請求項９記載の方法において、前記フォワード・コミットメントが実行されなかった場合は重大結果を課すことを更に含む、方法。
11. 請求項９記載の方法において、前記重大結果を課す前記ステップは、金融口座に請求することを含む、方法。
12. 請求項８記載の方法において、前記携帯電話にコードを利用可能にすることは、コードを前記携帯電話に送信することを含む、方法。
13. 請求項１２記載の方法において、前記コードを利用可能にする前記ステップの後で前記コードが自動販売機に提示されたかどうか判断することは、前記コードを前記携帯電話から受けることを含む、方法。
14. 請求項８記載の方法において、前記顧客が前記自動販売機から買う少なくとも１つの製品の表示を受けることを更に含む、方法。
15. 請求項１４記載の方法において、前記提案を提供する前記ステップは前記表示を受けるステップの後に行われる、方法。
16. 請求項１４記載の方法において、前記提案を提供する前記ステップは前記顧客が少なくとも１つの製品を買う前に行われる、方法。
17. 方法であって、
    自動販売機の近くにいる顧客を識別し、
    前記顧客に関する情報を受け、
    フォワード・コミットメントを結ぶのと引き換えに前記自動販売機から供与する製品の価格を下げるという提案を出力し、
    前記提案の受諾を受け、
    前記製品の小売価格より低い価格で前記製品を前記顧客に提供する、
    方法。
18. 請求項１７記載の方法において、前記製品の価格を下げる金額を決定することを更に含む、方法。
19. 請求項１８記載の方法において、前記製品の価格を下げる金額を決定する前記ステップは、前記顧客に基づいて前記製品の価格を下げる金額を決定することを含む、方法。
20. 請求項１９記載の方法において、前記製品の価格を下げる金額を決定する前記ステップは、前記フォワード・コミットメントを結ぶ顧客の価値に基づいて前記製品の価格を下げる金額を決定することを更に含む、方法。
21. 請求項１７記載の方法において、前記提案を出力する前記ステップは、前記提案を出力するよう携帯電話に指示することを含む、方法。
22. 請求項１７記載の方法において、前記フォワード・コミットメントを実行しない場合の重大結果を決定することを更に含む、方法。
23. 請求項１７記載の方法において、前記顧客が前記フォワード・コミットメント契約に明示されたフォワード・コミットメントを実行したかどうか判断することを更に含む、方法。
24. 請求項２３記載の方法において、前記フォワード・コミットメントが実行されなかった場合は前記顧客に重大結果を課すことを更に含む、方法。
25. 請求項２４記載の方法において、前記重大結果を課す前記ステップは、前記顧客の金融口座に請求することを含む、方法。

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