JP2007536253A - 細胞内への核酸の送達を増強し、細胞中の標的遺伝子の発現を修飾するための組成物及び方法 - Google Patents

細胞内への核酸の送達を増強し、細胞中の標的遺伝子の発現を修飾するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

細胞内への核酸の送達を増強するため、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを核酸と混合する、複合体形成させる又はコンジュゲートさせる。輸送された核酸は、少なくとも一部RNA干渉(RNAi)により仲介された、標的遺伝子の発現を変調する阻害的低分子核酸(siNA)として、標的細胞中で活性である。本発明のsiNA/ポリペプチド組成物及び方法は、遺伝子発現を変調するための、及び、siNA/ポリペプチド組成物が投与された標的細胞又は対象個体において、疾患症状を除去する又は疾患可能性を改変する様式で表現型を改変することによることを含む、哺乳動物において表現型を改変するための有効なツールを提供する。
【選択図】図3

Description

関連出願
本出願は、2004年5月4日に提出された米国仮特許出願番号60/568,027、2004年5月12日に提出された米国仮特許出願番号60/570,512、2004年5月12日に提出された米国仮特許出願番号60/570,513、2004年9月27日に提出された米国仮特許出願番号60/613,416、2005年2月25日に提出された米国仮特許出願番号60/656,572及び2005年4月1日に提出された米国仮特許出願番号60/667,833(これらの開示は、本明細書において全体が援用される)の優先権を請求する。
技術分野
本発明は、細胞内へ核酸を送達するための方法及び組成物に関する。より具体的には、本発明は、標的遺伝子の発現を修飾して、細胞の疾患状態又は可能性のような表現型を改変するために、細胞内へ二本鎖ポリヌクレオチドを送達する方法及び調製物に関する。
動物及び植物細胞内への核酸の送達は、長く分子生物学研究及び開発の重要な目的であった。遺伝子療法の領域における最近の開発、アンチセンス療法及びRNA干渉(RNAi)療法は、細胞内へ核酸を導入するより効率的な手段を開発する必要性を作り出した。
プラスミドの多様なアレイ及び他の核酸「ベクター」が、大きなポリヌクレオチド分子を細胞内へ送達するために開発されてきた。典型的には、これらのベクターは、科学的又は治療的に目的とする遺伝子を発現するために、標的細胞を形質転換することを目的とした無傷の遺伝子を含む、大きなDNA分子を取り込んでいる。
外来性核酸が、細胞内へ人工的に送達されるプロセスは、一般にトランスフェクションと称される。多様な技術及び材料を使用し、外来性源の機能性核酸を取り込むように細胞をトランスフェクトすることが可能である。最も普通に使用されるトランスフェクション法は、リン酸カルシウムトランスフェクション及び電気穿孔法である。外来性DNA又はRNA分子を送達するため、細胞に形質導入するための多様な他の方法が開発されており、ウイルス仲介形質導入、カチオン性脂質又はリポソーム送達、及び機械的又は生化学的膜破壊/浸透を目標にする多数の方法(例えば、界面活性剤、マイクロインジェクション又は粒子銃を使用して)が含まれる。
RNA干渉は、標的化されたメッセンジャーRNA(mRNA)の一部と配列が相同的である二本鎖(ds)ポリヌクレオチド(通常dsRNA)により開始される、配列特異的翻訳後遺伝子サイレンシングのプロセスである。細胞内への適したdsRNAの導入は、内在性同族mRNA(即ち、導入されたdsRNAと実質的配列同一性を共有するmRNA)の破壊を導く。dsRNA分子は、ダイサーと称されるRNaseIIIファミリーヌクレアーゼにより、19〜23ヌクレオチド(nt)の長さであるショートインターフェアリング(short−interfering)RNA(siRNA)へ切断される。siRNAは次ぎに、RNA誘導サイレンシング複合体又は「RISC」として知られている多成分ヌクレアーゼ複合体内に取り込まれる。RISCは、siRNAとの相同性を通してmRNA基質を同定し、標的とされたmRNAへ結合しそして破壊することにより、遺伝子発現のサイレンシングを実現する。
RNA干渉は、植物及び動物細胞中の特定の遺伝子の発現を修飾するために、新たに現れた有望な技術であり、それ故、外来性遺伝子発現の修飾による治療を受け入れられる、広範囲の疾患及び障害を治療するための有用なツールを提供すると期待されている。
細胞内へsiRNA及び他の阻害的低分子核酸(small inhibitoty nucleic acids:siNAs)を送達するためのより良好なツール及び方法について、特に、細胞へ核酸を送達するための存在している技術が、送達試薬の乏しい効率及び/又は高い毒性により制限されているという事実の点から見て、当該技術分野で長年の要求が存在する。有効な量で、活性でそして耐えた状態で、及び無毒の送達ビヒクルを使用して、標的とされた細胞の表現型又は疾患状態を改変するであろう様式で遺伝子発現の調節を仲介するために、選択された細胞、組織又は区画へsiNAを送達する、改良された方法及び製剤についての関連する要求が存在する。
発明の例示的態様の説明
本発明は、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと組み合わされた、ショートインターフェアリング核酸(siNA)又はそれらの前駆体を用いる新規組成物及び方法を提供することにより、これらの要求を満足させ、そして追加の目的を果たす。ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、siNA及びそれらの前駆体を含むポリヌクレオチドの細胞内送達又は取り込みを増強するその能力で選択された、天然の又は人工のポリペプチドである。
本発明の新規組成物内で、siNAをポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと混合する、複合体形成させ、又はコンジュゲートさせることができ、標的細胞と裸のsiNA(即ち、送達増強ポリペプチドが存在しないsiNA)との接触により生じる送達と比較し、siNAの細胞内送達を増強する組成物が形成される。
本発明の特定の態様において、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、ヒストンタンパク質、又はポリペプチド又はペプチド断片、誘導体、類似体、又はそれらのコンジュゲートである。これらの態様内では、siNAを、一つまたはそれより多くの完全長ヒストンタンパク質、又はヒストンタンパク質の部分配列の少なくとも一部に対応しているポリペプチド、例えば、一つまたはそれより多くの以下のヒストンタンパク質:ヒストンH1、ヒストンH2A、ヒストンH2B、ヒストンH3又はヒストンH4,又は少なくともヒストンタンパク質の部分配列、典型的には、天然のヒストンタンパク質の少なくとも5〜10又は10〜20近接残基を含む、一つまたはそれより多くのポリペプチド断片又はそれらの誘導体、と混合する、複合体形成させる又はコンジュゲートさせる。より詳細な態様において、siRNA/ヒストン混合物、複合体又はコンジュゲートは、両親媒性化合物を実質的に含んでいない。他の詳細な態様において、ヒストンタンパク質又はポリペプチドと混合され、複合体形成され又はコンジュゲートされたsiNAは、二本鎖RNA、例えば、30又はより少ないヌクレオチドを有する二本鎖RNAを含むであろうし、ショートインターフェアリングRNA(siRNA)である。例示的態様において、ヒストンポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、以下に本明細書で記載される、PN37と名付けられたポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドにより例示されるような、ヒストンH2Bの断片を含む。さらに追加の詳細な態様において、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、特にインビボ投与に関連して、安定性及び/又は有効性を改良するために、ペグ化することができる。
本発明の追加の態様内において、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを、両親媒性アミノ酸配列を含むように選択又は合理的に設計する。例えば、有用なポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを、荷電配列ドメイン又はモチーフを形成する多数の荷電アミノ酸残基に連結された、疎水性配列ドメイン又はモチーフを形成する多数の非極性又は疎水性アミノ酸残基を含むように選択することができ、両親媒性ペプチドを得る。
他の態様において、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを、タンパク質形質導入ドメイン又はモチーフ、及び膜融合ペプチドドメイン又はモチーフを含むように選択する。タンパク質形質導入ドメインは、細胞の膜内へ浸透する、そして好ましくは膜を通して通過させることが可能であるペプチド配列である。膜融合ペプチドは、脂質膜、例えば、原形質膜又はエンドソームを取り囲んでいる膜を不安定化することができる(それは低pHで増強することができる)ペプチドである。例示的膜融合ドメイン又はモチーフは、広範囲のウイルス融合タンパク質及び他のタンパク質、例えば、線維芽細胞増殖因子4(FGF4)、に見ることができる。
本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを合理的に設計するため、原形質膜を通した細胞内への核酸の移行を容易にするであろうモチーフとして、タンパク質形質導入ドメインを用いる。特定の態様において、輸送される核酸は、エンドソーム中に封入されているであろう。エンドソームの内部は、低いpHを有しており、膜融合ペプチドモチーフがエンドソームの膜を不安定化することを生じる。エンドソーム膜の不安定化及び崩壊は、細胞質内へのsiNAの放出を可能にし、そこでsiNAはRISC複合体と会合することが可能であり、その標的mRNAへ方向付けられる。
本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドに随意に組み込まれるタンパク質形質導入ドメインの例には以下のものが含まれる:
1.TATタンパク質形質導入ドメイン(PTD)(配列番号1)KRRQRRR ;
2.ペネトラチンPTD(配列番号2)RQIKIWFQNRRMKWKK ;
3.VP22 PTD(配列番号3)DAATATRGRSAASRPTERPRAPARSASRPRRPVD ;
4.カポジFGFシグナル配列(配列番号4)AAVALLPAVLLALLAP 、及び(配列番号5)AAVLLPVLLPVLLAAP ;
5.ヒトβ3インテグリンシグナル配列(配列番号6)VTVLALGALAGVGVG ;
6.gp41融合配列(配列番号7)GALFLGWLGAAGSTMGA ;
7.カイマン・クロコディラス(Caiman crocodylus)Ig(v)軽鎖(配列番号8)MGLGLHLLVLAAALQGA ;
8.hCT−由来ペプチド(配列番号9)LGTYTQDFNKFHTFPQTAIGVGAP ;
9.トランスポータン(Transportan)(配列番号10)GWTLNSAGYLLKINLKALAALAKKIL ;
10.ロリゴマー(Loligomer)(配列番号11)TPPKKKRKVEDPKKKK ;
11.アルギニンペプチド(配列番号12)RRRRRRR ;及び
12.両親媒性モデルペプチド(配列番号13)KLALKLALKALKAALKLA 。
本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドに随意に組み込まれるウイルス融合ペプチド膜融合ドメインの例には以下のものが含まれる:
1.インフルエンザHA2(配列番号14)GLFGAIAGFIENGWEG ;
2.センダイF1(配列番号15)FFGAVIGTIALGVATA ;
3.呼吸系発疹ウイルスF1(配列番号16)FLGFLLGVGSAIASGV ;
4.HIV gp41(配列番号17)GVFVLGFLGFLATAGS ;及び
5.エボラGP2(配列番号18)GAAIGLAWIPYFGPAA 。
本発明のさらに追加の態様内において、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、ポリペプチド−siNA複合体形成を容易にし、及び/又は本発明の方法及び組成物内のsiNAの送達を増強する、DNA結合ドメインを組み込んで提供される。この場合における例示的DNA結合ドメインには、下記表1に同定されているような、DNA結合調節タンパク質及び他のタンパク質について記載されている、多様な「亜鉛フィンガー」ドメインが含まれる(例えば、Simpson et al., J. Biol. Chem. 278:28011-28018, 2003 を参照されたい)。
Figure 2007536253
本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを構築するために有用な他のDNA結合ドメインには、例えば、HIV Tatタンパク質配列(下記実施例を参照されたい)の一部が含まれる。
本明細書の以下に記載した本発明の例示的態様内において、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを、標的細胞内へのsiNAの増強された送達を仲介するのに有効な単一ポリペプチド内へ、前述の構造要素、ドメイン又はモチーフのいずれかを組み合わせることにより、合理的に設計できそして構築することができる。例えば、TATポリペプチドのタンパク質形質導入ドメインを、HA2と名付けられたインフルエンザウイルスヘマグルチニンタンパク質のN末端20アミノ酸と融合させ、本明細書の一つのポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを得た。多様な他のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド構築物が本開示で提供され、siNA送達を増強するために有効なポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの多様な集合を作り出す及び使用するために、本発明の概念が広範囲に適用可能であることを証明している。
本発明内のさらに追加の例示的ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを、以下のペプチドから選択することができる:WWETWKPFQCRICMRNFSTRQARRNHRRRHR (配列番号27);GKINLKALAALAKKIL (配列番号28)、RVIRVWFQNKRCKDKK (配列番号29)、GRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQ (配列番号30)、GEQIAQLIAGYIDIILKKKKSK (配列番号31)、ポリLys−Trp、4:1、MW20,000−50,000; 及びポリOrn−Trp、4:1、MW20,000−50,000。本明細書の組成物及び方法内で有用である、追加のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、メリチン(mellitin)タンパク質配列のすべて又は一部を含む。
さらに別の例示的ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、以下の実施例で同定されている。これらのペプチドのいずれか一つ又は組み合わせを選択する又は組み合わせることができ、本発明の方法及び組成物内のsiNAの細胞内送達を誘導する又は容易にする、有効なポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド試薬を得る。
本発明のより詳細な側面において、siNA及びポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを含む、混合物、複合体又はコンジュゲートは、LIPOFECTIN(登録商標)のようなカチオン性脂質と組み合わせてもよい(例えば、混合して又は複合体形成して)。この関連において、siRNAのみと複合体形成した又はコンジュゲートしたポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、RNAiによる遺伝子サイレンシングを仲介するのに十分なsiNAの送達を実現するであろうことが、本明細書で予想外に開示されている。しかしながら、siRNA/ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド複合体又はコンジュゲートが、リポフェクチンのようなカチオン性脂質と混合されている又は複合体形成されている場合、siNA送達及び遺伝子サイレンシングを仲介することについて、さらにより大きな活性を示すであろうことが、本明細書でさらに予想外に開示されている。ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド、siRNA及びカチオン性脂質を含むこれらの組成物を作製するには、細胞培養培地のような適した培地中で最初にsiRNA及びペプチドを一緒に混合し、その後、混合物にカチオン性脂質を加え、siRNA/送達ペプチド/カチオン性脂質組成物を形成することができる。場合により、細胞培養培地のような適した培地中でペプチド及びカチオン性脂質を一緒に混合し、その後、その後、siRNAを加えて、siRNA/送達ペプチド/カチオン性脂質組成物を形成することが可能である。
本発明のこれらの側面内において有用なカチオン性脂質の例には、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、1,2−ビス(オレイルオキシ)−3−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン、1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、及びジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート,1,3−ジオレイルオキシ−2−(6−カルボキシスペルミル)−プロピルアミド、5−カルボキシスペルミルグリシンジオクタデシルアミド、テトラメチルテトラパルミトイルスペルミン、テトラメチルテトラオレイルスペルミン、テトラメチルテトララウリルスペルミン、テトラメチルテトラミリスチルスペルミン及びテトラメチルジオレイルジオレイルスペルミン、DOTMA(N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド)、DOTAP(1,2−ビス(オレイルオキシ)−3,3−(トリメチルアンモニウム)プロパン)、DMRIE(1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド)又はDDAB(ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)が含まれる。多価カチオン性脂質には、リポスペルミン、特に、DOSPA(2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート)及びDOSPER(1,3−ジオレイルオキシ−2−(6−カルボキシスペルミル)−プロピル−アミド、及び限定されるわけではないが、TMTPS(テトラメチルテトラパルミトイルスペルミン)、TMTOS(テトラメチルテトラオレイルスペルミン)、TMTLS(テトラメチルテトララウリルスペルミン)、TMTMS(テトラメチルテトラミリスチルスペルミン)及びTMDOS(テトラメチルジオレイルスペルミン)、DOGS(ジオクタデシル−アミドグリシルスペルミン(TRANSFECTAM(登録商標))を含む、ジ−及びテトラ−アルキル−テトラ−メチルスペルミンが含まれる。他の有用なカチオン性脂質は、例えば、米国特許第6,733,777号;米国特許第6,376,248号;米国特許第5,736,392号;米国特許第5,686,958号;米国特許第5,334,761号及び米国特許第5,459,127号に記載されている。
カチオン性脂質は場合により、非カチオン性脂質、特に中性脂質、例えば、DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)、DPhPE(ジフィタノイルホスファチジルエタノールアミン)又はコレステロールと組み合わされてもよい。DOSPA及びDOPEの3:1(w/w)混合物又はDOTMA及びDOPE(LIPOFECTIN(登録商標)、Invitrogen )の1:1(w/w)混合物から構成されたカチオン性脂質組成物が、本発明の組成物をトランスフェクトする場合に一般的に有用である。好ましいトランスフェクション組成物は、高等真核生物細胞株の実質的トランスフェクションを誘導するものである。
例示的態様において、本発明は、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと混合された、複合体形成された又はコンジュゲートされた、ショートインターフェアリング核酸(siNA)、ショートインターフェアリングRNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロ−RNA(mRNA)又はショートヘアピンRNA(shRNA)のような小さな核酸分子を含む組成物を特色とする。
本明細書で使用される用語「ショートインターフェアリング核酸」、「siNA」、「ショートインターフェアリングRNA」、「siRNA」、「ショートインターフェアリング核酸分子」、「ショートインターフェアリングオリゴヌクレオチド分子」又は「化学修飾ショートインターフェアリング核酸」とは、例えば、配列特異的様式でRNA干渉「RNAi」又は遺伝子サイレンシングを仲介することにより、遺伝子発現又はウイルス複製を抑制又は下方調節できる、いずれかの核酸分子を指している。例示的態様内において、siNAは、自己相補的センス及びアンチセンス領域を含む二本鎖ポリヌクレオチド分子であり、ここでアンチセンス領域は、発現を下方調節するために、標的核酸分子又はそれらの一部中のヌクレオチド配列と相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、そしてセンス領域は、標的核酸配列又はそれらの一部に対応する(即ち、その配列と実質的に同一である)ヌクレオチド配列を含む。
「siNA」は、短い長さの二本鎖核酸(又は、場合によりそれらのより長い前駆体であってもよい)であり、そして標的細胞において許容できる毒性である、小さな干渉核酸、例えば、siRNAを意味する。本発明内の有用なsiNAの長さは、特定の態様において、およそ21〜23bp長の長さに最適化されているであろう。しかしながら、siRNAその他の有用なsiNAの長さには、特定の制限はない。例えば、siNAは、標的細胞への送達により、又は送達後に、存在しそして遺伝子サイレンシング活性を発揮するであろう、siNAの最終の、又は加工された形態とは実質的に異なっている、前駆体形で最初に細胞に提示することが可能である。siNAの前駆体形は、例えば、送達の時点で又は後に、加工され、分解され、改変され又は切断されて、細胞内で遺伝子サイレンシングを仲介するために活性であるsiNAを生成する、前駆体配列要素を含むことができる。それ故、特定の態様において、本発明内で有用なsiNAは、標的細胞内で活性な加工されたsiNAを生成するであろう、例えば、およそ100〜200塩基対、50〜100塩基対又は約50塩基対より少ない前駆体長を有するであろう。他の態様において、有用なsiNA又はsiRNA前駆体は、およそ10〜49bp、15〜35bp又は約21〜30bpの長さであろう。
前に指摘したように、本発明の特定の態様において、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、siNAの大きな核酸前駆体を含む、慣用的siNAよりも大きな核酸分子の送達を容易にするために使用する。例えば、本明細書の方法及び組成物は、所望のsiNAの「前駆体」を表すより大きな核酸の送達を増強するために用いることができ、ここで、前駆体アミノ酸は、標的細胞への送達前に、送達間に、又は送達後に切断され、さもなければ加工されることができ、標的細胞内で遺伝子発現を変調するための活性siNAを形成する。例えば、siNA前駆体ポリヌクレオチドは、二つ又はそれより多くのループ構造及び自己相補的センス及びアンチセンス領域を含むステムを有している、環状、一本鎖ポリヌクレオチドとして選択することができ、ここで、アンチセンス領域は、標的核酸分子又はそれらの一部中のヌクレオチド配列と相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、そしてセンス領域は、標的核酸配列又はそれらの一部に対応するヌクレオチド配列を有しており、そしてここで、環状ポリヌクレオチドは、インビトロ又はインビボで加工することが可能であり、RNAiを仲介することができる活性siNA分子を発生させる。
哺乳動物細胞において、30塩基対より長いdsRNAは、通常インターフェロンにより誘発される、dsRNA−依存性キナーゼPKR及び2’−5’−オリゴアデニレートシンセターゼを活性化可能である。活性化されたPKRは、翻訳因子真核生物開始因子2α(eIF2α)のリン酸化による一般翻訳を阻害し、一方、2’−5’−オリゴアデニレートシンセターゼは、RNaseLを経る非特異的mRNA分解を起こす。通常30塩基対未満、そして最も普通には約17〜19、19〜21又は21〜23塩基対の間の、これらの小さなサイズのおかげで(特に非前駆体形を参照すると)、本発明のsiNAはインターフェロン応答の活性化を避けている。
長いdsRNAの非特異的影響とは対照的に、siRNAは、哺乳動物システムにおいて、選択的遺伝子サイレンシングを仲介することが可能である。短いループ及びステムに19〜27塩基対を有するヘアピンRNAもまた、二本鎖ステム中の配列に相同的である遺伝子のサイレンス発現を選択的に仲介する。哺乳動物細胞は、短いヘアピンRNAをsiRNAに変換することができて、選択的遺伝子サイレンシングを仲介する。
RISCは、siRNA二重鎖のアンチセンス鎖と相補的である配列を有する、一本鎖RNAの切断を仲介する。標的RNAの切断は、siRNA二重鎖のアンチセンス鎖と相補的な領域の中間で起こる。二つのヌクレオチド3’−オーバーハングを含有している場合、21ヌクレオチドsiRNA二重鎖が最も活性であることを研究は示した。さらに、一つ又は両方のsiRNA鎖の2’−デオキシ(2’−H)又は2’−O−メチルヌクレオチドでの完全置換がRNAi活性を破壊するが、一方、3’−末端siRNAオーバーハングのデオキシヌクレオチド(2’−H)での置換は、許容的であることが報告されている。
2ヌクレオチド3’−オーバーハングを有している21−mer siRNA二重鎖の3’−オーバーハングセグメントを、デオキシリボヌクレオチドで置き換えても、RNAi活性には有害な影響を与えないことを、研究は示している。siRNAの各末端の4ヌクレオチドまでをデオキシリボヌクレオチドで置き換えることは、十分に許容的であると報告されているが、一方、デオキシリボヌクレオチドによる完全置換は、RNAi活性を消失させる。
もしくは、siRNAは、単一又は複数のsiNAをコードしそして標的細胞内でのそれらの発現を方向付ける、ポリヌクレオチドベクターにより発現される単一又は複数転写生成物として送達することが可能である。これらの態様において、標的細胞内で発現されるべきsiNAの最終転写生成物の二本鎖部分は、例えば、15〜49bp、15〜35bp又は約21〜30bp長であることが可能である。例示的態様内において、siNAの二本鎖部分(二つの鎖が対になる)は、完全に対をなしたヌクレオチドセグメントには制限されず、そして、ミスマッチ(対応するヌクレオチドが相補的ではない)、バルジ(一つの鎖上に対応する相補的ヌクレオチドを欠いている)、オーバーハングなどによる、非対形成部分を含むことができる。非対形成部分を、それらがsiNA形成を妨害しない程度まで含むことが可能である。より詳細な態様において、「バルジ」は、1〜2の非対形成ヌクレオチドを含むことができ、そして二つの鎖が対になる、siNAの二本鎖領域は、約1〜7、又は約1〜5のバルジを含むことができる。加えて、siNAの二本鎖領域中に含まれる「ミスマッチ」部分は、約1〜7、又は約1〜5の数で存在することができる。ミスマッチの場合において最もしばしば、ヌクレオチドの一つはグアニンであり、そして他方はウラシルである。こうしたミスマッチングは、例えば、センスRNAをコードする、対応するDNA中のCからT、GからAへの突然変異、又はこれらの混合物に起因しうることができるが、他の原因も又考えられる。さらに、本発明において、二つの鎖が対になっているsiNAの二本鎖領域は、特定されたおよその数値範囲で、バルジ及びミスマッチの両方を含んでいてもよい。
本発明のsiNAの末端構造は、siNAが標的遺伝子のサイレンス発現のための活性を保持している限り、平滑末端でも付着末端(オーバーハング)のどちらであってもよい。付着(オーバーハング)末端構造は、他で報告されているような3’オーバーハングのみに限定されない。それどころか、5’オーバーハンギング構造を、それがRNAiのような遺伝子サイレンシング効果を誘発さえすれば、含むことができる。加えて、オーバーハンギングヌクレオチドの数は、2又は3ヌクレオチドの報告されている制限に限定されず、オーバーハングがsiNAの遺伝子サイレンシング活性を害しない限り、任意の数であることが可能である。例えば、オーバーハングは、約1〜8ヌクレオチド、より頻繁には約2〜4ヌクレオチドを含むことができる。付着末端を有しているsiNAの全長は、対形成した二本鎖部分の長さ、及び両端のオーバーハンギング一本鎖を含む対の長さの合計として表現される。例えば、両端に4ヌクレオチドオーバーハンギングを有する19bp二本鎖RNAの具体例の場合において、全長は23bpとして表現される。さらに、オーバーハンギング配列は、標的遺伝子に対して低い特異性を有していてもよく、標的遺伝子配列と相補的(アンチセンス)又は同一(センス)である必要はない。さらに、siNAが標的遺伝子に対するその遺伝子サイレンシング効果を維持している限り、低分子量構造(例えば、tRNA、rRNA又はウイルスRNAのような天然のRNA分子、又は人工RNA分子)を、例えば、両端のオーバーハンギング部分に含有することができる。
加えて、siNAの末端構造は、二本鎖核酸の一つの端がリンカー核酸、例えば、リンカーRNAで連結されている、ステムループ構造を有することができる。二本鎖領域(ステムループ部分)の長さは、例えば、15〜49bp、しばしば15〜35bp、そしてより普通には約21〜30bp長であることが可能である。もしくは、標的細胞中で発現されるべきsiNAの最終転写生成物である、二本鎖領域の長さは、例えば、およそ15〜49bp、15〜35bp又は約21〜30bp長であることができる。リンカーセグメントを用いる場合、それがステム部分の対形成を邪魔しない限り、リンカーの長さに特別の制限はない。例えば、ステム部分の安定な対形成及びこの部分をコードするDNA間の組換えの抑制のため、リンカー部分はクローバー葉構造を有することができる。たとえリンカーが、ステム部分の対形成を邪魔するであろう長さを有していても、例えば、前駆体RNAが成熟RNAへプロセシングされる間にイントロンが切り出され、それによりステム部分の対形成を可能にするように、イントロンを含むリンカー部分を構築することが可能である。ステムループsiRNAの場合、ループ構造を有していないRNAの両末端(頭部及び尾部)は、低分子量RNAを有することができる。上述のように、これらの低分子量RNAは、tRNA、rRNA又はウイルスRNAのような天然のRNA分子、又は人工RNA分子を含むことができる。
siNAはまた、標的核酸分子のヌクレオチド配列又はそれらの一部と相補的なヌクレオチド配列を有している一本鎖ポリヌクレオチドを含むことが可能であり(例えば、こうしたsiNA分子は、標的核酸配列又はそれらの一部に対応するヌクレオチド配列のsiNA分子内の存在を必要としない)、ここで一本鎖ポリヌクレオチドは、5’−リン酸(例えば、Martinez et al., Cell., 110: 563-574 (2002) 及びSchwarz et al., Molecular Cell, 10: 537-568(2002) を参照されたい)又は5’,3’−二リン酸のような末端リン酸基をさらに含むことが可能である。
本明細書で使用する場合、用語siNA分子は、天然に存在するRNA又はDNAを含有する分子に限定されず、また化学修飾ヌクレオチド及び非ヌクレオチドも包含する。特定の態様において、本発明のショートインターフェアリング核酸分子は、2’−ヒドロキシ(2’−OH)含有ヌクレオチドを欠いている。特定の態様において、ショートインターフェアリング核酸分子は、RNAiを仲介するために2’−ヒドロキシ基を有しているヌクレオチドの存在を必要とせず、そしてそのようであるので、本発明のショートインターフェアリング核酸分子は、場合によりいずれのリボヌクレオチド(例えば、2’−OH基を有するヌクレオチド)も含んでいなくてもよい。RNAiを支援するため、siNA分子内のリボヌクレオチドを必要としないこうしたsiNA分子は、しかしながら、2’−OH基を有する一つまたはそれより多くのヌクレオチドを含有する、結合されたリンカー又は複数のリンカー、又は他の結合された付随する基、部分又は鎖を有することが可能である。場合により、siNA分子は、ヌクレオチド位の約5、10、20、30、40又は50%でリボヌクレオチドを含むことが可能である。
本明細書で使用する場合、用語siNAは、例えば、ショートインターフェアリングRNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロ−RNA(mRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、ショートインターフェアリングオリゴヌクレオチド、ショートインターフェアリング核酸、ショートインターフェアリング修飾オリゴヌクレオチド、化学修飾siRNA、転写後遺伝子サイレンシングRNA(ptgsRNA)その他のような、配列特異的RNAiを仲介可能な核酸分子を記載するために使用される他の用語と均等であることを意味している。
他の態様において、本発明内で使用するためのsiNA分子は、分離したセンス及びアンチセンス配列又は領域を含むことができ、ここで、センス及びアンチセンス領域は、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドリンカー分子により共有結合で連結されているか、又は代わるべきものとしてイオン性相互作用、水素結合、ファンデルヴァールス相互作用、疎水性相互作用及び/又はスタッキング相互作用による非共有結合で連結されている。
「アンチセンスRNA」は、標的遺伝子mRNAに相補的な配列を有し、標的遺伝子mRNAに結合することによりRNAiを誘発すると考えられているRNA鎖である。「センスRNA」は、アンチセンスRNAに相補的な配列を有し、その相補的アンチセンスRNAへアニールされてsiRNAを形成する。これらのアンチセンス及びセンスRNAは、RNA合成機で慣用的に合成されてきた。
本明細書で使用する場合、用語「RNAi構築物」とは、本明細書を通して使用される一般用語であり、小さなインターフェアリングRNA(siRNA)、ヘアピンRNA、及びsiRNAを形成させるためにインビボで切断することが可能である他のRNA種を含んでいる。本明細書において、RNAi構築物はまた、細胞中でdsRNA又はヘアピンRNAを形成する転写体、及び/又はインビボでsiRNAを生成することが可能な転写体を生じさせることが可能である発現ベクター(RNAi発現ベクターとも称される)も含む。場合により、siRNAはsiRNAの一本鎖又は二本鎖を含むことができる。
siHybrid分子は、siRNAと類似の機能を有する二本鎖核酸である。二本鎖RNA分子の代わりに、siHybridは、RNA鎖及びDNA鎖を含む。好ましくは、RNA鎖は、標的mRNAへ結合する鎖のようなアンチセンス鎖である。DNA及びRNA鎖のハイブリダイゼーションにより作製されたsiHybridは、ハイブリダイズされた相補的部分、及び好ましくは少なくとも一つの3’オーバーハンギング末端を有する。
本発明内で使用するためのsiNAは、二つの別々のオリゴヌクレオチドから組み立てることが可能であり、ここで一つの鎖はセンス鎖であり、そして他はアンチセンス鎖であり、ここにおいて、アンチセンス及びセンス鎖は自己相補的である(即ち、各鎖は、他の鎖中のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり;アンチセンス鎖及びセンス鎖が、例えば、二本鎖領域が約19塩基対である、二重又は二本鎖構造を形成するように)。アンチセンス鎖は、標的核酸分子又はそれらの一部中のヌクレオチド配列と相補的であるヌクレオチド配列を含むことができ、そしてセンス鎖は、標的核酸配列又はそれらの一部に対応するヌクレオチド配列を含むことができる。もしくは、siNAは単一のオリゴヌクレオチドから組み立てることが可能であり、ここでsiNAの自己相補的センス及びアンチセンス領域は、核酸に基づいた又は非核酸に基づいたリンカー(単数又は複数)により連結する。
追加の態様内において、本発明の方法及び組成物に従った細胞内送達のためのsiNAは、自己相補的センス及びアンチセンス領域を有する、二重鎖、非対称性二重鎖、ヘアピン又は非対称性ヘアピン二次構造のポリヌクレオチドであることが可能であり、ここでアンチセンス領域は別の標的核酸分子又はそれらの一部のヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含んでなり、そしてセンス領域は、標的核酸配列又はそれらの一部に対応するヌクレオチド配列を含む。
siNA中に行うことが可能な化学修飾の非制限例には、限定ではなく、ホスホロチオエートヌクレオチド間結合、2’−デオキシリボヌクレオチド、2’−O−メチルリボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロリボヌクレオチド、「汎用性塩基」ヌクレオチド、「非環式」ヌクレオチド、5−C−メチルヌクレオチド及び末端グリセリル及び/又は逆方向デオキシ脱塩基残基取り込みが含まれる。種々のsiNA構築物で使用された場合、これらの化学的修飾は、RNAi活性を細胞中で保存し、一方同時に、これらの核酸分子の血清安定性を劇的に増加させることが示されている。
非制限例において、核酸分子内への化学修飾ヌクレオチドの導入は、外因的に送達された天然のRNA分子に固有のインビボ安定性及び生物学的利用能の潜在的制限を克服する強力なツールを提供する。例えば、化学修飾核酸分子は、化学修飾核酸分子が血清中でより長い半減期を有する傾向があるので、規定の療法効果について特定の核酸分子の低用量を可能にすることができる。さらに、特定の化学修飾は、特定の細胞又は組織を標的とすることにより、及び/又は核酸分子の細胞取り込みを改良することにより、核酸分子の生物学的利用能を改良することが可能である。それ故、たとえ天然の核酸分子と比較して、例えば、全RNA核酸分子と比較した場合に、化学修飾核酸分子の活性が減少していても、修飾核酸分子の全体的な活性は、改良された分子の安定性及び/又は送達のため、天然の分子よりも大きくすることが可能である。天然の未修飾siNAと異なり、化学修飾siNAはまた、ヒトにおけるインターフェロン活性を活性化する可能性を最小にすることが可能である。
本明細書に記載したsiNA分子において、本発明のsiNA分子のアンチセンス領域は、前記アンチセンス領域の3’−末端にホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含むことが可能である。本明細書に記載したsiNA分子のいずれの態様においても、アンチセンス領域は、前記アンチセンス領域の5’−末端に約1〜約5のホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含むことが可能である。本明細書に記載したsiNA分子のいずれの態様においても、本発明のsiNA分子の3’−末端ヌクレオチドオーバーハングは、核酸の糖、塩基又は主鎖が化学修飾されているリボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドを含むことが可能である。本明細書に記載したsiNA分子のいずれの態様においても、3’−末端ヌクレオチドオーバーハングは、一つまたはそれより多くの汎用塩基リボヌクレオチドを含むことが可能である。本明細書に記載したsiNA分子のいずれの態様においても、3’−末端ヌクレオチドオーバーハングは、一つまたはそれより多くの非環式ヌクレオチドを含むことが可能である。
例えば、非制限例において、本発明は、一つのsiNA鎖中に約1、2、3、4、5、6、7、8又はそれより多いホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有する化学修飾ショートインターフェアリング核酸(siNA)を特色とする。さらに別の態様において、本発明は、両方のsiNA鎖中に、個々に約1、2、3、4、5、6、7、8又はそれより多いホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有する化学修飾ショートインターフェアリング核酸(siNA)を特色とする。ホスホロチオエートヌクレオチド間結合は、siNAの一つ又は両方のオリゴヌクレオチド鎖、例えば、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖中に存在することが可能である。本発明のsiNA分子は、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の3’−末端、5’−末端又は3’−末端及び5’−末端の両方に、一つまたはそれより多くのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含むことが可能である。例えば、本発明の例示的siNA分子は、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖の5’−末端に、約1〜約5又はそれより多くの(例えば、約1、2、3、4、5又はそれより多くの)連続したホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含むことが可能である。別の非制限例において、本発明の例示的siNA分子は、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖中に、一つまたはそれより多くの(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれより多くの)ピリミジンホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含むことが可能である。さらに別の非制限例において、本発明の例示的siNA分子は、センス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖中に、一つまたはそれより多くの(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれより多くの)プリンホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含むことが可能である。
siNA分子は、環状核酸分子を含むことができ、ここで、siNAは、約18〜約23(例えば、約18、19、20、21、22又は23)の塩基対を有する、約38〜約70(例えば、約38、40、45、50、55、60、65又は70)ヌクレオチド長であり、ここで環状オリゴヌクレオチドは、約19の塩基対及び2つのループを有するダンベル型構造を形成する。
環状siNA分子は、二つのループモチーフを含有し、siNA分子の一つ又は両方のループ部分は生分解可能である。例えば、本発明の環状siNA分子は、siNA分子のループ部分の分解が、約2ヌクレオチドを含む3’−末端ヌクレオチドオーバーハングのような、3’−末端ヌクレオチドオーバーハングを有する二本鎖siNA分子を発生可能なように設計する。
siNA分子中、好ましくはsiNA分子のアンチセンス鎖中、しかしまた場合によりセンス及び/又はアンチセンス及びセンス両鎖中、に存在する修飾ヌクレオチドは、天然に存在するリボヌクレオチドに類似した特性又は特徴を有する修飾ヌクレオチドを含む。例えば、本発明は、ノーザンコンホメーション(例えば、ノーザン擬回転サイクル、例えば、Saenger, Principles of Nucleic Acid Structure, Springer-Verlag ed., 1984 、を参照されたい)を有する修飾ヌクレオチドを含んでいるsiNA分子を特色とする。このように、本発明のsiNA分子中、好ましくは本発明のsiNA分子のアンチセンス鎖中、しかしまた場合によりセンス及び/又はアンチセンス及びセンス両鎖中、に存在する化学修飾ヌクレオチドは、ヌクレアーゼ分解に対して耐性であり、一方同時にRNAiを仲介する能力を維持している。ノーザンコンフィギュレーションを有するヌクレオチドの非制限例には、ロックド(locked)核酸(LNA)ヌクレオチド(例えば、2’−O,4’−C−メチレン−(D−リボフラノシル)ヌクレオチド);2’−メトキシエトキシ(MOE)ヌクレオチド;2’−メチル−チオ−エチル,2’−デオキシ−2’−フルオロヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−クロロヌクレオチド、2’−アジドヌクレオチド及び2’−O−メチルヌクレオチドが含まれる。
二本鎖siNA分子のセンス鎖は、センス鎖の3’−末端、5’−末端又は3’及び5’−両末端に、逆方向デオキシ脱塩基部分のような末端キャップ部分を有することができる。
コンジュゲートの非制限例には、図を含んでその全体が本明細書において援用される、Vargeese et al. により2003年4月30日に提出された、米国特許出願番号10/427,160に記載されているコンジュゲート及びリガンドが含まれる。別の態様において、コンジュゲートは、生分解性リンカーを経て、化学修飾siNA分子へ共有結合で結合されている。一つの態様において、コンジュゲート分子は、化学修飾siNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖かまたは両鎖の3’−末端で結合されている。別の態様において、コンジュゲート分子は、化学修飾siNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖かまたは両鎖の5’−末端で結合されている。さらに別の態様において、コンジュゲート分子は、化学修飾siNA分子のセンス鎖、アンチセンス鎖かまたは両鎖の3’−末端及び5’−末端の両方、又はそれらのいずれかの組み合わせで結合されている。一つの態様において、本発明のコンジュゲート分子は、細胞のような生物学的システム内への化学修飾siNA分子の送達を容易にする分子を含む。別の態様において、化学修飾siNA分子へ結合されたコンジュゲート分子は、ポリエチレングリコール、ヒト血清アルブミン、又は細胞取り込みを仲介することが可能である、細胞受容体のリガンドである。化学修飾siNA分子へ結合することが可能な、本発明により企図された具体的コンジュゲートの例は、Vargeese et al. により2003年7月10日に公開された米国特許出願公開番号20030130186及び2004年6月10日に公開された米国特許出願公開番号20040110296に記載されている。使用されるコンジュゲートの型及び本発明のsiNA分子のコンジュゲーションの程度は、同時にRNAi活性を仲介するsiNAの能力を維持している間の、改良された薬物動態学的プロフィール、生物学的利用能及び/又はsiNA構築物の安定性について評価することが可能である。このように、当業者は、多様なコンジュゲートで修飾されたsiNA構築物を、例えば、当該技術分野で一般に知られている動物モデルにおいて、RNAi活性を仲介する能力を維持している間に、siNAコンジュゲート複合体が改良された特性を所有しているかどうかを決定するためにスクリーニングすることが可能である。
siNAはさらに、siNAのセンス領域をsiNAのアンチセンス領域へ連結する、ヌクレオチド、非ヌクレオチド又は混合ヌクレオチド/非ヌクレオチドリンカーを含むことができる。一つの態様において、ヌクレオチドリンカーは、>2ヌクレオチド長、例えば、約3、4、5、6、7、8、9又は10ヌクレオチド長のリンカーであり得る。別の態様において、ヌクレオチドリンカーは、核酸アプタマーであり得る。本明細書で使用される「アプタマー」又は「核酸アプタマー」とは、標的分子に特異的に結合する核酸分子を意味し、ここで、核酸分子は、自然の設定において標的分子により認識される配列を含む配列を有する。もしくは、アプタマーは、標的分子へ結合する核酸分子であり得、ここで標的分子は自然には核酸へ結合しない。標的分子は、目的とするいずれも分子でもあり得る。例えば、アプタマーは、タンパク質のリガンド結合ドメインへ結合させるために使用することが可能であり、それにより、天然に存在するリガンドとタンパク質の相互作用を妨げる。これは非制限例であり、当業者は、当該技術分野で一般的に知られている技術を使用して、他の態様を容易に作製することが可能であることを認識するであろう。[例えば、Gold et al, Annu. Rev. Biochem., 64: 763 (1995); Brody and Gold, J. Biotechnol., 74: 5 (2000); Sun, Curr. Opin. Mol. Ther., 2:100 (2000); Kusser, J. Biotechnol., 74: 27 (2000); Hermann and Patel, Science 287: 820 (2000); 及び Jayasena, Clinical Chemistry, 45: 1628. (1999) を参照されたい]。
非ヌクレオチドリンカーは、脱塩基ヌクレオチド、ポリエーテル、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物、脂質、ポリ炭化水素、又は他の重合体化合物(例えば、2〜100エチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール)を含むことができる。具体的例には、Seela and Kaiser, Nucleic Acids Res., 18:6353 (1990) 及び Nucleic Acids Res., 15:3113 (1987); Cload and Schepartz, J. Am. Chem. Soc., 113:6324 (1991); Richardson and Schepartz, J. Am. Chem. Soc., 113:5109 (1991); Ma et al., Nucleic Acids Res., 21:2585 (1993) 及び Biochemistry 32:1751(1993); Durand et al., Nucleic Acids Res., 18:6353 (1990); McCurdy et al., Nucleosides & Nucleotides, 10:287 (1991); Jschke et al., Tetrahedron Lett., 34:301 (1993); Ono et al., Biochemistry, 30:9914 (1991); Arnold et al., 国際公開番号WO 89/02439 ; Usman et al., 国際公開番号WO 95/06731 ; Dudycz et al., 国際公開番号WO 95/11910 、及びFerentz and Verdine, J. Am. Chem. Soc., 113:4000 (1991) に記載されているものが含まれる。「非ヌクレオチド」はさらに、糖及び/又はリン酸基置換を含む、一つまたはそれより多くのヌクレオチド単位の代わりに核酸鎖内に取り込まれることが可能であり、そして残った塩基がそれらの酵素活性を示すことを可能にする、いずれかの基又は化合物を意味する。基及び化合物は、例えば、糖のC1位に、アデニン、グアニン、シトシン、ウラシル又はチミンのような普通に認識されるヌクレオチド塩基を含まないことにおいて、脱塩基であり得る。
化学修飾することが可能である、本発明のsiNA分子の合成は、(a)siNA分子の二つの相補鎖の合成;(b)二本鎖siNA分子を得るのに適した条件下での、二つの相補鎖を一緒にするアニーリング、を含む。別の態様において、siNA分子の二つの相補鎖の合成は、固相オリゴヌクレオチド合成による。さらに別の態様において、siNA分子の二つの相補鎖の合成は、固相タンデムオリゴヌクレオチド合成による。
オリゴヌクレオチド(例えば、特定の修飾オリゴヌクレオチド又はリボヌクレオチドを欠くオリゴヌクレオチドの一部)は、例えば、Caruthers et al., 1992, Methods in Enzymology 211, 3-19, Thompson et al., 国際PCT公開番号WO 99/54459 , Wincott et al., 1995, Nucleic Acids Res. 23, 2677-2684, Wincott et al., 1997, Methods Mol. Bio., 74, 59, Brennan et al., 1998, Biotechnol Bioeng., 61, 33-45, 及び Brennan, 米国特許第6,001,311 号、に記載されているような、当該技術分野で知られているプロトコールを使用して合成した。本発明の特定のsiNA分子を含む、RNAの合成は、例えば、Usman et al., 1987, J. Am. Chem. Soc., 109, 7845; Scaringe et al., 1990, Nucleic Acids Res., 18, 5433; 及び Wincott et al., 1995, Nucleic Acids Res. 23, 2677-2684 Wincott et al., 1997, Methods Mol. Bio., 74, 59 、に記載されているような一般法に従った。
本発明で使用するための核酸分子の送達についての追加の又は補足的な方法は、例えば、Akhtar et al., Trends Cell Bio., 2, 139 (1992); Delivery Strategies for Antisense Oligonucleotide Therapeutics, ed. Akhtar, 1995, Maurer et al.,Mol. Membr. Biol., 16: 129-140 (1999); Hofland and Huang, Handb. Exp. Pharmacol., 137: 165-192 (1999); 及び Lee et al., ACS Symp. Ser., 752: 184-192 (2000) 、に記載されている。Sullivan et al., 国際PCT公開番号WO 94/02595 は、酵素的核酸分子の送達のための一般法をさらに記載している。これらのプロトコールは、本発明で企図された実質的にいずれの核酸分子の、追加の又は補足的送達に利用することが可能である。
核酸分子及びポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、当業者には既知の多様な方法により細胞へ投与することが可能であり、限定されるわけではないが、siNA及びポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドのみを含む、又は薬学的に許容できる坦体、希釈剤、賦形剤、補助剤、乳化剤、緩衝化剤、安定化剤、保存剤などのような一つまたはそれより多くの追加の成分をさらに含む、製剤中での投与が含まれる。特定の態様において、siNA及び/又はポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、リポソームに封入する、イオン注入により投与する、又はヒドロゲル、シクロデキストリン、生分解性ナノカプセル、生体接着性(bioadhesive)ミクロスフェア又はタンパク質性ベクター(例えば、O'Hare and Normand,国際PCT公開番号WO 00/53722 を参照されたい)のような他のビヒクル内へ取り込ませることが可能である。もしくは、核酸/ペプチド/ビヒクルの組み合わせは、直接注射により、又は注入ポンプの使用により局所的に送達することも可能である。本発明の核酸分子の直接注射は、皮下、筋肉内又は皮内であれ、標準針及びシリンジ方法論を使用して、又はConry et al., Clin. Cancer Res., 5: 2330-2337 (1999) 及び Barry et al., 国際PCT公開番号WO 99/31262 に記載されているもののような針なし技術により行われる。
本発明の組成物は、医薬品として効果的に用いることが可能である。医薬品は、患者における疾患状態又は他の有害な状態を防止する、発生又は重症度を変調する、又は治療する(一つまたはそれより多くの病状を検出可能な又は測定可能な程度まで軽減する)。
それ故追加の態様において、本発明は、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと混合され、複合体形成され、又はコンジュゲートされ、場合により、希釈剤、安定化剤、緩衝化剤その他のような薬学的に許容できる坦体と配合された、一つまたはそれより多くのポリ核酸、典型的には一つまたはそれより多くのsiNAの存在又は投与を特色とする、医薬組成物及び方法を提供する。
本発明は、対象における特定の疾患状態又は他の有害な状態に関連する遺伝子の発現を変調するショートインターフェアリング核酸(siNA)分子を提供することにより、追加の目的及び利点を満足させる。典型的には、siNAは、対象疾患状態又は有害な状態に関連する、原因となる又は寄与因子として上昇したレベルで発現される遺伝子を標的とするであろう。これに関連して、siNAは、一つまたはそれより多くの関連する疾患徴候の重度又は再発を防止する、軽減する又は減少する程度まで、遺伝子の発現を効果的に下方調節するであろう。もしくは、疾患又は他の有害な状態の結果又は後遺症として、標的遺伝子の発現が必ずしも上昇していない多様な異なった疾患モデルについても、標的遺伝子の下方調節は、それにもかかわらず、遺伝子発現を低下させることにより(即ち、標的遺伝子の選択されたmRNA及び/又はタンパク質生成物が減少したレベルまで)、療法的効果を生じるであろう。もしくは、本発明のsiNAは、その発現が標的遺伝子の生成物又は活性により負に調節されている「下流」遺伝子の上方調節を生じることが可能である、一つの遺伝子のより低い発現を標的とすることができる。
例示の態様において、本発明の組成物及び方法は、慢性関節リュウマチ(RA)の症状を治療する又は防止するため、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)の発現を調節するための療法的ツールとして有用である。これに関連して、本発明はさらに、小さな核酸分子を使用するRNA干渉(RNAi)により、TNF−αの発現及び活性を変調するための化合物、組成物及び方法を提供する。より詳細な態様において、本発明は、哺乳動物対象におけるRAの症状を防止する又は軽減するため、TNF−α及び/又はTNF−α遺伝子の発現を変調するために有効である、ショートインターフェアリング核酸(siNA)、ショートインターフェアリングRNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロ−RNA(mRNA)及びショートヘアピンRNA(shRNA)分子のような小さな核酸分子及び関連する方法を提供する。これら及び関連する療法的組成物及び方法において、例えば、インビボにおけるヌクレアーゼ分解に対する増加した耐性を提供することにより及び/又は改良された細胞取り込みを通して、化学修飾siNAの使用は、天然のsiNA分子の特性と比較して、修飾siNAの特性をしばしば改良するであろう。本明細書の開示に従って容易に決定できるように、多化学修飾を有する有用なsiNAは、それらのRNAi活性を保持しているであろう。本発明のsiNA分子はそれ故、多様な療法的、診断的、標的確認、遺伝子発見、遺伝子工学及び薬理ゲノミクス応用のための有用な試薬及び方法を提供する。
本発明のこのsiNAは、任意の形態、例えば、経皮的に又は局所注射により投与することができる(例えば、乾癬を治療するための乾癬斑の部位での、又は乾癬性関節炎又はRAに苦しめられている患者の関節内への局所注射)。より詳細な態様において、本発明は、TNF−α RNAを効果的に下方調節し、そしてそれにより一つまたはそれより多くのTNF−α関連炎症性状態(単数又は複数の)を減少する又は防止する、TNF−αのmRNAに方向付けられた療法的に有効量のsiNAを投与するための製剤及び方法を提供する。動物対象における選択された疾患状態に関連する一つまたはそれより多くの異なった遺伝子の発現を標的とする、同等の方法及び組成物が提供され、その発現が、選択された疾患状態に関連する原因又は寄与因子として異常に増加することが知られている、多くの遺伝子のいずれもが含まれる。
本発明のsiNA/ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド混合物は、標的とされた疾患状態のための他の標準治療と組み合わせて、例えば、RA又は乾癬のような炎症性疾患に有効な療法剤と組み合わせて投与することが可能である。これに関連して組み合わせ的に有用な及び有効な剤の例には、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、メトトレキセート、金化合物、D−ペニシラミン、抗マラリア剤、スルファサラジン、グルココルチコイド、及びインフィキシマブ及びエントラセプトのような他のTNF−α中和剤が含まれる。
陰性に荷電した本発明のポリヌクレオチド(例えば、RNA又はDNA)は、安定化剤、緩衝化剤などと共に、又はなしで、医薬組成物を形成するためのいずれの標準手段によっても、患者へ投与することが可能である。リポソーム送達機構を使用することが望まれる場合、リポソームの形成のための標準プロトコールに従うことが可能である。本発明の組成物はまた、経口投与のための錠剤、カプセル又はエリキシルとして、直腸投与のための座剤として、注射可能投与のための滅菌液剤、懸濁剤として、又は当該技術分野で知られている他の組成物として製剤する及び使用することができる。
本発明はまた、本明細書に記載した組成物の薬学的に許容できる製剤を含む。これらの製剤は、上記の化合物の塩、例えば、酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、酢酸及びベンゼンスルホン酸の塩、を含む。
薬理学的組成物又は製剤とは、細胞又は患者(例えば、ヒトを含む)内への投与、例えば、全身投与に適した形態の組成物又は製剤を指している。適した形態は、一部、使用又は移行の経路(例えば、経口、経皮又は注射による)に依存する。こうした形態は、標的細胞(即ち、陰性に荷電した核酸の送達が望まれている細胞)へ組成物又は製剤が到達することを妨げるべきではない。例えば、血流内へ注射された薬理学的組成物は可溶性でなければならない。他の因子は当該技術分野で周知であり、毒性のような考慮が含まれる。
「全身投与」とは、血流中の薬剤のインビボ全身吸収又は蓄積、続いての全身を通した分布を意味する。全身吸収を導く投与経路には、限定ではないが:静脈内、皮下、腹腔内、吸入、経口、肺内及び筋肉内が含まれる。これらの投与経路の各々は、所望の陰性に荷電したポリマー、例えば、核酸を、到達できる疾患組織へ暴露する。循環内への薬剤の移行の速度は、分子量又はサイズの関数であることが示されている。本発明の化合物を含むリポソーム又は他の薬剤坦体の使用は、例えば、網様体内皮システム(RES)の組織のような特定の組織型に、薬剤を潜在的に局在化させることが可能である。薬剤と、リンパ球及びマクロファージのような細胞の表面との会合を容易にするリポソーム製剤もまた有用である。このアプローチは、癌のような異常細胞のマクロファージ及びリンパ球免疫認識の特異性を利用することにより、標的細胞への薬剤の増強された送達を提供することができる。
「薬学的に許容できる製剤」とは、本発明の核酸分子の有効な分布を、それらの望まれる活性に最も適した生理学的位置で可能にする組成物又は製剤を意味する。本発明の核酸分子との製剤に適した剤の非制限例には以下のものが含まれる:CNS内への薬剤の移行を増強することが可能であるP−糖タンパク質阻害剤(Pluronic P85のような)[Jolliet-Riant and Tillement, Fundam. Clin. Pharmacol., 13:16-26 (1999)] ;脳内移植後の徐放性放出送達のためのポリ(DL−ラクチド−コグリコリド)のような生分解性ポリマー[Emerich, D F et al., Cell Transplant, 8: 47-58 (1999)](Alkermes, Inc. Cambridge, Mass.) ;及び血液脳関門を超えて薬剤を送達することが可能であり、そして神経細胞取り込み機構を改変可能である、ポリブチルシアノアクリレートから作製されたもののような、添加ナノ粒子[Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry, 23: 941-949, (1999)] 。本発明の核酸分子についての送達戦略の、他の非制限例には、Boado et al., J. Pharm. Sci., 87:1308-1315 (1998); Tyler et al., FEBS Lett., 421: 280-284 (1999); Pardridge et al., PNAS USA., 92: 5592-5596 (1995); Boado, Adv. Drug Delivery Rev., 15: 73-107 (1995); Aldrian-Herrada et al., Nucleic Acids Res., 26: 4910-4916 (1998); 及び Tyler et al., PNAS USA., 96: 7053-7058 (1999) に記載されている材料が含まれる。
本発明はまた、薬学的に許容できる坦体又は希釈剤中に、薬学的に有効量の所望の化合物を含む、保存又は投与のために製造された組成物も含む。療法的使用のための許容できる坦体又は希釈剤は、薬学分野では周知であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A. R. Gennaro edit. 1985) に記載されている。例えば、保存剤、安定化剤、色素及び芳香剤を提供することができる。これらには、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸及びp−ヒドロキシ安息香酸のエステルが含まれる。加えて、抗酸化剤及び懸濁剤を使用することができる。
薬学的に有効な用量とは、疾患状態を防止する、発生を抑制する、又は治療する(症状をある程度、好ましくは症状のすべてを軽減する)ために必要とされる用量である。薬学的に有効な用量は、疾患の型、使用される組成物、投与経路、治療されている哺乳動物の型、考慮されている特定の哺乳動物の生理学的特徴、併用薬物療法、及び医学分野の当業者が認識するであろう他の因子に依存する。一般に、陰性に荷電したポリマーの効力に依存して、0.1mg/kg〜100mg/kg体重/日の活性成分の量で投与される。
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合された活性物質を含む。こうした賦形剤は、懸濁剤であり、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピル−メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム;分散剤又は湿潤剤は、天然に存在するリン脂質、例えば、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのようなエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、又はエチレンオキシドと、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、であり得る。水性懸濁剤はまた、一つまたはそれより多くの保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はn−プロピル、一つまたはそれより多くの芳香剤、及びスクロース又はサッカリンのような一つまたはそれより多くの甘味剤も含有することが可能である。
油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はココナツ油、又は流動パラフィンのような鉱物油に懸濁することにより製剤することが可能である。油性懸濁剤は、増粘剤、例えば、蜜ろう、硬パラフィン又はセチルアルコール、を含有することが可能である。甘味剤及び芳香剤を、口にあう経口調製物を提供するために加えることが可能である。これらの組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加により保存することが可能である。
水の添加による水性懸濁剤の調製に適した、分散可能散剤及び顆粒剤は、分散又は湿潤剤、懸濁剤及び一つまたはそれより多くの保存剤と混合された活性成分を提供する。適した分散又は湿潤剤又は懸濁剤は、上ですでに述べたものにより例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味、芳香及び着色剤もまた存在することが可能である。
本発明の医薬組成物はまた、油中水乳剤の形態であることもできる。油相は、植物油又は鉱物油、又はこれらの混合物であり得る。適した乳化剤は、天然に存在するゴム、例えば、アラビアゴム又はトラガカントゴム、天然に存在するリン脂質、例えば、大豆レシチン、及び脂肪酸とヘキシトール、無水物から誘導されるエステル又は部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、及び前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、であり得る。乳剤はまた、甘味及び芳香剤を含有することが可能である。
医薬組成物は、滅菌注射可能水性または油性懸濁液の形態であることも可能である。この懸濁液は、上に記述した、適した分散または湿潤剤及び懸濁剤を使用し、既知の技術に従って製剤することが可能である。滅菌注射可能製剤はまた、無毒の非経口的に許容できる希釈剤又は溶媒中の滅菌注射可能溶液又は懸濁剤であることが可能である(例えば、1,3−ブタンジオール溶液として)。中でも、用いることが可能である許容できるビヒクル及び溶媒は、水、リンガー液及び等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌固定油は、溶媒又は懸濁媒質として慣用的に用いられている。この目的には、合成モノ又はジグリセリドを含む、いずれかの刺激性の低い固定油を用いることが可能である。加えて、オレイン酸のような脂肪酸の、注射可能剤の調製における使用が見出されている。
siNAはまた、座剤の形態で投与することも可能である(例えば、薬剤の直腸投与)。これらの組成物は、薬剤を、常温では固体であるが直腸温度で液体であり、そしてそれ故、直腸で融解して薬剤を放出するであろう、適した非刺激性賦形剤と混合することにより調製可能である。こうした材料には、カカオ脂及びポリエチレングリコールが含まれる。
siNAは、ヌクレアーゼ耐性基、例えば、2’−アミノ、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−H、での修飾により、安定性を増強するために広範に修飾することが可能である。[総説として、Usman and Cedergren, TIBS 17: 34 (1992); Usman et al., Nucleic Acids Symp. Ser. 31: 163 (1994) を参照されたい]。siNA構築物は、一般法を使用するゲル電気泳動により精製することが可能であり、又は高速液体クロマトグラフィーにより精製することが可能であり、そして水に再懸濁する。
修飾(塩基、糖及び/又はリン酸)を有する核酸分子を化学的に合成することは、血清リボヌクレアーゼによるそれらの分解を防止することを可能にし、それは効力を増加させる。例えば、Eckstein et al., 国際公開番号 WO 92/07065 ; Perrault et al., Nature 344: 565 (1990); Pieken et al., Science 253, 314 (1991); Usman and Cedergren, Trends in Biochem. Sci. 17: 334 (1992); Usman et al., 国際公開番号 WO 93/15187 ;及びRossi et al., 国際公開番号WO 91/03162 ; Sproat, 米国特許第5,334,711 号; Gold et al., 米国特許第6,300,074 号を参照されたい。前記の参照文献のすべてが、本明細書に記載した核酸分子の塩基、リン酸及び/又は糖部分へ行うことが可能な、多様な化学修飾を記載している。
ヌクレアーゼ安定性及び有効性における有意な増強を伴って核酸分子内へ導入することが可能である、糖、塩基及びリン酸修飾を記載しているいくつかの例が当該技術分野に存在する。例えば、オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ耐性基での修飾、例えば、2’−アミノ、2’−C−アリル、2’−フルオロ、2’−O−メチル、2’−O−アリル、2’−H、ヌクレオチド塩基修飾により、安定性を増強するため及び/又は生物学的活性を増強するために修飾される。総説として、Usman and Cedergren, , TIBS. 17: 34 (1992); Usman et al., Nucleic Acids Symp. Ser. 31:163 (1994); Burgin et al., Biochemistry, 35: 14090 (1996) を参照されたい。核酸分子の糖修飾は、当該技術分野で広範に記述されている。Eckstein et al., 国際公開PCT番号WO 92/07065; Perrault et al. Nature,344, 565-568 (1990); Pieken et al. Science, 253: 314-317 (1991); Usman and Cedergren, Trends in Biochem. Sci., 17: 334-339 (1992); Usman et al. 国際公開PCT番号WO 93/15187; Sproat, 米国特許第5,334,711 号及びBeigelman et al., 1995, J. Biol. Chem., 270, 25702; Beigelman et al., 国際PCT公開番号WO 97/26270; Beigelman et al., 米国特許第5,716,824 号; Usman et al., 米国特許第5,627,053 号; Woolf et al., 国際PCT公開番号WO 98/13526; Thompson et al., Karpeisky et al., Tetrahedron Lett., 39: 1131 (1998); Earnshaw and Gait, Biopolymers (Nucleic Acid Sciences), 48: 39-55 (1998); Verma and Eckstein, Annu. Rev. Biochem., 67: 99-134 (1998); and Burlina et al., Bioorg. Med. Chem., 5: 1999-2010 (1997) 、を参照されたい。こうした公開物は、触媒を変調することなく、核酸分子内に糖、塩基及びリン酸修飾の取り込み位置を決定するための一般法及び戦略を記載している。こうした教示を考えて、細胞中でRNAiを促進するsiNAの能力が有意に阻害されない限り、本発明のsiNA核酸分子を修飾するため、本明細書で記載されたような類似の修飾を使用することが可能である。
ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート及び/又は5’−メチルホスホネート結合による、オリゴヌクレオチドヌクレオチド間結合の化学修飾は、安定性を改良するが、過剰な修飾は、若干の毒性を引き起こし、活性を低下させることが可能である。それ故、核酸分子を設計する場合、これらのヌクレオチド間結合の量は最小にすべきである。これらの結合の濃度減少は、毒性を低下させるべきであり、結果としてこれらの分子の増加した有効性及びより高い特異性を生じる。
一つの態様において、本発明は、一つまたはそれより多くのホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、モルホリノ、アミデート、カルバメート、カルボキシメチル、アセトアミデート、ポリアミド、スルホネート、スルホンアミド、スルファメート、ホルムアセタール、チオホルムアセタール及び/又はアルキルシリル置換を含むリン酸主鎖修飾を有する、修飾siNA分子を特色とする。オリゴヌクレオチド主鎖修飾の総説については、Hunziker and Leumann, Nucleic Acid Analogues: Synthesis and Properties, in Modern Synthetic Methods, VCH, 331-417 (1995), 及び Mesmaeker et al., Novel Backbone Replacements for Oligonucleotides, in Carbohydrate Modifications in Antisense Research, ACS, 24-39 (1994) 、を参照されたい。
核酸分子の送達のための方法は、Akhtar et al., Trends Cell Bio., 2: 139 (1992); Delivery Strategies for Antisense Oligonucleotide Therapeutics, ed. Akhtar, (1995), Maurer et al., Mol. Membr. Biol., 16: 129-140 (1999); Hofland and Huang, Handb. Exp. Pharmacol., 137: 165-192 (1999); 及び Lee et al., ACS Symp. Ser., 752: 184-192 (2000) 、に記載されている。Beigelman et al., 米国特許第6,395,713 号及びSullivan et al., PCT WO 94/02595 は、核酸分子の送達のための一般法をさらに記載している。これらのプロトコルは、実質的にいずれの核酸分子の送達にも利用することが可能である。核酸分子は、当業者には既知の多様な方法により細胞へ投与することが可能であり、限定されるわけではないが、以下のものが含まれる、リポソームへの封入、イオン注入、又は生分解性ポリマー、ヒドロゲル、シクロデキストリン(例えば、Gonzalez et al., Bioconjugate Chem., 10: 1068-1074 (1999); Wang et al., 国際PCT公開番号WO 03/47518 及びWO 03/46185 、を参照されたい)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)及びPLGAミクロスフェア(例えば、米国特許第6,447,796 号及び米国特許出願公開番号US 2002130430 、を参照されたい)、生分解性ナノカプセル及び生体接着性ミクロスフェア又はタンパク質性ベクター(O'Hare and Normand, 国際PCT公開番号WO 00/53722 )。もしくは、核酸/ビヒクルの組み合わせは、直接注射により、又は注入ポンプの使用により局所的に送達する。本発明の核酸分子の直接注射は、皮下、筋肉内又は皮内であれ、標準針及びシリンジ方法論を使用して、又はConry et al., Clin. Cancer Res., 5: 2330-2337 (1999) 及び Barry et al., 国際PCT公開番号WO 99/31262 に記載されているもののような針なし技術により行われる。本発明の分子は、医薬品として効果的に用いることが可能である。医薬品は、患者における疾患状態を防止する、発生を変調する、又は治療する(症状をある程度、好ましくは症状のすべてを軽減する)。
本明細書で使用する用語「リガンド」とは、直接的か又は間接的に、受容体のような別の化合物と相互作用することが可能である、薬剤、ペプチド、ホルモン又は神経伝達物質のようないずれかの化合物又は分子を指す。リガンドと相互作用する受容体は、細胞の表面上に存在することが可能であり、もしくは細胞間受容体であることも可能である。リガンドと受容体の相互作用は、生化学的反応を生じることが可能であるが、単に物理的相互作用又は会合であることも可能である。
本明細書で使用する場合、「非対称ヘアピン」とは、アンチセンス領域、ヌクレオチド又は非ヌクレオチドを含むループ部分、及びセンス領域がアンチセンス領域との塩基対に十分な相補的ヌクレオチドを有し、そしてループを有する二重鎖を形成する程度まで、アンチセンス領域よりも少ないヌクレオチドを含むセンス領域、を含む直線状siNA分子を意味する。例えば、本発明の非対称ヘアピンsiNA分子は、T細胞中でRNAiを仲介するために十分な長さ(例えば、約19〜約22(例えば、約19、20、21又は22)ヌクレオチド)を有するアンチセンス領域、及び約4〜約8(例えば、約4,5、6、7又は8)ヌクレオチドを含むループ領域、及びアンチセンス領域と相補的である約3〜約18(例えば、約3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18)ヌクレオチドを有するセンス領域、を含むことが可能である。非対称ヘアピンsiNA分子はまた、化学的に修飾することが可能である、5’−末端リン酸基も含む。非対称ヘアピンsiNA分子のループ領域は、本明細書で記載したヌクレオチド、非ヌクレオチド、リンカー分子又はコンジュゲート分子を含むことが可能である。
本明細書で使用する場合、「非対称二重鎖」とは、センス領域及びアンチセンス領域を含む、二つの別々の鎖を有するsiNA分子を意味し、ここで、センス領域は、センス領域がアンチセンス領域との塩基対に十分な相補的ヌクレオチドを有し、そしてループを有する二重鎖を形成する程度まで、アンチセンス領域よりも少ないヌクレオチドを含む。例えば、本発明の非対称二重鎖siNA分子は、T細胞中でRNAiを仲介するために十分な長さ(例えば、約19〜約22(例えば、約19、20、21又は22)ヌクレオチド)を有するアンチセンス領域、及びアンチセンス領域と相補的である約3〜約18(例えば、約3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17又は18)ヌクレオチドを有するセンス領域、を含むことが可能である。
「遺伝子発現を変調する」とは、標的遺伝子の発現が上方調節される又は下方調節されることを意味し、それは、細胞中に存在するmRNAレベル、又はmRNA翻訳、又は標的遺伝子によりコードされたタンパク質又はタンパク質サブユニットの合成の上方調節又は下方調節を含む。遺伝子発現の変調はまた、対象タンパク質又はサブユニットの発現、レベル又は活性が、変調剤(例えば、siRNA)の非存在下で観察されたものより多く又はより少なくなるように、上方調節された又は下方調節された標的遺伝子によりコードされている一つまたはそれより多くのタンパク質又はタンパク質サブユニットの存在、量又は活性で決定することが可能である。例えば、用語「変調する」は、「抑制する」を意味することが可能であるが、用語「変調する」の使用は、この定義に制限されていない。
発現を「抑制する」、「下方調節する」又は「減少させる」とは、遺伝子の発現、又は一つまたはそれより多くのタンパク質又はタンパク質サブユニットをコードするRNA分子又は均等なRNA分子のレベル、又は標的遺伝子によりコードされている一つまたはそれより多くのタンパク質又タンパク質サブユニットの活性レベルが、本発明の核酸分子(例えば、siNA)の非存在下で観察されるものよりも減少していることを意味している。一つの態様において、siNA分子による抑制、下方調節又は減少は、不活性化又は減弱された分子の存在下で観察されるレベルよりも低い。別の態様において、siNA分子による抑制、下方調節又は減少は、例えば、スクランブルされた配列又は不適正塩基対を有するsiNA分子の存在下で観察されるレベルよりも低い。別の態様において、本発明の核酸分子による遺伝子発現の抑制、下方調節又は減少は、核酸分子非存在下よりもその存在下でより大きい。
遺伝子「サイレンシング」とは、細胞中の標的とされた遺伝子発現の抑制を通した、部分的又は完全な機能喪失を指し、そして「ノックダウン」と呼ぶこともできる。取り組むべき状況及び生物学的問題に依存し、部分的に遺伝子発現を減少させることが好ましいこともある。もしくは、遺伝子発現を可能な限り減少させることが望まれてもよい。サイレンシングの程度は、当該技術分野では既知の方法により決定することができ、そのいくつかは国際公開番号WO 99/32619 に要約されている。アッセイに依存して、遺伝子発現の定量は、例えば、ベースライン(即ち、正常)又は特定の疾患状態又は療法の標的とされた他の状態に付随するであろう上昇した発現レベルを含む他の対照レベルの10%、30%、50%、75%、90%、95%又は99%に等しいか又は大きい程度まで、mRNAレベル又はタンパク質レベル又は活性の点から、標的遺伝子発現をノックダウンすることが可能であろう、予防的及び療法的方法を含む本発明の特定の態様で望むことができる抑制の多様な量の検出を可能にする。
句「標的遺伝子の発現を抑制すること」とは、標的遺伝子のサイレンシングを開始する、本発明のsiNAの能力を指している。遺伝子サイレンシングの程度を試験するため、目的とする生物体又は特定の構築物を発現している培養中の細胞の試料又はアッセイを、構築物の発現を欠く対照試料と比較する。対照試料(構築物発現を欠く)を100%の相対値に割り当てる。試験値が対照に関して約90%、しばしば50%、そして特定の態様においては25〜0%である場合、標的遺伝子の発現の抑制が達成されている。適したアッセイには、例えば、ドットブロット、ノーザンブロット、インサイツハイブリダイゼーション、ELISA、免疫沈降、酵素機能、ならびに当業者には既知である表現型アッセイのような、当業者には既知の技術を使用する、タンパク質又はmRNAレベルの試験が含まれる。
「対象」とは、生物体、組織又は細胞を意味し、それは対象としての、又は移植された細胞のドナー又はレシピエントとしての生物体、又はそれ自身がsiNA送達の対象である細胞を含むことができる。それ故「対象」は、本発明の核酸分子が、そして本明細書に記載したポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドにより投与する及び増強することが可能である、インビトロ又はエクスビボの器官、組織又は細胞対象を含む、生物体、器官、組織又は細胞を指すことができる。対象の例には、哺乳動物個体又は細胞、例えば、ヒト患者又は細胞が含まれる。
本明細書で使用する「細胞」は、通常の生物学的感覚で使用し、全多細胞生物体を指してはおらず、特にヒトを指してはいない。細胞は、生物体、例えば、トリ、植物、及びヒト、ウシ、ヒツジ、類人猿、サル、ブタ、イヌ及びネコのような哺乳動物中に存在することが可能である。細胞は、原核生物(例えば、細菌細胞)又は真核生物(例えば、哺乳動物又は植物細胞)であり得る。細胞は、体細胞性又は生殖系列性起源、全能性又は多能性、分割性又は非分割性であり得る。細胞はまた、配偶子又は胚、幹細胞又は完全に分化した細胞に由来する、又は含むことが可能である。
「ベクター」とは、所望の核酸を送達するために使用される、いずれかの核酸−及び/又はウイルス−に基づいた技術を意味する。
「含む(comprising)」とは、単語「含む」に何が続いていようとも、それを包含するが、それに限定されるわけではないことを意味している。それ故、用語「含む」の使用は、列挙された要素が必要とされ又は必須であること、及び他の要素は任意であり、そして存在する又は存在しないことができることを示している。「から成る(consisting of)」とは、句「から成る」に何が続いていようとも、それを包含しており、それに限定されることを意味している。それ故、句「から成る」は、列挙された要素が必要とされ又は必須であること、及び他の要素は存在しないことを示している。「から本質的に成る」とは、句の後に列挙されたいずれの要素も包含し、及び列挙された要素についての開示において特定された活性及び作用を妨害しない又は寄与しない他の要素に制限される、ことを意味する。それ故、句「から本質的に成る」は、列挙された要素は必要とされ又は必須であるが、他の要素は任意であり、列挙された要素の活性又は作用に影響しないかどうかに依存して、存在する又は存在しないことができることを示している。
「RNA]とは、少なくとも一つのリボヌクレオチド残基を含んで成る分子を意味する。「リボヌクレオチド」とは、ベータ−D−リボ−フラノース部分の2’位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドを意味する。本用語は、二本鎖RNA、一本鎖RNA、部分的に精製されたRNAのような単離されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組換え的に生成されたRNA、ならびに、一つまたはそれより多くのヌクレオチドの付加、欠失、置換及び/又は改変により、天然に存在するRNAとは異なった改変されたRNAを包含する。こうした改変は、例えば、RNAの一つまたはそれより多くのヌクレオチドでの、siNAの末端(単数又は複数)への又は内部的な、非ヌクレオチド材料の付加を含むことが可能である。本発明のRNA分子中のヌクレオチドはまた、天然に存在しないヌクレオチド又は化学的に合成されたヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドのような、非標準ヌクレオチドも含むことが可能である。これらの改変されたRNAは、類似体又は天然に存在するRNAの類似体と称することが可能である。
「高度に保存された配列領域」とは、標的遺伝子中の一つまたはそれより多くの領域のヌクレオチド配列が、一つの世代から他の世代間で、又は一つの生物学的システムから他のシステム間で有意には変化しないものを意味している。
「センス領域」とは、siNA分子のアンチセンス領域と相補性を有するsiNA分子のヌクレオチド配列を意味する。加えて、siNA分子のセンス領域は、標的核酸配列と相同性を有する核酸配列を含むことが可能である。
「アンチセンス領域」とは、標的核酸配列と相補性を有するsiNA分子のヌクレオチド配列を意味する。siNA分子のアンチセンス領域は、場合により、siNA分子のセンス領域と相補性を有する核酸配列を含むこともできる。
「標的核酸」とは、その発現又は活性が変調されるべきいずれかの核酸配列を意味する。標的核酸はDNA又はRNAであり得る。
「相補性」とは、核酸が、伝統的ワトソン−クリックか又は他の非伝統型により、別の核酸配列と水素結合(単数又は複数)の形成が可能であることを意味する。本発明の核酸分子に関して、核酸分子とその相補的配列についての結合自由エネルギーは、核酸の関連する機能、例えば、RNAi活性、が進行するのを可能にするには十分である。核酸分子についての結合自由エネルギーの決定は、当該技術分野では周知である(例えば、Turner et al., 1987, CSH Symp. Quant. Biol. LII pp.123-133; Frier et al., 1986, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 83:9373-9377; Turner et al., 1987, J. Am. Chem. Soc. 109:3783-3785 、を参照されたい)。パーセント相補性は、第二の核酸配列と水素結合(例えば、ワトソン−クリック塩基対形成)を形成することが可能な、核酸分子中の連続した残基のパーセンテージを示している(例えば、10ヌクレオチドを有する第二の核酸配列へ、第一のオリゴヌクレオチド中の総計で10ヌクレオチドの内の5、6、7、8、9又は10ヌクレオチドが塩基対形成されていれば、各々、50%、60%、70%、80%、90%及び100%相補性を意味する)。「完全に相補的」とは、核酸配列のすべての連続残基が、第二の核酸配列中の同数の連続残基と水素結合するであろうことを意味する。
本明細書で使用する「汎用塩基」とは、各々の天然のDNA/RNA塩基と、それらとの間でほとんど区別なく塩基対を形成する、ヌクレオチド塩基類似体を指している。汎用塩基の非制限例には、C−フェニル、C−ナフチル及び他の芳香族誘導体、イノシン、アゾールカルボキサミド、及び当該技術分野で既知の3−ニトロピロール、4−ニトロインドール、5−ニトロインドール及び6−ニトロインドールのようなニトロアゾール誘導体が含まれる(例えば、Loakes, 2001, Nucleic Acids Research, 29, 2437-2447 、を参照されたい)。
本明細書で使用する用語「非環式ヌクレオチド」とは、例えば、リボース炭素のいずれか(C1、C2、C3、C4又はC5)が独立して、又は組み合わせて、ヌクレオチドに存在しない非環式リボース糖を有している、いずれかのヌクレオチドを指している。
本明細書で使用する用語「生分解性」とは、生物学的システムにおける分解、例えば、酵素分解又は化学分解、を指している。
本明細書で使用する用語「生物学的に活性な分子」とは、システムにおける生物学的応答を惹起できる又は修飾できる化合物又は分子を指している。単独で又は本発明により企図された他の分子と組み合わされる生物学的に活性なsiNA分子の非制限例には、抗体、コレステロール、ホルモン、抗ウイルス剤、ペプチド、タンパク質、化学療法剤、小分子、ビタミン、補因子、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素的核酸、アンチセンス核酸、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、2,5−Aキメラ、siNA、dsRNA、アロザイム、アプタマー、デコイ及びそれらの類似体のような療法的活性分子が含まれる。本発明の生物学的に活性な分子はまた、他の生物学的に活性な分子、例えば、脂質、及びポリアミン、ポリアミド、ポリエチレングリコール及び他のポリマーのようなポリマー類の薬物動態学及び/又は薬物動力学を変調することができる分子も含む。
本明細書で使用する用語「リン脂質」とは、少なくとも一つのリン基を含む、疎水性分子を指す。例えば、リン脂質は、リン含有基、及びOH、COOH、オキソ、アミン又は置換又は未置換アリール基で置換されていてもよい、飽和又は不飽和アルキル基を含むことが可能である。
「キャップ構造」とは、オリゴヌクレオチドの両方の末端に取り入れられている、化学修飾を意味する(例えば、本明細書において援用される、Adamic et al.,米国特許第5,998,203 号、を参照されたい)。これらの末端修飾は、エキソヌクレアーゼ分解から核酸分子を保護し、そして細胞内への送達及び/又は局在化を助けることができる。キャップは5’−末端(5’−キャップ)又は3’−末端(3’−キャップ)に存在することができ、又は両末端に存在することもできる。非制限例において、5’−キャップには、限定されるわけではないが、グリセリル、逆方向デオキシ脱塩機残基(部分);4’,5’−メチレンヌクレオチド;1−(ベータ−D−エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド;炭素環式ヌクレオチド;1,5−アンヒドロヘキシトールヌクレオチド;L−ヌクレオチド;アルファ−ヌクレオチド;修飾塩基ヌクレオチド;ホスホロジチオエート結合;スレオ−ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’,4’−セコヌクレオチド;非環式3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド;非環式3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、3’−3’−逆方向ヌクレオチド部分;3’−3’−逆方向脱塩機部分;3’−2’−逆方向ヌクレオチド部分; 3’−2’−逆方向脱塩機部分;1,4−ブタンジオールホスフェート;3’−ホスホロアミデート;ヘキシルホスフェート;アミノヘキシルホスフェート;3’−ホスフェート;3’−ホスホロチオエート;ホスホロジチオエート;又は架橋又は非架橋メチルホスホネート部分が含まれる。
3’−キャップの非制限例には、限定されるわけではないが、グリセリル、逆方向デオキシ脱塩機残基(部分);4’,5’−メチレンヌクレオチド;1−(ベータ−D−エリスロフラノシル)ヌクレオチド、4’−チオヌクレオチド;炭素環式ヌクレオチド;5’−アミノ−アルキルホスフェート;1,3−ジアミノ−2−プロピルホスフェート;3−アミノプロピルホスフェート;6−アミノヘキシルホスフェート;1,2−アミノドデシルホスフェート;ヒドロキシプロピルホスフェート;1,5−アンヒドロヘキシトールヌクレオチド;L−ヌクレオチド;アルファ−ヌクレオチド;修飾塩基ヌクレオチド;ホスホロジチオエート;スレオ−ペントフラノシルヌクレオチド;非環式3’,4’−セコヌクレオチド;非環式3,4−ジヒドロキシブチルヌクレオチド;3,5−ジヒドロキシペンチルヌクレオチド、5’−5’−逆方向ヌクレオチド部分;5’−5’−逆方向脱塩機部分;5’−ホスホロアミデート; 5’−ホスホロチオエート;1,4−ブタンジオールホスフェート;5’−アミノ;架橋又は非架橋5’-ホスホロアミデート、ホスホロチオエート又はホスホロジチオエート、架橋又は非架橋メチルホスホネート及び5’-メルカプト部分が含まれる(より詳細については、本明細書において援用されるBeaucage and lyer, 1993, Tetrahedron 49, 1925 を参照されたい)。
用語「非ヌクレオチド」とは、糖及び/又はリン酸置換を含む、一つまたはそれより多くのヌクレオチド単位の代わりに核酸鎖内に取り込まれることが可能で、残っている塩基がそれらの酵素活性を示すことを可能にする、いずれかの基又は化合物を意味する。基又は化合物は、それがアデノシン、グアニン、シトシン、ウラシル又はチミンのような通常認識されるヌクレオチド塩基を含有せず、そしてそれ故、1’−位の塩基を欠く、脱塩基である。
本明細書において使用する「ヌクレオチド」とは、当該技術分野で認識されているようであり、天然の塩基(標準)及び当該技術分野において周知である修飾塩基含んでいる。こうした塩基は一般に、ヌクレオチド糖部分の1’−位に位置している。ヌクレオチドは一般に、塩基、糖及びリン酸基を含む。ヌクレオチドは、未修飾であるか又は糖、リン酸及び/又は塩基部分で修飾されうる(また、ヌクレオチド類似体、修飾ヌクレオチド、非天然ヌクレオチド、非標準ヌクレオチドその他と互換的に称される;例えば、Usman and McSwiggen, 上記文献; Eckstein et al., 国際PCT公開番号WO 92/07065; Usman et al, 国際PCT公開番号 WO 93/15187; Uhlman & Peyman, 上記文献、すべてが本明細書において援用される、を参照されたい)。Limbach et al, 1994, Nucleic Acids Res. 22, 2183 、により要約されているような、当該技術分野で既知の修飾核酸塩基のいくつかの例がある。核酸分子内へ導入することが可能である、塩基修飾のいくつかの非制限例には、イノシン、プリン、ピリジン−4−オン、ピリジン−2−オン、フェニル、プソイドウラシル、2,4,6−トリメトキシベンゼン、3−メチルウラシル、ジヒドロウリジン、ナフチル、アミノフェニル、5−アルキルシチジン(例えば、5−メチルシチジン)、5−アルキルウリジン(例えば、リボチミジン)、5−ハロウリジン(例えば、5−ブロモウリジン)又は6−アザピリミジン又は6−アルキルピリミジン(例えば、6−メチルウリジン)、プロピン及びその他が含まれる(Burgin et al., 1996, Biochemistry, 35, 14090; Uhlman & Peyman, 上記文献)。この側面において「修飾塩基」とは、1’位のアデニン、グアニン、シトシン及びウラシル以外のヌクレオチド塩基又はそれらの均等物を意味する。
「標的部位」とは、そのアンチセンス領域内に標的配列と相補的である配列を含有する、siNA構築物により仲介される切断の「標的とされ」ている、標的RNA内の配列を意味する。
「検出可能な切断のレベル」とは、標的RNAの無作為分解により産生されたRNAのバックグラウンドより上の、切断生成物を識別するのに十分な程度の標的RNAの切断(及び切断生成物RNAの形成)を意味する。標的RNAの1〜5%からの切断生成物の生成は、ほとんどの検出法においてバックグラウンドより上であることを検出するのに十分である。
「生物学的システム」とは、限定されるわけではないが、ヒト、動物、植物、昆虫、細菌、ウイルス又はその他の起源を含む、生物学的起源からの、精製された又は精製されていない形態の、材料を意味し、ここで、システムは、RNAi活性に必要とされる要素を含む。用語「生物学的システム」は、例えば、細胞、組織又は器官、又はそれらの抽出物を包含する。用語生物学的システムはまた、インビトロ設定で使用することが可能である、再構築されたRNAiシステムも包含する。
本明細書で使用する用語「生分解性リンカー」とは、一つの分子を別の分子、例えば、生物学的に活性な分子を、本発明のsiNA分子又は本発明のsiNA分子のセンス及びアンチセンス鎖、に連結するための生分解性リンカーとして設計されている、核酸又は非核酸リンカー分子を指す。生分解性リンカーは、その安定性が、特定の組織又は細胞型への送達のような特定の目的のために変調することが可能であるように設計する。核酸に基づいた生分解性リンカー分子の安定性は、例えば、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、及び2’−O−メチル、2’−フルオロ、2’−アミノ、2’−O−アミノ、2’−C−アリル、2’−O−アリル及び他の2’−修飾又は塩基修飾ヌクレオチドのような化学的修飾ヌクレオチドの組み合わせ、のような多様な化学を使用することにより変調することが可能である。生分解性核酸リンカー分子は、二量体、三量体、四量体、又は、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20ヌクレオチド長のより長い核酸分子であることが可能であり、又はリンに基づいた結合、例えば、ホスホロアミデート又はホスホジエステル結合を有する単一ヌクレオチドを含むことも可能である。生分解性核酸リンカー分子はまた、核酸主鎖、核酸糖又は核酸塩基の修飾を含むことも可能である。
「脱塩基」とは、1’位に塩基を欠いているか、又は塩基の代わりに他の化学基を有する糖部分を意味し、例えば、Adamic et al. による米国特許第5,998,203 号を参照されたい。
「未修飾ヌクレオシド」とは、ベータ−D−リボ−フラノースの1’炭素に連結された塩基アデニン、シトシン、グアニン、チミン又はウラシルのうちの一つを意味する。
「修飾ヌクレオシド」とは、未修飾ヌクレオチド塩基、糖及び/又はリン酸の化学構造における修飾を含有するいずれかのヌクレオチド塩基を意味する。修飾ヌクレオチドの非制限例は、式I〜VIIにより示されているもの、及び/又は本明細書に記載されている他の修飾である。
本発明について記載した2’−修飾ヌクレオチドに関連して、「アミノ」は、2’−NH又は2’−O−−NHを意味し、それらは修飾されているか又は未修飾であることが可能である。こうした修飾基は、例えば、Eckstein et al. 米国特許第5,672,695 号及びMatulic-Adamic et al. 米国特許第6,248,878 号に記載されている。
siNA分子は、カチオン性脂質と複合体形成され、リポソーム内に封入され、又は別の方法で標的細胞又は組織へ送達することが可能である。核酸又は核酸複合体は、注射、注入ポンプ又はステントを通して、バイオポリマー内へ取り込まれて又は取り込みなしで、局所的に投与することが可能である。別の態様において、ポリエチレングリコール(PEG)を、本発明のsiNA化合物へ、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドへ、又は両方へ共有結合で結合させることが可能である。結合されたPEGは、随意の分子量、好ましくは約2,000〜約50,000ダルトン(Da)でありうる。
センス領域は、ポリヌクレオチドリンカー又は非ヌクレオチドリンカーのようなリンカー分子を経て、アンチセンス領域へ連結することが可能である。
「逆方向反復」とは、反復が転写された場合、センス及びアンチセンス要素が二本鎖siRNAを形成することが可能であるように位置されている、センス及びアンチセンス要素を含む核酸配列を指す。逆方向反復は場合により、リンカー又は反復の二つの要素間の自己切断リボザイムのような異種配列を含んでいてもよい。逆方向反復の要素は、二本鎖RNAを形成するために十分な長さを有する。典型的には、逆方向反復の各要素は、約15〜約100ヌクレオチド長、好ましくは約20〜30塩基ヌクレオチド、好ましくは約20〜25ヌクレオチド長、例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチド長である。
「核酸」とは、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド、及び一本鎖又は二本鎖形のそれらのポリマーを指す。本用語は、合成、天然に存在する及び天然には存在しない、参照核酸と類似の結合特性を有する、及び参照ヌクレオチドと類似の様式で代謝される、既知のヌクレオチド類似体又は修飾主鎖残基又は結合を含有する核酸を包含する。こうした類似体には、限定されるわけではないが、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド−核酸(PNA)が含まれる。
「大きな二本鎖RNA」とは、約40塩基対(bp)より大きな、例えば、100bpより大きな、より特別には300bpより大きなサイズを有する二本鎖RNAを指す。大きなdsRNAの配列は、mRNAのセグメント又は全mRNAを表してもよい。大きなdsRNAの最大サイズは、本明細書では制限されていない。二本鎖RNAは修飾塩基を含んでいてもよく、ここで修飾はリン酸糖主鎖又はヌクレオシドに対するものであることができる。こうした修飾は、窒素又は硫黄ヘテロ原子又は当該技術分野で既知のいずれかの他の修飾を含むことができる。
二本鎖構造は、ヘアピン又はマイクロRNAで起こるような自己相補的RNA鎖により、又は二つの異なった相補的RNA鎖のアニーリングにより形成することができる。
「オーバーラッピング」とは、二つのRNA断片が、一つの鎖上で複数のヌクレオチドがオーバーラップする配列を有する場合を指す(複数のヌクレオチド(nt)数は最小2〜5ヌクレオチド又は5〜10ヌクレオチドまで又はそれ以上)。
「一つまたはそれより多くのdsRNA」とは、配列に基づいて、お互いに異なっているdsRNAを指す。
「標的遺伝子又はmRNA」とは、目的のいずれかの遺伝子又はmRNAを指す。実際、遺伝学により又は配列決定により以前に同定されているいずれの遺伝子も、標的になることができる。標的遺伝子又はmRNAは、発生遺伝子及び調節遺伝子、ならびに代謝又は構造遺伝子又は酵素をコードする遺伝子を含むことができる。標的遺伝子は、表現型が調べられている細胞中、又は生物体中で、直接的に又は間接的に表現型特徴に影響する様式で、発現されることができる。標的遺伝子は、内在性でも又は外来性であることもできる。こうした細胞には、成体の身体又は胎仔動物又は植物中のいずれかの細胞が含まれ、配偶子又は不死細胞株又は初代細胞培養で生じるような単離された細胞も含んでいる。
本明細書及び付随する特許請求の範囲において、「a」、「an」及び「the」の単数形は、文脈が明瞭に指示しない限り、複数表示を含む。
実施例1
ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと複合体形成したsiRNAを含む組成物の製造及び特徴付け
候補siRNA及び本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド間に複合体を形成するため、適量のsiRNAを、前もって決められている量のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド、例えば、Opti−MEM(登録商標)細胞培地(Invitrogen )と規定された比で混合し、室温で約10〜30分インキュベートした。続いて、選択された容量(例えば、約50μl)のこの混合物と標的細胞を接触させ、細胞を前もって決められた期間(本実施例では約2時間)インキュベートした。siNA/ペプチド混合物は、場合により、ウシ胎児血清のような細胞培養培地又は他の添加物を含むことが可能である。H3、H4及びH2bについて、異なった比でこれらのポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドとsiRNAを複合体形成させるため、一連の実験を実施した。一般に、この実験は、1:0.01〜1:50のsiRNA/ヒストン比で開始した。96ウェルマイクロタイタープレート中の各ウェルに、40pm siRNAを加えた。各ウェルは50%コンフルエンシーでベータ−gal細胞を含有していた。トランスフェクション効率のための例示の最適比は下記表2に示されている。
トランスフェクションは、正規のsiRNAか又は上に定義したヒストンタンパク質の一つと複合体形成したsiRNAを用い、9L/ベータ−gal細胞に対して実施した。siRNAは、ベータ−ガラクトシダーゼmRNAを特異的にノックダウンするように設計され、そして活性は対照からのベータ−gal活性のパーセンテージとして表現されている(対照細胞は、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドなしのリポフェクタミンを使用してトランスフェクトした)。
siRNA送達の効率を検出する及び/又は定量するためのアッセイは、慣用法、例えば、ベータ−ガラクトシダーゼアッセイ又はフローサイトメトリー法を使用して実施した。
ベータ−ガラクトシダーゼアッセイについては、ベータ−ガラクトシダーゼを構成的に発現する細胞株、9L/LacZ細胞を使用し、ベータ−gal mRNAに対するsiRNAを化学的に合成し、そしてノックダウン効率を評価するため、送達試薬とともに使用した。
トランスフェクション手順
本手順の第1日目に、T75フラスコから飽和9L/LacZ培養物をとり、細胞を引き離しそして10mlの完全培地(DMEM、1xPS、1xNaピルビン酸、1xNEAA)内に希釈した。細胞をさらに1:15に希釈し、この調製物の100μlを96ウェルプレートのウェル内へ分注すると、それは一般に、トランスフェクションの次の日までに約50%細胞コンフルエンスを生成するであろう。ウェルの端は空のまま残し、250μlの水で満たし、そしてプレートは積み重ねずに、37℃で一夜インキュベーター(5%COインキュベーター)中に置いた。
第2日目、トランスフェクション複合体をOpti−MEM中で調製した(各ウェル50μl)。プレートから培地を除去し、ウェルを200μlのPBS又はOpti−MEMで1回洗浄した。プレートの液体を吸い取り、逆にしてティッシュペーパーで完全に乾燥させた。トランスフェクション混合物を次に各ウェルへ加え(50μl/ウェル)、そして乾燥を防ぐため、端のウェルに250μlの水を加えた。細胞は次に37℃で少なくとも3時間インキュベートした(5%COインキュベーター)。トランスフェクション混合物を除去し、100μlの完全培地(DMEM、1xPS、1xNaピルビン酸、1xNEAA)に置き換えた。細胞を既定の時間について培養し、酵素アッセイのために収集した。
酵素アッセイ
酵素アッセイのための試薬は、Invitrogen (β−Galアッセイキット、カタログ番号)及びFisher(Pierce Micro BCA タンパク質アッセイ試薬キット、カタログ)から購入した。
A:細胞溶解
・培地を除去し、200μlのPBSで1回洗浄、プレートから液体を吸い取り、逆さにして乾燥する。
・β−Galキットからの30μl溶解緩衝液を各ウェルに加える。
・細胞を2回、凍結−融解させて溶解物を発生させる。
B:β−Galアッセイ
・アッセイ混合物を調製する(50μl 1x緩衝液、17μl ONPG、各ウェル)。
・新規プレートを使用し、各ウェル内に65μlのアッセイ混合物を加える。
・各ウェル内に10μlの細胞溶解物を加える。バックグラウンド活性を差し引くため、ブランクウェルがなければならない。
・37℃で、約20分インキュベートする、ONPGが役に立たなくなる及び高発現に偏らせるであろう、長いインキュベーションは回避する。
・100μlの停止溶液を加える。
・420nmでODを測定する。
C:BCAアッセイ
・BSA標準を調製する(ウェル当たり150μl)、各点は各々のプレート上で二重でなければならない。
・各ウェル内に145μlの水を入れ、そして5μlの細胞溶解液を各ウェル内へ加える。
・製造元の指示に従って、最終アッセイ試薬を調製する。
・各ウェル内に150μlのアッセイ試薬を加える。
・37℃で、約20分インキュベートする。
・562nmでODを測定する。
D:比活性の計算
比活性は、nmolのONPG加水分解物/t/mgタンパク質として表現され、ここでtは37℃でのインキュベーション時間(分)であり;mgタンパク質は、BCA法により決定された、タンパク質のアッセイ値である。
FITC/FAMにコンジュゲートされたsiRNAのフローサイトメトリー測定
a)siRNA/ペプチドの複合体への暴露後、細胞を少なくとも3時間インキュベートした。
b)200μlのPBSで細胞を洗浄する。
c)15μlのTEで細胞を剥離させ、37℃でインキュベートする。
d)30μlのFACS溶液(0.5%BSA及び0.1%アジ化ナトリウムを含むPBS)を含む5つのウェルに細胞を再懸濁する。
e)5つのウェルすべてを一つのチューブに合併する。
f)各チューブ内に5μlのPI(ヨウ化プロピジウム)を加える。
g)製造元の指示に従って、蛍光励起細胞分取装置(FACS)で細胞を分析する。
ベータ−ガラクトシダーゼmRNAを沈黙させるために使用したsiRNA配列は以下のようであった:
C.U.A.C.A.C.A.A.A.U.C.A.G.C.G.A.U.U.U.dT.dT (センス)(配列番号)
A.A.A.U.C.G.C.U.G.A.U.U.U.G.U.G.U.A.G.dT.dT (アンチセンス)(配列番号)
Figure 2007536253
siRNA/ペプチド/脂質
siNAポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド混合物、複合体又はコンジュゲートに対するカチオン性脂質の影響を評価するため、製造元の指示に従って一定濃度(0.2μl/100μlOpti−MEM)で、siNA/ポリヌクレオチド送達製剤にリポフェクチン(Invitrogen )を加えたことを除いて、上記の手順を追随した。
GKINLKALAALAKKIL (配列番号)、siRNA及びLIPOFECTIN (登録商標)(Invitrogen)を含む組成物を生成するためには、最初にsiRNA及びペプチドを、室温にて、Opti−MEM細胞培養培地中で一緒に混合し、その後、混合物に室温でLIPOFECTIN (登録商標)を加えて、siNA/ペプチド/カチオン性脂質組成物を形成させた。
RVIRVWFQNKRCKDKK (配列番号)、siRNA及びLIPOFECTIN (登録商標)(Invitrogen)を含む組成物を生成するためには、最初にペプチド及びLIPOFECTIN (登録商標)を、Opti−MEM細胞培養培地中で一緒に混合し、この混合物にsiRNAを加えて、siNA/ペプチド/LIPOFECTIN (登録商標)組成物を形成させた。
GRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQ (配列番号)又はGEQIAQLIAGYIDIILKKKKSK (配列番号4)を使用してsiNA/ペプチド/カチオン性脂質組成物を生成するためには、siNA/ペプチド/カチオン性脂質組成物を生成するために一緒に加えられる成分の順序は問題ではない。
siRNA/メリチン/LIPOFECTIN (登録商標)を生成するためには、最初にsiRNA及びメリチンを、Opti−MEM細胞培養培地中で一緒に混合し、その後、混合物にLIPOFECTIN (登録商標)を加えた。
siRNA/ヒストンH1/LIPOFECTIN (登録商標)組成物を生成するためには、最初にヒストンH1及びLIPOFECTIN (登録商標)を、Opti−MEM細胞培養培地中に一緒に加えて完全に混合し、次ぎにsiRNAを加え、ヒストンLIPOFECTIN (登録商標)混合物と完全に混合して、siRNA/ヒストンH1/LIPOFECTIN (登録商標)組成物を形成させた。
Figure 2007536253
上記の結果に基づくと、本発明の例示のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドは、siNAの細胞取り込みを実質的に誘導する又は増強することが可能であり、一方、特定の本発明のsiNa/ポリペプチド混合物への随意のカチオン性脂質の添加は、siNA送達効率を実質的に改良することができることが明らかである。
実施例2
TAT−HAポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドとコンジュゲートされたsiRNAを含む組成物の製造及び特徴付け
本実施例は、siRNAの一つの鎖に共有結合でコンジュゲートされた特定のペプチドの合成及び取り込み活性を記述している。これらのコンジュゲートは、細胞質内にsiRNAを効果的に送達し、所望の標的遺伝子のノックダウンを仲介する。
ペプチド合成
ペプチドは、Rainin Symphony 合成機を使用し、CLEAR−アミド樹脂上、固相Fmoc化学により合成した。カップリング工程は5当量のHCTU及びFmocアミノ酸を使用し、過剰のN−メチルモルホリンで40分実施した。Fmoc除去は、ペプチド樹脂を20%ピペリジンのDMF溶液で、2回の10分サイクル処理することにより達成した。全ペプチドが完了したら、Fmoc基をピペリジンで除去し、DMFでよく洗浄した。マレイミド修飾ペプチドは、6当量のN−メチルモルホリン存在下、ペプチド樹脂のN末端に、3.0当量の3−マレイミドプロピオン酸及びHCTUをカップリンさせることにより製造した。カップリングの程度は、カイザー試験によりモニターした。10mLの2.5%水及び2.5%トリイソプロピルシラン含有TFAを加え、続いて室温で2時間穏やかにかき混ぜることにより、樹脂からペプチドを切断した。生じた粗ペプチドは、エーテルで摩砕し、続いての濾過により集めた。粗生成物をMillipore水に溶解し、凍結乾燥した。粗ペプチドを、15mLの0.05%TFA含有水及び3mLの酢酸に溶解し、5mLインジェクションループを通して5mL/分の流速で、Zorbax RX−C8逆相(22mmIDx250mm、5μm粒子サイズ)上に充填した。精製は、0.1%B/分の直線AB濃度勾配を行うことにより達成された(溶媒Aは、0.05%TFA含有水であり、溶媒Bは、0.05%TFA含有アセトニトリルである)。精製したペプチドを、HPLC及びESMSにより分析した。
コンジュゲートの合成
ペプチド及びRNAの両方とも、標準固相合成法を使用して製造した。ペプチド及びRNA分子は、お互いの共有結合を可能にするため、特定の部分で官能化されていなければならない。ペプチドについては、N末端を、例えば、3−マレイミドプロピオン酸で官能化する。しかしながら、ブロモ又はヨードアセチル部分のような他の官能基も同様に働くであろうことが認識される。RNA分子については、センス鎖の5’末端又はアンチセンス鎖の3’末端を、例えば、以下の合成法に従って1−O−ジメトキシトリチル−ヘキシル−ジスルフィドリンカーで官能化する。
5’修飾C6SS−オリゴヌクレオチド(GCAAGCUGACCCUGAAGUUCAU ;3.467mg;0.4582μmol)を、0.3mlの0.1Mトリエチルアミンアセテート(TEAA)緩衝液(pH7.0)中、室温で3時間、0.393mg(3当量)のトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)で遊離チオール基へ還元した。還元オリゴヌクレオチドを、0.1M TEAA緩衝液(pH7)中、20分以内での0〜30%CHCNの直線濃度勾配を使用する、XTerra(登録商標)MS C18 4.6x50mmカラムでのRP HPLCにより精製した(t=5.931分)。
精製還元オリゴヌクレオチド(1.361mg、0.19085μmol)を、0.2 mlの0.1M TEAA緩衝液(pH=7)に溶解し、ペプチドN末端に結合されたマレイミド部分を有するペプチド(0.79mg、1.5当量)をオリゴヌクレオチド溶液に加えた。ペプチドの添加後、沈殿が直ぐに形成されるが、それは150μlの75%CHCN/0.1M TEAAの添加により消失した。室温で一夜撹拌後、生じたコンジュゲートを、0.1M TEAA緩衝液(pH7)中、20分以内での0〜30%CHCNの直線濃度勾配、そして続いての5分以内での100%Cを使用する、XTerra(登録商標)MS C18 4.6x50mmカラムでのRP HPLCにより精製した(t=21.007分)。コンジュゲートの量は、λ=260nmでの計算されたモル吸光係数に基づいて分光学的に決定した。MALDI質量分析は、コンジュゲートについて観察されたピーク(10 585.3 amu)が計算された質量と一致していることを示した。収量:0.509mg、0.04815μmol、25.2%)。
ペプチドコンジュゲートセンス鎖及び相補的アンチセンス鎖は、50mM酢酸カリウム、1mM酢酸マグネシウム及び15mM HEPES(pH7.4)中、90℃で2分加熱し、続いて37℃で1時間インキュベーションすることによりアニール化した。二本鎖RNAコンジュゲートの形成は、非変性(15%)ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びエチジウムブロミドでの染色により確認した。
ペプチド−siRNAコンジュゲートの構造
Figure 2007536253
取り込み実験
トランスフェクション時におよそ〜50から80%のコンフルエントであるように、1日前に24ウェルプレートに細胞を蒔いた。複合体については、siRNA及びペプチドをOpti−MEM(登録商標)培地(Invitrogen )中で希釈し、PBSで洗浄した細胞へ加える5〜10分前に混合し、複合体形成させた。siRNAの最終濃度は、各ペプチド濃度(2〜50μM)で500nMであった。Opti−MEM(登録商標)培地で希釈したコンジュゲートを、62.5nM〜500nMの範囲の最終濃度で細胞へ加えた。500nM濃度では、洗浄された細胞へ加える直前に、20%FBSも併用した。細胞を、37℃、5%COで3時間トランスフェクトした。細胞をPBSで洗浄し、トリプシン処理し、そしてフローサイトメトリーにより分析した。siRNA取り込みは、Cy5蛍光の強度により測定し、細胞生存率はヨウ化プロピジウムの添加により評価した。
図1及び2に示したように、より高い取り込み及びより大きな平均蛍光取り込みが、ペプチド及びRNAを単に複合体形成させたものと比較してコンジュゲートについて観察された。このことは、特定の態様において、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドをsiNA分子へコンジュゲートさせることが望ましいであろうことを示している。
実施例3
siRNA/送達ペプチド複合体のスクリーニングは、合理的に設計されたポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの多様な集団による、9L/LacZ細胞におけるsiRNA取り込みの効率的な誘導を示す
本実施例は、本発明の合理的に設計されたポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの広範な及び多様な集団が、siRNAと複合体形成された場合、siRNA取り込みを誘導する又は増強することの追加の証拠を提供する。
翌日のトランスフェクション時に〜50%のコンフルエントであるように、およそ10,000の9L/lacZ細胞を、平底96ウェルプレート中のウェル当たりに蒔いた。FAM標識siRNA及びペプチドを、Opti−MEM(登録商標)培地(Invitrogen )中で最終濃度の2倍に希釈した。等量のsiRNA及びペプチドを混合し、室温で5〜10分複合体形成させ、次ぎに50μLを、あらかじめPBSで洗浄した細胞へ加えた。細胞を、37℃、5%COで3時間トランスフェクトした。細胞をPBSで洗浄し、トリプシン処理し、そしてフローサイトメトリーにより分析した。siRNA取り込みは、FAM蛍光の強度により測定し、細胞生存率はヨウ化プロピジウムの添加により評価した。スクリーニングアッセイの結果は、下記表4に例示されている。
Figure 2007536253
Figure 2007536253
実施例4
マウス細胞において、siRNA/送達はポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドにより増強される
本実施例は、LacZ細胞及びマウス初代線維芽細胞における、本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドによるsiRNA取り込みの誘導/増強を例示する。これらの実験に使用された材料及び方法は、上記のものと一般的に同じであるが、但し、マウスの実験では9L/LacZ細胞をマウス尾部線維芽細胞に置き換えた。これらの研究の結果は、下記表5及び6に提供されている。
Figure 2007536253
Figure 2007536253
実施例5
siRNA送達はポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドへのsiRNAのコンジュゲーションにより増強される
本実施例は、9L/LacZ培養細胞株及びマウス尾部からの初代線維芽細胞における、siRNA取り込みを誘導する又は増強するためのsiRNA/ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの活性を評価するため、スクリーニングからの結果を提供する。これらの実験に使用された材料及び方法は、上記のものと一般的に同じであるが、但し、siRNA/ペプチド複合体を生成するためのsiRNA/ペプチド混合は必要とされなかった。これらの研究の結果は、下記表7及び8に提供されている。
Figure 2007536253
Figure 2007536253
上記のデータは、本発明のsiRNA/ペプチドコンジュゲートの多様な集団が、高い効率で異なった細胞型内へのsiRNAの送達を仲介することを明らかにしている。
実施例6
siRNA遺伝子発現ノックダウンは、siRNAへコンジュゲートされたポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドにより増強される
本実施例は、本発明のsiRNA/ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド複合体による、標的遺伝子発現の効果的ノックダウンを示す。本研究において、ヒト及び他の哺乳動物対象で過剰発現された場合、RAの発生又は進行を仲介すると関係付けられている、ヒト腫瘍壊死因子−α(hTNF−α)遺伝子の発現を変調するペプチド/siRNA複合体の能力を試験した。
健康なヒトの血液は、Golden West Biologicals (CA) から購入し、末梢血単核細胞(PBMC)を、Ficoll-Pague plus (Amersham) 勾配を使用して、血液から精製した。次ぎにヒト単球を、Miltenyi Biotech からの磁気マイクロビーズを使用して、PBMC分画から精製した。単離されたヒト単球を、4mMグルタミン、10%FBS、1x非必須アミノ酸及び1xペニシリン−ストレプトマイシンを補給したIMDM中に再懸濁し、使用するまで4℃で保存した。
96ウェル平底プレート中、ヒト単球を100K/ウェル/100μlOpti−MEM(登録商標)培地(Invitrogen )で蒔いた。トランスフェクション試薬を、Opti−MEM培地中、所望の濃度で、20分(リポフェクタミン200;Invitrogen 、について)又は5分(ペプチドについて)室温にてsiRNAと混合した。インキュベーション終了時、FBSを混合物に加え(最終3%)、50μlの混合物を細胞へ加えた。細胞を、37℃で3時間インキュベートした。トランスフェクション後、細胞をV底プレートへ移し、細胞を1500rpm/5分ペレット化した。細胞を増殖培地(グルタミン、非必須アミノ酸及びペニシリン−ストレプトマイシンを補給したIMDM)に再懸濁した。一夜インキュベーション後、細胞を、1ng/mlのLPS(Sigma )で3時間刺激した。誘導後、mRNA定量のために上記のように細胞を集め、そして上清は、タンパク質定量のために取っておいた。
mRNA測定のため、Genospectra (CA) からのブランチ(branch)DNA技術を、製造元の指示に従って使用した。細胞中のmRNAレベルを定量するため、ハウスキーピング遺伝子(cypB)及び標的遺伝子(TNF−α)mRNAの両方を測定し、TNF−αの読み取り値をcypBで規格化して、相対ルミネセンス単位を得た。タンパク質レベルを定量するには、BD Bioscience からのTNF−αELISAを、製造元の指示に従って使用した。
これらの研究のためのsiRNAは、下記表9に例示したTNF−αmRNAの異なった領域を標的にするように方向付けられていた。
Figure 2007536253
Figure 2007536253
上記の研究は、TNF−α発現を標的とするsiRNAが、本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドにより活性な状態で効果的に送達され、単球におけるTNF−α発現のノックダウンを仲介することを示している。
Figure 2007536253
Figure 2007536253
Figure 2007536253
上記のデータは、本発明の新規siNA/ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド組成物を使用し、哺乳動物細胞におけるTNF−α遺伝子発現ノックダウンを効果的レベルで達成することが可能であることを証明している。
スクリーニング及び特徴付け
図1は、TNF−αノックダウン活性についてsiRNA候補配列をスクリーニングするための例示のアッセイシステムを特徴付けている。LPSで処理されたヒト単球(CD14+)は、およそ2時間以内にTNF−α特異的mRNAを誘導し、2時間後にTNF−αタンパク質のピークレベルが続いた。リポフェクタミン2000を使用してsiRNA候補配列で単球をトランスフェクトし、感染細胞をLPSで処理で処理し、そしておよそ16時間後にTNF−α mRNAレベル測定することにより、siRNAのノックダウン活性についてスクリーニングした。56のsiRNA配列を設計し、活性化ヒト一次単球において、TNF−α mRNA及びタンパク質レベルをノックダウンするそれらの能力をスクリーニングした。27siRNA配列の代表的組の活性は、80%mRNAノックダウンから検出可能な活性なしの範囲であった。一般に、TNF−αタンパク質レベルは、mRNAレベルよりも減少した、例えば、TNF−α mRNA(TNF−α−1)の50%ノックダウンは、TNF−αタンパク質レベルにおいて75%の減少を生じた。30〜60%のノックダウンレベルを示す、選択されたsiRNAについての用量応答曲線を得た。計算されたIC50値は10〜200ピコモルの範囲であった。評価されたsiRNA配列は、TNFーα転写体を通して分布しており、同定された最も強力なsiRNAは2つの領域に分布していた:コード領域の中央及び3’−UTRに位置していた。
実施例7
siRNA遺伝子発現ノックダウンは、siRNAへ複合体形成されたポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドにより増強される
本実施例は、本発明のペプチド/siRNAコンジュゲートによる、標的遺伝子発現のノックダウンを示している。これらの実験に使用された材料及び方法は、上記のものと一般的に同じであるが、但し、siRNA及びペプチドの混合を必要としない。本一連の研究において、ノックダウン実験は、リポフェクタミン有り及び無しでの、siRNA/ペプチド仲介ノックダウンの比較を含んでいる。
Figure 2007536253
上記のデータは、siRNAと複合体形成された、本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの多様な集合が、哺乳動物対象におけるTNF−遺伝子発現のsiRNA仲介ノックダウンを増強するように機能したことを証明している。
実施例8
siRNA遺伝子発現ノックダウンの時間経過
本実施例は、siRNA仲介遺伝子発現ノックダウンの時間経過に関連する研究を示す。siRNA効果の持続を試験するため、上で示したsiRNAトランスフェクション手順を用いたが、但し、eGFP発現マウスに由来する線維芽細胞を使用した。ここで使用したトランスフェクション試薬は、リポフェクタミンであった。細胞は、過剰増殖のため、第18日目に再び蒔いた。二回目のトランスフェクションは、第一のトランスフェクション後の第19日目に実施した。第19日目、トランスフェクション後にeGFPレベルを測定した。GFPIsiRNA(GFPI)及びヘアピンsiRNA(D#21)とともに、スクランブル又はナンセンスsiRNA(Qiagen )を対照として使用した。ノックダウン活性は、スクランブルsiRNA(Qiagen 対照)で較正した。
Figure 2007536253
上記の研究は、siRNAノックダウン活性は第3日目頃に明らかになり、そして第9日まで保持され、その後標的遺伝子発現は第17日目頃にベースラインレベルに戻った。第18日目の二回目のトランスフェクション後、eGFP発現の新たな減少が生じ、試薬を繰り返し投与することが可能であり、反復された又は持続された遺伝子発現ノックダウンを得た。
実施例9
ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと複合体形成されたsiRNAにより仲介されたTNF遺伝子発現ノックダウンの用量依存性
本実施例は、活性化ヒト単球における、例示のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド(PN73)と複合体形成されたsiRNAにより仲介されるノックダウン活性が、用量依存性であることを示す。
siRNA/PN73複合体は、約PN73:siRNA=82:1の、PN73とsiRNAを一定の比で提供した。400nM siRNAを、33μM PN73と5分間、OptiMEM培地中で複合体形成させた。複合体形成後、複合体をOptiMEMで連続的に希釈した(1:2の比)。複合体を、トランスフェクションのためにヒト単球に添加した。次ぎに続く誘導及び、mRNA定量を上の記述に従って実施した。
Figure 2007536253
関連する一連の実験において、siRNAを連続的に希釈し、そして固定量のPN73(1.67μM)と組み合わせた。別の言い方をすると、PN73ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドを、滴定量のsiRNAと複合体形成させた。PN73(1.67μM)は、各滴定量のsiRNAと、OptiMEM培地中、RTで5分、複合体形成させた。複合体を、トランスフェクションのためにヒト単球に添加した。下記表6に提供されている誘導及びmRNA定量データは、上記の方法により得た。
Figure 2007536253
実施例10
哺乳動物細胞において、siRNAノックダウン効果を延伸するための複数回投与プロトコール
本実施例は、複数回投与スケジュールが、本発明のsiNA/ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド組成物により仲介された、哺乳動物における遺伝子発現ノックダウン効果を効果的に延長するであろうことを示している。これらの研究に用いられた材料及び方法は、上記のものと一般的に同じであるが、但し、示された時間に反復トランスフェクションを実行した。スクランブルsiRNA(Qiagen )を並行対照に利用した。
Figure 2007536253
上記の研究は、複数回トランスフェクションが、時宜を得て実施された場合(この場合、第1回目のトランスフェクション後、およそ第5〜7日目の間)、遺伝子発現ノックダウン効果が、哺乳動物細胞において、延長する又は再誘導することが可能なことを示している。
実施例11
インビボsiRNA/ペプチド仲介TNF−α遺伝子発現ノックダウン
本実施例は、全身性送達を仲介するための、本発明のsiRNA/ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド組成物の有効性、及び療法的様式で、標的遺伝子発現を変調し及び細胞の表現型を修飾するために有効な、siRNAによる療法的遺伝子ノックダウンを示している、インビボ研究を提供する。
ヒトNF−α発現マウスは、Hellenic Pasture Institute, (Greece) から、5週齢で購入した。マウスに、週2回、300μlの食塩水(4マウス)、週1回、RA薬剤ラミケード(Ramicade)(5mg/kg)(2マウス)、又は週2回、PN73と1:5のモル比で混合したN145 siRNA(2mg/kg)(2マウス)、をi.v.で投与した。注射時間の間、血漿試料をELISA試験(R&D Systems 、カタログ番号SSTA00C )のために集め、RA疾患進行及び療法有効性の認められた指標として、足(paw)スコアを週2回測定した。
Figure 2007536253
上記のデータは、ラミケード又は食塩水(対照)処理マウスにおけるレベルと比較して、siRNA/ペプチド処理マウスにおける循環血中のhTNF−αレベルの効果的な減少を示している。
本発明のsiRNA/ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド組成物及び方法の、インビボ有効性の追加の証拠は、RA疾患状態及び治療有効性の認められた表現型指標である足スコアを使用して、上記マウス対象から得られた。出発時点の相違のため(何匹かの動物は、より早い時点を呈する)、実験のすべての動物について0であるようにスコアを調節した。各足には、以下のスコアリング指標に従って、0から3の間のスコアを与えた(最も高いスコアは12)。
0:正常
1:足又は足首関節の浮腫又は歪み
2:足及び足首関節の歪み
3:足又は足首関節の強直。
これらの足スコア評価の結果は、図3にグラフで示されている。データは、siRNA/ペプチド注射動物は、遅延されたRA進行を示し、それは、ラミケード処置マウスにより示されたものに匹敵していたことを示している。上述の研究からの結果は、本発明の小さな干渉核酸及びポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド組成物が、遺伝子発現を調節する、及び疾患を治療する及び管理するための有望な新規療法的ツールを提供することを示している。本発明のsiNA、例えば、分解のためにヒトhTNF−α特異的mRNAを標的とするsiNAは、現在のRAのための小分子、可溶性受容体又は抗体療法よりも、より高い特異性、より低い免疫原性及びより大きな疾患改変を与える。hTNF−αを標的とする50を超える候補siRNAをスクリーニングし、30〜85%の一回投与ノックダウンを得た。20を超えるコンピューター設計ペプチド複合体及び/又は共有結合分子を、単球による蛍光RNA取り込みについて比較し、多数が、リポフェクタミン又はコレステロール−コンジュゲートsiRNAよりも有意に良好な取り込みを、<10pMのIC50値で、有することを観察した。ペプチド−siRNA製剤は、インビトロにおいて、活性化ヒト単球中の、TNF−α mRNA及びタンパク質レベルを効果的にノックダウンした。
一つの例示の候補siRNA/送達ペプチド製剤を、ヒトTNF−αを構成的に発現している、慢性関節リューマチ(RA)の2つのトランスジェニックマウスモデルで評価した。週2回、IV注射による2mg/kgのsiRNA又はインフリキシマブで、6週齢の初めから治療した動物は、疾患状態が10週まで持続する対照と比較して、RAスコアの安定化(足及び関節炎症)を7週齢の初めで示した。9週齢において、siRNA処置動物は、RAスコアのインフリキシマブ処置動物に匹敵する減少、しかし有意により低い血漿TNF−αタンパク質レベルを示した。
本明細書の開示に基づくと、標的遺伝子、例えば、炎症のような病理学的状態に重要な役割を果たす、TNF−αのようなサイトカインの発現を抑制するためのsiRNAの使用は、哺乳動物対象においてRAにより典型的に示される疾患の症状を軽減する又は防止するための有効な治療を提供する。本発明の方法及び組成物内で用いられる、例示のsiRNA/ペプチド組成物は、抗体又は可溶性受容体の場合のように、標的遺伝子(例えば、TNF−α)の生成物と複合体形成することによるよりもむしろ、標的遺伝子発現(例えば、TNF−α発現)を減少させる又は排除するそれらの能力に関係した利点を提供する。
本発明の教示に従った核酸の全身性送達を改良することは、薬剤としてのsiNAの開発についての、さらなる追加の利点を提供する。この関連における具体的チャレンジには、siNAの安定性を維持しながらの、標的細胞又は組織への組織障壁を通した送達、及び細胞内送達が含まれる−有効であるのに十分な量で細胞内へ細胞膜を横切ってsiNAを得ること。本開示は、ヒトTNF−αの発現のような特異的遺伝子発現を標的とする、新規ペプチド−siRNA組成物を含む効率的なインビボ送達システムを初めて示しており、それは、RAのマウスモデルを使用した研究により例示されたように、標的疾患が予測されるトランスジェニック動物モデルにおいて疾患活性を減弱する。これらの結果は、RNAi経路が、TNF経路に対する細胞内効果を通して、細胞表現型及び疾患進行の改変を効果的に仲介し、そして、RAのための現在の抗体療法を特徴付ける、残余免疫反応性を伴う循環抗体/TNF−α複合体による毒性効果を避けていることを示している。特に、本明細書のすべての試験は、これらの例で示されたsiNA及びポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの用量が、常に少なくとも80〜90%又はそれ以上の細胞生存率と相関するように、付随する毒性効果を最小にして実行された。
実施例12
ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの合理的設計の最適化
本実施例は、本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの合理的設計を最適化するための、研究設計及びデータの例を提供する。対象合理的設計操作は、ヒストンH2B由来ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドについて行った。
Figure 2007536253
上記表19は、PN73の一次構造及びPN−73に基づいたポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの合理的設計を最適化するために発生させたその誘導体の図を提供する。親ペプチドPN73は、細胞へのsiRNA送達を誘導する又は増強するためのポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの優れた例であることが上に示されている。この及び他のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドの機能−構造活性相関をより良く理解するため、PN73と他の化学部分間とのコンジュゲートの、C及びN末端機能及び活性を特徴付けることにより、一次構造研究を実施した。
上で指摘したように、PN73はヒストン2Bからのペプチドである、残基12〜48aa。PN360はPN73のC末端欠失バージョンであり(12〜35)、PN361はPN73のN末端欠失バージョンである(23〜48)。PN404は、下に示されたように、すべてのリジンがアルギニンで置き換えられているPN73のバージョンである:
NH2-RGSRRAVTRAQRRDGRRRRRSRRESYSVYVYRVLRQ- アミド(配列番号)。
PN509はペグ化(PEG分子量1kダルトン)PN73誘導体であり、N末端がペグ化されている。
図4は、前述のPN73合理的設計誘導体ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドについて、マウス線維芽細胞における取り込み効率及び生存率の結果を提供する。マウス尾部線維芽細胞における、修飾PN73の活性変化が示されている。PN404と異なり、PN509は、毒性を増加させることなく取り込みが増加した。一方、PN73のN末端欠失部分は活性を減少させ、C末端残基の除去は、活性を消失させた。PN73及びPN509の両方が、一次細胞において、リポフェクタミン(Invitrogen, CA )よりも高い活性を示した。取り込み測定は、マウス尾部線維芽細胞を使用して実施した。
前述の発明を、理解を明瞭にする目的で、実施例により詳細に説明してきたが、それらは制限ではなく例示のために示されており、特定の変更及び改変を付随する特許請求の範囲の範囲内で実施することができることが、当業者には理解されるであろう。これに関連して、多様な出版物及び他の参照文献が、記述の節約のために前述の開示内で引用されてきた。これらの参照文献の各々は、すべての目的について、その全体が本明細書において援用される。しかしながら、本明細書で議論された多様な出版物は、本出願の出願日に先だったそれらの開示のために単に取り込まれ、そして発明者は、先の発明によってこうした開示の日付を前にする権利を留保することが特筆される。
図1は、本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドへ複合体形成された又はコンジュゲートされたsiNAのペプチド仲介取り込みを図示している。 図2は、本発明のポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドへ複合体形成された又はコンジュゲートされたsiNAのペプチド仲介取り込みをさらに図示している。 図3は、siRNA/ペプチド注射マウスの足データを示しており、それは、ラミケード処置対象により示されたものに匹敵する、処置マウスにおける遅延RA進行を示している。 図4は、本発明のPN73合理的設計誘導体ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドについての、マウス線維芽細胞における取り込み効率及び生存率の結果を提供している。

Claims (87)

  1. 動物細胞内へ二本鎖核酸の取り込みを起こすための方法であって、前記細胞と、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド及び前記核酸を含む混合物をインキュベートすることを含む、前記方法。
  2. 核酸が、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと混合される、複合体形成される、又はコンジュゲートされる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記核酸が、阻害的低分子RNA(siRNA)である、請求項1に記載の方法。
  4. 核酸が、TNF−α遺伝子の一部と相補的であるsiRNAを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 核酸が、30又はそれより短い長さのヌクレオチド又はヌクレオチド塩基対を有する、請求項1に記載の方法。
  6. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンタンパク質又はポリペプチド又はペプチド断片、誘導体、類似体、又はそれらのコンジュゲートを含む、請求項1に記載の方法。
  7. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、両親媒性アミノ酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
  8. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、タンパク質形質導入ドメイン又はモチーフを含む、請求項1に記載の方法。
  9. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、膜融合性ペプチドドメイン又はモチーフを含む、請求項1に記載の方法。
  10. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、DNA結合ドメイン又はモチーフを含む、請求項1に記載の方法。
  11. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、表2〜8に列挙された一つまたはそれより多くのアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
  12. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンH1、ヒストンH2B、ヒストンH3及びヒストンH4l、又はそれらの断片から選択される一つまたはそれより多くのヒストンタンパク質、GKINLKALAALAKKIL、RVIRVWFQNKRCKDKK、GRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQ、GEQIAQLIAGYIDIILKKKKSK及びWWETWKPFQCRICMRNFSTRQARRNHRRRHR、ポリLys−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)、ポリOrn−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)又はミエリンから選択されるアミノ酸配列、を含む、請求項1に記載の方法。
  13. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ペグ化されている、請求項1に記載の方法。
  14. 前記混合物がさらに、カチオン性脂質を含む、請求項1に記載の方法。
  15. カチオン性脂質が、リポフェクチン(登録商標)又はリポフェクタミン(登録商標)である、請求項14に記載の方法。
  16. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド及び二本鎖核酸を含む組成物であって、動物細胞内への前記核酸の取り込みを起こす、前記組成物。
  17. 核酸が、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと混合される、複合体形成される、又はコンジュゲートされる、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記核酸が、阻害的低分子RNA(siRNA)である、請求項16に記載の組成物。
  19. 核酸が、TNF−α遺伝子の一部と相補的であるsiRNAを含む、請求項18に記載の組成物。
  20. 核酸が、30又はそれより短い長さのヌクレオチド又はヌクレオチド塩基対を有する、請求項16に記載の組成物。
  21. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンタンパク質又はポリペプチド又はペプチド断片、誘導体、類似体、又はそれらのコンジュゲートを含む、請求項16に記載の組成物。
  22. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、両親媒性アミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
  23. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、タンパク質形質導入ドメイン又はモチーフを含む、請求項16に記載の組成物。
  24. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、膜融合性ペプチドドメイン又はモチーフを含む、請求項16に記載の組成物。
  25. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、DNA結合ドメイン又はモチーフを含む、請求項16に記載の組成物。
  26. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、表2〜8に列挙された一つまたはそれより多くのアミノ酸配列を含む、請求項16に記載の組成物。
  27. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンH1、ヒストンH2B、ヒストンH3及びヒストンH4l、又はそれらの断片から選択される一つまたはそれより多くのヒストンタンパク質、GKINLKALAALAKKIL、RVIRVWFQNKRCKDKK、GRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQ、GEQIAQLIAGYIDIILKKKKSK及びWWETWKPFQCRICMRNFSTRQARRNHRRRHR、ポリLys−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)、ポリOrn−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)又はミエリンから選択されるアミノ酸配列、を含む、請求項16に記載の組成物。
  28. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ペグ化されている、請求項16に記載の組成物。
  29. さらにカチオン性脂質を含む、請求項16に記載の組成物。
  30. カチオン性脂質が、リポフェクチン(登録商標)又はリポフェクタミン(登録商標)である、請求項29に記載の組成物。
  31. 動物細胞中の標的遺伝子の発現を修飾するための方法であって、前記細胞と、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド及び核酸、ここで前記核酸は前記標的遺伝子の領域と相補的である、を含む混合物をインキュベートすることを含む、前記方法。
  32. 核酸が、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと混合される、複合体形成される、又はコンジュゲートされる、請求項31に記載の方法。
  33. 前記核酸が、阻害的低分子RNA(siRNA)である、請求項31に記載の方法。
  34. 核酸が、TNF−α遺伝子の一部と相補的であるsiRNAを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 核酸が、30又はそれより短い長さのヌクレオチド又はヌクレオチド塩基対を有する、請求項31に記載の方法。
  36. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンタンパク質又はポリペプチド又はペプチド断片、誘導体、類似体、又はそれらのコンジュゲートを含む、請求項31に記載の方法。
  37. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、両親媒性アミノ酸配列を含む、請求項31に記載の方法。
  38. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、タンパク質形質導入ドメイン又はモチーフを含む、請求項31に記載の方法。
  39. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、膜融合性ペプチドドメイン又はモチーフを含む、請求項31に記載の方法。
  40. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、DNA結合ドメイン又はモチーフを含む、請求項31に記載の方法。
  41. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、表2〜8に列挙された一つまたはそれより多くのアミノ酸配列を含む、請求項31に記載の方法。
  42. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンH1、ヒストンH2B、ヒストンH3及びヒストンH4l、又はそれらの断片から選択される一つまたはそれより多くのヒストンタンパク質、GKINLKALAALAKKIL、RVIRVWFQNKRCKDKK、GRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQ、GEQIAQLIAGYIDIILKKKKSK及びWWETWKPFQCRICMRNFSTRQARRNHRRRHR、ポリLys−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)、ポリOrn−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)又はミエリンから選択されるアミノ酸配列、を含む、請求項31に記載の方法。
  43. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ペグ化されている、請求項31に記載の方法。
  44. 前記混合物がさらに、カチオン性脂質を含む、請求項31に記載の方法。
  45. カチオン性脂質が、リポフェクチン(登録商標)又はリポフェクタミン(登録商標)である、請求項44に記載の方法。
  46. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド及び二本鎖核酸を含む組成物であって、動物細胞内への前記核酸、ここで前記核酸は標的遺伝子の領域と相補的でありそして前記細胞中の前記標的遺伝子の発現を修飾する、の取り込みを起こす、前記組成物。
  47. 動物対象の表現型を変化させるための方法であって、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド及び二本鎖核酸(当該核酸は前記対象中の標的遺伝子の領域と相補的である)の混合物を前記対象へ投与することを含む、前記方法。
  48. 前記対象が、動物細胞又は個体である、請求項47に記載の方法。
  49. 核酸が、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと混合される、複合体形成される、又はコンジュゲートされる、請求項47に記載の方法。
  50. 前記核酸が、阻害的低分子RNA(siRNA)である、請求項47に記載の方法。
  51. 核酸が、TNF−α遺伝子の一部と相補的であるsiRNAを含む、請求項50に記載の方法。
  52. 核酸が、30又はそれより短い長さのヌクレオチド又はヌクレオチド塩基対を有する、請求項47に記載の方法。
  53. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンタンパク質又はポリペプチド又はペプチド断片、誘導体、類似体、又はそれらのコンジュゲートを含む、請求項47に記載の方法。
  54. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、両親媒性アミノ酸配列を含む、請求項47に記載の方法。
  55. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、タンパク質形質導入ドメイン又はモチーフを含む、請求項47に記載の方法。
  56. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、膜融合性ペプチドドメイン又はモチーフを含む、請求項47に記載の方法。
  57. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、DNA結合ドメイン又はモチーフを含む、請求項47に記載の方法。
  58. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、表2〜8に列挙された一つまたはそれより多くのアミノ酸配列を含む、請求項47に記載の方法。
  59. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンH1、ヒストンH2B、ヒストンH3及びヒストンH4l、又はそれらの断片から選択される一つまたはそれより多くのヒストンタンパク質、GKINLKALAALAKKIL、RVIRVWFQNKRCKDKK、GRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQ、GEQIAQLIAGYIDIILKKKKSK及びWWETWKPFQCRICMRNFSTRQARRNHRRRHR、ポリLys−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)、ポリOrn−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)又はミエリンから選択されるアミノ酸配列、を含む、請求項47に記載の方法。
  60. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ペグ化されている、請求項47に記載の方法。
  61. 前記混合物がさらに、カチオン性脂質を含む、請求項47に記載の方法。
  62. カチオン性脂質が、リポフェクチン(登録商標)又はリポフェクタミン(登録商標)である、請求項61に記載の方法。
  63. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド及び二本鎖核酸を含む混合物であって、動物の細胞内への前記核酸、ここで前記核酸は前記細胞中の標的遺伝子の領域と相補的でありそして細胞又は動物の表現型の変化を仲介する前記標的遺伝子の発現を変調する活性がある、の取り込みを起こす、前記混合物。
  64. 動物対象における疾患又は有害な状態を治療する方法であって、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド及び二本鎖核酸を含む、有効量の混合物[ここで前記混合物は対象の細胞内への前記核酸の取り込みを起こし、及び前記核酸は前記細胞中の標的遺伝子の領域と相補的でありそして対象における前記疾患又は状態の一つまたはそれより多くの症状の発生又は重症度の防止又は減少を仲介する前記標的遺伝子の発現を変調する活性がある]を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  65. 前記対象が、動物細胞又は個体である、請求項64に記載の方法。
  66. 核酸が、ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドと混合される、複合体形成される、又はコンジュゲートされる、請求項64に記載の方法。
  67. 前記核酸が、阻害的低分子RNA(siRNA)である、請求項64に記載の方法。
  68. 核酸が、TNF−α遺伝子の一部と相補的であるsiRNAを含む、請求項64に記載の方法。
  69. 核酸が、30又はそれより短い長さのヌクレオチド又はヌクレオチド塩基対を有する、請求項64に記載の方法。
  70. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンタンパク質又はポリペプチド又はペプチド断片、誘導体、類似体、又はそれらのコンジュゲートを含む、請求項64に記載の方法。
  71. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、両親媒性アミノ酸配列を含む、請求項64に記載の方法。
  72. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、タンパク質形質導入ドメイン又はモチーフを含む、請求項64に記載の方法。
  73. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、膜融合性ペプチドドメイン又はモチーフを含む、請求項64に記載の方法。
  74. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、DNA結合ドメイン又はモチーフを含む、請求項64に記載の方法。
  75. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、表2〜8に列挙された一つまたはそれより多くのアミノ酸配列を含む、請求項64に記載の方法。
  76. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ヒストンH1、ヒストンH2B、ヒストンH3及びヒストンH4l、又はそれらの断片から選択される一つまたはそれより多くのヒストンタンパク質、GKINLKALAALAKKIL、RVIRVWFQNKRCKDKK、GRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQGRKKRRQRRRPPQ、GEQIAQLIAGYIDIILKKKKSK及びWWETWKPFQCRICMRNFSTRQARRNHRRRHR、ポリLys−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)、ポリOrn−Trp(4:1、MW20,000〜50,000)又はミエリンから選択されるアミノ酸配列、を含む、請求項64に記載の方法。
  77. ポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドが、ペグ化されている、請求項64に記載の方法。
  78. 前記混合物がさらに、カチオン性脂質を含む、請求項64に記載の方法。
  79. カチオン性脂質が、リポフェクチン(登録商標)又はリポフェクタミン(登録商標)である、請求項78に記載の方法。
  80. 一つまたはそれより多くのポリヌクレオチド送達増強ポリペプチドへ複合体形成された又は共有結合されたセンス及びアンチセンス鎖を有する二本鎖核酸(dsNA)を含む、組成物。
  81. dsNAアンチセンス鎖が、目的の細胞内に存在するmRNAにハイブリダイズすることが可能である、請求項80に記載の組成物。
  82. dsNAの各鎖が、30又はそれより少ないヌクレオチド対を有する、請求項80に記載の組成物。
  83. dsNAの各鎖が、約19〜25ヌクレオチド間の長さを有する、請求項80に記載の組成物。
  84. dsNAが、阻害的低分子RNA(siRNA)を含む、請求項80に記載の組成物。
  85. dsNAが、二本鎖(ds)ハイブリッド核酸(ds Hybrid)であるか、又は鎖の一つがDNAの鎖であり、他の鎖がRNAの鎖である、センス及びアンチセンス鎖を有する、請求項80に記載の組成物。
  86. 一つまたはそれより多くのポリヌクレオチド送達増強ポリペプチド混合された、複合体形成された又は共有結合された、センス及びアンチセンス鎖を有している二本鎖核酸(dsNA)及びカチオン性脂質を含む、組成物。
  87. カチオン性脂質が、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、1,2−ビス(オレイルオキシ)−3−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン、1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムブロミド、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド、2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート,1,3−ジオレイルオキシ−2−(6−カルボキシスペルミル)−プロピルアミド、5−カルボキシスペルミルグリシンジオクタデシルアミド、テトラメチルテトラパルミトイルスペルミン、テトラメチルテトラオレイルスペルミン、テトラメチルテトララウリルスペルミン、テトラメチルテトラミリスチルスペルミン及びテトラメチルジオレイルジオレイルスペルミン、DOTMA(N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド)、DOTAP(1,2−ビス(オレイルオキシ)−3,3−(トリメチルアンモニウム)プロパン)、DMRIE(1,2−ジミリスチルオキシプロピル−3−ジメチル−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド)、DDAB(ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド)、多価カチオン性脂質、リポスペルミン、DOSPA(2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート)、DOSPER(1,3−ジオレイルオキシ−2−(6−カルボキシスペルミル)−プロピル−アミド、ジ−及びテトラ−アルキル−テトラ−メチルスペルミン、TMTPS(テトラメチルテトラパルミトイルスペルミン)、TMTOS(テトラメチルテトラオレイルスペルミン)、TMTLS(テトラメチルテトララウリルスペルミン)、TMTMS(テトラメチルテトラミリスチルスペルミン)、TMDOS(テトラメチルジオレイルスペルミン)、DOGS(ジオクタデシル−アミドグリシルスペルミン(TRANSFECTAM(登録商標))、非カチオン性脂質と組み合わされたカチオン性脂質、DOPE(ジオレイルホスファチジルエタノールアミン)、DPhPE(ジフィタノイルホスファチジルエタノールアミン)又はコレステロール、DOSPA及びDOPEの3:1(w/w)混合物、及びDOTMA及びDOPEの1:1(w/w)混合物から構成されたカチオン性脂質組成物、から成る群より選択される、請求項86に記載の組成物。
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