JP2007535504A - アルミノケイ酸塩を用いるトレハロースの濃縮 - Google Patents

アルミノケイ酸塩を用いるトレハロースの濃縮 Download PDF

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Abstract

本発明は、濃縮が吸着を利用しておこなわれる、溶液からトレハロースを濃縮する方法に関する。本発明は吸着剤がアルミノケイ酸塩であることを特徴とする。上記アルミノケイ酸塩は好ましくはゼオライトである。本発明はまた、発酵ブロスからの、より特定的には他の価値のある生成物の発酵による製造から得られる副生成物としてのトレハロースの濃縮および精製に関する。

Description

本発明は、吸着剤を用いてトレハロースを濃縮する、溶液からトレハロースを濃縮する方法に関する。
二糖トレハロース(α-D-グルコピラノシル-α-D-グルコピラノシド)は、α,α-1,1結合を介して互いに共有結合する2個のグルコース分子からなる。トレハロースは、その特性のため、機能に関して関心を集めており、工業において重要性が増しつつある。応用の重要な分野は、タンパク質およびペプチド、たとえば酵素およびワクチンの安定化である。トレハロースは、食品工業において好ましく使用される。トレハロースはまた、その甘さが少ないため、またその味を保存する特性のため、スクロースの代替物としても使用される。さらに、トレハロースは冷凍および乾燥操作における安定化作用を有する。応用の別の分野は化粧品業界である。
トレハロースは好ましくは酵素的に、または好適な微生物を用いて発酵により製造される(Schiraldi, C.ら、(2002), 「トレハロースの製造:新しいアプローチの開発」(Trehalose Production: Exploiting Novel Approaches.) Trends in Biotechnology, vol. 20 (10), pages 420-425)。しばしば、トレハロースは他の物質を製造するための発酵においても副生成物として形成される(Hull, S.R., Gray, J.S.S.ら、(1995).「一般的な発酵工業の副生成物としてのトレハロース」(Trehalose as a Common Industrial Fermentation Byproduct.) Carbohydrate Research, vol. 266, pages 147-152)。特に、発酵の場合、化学合成によるものと異なり、たとえば、細胞、タンパク質、脂質、または他の糖類を含有し得る非常に不純物の多い溶液が形成される。
したがって、トレハロースは上記のような非常に不純物の多い溶液から濃縮しなければならず、目的とする用途に応じて、さらに精製しなければならない。
先行技術において、トレハロースの種々の濃縮および精製法が知られている。
US 5,759,610には、濾過および遠心分離、活性炭による処理、脱イオン化、イオン交換体による精製、濃縮によるシロップ生成物の形成、イオン交換カラムクロマトグラフィー、活性炭クロマトグラフィーおよびシリカゲルカラムクロマトグラフィーなどのカラムクロマトグラフィー技術による再度の精製、ならびにアルコールおよびアセトンなどの有機溶媒による沈殿および好適な膜による濾過、および残存するサッカリドを除去または分解するための酵母による発酵またはアルカリ処理の工程を含む、微生物の培養物からトレハロースを精製する方法が記載されている。さらに精製するために、たとえば、冷却結晶化または噴霧乾燥が提案されている。吸着剤へのトレハロースの吸着はおこなわれない。
JP 07000190 (Tadashi, Wら)は、醸造発酵の固体の残渣からのトレハロースの単離について記載している。上記残渣からトレハロースを抽出するために、残渣をアルコールにより抽出し、および/または超音波処理する。さらに、残渣中に存在する酵素トレハラーゼを熱処理により不活性化する。精製は、とりわけ、複数のイオン交換カラムおよび1つの活性炭カラムによりおこなわれる。このプロセスにおいてトレハロースはカラムに吸着されない。
US 5,441,644には、トレハロースを発酵ブロスから精製するプロセスが記載されている。上記プロセスにおいて、とりわけ、限外濾過および活性炭を用いる脱色をおこなう。このプロセスにおいてトレハロースは活性炭に吸着されない。
上記のプロセスの欠点はそれぞれの吸着剤を不要な異物を吸着するためのみに使用し、トレハロースそのものを吸着しないことであると思われる。抽出および精製の工程をさまざまな異物に適合させなければならないので、複雑になり、工業規模に適用するのは困難である。特に、これは通常トレハロース含有量が乾燥重量の15%未満である発酵ブロスからの精製について言えることである(Schiraldiら、(2002), 「トレハロースの製造:新規のアプローチの開発」(Trehalose Production: Exploiting Novel Approaches), Trends in Biotechnology, vol. 20 (10), page 421)。
別の方法によれば、トレハロースは活性炭およびBio-Gel P-2を順次用いるクロマトグラフィーにより、発酵の副生成物として精製される(Hull, S.R., Gray, J.S.S.ら、(1995)「一般的な発酵工業の副生成物としてのトレハロース」(Trehalose as a Common Industrial Fermentation Byproduct), Carbohydrate Research, vol. 266, pages 147-152)。しかしながら、このプロセスは検出方法にすぎず、工業規模に適用するのに適した方法ではない。
US 5,441,644には、上記の方法に加えて、トレハロースを含有するアセトニトリル溶液をシリカゲルクロマトグラフィーにかける先行技術の別の方法が記載されている。しかしながら、上記文献には、これらのクロマトグラフィー法は工業規模におけるトレハロースの濃縮またはトレハロースの精製には適していないと記載されている。
Buttersackら(「水相から無極性ゼオライトへの特異的吸着」(Specific Adsorption from Aqueous Phase on Apolar Zeolites), Progress in Zeolite and Microporous Materials, vol. 105, pp.1723-1730, 1997)は、ある種の単糖および二糖の選択されたFAU、PEAおよびMFIゼオライトへの結合について記載している。個々の二糖に対して、非常に異なる吸着特性が見出された。トレハロースは研究されなかった。
別の研究において、Buttersackらは、異なるYゼオライトおよび脱アルミニウム化されたYゼオライトへの二糖の結合について記載している(Buttersackら、(1994)「異なるホージャサイトへのグルコースおよびフルクトース含有二糖の吸着」(Adsorption of Glucose and Fructose containing Disaccharides on Different Faujasites), Studies in Surface Science and Catalysis, vol. 84, pp.1363-1371)。彼らは、ゼオライトへの吸着について研究された二糖におけるフルクトースラジカルの重要性を強調している。トレハロースは研究されておらず、またフルクトースラジカルを有していない。
以前の吸着剤の欠点はそれらが非常に一般的な吸着特性を有し、それぞれのプロセスに合わせて個別に調節することができない点である。
したがって、より良い吸着剤を用いる溶液からのトレハロースの濃縮の方法、特に個々のプロセスに適応することができる吸着剤が必要である。そこで、本発明の目的は、特にクロマトグラフィー法において使用するための上記のプロセスを提供することである。本発明の別の目的は発酵ブロス、特にリシン製造発酵ブロスからトレハロースを濃縮することを可能にする方法を提供することである。
本発明者らは、この目的が、吸着剤を使用して溶液からトレハロースを濃縮するための公知の方法から出発して達成されることを見出した。本発明の方法の特徴は吸着剤がアルミノケイ酸塩である点である。
先行技術において使用された吸着剤(たとえば、活性炭およびイオン交換体)と比較して、アルミノケイ酸塩、特にゼオライトは、より多数の変異形を調製することができ、その結果として、吸着剤を分離の問題により良く適応させることができるという利点を提供する。
トレハロースは多くの公知の方法により製造することができる。伝統的にトレハロースは発酵法により製造され、一方では酵素的製造方法も確立されてきている (Schiraldi, C.ら、(2002) 「トレハロースの製造:新規のアプローチの開発」(Trehalose Production: Exploiting Novel Approaches), Trend in Biotechnology, vol.20 (10), pp.420-425)。微生物において、トレハロース合成のための3つの主な酵素的経路が発見されている:(1) 真菌および酵母におけるホスホリラーゼ系、(2) 中温菌および好極限性細菌におけるグルコシルトランスフェラーゼ-ヒドロラーゼ系、および(3) マルトースからトレハロースへのトレハロースシンターゼ触媒グリコシル転移(たとえば、JP 09098779、KR 99029104)。
濃縮という用語は当業者に公知である。本発明によれば、濃縮という用語は、特に、不要な異物と比較してトレハロースの比率が増加することを意味する。典型的には、このトレハロースの比率は生成物の乾燥重量に基づく。
好ましい実施形態において、濃縮という用語はまた、トレハロースの精製を意味する。精製という用語は当業者に公知である。この文脈の中では、特に、トレハロースが本質的に他の物質を含まないようなトレハロースの純度を達成することが精製の目的である。特に、これは結晶形のトレハロースを意味する。
濃縮または精製の方法は、収率が十分である場合にのみ経済的に目的にかなっている。したがって、本発明の目的はさらに、高度の濃縮のみならず、高い収率をも達成することである。
溶液に関しては、溶媒に特別な制限は存在しない。使用できる溶媒は、たとえば、水またはアセトニトリルである。好ましくは、溶液は水溶液である。
本発明の意味において、吸着剤は固体またはゲル様物質であって、その表面において別の物質の吸着が起こるものである。ここで表面という用語は三次元マトリックスの内側表面、たとえばゼオライトの三次元骨格構造の内側表面をも意味する。
本発明の意味において、吸着剤の例はシリカゲル、活性炭およびアルミノケイ酸塩である。
アルミノケイ酸塩は当業者に公知である。アルミノケイ酸塩という用語は、たとえば、酸活性化ベントナイト(漂白土)およびゼオライトを含む。酸活性化ベントナイト(漂白土)は、そのスメクタイト(膨潤性または粘土鉱物)が酸処理により部分的に溶解し、そのため大きい表面積および大きい細孔体積を有するベントナイトである。ベントナイトは火山灰(石灰華)の風化により形成され、鉱物であるモンモリロナイトおよびベイデライト(beidellite)(スメクタイト鉱物グループ)からなる。
本発明において特に好ましいアルミノケイ酸塩はゼオライトである。ここで、アルミニウムを含まないゼオライトもまた本発明に含まれる。
ゼオライトは広く分布する結晶ケイ酸塩のグループであり、より正確には、一般式M2/zO・Al2O3・x SiO2・y H2O [式中、Mは、一価または多価の金属(通常アルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオン)、HまたはNH4等であり、zは、カチオンの価数であり、xは1.8〜約12であり、yは0〜約8である]の含水アルミノケイ酸アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩のグループである。Al2O3に対するSiO2の化学量論比(係数率)はゼオライトの重要なパラメーターである。
ゼオライトの結晶格子は、酸素架橋により結合したSiO4およびAlO4四面体から構成されている。これにより、通路または開孔から到達可能であり、互いに等しい大きさである、等しく組み立てられた(吸着)空洞の空間における配置が作り出される。このタイプの結晶格子は、開孔よりも小さい断面を有する分子は格子の空洞の中に入ることができるのに対して、より大きい分子は入り込むことができないふるいとして機能することが可能である。したがって、ゼオライトは分子ふるいと呼ぶこともできる。静電的相互作用、水素結合および他の分子間力もまた吸着に役割を果たしている。ゼオライトの多くの化学的および物理的性質はAl含有量に依存する。
本発明におけるゼオライトという用語は、天然のみならず合成ゼオライトをも意味する。
天然のゼオライトは、火山ガラスまたは石灰華含有堆積物からの熱水変換により形成される。それらの結晶格子により、天然のゼオライトは、繊維状ゼオライト(たとえば、モルデナイト、MOR)、葉状ゼオライトおよび立方晶ゼオライト(たとえば、フォージャサイト、FAU、およびオフレタイト、OFF)に分類することができる。異なるゼオライトには通常3文字のコードが与えられている(たとえば、MOR、FAU、OFF)。
合成ゼオライトを調製するために、使用される出発物質はSiO2含有(たとえば、水ガラス、シリカ充填剤、シリカゾル)およびAl2O3含有(たとえば、水酸化アルミニウム、アルミン酸塩、カオリン)物質であって、これを水酸化アルカリ金属(通常NaOH)と共に、水相中、50℃以上の温度で結晶ゼオライトに変換する。
吸着剤として工業的に使用するために、合成ゼオライトをさらに修飾することができる。好ましくは、ゼオライトは少なくとも7Åの孔径を有しなくてはならない。ゼオライトの孔径および極性はたとえば異なる糖の分布重量に影響を与え、それが、たとえばクロマトグラフィーへの適用において分離特性を与える。低アルミニウムゼオライトは一般的に極性であり、そのため糖類の吸着に有利である。
既に記載したように、ゼオライトは分離の問題に容易に適応させることができる。一次的な調製は孔径に影響を与え、その後、極性を、アルミニウム含有量を減少させることにより後処理によって変化させることができる。
本発明による好ましいゼオライトは、FAU、BEAおよびOFFである。本発明におけるさまざまなゼオライトのそれぞれ有利な特性は、実施例1に記載されている。特に好ましいのはOFFである。
アルミノケイ酸塩を用いる濃縮は、原理上は2つの異なる方法で起こり得る。アルミノケイ酸塩が不要な異物を吸着してトレハロースが溶液中に残るようにすることも可能であるし、あるいはトレハロースを吸着して不要な異物が溶液中に残るようにすることも可能である。どちらの場合においても可能な限り選択的に吸着が起こることが好ましい。
吸着剤として、固定床、移動床および流動床吸着剤の使用が可能である。吸着はバッチ式で、または連続的におこなうことが可能である。
トレハロースがアルミノケイ酸塩に吸着される実施形態には多くの利点が存在する。トレハロースの選択的濃縮により、トレハロースを単離するために必要な処理の工程の数が減少する(先行技術のトレハロースの単離方法では、しばしば非常にさまざまな不要な異物を一工程ごとに除去していかなければならないのとは対照的である)。不要な異物を順に除去する方法と比較して副生成物/廃棄物の数が減少する。トレハロースは、選択的な吸着のために、アルミノケイ酸塩を用いる第1の濃縮工程の後でさえも高い純度で存在する。処理工程の数の減少、および副生成物/廃棄物の数の減少のために、製造コストが減少する。さらに、選択的濃縮により、比較的低濃度のトレハロースを費用効果的に濃縮することができる。
したがって、この実施形態における好ましいアルミノケイ酸塩は、トレハロースを吸着する、好ましくは溶液中に存在する不要な異物と比較して高い選択性を持ってトレハロースを結合するアルミノケイ酸塩、特にゼオライトである。
トレハロースがアルミノケイ酸塩に吸着された後に、次の工程として、トレハロースをアルミノケイ酸塩から溶離することができる。それは、たとえば、メタノール、エタノール、水、湯(50〜100℃)、熱メタノール(50〜65℃)、熱エタノール(50〜80℃)、または他の好適な溶離液、たとえば塩化メチレン、アセトニトリル、NMP (N-メチル-2-ピロリドン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、短鎖ケトンまたは短鎖エーテルを用いて溶離する。この文脈において、短鎖とは、C10まで、好ましくはC6まで、特に好ましくはC4までの鎖の長さを意味する。
本発明の別の実施形態は、吸着剤をクロマトグラフィーによる分離という形で使用するトレハロースの濃縮法に関する。クロマトグラフィー法において、溶液中に存在する他の物質とは流出時間が異なることからトレハロースを分離することができる。これにより、トレハロースを含有する溶離液を有するフラクションが得られる。
本発明の意味において、クロマトグラフィーという用語にはすべての公知の好適なクロマトグラフィー分離法、たとえば固定層クロマトグラフィー、移動層クロマトグラフィーおよび擬似移動層クロマトグラフィーが含まれる。クロマトグラフィーはバッチ法式で、または連続的に実施することが可能である。連続的クロマトグラフィーは、たとえば、連続回転環状クロマトグラフ(CRAC)、真移動層クロマトグラフ(TMBC)または擬似移動層クロマトグラフ(SMB)を用いて実施することができる。
トレハロース含有溶離液から、当業者に公知の好適な別のプロセスによりさらに濃縮または精製をおこなうことができる。
たとえば、トレハロースのそれ以上の濃縮または精製は沈殿によりおこなうことができる。この工程では、価値のある必要な物質または不要な異物のいずれかを沈殿により除去することができる。沈殿は、とりわけ、さらなる溶媒の添加、塩の添加または温度の変化により開始することができる。得られた固体の沈殿は当業者に公知の方法により分離することができる。
たとえば、固体は加圧および減圧濾過などの濾過により分離することができる。脱水濾過、深層濾過およびクロスフロー濾過を使用することも可能である。クロスフロー濾過が好ましい。本発明において特に好ましいのは、>0.1μmの固体を分離するための精密濾過である。
固体を分離する別の可能な方法は沈降および/または遠心分離である。遠心分離には、種々のタイプの構造、たとえば、チューブおよびバスケット遠心分離機、特に押出式(pusher)、逆転フィルター遠心分離機(inverting filter cetrifuges)およびディスクセパレーターを使用することができる。
それ以上の濃縮または精製の工程として、活性炭またはイオン交換体(陰イオン交換体および/または陽イオン交換体)による処理をおこなうことができる。このタイプの方法は先行技術により公知である(たとえば、US 5,441,644、US 5,858,735およびEP 0 555 540 A1を参照されたい)。
濃縮、特に精製の別の可能な方法は、精密濾過および限外濾過(たとえば、脱水、深層およびクロスフロー濾過技術)ならびに逆浸透の使用である。この場合、とりわけ、公知の方法により製造される細孔、均一、不斉および荷電膜を使用することができる。膜の典型的な材料はセルロースエステル、ナイロン、ポリ(塩化ビニル)、アクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリカーボネートおよびセラミックスである。
膜は、たとえばプレートモジュール、らせんモジュール、管束および中空繊維モジュールとして使用することができる。さらに、液体膜の使用も可能である。トレハロースは供給側において濃縮されて濃縮水(retentate)流により除去されるのみでなく、供給側で激減し濾液/透過液流により除去されることも可能である。
トレハロースをさらに濃縮するために、特に精製および最終処理のために、当業者に公知の種々の方法を使用することができる。ここで好ましい方法は結晶化である。結晶化は、たとえば、冷却、蒸発、減圧結晶化(断熱冷却)、反応結晶化および塩析により達成することができる。結晶化は、たとえば、撹拌した、および撹拌していないタンクの中で、直接接触法により、蒸発晶析装置により、真空晶析装置によりバッチ法式または連続的に、たとえば、強制循環晶析装置(Swenson強制循環晶析装置)または流動床晶析装置(Oslo型)により実施することができる。分別結晶もまた可能である。
トレハロースの結晶化は当業者には原理上はよく知られており、水溶液からの結晶化を含めて詳しく記載されてきた(US 5,441,644の第4および第5カラムをも参照されたい)。例として、結晶化は、たとえば先の限外濾過により達成することができる。
特に典型的なトレハロースの結晶化法は、好適な溶媒、たとえば、エタノール、メタノール、水、塩化メチレン、アセトニトリル、NMP、DMSO、短鎖ケトンまたは短鎖エーテルからの冷却結晶化である。この文脈における短鎖とは、C10まで、好ましくはC6まで、特に好ましくはC4までの鎖の長さを意味する。
別の結晶化法は沈殿結晶化である。この方法においてトレハロースは、たとえば水中に存在し、次いでより溶解度の低い溶媒、たとえば短鎖アルコールまたは短鎖ケトンを加えることにより沈殿する。この文脈における短鎖とは、C10まで、好ましくはC6まで、特に好ましくはC4までの鎖の長さを意味する。
結晶化は少量のトレハロース結晶を加えることにより、トレハロース結晶が種結晶として作用して、加速することができる。
トレハロースのそれ以上の濃縮、特に精製および最終処理のために存在する他の方法は、乾燥である。対流乾燥のための方法、たとえば乾燥オーブン、トンネル乾燥器、ベルト乾燥器、ディスク乾燥器、ジェット乾燥器、流動床乾燥器、通気および回転ドラム乾燥器、および噴霧乾燥が存在する。本発明において好ましい方法は、噴霧乾燥である。別の方法は接触乾燥、たとえば、ブレード乾燥器を利用する。同様に熱放射(赤外線)および誘電エネルギー(電子レンジ)も乾燥に使用することができる。別の分野は減圧または凍結乾燥である。コンデンセーション、すなわち濃縮をもたらすが必ずしも乾固させるわけではない乾燥もまた可能である。
トレハロースのそれ以上の濃縮、特に精製および最終処理のための別の方法はナノ濾過である。この方法において、トレハロースは、全体が、または部分的に濃縮水側に保持され、それにより濃縮される。
上記のそれ以上の濃縮の工程は本発明のアルミノケイ酸塩による処理の前のみでなく後に実施することもできることは当業者には明白である。
別の実施形態において、本発明はトレハロースの酵素的合成により得られた溶液からトレハロースを濃縮する方法に関する。酵素的トレハロース合成は当業者に公知である(たとえば、Schiraldiら、(2002), 「トレハロースの製造:新規のアプローチの開発」(Trehalose Production: Exploiting Novel Approaches), Trends in Biotechnology, vol. 20 (10), pages 421-425, ならびにUS 5,919,668およびEP 0 990 704 A2を参照されたい)。
別の実施形態において、溶液は発酵ブロスである。
本発明の意味の範囲内における発酵ブロスは、真核および原核細胞、特に微生物(たとえば、細菌、酵母または他の菌類)の培養により製造される。
トレハロースの合成に好ましい微生物は、サッカロミセス(Saccharomyces)sp.、特にサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae);バチルス(Bacillus)sp.;カンジダ(Candida)sp.、特にカンジダ・フェルメンティイ(Candida fermentii);大腸菌(Escherichia coli);コリネバクテリウム(Corynebacterium)sp.、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidofirum) (たとえば、ATCC 13870)、コリネバクテリウム・リリウム(Corynebacterium lilium) (たとえば、ATCC 15990)およびコリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melaseccola) (たとえば、ATCC 17965);シュードモナス(Pseudomonas)sp.;ノカルジア(Nocardia)sp.;ブレビバクテリウム(Brevibacterium)sp.、特にブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム(Brevibacterium lactofermentum) (たとえば、ATCC 13869)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum ) (たとえば、ATCC 14067)、およびブレビバクテリウム・ディバリカチウム(Brevibacterium divaricatium) (たとえば、ATCC 21642);アルスロバクター(Arthrobacter)sp.、特にアルスロバクター・スルフレイス(Arthrobacter sulfureis) (たとえば、ATCC 15170)、アルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citoreus) (たとえば、ATCC 11624);アスペルギルス(Aspergillus)sp.;ストレプトミセス(Streptomyces)sp.;ミクロバクテリウム(Microbacterium)sp.、特にミクロバクテリウム・アンモニアフィラム(Mikrobacterium ammoniaphylum) (たとえば、ATCC 15354);ピキア(Pichia)sp.;フィロバシジウム(Filobasidium)sp.、特にフィロバシジウム・フロリホルメ(Filobasidium floriforme)である。
別の好適な微生物は当業者に公知であり、たとえば、Miyazaki, J.-I.ら、(1996)., 「バシジオミコチノウス酵母、フィロバシジウム・フロリホルメによるトレハロースの蓄積」(Trehalose acumulation by a basidiomycotinous yeast, Filobasidium floriforme),
Journal of Fermentation and Bioengineering, vol. 81 (4), pages 315-319を参照されたい。
突然変異または遺伝子修飾により誘導された、またはトレハロース合成能力の増大したこれらの株の変異株もまた本発明において使用することができる。
微生物はまた、好適な抗生物質を加えて、たとえば、トレハロース合成を誘導するためにβ-ラクタム環抗生物質を加えて培養することもできる。
この場合に、発酵ブロスは、第1に、細胞のみでなく、培地をも含む。発酵のタイプに応じて、トレハロースのかなりの部分が細胞内に蓄積される。この場合には、好適な方法を用いて使用した細胞を消化した後にトレハロースを抽出することが目的にかなっている。好適な方法、たとえば、超音波処理、界面活性剤による処理、アルカリ溶菌および/またはアルコールまたはトリクロロ酢酸による抽出は当業者に公知である(JP 07 000 190、US 5,441,644)。
一般的に、発酵ブロス中には、好ましくは最初に分離すべきかなりの量の固体が存在する。
この文脈において、固体という用語には、細胞、および核酸およびタンパク質などの細胞の構成成分も含まれる。固体、特に細胞の構成成分を分離するためには、まずこれらを凝集させることが有利である。これはいかなる好適な方法により実施してもよいが、この場合、主にトレハロースの分解(たとえば、加水分解による)を避けなければならない。好適な方法には、たとえば、アルカリ処理、たとえばCa(OH)2処理、または加熱が含まれる。この場合、存在する可能性があるトレハラーゼ活性を有する酵素も不活性化するのが有利である。
次に、固体を当業者に公知の方法により分離する。このような方法の例は既に上に記載した。
また、本発明の方法は、溶液、特にトレハロースが低濃度で、特に発酵ブロスの乾燥重量に基づいて測定して15重量%未満で存在する発酵ブロスからトレハロースを濃縮するのにも好適である。
典型的には、トレハロース濃度は発酵ブロスの乾燥重量に基づいて測定して、3〜8重量%である。価値のある別の生成物、たとえばリシンを分離した後、トレハロースの質量分画は残った発酵ブロスの乾燥重量に基づいて測定して10〜20重量%に増加し得る。開始時点で不溶性の構成成分としてのバイオマスの分離も使用する場合には、トレハロースの濃度は発酵ブロスの乾燥重量に基づいて測定して、20〜40重量%となる。
したがって、本発明の別の実施形態は、トレハロースが発酵ブロスの乾燥重量に基づいて測定して、15重量%未満の濃度で存在する発酵ブロスからトレハロースを濃縮する方法である。
多くの発酵において、複数の価値のある生成物が生産される。しばしば、トレハロースもまた価値のある副生成物として生産される。そこで、問題は、発酵により生産された複数の物質の濃縮または精製法を、それぞれの価値のある生成物に特定的に適合させることである(たとえば、アミノ酸または有機酸の場合はイオン交換クロマトグラフィーにより精製する)。最初の価値のある生成物の濃縮の後、トレハロースなどの別の価値のある生成物は実際には別の価値のある生成物の濃縮を妨げる環境の中に存在する。一つの例は、イオン交換マトリックスからアミノ酸を溶離した後の高いイオン濃度である。トレハロースは簡単な濃縮に適した特別な化学的特性(たとえば、水溶液中での低い溶解度または電荷)を有さないので、これはトレハロースの場合に特に問題である。したがって、トレハロースはしばしば発酵からの廃棄物と共に処理される。
そこで、本発明の別の目的は、価値のある第1の生成物を先に取り出した、または後に取り出す発酵ブロスから、トレハロースを価値のあるさらなる生成物として取り出すことである。
したがって、本発明の別の実施形態は、少なくとも1種の第1の価値のある生成物を得た、または得る発酵ブロスから価値のあるさらなる生成物であるトレハロースを濃縮する方法であって、固体を分離する工程および吸着剤を使用してトレハロースを濃縮する工程を含み、ここで上記吸着剤がアルミノケイ酸塩である、上記方法に関する。
本発明の方法は、トレハロースが存在する溶液の特性に対して特に寛容である点で際だっている。したがって、本発明の方法は、トレハロースが通常は濃縮を妨害するような環境に存在する場合にも使用することができる。
反対に、トレハロースが存在する溶液を本発明の方法により特に穏やかに処理することにより、トレハロースの濃縮の後にも別の価値のある生成物を得ることが可能である。
したがって、トレハロースは価値のある第1の生成物の前に、後に、またはこれと同時に得ることができる。
本発明の意味における価値のある生成物には、たとえば、有機酸、タンパク質形成および非タンパク質形成アミノ酸、ヌクレオチドおよびヌクレオシド、脂質および脂肪酸、ジオール、炭水化物、芳香族化合物、ビタミンおよび補因子、貯蔵物質、たとえばPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)またはPHB(ポリヒドロキシブチレート)、ならびにタンパク質およびペプチド(たとえば酵素)が含まれる。
本発明において、好ましい第1の価値のある生成物はアミノ酸リシンである。
例示的な実施形態において、先に別の価値のある生成物を得た発酵ブロスからトレハロースを精製するのに適した次の方法が示される。
図および実施例により、本発明をより詳細に説明する。
種々のゼオライトにおける糖の拡散を定量的に比較するために、理論的な計算をおこなう。そこにおいて、従来の動的分子シミュレーションを拡散座標に沿って実施する。拡散座標は最も大きい孔または最も広い通路の軸に沿って適用される小さい駆動力により決定される。これが濃度勾配の効果をシミュレートする。
まず、シミュレーションにより定量的に正しい結果が得られるかどうかを研究する。この目的で、FAUおよびBEAにおけるマルトースおよびスクロースの計算された拡散時間を実験的な測定結果と比較する。計算によれば、マルトースはトレハロースおよびスクロースよりも顕著に遅くFAUに拡散する(表1参照)。これはマルトースがスクロースに比べて顕著に低い吸着能力を有することを示す実験データと一致している。
BEAに関しては、スクロースは使用された時間の範囲内ではゼオライト中に全く移動しない(表2参照)。この効果(吸着しない)は、実験的に測定された他の1-2 Fru二糖に共通する特徴である。BEAおよびFAUについてのこれらの結果から、計算によりFAUおよびBEA中でのマルトースおよびスクロースの相対的な「溶解度」についての定量的に正しい予測が得られることが推論される。
まず、トレハロース、マルトースおよびスクロースを分離するために好適なゼオライトの候補のリストを作成する(表1)。
Figure 2007535504
次に、これらのゼオライトを用いて3種の糖のすべてについて動的分子シミュレーションを実施する。この方法で対応する通路を通しての拡散に関する糖の相対的な選択性を計算することができる。
動的分子力場シミュレーションを、298 Kにおけるミクロカノニカル集合において実施する。静電力によりゼオライト構造中の孔を通って駆動される分子について相対時間を測定する。上記力は荷電したヘリウム原子の座標が分子の孔の反対側に固定されることにより生み出され、それにより上記分子はそれぞれの原子上に対応する逆の電荷により不均一に荷電される。たとえば、ヘリウムに最も近いトレハロースの5個の原子がそれぞれ-0.3 qの電荷を与えられると、ヘリウム原子は+1.5 qの電荷を有する。系の残りの原子は荷電されない。図1の選択性は下記の式に従って計算されたものである。
Figure 2007535504
糖類について計算された拡散時間を表2に示す。
Figure 2007535504
図1に選択性をグラフにより表す。図1から、個々のゼオライトは糖の混合物からトレハロースを分離する能力が異なることが明らかになる。最も万能なものは、アルミニウムを含まず、他の2つの糖と比較して顕著にトレハロースに親和性のあるOFF(オフレタイト)であることがわかる。FAUおよびBEAも同様にトレハロースに対する高い相対的な選択性を示すが、スクロースおよびマルトースに対してもある一定の選択性を示す。
水酸化カルシウムによる沈殿、遠心分離、それに続く活性炭処理および残渣の乾燥によるトレハロースの濃縮
1 lのリシン発酵ブロスからリシンをイオン交換体により分離した後に、250 gの固体の水酸化カルシウムを混合する。懸濁液を4時間攪拌した後、懸濁液を実験用遠心分離機により3000 gで10分間遠心分離する。この工程の結果として、暗褐色の発酵ブロスから800 mlの黄色がかった上清が得られる。この上清は初めに使用した8 gのトレハロースのうち7.6 gを含む。この上清をさらに精製するために、400 gの微砕活性炭を加える。室温で12時間インキュベートした後、活性炭をひだ折り濾紙で分離する。650 mlの少し黄色がかった濾液が得られる。これは全部で6.3 gのトレハロースを含む。最後に、濾液を凍結乾燥する。9.7 gの残った残渣は、64.9重量%のトレハロース含有量を有する。
水酸化カルシウムによる沈殿、濾過、それに続く活性炭処理および残渣の乾燥によるトレハロースの濃縮
実施例2とは異なり、水酸化カルシウムによる沈殿の後に、形成された固体を濾過により分離する。これにより730 mlの黄色がかった濾液が得られる。それ以後の工程は実施例2と同様の方法で実施する。その結果、66.2重量%のトレハロース含有量を有する8.7 gの乾燥した残渣を得ることができる。
熱誘導沈殿、クロスフロー濾過、それに続く活性炭処理および残渣の乾燥によるトレハロースの濃縮
水酸化カルシウムによる沈殿、遠心分離、それに続く活性炭処理および残渣の乾燥によるトレハロースの濃縮(新しい操作によるブロス)
1 lのリシン発酵ブロスからリシンをイオン交換体により分離した後に(トレハロース含有量:11 g/l)、100 gの固体の水酸化カルシウムを混合する。懸濁液を4時間攪拌した後、懸濁液を実験用遠心分離機により3000 gで10分間遠心分離する。得られた800 mlの暗褐色の上清に、20 gの活性炭を加えて、混合物を室温で19時間インキュベートする。活性炭を濾過により分離する。濾液は8.9 gのトレハロースを含有する。減圧濃縮により、10.4重量%のトレハロース含有量を有する72.6 gの暗褐色の粘着性の残渣が得られる。
活性炭への吸着およびメタノールによる脱着によるトレハロースの濃縮
100 mlのトレハロースを含有する発酵ブロス(含有量9.76 gf/l)を10 gの活性炭(CPG 12×40)と共に室温で16時間振盪する。混合物を細長い隙間を空けたスクリーン吸引フィルターを用いた吸引により濾過した後、上記活性炭を100 mlのメタノールと共に室温で60時間振盪する。新しい濾過の後、濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮乾固させる。1.1 gの褐色の残渣は300 mgのトレハロースを含有する(27重量%)。
活性炭への吸着およびエタノールによる脱着、冷却結晶化によるトレハロースの濃縮
300 mlのトレハロース溶液(含有量9.25 g/l)を20 gの活性炭と共に室温で18時間振盪する。混合物を細長い隙間を空けたスクリーン吸引フィルターを用いて吸引により濾過した後、活性炭を300 mlのエタノールと混合して15時間攪拌還流する。活性炭を熱いままで濾過し、濾液を0〜5℃に冷却して、トレハロースを結晶化させる。混合物を吸引濾過した後、1.3 gのトレハロースが淡灰色の結晶として得られる。濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮乾固すると、0.1 gのトレハロースが白色の結晶として得られる。
濾過の後、活性炭を300 mlのMeOHと共に室温で16時間振盪し、濾過して、濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮すると、結果としてさらに0.5 gのトレハロースが実質的に白色の結晶として得られる。
シリカゲルへの吸着およびメタノールによる脱着によるトレハロースの濃縮
100 mlのトレハロース含有発酵ブロス(含有量14 g/l)を10 gのシリカゲル(MR3482)と共に室温で19時間振盪する。混合物をガラスの吸引フィルターを用いて吸引濾過した後、上記シリカゲルを100 mlのメタノールと共に室温で16時間振盪する。濾過を繰り返した後、濾液をロータリーエバポレーターにより濃縮乾固する。1.5 gの褐色の残渣は110 mgのトレハロースを含有する(7重量%)。
トレハロース(tre)と比較したスクロース(sac)およびマルトース(malt)に対するゼオライトの選択性(s)を示す図である。 選択されたゼオライトの孔径(p)に関してトレハロースと比較したスクロース(sac)およびマルトース(malt)の選択性(s)を示す図である。 孔径の測定:空間充填原子中心球を、MSI Program Materials Studioに定義される通り、球の半径がファンデルワールス半径に対応するようにして、原子のファンデルワールス体積を表すために用いる。ゼオライトの孔の中の原子のファンデルワールス半径に0.9の膨張係数を適用し、孔の中心にヘリウム原子を置く。ヘリウムのファンデルワールス半径の膨張係数を、ヘリウム原子の膨張した空間充填体積がゼオライトの孔の空間充填体積と接触するまで手で最適化する。このヘリウムの膨張係数を孔の膨張係数(孔径)として使用する。 選択されたゼオライトの孔径(p)に関する炭化水素の選択性(s)を示す図である。
トレハロースの合成に好ましい微生物は、サッカロミセス(Saccharomyces)属の種、特にサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae);バチルス(Bacillus)属の種;カンジダ(Candida)属の種、特にカンジダ・フェルメンティイ(Candida fermentii);大腸菌(Escherichia coli);コリネバクテリウム(Corynebacterium)属の種、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム(Corynebacterium acetoacidofirum) (たとえば、ATCC 13870)、コリネバクテリウム・リリウム(Corynebacterium lilium) (たとえば、ATCC 15990)およびコリネバクテリウム・メラセコラ(Corynebacterium melaseccola) (たとえば、ATCC 17965);シュードモナス(Pseudomonas)属の種;ノカルジア(Nocardia)属の種;ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属の種、特にブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム(Brevibacterium lactofermentum) (たとえば、ATCC 13869)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum ) (たとえば、ATCC 14067)、およびブレビバクテリウム・ディバリカチウム(Brevibacterium divaricatium) (たとえば、ATCC 21642);アルスロバクター(Arthrobacter)属の種、特にアルスロバクター・スルフレイス(Arthrobacter sulfureis) (たとえば、ATCC 15170)、アルスロバクター・シトレウス(Arthrobacter citoreus) (たとえば、ATCC 11624);アスペルギルス(Aspergillus)属の種;ストレプトミセス(Streptomyces)属の種;ミクロバクテリウム(Microbacterium)属の種、特にミクロバクテリウム・アンモニアフィラム(Mikrobacterium ammoniaphylum) (たとえば、ATCC 15354);ピキア(Pichia)属の種;フィロバシジウム(Filobasidium)属の種、特にフィロバシジウム・フロリホルメ(Filobasidium floriforme)である。

Claims (12)

  1. 溶液からトレハロースを濃縮する方法であって、濃縮が吸着剤を用いておこなわれ、吸着剤がアルミノケイ酸塩である、前記方法。
  2. アルミノケイ酸塩がゼオライトである、請求項1に記載の方法。
  3. トレハロースがアルミノケイ酸塩に吸着される、請求項1または2に記載の方法。
  4. ゼオライトが、FAU、BEA、DON、EMT、CFI、MOR、MAZおよびOFFからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 吸着剤をクロマトグラフィー法の過程において使用する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 溶液が酵素的トレハロース合成に由来する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 発酵ブロスからトレハロースを濃縮する方法であって、固体を分離する工程および吸着剤を用いてトレハロースを濃縮する工程を含み、吸着剤がアルミノケイ酸塩である、前記方法。
  8. アルミノケイ酸塩がゼオライトである、請求項7に記載の方法。
  9. 少なくとも1種のトレハロース以外の別の価値のある生成物を発酵ブロスから分離する、請求項7に記載の方法。
  10. 発酵ブロスが、サッカロミセス(Saccharomyces)sp.、カンジダ(Candida)sp.、大腸菌(Escherichia coli)、コリネバクテリウム(Corynebacterium)sp.、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、シュードモナス(Pseudomonas)sp.、ノカルジア(Nocardia)sp.、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)sp.、アルスロバクター(Arthrobacter)sp.、ストレプトミセス(Streptomyces)sp.、ミクロバクテリウム(Microbacterium)sp.、アスペルギルス(Aspergillus)sp.、バチルス(Bacillus)sp.、ピキア(Pichia)sp.およびフィロバシジウム(Filobasidium)sp.からなる群からの少なくとも1種の微生物による発酵に由来する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. トレハロースが、発酵ブロスの乾燥重量に基づいて測定して15重量%未満の濃度で発酵ブロス中に存在する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 方法が、活性炭処理、限外濾過およびイオン交換処理からなる群からの少なくとも1つのさらなる工程を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
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