JP2007532127A - 新規のAChE変異体 - Google Patents

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Abstract

膜貫通ドメインを有するアセチルコリンエステラーゼ(AChE)の新規の形のN−AChEを提供する。この新規の形をコードするエキソン、膜貫通ドメインを含むペプチド、ならびにこの新規の形を認識する抗体も提供する。海馬におけるN−AChE発現はアルツハイマー病と相関し、抗N−AChE抗体を用いるその検出はこの疾患の新規の診断方法である可能性がある。
【選択図】 なし

Description

発明の分野
本発明は、コリン作動性シグナリングの分野に関する。より具体的には、本発明は、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)の新規の変異体に関する。
連邦政府による資金提供を受けた研究についての陳述
本研究は、米軍医療研究および物資司令部DAMD17−99−9547(1999年7月〜2004年8月)による支援を受けた。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
発明の背景
本明細書で引用するすべての参考文献を含む、本願書をとおして言及するすべての刊行物は、参照により本明細書に完全に組み込まれている。これらの刊行物の完全なリストは、本明細書の末尾の特許請求の範囲の直前に含める。
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)は、コリン作動性シナプスにおける神経伝達物質アセチルコリンを加水分解することにより、シナプス伝達を終結させる(Massoulie J.(2002)Neurosignals 11、130〜143頁)。脊椎動物に存在する特有なACHE遺伝子からの選択的スプライシングにより、別個の3’領域を有する少なくとも3種のmRNAが生成される(Soreq,H.およびSeidman,S.(2001)Nat Rev Neurosci.2、294〜302頁)。これらは、別個の細胞接着および非触媒特性の原因となる異なるC末端を有するAChEアイソフォーム、すなわち、「シナプス性」AChE−S(別名、「テイル型」AChE−T)、「赤血球」AChE−E(別名、「疎水性」AChE−H)および「読み過ごし」AChE−Rをコードする。AChE−S mRNAは、遍在的に発現し、転写および転写後発生関連調節を受ける(ColemanおよびTaylor、(1996)J.Biol.Chem.271(8):4410〜6頁、FuentesおよびTaylor(1998)Neuron 10(4):679〜87頁、Rotundoら(1998)J.Physiol.Paris.92(3〜4):195〜8頁)。AChE−Rはストレスにより誘導されるアイソフォームであり、成人組織の基礎条件下おいて見出されることはまれである(Meshorer E.ら、(2002)Science 295、508〜512頁)、AChE−Eは、主として赤血球前駆細胞において発現する(Chanら(1998)J.Biol.Chem.273(16):9727〜33頁)。
ACHE遺伝子は、コリン作動性または神経系組織に限定されない、複雑な発現パターンを示す。むしろ、それは、例えば網膜色素上皮(MartellyおよびGautron(1988)Brain Res.460(2):205〜13頁)、脾臓(Bellingerら(1993)Brain Res.Bull.32(5):549〜54頁)および肝臓(Satlerら(1974)Histochemistry、39(1):65〜70頁)などの非コリン作動性非コリン受容組織に及ぶ。これが、AChEタンパク質が更なる役割を果たすという作業仮説につながった。神経突起生成(Grifman M.ら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、95:13935〜13940頁)、筋発生(Behraら(2002)Nat Neurosci.5(2):111〜8頁)、細胞間相互作用(Darbouxら(1996)EMBO J.15(18):4835〜43頁)、アルツハイマー原線維へのベータアミロイドペプチド集合の促進(Inestrosa N.ら(1996)Neuron.16:881〜891頁、Reesら(2003)Neurobiol Aging.24(6):777〜87頁)、造血(Paoletti F.ら(1992)Blood.79(11):2873〜2879頁、Grisaru D.ら(2001)Molecular Medicine 7(2):93〜105頁)およびアポトーシス(Zhangら(2002)Cell Death Differ.9(8):790〜800頁)を含む非酵素活性が実証された。
ACHE遺伝子の機構を理解するための努力の大部分はAChE mRNAの3’末端に向けられたが、5’末端も注目を集めた。マウス、ラットおよびヒト遺伝子のACHEプロモーター領域が研究された(Mutero A.ら(1995)J Biol Chem、270、1866〜1872頁、Chanら(1999)Proc Natl Acad Sci USA、96(8):4627〜32頁、Getmanら(1995)J Biol Chem、270(40):23511〜9頁)。マウスにおいては、Sp1およびEgr−1転写因子に対する結合部位を含む5つのEボックスおよびGCリッチ配列は、ACHEの上流領域で同定された(Mutero(1995)、同上)。これらの結合部位は、ムスカリン様アセチルコリン受容体活性化に対する反応に特に重要であった(von der Kammerら、1998)。エキソン2における転写開始部位から約2kb上流にある第2のプロモーターがマウスACHE遺伝子座において報告された(Atanasova E.ら(1999)J Biol Chem 274、21078〜21084頁)。ヒトACHE遺伝子においては、Sp1、Egr−1およびAP2に対する機能的結合部位を含むキャップ部位の上流にGCリッチ配列が同定された(Getman(1995)、同上)。より最近、ヒトACHEの上流にある22kb領域が配列決定され、解析された(Grisaruら(1999)Mol Cell Biol、19(1):788〜95、Shapira M.ら(2000)Hum Mol Genet 9、1273〜1281頁)。骨原性転写因子、例えば、Krox−20/Egr−2、ビタミンD受容体およびエストロゲン受容体に対する結合部位のいくつかのクラスターが確認された(Grisaruら(1999)、同上)。さらに、抗コリンエステラーゼに対する発現の増強および過敏性の亢進に関連する4bpの欠失が転写開始部位の約17kb上流に認められた。興味深いことに、この欠失は、グルココルチコイド反応性エレメント(GRE)を崩壊させる(Shapira(2000)、同上)。最後に、ラットにおいては、骨格筋線維におけるAChE発現に必須のNボックスモチーフを含むACHEの第1イントロン内に筋特異的エンハンサーが同定された(Chan(1999)、同上)。
ストレス応答におけるACHE遺伝子の制御をより十分に理解するために、発明者らは、in silico法と分子生物学アプローチを組合わせてそのプロモーターの機構を検討した。種々の新規の5’選択的転写物がマウスおよびヒトACHE遺伝子に同定され、それらのうちの1つは伸長N末端を有する新規のヒト膜AChEタンパク質変異体をコードした。この研究において、発明者らは、それらの組織および細胞型分布ならびにストレスおよびグルココルチコイド受容体(GR)による調節を報告し、対応するプロモーターの機構について述べている。
さらに、発明者らは、アルツハイマー病検体の海馬における新規の5’選択的転写物ならびにそのタンパク質産物(N末端膜貫通ドメインを有するAChE分子)の発現を調べた。
アルツハイマー海馬における新規N−AChEの発現、ならびにAChEの種々の型の過剰発現が、神経系細胞における遺伝子の発現、特にスプライシングおよびアポトーシス事象に関与する遺伝子の発現を変化させる可能性があるという知見は、AChEとアルツハイマー病との因果関係の仮説を補強している。
したがって、5’末端が異なる新規のAChE cDNA変異体を提供することが本発明の目的である。したがって、本発明はまた、伸長N末端を有する新規のAChEタンパク質ならびに新規のAChE N末端からなる新規のヒトおよびマウスペプチドを提供する。新規のN−AchEタンパク質を特異的に認識する抗体ならびに診断処置におけるその使用も提供する。本発明の他の使用および目的は、説明が進行するにつれて明らかになるであろう。
発明の概要
第1の態様において、本発明は、マウスまたはヒト由来であってよい変異体5’領域を含むACHE遺伝子由来のcDNA配列を提供する。
言い換えれば、本発明はその5’末端にAChE変異体を含むcDNA配列を提供する。前記変異体配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9および10(図1および表3を参照)のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により実質的に表わされる。
第2の態様において、本発明は、マウスまたはヒト由来であってよいACHE遺伝子由来の核酸配列によりコードされ、AChE膜貫通および細胞内ドメインを含むペプチドを提供する。
1つの実施形態において、前記ペプチドは、配列番号11および12(図6および表3を参照)のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により表わされる。
他の実施形態において、前記ペプチドは、ヒトACHE遺伝子由来であり、配列番号12、13および14(表3を参照)のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により実質的に表わされる配列を含む。
さらなる実施形態において、前記ペプチドは、マウスACHE遺伝子由来であり、配列番号11(表3を参照)ならびにその機能類似体および誘導体により表される配列を含む。
さらなる実施形態において、本発明は、新規のヒトAChE膜貫通および細胞内ドメイン由来であり、配列番号13および14(表3を参照)のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により実質的に表わされるペプチドを提供する。
第3の態様において、本発明は、膜貫通ドメインを含むAChEタンパク質を提供する。したがって、新規のAChEタンパク質は細胞外、膜貫通および細胞内ドメインから構成される。
1つの実施形態において、前記新規AChEタンパク質は、それぞれ配列番号15、16および17(表13および図4)ならびにその機能類似体および誘導体により表される−S、−Rまたは−E型であってよい。
他の態様において、本発明は、少なくとも1つの制御エレメントに機能するように連結された配列番号1〜10および36〜38により表わされる配列のいずれか1つを含む核酸コンストラクトを提供する。
1つの実施形態において、前記コンストラクトは、発現ベクターであってよい。さらなる態様において、本発明は、本発明のコンストラクトまたは本明細書に記載する新規5’AChE変異体に対応する配列のいずれか1つを形質導入した、外因性配列を含む形質導入細胞を提供する。
したがって、さらなる態様において、本発明は、変異体5’領域を含むAChE mRNAからなる、ストレス、コリン作動性平衡およびアルツハイマー病のいずれか1つのマーカーを提供する。新たなエキソンのグルココルチコイドおよびストレス依存性は、ホルモンおよびストレス誘発性疾患を特定するためにそのようなマーカーが使用できることを示唆するものである。
1つの実施形態において、前記変異体5’領域は、配列番号3、4および5(表3を参照)のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により本質的に表わされる。
他の実施形態において、前記マーカーはコルチゾール治療に反応せず、前記変異体5’領域は、配列番号3ならびにその機能類似体および誘導体により本質的に表わされる。
さらなる実施形態において、前記マーカーはコルチゾール治療に反応し、前記変異体5’領域は、配列番号4および5のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により本質的に表わされる。
したがって、さらなる態様において、本発明は、N末端AChE細胞内ドメインを認識する抗体を提供する。前記抗体は、配列番号13および14(表3および図4を参照)のいずれか1つならびにその変異体、断片または誘導体により本質的に表わされる合成ペプチドに対して作製されたものである。
本発明はまた、上で定義したような抗N−AChE抗体を活性薬剤として含む薬剤組成物を提供する。
さらに、本発明は、抗AChE、ならびにAChE膜貫通ドメイン(配列番号34により表わされる)を発現する細胞における細胞内シグナリングのための上述の抗体の使用を提供する。前記抗体および阻害剤は、AChEのリガンドとしても用いることができる。したがって、この変異体を発現する細胞は、極めて感度の高いバイオセンサーとしての役割を果たす可能性があり、N−AChEのキナーゼ結合ドメインを介して細胞内シグナリングを変化させることによって阻害剤または抗体の結合に反応すると思われる。これに関して、本発明により提供される他の態様は、配列番号11および12(表3)のいずれか1つにより表わされるAChEの細胞外、膜貫通および細胞内ドメインを含む、コリン作動性シグナルに対するセンサーである。
異なる態様において、ストレスおよびコリン作動性非平衡のセンサーは、上述のようなAChE膜貫通ドメインを発現する細胞の使用により提供することができる。
さらなる態様において、本発明はまた、適切な固体マトリックスに埋め込んだ(または付着させた)コリン作動性シグナリングの複数のセンサーを提供する。これらのセンサーは、有機リン酸または抗コリンエステラーゼで阻害されたとき、N−AChEの細胞内領域におけるキナーゼ結合ドメインを活性化するシグナルを送り、このN−AChE変異体のみに対して選択的であるシグナル伝達カスケードを誘導するであろう。新規の変異体が図4Cに示すように発生の特定の段階にある種々のリンパ系統に検出されたという事実は、これらの新規の変異体が、配列番号11および12(表3を参照)のいずれか1つならびにその断片、誘導体および類似体により表わされ、発現のレベルの低下はリンパ系の分化のより進展した段階を表わす、リンパ系細胞系統分化のマーカーであり得ることを示唆するものであった。
本発明の1つのさらなる態様は、検出可能なマーカーで標識された新規の変異体N−AChEを認識する本発明で述べる抗体を診断する対象に投与し、撮像技術により海馬における抗体の存在を検出することを含む、アルツハイマー病の診断の方法に関する。
発明の詳細な説明
本研究において、発明者らは、ヒトおよびマウスACHE遺伝子は、その少なくとも1つが伸長N末端をコードする少なくとも4つの選択的第1エキソンをそれぞれ含むことを示している。伸長AChEタンパク質は、hN−AChEと命名され、それらの発生の種々の段階において神経系および血球に発現することが見いだされた。
選択的新規第1AChEエキソンは、以前に記載された3’エキソン(SoreqおよびSeidman(2001)、同上)のそれと異なる発現プロファイルを示す。これは、特定の第1エキソンが所与の3’エキソンと厳密に関連するという可能性を排除する。したがって、マウスおよびヒトのAChEの3’スプライシングオプション(AChE−S、AChE−R、AChE−E)は、それぞれ最大15および12種のmRNA転写物を生成させる可能性がある。
言い換えれば、本発明はその5’末端にAChE変異体を含むcDNA配列を提供する。前記変異体配列は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9および10(図1および表3を参照)のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により実質的に表わされる。
5’UTRレベルでの多様化された調節は、5’変異体の未だ説明されていない役割を反映していると思われる。例えば、ヒト胎児において、hE1d mRNA(対応するcDNAは本明細書では配列番号10により表わされる)は神経系および胸腺において発生依存的に発現した。胎児脳において、hE1d mRNAは細胞体および神経突起における移動ニューロンにおいて発現し、hE1d陽性ニューロンの数は16週目の約0から34週目のニューロンの約50%に増加しており、これは、これらのニューロンにおけるシナプスの形成と一致している。
「類似体および誘導体」は、前記核酸分子の「断片」、「変異体」、「類似体」または「誘導体」を意味する。本発明のcDNA配列のいずれかのような分子の「断片」は、分子のあらゆるヌクレオチドサブセットを意味する。そのような分子の「変異体」は、分子全体またはその断片と実質的に類似した天然に存在する分子を意味する。分子の「類似体」は、無制限にパラロガスまたはオーソロガス分子、例えば、それぞれ同じ種または異なる種の相同分子であり得る。機能類似体および誘導体は、天然分子と同じ活性を発揮する。
本明細書で用いる「遺伝コードの同義性の範囲内」という用語は、同じアミノ酸をコードするコドンとしてあらゆる核酸の組合せが使用可能であることを意味する。言い換えると、コードされたタンパク質のアミノ酸配列に反映されない核酸配列のそのような変化である。
具体的には、本発明の核酸配列の類似体または誘導体は、少なくとも1つの突然変異、点突然変異、ノンセンス突然変異、ミスセンス突然変異、欠失、挿入または再配列を含んでいてよい。
本明細書で述べる新規のエキソンは、翻訳されるとき、AChE膜貫通および細胞内ドメインを含むペプチドを提供する。前記ペプチドは、マウスまたはヒト由来であってよく、したがって、配列番号11(マウス)または配列番号12、13および14(ヒト)(図6および表3を参照)ならびにその機能類似体および誘導体により表わされる。
類似体または誘導体のアミノ酸配列は、少なくとも1つの残基が欠失、挿入または置換されているとき、本発明の前記AChEの膜貫通および/または細胞内ドメインと異なっている可能性がある。
さらに、本発明は、膜貫通ドメインを含むAChEタンパク質を提供する。したがって、新規のAChEタンパク質は、それぞれ配列番号15、16および17(表3および図4を参照)ならびにその機能類似体または誘導体により表わされる−S、−Rまたは−E型であってよい細胞外、膜貫通および細胞内ドメインから構成される。
しかし、本発明は、実質的に同等もしくはより大きい活性を有する、新規の膜貫通AChEドメインと構造的に類似した配列を含むいずれかのペプチド、または新規のN−AChE配列と構造的に類似した配列を含むタンパク質に関すると理解すべきである。ペプチドまたはタンパク質の構造の変化は、1つまたは複数の欠失、付加または置換を含む。AChE由来配列内を含む配列におけるあらゆる点において起こり得る欠失または付加の数は、総アミノ酸数の一般的に25%未満、好ましくは10%未満である。
好ましい置換は、ペプチドの二次構造を変化させないと予想される変化、すなわち、保存的変化である。以下の一覧は、元のアミノ酸(右側)に対して変化し得るアミノ酸(左側)を示す。
元の残基 典型的な置換
Ala Gly、Ser
Arg Lys
Asn Gln、His
Asp Glu
Cys Ser
Gln Asn
Glu Asp
Gly Ala、Pro
His Asn、Gln
Ile Leu、Val
Leu Ile、Val
Lys Arg、Gln、Glu
Met Leu、Tyr、Ile
Phe Met、Leu、Tyr
Ser Thr
Thr Ser
Trp Tyr
Tyr Trp、Phe
Val Ile、Leu
アミノ酸は、電荷、側鎖のサイズ等の本質的な特徴によって分類することもできる。以下の一覧は、類似アミノ酸の群を示す。好ましい置換は、1つの群に存在するアミノ酸を同じ群のアミノ酸と交換することであろう。
1.小さな脂肪族、非極性:Ala、Ser、Thr、Pro、Gly
2.極性で負に荷電した残基およびそれらのアミド:Asp、Asn、Glu、Gln
3.極性で正に荷電した残基:His、Arg、Lys
4.大きな脂肪族、非極性残基:Met、Leu、Ile、Val、Cys
5.大きな芳香族残基:Phe、Tyr、Trp
アミノ酸置換およびタンパク質の構造に関するさらなる補足説明は、Schulzら、Principles of Protein Structure、Springer−Verlag、New York、NY、1798およびCreighton、T.E.、Proteins:Structure and Molecular Properties、W.H.Freeman & Co.、San Francisco、CA 1983に見いだすことができる。
上で詳述したような好ましい保存的アミノ酸置換は、下文で詳述するように、本発明のペプチドまたはタンパク質の機能または活性を実質的に維持または増加させると予想される。もちろん、あらゆるアミノ酸置換、付加または欠失は、結果として生ずるペプチドまたはタンパク質が機能に関して実質的に同等または優れている本発明のペプチドまたはタンパク質である場合、本発明の範囲内にあるとみなされる。
本発明により提供されるペプチドおよびタンパク質は、分離、合成または組換えにより生成されたものであってよい。
他の態様において、本発明は、少なくとも1つの制御エレメントに機能するように連結された配列番号1〜10および36〜38により表わされる配列のいずれか1つを含む核酸コンストラクトを提供する。
1つの実施形態において、前記コンストラクトは発現ベクターであってよい。
「発現ベクター」は、本明細書で用いているように、DNA断片を宿主のゲノムに組み込むことを可能にするプラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組込み可能なDNA断片および他の媒体を含む。発現ベクターは、所望の遺伝子またはその断片および適切な宿主細胞において認識され、所望の遺伝子の発現をもたらす機能するように連結されている遺伝子制御エレメントを含む一般的に自己複製DNAまたはRNAコンストラクトである。これらの制御エレメントは、適切な宿主内の発現をもたらすことができる。一般的に、遺伝子制御エレメントは、原核生物プロモーター系または真核生物プロモーター発現制御系を含み得る。そのような系は、一般的に転写プロモーター、転写の開始を制御するオプションオペレーター、RNA発現のレベルを上昇させる転写エンハンサー、適切なリボソーム結合部位をコードする配列、RNAスプライス結合、転写および翻訳を終結させる配列等を含む。発現ベクターは、通常ベクターが宿主細胞と独立に複製することを可能にする複製起点を含む。
ベクターは、さらに適切な制限部位、抗生物質耐性またはベクターを含む細胞の選択のための他のマーカーを含んでいてよい。プラスミドはベクターの最も一般的に用いられる形であるが、同等の機能を果たし、当技術分野で知られている、または知られるようになったベクターの他の形がここでの使用に適している。参照により本明細書に完全に組み込まれている、例えば、Pouwelsら、Cloning Vectors:a Laboratory Manual(1985および補遺)、Elsevier、N.Y.およびRodriguezら(編)、Vectors:a Survey of Molecular Cloning Vectors and their Uses、Buttersworth、Boston、Mass(1988)を参照のこと。
一般的に、そのようなベクターは、形質転換細胞に表現型選択をもたらすことができる特定の遺伝子をさらに含む。本発明のポリペプチドをコードする遺伝子を発現するための原核生物および真核生物ウイルス発現ベクターの使用も企図される。
ベクターは、当業者に知られている方法により宿主細胞に導入される。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば、リン酸カルシウム沈殿、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションまたは形質転換を含む、細胞内にコンストラクトを導入するいずれかの方法により達成することができる。例えば、Current Protocols in Molecular Biology、Ausubel、F.M.、編、John Wiley & Sons、N.Y.(1989)を参照のこと。
さらなる態様において、本発明は、本発明のコンストラクトまたは本明細書で述べる新規の5’AChE変異体に対応する配列のいずれか1つを形質導入した、外因性配列を含む形質導入細胞を提供する。
脳ニューロンにおいて、AChE mRNAはストレス関連調節および神経転座を受け、ストレス反応ニューロンは樹状突起AChE−SのAChE−R mRNAによる置換を示すことが以前に記載された(Meshorer、2002、同上)。選択的第1エキソンは、種々の転写物の細胞および細胞下分布におそらく影響を及ぼすと思われる。いずれか、また新たに同定された第1エキソンが同様に調節されるのかは研究されていない。研究した3種の5’マウスプローブ(mE1a、mE1bおよびmE1d)のいずれも対照マウスでは樹状突起発現を示さなかったが、マウスプルキンエ細胞では、mE1bが細胞体および軸索において異常な細胞内発現を示した。この知見は、一般的にプルキンエ細胞における、また特に軸索突起におけるAChEの発現パターンおよび生理学的機能に関する新たな疑問を提起するものである。
したがって、本発明は、変異体5’領域(配列番号3、4および5のいずれか1つにより本質的に表わされる、表3を参照)を含むAChE mRNAからなる、ストレス、コリン作動性平衡およびアルツハイマー病のマーカーを提供する。新規のエキソンのグルココルチコイドおよびストレス依存性は、ホルモンおよびストレス誘発性疾患を確認するためのそのようなマーカーの使用を示唆している。
前記変異体5’領域が配列番号3ならびにその機能類似体および誘導体により本質的に表わされる場合、前記マーカーはコルチゾール処理に反応しない可能性がある。
前記マーカーがコルチゾール処理に反応する場合、前記変異体5’領域は配列番号4および5のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により本質的に表わされる。
本研究では、発明者らは、新たに述べる転写物がストレス下で差別的に調節されるかどうか、もしそうならば、ストレスによるグルココルチコイド(GCs)の放出が関与しているかどうかを探究した。GRE部位がエキソンmE1d内部に同定され、AP1部位がmP2ならびにmP3に認められ、2つのGREsがmE1bの上流に位置している。したがって、グルココルチコイド反応性およびストレス反応性エレメントの分布は、種々の新規エキソンの異なる反応を予測するものであった。したがって、発明者らは、対照およびニューロンGRが欠損したグルココルチコイド受容体(GR)突然変異マウスにおけるそれらの発現を研究した(Tronche F.ら(1999)Nat Genet 23、99〜103頁)。2つの変異体mE1cおよびmE1dは拘束ストレスに反応して誘導されることが認められた。これらの2つのうち、mE1dのみがその誘導のためにGRの活性化を必要とした(図5)。これに対して、mE1bは、ストレス下で抑制されたが、GRがグルココルチコイド反応性エレメント(GREs)に結合しないGRNesCreマウスにおいてのみであった。この反応は、AChE−Sの反応と同様である(図5B)。1つの考え得る説明は、ストレスの後に種々の因子−とりわけGC−の対照的な効果が互いに打ち消し、mE1bのレベルを未変化の状態に維持することであろう。しかし、GRが存在しない場合、GREsはもはや機能し得ない。抑制因子の活性の維持により、その後mE1bレベルは低下する可能性がある。
AChEmRNA前駆体の新規の5’選択的スプライシングパターンは、いくつかのレベルで重要である。第1に、また最も重要なことに、それらは以前に認められなかったレベルにAChE mRNA変異体の複雑度および多機能性を拡大する。さらに、本研究により、脳ニューロンおよび造血細胞におけるAChEのN末端伸長膜変異体(N−AChE)の存在が明らかになった。これらの変異体のC末端組成および膜指向性はさらなる研究を待つが、この知見により、AChE研究における長年知られている特定のなぞが説明され、多くの新たな疑問が開かれる。げっ歯類および霊長類においてこの伸長ドメインが明らかに保存されていることは、その重要性の概念の補強となるものであり、その特有な発現パターンおよびストレス関連調節は、その機能の重要性を探究することを必要とするものである。
N−AChEのN末端アミノ酸(配列MLGLVMSC、配列番号39に対応する)は、短いシグナルペプチドの特性を示し、このタンパク質が分泌性であることも示唆される。
AChEの新たなアイソフォームを特徴づけることにより、発明者らは、新規の5’領域によりコードされる配列由来の2つの合成ペプチド(配列番号13および14により表わされる)を抗原として用いて抗体を産生した。この抗体は、組織における新規のN末端伸長AChEの発現を確認することができた(図6C、図9A〜9B、図12A〜12B)。
したがって、さらなる態様において、本発明は、N末端AChE細胞内ドメインを認識する抗体を提供する。前記抗体は、配列番号13および14(表3および図4を参照)のいずれか1つならびにその変異体、断片または誘導体により本質的に表わされる合成ペプチドに対して作製されたものである。
本発明の抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであってよい。これは、例えば、配列番号13もしくは配列番号14などの合成ペプチドに対して調製するか、または本発明の発現ベクターのいずれかを用いてクローニング技術により組換えにより調製することができ、あるいは膜貫通ドメインを含む天然に存在するAChE変異体を分離し、免疫原として用いることができる。本発明のポリペプチドは、当業者によく知られている標準抗体生産技術により抗体を生産するのに用いることができる。例えば、HarlowおよびLane(HarlowおよびLane(1988)Antibodies:a Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY)に一般的に記載されているとおりである。
ポリクローナル抗体を生産するために、タンパク質またはポリペプチドで、一般的にアジュバントで、また必要な場合、担体に結合させてウサギまたはヤギなどの宿主を免疫化する。抗体は、宿主の血清から収集する。タンパク質に対するポリクローナル抗体の生成は、Current Protocols in Immunology、Wiley and Sons Incの2章に記載されている。
モノクローナル抗体を生産するために、一般的にマウスをポリペプチドまたはペプチド断片で免疫化し、次いで、脾臓抗体産生細胞を分離する。これらの細胞を融合させて、必要な抗体を分泌するハイブリドーマを作る。抗体は、宿主の腹水または前記ハイブリドーマの組織培地から収集する。モノクローナル抗体を生成させる技術は、多くの論文および上記のCurrent Protocols in Immunologyの2章などの教科書に記載されている。
パパイン(Fab断片を生成するため)またはペプシン(F(ab’)断片を生成するため)などの酵素を用いてタンパク質分解的切断により一般的に生産される抗N−AChE抗体のFabおよびF(ab’)断片ならびに他の断片も本発明により提供される。
臨床適用のために、下記のように本発明の抗N−AChE抗体は、ヒト抗体がマウス(またはウサギまたはラット)抗体反応を克服するために、ヒト化法により改良することができる。そのような抗体に適用できる抗体のヒト化の迅速な新たな戦略が最近開発された。これらの技術は、最初の抗体の親和力を維持し、抗原およびエピトープ特異性を保持する(Rader C.ら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、95:8910〜8915頁、Mateo C.ら(1997)Immunotechnology、3:71〜81頁)。例えば、動物由来抗体と異なり、「ヒト化」抗体はしばしば対象の免疫系との望ましくない反応を受けない。
したがって、本明細書で用いるように、「ヒト化」およびその誘導体という用語は、ヒトに投与したとき、そのような抗体を免疫原性である可能性を少なくさせるに十分な量および組成で0%を超え、100%までのヒト抗体材料を含む抗体を指す。「ヒト化」という用語はまた、ヒト由来抗体、または、遺伝子工学により改良したヒト免疫系コーディング遺伝子の機能部分を含む非ヒト細胞由来の抗体、したがって十分にヒトである抗体を産生する、を指すと理解される。
さらに、本発明の抗体は、当技術分野でよく知られているように、固体支持基質と結合、および/または検出可能な部分と結合させることができる。本発明の範囲内にあると考えられる検出可能な部分は、ビオチン、金、フェリチン、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、フルオレセイン、ローダミン、トリチウム、14Cおよびヨウ素などの蛍光、発光、金属、酵素および放射性マーカーを含み得るが、これらに限定されない。
本発明の抗体はまた、組成物の形態で提供される。薬剤組成物の調製は、当技術分野でよく知られており、多くの論文および教科書に記載されている。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Gennaro A.R.編、Mack Publishing Co.、Easton、PA,1990および特に本書の1521〜1712頁を参照のこと。
さらに、本発明は、抗AChEsの使用ならびにAChE膜貫通ドメイン(配列番号34により表わされる)を発現する細胞における細胞内シグナリングのための上記の抗体を提供する。前記抗体および阻害剤は、AChEのリガンドとしても用いることができる。したがって、この変異体を発現する細胞は、極めて感度の高いバイオセンサーとしての役割を果たす可能性があり、N−AChEのキナーゼ結合ドメインを介して細胞内シグナリングを変化させることによって阻害剤または抗体の結合に反応すると思われる。
hN−AChEペプチドに対して生成させた抗体は、AChEと類似した電気泳動特性を有する脳発現タンパク質と相互作用した(図6)。さらに、市販の抗AChE抗体の一部は約66〜70kDaの二重バンドを生ずる(例えば、Brennerら(2003)FASEB J.17(2):214〜22頁を参照)。これは、脳AChEタンパク質の少なくとも一部は知られているようにN末端が伸長しているという概念を支持している。
本発明により提供される他の態様は、配列番号11および12(表3)のいずれか1つにより表わされるAChE細胞外、膜貫通および細胞内ドメインを含むコリン作動性シグナルのセンサーである。
したがって、hN−AChEのN末端は、単量体AChE−SまたはAChE−Rが膜を横断することを可能にし、その細胞質ドメインにより未だ未定義の生理機能を付与する可能性がある。シナプス膜へのAChEの直接ドッキングは、シナプスにAChE−S四量体を固定するのに必要なPRiMAサブユニットを欠く脳領域におけるその存在を説明するものと思われる(Perrierら)(2003)Eur.J.Neurosci.18(7):1837〜47頁)。これは、大量の単量体AChEが速やかに産生されるストレス後状況において特に重要な成果をもたらす可能性がある。産生された酵素の膜ターゲティングはAChのシナプスレベルを速やかに減少させるために費用対効果が高いと思われ、一方、その推定上のN末端リン酸化およびファルシネル化はおそらく細胞質シグナルを伝達することができる。
異なる態様において、ストレスおよびコリン作動性非平衡のセンサーは、上述のようなAChE膜貫通ドメインを発現する細胞の使用により提供することができる。
さらなる態様において、本発明はまた、適切な固体マトリックスに埋め込んだ(または付着させた)コリン作動性シグナリングの複数のセンサーを提供する。これらのセンサーは、有機リン酸またはいずれかの抗コリンエステラーゼで阻害されたとき、N−AChEの細胞内領域におけるキナーゼ結合ドメインを活性化するシグナルを送り、このN−AChE変異体のみに対して選択的であるシグナル伝達カスケードを誘導するであろう。
フローサイトメトリ分析により、hN−AChEは主として血球膜に存在することが示された。単球、顆粒球、リンパ球およびCD34+前駆細胞は、程度は異なるが、すべて陽性であった。リンパ球において、hN−AChEレベルは初期から成熟Tリンパ球まで増加しており、これはおそらく脾臓での発達をとおしての異なる発現パターンの説明となると思われる。TおよびBリンパ球におけるhN−AChE発現は、リンパ球の機能のコリン作動性調節の報告(KawashimaおよびFujii(2000)Pharmacol.Ther.86:29〜48頁)と矛盾しない。
新規の変異体が図4Cに示すように発生の特定の段階にある種々のリンパ系統に検出されたということは、これらの新規の変異体が、配列番号11および12(表3を参照)のいずれか1つならびにその断片、誘導体および類似体により実質的に表わされ、発現のレベルの低下はリンパ系の分化のより進展した段階を表わす配列を含む、リンパ系細胞系統分化のマーカーであることを示唆するものであった。
本明細書で述べた新規のAChEアイソフォーム(N−AChE)に関する他の所見は、アルツハイマー病とのその相関に関するものである。コリン作動性神経伝達の障害がアルツハイマー病の主要な顕著な特徴である。しかし、この特徴の基礎をなす分子的メカニズムは未だ知られていない。実施例11において、発明者らは、非痴呆対照と比較してアルツハイマー病患者の海馬歯状回(DG)におけるアセチルコリンエステラーゼ(AChE)mRNAの伸長5’変異体が増加するが、CA3ニューロンでは増加しないことを報告する(p<0.01、Studentのt検定)(図10A〜10Cおよび11A〜11C)。N−AChEに対する抗体により、歯状回をCA3領域に接続する苔状線維系におけるN−AChE変異体の蓄積が明らかになった(図12A)。シナプス性AChE変異体、すなわちAChE−Sの平行した蓄積が認められた(図12B)ことは、アルツハイマー病脳が歯状回においてN末端伸長N−AChE−Sタンパク質を過剰発現するが、CA3ニューロンではそうでないことが示唆される。「シナプス性」AChE(AChE−S、p<0.01)mRNAレベルの平行した低下と「読み過ごし」AChE(AChE−R、p<0.05)mRNAレベルの増加は、AChE−Sタンパク質の多くがN−AChE−Sおよび/またはN−AChE−Rにより置換されたことを示唆している。N末端伸長の特有の生化学的組成は、AChE−SのC末端の膜接着能と合わせて、アルツハイマー病海馬におけるN−AChE−Sの蓄積の生理学的結果を探究することを要求するものである。
したがって、N−AChEアイソフォームのニューロン蓄積はアルツハイマー病に原因として関与している可能性があり、したがって、診断目的にかなう。抗N−AChE抗体は、診断ツールとして、あるいは、N−AChEを阻害しながら正常な酵素を温存するような治療のために用いることができる。
ポジトロン放射断層法(PET)ならびに単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)は、脳撮像に用いられている技術である(Kilbourneら(1996)Synapse 22:123頁)。両技術は、ポジトロンβ+またはγカメラを用いて、それぞれβ+またはγフォトン放射性の放射性核種で標識した化合物の投与後の局所組織放射能濃度の時間経過を非侵襲的にモニターすることができる。
現在までのところ、アルツハイマー病は確実に診断することができるが、N−AChEは正常に老化した脳においても発現し(図3A〜3B)、それが疾患過程を促進するニューロン過程を誘発する可能性がある。したがって、本発明は、本発明の抗N−AChE抗体を放射性トレーサー(検出可能なマーカー)で標識し、必要とする対象に投与することによる診断の方法を提供する。次いで、対象はPETまたはSPECTスキャンを受け、海馬のN−AChEへの抗体の結合がアルツハイマー病の証拠を提供する。アルツハイマー病では血液脳関門が破壊されており、用いる放射性同位元素は短い半減期を有し、したがって、刺激性が弱いため、この方法は安全かつ非侵襲性である。さらに、診断ツール(抗体)はその標的であるN−AChEアイソフォームと選択的かつ特異的に相互作用することが知られており、その超過した量はアルツハイマー病と相関づけられた(下の実施例11で述べるように)。この方法は、N−AChEの位置および相対量を示すヒト脳の像を提供する。
PETスキャンの場合、抗体を標識するために用いた主なポジトロン放射体放射性核種は、20.4分の半減期を有する炭素11(11C)、110分の半減期を有するフッ素18(18F)および16時間の半減期を有する臭素76(76Br)である。これらの放射性核種のすべては、サイクロトロンで非常に高い比放射能を有するものとして調製する必要がある。SPECTスキャンの場合、31.2時間の半減期を有するヨウ素123(123I)を用いることができる。この放射性同位元素は、非常に高い比放射能を有するものが市販されている。
発明者らの現在の知見からのさらなる推論は、アルツハイマー病海馬におけるN−AChEの過剰発現とこの状態における基底核ニューロンのアポトーシス運命との相関に関するものである。興味深いことに、本明細書および発明者らの以前の報告書(SoreqおよびSeidman(2001)、同上)で示したように、ACHE mRNA転写物はさらに3’選択的スプライシングを受ける。これらの2つの現象が原因として関連しているかどうかを見いだすために、発明者らはAChE−RまたはAChE−Sを過剰発現するp19細胞を作製し、実施例12に述べるように、これらの2つのタンパク質のそれぞれの過剰発現がどのようにこれらの細胞(ニューロン系統に既に分化した)における遺伝子発現のパターンに影響を及ぼし、スプライシング装置、アポトーシスおよびヘリカーゼに関連する遺伝子の発現を変化させるかを示す。さらに、アポトーシスも例えば、Bcl−2遺伝子などの他の遺伝子の選択的スプライシングによって誘発される可能性があるプロセスである(Stammら(2005)Gene、344:1〜20頁、Epub2004年12月10日)。
本発明は特許請求の範囲により定義されており、その内容は本明細書の開示の範囲内に含まれると解釈すべきである。
開示され、記述された本発明は、開示した特定の実施例、工程段階および材料に限定されるものでないことを理解すべきである。その理由は、そのような工程段階および材料はいくぶん変化することがあるからである。また、本明細書で用いた用語は、特定の実施形態のみを記述する目的のために用い、限定することを意図するものでないことを理解すべきである。その理由は、本発明の範囲は付属する特許請求の範囲およびその同等物によってのみ限定されるからである。
本明細書および付属する特許請求の範囲で用いるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他の状態を指示しない限り、複数の事項を含むことを注意しなければならない。
本明細書および続く特許請求の範囲をとおして、文脈が他の意味を要求しない限り、語「含む(comprise)」ならびに「comprises」および「comprising」などの変形形態は、記載された整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群の包含を意味するが、他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群の除外を意味しないと理解されるであろう。
以下の実施例は、本発明の態様を実施する際に発明者らが用いた技術を代表するものである。これらの技術は本発明の実施のための好ましい実施形態の具体例であるが、当業者は本開示に照らして、本発明の意図する範囲から逸脱することなく、多くの修正を行うことができることを認識すると理解すべきである。
実験手順
ヒト組織:本研究におけるヒト胚、臍帯血および成人組織の使用は、ヘルシンキ宣言の規則に従ってTel−Aviv Sourasky Medical Center Ethics Committeにより承認された。ヒト胚は、直ちに4%PFAに移し、パラフィンに包埋し、薄切した(7μm)。臍帯CB細胞の新鮮な試料は、正常分娩後に得た。成人脳試料は、70歳の心不整脈患者から死後4時間以内に採取した。組織は直ちに液体窒素で凍結した。脳ホモジネート(0.1Mリン酸緩衝液、1%TritonX−100中)を標準的方法を用いてイムノブロットした。
動物:中枢神経系特異的GR突然変異体(GRNesCre)、対照同腹子(GRloxP/loxP)(Tronche(1999)、同上)およびFVB/N雄マウスを12時間暗/12時間明日周スケジュール下で飼料を自由に摂取させて飼育した。ストレス実験には、50mlコニカルチューブ中での30分間の拘束を含めた。拘束の2時間後に断頭によりマウスを屠殺し、脳を氷上で切開し、液体窒素で凍結するか、または4%パラホルムアルデヒド(PFA)で24時間固定し、パラフィンに包埋し、5〜7μmの切片に薄切し、Superfrost(登録商標)−Plusスライド(Menzel−Glaser、Braunschweig、Germany)への付着により収集した。すべての実験において、無処置の年齢一致雄を対照とした。これらの実験は、Hebrew UniversityおよびCollege de Franceにおける動物委員会により承認された。
計算リソース:GenBankならびにBlast、Entrez、Locus Link、Structure、ProteinおよびOMIMデータベースリソースへのアクセスのために、ヒト(GenBank Accession番号AF002993)およびマウス(AF312033)ACHE遺伝子座をNational Center for Biotechnology Information(www.ncbi.nlm.nih.gov)により解析した。種々のデータ操作プログラムおよびタンパク質データベースへのアクセスのために、Swiss Institute of BioinformaticsにおけるExpert Protein Analysis System(http://www.expasy.ch/)を用いた。Baylor College of Medicine(BCM)Search Launcher(http://searchlauncher.bcm.tmc.edu)により、データ操作およびディスプレイプログラムの導出を推進した。Genomatix(genomatix.gsf.de)のMatInspectorプログラムまたはCisterソフトウェア(http://zlab.bu.edu/〜mfrith/cister.shtml)を用いて転写因子結合部位を発見した。
RNA抽出およびcDNA調製:EZ−RNA全RNA分離キット(Biological Industries、Beit Haemek、Israel)を用いて説明書どおりに動物およびヒト組織から全RNAを抽出し、ジエチルピロカーボネート(DEPC)処理水で濃度100ng/μlに希釈し、使用時まで−70℃で保存した。白血病性Tリンパ球、肝臓および精巣からのヒトRNAをAmbion(Austin、TX、USA)から入手した。SuperScript逆転写酵素(Life Technologies、Gibco BRL、Bethesda、MD)によりpoly−dTまたはランダム六量体を用いた逆転写を促進した。遺伝子特異的プライマー(下を参照)をone−step RT−PCR(Qiagen、Hilden、Germany)に用いた。
FISH(蛍光in situハイブリッド形成):パラフィン包埋切片(マウス水平全脳切片、ヒト全胚矢状切片およびヒト成人PFC)をキシレンによる脱パラフィン処理(2×5分洗浄)に続いて脱脂エタノール洗浄(100、75、50および25%)にかけた後、0.5%Tween−20を含むPBS(PBT)で洗浄し、10mg/mlプロテイナーゼKと共にインキュベートした(8分、室温)。加湿チャンバー内でのハイブリッド形成には10mg/mlのプローブを含めた(50%ホルムアミド、5×SSC、10mg/ml tRNA、10mg/mlヘパリン中、90分、52℃)。次いで、切片を50%ホルムアミド、5×SSCおよび0.5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で60℃で2回、50%ホルムアミド、2×SSCで60℃で2回、トリス緩衝生理食塩水+0.1%Tween−20(TBST)で室温で2回洗浄し、1%スキムミルク(Bio−Rad、Hercules、CA、USA)中で30分間ブロックした。
ビオチン標識プローブ(表1)は、切片をストレプトアビジン−Cy3複合体(CyDye(商標)、Amersham Pharmacia Biotech、Little Chalfont、UK)と共に30分間インキュベートした後、TBSTで3回洗浄して検出した。切片はIMMU−MOUNT(Shandon Inc、Pittsburgh、PA、USA)を用いて装着した。
Figure 2007532127
ポリメラーゼ連鎖反応:種々の組織中の種々の転写物を検出し、配列を確認するためにPCRを用いた。PCR反応混合物は、2ユニットのTaq DNAポリメラーゼ(Sigma、St.Louis、MO)、デオキシヌクレオチドミックス(各0.2mM)(Sigma)、順方向/逆方向プライマー(各0.5μM、下の表2)および300ngの鋳型(cDNAまたはゲノムDNA)を含んでいた。35サイクルの各々が変性(1分、95℃)、アニーリング(1分、60℃)および伸長(72℃、1分)を含んでいた。
Figure 2007532127
抗体:ヒトhE1dコードN末端ドメインに対する高親和力ポリクローナルウサギIgG抗体は目的に合わせて作製された(Eurogentec、Seraing、Belgium)。ヒトエキソンhE1d(hN−AChE)のコーディング配列からの2つの16アミノ酸長ペプチドを合成し、混合し、共に2匹のウサギに注射した。その後2、4および8週目にさらなるブースト注射を行った。16週後に最終採血を行った。合成ぺプチドのELISAスクリーニングにより、抗体産生の成功を確認した。合成ペプチドは、さらに抗体のアフィニティ精製に用いた。1:500の希釈度のアフィニティ精製抗血清をウエスタンブロッティングに用いた。免疫化に用いた2つの合成ペプチドは次の配列により表わされるものである。すなわち、KVRSHPSGNQHRPTRG(ペプチド437としても知られている、配列番号13)およびGSRSFHCRRGVRPRPA(ペプチド438としても知られている、配列番号14)。
フローサイトメトリ:臍帯血球の単核画分を、記載された(Grisaruら、2001)とおりにFicoll−Hypaqueグラジェント1.077g/cm3(Pharmacia、Uppsala、Sweden)で分離した。細胞を透過化し、7分間固定し(Fix and Perm Kit、Caltag、Burlingame、CA)、PerCP結合抗CD34(Becton−Dickinson[BD]、Oxford、UK)または他の認められている抗体で染色した。アイソタイプ制御により特定の標識を区別した。これらの細胞上のウサギ抗hN−AChE抗体をフルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合ヤギ抗ウサギFab抗体(Jackson Immunoresearch Labs Inc.、Westgrove、PA、USA)を用いて検出した。FACScalibur(BD)およびCellQuestソフトウェア(BD)を用いてマルチパラメーターフローサイトメトリを行った。新鮮なCD34+細胞におけるhN−AChE発現を、3000ゲートイベントを解析して評価した。陽性染色集団は、FITC、PEおよびperCPアイソタイプ対照(BD)を用いて定義した。
マイクロアレイスライド標本の作製:
1.オリゴヌクレオチドの選択
実施例12で用いるマイクロアレイは、本研究の対象分野に適合するように特に設計された小型の社内構築DNAオリゴヌクレオチドマイクロアレイである。より詳細には、これは主として2つの主なカテゴリーのオリゴヌクレオチド、すなわち、スプライセオソーム成分をコードする遺伝子および選択的スプライシングを受けるアポトーシス関連遺伝子を含む。
スプライセオソーム成分をコードするヒト遺伝子の推定上の完全な組のマウス相同体(Zhou Z.ら(2000)Nature、419:182〜5頁)をオンラインデータベースを用いて特定し(Stamm(2005)、同上)、これらの遺伝子に対応するオリゴヌクレオチドを選択した。これらの遺伝子の一部は、スプライシング装置に関連することが以前に知られていなかった。このカテゴリーの遺伝子は、とりわけSRタンパク質、snRNP、スプライシング因子、リン酸化タンパク質およびスプライセオソームアセンブリメディエーターを含む。
アポトーシスに関与する遺伝子の多くは選択的スプライシングを受ける。場合によって、結果として生ずる変異体は細胞の運命に対して反対の効果を有する(すなわち、あるものは催アポトーシス性であり、他のものは抗アポトーシス性である)。したがって、発明者らはそのような遺伝子を探し、それらをマイクロアレイに含めた。
上のカテゴリーに加えて、上のカテゴリーのいずれにも属さない遺伝子のいくつかのプローブをマイクロアレイに含めた。
種々の機能グループおよびマイクロアレイにおけるそれらの相対表示を図15に示す。
RNA試料、増幅、標識、断片化、前ハイブリッド形成およびハイブリッド形成:
RNAは、RNeasyミニキット(Quiagen(登録商標))を用いて製造業者の説明書に従って形質導入細胞から抽出した。Ambion製のAmino Allyl MessageAmp(商標)aRNA増幅キット(http://www.ambion.com/techlib/prot/fm_1752.pdf)を用いてRNAを増幅した。Cy3(緑、吸収極大:550nm、放射極大:570nm)およびCy5(赤、649/670nm)蛍光色素を標識に用いた。RNA試料を断片化緩衝液と共に70℃で15分間インキュベートして、RNAを約70〜150bpの長さに断片化した。試料を前ハイブリッド形成緩衝液(5×SSC、0.1%SDS、1%BSA)で前ハイブリッド形成し、乾燥して、65℃で一夜ハイブリッド形成した(3×SSC、0.1%SDS、10μg polyA、20μg tRNA)。次いで、スライド標本を洗浄し、乾燥し、分析した。
画像処理は専用のスキャナ(Affymetrix、428アレイスキャナ)で行った。ImaGeneソフトウェアを用いて基本シグナル処理を検討した。データ解析は、Dr.Yoram Ben−Shaul(Hebrew University of Jerusalem、Jerusalem、Israel)により作成されたMatLabプログラムを用いて行った。
Figure 2007532127
実施例1
マウスAChE mRNAの5’多様性
マウス(m)ACHE遺伝子の5’領域を用いたESTデータベース検索により、5つの推定上の選択的第1エキソンの存在が明らかになった(表4A、図1A)。最も近位のエキソンは、mE1aと名付けた。この配列を含むESTクローン(GenBankアクセッション番号BB606349、マウス眼球)は、位置−787から−680(マウスエキソン2に存在する翻訳ATG開始部位を基準)に及び、エキソン2(図1A、1B)に連続し、コンセンサスGT−AGスプライス部位を有する657ヌクレオチド長イントロン(マウスmI1aと呼ぶ)にわたってスキップする。RT−PCRおよび配列決定により、この転写物(GenBankアクセッション番号AY389982)の存在が確認された。
mE1bと命名した第2の第1エキソンは、−945〜−923領域に位置する順方向プライマーとエキソン2上の逆方向プライマー(表2)を用いたRT−PCRにより見いだされた。得られる産物はこのプライマーから位置−733に及び、コンセンサスGT−AGスプライス部位を含む710ヌクレオチド長イントロン(mI1b)にわたってスキップする(図1A、1B)。このエキソンも配列決定により確認された(GenBankアクセッション番号AY389981)。
mE1b上流の−1762〜−1671に、18種の報告された相同ESTクローンにおける「古典的」エキソン1(Li Y.ら(1991)J Biol Chem 266、23083〜23090頁)を発明者らは見いだし、ここでmE1cと再命名した(GenBankアクセッション番号BB639234、表4A)。この第1エキソンをエキソン2に融合させると、コンセンサスGT−AGスプライス部位を含む1648ヌクレオチドイントロン(mI1c)がスプライシングにより切り出される。RT−PCR増幅DNA断片の配列決定により、mE1cの存在が確認された。
mE1cを含むが、ゲノム配列を経て前進するさらなるmRNA転写物は、mE1c−longであった。2つのより長いESTは実際mE1cにおいて始まり(GenBankアクセッション番号BB629342およびCA327701、それぞれ成体骨および全脳胚)、全ゲノム配列を経てエキソン2(GenBankアクセッション番号AK036443、成体雄骨)に及ぶ。これらのESTにおいて、エキソン2がエキソン3に融合している。イントロン2のスプライシングは、このmE1c−long変異体の源としてのゲノムDNAの混入の可能性を排除する。
さらに上流に、1957ヌクレオチド長のイントロン(mI1d)に続く位置−2271〜−1980に、選択的第1エキソン(Atanasova E.ら(1999)J Biol Chem、274、21078〜21084頁)が以前に見いだされた。この第1エキソンはエキソン2に融合していることが見いだされた。発明者らは、RT−PCRおよび配列決定により、前頭葉前部皮質(PFC)における対応する転写物の発現を確認した。29ヌクレオチド異なる2つの選択的スプライスドナーが認められた。より短い形態をmE1d’と命名した(GenBankアクセッション番号AY389980)。
mE1dの上流に、推定上の3種のORFs(位置−2518〜−2402、−2925〜−2522および−3129〜−2933)が古典的タンパク質のそれを含む連続読み枠内に見いだされた。これらは、エキソン2に始まる共通ORFに46、142または73アミノ酸(それぞれ)を加える可能性があった。これらのうち、mE1e ORFはヒトACHE遺伝子およびその翻訳配列(下を参照)における対応する領域と79%の配列類似度を共有し、したがって、潜在的候補とみなされた。図1A〜1Bに種々のマウス5’エキソンを示す。
Figure 2007532127
実施例2
ヒトAChE mRNAsの5’多様性
ヒト(h)ACHE遺伝子の5’領域を用いたESTデータベース検索により、少なくとも4つの選択的第1エキソンの存在が明らかになった(表4B)。以前に特定されたマウスESTクローン(mE1a、GenBankアクセッション番号BB606349、上を参照)は、hE1aと命名した選択的第1エキソンの存在を示唆している。
以前に記載された−1681〜−1576(ヒトエキソン2に存在する翻訳開始部位ATGを基準)の第1エキソン(Ben Aziz−Aloya R.ら(1993)Prog Brain Res 98、147〜153頁)は、ここではhE1bと命名する(ESTクローンBG707892により表わされる、ヒト脳海馬)。1543ヌクレオチドのイントロン(hI1b)がhE1bとエキソン2を分離している。発明者らは、RT−PCRおよび配列決定によりhE1bの存在を確認した。
さらなるESTクローンは位置−1859〜−1824に位置するゲノム配列を含んでいた(GenBankアクセッション番号BI667712、ヒト脳海馬)。この推定上の第1エキソンを、hE1cと命名した。それは、1803ヌクレオチドのイントロン(hI1c)が後続し、位置−20のエキソン2(ACG)に融合している。対応するイントロンは、ドナーおよびアクセプタースプライス部位(GT−AG)を含む。この場合、エキソン2は異なる位置で始まる。これは、エキソン2は3ヌクレオチド離れて位置する2つの任意のアクセプタースプライス部位で始まるということにより説明できる(両方がAGヌクレオチド、図1C、D)。この転写物の存在を確認する我々の試みは失敗した。
さらなるESTクローン(GenBankアクセッション番号BX420294、ヒト胎児脳)は、位置−20のエキソン2と融合した、さらに上流の位置−2720〜−2318に位置する推定上の第1エキソン(エキソンhE1d)を含んでいた。これは、2294ヌクレオチドイントロン(hI1d)の存在を意味している。興味深いことに、hE1dは、翻訳開始コドン(ATG、位置−2495)を含み、エキソン2における「古典的」ATGのそれと共に連続読み枠を作り(Soreq H.ら(1999)Proc Natl Acad Sci USA 87、9688〜9692頁)、それによりAChEタンパク質に66アミノ酸を加える可能性がある。同じORFにおけるさらなるATGは、より短い61アミノ酸ドメインを生成させる可能性がある。最初のATGを欠くmE1eとの配列相同性は、翻訳開始部位として機能する可能性がより高い第2のATGを示唆するものである。発明者らは、RT−PCRおよび配列決定により、このmRNAの存在を確認した(GenBankアクセッション番号AY389977、図1C、D)。
Figure 2007532127
実施例3
新規のエキソンの推定上のプロモーター
ルシフェラーゼアッセイを用いて、Atanasova(Atanasova(1999)、同上)は、mE1d(彼らの研究ではエキソンE1aと称した)の上流に位置するプロモーターの機能性を立証した。我々の研究では、Cister(zlab.bu.edu/〜mfrith/cister.shtml)およびChip2Promoter(genomatix.de)プログラムによりプロモーターの予測を可能とした。これらのプログラムは、マウスおよびヒトACHE遺伝子について図2Aに示すように、転写的に活性なプロモーターであるより高い確率を予測するモチーフの保存を有する領域を検索する。推定上の転写因子結合部位の密度に基づいて、プロモーターであるより高い確率を有するいくつかの領域がこの検索により明らかになった。これらは、マウスおよびヒト遺伝子の第2エキソンから上流のゲノム領域に位置していた(図2A)。新規の選択的第1エキソンを含む領域のプロモーター予測解析により、新たに特定されたエキソンの各々に対する妥当と思われるプロモーターが明らかになった(図2A、2B)。選択的プロモーターの確率は前述したプロモーター(マウスにおけるmE1bおよびヒトにおけるhE1bの上流)のそれと同様であり、それらが機能的に活性であるという概念が裏付けられていることは注目に値する。プロモーターとして機能する特に高い確率がエキソンmE1aの上流に位置するマウス領域で認められた。ヒト遺伝子においては、発明者らはマウスmE1aとの相同性に基づいてhE1aを同定した。エキソンhE1aは、コンセンサススプライス部位を欠いており、ヒト配列におけるエキソン2とエキソンhE1bとの間の全領域にESTは認められなかったので、真のエキソンの弱い候補である。しかし、hE1aの上流に位置する領域はプロモーターとして機能する最も高い確率を示す(図2A)ことから、恐らく霊長類の進化中に機能性が失われたことが示唆される。マウス配列に適用されないCisterおよびChip2Promoterプログラムにより、ヒトプロモーターの同様な予測が得られた。
転写因子結合部位の分布をより綿密に検討することにより、推定上の選択的プロモーターのうちの1つに特有であり、ヒトおよびマウスにおいて進化的に保存されているわずかなものが明らかになった。種々のシグナリング経路に反応する転写因子のいくつかの推定上のDNA標的が認められた。すなわち、臓器の発達中に高度に発現する転写因子D1xの保存結合部位(Panganiban G.およびRubenstein J.L.R.(2002)Development 129、4371〜4886頁)がmP1およびhP1に、TGIFの推定上の結合部位がmP2およびhP2に認められた。興味深いことに、3つの推定上のグルココルチコイド反応性エレメント(GREs)がヒトACHE遺伝子の上流の領域で特定され(1つがhP3に、1つがhE1aに隣接、図2A)、1つのそのような部位がマウス遺伝子上に特定された(mP2、図2A)。したがって、新たに特定された転写物のあるものが実際にグルココルチコイドおよび/またはストレス反応性であるかどうかをさらに確認する気になった。
実施例4
ヒトおよびマウスのシンテニー
上流ヒトおよびマウス配列をblast−2−sequencesプログラム(www.ncbi.nlm.nih.gov/blast)を用いて相同領域についてスキャンした。異なる長さのいくつかの相同領域が認められた(図2C)。これらは、エキソン2に隣接する短い領域、マウスおよびヒトhE1a、270bp領域(エキソン1の上流の強いプロモーター領域に相当する)、mE1bの内部部分(この領域におけるヒト配列には対応するエキソンは特定されなかった)、エキソンも予測されるプロモーターも含まない125bp領域、2つの「古典的」エキソン(hE1bおよびmE1c)、hE1cおよびmE1dに隣接する短い配列およびヒトhE1dとマウスmE1eとの間の相同性を示す比較的長い配列などである。この顕著な相同性、およびhE1dとmE1eとで類似の特徴を有するORFsは、共通の進化的に保存された祖先配列および未確認のmE1eのもっともらしさを補強する。
実施例5
SINEおよびLINEは遠位ヒトACHEプロモーターから5’選択的エキソンを分離する
Aluは、霊長類ゲノム内の最も豊富な短い散在反復エレメント(SINE)である(Batzer M.A.およびDeininger P.L.(2002)Nat Rev Genet 3、370〜379頁)。ヒトにおいては、150万のSINEがほぼ13%を占め、850000の長い散在反復エレメント(LINE)が他の21%を占めており、共にゲノムの合計34%を構成している(Weiner A.M.(2002)Curr Opin Cell Biol 14、343〜350頁)。LINEは通常遺伝子に乏しく、ATに富む領域に認められ、SINEは遺伝子に富む領域内に選択的に位置し、挿入事象に対する好ましい利用可能性を反映するが、そのような挿入が発現を妨げる可能性があるエキソン内部には通常存在しない(BatzerおよびDeininger(2000)同上)。平均的には、転写単位自体の範囲内を除き、約2〜3.5kbごとに1つのSINEおよび1つのLINEを予想することができよう。エキソン2の翻訳開始部位の上流の現在利用可能なGenBank配列(ヒトの20、GenBankアクセッション番号AF002993、およびマウスの9.5kb、GenBankアクセッション番号AF312033)についてまったく異なる結果が発生した。解析済み配列におけるSINEおよびLINE分布をEldoradoソフトウェア(genomatix.de)およびRepeatMaskerアルゴリズム(searchlauncher.bcm.tmc.edu)を用いて解析した。密度は、SINEの平均より6倍高く、LINEの平均よりほぼ2倍高い。このことから、この領域には機能DNAが存在する余地がほとんどないことになる。これに対して、選択的第1エキソンが特定されたヒトおよびマウス3.5kb領域内に例外的に少数の反復配列が認められた(それぞれ1および3反復)ことから、ヒトおよびマウスにおけるこれらのDNA断片の機能的役割が裏付けられる。ACHEの上流の最も近い遺伝子は約180kb離れて位置している(Wilson M.D.ら(2001)Nucleic Acids Res 29、1352〜1365頁)。
実施例6
マウスにおける新規エキソンの組織分布
種々の選択的第1エキソンを含むmRNAのマウスにおける組織分布をRT−PCRにより検討した(図3A)。エキソンmE1aは、海馬、皮質、PFC、脳幹および基底核を含む検討したすべての脳領域で発現することが認められた。エキソンmE1aは、胸腺、心臓、肝臓、腸および脾臓においても発現したが、腎臓、精巣、筋肉または脊髄では発現しなかった。エキソンmE1bは、肝臓、腸および筋肉を除く検討した組織の大部分で検出された。エキソンmE1cは、最も広く発現した。しかし、これは腸には存在しなかった。エキソンmE1dは、脳(海馬、PFC、脳幹および基底核)および心臓で検出されたが、脾臓、胸腺、腸または肝臓では検出されなかった。比較のために、発明者らは、同じ組織において種々のAChE 3’変異体の発現プロファイルを検討した。「シナプス性」AChE−Sは、弱い発現が認められたにすぎなかった胸腺、肝臓および小腸を除く検討した組織のすべてにおいて強く発現した。したがって、最も一般的な5’転写物である「古典的」mE1cが成熟AChE−S mRNA変異体におけるAChE−Sの主要なパートナーであると予測することができると思われる。それにもかかわらず、選択的5’転写物は、mE1cが発現しない腸において成熟AChE−S mRNA変異体を形成する必要がある。「読み過ごし」AChE−Rは、検討した脳領域のすべておよび脾臓において強く発現した。これは、心臓、筋肉、腎臓、脊髄および肝臓で中等度に発現し、精巣、胸腺および腸では非常に不十分に発現した。「赤血球」AChE−Eは、検討した脳領域のすべて、ならびに心臓、腎臓、脊髄、肝臓、脾臓および筋肉で発現した。これは、精巣、胸腺および小腸には存在しなかった。したがって、5’変異体のいずれも単一3’変異体と同じ発現パターンを共有しておらず、成熟mRNAにおいては5’スプライシングパターンは3’スプライシングを必ずしも決定しないことが示唆される。4種の5’および3種の3’スプライスオプションは、12種の異なる転写物を発生させる可能性がある。
実施例7
5’マウスエキソンの異なるニューロン分布
新規エキソンの発現パターンの細胞分解レベルを達成するために、発明者らは、蛍光in sutuハイブリッド形成(FISH、詳細については実験手順を参照)のために40〜50mer 5’ビオチニル化完全2’−O−メチル化リボプローブを設計した。図3BにmE1a、mE1bおよびmE1dにおける代表的なFISHプロファイルを示す。
これらの3種のエキソンはすべてニューロンに発現するように思われた。しかし、それらは異なる細胞型特異性および細胞内分布を示した。例えば、主としてすべての深層PFCニューロンが顕著なmE1aレベルおよびかなり低いmE1b標識を示した。エキソンmE1d mRNAはPFCニューロンの最上層に著しく濃縮され(図3BI)、PFCニューロンの特定のサブセットにおいてこの変異体のレベルが異なっていることが示唆される。これらの差は、プローブの効率を潜在的に反映している可能性があるが、各種選択的mRNAが異なる発現パターンを有することを示している。同じまたは隣接切片内の海馬CA2ニューロンは一貫して3エキソンすべての低いレベルを示しており(図3BII)、これらの細胞型の差の概念が裏付けられた。種々の5’エキソンの差別的発現は小脳ニューロンにおいても顕著であった(図3BIII)。mE1aは、プルキンエ細胞核周囲部の細胞質に蓄積するが、他の小脳ニューロンにおいてはわずかに検出されるにすぎなかった。mE1bは、小脳において不十分に発現し、mE1dは、プルキンエ細胞において強く発現し、その細胞体および軸索突起において標識されていた(図3BIV、V)。さらに、mE1dは、分子層に散在したより小さい細胞を含む小脳の他のニューロンにおいて転写され、非対称標識パターンを示す。これらのニューロンにおいて、軸索も標識されていた。顆粒ニューロンは、プローブmE1dで不十分に標識されていたにすぎなかった。
実施例8
ヒトhE1d mRNA発現−胚発現
後期発生段階におけるhE1d mRNAの組織分布を、16、25および34週齢のヒト胚のパラフィン切片において検討した。16週目には、hE1d mRNAは、神経系のみに弱く検出され、胸腺には存在しなかった。発生が進むにつれて、hE1d発現がより顕著になり、神経系および胸腺において陽性細胞の密度が増加し、標識強度が増加した。34週目に、ニューロンの50±10%までが陽性であった(図4A)。これに対して、25週目に胸腺細胞のわずか2±1.5%がhE1d mRNA陽性であったが、34週目までに細胞の8±1.5%超が陽性であった。
ヒトhE1d mRNA発現−成人発現
パラフィン包埋ヒトPFC切片のFISH解析により、顕著なニューロンhE1d mRNA標識が明らかになり、PFCにおける細胞の57±34%がhE1d mRNA陽性であった。標識細胞の25%までが軸索突起におけるhE1d mRNA標識を示し、長さが14.5±7.5μmに達した(図6D)。
実施例9
新規のエキソンのストレスおよびグルココルチコイド関連発現
ストレスは、システインを含まないC末端を有するAChEをコードするAChE−R mRNAの速やか(Kaufer D.ら(1998)Nature 393、373〜377頁)で、長時間持続する(Meshorer(2002)、同上)発現を誘発し、これがストレス関連AChE単量体の蓄積につながる。ACHE遺伝子は遠位エンハンサーにおけるGREを有し(Shapira(2000)、同上)、ACHE遺伝子発現はコルチコステロン投与後に増加する(Meshorer(2002)、同上)。したがって、発明者らは、中枢神経系におけるGR遺伝子を選択的に欠いている突然変異マウス(GRNesCreマウス)(Tronche(1999)、同上)と比較して、対照マウスにおいてストレス後に新規5’エキソンのいずれが選択的に過剰産生されるかを検討した。
マウスPFCにおいて、mE1b mRNAレベルは、GRNesCreマウスにおいて対照と比較して変化しなかった。しかし、突然変異動物に拘束によりストレスを加えたとき、mE1b mRNAは、GRNesCreマウスにおいてストレスを加えなかったGRNesCreマウスまたは対照マウスと比較して2時間以内に有意に減少した(図5A〜5B)。これは、ストレス後のmE1bの正常レベルの維持におけるGRの役割を示唆している。これに対して、mE1c mRNAレベルは、ストレスを加えた対照およびGRNesCreマウスで同様に増加した。このことは、mE1cエキソンの発現が拘束ストレスに応答してGR転写因子に関係しないようにアップレギュレートすることを示唆している。しかし、マウスmE1dは、対照マウスでは拘束ストレスの2時間後に著しくアップレギュレートしたが、GRNesCre突然変異マウスでは非常にわずかにアップレギュレートした。このことは、mE1dの調節がストレスにより著しく誘導され、またグルココルチコイド依存性であることを示唆している。AChE−S mRNAは、ストレスを加えた野生型マウスにおいて一般的に変化せずに推移するが、これは我々の以前の知見と矛盾しない(Kaufer(1998)、同上、Meshorer(2002)、同上)。これに対して、ストレスを加えた突然変異マウスにおけるAChE−S mRNAレベルは実質的に低下したことは、AChEmRNA前駆体の3’選択的スプライシングパターンはグルココルチコイド依存性であることを示唆している。したがって、アクチンmRNAレベルは変化しないままであったが、解析した変異体エキソンの各々がストレスおよびグルココルチコイド反応の特有の組合せを示した。
実施例10
N−AChEタンパク質産物およびそれらの発現
AChEコーディング配列とインフレームである新規のN末端推定ORFがマウスmE1eおよびヒトhE1dエキソンのオーソロガス領域に特定された。mE1eの推定ORFは、データベースにおける既知タンパク質との相同性を有さないドメインである追加の46アミノ酸をコードする(図6A)。これらは、正に荷電した8残基(4アルギニン、1リシンおよび3ヒスチジン)を含むが、負に荷電した残基は2つ(2グルタミン酸)だけであるので、11.54の極めて高いpI値が得られた。mE1eの二次構造解析(GOR4ソフトウェアhttp://npsa−pbil.ibcp.fr/cgi−bin/secpred_gor4.pl)により、潜在的αらせん折りたたみが明らかになった(図6B、上)。mE1cコードペプチドは、Motif Scanソフトウェア(http://hits.isb−sib.ch/cgi−bin/PFSCAN、利用可能us.ExPASy.org)により解析したところ、推定上のタンパク質キナーゼリン酸化部位(位置4〜6、TsR)およびN−ミリストイル化部位(位置13〜18、GGhrSG、図6B)が明らかになった。N末端へのこのペプチド鎖の付加は、マウスAChEシグナルペプチド(MRPPWYPLHTPSLAFPLLFLLSLLGGGARA、位置1〜31、配列番号33)の切断を防止する可能性が高い。これにより、mN−AChEタンパク質の77(44+31)アミノ酸の伸長が得られ(mAChE−Sの574残基と比べて13.4%増加)(Rachinsky T.L.ら(1990)Neuron 5、317〜327頁)、シグナルペプチドが膜貫通性になると予測された(例えば、アシアロ糖タンパク質受容体変異体)(Spiess M.およびLodish H.F.(1986)Cell 44、177〜185頁)。
対応するヒトエキソンhE1dは、hAChEタンパク質とインフレームである66アミノ酸のN末端伸長をコードする(図6B)。このペプチドも、成熟中に通常切り離されるヒトAChEシグナルペプチド(MRPPQCLLHTPSLASPLLLLLLWLLGGGVGA、位置1〜31、配列番号34)に先行する。発明者らは、AChE−Sの574残基と比べて16から17%増加する92(61+31)または97(66+31)アミノ酸のより大きいタンパク質をもたらす、AChE切断を防止するその存在を予測した(Soreq(1990)、同上)。
SwissProtデータベースにはhN−AChEペプチド配列に対する有意な相同性は認められなかった。mN−AChEと同様に、該ペプチドは推定上のリン酸化部位(カゼインキナーゼII、位置7〜10、ScpD)ならびにN−ミリストイル化部位(位置31〜36、GGsrSF、図6A)を含む。さらに、mN−AChEと同様に、hN−AChEは、ヒストンおよび他の核酸結合タンパク質と同様な極めて高い予測pI(11.76)を示す(http://www.expasy.org/tools/tagident.html)。
神経膠芽腫タンパク質抽出物のイムノブロットにおいて抗hN−AChE抗体が認識した66Kdダブルバンドは、N19抗AChE抗体を用いて認められた標識パターンと同等である(図6C、挿入図、左上)。ヒト脳の種々の領域(図6Eに概略図で示す)からのタンパク質抽出物は、in vivoでのhN−AChEタンパク質について同様なサイズを示した(図6C、下)。発現は、最も顕著であったPFCおよび後頭皮質を含む種々の皮質ドメインに及んでいた。海馬、線条および扁桃も陽性であったが、小脳発現は非常に低かった。これらの結果は、実施例8で述べたmRNA発現解析と共に、有意な割合のストレス反応性PFCニューロンがそれらの細胞体および軸索においてhN−AChEを発現することを示している。
hN−AChE ORF(図4B)からの2つの短い内部ペプチドに対するウサギポリクローナル抗体を産生させ、hN−AChEを発現する造血細胞を特定するためのフローサイトメトリ分析に用いた。パラフィン包埋切片上の免疫組織化学については不十分であったが、抗hN−AChE抗体はヒト臍帯血の細胞をうまく標識した。細胞系統は、それらの側方散乱および血球マーカーCD45の発現レベルに従って分類した。5種類の明確に区別できる集団、すなわち、リンパ球(L)、単球(M)、顆粒球(G)、血球前駆細胞(P)および有核赤血球(NE、図4CI)が検出された。単球および顆粒球は、最も顕著な標識を示し、アイソタイプ対照と比較して、細胞の67±19および57±21%がhN−AChEを発現した。さらに、リンパ球の17±7%およびCD+34前駆細胞の7.5±4%がhN−AChE陽性であったが、有核赤血球は完全に陰性であった(図4CII)。hN−AChEを発現するリンパ球をさらに下位分類するために、幹細胞(CD34)、初期リンパ球(IL7)、成熟T細胞(CD3)および成熟B細胞(CD19)の特異的マーカーを用いた。これらのマーカーの一部は複数の細胞系統に出現する可能性があるが、T細胞が最も顕著であり、CD+34リンパ球が9±3%で、初期T細胞が10±3%に上昇し、成熟T細胞が14±9%に増加した。B細胞も7.5±6.5%hN−AChE陽性であった。
一次構造から予測されるように、hN−AChEが膜において発現するかどうかを検討するために、細胞の透過化の後にフローサイトメトリ試験を繰り返した。透過化の後に増加は認められず、むしろ単球および顆粒球標識がそれぞれ7±1%および20±7.5%に低下し、hN−AChEが膜において発現することが示唆される。
実施例11
N−AChEはアルツハイマー病において過剰発現する
AChE活性はアルツハイマー病(AD)の経過における後期に低下することが知られており、これがこの疾患の病因に寄与している可能性がある。しかし、ADにおける特異的AChE変異体の組成は不明のままである。この問題を解決するために、発明者らは、AChE−S、AChE−RおよびN−AChE転写物を検出するためのエキソン6、ポソイドイントロン4および新規5’エキソンE1dに相補的なcRNAプローブを用いて蛍光in−situハイブリッド形成(FISH)を実施した。
すべての既知の変異体に共通するAChEのコアドメインに対する抗体は、歯状回ニューロンにおける総AChEレベルの著しいダウンレギュレーションを示し(p<0.05)(図9A〜9C)、通常優勢なAChE−Sタンパク質の著しい減少が示唆される。
歯状回ニューロンにおけるFISH mRNA標識は、「シナプス性」(AChE−S)変異体のレベルの明らかな低下(図10Aおよび10C)と「読み過ごし」(AChE−R)変異体のレベルのわずかであるが、有意な増加(*p<0.01、**p<0.05 Studentのt検定)(図10Bおよび10C)を示し、これらの2つの変異体の比が変化し、通常まれなAChE−R型の産生が増加した。AChE−R mRNAのレベルの同様な増加が突然変異APPとヒトAChE−Sとを過剰に発現した二重トランスジェニックマウスで認められた(Rees T.M.ら(2005)Current Alzheimer Research、印刷中)。
E1dに特異的なプローブを用いて、対応するmRNA転写物の有意な増加が、対照またはアルツハイマー病の老化ヒト海馬のCA3ニューロン(図11Bおよび11C)と比較してアルツハイマー病試料の歯状回に認められた(図11Aおよび11C)。
図12Aおよび12BにN末端(N−AChE変異体を検出する)またはC末端(AChE−S変異体を検出する)に対して特異的な抗体を用いた海馬の免疫標識を示す。アルツハイマー病において、標識領域は、歯状回をCA3ニューロン領域に結合する苔状線維系におけるN−AChE−S変異体のアップレギュレーションを示した。
海馬におけるすべてのAChEアイソフォーム(AChE−S、AChE−RおよびN−AChE)の発現をRT−PCRにより確認した(図13)。
したがって、AChE変異体の組成の重大な変化がヒトアルツハイマー病海馬に認められた。これらの変化はmRNAおよびタンパク質レベルで検出されたことから、ACHE遺伝子発現の調節の変化がヒトアルツハイマー病の重要な特徴であることが示唆される。変化は、AD脳におけるプロモーターの使用の変化、選択的スプライシングの変化およびAChEの位置の変化を含む。AChEはアポトーシス(Zhang(2004)、同上)またはベータアミロイド凝集を誘発することが報告され、AChEはアミロイドプラーク成分の1つであり、ベータアミロイド原線維形成を促進する(Inestrosa(1996))、同上)ことが示されたので、これらの変化はおそらくシナプス伝達またはニューロン細胞死にかなりの影響を及ぼすと考えられる。
実施例12
遺伝子発現プロファイルの変化をもたらすAChE−RまたはAChE−Sの過剰発現
発明者らは、特定のAChE変異体を過剰発現する形質導入細胞に発生する選択的スプライシングおよび/またはアポトーシスに関与する転写および転写後変化を特定することに着手した。社内マイクロアレイを用いてp19胚癌細胞系におけるAChE−RまたはAChE−Sの過剰発現の影響を受ける候補遺伝子の特定が可能となった。
P19細胞を、これらの細胞のニューロン系統への分化を誘発することが知られている0.5μMのレチノイン酸(Jones−Villeneuve E.M.ら(1982)J Biol Chem 94(2):253〜62頁)で3日間処理した。4日目に、細胞に次のベクターのうち1つ1μgを形質導入した。すなわち、AChE−Sを過剰発現するベクター(Ben−Aziz Aloya R.ら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci,USA 90:2471〜2475頁)、AChE−Rを過剰発現するベクター(Seidman S.ら(1995)Mol Cell Biol.15:2993〜3002頁)または対照のための空ベクター。細胞を部分的に分化させたところ、比較的高いレベルの形質導入DNAを示すと同時にコリンアセチルトランスフェラーゼ(ChAT)の高いレベルを示した。5日目に、RNeasyミニキット(Quiagen(商標登録))を用い、製造業者の説明書に従ってRNAを形質導入細胞から抽出した。各ベクターを過剰発現した細胞からのRNAを空ベクターを形質導入した細胞からのRNAと比較した。さらに、用いた色素が異なることに起因する標識の差を除去することを目的とした、色素スワッピング試験を実施した。そのような比較は、各実験試料について、以下に従った4種類のスライド標本からなっていた。
スライド標本 試料
1 Cy3で標識した実験/Cy5で標識した対照
2 Cy3で標識した実験/Cy5で標識した対照
3 Cy5で標識した実験/Cy3で標識した対照
4 Cy5で標識した実験/Cy3で標識した対照
スライド標本1と2および3と4は、同じ複製試料である。さらに、このデザインは「色素スワッピング」を用いた。すなわち、マイクロアレイ染色アッセイで起こることが知られている色素特異的な効果を補償するために、各試料を1つの蛍光色素で2回、他の蛍光色素で2回標識した。
Ambion製のAmino Allyl MessageAmp(商標)RNA増幅キット(http://www.ambion.com/techlib/prot/fm_1752.pdf)を用いてRNAを増幅した。Cy3(緑、吸収極大:550nm、放射極大:570nm)およびCy5(赤、649/670nm)蛍光色素を標識に用いた。RNA断片化、前ハイブリッド形成およびハイブリッド形成を実験手順で述べたように実施した。
図16A〜16Cおよび17A〜17IにAChE−RおよびAChE−Sを過剰発現したP19細胞のマイクロアレイ分析の結果を示す。結果は本質的に次のようにまとめることができる。AChE−RまたはAChE−Sは、遺伝子発現に対して以下の3つの主要な影響を及ぼす。
1)遺伝子の1つの群は2つのAChEアイソフォームにより同様に調節され(誘導または阻害されたが、両処理で同じ結果が得られた)、発現パターンの変化はAChEの共通のドメインまたは触媒活性に関連することが示唆される。
2)遺伝子の1つの群(または遺伝子ファミリー)はアイソフォームの1つによりアップまたはダウンレギュレートされ、他による反対の影響を有する。
3)個々の遺伝子の発現はアイソフォームの1つにより変化し、他により変化しない。
4)他の遺伝子は形質導入DNAのいずれによる影響も示さず、それらの影響の選択性が示された。
一般的に、次の3つの主要な遺伝子グループがAChE−R/Sの過剰発現による影響を受けた。すなわち、アポトーシス関連、ヘリカーゼならびにSRおよびSR関連遺伝子。興味深いことに、SRおよびSR関連遺伝子は両アイソフォームにより主としてダウンレギュレートされ、一方、アポトーシス関連遺伝子はAChE−Rによりアップレギュレートされ、AChE−Sによりダウンレギュレートされた(解析では催アポトーシス遺伝子と抗アポトーシス遺伝子との区別はできなかったが)。ヘリカーゼ遺伝子の発現は、AChE−S発現細胞においてのみ変化した。この結果は、核内のAChE−Sの核局在化を示す発明者らの以前の結果(Perryら(2002)Oncogene 21(55):8428〜41頁)と相関していると思われる。
マウス5’ゲノム領域を示す図である。マウスACHE遺伝子の2.6kbの5’ゲノム領域を示す図である。エキソン(網掛けまたは下線部)は右側に名称を示す。スプライス部位は黄色で、翻訳開始部位は赤色で示す。最下行はエキソン2の開始を示す。 ヒト5’ゲノム領域を示す図である。ヒトACHE遺伝子の2.65kbの5’領域および対応するスキームを示す図である。hE1dの2つの可能な開始ATGsをピンク色と赤色で示す。第2のATGはmE1eのATGに対応する。 マウス5’ゲノム領域および5’転写物を示す図である。変異体エキソンを含むACHE遺伝子の全5’領域を模式的に図示した図である。すべての模式図は一定の比例に縮小して描かれている。配列決定により確認されたエキソンは、アクアマリーン色に塗られ、直線でつながれている。括弧内の未確認のものは、白色であり、赤色の破線でつながれている。長cDNAクローン(AK036443、mE1c−long)は、灰色で示されている。mE1eのORFは赤色で、E2のそれはオレンジ色である。略語:Conf.:確認済み、evid.:証拠、N.−val.:未確認、conv.:従来の、nov.:新規の ヒト5’ゲノム領域および5’転写物を示す図である。変異体エキソンを含むACHE遺伝子の全5’領域を模式的に図示した図である。すべての模式図は一定の比例に縮小して描かれている。配列決定により確認されたエキソンは、アクアマリーン色に塗られ、直線でつながれている。括弧内の未確認のものは、白色であり、赤色の破線でつながれている。 マウスおよびヒトACHE遺伝子のプロモーターおよびシンテニー解析を示す図である。特定の領域がプロモーターとして機能する全体的な確率を表わす、3.55kbの上流配列および3.55kbのコーディング領域を含む7.1kbのマウス(上)およびヒト(下)ACHE遺伝子のCisterソフトウェア解析を示す図である。着色した直線は、以下に詳述する選択した転写因子結合部位を表わす。赤色の三角形は、推定上のグルココルチコイド反応エレメント(GREs)を表わす。種々の選択的5’エキソン(灰色ボックス)は、マウスについてはa−eで、ヒトについてはa−dで示す。開始ATG(+1)からの塩基数は、上に示す(破線)。比較のために、ヒト配列をChip2Promoterソフトウェア(Genomatix)を用いて解析した。ヒトプロモーター予測をオレンジ色ボックス(hP1、hP2およびhP3)として示し、遺伝子関連プロモーター(hP2、第1エキソンに対する近位プロモーターとしてプログラムにより定義)は黄色ボックスとして示す。Chip2Promoterはマウス配列サポートせず、したがって、プロモーター領域をCisterに従って決定し、空のレンガ色ボックス(mP1、mP2およびmP3、上)として示す。略語:Se.bind.si.:選択した結合部位 マウスおよびヒトACHE遺伝子のプロモーターおよびシンテニー解析を示す図である。転写因子の予測結合部位のMatInspector解析を示す図である。因子は、左に示す異なる色および形状により示した構造、機能、モチーフ認識またはその他に従って分類した。マウス(上)対ヒト(下)ACHEの5’領域のBlast−2−sequences解析(www.ncbi.nlm.nih.gov/blast)。相同配列は、色分けにより対応付けたボックスとして示す。エキソンは、下の空のボックスとして示す。 マウスおよびヒトACHE遺伝子のプロモーターおよびシンテニー解析を示す図である。SINE(青丸)およびLINE(緑丸)についてスクリーニングしたマウス(Mo、9.5kb、上)およびヒト(Hu、20kb、下)遺伝子の上流領域におけるSINEおよびLINE分布を示す図である。遠位ACHEプロモーター(Shapira(2000)、同上)は、赤色で示す。 マウスおよびヒトACHE遺伝子のプロモーターおよびシンテニー解析を示す図である。SINE(青丸)およびLINE(緑丸)についてスクリーニングしたマウス(Mo、9.5kb、上)およびヒト(Hu、20kb、下)遺伝子の上流領域におけるSINEおよびLINE分布の解析において、500bpの反復回数(Rep./500bp)をマウス(左)およびヒト(右)について示す。 AChEの選択的にスプライスされた転写物の組織および細胞型発現パターンを示す図である。マウスAChEの5’(4つの上部レーン:mE1a、mE1b、mE1cおよびmE1d)および3’(3つの下部レーン:AChE−S、AChE−RおよびAChE−R)選択的転写物のRT−PCR生成物およびそれらの対応する分子サイズ(右)を示す図である。各転写物のプライマーの位置は、左図(三角)に示す(プライマー配列については、材料および方法を参照のこと)。略語:he.:心臓、mu.:筋肉、te.:精巣、ki.:腎臓、ap.Co.:脊髄、liv.:肝臓、spl.:脾臓、thy.:胸腺、int.:腸、bas.Nu.:基底核、PFC:前頭葉前部皮質、hipp:海馬、cort.:皮質、br.St.:脳幹 AChEの選択的にスプライスされた転写物の組織および細胞型発現パターンを示す図である。無処置FVB/NマウスのPFC(I)、hipp(II)および小脳(cer、III)におけるmE1a、mE1bおよびmE1dを含む転写物の代表的蛍光像である。右の漫画は拡大部位(赤色ボックス)を示す図である。小脳部位の拡大は、プルキンエ細胞におけるmE1a(IV)の強い細胞質標識ならびにmE1d(V)の細胞質および核標識を示す。単一プルキンエ細胞の拡大を右の略図と共に右下パネル(VI)に示す。バー=50μm。略語:ce.bo.:細胞質体、dend.:樹状突起、ax.:軸索。 hN−AChEのヒト胚発現を示す図である。16(左)、27(中央)および34(右)週齢ヒト胚脳(br.、上)および胸腺(thy.、下)からの切片におけるhE1d mRNAのFISH検出である。右の棒グラフは、標識細胞(lab.ce.)の発生を有する割合の増加を示している(*P<0.05、**P<0.0005、両側Studentのt検定)。 hN−AChEのヒト胚発現を示す図である。T細胞白血病におけるhE1d発現を示す図である。 AChEタンパク質組成および用いた抗体のエピトープ位置を示す図(N:N末端、SP:シグナルペプチド、Core:AChEコアドメイン)である。3種類のオプションC末端を右に示す。 膜hN−AChEの造血発現を示す図である。hN−AChE標識(紫)とイソタイプ対照(緑)との比較により、単球(Mon.)、顆粒球(Gran.)、リンパ球(lymp.)および血球前駆細胞(prog.)におけるより小さい程度でのその発現が示された図である。細胞の透過化の後(右)に増加は認められず、膜において発現することがわかった。略語:bef.Perme:透過化の前、aft.Perme:透過化の後 細胞集団のFACS分離を示す図である。フローサイトメトリによりCD45検出対側方散布図を用いて4種類の細胞集団が識別されたことを示す図(M:単球、G:顆粒球、P:前駆細胞、L:リンパ球)である。 細胞集団のFACS分離を示す図である。認められたCD+45細胞系統の透過化の前(−)および後(+)の陽性(pos.)細胞の割合を示す図である。4種類の臍帯血標本の平均。 リンパ球の下位分類を示す図である。特異的マーカー(CD34、幹細胞;IL7、初期リンパ球;CD3、成熟Tリンパ球;CD19、成熟Bリンパ球)は、成熟Tリンパ球におけるhN−AChE発現の上昇を示している。 マウス5’選択的エキソンのストレスおよびグルココルチコイド関連調節を示す図である。 30分間の拘束ストレスの2時間後のニューロン特異的グルココルチコイド受容体(GR)ノックアウト(GRNesCre)および野生型(wt)マウスの皮質におけるmE1b、mE1c、mE1d、mAChE−SおよびアクチンのRT−PCR分析を示す。GRNesCreではストレスの後にmE1bおよびmAChE−Sがダウンレギュレートされたが、wtマウスでは認められなかったことに注意すること。エキソンmE1cは、GRの存在(wt)または非存在(GRNesCre)にかかわりなく、ストレスの後に過剰発現した。また、mE1dもストレスの後に過剰発現したが、wtと比較してGRNesCreマウスにおいてわずかに検出されたにすぎず、そのグルココルチコイド依存性が立証された。アクチンmRNAを対照とした。定量化(アクチンレベルに対する)を右に示す(各群の3動物の平均)。星印は、対照との統計的に有意な差を示す。Na.=無処置、str.=ストレス。 mE1e(上)とhE1d(下)とのDNA配列相同性を示す図である。総類似度は79%である。インフレームATGsは着色されている。 N−AChEタンパク質を示す図である。mN−AChE(mE1e)(上)およびhN−AChE(hE1d)(下)のアミノ酸配列を示す図である。同一アミノ酸は枠で囲み、関連アミノ酸は線で結んだ。疎水性アミノ酸は赤色であり、正に荷電したアミノ酸は青色である(アルギニンおよびリシン、紺青色;ヒスチジン、淡青色)。推定上のリン酸化部位は緑色であり、推定上のNミリスチン酸化部位は暗黄色である。最後のメチオニンはエキソン2上の翻訳開始部位である(GENESTREAMを用いた解析、http://vega.igh.cnrs.fr/bin/align−guess.cgi)。二次構造予測(GOR4ソフトウェア、http://npsa−pbil.ibcp.fr/cgi−bin/secpred_gor4.pl)を各配列の上および下に示す(c=ランダムコイル、e=伸長鎖、h=αらせん)。hN−AChEのαらせんおよびβシートの欠如に注意すること。 N−AChEタンパク質のヒト脳領域における発現を示す図である。挿入図、左上:培養ヒト神経膠芽細胞腫細胞の抽出物を示す図。抗hN−AChEおよび抗コア−AChE抗体(N19、Santa Cruz Biotechnology)の標識パターンの類似性に注意すること。中央:種々のヒト脳領域におけるhN−AChE。後頭皮質(oxc)における顕著なhN−AChE発現ならびに海馬(hipp)、前頭葉前部皮質(PFC)、皮質、線条体(str)および扁桃(amg)における有意な標識に注意すること。非常に弱いバンドが小脳(cereb)に認められた。 FISH:hE1d mRNAプローブが成人ヒトPFCにおけるニューロンの細胞体および軸索を標識することを示す図である。 検査した種々の脳領域の位置を示す図である。図6Cの説明における略語を参照のこと。 5’および3’AChE mRNA変異体およびそれらのタンパク質産物の予測される組合せ複雑度を示す図である。推定上のマウスACHE転写物のスプライスおよび調節パターンを示す図である。 5’および3’AChE mRNA変異体およびそれらのタンパク質産物の予測される組合せ複雑度を示す図である。推定上のマウスACHE転写物の予測されるプロモーター(prom.)を示す図である。 5’および3’AChE mRNA変異体およびそれらのタンパク質産物の予測される組合せ複雑度を示す図である。推定上のマウスACHE転写物の予測されるタンパク質産物を示す図である。 矢印は増強刺激を示す(GC=グルココルチコイド)。二重に誘導された(doub.−ind.)変異体(var.、mE1c−R、mE1d−R)は、GCsおよびストレスに反応する5’および3’エキソンを含む。伸長N−AChEタンパク質は、それらのN末端に1つまたは複数の膜貫通ドメインを有していてよい。Str.=ストレス。 AChE変異体のレベルおよび局在化を研究した主要な海馬領域を示すヒト海馬の概略図である。 略語:Amyg.:扁桃、Hipp.Form.:海馬形成、forn.& mamm.Bo.:脳弓および乳頭体、S.c.p.:Schaffer副行路、M.f.p.:苔状線維経路、D.g.:歯状回、P.p.:貫通枝。 アルツハイマー病脳の歯状回ニューロンにおけるAChE発現のダウンレギュレーションを示す図である。AChEのコアドメインに対する抗体を用いた対照およびアルツハイマー病(AD)脳の免疫組織学的染色は歯状回ニューロンにおける総AChEレベルのかなりのダウンレギュレーションを示す図である。上−AChEタンパク質および抗体により認識される領域を表わす概略図である。 アルツハイマー病脳の歯状回ニューロンにおけるAChE発現のダウンレギュレーションを示す図である。図9Aに示した結果の定量化を示すヒストグラムを示すグラフである。Arb.u.=任意単位。 AD脳の歯状回におけるAChE−S転写物の発現の変化を示す図である。AChE−S転写物に特異的なプローブを用いた対照(左)およびAD(右)ヒト海馬の歯状回のFISH染色の顕微鏡写真である。上−AChE遺伝子の概略図で、矢印はプローブの特異性を示す。 AD脳の歯状回におけるAChE−R転写物の発現の変化を示す図である。AChE−R転写物に特異的なプローブを用いた対照(左)およびAD(右)ヒト海馬の歯状回のFISH染色の顕微鏡写真である。 AD脳の歯状回におけるAChE−SおよびAChE−R転写物の発現の変化を示す図である。図10Aおよび10Bに示した結果の定量化を示すヒストグラムを示すグラフである。(*p<0.01、**P<0.05、Studentのt検定) mRNA exp.=mRNA発現 N−AChEがADヒト脳の歯状回に発現することを示す図である。E1bに特異なプローブを用いた対照(左)およびAD(右)ヒト海馬の歯状回のFISH染色の顕微鏡写真である。上−AChE遺伝子の概略図で、矢印はプローブの特異性を示す。 N−AChEがADヒト脳の海馬のCA3ニューロンに発現することを示す図である。E1bに特異的なプローブを用いた対照およびADヒト海馬のCA3ニューロンのFISH染色の顕微鏡写真である。 N−AChEがADヒト脳に発現することを示す図である。図11Aおよび11Bに示した結果の定量化を示すヒストグラムを示すグラフである。 *P<0.01、直線は写真および挿入図におけるそれぞれ50mmおよび10mmを示す。mRNA exp.=mRNA発現 ADヒト脳の苔状線維系におけるN−AChE−S変異体のアップレギュレーションを示す図である。新規のN’末端に特異的な抗体を用いた対照(CT)およびAD脳の苔状線維系の免疫組織化学を示す図である。上−N−AChEタンパク質および抗体により認識される領域を表わす概略図。 ADヒト脳の苔状線維系におけるN−AChE−S変異体のアップレギュレーションを示す図である。C’末端に特異的な抗体を用いた対照(CT)およびAD脳の苔状線維系の免疫組織化学を示す図である。下−12Aおよび12Bに用いた抗体濃度(Ab.Conc.)の低下の表示。 AChE転写物がヒトAD海馬において発現することを示す図である。 左:AChE遺伝子の概略図。矢印はRT−PCR反応に用いたプライマーを表わす。 右:すべてのAChE転写物(AChE−E1d、AChE−R、AChE−S)の発現を確認する、ヒトAD海馬のRT−PCRのゲル電気泳動。T.AChE=総AChE AD検体におけるAChE染色を示すヒト海馬の概略図である。 略語:NET:神経原線維濃縮体、T.AChE assoc.w.NFTs+plaq.:NETsに関連する総AChEおよびプラーク、Mfp:苔状線維経路 マイクロアレイにおけるプローブの全集団における遺伝子の各機能グループの分率を示すパイ図である。 この図はチップの組成が以下のとおりであることを示している。 17%snRNPs、 8%hnRNPs、 9%SRおよびSR関連、 5%ヘリカーゼ(スプライセオソーム関連)、 6%スプライセオソームアセンブリメディエータ(splic.ass.med.)、 8%スプライシング因子リン酸化(Splic.fac.phos.) 6%他のmRNA処理(例えば、ポリアデニル化、輸出)、 11%標的(選択的スプライシングを受ける遺伝子)、 8%他のスプライセオソーム成分、 16%選択的スプライシングを受けるアポトーシス関連遺伝子、 5%他の遺伝子(oth.ge)、 1%未知の機能(unk.fun.)。 マイクロアレイ分析の結果−アレイ上の転写物の全集団を示す図である。対照対AChE−S処理細胞における遺伝子発現を示すヒストグラムである。 マイクロアレイ分析の結果−アレイ上の転写物の全集団を示す図である。対照対AChE−R処理細胞における遺伝子発現を示すヒストグラムである。 16Aおよび16Bにおける結果の対数比を示すグラフである。 略語:cont.:対照、cum.dist.func.:累積分布関数、rat.:比 ヒストグラムでのマイクロアレイ分析の結果を示す図である。マイクロアレイの写真である。 ヒストグラムでのマイクロアレイ分析の結果を示す図である。AChE−R対AChE−S処理における標的遺伝子の転写物の比較を示す図である。 ヒストグラムでのマイクロアレイ分析の結果を示す図である。AChE−R対AChE−S処理におけるSRおよびSR関連遺伝子の転写物の比較を示す図である。 ヒストグラムでのマイクロアレイ分析の結果を示す図である。AChE−R対AChE−S処理におけるハウスキーピング遺伝子(HKG)の転写物の比較を示す図である。 ヒストグラムでのマイクロアレイ分析の結果を示す図である。AChE−R対AChE−S処理におけるmRNA処理遺伝子の転写物の比較を示す図である。 ヒストグラムでのマイクロアレイ分析の結果を示す図である。AChE−R対AChE−S処理におけるスプライシング因子リン酸化遺伝子の転写物の比較を示す図である。 ヒストグラムでのマイクロアレイ分析の結果を示す図である。AChE−R対AChE−S処理におけるアポトーシス遺伝子の転写物の比較を示す図である。 ヒストグラムでのマイクロアレイ分析の結果を示す図である。AChE−R対AChE−S処理におけるスプライセオソーム成分遺伝子の転写物の比較を示す図である。 ヒストグラムでのマイクロアレイ分析の結果を示す図である。AChE−R対AChE−S処理における他のカテゴリーの遺伝子の転写物の比較を示す図である。

Claims (27)

  1. 変異体5’領域を含むACHE遺伝子由来のcDNA配列。
  2. 前記ACHE遺伝子がマウスまたはヒト由来のものであってよい請求項1に記載のcDNA配列。
  3. その5’末端に配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9および10のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により実質的に表わされるAChE変異体配列を含むcDNA配列。
  4. ACHE遺伝子由来の核酸配列によってコードされ、AChEの膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを含むペプチド。
  5. 前記ACHE遺伝子がマウスまたはヒト由来のものであってよい請求項4に記載のペプチド。
  6. 配列番号11および12のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により表わされる請求項4に記載のペプチド。
  7. ヒトACHE遺伝子由来であり、配列番号12、13および14のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により実質的に表わされる配列を含むペプチド。
  8. マウスACHE遺伝子由来であり、配列番号11ならびにその機能類似体および誘導体により表わされる配列を含むペプチド。
  9. ヒトAChE膜貫通ドメイン由来であり、配列番号13および14のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により実質的に表わされるペプチド。
  10. 膜貫通ドメインを含むAChEタンパク質。
  11. 前記AChEが、それぞれ配列番号15、16および17ならびにその機能類似体および誘導体により表わされる−S、−Rおよび−E型の1つである請求項10に記載のAChEタンパク質。
  12. 少なくとも1つの制御エレメントに機能するように連結された配列番号1〜10および36〜38により表わされる配列のいずれか1つを含む核酸コンストラクト。
  13. 請求項12に記載のコンストラクトまたは請求項1〜3のいずれかに記載の配列のいずれか1つで形質導入した、外因性配列を含む形質導入細胞。
  14. ストレス、コリン作動性平衡およびアルツハイマー病などのアミロイド疾患の1つに対する、変異体5’領域を含むAChE mRNAからなるマーカー。
  15. 前記変異体5’領域が配列番号3、4および5の1つならびにその機能類似体および誘導体により本質的に表わされる請求項14に記載のマーカー。
  16. 前記マーカーがコルチゾール処理に対して反応せず、前記変異体5’領域が配列番号3ならびにその機能類似体および誘導体により本質的に表わされる請求項14に記載のマーカー。
  17. 前記マーカーがコルチゾール処理に対して反応し、前記変異体5’領域が配列番号4および5のいずれか1つならびにその機能類似体および誘導体により本質的に表わされる請求項14に記載のマーカー。
  18. N末端AchE細胞内ドメインを認識する抗体。
  19. 配列番号13および14のいずれか1つならびにそのいずれかの変異体、断片または誘導体により本質的に表わされるペプチドに対する抗体。
  20. AChE膜貫通ドメインを発現する細胞における細胞内シグナリングを誘導するための請求項18および19のいずれか一項に記載の抗体の使用。
  21. AChEに対するリガンドとしての、請求項18および19のいずれか一項に記載の抗体の使用。
  22. AChEの細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを含む、コリン作動性シグナルに対するセンサー。
  23. 前記AChEの膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインが配列番号11および12のいずれか1つにより表わされる配列を含む請求項22に記載のセンサー。
  24. ストレスおよびコリン作動性不平衡のうちの1つのセンサーとしてのAChE膜貫通ドメインを発現する細胞の使用。
  25. 配列番号11および12のうちの1つならびにそのいずれかの変異体、断片または誘導体により本質的に表わされる配列を含む、発現のレベルの低下がリンパ系分化の進行したステージを表わすリンパ系細胞系統の分化のマーカー。
  26. N−AChEアイソフォームを認識する抗体を活性薬剤として含み、前記抗体が請求項18および19に記載される組成物。
  27. 検出可能なマーカーで標識した請求項18および19のいずれか一項に記載の抗体またはそれを含む組成物を必要とする対象に投与し、撮像技術により海馬における前記抗体の存在を検出することを含むアルツハイマー病の診断の方法。
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