JP2007530715A - ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合を含む超吸収性ポリマー及びその製造方法 - Google Patents

ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合を含む超吸収性ポリマー及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、改良された架橋を有する超吸収性ポリマー粒子、及び吸収性物品におけるそれらの使用に関する。
本発明の超吸収性ポリマーは、ポリマー鎖セグメントを含み、これらポリマー鎖セグメントの少なくとも一部は直接的な共有結合を介して互いに架橋されている。
更に、本発明は、これら超吸収性ポリマー粒子の製造方法にも関する。

Description

本発明は、共有結合を介して互いに直接結合されたポリマー鎖セグメントを含む超吸収性ポリマーに関する。
更に、本発明は、これら超吸収性ポリマー粒子の製造方法、及びこれら超吸収性ポリマーを含む吸収性物品に関する。
超吸収性ポリマー(SAP)は、当該技術分野において周知である。それらは、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁製品及び女性用ケア製品などの吸収性物品において、かかる製品の吸収能力を増大させ、一方でそれらの全体的な嵩を低下させるべく、一般に適用される。SAPは、一般に、それら自身の重量の何倍もの量に等しい水性流体を吸収及び保持することが可能である。
SAPの商業的な生産は、1978年に日本で始まった。初期の超吸収体は、架橋デンプン−ポリアクリレートであった。SAPの商業的な生産において、部分的に中和されたポリアクリル酸が、最終的に初期の超吸収体に取って代わり、これが今日SAPに用いられる主要なポリマーである。それら(SAP)は、一般には、部分的に中和され、僅かに(lightly)架橋されたポリマー網状組織から成り、その網状組織は親水性であり、水又は生理食塩水などの水溶液に浸漬されると前記網状組織は膨張する。ポリマー鎖間の架橋は、SAPが水に溶解しないことを保証する。SAPは、繊維又は顆粒のような小さい粒子の形態で適用されることが多い。
水溶液の吸収後、膨張したSAP粒子は非常に柔らかくなり、簡単に変形する。変形により、SAP粒子間の空隙が封鎖され、これにより、液体に対する流動抵抗が劇的に増大する。これは、一般に「ゲルブロッキング」と呼ばれる。ゲルブロッキング状態において、液体は、拡散によってしか、膨張したSAP粒子の中を通って移動することができず、これは、SAP粒子の間の隙間を流動するよりもはるかに遅い。
ゲルブロッキングを減少させるために一般的に適用される一方法は、粒子をより剛性にすることであり、それによってSAP粒子はその元の形状を保持できるので、粒子間の空隙が作り出されるか又は維持される。剛性を高める周知の方法は、SAP粒子の表面上に露出するカルボキシル基を架橋することである。この方法は、一般に表面架橋と呼ばれる。
欧州特許EP0509708B1は、表面架橋され、界面活性剤でコーティングされた吸収性樹脂粒子及びその調製方法に言及している。EP0509708B1における表面架橋剤は、SAP粒子の表面上にあるカルボキシル基と反応する少なくとも2つのヒドロキシル基を含むポリヒドロキシル化合物である。EP0509708B1では、表面架橋は150℃以上の温度で行われる。前記粒子は、好ましくは、少なくとも5分間、しかし60分未満の間、高温に曝露される。
米国特許第5,164,459号には、吸収性樹脂の別の表面架橋方法が開示されており、ここでは、前記樹脂の表面に含まれる、前記ポリマーのカルボキシル基が多価アルコールと反応する。前記反応は90℃〜250℃までの範囲の温度で達成される。
PCT国際公開特許WO 01/89591A2には、ヒドロキシアルキル尿素が架橋剤として用いられる。PCT国際公開特許WO 01/89592では、架橋剤としてヒドロキシアルキルアミドが適用される。いずれの適用においても、表面架橋反応は約90℃〜約170℃までの温度で60〜180分間行われる。
表面架橋剤としての水溶性過酸化物ラジカル反応開始剤は、欧州特許出願EP0248437A2から公知である。その表面架橋剤を含有する水溶液が、ポリマーの表面に適用される。表面架橋反応は、過酸化物ラジカル反応開始剤は分解されるが、ポリマーは分解されないような温度まで加熱することによって達成される。
欧州特許出願EP1199327A2には、表面架橋剤として使用するためのオキセタン化合物及び/又はイミダゾリジノン化合物の使用が開示されている。表面架橋反応は加熱下で行われ、温度は好ましくは60℃〜250℃の範囲である。あるいは、EP1199327A2における表面架橋反応は、好ましくは紫外線を用いた光照射処理によって達成される。
先行技術から公知のプロセスはいずれも表面架橋された粒子をもたらし、これにより、前記表面架橋分子の反応生成物がSAP粒子に組み込まれる。それ故に、表面架橋されたSAP粒子は、架橋分子の反応生成物を含む。
一般に、表面架橋剤は、SAP粒子の表面上に適用される。故に、前記反応は、好ましくはSAP粒子の表面上で起こり、結果として、粒子のコアには実質的な影響を及ぼさずに粒子の表面上に改良された架橋が生じる。そのため、SAP粒子はより剛性になり、ゲルブロッキングが低減される。
上述の商業的な表面架橋プロセスの欠点は、比較的長時間(通常は少なくとも約30分)かかることである。一方で、表面架橋プロセスに必要とされる時間が長いほど、より多くの表面架橋剤がSAP粒子中に浸透し、その結果、粒子内部で架橋が拡大し、そのことがSAP粒子の容量に悪影響を及ぼす。従って、表面架橋のプロセス時間は短いのが望ましい。更に、全体として経済的なSAP粒子製造プロセスに関しても、短いプロセス時間が望ましい。
一般的な表面架橋プロセスの別の欠点は、それらが多くの場合は約150℃以上の比較的高い温度の下でのみ行われるということである。これらの温度では、表面架橋剤がポリマーのカルボキシル基と反応するだけでなく、ポリマー鎖内又はそれらの間での隣接するカルボキシル基の無水物形成、及びSAP粒子に組み込まれたアクリル酸二量体の二量体開裂などの他の反応も活性化される。それらの副反応もコアに影響を及ぼし、SAP粒子の能力を低下させる。加えて、高温への曝露は、SAP粒子の色の劣化を導くこともある。故に、これらの副反応は、一般には望ましくない。
当該技術分野において既知のSAPは、典型的には、水酸化ナトリウムなどで部分的に中和されている。しかしながら、当該技術分野において既知のプロセスにおいて、中和は、表面架橋に対する必要性との調和を慎重に保たなければならないが、当該技術分野で既知の表面架橋剤は、ポリマー鎖に含まれる遊離カルボキシル基と反応するだけであって、中和されたカルボキシル基とは反応することができない。そのため、カルボキシル基は、表面架橋又は中和のいずれかのために適用されることは可能であるが、同一のカルボキシル基は両方のタスクを満たすように適用されることはできない。当該技術分野において既知の表面架橋剤は、一般には、カルボキシル基以外の化学基とは反応せず、例えば、脂肪族基とは反応しない。
SAP粒子を製造する方法において、典型的には遊離カルボキシル基の中和が最初に行われ、その後、表面架橋が行われる。実際、中和工程は、モノマーが重合及び架橋されてSAPを形成する以前に、前記方法の一番最初に行われることが多い。かかる方法は、「プレ中和方法」と名づけられる。あるいは、SAPは重合の途中又は重合後に中和されることができる(「ポスト中和」)。更に、これらの代替法の組み合わせも可能である。
SAP粒子の外側表面上にある遊離カルボキシル基の総数は、前述の中和により制限されるので、表面架橋の程度が高く、及びそのためにゲルブロッキングを低減させる程剛性の高い粒子を得ることは非常に困難である。更に、残りの遊離カルボキシル基は数が少ないだけでなく、一般には不規則に分布されており、時には、表面架橋がかなり密集した領域と、表面架橋がまばらな領域とを有するSAP粒子を生じる結果になることから、表面架橋が均等に分布されたSAP粒子を得ることも非常に困難である。
従って、本発明の目的は、表面架橋の程度が高く、それと同時に高い中和程度も可能にするSAP粒子を提供することである。
本発明の更なる目的は、均等に分布された均質な表面架橋を有するSAP粒子を提供することである。更に、表面架橋を含む表面は、できる限り薄くなければならない。
加えて、本発明の更なる目的は、SAP及びSAP粒子であって、それらに含まれるポリマー鎖セグメントが、架橋分子をSAP中に組み込むことを必要とせずに互いに結合している、SAP及びSAP粒子を提供することでもある。この目的は、表面架橋に関して特に望ましく、即ち、架橋分子の反応生成物を含まない、表面架橋されたSAP粒子を提供することが望ましい。
更に、本発明の目的は、上述の利点を有するSAP及びSAP粒子の製造方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、表面架橋のプロセス工程がプロセスの効率を高めるために迅速に行われることができる、SAP粒子の製造方法を提供することでもある。
更に、本発明の更なる目的は、無水物形成及び二量体開裂などの高温で開始される望ましくない副反応を低減すべく、中程度の温度で行うことができるSAP粒子の製造方法を提供することでもある。
本発明は、ポリマー鎖セグメントを含む超吸収性ポリマーに関する。前記ポリマー鎖セグメントの少なくとも一部は共有結合を介して互いに架橋しており、前記共有結合は、ポリマー鎖セグメント間(between between)に直接形成されている。
本発明は、更に、超吸収性ポリマーの架橋方法に関し、前記方法は、以下の工程を含む:
a)ポリマー鎖セグメントを含む超吸収性ポリマーを準備する工程と
b)1官能性の放射線活性化可能なラジカル形成剤を準備する工程と、
c)前記超吸収性ポリマー及び前記1官能性の放射線活性化可能なラジカル形成剤を電磁波照射に曝露し、それによって前記ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合を形成する工程。
更に本発明は、以下の工程を含む、超吸収性ポリマーの別の製造方法にも関する:
a)ポリマー鎖セグメントを含む超吸収性ポリマーを準備する工程と、
b)前記超吸収性ポリマーを電磁波照射、好ましくは電子ビーム、に曝露し、それによって前記ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合を形成する工程。
更に本発明は、ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合を含む超吸収性ポリマー粒子を含む吸収性物品にも関する。
本明細書は、本発明を指摘し明白に請求する特許請求の範囲を結論とするが、本発明は、添付の明細書と併せて読まれる以下の図面によって更によく理解されると考えられ、図面中において、同様の構成要素には同じ参照番号を付与する。
SAPは、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどの置換及び未置換の天然及び合成ポリマー類;ポリビニルアルコール及びポリビニルエーテル類などの非イオン型;ポリビニルピリジン、ポリビニルモルフォリニオン(polyvinyl morpholinione)、N,N−ジメチルアミノエチル又はN,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート類及びメタクリレート類、並びにこれらの各第四級塩などの陽イオン型を含めた様々な化学的な形態で利用可能である。典型的には、本明細書において有用なSAPは、スルホン酸のような複数の陰イオン性官能基、より典型的にはカルボキシル基を有する。本明細書で使用するのに好適なポリマー類の例としては、重合可能な不飽和酸含有モノマー類から調製されるものが挙げられる。従って、こうしたモノマー類には、少なくとも1つの炭素−炭素オレフィン性二重結合を含有するオレフィン性不飽和酸及び無水物が包含される。更に具体的には、これらモノマー類は、オレフィン性不飽和カルボン酸類及び酸無水物類、オレフィン性不飽和スルホン酸類、並びにこれらの混合物から選択することができる。
SAPを調製する際、幾つかの酸性ではないモノマー類が、通常は微量で包含されることもある。こうした酸性ではないモノマー類には、例えば、酸を含有するモノマー類の水溶性又は水分散性のエステル類、並びにカルボン酸又はスルホン酸基類を全く含有しないモノマー類を挙げることができる。従って、任意の酸性ではないモノマー類としては、次の種類の官能基を含有するモノマー類を挙げることができる:カルボン酸又はスルホン酸エステル類、ヒドロキシル基類、アミド基類、アミノ基類、ニトリル基類、第四級アンモニウム塩の基類、アリール基類(例えば、スチレンモノマーに由来するもののようなフェニル基)。これらの酸性ではないモノマー類は、周知の材料であり、例えば米国特許第4,076,663号及び同第4,062,817号により詳細に記載されている。
オレフィン性不飽和カルボン酸及びカルボン酸無水物のモノマー類には、アクリル酸自体で代表されるアクリル酸類、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、a−シアノアクリル酸(a-cyanoacrylic acid)、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、ケイ皮酸、p−クロロケイ皮酸、β−ステリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン及びマレイン酸無水物が挙げられる。
オレフィン性不飽和スルホン酸モノマー類には、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸及びスチレンスルホン酸などの脂肪族又は芳香族のビニルスルホン酸類;スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルスルホン酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアクリル及びメタクリルスルホン酸が挙げられる。
本発明に有用な好ましいSAPは、カルボキシル基類を含有する。これらポリマー類は、加水分解デンプン−アクリロニトリルのグラフトコポリマー類、部分的に中和された加水分解デンプン−アクリロニトリルのグラフトコポリマー類、デンプン−アクリル酸のグラフトコポリマー類、部分的に中和されたデンプン−アクリル酸のグラフトコポリマー類、鹸化された酢酸ビニル−アクリル酸エステルのコポリマー類、加水分解されたアクリロニトリル又はアクリルアミドのコポリマー類、前述のコポリマーのいずれかの僅かに網状架橋されたポリマー類、部分的に中和されたポリアクリル酸、及び部分的に中和されたポリアクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマー類、部分的に中和されたポリメタクリル酸、及び部分的に中和されたポリメタクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマー類を含む。これらのポリマー類は、単独で、又は2つ以上の異なるポリマー類の混合物の形状で使用されることができ、混合物として使用される時には、各々が部分的に中和されている必要はないが、結果として生じるコポリマーは部分的に中和されていなければならない。これらのポリマー材料の例は、米国特許第3,661,875号、同第4,076,663号、同第4,093,776号、同第4,666,983号、及び同第4,734,478号に開示されている。
本発明において有用なSAPは、好ましくは部分的に中和されたα,β−不飽和カルボン酸のホモポリマー、又は部分的に中和されたα,β−不飽和カルボン酸と共重合可能なモノマーと共重合されている部分的に中和されたα,β−不飽和カルボン酸のコポリマーを含む。
モノマー類を重合するための好適な方法は、水溶液重合であり、これは当該技術分野において周知である。モノマー類と重合反応開始剤とを含む水溶液は、重合反応に供される。前記水溶液は、例えば、α,β−不飽和カルボン酸モノマー類を含んでいてよく、あるいはα,β−不飽和カルボン酸モノマー類と、α,β−不飽和カルボン酸モノマー類と共重合可能な追加的なモノマー類とを含んでいてもよい。少なくとも、α,β−不飽和カルボン酸は、モノマー類の重合前、重合中又は重合後のいずれかにおいて部分的に中和される必要がある。α,β−不飽和カルボン酸が重合前に部分的に中和される場合、モノマー類(α,β−不飽和カルボン酸モノマー類及び可能性のあるコモノマー類を包含する)は、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、更になお好ましくは75%〜95%中和される。
水溶液中のモノマー類は、標準的な遊離ラジカル技法によって、一般には活性化(例えば、紫外線(UV))用の光開始剤を用いて重合される。あるいは、レドックス反応開始剤を使用してもよい。しかしながら、この場合、高い温度が必要である。
ポリマー鎖は、好ましくは、非水溶性にするために僅かに架橋される。所望の架橋構造は、選択された水溶性モノマーと、分子単位内に少なくとも2つの重合可能な二重結合を有する架橋剤との共重合によって得られてもよい。架橋剤は、水溶性ポリマーを架橋するのに効果的な量で存在する。架橋剤の好ましい量は、所望の吸収能力の程度及び吸収された流体を保持するのに所望される力、即ち、負荷下での所望の吸収性によって決まる。典型的には、架橋剤は、使用されるモノマー類(α,β−不飽和カルボン酸モノマー類及び可能性のあるコモノマー類を包含する)100重量部につき0.0005〜5重量部の範囲の量で使用される。100部につき5重量部を超える量の架橋剤を用いると、結果として生じるポリマーは、架橋密度が高過ぎて、低減された吸収能力を示し、吸収された流体を保持する力が増大する。100部につき0.0005重量部未満の量で架橋剤を用いると、ポリマーは、架橋密度が低過ぎて、吸収されるべき流体と接触した時に、かなり粘着性且つ水溶性になり、特に負荷下では低い吸収性能を呈する。架橋剤は、典型的には水溶液に可溶性である。
架橋剤をモノマー類と共重合することに換えて、重合後に別個のプロセス工程にてポリマー鎖を架橋することも可能である。
重合、架橋及び部分的な中和の後で、粘稠なSAPを脱水(即ち、乾燥)すると、乾燥したSAPが得られる。脱水工程は、粘稠なSAPを強制空気オーブン内にて約120℃の温度まで約1又は2時間加熱するか、又は粘稠なSAPを約60℃の温度で一晩中加熱することによって行うことができる。乾燥後の脱水されたSAP内の残留水の含有量は、主に乾燥時間及び乾燥温度に左右され、乾燥したSAPの0.5重量%〜乾燥したSAPの最大50重量%の範囲であり得る。好ましくは、乾燥後の脱水されたSAP内の残留水の含有量は、乾燥したSAPの0.5重量%〜45重量%、より好ましくは0.5重量%〜30重量%、更により好ましくは0.5重量%〜15重量%、及び最も好ましくは0.5重量%〜5重量%である。
SAPは多数の形状の粒子に変換され得る。「粒子」という用語は、顆粒、繊維、フレーク、球体、粉末、小板、並びにSAPの当業者に既知のその他の形状及び形態を指す。例えば、粒子は、顆粒又はビーズの形状であって、粒径は約10〜1000μm、好ましくは約100〜1000μmであり得る。別の実施形態において、SAPは繊維の形状であることができ、即ち細長い針状のSAP粒子であることができる。これら実施形態において、SAP繊維の小さい方の寸法(即ち、繊維の直径)は、約1mm未満、普通は約500μm未満、好ましくは250μm未満から50μmまでである。繊維の長さは、好ましくは約3mm〜約100mmである。繊維はまた、織ることのできる長いフィラメントの形態であることができる。
本発明は、ポリマー鎖セグメントを含むSAPであって、前記ポリマー鎖セグメントの少なくとも一部が、ポリマー鎖セグメント間に直接形成される共有結合を介して互いに架橋されている、SAPに関する。
本発明にかかる「直接的な共有結合」は、ポリマー鎖が、架橋分子に含まれる原子のような仲介原子を含まずに、共有結合を介してのみ、互いに結合している共有結合である。これに反して、ポリマー鎖間の既知の架橋反応は常に、これらポリマー鎖間に共有結合をもたらし、そのため、架橋分子の反応生成物がポリマー鎖間に組み込まれる。従って、既知の架橋反応は、直接的な共有結合をもたらさずに、架橋分子の反応生成物から構成される間接的な共有結合をもたらす。直接的な共有結合は、第1のポリマー鎖の主鎖中の炭素原子と、第2のポリマー鎖の主鎖中の炭素原子との間に形成される。前記結合は、SAPポリマー内の粒子内部に形成され、更に具体的にはSAP粒子の表面上に形成されるが、SAP粒子のコアにはそのような直接的な共有結合が実質的に含まれない。
かかるSAPの製造方法は、互いに架橋されていないポリマー鎖に適用され得る。従って、ポリマー鎖は複数のポリマー鎖として準備され、それらポリマー鎖は少なくとも部分的に枝分かれされていてもよい。
あるいは、前記方法は、分子単位内に少なくとも2つの重合可能な二重結合を含む当該技術分野において既知の架橋剤によって既に架橋されたポリマー鎖に適用することもできる。例えば、前記方法は、表面架橋のためなどに、SAP粒子に含まれるポリマー鎖に適用され得る。しかしながら、本発明にかかるポリマー鎖セグメント間の直接的な共有結合は、異なるSAP粒子を互いに結合することを意図しない。従って、本発明の方法は、SAP粒子に適用する場合、異なるSAP粒子間のいかなる明らかな粒子間の直接的な共有結合をも導くものではなく、SAP粒子内での粒子内の直接的な共有結合をもたらすものである。それ故に、かかる粒子間の直接的な共有結合が存在する場合、これらは架橋分子のような追加的な粒子間架橋物質を必要とする。
ポリマー鎖が既に架橋されており、そしてそれ故に網状形態で準備される適用において、「ポリマー鎖セグメント」という用語は、2つの隣り合って存在する架橋間のポリマー鎖の一部、又はポリマー鎖が枝分かれしている部位間のポリマー鎖の一部に言及する。
また一方で、ポリマー鎖が本発明の架橋プロセスに付される以前に全く予め架橋されていなかった場合、用語「ポリマー鎖セグメント」は、完全に個別のポリマー鎖に言及する。
本発明の好ましい実施形態において、ポリマー鎖セグメントはポリカルボン酸単位を含む。本発明によれば、「ポリカルボン酸単位」という用語は、互いに重合されたものであって、しかもより大きなポリマーの一部である、少なくとも2個のカルボン酸モノマー単位から成る単位に言及する。「カルボン酸モノマー単位」という用語は、重合反応後のカルボン酸モノマーの反応生成物に言及し、そのため、ポリマーに組み込まれるカルボン酸モノマーを意味するものとする。本発明の好ましい実施形態において、ポリカルボン酸単位は、ポリアクリル酸単位又はポリメタクリル酸単位から成る。ポリアクリル酸単位は、相互に重合された少なくとも2つのアクリル酸モノマー単位から成る。ポリメタクリル酸単位は、相互に重合された少なくとも2つのメタクリル酸モノマー単位から成る。あるいは、カルボン酸単位は、共重合されたアクリル酸モノマー単位とメタクリル酸モノマー単位とから構成されていてもよい。
本発明によれば、ポリカルボン酸単位は、少なくとも部分的に中和されている、即ち、カルボン酸単位の少なくとも一部が中和されている。
ポリカルボン酸単位に加えて、ポリマー鎖セグメントは更に、ポリスチレン単位などの別の単位を含んでいてもよい。本発明によれば、「ポリスチレン単位」という用語は、互いに重合されたものであって、しかもより大きなポリマーの一部である、少なくとも2つのスチレンモノマー単位から成る単位に言及する。用語「スチレンモノマー単位」は、重合反応後のスチレンモノマーの反応生成物に言及し、故に、前記ポリマー内に組み込まれたスチレンモノマーに言及する。
例えば、ポリカルボン酸単位を他のポリマー単位(例えば、ポリスチレン単位)と組み合わせて含むポリマー鎖セグメントは、「ブロックポリマー鎖セグメント」と呼ばれる。
本明細書で使用される最も好ましいポリマー類は、部分的に中和されたポリアクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマー類、部分的に中和されたポリメタクリル酸の僅かに網状架橋されたポリマー類、それらのコポリマー類及びそれらのデンプン誘導体である。最も好ましくは、SAPは、部分的に中和され、僅かに網状架橋されたポリアクリル酸(即ち、ポリ(アクリル酸ナトリウム/アクリル酸))を含む。好ましくは、SAPは、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、更になお好ましくは75%〜95%中和される。網状架橋は、ポリマーを実質的に非水溶性にし、部分的に、ヒドロゲルを形成する吸収性ポリマー類の吸収能力を決定する。これらのポリマーを網状架橋する方法及び典型的な網状架橋剤が、米国特許第4,076,663号に更に詳細に記載されている。
本発明の最も好ましい実施形態において、ポリマー鎖セグメントを共有結合によって互いに直接結合する方法は、常套の表面架橋の代わりに又はそれに加えて、表面架橋性SAP粒子に応用される。
本発明によれば、かかる直接的な共有結合は、2つの異なる方法によって導入することができる:1つの方法は、ラジカル形成剤分子類と一緒に電磁波照射を適用し、また第2の方法は、架橋を開始するために、ラジカル形成剤分子類のような更なるいずれかの化学物質をも必要とせずに電磁波照射のみを適用する。電磁波照射のみを使用して直接的な共有結合を生じさせる場合、かかる電磁波照射は、電磁波照射にラジカル形成剤分子類を合わせて使用する場合よりも更に強力でなければならない。このことは、言い換えると、SAP内の主鎖であるポリマー鎖の分解を導くことがある(鎖切断(chain sessioning))。従って、電磁波照射のみを使用する場合、SAP内部に新しい共有結合が生成されて、現存する共有結合が破壊される。そのため、電子ビーム線量(例えば、電子ビーム強度及び曝露時間に応じて)は、かかる割合が、照射時に、現存する結合を破壊することよりもより多くの結合を作成するのに利益となる方法で選択されなければならない。
a)ラジカル形成剤分子(以降、ラジカル形成剤という)の電磁波照射と合わせての使用:
1個の放射線活性化可能な基を含むラジカル形成剤は、電磁波照射による活性化時に、ポリマー鎖セグメントから水素ラジカルを引き抜くことができることが分かった。ポリマー鎖セグメント中に生じるこれら2つのラジカルを組み合わせて、ポリマー鎖セグメント間で直接的な共有結合を形成することができる。本発明によれば、放射線活性化可能な基のみを含むラジカル形成剤は1官能性である。
本発明の好ましい1官能性のラジカル形成剤としては、ジアルキルペルオキシジカルボネート類、ベンジルケタール類、ジtert−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス−(アロイルオキシ)ペルオキシド類(例えば、ビス−(4−メトキシ)ジベンゾイルペルオキシド、ビス−(4−メチル)ジベンゾイルペルオキシド若しくはビス−(4−クロロ)ジベンゾイルペルオキシド)、2,4,6−トリメチルジベンゾイルペルオキシド、3−ベンゾイル安息香酸、1,3−ジイベンゾイルプロパン(1,3-diibenzoyl propane)、トリフルオロメチルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、テレフタロフェノン、フルオレノン、キサントン、チオキサントン、アントラキノン、ベンジル、α−ケトクマリン類、カンファーキノン、α−アルコキシデオキシベンゾイン類、α,α−ジアルキルオキシデオキシベンゾイン類、α,α−ジアルコキシアセトフェノン類、α,α−ヒドロキシアルキルフェノン類、O−アシルα−オキシミノケトン類、ジベンゾイルジスルフィド、S−フェニルチオベンゾエート類、アシルホスフィンオキシド類、ベンゾイルホスフィンオキシド類、アリール−アリール−スルフィド類、ジベンゾイルメタン類、フェニルアゾ−ジフェニルスルホン、置換ジアルキル基ペルオキシジカルボネート類、置換ベンジルケタール類、置換ジtert−ブチルペルオキシド類、置換ジベンゾイルペルオキシド類、置換ビス−(アロイルオキシ)ペルオキシド類(例えば、置換ビス−(4−メトキシ)ジベンゾイルペルオキシド、置換ビス−(4−メチル)ジベンゾイルペルオキシド若しくは置換ビス−(4−クロロ)ジベンゾイルペルオキシド)、置換2,4,6−トリメチルジベンゾイルペルオキシド、置換3−ベンゾイル安息香酸、置換1,3−ジイベンゾイルプロパン(substituted 1,3-diibenzoyl propane)、置換トリフルオロメチルフェニルケトン、置換アセトフェノン類、置換ベンゾフェノン類、置換テレフタロフェノン類、置換フルオレノン類、置換キサントン類、置換チオキサントン類、置換アントラキノン類、置換ベンジル類、置換α−ケトクマリン類、置換カンファーキノン類、置換α−アルコキシデオキシベンゾイン類、置換α,α−ジアルキルオキシデオキシベンゾイン類、置換α,α−ジアルコキシアセトフェノン類、置換α,α−ヒドロキシアルキルフェノン類、置換O−アシルα−オキシミノケトン類、置換ジベンゾイルジスルフィド、置換S−フェニルチオベンゾエート類、置換アシルホスフィンオキシド類、置換ベンゾイルホスフィンオキシド類、置換アリール−アリール−スルフィド類、置換ジベンゾイルメタン類、置換フェニルアゾ−ジフェニルスルホンが挙げられる。
本発明の好ましい実施形態では、水溶性にさせるか若しくは水溶性を更に向上させるかのいずれかのためにかかる誘導体化が行われる。
以降には、1官能性のラジカル形成剤をポリマー鎖セグメントに適用する時に生じる可能性のある反応を、ラジカル形成剤としてのジベンゾイルペルオキシドに関して及びポリアクリル酸単位(PAA)を含むポリマー鎖セグメントに関して例証的に表す:
1)紫外線照射すると、ジベンゾイルペルオキシドは、式1aに従ってベンゾイル安息香酸ラジカル類を形成する。
Figure 2007530715
前記安息香酸ラジカルは、式1bに示すように、理論的に脱カルボキシル化してベンゼンラジカル類を形成することがある。
Figure 2007530715
この最初の反応後、以下の全反応2)〜9)が理論上生じ得る:
2)ベンゾイル安息香酸ラジカル類は、式2に示すように、再結合してジベンゾイルペルオキシドを再度形成することができる。
Figure 2007530715
3)式2の反応の代わりに、ベンゾイル安息香酸ラジカルは、式3に従って、ベンゼンラジカルと反応して対応するエステル(esther)を形成することができる。
Figure 2007530715
4)また、式4のように、2つのベンゼンラジカルが再結合してビフェニルを形成することも理論上可能である。
Figure 2007530715
5)更なる代替反応として、ベンゾイル安息香酸ラジカルは、式5に従って、PAAと反応して安息香酸及びPAAラジカルを形成することもできる。
Figure 2007530715
安息香酸を酸化反応に付して、ラジカル形成剤であるジベンゾイルペルオキシドを再生してもよい。
6)更に、ベンゼンラジカルが形成されるのであれば、それを式6に従ってPAAと反応させてベンゼンとPAAラジカルを形成することもできる。
Figure 2007530715
式5及び6によってPAAラジカルが形成された場合、PAAラジカルを含む以下の反応が主として生じる:
7)PAAラジカルは、次に、ベンゾイル安息香酸ラジカルと再び反応することができ、それによってベンゾイル安息香酸が式7に示すようにPAAポリマー鎖セグメントに結合する。
Figure 2007530715
8)あるいは、PAAラジカルは、式8に示すように、ベンゼンラジカルと反応してベンゼンラジカルをポリマー鎖に結合させることもできる。
Figure 2007530715
別の代替反応として、式9によれば、2つのPAAラジカルが再結合することもできる。
Figure 2007530715
式9による反応は、互いに直接的に共有結合するポリマー鎖セグメントをもたらす。
上記反応のどれが実際に生じたかを解明するために、反応試料を紫外線照射後にエーテルで抽出し、その抽出物をH−NMR及び19F−NMR(例えば、トリフルオロメチルフェニルケトンをラジカル形成剤として使用される場合)によって分析する。図1に、ジベンゾイルペルオキシド(BP)及び安息香酸(BA)の300MHzH−NMRスペクトルを示す。
ラジカル形成剤がジベンゾイルペルオキシドである上記実施例において、図2によると、エーテル抽出物のH−NMRスペクトルは安息香酸の存在を示している。安息香酸は式5による反応で形成されるのみである。更に、式5による反応は、ベンゾイル安息香酸ラジカルが式1aによって生成されるという条件でしか生じることができない。故に、前記エーテル抽出物によって、式1a及び5に示されるような反応が実際に生じることが分かった。従って、式5によるPAAラジカルは確かに形成されたに違いない。
意外にも、式3によるエステル(esther)は前記エーテル抽出物中で検出することができなかった。さらには、式4による反応の反応生成物としてのビフェニルも、式7又は式8の反応生成物も、前記エーテル抽出物中では見つからなかった。それ故に、ベンゼンラジカル類を伴う反応はいずれも生じなかった。結果として、式1bによるベンゼンラジカルは形成されない。
従って、エーテル抽出物に由来する図2のH−NMRスペクトルは、式1〜8に示す反応のうち、式1a、式5及び場合により式2(ラジカル形成剤の再結合)の反応のみが実際に生じることを示しているが、式9の反応もまた生じる:式5に示すように形成されるPAAラジカルは、式7に従ってベンゾイル安息香酸ラジカルと反応せず、また式8に従ってベンゼンラジカルとも反応しない。しかしながら、遊離ラジカルは安定ではなく、また他の反応相手も利用できなかったことから、PAAラジカルは、式9に示す反応に従って再結合したに違いない。従って、エーテル抽出物の分析からは、異なるポリマー鎖セグメント間の直接的な共有結合が確かに構築されたことが結論付けられる。
この直接的な結合は、ラジカル形成剤の反応生成物を含むことができない。何故なら、ラジカル形成剤は1つの放射線活性化可能な基しか含まず、それ故に、架橋は少なくとも2つの放射線活性化可能な基を必要とすることから紫外線照射時に架橋を形成することができないためである。結果として、ラジカル形成剤としてジベンゾイルペルオキシドを、ポリアクリル酸(PAA)を含むポリマー鎖セグメントに適用し、その後、紫外線によってジベンゾイルペルオキシドの反応を開始する場合、以下の反応が生じる:
Figure 2007530715
当該技術分野において既知の架橋剤は、異なるポリマー鎖セグメントを互いに共有的に架橋し得るために少なくとも2官能性でなければならなかった:例は、前述のような、二価若しくは多価アルコール、又はそれらの誘導体類などの熱活性化された表面架橋剤である。
これに反して、本発明のラジカル形成剤は1官能性である。本発明のラジカル形成剤は、電磁波照射に曝露するとラジカル類を形成することができる。電子ビーム並びに紫外線は、好適な電磁波照射を実現することができる。好ましくは、本発明によれば、選択されたラジカル形成剤(1又は複数)に応じて、220〜380nmの波長を有する紫外線が使用される。紫外線は、電子ビームと組み合わせて、また赤外線とも組み合わせて使用してもよい。紫外線照射と他の電磁波照射との組み合わせを使用する場合、紫外線の適用が他の電磁波照射(即ち、電子ビーム又は赤外線)と同時に行われるのか、又は一連の異なる照射工程にて照射が行われるのかは重要ではない。比較的高い活性化エネルギー量を必要とするラジカル形成剤の場合、電子ビームによる活性化が必要である場合もある。
紫外線照射は、好ましくは50W〜2kW、より好ましくは200W〜700W、更に好ましくは400W〜600Wの出力を有する紫外線ランプを用いて従来の方式で行うことができる。照射時間は、好ましくは0.1秒〜30分、より好ましくは0.1秒〜15分、更に好ましくは0.1秒〜5分、最も好ましくは0.1秒〜2分の間である。市販の高圧水銀紫外線ランプを使用することもできる。ランプの選択は、使用されるラジカル形成剤(1又は複数)の吸収スペクトルによって決まる。一般に、より高い出力を有するランプは、より迅速な架橋を可能とする。紫外線ランプ(1又は複数)と、架橋されるべきSAPとの距離は、好ましくは5cm〜15cmの間で変化する。
紫外線照射などの電磁波照射を行うと、ラジカル形成剤は遊離ラジカルを形成する。これによって形成される反応性の高い遊離ラジカルは、超吸収性ポリマーに含まれるポリマー鎖セグメントと反応することができる。ラジカル形成剤から形成される遊離ラジカルがポリマー鎖セグメントと反応すると、ポリマー鎖セグメントは「ポリマー鎖セグメントラジカル」を形成する。ポリマー鎖セグメント内での反応は、ポリマー鎖セグメントに含まれる脂肪族基(C−H基)上で生じるものと考えられる。あるいは、前記反応は、ポリマー鎖セグメントに含まれる、中和されていない前記カルボキシル基上で生じることもある。更なる代替案は、官能基が引き抜かれる可能性のある水素ラジカルを含む場合、ポリマー鎖セグメントに含まれる別の官能基上で反応が生じるというものである。かかる官能基類の例は、スルホン酸、カルボン酸又はスルホン酸エステル類、ヒドロキシル基類、アミド基類、アミノ基類、ニトリル基類、第四級アンモニウム塩の基類、アリール基類(例えば、スチレンモノマーに由来するもののようなフェニル基)である。2つのかかるポリマー鎖セグメントラジカルが互いに反応すると、ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合が形成される。
ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合をもたらす反応は、好ましくは、ポリマー主鎖に含まれる分子(複数)上で生じると考えられる。
本発明による好ましいラジカル形成剤は、少なくともMw=25g/mol、より好ましくは少なくともMw=60g/mol、更に好ましくは少なくともMw=120g/mol、更になお好ましくは少なくともMw=180g/mol、最も好ましくは少なくともMw=240g/molの分子量を有する。比較的高分子量のラジカル形成剤は、前記ラジカルの電荷(charge)がラジカル内部でより上手く分布され得るため、多くの場合、より安定なラジカルを形成しやすい。故に、前記ラジカルは、反応溶液中でポリマー鎖セグメントに到達する可能性がより高く、ポリマー鎖セグメントと反応して「ポリマー鎖セグメントラジカル」を形成することが可能である。前記ラジカルが非常に不安定であれば、例えば、式2に示すように反応してラジカル形成剤と再結合する可能性がより高い。
更に、本発明による好ましいラジカル形成剤は、アレーン類などの芳香族基類も含む。このことも、電荷(charge)が芳香族基全体に分布され得るため、より安定なラジカルを導く。
b)電子ビームのみの使用(架橋を開始するために追加的な化学物質を使用する必要がない)
電磁波照射すると、超吸収性ポリマーの主鎖であるポリマー鎖内にラジカル類が形成される。それによって形成されるこのような非常に反応性の高いラジカル類は、同一の超吸収性ポリマーのその他の鎖に含まれるポリマー鎖セグメントと反応することができる。電子ビームはポリマー鎖に遊離ラジカルを誘導し、それ故に「ポリマー鎖セグメントラジカル」が形成される2つのかかる「ポリマー鎖セグメントラジカル」が(上記式9に示す反応に従って)互いに反応すると、2つの(tow)ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合が導入される。
原子は、水素ラジカルと核内に配置される中性子並びに、もっと軽くて核の周りを回っているマイナスに帯電した電子から構成されることが十分に立証されている。それらは軽くて、核に緩く結合しているだけであるため、電子が原子から比較的容易に分離され、磁界及び電界を用いて加速されて、ビームエネルギーに収束され得る。この結果得られるビームは、その後、加速電子の「カーテン」を発生するために電磁石を使って走査され得る。標的に与えられ得るビームの強度及びエネルギー量は、電子が放出される陰極と電子を加速するプラスに帯電した陽極との間の電圧差によってのみならず、1秒当たりに一定の面積を通過するビーム中の電子数で定義される電流によっても決定される。例えば、テレビ内部の電子管は電子を20,000ボルトまで加速するが、近代の工業用加速器は電子エネルギーを10,000,000ボルトまで増強することができる。
本発明のこの実施形態では、電子ビーム照射を用いて高エネルギーの電子をSAPの主鎖ポリマー中の炭素−水素結合に又はその近くに衝突させ、前記分子に幾つかの結合を破壊するのに十分なエネルギーを与えて、相当する低分子量の分解生成物を放出させて、SAPに励起炭素原子(遊離ラジカル)を残す。このプロセスが2つの隣接するポリマー鎖セグメントで生じると、励起炭素原子は、前記ポリマー鎖セグメント間に化学結合(架橋という)を形成する励起エネルギーを放出することができる。SAPに吸収される電子ビームの照射量は、線量と呼ばれ、典型的には、キログレイ(1kGy=1000J/kg)又はメガラド(1MRad=1,000,000erg/g)に換算して表される。電子は空気との相互作用のためにそれらのエネルギーのうちいくらかを失い、これが多くの電子ビームが真空中で操作される理由である。
放射能性のコバルト又はセシウム源の使用を伴うガンマ線照射とは違って、電子ビーム技術は、標的物質がビームから外れると、標的物質中でいかなる照射を引き起こすことも、蓄積することもない。
電子ビーム加工を利用したSAPの表面架橋は、市販の加速器を用いて行うことができ、前記加速器には様々な材料操作システムが装備されており、また有効な処理量を可能とする。典型的な直流加速器は、電圧源、電子銃、加速器(電子)管、スキャンホーン及び制御システムから成る。この加速器は、直径約2.5センチメートルの電子ビームを発生させ、またそれをほぼ光速まで励起する。前記ビームはスキャンホーンを通過する。スキャンホーンは、磁石によって約200Hzでビームを前後に走査して、1〜2メートル幅の電子のカーテンを発生させる。標的物質は、コンベヤ、カート、リールツーリール式装置(reel-to-reel equipment)又は他の特殊な操作手段を用いてスキャンホーンの下に通される。世界的に観て、現代の工業的用途には約700〜800の電子ビーム加速器が存在する。加速器は、典型的にはそれらのエネルギーと出力の面から説明される。低エネルギー加速器は150keV〜2.0MeVまでの範囲である。中間エネルギー加速器は、2.5〜8.0MeVのエネルギーを有する。高エネルギー加速器は約9.0MeVを超えるビームエネルギーを有する。必要とされるビームエネルギーは、それを用いようとする用途に如実に左右される。SAPの架橋では、150keV〜5.0MeVまでのエネルギーを有する加速器が使用できる。加速器の出力は、電子エネルギーとビーム電流の産物である。利用可能なビーム出力は5〜約300kWの範囲である。例えば、5.0MeVの加速器は30mAで150kWの出力を有する。
加速器は、一般に、加速電子の発生方法に厳密に準じて分類され得る。主な5種類の加速器としては、静電直流型(DC)、電気力学的DC型、高周波(RF)線形加速器(LINACS)、磁気誘導型LINAC及び持続波型(CW)装置がある。
一般に、DC加速器は高い出力及び高い能率を特徴とするが、LINACシステムは典型的に非常にコンパクトで、より高いビームエネルギーを発生することができる。しかしながら、LINACシステム(they)はかなり低効率である。同様に、CW装置は極めてコンパクトであることができ、また高いビームエネルギーを達成することもできる。加速器の精密な性質に関わらず、全てのEBP設備において、標的物質は加速器のスキャンホーンの下にコンベヤ、カート、外走式備品又は他の特殊な処理手段を用いて通される。世界的に観て、現代の工業的用途には約700〜800の電子ビーム加速器が存在する。
加工の経済面に関し、電子ビーム加工は、典型的に、同様の網状効果をもたらすために従来の熱化学的プロセスよりも低いエネルギー消費が求められている。
本発明によれば、脱水されたSAP粒子は、表面架橋のプロセス工程を経てよい。「表面」という用語は、粒子の外側に面した境界のことを表す。多孔質SAP粒子の場合、曝された内部表面が表面に属することもある。「表面架橋されたSAP粒子」という用語は、互いに表面架橋された粒子の近くにそのポリマー鎖セグメントが存在するSAP粒子をいう。粒子表面近くに存在するポリマー鎖セグメントを表面架橋剤と呼ばれる化合物で表面架橋することは、当該技術分野では既知である。表面架橋剤は、粒子表面に適用される。表面架橋されたSAP粒子において、SAP粒子の表面付近の架橋レベルは、SAP粒子内部の架橋レベルよりも一般に高い。
一般に適用される表面架橋剤は、熱活性化された表面架橋剤である。用語「熱活性化された表面架橋剤」は、典型的には約150℃の高温に曝露される時にだけ反応する表面架橋剤に言及する。従来技術において既知の熱活性化された表面架橋剤は、例えば、SAPのポリマー鎖間に更なる架橋を構築することができる2官能性又は多官能性の剤である。他の熱活性化された表面架橋剤としては、例えば、二価若しくは多価アルコール類、又は二価若しくは多価アルコール類を形成することができるそれらの誘導体類が挙げられる。かかる剤の代表は、アルキレンカーボネート類、ケタール類、及びジ−又はポリグリシドリエーテル類(polyglycidlyethers)である。更に、(ポリ)グリシジルエーテル類、ハロエポキシ化合物類、ポリアルデヒド類、ポリオール類及びポリアミン類もまた周知の熱活性化された表面架橋剤である。架橋は、ポリマーが含む官能性基間の反応、例えば(ポリマーが含む)カルボキシル基と(表面架橋剤が含む)ヒドロキシル基とのエステル化反応に基づく。典型的には、ポリマー鎖セグメントのカルボキシル基の比較的大部分が重合工程前に中和されるので、一般には、当該技術分野において既知のこの表面架橋プロセスのためには、ほんの僅かなカルボキシル基しか利用できない。例えば、70%中和されたポリマーでは、共有表面架橋結合のために、10個のカルボキシル基のうちたった3個しか利用できない。
本発明によれば、表面架橋は表面架橋剤を含む必要はないが、その反応生成物は表面架橋後にSAP中に組み込まれる。これに反して、本発明によれば、ポリマー鎖セグメントを共有結合を介して互いに直接結合することによってポリマー鎖セグメントを表面架橋することが可能である。反応を開始するラジカル形成剤は、SAP粒子中に組み込まれた状態にはならない。任意に、ラジカル形成剤の最終反応生成物は表面架橋後に再生されることがあり、それ故に、再生後、表面架橋のために再度使用できる。SAP粒子の表面架橋のためにラジカル形成剤を使用する場合、カルボン酸類又はスチレン類などの追加的なモノマー類を必要としない。
本発明によりSAP粒子の表面上のポリマー鎖セグメント間に導入される直接的な共有結合は、粒子内に形成される。それらは粒子間結合を形成するものではない。
更に、SAP粒子の表面架橋のためにラジカル形成剤を使用する場合、ラジカル形成剤は、流動床噴霧室を利用してSAP粒子に噴霧されてよい。同時に、乾燥を遂行するために赤外線照射が適用されてもよく、また、同時に流動床での架橋を遂行するために紫外線が適用されてもよい。
しかしながら、ある場合には、乾燥及び架橋は、連続する2つの工程にて行われる場合もあり、いかなる順番でも行われ得る。赤外線の代わりに又は赤外線と組み合わせて、乾燥工程において、あらゆる従来の乾燥装置を使用することができる。しかしながら、本発明の特定の実施形態の中には、ほとんど又は全く乾燥を必要としないものもあり、例えば、ほんの少量の表面架橋剤が少量の溶液に溶解されて適用される場合である。
従来技術の表面架橋は、SAP粒子の表面に露出したポリマー鎖セグメントに含まれるカルボキシル基に限定されていた。有利なことに、本発明の架橋プロセスは、カルボキシル基に限定されず、SAPのポリマー鎖内の多くの他の官能基類及び脂肪族基類をも含む。故に、本発明によれば、SAP粒子の表面架橋プロセスのために利用できる反応部位の数は、非常に多くなる。そのため、当該技術分野から既知である表面架橋と比べて、はるかに均質、均一な表面架橋を達成することができる。更に、従来技術から既知であるSAPよりも高程度にSAPを表面架橋することができる。このことが、SAP粒子をより剛性にし、そのため、あらゆる任意の中和程度でゲルブロッキング作用をより効果的に抑制することができる。
SAP粒子の表面架橋は主に、SAP粒子の表面上で生じる。つまり、SAP粒子の表面付近に露出している大部分のポリマー鎖セグメントが架橋プロセスを受けて、SAP粒子の内側コアには実質的に影響を及ぼさずに、その表面で高程度に架橋されたSAP粒子をもたらす。従って、前記ポリマー鎖セグメント間に直接形成される共有結合は、主に、前記超吸収性粒子の表面に形成されるが、前記コアは前記共有結合を実質的に含まない。
表面架橋のための紫外線照射は、好ましくは、50W〜2kW、より好ましくは200W〜700W、更により好ましくは400W〜600Wの出力を有する紫外線ランプを使って従来の方式で行われることができる。照射時間は、好ましくは0.1秒〜30分、より好ましくは0.1秒〜15分、更に好ましくは0.1秒〜5分、最も好ましくは0.1秒〜2分の間である。市販の高圧水銀紫外線ランプを使用することができる。ランプの選択は、用いられるラジカル形成剤(1又は複数)の吸収スペクトルによって決まる。一般に、より高い出力のランプは、より迅速な架橋を可能とする。紫外線ランプ(1又は複数)と、架橋されるべきSAPとの距離は、好ましくは5cm〜15cmの間で変化する。
従来技術から既知である表面架橋と比較すると、本発明による表面架橋ははるかに迅速である。高温下で行われる従来技術の表面架橋反応は、通常、最大で45分かかる。この時間がかかるプロセス工程では、SAP粒子の製造方法は所望するよりも不経済になる。これに反して、本発明による架橋プロセスは非常に迅速に行うことができるので、特に、より高い効率と経済性を製造プロセス全体に付与する。
更に、表面架橋反応は迅速に進行するため、SAP粒子の表面上に適用された表面架橋分子がSAP粒子の内部に浸透する時間が少なくなる。結果として、表面架橋プロセスは、主にSAP粒子の表面に限定され、SAP粒子内部における望ましくない更なる架橋反応を回避する。
本発明の別の利点は、中和工程についてである。α,β−不飽和カルボン酸モノマー類は、重合工程の前に中和されることが多い(プレ中和)。モノマー類の酸性基を中和するのに有用な化合物は、典型的には、重合プロセスに有害な影響を及ぼさずに酸性基を十分に中和するものである。かかる化合物としては、アルカリ金属の水酸化物類、炭酸及び重炭酸のアルカリ金属塩類が挙げられる。好ましくは、モノマー類の中和に使用される材料は、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、又は炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウムである。中和化合物は、好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸モノマー類を含む水溶液に添加される(プレ中和)。結果として、α,β−不飽和カルボン酸モノマー類が含むカルボキシル基が少なくとも部分的に中和される。従って、(重合工程の後で)ポリマーのα,β−不飽和カルボン酸が含むカルボキシル基もまた少なくとも部分的に中和される。水酸化ナトリウムが使用される場合、中和によりアクリル酸ナトリウムが生じ、これが水中でマイナスに帯電したアクリル酸モノマーと、プラスに帯電したナトリウムイオンとに解離する。
水溶液を吸収した後、最終的なSAP粒子が膨潤状態にある場合、ナトリウムイオンはSAP粒子内を自由に移動することができる。おむつ又はトレーニングパンツなどの吸収性物品において、SAP粒子は典型的には尿を吸収する。蒸留水と比較して、尿は、少なくとも部分的に解離した形態で存在する比較的大量の塩を含む。尿に含まれる解離した塩は、液体をSAP粒子中に吸収し難くさせる。何故なら、前記液体は解離した塩のイオンに起因する浸透圧に逆らって吸収される必要があるためである。SAP粒子内で自由に移動することができるナトリウムイオンは、浸透圧を低下させるので、液体が前記粒子内に吸収されるのを非常に促進する。従って、高程度の中和は、SAP粒子の能力及び液体吸収速度を大いに高めることができる。
当該技術分野において既知の表面架橋剤は、ポリマーのカルボキシル基と反応する。故に、中和と表面架橋のいずれのプロセス工程もカルボキシル基を活用するので、中和の程度は、表面架橋に対する必要性と調和を保たなければならない。
本発明によれば、ラジカル形成剤を利用する表面架橋反応及びポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合を形成する表面架橋反応は、カルボキシル基に限定されず、更には脂肪族基類などのポリマー鎖セグメント内の他の基をも含む。そのため、後の表面架橋の可能性を著しく低下させることなく、より高い程度までモノマーを中和することができる。
本発明によれば、α,β−不飽和カルボン酸モノマー類が含むカルボキシル基は、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、更になお好ましくは75%〜95%中和される。故に、ポリマーのα,β−不飽和カルボン酸が含むカルボキシル基は、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも75%、更になお好ましくは75%〜95%中和される。
本発明の更なる利点は、表面架橋プロセス中の望ましくない副反応の低減である。従来技術から既知の表面架橋は、通常、約150°以上の高温を必要とする。これらの温度では、表面架橋反応が達成されるだけでなく、例えば、ポリマー内での無水物形成又はアクリル酸モノマー類によって先に形成された二量体の二量体開裂などの多数の他の反応も起こる。これらの副反応は、結果として能力が低下したSAP粒子を生じるので、非常に望ましくない。
本発明による表面架橋プロセスは、必ずしも高温を必要とするわけではなく、紫外線照射などの電磁波照射を用いて中程度の温度で行うこともできるため、そのような副反応は実質的に軽減される。本発明によれば、ラジカル形成剤及び電磁波照射を用いた表面架橋反応は、好ましくは100℃未満の温度、好ましくは80℃未満の温度、より好ましくは50℃未満の温度、更に好ましくは40℃未満の温度、最も好ましくは20℃〜40℃の温度で達成され得る。
従来技術から既知の表面架橋プロセスにて一般に適用される約150℃以上の高温では、SAP粒子の色は白色から黄味がかった色へと変化する場合がある。本発明の表面架橋プロセスによれば、中程度の温度下で表面架橋プロセスを行うことができるので、SAP粒子の色の劣化という問題は非常に低減される。
ラジカル形成剤を用いた本発明の(of to the present invention)実施形態において、1つのラジカル形成剤を選択することができるか、あるいは2以上の異なるラジカル形成剤を適用することができる。
更なる代替案として、1つ以上のラジカル形成剤を1つ以上の熱活性化された表面架橋剤(例えば、1,4−ブタンジオール)と一緒に適用することもできる。この実施形態において、SAP粒子はカルボキシル基を含む必要があり、これらカルボキシル基の少なくとも幾つかは、SAP粒子の外側表面上に少なくとも部分的に露出しており、また熱活性化された表面架橋剤は、前記超吸収性ポリマー粒子の表面上に少なくとも部分的に露出したカルボキシル基の少なくとも一部に共有結合される。
ラジカル形成剤を熱活性化された表面架橋剤と一緒に使用する場合、表面架橋プロセスには紫外線照射と高温(140℃を超える)の両方が必要である。
ラジカル形成剤は、好ましくは溶液で、より好ましくは水溶液で使用される。
表面架橋が均等に分布したSAP粒子を得るには、ラジカル形成剤が、紫外線照射の前又はその最中にSAP粒子上に均等に分配されなければならない。故に、ラジカル形成剤は、好ましくはSAP粒子上に噴霧することにより適用される。
しかしながら、好ましいとはいえ、本発明はSAP粒子の表面架橋に限定されない。SAP粒子が形成される前にポリマー鎖セグメントを直接共有的に十分架橋することも可能である。例えば、ラジカル形成剤は、ポリマー鎖を互いに架橋して網状組織を形成する前に、各モノマー類の重合反応から形成されたポリマー鎖に適用することができる。この実施形態では、ラジカル形成剤との架橋が、当該技術分野において既知の架橋プロセスと置き換えられてもよい。
あるいは、本発明の架橋は、既知の架橋プロセスに加えて、既知のプロセスの前か、それと同時に又はその後でのいずれかにおいて行うことができる。
これらの実施形態において、ラジカル形成剤は、粒子の形を成すSAPには適用されない。その結果として、ポリマーをSAP粒子に転換する場合、ポリマー鎖セグメント間の直接的な共有架橋は、専らSAP粒子の表面に限らず、ポリマー鎖セグメント間の直接的な共有結合がSAP粒子全体に存在し、場合により前記の直接的な共有結合はSAP粒子全体に均質に分布する。
あるいは、ポリマー鎖セグメント間の直接的な共有結合はSAP粒子全体に不均一に分布される:例えば、異なるポリマー鎖セグメントを含む異なるポリマー類を混合することも可能である。この場合、異なるポリマー鎖は異なる程度まで(当該技術分野において既知のプロセスによって直接的又は間接的に)架橋されてよく、あるいはSAP粒子の特定領域内のポリマー鎖が全く架橋されていなくてもよい。
異なるポリマー鎖セグメントを含むSAP粒子を形成するために種々のポリマー類を混合することもできる。この場合、種々のポリマー類は、異なるホモポリマー類、コポリマー類及び/又はブロックポリマー類の混合物を含んでいてよい。
また一方で、SAP粒子全体に直接的な共有結合を含むかかるSAP粒子全てが表面架橋を受けてもよい。この場合、表面架橋は、SAP粒子を本発明のラジカル形成剤にさらすことによって、SAP粒子を当該技術分野において既知の表面架橋プロセスに付することによって、又はこれら両者を組み合わせることによって達成され得る。
吸収性物品
本発明のSAP粒子は、好ましくは、吸収性物品の吸収性コアに適用される。本明細書で使用する時、吸収性物品とは、液体を吸収して収容するデバイスを指し、より具体的には、着用者の身体に接触させたり隣接させたりして、身体から排泄される様々な排出物を吸収して収容する物品を指す。吸収性物品としては、おむつ、成人用失禁ブリーフ、おむつホルダー及びおむつライナー、生理用ナプキン等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の好ましい吸収性物品はおむつである。本明細書で使用する時、「おむつ」とは、一般に乳幼児及び失禁者により胴体下部の周囲で着用される吸収性物品を指す。
本発明において特に好適な吸収性物品は、典型的に、液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート、及び一般には前記トップシートと前記バックシートの間に配置される吸収性コアを包含する外側カバーを含む。吸収性コアは、概ね圧縮性で、体型に合いやすく、着用者の皮膚に対して非刺激性で、尿及び他の特定の身体滲出物のような液体を吸収して保持できる、いずれの吸収性材料も含んでよい。本発明のSAP粒子に加えて、吸収性コアは、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプのように、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品に通例使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。
吸収性組み立て品として使用される代表的な吸収性構造体は以下の公報に記載されている:米国特許第5,137,537号、発明の名称「特有のポリカルボン酸架橋木材パルプ系セルロース繊維を含有する吸収性構造体(Absorbent Structure Containing Individualized, Polycarboxylic Acid Crosslinked Wood Pulp Cellulose Fibers)」、ヘロン(Herron)ら、1992年8月11日発行;米国特許第5,147,345号、発明の名称「失禁問題に対処するための高効率吸収性物品(High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Management)」、ヤング(Young)ら、1992年9月15日発行;米国特許第5,342,338号、発明の名称「低粘性糞便物質のための使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article For Low-Viscosity Fecal Material)」、ロー(Roe)、1994年8月30日発行;米国特許第5,260,345号、発明の名称「水性体液用の吸収性発泡材料及びかかる材料を具備した吸収性物品(Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids and Absorbent Articles Containing Such Materials)」、デスマレー(DesMarais)ら、1993年11月9日発行;米国特許第5,387,207号、発明の名称「水性体液用の濡れるまで薄い(Thin-Until-Wet)吸収性発泡材料及びその製造方法(Thin-Until-Wet Absorbent Foam Materials For Aqueous Body Fluids And Process For Making Same)」、ダイヤ(Dyer)ら、1995年2月7日発行;米国特許第5,397,316号、発明の名称「発泡性吸収性材料から形成される、水性体液用のスリット付き吸収性部材(Slitted Absorbent Members For Aqueous Body Fluids Formed Of Expandable Absorbent Materials)」、ラボン(LaVon)ら、1995年3月14日発行;及び米国特許第5,625,222号、発明の名称「高インジウム(In)から成る、水性流体用の吸収性発泡材料(Absorbent Foam Materials For Aqueous Fluids Made From high In)」、ら(al.)、1997年7月22日。
更に、本発明のSAP粒子は吸収性材料として適用されることができる。本発明のSAP粒子は、吸収性コア全体の好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは吸収性コア全体の重量の少なくとも60重量%、更により好ましくは少なくとも75重量%、更になお好ましくは少なくとも90重量%の量で存在する。
方法
エーテル抽出:
光分解させた後、反応生成物をエーテル抽出に付す。光分解させた後、市販の乾燥(≦0.005%水)ジエチルエーテル10mLを反応生成物に添加し、これら試料を10分間磁気攪拌し、その後、室温で5分間遠心分離する。エーテル相を、更なる分析(例えば、NMR分析)のためにエッペンドルフ型(Eppendorf)ピペットで取り出す。
NMR分光法:
核磁気共鳴分光法、NMRでは、重水素化トリクロロメタン(CDCl)又は重水素化メチレンクロリド(CDCl)をエーテル抽出物のための溶媒として用いる。例えば、PC/NTペンティアム(Pentium)III 750MHzコンピュータを用いて制御される7.05Tオックスフォード(Oxford)超伝導磁石(ボア径54mm)及びグラジエント・シミングを装備したブラッカー・アバンス(Bruker Avance)300MHz NMR分光計を用いることができる。例えば、zグラジエント、温度可変機能(−150℃〜+200℃)及びホウ素を含まないガラス挿入管を有するH、13C、19F、及び31Pを観測できる5mmの四核プローブを使用することができる。H、13C、19Fスペクトルそれぞれが、当業者に周知の標準的な高分解能(溶液)NMR技術で得られる。
光分解:
PAA 200mgを、乾燥状態又は1.5mLの水に溶解/懸濁した状態のいずれかの各ラジカル形成剤20mgと混合する。光分解は、紫外線源として450W中圧水銀ランプを用い、300nm未満の波長の光を削除するためにパイレックス(pyrex)フィルターを使用して10分間又は60分間のいずれかで行われる。かかるランプは主に波長365nmの光を発生する。試料は全て、10−5torrまで排気するか又は凍結−排気−解凍を3サイクル行うことによって光分解前に脱気する。
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文書は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文書の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
本発明の特定の実施形態について例示し説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
ジベンゾイルペルオキシド(BP)及び安息香酸(BA)の300MHz 1H−NMRスペクトルを示す。 光分解前、光分解1分後、及び光分解10分後のエーテル抽出物のH−NMRスペクトルを示す。

Claims (18)

  1. ポリマー鎖セグメントを含む超吸収性ポリマーであって、前記ポリマー鎖セグメントの少なくとも一部が共有結合を介して互いに架橋されており、前記共有結合が前記ポリマー鎖セグメント間に直接形成されていることを特徴とする、超吸収性ポリマー。
  2. 前記ポリマー鎖セグメントがポリカルボン酸単位を含み、前記共有結合が前記ポリマー鎖セグメントの前記ポリカルボン酸単位間に直接形成されている、請求項1に記載の超吸収性ポリマー。
  3. 前記ポリカルボンアクリル酸単位が、ポリアクリル酸単位、ポリメタクリル酸単位、又はこれらの両方を含む、請求項2に記載の超吸収性ポリマー。
  4. 前記ポリカルボン酸単位が少なくとも部分的に中和されている、請求項2又は3に記載の超吸収性ポリマー。
  5. 前記ポリマー鎖セグメントがブロックコポリマーセグメントである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の超吸収性ポリマー。
  6. 前記超吸収性ポリマーが超吸収性ポリマー粒子に形成され、前記の直接的な共有結合が単独に粒子内部に形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の超吸収性ポリマー。
  7. 前記共有結合が、放射線活性化可能なラジカル形成剤を用いることなく、電磁波照射によって生じる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の超吸収性ポリマー。
  8. 前記吸収性ポリマーが表面とコアを含む超吸収性ポリマー粒子に形成され、前記ポリマー鎖セグメント間に直接形成される前記共有結合は前記超吸収性粒子の前記表面上に形成され、前記コアは前記共有結合を実質的に含まない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の超吸収性ポリマー。
  9. 超吸収性ポリマーの架橋方法であって、前記方法が、
    a)ポリマー鎖セグメントを含む超吸収性ポリマーを準備する工程と、
    b)1官能性の放射線活性化可能なラジカル形成剤を準備する工程と、
    c)前記超吸収性ポリマー及び前記1官能性の放射線活性化可能なラジカル形成剤を電磁波照射に曝露し、それによって前記ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合を形成する工程と、
    を含む、方法。
  10. 前記放射線活性化可能なラジカル形成剤が、少なくともMw=25g/mol、より好ましくは少なくともMw=60g/molの分子量を有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記放射線活性化可能なラジカル形成剤が、少なくとも1個の芳香族基を含む、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記ラジカル形成剤が、ジアルキルペルオキシジカルボネート類、ベンジルケタール類、ジtert−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス−(アロイルオキシル)ペルオキシド類(例えば、ビス−(4−メトキシ)ジベンゾイルペルオキシド、若しくはビス−(4−メチル)ジベンゾイルペルオキシド若しくはビス−(4−クロロ)ジベンゾイルペルオキシド)、2,4,6−トリメチルジベンゾイルペルオキシド、3−ベンゾイル安息香酸、1,3−ジイベンゾイルプロパン(1,3-diibenzoyl propane)、トリフルオロメチルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、テレフタロフェノン、フルオレノン、キサントン、チオキサントン、アントラキノン、ベンジル、α−ケトクマリン類、カンファーキノン、α−アルコキシデオキシベンゾイン類、α,α−ジアルキルオキシデオキシベンゾイン類、α,α−ジアルコキシアセトフェノン類、α,α−ヒドロキシアルキルフェノン類、O−アシルα−オキシミノケトン類、ジベンゾイルジスルフィド、S−フェニルチオベンゾエート類、アシルホスフィンオキシド類、ベンゾイルホスフィンオキシド類、アリール−アリール−スルフィド類、ジベンゾイルメタン類、フェニルアゾ−ジフェニルスルホン、置換ジアルキルペルオキシジカルボネート類、置換ベンジルケタール類、置換ジtert−ブチルペルオキシド類、置換ジベンゾイルペルオキシド類、置換ビス−(アロイルオキシ)ペルオキシド類(例えば、置換ビス−(4−メトキシ)ジベンゾイルペルオキシド、置換ビス−(4−メチル)ジベンゾイルペルオキシド若しくは置換ビス−(4−クロロ)ジベンゾイルペルオキシド)、置換2,4,6−トリメチルジベンゾイルペルオキシド、置換3−ベンゾイル安息香酸、置換1,3−ジイベンゾイルプロパン(substituted 1,3-diibenzoyl propane)、置換トリフルオロメチルフェニルケトン、置換アセトフェノン類、置換ベンゾフェノン類、置換テレフタロフェノン類、置換フルオレノン類、置換キサントン類、置換チオキサントン類、置換アントラキノン類、置換ベンジル類、置換α−ケトクマリン類、置換カンファーキノン類、置換α−アルコキシデオキシベンゾイン類、置換α,α−ジアルキルオキシデオキシベンゾイン類、置換α,α−ジアルコキシアセトフェノン類、置換α,α−ヒドロキシアルキルフェノン類、置換O−アシルα−オキシミノケトン類、置換ジベンゾイルジスルフィド、置換S−フェニルチオベンゾエート類、置換アシルホスフィンオキシド類、置換ベンゾイルホスフィンオキシド類、置換アリール−アリール−スルフィド類、置換ジベンゾイルメタン類、置換フェニルアゾ−ジフェニルスルホンから成る群より選択され、及び誘導体化が水溶性にさせるか若しくは水溶性を向上させるかのいずれかのために行われる、請求項11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記方法が80℃未満の温度で行われる、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記電磁波照射が紫外線照射であり、並びに前記ポリマー及び前記放射線活性化可能なラジカル形成剤が電磁波照射に0.1秒〜30分の間、曝露される、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記方法が、追加的な工程:
    d)請求項9の工程c)の後で前記ラジカル形成剤を再生させる工程を含む、請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 超吸収性ポリマーの製造方法であって、前記方法が、
    a)ポリマー鎖セグメントを含む超吸収性ポリマーを準備する工程と、
    b)前記超吸収性ポリマーを電磁波照射、好ましくは電子ビーム、に曝露し、それによって前記ポリマー鎖セグメント間に直接的な共有結合を形成する工程と、
    を含む、方法。
  17. 実質的に液体透過性のトップシートと、実質的に液体不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間の吸収性コアとを具備する吸収性物品であって、前記吸収性物品が請求項1〜8のいずれか一項に記載の超吸収性ポリマーを含む、吸収性物品。
  18. 超吸収性ポリマーを含む吸収性物品であって、前記超吸収性ポリマーが請求項9〜16のいずれか一項に記載の方法に従って製造されてなる、吸収性物品。
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