JP2007528370A - 分枝高分子糖およびそのヌクレオチド - Google Patents

分枝高分子糖およびそのヌクレオチド Download PDF

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Abstract

本発明は、その構造内に1種または複数の高分子修飾部分を含む、糖、ヌクレオチド糖、活性化された糖を提供する。本発明を、水溶性ポリマーであるポリ(エチレングリコール)などの線状および分枝ポリマーを参照することで例示する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2004年1月26日に出願の米国仮特許出願第60/539,387号;2004年3月22日に出願の米国仮特許出願第60/555,504号;2004年7月23日に出願の米国仮特許出願第60/590,573号;2004年3月22日に出願の米国仮特許出願第60/555,504号;2004年11月24日に出願の米国特許出願第10/997,405号;2004年2月12日に出願の米国仮特許出願第60/544,411号;2004年2月20日に出願の米国仮特許出願第60/546,631号;2004年5月12日の米国仮特許出願;2005年1月10日に出願の米国特許出願((未付与)、代理人整理番号40853−01−5138US);2004年12月3日に出願のPCT出願番号((未付与)、代理人整理番号40853−01−5146WO);2004年7月23日に出願の米国仮特許出願第60/590,649号;2004年9月20日に出願の米国仮特許出願第60/611,790号;2004年7月29日に出願の米国仮特許出願第60/592,744号;2004年9月29日に出願の米国仮特許出願第60/614,518号;2004年10月29日に出願の米国仮特許出願第60/623,387号;2004年11月9日に出願の米国仮特許出願第60/626,678号;および2005年1月6日に出願の米国仮特許出願番号((未付与)、代理人整理番号040853−01−5150)(これらの開示をそれぞれ、あらゆる目的のために、その内容全体を参照により本明細書に援用する)に基づく優先権を主張する。
発明の背景
発明の分野
本発明は、改変された糖およびそのヌクレオチドの分野に関する。
背景
ペプチドの発現後in vitro修飾は、発現システムを操作することによって、グリコシル化を制御することに依存する方法(グリカン構造の改変と新規の部位でのグリカンの導入の両方を含めて)の欠陥を改善するための魅力的な戦略である。カスタムメイドでデザインされたグリコシル化パターンおよび可能なグリコシル構造をもつ哺乳類の糖コンジュゲートのin vitroの酵素的合成を行う、組換え型真核生物のグリコシルトランスフェラーゼという広範なツールボックスが、利用可能になっている。例えば、米国特許第5,876,980号明細書;同第6,030,815号明細書;同第5,728,554号明細書;同第5,922,577号明細書;および国際公開第/9831826号パンフレット;米国特許出願公開第2003180835号明細書;および国際公開第 03/031464号パンフレットを参照のこと。
酵素ベースの合成は、位置選択性および立体選択性という利点を有する。さらに、酵素的合成は、保護されていない基質を使用して実施される。3つの主要なクラスの酵素が、炭水化物、グリコシルトランスフェラーゼ(例えばシアリルトランスフェラーゼ、オリゴサッカリルトランスフェラーゼ、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ)、およびグリコシダーゼの合成に使用される。グリコシダーゼは、さらに、エキソグリコシダーゼ(例えばβ−マンノシダーゼ、β−グルコシダーゼ)とエンドグリコシダーゼ(例えばEndo−A、Endo−M)と分類される。これらのクラスの酵素はそれぞれ、炭水化物を合成的に調製するために、首尾よく使用されている。一般的な総説のために、クロウト(Crout)ら、「Curr.Opin.Chem.Biol.」2:98〜111(1998年)を参照のこと。
グリコシルトランスフェラーゼは、グリコペプチド上のオリゴ糖構造を改変する。グリコシルトランスフェラーゼは、優れた立体化学的かつ位置化学的(regiochemical)制御を伴って特定の生成物を産生するために有効である。グリコシルトランスフェラーゼは、特に哺乳類細胞において産生されるグリコペプチド上の、オリゴ糖を調製するために、また、N−およびO−結合型炭水化物構造を改変するために使用されている。例えば、グリコペプチドの末端オリゴ糖を、より一貫した糖構造を提供するために、完全にシアル酸付加および/またはフコシル化させ、それによって、グリコペプチドの薬物動態および様々な他の生物学的特性を向上させる。例えば、β−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼは、ラクトサミンを合成するために使用された(炭水化物の合成におけるグリコシルトランスフェラーゼの有用性の具体例)(例えばウォン(Wong)ら、「J.Org.Chem.47:5416−5418」(1982年))を参照のこと)。さらに、数多くの合成の手順では、シチジン−5’−モノホスホ−N−アセチルノイラミン酸からガラクトースの3−OHまたは6−OHにシアル酸を転移するためにα−シアリルトランスフェラーゼが使用されている(例えば、ケビン(Kevin)ら、「Chem.Eur.J.」2:1359〜1362(1996年)を参照のこと)。フコシルトランスフェラーゼは、グアノシン−5’−ジホスホフコースから糖類アクセプターの特定のヒドロキシルにフコース単位を転移するための合成経路に使用される。例えば、イチカワ(Ichikawa)は、クローン化されたフコシルトランスフェラーゼを用いる、シアル酸付加されたラクトサミンのフコシル化を含む方法によって、シアリル・ルイス−X(Lewis−X)を調製した(イチカワ(Ichikawa)ら、「J.Am.Chem.Soc.」114:9283〜9298(1992年))。治療的使用のための糖コンジュゲート合成の最近の進歩に関する議論については、コーラー(Koeller)ら、「Nature Biotechnology」18:835〜841(2000年)を参照のこと。また、米国特許第5,876,980号明細書;同第6,030,815号明細書;同第5,728,554号明細書;同第5,922,577号明細書;および国際公開第/9831826号パンフレットも参照のこと。
ポリペプチド上のグリコシル基の構造を操作することに加えて、1つまたは複数の糖類でない修飾基(水溶性ポリマーなど)を用いて改変されたグリコペプチドを調製することに対する関心が生じている。ポリ(エチレングリコール)(「PEG」)は、ポリペプチドに結合されてきた典型的なポリマーである。ペプチド治療薬を誘導体化するためのPEGの使用は、ペプチドの免疫原性を低下させることが実証されている。例えば、米国特許第4,179,337号明細書(デイビス(Davis)ら)は、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコールに結びつけられる酵素およびペプチドホルモンなどの、非免疫原性ポリペプチドを開示している。ポリペプチド1モルあたり、10から100モルのポリマーが使用される。コンジュゲートのin vivoでのクリアランス時間は、ポリペプチドのそれと比較して長いが、生理的活性は、わずか約15%しか維持されない。したがって、長い循環半減期は、ペプチド効力の劇的な低下によって相殺されてしまう。
ペプチド活性の喪失は、水溶性ポリマーを結合するために利用される化学作用の選択的でない性質に、直接的に起因する。PEGおよびその誘導体のペプチドへの付着の主要な様式は、ペプチドアミノ酸残基による非特異的結合である。例えば、米国特許第4,088,538号明細書は、PEGに共有結合された酵素の、酵素的に活性なポリマー−酵素コンジュゲートを開示している。同様に、米国特許第4,496,689号明細書は、α−1プロテイナーゼ阻害剤の、PEGなどのポリマーとの共有結合的に付着された複合体を開示している。アブコフスキー(Abuchowski)ら(「J.Biol.Chem.」252:3578(1977年)は、ウシ血清アルブミンのアミン基へのMPEGの共有結合を開示している。米国特許第4,414,147号明細書は、インターフェロンの疎水性を、ポリ(エチレンコハク無水物)などのジカルボン酸の無水物に、それを結合することによって、より小さくする方法を開示している。PCT国際公開第87/00056号パンフレットは、インターフェロン−β、インターロイキン2、およびイムノトキシンのようなタンパク質へのPEGおよびポリ(オキシエチル化)ポリオールの結合を開示している。EP 154,316号明細書は、リンホカインの少なくとも1つの第1級アミノ基に直接的に結合されるPEGを含有するIL−2など、化学修飾を施したリンホカインを開示および主張している。米国特許第4,055,635号明細書は、多糖類などの高分子物質に共有結合的に連結されるタンパク質分解酵素の水溶性複合体の薬剤組成物を開示している。
ペプチドにPEGを付着するための別の様式は、グリコペプチド上のグリコシル残基の非特異的酸化を介する。ペプチドにPEG部分を付着するための場所として、酸化された糖が利用される。例えば、ムティムクル(M’Timkulu)(国際公開第94/05332号パンフレット)は、糖タンパク質にPEGを加えるためのアミノPEGの使用を開示している。グリコシル部分は、相当するアルデヒドにランダムに酸化され、これは、その後アミノ−PEGに結びつけられる。
上記の各々の方法では、ポリ(エチレングリコール)は、ペプチド主鎖上の反応性の残基に、ランダムな、非特異的方式で加えられる。治療的ペプチドの産生のためには、特異的に標識された、容易に特徴づけられる、本質的に均一な生成物を形成させる誘導体化戦略を利用することが明らかに望ましい。特異的に標識されたペプチドを調製するのに有望な経路は、ペプチド上に改変された糖部分を追加するためのグリコシルトランスフェラーゼなどの酵素の使用を介するものである。この改変された糖部分は、グリコシルトランスフェラーゼのための基質として機能しなければならず、また、適切に活性化されなければならない。したがって、活性化された改変された糖を容易に入手できる合成経路が所望される。本発明は、こうした経路を提供する。
発明の概要
本発明は、高分子種、ならびにこれらの高分子種に結合された糖および活性化された糖、ならびにこれらのポリマーを含むヌクレオチド糖を提供する。高分子種には、水溶性および非水溶性の種が含まれる。さらに、これらのポリマーは、分枝−または直鎖状のポリマーである。典型的な糖部分には、直鎖および環状構造およびアルドースおよびケトースが含まれる。
高分子修飾基は、糖部分のいずれの位置にも結合される可能性がある。以下の議論では、本発明は、高分子修飾基が、フラノースのC−5またはピラノースのC−6に結合される実施形態を参照することで例示される。当分野の技術者であれば、議論の焦点が、具体例を明確にするためのものであり、高分子部分は、本明細書で述べる方法および当分野で認識された方法を使用して、ピラノースおよびフラノースの他の位置にも結合できることを理解するであろう。
典型的な実施形態では、本発明は、ポリマーにコンジュゲートする糖または糖ヌクレオチドを提供する:
Figure 2007528370
式IおよびIIでは、Rは、H、CHOR、COORまたはORであり、ここで、Rは、H、置換または非置換アルキル、あるいは置換または非置換ヘテロアルキルを表す。Rは、H、OH、またはヌクレオチドを含む部分である。この実施形態による典型的なR種は、次式を有する:
Figure 2007528370

式中、Rは、ヌクレオシドである。
記号R、R、R、R、およびR6’は、独立してH、置換または非置換アルキル、OR、NHC(O)R10を表す。指数dは、0または1である。RおよびR10は、H、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、あるいはシアル酸からそれぞれ独立に選択される。R、R、R、RまたはR6’のうちの少なくとも1つは、高分子修飾部分(例えばPEG)を含む。典型的な実施形態では、RおよびR6’は、それらが結合される炭素と共に、シアル酸の側面の鎖の成分である。さらなる典型的な実施形態では、この側鎖は、高分子修飾部分を用いて官能性をもたせられる。
典型的な実施形態では、高分子部分は以下に示される通り、リンカー(L)を介して、通常、中心のヘテロ原子を介して糖中心に結合される:
Figure 2007528370

11は高分子部分であり、Lは結合および連結基から選択される。指数wは、1〜6、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2から選択される整数を表す。典型的な連結基には、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル部分、およびシアル酸が含まれる。リンカーの典型的な成分は、アシル部分である。
Lが結合である場合、これは、R11の前駆体に対して反応性を有する官能基と、Lの前駆体に対する相補的な反応性をもつ反応性官能基との間に形成される。Lは、R11との反応の前に、糖類中心上の適切な場所に存在できる。あるいは、R11およびLを、糖類中心にその後付着される予め形成されたカセットに組み込むことができる。本明細書で述べる通り、適切な反応性の官能基をもつ前駆体の選択および調製は、当分野の技術者の能力内である。さらに、前駆体を結びつけることは、当分野で十分に理解されている化学作用によって進行する。
典型的な実施形態では、Lは、改変された糖を提供するアミノ酸または低分子ペプチド(例えば、1〜4個のアミノ酸残基)から形成される連結基である。ただし、高分子修飾部分は、置換されたアルキルリンカーを介して付着される。典型的なリンカーは、グリシンである。
典型的な実施形態では、Rには、高分子修飾部分が含まれる。別の典型的な実施形態では、Rには、高分子修飾部分、および分子の残部に修飾部分を連結するリンカー(L)が含まれる。
典型的な実施形態では、高分子修飾部分は、中心部分に付着された2つ以上の高分子鎖を含む分枝構造である。本発明のこの実施形態による有用な高分子修飾部分前駆体の典型的な構造は、次式を有する:
Figure 2007528370

この式に従う糖およびヌクレオチド糖は、本質的に純粋な水溶性ポリマーである。X3’はイオン化可能(例えばCOOH、など)または他の反応性の官能基を含む部分である(例えば、以下を参照のこと)。Cは、炭素である。Xは、好ましくは非反応性の基(例えばH、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル)である。R12およびR13は、それぞれ独立に選択された高分子アーム(例えば非ペプチド性の、非反応性高分子アーム)である。XおよびXは、生理的条件下で好ましくは本質的に非反応性である連結フラグメントであり、これらは、同一であっても異なってもよい。あるいは、これらの連結は、生理的に関連する条件下で分解するように設計されている1つまたは複数の部分、例えば、エステル、ジスルフィド、などを含むことができる。XおよびXは、高分子アームRl2およびR13をCに連結する。X3’は、リンカー、糖、またはリンカー−糖カセットに対する相補的な反応性をもつ反応性官能基と反応させると、連結フラグメントXの成分に転換される。
適切な糖または糖リンカー種との前駆体の反応によって、本発明は、次式を有する糖およびヌクレオチド糖を提供する:
Figure 2007528370

式中、様々な記号により表されるラジカルの同一性は、先に述べたのと同じである。Lは、置換または非置換アルキル、あるいは置換または非置換ヘテロアルキル部分である。典型的な実施形態では、Lは、示された通りの高分子修飾部分を用いて官能性をもたせられるシアル酸の側鎖の部分である。
高分子修飾部分は、2つまたはそれ以上の繰返し単位(水溶性であってもよいし、水に本質的に溶解しなくてもよい)を含む。本発明の化合物に使用される典型的な水溶性ポリマーには、PEG(例えばm−PEG)、PPG(例えばm−PPG)、ポリシアル酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリリシン、ポリエチレンイミン、生分解性ポリマー(例えばポリ乳酸、ポリグリセリド)、および官能性をもたせられたPEG(例えば末端が官能化されたPEG)が含まれる。
本発明の高分子コンジュゲートの糖部分は、天然および非天然のフラノースおよびヘキサノース(hexanose)から選択される。非天然の糖類には、任意選択的に、アルキル化またはアシル化されたヒドロキシルおよび/またはアミン部分(例えば、エーテル、エステル、および環上のアミド置換基)が含まれる。他の非天然の糖類には、H、ヒドロキシル、エーテル、エステル、または、こうした置換基が、天然の糖類中に存在しないような環上の位置のアミド置換基が含まれる。あるいは、炭水化物は、その名前が由来する炭水化物中に見られるであろう置換基、例えば、デオキシ糖を失っている。さらなる典型的な非天然の糖には、酸化された(例えば、〜オン(−onic)および〜ウロン(−uronic)酸)および還元された(糖アルコール)炭水化物が含まれる。糖部分は、モノ(単糖)、オリゴ(オリゴ糖)、または多糖類であり得る。
本発明に使用される典型的な天然の糖には、グルコース、グルコサミン、ガラクトース、ガラクトサミン、フコース、マンノース、マンノサミン、キシラノース(xylanose)、リボース、N−アセチルグルコース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、およびシアル酸が含まれる。
典型的なシアル酸ベースのコンジュゲートは、次式を有する:
Figure 2007528370

式中、AAはカルボキシル部分を含まないアミノ酸残基の部分であり、NPは、ヌクレオチドリン酸である。ONPは、活性化された糖を形成するために、活性化部分によって置き換えることもできる。当分野の技術者であれば理解できる通り、高分子修飾部分−リンカーを、C−6、C−7および/またはC−9でシアル酸側鎖に付着させることもできる。
また、酵素(例えばグリコシルトランスフェラーゼ)のための適切な基質である活性化されたシアル酸−PEGコンジュゲートを産生するための合成方法も提供される。この方法には、以下のステップが含まれる:(a)活性化された、N−保護アミノ酸(あるいは、高分子修飾部分、リンカー前駆体、またはリンカー−高分子修飾部分カセットを用いて官能性をもたせたアミノ酸)とマンノサミンを、マンノサミンとN−保護アミノ酸との間のアミドコンジュゲートを形成するのに適した条件下で接触させるステップ;(b)アミドコンジュゲートを、アミドコンジュゲートをシアル酸アミドコンジュゲートに転換するのに適した条件下で、ピルビン酸およびシアル酸アルドラーゼと接触させるステップ;(c)シアル酸アミドコンジュゲートを、シチジン一リン酸シアル酸アミドコンジュゲートを形成するのに適した条件下で、シチジン三リン酸およびシンテターゼと接触させるステップ;(d)シチジン一リン酸シアル酸アミドコンジュゲートからN−保護基を除去し、それによって、遊離アミンを産生させるステップ;ならびに(e)遊離アミンを活性化されたPEG(直鎖または分枝である)と接触させ、それによって、シチジン一リン酸シアル酸−ポリ(エチレングリコール)を形成すること。
ヌクレオシドは、天然および非天然のヌクレオシドから選択できる。本発明に使用される典型的な天然のヌクレオシドには、シトシン、チミン、グアニン、アデニン、およびウラシルが含まれる。この技術は、非天然のヌクレオシドの構造およびそれらを作製する方法で満載である。
本発明の典型的な改変された糖ヌクレオチドには、重合的に改変されたGDP−Man、GDP−Fuc、UDP−Gal、UDP−GalNAc、UDP−Glc、UDP−GlcNAc、UDP−Glc、UDP−GlcUA、およびCMP−SAなどが含まれる。その例には、UDP−Gal−2’−NH−PEG、UDP−Glc−2’−NH−PEG、CMP−5’−PEG−SAなどが含まれる。本発明に包含される化合物には、L−R11部分が、フラノースまたはピラノースに(例えば、フラノースのC−5またはピラノースのC−6に)、通常、この炭素原子に結合されたヘテロ原子を介して結合されるものが含まれる。
本発明の化合物がヌクレオチド糖または活性化された糖である場合、ヌクレオチド糖の高分子コンジュゲートは通常、基質の適切なアクセプター部分上に、糖部分およびその高分子置換基を転移する酵素に対する基質である。したがって、本発明はまた、ヌクレオチド糖、または活性化された糖と、適切な酵素のとの高分子コンジュゲートを使用する糖コンジュゲートによって改変される基質を提供する。本発明の化合物を使用して糖コンジュゲートさせることができる基質には、ペプチド(例えばグリコペプチド、ペプチド)、脂質(例えば、糖脂質、およびアグリコン(スフィンゴシン、セラミド)などが含まれる。
発明の詳細な説明および実施形態
省略形
分枝および分枝でないPEG、ポリ(エチレングリコール)、例えば、m−PEG、メトキシ−ポリ(エチレングリコール);分枝および分枝でないPPG、ポリ(プロピレングリコール)、例えばm−PPG、メトキシ−ポリ(プロピレングリコール);Fuc、フコシル;Gal、ガラクトシル;GalNAc、N−アセチルガラクトサミニル;Glc、グルコシル;GlcNAc、N−アセチルグルコサミニル;Man、マンノシル;ManAc、酢酸マンノサミニル(mannosaminyl acetate);Sia、シアル酸;およびNeuAc、N−アセチルノイラミニル。
定義
用語「シアル酸」は、9−炭素のカルボン酸化された糖のファミリーのいずれのメンバーも指す。シアル酸ファミリーの最も一般的なメンバーは、N−アセチル−ノイラミン酸(2−ケト−5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクトノヌロピラノス−1−オン(galactononulopyranos−1−onic)酸(Neu5Ac、NeuAc、またはNANAと略記されることが多い)である。このファミリーの第2のメンバーは、NeuAcのN−アセチル基が水酸化された、N−グリコリル―ノイラミン酸(Neu5GcまたはNeuGc)である。第3のシアル酸ファミリーメンバーは、2−ケト−3−デオキシ−ノヌロソン酸(nonulosonic acid)(KDN)である(ナダノ(Nadano)ら(1986年)「J.Biol.Chem.」261:11550〜11557;カナモリ(Kanamori)ら、「J.Biol.Chem.」265:21811〜21819(1990年))。9−置換型シアル酸、例えば、9−O−ラクチル−Neu5Acまたは9−O−アセチル−Neu5Acのような、9−O−C〜Cアシル−Neu5Ac、9−デオキシ−9−フルオロ−Neu5Ac、および9−アジド−9−デオキシ−Neu5Acなども含まれる。シアル酸ファミリーの総説のために、例えば、ファルキ(Varki)、「Glycobiology」2:25〜40(1992年);「Sialic Acids:Chemistry、Metabolism and Function」、R.シャウアー(R.Schauer)編(シュプリンガー出版(Springer−Verlag)、ニューヨーク(New York)(1992年))を参照のこと。シアリル化手順におけるシアル酸化合物の合成および使用は、1992年10月1日に公開された国際出願国際公開第92/16640号パンフレットに開示されている。
本明細書では、用語「改変された糖」は、本発明のプロセス内で、ペプチドのアミノ酸またはグリコシル残基に酵素的に加えられる、天然に存在するあるいは天然に存在しない炭水化物を指す。改変された糖は、これに限定されないが、糖ヌクレオチド(一、二、および三リン酸)、活性化された糖(例えば、ハロゲン化グリコシル、グリコシルメシラート)、ならびに、活性化されておらず、ヌクレオチドでもない糖を含めて、いくつかの酵素基質から選択される。「改変された糖」は、「修飾基」を用いて共有結合的に官能性をもたせられる。有用な修飾基には、これに限定されないが、水溶性ポリマー、治療的部分、診断用部分、生体分子などが含まれる。修飾基は、好ましくは、天然に存在しない、あるいは改変された炭水化物である。修飾基を用いる官能化の位置は、「改変された糖」が、ペプチドに酵素的に加えられることが妨げられないように選択される。
用語「水溶性」は、水に対するある程度の検出可能な程度の可溶性をもつ部分を指す。水溶性を検出および/または定量化する方法は、当分野でよく知られている。典型的な水溶性ポリマーには、ペプチド、糖類、ポリ(エーテル)、ポリ(アミン)、ポリ(カルボン酸)などが含まれる。ペプチドは、混合された配列を有していても良いし、単一のアミノ酸、例えばポリ(リジン)からなっていてもよい。典型的な多糖類は、ポリ(シアル酸)である。典型的なポリ(エーテル)は、ポリ(エチレングリコール)、例えばm−PEGである。ポリ(エチレンイミン)は、典型的なポリアミンであり、ポリ(アクリル)酸は、代表的なポリ(カルボン酸)である。典型的なポリマーは一般的に、2〜8の高分子単位からなる。
水溶性ポリマーのポリマー主鎖は、ポリ(エチレングリコール)(すなわちPEG)であり得る。しかし、他の関連するポリマーもまた、本発明の実施において使用するのに適していること、また、用語PEGまたはポリ(エチレングリコール)の使用は、この点については包括的であり排他的ではないことが意図されることを理解するべきである。用語PEGには、アルコキシPEG、二官能性PEG、多数の腕をもつPEG、二叉のPEG、分枝PEG、ペンダントPEG(すなわち、ポリマー主鎖にぶら下がった1つまたは複数の官能基を有するPEGまたは関連するポリマー)、あるいはその中に分解可能な連結をもつPEGを含めて、そのいずれかの形のポリ(エチレングリコール)が含まれる。
ポリマー主鎖は、線状であっても分枝状であってもよい。分枝ポリマー主鎖は通常、当技術分野で知られている。一般的に、分枝ポリマーは、中心枝の中心部分と、中心枝の中心に連結された、複数の線状ポリマー鎖を有する。PEGは一般的に、グリセロール、ペンタエリスリトール、およびソルビトールなどの様々なポリオールへのエチレンオキシドの付加によって調製できる分枝形で用いられる。中心枝部分はまた、リジンなどのいくつかのアミノ酸から得ることもできる。分枝ポリ(エチレングリコール)は、R(−PEG−OH)として一般形で表すことができる。ここで、Rは、グリセロールまたはペンタエリスリトールなどの中心部分を表し、mは、アームの数を表す。米国特許第5,932,462号明細書(その内容全体を参照により本明細書に援用する)に記述されるものなどの、多数の腕をもつPEG分子を、ポリマー主鎖として使用することもできる。
多くの他のポリマーもまた、本発明に適している。非ペプチド性かつ水溶性であり、2から約300末端をもつポリマー主鎖が、本発明に特に有用である。適切なポリマーの例には、これに限定されないが、ポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)などの他のポリ(アルキレングリコール)、エチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのコポリマー、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン、ポリ(N−アクリロイルモルホリン)(その内容全体を参照により本明細書に援用する米国特許第5,629,384に記載される通りのものなど)、およびそれらのコポリマー、ターポリマー、ならびにそれらの混合物が含まれる。ポリマー主鎖の各鎖の分子量は、変動する可能性があるが、これは、一般的に、約100Daから約100,000Da、しばしば約6,000Daから約80,000Daの範囲である。
用語「糖コンジュゲート」は、本明細書では、ポリペプチド(例えば本発明の変異型ヒト成長ホルモン)のアミノ酸またはグリコシル残基への、改変された糖種の酵素的に仲介される複合体形成を指す。「糖コンジュゲート」の亜属が、「グリコール−PEG化」である。ただし、改変された糖の修飾基は、ポリ(エチレングリコール)およびアルキル誘導体(例えば、m−PEG)またはその反応性の誘導体(例えば、HN−PEG、HOOC−PEG)である。
用語「グリコシル連結基」は、本明細書では、修飾基(例えば、PEG部分、治療的部分、生体分子)が共有結合的に結合されるグリコシル残基を指し、グリコシル連結基は、コンジュゲートの残部に修飾基を連結する。本発明の方法では、「グリコシル連結基」は、グリコシル化されたあるいはされていないペプチドに、共有結合的に結合されるようになり、それによって、ペプチド上のアミノ酸および/またはグリコシル残基に薬剤が連結される。「グリコシル連結基」は通常、ペプチドのアミノ酸および/またはグリコシル残基への「改変された糖」の酵素的な結合により、「改変された糖」から誘導される。グリコシル連結基は、修飾基で改変される糖カセットの形成中に分解される、糖類から得られる構造であってもよいし(例えば酸化→シッフ塩基形成→還元)、完全なままであってもよい。「完全なグリコシル連結基」は、修飾基をコンジュゲートの残部に連結する糖類モノマーが、分解(例えば、例えばメタ過ヨウ素酸ナトリウムによって酸化)されない、グリコシル部分から得られる連結基を指す。本発明の「完全なグリコシル連結基」は、グリコシル単位の付加、あるいは親の糖類構造からの1つまたは複数のグリコシル単位の除去によって、天然に存在するオリゴ糖から得ることができる。
置換基が、(左から右に書かれる)その通常の化学式により特定される場合、これは、右から左への構造を書くことに起因するであろう、化学的に同一の置換基を等しく包含する(例えば、−CHO−は−OCH−を列挙することも意図する)。
用語「アルキル」は、特に明記しない限り、それ自体で、あるいは別の置換基の一部としての、直鎖または分枝鎖または環状の炭化水素ラジカル、あるいはそれらの組み合わせを意味し、これは、完全に飽和した、あるいは一価または多価不飽和であり得、指定された炭素原子数(すなわちC〜C10は、1から10個の炭素を意味する)の、2価および多価のラジカルを含むことができる。飽和炭化水素ラジカルの例には、これに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル、同族体および異性体(例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなど)などの基が含まれる。不飽和アルキル基は、1つまたは複数の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例には、これに限定されないが、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−および3−プロピニル、3−ブチニル、およびより高級の同族体および異性体が含まれる。用語「アルキル」はまた、特に明記しない限り、例えば「ヘテロアルキル」などの、以下でより詳細に定義されるアルキルの誘導体を含むこととなる。炭化水素基に限定されるアルキル基は、「ホモアルキル(homoalkyl)」と称される。
用語「アルキレン」は、それ自体で、あるいは別の置換基の一部としての、これに限定されないが−CHCHCHCH−によって例示されるような、アルカンから得られる二価のラジカルを意味し、「ヘテロアルキレン」として以下で述べるものをさらに含む。一般的に、アルキル(またはアルキレン)基は、1から24個の炭素原子を有することとなり、10個以下の炭素原子を有する基が、本発明では好ましい。「低級アルキル」または「低級アルキレン」は、通常8個以下の炭素原子を有する、より短い鎖のアルキルまたはアルキレン基である。
用語「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、および「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)は、その従来の意味で使用され、それぞれ、酸素原子、アミノ基、または硫黄原子を介して分子の残部に付着されるアルキル基を指す。
用語「ヘテロアルキル」は、特に明記しない限り、それ自体で、あるいは別の用語と組み合わせて、所定の数の炭素原子と、O、N、Si、およびSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子とからなる、安定な直鎖または分枝鎖または環状の炭化水素ラジカル、あるいはそれらの組み合わせを意味する。ただし、窒素および硫黄原子は、任意選択で酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は、任意選択で4級化(quaternize)されていてもよい。ヘテロ原子O、N、ならびにSおよびSiは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に、あるいはアルキル基が分子の残部に付着される位置に配置され得る。その例には、これに限定されないが、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH、−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−Si(CH、−CH−CH=N−OCH、および−CH=CH−N(CH)−CHが含まれる。例えば、−CH−NH−OCHおよび−CH−O−Si(CHなど、最高2つまでのヘテロ原子は、連続的であり得る。同様に、用語「ヘテロアルキレン」は、それ自体で、あるいは別の置換基の一部としての、ヘテロアルキルから得られる二価のラジカルを意味し、これに限定されないが−CH−CH−S−CH−CH−および−CH−S−CH−CH−NH−CH−によって例示される。ヘテロアルキレン基については、ヘテロ原子はまた、鎖末端の片方または両方を占める可能性がある(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノなど)。さらに、アルキレンおよびヘテロアルキレン連結基については、連結基の方向は、連結基の式が書かれる方向によって暗示されない。例えば、式−C(O)R’−は、−C(O)R’−と−R’C(O)−の両方に相当する。
用語「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」は、特に明記しない限り、それ自体で、あるいは他の用語と組み合わせて、それぞれ、環状型の「アルキル」および「ヘテロアルキル」を表す。さらに、ヘテロシクロアルキルについては、ヘテロ原子は、複素環が分子の残部に付着される位置を占める可能性がある。シクロアルキルの例には、これに限定されないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどが含まれる。ヘテロシクロアルキルの例には、これに限定されないが、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニルなどが含まれる。
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、特に明記しない限り、それ自体で、あるいは別の置換基の一部としての、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。さらに、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むこととなる。例えば、用語「ハロ(C〜C)アルキル」には、これに限定されないが、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピルなどが含まれることとなる。
用語「アリール」は、特に明記しない限り、共に縮合した、あるいは共有結合的に連結された、単一の環または複数の環(好ましくは1から3個の環)である可能性がある、多価不飽和の芳香族置換基を意味する。用語「ヘテロアリール」は、窒素および硫黄原子が、任意選択で酸化された、また、窒素原子が、任意選択で4級化された、N、O、およびSから選択される1から4個のヘテロ原子を含有するアリール基(または環)を指す。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に付着できる。アリールおよびヘテロアリール基の非限定的な例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、テトラゾリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チエニル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ダイオキシン−6−イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、および6−キノリルが含まれる。上記の各々のアリールおよびヘテロアリール環系のための置換基は、以下で述べられる許容される置換基の群から選択される。
簡潔にするために、用語「アリール」は、他の用語(例えばアリールオキシ、アリールチオキシ(arylthioxy)、アリールアルキル)と組み合わせて使用される場合、上で定義した通りのアリール環とヘテロアリール環の両方を含む。したがって、用語「アリールアルキル」は、例えば、炭素原子(例えばメチレン基)が酸素原子により置き換えられたアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなど)を含めたアルキル基(例えばベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)にアリール基が付着されたラジカルを含むことになる。
各々の上述の用語(例えば「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、および「ヘテロアリール」)は、示されたラジカルの置換形と非置換形の両方を含むことになる。各タイプのラジカルのための好ましい置換基は、以下で提供される。
アルキルおよびヘテロアルキルラジカル(しばしば、アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルと呼ばれる基を含む)のための置換基は、一般に、「アルキル基置換基」と呼ばれ、これらは、これに限定されないが、ゼロから(2m’+1)(ここで、m’は、こうしたラジカル中の炭素原子の合計である)までの範囲の数の、以下から選択される様々な基のうちの1つまたは複数であり得る:−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CN、および−NO。R’、R’’、R’’’、およびR’’’’は、好ましくはそれぞれ独立して、水素、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換のアリール(例えば、1〜3個のハロゲン、置換または非置換アルキル、アルコキシ、またはチオアルコキシ基、あるいはアリールアルキル基で置換されたアリール)を指す。本発明の化合物が2つ以上のR基を含む場合、例えば2つ以上のこうした基が存在する場合の各R’、R’’、R’’’、およびR’’’’基と同様に、各々のR基はそれぞれ独立に選択される。R’とR’’が同じ窒素原子に付着される場合、これらは、窒素原子と組み合わせられて、5、6、または7員環を形成する可能性がある。例えば、−NR’R’’には、これに限定されないが、1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルが含まれることとなる。置換基の上記説明から、当分野の技術者であれば、用語「アルキル」には、ハロアルキル(例えば、−CFおよび−CHCF)およびアシル(例えば、−C(O)CH、−C(O)CF、−C(O)CHOCHなどの、水素基以外の基に結合される炭素原子を含む基が含まれることになることを理解するであろう。
アルキルラジカルのための記述された置換基と同様、アリールおよびヘテロアリール基のための置換基は、一般的に「アリール基置換基」と呼ばれる。例えば、これらの置換基は、以下から選択される:ゼロから芳香環系上の開いた結合(open valence)の合計までの範囲の数の、ハロゲン、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CNおよび−NOR、−R’、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C〜C)アルコキシ、およびフルオロ(C〜C)アルキル。ただし、R’、R’’、R’’’、およびR’’’’は、水素、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換のアリール、および置換または非置換のヘテロアリールから好ましくはそれぞれ独立に選択される。例えば、本発明の化合物が、2つ以上のR基を含む場合、2つ以上のこうした基が存在する場合の各R’、R’’、R’’’、およびR’’’’基と同様に、各々のR基は、それぞれ独立に選択される。以下のスキームでは、記号Xは、上で述べた通りの「R」に相当する。
アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、式−T−C(O)−(CRR’)−U−の置換基で、任意選択で置き換えることができる。式中、TおよびUは、独立して、−NR−、−O−、−CRR’−、または単結合であり、qは、0から3の整数である。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、式−A−(CH−B−の置換基で、任意選択で置き換えることができる。式中、AおよびBは、独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−、または単結合であり、rは、1から4の整数である。こうして形成される新規の環の単結合のうちの1つは、任意選択で二重結合で置き換えることができる。あるいは、アリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基のうちの2つは、式−(CRR’)−X−(CR’’R’’’)−の置換基で、任意選択で置き換えることができる。ここで、sおよびdは、独立して、0から3の整数であり、Xは、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、または−S(O)NR’−である。置換基R、R’、R’’、およびR’’’は、水素、あるいは置換または非置換の(C〜C)アルキルから、好ましくはそれぞれ独立に選択される。
本明細書では、用語「ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、およびシリコン(Si)を含むこととされる。
1つまたは複数のペプチド部分をリンカーに付着させるPEG(または他のリンカー)の反応性の誘導体の使用は、本発明の範囲内である。本発明は、反応性のPEG類似体の同一性によって限定されない。ポリ(エチレングリコール)の多くの活性化された誘導体は、商業的に利用可能であり、また、文献中にも存在する。本発明に有用な基質を調製するために用いられる、適切な活性化されたPEG誘導体を選択し、必要に応じて合成することは、十分に当分野の技術者の能力の範囲内である。アブコフスキー(Abuchowski)ら、「Cancer Biochem.Bophys.」、7:175〜186(1984年);アブコフスキー(Abuchowski)ら、「J.Biol.Chem.」、252:3582〜3586(1977年);ジャクソン(Jackson)ら、「Anal.Biochem.」、165:114〜127(1987年);コイデ(Koide)ら、「Biochem Biophys.Res.Commun.」、111:659〜667(1983年));トレシレート(tresylate)(ニルソン(Nilsson)ら、「Methods Enzymol.」、104:56〜69(1984年);デルガード(Delgado)ら、「Biotechnol.Appl.Biochem.」、12:119〜128(1990年));N−ヒドロキシスクシンイミドから誘導される活性なエステル(ブックマン(Buckmann)ら、「Makromol.Chem.」、182:1379〜1384(1981年);ジョピッチ(Joppich)ら、「Makromol.Chem.」,180:1381〜1384(1979年);アブコフスキー(Abuchowski)ら、「Cancer Biochem.Biophys.」、7:175〜186(1984年);ケーター(Katre)ら、「Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.」、84:1487〜1491(1987年);キタムラ(Kitamura)ら、「Cancer Res.」、51:4310〜4315(1991);ボチュ(Boccu)ら、「Z.Naturforsch.」、38C:94〜99(1983)、カーボネート(ザリプスキー(Zalipsky)ら、POLY (ETHYLENE GLYCOL)CHEMISTRY:BIOTECHNICAL AND BIOMEDICAL APPLICATIONS、ハリス(Harris)編、プレナムプレス(Plenum Press)、ニューヨーク(New York)、1992年、347〜370ページ;ザリプスキー(Zalipsky)ら、「Biotechnol.Appl.Biochem.」、15:100〜114(1992年);ベロネーゼ(Veronese)ら、「Appl.Biochem.Biotech.」、11:141〜152(1985年))、ギ酸イミダゾリル(ボーシャン(Beauchamp)ら、「Anal.Biochem.」、131:25〜33(1983年);ベルガー(Berger)ら、「Blood」、71:1641〜1647(1988年))、4−ジチオピリジン(ウォギーレン(Woghiren)ら、「Bioconjugate Chem.」、4:314〜318(1993年))、イソシアネート(ビュン(Byun)ら、「ASAIO Journal」、M649〜M−653(1992年))、およびエポキシド(ノイシキ(Noishiki)ら(1989年)に発行された米国特許第4,806,595号明細書)を参照のこと。他の連結基には、アミノ基と活性化されたPEGとの間のウレタン結合が含まれる。ベロネーゼ(Veronese)ら、「Appl.Biochem.Biotechnol.」、11:141〜152(1985)を参照のこと。
用語「アミノ酸」は、天然に存在するおよび合成のアミノ酸、ならびにアミノ酸類似体およびアミノ酸ミメティクス(mimetics)を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によってコードされるもの、ならびに後で改変されるアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、およびO−ホスホセリン)である。アミノ酸類似体は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造(すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基と結合されるα炭素)を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。こうした類似体は、改変されたR基(例えばノルロイシン)または改変されたペプチド主鎖を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を保持する。「アミノ酸ミメティクス」は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様に機能する化合物を指す。
「ペプチド」は、モノマーがアミノ酸、アミノ酸類似体、および/またはアミノ酸ミメティクスであり、かつアミド結合を介して共に連結されるポリマーを指し、ポリペプチドとも呼ばれる。さらに、非天然のアミノ酸、例えば、β−アラニン、フェニルグリシン、およびホモアルギニンも含まれる。遺伝子コードされないアミノ酸もまた、本発明に使用できる。さらに、反応性の基、グリコシル化部位、ポリマー、治療的部分、生体分子などを含むように改変されたアミノ酸もまた、本発明に使用できる。本発明に使用されるアミノ酸はすべて、D−またはL−異性体のどちらかであり得る。L−異性体が、通常好ましい。さらに、他のペプチドミメティクス(peptidomimetics)もまた、本発明に有用である。本明細書では、「ペプチド」は、グリコシル化ペプチドと非グリコシル化ペプチドの両方を指す。ペプチドを発現するシステムによって不完全にグリコシル化されたペプチド(petide)も含まれる。一般的な総説のために、スパトラ,A.F.(Spatola,A.F.)、「CHEMISTRY AND BIOCHEMISTRY OF AMINO ACIDS」内、「PEPTIDES AND PROTEINS」、B.ウェインスタイン(B.Weinstein)編、マルセルデッカー(Marcel Dekker)、ニューヨーク(New York)、267ページ(1983年)を参照のこと。
用語「ヌクレオシド」は、核酸の成分であり、β−D−リボフラノース(リボヌクレオシドを成す)、または2−デオキシ−β−D−リボフラノース(デオキシリボヌクレオシド(deoyribonucleoside)を成す)と連結された、窒素を含む塩基を含むグリコシルアミンを指す。塩基は、プリン(例えば、アデニンまたはグアノシン)あるいはピリミジン(例えばチミジン、シチジン、ウリジン、またはシュードウリジン)であり得る。ヌクレオシドには、微生物により使用される通常でないヌクレオシドも含まれる。
用語「ターゲティング部分」は、本明細書では、体の特定の組織または領域に選択的に局在する種を指す。局在化は、分子決定因子の特異的な認識、ターゲティング薬剤またはコンジュゲートの分子サイズ、イオン相互作用、疎水的相互作用などによって仲介される。薬剤を特定の組織または領域に向ける他の機構は、当分野の技術者に知られている。典型的なターゲティング部分には、抗体、抗体フラグメント、トランスフェリン、HS−糖タンパク質、凝固因子、血清タンパク質、β−糖タンパク質、G−CSF、GM−CSF、M−CSF、EPOなどが含まれる。
本明細書では、「治療的部分」は、これに限定されないが、抗生物質、抗炎症剤、抗腫瘍薬、細胞毒および放射性の薬剤を含めて、治療法に有用ないずれの薬剤も意味する。「治療的部分」には、生物活性剤のプロドラッグ、2つ以上の治療的部分が担体に結合される構成体(例えば多価の(multivalent)薬剤)が含まれる。治療的部分にはまた、タンパク質およびタンパク質を含む構成体が含まれる。典型的なタンパク質には、これに限定されないが、エリトロポイエチン(EPO)、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、インターフェロン(例えばインターフェロン−α、−β、−γ)、インターロイキン(例えばインターロイキンII)、血清タンパク質(例えば第VII、第VIIa、第VIII、第IX、および第X因子)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、濾胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)、ならびに抗体融合タンパク質(例えば、腫瘍壊死因子レセプター(TNFR)/Fcドメイン融合タンパク質)が含まれる。
本明細書では、「抗腫瘍薬」は、これに限定されないが、代謝拮抗物質、アルキル化剤、アントラサイクリン、抗生物質、抗有糸分裂性の薬剤、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アスパラギナーゼ、副腎皮質ステロイド、インターフェロン、および放射性の薬剤などの細胞毒および薬剤を含めて、ガンと戦うのに有用ないずれの薬剤も意味する。また、抗腫瘍活性をもつペプチド(例えばTNF−α)のコンジュゲートも、用語「抗腫瘍薬」の範囲内に包含される。コンジュゲートには、これに限定されないが、治療的タンパク質と本発明の糖タンパク質との間に形成されるものが含まれる。代表的なコンジュゲートは、PSGL−1とTNF−αとの間に形成されるものである。
本明細書では、「細胞毒または細胞傷害性薬剤」は、細胞に有害であるいずれの薬剤も意味する。その例には、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン(colchicin)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラセンジオン(anthracinedione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、ならびにこれらの類似体または同族体が含まれる。他の毒素には、例えば、リシン、CC−1065および類似体、デュオカルマイシンが含まれる。さらに他の毒素には、ジフテリア毒素、およびヘビの毒(例えばコブラの毒)が含まれる。
本明細書では、「放射性の薬剤」は、腫瘍を診断または破壊するのに有効な、いずれの放射性同位元素も含む。その例には、インジウム−111、コバルト−60が含まれるが、これに限定されない。さらに、ウラン、ラジウム、およびトリウムなどの天然に存在する放射性の元素(一般的に、放射性同位元素の混合物に相当する)も、放射性の薬剤の適切な例である。金属イオンは、有機キレート化部分を用いて一般的にキレート化される。
多くの有用なキレート化基、クラウンエーテル、クリプタンドなどは、当技術分野で知られており、本発明の化合物(例えばEDTA、DTPA、DOTA、NTA、HDTA、およびDTPP、EDTP、HDTP、NTPなどのそのホスホン酸類似体)に組み込むことができる。例えば、ピット(Pitt)ら、「The Design of Chelating Agents for the Treatment of Iron Overload」、「INORGANIC CHEMISTRY IN BIOLOGY AND MEDICINE」内、マーテル(Martell)編、米国化学学会(American Chemical Society)、ワシントン市(Washington D.C.)、1980年、279〜312ページ;リンドイ(Lindoy)、「THE CHEMISTRY OF MACROCYCLIC LIGAND COMPLEXES」、ケンブリッジ大学出版(Cambridge University Press)、ケンブリッジ(Cambridge)、1989年;デュガス(Dugas)、「BIOORGANIC CHEMISTRY」、シュプリンガー出版(Springer−Verlag)、ニューヨーク(New York)、1989年、およびその中に含まれる参考文献を参照のこと。
さらに、キレート剤、クラウンエーテル、およびシクロデクストリンの、他の分子への付着を可能にする多数の経路が、当分野の技術者に利用可能である。例えば、ミアース(Meares)ら、「Properties of In Vivo Chelate−Tagged Proteins and Polypeptides.」「MODIFICATION OF PROTEINS:FOOD,NUTRITIONAL,AND PHARMACOLOGICAL ASPECTS」内、フィーニー(Feeney)ら編、米国化学学会(American Chemical Society)、ワシントン市(Washington,D.C.)、1982年、370〜387ページ;カシナ(Kasina)ら、「Bioconjugate Chem.」9:108〜117(1998年);ソング(Song)ら、「Bioconjugate Chem.」,8:249〜255(1997年)を参照のこと。
序論
本発明は、高分子種、およびこれらのポリマーに結合される糖、活性化された糖、およびヌクレオチド糖を提供する。ヌクレオチド糖の高分子コンジュゲートは通常、基質の適切なアクセプター部分上へ糖部分およびその高分子置換基を転移する酵素のための基質である。したがって、本発明はまた、ヌクレオチド糖と適切な酵素との高分子コンジュゲートを使用する糖コンジュゲートによって改変される基質を提供する。本発明の化合物を使用して糖コンジュゲートすることができる基質には、ペプチド(例えばグリコペプチド)、脂質(例えば糖脂質)、およびアグリコン(スフィンゴシン、セラミド)が含まれる。
前のセクションで述べたように、共有結合的PEG化の当分野で認識された化学的な方法は、アミノ酸または炭水化物上の反応性の基を介する化学的な結合に依存する。コンジュゲートおよび反応条件の慎重な設計を介し、化学的に仲介される結合戦略を使用して、有用なコンジュゲートが調製された。タンパク質または糖タンパク質へのポリマーの化学的な結合の主な欠点は、活性化されたポリマーの選択性の欠如であり、これは、しばしば、タンパク質または糖タンパク質の生物活性に関係する部位で、ポリマーの付着という結果になる。部位選択的な結合化学に取り組むために、いくつかの戦略が開発されてきたが、様々な組換え型タンパク質に適した1つの普遍的な方法のみが発展している。
当分野で認識された方法と対比して、本発明は、分枝水溶性ポリマーの非常に選択的な、部位特異的な糖コンジュゲート(例えば糖PEG化)のための新規の戦略に使用される化合物を提供する。本発明の典型的な実施形態では、分枝水溶性ポリマーの部位特異的な付着は、本発明のヌクレオチド糖または活性化された糖を使用する、特定のペプチド配列のin vitroの酵素的グリコシル化によって達成される。糖コンジュゲートは、グリコシル化部位に、分枝水溶性ポリマー−糖種(例えばPEG−シアル酸)を転移することが可能なグリコシルトランスフェラーゼ(例えばシアリルトランスフェラーゼ)を利用して、酵素的に実施できる(「糖PEG化」)。
上記の通り、本発明は、高分子部分を用いて改変された、任意の所望の炭水化物構造を有する糖との間のコンジュゲートを提供する。これらの糖構造に基づく糖ヌクレオチドおよび活性化された糖はまた、本発明の構成要素である。高分子修飾部分は、酵素的手段、化学的手段またはそれらの組み合わせによって、糖部分に付着され、それによって、改変されたヌクレオチド糖が産生される。糖は、いずれの所望の位置でも、高分子改変部分で置換される。典型的な実施形態では、糖は、C−1、C−2、C−3、C−4、またはC−5のうちの1つまたは複数で置換されたフラノースである。別の実施形態では、本発明は、C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、またはC−6のうちの1つまたは複数で、高分子修飾部分で置換されたピラノースを提供する。好ましくは、高分子修飾部分は、炭素からぶら下がる酸素、窒素、または硫黄に直接的に付着される。あるいは、高分子修飾部分は、糖と修飾部分の間に配置されるリンカーに付着される。このリンカーは、選択された炭素からぶら下がる酸素、窒素、または硫黄に付着される。
目下のところ好ましい実施例では、得られるコンジュゲートが、改変された糖部分を別の種(例えば、ペプチド、グリコペプチド、脂質、糖脂質など)に連結するために使用される酵素のための基質として機能するように選択された位置に、高分子修飾部分が付加される。典型的な酵素は、本明細書でより詳細に述べるが、これには、グリコシルトランスフェラーゼ(シアリルトランスフェラーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、ガラクトシルトランスフェラーゼ、N−アセチルグルコシルトランスフェラーゼ、N−アセチルガラクトシルトランスフェラーゼ、マンノシルトランスフェラーゼ、フコシルトランスフェラーゼなど)が含まれる。本発明の典型的な糖ヌクレオチドおよび活性化された糖コンジュゲートはまた、加水分解活性ではなく合成活性を有するように改変された変異型グリコシダーゼおよび変異型グリコセラミダーゼのための基質も含む。
典型的な実施形態では、本発明のコンジュゲートは、1つまたは複数のポリマー(例えば分枝ポリマー)に結合された糖、活性化された糖、またはヌクレオチド糖を含む。典型的なポリマーには、水溶性の種と非水溶性の種の両方が含まれる。
典型的な実施形態では、高分子修飾基は、ピラノースまたはフラノースに直接的または間接的に付着される。
例えば:
Figure 2007528370

および
式IおよびIIにおいて、Rは、H、CHOR、COORまたはORである。ここで、Rは、H、置換または非置換アルキル、あるいは置換または非置換ヘテロアルキルを表す。Rは、H、OH、NH、またはヌクレオチドを含む部分である。この実施形態による典型的なR種は、次式を有する:
Figure 2007528370

式中、XはOまたはNHを表し、Rはヌクレオシドである。
記号R、R、R、R、およびR6’は独立して、H、置換または非置換アルキル、OR、NHC(O)R10を表す。指数dは、0または1である。RおよびR10は、H、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、またはシアル酸からそれぞれ独立に選択される。R、R、R、R、およびR6’のうちの少なくとも1つは、高分子修飾部分(例えばPEG)を含む。典型的な実施形態では、RおよびR6’は、それらが付着される炭素と共に、シアル酸の側鎖の構成要素である。さらなる典型的な実施形態では、この側鎖は、C−6、C−7、またはC−9のうちの1つまたは複数で、高分子修飾部分(またはリンカー高分子修飾部分)を用いて改変される。
記号R、R、R、およびRは独立して、H、OR、NHC(O)R10を表す。RおよびR10は、H、置換または非置換アルキル、あるいは置換または非置換ヘテロアルキルからそれぞれ独立に選択される。R、R、R、R、またはR6’のうちの少なくとも1つは、高分子修飾部分を含む。
別の典型的な実施形態では、糖部分は、2005年1月6日に出願され、本発明の譲受人に譲渡された米国仮特許出願番号 (代理人整理番号040853−01−5150)に記載されているものなどの、酸化され、高分子修飾部分と結合されたシアル酸部分である。
典型的な実施形態では、高分子修飾部分は、リンカーを介して糖中心に連結される:
Figure 2007528370

式中、R11は高分子部分であり、Lは、結合および連結基から選択され、wは、1〜6、好ましくは1〜3、好ましくは1〜2の整数である。
Lが結合である場合、これは、R11の前駆体に対する反応性の官能基と、Lの前駆体に対する相補的な反応性をもつ反応性の官能基との間に形成される。本明細書で述べる通り、適切な反応性の官能基を用いる前駆体の選択および調製は、当分野の技術者の能力の範囲内である。さらに、前駆体を組み合わせることは、当分野で十分に理解される化学によって進行する。
典型的な実施形態では、Lは、高分子修飾部分が、置換されたアルキルリンカーを介して付着されるような、改変された糖を提供する、アミノ酸、アミノ酸ミメティクまたは低分子ペプチド(例えば1〜4個のアミノ酸残基)から形成される連結基である。リンカーは、LおよびR11に対する前駆体に対する相補的な反応性をもつ基との、アミノ酸のアミン部分およびカルボン酸(または反応性の誘導体、例えば活性なエステル、酸ハライドなど)の反応を介して形成される。コンジュゲートの要素は、本質的に任意の好都合な順序で結合できる。例えば、Lに対する前駆体は、R11およびLの前駆体と結合する前に、糖類中心上の適切な場所に存在できる。あるいは、Lに対する反応性をもつ官能基を持つR11−Lカセットを調製し、その後、この種に対する相補的な反応性をもつ反応性の官能基を介して糖類に連結させることができる。
典型的な実施形態では、高分子修飾部分は、Rおよび/またはRである。別の典型的な実施形態では、Rおよび/またはRは、高分子修飾部分と、分子の残部に高分子部分を連結するリンカー(L)との両方を含む。別の典型的な実施形態では、高分子修飾部分は、Rである。また、さらなる典型的な実施形態では、Rは、高分子修飾部分と、分子の残部に高分子部分を連結するリンカー(L)との両方を含む。糖がシアル酸であるさらに別の典型的な実施形態では、高分子修飾部分は、Rである、あるいは、シアル酸側鎖の位置(例えばC−9)に付着される。
線状ポリマーコンジュゲート
典型的な実施形態では、本発明は、糖または活性化された糖コンジュゲート、あるいは線状ポリマー(水溶性または非水溶性ポリマーなど)との間に形成されるヌクレオチド糖コンジュゲートを提供する。本発明のコンジュゲートでは、ポリマーは、糖、活性化された糖、または糖ヌクレオチドに付着される。本明細書に述べる通り、ポリマーは、直接的に、あるいはリンカーを介して糖部分に連結される。
この実施形態による典型的な化合物は、式IまたはIIに従う構造を有する。ただしR、R、R、R、またはRのうちの少なくとも1つは、次式を有する。
Figure 2007528370
この実施形態による別の例は、次式を有する:
Figure 2007528370

式中、sは0から20の整数であり、R11は線状高分子修飾部分である。
任意の分子量、例えば、2Kda、5Kda、10Kda、20Kda、30Kda、および40KdaのPEG部分が、本発明で使用される。
分枝ポリマーコンジュゲート
典型的な実施形態では、高分子修飾部分は、次式を有する、中心部分に付着される2つ以上の高分子鎖を含む分枝構造である:
Figure 2007528370

式中、R11およびLは、上記の通りであり、w’は、2から6、好ましくは2から4、好ましくは2から3の整数である。
本発明のこの実施形態によるコンジュゲートを形成するのに使用される典型的な前駆体は、次式を有する:
Figure 2007528370
この式に従う分枝ポリマー種は、本質的に純粋な水溶性ポリマーである。X3’は、イオン化可能な(例えば、COOH、HPO、HSO、HPO、など)、または他の反応性の官能基(例えば以下)を含む部分である。Cは、炭素である。Xは、好ましくは非反応性の基(例えばH、非置換アルキル、非置換ヘテロアルキル)であり、高分子アームであってもよい。R12およびR13は、それぞれ独立に選択された高分子アーム、例えば非ペプチド性、非反応性の高分子アームである。XおよびXは、生理的条件下で好ましくは本質的に非反応性である連結フラグメントであり、これらは、同一であっても異なってもよい。あるいは、これらの連結は、生理的に関連する条件下で分解するように設計されている1つまたは複数の部分、例えば、エステル、ジスルフィドなどを含むことができる、XおよびXは、高分子アームR12およびR13をCに連結する。X3’は、リンカー、糖、またはリンカー−糖カセットに対する相補的な反応性をもつ反応性の官能基と反応させると、連結フラグメントXの成分に転換される。
およびXのための典型的な連結フラグメントには、S、SC(O)NH、HNC(O)S、SC(O)O、O、NH、NHC(O)、(O)CNHおよびNHC(O)O、およびOC(O)NH、CHS、CHO、CHCHO、CHCHS、(CHO、(CHSまたは(CHY’−PEG、または(CHY’−PEG(式中Y’はSまたはOであり、aは1から50までの整数である)が含まれる。
典型的な実施形態では、前駆体(III)、またはその活性化された誘導体は、X3’と、糖部分に対する相補的な反応性をもつ基と間の反応を介して、糖、活性化された糖、または糖ヌクレオチドに結合される。あるいは、X3’は、リンカー(L)に対する前駆体に対する反応性をもつ官能基と反応する。式IおよびIIのR、R、R、R、またはRのうちの1つまたは複数は、分枝高分子修飾部分を含むことができる。
典型的な実施形態では、次の部分:
Figure 2007528370

は、アーム(L)である。この実施形態では、典型的なリンカーは、天然または非天然のアミノ酸、アミノ酸類似体、またはアミノ酸ミメティク、あるいは、1つまたは複数のこうした種から生じる低分子ペプチドから得られる。例えば、本発明の化合物に見られるある種の分枝ポリマーは、次式を有する。
Figure 2007528370
は、分枝高分子修飾部分および糖部分の前駆体、またはリンカーに対する前駆体に対する反応性の官能基の反応によって形成される連結部分である。例えば、X3’が、カルボン酸である場合、これを活性化させることができ、アミドであるXを形成する、アミノ−糖類(例えばGalNH、GlcNH、ManNHなど)からぶら下がるアミン基に直接的に結合させることができる。さらなる典型的な反応性の官能基および活性化された前駆体は、以下で述べる。指数cは、1から10までの整数を表す。他の記号は、上で述べたものと同じ同一性を有する。
別の典型的な実施形態では、Xは、別のリンカーを用いて形成される連結部分である:
Figure 2007528370

式中、Xは、連結部分であり、Xに関して説明された基からそれぞれ独立に選択され、Lは、結合、置換または非置換アルキル、あるいは置換または非置換ヘテロアルキルである。
およびXのための典型的な種には、S、SC(O)NH、HNC(O)S、SC(O)O、O、NH、NHC(O)、(O)CNHおよびNHC(O)O、およびOC(O)NHが含まれる。
例えば、
Figure 2007528370

式中、sは0から20までの整数であり、R11は、線状高分子修飾部分である。
別の典型的な実施形態では、Xは、R13(アルファ−アミン部分および/または側鎖ヘテロ原子が、ポリマーを用いて改変された、アミノ酸、ジペプチド、またはトリペプチドである)に対するペプチド結合である。
さらなる典型的な実施形態では、Rは、分枝高分子修飾基を含み、改変された糖またはヌクレオチド糖は、以下から選択される式を有する:
Figure 2007528370

式中、様々な記号により表されるラジカルの同一性は、上で述べたのと同じである。Lは、置換または非置換アルキル、あるいは置換または非置換ヘテロアルキル部分である。典型的な実施形態では、Lは、示された通りの高分子修飾部分を用いて官能性をもたせられたシアル酸の側鎖の部分である。
さらに別の典型的な実施形態では、本発明は、次式を有する糖およびヌクレオチド糖を提供する:
Figure 2007528370

様々な記号によって表されるラジカルの同一性は、上で述べたのと同じである。当分野の技術者であれば理解するであろう通り、式VIおよびVIII中のリンカーアームは、本明細書に記述した他の改変された糖に等しく適用可能である。
上で述べた本発明の実施形態は、ポリマーが、水溶性ポリマー(特にポリエチレングリコール)(「PEG」)、例えば、メトキシ−ポリ(エチレングリコール)(「m−PEG」)である種を参照することでさらに例示される。当分野の技術者であれば、この後のセクションにおける焦点は、具体例の明快さのためのものであり、典型的なポリマーとしてPEGを使用する、記述される様々な主題は、PEG以外のポリマーが利用される種にも等しく適用可能であることを理解するであろう。
水溶性ポリマー
多くの水溶性ポリマーが、当分野の技術者に知られており、また、本発明を実施するのに有用である。用語「水溶性ポリマー」は、糖類(例えばデキストラン、アミロース、ヒアルロン酸、ポリ(シアル酸)、ヘパラン、ヘパリンなど);ポリ(アミノ酸)、例えばポリ(アスパラギン酸)およびポリ(グルタミン酸);核酸;合成ポリマー(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エーテル)、例えば、ポリ(エチレングリコール));ペプチド、タンパク質などの種を包含する。ポリマーは一般的に、少なくとも2つの高分子単位を含む。典型的な実施形態では、ポリマーは、2〜25単位からである。別の典型的な実施形態では、ポリマーは、2〜8高分子単位を含む。本発明は、ポリマーが、コンジュゲートの残部が付着されることができる位置を含まなければならないという唯一の制限を伴うが、任意の水溶性ポリマーを用いて実施できる。
ポリマーの活性化のための方法はまた、国際公開第94/17039号パンフレット、米国特許第5,324,844号明細書、国際公開第94/18247号パンフレット、国際公開第94/04193号パンフレット、米国特許第5,219,564号明細書、米国特許第5,122,614号明細書、国際公開第90/13540号パンフレット、米国特許第5,281,698号明細書、およびさらに国際公開第93/15189号パンフレットに出ており、活性化ポリマーとペプチドと間の結合のための方法は、例えば、凝固第VIII因子(国際公開第94/15625号パンフレット)、ヘモグロビン(国際公開第94/09027号パンフレット)、酸素運搬分子(米国特許第4,412,989号明細書)、リボヌクレアーゼおよびスーパーオキサイドジスムターゼ(ベロネーゼ(Veronese)ら、「App.Biochem.Biotech.」11:141〜45(1985年))に出ている。
好ましい水溶性ポリマーは、ポリマーのサンプル中のかなりの割合のポリマー分子が、ほぼ同じ分子量のものである、こうしたポリマーは、「同一分散(homodisperse)」である。
本発明を、ポリ(エチレングリコール)コンジュゲートを参照することによって、さらに説明する。PEGの機能化および結合に関するいくつかの総説および研究書が利用可能である。例えば、ハリス(Harris)、「Macronol.Chem.Phys.」C25:325〜373(1985年);スカウテン(Scouten)、「Methods in Enzymology」135:30〜65(1987年);ウォン(Wong)ら、「Enzyme Microb.Technol.」14:866〜874(1992年);デルガード(Delgado)ら、「Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems」9:249〜304(1992年);ザリプスキー(Zalipsky)、「Bioconjugate Chem.」6:150〜165(1995年);およびバドラ(Bhadra)ら、「Pharmazie」、57:5〜29(2002年)を参照のこと。反応性のPEG分子を調製するための経路、および反応性の分子を使用してコンジュゲートを形成することは、当技術分野で知られている。例えば、米国特許第5,672,662号明細書は、線状または分枝ポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(オキシエチル化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、およびポリ(アクリロモルホリン(acrylomorpholine))から選択されるポリマー酸の活性なエステルの水溶性かつ単離可能なコンジュゲートを開示している。
米国特許第6,376,604号明細書は、有機溶剤中でジ(1−ベンゾトリアゾリル)カーボネートとポリマーの末端ヒドロキシルを反応させることによって、水溶性かつ非ペプチド性ポリマーの水溶性1−ベンゾトリアゾリル(benzotriazoyl)カーボネートを調製するための方法を記載している。活性なエステルは、生物学的に活性な薬剤(タンパク質またはペプチドなど)とのコンジュゲートを形成するために使用される。
国際公開第99/45964号パンフレットは、安定な結合を介してポリマー主鎖に連結される少なくとも1つの末端を有するポリマー主鎖を含む生物学的に活性な薬剤および活性化水溶性ポリマーを含むコンジュゲートを記載する。ただし、少なくとも1つの末端は、分岐部分に連結された近位の反応性の基を有する分岐部分を含み、また、生物学的に活性な薬剤は、近位の反応性の基のうちの少なくとも1つに連結される。他の分枝ポリ(エチレングリコール)は、国際公開第96/21469号パンフレットに記載されており、米国特許第5,932,462号明細書は、反応性の官能基を含む分枝末端を含む分枝PEG分子を用いて形成されるコンジュゲートを記載している。遊離の反応性の基は、タンパク質またはペプチドなどの生物学的に活性な種と反応させ、ポリ(エチレングリコール)と生物学的に活性な種とのコンジュゲートを形成するために利用可能である。米国特許第5,446,090号明細書は、二官能性PEGリンカー、および、各々のPEGリンカー末端でペプチドを有するコンジュゲートを形成する際のその使用を記載している。
分解可能なPEG連結を含むコンジュゲートは、国際公開第99/34833号パンフレット、および国際公開第99/14259号パンフレット、ならびに米国特許第6,348,558号明細書に記載されている。こうした分解可能な連結は、本発明に適用可能である。
上で記述したポリマーの活性化の当分野で認識された方法は、本明細書に記述される分枝ポリマーの形成において、また、他の種、例えば、糖、糖ヌクレオチドなどへのこれらの分枝ポリマーの結合のために、本発明において有用である。
典型的な修飾基は、後述する。修飾基は、ペプチドに1つまたは複数の望ましい特性を与えるその能力について選択できる。典型的な特性には、これに限定されないが、増強された薬物動態、増強された薬力学的作用、向上された体内分布、多価の種の提供、向上された水溶性、増強または減弱された親油性、および組織ターゲティングが含まれる。
本発明で使用される典型的なポリ(エチレングリコール)分子には、次式を有するものが含まれるが、これに限定されない。
Figure 2007528370

式中、Aは、H、OH、NH、置換または非置換アルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、例えば、アセタール、OHC−、HN−(CH−、HS−(CH、または−(CHC(Y)Zである。指数「e」は、1から2500の整数を表す。指数b、d、およびqは、独立して、0から20の整数を表す。記号ZおよびZは、独立して、OH、NH、脱離基、例えば、イミダゾール、p−ニトロフェニル、HOBT、テトラゾール、ハライド、S−R、活性化エステルのアルコール部分;−(CHC(Y)V、または−(CHU(CHC(Yを表す。記号Yは、H(2)、=O、=S、=N−Rを表す。記号X、Y、Y、A、およびUは、独立して、部分O、S、N−Rを表す。記号Vは、OH、NH、ハロゲン、S−R、活性化エステルのアルコール成分、活性化アミドのアミン成分、糖ヌクレオチド、およびタンパク質を表す。指数p、q、s、およびvは、0から20の整数からそれぞれ独立に選択されるメンバーである。記号R、R、およびRは、独立して、H、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、および置換または非置換のヘテロアリールを表す。
本発明に使用される線状および分枝ポリマー(例えばPEG)の特定の実施形態には、以下が含まれ、
Figure 2007528370

以下のものなどのこれらの種の炭酸エステルおよび活性なエステル:
Figure 2007528370

は、線状および分枝高分子種、これらの種のリンカーアームコンジュゲート、ならびにこれらの化合物と糖およびヌクレオチド糖と間のコンジュゲートを形成するために使用できる。指数eおよびfは、1から2500からそれぞれ独立に選択される。
本明細書で記述される化合物を調製するのに使用される線状PEGを活性化するのに適した、他の典型的な活性化基、または脱離基には、これに限定されないが、次の種が含まれる:
Figure 2007528370

高分子修飾部分に対する前駆体上の選択された部分のための適切な活性化基を選択することは、十分に、当分野の技術者の能力の範囲内である。
これらの種および他の種を用いて活性化されるPEG分子、ならびに、活性化PEGを作製する方法は、国際公開第04/083259号パンフレットに記載されている。
典型的な実施形態では、分枝ポリマーは、システイン、セリン、リジン、ジ−またはトリ−リジン中心をベースにするPEGである。したがって、さらに典型的な分枝PEGには、以下が含まれる:
Figure 2007528370

指数eおよびfは、1から2500からそれぞれ独立に選択される。
さらに別の実施形態では、分枝PEG部分は、トリ−リジンペプチドがベースである。トリ−リジンは、モノ−、ジ−、トリ−またはテトラ−PEG化される可能性がある。この実施形態に従う典型的な種は、次式を有する:
Figure 2007528370

式中、e、fおよびf’は、1から2500のそれぞれ独立に選択される整数であり、q、q’、およびq’’は、0から20のそれぞれ独立に選択された整数である。
本発明の典型的な実施形態では、PEGは、m−PEG(5kd、10kd、20kd、30kd、または40kd)である。典型的な分枝PEG種は、m−PEGが20kdのm−PEGである、リジン、セリン−またはシステイン−(m−PEG)である。
当分野の技術者であれば理解できるであろう通り、本発明で使用される分枝ポリマーには、上で述べた論旨に関する変形が含まれる。例えば、上記のジ−リジン−PEGコンジュゲートは、3つの高分子サブユニットを含む可能性があり、第3のものは、上述の構造において改変されていないと示されたα−アミンと結合される。同様に、3つまたは4つの高分子サブユニットを用いて官能性をもたせられたトリ−リジンの使用も、本発明の範囲内である。
当分野の技術者であれば、分枝ポリマーのm−PEGアームの1つまたは複数を、異なる末端、例えば、OH、COOH、NH、C〜C10−アルキルなどをもつPEG部分によって置き換えることができることを理解するであろう。さらに、上述の構造は、側鎖のα−炭素原子と官能基の間にアルキルリンカーを挿入すること(または炭素原子を除去すること)によって、容易に改変される。したがって、「ホモ」誘導体およびより高級の同族体、ならびに、より低級の同族体は、本発明で使用される分枝PEGのための中心の範囲内である。
本明細書で記述される分枝PEG種は、下のスキームに記述するものなどの方法によって、容易に調製される:
Figure 2007528370

式中、Xは、O、NH、またはSであり、rは1から10の整数である。指数eおよびfは、1から2500の、それぞれ独立に選択される整数である。典型的な分枝PEG種は、10,000、15,000、20,000、30,000、および40,000ダルトンである。
したがって、このスキームに従って、天然または非天然のアミノ酸を、活性化m−PEG誘導体、この場合トシラートと接触させ、側鎖ヘテロ原子Xをアルキル化することによって、1を形成する。一官能性をもたせられたm−PEGアミノ酸を、反応性のm−PEG誘導体と共にN−アシル化条件にかけ、それによって、分枝m−PEG 2を組み立てる。当分野の技術者であれば、トシラート脱離基を、任意の適切な脱離基、例えば、ハロゲン、メシラート、トリフレートなどで置き換えることができることを理解するであろう。同様に、アミンをアシル化するために利用される反応性の炭酸エステルを、活性なエステル、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドなどで置き換えることができる。あるいは、酸を、脱水剤(ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾールなど)を使用して、in situ活性化できる。
上で述べた典型的なスキームでは、修飾基は、線状PEG部分であるが、任意の修飾基(例えば、水溶性ポリマー、非水溶性ポリマー、分枝ポリマー、治療的部分など)を、 を介してグリコシル部分に組み込むことができる。
本発明の化合物に使用されるさらなる分枝高分子種は、下に述べる例などの、PEGを用いて官能性をもたせられる分枝中心によって例示される:
Figure 2007528370

式中、R14は、OHまたは別の反応性の官能基である。典型的な反応性の官能基は、C(O)Q’である。ここで、Q’は、C(O)Q’が、反応性の官能基であるように選択される。Q’のための典型的な種には、ハロゲン、NHS、ペンタフルオロフェニル、HOBT、HOAt、およびp−ニトロフェニルが含まれる。指数「e」および指数「f」は、1から2500からそれぞれ独立に選択される整数である。
上で述べた分枝化合物、および本発明の化合物に使用されるさらなる分枝化合物は、以下のような出発材料から容易に調製される:
Figure 2007528370
ポリマーで改変された糖種
本発明のヌクレオチド糖の糖部分は、天然と非天然両方のフラノースおよびヘキサノースから選択できる。非天然の糖類は、任意選択で、アルキル化またはアシル化されたヒドロキシルおよび/またはアミン部分(例えば、エーテル、エステル、および環上のアミド置換基)を含む。他の非天然の糖類は、H、ヒドロキシル、エーテル、エステル、または、こうした置換基が、天然の糖類において、存在しないような環上の位置でのアミド置換基を含む。糖部分は、単糖、オリゴ糖、または多糖類であり得る。
本発明に使用される典型的な天然の糖には、グルコース、ガラクトース、フコース、マンノース、キシラノース、リボース、N−アセチルグルコース、シアル酸、およびN−アセチルガラクトースが含まれる。
同様に、ヌクレオシドは、天然のものと、非天然または通常でないものとの両方のヌクレオシドから選択できる。本発明に使用される典型的な天然のヌクレオシドには、シトシン、チミン、グアニン、アデニン、およびウラシルが含まれる。通常でないヌクレオシドには、これに限定されないが、スポンゴウリジンやスポンゴチミジンのような分子が含まれ得る。この技術は、非天然および通常でないヌクレオシドの構造、ならびにそれらを作製する方法で満載である。
本発明の典型的な改変された糖ヌクレオチドには、GDP−Man、GDP−Fuc、UDP−Gal、UDP−Gal−NH、UDP−GalNAc、UDP−Glc、UDP−Glc−NH、UDP−GlcNAc、UDP−Glc、UDP−GlcUAおよびCMP−シアル酸が含まれる。上で述べた本発明の糖と同様に、本発明の糖ヌクレオチドは、糖類の任意の位置で、高分子修飾部分(またはリンカー修飾部分)で置換できる。例えば、本発明により包含される化合物には、L−R11部分が、フラノースベースのヌクレオチド糖のC−5またはピラノースベースのヌクレオチド糖のC−6に結合されるものが含まれる。
本明細書で開示するコンジュゲートに付着される典型的な部分には、これに限定されないが、PEG誘導体(例えば、アルキル−PEG、アシル−PEG、アシル−アルキル−PEG、アルキル−アシル−PEGカルバモイル−PEG、アリールPEG)、PPG誘導体(例えば、アルキル−PPG、アシル−PPG、アシル−アルキル−PPG、アルキル−アシル−PPGカルバモイル−PPG、アリールPPG)、治療的部分、診断的部分、マンノース−6−リン酸、ヘパリン、ヘパラン、SLe、マンノース、マンノース−6−リン酸、シアリルルイス(Sialyl Lewis)X、FGF、VFGF、タンパク質、コンドロイチン、ケラタン、デルマタン、アルブミン、インテグリン、分岐(antennary)オリゴ糖、ペプチドなどが含まれる。糖類部分に様々な修飾基を結合する方法は、当分野の技術者に容易に利用可能である(「POLY(ETHYLENE GLYCOL CHEMISTRY:BIOTECHNICAL AND BIOMEDICAL APPLICATIONS」、J.ミルトンハリス(J.Milton Harris)編、プレナム出版社(Plenum Pub.Corp.)、1992年;「POLY(ETHYLENE GLYCOL)CHEMICAL AND BIOLOGICAL APPLICATIONS」、J.ミルトンハリス(J.Milton Harris)編、ACSシンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)No.680、米国化学学会(American Chemical Society)、1997年、ハーマンソン(Hermanson)、「BIOCONJUGATE TECHNIQUES」、アカデミックプレス(Academic Press)、サンディエゴ(San Diego)、1996年;および、ダン(Dunn)ら編、「POLYMERIC DRUGS AND DRUG DELIVERY SYSTEMS」、ACSシンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)第469巻、米国化学学会(American Chemical Society)、ワシントン、D.C.(Washington,D.C.)1991年)。
その改変形態では、本発明の典型的な糖ヌクレオチドには、ヌクレオチド一、二、または三リン酸、あるいはUDP−グリコシド、CMP−グリコシド、またはGDP−グリコシドのその類似体が含まれる。さらに好ましくは、改変された糖ヌクレオチドは、UDP−ガラクトース、UDP−ガラクトサミン、UDP−グルコース、UDP−グルコサミン、GDP−マンノース、GDP−フコース、CMP−シアル酸、またはCMP−NeuAcから選択される。糖ヌクレオチドのN−アセチルアミン誘導体もまた、本発明の方法に使用される。
他の実施形態では、改変された糖は、活性化された糖である。本発明に有用である活性化された改変された糖は、一般的に、活性化された脱離基を含むように合成的に変化させたグリコシドである。本明細書では、用語「活性化された脱離基」は、酵素により調節される求核置換反応で容易に置き換えられる部分を指す。多くの活性化された糖が、当技術分野で知られている。例えば、ボカドロ(Vocadlo)ら、「CARBOHYDRATE CHEMISTRY AND BIOLOGY」内、第2巻、エルンスト(Ernst)ら編、ワイリー−VCH フェラーク:ヴァインハイム(Wiley−VCH Verlag:Weinheim)、ドイツ、2000年;コダマ(Kodama)ら、「Tetrahedron Lett.」34:6419(1993年);ロッキード(Lougheed)ら、「J.Biol.Chem.」274:37717(1999年))を参照のこと。
活性化基(脱離基)の例には、フルオロ、クロロ、ブロモ、トシラートエステル、メシラートエステル、トリフレートエステルなどが含まれる。本発明で使用するための好ましい活性化された脱離基は、アクセプターへのグリコシドの酵素的転移を立体配置的に著しく妨げないものである。したがって、活性化されたグリコシド誘導体の好ましい実施形態には、フッ化グリコシルおよびグリコシルメシラートが含まれ、フッ化グリコシルが特に好ましい。フッ化グリコシルの中では、α−フッ化ガラクトシル、α−フッ化マンノシル、α−フッ化グルコシル、α−フッ化フコシル、α−フッ化キシロシル、α−フッ化シアリル、α−N−フッ化アセチルグルコサミニル、α−N−フッ化アセチルガラクトサミニル、β−フッ化ガラクトシル、β−フッ化マンノシル、β−フッ化グルコシル、β−フッ化フコシル、β−フッ化キシロシル、β−フッ化シアリル、β−N−フッ化アセチルグルコサミニル、およびβ−N−フッ化アセチルガラクトサミニルが最も好ましい。
具体例として、フッ化グリコシルは、最初に糖をアセチル化し、その後HF/ピリジンでそれを処理することによって、遊離の糖から調製できる。これは、保護された(アセチル化された)フッ化グリコシル(すなわちα−フッ化グリコシル)の熱力学的に最も安定なアノマーを産生する。より安定性の低いアノマー(すなわちβ−フッ化グリコシル)が所望される場合、これは、HBr/HOAcを用いて、あるいはHCIを用いて、過アセチル化された糖を転換させて、アノマー臭化物または塩化物を産生することによって調製できる。この中間体を、フッ化銀などのフッ化物塩と反応させて、フッ化グリコシルを産生する。アセチル化されたフッ化グリコシルは、メタノールに入れた弱い(触媒性の)塩基(例えばNaOMe/MeOH)との反応によって、脱保護できる。さらに、多くのフッ化グリコシルは、商業的に入手可能である。
他の活性化されたグリコシル誘導体は、当分野の技術者に知られている従来方法を使用して調製できる。例えば、グリコシルメシラートは、完全にベンジル化されたヘミアセタール形の糖を、塩化メシルで処理し、それに続いて、触媒による水素化を行い、ベンジル基を除去することによって調製できる。
さらなる典型的な実施形態では、改変された糖は、分岐構造を有するオリゴ糖である。別の実施形態では、分岐の末端の1つまたは複数は、修飾部分を持つ。分岐構造を有するオリゴ糖に、2つ以上の修飾部分が付着される場合、オリゴ糖は、修飾部分を「増幅する」ために有用であり、ペプチドに結合される各オリゴ糖単位は、ペプチドに修飾基の複数のコピーを付着させる。上の図面に示す通りの本発明の典型的なコンジュゲートの一般的な構造は、分岐構造を利用する本発明のコンジュゲートを調製することになる多価の種を包含する。多くの分岐糖類構造が、当技術分野で知られており、本発明の方法は、それらを用いて制限無しで実施できる。
典型的な実施形態では、活性化された改変された糖は、糖を基質の適切なアクセプター部分に転移する変異型酵素のための基質である。典型的な変異型酵素には、例えば、本発明の譲受人に譲渡されたPCT公開国際公開第03/046150号パンフレットおよび国際公開第03/045980号パンフレットに記述されるものが含まれる。
水溶性ポリマーで改変された糖、活性化された糖、および糖部分が水溶性ポリマー(例えば水溶性ポリマー)で改変されたヌクレオチド糖種が、本発明に使用される。典型的な改変された糖ヌクレオチドは、糖上のアミン部分を介して改変された糖基を持つ。改変された糖ヌクレオチド、例えば糖ヌクレオチドのサッカリル−アミン誘導体もまた、本発明の方法に使用される。例えば、サッカリルアミン(修飾基を含まない)を、ペプチド(または他の種)と酵素的に結合させ、その後、遊離のサッカリルアミン部分を、所望の修飾基に結合させることができる。あるいは、改変された糖ヌクレオチドは、基質(例えば、ペプチド、グリコペプチド、脂質、アグリコン、糖脂質など)上のサッカリルアクセプターに、改変された糖を転移する酵素のための基質として機能できる。
一実施形態では、糖は、以下で述べるものなどの分枝高分子種に結合される。
別の実施形態では、糖部分は、改変されたシアル酸である。シアル酸が糖である場合、シアル酸は、ピルビル(pyruvyl)側鎖上の9−位置で、あるいはシアル酸において通常アセチル化されるアミン部分上の5−位置で修飾基で置換される。
糖類中心がガラクトースまたはグルコースである別の実施形態では、Rは、NHC(O)Yである。
典型的な実施形態では、改変された糖は、6−アミノ−N−アセチル−グリコシル部分がベースである。N−アセチルガラクトサミンについて以下に示すように、6−アミノ−糖部分は、標準の方法によって容易に調製される。
Figure 2007528370
上のスキームでは、指数nは、1から2500、好ましくは10から1500、好ましくは、10から1200の整数を表す。記号「A」は、活性化基、例えば、ハロ、活性化エステルの成分(例えばN−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、炭酸エステルの成分(例えばp−ニトロフェニル炭酸エステル)などを表す。当分野の技術者であれば、他のPEG−アミド・ヌクレオチド糖が、この方法および類似の方法によって、容易に調製されることを理解するであろう。さらに、本明細書で述べる通り、分枝ポリマーは、線状PEGと置き換えることができる。
C−6位置が改変された本発明の別の典型的な重合的に改変されたヌクレオチド糖は、次式を有する:
Figure 2007528370

式中、Xは、結合またはOであり、Jは、SまたはOであり、yは、0または1である。指数eおよびfは、1から2500からそれぞれ独立に選択される。
他の典型的な実施形態では、アミド部分は、ウレタンまたは尿素などの基によって置き換えられる。
後に続く議論では、本発明を実施するのに有用である改変された糖のいくつかの具体例が記述される。典型的な実施形態では、シアル酸誘導体は、それに修飾基が付着される糖中心として利用される。シアル酸誘導体に関する議論の焦点は、具体例の明瞭性のためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。当分野の技術者であれば、様々な他の糖部分を、一例としてシアル酸を用いて記述するのと類似の方式で活性化および誘導体化できることを理解するであろう。例えば、当分野で認識された方法によって容易に改変される、ガラクトース、グルコース、N−アセチルガラクトサミン、およびフコース(数例の糖基質を挙げると)を改変するために、多数の方法を利用可能である。例えば、エルハラビィ(Elhalabi)ら、「Curr.Med.Chem.」6:93(1999年)、およびシェーファー(Schafer)ら、「J.Org.Chem.」65:24(2000年)を参照のこと。
図2では、本発明による一般的なスキームが記述される。したがって、図2に従って、コンジュゲートを形成するために適切な条件下で、N−保護アミノ酸とマンノサミンを接触させることによって、マンノサミンと保護されたアミノ酸との間のアミドコンジュゲートが形成される、保護されたアミノ酸のカルボキシル末端は、in situ活性化される、あるいは、これは、保管に対して安定である反応性の基(例えばN−ヒドロキシ−スクシンイミド)に、任意選択で転換される。アミノ酸は、任意の天然または非天然のアミノ酸から選択できる。当分野の技術者であれば、本発明の方法における望ましくない反応から側鎖アミノ酸を保護する方法を理解するであろう。アミドコンジュゲートを、アミドコンジュゲートをシアル酸アミドコンジュゲートに転換するのに適した条件下で、ピルビン酸およびシアル酸アルドラーゼと反応させ、これを、その後、ヌクレオチドリン酸の前駆体とシアル酸アミドコンジュゲートおよび適切な酵素の反応によって、ヌクレオチドリン酸・シアル酸アミドコンジュゲートに転換させる。典型的な実施形態では、前駆体は、シチジン三リン酸であり、酵素は、シンテターゼである。ヌクレオチド糖の形成の後、アミノ酸アミンを脱保護し、遊離の反応性のアミン・アミンが提供される。アミンは、ヌクレオチド糖に修飾部分を結合させるための場所として働く。図2では、修飾部分は、例えば、水溶性ポリマー、すなわちポリ(エチレングリコール)、例えばPEG、m−PEGなどによって例示される。
本発明を、シアル酸−グリシル−PEG−シチジン一リン酸を調製するためのスキームを記述する図3に、さらに例示する。図2に記述されるスキームと同様に、図3のスキームも、マンノサミンから開始する。糖を、保護されたアミノ酸のN−ヒドロキシスクシンイミド活性化誘導体を用いて、FMOC−グリシンと結合させる。得られたアミドコンジュゲートを、このコンジュゲートおよびピルビン酸に対するシアル酸アルドラーゼの作用によって、相当するシアル酸に転換させる。得られたシアル酸コンジュゲートを、シチジン三リン酸およびシンテターゼを使用して、シチジン一リン酸類似体に転換させる。CMP−類似体を、アミノ酸アミン部分から保護基を除去することによって脱保護し、この部分を、結合のための反応性の場所に転換する。アミン部分を、活性化されたPEG種、m−PEG−O−ニトロフェニルカーボネートと反応させ、それによって、シアル酸−グリシル−PEG−シチジン一リン酸を形成する。
シアル酸ベースの典型的な糖中心は、次式を有する:
Figure 2007528370

式中、Dは、−OHまたは(R11W’−L−である。記号Gは、H、(R11W’−L−、または−C(O)(C〜C)アルキルを表す。R11は、上記の通りである。DおよびGのうちの少なくとも1つは、R11−L−である。
別の実施形態では、本発明は、次の構造を含む糖、活性化された糖、または糖ヌクレオチドを提供する:
Figure 2007528370

式中、Lは、Lに関して上で述べた通り、例えば、結合、置換または非置換アルキル、あるいは置換または非置換ヘテロアルキル基である。指数eは、1から約2500の整数を表す。
別の実施形態では、糖または糖ヌクレオチドは、次の構造を含む:
Figure 2007528370

式中、sは0から20の整数から選択され、eは1から2500である。
分枝ポリマーを用いて官能性をもたせられた選択されたシアル酸ベースのヌクレオチド糖は、次式を有する:
Figure 2007528370

式中、AAは、アミノ酸残基であり、PEGは、ポリ(エチレングリコール)または、メトキシ−ポリ(エチレングリコール)であり、NPは、リン酸ジエステル結合(「ヌクレオチドリン酸」)を介してグリコシル部分に連結されるヌクレオチドである。当分野の技術者であれば、ONPを、本明細書に述べる通りの活性化部分によって置き換えることができることを理解するであろう。
さらなる実施形態では、シアル酸誘導体は、次から選択されるメンバーである構造を有する:
Figure 2007528370

式中、Xは、結合またはOであり、JはSまたはOである。指数a、b、およびcは、0から20からそれぞれ独立に選択され、eおよびfは、1から2500からそれぞれ独立に選択される。
さらに、上記の通り、本発明は、直鎖または分枝である、水溶性ポリマーを用いて改変されるヌクレオチド糖を提供する。例えば、下に示す式を有する化合物は、本発明の範囲内である:
Figure 2007528370

式中、Xは、Oまたは結合であり、Jは、SまたはOである。指数eおよびfは、1から2500からそれぞれ独立に選択される。
また、本発明の組成物を含めた、ペプチドおよびグリコペプチド、脂質および糖脂質のコンジュゲートも提供される。コンジュゲートは、本発明のヌクレオチド糖または活性化された糖、および糖部分のための適切なアクセプター部分をもつ基質、および(改変されたヌクレオチド糖が、アクセプター部分上へヌクレオチド糖からの改変された糖を転移するのに適切な条件下で、これの基質である)酵素を組み合わせることにより形成される。例えば、本発明は、次の式を有するコンジュゲートを提供する:
Figure 2007528370

式中、JおよびXは、上記の通りである。指数a、b、c、e、およびfは、上記の通りである。
本発明の選択される化合物は、マンノース、ガラクトース、およびグルコースの立体化学を有する種がベースである。これらの化合物の一般式は、以下の通りである:
Figure 2007528370

式中、R〜Rのうちの1つは、修飾部分、例えば高分子修飾部分または高分子修飾部分−リンカー構築物である。
上記の通り、本発明のある種の化合物は、高分子で改変された糖ヌクレオチドである。その改変形態では、本発明に使用される典型的な糖ヌクレオチドには、ヌクレオチド一、二、または三リン酸またはその類似体が含まれる。好ましい実施形態では、改変された糖ヌクレオチドは、UDP−グリコシド、CMP−グリコシド、またはGDP−グリコシドから選択される。さらに好ましくは、改変された糖ヌクレオチドは、UDP−ガラクトース、UDP−ガラクトサミン、UDP−グルコース、UDP−グルコサミン、GDP−マンノース、GDP−フコース、CMP−シアル酸、またはCMP−Siaから選択される。典型的な実施形態では、ヌクレオチド一、二、または三リン酸は、C−1に付着される。
糖ヌクレオチドのサッカリル−アミン誘導体もまた、本発明の方法に使用される。例えば、サッカリルアミン(修飾基を含まない)を、ペプチド(または他の種)と酵素的に結合させ、遊離のサッカリルアミン部分を、所望の修飾基に、その後結合させることができる。
本発明の糖ヌクレオチドコンジュゲートは、次式によって、一般的に記載される:
Figure 2007528370

式中、記号は、上記の通りの基を表す。糖中心がマンノースである場合、高分子修飾部分は好ましくはR、R、またはRである。グルコースについては、高分子修飾部分は、任意選択でRまたはRである。指数「u」は、0、1、または2である。
GDPマンノースをベースにする、本発明のさらに典型的なヌクレオチド糖は、次の構造を有する:
Figure 2007528370
さらなる典型的な実施形態では、本発明は、次の構造を有するUDPガラクトースをベースにするコンジュゲートを提供する:
Figure 2007528370
別の典型的な実施形態では、ヌクレオチド糖は、グルコースをベースにし、次式を有する:
Figure 2007528370

各々の3つの前述の式では、ラジカルおよび指数の同一性は、上記の通りである。
当分野の技術者には明らかであるように、線状PEG部分は、本明細書に記述する通りの分枝高分子または他の線状高分子種によって置き換えることができる。
糖類中心がガラクトースまたはグルコースである一実施形態では、Rは、NHC(O)Yである。
非水溶性ポリマー
上で述べたものに類似した別の実施形態では、改変された糖は、水溶性ポリマーではなく、非水溶性ポリマーを含む。非水溶性ポリマーは、水溶性ポリマーと同様に、一般的に少なくとも2つの高分子単位を含む。典型的な一実施形態では、ポリマーは、2から25の高分子単位からなる。別の典型的な実施形態では、ポリマーは、2から8の高分子単位からなる。本発明のコンジュゲートはまた、1種または複数の非水溶性ポリマーを含むこともできる。本発明のこの実施形態は、制御された方式で治療的ペプチドを送達するために用いられる媒体としてのコンジュゲートを使用することによって説明される。高分子薬物送達システムは、当技術分野で知られている。例えば、ダン(Dunn)ら編、「POLYMERIC DRUGS AND DRUG DELIVERY SYSTEMS」、ACS Symposium Series 第469巻、米国化学学会(American Chemical Society)、ワシントン市(Washington,D.C.)1991年を参照のこと。当分野の技術者であれば、実質的に任意の既知の薬物送達システムが、本発明のコンジュゲートに適用可能であることを理解するであろう。
代表的な非水溶性ポリマーには、これに限定されないが、ポリホスファジン(polyphosphazine)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリアクリルアミド、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルハライド、ポリビニルピロリドン、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、プルロニック、およびポリビニルフェノール、ならびにそれらのコポリマーが含まれる。
本発明のコンジュゲートに使用される、合成的に改変される天然のポリマーには、これに限定されないが、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、およびニトロセルロースが含まれる。合成的に改変される天然のポリマーの幅広いクラスの特に好ましいメンバーには、これに限定されないが、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルローストリアセテート、硫酸セルロースナトリウム塩、およびアクリルおよびメタクリル酸エステルとアルギン酸のポリマーが含まれる。
本明細書で述べられるこれらのポリマーおよび他のポリマーは、シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.)(St.Louis、ミズーリ州)、ポリサイエンス(Polysciences)(Warrenton、ペンシルバニア州)、アルドリッチ(Aldrich)(Milwaukee、ウィスコンシン州)、フルカ(Fluka)(Ronkonkoma、ニューヨーク州)、およびバイオラッド(BioRad)(Richmond、カリフォルニア州)などの市販の供給源から容易に得ることができる、あるいは、これらの供給元から得られるモノマーから、標準の技術を使用して合成される。
本発明のコンジュゲートに使用される代表的な生分解性ポリマーには、これに限定されないが、ポリ乳酸、ポリグリコリドおよびそのコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、これらのブレンドおよびコポリマーが含まれる。特に有用なものは、コラーゲン、プルロニックなどを含めたものなど、ゲルを形成する組成物である。
本発明に使用されるポリマーには、その構造の少なくとも一部の中に生体再吸収性分子を有する非水溶性材料を含む「ハイブリッド」ポリマーが含まれる。こうしたポリマーの例は、ポリマー鎖ごとに、生体再吸収性領域、親水性領域、および複数の架橋性の官能基を有する、非水溶性コポリマーを含むものである。
本発明の目的を達成するために、「非水溶性材料」は、水または含水環境に実質的に不溶性である材料を含む。したがって、コポリマーのある種の領域またはセグメントが、親水性または水溶性であったとしても、ポリマー分子は、全体としては、いずれの実質的な測定に対しても「水に溶解しない」。
本発明の目的では、用語「生体再吸収性分子」は、体によって、通常の排泄経路を介して、代謝または分解および排除および/または再吸収されることが可能な領域を含む。こうした代謝産物または分解された産物は、体に対して好ましくは実質的に非毒性である。
コポリマー組成物が全体として水溶性にならない限り、生体再吸収性領域は、疎水性でも親水性でもよい。したがって、生体再吸収性領域は、ポリマーが、全体として、非水溶性のままであるという優先度に基づいて選択される。したがって、相対的な特性、すなわち、含有される官能基の種類、および生体再吸収性領域の相対的な割合、および親水性領域は、有用な生体再吸収性組成物が、確実に非水溶性のままであるように選択される。
典型的な再吸収可能なポリマーには、例えば、ポリ(α−ヒドロキシ−カルボン酸)/ポリ(オキシアルキレン)の、合成的に生成された再吸収可能なブロックコポリマーが含まれる(コーン(Cohn)ら、米国特許第4,826,945号明細書を参照のこと)。これらのコポリマーは、架橋されず、かつ水溶性であり、その結果、体が、分解されたブロックコポリマー組成物を排出できる。ユネス(Younes)ら、「J Biomed.Mater.Res.」21:1301〜1316(1987年);およびコーン(Cohn)ら、「J Biomed.Mater.Res.」22:993〜1009(1988年)を参照のこと。
目下のところ好ましい生体再吸収性ポリマーには、ポリ(エステル)、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクトン)、ポリ(アミド)、ポリ(エステル−アミド)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(カーボネート)、ポリ(ホスファジン)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(チオエステル)、ポリサッカリド、およびこれらの混合物から選択される1つまたは複数の成分が含まれる。好ましくは、生体再吸収性ポリマーには、ポリ(ヒドロキシ)酸成分が含まれる。ポリ(ヒドロキシ)酸の中では、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロン酸、ポリ酪酸、ポリ吉草酸、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物が好ましい。
in vivoで吸収される(「生体再吸収される(bioresorbed)」)フラグメントを形成することに加えて、本発明の方法で使用するための好ましい高分子コーティングはまた、排出可能かつ/または代謝性のフラグメントを形成できる。
より高い程度のコポリマーもまた、本発明に使用できる。例えば、1984年3月20日に発行された、ケーシー(Casey)ら、米国特許第4,438,253号明細書は、ポリ(グリコール酸)とヒドロキシル末端のポリ(アルキレングリコール)のエステル転移反応から産生されるトリ−ブロックコポリマーを開示している。こうした組成物は、再吸収可能なモノフィラメント縫合糸として使用するために開示されている。こうした組成物の柔軟性は、芳香族オルト炭酸エステル(テトラ−p−トリルオルト炭酸エステルなど)の、コポリマー構造への組み込みによって制御される。
乳酸および/またはグリコール酸を主成分とした他のポリマーも利用できる。例えば、1993年4月13日に発行された、スピヌ(Spinu)、米国特許第5,202,413号明細書は、オリゴマーのジオールまたはジアミン残基のいずれかへのラクチドおよび/またはグリコリドの開環重合、それに続く二官能性化合物(例えばジイソシアネート、ジアシルクロライド(diacylchloride)、またはジクロロシラン)を用いる鎖延長により産生される、ポリ乳酸および/またはポリグリコリドの連続的に順序づけられたブロックを有する、生体分解性のマルチ−ブロックコポリマーを開示している。
本発明に有用なコーティングの生体再吸収性領域は、加水分解的かつ/または酵素的に切断可能であるように設計できる。本発明の目的では、「加水分解的に切断可能」は、コポリマー、特に生体再吸収性領域が、水または含水の環境における加水分解に対して感受性であることを指す。同様に、本明細書では、「酵素的に切断可能」は、コポリマー、特に生体再吸収性領域が、内在性または外因性の酵素による切断に対して感受性であることを指す。
体内に配置される場合、親水性領域は排出可能かつ/または代謝性のフラグメントに加工される可能性がある。したがって、親水性領域には、例えば、ポリエーテル、ポリアルキレンオキシド、ポリオール、ポリ(ビニルピロリジン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アルキルオキサゾリン)、ポリサッカリド、炭水化物、ペプチド、タンパク質、ならびにそれらのコポリマーおよび混合物が含まれ得る。さらに、親水性領域はまた、例えば、ポリ(アルキレン)オキシドであり得る。こうしたポリ(アルキレン)オキシドには、例えば、ポリ(エチレン)オキシド、ポリ(プロピレン)オキシド、ならびにそれらの混合物およびコポリマーが含まれ得る。
ヒドロゲルの成分であるポリマーも、本発明に有用である。ヒドロゲルは、比較的大量の水を吸収できるポリマー材料である。ヒドロゲルを形成する化合物の例には、これに限定されないが、ポリアクリル酸、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリジン、ゼラチン、カラゲナンおよび他の多糖類、ヒドロキシエチレンメタクリル酸(HEMA)、ならびにそれらの誘導体などが含まれる。安定な、生体分解性の、生体再吸収性のヒドロゲルを生成できる。さらに、ヒドロゲル組成物は、1種または複数のこうした特性を示すサブユニットを含むことができる。
その完全性を、架橋を介して制御することが可能な、生体適合性のヒドロゲル組成物が知られており、これは、本発明の方法で使用するために、目下のところ好ましい。例えば、ハッベル(Hubbell)ら、1995年4月25日に発行された米国特許第5,410,016号明細書、1996年6月25日に発行された同第5,529,914号明細書は、2つの加水分解的に変化しやすい伸張部に挟まれた、水溶性の中心ブロックセグメントを有する架橋されたブロックコポリマーである水溶性のシステムを開示している。こうしたコポリマーは、さらに、光重合性のアクリル酸官能基を用いて末端を覆われる。架橋される場合、これらのシステムはヒドロゲルになる。こうしたコポリマーの水溶性の中心ブロックには、ポリ(エチレングリコール)が含まれ得るが、加水分解的に変化しやすい伸張部は、ポリ(α−ヒドロキシ酸)(ポリグリコール酸またはポリ乳酸など)であり得る。ソーニー(Sawhney)ら、「Macromolecules」26:581〜587(1993年)を参照のこと。
別の実施形態では、ゲルは、熱可逆的なゲルである。プルロニック、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロン(hyalouronic)酸、多糖類、ポリウレタンヒドロゲル、ポリウレタン−尿素ヒドロゲル、およびそれらの組み合わせなどの成分を含む熱可逆的なゲルが、目下のところ好ましい。
さらに別の典型的な実施形態では、本発明のコンジュゲートは、リポソームの成分を含む。リポソームは、周知の方法に従って、例えば、1985年6月11日に発行された、エップシュタイン(Eppstein)ら、米国特許第4,522,811号明細書に記載されている通りに調製できる。例えば、リポソーム調合物は、1種または複数の適切な脂質(ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイル(arachadoyl)ホスファチジルコリン、およびコレステロールなど)を、無機溶媒に溶解し、次いでこれを蒸発させ、容器の表面上に乾燥した脂質の薄膜を残すことによって調製できる。活性な化合物またはその薬学的に許容される塩の水溶液を、その後、その容器に導入する。その後、この容器を手で回し、脂質材料を容器の側面から剥がし、脂質凝集物を分散させ、それによってリポソームの懸濁液を形成させる。
前述の微粒子、およびこうした微粒子を調製する方法は、実施例として提供されるが、これは、本発明に使用される微粒子の範囲を定義するためのものではない。異なる方法によって作られる一連の微粒子が、本発明に有用であることは、当分野の技術者には明らかであろう。
水溶性ポリマー(直鎖と分枝の両方)において、上で述べた構造的な形式は、通常、非水溶性ポリマーに関しても同様に適用可能である。したがって、例えば、システイン、セリン、ジリジン、およびトリリジン分岐中心は、2つの非水溶性ポリマー部分を用いて官能性をもたせることができる。こうした種を生成するために使用される方法は、通常、水溶性ポリマーを生成するために使用される方法と密接に類似している。
治療的なグリコペプチドのin vivoでの半減期はまた、ポリエチレングリコール(PEG)などのPEG部分を用いて増進することができる。例えば、PEGを用いるタンパク質の化学的な改変(PEG化)は、その分子サイズを増大し、その表面−および官能基−接触性(これらはそれぞれ、タンパク質に付着されるPEGのサイズに依存する)を減少させる。これは、血漿半減期およびタンパク分解−安定性の改善、ならびに免疫原性および肝臓取り込みの減少という結果になる(チャフィー(Chaffee)ら「J.Clin.Invest.」89:1643〜1651(1992年);フィアターク(Pyatak)ら「Res.Commun.Chem.Pathol Pharmacol.」29:113〜127(1980年))。インターロイキン2のPEG化は、in vivoでのその抗腫瘍効力を増大することが報告されており(ケーター(Katre)ら「Proc.Natl.Acad.Sci.USA.」84:1487〜1491(1987年))、モノクローナル抗体A7から得られるF(ab’)2のPEG化は、その腫瘍局在化を向上させている(キタムラ(Kitamura)ら「Biochem.Biophys.Res.Commun.」28:1387〜1394(1990年))。したがって、別の実施形態では、本発明の方法によってPEG部分を用いて誘導体化されるペプチドのin vivoでの半減期は、誘導体化されていないペプチドのin vivoでの半減期に対して増大される。
ペプチドのin vivoでの半減期の増加は、この量の増加の割合として最も良く表される。増加率の範囲の下端は、約40%、約60%、約80%、約100%、約150%、または約200%である。この範囲の上端は、約60%、約80%、約100%、約150%、または約250%超である。
改変された糖の調製
一般に、糖部分と修飾基基は、反応性の基を用いることにより共に連結され、これは、連結プロセスによって、新規の有機官能基または非反応性の種に一般的に変換される。糖反応性の官能基は、糖部分上のいずれの位置にも位置される。本発明を実施するのに有用な反応の反応性の基およびクラスは、通常、生体コンジュゲート(bioconjugate)化学の分野でよく知られているものである。反応性の糖部分と共に利用可能な、現在好都合なクラスの反応は、比較的穏やかな条件下で進行するものである。これには、これに限定されるものではないが、求核置換(例えば、ハロゲン化アシル、活性なエステルを用いるアミンおよびアルコールの反応)、求電子置換(例えばエナミン反応)、および炭素−炭素および炭素−ヘテロ原子多重結合への付加(例えばマイケル反応(Michael reaction)、ディールス−アルダー付加(Diels−Alder addition)が含まれる。これらの反応および他の有用な反応は、例えば、マーチ(March)、「ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY」、第3版、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,New York)、ニューヨーク(New York)、1985年;ハーマンソン(Hermanson)、「BIOCONJUGATE TECHNIQUES」、アカデミックプレス(Academic Press)、サンディエゴ(San Diego)、1996年;およびフィーニー(Feeney)ら、「MODIFICATION OF PROTEINS」、Advances in Chemistry Series、第198巻、米国化学学会(American Chemical Society)、ワシントン市(Washington,D.C.)、1982年に述べられている。
糖の中心、リンカー前駆体、または高分子修飾部分前駆体からぶら下がる有用な反応性の官能基には、これに限定されないが、以下が含まれる:
(a)これに限定されないが、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシベンズトリアゾールエステル、酸ハライド、アシルイミダゾール、チオエステル、p−ニトロフェニルエステル、アルキル、アルケニル、アルキニル、および芳香族エステルを含めて、カルボキシル基およびその様々な誘導体;
(b)例えば、エステル、エーテル、アルデヒドなどに転換させることが可能な水酸基;
(c)ハロアルキル基。ただし、ハライドは、例えば、アミン、カルボン酸アニオン、チオールアニオン、カルバニオン、またはアルコキシドイオンなどの求核基で後に置き換えることが可能であり、それによって、ハロゲン原子の官能基での新規の基の共有結合という結果になる;
(d)ディールス−アルダー(Diels−Alder)反応に関与する可能性があるジエノフィル基(例えばマレイミド基など);
(e)アルデヒドまたはケトン基。ただし、その後の誘導体化が、例えば、イミン、ヒドラゾン、セミカルバゾン、またはオキシムなどのカルボニル誘導体の形成を介する、あるいはグリニャール(Grignard)付加またはアルキルリチウム付加としてのこうした機構を介することが可能であるようなもの;
(f)例えば、スルフォンアミドを形成するための、アミンを用いるその後の反応のためのスルホニルハライド基;
(g)例えば、ジスルフィドに転換させる、あるいはハロゲン化アシルと反応させることが可能なチオール基;
(h)アシル化、アルキル化、または酸化させることが可能なアミンまたはスルフヒドリル基;
(i)例えば、付加環化、アシル化、マイケル付加(Michael addition)などを受けることが可能なアルケン;および
(j)例えば、アミンおよびヒドロキシル化合物と反応させることが可能なエポキシド。
反応性の官能基は、これらが、反応性の糖中心または修飾基を組み立てるのに必要な反応に関与しない、あるいは、こうした反応を妨げないように選択できる。あるいは、反応性の官能基は、保護基の存在によって、反応への関与から防護できる。当分野の技術者であれば、選択される一連の反応条件を妨げないように、特定の官能基を保護する方法を理解するであろう。有用な保護基の例については、例えば、グリーン(Greene)ら、「PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons)、ニューヨーク(New York)、1991年を参照のこと。
後に続く議論では、本発明を実施するのに有用である改変された糖のいくつかの具体例が記述される。典型的な実施形態では、シアル酸誘導体は、それに修飾基が付着される糖中心として利用される。シアル酸誘導体に関する議論の焦点は、具体例の明瞭性のためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。当分野の技術者であれば、様々な他の糖部分を、一例としてシアル酸を用いて記述するのと類似の方式で活性化および誘導体化できることを理解するであろう。例えば、当分野で認識された方法によって容易に改変される、ガラクトース、グルコース、N−アセチルガラクトサミン、およびフコース(数例の糖基質を挙げると)を改変するために、多数の方法が利用可能である。例えば、エルハラビィ(Elhalabi)ら「Curr.Med.Chem.」6:93(1999年);およびシェーファー(Schafer)ら、「J.Org.Chem.」65:24(2000年)を参照のこと
下のスキーム1では、アミノグリコシド1は、保護されたアミノ酸(例えばグリシン)誘導体の活性なエステルを用いて処理され、糖アミン残基を、相当する保護されたアミノ酸アミド付加物に転換する。この付加物をアルドラーゼで処理して、α−ヒドロキシカルボン酸エステル2を形成する。化合物2は、CMP−SAシンテターゼの作用によって、相当するCMP誘導体に転換され、CMP誘導体の、触媒による水素化がそれに続き、化合物3が生成される。グリシン付加物の形成を介して導入されるアミンを、PEGまたはPPG付着の位置として利用し、活性化された(m−)PEGまたは(m−)PPG誘導体(例えばPEG−C(O)NHS、PPG−C(O)NHS)と化合物3を反応させることによって、それぞれ、4または5を生成させる。
Figure 2007528370
当分野の技術者であれば理解するであろう通り、高分子修飾部分はまた、本明細書で述べたものなどの分枝部分であってもよい。
本発明の重合的に改変された分枝の糖を調製するための典型的なスキームを、下に提供する:
Figure 2007528370
本発明の重合的に改変された糖を調製するための別の典型的なスキームを、以下に述べる:
Figure 2007528370
表1は、高分子修飾部分(例えば、分枝または直鎖PEGまたはPPG部分)を用いて誘導体化される糖一リン酸の代表例を記述する。表1のある種の化合物は、スキーム1の方法により調製される。他の誘導体は、当分野で認識された方法により調製される。例えば、ケップラー(Keppler)ら、「Glycobiology」11:11R(2001年);およびチャータ(Charter)ら、「Glycobiology」10:1049(2000年)を参照のこと。他のアミン反応性の重合的修飾部分前駆体および成分、例えば、PEGおよびPPG類似体は、商業的に入手可能である、あるいは、これらは、当分野の技術者に容易に利用可能な方法によって、調製できる。
Figure 2007528370

式中、Rは、高分子(分枝または直鎖)修飾部分である。
本発明を実施するのに使用される改変された糖リン酸は、上で述べた位置だけでなく、他の位置でも置換できる。シアル酸の目下のところ好ましい置換は、下の式に記述される:
Figure 2007528370

式中、X、Y、Y、Y、およびZのうちの1つまたは複数は、好ましくは−O−、−N(H)−、−S、CH−、およびN(R)から選択される連結基である。X、Y、Y、Y、およびZが連結基である場合、これは、R、R、R、R、およびRによって表される通りに、高分子修飾部分に付着される。あるいは、これらの記号は、分枝−または直鎖−水溶性または非水溶性ポリマー、治療的部分、生体分子、または他の部分に結合されるリンカーを表す。R、R、R、R、またはRが、高分子修飾部分でない場合、X、Y、Y、Y、またはZRの組み合わせは、H、OH、またはNC(O)CHである。
また、改変された糖部分をアクセプター上に転移する酵素(例えば、グリコシルトランスフェラーゼ)のための適切な基質である活性化されたシアル酸−高分子修飾基コンジュゲートを産生するのための合成の方法も提供される。この方法には、以下のステップが含まれる:(a)活性化されたN−保護アミノ酸(あるいは、高分子修飾部分、リンカー前駆体、またはリンカー−高分子修飾部分カセットを用いて官能性をもたせたアミノ酸)とマンノサミンを、マンノサミンとN−保護アミノ酸との間のアミドコンジュゲートを形成するのに適した条件下で接触させるステップ;(b)アミドコンジュゲートを、アミドコンジュゲートをシアル酸アミドコンジュゲートに転換するのに適した条件下で、ピルビン酸およびシアル酸アルドラーゼと接触させるステップ;(c)シアル酸アミドコンジュゲートを、シチジン一リン酸シアル酸アミドコンジュゲートを形成するのに適した条件下で、シチジン三リン酸およびシンテターゼと接触させるステップ;(d)シチジン一リン酸シアル酸アミドコンジュゲートからN−保護基を除去し、それによって、遊離アミンを産生させるステップ;および(e)遊離アミンを活性化されたPEG(直鎖または分枝である)と接触させ、それによって、シチジン一リン酸シアル酸−ポリ(エチレングリコール)を形成するステップ。
架橋基
本発明の方法で使用するための改変された糖の調製には、糖残基への修飾基の付着、および、グリコシルトランスフェラーゼのための基質である安定な付加物の形成が含まれる。糖と修飾基は、ゼロ(zero−)またはより高い程度の(higher−order)架橋剤によって結びつけることができる。炭水化物部分に修飾基を付着するために使用できる典型的な二官能性化合物には、これに限定されないが、二官能性ポリ(エチレングリコール)、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルなどが含まれる。他の分子に炭水化物を連結するための一般的な手法は、文献中で知られている。例えば、リー(Lee)ら、「Biochemistry」28:1856(1989年);バティア(Bhatia)ら、「Anal.Biochem.」178:408(1989年);ヤンダ(Janda)ら、「J.Am.Chem.Soc.」112:8886(1990年);およびベドナルスキー(Bednarski)ら、国際公開第92/18135号パンフレットを参照のこと。後に続く議論では、反応性の基は、新生の改変された糖の糖部分上で害のないもの(benign)として扱われる。議論の焦点は、具体例を明確にするためのものである。当分野の技術者であれば、この議論が、修飾基上の反応性の基にも同様に関連することを理解するであろう。
典型的な戦略は、ヘテロ二官能性架橋剤SPDP(n−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸を用い、保護されたスルフヒドリルを糖に組み込み、その後、修飾基上の別のスルフヒドリルを用いてジスルフィド結合の形成のためにスルフヒドリルを脱保護することを含む。
分子内の化学的な架橋を用いて、改変された糖の成分を改変するために、様々な試薬が使用される(架橋試薬および架橋手順の総説のために、以下を参照のこと:ウォルド,F.(Wold,F.)、「Meth.Enzymol.」25:623〜651、1972年;ウィータル,H.H.(Weetall,H.H.)およびクーニー,D.A.(Cooney,D.A.)「ENZYMES AS DRUGS.」内:(ホルセンベルク(Holcenberg)およびロバーツ(Roberts)編)395〜442ページ、ワイリー(Wiley)、ニューヨーク(New York)、1981年;ジ,T.H.(Ji,T.H.)、「Meth.Enzymol.」91:580〜609、1983年;マッソン(Mattson)ら、「Mol.Biol.Rep.」17:167〜183、1993年(これらをすべて、参照により本明細書に援用する))。好ましい架橋試薬は、様々な、ゼロレングス(zero−length)、ホモ二官能性、およびヘテロ二官能性架橋試薬から得られる。ゼロレングス架橋試薬は、外部材料の導入を伴わない、2つの内因性の化学的な基の直接的結合を含む。
改変された糖のペプチドへの結合
改変された糖は、結合を仲介するための適切な酵素を使用して、グリコシル化または非グリコシル化ペプチドに結合される。したがって、本発明の化合物、特にヌクレオチド糖は、好ましくは、ヌクレオチド糖からアミノ酸、グリコシル、またはアグリコンアクセプター部分に糖部分を転移する酵素のための基質である。アクセプター、例えばガラクトシルアクセプター(例えば、GalNAc、Galβ1,4GlcNAc、Galβ1,4GalNAc、Galβ1,3GalNAc、ラクト−N−テトラオース、Galβ1,3GlcNAc、Galβ1,3Ara、Galβl,6GlcNAc、Galβ1,4Glc(ラクトース)など)、および当分野の技術者に知られている他のアクセプターのための糖供与体として働くヌクレオチド糖(ポールソン(Paulson)ら、「J.Biol.Chem.」253:5617〜5624(1978年)を参照のこと)。
本発明の改変されたヌクレオチド糖が基質である典型的な酵素には、グリコシルトランスフェラーゼが含まれる。グリコシルトランスフェラーゼは、クローン化する、あるいはいずれの供給源からも単離できる。そのポリヌクレオチド配列であるものとして、多くのクローン化されたグリコシルトランスフェラーゼが知られている。例えば、「The WWW Guide To Cloned Glycosyltransferases」(http://www.vei.co.uk/TGN/gt_guide.htm)を参照のこと。グリコシルトランスフェラーゼアミノ酸配列、およびグリコシルトランスフェラーゼをコードするヌクレオチド配列(そこからアミノ酸配列を推測できる)はまた、GenBank、Swiss−Prot、EMBL他を含めて、様々な公的に利用可能なデータベースで見られる。
本発明の化合物が基質であるグリコシルトランスフェラーゼには、これに限定されないが、ガラクトシルトランスフェラーゼ、フコシルトランスフェラーゼ、グルコシルトランスフェラーゼ、N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、グルクロニルトランスフェラーゼ、シアリルトランスフェラーゼ、マンノシルトランスフェラーゼ、グルクロン酸トランスフェラーゼ、ガラクツロン酸トランスフェラーゼ、およびオリゴサッカリルトランスフェラーゼが含まれる。適切なグリコシルトランスフェラーゼには、真核生物、ならびに原核生物から得られるものが含まれる。
ある実施形態では、本発明の化合物は、フコシルトランフエェラーゼのための基質である。フコシルトランフエェラーゼは、当分野の技術者に一般に知られており、L−フコースを、GDP−フコースから、アクセプター糖のヒドロキシ位置に転移する酵素により例示される。
別の群の実施形態では、化合物は、ガラクトシルトランスフェラーゼのための基質である。典型的なガラクトシルトランスフェラーゼには、α(1,3)ガラクトシルトランスフェラーゼ(E.C.番号2.4.1.151、例えば、ダブコフスキー(Dabkowski)ら、「Transplant Proc.」25:2921(1993年)およびヤマモト(Yamamoto)ら「Nature」345:229〜233(1990年)を参照のこと)、ウシ(GenBank j04989、ジョジアッセ(Joziasse)ら、「J.Biol.Chem.」264:14290〜14297(1989年)、ネズミ(GenBank m26925;ラーセン(Larsen)ら、「Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA」86:8227〜8231(1989年)、ブタ(GenBank L36152、ストラハン(Strahan)ら、「Immunogenetics」41:101〜105(1995年)が含まれる。別の適切なα1,3ガラクトシルトランスフェラーゼは、血液型B抗原の合成に関与するものである(EC 2.4.1.37、ヤマモト(Yamamoto)ら、「J.Biol.Chem.」265:1146〜1151、1990年、(ヒト))。さらに典型的なガラクトシルトランスフェラーゼは、コア(core)Gal−T1である。さらなる例には、β(1,4)ガラクトシルトランスフェラーゼが含まれ、これには、例えば、EC 2.4.1.90(LacNAcシンテターゼ)およびEC 2.4.1.22(ラクトースシンテターゼ)(ウシ(ディアゴスターロ(D’Agostaro)ら、「Eur.J.Biochem.」183:211〜217(1989年)、ヒト(マスリ(Masri)ら、Biochem.Biophys.Res.Commun.157:657〜663、1988年、ネズミ(ナカザワ(Nakazawa)ら、「J.Biochem.」104:165〜168(1988年)、ならびにE.C.2.4.1.38、およびセラミドガラクトシルトランスフェラーゼ(EC 2.4.1.45、シュタール(Stahl)ら、「J.Neurosci.Res.」38:234〜242(1994年)が含まれる。他の適切なガラクトシルトランスフェラーゼには、例えば、α1,2ガラクトシルトランスフェラーゼ(例えば、シゾサッカロミセスポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来、チャペル(Chapell)ら、「Mol.Biol.Cell」5:519〜528(1994年)が含まれる。また、チョー(Cho)ら、「J.Biol.Chem.」、272:13622〜13628(1997年)によって報告されているものなどの可溶性の形のα1,3−ガラクトシルトランスフェラーゼも、本発明の実施に適している。
a)シアリルトランスフェラーゼ
シアリルトランスフェラーゼは、本発明の化合物が基質である、別のタイプのグリコシルトランスフェラーゼである。その例には、ST3Gal III(例えばラットまたはヒトST3Gal III)、ST3Gal IV、ST3Gal I、ST6Gal I、ST3Gal V、ST6Gal II、ST6GalNAc I、ST6GalNAc II、およびST6GalNAc IIIが含まれる(本明細書で使用されるシアリルトランスフェラーゼの命名法は、ツジ(Tsuji)ら、「Glycobiology」6:v−xiv(1996年)で説明される通りである)。α(2,3)シアリルトランスフェラーゼ(EC 2.4.99.6)と呼ばれる典型的なα(2,3)シアリルトランスフェラーゼは、Galβ1→3Glc二糖類またはグリコシドの非還元末端Galにシアル酸を転移する。ファンデンアイジンデン(Van den Eijnden)ら、「J.Biol.Chem.」256:3159(1981年)、ウェインスタイン(Weinstein)ら、「J.Biol.Chem.」257:13845(1982年)、およびウェン(Wen)ら、「J.Biol.Chem.」267:21011(1992年)を参照のこと。別の典型的なα2,3−シアリルトランスフェラーゼ(EC 2.4.99.4)は、二糖類またはグリコシドの非還元末端Galにシアル酸を転移する。リアリック(Rearick)ら、「J.Biol.Chem.」254:4444(1979年)、およびギレスピー(Gillespie)ら、「J.Biol.Chem.」267:21004(1992年)を参照のこと。さらに典型的な酵素としては、Gal−β−1,4−GlcNAc α−2,6シアリルトランスフェラーゼが含まれる(クロサワ(Kurosawa)ら、「Eur.J.Biochem.」219:375〜381(1994年)を参照のこと)。本発明の化合物が基質である他のシアリルトランスフェラーゼには、ポリシアル酸を形成するものが含まれる。その例には、α−2,8−ポリシアリルトランスフェラーゼ、例えば、ST8SiaI、ST8SiaII、ST8SiaIII、ST8SiaIV、およびST8SiaVが含まれる。例えば、アンガタ(Angata)ら「J.Biol.Chem.」275:18594〜18601(2000年);コウノ(Kono)ら、「J.Biol.Chem.」271:29366〜29371(1996年);グライナー(Greiner)ら、「Infect.Immun.」72:4249〜4260(2004年);およびジョーンズ(Jones)ら、「J.Biol.Chem.」277:14598〜14611 (2002年)を参照のこと。
主張する方法に有用であるシアリルトランスフェラーゼの例は、ST3Gal IIIであり、これは、α(2,3)シアリルトランスフェラーゼ(EC 2.4.99.6)とも呼ばれる。この酵素は、Galβ1,3GlcNAcまたはGalβ1,4GlcNAcグリコシドのGalへのシアル酸の転移を触媒する(例えば、ウェン(Wen)ら、「J.Biol.Chem.」267:21011(1992年);ファンデンアイジンデン(Van den Eijnden)ら、「J.Biol.Chem.」256:3159(1991年)を参照のこと)。さらなるシアリルトランスフェラーゼには、α(2,3)を含めて、カンピロバクタージェジュニ(Campylobacter jejuni)から単離されるものが含まれる。例えば、国際公開第99/49051号パンフレットを参照のこと。
好ましくは、本発明の化合物は、配列Galβ1,4GlcNAc−、すなわち、完全にシアル酸付加された炭水化物構造上の末端シアル酸の基礎をなしている最も一般的な最後から2番目の配列に改変されたシアル酸を転移する酵素のための基質である。
b) GalNAcトランスフェラーゼ
本発明の選択された化合物は、N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼのための基質である。典型的なN−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼには、これに限定されないが、α(1,3)N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、β(1,4)N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ(ナガタ(Nagata)ら、「J.Biol.Chem」267:12082〜12089(1992年)、およびスミス(Smith)ら、「J.Biol Chem.」269:15162(1994年)、およびポリペプチドN−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ(ホウマ(Homa)ら、「J.Biol.Chem.」268:12609(1993年)が含まれる。
c)グリコシダーゼ
本発明はまた、野生型および変異型グリコシダーゼ用の基質の使用を包含する。変異型β−ガラクトシダーゼ酵素は、ガラクトシルアクセプター分子へのα−フッ化糖の結合を介して、二糖類の形成を触媒することが実証されている(ウィザーズ(Withers)、米国特許第6,284,494号明細書、2001年9月4日に発行)。本発明に使用される他のグリコシダーゼには、例えば、β−グルコシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−マンノシダーゼ、β−アセチルグルコサミニダーゼ、β−N−アセチルガラクトサミニダーゼ、β−キシロシダーゼ、β−フコシダーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、ガラクタナーゼ、マンナナーゼ、ヘミセルラーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、α−ガラクトシダーゼ、α−マンノシダーゼ、α−N−アセチルグルコサミニダーゼ、α−N−アセチルガラクトース−アミニダーゼ、α−キシロシダーゼ、α−フコシダーゼ、およびノイラミニダーゼ/シアリダーゼ、エンドグリコセラミダーゼが含まれる。
以下の実施例は、本発明の選択された実施形態を説明するために提供されるものであり、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
UDP−GalNAc−6’−CHOの調製
UDP−GalNAc(200mg、0.30mmole)を、1mM CuS0溶液(20mL)および25mM NaHPO溶液(pH 6.0、20mL)に溶解した。その後、ガラクトースオキシダーゼ(240U、240μL)、およびカタラーゼ(13000U、130μL)を加え、風船を備える反応システムを、酸素で充填して、7日間室温で撹拌した。反応混合物を、その後、濾過し(スピンカートリッジ、MWCO 5K)、濾液(約40mL)は、必要とされるまで4℃で保管した。TLC(シリカ、EtOH/水(7/2)、R=0.77、アニスアルデヒド染料を用いて視覚化)。
実施例2
UDP−GalNAc−6’−NHの調製:
酢酸アンモニウム(15mg、0.194mmole)およびNaBHCN(1M THF溶液、0.17mL、0.17mmole)溶液を、0℃の上からのUDP−GalNAc−6’−CHO(2mLまたは約20mg)に加え、終夜室温まで暖めた。反応物を、水および収集された産物と共にG−10カラムを介して濾過した。適切な画分を凍結乾燥し、凍結して保管した。TLC(シリカ、エタノール/水(7/2)、R=0.72、ニンヒドリン試薬を用いて視覚化)。
実施例3
UDP−GalNAc−6−NHCO(CH−O−PEG−OMe(1KDa)の調製。
ガラクトサミニル−1−リン酸塩−2−NHCO(CH−O−PEG−OMe(1KDa)(58mg、0.045mmole)を、DMF(6mL)およびピリジン(1.2mL)に溶解した。その後、UMP−モルホリデート(morpholidate)(60mg、0.15mmole)を加え、得られた混合物を48時間70℃で撹拌した。溶媒を、反応混合物を通して窒素を泡立たせることによって、除去し、残留物を、逆相クロマトグラフィーによって、精製した(C−18シリカ、10から80%の間のステップ勾配、メタノール/水)。所望の画分を収集し、減圧で乾燥させて、白色固体を生じた。TLC(シリカ、プロパノール/HO/NHOH、(30/20/2)、R=0.54)。MS(MALDI):観察された、1485、1529、1618、1706。
実施例4
システイン−PEG(2)の調製
Figure 2007528370
4.1 化合物1の合成
水酸化カリウム(84.2mg、1.5mmol、粉末として)を、アルゴン下で、L−システイン(93.7mg、0.75mmol)の無水メタノール(20L)溶液に加えた。この混合物を、30分間室温で撹拌し、その後、分子量20キロダルトンのmPEG−O−トシラート(Ts、1.0g、0.05mmol)を、2時間かけて、数回に分けて加えた。この混合物を、5日間室温で撹拌し、回転蒸発によって濃縮した。残留物を、水(30mL)で希釈し、2時間室温で撹拌し、いくらかの過剰な20キロダルトン mPEG−O−トシラートを破壊した。その後、溶液を酢酸を用いて中和し、pHを、pH 5.0に調整して、逆相クロマトグラフィー(C−18シリカ)カラム上に装填した。カラムを、メタノール/水の勾配を用いて溶出させ(産物は、約70%メタノールで溶出する)、産物溶出を、蒸発光散乱によってモニタリングし、適切な画分を収集し、水(500mL)で希釈した。この溶液を、色層分析し(イオン交換、XK 50 Q、ビッグビーズ(BIG Beads)、300ml、水酸化物形、水から水/酢酸−0.75Nの勾配)、適切な画分のpHを、酢酸を用いて6.0に下げた。この溶液を、その後逆相カラム(C−18シリカ)上に捕獲し、上で述べた通りのメタノール/水の勾配で溶出した。産物分画をプールし、濃縮し、水に再溶解し、凍結乾燥させて、白色の固体(1)を与えた。化合物についての構造的なデータは、以下の通りであった:H−NMR(500 MHz、DO)δ2.83(t,2H,O−C−CH−S),3.05(q,1H,S−CHH−CHN),3.18(q,1H,(q,1H,S−CHH−CHN),3.38(s,3H,CHO),3.7(t,OCHCHO),3.95(q,1H,CHN)。産物の純度を、SDS PAGEによって確認した。
4.2 化合物2(システイン−PEG)の合成
トリエチルアミン(約0.5mL)を、溶液が塩基性になるまで、無水CHCl(30mL)に化合物1(440mg、22μmol)を溶解した溶液に滴下した。20キロダルトンのmPEG−O−p−ニトロフェニルカーボネート(660mg、33μmol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(3.6mg、30.8μmol)の、CHCl(20ml)溶液を、1時間かけて、数回に分けて室温で加えた。この反応混合物を、24時間、室温で撹拌した。その後、溶媒を回転蒸発によって除去し、残留物を水(100mL)に溶解し、pHを1.0N NaOHを用いて9.5に調整した。この塩基性の溶液を、2時間、室温で撹拌し、その後、酢酸を用いてpH7.0に中和した。この溶液を、その後、逆相クロマトグラフィー(C−18シリカ)カラム上に装填した。カラムを、メタノール/水の勾配を用いて溶出させ(産物は、約70%メタノールで溶出する)、産物溶出を、蒸発光散乱によって、モニタリングし、適切な分画を収集し、水(500mL)で希釈した。この溶液を色層分析し(イオン交換、XK 50 Q、ビッグビーズ(BIG Beads)、300mL、水酸化物形、水から水/酢酸−0.75Nの勾配)、適切な画分のpHを、酢酸を用いて6.0に下げた。この溶液を、その後逆相カラム(C−18シリカ)上で捕獲し、上で述べた通りのメタノール/水の勾配を用いて溶出した。産物分画を、プールし、濃縮し、水に再溶解し、凍結乾燥させて、白色の固体(2)を与えた。この化合物についての構造的なデータは、以下の通りであった:H−NMR(500MHz、DO)δ2.83(t,2H,O−C−CH−S),2.95(t,2H,O−C−CH−S),3.12(q,1H,S−CHH−CHN),3.39(s,3HCHO),3.71(t,OCHCHO)。産物の純度を、SDS PAGEによって確認した。
実施例5
UDP−GalNAc−6−NHCO(CH−O−PEG−OMe(1KDa)の調製
ガラクトサミニル−1−リン酸−2−NHCO(CH−O−PEG−OMe(1キロダルトン)(58mg、0.045mmole)を、DMF(6mL)およびピリジン(1.2mL)に溶解した。その後、UMP−モルホリデート(60mg、0.15mmole)を加え、得られた混合物を48時間70℃で撹拌した。溶媒を、反応混合物を介して窒素を泡立たせることによって除去し、残留物を、逆相クロマトグラフィーによって精製した(C−18シリカ、10から80%の間のステップ勾配、メタノール/水)。所望の画分を収集し、減圧で乾燥させ、白色固体を与えた。TLC(シリカ、プロパノール/HO/NHOH(30/20/2)、R=0.54)。MS(MALDI):観察された、1485、1529、1618、1706。
SDS PAGE手順
産物(1および2)の純度を、SDS PAGEによって確認した。4〜20%トリス・グリシンSDS PAGEゲル(インビトロジェン(Invitrogen))を使用した。サンプルを、SDSサンプルバッファー(Sample Buffer)と1:1で混合し、1時間50分、定電圧(125V)で、トリス・グリシン・ランニングバッファー(Tris−Glycine Running Buffer)(LC2675−5)中で走らせた。電気泳動後、ゲルを10分間、水(100mL)で洗浄し、それに続いて10分間、5%塩化バリウム水溶液(100mL)で洗浄した。産物1または2を、室温で、0.1Nヨード液(4.0mL)でゲルを染色することによって視覚化し、この染色プロセスを、ゲルを水で洗浄することによって停止させた。視覚化された産物バンドを、HP Scanjet 7400Cを用いてスキャンし、ゲルの画像を、HP Precision Scan Programを用いて最適化した。
本発明を、特定の実施形態に関して開示してきたが、本発明の他の実施形態および変形が、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の当分野の技術者によって考案される可能性があることは明らかである。
本出願に引用した全ての特許、特許出願、および他の刊行物を、あらゆる目的のために、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
選択された改変されたシアル酸ヌクレオチドおよび活性化された糖が基質であるシアリルトランスフェラーゼの表である。 シアル酸−ポリ(エチレングリコール)コンジュゲートを調製するための、本発明の一般的な合成スキームである。 は、シアル酸−グリシル−ポリ(エチレングリコール)コンジュゲートを調製するための、本発明の合成スキームである。

Claims (23)

  1. 以下:
    Figure 2007528370

    (式中、
    は、H、CHOR、COORまたはORであり、
    ここで、
    は、H、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアルキルを表し、
    は、H、OH、活性化基、およびヌクレオチドを含む部分から選択されるメンバーであり、
    、R、R、R、およびR6’は、H、置換または非置換アルキル、OR、およびNHC(O)R10からそれぞれ独立に選択され、
    ここで、RおよびR10は、H、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアルキルからそれぞれ独立に選択され、
    、R、R、R、およびR6’のうちの少なくとも1つは、高分子修飾部分を含む)
    から選択されるメンバーである式を有する化合物。
  2. が次式:
    Figure 2007528370

    (式中、Rは、ヌクレオシドである)
    を有する請求項1に記載の化合物。
  3. が、シトシン、ウリジン、グアノシン、アデノシン、およびチミジンから選択されるメンバーである請求項2に記載の化合物。
  4. 、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、以下の部分:
    Figure 2007528370

    (式中、
    11は、高分子修飾部分であり、
    Lは、結合および連結基から選択されるメンバーであり、
    wは、1から6の整数から選択される)
    を含む請求項1に記載の化合物。
  5. 前記連結基が、置換または非置換アルキル、および置換または非置換ヘテロアルキル部分から選択されるメンバーである請求項4に記載の化合物。
  6. 以下の前記部分:
    Figure 2007528370

    が、次式:
    Figure 2007528370

    (式中、
    およびXは、連結フラグメントからそれぞれ独立に選択され、
    は、連結フラグメントであり、
    l2およびR13は、それぞれ独立に選択された高分子アームであり、
    cは、1から20の整数である)
    を有する請求項5に記載の化合物。
  7. 前記連結基が次式:
    Figure 2007528370

    (式中、
    およびXは、それぞれ独立に選択された連結フラグメントであり、
    は、結合、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアルキルから選択されるメンバーである)
    を有する請求項5に記載の化合物。
  8. およびXが、S、SC(O)NH、HNC(O)S、SC(O)O、O、NH、NHC(O)、(O)CNHおよびNHC(O)O、ならびにOC(O)NHからそれぞれ独立に選択される連結フラグメントである請求項7に記載の化合物。
  9. 前記リンカーが、アシル部分を含む請求項5に記載の化合物。
  10. L−R11が次式:
    Figure 2007528370

    (式中、
    sは、0から20の整数であり、
    11は、前記高分子修飾部分である)
    を有する請求項9に記載の化合物。
  11. 前記高分子修飾部分が次式:
    Figure 2007528370

    (式中、
    およびXは、連結フラグメントからそれぞれ独立に選択され、
    は、非反応性の基であり、
    12およびR13は、それぞれ独立に選択された高分子アームである)
    を有する請求項1に記載の化合物。
  12. およびXがS、SC(O)NH、HNC(O)S、SC(O)O、O、NH、NHC(O)、(O)CNHおよびNHC(O)O、OC(O)NH、および(CHY’’
    (式中、
    gは、1から50の整数であり、
    Y’’は、O、S、およびNHから選択されるメンバーである)
    からそれぞれ独立に選択される連結フラグメントである請求項11に記載の化合物。
  13. が、ペプチド結合であり、
    13が、アミノ酸残基である
    請求項11に記載の化合物。
  14. 次式:
    Figure 2007528370

    (式中、
    Dは、−OHおよび(R11w’−L−から選択されるメンバーであり、
    Gは、H、(R11w’−L−、および−C(O(C〜C)アルキルから選択されるメンバーであり、
    w’は、2から6の整数であり、
    DおよびGのうちの少なくとも1つは、(R11w’−L−である)
    を有する請求項1に記載の化合物。
  15. 次式:
    Figure 2007528370

    (式中、
    は、置換または非置換アルキル、および置換または非置換ヘテロアルキルから選択されるメンバーである)
    を有する請求項14に記載の化合物。
  16. 次式:
    Figure 2007528370

    (式中、
    は、アミノ酸残基、および2から4アミノ酸残基を有するペプチジル残基から選択されるメンバーであり、
    およびXは、連結フラグメントからそれぞれ独立に選択され、
    は、非反応性の基であり、
    12およびR13は、それぞれ独立に選択される高分子アームである)
    を有する請求項1に記載の化合物。
  17. 次式:
    Figure 2007528370

    (式中、
    およびXは、連結フラグメントからそれぞれ独立に選択され、
    は、連結フラグメントであり、
    12およびR13は、それぞれ独立に選択される高分子アームであり、
    cは、1から20の整数である)
    を有する請求項16に記載の化合物。
  18. 次式:
    Figure 2007528370

    (式中、
    AA−NHは、アミノ酸残基であり、
    Pは、高分子修飾基である)
    を有する請求項1に記載の化合物。
  19. −AA−NHが、−CHNHである請求項18に記載の化合物。
  20. 前記化合物が、活性化された糖、ヌクレオチド糖、およびそれらの組み合わせから選択されるメンバーから基質のアクセプター部分へ、糖部分を転移させる酵素のための基質である請求項1に記載の化合物。
  21. 前記アクセプター部分が、グリコシル残基、アミノ酸残基、およびアグリコンから選択されるメンバーである請求項20に記載の化合物。
  22. シチジン一リン酸シアル酸−ポリ(エチレングリコール)を調製する方法であって、
    (a)活性化されたN−保護アミノ酸とマンノサミンを、該マンノサミンとN−保護アミノ酸との間のアミドコンジュゲートを形成するのに適した条件下で接触させる工程と、
    (b)前記アミドコンジュゲートをピルビン酸およびシアル酸アルドラーゼと、該アミドコンジュゲートをシアル酸アミドコンジュゲートに転換するのに適した条件下で接触させる工程と、
    (c)前記シアル酸アミドコンジュゲートを、シチジン三リン酸およびシンテターゼと、シチジン一リン酸シアル酸アミドコンジュゲートを形成するのに適した条件下で接触させる工程と、
    (d)前記シチジン一リン酸シアル酸アミドコンジュゲートからN−保護基を除去し、それによって、遊離アミンを産生させる工程と、
    (e)前記遊離アミンを活性化されたPEGと接触させ、それによって、前記シチジン一リン酸シアル酸−ポリ(エチレングリコール)を形成する工程と、を含む方法。
  23. 前記活性化されたN−保護アミノ酸が、次式:
    Figure 2007528370

    を有する請求項21に記載の方法。
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