JP2007527706A - ローソニア・イントラセルラーリスサブユニットワクチン - Google Patents

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Abstract

本発明は例えば新規Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列に関する。本発明は更にこれらの配列を含むDNAフラグメント、組換えDNA分子及び生きた組換えキャリヤーに関する。本発明は更に前記核酸配列、DNAフラグメント、組換えDNA分子及び生きた組換えキャリヤーを含む宿主細胞に関する。更に、本発明はこれらのヌクレオチド配列によりコードされる蛋白質と、ワクチン製造のためのその使用に関する。本発明は更にLawsonia intracellularis感染の防除用ワクチンとその製造方法に関する。最後に、本発明はLawsonia intracellularis DNAの検出、Lawsonia intracellularis抗原の検出及びLawsonia intracellularisに対する抗体の検出用診断試験に関する。

Description

本発明は例えば新規Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列;これらの配列を含むDNAフラグメント、組換えDNA分子及び生きた組換えキャリヤー;前記核酸配列、DNAフラグメント、組換えDNA分子及び生きた組換えキャリヤーを含む宿主細胞;これらのヌクレオチド配列によりコードされる蛋白質とワクチン製造のためのその使用;Lawsonia intracellularis感染の防除用ワクチンとその製造方法;並びにLawsonia intracellularis DNAの検出、Lawsonia intracellularis抗原の検出及びLawsonia intracellularisに対する抗体の検出用診断試験に関する。
ブタ増殖性腸炎(PPEないしPE)は近代養豚業で世界的に重要な疾患になっている。この疾患は成長中の集団の15%〜50%を冒し、既定問題集団における個体動物の30%までを冒す。今日の年間経済損失は罹病したブタ1頭当たり5〜10米ドルの飼料と施設の追加時間費用に相当すると推定されている。PPEは多様な臨床徴候(死亡、動物の蒼白及び貧血、水様性暗赤色又は茶赤色下痢、沈鬱、食欲低下及び運動失調、成長遅延及びFCR増加)からなる慢性及び急性症状である。しかし、一貫して2つの特徴がある。第1の特徴は検死でしか目に見えない病変であり、小腸及び結腸粘膜の肥厚である。第2の特徴は患部腸の腸細胞における細胞質内小型湾曲細菌の存在である。これらの細菌は現在PPEの病因物質として認められ、Lawsonia intracellularisと呼ばれている。
長年にわたり、Lawsonia intracellularisはサル、ウサギ、フェレット、ハムスター、キツネ、ウマ、及びダチョウやエミュに至る他の多様な動物を含むほぼ全動物に寄生することが認められている。Lawsonia intracellularisは鞭毛をもつグラム陰性菌であり、真核腸細胞のみで増殖し、無細胞培養は報告されていない。細胞中で生存増殖するためには、Lawsonia intracellularisは分裂中のクリプト細胞に侵入しなければならない。この細菌は細胞膜と結合し、液胞を通って腸細胞に迅速に侵入する。その後、迅速(3時間以内)に分裂し、分裂した細菌は細胞質内で自由に繁殖及び増殖する。この細菌が感染細胞の成熟を阻み、有糸分裂を続けさせ、未成熟クリプト細胞を形成させるメカニズムはまだ解明されていない。
Lawsonia intracellularis感染とこの疾患の治療及び防除に関する現在の研究はLawsonia intracellularisを無細胞培地で培養できないという事実により阻まれている。Lawsonia intracellularisをラット腸細胞で同時培養するのに成功したという報告はあるが、Lawsonia intracellularisの防除用不活化ワクチンが明らかに必要とされているにも拘わらず、このようなワクチンの開発には至っていない。
本発明の目的はLawsonia intracellularis感染の防除用ワクチンを提供することである。
驚くべきことに、Lawsonia intracellularisは単独又は組み合わせてLawsonia intracellularisに対する防御免疫を誘導することが可能な6種の新規蛋白質を産生することが今回判明した。
これらの新規蛋白質を以下、31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質と言う。
新規蛋白質のアミノ酸配列を配列番号2、4、6、8、10及び12に示す。これらの蛋白質をコードする遺伝子を配列決定し、その核酸配列を配列番号1、3、5、7、9及び11に示す。
多数の異なる核酸配列が同一蛋白質をコードし得ることは当分野で周知である。この現象はアミノ酸をコードする各三重項の2番目と特に3番目の塩基のゆらぎとして一般に知られている。この現象の結果、同一蛋白質をコードする2種の核酸には約30%の不均一性が生じる。従って、約70%の配列相同性をもつ2種の核酸配列は同一蛋白質をコードすることができる。
従って、1態様はLawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の部分に関し、前記核酸配列又はその部分は配列番号1の核酸配列に対して少なくとも90%の相同性をもつ。
好ましくは、このLawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記核酸配列の部分は配列番号1の核酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは95%の相同性をもつ。98%又は100%の相同性が更に好ましい。
ヌクレオチド相同性はwww.ncbi.nlm.nih.gov/blast/bl2sea/bl2.htmlで入手可能なサブプログラム「BLASTN」を選択することによりコンピュータープログラム「BLAST 2 SEQUENCES」を使用して決定することができる。
このプログラムの1参考文献はTatiana A.Tatusova,Thomas L.Madden FEMS Microbiol.Letters 174:247−250(1999)である。使用するパラメーターは以下のデフォルトパラメーターである。マッチのリウォード:+1。ミスマッチのペナルティ:−2。オープンギャップ:5。伸長ギャップ:2。ギャップx_ドロップオフ:50。
所定核酸配列が本発明の核酸配列であるかどうかを決定するための別のアプローチはこの所定核酸配列が配列番号1(又は配列番号3、5、7、9又は11、下記参照)に記載のヌクレオチド配列とストリンジェント条件下でハイブリダイズするか否かに関する。
核酸配列が配列番号1、又は当然のことながら配列番号3、5、7、9及び11に記載のヌクレオチド配列とストリンジェント条件下でハイブリダイズするならば、その配列は本発明の核酸配列であるとみなされる。
ストリンジェント条件の定義はMeinkothとWahl(1984.Hybridization of nucleic acids immobilized on solid supports.Anal.Biochem.138:267−284.)の式:
Tm=[81.5℃+16.6(logM)+0.41(%GC)−0.61(%ホルムアミド)−500/L]−1℃/1%ミスマッチ
(式中、Mは1価カチオンのモル濃度であり、%GCはDNA中のグアノシン及びシトシンヌクレオチドの百分率であり、Lは塩基対におけるハイブリッドの長さである)に従う。
ストリンジェント条件は核酸配列又はそのフラグメントが最大10%のミスマッチをもつ場合にも配列番号1、3、5、7、9又は11のいずれかに記載の核酸配列とハイブリダイズする条件である。
本態様は配列番号3の核酸配列に対して少なくとも90%の相同性をもつ、Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の部分にも関する。
好ましくは、このLawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記核酸配列の部分は配列番号3の核酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の相同性をもつ。98%又は100%の相同性が更に好ましい。
本態様は配列番号5の核酸配列に対して少なくとも90%の相同性をもつ、Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の部分にも関する。
好ましくは、このLawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記核酸配列の部分は配列番号5の核酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の相同性をもつ。98%又は100%の相同性が更に好ましい。
本態様は配列番号7の核酸配列に対して少なくとも90%の相同性をもつ、Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の部分にも関する。
好ましくは、このLawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記核酸配列の部分は配列番号7の核酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の相同性をもつ。98%又は100%の相同性が更に好ましい。
本態様は配列番号9の核酸配列に対して少なくとも90%の相同性をもつ、Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の部分にも関する。
好ましくは、このLawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記核酸配列の部分は配列番号9の核酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の相同性をもつ。98%又は100%の相同性が更に好ましい。
本態様は配列番号11の核酸配列に対して少なくとも90%の相同性をもつ、Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の部分にも関する。
好ましくは、このLawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記核酸配列の部分は配列番号11の核酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の相同性をもつ。98%又は100%の相同性が更に好ましい。
本発明は新規Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列を開示するので、これらの蛋白質を十分な量で獲得することが今回初めて可能になった。これは例えば前記蛋白質をコードする遺伝子を発現させるための発現システムを使用することにより実施することができる。
従って、より好ましい態様では、本発明は本発明の核酸配列を含むDNAフラグメントに関する。このようなDNAフラグメントは例えば本発明の核酸配列をクローニングするプラスミドとすることができる。このようなDNAフラグメントは例えば下記のようにDNAの量を増加するためにプライマー用として有用である。
核酸配列の発現の必須要件は核酸配列をプロモーターの制御下におくように適切なプロモーターが核酸配列に機能的に連結されていることである。当業者に自明の通り、プロモーターの選択は蛋白質発現用宿主細胞として使用される細胞で遺伝子転写を誘導することが可能な任意真核、原核又はウイルスプロモーターに及ぶ。従って、本態様の更に好ましい形態は機能的に連結されたプロモーターの制御下のおかれた本発明のDNAフラグメント又は核酸配列を含む組換えDNA分子に関する。これは例えば標準分子生物学技術により得られる(Maniatis/Sambrook(Sambrook,J.Molecular cloning:a laboratory manual,1989.ISBN 0−87969−309−6))。機能的に連結されたプロモーターは連結相手の核酸配列の転写を制御することが可能なプロモーターである。
このようなプロモーターはLawsoniaプロモーターとすることができ、例えば、プロモーターが発現に使用される細胞中で機能的であるという条件で31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD又は31.4kD遺伝子をコードする遺伝子のin vivo発現に関与するプロモーターである。更に異種プロモーターでもよい。宿主細胞が細菌である場合には、使用することができる有用な発現制御配列としてはTrpプロモーター及びオペレーター(Goeddelら,Nucl.Acids Res.,8,4057,1980)、lacプロモーター及びオペレーター(Changら,Nature,275,615,1978)、外膜蛋白質プロモーター(Nakamura,K.and Inouge,M.,EMBO J.,1,771−775,1982)、バクテリオファージλプロモーター及びオペレーター(Remaut,E.ら,Nucl.Acids Res.,11,4677−4688,1983)、α−アミラーゼ(枯草菌)プロモーター及びオペレーター、終結配列並びに選択宿主細胞に適合可能な他の発現強化及び制御配列が挙げられる。
宿主細胞が酵母である場合には、有用な発現制御配列としては例えばα接合因子が挙げられる。昆虫細胞には、バキュロウイルスの多核体又はp10プロモーターを使用することができる(Smith,G.E.ら,Mol.Cell.Biol.3,2156−65,1983)。宿主細胞が哺乳動物起源の場合には、有用な発現制御配列の例としてはSV−40プロモーター(Berman,P.W.ら,Science,222,524−527,1983)又はメタロチオネインプロモーター(Brinster,R.L.,Nature,296,39−42,1982)又は熱ショックプロモーター(Voellmyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,4949−53,1985)が挙げられる。
細菌、酵母、真菌、昆虫及び哺乳動物細胞発現システムは非常によく使用されるシステムである。このようなシステムは当分野で周知であり、一般に入手可能であり、例えばClontech Laboratories,Inc.4030 Fabian Way,Palo Alto,California 94303−4607,米国から市販されている。これらの発現システムに次いで寄生虫系発現システムが非常に魅力的な発現システムである。このようなシステムは例えば仏国特許出願公開第2714074号やUS NTIS公開US 08/043109(Hoffman,S.and Rogers,W.:公開日1993年12月1日)に記載されている。
本態様の更に好ましい形態は本発明の31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質もしくはその免疫原性フラグメントをコードする核酸配列、本発明のDNAフラグメント又は本発明の組換えDNA分子を含む生きた組換えキャリヤー(LRC)に関する。このようなキャリヤーは例えば細菌及びウイルスである。これらのLRCは付加遺伝情報(この場合には本発明の31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質又はその免疫原性フラグメントをコードする核酸配列)をクローニングした微生物又はウイルスである。このようなLRCを感染させた動物はキャリヤーの免疫原に対してだけでなく、その遺伝コードを付加的にLRCにクローニングする蛋白質(例えば31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質)の免疫原性部分に対しても免疫応答を発生する。細菌LRCの1例としては、当分野で公知の弱毒サルモネラ株を有利に使用することができる。
生きた組換えキャリヤー寄生虫は例えばVermeulen,A.N.(Int.Journ.Parasitol.28:1121−1130(1998))により記載されている。
また、核酸配列をターゲット細胞に導入する手段としてLRCウイルスを使用することもできる。生きた組換えキャリヤーウイルスはベクターウイルスとも言う。ベクターとして使用されることが多いウイルスはワクシニアウイルス(Panicaliら;Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79:4927(1982))、ヘルペスウイルス(E.P.A.0473210A2)、及びレトロウイルス(Valerio,D.ら;in Baum,S.J.,Dicke,K.A.,Lotzova,E.and Pluznik,D.H.(Eds.),Experimental Haematology today−1988.Springer Verlag,New York:pp.92−99(1989))である。
挿入した本発明の核酸配列の発現を宿主動物で誘導することが可能な選択細菌、寄生虫又はウイルスのゲノムに組換え核酸配列を導入するためには当分野で周知のin vivo相同組換え技術を使用することができる。
最後に、本発明の本態様の別の形態は機能的に連結されたプロモーターの制御下に本発明の蛋白質をコードする核酸配列、前記核酸配列を含むDNAフラグメント又は前記核酸配列を含む組換えDNA分子を含む宿主細胞に関する。この形態は更に、本発明の31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質又はそのフラグメントをコードする核酸配列を含む生きた組換えキャリヤーを含む宿主細胞にも関する。
宿主細胞は細菌起源の細胞とすることができ、例えば大腸菌、枯草菌及びLactobacillus種をpBR322等の細菌系プラスミド、又はpGEX等の細菌発現ベクター、又はバクテリオファージと組み合わせる。宿主細胞は真核起源でもよく、例えば酵母細胞と酵母特異的ベクター分子の組み合わせや、高等真核細胞では昆虫細胞(Luckowら;Bio−technology 6:47−55(1988))とベクター又は組換えバキュロウイルスの組み合わせ、植物細胞と例えばTiプラスミド系ベクター又は植物ウイルスベクター(Barton,K.A.eら;Cell 32:1033(1983))の組み合わせ、Hela細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)又はネコ腎由来細胞等の哺乳動物細胞と適当なベクター又は組換えウイルスの組み合わせが挙げられる。
本発明の別の態様は本発明の新規蛋白質及びその免疫原性フラグメントに関する。
免疫原性フラグメントの概念については下記に定義する。
本態様の1形態は例えば配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列相同性をもつLawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
1好適形態では、本態様は配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の配列相同性をもつ前記Lawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
98%又は100%の相同性が更に好ましい。
蛋白質相同性はwww.ncbi.nlm.nih.gov/blast/bl2seq/bl2.htmlで入手可能なサブプログラム「BLASTP」を選択することによりコンピュータープログラム「BLAST 2 SEQUENCES」を使用して決定することができる。
このプログラムの1参考文献はTatiana A.Tatusova,Thomas L.Madden FEMS Microbiol.Letters 174:247−250(1999)である。使用するマトリックスは「blosum62」である。使用するパラメーターは以下のデフォルトパラメーターである。オープンギャップ:11。伸長ギャップ:1。ギャップx_ドロップオフ:50。
本態様の別の形態は例えば配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%相同のアミノ酸配列をもつLawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
1好適形態は配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の配列相同性をもつ前記Lawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
98%又は100%の相同性が更に好ましい。
本態様の別の形態は例えば配列番号6に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%相同のアミノ酸配列をもつLawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
1好適形態は配列番号6に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の配列相同性をもつ前記Lawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
98%又は100%の相同性が更に好ましい。
本態様の別の形態は例えば配列番号8に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%相同のアミノ酸配列をもつLawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
1好適形態は配列番号8に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の配列相同性をもつ前記Lawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
98%又は100%の相同性が更に好ましい。
本態様の別の形態は例えば配列番号10に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%相同のアミノ酸配列をもつLawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
1好適形態は配列番号10に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の配列相同性をもつ前記Lawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
98%又は100%の相同性が更に好ましい。
本態様の別の形態は例えば配列番号12に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%相同のアミノ酸配列をもつLawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
1好適形態は配列番号12に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも92%、好ましくは94%、より好ましくは96%の配列相同性をもつ前記Lawsonia intracellularis蛋白質と、前記蛋白質の免疫原性フラグメントに関する。
98%又は100%の相同性が更に好ましい。
当然のことながら、本発明の特定蛋白質には、個々のLawsonia intracellularis株間に天然変異が存在し得る。これらの変異としては全長配列のアミノ酸変異又は前記配列中の1もしくは複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入、逆位もしくは付加が挙げられる。生物及び免疫活性を本質的に変化させないアミノ酸置換は例えばNeurathらにより“The Proteins”Academic Press New York(1979)に記載されている。同族アミノ酸間のアミノ酸置換又は進化において頻発する置換は特にSer/Ala、Ser/Gly、Asp/Gly、Asp/Asn、Ile/Val(Dayhof,M.D.,Atlas of protein sequence and structure,Nat.Biomed.Res.Found.,Washington D.C.,1978,vol.5,suppl.3参照)である。他のアミノ酸置換としてはAsp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Thr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Leu/Ile、Leu/Val及びAla/Gluが挙げられる。この情報に基づき、LipmanとPearsonは相同蛋白質間の機能的類似度を決定する迅速で高感度な蛋白質比較法を開発した(Science,227,1435−1441,1985)。得られる蛋白質がその免疫反応性を維持する限り、本発明の典型的態様のこのようなアミノ酸置換と、欠失及び/又は挿入をもつ変異も本発明の範囲に含まれる。これは、本発明のLawsonia intracellularis蛋白質が異なるフィールド単離株から単離した場合に同一免疫特徴をもつ同一蛋白質でありながら約90%の相同性でよいことを説明するものである。Lawsonia intracellularis感染又は少なくとも前記感染の臨床徴候に対する免疫応答を誘導することが可能な蛋白質を提供する本発明の所定蛋白質のアミノ酸配列の前記変異は「免疫原性に本質的に影響を与えない」とみなされる。
蛋白質を例えばワクチン接種目的又は抗体生産に使用する場合には、全長蛋白質を使用する必要はない。単独又は例えばKLH等のキャリヤーと結合して該当蛋白質に対する免疫応答を誘導することが可能な該当蛋白質のフラグメント、即ち所謂免疫原性フラグメントを使用することも可能である。「免疫原性フラグメント」とは宿主に免疫応答を誘導する能力を維持している全長蛋白質のフラグメント、即ちB又はT細胞エピトープを含むフラグメントを意味する。現在、抗原フラグメント(決定基)をコードするDNAフラグメントを容易に同定するための各種技術が入手可能である。Geysenら(特許出願WO84/03564、特許出願WO86/06487、米国特許第4,833,092号、Proc.Natl Acad.Sci.81:3998−4002(1984),J.Imm.Meth.102,259−274(1987))により記載されている方法、即ち所謂PEPSCAN法は蛋白質の免疫学的に重要な領域であるエピトープの検出方法として、実施し易く、迅速な確立方法である。この方法は世界中で使用されており、それ自体当業者に周知である。この(経験的)方法はB細胞エピトープの検出に特に適している。また、任意蛋白質をコードする遺伝子の配列が分かっているならば、コンピューターアルゴリズムにより、現在公知のエピトープとの配列及び/又は構造一致に基づいて特定蛋白質フラグメントを免疫学的に重要なエピトープとして指定することができる。これらの領域の決定はHoppとWoods(Proc.Natl.Acad.Sci.78:38248−3828(1981))による親水性基準と、ChouとFasman(Advances in Enzymology 47:45−148(1987)及び米国特許第4,554,101号)による二次構造側面の組み合わせに基づく。T細胞エピトープもBerzofskyの両親媒性基準(Science 235,1059−1062(1987)及び米国特許出願NTIS US07/005,885)を使用してコンピューターにより配列から同様に予測することができる。概要は一般原理についてShan Lu,Tibtech 9:238−242(1991)、マラリアエピトープについてGoodら,Science 235:1059−1062(1987)、総論についてLu,Vaccine 10:3−7(1992)、HIVエピトープについてBerzowsky,The FASEB Journal 5:2412−2418(1991)に夫々記載されている。
従って、本発明の更に別の態様の1形態はLawsonia intracellularis感染に対してブタを防御することが可能なワクチンであって、医薬的に許容可能なキャリヤーと共に上記のような本発明の1種以上の蛋白質又はその免疫原性フラグメントを含むワクチンに関する。
本発明の更に別の態様はワクチン用としての本発明の蛋白質に関する。
更に別の態様はLawsonia intracellularis感染の防除用ワクチンの製造における本発明の蛋白質の使用に関する。
本発明のワクチンの製造方法の1例は感染腸壁から採取した粘膜スクレーピングから得られた細菌から本発明の蛋白質又はその免疫原性フラグメントを生化学的に精製する方法である。しかし、この方法は非常に時間のかかるワクチン製造方法である。
従って、本発明の蛋白質又はその免疫原性フラグメントをコードする遺伝子の発現産物をワクチンで使用するほうが著しく簡便である。本発明では31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質をコードする遺伝子の核酸配列を示す。これらの遺伝子の発現産物に基づくこのようなワクチンは下記のように本発明の1種以上の蛋白質又は本発明のその免疫原性フラグメントを医薬的に許容可能なキャリヤーと混合することにより容易に製造することができる。
あるいは、本発明のワクチンは本発明の蛋白質又は本発明のその免疫原性フラグメントを発現することが可能な上記のような生きた組換えキャリヤーを含むことができる。例えば腸上皮又は例えば呼吸器上皮に感染するサルモネラキャリヤー又はウイルスキャリヤーに基づくこのようなワクチンはLawsonia intracellularisの自然感染方法によく似ているという点でサブユニットワクチンよりも有利である。更に、組換えキャリヤーは免疫に必要な量が非常に少量ですむのでその自己増殖も利点である。
上記全ワクチンは能動的ワクチン接種に利用され、即ち宿主の免疫系は本発明の1種以上の蛋白質又はその免疫原性フラグメントによりトリガされ、これらの蛋白質に対する抗体を生産する。
あるいは、このような抗体は例えばウサギで生産することもできるし、下記のように抗体産生細胞株から得ることもできる。その後、このような抗体を宿主動物に投与することができる。このワクチン接種方法即ち受動的ワクチン接種は動物が既に感染しており、自然免疫応答をトリガさせる時間がない場合の選択ワクチン接種である。これは免疫能の低下した動物にワクチン接種するのに好適な方法でもある。投与したLawsonia intracellularisに対する抗体はこれらの場合には細菌と直接結合することができる。これはLawsonia intracellularis増殖をすぐに低下又は停止させるという利点がある。
従って、本発明の本態様の他の1形態は本発明の6種のLawsonia intracellularis蛋白質のいずれかに対する抗体を含むワクチンに関する。
ワクチンは本発明の蛋白質又はその免疫原性フラグメントを含む上記宿主細胞に基づくことができる。
効率的な代替ワクチン接種方法は該当抗原をコードするDNAの直接ワクチン接種である。蛋白質をコードするDNAの直接ワクチン接種は多種多様の蛋白質で成功している。(例えばDonnellyら,The Immunologist 2:20−26(1993)参照)。
このワクチン接種方法はLawsonia intracellularis感染に対するブタのワクチン接種に非常に魅力的な方法である。
従って、本発明の本態様の更に他の形態は本発明の蛋白質又は本発明のその免疫原性フラグメントをコードする核酸配列を含むワクチンと、前記核酸配列を含むDNAフラグメントを含むワクチンに関する。
本態様の更に他の形態は本発明の組換えDNA分子を含むワクチンに関する。
DNAワクチンは例えば無針注射器を使用して皮内投与により容易に投与することができる。この投与方法はDNAをワクチン接種対象動物の細胞に直接送達する。1〜100μgのマイクログラム範囲の量のDNAで非常に良好な結果が得られる。
別の態様では、本発明のワクチンは他のブタ病原生物及びウイルスに由来する1種以上の抗原、又は前記抗原をコードする遺伝情報を更に含む。
このような生物及びウイルスは仮性狂犬病ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、ロタウイルス、大腸菌、Erysipelothrix rhusiopathiae、Bordetella bronchiseptica、Salmonella cholerasuis、Haemophilus parasuis、Pasteurella multocida、Streptococcus suis、Mycoplasma hyopneumoniae及びActinobacillus pleuropneumoniaeから構成される群から選択することが好ましい。
本発明の全ワクチンは医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する。医薬的に許容可能なキャリヤーは例えば滅菌水又は滅菌生理的塩類溶液とすることができる。より複雑な形態では、キャリヤーは例えば緩衝液とすることができる。
ワクチンの製造方法は本発明の蛋白質又はその免疫原性フラグメントと医薬的に許容可能なキャリヤーを混合する段階を含む。
本発明のワクチンは1好適形態では更にアジュバントを含有する。アジュバントは一般に非特異的に宿主の免疫応答を誘発する物質を含む。多種多様なアジュバントが当分野で公知である。アジュバントの例としてはフロイント完全及び不完全アジュバント、ビタミンE、非イオン性ブロックポリマー、ムラミルジペプチド、Quill A(登録商標)、鉱油(例えばBayol(登録商標)又はMarkol(登録商標))、植物油、及びCarbopol(登録商標)(ホモポリマー)、又はDiluvac(登録商標)Forteが挙げられる。ワクチンは更に所謂「ビークル」を添加することができる。ビークルはポリペプチドが共有結合せずに付着する化合物である。多くの場合に使用されるビークル化合物は例えば水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ、カオリン、及びベントナイトである。
抗原がビークルに部分的に埋込められるこのようなビークルの特殊形態が所謂ISCOM(EP109.942,EP180.564,EP242.380)である。
更に、ワクチンは1種以上の適当な表面活性化合物又は乳化剤(例えばSpan又はTween)を添加することができる。
多くの場合には、例えば分解し易いポリペプチドを分解しないようにするため、ワクチンの保存期間を延ばすため、又は凍結乾燥効率を改善するために、ワクチンを安定剤と混合する。有用な安定剤は例えばSPGA(Bovarnikら;J.Bacteriology 59:509(1950))、炭水化物(例えばソルビトール、マンニトール、トレハロース、澱粉、スクロース、デキストラン又はグルコース)、蛋白質(例えばアルブミン又はカゼイン又はその分解物)、及び緩衝液(例えばアルカリ金属リン酸塩)である。
更に、生理的に許容可能な希釈剤にワクチンを懸濁してもよい。
言うまでもなく、本発明では他のアジュバント添加、ビークル化合物もしくは希釈剤の添加、乳化又はポリペプチドの安定化方法も実施される。
本発明のワクチンは1〜100μgの量を投与すると非常に適切であるが、これ以下の量も原則として使用できる。100μgを越える用量は免疫学的には非常に適切であるが、商業的理由からあまり魅力的ではない。
上記LRCウイルス及び細菌等の生きた弱毒組換えキャリヤーに基づくワクチンは感染中に自己増殖するので著しく低用量で投与することができる。従って、非常に適切な量は夫々細菌とウイルスで10CFU/PFU〜10CFU/PFUである。
多数の投与方法を適用することができる。感染が消化管感染であるので、経口投与が非常に魅力的な投与方法である。1好適経口投与方法は胃の高酸性環境を通過後にしか崩壊しない当分野で公知であり且つ頻用されているカプセルにワクチンをパッケージングする方法である。また、胃のpHを一時的に上昇させるための当分野で公知の化合物とワクチンを混合してもよい。
例えばワクチンの筋肉内投与による全身投与も適切である。この経路を採用する場合には、全身投与について当分野で公知の標準手順が適切である。
疾患に対する防御の観点から、Lawsonia intracellularis感染の迅速で正確な診断が重要である。
従って、本発明の別の目的はLawsonia intracellularis感染の検出に適した診断ツールを提供することである。
Lawsonia intracellularisの検出用診断試験は例えば被験動物から単離した細菌DNAと31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質をコードする遺伝子のコーディング配列に基づく特異的プローブ又はPCRプライマーとの反応に基づく。Lawsonia intracellularis DNAが動物に存在するならば、例えば特異的PCRプライマーと特異的に結合した後、PCR反応で増幅される。その後、PCR反応産物はDNAゲル電気泳動で容易に検出することができる。
DNAは被験動物の消化管から採取したスワブ中に存在する微生物から最も簡単に単離することができる。標準PCR教科書にはLawsonia intracellularis DNAとの選択的PCR反応用プライマーの長さを決定するための方法が記載されている。少なくとも12ヌクレオチド長のヌクレオチド配列をもつプライマーを使用することが多いが、>15、より好ましくは>18ヌクレオチドのプライマーのほうが多少選択性が高い。特に、少なくとも20、好ましくは少なくとも30ヌクレオチド長のプライマーが非常に一般に適用可能である。PCR技術はDieffenbach & Dreksler;PCR primers,a laboratory manual.ISBN 0−87969−447−5(1995)に詳細に記載されている。
従って、Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は少なくとも12、好ましくは15、より好ましくは18、更に好ましくは好適度の昇順で20、22、25、30、35もしくは40ヌクレオチド長の前記核酸配列の部分であって、配列番号1又は3に記載の核酸配列に対して少なくとも90%の相同性をもつ核酸配列又はその部分も本発明に含まれる。このような核酸配列はこれらの配列によりコードされるDNAの量を増加するためにPCR反応でプライマーとして使用することができる。こうして、例えば上記のように組織中のLawsoniaの検出用診断ツールとして使用するために特定ヌクレオチド配列を迅速に増幅することが可能になる。
別のDNA試験はスワブから得られた細胞材料の増殖後に慣用DNA精製した後に31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質に特異的な放射性又は色素標識DNAフラグメントと慣用方法によりハイブリダイズさせる。PCR反応とハイブリダイゼーション反応はどちらも当分野で周知であり、例えばManiatis/Sambrook(Sambrook,J.ら,Molecular cloning:a laboratory manual.ISBN 0−87969−309−6)に記載されている。
従って、本発明の1態様はLawsonia intracellularis DNAの検出用診断試験に関する。前記試験は31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質をコードするDNAに特異的な本発明の核酸配列又はそのフラグメントを含む。前記DNAに特異的なフラグメントは他の細菌のDNAよりもLawsonia intracellularis DNA(例えば上記のような少なくとも12ヌクレオチド長のプライマー)に対する相同性が高いため、同等条件下でLawsonia intracellularis DNAと良好に結合するフラグメントを意味する。
血清中のLawsonia intracellularis抗体の検出用診断試験は例えば本発明の31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質又はその抗原フラグメントをELISAプレートのウェルの壁にコーティングする単純な標準サンドイッチELISA試験とすることができる。前記抗体の検出方法は例えば31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質又はその抗原フラグメントを被験哺乳動物に由来する血清の存在下でインキュベーションした後に例えば該当哺乳動物抗体に対する標識抗体の存在下でインキュベーションする。その後、発色反応によりLawsonia intracellularisに対する抗体の有無を判定することができる。診断試験システムの別例は例えば本発明の31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質又はその抗原フラグメントを含むウェスタンブロットを被験哺乳動物の血清の存在下でインキュベーションした後にブロットを分析する。
従って、本発明の別の態様はLawsonia intracellularisに対する抗体の検出用診断試験に関する。前記試験は本発明の蛋白質又はそのフラグメントを含む。
更に、本発明は血清中のLawsonia intracellularisに対する抗体の検出方法に関し、前記方法は本発明の31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質又はその抗原フラグメントの存在下で血清をインキュベーションすることを含む。
Lawsonia intracellularis抗原の特異的31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質の抗原材料の検出に基づき、従ってLawsonia intracellularis感染の検出に適した診断試験は例えば標準ELISA試験とすることができる。前記試験の1例では、31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質に対する抗体をELISAプレートのウェルの壁にコーティングする。被験材料の存在下でインキュベーション後に、標識抗Lawsonia intracellularis抗体をウェルに添加する。その後、発色反応によりLawsonia intracellularisに由来する抗原材料の存在を検出する。
従って、本発明の更に別の態様はLawsonia intracellularisの抗原材料の検出用診断試験に関する。前記試験は本発明の蛋白質又はそのフラグメントに対する抗体を含む。
上記特徴をもつ本発明のポリペプチド又はその免疫原性フラグメントは抗体を生産するために使用することができ、抗体はポリクローナル、単一特異的又はモノクローナル(又はその誘導体)のいずれでもよい。ポリクローナル抗体が所望される場合には、ポリクローナル血清の作製及び処理技術は当分野で周知である(例えば、Mayer and Walter,eds.Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology,Academic Press,London,1987)。
本発明のポリペプチド(又は本発明のその変異体又はフラグメント)に反応性のモノクローナル抗体は同様に当分野で公知の技術により近交系マウスに免疫することにより作製することができる(Kohler and Milstein,Nature,256,495−497,1975)。
本発明の抗体の大規模製造方法も当分野で公知である。このような方法は本発明の蛋白質をコードする遺伝情報(のフラグメント)をファージディスプレイ用繊維状ファージにクローニングする。このような技術は例えばhttp://aximtl.imt.uni−marburg.de/〜rek/aepphage.html.の“Antibody Engineering Page”に“filamentous phage display”の項目で記載されており、更にCortese,R.ら,(1994)Trends Biotechn.12:262−267、Clackson,T.& Wells,J.A.(1994)Trends Biotechn.12:173−183、Marks,J.D.ら,(1992)J.Biol.Chem.267:16007−16010、Winter,G.ら,(1994)Annu.Rev.Immunol. 12:433−455、及びLittle,M.ら,(1994)Biotechn.Adv.12:539−555の各論文に記載されている。その後、ファージを使用してラクダ重鎖抗体を発現するラクダ発現ライブラリーをスクリーニングする。(Muyldermans,S.and Lauwereys,M.,Journ.Molec.Recogn.12:131−140(1999)及びGhahroudi,M.A.ら,FEBS Letters 414:512−526(1997))。所望抗体を発現するライブラリーに由来する細胞を複製した後、抗体の大規模発現に使用することができる。
本発明の更に別の態様は Lawsonia intracellularisに由来する抗原材料の検出方法に関し、前記方法は本発明の31.0kD、24.8kD、76.7D、56.8kD、28.8kD及び31.4kD蛋白質又はその抗原フラグメントに対する抗体の存在下に体液の組織である血清をインキュベーションすることを含む。
最後に、本発明の1態様はLawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は少なくとも20、好ましくは好適度の昇順で25、30、35もしくは40ヌクレオチド長の前記核酸配列の部分に関し、前記核酸配列又はその部分は配列番号1、3、5、7、9又は11に記載の核酸配列に対して少なくとも90%の相同性をもつ。このような核酸配列はこれらの配列によりコードされるDNAの量を増加するためにPCR反応でプライマーとして使用することができる。こうして、例えば上記のように組織中のLawsoniaの検出用診断ツールとして使用するために特定ヌクレオチド配列を迅速に増幅することが可能になる。
感染ブタ回腸からのL.intracellularisの単離
PEで死亡したブタからL.intracellularis感染回腸を抽出し、組織病理試験と抗酸性Ziehl−Neelsen染色により感染を確認し、−80℃で保存した。解凍後、感染腸壁から採取した粘膜スクレーピングからL.intracellularis菌を単離した。Lawsonら(Vet.Microbiol.10:303−323(1985))により記載されているように回腸スクレーピングをオムニミキサーでPBS中にて繰り返しホモジナイズし、細胞内細菌を遊離させた。細胞破片を除去するための低速遠心後に得られた上清を5.0、3.0、1.2、及び0.8μmフィルター(Millipore)で濾過した。次に濾液を8000gで30分間遠心し、L.intracellularis菌の小ペレットを得た。Percollグラジエントを使用してこれらの細菌を更に精製した。精製した細菌をPCR(Jonesら,J.Clin.Microbiol.31:2611−2615(1993))により同定し、位相差顕微鏡により単離細菌の純度(>95%)を試験し、汚染性細菌又は内臓破片の有無を調べた。
細菌株及びプラスミド
ベクターpLysSrareを含む大腸菌宿主株BL21star(DE3)とプラスミドpET22bはNovagen(Madison,Wisconsin,米国)から購入した。pET−HIS1(1)はSchallerら,Microbiology 145:2105−2116(1999)に記載されているように構築した。大腸菌株TOP10F’はInvitrogen(Groningen,オランダ)から購入した。30%グリセロールを加えた全細菌株のストックを−70℃で保存した。Lawsonia intracellularis細胞は上記のように感染回腸材料から単離した。
培地、緩衝液及び抗生物質
Luria Bertaniブロス(LB)は常法に従って調製した。LBプレートは常法に従ってLB培地+1.5%寒天を電子レンジで融解させることにより調製した。溶液を45℃まで冷却後にプレートを注ぎ、必要に応じてアンピシリン(ACS−Dophar,Raamsdonksveer,オランダ)を加えた。イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)はBiosynth Ag(Staad,スイス)から購入した。
PCR増幅
PCR増幅はGeneamp 9700 PCRシステム(Applied Biosystems,California,米国)を使用して実施した。PCRはExpand High Fidelity PCR System(Roche Diagnostics GmbH,Mannheim,ドイツ)を使用して実施した。PCR混合物は52U/ml Expand High Fidelity Enzyme Mix,Expand HF緩衝液に2.5mM MgCl,16mM dNTP(Promega,Wisconsin,米国),プライマー20pmole及び鋳型としてLawsonia intracellularisの染色体DNA15ngを加えた。DNAの増幅に使用した全プライマーは表1に示す。
DNA単離
高純度Lawsonia染色体DNAを得るために、Biorad染色体DNA単離キット(Biorad,Veenendaal,オランダ)を製造業者の指示に従って使用してDNAを調製した。
DNAシーケンシング
DNAはABI310自動シーケンサー(Perkin Elmer,California,米国)で配列決定した。シーケンシング混合物はPCR産物100ng、terminator ready reaction mix(Perkin Elmer,California,米国)2μl、プライマー2.4pmole、緩衝液(200mM Tris−HCl,pH8.5;5mM MgCl)6μlに蒸留水を加えて20μlとした。この混合物をGeneamp 9700でサイクルにかけた。プログラムは10秒96℃、5秒50℃及び2分60℃を25サイクルとした。シーケンシングサイクル産物をDye−Exカラム(Qiagen Inc.,California,米国)で製造業者の指示に従って精製し、ABI310自動シーケンサーで試験した。ABI310 Collection Software version 1.0.4(Perkin Elmer,California,米国)を使用して配列結果を集め、Sequence Analysis version 3.1(Perkin Elmer,California,米国)で分析した。アラインメントはSequence Navigator version 1.0.1(Perkin Elmer,California,米国)を使用して行った。配列分析はSequencer 4.1.4(GeneCodes Ann Arbor,CA,米国)を使用して実施した。
ライゲーション及び形質転換
ライゲーションはライゲーション酵素(Gibco BRL Life Technologies Inc.,米国)1単位を加えた1×ライゲーション緩衝液中で16℃にて一晩実施した。ライゲーション反応物1μlを熱ショックにより大腸菌コンピテント細胞に形質転換した。BL21star(DE3)大腸菌コンピテント細胞とTOP10F’大腸菌コンピテント細胞は緩衝液TFB1(30mM KOAc,100mM RbCl,10mM CaCl,50mM MnCl,15%グリセロール)とTFB2(10mM RbCl,75mM CaCl,10mM MES,15%グリセロール)を使用してManiatis/Sambrookの方法によりコンピテントにした。10mM MgSOと20mMグルコースを補充したSOC培地中で37℃にて1時間回復後に、適当な抗生物質を加えたLBプレートに細胞をプレーティングした。
10xHIS融合蛋白質の発現
pLysSrareと発現ベクターを含む大腸菌株BL21star(DE3)をアンピシリン含有LB5ml中で37℃、200rpmで一晩増殖させた。一晩培養液をアンピシリン含有LB50mlで100倍に希釈した。NovaspecIIスペクトロフォトメーター(Pharmacia,Woerden,オランダ)で測定したOD600が0.5に達するまでこの培養液を同一条件下で増殖させた。この時点(t=0)で培養液に終濃度1mMまでのIPTGを加えて誘導し、引き続き3時間(t=3)増殖を続けた。100μlサンプルを分析用に採取した。pLysSrareを含む大腸菌株BL21star(DE3)を同一条件下で増殖及び誘導し、陰性対照としてサンプルを採取した。サンプルをSDS page後にCoomassie Brilliant Blue染色により下記のように分析した。残りの培養液を5,000rpmで遠心し、ペレットを後期使用時まで−20℃で保存した。
ポリアクリルアミドゲル電気泳動とウェスタンブロット
SDS−PAGEはNuPAGE電気泳動システム(Novex,San Diego,米国)からの4−12% Bis−Trisゲルを使用して実施した。分離前にサンプルをβ−メルカプトエタノールの存在下でサンプル緩衝液(サンプル:緩衝液=2:1)と共に5分間煮沸した。ゲルはCoomassie Brilliant Blueで染色するか又は標準半乾燥ウェスタンブロット法によりImmobulon−P−membrane(Millipore,Bedford,米国)にブロットした。n−GNE(水:油=45:55)中で全細胞調製物に対してニワトリ抗Lawsoniaポリクローナル血清を調製した。血清E2−839はL.intracellularis感染に典型的な臨床徴候と死後病変を生じたブタから入手した。血清はベクターpLysSrareを含むBL21star(DE3)からの等容量粗細胞抽出液を使用して4℃で4時間予備吸着させた。
Figure 2007527706
Figure 2007527706
結果
T7発現ベクターにおけるLawsonia遺伝子のクローニング
表1に示すプライマーを使用してLawsonia遺伝子をPCR増幅した。得られたPCR産物を制限酵素NcoI及びBamHIで消化した。消化したPCR産物を次に表2に示すように同一の2種類の制限酵素で予め切断しておいたpET22b又はpET−HIS1にライゲーションした。ライゲーション混合物を大腸菌TOP10Fに形質転換し、37℃で一晩インキュベーションした。コロニーPCRを使用して推定形質転換細胞が正しいプラスミドであるかどうかをチェックした。この結果、6個の異なる発現プラスミドが得られた。これらのプラスミドをヌクレオチド配列分析によりチェックした処、配列はクローニングストラテジーにより予想された通りであった。
大腸菌におけるT7プロモーターからのLawsonia遺伝子の発現
表2に示す全プラスミドについて組換え蛋白質産生を試験した。プラスミドをBL21star(DE3)pLysSrareに形質転換し、誘導を実施した。誘導培養液をSDS−PAGEゲル電気泳動とCBB染色により分析した(図1)。全6種の遺伝子は大腸菌BL21 star(DE3)pLysSrareで十分な発現を生じた。発現レベルは150μg/mlに達した。
ウェスタンブロットにより発現産物の分析
Lawsonia全細胞をワクチン接種したニワトリの血清と、L.intracellularis感染に典型的な臨床徴候と死後病変を示したブタに由来する血清を使用して発現産物をウェスタンブロットにより分析した(図2)。組換えLawsonia蛋白質はニワトリ及びブタ血清により陽性であることが確認された。
大腸菌BL21STAR/pLysSRAREにおけるLawsonia intracellularis遺伝子の過剰発現のNuPAGE分析。レーン1,分子量マーカー;レーン2,pET76.7 T=0;レーン3,pET76.7 T=3;レーン4,pET56.8 T=0;レーン5,pET56.8 T=3;レーン6,pET24.8 T=0;レーン7,pET24.8 T=3;レーン8,pET28.8 T=0;レーン9,pET28.8 T=3;レーン10,pET31.0 T=0;レーン11,pET31.0 T=3;レーン12,pET31.4 T=0;レーン13,pET31.4 T=3;レーン14,T=3,発現ベクターなし。矢印は発現産物の位置を示す。 大腸菌BL21STAR/pLysSRAREにおけるLawsonia intracellularis遺伝子の発現産物のウェスタンブロット。レーン1,pET31.4;レーン2,pET28.8;レーン3,pET31.0;レーン4,pET24.8;レーン5,pET 76.7;レーン6,pET56.8;レーン7,発現ベクターなし。矢印は発現産物の位置を示す。

Claims (27)

  1. Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の一部であって、前記核酸配列又は前記その一部が配列番号1に記載の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%の相同性をもつ前記核酸配列又はその一部。
  2. Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の一部であって、前記核酸配列又は前記その一部が配列番号3に記載の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%の相同性をもつ前記核酸配列又はその一部。
  3. Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の一部であって、前記核酸配列又は前記その一部が配列番号5に記載の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%の相同性をもつ前記核酸配列又はその一部。
  4. Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の一部であって、前記核酸配列又は前記その一部が配列番号7に記載の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%の相同性をもつ前記核酸配列又はその一部。
  5. Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の一部であって、前記核酸配列又は前記その一部が配列番号9に記載の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%の相同性をもつ前記核酸配列又はその一部。
  6. Lawsonia intracellularis蛋白質をコードする核酸配列又は前記蛋白質の免疫原性フラグメントをコードする前記核酸配列の一部であって、前記核酸配列又は前記その一部が配列番号11に記載の核酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%の相同性をもつ前記核酸配列又はその一部。
  7. 請求項1から6に記載の核酸配列を含むDNAフラグメント。
  8. 機能的に連結されたプロモーターの制御下に請求項1から6に記載の核酸配列又は請求項7に記載のDNAフラグメントを含む組換えDNA分子。
  9. 請求項1から6に記載の核酸配列、請求項7に記載のDNAフラグメント又は請求項8に記載の組換えDNA分子を含む生きた組換えキャリヤー。
  10. 請求項1から6に記載の核酸配列、請求項7に記載のDNAフラグメント、請求項8に記載の組換えDNA分子又は請求項9に記載の生きた組換えキャリヤーを含む宿主細胞。
  11. 配列番号2に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%相同のアミノ酸配列を含むLawsonia intracellularis蛋白質、又は前記蛋白質の免疫原性フラグメント。
  12. 配列番号4に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%相同のアミノ酸配列を含むLawsonia intracellularis蛋白質、又は前記蛋白質の免疫原性フラグメント。
  13. 配列番号6に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%相同のアミノ酸配列を含むLawsonia intracellularis蛋白質、又は前記蛋白質の免疫原性フラグメント。
  14. 配列番号8に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%相同のアミノ酸配列を含むLawsonia intracellularis蛋白質、又は前記蛋白質の免疫原性フラグメント。
  15. 配列番号10に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%相同のアミノ酸配列を含むLawsonia intracellularis蛋白質、又は前記蛋白質の免疫原性フラグメント。
  16. 配列番号12に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、好ましくは92%、より好ましくは94%、更に好ましくは96%相同のアミノ酸配列を含むLawsonia intracellularis蛋白質、又は前記蛋白質の免疫原性フラグメント。
  17. ワクチンで使用するための請求項11から16に記載のLawsonia intracellularis蛋白質。
  18. Lawsonia intracellularis感染の防除用ワクチンの製造における請求項11から16に記載のLawsonia intracellularis蛋白質の使用。
  19. 請求項1から6に記載の核酸配列、請求項7に記載のDNAフラグメント、請求項8に記載の組換えDNA分子、請求項9に記載の生きた組換えキャリヤー、請求項10に記載の宿主細胞又は請求項11から16に記載の蛋白質と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含むことを特徴とするLawsonia intracellularis感染の防除用ワクチン。
  20. アジュバントを含むことを特徴とする請求項19に記載のワクチン。
  21. ブタに対して病原性のウイルスもしくは微生物に由来する付加抗原又は前記抗原をコードする遺伝情報を含むことを特徴とする請求項19又は20に記載のワクチン。
  22. 前記ブタに対して病原性のウイルスもしくは微生物が仮性狂犬病ウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、ロタウイルス、大腸菌、Erysipelothrix rhusiopathiae、Bordetella bronchiseptica、Salmonella cholerasuis、Haemophilus parasuis、Pasteurella multocida、Streptococcus suis、Mycoplasma hyopneumoniae及びActinobacillus pleuropneumoniaeから構成される群から選択されることを特徴とする請求項21に記載のワクチン。
  23. 請求項11から16に記載の蛋白質に対する抗体を含むことを特徴とするLawsonia intracellularis感染の防除用ワクチン。
  24. 請求項1から6に記載の核酸配列、請求項7に記載のDNAフラグメント、請求項8に記載の組換えDNA分子、請求項9に記載の生きた組換えキャリヤー、請求項10に記載の宿主細胞、請求項11から16に記載の蛋白質、又は請求項11から16に記載の蛋白質に対する抗体と、医薬的に許容可能なキャリヤーを混合する段階を含む請求項19から23に記載のワクチンの製造方法。
  25. 請求項1から6に記載の核酸配列、又は少なくとも12、好ましくは15,より好ましくは18ヌクレオチド長のそのフラグメントを含むことを特徴とするLawsonia intracellularisに特異的なDNAの検出用診断試験。
  26. 請求項11から16に定義された蛋白質又はそのフラグメントを含むことを特徴とするLawsonia intracellularisに対する抗体の検出用診断試験。
  27. 請求項11から16に定義された蛋白質又はそのフラグメントに対する抗体を含むことを特徴とするLawsonia intracellularisの抗原材料の検出用診断試験。
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