JP2007526000A - サイトカイン誘導性シグナル伝達を阻害する細胞透過性socsポリペプチド - Google Patents

サイトカイン誘導性シグナル伝達を阻害する細胞透過性socsポリペプチド Download PDF

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Abstract

サイトカイン誘導性シグナル伝達を阻害する、サイトカインシグナル伝達タンパク質の細胞透過性サプレッサ(SOCS)の組成物および方法が開示される。少なくとも1つのアドレスが本明細書中に開示される核酸配列のいずれかに示される配列またはこの配列の一部であるチップが、開示される。本明細書中で開示される方法の実施において使用され得る試薬を含むキットが、開示される。本明細書中で開示される組成物は、特定の機能(例えば、サイトカイン誘導性シグナル伝達の阻害)を有する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮特許出願第60/550037号(2004年3月4日出願、本明細書中でその全体が参考として援用される)の継続出願であり、かつその優先権を主張する。
(連邦政府後援の研究の宣言)
本発明は、部分的にNIH助成金第HL69542号および同第HL68744号の下で政府の援助によって行われた。米国政府は、本発明において一部の権利を有する。
(背景)
サイトカインおよびケモカインは、他の細胞の行動に影響する、細胞によって作られるタンパク質である。白血球およびリンパ球によって作られるサイトカインは、しばしばインターロイキン(IL)またはリンホカインと呼ばれる。サイトカインは、影響する細胞上の特異的サイトカインレセプターに作用する。同系(cognate)のレセプターへの結合は、細胞における活性(例えば、成長、分化、移動または死)を誘導する。幾種類かのサイトカインおよびケモカインは、急性炎症応答の媒介において主要な役割を果たした。すなわち、IL−1β、TNF−α、IL−6、IL−11、IL−12、インターフェロンγ、IL−8および他のケモカインである。造血成長因子についてのレセプターであるGSCFおよびGM−SCFは、サイトカインレセプターと構造的類似性を共有し、そして炎症における白血球の産生および機能に影響する。
先天免疫系の細胞による炎症促進性サイトカインおよびケモカインの産生は、侵入する病原体に対する最初の宿主防御を媒介する上で重要な役割を果たす。さらに、宿主の炎症応答の性質または持続時間を調節し得ないことは、しばしば、急性炎症性疾患および慢性炎症性疾患において観察される、宿主の有害な効果を媒介し得る。例えば、敗血症の初期段階において、宿主の炎症応答は、炎症促進性(pro−inflammatory)サイトカインの産生における顕著な増加を伴う過剰活性(hyperactive)状態であり、これが宿主組織の損傷および致命的なショックを媒介すると考えられる。従って、炎症促進性サイトカインおよび抗炎症性サイトカインの産生のレベルを指示する先天免疫応答の能力は、宿主免疫応答の性質を限定するかまたは調節する上で重要である。この能力は、サイトカインシグナル伝達のサプレッサ(SOSC)と呼ばれる、生理学的な細胞内タンパク質のファミリーによって与えられる。
当該分野において、サイトカイン誘導性シグナル伝達を阻害し、それによって炎症および関連する疾患を制御し得る方法および組成物の需要が存在する。
(要旨)
細胞透過性のサイトカインシグナル伝達タンパク質のサプレッサ(SCOC)に関連する方法および組成物を、開示する。
本明細書中に組み込まれ、かつ本明細書の一部を成す添付の図面は、本開示の組成物および方法を説明する本明細書と共に、幾つかの実施形態を図示する。
(詳細な説明)
本発明の化合物、組成物、物品、デバイスおよび/または方法が開示および記載される前に、他に指定されない限り、または特定の試薬に対して他に指定されない限り、これらは特定の合成方法または特定の組換え生物工学方法に限定されないことが理解されるべきである(例えば、無論、変り得る)。また、本明細書中で使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的のためのみのものであり、限定を意図されないことが理解されるべきである。
(A.定義)
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他を指示しない限り、複数の対象を含む。従って、例えば、「1つの(a)薬学的キャリア」は、2以上のこのようなキャリアなどの混合物に対する言及を含む。
範囲は、本明細書中で、「約(about)」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までと表現され得る。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行詞「約」は、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。範囲の終末点の各々は、もう一方の終末点に関連して有意でありかつもう一方の終末点から独立して有意であることが理解される。また、本明細書中に記載される数値が存在し、そしてこれらの各値はまた、その値自体に加えて、本明細書中で開示される「約」特定の値であることも、理解される。例えば、値「10」が開示される場合、従って、「約10」もまた、開示される。その値と「同じかそれ未満」、「その値と同じかそれより大きい」値が開示される場合、当業者に適切に理解されるように、値の間の範囲もまた開示されることもまた、理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「10と同じかそれ未満」および「10と同じかそれより大きい」もまた開示される。また、本明細書を通して、データは異なった形式の数字で提供され、そしてこのデータは、終末点および開始点を表し、そしてデータ点の任意の組み合わせの範囲に及ぶことも、理解される。例えば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点15が開示される場合、10および15より大きい、10および15と同じかそれより大きい、10および15未満、10および15と同じかそれ未満、ならびに10および15と同じが、10と15との間と同じく開示されることが理解される。
本明細書および特許請求の範囲において、多くの用語に対して言及がなされ、これらは、以下の意味を有するように定義される:
「必要に応じた(optional)」または「必要に応じて(optionally)」は、その後に記載される事象または状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、そしてこの記載は、この事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含む。
「プライマー」は、幾つかの型の酵素的操作を補助し得、かつ酵素的操作が起こり得るように標的核酸にハイブリダイズし得る、プローブの部分集合である。プライマーは、酵素的操作を妨げない、当該分野で利用可能な核酸または核酸誘導体もしくは核酸アナログの任意の組み合わせから作製され得る。
「プローブ」は、代表的に配列特異的様式で(例えばハイブリダイゼーションを通して)標的核酸と相互作用し得る。核酸のハイブリダイゼーションは、当該分野でよく理解され、本明細書中で議論される。代表的に、プローブは、当該分野で利用可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体もしくはヌクレオチドアナログの任意の組み合わせから作製され得る。
用語「より高度に(higher)」、「増加する(increase)」、「上昇する(elevate)」または「上昇(elevation)」は、基本レベルより上に増加(increace)すること、または対照と比較して増加することをいう。用語「下げる(low)」、「低下する(lower)」、「阻害する(inhibit)」、「阻害(inhibition)」、「減少する(reduce)」、または「減少(reduction)」は、基本レベルより下に減少(decrease)すること、または対照と比較して減少することをいう。例えば、基本レベルは、炎症の前または炎症非存在下であるか、または炎症を引き起こす薬剤を加える前または炎症を引き起こす薬剤の非存在下の、正常なインビボレベルである。
用語「媒介する(mediate)」または「媒介(mediation)」および「調節(modulate)」または「調節する(modulation)」は、調節するかまたは制御することを意味し、特に、増加すること、増強すること、上昇すること、または代替的に低下すること、阻害すること、抑制すること、もしくは減少することをいう。用語「媒介する」および「調節する」は、全体で相互交換可能に使用される。
「炎症」または「炎症性」は、生きている組織の損傷、感染または刺激に対する反応として定義される。炎症性応答を刺激するものは全て、炎症性であるといわれる。
「炎症性疾患」は、炎症に関連する任意の疾患状態として定義される。炎症性疾患としては、肺炎(pneumonia)および肺臓炎(pneumonitis)、喘息、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、髄膜炎および脳炎、糸球体腎炎、肝炎、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、反応性関節炎、脊椎関節炎(spondyloarthritis)、全身性脈管炎、インスリン依存性糖尿病、多発性硬化症、実験的アレルギー性脳脊髄炎、シェーグレン症候群、対宿主性移植片病、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎を含む)および強皮症が挙げられる。炎症性疾患としてはまた、以下のような自己免疫疾患も挙げられる:重症筋無力症、ギヤン−バレー病、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、溶血性貧血、ブドウ膜炎、グレーヴズ病、悪性貧血、血小板減少症、橋本甲状腺炎、卵巣炎、精巣炎、副腎疾患、抗リン脂質症候群、ヴェーゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、多発性筋炎、皮膚筋炎、白斑、強直性脊椎炎、尋常性天疱瘡、乾癬、疱疹状皮膚炎、アディソン病、グッドパスチャー症候群、バーゼドー病、特発性血小板減少性紫斑病(thrombocytopenic purpura)、アレルギーおよび心筋症。
「感染」または「感染過程」は、ある生体が任意の型の外来物質または別の生体によって侵入されることをいう。感染の結果は、外来性生体の増殖、毒素の産生および宿主生体の損傷を含み得る。感染は、例えば、プリオン感染、ウイルス感染、細菌感染、寄生虫感染および真菌感染が挙げられる。
「肝臓毒性」は、肝臓における毒性物質の異常な蓄積として定義される。毒性データの臨床的有用性を評価するために、多くの診断基準が使用され得る:(a)損傷の型/重症度、(b)可逆性、(c)毒性の機構、(d)種間相違、(e)毒性の感受性生物マーカーの利用能、(e)安全域(非毒性用量/薬理学的活性用量)、および(f)治療可能性。
「癌治療」は、癌に関連する症状の予防、処置または改善において有用な、任意の処置または治療として定義される。癌治療としては、アポトーシス誘導、放射線治療および化学療法が挙げられるが、これらに限定されない。
「移植」は、1つの生体から別の生体への器官または身体の部分の移植として定義される。
「移植拒絶」は、被験体の体内における異種の血液または組織の存在によって引き起こされる免疫応答として定義される。1つの移植拒絶の例において、抗体は、移植された物質上の異種の抗原に対して形成される。
本明細書を通して使用されるように、「被験体」は、個体を意味する。従って、「被験体」は、飼いならされた動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えばウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、実験室動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、ハムスターなど)および鳥が含まれ得る。好ましくは、被験体は、霊長類のような哺乳動物であり、より好ましくは、ヒトである。
用語「コントロールレベル」または「コントロール細胞」は、標準として定義され、これによって変化が測定される。例えば、コントロールは、実験に供されない代わりに、規定された一組のパラメータに供されるか、またはコントロールは、処置前または処置後のレベルに基づく。
本出願を通して、種々の刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は、その全体において、本出願が属する分野の現行技術をより完全に記載するために、本明細書中で参考として援用される。開示される参考文献はまた、この参考文献に基づく文章において考察される、これらに含まれる資料について、本明細書中で個々にかつ具体的に、参考として援用される。
(B.概要)
(SOCSタンパク質およびサイトカイン誘導性シグナル伝達)
炎症は、生物学的因子、多くの化学的因子および物理的因子によって引き起こされる、疾患の主要な機構である。炎症のメディエイタの産生は、炎症促進性遺伝プログラムのポジティブな活性化因子としてのストレス応答性転写因子によって厳密に調節された細胞内シグナル伝達に依存する(Hawiger,J.Immunol.Res.(2001))。同時に、サイトカインシグナル伝達のサプレッサ(SOCS)と名付けられた、炎症促進性シグナル伝達のネガティブな調節因子をコードする遺伝子はまた、天然に起きる感染の間、炎症応答の強度および/または持続時間を限定するように活性化される(Alexander,W.S.Nat Rev Immunol 2:410−6(2002))。分子レベルにおいて密接に関連するSOCSファミリーのメンバーであるSOCS1およびSOCS3は、インターフェロンγ(IFN−γ)に応答して、STAT1(転写のシグナル伝達因子および活性化因子1)のリン酸化依存性活性化をブロックし、そしてIFN−γレセプターシグナル伝達複合体をプロテオソーム分解のために標的化する。(Krebs,D.L.&Hilton,D.J.J Cell Sci 113(Pt16):2813−9(2000)、Krebs,D.L.&Hilton,D.J.Stem Cells 19:378−87(2001)、Yasukawaら,Annu Rev Immunol 18:143−64(2000)、Zhang,J.G.ら,Proc Natl Acad Sci U S A 98:13261−5(2001))。マウスマクロファージにおけるSOCS3の条件的欠損は、これらを炎症促進性アゴニストに対し感受性にし、細胞レベルで過剰な炎症性シグナル伝達を抑制する能力を明白に示す(Yasukawa,H.ら,Nat Immunol 4:551−6(2003);Lang,R.ら,Nat Immunol 4:546−50(2003),Croker,B.A.ら,Nat Immunol 4:540−5(2003))。
ネガティブ調節因子(例えば、SOCS)の存在にもかかわらず、宿主防御系は、急上昇する全身性炎症応答に対して感受性であり続ける。例えば、ブドウ球菌スーパー抗原および連鎖球菌スーパー抗原は、確実にT細胞を活性化し、組織の損傷および死をもたらす(Balabanら,Int J Food Microbiol 64,33−40(2001)、Dingesら,Clin Microbiol Rev 13,16−34,(2000))。例えば、ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)は、ヒトにおける非月経性トキシックショック症候群(NMTSS)および非ヒト霊長類における致命的な呼吸窮迫性症候群を誘導する(Balabanら,Int J Food Microbiol 64,33−40(2001)、Mattixら,Toxicol Pathol 23,262−8(1995))。SEBのこれらの特性は、その生物兵器としての使用可能性(Madsenら,Clin Lab Med 21,593−605(2001))のみについてでなく、抗生物質耐性株によって引き起こされる市中(community−acquired)ブドウ球菌感染(現在米国で年間200万人を超える)におけるビルエンス因子としてもまた、重要である(Feyら,Antimicrob Agents Chemother 47,196−203(2003);Clarkら,Curr Opin Crit Care 9,403−12(2003))。NMTSSは、炎症性のサイトカインおよびケモカイン(広範に広がった、組織損傷、多数の器官不全、脈管系の虚脱および死に寄与する)の制御されない産生によって特徴付けられる。
実施例4は、SEBおよびT細胞を標的化する関連のスーパー抗原によって誘発された、急性全身性炎症における細胞内タンパク質治療を示す。実施例4において使用されるSEB毒性モデルにおいて、CP−SOCS3の腹腔内投与は、その血液ならびに脾臓の白血球およびリンパ球における細胞内の残留と、IL−6およびMHCクラスII発現の抑制と、アポトーシスおよび出血性壊死によって顕在化する重篤な肝臓損傷の予防とをもたらした。まとめて考えると、CP−SOCSは、SEBチャレンジ(SEB−challenged)マウスの生存率を劇的に改善した。
マウス肝臓におけるアポトーシス損傷および出血性の損傷は、インビボで抑制され(実施例5)そしてSEBチャレンジ後のマウスの生存は、CP−SOCS3タンパク質によって著しく増加した。これらのインビボの結果は、内因性で発現されるSOCSタンパク質は、SEBおよび関連のスーパー抗原によって引き起こされた急性全身性炎症の間のサイトカインおよびケモカインの膨大な群による大量の炎症性侵襲を食い止めるのに不十分であることを示す。しかし、外因性のCP−SOCS3の供給は、インビボでシグナル伝達を抑制するために十分である。SP−SOCS3のインビボ送達は、迅速であり、腹腔内注射の1時間後に血液白血球およびリンパ球において検出の最高レベルに達し、しばらく(2時間)後に脾臓において検出の最高レベルに達した。重要なことには、CP−SOCS3は、単回の腹腔内注射の後、血球および脾臓において少なくとも8時間にわたって持続した。これらのデータは、その持続性を、IL−6誘導およびMHC−II誘導の抑制ならびに印象的な72時間の生存の獲得と関連付けることにより、CP−SOCS3のインビボ活性の機構のよりよい理解に貢献する。これらの知見は、内在性の低レベルのSOCSタンパク質の補充に対する細胞内置換治療の使用を補助する。外因性CP−SOCS3の十分な供給を提供することにより、過剰なサイトカインシグナル伝達の有害な効果に対する無応答性の状態が維持される。少なくとも8時間にわたって観察された、投与されたCP−SOCS3のインビボ持続性は、この組換えられた細胞透過性タンパク質の、外因性SOCS3で観察される迅速な細胞内分解を回避する能力を反映する(Ruiら,J Biol Chem 277:42394−8(2002))。
細胞内タンパク質治療は、進化を通じて保存されているシグナル配列の疎水性領域に由来する膜トランスロケーションモチーフ(menbrane−translocating motif)(MTM)を含む細胞透過性タンパク質の操作に基づき得る(Veachら,J Biol Chem 279:11425−31(2004)、Hawiger,J.Curr Opin Immunol 9:189−94(1997))。シグナル配列疎水性領域を用いることにより、組換えSOCS3のエンドソーム性隔離(endosomal sequestration)は回避され得、それによって、その非制限的な細胞内輸送および細胞間輸送を可能にする。このような輸送は、インビボ送達および炎症に関連する多数の細胞型における細胞内標的化に必要である。SEBチャレンジマウスにおいて分析されたマクロファージにおいて、IL−6の産生を減少しそしてMHCクラスII分子の誘導性細胞表面発現を抑制する、2種のCP−SOCS3タンパク質もまた、確立された。MHC−IIの誘導におけるIFN−γの重要な役割を考慮し、CIITAプロモーターIVの活性化およびその後のMHCクラスII分子の発現のために必要であるSTAT1リン酸化の阻害が達成された。
SEBに加えて、他の細菌性スーパー抗原、無関連の毒素、ウイルスおよび化学薬剤が、生組織の炎症を誘導することが公知である。これらの炎症に基づく全身性疾患は、CP−SOCS3による処置を受け入れ可能である。さらに、腸の炎症および関節炎は、遺伝子操作または遺伝子治療に基づくアプローチ(それぞれ、例えば、SOCS3の誘導またはアデノウイルスベクターを用いたSOCS3の送達)によって制御され得る(Shoudaら,J Clin Invest 108:1781−8(2001)、SuzukiらJ Exp Med 193:471−81(2001))。
(C.組成物)
本開示の組成物を調製するために使用される成分、ならびに本明細書中で開示される方法において使用される組成物自体が、開示される。これらの物質および他の物質が、本明細書中で開示され、そして、これらの物質の組み合わせ、部分集合、相互作用、群などが開示される。これらの種々の個体の特定の言及ならびにこれらの化合物の集合的な組み合わせおよび順列は、明確に開示されない場合があるが、各々は具体的に企図され、そして本明細書中に開示される。例えば、特定のSOCS配列が開示されかつ議論され、そして多くの分子に対して行われ得る多くの修飾が議論される場合、特にそうでないことが示されない限り、可能である修飾の組み合わせおよび順列の各々および全てが、具体的に企図される。従って、分子のクラスA、BおよびC、ならびに分子のクラスD、EおよびFが開示され、そして分子の組み合わせの一例であるA−Dが開示される場合、各々が個々に挙げられないとしても、各々が個々にかつ集合的に以下の組み合わせを意味するように企図され、A−E、A−F、B−D、B−F、C−D、C−EおよびC−Fが開示されるとみなされる。同様に、これらの任意の部分集合または組み合わせもまた、開示される。従って、例えば、A−E、B−FおよびC−Eの下位集団が、開示されるとみなされる。この概念は、本出願の全ての局面に適用される。これらの局面には、開示される組成物を作成する方法および用いる方法における工程が含まれるが、これらに限定されない。従って、実施され得る種々のさらなる工程が存在する場合、これらのさらなる工程のそれぞれは、本開示の方法の任意の実施形態または実施形態の組み合わせで実施され得ることが理解される。
サイトカインシグナル伝達のサプレッサ(SOCS)配列および膜トランスロケーションモチーフ(MTM)配列を含む単離されたポリペプチドが、本明細書中で開示される。このようなポリペプチドは、「細胞透過性SOCSポリペプチド」または「細胞透過性SOCS配列」と呼ばれ得る。任意の種由来の任意のSOCSタンパク質(例えば、SOCS−1、SOCS−2、SOCS−3、SOCS−4、SOCS−5、SOCS−6もしくはSOCS−7、またはそのフラグメント)は、任意の組み合わせで、SOCS配列の供給源として使用され得る。使用されるSOCSタンパク質は、選択された細胞内へこの分子を輸送することによって達成される目的に基づいて選択され得る。また、SOCS配列および膜トランスロケーション配列を含むポリペプチドをコードする単離された核酸もまた、企図される。このような核酸配列は、「細胞透過性SOCS核酸」と呼ばれ得る。細胞透過性SOCS核酸を含むベクターおよび細胞もまた、開示される。このSOCS配列は、SOCSタンパク質を含み得る。
SOCSタンパク質は、中央のSH2ドメインおよび比較的よく保存されたアミノ酸配列(SOCSボックスまたはCIS相同性(CH)ドメインを形成する)を有する。SOCS1およびSOCS3はまた、SH2ドメインのN末端側に独特の30アミノ酸残基を有し、これはキナーゼ阻害性領域(KIR)と名づけられる。本明細書中で開示されるSOCS配列は、SOCSタンパク質のSH2ドメイン、キナーゼ阻害ドメインおよびSOCSボックスドメインの全体または機能的部分を、個々にまたは任意の組み合わせで含み得る。従って、SOCSタンパク質のSH2ドメイン、KIRドメインまたはSOCSボックスドメインの全体または機能的部分を含むSOCS配列が、本明細書中で企図される。また、SH2ドメインおよびKIRドメイン、SH2ドメインおよびSOCSボックスドメイン、またはKIRドメインおよびSOCSボックスドメインを含むSOCS配列もまた、企図される。3つ全てのドメイン一緒(SH2ドメイン、KIRドメインおよびSOCSボックスドメインの全てまたは機能的部分)もまた、企図される。「機能的部分」により、単独でまたは他のSOCSタンパク質ドメインもしくはドメインの部分と組み合わせてサイトカインシグナル伝達機能の抑制を維持する、このドメインの一部、部分またはセグメントが意味される。
「SOCS配列」はまた、機能的に定義され得る。サイトカインシグナル伝達は、JAK−STATシグナル伝達経路を介してSOCSタンパク質の発現を誘導する。誘導されたタンパク質は、立体障害もしくはJAKおよびサイトカインレセプターへのSH2ドメイン媒介性結合を介して、STATのレセプターとの相互作用をブロックするか、または、KIR領域もしくはGH2領域を介した結合を通して、JAKの触媒活性を阻害する。従って、「SOCS配列」は、本明細書中で使用される場合、サイトカインシグナル伝達のサプレッサとして機能し得る任意のアミノ酸配列として定義され得る。このような抑制は、サイトカインシグナル伝達の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の抑制として定義される。この抑制は、リンパ球前駆体の増大、STAT5リン酸化、またはTNF−α、IL−6および他のサイトカインを測定することによって測定され得る。抑制の測定の例は、例えば、Alexanderら(Annu.Rev.Immunol.(2004)22:503−29)およびAlexanderら(Nat.Rev.Immun.(2002)2:1−7)において見出され、これらは両方とも、サイトカインおよび増殖因子によって誘導される細胞内シグナル伝達の抑制を測定することに関するその教示に関して、本明細書中でその全体が参考として援用される。あるいは、全長SOCSタンパク質またはそのフラグメントは、これらを内因性SOCSタンパク質のドミナントネガティブインヒビターにする、1以上の変異残基を含み得る。このようなインヒビターは、SOCSタンパク質が、増殖因子およびホルモンによって惹起された生理的シグナル伝達を消失させること(例としては、慢性的感染の間の貧血の逆転、またはII型糖尿病を特徴付ける代謝症候群におけるインスリン抵抗性およびレプチン抵抗性の逆転が挙げられる)を防止し得る。全長SOCS−1アミノ酸配列の例は、本明細書中で配列番号3として提供される。このアミノ酸配列をコードする核酸配列もまた、本明細書中で提供される。ヒトSOCS−1のアミノ酸配列およびヒトSOCS−1をコードする核酸(配列番号18)は、寄託番号NM_003745の下でGenBankを介して利用可能である。寄託番号NM_003745の下で開示される配列および全ての情報は、本明細書中でその全体が参考として援用される。マウスSOCS−1のアミノ酸配列(配列番号25)およびマウスSOCS−1をコードする核酸(配列番号26)は、寄託番号NM_009896の下でGenBankを介して利用可能である。寄託番号NM_009896の下で開示される配列および全ての情報は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
変異SOCSタンパク質および変異SOCS配列もまた、開示される。これは、本開示の組成物および方法において、SOCS配列のかわりに使用され得るか、またはSOCS配列に加えて使用され得る。しかし、本明細書中で使用されるように、用語SOCSタンパク質およびSOCS配列は、そうでないと示されない限り、変異SOCSタンパク質または変異SOCS配列を含まない。有用な変異SOCSタンパク質および変異SOCS配列は、サイトカインシグナル伝達のサプレッサ機能を欠損するか、または低下したサプレッサ機能を有する。この機能の欠損または低下は、本明細書中のどこかで記載される、サイトカインシグナル伝達のサプレッサ機能を決定する技術を用いて決定され得る。
全長SOCS−2アミノ酸の例は、本明細書中で配列番号20として提供される。ヒトSOCS−2のアミノ酸配列およびヒトSOCS−2をコードする核酸(配列番号23)は、寄託番号NM_003877の下でGenBankを介して利用可能である。寄託番号NM_003877の下で開示される配列および全ての情報は、本明細書中でその全体が参考として援用される。マウスSOCS−2のアミノ酸配列(配列番号12)およびマウスSOCS−2をコードする核酸(配列番号10)は、寄託番号NM_007706の下でGenBankを介して利用可能である。寄託番号NM_007706の下で開示される配列および全ての情報は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
全長SOCS−3アミノ酸配列の例は、本明細書中で配列番号4として提供される。このアミノ酸配列をコードする核酸配列もまた、本明細書中で提供される。ヒトSOCS−3のアミノ酸配列およびヒトSOCS−3をコードする核酸(配列番号11)は、寄託番号NM_003955の下でGenBankを介して利用可能である。寄託番号NM_003955の下で開示される配列および全ての情報は、本明細書中でその全体が参考として援用される。マウスSOCS−3のアミノ酸配列(配列番号24)およびマウスSOCS−3をコードする核酸(配列番号13)は、寄託番号NM_007707の下でGenBankを介して利用可能である。寄託番号NM_007707の下で開示される配列および全ての情報は、本明細書中でその全体が参考として援用される。本明細書中で開示される配列のフラグメントは、適切な膜トランスロケーション配列またはシグナルペプチドに結合されて、本開示の細胞透過性SOCSポリペプチドを作製する。
上で記載したように、SOCS配列を含む単離されたポリペプチドはまた、「膜トランスロケーションモチーフ」をも含み得、これは、「移入適格(importation competent)シグナルペプチド」または「シグナルペプチドの細胞膜透過性疎水性領域」と本明細書中で呼ばれ、公知である。本明細書中で使用されるように、膜トランスロケーションモチーフは、疎水性脂溶性部分を有する、アミノ酸の配列である。膜トランスロケーションモチーフは、一般に、約10〜約25以上の長さのアミノ酸残基を有し、その多く(代表的に約55〜60%)の残基は、疎水性である。疎水性部分は、通常、シグナルペプチドの主要なモチーフであり、そしてしばしば、細胞から分泌されるタンパク質のシグナルペプチドの中央部分である。従って、シグナルペプチドは、本開示の膜透過性モチーフの有用な形態であるか、または本開示の膜トランスロケーション配列における使用のための配列の有用な供給源である(例えば、シグナル配列の疎水性部分を含む配列)。シグナルペプチドは、小胞体膜を通して透過し得、細胞タンパク質の輸出を可能にするペプチドである。本開示の組成物および方法における使用ならびに本開示の組成物および方法と共に使用するためのシグナルペプチドはまた、「移入適格」であるかまたは「細胞透過性」である(すなわち、細胞の外側から細胞の内部へ細胞膜を通って透過可能である)。膜トランスロケーションモチーフおよびシグナルペプチドのアミノ酸残基は、改変が膜トランスロケーションモチーフおよびシグナルペプチドのトランスロケーション媒介機能に影響しない限り、変異され得るか、および/または改変され得る(すなわち、模倣物を形成し得る)。従って、用語「モチーフ」および「ペプチド」は、模倣物を含み、そして用語「アミノ酸」は、改変アミノ酸、(本明細書中で使用されるように、)異常なアミノ酸、およびD形態アミノ酸を含む。本開示の組成物および方法における使用ならびに本開示の組成物および方法と共に使用するための移入適格シグナルペプチドは、細胞の外側から細胞の内部へ細胞膜を横切る移動、およびその逆の細胞膜を横切る移動を媒介する機能を有する。このような移入適格シグナルペプチドは、これらがタンパク質を輸出する能力を欠失するが、分子を細胞内に移入する能力を維持するように、改変され得る。
膜トランスロケーション配列として使用するためのシグナルペプチド、または膜トランスロケーション配列中の配列についての供給源としてのシグナルペプチドは、例えば、やはりシグナルペプチドの起源を列挙するSIGPEPデータベース(http://proline.bic.nus.edu.sg/sigpep)から選択され得る。特定の細胞型が標的化される場合、この細胞型によって使用されるシグナルペプチドが選択されてもよい(されなくてもよい)。例えば、特定のオンコジーンによってコードされるシグナルペプチドが、このオンコジーンが発現される標的化細胞における使用のために選択され得る。さらに、この細胞型に対して内因性のシグナルペプチドが、生物学的に活性な分子をこの細胞型に移入するために選択され得る。そして再び、任意の選択された膜トランスロケーションモチーフ、シグナルペプチドまたはその誘導体が、本明細書中の教示に従う任意の所定の細胞型の細胞膜を横切ってトランスロケーションする能力について、慣用的に試験され得る。具体的には、例えば、選択されたシグナルペプチドは、SOCS配列、SOCSタンパク質またはマーカータンパク質と結合体化されて、細胞内に投与され得、そしてこの細胞は、その後、活性分子またはマーカータンパク質の存在についてスクリーニングされ得る。膜トランスロケーション配列の疎水性領域の1つの有用な形態は、FGF−4の膜トランスロケーションモチーフ(MTM)であり得る。例えば、疎水性領域は、本明細書中で配列番号2として提供されるアミノ酸配列(AAVLLPVLLAAP)であり得る。配列番号2は、実施例においてSOCS−1融合タンパク質およびSOCS−3融合タンパク質を作製するために使用される、膜トランスロケーション配列の疎水性領域である。
本開示のSOCS配列はまた、膜トランスロケーションモチーフとの複合体として投与され得る。このような複合体は、リポソームをさらに含み得る。カチオン性リポソームおよびアニオン性リポソームが企図され、そして中性脂肪を有するリポソームが企図される。カチオン性リポソームは、膜トランスロケーションモチーフおよび負に帯電したSOCS配列と、これらの成分を混合し、そしてこれらを帯電させることによって、複合体化され得る。カチオン性リポソームの例としては、リポフェクチン、リポフェクタミン(lipofectamine)、リポフェクテース(lipofectace)およびDOTAPが挙げられる。アニオン性リポソームは、一般に、リポソーム内に物質を内包し、細胞に送達するために利用される。物質を内包したカチオン性リポソームを形成するための手順は、当該分野で標準的であり、そして、本開示の細胞透過性SOCSポリペプチド、SOCS配列およびSOCS複合体を内包するために、当業者によって本明細書中で容易に利用可能である。
任意の選択された細胞その細胞への生物学的に活性な分子の移入が有用であるような、任意の選択された細胞は、本開示の細胞透過性SOCSポリペプチド、SOCS配列およびSOCS複合体を選択された細胞に接触させる手段が存在する限り、本発明の方法によって標的化され得る。細胞は、組織または器官の中であり得る。例えば、血管によって、SOCSポリペプチド、SOCS配列またはSOCS複合体が供給される、組織または器官の中であり得る。さらに、細胞は、例えば、肺上皮を標的化するペプチドに結合された膜トランスロケーションモチーフを含むSOCSポリペプチド、SOCS配列またはSOCS複合体の吸入によって標的化され得る。この方法によって標的化され得る細胞の幾つかの例としては、とりわけ、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、血球および腫瘍細胞が挙げられる。さらに、SOCSポリペプチド、配列または複合体は、体内における組織部位に対し直接投与され得る。上で議論したように、膜トランスロケーションモチーフは、例えば、選択された標的細胞によって利用されることが公知であるシグナルペプチドから選択され得るか、または所望のシグナルペプチドが、本明細書中の教示に従い、移入能力について試験され得る。膜トランスロケーションモチーフの移入能力を試験する例は、実施例2および実施例3において開示され、ここでは、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)が使用される。しかし、一般に、すべてのシグナルペプチドは、細胞膜を横切る共通の能力を有し、これは、少なくとも部分的に、その疎水性特性に起因する。従って、一般に、膜トランスロケーションモチーフは、任意の細胞型について設計されそして使用され得る。なぜなら、真核生物細胞膜は、共通の脂質二重層を含むからである。
SOCS配列を含む単離されたポリペプチドはまた、親和性精製のための配列を含み得る。このような配列は、「精製配列」と呼ばれ得る。このような配列の例としては、ポリヒスチジンタグ、プロテインA(Pharmacia Biotech)、プロテインZ(Pharmacia Biotech)、ABP、GST(Pharmacia Biotech)、MBP(New England Biolabs)、FLAGペプチド(Kodak)およびPinPointe(Promega)ならびにTAPタグ(Drakas Rら,Proteomics 5:132(2005))が挙げられるが、これらに限定されない。
CP−SOCS融合タンパク質His−SOCS−3(配列番号18)、HS3M(配列番号19)、His−SOCS3−MTM(配列番号20)およびHMS3(配列番号21)もまた、本明細書中で開示される。
(1.相同性/同一性)
本開示の遺伝子および本明細書中のタンパク質の、任意の公知の改変体および誘導体または生じ得る改変体および誘導体を規定するための1つの方法は、特定の公知の配列に対する相同性に関して改変体および誘導体を規定する工程を介する。例えば、配列番号23は、核酸の特定の配列を示し、そして配列番号20は、配列番号23によってコードされるタンパク質(SOCSタンパク質)の特定の配列を示す。これらならびに本明細書中で開示される他の遺伝子およびタンパク質改変体であって、上記配列に対し少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%相同である改変体が、具体的に開示される。当業者は、2つのタンパク質または核酸(例えば、遺伝子)の相同性を決定する方法を、容易に理解する。例えば、相同性は、2つの配列を並列した後に相同性がその最高のレベルになるように計算され得る。
相同性を計算する別の方法は、公表されているアルゴリズムによって実施され得る。配列の比較のための最適アラインメントは、SmithおよびWaterman Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局在相同性アルゴリズム、NeedlemanおよびWunsch,J.MoL Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズム、PearsonおよびLipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444(1988)の類似性の検索方法、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実行(Wisconsin Genetics Software PackageにおけるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)または検査によって行われ得る。
同じ型の相同性が、例えば、Zuker,M.Science 244:48−52,1989、Jaegerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:7706−7710,1989、Jaegerら,Methods Enzymol.183:281−306,1989(少なくとも核酸アラインメントに関連する資料について、本明細書中で参考として援用される)において開示されるアルゴリズムによって、核酸についても得られ得る。
(2.配列類似性)
本明細書中で議論されるように、用語「相同性」および用語「同一性」の使用は、類似性という同じものを意味することが理解される。従って、例えば、用語「相同性」が2つの非天然配列間で使用される場合、これらの2つの配列間に進化的関係を示す必要はなく、むしろこれらの核酸の間の類似性または関連性を探していることが理解される。2つの進化的に関連する分子間の相同性を決定する多くの方法は、任意の2以上の核酸またはタンパク質に対し、これらが進化的に関連しているか否かに関係なく配列類似性を測定する目的で慣用的に適用される。
一般に、本明細書中で開示される遺伝子およびタンパク質の任意の公知の改変体および誘導体または生じ得る改変体および誘導体を規定する1つの方法は、特定の公知の配列に対する相同性に関してこの改変体および誘導体を規定する工程を介する。本明細書中で開示される特定の配列のこの同一性はまた、本明細書中のどこかで議論される。一般に、本明細書中で開示される遺伝子およびタンパク質の改変体は、上記の配列または天然の配列に対し、代表的に少なくとも約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の相同性を有する。当業者は、2つのタンパク質または核酸(例えば、遺伝子)の相同性を決定する方法を、容易に理解する。例えば、相同性は、2つの配列を並列した後に相同性がその最高のレベルになるように計算され得る。
相同性を計算する別の方法は、公表されているアルゴリズムによって実施され得る。配列の比較のための最適アラインメントは、SmithおよびWaterman Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局在相同性アルゴリズム、NeedlemanおよびWunsch,J.MoL Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズム、PearsonおよびLipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444(1988)の類似性の検索方法、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実行(Wisconsin Genetics Software PackageにおけるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)または検査によって行われ得る。
同じ型の相同性が、例えば、Zuker,M.Science 244:48−52,1989、Jaegerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:7706−7710,1989、Jaegerら,Methods Enzymol.183:281−306,1989(少なくとも核酸アラインメントに関連する資料について、本明細書中で参考として援用される)において開示されるアルゴリズムによって、核酸についても得られ得る。代表的に、任意の方法が使用され得ることが理解され、そして特定の場合においてこれらの種々の方法の結果は異なり得るが、これらの方法のうちの少なくとも1つにおいて同一性が見出される場合、配列はこの明示された同一性を有するといわれ、本明細書中に開示されることを当業者は理解する。
例えば、本明細書中で使用される場合、別の配列に対し特定の相同性百分率を有すると記載される配列は、上述の計算方法のうち任意の1以上によって計算された、記載される相同性を有する配列であることをいう。例えば、第1の配列が第2の配列に対し80%の相同性を有することがZuker計算法を用いて計算される場合、任意の他の計算法によって計算したときに第1の配列が第2の配列に対し80%の相同性を有さないとしても、第1の配列は第2の配列に対し80%の相同性を有すると本明細書中で規定される。別の例としては、第1の配列が第2の配列に対し80%の相同性を有することがZuker計算法ならびにPearsonおよびLipman計算法の両方を用いて計算される場合、SmithおよびWaterman計算法、NeedlemanおよびWunsch計算法、Jaeger計算法または任意の他の計算法によって計算したときに第1の配列が第2の配列に対し80%の相同性を有さないとしても、第1の配列は第2の配列に対し80%の相同性を有すると本明細書中で規定される。なお別の例としては、第1の配列が第2の配列に対し80%の相同性を有することがそれぞれの計算法を用いて計算される場合、第1の配列は第2の配列に対し80%の相同性を有すると本明細書中で規定される(しかし実際には、異なった計算法は、多くの場合異なった相同性百分率計算値をもたらす)。
(3.ハイブリダイゼーション/選択的ハイブリダイゼーション)
用語「ハイブリダイゼーション」は、代表的に、少なくとも2つの核酸分子(例えば、プライマーまたはプローブと遺伝子と)の間の、配列駆動性相互作用(sequence driven interaction)である。配列駆動性相互作用とは、2つのヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログもしくはヌクレオチド誘導体の間に、ヌクレオチド特異的な様式で起こる相互作用を意味する。例えば、Cと相互作用するGまたはTと相互作用するAは、配列駆動性相互作用である。代表的な配列駆動性相互作用は、ヌクレオチドのWatson−Crick面またはHoogsteen面において起こる。2つの核酸のハイブリダイゼーションは、当業者に公知の多くの条件およびパラメータによって影響される。例えば、塩濃度、pHおよび反応温度は、2つの核酸分子がハイブリダイズするか否かに影響を及ぼす。
2つの核酸分子間の選択的ハイブリダイゼーションのためのパラメータは、当業者に公知である。例えば、幾つかの実施形態において、選択的ハイブリダイゼーション条件は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件として規定される。例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、ハイブリダイゼーション工程および洗浄工程のどちらかまたは両方の温度および塩濃度の両方によって制御される。例えば、選択的ハイブリダイゼーションを達成するためのハイブリダイゼーションの条件は、Tm(分子の半分がそのハイブリダイゼーションパートナーと解離する溶解温度)より約12〜25℃低い温度における高イオン強度溶液(6×SSCまたは6×SSPE)中のハイブリダイゼーション、およびその後の(洗浄温度がTmより約5℃〜20℃低くなるように選択された温度および塩濃度の組み合わせでの)洗浄を含み得る。温度および塩の条件は、予備実験において容易に実験的に決定される。この予備実験において、フィルター上に固定された基準DNAのサンプルが目的の標的核酸にハイブリダイズされ、次いで、異なったストリンジェンシーの条件の下で洗浄される。ハイブリダイゼーション温度は、代表的に、DNA−RNAおよびRNA−RNAについてが、より高い。ストリンジェンシーを達成するように上述のように使用され得る条件は、当該分野で公知である(Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989;Kunkelら,Methods Enzymol.1987:154:367,1987、少なくとも核酸のハイブリダイゼーションに関連する資料について、本明細書中で参考として援用される)。DNAについての好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件:DNAハイブリダイゼーションは、(水溶液中)6×SSCまたは6×SSPE中で約68℃の後、68℃で洗浄。ハイブリダイゼーションおよび洗浄のストリンジェンシーは、所望される場合、所望される相補性の程度が低くなるに従って低下され得、そしてさらに、可変性が検索される任意の領域のG−C豊富度またはA−T豊富度に依存する。同様に、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のストリンジェンシーは、所望される場合、所望される相同性が高くなるに従って上昇され得、そしてさらに、高い相同性が所望される任意の領域のG−C豊富度またはA−T豊富度に依存する。これらは全て、当該分野で公知である。
選択的ハイブリダイゼーションを規定するための別の方法は、核酸の1つが他の核酸に結合する量(百分率)を探す工程による。例えば、幾つかの実施形態において、選択的ハイブリダイゼーション条件は、少なくとも約60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%の制限核酸が非制限核酸に結合する場合である。代表的に、非制限プライマーは、例えば、10倍または100倍または1000倍過剰である。この型のアッセイは、制限プライマーおよび非制限プライマーがそのkより例えば10倍もしくは100倍もしくは1000倍低い条件、あるいは核酸分子のうちの1つのみがそのkの10倍もしくは100倍もしくは1000倍である条件、または1つの核酸分子もしくは両方の核酸分子のkより高い条件の下で実施され得る。
選択的ハイブリダイゼーションを規定するための別の方法は、所望の酵素的操作を促進するためにハイブリダイゼーションが必要とする条件下で酵素的に操作されるプライマーの百分率を探す工程による。例えば、幾つかの実施形態において、選択的ハイブリダイゼーション条件は、少なくとも約60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のプライマーが、酵素的操作を促進する条件下で酵素的に操作される場合である。例えば、この酵素的操作がDNA伸長である場合、従って、選択的ハイブリダイゼーション条件は、少なくとも約60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のプライマー分子が伸長する場合である。好ましい条件はまた、製造業者によって示唆される条件、または当該分野で操作を行う酵素について適切であると示される条件も含む。
相同性と同時に、2つの核酸分子間のハイブリダイゼーションのレベルを決定するために本明細書中で開示される種々の方法が存在することが、理解される。これらの方法および条件は、2つの核酸分子の間の異なったハイブリダイゼーションの百分率を提供し得るが、他に示されない限り、いずれかの方法のパラメータを合わせることは、十分である。例えば、80%のハイブリダイゼーションが必要とされる場合、これらの方法のいずれか1つにおける所要のパラメータ内でハイブリダイゼーションが起こる限り、本明細書中で開示されるとみなされる。
組成物または方法が、集合的または個々のどちらかでハイブリダイゼーションを決定するためのこれらの判断基準のいずれか1つに適合する場合、本明細書中に開示される組成物または方法であることを、当業者が理解することが理解される。
(4.核酸)
本明細書中で開示される核酸ベースの種々の分子が存在する。これらとしては、例えば、例えばSOCS配列をコードする核酸および本明細書中で開示される任意の他のタンパク質をコードする核酸、ならびに種々の機能的核酸が挙げられる。本開示の核酸は、例えば、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、またはヌクレオチド代用物で構成される。これらおよび他の分子の非限定の例は、本明細書中で開示される。例えば、ベクターが細胞内で発現される場合、発現されるmRNAは、代表的にA、C、GおよびUで構成されることが、理解される。同様に、例えば、アンチセンス分子が、例えば外来性送達を通して細胞または細胞環境内に導入される場合、このアンチセンス分子が、細胞内環境におけるアンチセンス分子の分解を減少するヌクレオチドアナログで構成されることが有利であることが理解される。
(a.ヌクレオチドおよび関連分子)
ヌクレオチドは、塩基部分、糖部分およびリン酸部分を含む分子である。ヌクレオチドは、そのリン酸部分および糖部分を介して互いに結合し、ヌクレオシド間結合を形成する。ヌクレオチドの塩基部分は、アデニン−9−イル(A)、シトシン−1−イル(C)、グアニン−9−イル(G)、ウラシル−1−イル(U)およびチミン−1−イル(T)であり得る。ヌクレオチドの糖部分は、リボースまたはデオキシリボースである。ヌクレオチドのリン酸部分は、5価のリン酸である。ヌクレオチドの非限定の例は、3’−AMP(3’−アデノシン一リン酸)または5’−GMP(5’−グアノシン一リン酸)である。
ヌクレオチドアナログは、塩基部分、糖部分またはリン酸部分のいずれかに対するいくつかの型の修飾を含むヌクレオチドである。ヌクレオチドに対する修飾は、当該分野で周知であり、例えば、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチンおよび2−アミノアデニン、ならびに糖部分またはリン酸部分での修飾が挙げられる。
ヌクレオチド代用物は、ヌクレオチドと類似の機能特性を有するが、リン酸部分を含まない分子(例えば、ペプチド核酸(PNA))である。ヌクレオチド代用物は、Watson−Crick様式またはHoogsteen様式で核酸を認識するが、リン酸部分以外の部分で互いに結合する分子である。ヌクレオチド代用物は、適切な標的核酸と相互作用する場合、二重らせん型の構造を構成可能である。
他の型の分子(結合体)は、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログに結合されて、例えば、細胞の取り込みを増強し得る。結合体は、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログに化学的に結合され得る。このような結合体としては、リン酸部分(例えば、コレステロール部分)が挙げられるが、これらに限定されない(Letsingerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553−6556)。
Watson−Crick相互作用は、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド代用物のWatson−Crick面での少なくとも1つの相互作用である。ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド代用物のWatson−Crick面としては、プリンベースのヌクレオチド、ヌクレオチドアナログもしくはヌクレオチド代用物の位置C2、位置N1および位置C6、またはピリミジンベースのヌクレオチド、ヌクレオチドアナログまたはヌクレオチド代用物の位置C2、位置N2、位置C4が挙げられる。
Hoogsteen相互作用は、ヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログのHoogsteen面上で起こる相互作用であり、これは、二本鎖DNAの主要な溝に曝される。Hoogsteen面としては、プリンヌクレオチドの位置N7および位置C6の反応基(NHまたはO)が挙げられる。
(b.配列)
例えばSOCSおよび本明細書中で開示される任意の他のタンパク質に関連する種々の配列が存在し、これらは、Genbankで開示され、そしてこれらおよび他の配列は、その全体またはこれらに含まれる個々の配列において、本明細書中で参考として援用される。
本明細書中で提供される種々の配列ならびに他の配列は、Genbank(www.pubmed.gov)において見出され得る。当業者は、配列の不一致および相違を解析し、そして特定の配列を他の配列に関連付ける、組成物および方法を調整する方法を理解する。プライマーおよび/またはプローブは、本明細書中で開示される情報および当該分野で公知の情報に与えられる任意の配列について設計され得る。
(c.プライマーおよびプローブ)
本明細書中で開示される遺伝子と相互作用可能なプライマーおよびプローブが、開示される。特定の実施形態において、プライマーは、DNA増幅反応を支持するために使用される。代表的に、プライマーは、配列特異的様式で伸長することが可能である。プライマーの配列特異的様式での伸長としては、プライマーがハイブリダイズするかまたは他の方法で結合する核酸分子の配列および/もしくは組成物が、プライマーの伸長によって生成される生成物の組成物もしくは配列を指向するかまたはこれに影響する、任意の方法が挙げられる。プライマーの配列特異的様式での伸長としては、従って、以下が挙げられるが、これらに限定されない:PCR、DNA配列決定、DNA伸長、DNA重合体化、RNA転写または逆転写。プライマーを配列特異的様式で増幅する技術および条件が、好ましい。特定の実施形態において、プライマーは、DNA増幅反応(例えば、PCRまたは直接的配列決定)のために使用される。特定の実施形態において、プライマーはまた、非酵素的技術を用いても伸長され得ることが理解される。非酵素的技術においては、例えば、伸長に使用されるヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドが、配列特異的様式でプライマーを伸長するように化学的に反応するように改変される。本開示のプライマーは、代表的に、核酸もしくは核酸の領域にハイブリダイズするか、または、核酸の相補体もしくは核酸の領域の相補体にハイブリダイズする。
(d.インビボ/エキソビボ)
上述のように、組成物は、薬学的に受容可能なキャリア中で投与され得、そして当該分野で公知の種々の機構によって、インビボおよび/またはエキソビボで被験体の細胞に送達され得る。エキソビボ方法が使用される場合、細胞または組織は、取り出され、当該分野で周知の標準的方法に従って体外で維持される。この組成物は、任意の遺伝子輸送機構(例えば、リン酸カルシウム媒介性遺伝子送達、エレクトロポレーション、マイクロインジェクションまたはタンパクリポソーム)を介して細胞に導入され得る。形質転換された細胞は、次いで、(例えば、薬学的に受容可能なキャリア中で)注入され得るか、またはこの細胞または組織の型についての標準的方法を介して、被験体に同位置で移植して戻され得る。種々の細胞の被験体への移植または注入についての標準的方法は、公知である。
(5.ペプチド)
(a.タンパク質改変体)
本明細書中で議論されるように、配列番号3、配列番号4、配列番号12、配列番号20および配列番号24において見出されるようなSOCSタンパク質の多くの改変体、ならびに配列番号7〜配列番号9、配列番号19、および配列番号22において見出されるようなSOCS配列の多くの改変体が存在し、これらは公知であり、本明細書中で企図される。公知の機能的SOCS改変体に加え、SOCSタンパク質の誘導体もまた、本開示の方法および組成物において機能し得る。タンパク質改変体およびタンパク質誘導体は、当業者によく理解されており、アミノ酸配列改変を含み得る。例えば、アミノ酸配列改変は、代表的に、3つのクラス(置換改変体、挿入改変体または欠失改変体)の1以上に分類される。挿入は、1または多数のアミノ酸残基のアミノ末端融合および/またはカルボキシ末端融合ならびに配列内挿入を含む。挿入は、通常、アミノ末端融合またはカルボキシ末端融合よりも小さな挿入(例えば、1〜4残基程度)である。例えば、実施例において記載されるような免疫原性融合タンパク質誘導体は、標的配列に対する免疫原性を与えるために十分に大きなポリペプチドの融合によって作製され、この融合は、インビトロにおける架橋または融合物をコードするDNAによって形質転換された組換え細胞培養による。欠失は、タンパク質配列からの1以上のアミノ酸残基の除去によって特徴付けられる。代表的に、約2〜6残基以下が、タンパク質分子内の任意の1部位において欠失される。これらの改変体は、通常、このタンパク質をコードするDNAのヌクレオチドの部位特異的変異誘発によって改変体をコードするDNAを生成し、そしてその後、DNAを組換え細胞培養物において発現することによって調製される。既知の配列を有するDNAの所定の部位における置換変異体を作製する技術(例えば、M13プライマー変異誘発およびPCR変異誘発)は、周知である。アミノ酸置換は、代表的に、1残基置換であるが、多くの異なる位置で一度に起こり得る。挿入は、通常、約1〜10アミノ酸残基の桁である。そして欠失は、約1残基から30残基までの範囲である。欠失または挿入は、好ましくは、隣接する対において作製される(すなわち、2残基の欠失または2残基の挿入)。置換、欠失、挿入またはこれらの任意の組み合わせは、最終構築物に到達するように結合され得る。変異は、リーディングフレームの外の配列に配置されてはならず、好ましくは、二次RNA構造を産生し得る相補的領域を作製しない。置換改変体は、少なくとも1つの残基が除去され、そして異なる残基がその場所に挿入される改変体である。このような置換は、一般に、以下の表1および表2に従って作製され、保存的置換と呼ばれる。
(表1:アミノ酸の略称)
Figure 2007526000
Figure 2007526000
機能または免疫学的実体における置換的変化は、表2の置換よりも保存的でない置換、すなわち、以下を維持する残基の効果においてより有意に異なる残基を選択することによってもたらされる:(a)置換の領域におけるペプチド骨格の構造(例えば、シート構造またはらせん構造)、(b)標的部位における電荷または疎水性、または(c)側鎖の大きさ。一般にタンパク質の性質においてより大きな変化を生むことが予測される置換は、以下のような置換である:(a)親水性残基(例えば、セリル残基またはトレオニル残基)が疎水性残基(例えば、ロイシル残基、イソロイシル残基、フェニルアラニル残基、バリル残基またはアラニル残基)と置換される置換;(b)システインまたはプロリンが任意の他の残基と置換される置換;(c)正に帯電した側鎖を有する残基(例えば、リジル残基、アルギニル残基またはヒスチジル残基)が負に帯電した残基(例えば、グルタミル残基またはアスパルチル残基)と置換される置換;または(d)大きな側鎖を有する残基(例えば、フェニルアラニン)が側鎖を有さない残基(例えば、グリシン)と置換される置換、この場合(e)硫酸化および/または糖化のための部位の数の増加による置換。
例えば、1つのアミノ酸残基の生物学的および/または化学的に類似する別の残基との置換は、保存的置換として、当業者に公知である。例えば、保存的置換は、1つの疎水性残基を別の疎水性残基と置換すること、または1つの極性残基を別の極性残基と置換することである。この置換としては、例えば、以下の組み合わせが挙げられる:Gly,Ala;Val,Ile,Leu;Asp,Glu;Asn,Gln;Ser,Thr;Lys,Arg;およびPhe,Tyr。明示的に開示された配列各々のこのような保存的に置換された改変体は、本明細書中で提供されるモザイクポリペプチド内に含まれる。
置換変異誘発または欠失変異誘発は、N糖化(Asn−X−Thr/Ser)またはO糖化(SerまたはThr)についての挿入部位に対して作製され得る。システインまたは他の不安定性残基の欠失がまた、所望され得る。潜在的なタンパク質分解部位(例えば、Arg)の欠失または置換は、例えば、1つのこの塩基性残基の欠失またはグルタミン残基もしくはヒスチジン残基によってこの塩基性残基を置換することによって達成され得る。
特定の転写後誘導体化は、組換え宿主細胞の発現されたポリペプチド上の作用の結果である。グルタミニル酸残基およびアスパラギニル酸残基は、多くの場合、転写後に、対応するグルタミル残基およびアスパリル(asparyl)残基に脱アミドされる。あるいは、これらの残基は、穏やかな酸性条件下で、脱アミドされる。他の転写後修飾としては、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリル残基またはトレオニル残基の水酸基のリン酸化、リジン側鎖、アルギニン側鎖およびヒスチジン側鎖のo−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman&Co.,San Francisco pp79−86[1983])、アミンのN末端のアセチル化、ならびに幾つかの場合、C末端のカルボキシルのアミド化が挙げられる。
本明細書中で開示されるタンパク質の改変体および誘導体を規定する1つの方法は、特異的な公知の配列に対する相同性/同一性に関する改変体および誘導体を規定する工程を介することが理解される。上記の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または95%相同である、本明細書中で開示されるこれらおよび他のタンパク質の改変体が、具体的に開示される。当業者は、2つのタンパク質の相同性を決定する方法を容易に理解する。例えば、この相同性は、2つの配列を並列した後に、相同性が最高のレベルになるように計算され得る。
相同性を計算する別の方法は、公表されているアルゴリズムによって実施され得る。配列の比較のための最適アラインメントは、SmithおよびWaterman Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局在相同性アルゴリズム、NeedlemanおよびWunsch,J.MoL Biol.48:443(1970)の相同性アラインメントアルゴリズム、PearsonおよびLipman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:2444(1988)の類似性の検索方法、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実行(Wisconsin Genetics Software PackageにおけるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)または検査によって行われ得る。
同じ型の相同性が、例えば、Zuker,M.Science 244:48−52,1989、Jaegerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:7706−7710,1989、Jaegerら,Methods Enzymol.183:281−306,1989(少なくとも核酸アラインメントに関連する資料について、本明細書中で参考として援用される)において開示されるアルゴリズムによって、核酸についても得られ得る。
保存的変異および相同性の記載は任意の組み合わせで合わせられ得ることが理解される。例えば、特定の配列に対して少なくとも70%の相同性を有する実施形態であって、ここで、この改変体は、保存的変異体である。
本明細書が種々のタンパク質およびタンパク質配列を議論する場合、これらのタンパク質配列をコードし得る核酸もまた、開示される。この核酸は、特定のタンパク質配列に関連する全ての変性(degenerate)配列を含む(すなわち、1つの特定のタンパク質配列をコードする配列を有する全ての核酸、ならびにこのタンパク質配列の開示された改変体および誘導体をコードする、変性核酸を含む全ての核酸を含む)。従って、各特定の核酸配列は、本明細書中に記載されていない場合があるが、各々および全ての配列が、開示されたタンパク質配列を通して、本明細書中で実際に開示されそして記載されることが理解される。例えば、配列番号4に記載される配列のタンパク質をコードし得る多くの核酸配列の1つは、配列番号11に記載される。生体内でこのタンパク質をコードする特定のDNA配列を示すアミノ酸はないが、開示されるタンパク質の特定の改変体が本明細書中で開示される場合、このタンパク質が生じる特定の配列においてこのタンパク質をコードする既知の核酸配列もまた、本明細書中で開示されそして記載されることが理解される。
本開示の組成物中に組み込まれ得る多くのアミノ酸アナログおよびペプチドアナログが存在することが、理解される。例えば、多くのDアミノ酸または異なった機能的置換基を有するアミノ酸が存在し、このアミノ酸は表1および表2に示される。天然に存在するペプチドの逆の立体異性体、およびペプチドアナログの立体異性体が開示される。これらのアミノ酸は、選択したアミノ酸をtRNAに担わせ、アナログアミノ酸を部位特異的な方法でペプチド鎖に挿入するために、例えばアンバーコドンを利用して遺伝子構築物を操作することにより、ポリペプチド鎖に容易に組み込まれ得る。(Thorsonら,Methods in Molec. Biol.77:43−73(1991),Zoller,Current Opinion in Biotechnology,3:348−354(1992);Ibba,Biotechnology&Genetic Enginerring Reviews 13:197−216(1995)、Cahillら,TIBS,14(10):400−403(1989);Benner,TIB Tech,12:158−163(1994);IbbaおよびHennecke,Bio/technology,12:678−682(1994)、これらの全ては、少なくともアミノ酸アナログに関連する資料について、本明細書中で参考として援用される)。
類似するペプチドであるが、天然のペプチド結合を解して連結していない分子が、生成され得る。例えば、アミノ酸またはアミノ酸アナログの結合は、以下を含み得る:CHNH−、−CHS−、−CH−CH−、−CH=CH−(シスおよびトランス)、−COCH−、−CH(OH)CH−、および−CHHSO−(これらおよび他は、以下で見出される:Spatola,A.F.Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides,and Proteins,B.Weinstein編,Marcel Dekker,New York,p.267(1983);Spatola,A.F.,Vega Data(1983,3月),Vol.1,Issue 3,Peptide Backbone Modifications(総説);Morley,Trends Pharm Sci(1980)pp.463−468;Hudson,D.ら,Int J Pept Prot Res 14:177−185(1979)(−CHNH−、CHCH−);Spatolaら,Life Sci 38:1243−1249(1986)(−CH H−S);Hann J.Chem.Soc Perkin Trans.I 307−314(1982)(−CH−CH−、シスおよびトランス);almquistら,J.Med.Chem.23:1392−1398(1980)(−COCH−);Jennings−Whiteら,Tetrahedron Lett 23:2533(1982)(−COCH−);Szelkeら,European Appln,EP 45665 CA(1982):97:39405(1982)(−CH(OH)CH−);Holladayら,Tetrahedron.Lett 24: 4401−4404(1983)(−C(OH)CH−);ならびにHruby Life Sci 31:189−199(1982)(−CH−S−);これらの各々は、本明細書中で参考として援用される)。特に好ましい非ペプチド結合は、−CHNH−である。ペプチドアナログは、結合原子間に1より多い原子(例えば、b−アラニン、g−アミノ酪酸など)を有し得ることが、理解される。
アミノ酸アナログおよびアナログおよびペプチドアナログは、多くの場合、増強した特性または望ましい特性(例えば、より経済的な生産、より高い化学的安定性、増強された薬理学的特性(半減期、吸収、力価、効力、など)、変更された特異性(例えば、広い範囲の生物学的活性)、低減された抗原性など)を有する。
D−アミノ酸は、より安定的なペプチドを生成するために使用され得る。なぜなら、Dアミノ酸は、ペプチダーゼなどに認識されないからである。共通配列の1以上のアミノ酸の同型のD−アミノ酸による構造的置換(例えば、L−リジンの代わりにD−リジン)は、より安定的なペプチドを生じるために使用され得る。システイン残基は、環化するかまたは2以上のペプチドを互いに結合するために使用され得る。これは、ペプチドを特定の立体配座に制約するために有益であり得る。(RizoおよびGierasch,Ann.Rev.Biochem.61:387(1992),本明細書中で参考として援用される)。
(6.薬学的キャリア/薬学的生成物の送達)
適切な移入条件が、本明細書中で例示され、細胞およびSOCSポリペプチド、配列または約180℃と約42℃の間の複合温度(complex temperature)(好ましい温度は約22℃と約37℃との間)が挙げられる。被験体における細胞への投与について、SOCSポリペプチド、配列または複合体は、一旦被験体の中に入ると、無論、被験体の体温に調整される。エキソビボ投与について、SOCSポリペプチド、配列または複合体は、任意の標準的方法によって投与され得、これらの方法は、例えば、SOCSポリペプチド、配列または複合体を標的細胞に適した培養培地に加え、そしてこの培地を直接細胞に加えることによって、細胞の生存度を維持する。当該分野で公知であるように、この方法において使用される任意の培地は、細胞を生存不可能にしないために、水性かつ非毒性であり得る。さらに、これは、所望される場合、細胞の生存度を維持するために標準的栄養を含有し得る。インビボ投与のために、SOCSポリペプチド、配列または複合体は、例えば、患者由来の血液サンプルまたは組織サンプルに加えられ得るか、または薬学的に受容可能なキャリア(例えば、生理食塩水および緩衝化生理食塩水)に加えられ得、そして当該分野で公知の幾つかの手段のいずれかによって投与される。投与の例としては、非経口投与(例えば、標的細胞を有する(1つまたは複数の)組織または器官に供給する血管を通した局所潅流を含む静脈内注射による投与)、エアロゾルの吸入による投与、皮下注射もしくは筋肉内注射、例えば皮膚損傷および皮膚病変に対する局所投与、例えば移植のために調製されその後被験体に移植される骨髄細胞への直接的なトランスフェクション、および後に被験体に移植される器官への直接的なトランスフェクションが挙げられる。さらなる投与方法としては、経口投与(特に、SOCSポリペプチド、配列または複合体がカプセル化される場合)または直腸投与(特に、SOCSポリペプチド、配列または複合体が坐剤形態である場合)が挙げられる。薬学的に受容可能なキャリアとしては、生物学的に所望されないかもしくは他の理由で所望されないことのない、任意の物質を含み得る。すなわち、この物質は、所望されない生物学的効果を生じることなく、または投与される薬学的組成物のいかなる他の成分とも有害な様式で相互作用することなく、選択されたSOCSポリペプチド、配列または複合体と共に個体に投与され得る。投与は、約1分間〜約72時間の長さの時間で実施され得る。好ましい時間の長さは、約5分間〜約48時間であり、より好ましくは、約5分間〜約20時間であり、なおより好ましくは、約5分間〜約2時間である。
任意の特異的SOCSポリペプチド、配列または複合体および任意の特異的な標的細胞についての最適な時間の長さおよび条件は、本明細書中の教示および当該分野の知見に従って、容易に決定され得る。具体的には、例えば器官または腫瘍の局所灌流によってインビボの特定の細胞型が標的される場合、標的組織由来の細胞が生検にされ得、そしてSOCSポリペプチド、配列または複合体のこの組織内への移入のための最適投薬量が、本明細書中に記載されるように、そして当該分野で公知のように、インビボ投薬量(濃度および時間の長さを含む)を最適化するようにインビトロで決定され得る。あるいは、同じ細胞型の培養細胞もまた、インビボの標的細胞についての投薬量を最適化するために使用され得る。
上述のように、組成物は、インビボで、薬学的に受容可能なキャリア中で投与され得る。「薬学的に受容可能」により、生物学的に所望されないかまたは他の理由で所望されないことのない物質が意味される(すなわち、この物質は、いかなる所望されない生物学的効果をも生じることなく、またはこの物質が含まれる薬学的組成物のいかなる他の成分とも有害な様式で相互作用することなく、被験体に投与され得る)。このキャリアは、当業者に周知であるように、活性成分の任意の分解を最小化し、そして被験体における任意の副作用を最小化するように、自然に選択される。
この組成物は、経口的に投与され得るか、非経口的に(例えば静脈内で)投与され得るか、筋肉内注射により投与され得るか、動脈内注射により投与され得るか、腹腔内注射により投与され得るか、経皮的に投与され得るか、体外で投与され得るか、局所的投与(局所的鼻内投与または吸入による投与を含む)などで投与され得る。本明細書中で使用される場合、「局所的鼻内投与」は、組成物の鼻および1つまたは両方の鼻孔への鼻道(nasal passage)への送達を意味し、核酸またはベクターの、噴霧機構または液滴機構による送達、またはエアロゾル噴霧を介した送達を含み得る。組成物の吸入による投与は、噴霧機構または液滴機構による送達を介して、鼻または口を通し得る。送達は、呼吸器系(たとえば、肺)の任意の領域に対して、挿管を介して直接的であり得る。必要とされる組成物の正確な量は、被験体から被験体までで変化し、種、年齢、体重および被験体の一般的状態、処置されるアレルギー性障害の重症度、使用される特定の核酸またはベクター、その投与様式などに依存する。従って、全ての組成物についての正確な量を特定することは不可能である。しかし、適切な量は、本明細書中の教示に従う単なる慣用的な実験を用いて、当業者によって決定され得る。
この組成物の非経口投与は、使用される場合、一般的に、注射によって特徴付けられる。注射可能物質は、液体溶液剤または液体懸濁剤、注射前の液体中の懸濁の溶液のために適した固体形態、または乳濁剤形態のいずれかとして、従来的形態に調製され得る。より近年に改訂された非経口投与のためのアプローチは、一定の投薬量が維持される、ゆっくりした放出または徐放性の系の使用を含む。例えば、米国特許第3,610,795号(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
この物質は、溶液中、懸濁剤中であり得る(例えば、微小粒子、リポソームまたは細胞内に組み込まれる)。これらは、抗体、レセプターまたはレセプターリガンドを介して、特定の細胞型を標的化し得る。以下の参考文献は、特定のタンパク質を主要組織に対して標的化するためのこの技術の使用の例である(Senterら,Bioconjugate Chem.,2:447−451,(1991);Bagshawe,K.D.,Br.J.Cancer,60:275−281,(1989);Bagshaweら,Br.J.Cancer,58:700−703,(1988); Senterら,Bioconjugate Chem.,4:3−9,(1993);Battelliら,Cancerimmunol.Immunother.,35:421−425,(1992);PieterszおよびMcKenzie,Immunolos.概説,129:57−80,(1992);ならびにRofflerら,Biochem.Pharmacol,42:2062−2065,(1991))。「ステルス」のようなビヒクルおよび他の抗体は、リポソーム(結腸癌腫を標的化する脂質媒介性薬物を含む)、DNAの細胞特異的リガンドを通した標的化を媒介するレセプター、腫瘍標的化を指向するリンパ球、およびマウス神経膠腫細胞をインビボで標的化する高度に特異的な治療用レトロウイルスを、結合体化した。以下の参考文献は、腫瘍組織に対して特定のタンパク質を標的化するためのこの技術の使用の例である(Hughesら,Cancer Research,49:6214−6220,(1989);ならびにLitzingerおよびHuang,Biochimica et Biophysica Acta,1104:179−187,(1992))。一般に、レセプターは、構成的またはリガンド誘導性のどちらかのエンドサイトーシスの経路に含まれる。
これらのレセプターは、クラスリンでコートされた孔の中に集められ、クラスリンでコートされたビヒクルを通して細胞に侵入し、レセプターが選別される酸性化エンドソームを通過し、次いで、細胞表面へ再生するか、細胞内に貯蔵されるか、またはリソソームにおいて分解される。内在化経路は、栄養取り込み、活性化タンパク質の除去、高分子のクリアランス、ウイルスおよび毒素の日和見侵入、リガンドの解離および分解、ならびにレセプターレベルの調節のような、種々の機能を与える。多くのレセプターは、細胞型、レセプター濃度、リガンドの型、リガンドのイオン価およびリガンド濃度に依存して、1より多い細胞内経路に進む。レセプター媒介性エンドサイトーシスの分子機構および細胞機構は、概説されている(BrownおよびGreene,DNA and Cell Biology 10:6,399−409(1991))。
(a.薬学的に受容可能なキャリア)
この組成物は、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて、治療的に使用され得る。
適切なキャリアおよびその処方物は、以下に記載される:Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第19版)A.R.Gennaro編,Mack Publishing Company,Easton,PA 1995。代表的に、適切な量の薬学的に受容可能な塩は、処方物においてこの処方物を等張にするために使用される。薬学的に受容可能なキャリアの例としては、生理食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液が挙げられるが、これらに限定されない。溶液のpHは、好ましくは、約5から約8までであり、より好ましくは、約7から約7.5までである。さらなるキャリアは、抗体を含む固体の疎水性ポリマーの半透性マトリックスのような、徐放性調製物を含む。このマトリックスは、造形品(例えば、フィルム、リポソームまたは微小粒子)の形態である。例えば、投与経路および投与される組成物の濃度に依存して、特定のキャリアがより好ましいことが、当業者に明らかである。
薬学的キャリアは、当業者に公知である。これらは、最も代表的に、薬物をヒトに投与するための標準的キャリアであり、滅菌水、生理食塩水および生理学的pHの緩衝化溶液のような溶液が挙げられる。組成物は、筋肉内投与され得るか、または皮下投与され得る。他の化合物は、当業者によって使用される標準的手段に従って投与される。
薬学的組成物としては、選択された分子に加え、キャリア、増粘剤、希釈剤、緩衝化剤、保存剤、界面活性剤などが挙げられ得る。薬学的組成物はまた、抗微生物剤、抗炎症剤、麻酔剤などの、1以上の活性成分を含有する。
この薬学的組成物は、局所的処置または全身的処置のどちらが所望されるか、および処置されるべき領域に依存して、多くの方法で投与され得る。投与は、局所的投与(眼(ophthalmically)投与、膣(vaginally)投与、直腸(rectally)投与、鼻内投与が挙げられる)、経口投与、吸入による投与、または非経口投与(例えば、静脈内点滴、皮下注射、腹腔内注射または筋肉内注射による)であり得る。本開示の組成物は、静脈内投与され得るか、腹腔内投与され得るか、筋肉内投与され得るか、皮下投与され得るか、腔内投与され得るか、または経皮投与され得る。
非経口投与のための調製物としては、無菌の水溶液または非水性溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。非水性溶液は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、および注射可能有機エステル(例えば、エチルオレエート)である。水性キャリアとしては、水、アルコール溶液/水溶液、乳濁液または懸濁液(生理食塩水および緩衝化媒体を含む)が挙げられる。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液または不揮発性油が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、液体および栄養補充剤、電界質補充剤(例えば、リンガーデキストロースベースの電界質補充剤)などが挙げられる。保存剤および他の添加剤もまた存在し、例えば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性気体などが存在し得る。
局所投与のための処方物としては、軟膏、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、ドロップ剤、坐剤、スプレー剤、液剤および散剤が挙げられ得る。従来的薬学的キャリア、水性ベース、散剤ベースまたは油性ベース、増粘剤などが、必要であり得るか、または所望され得る。
経口投与のための組成物としては、散剤もしくは顆粒剤、水または非水性媒体中の懸濁剤もしくは液剤、カプセル剤、カシェ剤または錠剤が挙げられる。増粘剤、香料添加剤、希釈剤、乳化剤、分散補助剤または結合剤が、所望され得る。
組成物の幾つかは、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸およびリン酸)ならびに有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸およびフマル酸)との反応によって形成されるか、または無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム)ならびに有機塩基(例えば、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、およびアリールアミンならびに置換エタノールアミン)との反応によって形成される、薬学的に受容可能な酸付加塩または塩基付加塩として投与され得る。
(b.治療的使用)
この組成物を投与するための有効用量およびスケジュールは、実験的に決定され得、そしてこのような決定を行うことは、当該分野の技術範囲内である。この組成物の投与のための投薬量の範囲は、障害の症状が生じるところにおいて所望の効果を生じるために十分に大きい。この投薬量は、副作用(例えば、望まない交差反応、アナフィラキシー反応など)を引き起こすほど多くない。一般に、この投薬量は、年齢、状態、性別、患者における疾患の程度、投与の経路、または他の薬物がレジメンに含まれるか否かに伴って変化し、当業者によって決定され得る。この投薬量は、何らかの反対徴候(counterindication)の事象において、個々の医師によって調整され得る。投薬量は変化し得、そして1日に1回以上の投薬量投与で、1日または幾日か投与され得る。手引きは、所定のクラスの医薬品のための適切な投薬量についての文献において見出され得る。SOCS配列または細胞透過性SOCS配列の代表的な日用量は、上記の要因に依存して、1日に約1μg/kg体重から100mg/kg体重以上にまで及び得る。
炎症を処置し、阻害し、または予防するための本開示の組成物(例えば、SOCS配列または細胞透過性SOCS配列)の投与の後、例えば、治療用抗体の効力が、熟練した医師に周知の種々の方法において評価され得る。例えば、当業者は、本明細書中で開示される組成物(例えばポリペプチド)は、被験体における炎症を処置するかまたは阻害することにおいて有効であることを、この組成物が炎症を軽減するかまたは炎症のさらなる増大を予防することを観察することによって理解する。
本明細書中で開示される、サイトカイン誘導性シグナル伝達を阻害する組成物は、炎症の危険があるかまたは炎症誘導性物質(例えば、細菌)に新たに曝されている患者または被験体に予防的に投与され得る。
他の分子は、SOCSと相互作用して炎症を阻害する。この分子は、特定の薬学的機能を有さないが、細胞の染色体内の変化を追跡するために使用され得るか、または診断ツール(例えば、医薬品について記載された方法に類似する方法で送達され得る)を送達するために使用され得る。
本開示の組成物および方法はまた、例えば、種々の炎症関連疾患のための新規な薬物候補を単離しそして試験するためのツールとして使用され得る。
(7.チップおよびマイクロアレイ)
少なくとも1つのアドレスが本明細書中に開示される核酸配列のいずれかに示される配列またはこの配列の一部であるチップが、開示される。また、少なくとも1つのアドレスが、本明細書中に開示されるペプチド配列のいずれかに示される配列またはこの配列の一部であるチップが、開示される。
また、少なくとも1つのアドレスが本明細書中に開示される核酸配列のいずれかに示される配列の改変体またはこの配列の一部であるチップが、開示される。また、少なくとも1つのアドレスが、本明細書中に開示されるペプチド配列のいずれかに示される配列の改変体またはこの配列の一部であるチップが、開示される。
(8.コンピューター読み取り可能媒体)
本開示の核酸およびタンパク質は、核酸またはアミノ酸を含む配列として提示されることが理解される。これらの配列を示す種々の方法が存在する。例えば、ヌクレオチドグアノシンは、Gまたはgによって表される。同様に、アミノ酸バリンは、ValまたはVによって表される。当業者は、存在する種々の方法のいずれかにおいていかにして任意の核酸配列またはタンパク質配列を示しそして表現するかを理解する。これらの方法の各々は、本明細書中で開示されるとみなされる。これらの配列のコンピューター読み取り可能媒体(例えば、市販のフロッピー(登録商標)ディスク、テープ、チップ、ハードドライブ、コンパクトディスクおよびビデオディスクまたは他のコンピューター読み取り可能媒体)上の表示が、本明細書中で具体的に企図される。本開示の配列のバイナリコード表現もまた、開示される。当業者は、コンピューター読み取り可能媒体を理解する。従って、核酸配列またはタンパク質配列が記録され、蓄積され、または保存されるコンピューター読み取り可能媒体である。
(9.キット)
本明細書中で開示される方法の実施において使用され得る試薬を含むキットが、本明細書中で開示される。このキットは、本明細書中で議論される任意の試薬または組成物、または本開示の方法の実施において必要とされるかもしくは有益であると理解される任意の試薬または組成物を含み得る。例えば、このキットは、本開示の細胞透過性SOCSポリペプチドならびにこのポリペプチドを意図するように使用するために必要な緩衝剤および酵素を含み得る。例えば、被験体における炎症を処置するためのキットであって、本明細書中で開示される薬学的組成物を含むキットが開示される。
(10.類似の機能を有する組成物)
本明細書中で開示される組成物は、特定の機能(例えば、サイトカイン誘導性シグナル伝達の阻害)を有する。本開示の機能を実施するための特定の構造的必要性が、本明細書中で開示される。そして、本開示の構造に関連する機能と同じ機能を実施し得る種々の構造が存在し、そしてこれらの構造は最終的に同じ結果(例えば、サイトカインの阻害)を達成することが理解される。
(D.組成物を作製する方法)
本明細書中で開示される組成物および本開示の方法を実施するために必要な組成物が、この特定の試薬または化合物について、他に特に記載されない限り、当業者に公知の任意の方法を用いて作製される。
(1.核酸合成)
例えば、プライマーとして使用される核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)は、標準的化学的合成方法を用いて作製され得るか、または酵素的方法もしくは任意の他の公知の方法を用いて作製され得る。このような方法は、標準的酵素的分解の後のヌクテオチドフラグメント単離(例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)第5章、第6章を参照)から、純粋合成方法(例えば、MilligenのDNA合成機またはBeckman System 1 Plus DNA合成機(例えば、 Milligen−BiosearchのModel 8700 automated synthesizer,Burlington,MAまたはABI Model 380B)を用いるシアノエチルホスホラミダイト方法)までの範囲に及び得る。オリゴヌクレオチドを作製するために有用な合成方法はまた、Ikutaら,Ann.Rev.Biochem.53:323−356(1984),(リン酸トリエステル法および亜リン酸トリエステル法)、ならびにNarangら,Methods Enzymol.,65:610−620(1980),(リン酸トリエステル法)によって記載される。タンパク質核酸分子は、Nielsenら,Bioconjug Chem.5:3−7(1994)によって記載されるような公知の方法を用いて作製され得る。
(2.ペプチド合成)
本開示のタンパク質(例えば、配列番号20)を作製する1つの方法は、2以上のペプチドもしくはポリペプチドを、タンパク質化学技術によって互いに結合することである。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)化学またはBoc(tert−ブチルオキシカルボニル)化学のどちらかを用いる現在利用可能な研究室装置を用いて化学的に合成され得る(Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CA)。当業者は、本開示のタンパク質に対応するペプチドまたはポリペプチドが、例えば標準的化学反応によって合成され得ることを、容易に理解し得る。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは合成されてその合成レジンから分離されず、一方で他のペプチドまたはタンパク質のフラグメントは合成されてその後このレジンから分離され、それによって、他のフラグメントにおいて機能的にブロックされる末端基に曝露され得る。ペプチド縮合反応により、これらの2つのフラグメントはそれぞれそのカルボキシ末端およびアミノ末端でペプチド結合を介して共有結合され、抗体またはそのフラグメントを形成する。(Grant GA(1992)Synthetic Peptides:A User Guide.W.H.Freeman and Co.,N.Y.(1992);Bodanslcy MおよびTrost B.編(1993)Principles of Peptide Synthesis.Springer−Verlag Inc.,NY(これらは、少なくともペプチド合成に関する資料について、本明細書中で参考として援用される)。あるいは、ペプチドまたはポリペプチドは、本明細書中で記載されるように、インビボで独立して合成される。一旦単離されると、これらの独立したペプチドまたはポリペプチドは、結合して、類似のペプチド縮合反応を介してペプチドまたはそのフラグメントを形成し得る。
例えば、クローニングされたペプチドセグメントまたは合成ペプチドセグメントの酵素的ライゲーションは、比較的短いペプチドフラグメントが結合してより大きなペプチドフラグメント、ポリペプチドまたはタンパク質ドメイン全体を生成することを可能にする(Abrahmsen L.ら,Biochemistry,30:4151(1991))。あるいは、合成ペプチドのネイティブな化学的ライゲーションが使用され、より短いペプチドフラグメントからより大きなペプチドまたはポリペプチドを合成的に構築し得る。この方法は、2工程の化学反応からなる(Dawsonら,Synthesis of Proteins by Native Chemical Ligation.Science,266:776−779(1994))。第1工程は、保護されていない合成ペプチドであるチオエステルの、別の保護されていないペプチドセグメントとの化学選択的反応であって、この別のペプチドセグメントはアミノ末端のCys残基を含み、これによって最初の共有結合生成物としてチオエステル結合中間体が生じる。反応条件を変えることなく、この中間体は自発的な迅速な分子内反応を受けて、ライゲーション部位においてネイティブのペプチド結合を形成する(Baggiolini M.ら(1992)FEBS Lett.307:97−101;Clark−Lewis I.ら,J.Biol.Chem.,269:16075(1994);Clark−Lewis I.ら,Biochemistry,30:3128(1991);Rajarathnam K.ら,Biochemistry 33:6623−30(1994))。
あるいは、保護されていないペプチドセグメントは、化学的に結合され、ここで化学的ライゲーションの結果としてペプチドセグメント間に形成される結合は、非天然の結合(非ペプチド結合)である(Schnolzer,Mら,Science,256:221(1992))。この技術は、タンパク質ドメインのアナログおよび完全な生物学的活性を有する大量の比較的純粋なタンパク質を合成するために使用されている(deLisle Milton RC.ら,Techniques in Protein Chemistry IV.Academic Press,New York,pp.257−267(1992))。
(3.組成物の作製のためのプロセス)
組成物を作製するプロセスおよびこの組成物をもたらす中間体を作製するプロセスが、開示される。例えば、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号18および配列番号23の核酸が開示される。これらの組成物を作製するために使用され得る種々の方法(例えば、合成化学方法および標準的分子生物学方法)が存在する。これらの組成物および他の開示される組成物を作製する方法が、具体的に開示されることが理解される。
本開示の核酸のいずれかで細胞を形質転換するプロセスによって作製される細胞が、開示される。天然に存在しない本開示の核酸のいずれかで細胞を形質転換するプロセスによって作製される細胞が、開示される。
本開示の核酸のいずれかを発現するプロセスによって作製される本開示のペプチドのいずれかが、開示される。天然に存在しない本開示の核酸のいずれかを発現するプロセスによって作製される天然に存在しない本開示のペプチドのいずれかが、開示される。
動物内の細胞を明細書中で開示される核酸のいずれかでトランスフェクトするプロセスによって作製される動物が、開示される。動物内の細胞を明細書中で開示される核酸のいずれかでトランスフェクトするプロセスによって作製される動物であって、哺乳動物である動物が、開示される。また、動物内の細胞を明細書中で開示される核酸のいずれかでトランスフェクトするプロセスによって作製される動物であって、この哺乳動物がマウス、ラット、ウサギ、雌ウシ、ヒツジ、ブタまたは霊長類である動物が、開示される。
また、本明細書中で開示される細胞を動物に加えるプロセスによって作製される動物が、開示される。
(E.この組成物を使用する方法)
(1.この組成物を研究ツールとして使用する方法)
本開示の組成物は、種々の方法で研究ツールとして使用され得る。例えば、本開示の組成物(例えば、配列番号3、配列番号4、配列番号7、配列番号8、配列番号12、配列番号19、配列番号21、配列番号22および配列番号24)は、SOCSタンパク質またはSOCS配列と炎症性反応との間の、例えば結合のインヒビターとして作用することによる相互作用を研究するために使用され得る。
この組成物は、例えば、コンビナトリアル化学プロトコールまたは他のスクリーニングプロトコールにおいて、SOCSタンパク質またはSOCS配列に関連する所望の機能特性を有する分子を単離するための標的として使用され得る。
本開示の組成物はまた、例えばトキシックショック症候群などの疾患に関連する診断ツールとして使用され得る。
本開示の組成物は、本明細書中で議論されるように、マイクロアレイにおける試薬または存在するマイクロアレイをプローブ検出するための試薬かまたは分析するための試薬のどちらかとして使用され得る。本開示の組成物は、1ヌクレオチド多型を単離するかまたは同定するための任意の公知の方法において使用され得る。この組成物は、例えば、SOCSタンパク質またはSOCS配列の対立遺伝子分析を決定するための任意の方法においてもまた、使用され得る。この組成物はまた、チップ/マイクロアレイに関連するスクリーニングアッセイの任意の公知の方法においてもまた、使用され得る。この組成物はまた、本開示の組成物のコンピューター読み取り可能実施形態を使用する任意の公知の方法(例えば、関連性を研究するための方法、または本開示の組成物に関連する分子モデリング分析を実施するための方法)においても使用され得る。
(2.処置の方法)
また、本明細書中で開示されるポリペプチドを被験体に投与する方法も、開示される。このポリペプチドは、サイトカインシグナル伝達の阻害に関連する種々の状態、疾患および障害を処置するために投与され得る。例えば、感染および炎症が、処置され得る。さらに、このポリペプチドは、炎症および感染の危険のある被験体において炎症および感染を予防するために使用され得る。
また、細胞においてサイトカイン誘導性応答を阻害する方法であって、細胞に本明細書中で開示されるポリペプチド(例えば、細胞透過性SOCポリペプチドおよびSOCS配列)を投与する工程を包含する方法も、開示される。また、被験体においてサイトカイン誘導性応答を阻害する方法であって、被験体に本明細書中で開示されるポリペプチド(例えば、細胞透過性SOCポリペプチドおよびSOCS配列)を投与する工程を包含する方法も開示される。
また、細胞においてサイトカイン誘導性応答を阻害する方法であって、細胞に本明細書中で開示されるポリペプチド(例えば、細胞透過性SOCポリペプチドおよびSOCS配列)を含む複合体を投与する工程を包含する方法も、開示される。また、被験体においてサイトカイン誘導性応答を阻害する方法であって、被験体に本明細書中で開示されるポリペプチド(例えば、細胞透過性SOCポリペプチドおよびSOCS配列)を含む複合体を投与する工程を包含する方法も、開示される。
(a.炎症)
被験体において炎症の重症度を軽減する方法が、本明細書中で開示される。これらの方法は、本明細書中で開示されるように、炎症を有するかまたは炎症の危険のある被験体を選択する工程、および被験体にSOCS配列または細胞透過性SOCS配列の有効量を投与する工程を包含する。
炎症は、多くの異なる疾患および障害に関連し得る。炎症の例としては、肝炎に関連する炎症、肺、肝臓および/もしくは腎臓、心臓、脳ならびに髄膜および/もしくは皮膚に関連する炎症、ならびに感染プロセスに関連する炎症が挙げられるが、これらに限定されない。炎症はまた、肝臓毒性にも関連し得、肝臓毒性はまた、例えば、アポトーシス誘導もしくは化学治療、またはこの2つの組み合わせのような癌治療に関連し得る。肝臓毒性はまた、ダイオキシン、アセトアミノフェンおよびエタノール(アルコール性肝炎)のような物質によって化学的に誘導され得る。
炎症は、上述のように、炎症性疾患に関連し得る。炎症はまた、癌にも関連し得る。癌の型の例としては、リンパ腫(ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫)、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、白血病(例えば、骨髄性白血病および他の型の白血病)、菌状息肉腫、癌腫、腺癌、肉腫、神経膠種、芽腫、神経芽腫、プラスマ細胞腫、組織球腫、メラノーマ、アデノーマ、低酸素性腫瘍、骨髄腫、AIDS関連リンパ腫またはAIDS関連肉腫、転移性癌、膀胱癌、脳癌、神経系癌、頭部および頚部の扁平上皮細胞癌腫、神経芽腫、グリア芽腫、卵巣癌、皮膚癌、肝臓癌、口、咽喉、咽頭および肺の扁平上皮細胞癌腫、結腸癌、子宮頸癌、胸部癌、子宮頚癌腫、上皮癌、腎臓癌、尿生殖器癌、肺癌、食道癌、頭部および頚部の癌腫、造血器癌(hematopoietic cancer)、精巣癌、結腸直腸癌、前立腺癌および膵臓癌が挙げられるが、これらに限定されない。
活性化細胞はまた、炎症の部位で処置され得る。「活性化細胞」は、炎症性応答において関与する細胞として規定される。このような細胞の例としては、T細胞およびB細胞、マクロファージ、NK細胞、肥胖細胞、好酸球、好中球、クップファー細胞、抗原提示細胞および血管内皮細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
(b.感染)
炎症は、感染(例えば、ウイルス感染または細菌感染)に関連し得る。1つの実施形態において、この細菌感染は、Staplaylococcus aureusエンテロトキシンB産生感染であり得る。被験体における感染の重症度は、処置後に軽減され得、そして感染および炎症の症状の重症度も軽減され得る。ポリペプチドは、外科手術の前または後に被験体に投与され得る。このポリペプチドはまた、感染性生物兵器に接触する前または後に被験体に投与され得る。
炎症が感染プロセスに関連する場合、この感染プロセスは、ウイルス感染に関連し得る。ウイルス感染の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:単純ヘルペスウイルス−1、単純ヘルペスウイルス2型、サイトメガロウイルス、エプスタイン−バーウイルス、水痘−帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、ヒトヘルペスウイルス8、痘瘡ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ライノウイルス、SARSウイルスを含むコロナウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、ポリオーマウイルス、ヒトパピローマウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、デング熱ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、ノーウォークウイルス、ラウス肉腫ウイルス、黄熱病ウイルス、エボラウイルス、マルブルクウイルス、ラッサ熱ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス(Eastern Equine Encephalitis virus)、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ミュレーバレー熱ウイルス(Murray Valley fever virus)、西ナイルウイルス、リフトバレー熱ウイルス、A型ロタウイルス、B型ロタウイルス、C型ロタウイルス、シンドビスウイルス、サル免疫不全ウイルス(Simian Immunodeficiencycirus)、ヒトT細胞白血病ウイルス1型、ハンタウイルス、風疹ウイルス、サル免疫全ウイルス(Simian Immunodeficiency virus)、ヒト免疫不全ウイルス1型、およびヒト免疫不全ウイルス2型。感染性因子はまた、ウシ海綿状脳症に関連するプリオンでもあり得る。
炎症が感染プロセスに関連する場合、この感染プロセスは、細菌感染に関連し得る。細菌感染は、グラム陽性菌またはグラム陰性菌のどちらかによって引き起こされ得る。グラム陽性菌は、以下からなる群より選択される:
Figure 2007526000
グラム陰性菌は、以下からなる群より選択される:
Figure 2007526000
グラム陽性菌およびグラム陰性菌の上記の例は、限定を意図しないが、全てのグラム陽性菌およびグラム陰性菌、ならびに非グラム試験(non−gram test)反応性細菌を含む大集団を代表することを意図する。他の種の細菌の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
Figure 2007526000
炎症が感染プロセスに関連する場合、この感染プロセスは、寄生虫感染に関連し得る。寄生虫感染の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Toxoplasma gondii、プラスモディウム種(例えば、Plasmodium falciparum、Plasmodium vivax、Plasmodium malariae、および他のプラスモディウム種)、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、リューシュマニア種(例えば、Leishmania major)、住血吸虫(例えばSchistosoma mansoniおよび他の住血吸虫(Shistosoma)種)、ならびにEntamoeba histolytica)。
炎症が感染プロセスに関連する場合、この感染プロセスは、真菌感染に関連し得る。真菌感染の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Candida albicans、Cryptococcus neoformans、Histoplama capsulatum、Aspergillus fumigatus、Coccidiodes immitis、Paracoccidiodes brasiliensis、Blastomyces dermitidis、Pneomocystis carnii、Penicillium marneffiおよびAlternaria alternata。
(c.生物兵器)
生物兵器のような感染性因子との接触の前または後の被験体において、炎症または感染の重症度を軽減する方法が、開示される。軍用生物薬剤(biological warfare agent)としては、細菌、真菌、およびウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
軍用生物薬剤において使用され得る細菌の例としては、以下が挙げられる:Bacillus anthracis(炭疽)、Chlamyida psittaci(オルニトーシス)、Rickettsia prowazeki(発疹チフス)、Vibrio cholera(コレラ)、Bartonella quintana(塹壕熱)、Clostridium botulinum(ボツリスム)、Rickettsia rickettsii(ロッキー山紅斑熱)、Yersinia pestis(ペスト)、Brucella melitensis(ブルセラ症)、Coxiella burnetti(Q熱)、Rickettsia tsutsugamushii(ツツガムシ病)、Burkholderia mallei(鼻疽)、Francisella tulaensis(ツラレミア)、Salmonella typhi(腸チフス)、Burkholderia pseudomallei(類鼻疽(Meliodosis))、Rickettsia moonseri(発疹チフス)、Staphylococcus enterotoxin B(SEB)およびShigella dysenteriae(赤痢)。
軍用生物薬剤として使用され得る真菌の例としては、Coccidioides immitisおよびHistoplasma capsulatumが挙げられるが、これらに限定されない。
軍用生物薬剤として使用され得るウイルスの例としては、ウイルス性脳炎因子、ウイルス性出血熱因子、チクングニヤウイルス、ハンタンウイルス、マルブルクウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス、コンゴ−クリミア出血性熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、サルポックスウイルス(Monkey pox virus)、痘瘡ウイルス、デング熱ウイルス、アルゼンチン出血熱ウイルス(Junin virus)、オムスク出血性熱ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(Venezuelan equine encephalitis virus)、東部ウマ脳炎ウイルス(Eastern Equine Encephalitis virus)、ラッサ熱ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス(Western equine encephalitis virus)、エボラウイルス、リンパ球脈絡髄膜炎ウイルス、ロシア春夏脳炎ウイルス、白色ポックス(White pox)、ヘンドラウイルス、ボリビア出血熱ウイルス(Machupo virus)、痘瘡ウイルス(Smallpox virus)および黄熱病ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で開示されるポリペプチドは、軍用生物薬剤に曝される危険のある被験体に投与され得る。例えば、このポリペプチドは、軍隊または軍用生物薬剤に曝される危険の高い者に投与され得る。従って、このポリペプチドは、被験体における感染または炎症の重症度を予防し得るかまたは軽減し得る。本明細書中で開示されるポリペプチドは、曝露の1時間未満前、2時間未満前、3時間未満前、4時間未満前、5時間未満前、6時間未満前、12時間未満前、24時間未満前、36時間未満前、48時間未満前またはそれ以上前に投与され得る。このポリペプチドはまた、被験体が生物兵器に曝された後にこの被験体に投与され得る。このポリペプチドはまた、曝露の1時間、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、12時間後、24時間後、36時間後、48時間後またはこれより後に投与され得る。被験体が処置の前に曝露されている場合、この被験体は、曝露後可能な限り迅速に処置されるべきである。本明細書中に開示されるポリペプチドは、開示されるように、種々の方法で投与され得る。
(d.生物系)
また、本明細書中で開示されるポリペプチドが生物系に投与される工程を包含する方法が、開示される。この生物系は、炎症性生物系または炎症の危険のある生物系であり得る。この生物系の炎症の重症度は、軽減され得る。
この生物系は、インビトロまたはエキソビボの培養系を含み得る。この系がインビトロ培養物を含む場合、この培養物は、スクリーニングのため、診断目的のため、または生体物質の保存のために使用され得る。インビトロ培養系が使用される場合、本開示の組成物は、細胞の任意の型に送達され得る。例えば、これらは、哺乳動物細胞の任意の型に送達され得る。細胞の型の例は、神経細胞、グリア細胞、線維芽細胞、軟骨細胞、骨細胞、内皮細胞、および肝細胞である。
器官、組織および細胞の生物的保存は、多くの臨床適用および獣医学適用において使用され、ここで、生きている物質が、回収されそして使用する前に一定期間インビトロで保存される。このような適用の例としては、器官の保存および移植、自家骨髄移植および同種骨髄移植、全血移植、血小板移植、臍帯血および他の幹細胞の移植、胎芽移植、人工授精、インビトロ受精、皮膚移植および診断目的のための組織生検の保存が挙げられる。保存技術はまた、病院、産業界、大学および他の研究室における実験的使用のための細胞株の保存においても重要である。
エキソビボ方法が使用される場合、細胞または組織は取り出され、そして当該分野で周知の技術に従って体外で維持される。生物系は、組織培養系または器官培養系を含み得る。
本明細書中で記載されるポリペプチドは、任意の遺伝子導入機構(例えば、リン酸カルシウム媒介性遺伝子送達、エレクトロポレーション、マイクロインジェクションまたはタンパクリポソーム)を介して細胞内に導入され得る。導入された細胞は、次いで、(例えば、薬学的に受容可能なキャリア中で)被験体に注入され得るか、またはこの細胞または組織の型についての標準的方法を介して、被験体内に同位置に移植して戻され得る。
(e.外科手術および移植)
外科手術の前または後の、被験体における炎症の重症度を軽減する方法が、本明細書中で開示される。外科手術に関連する炎症は、例えば、感染によって引き起こされ得る。外科手術に関連する感染は、一般的であり、侵襲性手順および特に関節置換手術のような移植物を必要とする手順の間の感染である。免疫系が移植物上で生きている細菌を攻撃できないので、感染は深刻な問題である。移植片の感染が未処置である場合、この問題はより悪化し得、そして細菌は、例えば全身性問題になり得る足がかりを得てしまい得る。
本明細書中で開示されるポリペプチドは、外科手術の1時間未満前、2時間未満前、3時間未満前、4時間未満前、5時間未満前、6時間未満前、12時間未満前、24時間未満前、36時間未満前、48時間未満前またはそれ以上前に被験体に投与され得る。このポリペプチドはまた、外科手術の1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、5時間後、6時間後、12時間後、24時間後、36時間後、48時間後またはこれより後に被験体に投与され得る。このポリペプチドは、本明細書中で開示されるように、種々の方法で開示され得る。
移植(implantation)または移植(transplantation)のレシピエントにおける炎症の危険を低減する方法が、開示される。炎症は、移植片(transplant)または移植片(implant)のレシピエントの移植拒絶に関連し得る。上述のように、「移植拒絶」は、被験体の体内における外来性の血液または組織の存在によって引き起こされる免疫応答として規定される。移植拒絶の1つの実施形態において、抗体は、移植された物質上の外来性抗原に対して形成され得る。移植は、例えば、組織移植、細胞移植または器官移植(例えば、肝臓、腎臓、皮膚、角膜、膵臓、膵島細胞、心臓または任意の他の移植可能な身体の器官)であり得る。
移植免疫学とは、同種移植片または異種移植片がドナーから取り出され、次いでレシピエント内に移植された後に起こる事象の広範囲な連続をいう。組織は、移植片および移植部位の両方で損傷される。炎症性応答は、ただちに生化学カスケードの活性化が行われるように進む。例えば、炎症性応答は、本明細書中で教示される方法を使用して低減され得る。炎症応答において、一連の特異的細胞応答および非特異的細胞応答が起こり、抗原が認識される。組織損傷(すなわち、虚血、低体温、再灌流障害)の抗原非依存性の原因は、移植片が回収されたことによる機構的外傷および血液供給の破損の結果である。対照的に、組織損傷の抗原依存性の原因は、免疫媒介性損傷に関連する。
マクロファージ放出サイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子、インターロイキン−1)は、
炎症性内皮応答を刺激することによって炎症の強度を増大する。これらの内皮チャレンジは、多数のT細胞の移植部位への漸増を補助する。
損傷組織は、凝血原(例えば、組織因子およびハーゲマン因子(因子XII))を放出し、これは、幾つかの生化学カスケードを誘発する。凝血カスケードは、フィブリンおよび幾つかの関連フィブリノペプチドを誘導し、これらは、局所血管浸透性を促進し、そして好中球およびマクロファージを誘引する。キニンカスケードは、主にブラジキニンを産生し、これは、血管拡張、平滑筋収縮、および血管浸透性の増大を促進する。
拒絶は、ドナー組織によって発現される、非自己抗原に対するレシピエントの自己免疫応答である。超急性拒絶において、移植物は、同種抗原に対し血清学的に提示される(すなわち、移植片抗原は、非自己として認識される)。組織学的に、多くの多形核白血球(PMN)は移植片の血管系内に存在し、そして広範な微小トロンビン(microthrombin)形成および血小板蓄積に関連する。白血球浸潤は、ほとんど起こらないか、全く起こらない。超急性拒絶は、移植片の移植の数分〜数時間以内に発現する。移植片レシピエントの抗ドナー抗体に対する慣用的移植前スクリーニングの導入により、超急性拒絶は、比較的珍しくなりつつある。
急性拒絶において、移植片抗原は、T細胞によって認識される。サイトカイン放出の結果は、最終的に組織変形、血管不全および細胞破壊をもたらす。組織学的に、白血球は、同数のマクロファージおよび間隙内のT細胞によって支配されて、提示される。これらのプロセスは、移植の24時間以内に起こり得、そして数日または数週間にわたって起こり得る。
慢性拒絶において、移植周辺および移植後の外傷から、病的組織の再構築が生じる。サイトカインおよび組織増殖因子は、平滑筋細胞を誘導して、増殖させ、移動させそして新規のマトリックス物質を産生させる。間隙の線維芽細胞もまた、コラーゲンを産生するように誘導される。組織学的に、進行性の新内膜(neointimal)形成は、大動脈および中血管内に起こり、より小さな程度で移植片の血管内で起こる。白血球浸潤は、通常、穏やかであるか、または存在しない。これらは、血流の減少をもたらし、その後の局部的組織虚血、線維症および細胞死をもたらす(Prescillaら,http://www.medicine.com、Immunology of Transplant Rejection,2003年1月20日更新)。
移植拒絶は、移植の1〜10分以内、または移植の10分〜1時間以内、または移植の1時間〜10時間以内、または移植の10時間〜24時間以内、または移植の24時間〜48時間以内、移植の48時間〜1ヶ月以内、移植の1ヶ月〜1年以内、移植の1年〜5年以内、あるいはなお移植のより長期間後に起こり得る。
移植片(implant)または移植片(transplant)は、SOCS配列、細胞透過性SOCS配列またはSOCSタンパク質に接触され得る。この移植片(implant)または移植片(transplant)は、移植(implantation)または移植(transplantation)の少なくとも1分間、5分間、10分間、15分間、20分間、30分間、45分間または60分間前に接触され得る。この移植片(implant)または移植片(transplant)はまた、移植(implantation)または移植(transplantation)の少なくとも2時間前、3時間前、4時間前、5時間前、10時間前、12時間前、24時間前、36時間前、または48時間前に接触され得る。
慢性および亜急性の炎症は、インスリン抵抗性2型糖尿病および代謝症候群を伴う肥満の発達に関連づけられる。例えば、インスリン抵抗性は、炎症性サイトカインの産生の増大に関連付けられている(Hotamisligil,.G.S.Int.J.Obes 27,S53−55,(2003))。主要な炎症促進性サイトカインであるTNFαの過剰産生は、肥満におけるインスリン抵抗性に寄与すると考えられる(Uysal,K.T.ら,Nature 389:610−614(1997))。TNFαおよび他の炎症促進性サイトカインは、SOCS3の発現を誘導する(Krebs,D.およびHilton D.J.Stems Cells 19:378−387(2001))。SOCS3は、インスリンおよびレプチンのシグナル伝達を弱める(Emanuelli,B.ら,J.Biol.Chem.275,15985−15991(2000)、Bjorbaek,C.ら,J.Biol.Chem.274,30059−30065)。
被験体および被験体から得られる細胞は、変異SOCS配列、細胞透過性変異SOCS配列、細胞透過性変異SOCSタンパク質、変異SOCS3配列、細胞透過性変異SOCS3配列、細胞透過性変異SOCS3タンパク質、またはこれらのフラグメントに接触され得る。これらの細胞透過性変異SOCS配列、タンパク質またはフラグメントは、慢性または亜急性の炎症促進性サイトカイン刺激に対する応答において、内因性SOCS(例えば、SOCS3)のインヒビターとして作用する。従って、そのインスリンおよびレプチンシグナル伝達における弱毒化効果は、逆転される。変異SOCSが由来するSOCSタンパク質の型(例えば、SOCS1、SOCS2)は、一般に、変異SOCSの投与によって影響される内因性SOCSの型であるが、いくつかの形態において、変異SOCSは、他の形態の内因性SOCSに影響し得る。
(F.実施例)
以下の実施例は、特許請求の範囲で特許請求される化合物、組成物、物品、デバイスおよび/または方法が作製されそして評価される方法の完全な開示および記載を当業者に提供するために示され、純粋に例示のみを意図し、本開示を限定することを意図しない。数値(例えば、量、温度など)に関して、正確を保証するための努力がなされているが、ある程度の誤差および偏差が考えられるべきである。他に示されない限り、部は重量部であり、温度は℃であるか周囲の温度であり、そして圧力は空気圧またはそれに近い圧力である。
(1.実施例1:組換えP−COCS3タンパク質の最適化)
組換えの細胞透過性マウスSOCS3タンパク質を設計しそして3つの機能的セグメント(キナーゼ阻害活性を有するN末端領域、SH2ドメイン、およびSOCSボックス)からなる全長アミノ酸を含むように作製した(図1A)。線維芽細胞増殖因子4のシグナル配列疎水性領域由来の12アミノ酸からなる膜トランスロケーションモチーフ(MTM)(Hawiger,J.Curr Opin ChemBiol 3:89−94(1999))を、SOCS3のN−(HMS3)末端またはC−(HS3M)末端のどちらかに結合し、組換えSOCS3が細胞を透過しその細胞内機能を発揮する組換えSOCS3の能力における、このような位置決定の影響を比較した。MTMを欠失するコントロールタンパク質(HS3)もまた、細胞透過性および細胞内機能のための必要性を評価するために構築した。最終的に、全ての組換えSOCS3タンパク質は、その精製を容易にするために、N末端にポリヒスチジンタグを含んだ(図1B)。この3つの組換えSOCS3タンパク質の純度を、SDS−PAGE分析によって確認した(図1C)。精製した、MTMを有さない(コントロール)かまたは有する可溶性組換え融合タンパク質の生物学的活性を、培養マクロファージおよびSEB誘導性炎症および肝臓の致死性アポトーシスのマウスモデルにおいて試験した。
(2.実施例2:細胞内送達およびSTAT1リン酸化におけるCP−SOCS3の効果ならびに培養マクロファージにおけるサイトカイン/ケモカイン産生)
組換えSOCS3タンパク質の細胞内送達を、共焦点レーザー走査顕微鏡によって、マウスマクロファージRAW細胞において検出した。フルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識したMTMを欠失するSOCS3は、RAW細胞において検出不可能であった。対照的に、2つのMTM保有SOCS3タンパク質であるHS3MおよびHMS3は、RAW細胞の細胞質中に豊富に存在した(図2A)。これらの細胞を固定せずに、細胞をFITC標識タンパク質でパルスした後に広範な範囲のプロテアーゼであるプロテイナーゼKを使用し、細胞表面に吸収されたSOCS3タンパク質からの蛍光のバックグラウンドを防いだ。従って、プロテアーゼ抵抗性蛍光は、MTM保有SOCS3タンパク質のみがその細胞透過性能力を示したことを示す。
細胞透過性効率の最終試験は、MTMによって輸送されたSOCS3タンパク質の細胞内活性の提示である。誘導性発現性内因性SOCS1アダプタータンパク質および誘導性発現性内因性SOCS3アダプタータンパク質は、Janusキナーゼ(JAK)1およびJAK2によってSTAT1リン酸化(IFN−γによって誘導された細胞内シグナル伝達における主要な工程)をブロックすることが公知である(Krebs(2001),Yasukawaら,(2003)、Langら(2003))。定量的かつ感受性の細胞計数ビーズアレイ(CBA)試験を用いて、コントロールタンパク質HS3(膜透過性に必要なMTMモチーフを欠失する)を発現する細胞におけるSTAT1のIFN−γ誘導性リン酸化を、容易に検出した(図2B)。対照的に、CP−SOCS3の両方の形態(HS3MおよびHMS3)は、STAT1リン酸化をIC50<3μMでの用量依存性様式で抑制した(図2C)。CP−SOCS3タンパク質のSTAT1リン酸化における阻害性効果を、免疫ブロッティング研究によって確認した。この研究は、全細胞溶解産物中のリン酸化STAT1および選択的スプライシング変異体(91kDおよび84kD)のレベルの低下を明らかにした。STAT1リン酸化に対するCP−SOCSの阻害効果は、選択的であった。何故なら、他のストレス応答性転写因子(例えば、NF−κB、AP−1およびNFAT)は阻害されていなかったからである(炎症促進性アゴニストリポ多糖(LPS)で処理したRAW細胞の核抽出物の電気泳動度ゲルシフトアッセイによって決定した)(データは示さず)。これらの転写因子は、炎症性サイトカインを誘導するためにIFN−γがLPSと共に使用される場合、STAT1に結合的に相互作用する(Lee,J.Y.&Sullivan,K.E.InfectImmun 69:2847−52(2001))。
炎症性サイトカインであるTNF−αおよびIL−6は、LPSおよびIFN−γの組み合わせにより、それぞれのアゴニスト単体と比較して、より強く誘導した(図2E)。特に、マクロファージの10M HS3Mまたは10M HMS3による1時間の処理は、その後の4時間のインキュベーションの間、TNF−α、IL−6および単球化学誘引タンパク質(MCP)−1の発現を55%〜75%阻害した。対照的に、コントロール細胞非透過性HS3タンパク質で処理したマクロファージにおけるサイトカイン/ケモカイン発現は、変化しなかった(図2E)。従って、2つのCP−SOCS3タンパク質は、2つの強力な炎症促進アゴニストであるLPSおよびIFN−γの組み合わせにより、生細胞内シグナル伝達を阻害した(炎症のサイトカインメディエイタおよびケモカインメディエイタの抑制によって反映される)。
この分析を、C2H/HeJマウスから単離した原発性腹膜マクロファージに対して拡張した。これらのマウスは、Toll様レセプター4遺伝子(tlr4)において点変異を有し、この変異は、これらのマウスをBalb/CまたはC57/BL6のような他の系統と比較してLPSに対して過敏性にする。親和性精製した組換えSOCS3タンパク質は、比較的低い量(8〜13μg/mgの精製タンパク質)のLPSを含むが、TLR4経路を通したLPSシグナル伝達(Stoiberら,J lmmunol 163:2640−7(1999))が、内因性SOCS3の発現を誘導することにより、CP−SOCS3の阻害効果を増強し得ると考えられる。従って、C3H/HeJマウス由来の原発性マクロファージをこれらの研究に使用し、微量のLPSの紛らわしい効果の可能性を除去し、そして組換えタンパク質の単独の効果を評価した。原発性マクロファージのIFN−γ(100U/ml)単独による刺激は、低レベルのTNF−α発現を誘導した(図2F)。しかし、より強いTNF−α応答を、IFN−γとLPS(1μg/ml)との組み合わせによって誘導し、IFN−γシグナル伝達をTLR3を通した代替的LPS経路に結びつけた(Hoebeら,Nature 424:743−8(2003)、Fitzgeraldら,J Exp Med 198:1043−55(2003)、Oshiumiら,J Biol Chem 278:49751−62(2003))。この経路は、TLR3のアダプタータンパク質Trif(lps2)との相互作用に依存する(Hoebeら(2003),Fitzgeraldら(2003))。2つのCP−SOCS3タンパク質は、C3H/HeJマクロファージにおいてLPSとIFN−γとの組み合わせによって誘導されるTNF−α発現を抑制した。さらに、両CP−SOCS3タンパク質は、IL−6の産生を、50%〜75%阻害した。対照的に、コントロール非細胞透過性組換えタンパク質(HS3)は、不活性である(図2E、図2F)。従って、組換えCP−SOCS3タンパク質は、原発性マクロファージによって誘導されたIFN−γ刺激されたTLR4依存性シグナル伝達経路を、LPSのTLR3との相互作用によって抑制する(Hoebeら(2003),Fitzgeraldら(2003),Oshiumiら(2003))。
(3.実施例3:CP−SOCS3細胞内送達のインビボ追跡)
CP−SOCS3タンパク質のインビボ送達をモニタリングするために、FITC標識したHS3MおよびHMS3を、別々の群のC3H/HeJマウスに腹腔内注射した。末梢血白血球およびリンパ球(やはり脾臓に存在する)を、間隔を置いて単離し、そして細胞膜に吸収されたFITC標識タンパク質を分解するための広範な範囲のプロテイナーゼKでの処理後に、フローサイトメトリで分析した。血液の白血球/リンパ球画分を、FITC標識タンパク質の存在についてポジティブに染色された注射の1時間以内に収集した(FITC標識した細胞非透過性HS3または未結合体化FITCを受けたコントロールと比較した)(図3A)。2つのCP−SOCS3タンパク質の1つであるHMS3は、血液白血球/リンパ球中でより強い細胞内シグナル伝達を示し(図3A)、血液および脾臓の白血球/リンパ球における残留の分析をもたらした。腹腔内注射の8時間後および24時間後でさえも、量の減少にもかかわらず、FITC標識HMS3は非常に強く検出された(図3B)。対照的に、等モル濃度の遊離の非結合体化FITC(FITCのみ)は、希釈剤と比較して、蛍光の有意な増幅を少しも生成しなかった(図3B)。従って、MTMは、2つのCP−SOCS3タンパク質(HS3MおよびHMS3)が、血液および脾臓の白血球およびリンパ球への迅速な(1時間)侵入を得ることを可能にし、ここで、これらは少なくとも8時間持続した。
(4.実施例4:CP−SOCS3タンパク質は全身性炎症を抑制する)
(IL−6およびMHCクラスII発現の阻害によって反映される応答)
SEBは、T細胞依存性全身性炎症およびサイトカイン媒介性全身性炎症、ならびに劇症肝臓損傷およびその後のD−ガラクトサミン感作マウスの迅速な死を誘導する(Miethkeら,J Exp Med 175:91−8(1992)、Pfeffer,K.ら,Cell 73:457−67(1993)、Car,B.D.ら,J Exp Med 179:1437−44(1994)、Liu,D.ら,J Biol Chem 279,19239−46(2004))。TNF−αおよびIFN−γの両方によるシグナル伝達が、必要である。何故なら、TNF−αレセプターおよびIFN−γレセプターについて欠損した動物は、SEBの致死性効果に抵抗性であり、そして劇症肝臓損傷の特徴的性質を発症しないからである(Miethkeら(1992)、Pfefferら(1993)、Carら(1994))。このモデルは、MHCクラスII発現細胞およびCD4ポジティブリンパ球にも依存する。何故なら、その欠損は、マウスをSEBに対して抵抗性にするからである(Rajagopalanら,J lmmunol 169:1774−83(2002)、YeungらEur J lmmunol 26:1074−82(1996))。これらの必要性と一致して、SEBのそのT細胞上の標的に対する結合による干渉は、D−ガラクトサミン感作マウスをSEB致死性から保護する(Aradら,Nat Med 6:414−21(2000))。従って、このインビボモデルは、炎症性サイトカインに関連する大量の肝臓アポトーシス(全身性炎症に基づくヒト疾患状態に関連する)を分析するための、よく規定されかつ追跡可能な系を提供する。
全身性炎症において、規模および期間のいずれかでの内因性SOCS応答は、SEBによって誘発された炎症性サイトカインおよびケモカインのバーストに対する応答における細胞内シグナル伝達を相殺するために十分でない。従って、SEBによって放出されたサイトカイン/ケモカインによって惹起された炎症促進性細胞内トランスデューサに傾いたインビボのバランスが、組換えCP−SOCS3の導入によって生理的抗炎症性調節因子に向かってシフトし得るという仮説を、試験した。幾つかの組換えSOCS調製物において検出される低レベルのLPSの潜在的効果を最小化するために、C3H/HeJマウスを、これらのインビボ実験において使用した。これらのD−ガラクトサミン感作マウスは、LPSの致死性効果に対して反応性が低いが、SEB毒性に対して感受性である(Yasudaら,J Endotoxin Res 8:253−61(2002))。そのSEBに対する感受性は、広範に使用されるC57/BL6マウスの感受性に匹敵する(Liuら(2004))。このインビボ設定において、細胞内タンパク質治療を、CP−SOCS3でSOCS3の細胞内貯蔵を富化することについて、炎症抑制測定で試験した。炎症性サイトカイン(TNF−αおよびIL−6)の原発性マクロファージにおけるCP−SOCS3阻害のエキソビボの実施(図2F)と一致して、SEBおよびD−ガラクトサミンでチャレンジされたC3H/HeJにおけるCP−SOCS3によるIL−6産生の抑制が観察された(図4A)。コントロールHS3タンパク質(SOCS3の細胞非透過性形態)の投与は、インビボでIL−6産生を有意に抑制しない。このことは、エキソビボ培養細胞における阻害効果の欠損と一致する(図2f)。従って、CP−SOCS3は、IL−6発現の阻害を反映して、SEBに対する全身性炎症応答を抑制する。
IFN−γ惹起STAT1リン酸化によって例示される炎症促進性シグナル伝達は、SEB結合に必要なMHCクラスII分子の誘導性発現をもたらす(Yeungら(1996)、Aradら(2000))。従って、SEB誘発炎症性応答およびT細胞媒介性炎症性応答の間の組換えSOCS3タンパク質のMHCクラスIIの誘導性発現における効果を、分析した。図4Bに示したように、マウスのSEBおよびD−ガラクトサミンによる処置は、MHCクラスIIの発現を増大した(これは、48時間でピークに達した)。このMHCクラスIIの誘導(100%として計算する)は、腹腔内投与された細胞非透過性HS3タンパク質によって有意に変化しなかった(83%)。対照的に、MHCクラスIIの誘導は、CP−SOCS3タンパク質であるHS3MおよびHMS3のインビボ投与後、劇的に低下した(それぞれ14%および10%)。SOCS3の効果がMHCクラスIIのインビボの誘導におけるそのネガティブ調節の役割を強調することは、これまで報告されていない。
(5.実施例5:SEBによって引き起こされるCP−SOCS3タンパク質は、炎症駆動性肝臓アポトーシスおよび死を防止する)
SEB様スーパー抗原によって引き起こされる急性全身性炎症応答症候群の現在のパラダイムおよび他の微生物因子は、炎症性サイトカインおよびケモカインの過剰なバーストをもたらし、死をもたらす多数の器官不全の裏にある脈管損傷を誘発する(Cavaillonら,Scand J Infect Dis 35:535−44(2003))。組換えCP−SOCS3の内因性の供給は、この誘導性抗炎症性調節因子の細胞内貯蔵を富化し、そしてSEBに対しより抵抗性のマウスを作製する。CP−SOCS3形態のインビボ効果を、SEBおよびD−ガラクトサミンでチャレンジしたマウスの生存において非CP−SOCS3タンパク質および希釈剤コントロールと比較した。図4Cにおいて記載されるように、希釈剤またはコントロールタンパク質(HS3)の腹腔内注射によって処理したC3H/HeJマウスの70%〜80%が、SEB/D−ガラクトサミンチャレンジの48時間以内に、死をもたらす病気の進行性の兆候を示した。対照的に、HS3Mの投与は、劇的な保護的効果を生じた。全てのマウスは、SEB/D−ガラクトサミンチャレンジから完全に回復し、そして少なくとも72時間生存した。従って、HS3Mは、生存を20%から100%まで上昇させた。対数順位検定(log rank test)に基づき、CP−SOCS3処置マウス(HS3M)とコントロールマウスとの間の生存率の相違は、統計的に有意であった(p<0.001)。別のCP−SOCS3タンパク質(HMS3)を受けたマウスは、より低い程度に保護された(75%生存)が、死を回避する(death−sparing)効果は、やはり統計的に有意であった(p<0.05)(図4C)。
CP−SOCS3処置マウスの生存は、D−ガラクトサミン感作マウスにおける炎症性損傷の一次標的である肝臓における、細胞保護的効果に起因していた(Miethkeら(1992),Liuら(2004),Aradら(2000))。このことを、SEBでチャレンジし、希釈剤またはHS3で処理したコントロールマウスから得られた肝臓切片の組織学的分析を用いて示した。この分析は、過剰なアポトーシスを示す、拡散した肝細胞損傷を示した。アポトーシスは、クロマチン凝縮およびDNA断片化によって特徴づけられ、Apopタグ試薬を用いるTUNELアッセイによって示される(図5E、図5F)。さらに、出血および壊死が顕著であった(図5A、図5B)。対照的に、CP−SOSC3(HS3MまたはHMS3)で処理し、72時間生き延びたSEBチャレンジマウスに、肝細胞性肝臓損傷の兆候を示したマウスはなかった。これらは、正常な組織構造を有し、コントロール(希釈剤およびHS3)と比較して、アポトーシス性および壊死性の肝臓損傷の兆候を示さなかった(図5C、および図5G、図5H)。これらのマウスの10日間にわたるさらなる観察は、病気の兆候または組織学的に確認された器官損傷は示さなかった。従って、CP−SOCS3タンパク質の細胞保護的効果は、SEBおよびD−ガラクトサミンでチャレンジしたマウスの生存に関連することが結論づけられた。まとめると、CP−SOCS3タンパク質の抗炎症性および抗アポトーシス性の効果は、このSEB誘導性炎症モデルにおける死を回避する効果と関連する。
(6.実施例6:一般方法)
(CP−SOCS3タンパク質の設計、発現および精製)
マウスSOCS3 cDNA(675塩基)を得た(Starrら,Nature 387,917−21(1997))。FGF−4に由来する12アミノ酸配列およびポリヒスチジンタグを含むMTMを、以前に記載されたように操作した(Joら,J Cell Biochem 89:674−87(2003)、Joら,Nat Biotechno 19:929−33(2001) )。His−SOCS3(HS3)、His-SOCS3-MTM(HS3M)およびHis−MTM−SOCS3(HMS3)を、SOCS3cDNAの塩基1から678までをSOCS3についてプライマーAおよびプライマーBを用い(225アミノ酸)、SOCS3−MTMについてプライマーAおよびプライマーCを用い(SOCS3の225アミノ酸に12残基追加した)、およびMTM−SOCS3についてプライマーDおよびプライマーBを用いて、増幅することによって構築した。PCR産物を、pGEM-Tベクター(Promega)内にサブクローニングし、Nde Iで切断した。増幅した接着性の末端の産物を、6xHis発現ベクター(pET−28a(+)(Novagen))のNde I部位にクローニングした。得られたプラスミドを、HS3タンパク質、HS3Mタンパク質およびHMS3タンパク質を、BL21株(DE3)のE.coliであるCodonPlus(Stratagen)におけるlac Iプロモーターの制御下で発現するために使用した。6xHisタグ標識組換えタンパク質をE.coli BL21細胞(0.5〜0.7のA600まで増殖し、0.7mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)で2〜3時間誘導した)からニッケル−ニトリロ三酢酸(Ni−NTA)金属親和性クロマトグラフィーによって(製造業者Qiagenの指示通りに)、変性条件下で精製した。親和性精製後、HS3を、再構成(refolding)緩衝液A(Tris 50mM,NaCl 150mM,L−アルギニン0.88M,還元グルタチオン1mM,酸化グルタチオン1mM,EDTA 1mM,NDSB−201 100mM,pH8.0)において再構築し、そしてHS3MおよびHMS3を、再構成緩衝液B(グアニジンHCl 0.55MおよびL−アルギニン0.44Mを添加したことを除いては緩衝液Aと同じ)中で再構築した。再構築したタンパク質を、1%のペニシリン−シトレプトマイシンを含有する細胞培養培地(DMEM)に対して6時間透析し、限外濾過によって濃縮した。疎水性MTMを有するか否かに関係なく、この精製プロセスは、可溶性タンパク質を13mg/Lより高い濃度の細菌培養物で生じ、変性条件において精製タンパク質から30〜45%の回収率をもたらした(図1C)。これらは、Limulus色素性産生アッセイ(Associates of Cape Cod)によって決定されるように、組換えタンパク質の8〜13pg/mgのLPSを含んだ。調製したタンパク質は、使用まで−70℃で保存した。
Figure 2007526000
(タンパク質標識および細胞内設計)
タンパク質を、製造業者の指示に従い、フルオロセインイソチオシアネート(FITC、Pierce Chemical)で標識した。遊離のFITCを除去するためのDMEMに対するさらなる透析(300倍容量、各周期につき5時間、3回繰り返し)の後、標識したタンパク質を、使用まで−20℃で保存した。FITC標識タンパク質を、RAW 264.7(RAW)細胞における細胞内局在について、蛍光を指向する共焦点レーザー走査顕微鏡によって分析した。RAW細胞を、室温で10分間、1μMのFITC標識SOCS3融合タンパク質と共にインキュベートするか、または遊離の未結合体化FITCと共にインキュベートした。細胞表面に付着したタンパク質を除去するため、このRAW細胞を、その後、プロテイナーゼK(5μg/ml)で10分間37℃で処理し、そして氷冷したDMEMで3回洗浄し、その後0.2mlの氷冷したリン酸緩衝化生理食塩水(pH7.4)(PBS)を最後に加えた。これを、固定せずに蛍光共焦点レーザー走査顕微鏡(Zeiss LSM510)を用いて直ちに観察した。
(細胞計数ビーズアレイおよび免疫ブロッティングによって測定したSTAT1のリン酸化)
RAW細胞を、1時間、血清非含有培地(DMEM)のみと共にインキュベートしたか、または示した濃度のSOCS3タンパク質を含有する血清非含有培地と共にインキュベートした。その後、マウス組換えIFN−γ(10U/ml,Calbiochem)で15分間処理した。リン酸化STAT1を、細胞計数ビーズアレイにより全細胞溶解物中で測定した(CBA,BD Science,Pharmingen)。簡潔には、リン酸化(Tyr 701)−STAT1に特異的な補足抗体でコートしたビーズを使用した。このp−STAT1補足ビーズを、STAT1に特異的なフィコエリトリン(PE)結合体化検出抗体と共に混合し、次いで、組換え標準または試験サンプルと共にインキュベートして、サンドイッチ複合体にした。フローサイトメトリデータの取得後、CBA分析ソフトウェア(バージョン1.4,BD Sciences)を用い、FACScalibur結果をグラフおよび表のフォーマットに組み込んだ。別個に、全細胞溶解物および細胞質溶解物もまた、独立して処理した(マウス組換えIFN−γが30U/mlであることを除いては上述の通りに処理した)RAW細胞から調製した。STAT1のリン酸化を、モノクローナル抗ホスホTyr 701 STAT1抗体によって検出し(リン酸化STAT1 CBAキット,BD Bioscience Pharmingen)、そしてHRP結合体化ヤギ抗マウスIgGおよび化学発光(ECL)ウエスタン検出系(PerkinElmer Life Science)によって可視化した。GAPDHもまた、内部ローディングコントロールとして可視化した。
(サイトカイン/ケモカイン測定)
形質転換(AMJ2−C8,ATCC)の培養上清中のTNF−α、IL−6およびMCP−1の濃度を、計数ビーズアレイによって、製造業者の指示に従って測定した(マウス炎症CBAキット,BD Biosciences,Phanningen)。簡潔には、サイトカインおよびケモカインのアレイに特異的な補足抗体でコートしたビーズを使用した。サイトカイン補足ビーズを、PE結合体化検出抗体と混合し、組換え標準または試験サンプルと共にインキュベートし、サンドイッチ複合体にした。AMJ2−C8細胞を、10μM SOCS3タンパク質と共に1時間前処理し、次いで、LPS(1μg/ml)および/またはIFN−γ(100U/ml)で4時間、SOCS3タンパク質を除去せずに刺激した。細胞上清を、サイトカイン測定のために4時間後に回収した。原発性マクロファージを、0.5mlの3%チオグリコレート(Sigma)の腹腔内注射の24時間後にC3H/HeJマウス中で産生された腹膜浸出物から得た。このマウスを安楽死させ、そして腹腔をPBSで洗浄した。単離した細胞を、10μM SOCS3タンパク質で1時間前処理し、そして次いで、LPS(1μg/ml)および/またはIFN−γ(100U/ml)で24時間、SOCS3タンパク質存在下で刺激した。細胞上清を、TNF−αおよびIL−6測定のために24時間後に回収した。フローサイトメトリデータ取得後、CBA分析ソフトウェアを用い、FACScalibur結果をグラフおよび表のフォーマットに組み込んだ。
(血液細胞および脾臓細胞中のCP−SOCS3タンパク質の検出)
FITC標識SOCS3タンパク質を、FACS分析を用いてC3H/HeJマウスの血液細胞および脾臓細胞において追跡した。簡潔には、FITC−SOCS3タンパク質(0.7ml中70μg)または当モル濃度のFITCの腹腔内注射から示した時間後に、全血を眼窩周囲叢からヘパリン含有チューブに回収した。白血球に富んだ画分を、差次的遠心分離およびその後の残留した赤血球の溶解によって調製し、FACSによって分析した。マウスを、血液回収後直ちに屠殺し、そしてその脾臓を取り出して、PBSで洗浄し、2枚の顕微鏡検査スライドガラスの間で穏やかにホモジナイズした。赤血球を、簡単な低張溶解によって除去した。洗浄した脾臓細胞を、PBS中に懸濁した。血液白血球およびリンパ球、ならびに全脾臓細胞を、全ての細胞表面結合FITC−SOCS3タンパク質を分解するためにプロテイナーゼK(5μg/ml)と共に10分間37℃でインキュベートし、その後、FACS分析を行った。直進対側面の光分散を用いてFACS分析(FACScalibur;Becton and Dickinson,San Jose,CA)を行い、そして緑色蛍光を530〜30ナノメートルのバンド通過フィルターで収集した。
(SEB誘導性炎症および肝臓アポトーシスのインビボモデル)
Jackson laboratoryから購入したC3H/HeJ雄マウスは、8〜10週齢であり、平均体重は20グラムであった。マウスを、SEB(280μg/300μl/マウス,Toxin Technology)の腹腔内(ip)注射によるチャレンジの30分間前に、D−ガラクトサミン(20mg/200μl/マウス,Sigma)の腹腔内注射によって感作させた。SOCS3タンパク質(0.3μg/μl,300μl/注射/マウス)または希釈剤(DMEM)を、SEBチャレンジの(30分間)前および(30分間、1.5時間、2.5時間、4.5時間および6.5時間)後にマウス内の腹腔内に注射した。動物を、全身性毒性の兆候(pilorection、運動失調、およびケージの動き(cage motion)の反応の欠如)について、1時間間隔で観察した。生存マウスを72時間後に安楽死させた。動物操作および実験手順を、American Association of Accreditation of Laboratory Animal Care guidelinesに従い、Institutional Animal Care and Use Committeeの認可によって実施した。
(血液中のインビボIL−6アッセイ)
C3H/HeJマウスに、SEBおよびD−ガラクトサミンのip注射を上述のように与えた。SOCS3タンパク質をまた、上述のように腹腔内投与した。伏在静脈から採取した血液サンプル(50μl)を、SEBチャレンジの(30分間)前および後に、示した時間間隔(0.5時間、1.5時間、4時間および6時間)でヘパリン化チューブ中に収集した。IL−6の結晶レベルを、製造業者の指示に従い、細胞計数ビーズアレイによって測定した。
(インビボのMHCクラスII発現)
MHCクラスII分子の単球およびマクロファージにおけるレベルを決定するために、全脾臓細胞を、未処理マウスまたは希釈剤もしくはSOCS3タンパク質で処理したマウスから単離し、そしてSEB/D−ガラクトサミンチャレンジの48時間後に屠殺した。細胞を、抗マウスFc抗体(1:40希釈、Pharmingen)で30分間事前インキュベーションし、そしてPE結合体化抗マウスI−Ak(Aak)抗体(1:100希釈、Pharmingen)およびFITC結合体化抗マウスMac−1(CD11b)抗体(1:100希釈、Pharmingen)で15分間プローブ検出した。二重ポジティブ(Mac−1およびI−Ak)細胞を、FACScaliburで分析した。100%の値は、未処理マウスとアゴニストのみの処理マウスとの間の二重ポジティブ(CD11bおよびI−Ak)細胞の数の増加を表す。SOCS3タンパク質で処理したCD11bポジティブ細胞におけるMHC−IIの阻害は、アゴニストのみの処理マウスにおける100%と比較した二重ポジティブ細胞の%を表す。
(組織学的分析)
組織サンプル(肝臓、脾臓、腎臓、肺および心臓)を、実験の過程の間で全身性毒性の兆候が観察されて安楽死させたマウスから収集した。ホルマリン固定しパラフィン包埋した切片を、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。肝臓細胞のアポトーシスを、組織学およびApopタグ試薬(Chemicon)を用いたTUNEL(TdT依存性dUTPビオチンニックエンド標識)アッセイ(製造業者の指示に従う)によって評価した。
(統計学的分析)
培養マクロファージから得られた全ての実験データを、平均±標準偏差で表した。スチューデント検定を、相違の有意性を決定するために使用した。分散の2方法反復測定分析(two way repeated measure analysis of variance)(RM ANOVA)および対数順位検定(log rank test)を、インビボサイトカイン産生および生存の有意性を決定するために、それぞれ用いた。
Figure 2007526000
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図1A〜図1Cは、組換え細胞透過性SOCS3タンパク質の構造、設計、発現および精製を示す。図1Aは、マウスSOCS3タンパク質の構造を示す。図1Bは、膜トランスロケーションモチーフ(AAVLLPVLLAAP、配列番号2)、親和性精製のためのヒスチジンタグ(MGSSHHHHHHSSLVPRGSH、配列番号1)およびカーゴ(cargo)(SOCS3)を含む組換えSOCS3タンパク質の設計を示す。図1Cは、IPTGによる誘導の前(+)および後(−)のE.coliにおけるSOCS3融合タンパク質の発現を示す(SDS-PAGEによってモニタリングし、クーマシーブルーによって染色した)。各タンパク質の名前(His−SOCS3(配列番号7)、HS3(配列番号22)、His−SOCS3−MTM、(配列番8)、HS3M(配列番19)、His−MTM−SOCS3(配列番号9)およびHMS3(配列番号21))、大きさ(アミノ酸の数)、E.coli培養物からの可溶性形態の精製の収量(mg/L)および変性ホルムアミドからの可溶性形態の回収率(%)を、示す。 図2A〜図2Fは、CP−SOCS3タンパク質の細胞内送達およびSTAT1のリン酸化に対する阻害活性、ならびに培養マクロファージ中のサイトカイン/ケモカインの産生を示す。図2Aは、蛍光共焦点レーザー走査顕微鏡検査を示し、この検査は、組換えSOCS3タンパク質の細胞内局在を示す。RAW細胞は、1μM FITC標識タンパク質(FITC−HS3、FITC−HS3MおよびFITC−HMS3)または等モル濃度の未結合体化FITC(FITCのみ)と共にインキュベートされた。細胞表面に吸収されたタンパク質は、未固定のRAWのプロテイナーゼKによる処理によって分解された。0.5μm細胞間切片は、CP−SOCS3の明らかな細胞内局在を示す(図2A、上段)。同じ細胞のノマルスキー画像を示す(図2A、下段)。図2Bは、IFN−γ未処理RAW細胞(灰色)のリン酸化STAT1のレベルを、IFN−γ処理RAW細胞(10μMのHS3、HS3MまたはHMS3でパルスされる)のレベルと比較して示す。図2Cは、STAT1リン酸化の濃度依存性阻害を示す。細胞は、異なった濃度(3μM、6μMおよび12μM)のSOCS3タンパク質(HS3、HS3MおよびHMS3)で1時間透過され、その後アゴニスト(100ng/ml LPS+10U/ml IFN−γ)で15分間処理された。図2Dは、STAT1のCP−SOC3によるリン酸化の阻害を確認する免疫ブロッティング分析を示す。細胞は、異なった濃度(3μM、6μMおよび12μM)のSOCS3タンパク質(HS3、HS3MおよびHMS3)で1時間透過され、その後アゴニスト(100ng/ml LPS+30U/ml IFN−γ)に15分間曝露された。変性全細胞溶解物が調製され、そしてホスホ(pY701)特異性STAT1に対する抗体を用いるウエスタン法によって分析された。 図2A〜図2Fは、CP−SOCS3タンパク質の細胞内送達およびSTAT1のリン酸化に対する阻害活性、ならびに培養マクロファージ中のサイトカイン/ケモカインの産生を示す。図2Eは、培養AMJ2−C8マクロファージにおけるCP−SOCS3によるMCP−1(黒)、TNF−α(赤)およびIL−6(青)の阻害発現を示す。図2Fは、C3H/Hejマウスの腹膜滲出物から単離された原発性マクロファージにおけるCP−SOCS3によるTNF−α(赤)およびIL−6(青)阻害発現を示す。cおよびe〜fにおける誤差バーは、3連で行われた各アッセイからの平均値の+/−標準偏差を示す。 図3Aおよび図3Bは、インビボ送達およびSP−SOCS3タンパク質の細胞内残留を示す。図3Aは、希釈剤、未結合体化遊離FITC(1μM、FITCのみ)およびFITC結合体化SOCS3タンパク質(1μM、FITC−HS3、FITC−HS3MおよびFITC−HMS3)の腹腔内注射の1時間後にC3H/HeJマウスの全血から単離された白血球およびリンパ球(血液白血球/リンパ球)および脾臓細胞(脾臓細胞)のFACS分析を示す。図Bは、FITC結合体化SOCS3タンパク質(1μM、FITC−HS3、2時間;淡青色、8時間;青および24時間;緑)および未結合遊離FITC(FITCのみ、2時間;赤、8時間;暗黄色、8時間;マゼンタ)の腹腔内注射後の異なる時点でC3H/HeJマウスから調製された細胞内におけるFITC結合体化CP−SOCS3の残留を示す。FACS分析は、固定なしで、細胞表面結合SOCS3タンパク質を分解するためのプロテイナーゼKでの処理後、細胞透過後直ちに実施された。 図4A〜図4Cは、CP−SOCS3タンパク質が、炎症性サイトカインIL−6の産生およびMECクラスIIのインビボ発現を阻害し、そしてD−ガラクトサミン感作マウスをSEB誘導性の死から保護することを示す。図4Aは、SEB/D−garakutosaminn チャレンジ後の示した時間間隔(0.5時間、1.5時間、4時間および6時間)におけるC3H/HeJマウスの伏在静脈からの血漿中の、細胞計数ビーズアレイ(CBA)によって測定されたIL−6を示す。誤差バーは、8匹または9匹のマウスで行われた各アッセイからの+/−標準偏差を示す。図4Bは、SEBおよびD−ガラクトサミンのip投与後48時間生存したC3H/HeJから単離された脾臓から得られた全脾臓細胞を示す。チャレンジされないマウス(未処理)またはアゴニスト(SEB/D−ガラクトサミン)のみでチャレンジされたマウス(アゴニスト)、およびアゴニストに加えてSOCS3タンパク質で処理されたマウス(HS3、HS3MまたはHMS3)由来の、CS11bポジティブ細胞上の細胞表面発現MHCクラスII分子が、測定された。図4Cは、希釈剤、HS3、HS3MまたはHMS3で処理されたマウスの生存を示す。P値は、希釈剤処理マウスとSOCS3タンパク質処理マウスとの間の相違の有意性を示す。各群は、10匹または12匹のマウスを含む。 図5A〜図5Hは、CP−SOCS3タンパク質で処理したD−ガラクトサミン感作マウスにおける出血性壊死を伴うSEB誘導性肝臓アポトーシスを示す。アゴニスト(SEB/D−ガラクトサミン)でチャレンジされ、希釈剤(図5A、図5E)、HS3(図5B、図5F)、HS3M(図5C、図5G)またはHMS3(図5D、図5H)で処理されたマウスの組織学的分析が、実施された。肝臓切片は、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色された(図5A、図5B、図5C、図5D)か、またはApopタグで染色された(TUNELアッセイ)(図5E、図5F、図5G、図5H)。希釈剤およびHS3コントロール処理マウスにおける急性肝臓損傷(アポトーシス、肝臓壊死、および赤血球管外遊出)のホールマーク、ならびにCP−SOCS3(HS3MおよびHMS3)処理マウスのアポトーシスなしの保存された肝臓構造および出血性壊死を示す。 図6A〜図6Cは、SOCS−1およびSOCS−3ならびにそのフラグメントの構造および設計を示す。図6Aは、細胞透過性SOCS−3の構造および設計を示す。図6Bは、MTMを含むSOCS−3の構造を示す。図6Cは、マウス由来のSOCS−1の構造(3つのドメイン、SH2、KIRおよびSOCS−ボックスを含む)を示す。また、全長形態および短縮形態が示される。

Claims (31)

  1. サイトカインシグナル伝達(SCOS)配列および膜トランスロケーション配列のサプレッサを含む、単離されたポリペプチド。
  2. 前記単離されたポリペプチドは、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
  3. SCOS配列および膜トランスロケーション配列を含むポリペプチドをコードする、単離された核酸。
  4. 前記単離された核酸は、配列番号4に記載のアミノ酸配列をコードする、請求項3に記載の単離された核酸。
  5. 前記単離された核酸は、配列番号11に記載の核酸配列を含む、請求項4に記載の単離された核酸。
  6. 請求項3に記載の核酸を含む、ベクター。
  7. 請求項6に記載のベクターを含む、細胞。
  8. 前記膜トランスロケーション配列は、配列番号2を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  9. 前記ポリペプチドは、精製配列をさらに含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  10. 前記精製配列は、ポリヒスチジンタグである、請求項9に記載のポリペプチド。
  11. 請求項1に記載のポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含有する、薬学的組成物。
  12. 請求項1に記載のポリペプチドを被験体に投与する工程を包含する、方法。
  13. 前記被験体は、炎症を有する被験体または炎症の危険性を有する被験体である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記被験体の炎症の重症度が軽減される、請求項13に記載の方法。
  15. 肥満症、インスリン抵抗性、2型糖尿病および代謝症候群における前記炎症の重症度が軽減される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記炎症は、感染に関連する、請求項13に記載の方法。
  17. 前記感染は、ウイルス感染である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記感染は、細菌感染である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記細菌感染は、ブドウ球菌エンテロトキシンB感染である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記被験体における炎症の重症度が軽減される、請求項13に記載の方法。
  21. 前記ポリペプチドが、外科手術の前または後に前記被験体に投与される、請求項12に記載の方法。
  22. 前記ポリペプチドが、感染性生物兵器との接触の前または後に前記被験体に投与される、請求項12に記載の方法。
  23. 請求項1に記載のポリペプチドを生物系に投与する工程を包含する、方法。
  24. 前記生物系が、炎症性の生物系または炎症の危険性のある生物系である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記生物系の炎症の重症度が軽減される、請求項23に記載の方法。
  26. 肥満症、インスリン抵抗性、2型糖尿病および代謝症候群における前記炎症の重症度が軽減される、請求項25に記載の方法。
  27. 細胞におけるサイトカイン誘導性応答を阻害する方法であって、請求項1に記載のポリペプチドを含む複合体を該細胞に投与する工程を包含する、方法。
  28. 被験体におけるサイトカイン誘導性応答を阻害する方法であって、請求項1に記載のポリペプチドを含む複合体を該被験体に投与する工程を包含する、方法。
  29. 変異SOCS配列を含むポリペプチドを被験体に投与する工程を包含する方法であって、該変異SOCS配列は、サイトカインシグナル伝達機能のサプレッサを欠損しているかまたはサイトカインシグナル伝達機能の減少したサプレッサを有する、方法。
  30. 前記ポリペプチドは、膜トランスロケーション配列をさらに含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記ポリペプチドは、精製配列をさらに含む、請求項30に記載の方法。
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