JP2007525424A - ヘモシアニンの単離プロセス - Google Patents

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Abstract

軟体動物ヘモシアニンの実質的に単一の安定した溶液を獲得するためのプロセスであって、ここで前記プロセスが、(1)軟体動物からの血液の回収、(2)血清画分を獲得するために行う、細胞物質と他の微粒子を除去するための回収された血液の遠心分離、(3)限外ろ過膜を使用した、血清液を陽イオン交換平衡バッファーと置換するための血清画分のダイアフィルトレーション、(4)pHが4.0から6.5の間、平衡バッファーの存在下での血清画分の強陽イオン交換樹脂への接触、それにより血清画分のタンパク質成分がカラムに保持される、(5)高塩濃度溶出バッファーを用いたカラムからの保持されたタンパク質成分の溶出、(6)溶出液の濃縮と、ダイアフィルトレーションバッファーの存在下での限外ろ過膜を通した溶出液の再循環による、溶出バッファーのpH中性/低塩ダイアフィルトレーションバッファーへの交換、のステップを含むことを特徴とするプロセス。

Description

本発明は、医薬品を単離するためのプロセスに関し、特にアワビの血液から得られる、ヘモシアニンとして特定される血清タンパク質を単離するためのプロセスに関するものである。
アワビは、例えば下記特許文献1に開示されているとおり、他の供給源から得られる類似物質の代替物として働くか、あるいは新規産物である多くの有用な物質の供給源として知られている。特許文献1の内容は引用例としてここに組み込まれている。
ヘモシアニン(Hc)は、多くの軟体動物と節足動物の青色の銅含有呼吸関連タンパク質である。ヘモシアニンは常に血液(あるいは血リンパ)中に遊離して溶解している状態で観察される。軟体動物のヘモシアニンは節足動物のヘモシアニンとは完全に異なる構造とサブユニットの配置を有する。アワビ等の軟体動物の好気的代謝は、呼吸腔中にある鰓を介したガス交換に支えられている。低圧開放循環系を介して鰓を経て拍出された血液は、呼吸組織に酸素を輸送するヘモシアニンを含有する。開放系において血液は動脈から組織腔中に流れ、最終的に、静脈中に回収され心臓に戻される前に、静脈洞中に流入する。酸素を豊富に含んだ血液は、酸化の程度、ヘモシアニン濃度および動物の種類に応じて、薄い青から濃い青までの幅がある。ヘモシアニン中の2分子1組の銅が、1分子の酸素が結合する可逆性部位を提供する。ヘモシアニンはまたアワビ食品加工における無機および有機青味付け反応の原因となり得る銅の供給源である。
ヘモシアニンは、少なくて6個、多くて数百個もの酸素分子を担持するマルチサブユニットタンパク質中に配置される。軟体動物のヘモシアニンは、約400万ダルトン(Da)の分子量を有する非常に大きな高分子である。軟体動物のヘモシアニンは、7個あるいは8個の酸素結合機能ユニットを含有するサブユニットを有する。各球状機能ユニットは約50kDaであり、一連のビーズ様に配置されている。10個の前記サブユニットが集合して円筒状10量体完全分子を形成し、腹足類では、2つあるいはそれ以上の10量体の複合体が検出され得る。10量体の壁部は60個の酸素結合ユニットを有し、残りのユニットは円筒の中心にある、腹足類ヘモシアニンの場合一端にずれている、いわゆる襟部を形成する。ヘモシアニンサブユニットの結合には、2価の陽イオンとしてMg2+あるいはCa2+のどちらかと、適当な単量体を必要とする(Mangum、1983)。アワビヘモシアニンは他の軟体動物ヘモシアニンと類似する構造を有するが、これらは、酸素結合がMg2+とCa2+の両方に依存するアロステリック機構を有する点で他のヘモシアニン(およびヘモグロビン)と異なることが報告されている(Behrens et al.,2002)。
軟体動物ヘモシアニンの銅含有量は、平均約0.25%であり、タンパク質の25000ダルトンにつき1グラム原子に相当する。ヘモシアニンは大量の特異的抗体の合成を引き起こす強力な免疫原である。ヘモシアニンは会合型あるいは解離型で存在し得る(Bartell and Campbell、1959)。会合あるいは解離ヘモシアニン分子を含有していることに加えて、各種調製品は、多くの他の免疫学的に異なるタンパク質を含有し得る。例えばカニの血リンパは、少なくともアワビ、キーホール リンペット ヘモシアニンおよびタコから得られたヘモシアニンがそうである(Miller et al.,1998)のと同様に、2つの電気泳動上異なるヘモシアニンに加えて最低5つの異なるタンパク質を含有し得る(Horn and Kerr、1969)。
下記特許文献2、その内容は引用例としてここに組み込まれている、は、アワビからヘモシアニンを単離するための実験室規模のプロセスを開示しており、その中で、フェニル疎水性相互作用クロマトグラフィー(フェニルHIC)カラムがヘモシアニン含有溶液からヘモシアニンを分離するために用いられている。疎水性相互作用クロマトグラフィーは、タンパク質上の疎水基と疎水性リガンドとの間の引力に基づく分離法である。この場合、実験室規模の実験においてカラム上にヘモシアニンが保持されるのに十分なフェニルHIC樹脂のフェニル基とヘモシアニンとの間の相互作用が観られるが、このプロセスは生成量を商業的に採算の合うレベルにまで拡大するには不適当であることが分かっている。さらに、ヘモシアニンを単離する実験室規模の試みは、Harris等およびLieb等により開示されている。Harrisの論文は、QセファロースゲルとpH7.4での溶出緩衝液(溶出バッファー)を使用した陰イオン交換クロマトグラフィーを用いた、Haliotis tuberculataからのヘモシアニンの単離を開示している。Lieb等もまた、Mono−Qカラムを使用し、溶出は塩化ナトリウムの段階勾配(ステップグラディエント)法で行った陰イオン交換クロマトグラフィーを用いた、H.tuberculata血リンパからのヘモシアニンの単離を開示している。両論文はヘモシアニン分子の性質に注目するものであり、単離された分子のみの分析を行うのに十分な手法であるに過ぎない。したがって、依然としてこの生成物の商業規模の調製が必要である。
国際公開第02/102851号パンフレット 国際公開第02/102844号パンフレット
(発明の要約)
本発明の第1の見地にしたがって、軟体動物ヘモシアニンの実質的に単一の安定した溶液を獲得するためのプロセスが提供され、ここで前記プロセスは、
(1)軟体動物からの血液の回収
(2)血清画分を獲得するために行う、細胞物質と他の微粒子を除去するための回収された血液の遠心分離
(3)限外ろ過膜を使用した、血清液を陽イオン交換平衡緩衝液(陽イオン交換平衡バッファー)と置換するための血清画分のダイアフィルトレーション
(4)pHが4.0から6.5の間、平衡バッファーの存在下での血清画分の強陽イオン交換樹脂への接触、それにより血清画分のタンパク質成分がカラムに保持される
(5)高塩濃度溶出バッファーを用いたカラムからの保持されたタンパク質成分の溶出
(6)溶出液の濃縮と、ダイアフィルトレーションバッファーの存在下での限外ろ過膜を通した溶出液の再循環による、溶出バッファーのpH中性/低塩ダイアフィルトレーションバッファーへの交換
のステップを含む。
好ましくは、強陽イオン交換樹脂は、Bio−Rad Macro Prep High S樹脂等のスルホン酸含有樹脂を充填したカラムとして形成され、ここでスルホン酸基は固体担体、この場合はメタクリル酸塩共重合体ビーズに付着している。
溶出バッファーは弱酸を含み、好ましくは酢酸、プロピオン酸あるいは酪酸等の有機酸、最も好ましくは酢酸を含む。
溶出バッファーのpHは、好ましくは4.0から6.5の間であり、より好ましくは5.0から6.0の間であり、最も好ましくは約5.5である。種々の軟体動物から得られたヘモシアニンの保持についての至適pHは、タンパク質の帯電特徴に依存してこの範囲内で変化し得ることが好ましい。したがって、バッファーおよびバッファー組成物のpHの選択は、この分野における通常の知識を有する者が知っているように、ヘモシアニンの供給源に依存するであろう。pHが実質的に4.0未満では、軟体動物ヘモシアニンがカラム上に沈殿し、そのため本プロセスは有効ではないであろうことが予想される。pHが実質的に6.5以上では、タンパク質のイオン化の程度が陽イオン交換樹脂上への保持には不適当であろう。
本発明の特に好ましい実施例において、溶出バッファーはpH5.5で、酢酸、塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムを含む。
通常、高塩濃度溶出バッファーは弱酸性であり、好ましくは、塩化ナトリウムが添加されていることを除いて、平衡バッファーと同じ組成である。特に、平衡バッファーも同様に塩化ナトリウム、通常1M塩化ナトリウムを含有するならば、溶出バッファーは平衡バッファーと同じ組成である。いずれにしても、他の溶出バッファーが適切なものとなるように創出され、任意の前記バッファーが想定されていることがこの分野における通常の知識を有する者によって認識されているであろう。
通常、ダイアフィルトレーションバッファーが血清タンパク質の長期間の保存に適している。これは比較的pHが中性、低塩濃度であり、通常pH7.2でNaHPO、NaHPO、塩化ナトリウムを含む。しかしながら、この分野における通常の知識を有する者は他の適当なバッファーを創出することができるであろう。
好ましくは、限外ろ過膜の分画分子量(MWCO)は100kDである。
本発明のプロセスで単離された血清タンパク質はヘモシアニンであると確認されている。弱酸性pHでの強陽イオン交換樹脂の使用が、高収率で拡張可能であり、ヘモシアニンが観察できる程度まで分解されないプロセスにおける軟体動物ヘモシアニンの単離に適していることが知られている。
本発明の第2の見地にしたがって、第1の見地のプロセスにより単離されたヘモシアニンが提供される。
好ましくは、軟体動物はアワビ、タコおよびリンペット(カザガイ)より成るグループから選択され、好ましくはアワビであり、より好ましくはブラックリップ(black−lip)アワビ、Haliotis ruber、ブラウンリップ(brown−lip)アワビ、Haliotis conicopora、グリーンリップ(green−lip)アワビ、hariotis laevigitaおよびオーストラリアトコブシ(Roe′s abalone)、Haliotis roei等の市販種の一つである。
本発明の好ましい実施例が、添付図面を参照して例示のみを目的として開示される。
一実施例において、本発明の新規プロセスは、6平方フィートのろ過領域を持つ平行流ろ過装置(Millipore Prep Scale TM−TFF−6)を備えた試験工場で実施される。プロセスは以下のステップを含む。
ステップ1.生きたアワビを入手し、すぐに処理するか、あるいは必要なときまで適当な水槽で保存する。
ステップ2.殻剥き前に流水でアワビを洗浄する。まな板上で作業し、殻を取って貝殻から身を取り外す。
ステップ3.内臓を取り外すために足の表面を慎重に切断する。
ステップ4.採血前に流水で足を洗浄する。血液を回収するためにクリーンコンテナ内で作業し、口部を切り取って後々の使用のために保存する。足の前面全体を数回深く切開する。最初の回収血液を低温室に保存する。
ステップ5.回収容器上で、即座に足を脱水トレイに移す。トレイ中でアワビを垂直に立てて蓋をする。低温室で一晩、血液を流出させる。
ステップ6.12000xgでの遠心分離により血液から固体物質を除去する。上清を低温室で必要なときまで保存する。
ステップ7.12カラム量+8上清量の平衡バッファーを調製する。平衡バッファーはpH5.5で18mMの酢酸、1mMのMgCl、1mMのCaClで構成される。
ステップ8.カラム流動につき5カラム量の溶出バッファーを調製する。溶出バッファーはpH5.5で18mMの酢酸、1MのNaCl、1mMのMgCl、1mMのCaClで構成される。
ステップ9.適当な大きさのカラム(Pharmacia Index 140−500)に5リットルのBio−Rad Macro−Prep High S樹脂を充填し、平衡バッファーを用いて最低7カラム量で、pHとカラム流出の伝導度が0.05pHユニットおよび0.5mSのバッファー以内となるまで平衡化する。最大流動流速は500ml/分であった。
ステップ10.平衡バッファーに対する上清のバッファー交換を、100kDのNMWCOの限外ろ過カートリッジを用いて実施する。
ステップ11.最低6上清量で、上清伝導度が0.5mSの平衡バッファー以内となるまで上清のダイアフィルトレーションを行う。ダイアフィルトレーション透過液を回収する。
ステップ12.ダイアフィルトレーションを行った上清を、最初の上清量未満の3システム停滞量(3 system hold−up volume)まで濃縮する。システム停滞液を排出し、未透過物を追加する。10分間の運転流速で1.5停滞量の平衡バッファーを再循環させることにより、カートリッジを洗浄する。システム停滞液を排出し、未透過物を追加する。
ステップ13.膜領域のmあたり2リットルの限外ろ過カートリッジ洗浄溶液を調製する。保存溶液は40℃で1MのNaOHより成る。最低30分間の洗浄溶液の再循環によりカートリッジを洗浄する。未透過物と透過物のpHが<7となるまで純水でカートリッジを洗浄する。
ステップ14.膜領域のmあたり2リットルの限外ろ過カートリッジ保存溶液を調製する。保存溶液は0.1MのNaOHあるいは20%エタノールより成る。保存溶液でカートリッジを洗浄し、その後密閉して低温室にてカートリッジを保存する。
ステップ15.流動流速でカラムのローディングを開始する。カラム流出物の280nmの吸光度を測定し、全画分のUV吸収流量(フロー)を回収する。回収された蓄積量に対する画分のUV吸光度をプロットする。
ステップ16.最低3カラム量の平衡バッファーで、カラム流出物の280nmの吸光度が基準値に到達するまでカラムを洗浄する。繰り返し全画分のUV吸収流量を回収し、クロマトグラム上にプロットする。
ステップ17.最低3カラム量の溶出バッファーで、カラム流出物の280nmの吸光度が基準値に到達するまでカラムを溶出する。UV吸収溶出画分を回収し、クロマトグラム上にプロットする。
ステップ18.平衡化ステップ(ステップ9)からを、さらに2カラム流動分繰り返す。さらなる流動は、3流動毎にカラム洗浄(ステップ19および20)が必要であろう。
ステップ19.2カラム量の定置洗浄(CIP)溶液を調製する。CIP溶液は1MのNaOHより成る。カラムを流動圧で洗浄する。UV吸収CIP画分を回収し、クロマトグラム上にプロットする。
ステップ20.最低2カラム量の平衡バッファーで、カラム流出物の280nmの吸光度が基準値に到達し、カラム流出物のpHが<7となるまでカラムを洗浄する。繰り返しUV吸収画分を回収し、クロマトグラム上にプロットする。
ステップ21.1カラム量の保存溶液を調製する。保存溶液は20%エタノールより成る。流動流速でカラムを洗浄する。密閉し、ラベルを付して、包装したカラムを保存する。
ステップ22.クロマトグラフィーサンプルについてタンパク質分析を実施し、溶出物をプールする。最終生成物の20mg/ml溶液となるのに必要な量を計算する。
ステップ23.8生成物量のダイアフィルトレーションバッファーを調製する。ダイアフィルトレーションバッファーは、pH7.2で53mMのNaHPO、30mMのNaHPO、150mMのNaClより成る。
ステップ24.100kDのNMWCOの限外ろ過カートリッジを用いて、生成物の最終濃縮とバッファー交換を行う。
ステップ25.ステップ22で計算した量になるまでプールしたカラム溶出物を濃縮する。限外ろ過透過物を回収する。
ステップ26.最低6未透過物量で、未透過物pHがダイアフィルトレーションバッファーの0.03pHユニット以内となるまで限外ろ過未透過物のダイアフィルトレーションを行う。ダイアフィルトレーション透過物を回収する。
ステップ27.ダイアフィルトレーションを行った生成物を、必要とされる最終生成物量未満の3システム停滞量まで濃縮する。10分間の運転流速で1.5停滞量のダイアフィルトレーションバッファーを再循環させることにより、カートリッジを洗浄する。システム停滞液を排出し、未透過物を追加する。
ステップ28.膜領域のmあたり2リットルの限外ろ過カートリッジ洗浄溶液を調製する。洗浄溶液は40℃で1MのNaOHより成る。最低30分間の洗浄溶液の再循環によりカートリッジを洗浄する。未透過物と透過物のpHが<7となるまで純水でカートリッジを洗浄する。
ステップ29.膜領域のmあたり2リットルの限外ろ過カートリッジ保存溶液を調製する。保存溶液は0.1MのNaOHあるいは20%エタノールより成る。保存溶液でカートリッジを洗浄し、その後密閉して低温室にてカートリッジを保存する。
ステップ30.限外ろ過サンプルについてタンパク質分析を実施する。最終生成物の20mg/ml溶液となるのに必要な量を計算し直す。未透過物量をダイアフィルトレーションバッファーで集めるか、あるいは必要に応じてステップ25から27を繰り返す。
ステップ31.UV光をつけてグローブボックスを準備し、最低30分間ろ過する。グローブボックス内で作業し、0.2μmのフィルターを通して無菌容器中に最終生成物をろ過滅菌する。
ステップ32.最終生成物のQA解析を実施する。
結果
パイロット規模のプロセスが、高品質の生成物の生成に成功した。約8リットルの血液を、1リットル以上の生成物を生成するために、9日間処理した。
前処理実験では、遠心分離あるいはろ過のどちらでもタンパク質の損失は見られなかった。これは両方法の実行可能性を示している。低固体含有量と血液の高い粘性を考慮すると、遠心分離が有効な選択肢であろう。
カラム精製ステップは良い流動特性を示し、したがって相応な実行時間を示した。2回目のクロマトグラフィーについてのクロマトグラムが図1に示されている。広範囲の平坦な最初のピークは非結合タンパク質の貫流であり、はっきりとした著しい次のピークは結合タンパク質の塩溶出であり、それよりもわずかに高い最後のピークは洗浄ステップで取り外されたタンパク質である。
2回のクロマトグラフィー全体でのタンパク質の結合は61%であった。これは、カラムにロード(装填)する血液の量を減らすことで改良できるであろう。塩溶出により回収した結合タンパク質の収率は約88%であった。これは、塩濃度を上げることで改良できるであろう。
限外ろ過によるタンパク質の濃縮およびバッファー交換は非常に効果的であった。透過物に対して約5時間かかり、タンパク質損失はなかった。
ろ過滅菌済み最終生成物のSDS−PAGE分析が、図2のゲルに示される。3回のろ過処理が1、2、3と示され、分子量がスタンダードと類似しており、また単一バンド純度であることが分かる。
不希釈の最終ろ過処理分を寒天プレート上へ画線培養したが、どのサンプルからも微生物増殖はなかった。このことは無菌状態が得られたことを示す。
本明細書および請求の範囲全体を通して、“より成る”という用語は、文脈上他の意味に解すべき場合を除いて、限定されない意味で用いられる。
多くの先行技術文献がここで参照されているが、これは、これらの文献が本発明の属する分野、オーストラリアあるいは他の国における通常の知識の一部を形成するということを承認するものではないことは、明白に理解すべきである。
引用文献
以下の引用文献は、その内容が引用例としてここに組み込まれている。
Bartell,A.H. and Campbell D.H.(1959)Arch.Biochem.Biophys.82,232.
Bejrens et al.,J.Exp.Biol.205,253−263(2002).
Harris,J.O.,Maguire,G.B.,Edwards,S. and Hindrum,S.M.(1998).Aquaculture 160,3−4,259.
Horn B.C and Kerr(1969).Comp.Biochem.Physiol.29,493.
Lieb et al.,Eur.J.Biochem,265,134−144(1999).
Mangum,C.P.,(1983).Oxygen Transport in the blood.In:Mantel,L.H.(Ed.);Bliss,D.E.(Series Ed.),The Biology of Crustacea.Vol.5.Internal Anatomy and Physiological Regulation.Academic Press,New York,pp.373−429.
Miller et al.,J.Mol.Biol.278,827−842(1998).
本発明のプロセスは、アワビ等の軟体動物の血液からヘモシアニンを単離するための商業規模プロセスを提供する。ヘモシアニンは医薬品として、特に膀胱癌に対する抗腫瘍物質として有用である。また、化粧品処方の原料として有用である。加えて、免疫アジュバントとして有用である。また、例えばELISAプレートをコーティングするための、ライフサイエンスにおける研究道具として、またクロマトグラフィーメディアにおける研究道具としても使用可能である。
本発明の血清タンパク質の溶出を示す、吸光度と蓄積量のグラフ ろ過滅菌済み最終生成物のSDS−PAGEゲル

Claims (14)

  1. 軟体動物ヘモシアニンの実質的に単一の安定した溶液を獲得するためのプロセスであって、ここで前記プロセスが、
    (1)軟体動物からの血液の回収
    (2)血清画分を獲得するために行う、細胞物質と他の微粒子を除去するための回収された血液の遠心分離
    (3)限外ろ過膜を使用した、血清液を陽イオン交換平衡バッファーと置換するための血清画分のダイアフィルトレーション
    (4)pHが4.0から6.5の間、平衡バッファーの存在下での血清画分の強陽イオン交換樹脂への接触、それにより血清画分のタンパク質成分がカラムに保持される
    (5)高塩濃度溶出バッファーを用いたカラムからの保持されたタンパク質成分の溶出
    (6)溶出液の濃縮と、ダイアフィルトレーションバッファーの存在下での限外ろ過膜を通した溶出液の再循環による、溶出バッファーのpH中性/低塩ダイアフィルトレーションバッファーへの交換
    のステップを含むことを特徴とするプロセス。
  2. 請求項1に記載のプロセスにおいて、前記強陽イオン交換樹脂がスルホン酸含有樹脂であることを特徴とするプロセス。
  3. 請求項2に記載のプロセスにおいて、スルホン酸基がメタクリル酸塩共重合体ビーズに固定されることを特徴とするプロセス。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記平衡バッファーのpHが5.0から6.0の間であることを特徴とするプロセス。
  5. 請求項4に記載のプロセスにおいて、前記平衡バッファーのpHが約5.5であることを特徴とするプロセス。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記溶出バッファーが有機酸を含むことを特徴とするプロセス。
  7. 請求項6に記載のプロセスにおいて、前記有機酸が、酢酸、プロピオン酸および酪酸より成るグループから選択されることを特徴とするプロセス。
  8. 請求項7に記載のプロセスにおいて、前記溶出バッファーがさらに塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムを含むことを特徴とするプロセス。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記溶出バッファーが塩化ナトリウムを含むことを特徴とするプロセス。
  10. 請求項9に記載のプロセスにおいて、前記溶出バッファーが1Mの塩化ナトリウムを含むことを特徴とするプロセス。
  11. 請求項1ないし10のいずれか一項に記載のプロセスにおいて、前記軟体動物が、アワビ、タコおよびリンペットより成るグループから選択されることを特徴とするプロセス。
  12. 請求項11に記載のプロセスにおいて、前記軟体動物がアワビであることを特徴とするプロセス。
  13. 請求項12に記載のプロセスにおいて、前記アワビが、ブラックリップアワビ、Haliotis ruber、ブラウンリップアワビ、Haliotis conicopora、グリーンリップアワビ、hariotis laevigitaおよびオーストラリアトコブシ(Roe′s abalone)、Haliotis roeiより成るグループから選択されることを特徴とするプロセス。
  14. 請求項1ないし13のいずれか一項に記載のプロセスにより単離されたヘモシアニン。
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