JP2007523956A - 腫瘍細胞増殖を阻害するための方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、腫瘍細胞増殖の阻害に関する。
インスリン様増殖因子-1(IGF-1)および-2(IGF-2)は、それらのI型受容体(IGF-1RまたはCD221)によって媒介される分裂促進的および抗アポトーシス特性による多種多様のヒト異常増殖の病態生理学に関与するとされている。機能的IGF-1Rの発現は種々の腫瘍形成モデルにおける悪性形質転換に必要とされる。しかし、一部には、臨床的に適用可能なIGF-1R機能の低分子阻害剤がないことにより、ならびに一部には腫瘍細胞増殖および生存においてIGF/IGF-1R経路を阻害する臨床的影響の不確かさにより当技術分野は主要な抗癌治療法としてIGF-1R経路の阻害を適用していない。さらに、正常組織におけるIGF-1Rの広範な発現は、IGF/IGF-1R経路阻害の特異性および毒性に関する懸念を生じている。
本発明は、一部には、広範囲の腫瘍型において強力な抗腫瘍作用を有するIGF-1R機能の特異的な阻害の多数の戦略の発見に基づいている。
本発明は、インスリン増殖因子-1受容体(IGF-1R)の阻害剤がインビトロにおける種々の腫瘍細胞種に対して、従来の療法または他の標的化療法に耐性の高い細胞においても抗腫瘍活性を有するという発見に基づいている。
(式中
Rはヒドロキシル、未置換、1もしくは2置換アミノまたは複素環基によって置換された低級アルキル;R1-(C=Y)-Z-基(式中、R1は未置換もしくは置換されている低級アルキル、未置換、1もしくは2置換アミノ、複素環基または遊離もしくはエーテル化ヒドロキシであり、Yは酸素、硫黄またはイミノであり、Zは存在しない、低級アルキルまたはアミノ-低級アルキルである);またはR2-スルホニルアミノ-低級アルキル基(式中、R2は未置換もしくは置換されている低級アルキル、未置換、1-もしくは2置換アミノまたは低級アルキル、低級アルコキシもしくはニトロで置換されていてもよいフェニルである)である。
-メチル-ピペラジン-1-イルメチル)-シクロブチル]-7H-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-4-イルアミン;シス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-7-(3-チオモルホリン-4-イルメチル-シクロブチル)-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;シス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-7-[3-(2,6-ジメチル-モルホリン-4-イルメチル)-シクロブチル]-7H-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-4-イルアミン;シス-(R)-1-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-ピロリジン-2-カルボン酸アミド;シス-1-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-ピペリジン-3-カルボン酸アミド;トランス-N-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-2-エトキシ-アセトアミド;トランス-N-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-2-(2-メトキシ-エトキシ)-アセトアミド;トランス-1-(3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-3-メチル-尿素;シス-1-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-3-メチル-尿素;トランス-ピロリジン-l-カルボン酸{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-アミド;トランス-ピペリジン-1-カルボン酸{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-アミド;トランス-モルホリン-4-カルボン酸{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-アミド;トランス-3-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-1,1-ジメチル-尿素;トランス-4-メチル-ピペラジン-l-カルボン酸{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-アミド;トランス-3-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-l,l-ジエチル-尿素;トランス-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-カルバミン酸2-ジエチルアミノ-エチルエステル;トランス-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-カルバミン酸 2-モルホリン-4-イル-エチルエステル;トランス-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-カルバミン酸 2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-エチルエステル;トランス-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-カルバミン酸 2-ジメチルアミノ-エチルエステル;トランス-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-カルバミン酸エチルエステル;トランス-4-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)- ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-ピペラジン-l-カルボン酸エチルエステル;シス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-7-(3-ピロリジン-1-イルメチル-シクロブチル)-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;シス-7-(3-アゼチジン-1-イルメチル-シクロブチル)-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;トランス-3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-ブロモ-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブタンカルボン酸メチルエステル;トランス-3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブタンカルボン酸メチルエステル;トランス-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチル}-メタノール;シス-3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-ブロモ-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブタンカルボン酸メチルエステル;シス-3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブタンカルボン酸メチルエステル;シス-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチル}-メタノール;シス-3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-エチル-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブタンカルボン酸メチルエステル;トランス-3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-エチル-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブタンカルボン酸メチルエステル; シス-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-エチル-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチル}-メタノール;トランス-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-エチル-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチル}-メタノール;トランス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-7-(3-ピロリジン-l-イルメチル-シクロブチル)-7H-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-4-イルアミン;トランス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-7-[3-(4-メチル-ピペラジン-l-イルメチル)-シクロブチル]-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;トランス-l-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-ピペリジン-4-オール;トランス-7-(3-アゼチジン-1-イルメチル-シクロブチル)-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;トランス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-7-{3-[(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-メチル]-シクロブチル}-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;トランス-((R)-1-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-ピロリジン-2-イル)-メタノール;シス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-7-(3-ピロリジン-1-イルメチル-シクロブチル)-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;シス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-7-[3-(4-メチル-ピペラジン-1-イルメチル)-シクロブチル]-7H-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-4-イルアミン;シス-7-(3-アゼチジン-1-イルメチル-シクロブチル)-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;シス-1-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-ピペリジン-4-オール;シス-((R)-l-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-メチル-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-ピロリジン-2-イル)-メタノール;シス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-エチル-7-(3-ピロリジン-1-イルメチル-シクロブチル)-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;シス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-エチル-7-[3-(4-メチル-ピペラジン-1-イルメチル)-シクロブチル]-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;シス-7-(3-アゼチジン-1-イルメチル-シクロブチル)-6-エチル-5-{3-[(Z)-2-エチ-(E)-イリデン-ヘキサ-3,5-ジエニルオキシ]-フェニル}-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン;シス-1-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-エチル-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-ピペリジン-4-オール;シス-((R)-1-{3-[4-アミノ-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-エチル-ピロロ [2,3-d]ピリミジン-7-イル]-シクロブチルメチル}-ピロリジン-2-イル)-メタノール;およびシス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-6-エチル-7-{3-[(テトラヒドロ-ピラン-4-イルアミノ)-メチル]-シクロブチル}-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン。これらの化合物のうち、トランス-5-(3-ベンジルオキシ-フェニル)-7-(3-ピロリジン-1-イルメチル-シクロブチル)-7H-ピロロ [2,3-d] ピリミジン-4-イルアミン (ADW-742)が最も特に好ましい。これらの化合物の調製は国際公開公報第02/092599号に記載されている。
IGF-1R阻害と細胞障害性または化学療法治療の併用
腫瘍細胞の増殖は、細胞障害性または化学療法剤およびIGF-1R阻害剤を含む組成物を被験体に投与することによって阻害される。IGF-1R阻害剤は、細胞障害剤または化学療法剤の後に投与される。または、IGF-1R阻害剤は細胞障害剤または化学療法剤の前に投与される。IGF-1R阻害剤は、細胞障害剤または化学療法剤の1週間後以内に投与される。例えば、IGF-1R阻害剤は、細胞障害剤または化学療法剤の72、48、24または12時間後より前までに投与される。好ましくは、IGF-1R阻害剤は、細胞障害剤または化学療法剤の3時間〜12時間後以内に投与される。任意に、IGF-1R阻害剤は、細胞障害剤または化学療法剤と同時に投与される。
別の局面において、腫瘍増殖は、IGF-1R阻害剤を、IGF、例えば、IGF-1またはIGF-2の濃度を低下させる化合物と併用して被験者に投与することによって阻害される。IGFは、肝臓、骨髄または腫瘍などの多数の異なる組織種によって産生される。血清中の大半のIGF-1は肝臓によって産生され、成長ホルモン依存的である。
IGF-1Rを阻害する化合物の投与はインスリン受容体も阻害する可能性があると思われ、異常なグルコースホメオスタシス、高血糖および糖尿病を生ずる可能性がある。IGF-1R活性の阻害の有効性の増強は、糖尿病の合併症を予防または軽減することによって達成することができる。従って、本発明の別の局面において、腫瘍増殖は、IGF-1R阻害剤を抗糖尿病剤と併用して被験者に投与することによって阻害される。
IGF(すなわち、IGF1またはIGF-2)は、IGF-1Rのシグナリングにより腫瘍細胞増殖およびアポトーシスに対する耐性を媒介する。IGFに対する腫瘍細胞の応答性は、腫瘍細胞表面のシグナリング-コンピテントIGF-1Rの発現によって大きく影響され、従って腫瘍細胞増殖はIGF-1Rの腫瘍細胞発現または活性の干渉によって阻害される。
血管形成は、組織にIGF-1R阻害剤を投与することによって阻害される。治療対象の組織には、腸組織、心臓組織、肺組織、皮膚組織または肝臓組織が挙げられる。組織は腫瘍組織である。
アポトーシスを誘導する方法またはアポトーシスに細胞を感受性にする方法も本発明に含まれる。「アポトーシスを誘導する」は、プログラム細胞死が開始されることを意味する。アポトーシスは当技術分野において公知の方法によって測定され、例えば、アポトーシスはアネキシンV染色によって測定される。
本発明は、IGF-1R発現または活性を低下させる化合物(「IGF-1R阻害剤」または「治療化合物」と本明細書において呼ぶ)を含む組成物を被験者に投与する段階を含む。
当業者は、日常程度の実験を使用して本明細書に記載する具体的な手法の数多くの等価物を認識するまたは確認することができる。このような等価物は本発明の範囲内であると考えられ、以下の特許請求の範囲に含まれる。本願全体に引用されている全ての参照文献、公布された特許および公開されている特許出願の内容は参照により本明細書に組み入れられる。そのような特許、出願および他の書類の適当な要素、過程および方法を本発明および本発明の態様のために選択することができる。
本発明は以下の限定するものではない実施例においてさらに例示される。
細胞系および原発腫瘍検体
検討した全ての細胞系を表1に掲載する。デキサメサゾン(Dex)感受性親系統MM-1SおよびそのDex耐性サブラインMM-1R細胞はDr Steven Rosen(Northwestern University, Chicago, IL)の親切な提供を受けた;化学療法感受性親MM細胞系RPMI-8226/Sおよびその化学療法耐性サブユニットRPMI-8226/Dox40(ドキソルビシン耐性)、RPMI-8226/MR20(ミトキサントロン耐性)、RPMI-8226/LR5(メルファラン耐性)細胞は、Dr William Dalton(lee Moffitt Cancer Center, Tampa, FL)の親切な提供を受けた;OCI-My5細胞はDr Meissner(University of Ontario, Tronto, Canada)の提供を受けた;EJM、LP-1、KMM1、K620、OPM-1およびOPM-2細胞はDr Leif Bergsagelの提供を受けた;INA-6細胞はRenate Burger(University of Erlangen-Nuernberg, Germany)の提供を受けた;XG-1細胞はDr Pierfrancesco Tassone(University of Magna Grecia, Italy)から入手した;NCI-H929およびU266細胞はAmerican Type Cell Culture(ATCC)から購入した;MM-1S-myrAktおよびMM-1S-Bcl-2細胞は、それぞれ、Aktの構成的に活性なミリストイル化型およびBcl-2をコードする構築物によるMM-1S細胞の安定なトランスフェクションによって樹立した。MM-1S-TR13は、TRAIL/Apo2L感受性MM-1S親細胞のヒト組換え型のTRAIL/Apo2Lによる13連続サイクルの処理により樹立したTRAIL/Apo2L耐性サブラインである(N. Mitsiades、未公開の観察)。MM-SAR-1細胞は、プロテアソーム阻害剤PS-341に耐性の患者の原発性MM腫瘍細胞から樹立した。本発明者らはまた、B-リンパ芽球腫細胞系ARH-77、IM-9、HS Sultanおよび白血病細胞系REHおよびNALM-6(ATCCから購入)、ならびにびまん性大B細胞リンパ腫細胞系DHL-4、DHL-6、DHL-7、DHL-8およびDHL-10(Dr Margaret Shipp, Dana-Farber Cancer Institute Boston, MAによる親切な提供を受けた)、バーキットリンパ腫系Namalwaおよびリンパ形質細胞性リンパ腫(lymphoblasmacytic lymphoma)(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)細胞系WM-WSU(Dr Ayad Al-Katib, Wayne State University, Detroit Cancer Centerの親切な寄贈)を含むヒトリンパ腫細胞系の一団も検討した。全ての細胞は、10%活性炭デキストラン処理したウシ胎仔血清(FBS;Hyclone, Logan, UT)ならびにL-グルタミン、ペニシリンおよびストレプトマイシン(Life Technologies)を添加したRPMI 1640 培地 (Life Technologies, Grand Island, NY)で培養し、例外としてINA-6およびXG-1細胞は、20% FBSおよび2.5 ng/mLのヒト組換えIL-6を添加した培地で培養した。従来の化学療法または高用量化学療法、サリドマイド(および/またはその免疫調節アナログ)、プロテアソーム阻害剤PS-341または他の治験剤に不応性の35人のMM患者の原発性MM腫瘍細胞を骨髄(BM)吸引試料から入手した(インフォームドコンセントの後)。0.86%塩化アンモニウムで赤血球細胞の溶血後、マイクロビーズ結合ヒト抗CD138 mAb(MACS、Miltenyi Biotech)を用いる免疫磁気分離に基づいた正の選択またはフィコエリスリン結合抗CD138 mAbを用いるフローサイトメトリーに基づいた正の選択によっておよび従来の検討におけるようにMM細胞を選択した。純度(>95%)は形態学およびフローサイトメトリー(Becton-Dickinson FACSort, Franklin Lakes, NJ)によって評価した。
PS-341(ボルテゾミブ)はMillennium Pharmaceuticals (Cambridge, MA)により提供された。他の試薬は以下のように入手した:Calbiochem社製のマウス抗ヒトIGF-1R中和モノクローナル抗体aIR3およびApo2L/TRAIL;Santa Cruz Biotechnology (Santa Cruz, CA)社製のBcl-2、Bcl-XL、Al/Bfl-1、FKHRL-1およびそのリン酸化型、Bax、Raf、リン酸化および総MEK1/2、IKK-a、Bcl-2、Bcl- XL、 GAPDHのマウスモノクローナル抗体;Upstate Biotechnologies (Lake Placid, NY)社製のFLIPのモノクローナル抗体;Chemicon社製のRANKLに対するウサギポリクローナル抗体;Cell Signaling Technologies (Beverly, MA)社製のhsp90、 Akt、 ホスホ-Akt、Bmx、IKK-a、Raf-1、RhoA、srcおよびp70S6Kに対するモノクローナル抗体;R & D Systems, Inc. (Minneapolis, MN)社製のヒト組換えIGF-1およびIL-6、cIAP-1、cIAP-2およびXIAPに対するポリクローナル抗血清ならびにIGF-1R、 IL-6R、CD138、CD38およびCD45RAに対するPE結合モノクローナル抗体またはMsIgG1対照抗体(未結合型またはFITCもしくはPE結合型);Sigma Chemical Co. (St Louis, MO)社製のMTT、デキサメサゾン、ドキソルビシンおよびメルファラン;Bachem Bioscience (King of Prussia, PA)社製のJB-1アンタゴニストペプチド;Novus Biologicals (Littleton, CO)社製のPE結合抗IGF-2Rモノクローナル抗体;細胞内フローサイトメトリー分析のためのFix&Perm透過性キット(Caltag Technologies);ならびにAmersham (Arlington Heights, IL)社製の、ペルオキシダーゼ標識抗マウスおよび抗ウサギ二次抗体を含む高感度ケミルミネッセンス(ECL)キット。
ミリストイル化(構成的に活性な)AktもしくはBcl-2(Upstate Biotechnologies, Lake Placid, NY)をコードするベクターまたは空(neo)ベクターによるMM-1S細胞の安定なトランスフェクションは、以前に記載されているように、リポフェクタミン2000(Life Technologies)およびG418-含有選択培地を使用して実施した。pGC-gfp/lucベクター(C. G. Fathman, Stanford Universityの親切な寄贈)またはpMMP-LucNeoによるMM-1SおよびMM-1R細胞のレトロウイルス形質導入は以前に記載されているように実施した。
IGF-1R阻害剤処理した細胞の細胞生存率を、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)比色アッセイを使用して調査した。細胞を70%〜80%集密度で48ウェルプレートにおいて平板培養し(〜50,000細胞/mL、ウェルあたり200μL)、次いで示した処理を行って18時間インキュベーションした。各処理の終了時に、細胞を1 mg/mlのMTTと共に37℃において4時間インキュベーションし;次いで、イソプロパノールおよび1N HCl(23:2, v/v)をピペット操作を激しく行いながら添加してホルマザン結晶を溶解した。生存細胞の染料吸光度(A)を570 nmにおいて測定し、基準波長として630 nmを使用した。細胞の生存率は、未処理の対照の値の割合として評価した。全ての実験は少なくとも3回反復し、各実験条件は各実験において少なくとも四つ組で(quadruplicate)反復した。
ADW-742のインビボにおける抗MM作用は、SCID/NODマウスのルシフェラーゼ発現MM細胞の広汎性骨病変モデルにおいて評価し、以前に記載されているように全身生物発光画像法で連続的にモニターした。簡単に説明すると、雄(6〜8週齢)のSCID/NODマウス(Jackson Laboratories, Bar Harbor, ME)を、137Csγ-照射源を使用して致死未満量を照射した(300 rad)。3時間〜6時間後、5×106 MM-1S-luc+細胞の100μLのリン酸緩衝生理食塩液(PBS)溶液を尾静脈を介して各マウスに注射した。マウスは、体重の変化、感染症の徴候および麻痺について毎日モニターし、総撮像時間2分、bin 2を用いるIn Vivo Imaging System(IVIS, Xenogen Corp, Alameda, CA)を使用する全身生物発光画像法によって毎週モニターした。総全身生物発光法は、関心対象の標準化された領域を含む各マウスを通過する光子流束(光子/sec)を積分することによって定量化する(Living Images, Xenogen)。ADW-742(Novartis Pharma AG, Basel, Switzerland)は25 mM酒石酸で製剤化し、腹腔内注射または強制経口投与によって投与した。メルファラン(Alkeran, GlaxoSmithKline, Research Triangle Park, NC)は製造業者の指示により製剤化し、腹腔内注射によって投与した。全ての動物調査は、Dana-Farber Cancer Institute Animal Care and Use Committeeにより承認されていた。
IGF-1RおよびIGF-2Rのフローサイトメトリー分析は、EPICS-XL-MCLフローサイトメーター(Beckman Coulter)で以前に記載されているように実施した。以前に記載されているプロトコールを免疫ブロット分析;TRAPテロメラーゼ活性アッセイ;20Sプロテアソームキモトリプシン活性アッセイ; NF-κBおよびHIF-1a転写活性の定量的評価のためのDNA結合活性ELISAに適用した。VEGFおよびIGF-1 ELISAは製造業者の指示により実施した(R & D Systems, Minneapolis, MN)。
血清の存在下または非存在下においてIGF-1R阻害剤(ADW-742、α-IR3)で処理したMM細胞の遺伝子発現プロファイルを、総RNA抽出および精製、cDNAの合成およびビオチン化cRNA、ヒトU133A Affymetrixチップとのハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションシグナルを検出するためのHP ChipScannerにおけるスキャニングのために以前に記載されているプロトコールを使用してU133Aオリゴヌクレオチドマイクロアレイ(Affymetrix Inc, Santa Clara, CA)を使用して分析した。走査像出力ファイルのその後の分析は、以前の検討と同様に、Affymetrix GeneChip Microarray Analysis Suite 5.0ソフトウェア(Affymetrix)で分析し、正規化し、階層的クラスタ分析、機能的クラスタリングおよび関連ネットワークアルゴリズムによって分析した。IGF-1R阻害剤処理したMM細胞のシグナリング状態のハイスループット広範囲プロテオミクス解析は、以前に記載されているように(Mitsiades CS et al. Semin Oncol. 2003 Apr; 30 (2): 156-60 およびMitsiades N et al. Blood. 2003 Mar 15; 101 (6): 2377-80)、KPKS-1.0およびKPSS-1.0プラットホームを使用する多重免疫ブロットアレイによって実施した。
インビトロアッセイ結果の統計学的有意性は、2元分散分析、次いでダンカンのpost-hoc試験によって調査した。生物発光画像調査の統計学的有意さはスチューデントの両側検定によって判定した。全ての分析において、P<0.05は統計学的に有意性があるとみなされた。インビボにおける抗腫瘍作用の評価については、マウスの全生存率は、腫瘍細胞の静脈内注射から犠牲時または死亡時までの時間と規定し、異なる治療群をカプラン-マイヤー生存率分析で比較した。
総RNAを抽出し、Qiagen RNeasyキット(Qiagen, San Diego, CA)で精製した。5マイクログラムの総RNAを、T7-d(T)24プライマー
およびSuperscript II (GIBCO-BRL, Rockville, MD)を用いる第1鎖cDNA合成に使用した。第2鎖cDNAの合成は、反応に大腸菌(Escherichia coli) DNAリガーゼ、大腸菌(E. coli) DNAポリメラーゼIおよびRNase Hを添加することによって16℃において実施し、次にT4 DNAポリメラーゼを添加して、新たに合成されたcDNAの末端を平滑末端化した。フェノール/クロロホルムおよびエタノール沈殿によってcDNAを精製した。BioArray High Yield RNA Transcript Labeling Kit (Enzo diagnostics, Farmingdale, NY)を使用して、精製したcDNAをインビトロ転写反応において37℃において5時間インキュベーションして、ビオチン標識したcRNAを作製した。200 mM Tris-アセテート(pH 8.1)、500 mM KOAcおよび150 mM MgOAcを含有する緩衝液中で94℃において35分間インキュベーションすることによってcRNA(20μg)を断片化した。真核細胞ハイブリダイゼーション対照(対照cRNAおよびオリゴヌクレオチドB2を含有する)と混合した15μgの調整した断片化cRNAを含有するハイブリダイゼーションカクテルに事前に平衡にしたヒトU133A Affymetrixチップを45℃において16時間ハイブリダイゼーションした。ハイブリダイゼーションカクテルの除去後に、チップを流体ステーションで低ストリンジェンシー緩衝液(EDTA、0.01% Tween 20および0.005%消泡剤を含有する6×標準リン酸生理食塩液)で10サイクル(2ミックス/サイクル)および高ストリンジェンシー緩衝液(100 mM N-モルホリノ-エタンスルホン酸(MES)、0.1 M NaClおよび0.01% Tween 20)で4サイクル(15ミックス/サイクル)洗浄し、SAPE(ストレプトアビジンフィコエリスリン)で染色した。この過程の次に、正常ヤギIgGおよびビオチン化マウス抗ストレプトアビジン抗体と共にインキュベーションし、SAPEで再染色した。チップをHP ChipScanner (Affymetrix Inc, Santa Clara, CA)でスキャンしてハイブリダイゼーションシグナルを検出した。走査像出力ファイルをチップの大きな欠損およびハイブリダイゼーションアーチファクトについて目で調査し、次いでAffymetrix GeneChip Microarray Analysis Suite 5.0 software (Affymetrix)で分析した。全てのアレイの平均強度値が150の標的強度に調節されるように、各GeneChipの像をスケーリングした。GeneChip Microarray Analysis Suite 5.0ソフトウェアによって作製された発現分析ファイルをフラットテキストファイルとしてMicrosoft Excelにエクスポートし、さらなる分析に使用した。データ解析を実施して、IGF-1R阻害剤処理した試料とそれぞれの対照間で少なくとも2倍異なるシグナルを同定した。これらの結果は、スチューデントのt検定において0.0025より小さいp値についてスクリーニングして、誘導されているまたは抑制されている転写物を同定した。階層的クラスタ分析のためには、データをGene ClusterおよびTree Viewソフトウェア(Stanford University, Stanford, CA)にインポートした。データマイニングに使用する追加のソフトウェアにはGeneSpring 5.0 (Silicon Genetics)が挙げられる。データは、対数スケールでの値により色フォーマットのデータ表示を可能にするRainbowプログラム(Charles BaileyおよびTowia Libermannにより開発)およびwww.dchip.orgにおいて学究的なユーザーが無料で利用可能であるDNAチップアナライザー(dChip)3を使用して可視化した。全ての遺伝子のアノテーションおよび情報は、NetAffxウェブサイト(Affymetrix)およびUnChip(Alberto Riva, Atul ButteおよびIsaac Kohane; Childrens Hospital, Boston)を使用して取り込み、データファイルに加えた。アノテートしたデータは機能的な関係により選別した。
PS-341処理したMM細胞のシグナリング状態のハイスループット広範囲プロテオミクス解析は、以前に記載されているように(Mitsiades CS et al. Semin Oncol. 2003 Apr; 30(2): 156-60およびMitsiades N et al. Blood. 2003 Mar 15; 101(6): 2377-80)、KPKS-1.0およびKPSS-1.0プラットフォームを使用する多重免疫ブロット分析アレイによって実施した。
20Sプロテアソームキモトリプシン活性アッセイは、記載されているように[Shringarpure 2003]実施した。NFκBおよびHIF-1αのDNA結合活性の転写活性は以前に報告されているように測定した。Libermann TA, et al.,Proc Natl Acad Sci USA; 2002 99: 14374-14379; Mitsiades N. et al., 2002,99: 4079-4086; Mitsiades N. et al., 2002; Blood 99: 4525-4530 およびMitsiades N., et al 2003 Blood; 101: 2377-2380。
AEW-541による処理の結果のIGF-1Rリン酸化の抑制の程度を評価するために、NVP-AEW541処理したMM細胞試料をホスホIGF-1RキャプチャーELISAによって処理した。簡単に説明すると、11人のMM患者の未精製の骨髄吸引試料をNVP-AEW541(250 nM、15分)または等容量のDMSO対照でエクスビボにおいて処理した。その後、各患者の薬剤処理試料および対照試料の各々を、CD138+MM細胞の負の精製のためのモノクローナル抗体(mAb)の特注RosetteSepカクテルを使用する負の選択によって精製した(カクテルは、CD2、CD14、CD33、CD41、CD45RAおよびCD66bに対する抗体を含む)。(追加の患者のBM吸引試料の同時操作は、この過程により、>95%のCD138+CD38+MM細胞の集団が単離されることを確認した)。次いで、精製した細胞をペレット化し、-80℃において凍結し、全ての患者のそれぞれの薬剤処理試料および対照試料の収集が完了するまで保存した(異なる患者の試料を処理し、異なる経過時間においてMM細胞精製のために処理した)。全ての患者の試料を収集したら、それぞれの細胞ペレットを溶解し、次いでIGF-1RキャプチャーELISAのために処理した。簡単に説明すると、Nunc-Immuno(商標)96MicroWell(商標)プレートに、マウス抗ヒトIGF-1R抗体(Santa Cruz, sc-462)をコーティングし、次にウサギ抗ヒトホスホIGF-1R(Tyr1131)/ホスホIR(Tyr1146)Ab(3021 L, Cell Signaling Technologies, Beverly MA)と共にインキュベーションし、その後ビオチン化2°Ab(Jackson ImmunoResearch Laboratories Inc, # 711-066-152)と共にインキュベーションし、次にストレプトアビジンHRP結合物と共にインキュベーションし、ABTS/H2O2基質を使用して検出した。
NVP-AEW-541による処理の結果のAktリン酸化の抑制の程度を評価するために、9人のMM患者(IGF-1Rリン酸化キャプチャーELISAの患者と異なる)の未精製骨髄吸引試料を、AEW541(250 nM、15分間)または等容量のDMSO対照でエクスビボにおいて処理した。その後、各患者の薬剤処理試料および対照試料の各々を、(先のアッセイに記載するように)CD138+MM細胞の負の精製のためのモノクローナル抗体(mAb)の特注RosetteSepカクテルを使用する負の選択によって精製した。次いで、精製した細胞をペレット化し、-80℃において凍結し、全ての患者のそれぞれの薬剤処理試料および対照試料の収集が完了するまで保存した(異なる患者の試料を処理し、異なる経過時間において処理し、精製した)。全ての患者の試料を収集したら、それぞれの細胞ペレットを溶解し、次いで市販のキット(Pathscan (登録商標)ホスホ-Aktl (Ser473) サンドイッチ ELISA キット, Cell Signaling, Beverly, MA)を使用するホスホ-AktサンドイッチELISAのために処理した。簡単に説明すると、上記実験の細胞ペレットを、各プレートに1 mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)を添加した1×細胞溶解緩衝液(Cell Signaling Technologies, Beverly MA,#9803)によって溶解し、超音波処理し、4℃において10分微小遠心分離した。上清を新しいチューブに移し、タンパク質含量が等しくなるように分け、溶解緩衝液で1:1希釈し、次いで抗ホスホSer473-Akt特異的抗体をコーティングした96-ウェルのウェルにデュープリケートで添加した。4℃において終夜インキュベーションした後、ウェルをAkt1(2H10)検出mAbと共にインキュベーションし、洗浄し、次いでHRP結合二次抗体に接触させ、次にTMB基質を添加して25℃において30分インキュベーションし、100μlのSTOP溶液を添加してから、STOP溶液の添加後30分以内に450 nmにおいて吸光度を測定する。
フローサイトメトリーを使用して、2つの異なる抗-ヒトIGF-1Rモノクローナル抗体を使用してIGF-1Rの発現について75の血液腫瘍細胞系および固形腫瘍細胞系の一団(表1)を検討した。血液悪性腫瘍(多発性骨髄腫、種々のサブタイプの白血病およびリンパ腫)および固形腫瘍(前立腺癌、乳癌、肺癌、結腸癌、甲状腺癌、卵巣癌、腎臓癌、副腎癌、肉腫および網膜芽細胞腫)を含む試験した全ての細胞系においてIGF-1Rの普遍的な細胞表面発現が見出された。IGF-1R発現がインビトロにおける増殖によって誘導されるアーチファクトであるという可能性を排除するために、従来の化学療法または高用量化学療法ならびにサリドマイド、その免疫調節性アナログ(CC-5013)およびプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ(PS-341)を含む、MMに対する治療器具に最近加えられたクラスの抗腫瘍剤に耐性を有する患者の試料を含む単離直後の35の原発性多発性骨髄腫(MM)腫瘍検体を調査した。IGF-1Rの細胞表面発現もこれらの原発患者試料に普遍的に存在した(図7)。興味深いことに、表面IGF-1R発現の程度と腫瘍の種類、組織学的サブタイプまたは抗癌剤(例えば、アルキル化剤、アントラサイクリン、デキサメサゾン、サリドマイド、CC-5013、TRAIL/Apo2LまたはPS-341)との間に識別可能な関連パターンはなかった。
腫瘍細胞におけるIGF-1R活性の特異的な阻害の機能的な影響をMTT比色生存率アッセイによってインビトロにおいて定量して、IGF-1R機能の阻害が、生存腫瘍細胞集団の増加を刺激する(IGFを含有する)血清の能力を抑制することができる程度を評価した。これらのアッセイは、無血清条件と比較する際に、10%または20%ウシ胎仔血清および/または健康なドナーのプール血清または多発性骨髄腫(MM)患者の血清の使用に関係した。IGF-1R機能の特異的な阻害は、中和モノクローナル抗体α-IR3;IGF-1様競合的ペプチドアンタゴニストJB-1または選択的IGF-1Rキナーゼ阻害剤ADW-742(Novartis Pharma AG, Basel, Switzerland)を使用することにより実施した。細胞キナーゼ活性アッセイは、ADW-742は、インスリン受容体(IR)よりIGF-1Rに対して>16倍強力な阻害作用を有し、キナーゼはIGF-1Rとの最も高い相同性を有することを実証した(細胞自己リン酸化アッセイにおいて、それぞれ、IC50 0.17および2.8 μM)。3つ全ての抗IGF-1R阻害方法は、試験した全ての細胞系において生存腫瘍細胞の総集団の血清刺激的増加を有意に抑制する(図1a、b、e)。これらの結果は、IGFがインビトロにおける腫瘍細胞の増殖を刺激する血清の能力の主要なメディエーターであること、およびIGF-1R機能の特異的な阻害が増殖/成長を刺激する他の血清成長因子の能力に優先することを示している。
MMのマウス異種移植片モデルにおけるIGF-1R阻害のインビボにおける抗腫瘍活性を調査した。MM細胞系MM-1Sは、選択マーカー(ネオマイシンホスホトランスフェラーゼまたは高感度GFP)に融合したホタルルシフェラーゼを安定して発現するように工作した。致死未満量を照射したNOD/SCIDマウスにMM-1S-Luc細胞を静脈内注射し、ルシフェリンをマウスに注射することによってルシフェラーゼ発現腫瘍細胞によって発光される可視光線の連続全身非侵襲的画像化によって追跡した。MMの生物学に対する腫瘍の微小環境の重要性を考慮して、びまん性MM骨格病変のモデルシステムを樹立した。MM-1S-Luc細胞を静脈内注射すると骨髄および骨に生着し、軸骨格(椎骨、頭蓋骨、骨盤)および長骨のびまん性骨病変が一貫して樹立される(図2a)。これらのMM病変の解剖学的分布はヒトMM患者における疾病症状と一致しており、びまん性内臓浸潤への進行は、臨床的に高悪性度MMにおける悪性血漿細胞(例えば、血漿細胞白血病)の播種性骨格および骨外性関与を反復する。
IGF-1R活性化および逆にその阻害に関与する分子的経路を検討するために、(血清の存在下または非存在下において)IGF-1R阻害剤に曝露した結果MM細胞において誘発される分子的事象を、(U133A Affymetrixオリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いる) 遺伝子発現プロファイリングおよび(多重免疫ブロット分析を使用する)シグナル伝達プロテオミクスプロファイリングを使用して特徴づけた。広汎な分子プロファイリングアッセイにおいて検出される所見の機能的な重要性は、特定の機構アッセイによって確認する。
IGF-1R阻害によって抑制されるいくつかの経路は、アポトーシス促進治療に対する腫瘍細胞の耐性に重要であるおよび/または抗癌治療の公知の標的を構成する。限定するものではない例として、Akt、NF-κBおよびカスパーゼ阻害剤は多数のカスパーゼ依存的アポトーシス促進性抗癌治療(デキサメサゾン、TRAIL/Apo2L、プロテアソーム阻害剤、サリドマイドアナログを含む)に対する抵抗性を示すが、NF-κB活性およびDNA損傷修復遺伝子は細胞障害性化学療法に対する腫瘍細胞の耐性に重要な役割を果たす。また、プロテアソーム機能は、最近登場した低分子阻害剤PS-341の標的である。
腫瘍の増殖を支持する間質成分の重要性は、BM微小環境の間質成分が、種々の抗腫瘍治療に対して腫瘍細胞に保護作用を与える、特にMMなどの骨指向性悪性腫瘍において周知である。IGFはBM間質細胞(BMSC)および骨芽細胞によってBM環境において局所的に産生され、MM細胞とBMSCとの同時培養はインビトロにおいてIGF-1の産生を有意に増強するので(図12c)、この保護作用は、IGF-1Rを標的とする治療法に特に関係する。しかし、MM細胞とBMSCの同時培養アッセイにおいて、この相互作用は、BMSCの生存率に影響を与えなかった濃度においても(図12c)、MM細胞に対するADW-742の抗腫瘍作用には勝てない(図12a)。さらに、IGF-1誘導性のHIF-1α活性を抑制する能力と矛盾することなく、ADW-742は腫瘍細胞および骨髄間質細胞によるVEGFの産生を低下し(図12d)、甲状腺癌細胞(図12e)またはMM細胞などの種々の腫瘍種類によるVEGFのIGF-1誘導性分泌を抑制し、IGF-1R阻害の抗-血管形成作用が推定されることを示唆している(図12d)。これらの結果は、IGF/IGF-1Rシグナリングは、腫瘍細胞の間質保護または腫瘍関連血管形成を含む、腫瘍細胞とそれらの局所的な微小環境の相互作用において重要な役割を果たしていることを示しており、他の抗腫瘍療法のインビボにおける有効性を最大にするためにIGF-1Rキナーゼ阻害剤を使用する追加の機構的論拠を提案している。
腫瘍細胞に対するADW-742のインビトロにおける化学療法感受性作用に基づいて、びまん性骨格MM-1S-luc病変の臨床的に関連のあるSCID/NODモデルを、低用量メルファラン(2.5 mg腹腔内、週1回)後に投与したADW-742(10 mg/kg腹腔内、1日2回、週4日)の間欠的投与のインビボにおける作用について評価した。ADW-742の持続的な投与と異なり、ADW-742の間欠的投与は有意な抗腫瘍作用を示さない(図6d、データは示していない)。しかし、インビトロにおけるデータと矛盾することなく、治療量以下のメルファランと治療量以下のADW-742の併用は、マウスの生存を延長する際に相乗作用を有する(図6d)。これらの結果を合わせて考慮すると、細胞障害性治療によるIGF-1/IG-1Rシグナリングの抑制は、主要な抗アポトーシスシグナルを除去することによって従来の治療の有効性を増強することが実証される。
血清(IGFを含む)がMM細胞系の増殖を刺激する能力をIGF-1R機能の阻害が抑制することができる程度を評価するために、濃度を増加させたNVP-AEW541に曝露させた細胞にMTT比色生存率アッセイを適用した(図13)。
次いで、単離直後に実施した短期培養アッセイにおいて、原発患者試料から精製したMM細胞の生存率に対してIGF-1R阻害の影響を試験した。0.5μMのNVP-AEW541は、原発性MM細胞の基底状態の生存ならびに血清刺激した生存を有意に阻害した(図14)。
原発性MM細胞の生存に対するNVP-AEW541(0.5μM)の影響を抗IL-6療法(2μg/mL)と比較したとき、後者は、驚くことに、ほとんどまたは全く影響を与えないことが見出されたが、NVP-AEW541は、以前に観察されたように、血清刺激生存を抑制した(図15)。この所見は、IL-6の血清濃度は腫瘍細胞を刺激するのに十分でないという可能性を生じる上で、腫瘍細胞増殖、生存および薬剤耐性におけるIL-6の広汎に認識されている役割に反すると思われる。MM.Hallek M, et al 1998 Blood; 91: 3-21ならびにAnderson KCおよびLust JA 1999 Semin Hematol; 36: 14-20。しかし、本発明者らは、IL-6の外因的投与(血清IL-6レベルより2〜3 log大きい1ng/mL〜10ng/mL範囲のレベルである。Nakashima J. et al 2000 Clin Cancer Res; 6: 2702-2706)に対するMM細胞の応答もIGF-1R阻害によって抑制されることをさらに見出した(図16)。これらの所見は、腫瘍細胞の増殖因子受容体系の階層化におけるIGF-1R機能の明らかな重要な役割を強調している。
MM細胞は、隣接環境の正常細胞よりIGF-1Rシグナリングの阻害に対する感受性が強いかどうかを評価するために、原発性MM細胞、正常な骨髄間質細胞および末梢血B細胞を0.5μMのNVP-AEW541に接触させた。化合物によるIGF-1Rキナーゼ活性の阻害は、3人の患者から入手した原発性MM細胞の生存を有意に妨害することが示されたが、骨髄間質細胞または末梢血B細胞の生存には影響しなかった(図17)。
IGF-1Rシグナリングは細胞生存シグナルを提供するということおよびこれは、インビトロにおけるMM細胞の生存を持続する際に主要な役割を果たすと思われるということを考慮して、多発性骨髄腫患者を治療するためにクリニックにおいて使用される化学療法剤の併用実験を原発性MM試料を使用して評価した。NVP-AEW541は、デキサメサゾン(図18)、ドキソルビシン(図19)およびメルファラン(図20)の作用に対して原発性MM細胞を相乗作用的に感受性にすることが見出された。また、NVP-AEW541は、プロテアソーム阻害剤ボルテゾミブ(PS-341)に対して原発性MM細胞を感受性にした(図21)。
以前の調査は、IGF-Iシグナリングは選択したプロテアソームサブユニットの発現を促進し(Mitsiades CS, et al. 2004 Cancer Cell; 5: 221-230)、MM細胞を、PS-341などのプロテアソーム阻害剤に対して感受性を低くすることを示した。Mitsiades N. et al, 2002 Proc Natl Acad Sci USA; 99:14374-14379。0.5μMのNVP-AEW541は、原発性MM試料において、キモトリプシン(chemotryptic)活性として測定するとき、プロテアソーム機能を阻害することが見出された(図22)。
MM細胞のIGF-Iシグナリングは、IKKの活性化などの下流の多数の事象を誘発するという観察に基づいて(Mitsiades CS, et al. 2004 Cancer Cell; 5: 221-230)、DNA結合活性の関数として測定した、NFkBの活性に対するNVP-AEW541の影響を試験した。NVP-AEW541は、0.5μMにおいて、NFkB DNA結合活性を有意に妨害することが見出された(図23)。
IGF-Iシグナリングは、HIF-1α転写活性およびVEGF発現を誘導することによって血管形成促進機能を有することが報告されている。Fukuda R., et al. 2002 J Biol Chem; 277: 38205- 38211。
IGF-1Rリン酸化レベルまたは下流のAktリン酸化の薬力学的な変化の検出に好適な方法を開発する可能性を評価するために、原発患者由来の多発性骨髄腫試料を0.25μM NVP-AEW541またはその溶媒DMSOでエクスビボにおいて処理した。次いで、CD138+多発性骨髄腫細胞を負の選択によって濃縮し、ホスホIGF-IRおよびホスホAktのレベルをキャプチャーELISAによってモニターするために使用した。NVP-AEW541に接触させた試料は、矛盾することなく、媒体処理対照と比較して、ホスホIGF-IR(図25)およびホスホAkt(図26)のレベルの顕著な低下を示した。
ネオマイシンホスホトランスフェラーゼに融合したホタルルシフェラーゼコード領域をコードするレトロウイルスをMM1S細胞に形質導入することによってMM1S-LucNeo細胞を作製した(pMMP-LucNeo)。形質導入した細胞は、1 mg/mlの有効濃度G418を含有する培地(RPMI、10% FBS、ペニシリン/ストレプトマイシン)中で増殖することによって選択した。
骨転移モデルにおいて乳癌細胞の増殖に対するAEW541の影響を検討した。ヒト骨チップに乳癌細胞系(MDA-MB231-LucNeo)を接種し、ヌードマウスに植え込んだ。骨チップおよび腫瘍細胞を2週間「根付かせ」、次いでAEW541による治療を開始した。腫瘍細胞の増殖をその後4週間にわたって画像化によって追跡し、骨への乳癌転移のこのマウスモデルにおける明白な抗腫瘍作用を実証した(図28)。
他の標的治療と併用したAEW541の使用の可能性を評価した。グリオーマ細胞系(U87-LucNeo)をヌードマウスの脳に定位的に植え込んだ。植え込みから10日後に、マウスを、AEW541単独、AMD3100単独(CXCR4阻害剤)、両方の併用または媒体対照で治療する群に分割した。腫瘍の増殖を画像化によってモニターし、AMD3100と併用したAEW541の相加的な抗腫瘍効果を明らかにした。図29。
Claims (59)
- 細胞障害剤または化学療法剤およびインスリン様増殖因子受容体(IGF-1R)阻害剤を含む組成物を被験者に投与する段階を含む、被験者において腫瘍細胞増殖を阻害する方法。
- 組成物が薬剤と同時に投与される、請求項1記載の方法。
- 組成物が薬剤の48時間後以内に投与される、請求項1記載の方法。
- 組成物が薬剤の24時間後以内に投与される、請求項1記載の方法。
- 組成物が薬剤の12時間後以内に投与される、請求項1記載の方法。
- 組成物が薬剤の3時間〜12時間後以内に投与される、請求項1記載の方法。
- 組成物が事前に選択された期間にわたって投与される、請求項1記載の方法。
- 事前に選択された期間が約1日〜2日である、請求項2記載の方法。
- 薬剤の用量が治療量以下である、請求項1記載の方法。
- IGF-1R阻害剤の用量が治療量以下である、請求項1記載の方法。
- IGF-1R阻害剤の用量が、高血糖、ケトーシスまたは糖尿(glucosurioa)を生ずるのに十分な量である、請求項1記載の方法。
- IGF-1R阻害剤が低分子チロシンキナーゼ阻害剤、抗IGF-1R中和抗体またはIGF-1Rアンタゴニストである、請求項1記載の方法。
- 低分子チロシンキナーゼ阻害剤がADW-742、NVP-AEW541またはそれらのアナログもしくは異性体である、請求項12記載の方法。
- IGF-1R抗体がα-IR3である、請求項12記載の方法。
- IGF-1RアンタゴニストがJB-1である、請求項12記載の方法。
- 細胞障害剤が放射線療法である、請求項1記載の方法。
- 化学療法剤がドキソルビシン、メルファランまたはデキサメサゾンである、請求項1記載の方法。
- インスリン様増殖因子の濃度を低下させる化合物を含む第1の組成物およびインスリン様増殖因子受容体-1(IGF-1R)阻害剤を含む第2の組成物を被験者に投与する段階を含む、被験者において腫瘍細胞増殖を阻害する方法。
- 濃度が血清濃度である、請求項12記載の方法。
- 濃度が腫瘍微環境濃度である、請求項12記載の方法。
- IGFが肝臓によって産生される、請求項12記載の方法。
- IGFが腫瘍によって産生される、請求項12記載の方法。
- 化合物がソマトスタチンまたはそのアナログである、請求項12記載の方法。
- 第2の組成物が第1の組成物と同時に投与される、請求項12記載の方法。
- 第2の組成物が第1の組成物の48時間後以内に投与される、請求項12記載の方法。
- 第2の組成物が第1の組成物の24時間後以内に投与される、請求項12記載の方法。
- 第2の組成物が第1の組成物の12時間後以内に投与される、請求項12記載の方法。
- 第2の組成物が第1の組成物の3時間〜12時間後以内に投与される、請求項12記載の方法。
- IGF-1R阻害剤が低分子チロシンキナーゼ阻害剤、抗IGF-1R中和抗体またはIGF-1Rアンタゴニストである、請求項12記載の方法。
- 低分子チロシンキナーゼ阻害剤がADW-742、NVP-AEW541またはそれらのアナログもしくは異性体である、請求項29記載の方法。
- IGF-1R抗体がα-IR3である、請求項29記載の方法。
- IGF-1RアンタゴニストがJB-1である、請求項29記載の方法。
- インスリン様増殖因子受容体-1(IGF-1R)阻害剤および抗糖尿病剤を含む組成物を被験者に投与する段階を含む、被験者において腫瘍細胞増殖を阻害する方法。
- 抗糖尿病剤がインスリンポリペプチド、インスリン感受性エンハンサーおよびインスリン分泌エンハンサーである、請求項30記載の方法。
- インスリン感受性エンハンサーがチアゾリジネオジオン(thiazolidineodione)またはビグアニドである、請求項34記載の方法。
- インスリン分泌エンハンサーがグルコシダーゼ阻害剤である、請求項34記載の方法。
- IGF-1R阻害剤が低分子チロシンキナーゼ阻害剤である、請求項30記載の方法。
- 低分子チロシンキナーゼ阻害剤がADW-742、NVP-AEW541またはそれらのアナログもしくは異性体である、請求項37記載の方法。
- インスリン様増殖因子受容体-1(IGF-1R)の発現または活性を減少させる化合物を含む組成物を被験者に投与する段階を含む、被験者において腫瘍細胞増殖を阻害する方法。
- インスリン様増殖因子受容体-1(IGF-1R)阻害剤を含む組成物を被験者に投与する段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
- 化合物がIGF-1Rの細胞表面発現を減少させる、請求項39記載の方法。
- 化合物がIGF-1R siRNAまたはIGF-1Rアンチセンス核酸である、請求項30記載の方法。
- 化合物が:
a. IGF-1Rの細胞内輸送を阻害する;
b. IGF-1Rの翻訳後修飾を阻害する;
c. IGF-1Rの分解もしくはユビキチン化を増強する;または
d. IGF-1Rの正しい3次元構造を乱す、
請求項30記載の方法。 - IGF-1R阻害剤が低分子チロシンキナーゼ阻害剤、抗IGF-1R中和抗体またはIGF-1Rアンタゴニストである、請求項40記載の方法。
- 低分子チロシンキナーゼ阻害剤がADW-742、NVP-AEW541またはそれらのアナログもしくは異性体である、請求項44記載の方法。
- IGF-1R抗体がα-IR3である、請求項44記載の方法。
- IGF-1RアンタゴニストがJB-1である、請求項44記載の方法。
- 組織にインスリン様増殖因子受容体-1(IGF-1R)阻害剤を接触させる段階を含む、組織における血管形成を減少させる方法。
- 組織が腫瘍組織である、請求項48記載の方法。
- IGF-1R阻害剤が低分子チロシンキナーゼ阻害剤、抗IGF-1R中和抗体またはIGF-1Rアンタゴニストである、請求項48記載の方法。
- 低分子チロシンキナーゼ阻害剤がNVP-ADW-742、NVP-AEW541またはそれらのアナログもしくは異性体である、請求項50記載の方法。
- IGF-1R抗体がα-IR3である、請求項50記載の方法。
- IGF-1RアンタゴニストがJB-1である、請求項50記載の方法。
- 細胞にインスリン様増殖因子受容体-1(IGF-1R)阻害剤を接触させる段階を含む、細胞のアポトーシスを誘導する方法。
- 細胞が腫瘍細胞である、請求項54記載の方法。
- IGF-1R阻害剤が低分子チロシンキナーゼ阻害剤、抗IGF-1R中和抗体またはIGF-1Rアンタゴニストである、請求項54記載の方法。
- 低分子チロシンキナーゼ阻害剤がADW-742、NVP-AEW541またはそれらのアナログもしくは異性体である、請求項56記載の方法。
- IGF-1R抗体がα-IR3である、請求項56記載の方法。
- IGF-1RアンタゴニストがJB-1である、請求項56記載の方法。
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