JP2007523056A - 透析液並びに透析液に関連した方法及びシステム - Google Patents

透析液並びに透析液に関連した方法及びシステム Download PDF

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Abstract

血管石灰化状態のような状態を治療する組成、システム及び方法が開示される。代表的な方法は、治療を必要とする個人に有効な量の少なくとも一つのエフェクター薬剤を投与することを含む。別の方法は、治療を必要とする個人に有効な量の少なくとも一つのエフェクター薬剤を投与することにより、血管石灰化又は血管石灰化関連状態を予防的に治療することを含む。さらに別の方法は、血液透析を介して治療を必要とする個人に有効な量の少なくとも一つのエフェクター薬剤を投与することにより、血管石灰化を治療することを含む。

Description

(関連出願への相互参照)本出願は、2003年10月28日出願の「ピロリン酸塩透析液濃縮物」と題する同時係属中の米国仮出願シリアル番号60/515,174に基づく優先権を主張し、前記仮出願は参照により全体的に本出願に包含される。
(発明の技術分野)本発明は、一般に個人に対する管理のための組成、システム、薬剤及び方法に関し、特に、血管石灰化の治療のために設計された組成及び薬剤に関する。
(背景)血液透析は、これにより微細な可溶性毒素が透析器のようなろ過膜を使用して血液から除去される処理である。透析治療は腎臓の機能を置き換え、腎臓は通常身体の自然の濾過システムとして働く。血液フィルタと透析液として知られる化学的溶液の使用を通じて、治療は血流から老廃物と過剰な流体を除去しながら、血液の適切な化学的バランスを維持する。しかしながら、血液透析の最も一般的な用途は、一時的又は永久的な腎不全患者のためのものである。腎臓が十分に自己の体から流体と老廃物を除去すること、あるいは血流において腎臓により調整される特定の化学物質の適切な水準を維持することがもはやできない末期腎臓病(ESRD)患者にとって、透析は腎移植以外で利用可能な唯一の治療の選択肢である。
血液透析は、アメリカ合衆国における透析治療の最も頻繁に処方される類型である。治療は、体外回路(ECC)又は透析回路によって、体の外側に患者の血液を循環させることを包含する。二本の針は、患者の静脈又は接触位置に挿入されてECCに装着される。ECCは、プラスチック血管と、透析器(人工腎臓)として知られるフィルタと、血流を監視及び維持して透析液を投与する透析機械を含む。毒素のような小さい不必要な化合物は血液から透析液に拡散される一方、蛋白質のようなより大きい化合物は血液中に保持される。透析は、老廃物を血液から引き出すために使用される化学浴である。血液の通常の構成要素である小さな分子もまた薄膜を横切って拡散し得るため、前記の小さな分子はその減少を防ぐために透析液に加えられる。典型的には、透析液はイオン(例えば、Na、K、Cl、Ca2+)、緩衝液(HCO )及びブドウ糖を含み、これらの重要な化合物の血中濃度が血液透析処理において除去されるならば起こるであろう重大な副作用を防ぐ。
1980年代以来、アメリカ合衆国における大多数の血液透析治療は、中空の繊維透析器により実行されてきた。中空の繊維透析器は、直径数インチの透明なプラスチックシリンダーに入っている数千の管状の中空の繊維索から構成される。透析器(血液区画と透析区画)内には、二つの区画が存在する。二つの区画を分離する薄膜は、半透過性である。このことは、薄膜が特定の大きさの分子がこれを横切って通過することを可能にするが、他のより大きな分子の通過を防ぐことを意味する。血液は血液区画を通じて一方向に押されるので、吸入又は真空圧力は透析液区画を通じて逆流又は反対方向に透析液を引っ張る。これらの対向する圧力は血流から透析液に過剰な流体を排出するように働き、これは限外濾過と呼ばれる処理である。
拡散と呼ばれる第二の処理は、血液中の老廃物を薄膜を横切って透析区画に移動させる。透析区画において、老廃物は体から外に運ばれる。同時に、透析液中の電解質と他の化学物質は、薄膜を横切って血液区画に入る。浄化された化学的にバランスのよい血液は、その後体に戻される。
透析に関連する危険と副作用の多くは、治療とESRD患者の不良な体調の結合された結果である。現在の透析治療は、有効性と多数の意図しない重大な副作用を制限した。1943年にダブリュー・ジェイ・コルフ(W. J. Kolff)とエイチ・バーク(H. Berk)が最初の実用的な人間の血液透析機械を開発した時から、前記の治療は徐々に進歩するだけであった。
血液透析ESRDの一つの長期の副作用は、血管石灰化として知られる血管内におけるカルシウムの堆積である。この石灰化は、平滑筋細胞間のマトリクスにおいて、大静脈と小静脈の中膜において起こり、モンケバーグ(Monckeberg)の動脈硬化としても知られる。高リン酸塩血症は、進行した腎不全で中間の血管石灰化の基礎をなすと考えられるが、石灰化は高リン酸塩血症がない場合にはさらなる要因が登場していることを示しつつ他の状況において起こり得る。高リン酸塩血症の副作用は、血液と軟部組織におけるリン酸カルシウムの結晶の形成である。
ESRDにおける中膜血管石灰化を防ぐための臨床診療は、中膜血管石灰化がCa(POについての溶解度積を超えるCa2+とPO 3−の血漿濃度の発現だけであるに過ぎないとの仮定に基づいている。しかし、大量のデータは、前記が全ての説明でないことを示す。中膜石灰化は老化において共通に見られ、全て通常の血漿カルシウムとリン酸塩濃度の存在下において、いくつかの遺伝子の欠陥において起こる。これらの観察は、石灰化が通常の血漿カルシウムとリン酸塩濃度において起こり得ることと、これを妨げる作用が個人において通常行われていることを示唆する。このように、血管石灰化は、これらの抑制作用の失敗として考えることができる。
従来技術においては、カルシウム堆積を削減する方法による血液透析を実行する既知の方法が存在しない。
(要旨)簡単に説明すると、本発明の実施形態は、透析液と、透析液に関連した方法及びシステムを含む。具体的には、本発明の一つの例示的な方法は、治療が必要な個人に血管石灰化治療を提供することを含み、治療の提供がピロリン酸塩類化合物の有効な量を個人に投与することを含む。本発明の別の例示的な方法は、血液透析が必要な個人に血液透析を行うことを含み、血液透析を行うことは血液透析システム内の薄膜を横切って少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を含む透析液を拡散することと、個人をピロリン酸塩類化合物の有効な量にさらすことを含む。
本発明に含まれる透析液と組成は、ピロリン酸塩類化合物に関連する。例えば、本発明は、薬剤として許容可能な担体と組み合わせた少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を含む薬剤組成を含み、前記少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物は血管石灰化を治療するために有効な投薬量水準にて存在する。本発明の追加の例示的組成は、少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を含む透析液濃縮物と透析液である。
本発明にまた含まれるものは、血液透析患者のためのシステムである。一つの例示的システムは、血液区画と、前記血液区画に流体の伝達を行う薄膜と、透析液区画を含み、透析液区画はピロリン酸塩類化合物を有する透析液を含む。
本発明の他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図面と詳細な説明を審査すると当業者に対して明らかであるか、明らかとなる。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴及び利点は本説明内に含まれ、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲により保護されることが意図される。
(詳細な説明)本発明は、以下の詳細な説明及びこれに含まれる実施例を参照することによってより容易に理解され得る。
本発明の化合物、組成及び方法が開示及び記述される前に、本発明が特定の薬剤の担体又は特定の薬剤の剤形又は投与法に限られず、そのようなものとして当然に変化し得ることが理解されるべきである。また、本明細書において使用される術語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、限定することが意図されるものではないことが理解されるべきである。
(定義)「個人」又は「患者」の語は、少なくとも一つの細胞を有する任意の生存する実体を指す。生存する組織は、例えば単一の真核細胞と同程度に単純であり、あるいは人間を含む哺乳類と同程度に複雑であり得る。
「ピロリン酸塩」及び「ピロリン酸塩類化合物」の語は全体を通じて同義的に使用され、酸無水物と共に任意のピロリン酸の塩又はエステルを含む化学式(P4−を含む任意の化合物又は製剤を指す。「エステル」の語は、一般式RCOORを有する官能基を含み、Rは同一又は異なる脂肪族基(例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等)、芳香族基(複素環基、アリル基等)及び/又は水素イオンを意味する。ピロリン酸塩の例は、Interscience Publishers発行のKirk及びOthmer著「Encyclopedia of Chemical Technology, Second Edition」Volume 15(1968年)においてより詳細に説明される。前記のピロリン酸塩は例として提示されており、本発明はKirk及びOthmerによって列記された特定のピロリン酸塩のみに限られない。
「誘導体」の語は、開示される化合物の加水分解物、還元物又は酸化物を含むが、これらに限られない、開示される化合物に対する変形を意味する。加水分解、還元又は酸化反応は、従来技術において知られている。
本明細書において使用される「治療効果のある量」の語は、治療中の疾患の一以上の症候をある程度緩和する、投与中の化合物の量を指す。血管石灰化に関連した血管石灰化または病変に関して、治療効果のある量は、(1)血管石灰化の量を減らす、(2)血管石灰化を抑制する(すなわちある程度遅くし、好適には停止させる)、(3)血管石灰化を防ぎかつ/又は削減する、(4)血管石灰化に関連し、又は血管石灰化によって部分的に引き起こされる病変に関連した一以上の症候をある程度緩和する(又は好適には消去する)、かつ/又は(6)病変に導く初期の虚血性状態の下流の事象の連鎖を防ぐ効果を有するその量を指す。一以上のエフェクター薬剤の「治療効果のある量」によって、任意の治療に適用可能な妥当な利益/リスク比率において、血管石灰化及び血管石灰化に関連した状況を治療するための一以上のエフェクター薬剤の十分な量が意味される。例えば、一以上のエフェクター薬剤の「治療効果のある量」は、一以上のエフェクター薬剤を投与しないことと比較して病状の進行又は開始を緩和し、改善し、安定させ、反転させ、遅らせ及び/又は遅延させるのに十分な量である。
しかしながら、本発明のエフェクター薬剤の毎日の使用の合計は、正しい医療判断の範囲内において、医師が参加することにより決定されるであろうことは理解されるであろう。任意の特定の個人のための特定の治療効果のある投与レベルは、例えば治療中の疾患及び疾患の深刻さ、使用される特定のエフェクターの活動、使用される特定のエフェクター、患者の年齢、体重、総体的な健康、性別及び食事、投与時間、投与経路、使用される特定のエフェクター薬剤の排泄率、治療の期間、使用される特定の組成と共に組み合わせて又は同時進行にて使用される薬物、並びに医療技術において良く知られている同様の要因を含む、種々の要因に依存するであろう。例えば、所望の治療効果を達成するために必要とされる水準よりも低い水準においてエフェクター薬剤の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで徐々に投薬量を増やすこととは、当業者内においては良く知られている。
エフェクター薬剤は、好適には投与の容易さと投薬量の均一性のために、投薬量ユニットの形態により処方される。本明細書における「投薬量ユニットの形態」は、治療されるべき個人にとって適切なエフェクター薬剤の物理的に分離した単位を指す。各投薬量は、このように所望の治療効果を生じるように計算された、又は選択された薬剤担体に関連付けられたエフェクター薬剤の量を含むべきである。好適なユニット投薬量製剤は、投与されるエフェクター薬剤の一回分又はユニット、毎日のサブドーズ又は一回の透析治療セッションにおいて通常投与される前記の一部分を含む製剤である。この点につき、ピロリン酸塩(PPi)化合物のための投与計画を評価するために、研究が実行された。
本発明のエフェクター薬剤及び組成(以下「エフェクター薬剤」とする。)は、血管石灰化及び血管石灰化関連疾病のような、しかしこれらに限られない状態を治療するために使用され得る。加えて、本発明のエフェクター薬剤は、血管石灰化及び血管石灰化関連状態並びに/又は血管石灰化及び血管石灰化関連状態の進行した段階の進行を抑制し、かつ/又は進行を遅らせるために予防的に使用され得る。本発明のエフェクター薬剤は、一以上の薬剤として許容可能な担体及び/又は賦形剤と組み合わせた活性成分として使用され得る。
「薬剤として許容可能な塩」とは、遊離塩基の生物学的有効性及び特性を保有する塩を指し、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸のような、しかしこれらに限られない無機又は有機酸との反応により得られる。「薬剤として許容可能な塩」により、正しい医療判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等なしに個人の組織と接触しての使用に適し、妥当な利益/リスク比率に相応し、それらの意図された使用について有効である塩が意味される。前記塩は、一以上エフェクター薬剤の最終的な隔離と浄化の間に生体内の本来の場所において(in situ)、又は適当な有機酸と遊離塩基機能を分離して反応させることにより準備され得る。
本明細書における「薬剤として許容可能なエステル」とは、正しい医療判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等なしに個人の組織と接触しての使用に適し、妥当な利益/リスク比率に相応し、それらの意図された使用について有効である一以上のエフェクター薬剤のエステルを指す。
本明細書における「薬剤として許容可能なプロドラッグ」とは、正しい医療判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等なしに個人の組織と接触しての使用に適し、妥当な利益/リスク比率に相応し、それらの意図された使用について有効である一以上のエフェクター薬剤のプロドラッグを指す。薬剤として許容可能なプロドラッグは、当該組成の一以上の化合物の可能な両性イオンの形態をも含む。「プロドラッグ」の語は、例えば血液中における加水分解により親化合物を産出するために生体内において(in vivo)高速に変形される化合物を指す。
「薬剤組成」は、生理的に許容可能な担体及び賦形剤のような他の化学的構成要素を伴う、本明細書において記述される一以上の化合物、又はその薬剤として許容可能な塩の混合物を指す。薬剤組成の一つの目的は、有機体への化合物の投与を促進することである。
本明細書において使用されるように、「薬剤として許容可能な担体」は、組織に対する重大な刺激を引き起こさず、投与される化合物の生物学的活動及び特性を無効にしない担体又は希釈剤を指す。
本明細書において使用されるように、「薬剤として許容可能な担体媒質」は、所望の特定の投薬の形態に適する任意及び全ての担体、溶媒、希釈剤又は他の液体溶媒、分散又は懸濁補助剤、表面活性薬剤、等張剤、増粘剤又は乳化剤、防腐剤、固体の結合剤、潤滑剤、佐剤、溶媒、送達システム、崩壊剤、吸収剤、保存料、界面活性剤、着色料、香料又は甘味料等を含む。好適には、薬剤として許容可能な担体媒質は透析液である。
「賦形剤」は、化合物の投与をさらに促進するために、薬剤組成に加えられた不活性物質を指す。賦形剤の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖質及びデンプン類、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油及びポリエチレングリコールを含むが、これらに限られない。
病気の「治療すること」又は「治療」は、病気に掛かりやすいがまだ病気を経験しないか、病気の症状を示す動物内において病気が発生することを防ぐこと(予防的治療)、病気を抑制すること(その進行を遅らせるか止める)、病気の症状又は副作用の緩和を提供すること(対症療法を含む)、及び病気を緩和すること(病気の後退を引き起こす)を含む。血管石灰化に関して、前記の用語は、血管石灰化により影響を受ける個人の寿命が増加されること、又は一以上の病気の症状が削減されることを単に意味する。
「プロドラッグ」の語は、生体内において生物学的に活性のある形態に変換される薬剤を指す。プロドラッグは、いくつかの状況において、親化合物よりも投与することが容易であり得るため、しばしば有用である。プロドラッグは、例えば経口投与により体内に吸収され利用され得る一方、親化合物は利用され得ない。プロドラッグは、親薬剤より薬剤組成における改善された可溶性をも有する。プロドラッグは、酵素処理と代謝加水分解を含む種々の機構により親薬剤に変換され得る。Harper, N. J.著「Drug Latentiation in Jucker, ed. Progress in Drug Research, 4」221〜294頁(1962年)、Morozowichら著「Application of Physical Organic Principles to Prodrug Design in E. B. Roche ed. Design of Biopharmaceutical Properties through Prodrugs and Analogs」APhA、Acad. Pharm. Sci.発行(1977年)、E. B. Roche, ed.著「Bioreversible Carriers in Drug in Drug Design, Theory and Application」APhA発行(1977年)、H.Bundgaard, ed.著「Design of Prodrugs」Elsevier発行(1985年)、Wangら著「Prodrug approaches to the improved delivery of peptide drug, Curr. Pharm. Design 5 (4)」265〜287頁(1999年)、 Paulettiら著「Improvement in peptide bioavailability: Peptidomimetics and Prodrug Strategies, Adv. Drug Delivery Rev. 27」235〜256頁(1997年) 、Mizenら著「The Use of Esters as Prodrugs for Oral Delivery of β-Lactam antibiotics」Pharm. Biotech. 11、345〜365頁(1998年)、Gaignaultら著「Designing Prodrugs and Bioprecursors I.Carrier Prodrugs」671〜696頁、Pract. Med. Chem.発行(1996年)、M. Asgharnejad著「Improving Oral Drug Transport Via Prodrugs, in G. L. Amidon, P.I. Lee and E. M. Topp, Eds., Transport Processes in Pharmaceutical Systems, Marcell Dekker」185〜218頁(2000年)、Balantら著「Prodrugs for the improvement of drug absorption via different routes of administration, Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet., 15 (2)」143〜53頁(1990年)、Balimane and Sinko著「Involvement of multiple transporters in the oral absorption of nucleoside analogues, Adv. Drug Delivery Rev., 39 (1-3)」183〜209頁(1999年)、Browne著「Fosphenytoin (Cerebyx), Clin. Neuropharmacol.20(1)」1-12頁(1997年)、Bundgaard著「Bioreversible derivatization of drugs--principle and applicability to improve the therapeutic effects of drugs, Arch. Pharm. Chemi.86(1)」1〜39頁(1979年)、H. Bundgaard, ed.著「Design of Prodrugs」New York、Elsevier発行(1985年)、Fleisherら著「Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs, Adv. Drug Delivery Rev. 19(2)」115〜130頁(1996年)、Fleisherら著「Design of prodrugs for improved gastrointestinal absorption by intestinal enzyme targeting, Methods Enzymol. 112」360〜81頁(1985年)、Farquhar Dら著「Biologically Reversible Phosphate- Protective Groups, J.Pharm. Sci., 72 (3)」324-325頁(1983年)、Han, H. K.ら著「Targeted prodrug design to optimize drug delivery」AAPS PharmSci.発行2(1)、E6(2000年)、Sadzuka Y.著「Effective prodrug liposome and conversion to active metabolite, Curr. Drug Metab.,1(1)」31〜48頁(2000年)、D. M. Lambert著「Rationale and applications of lipids as prodrug carriers, Eur. J. Pharm. Sci., 11 Suppl 2」S15-27(2000年)、Wang, W.ら著「Prodrug approaches to the improved delivery of peptide drugs. Curr. Pharm. Des., 5 (4)」265〜87頁(1999年) 参照。
「アルク(alk)」又は「アルキル」の語は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等のような、1〜12個の炭素原子、好適には1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分鎖の炭化水素基を指す。低アルキル基、すなわち、1〜6個の炭素原子のアルキル基は、一般に最も好適である。「置換アルキル」の語は、好適にはアリル、置換アリル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、炭素環(carbocyclo)、置換炭素環、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ(選択的に置換される)、アリロキシ(選択的に置換される)、アルキルエステル(選択的に置換される)、アリルエステル(選択的に置換される)、アルカノイル(選択的に置換される)、アリオル(aryol)(選択的に置換される)、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アミド、ラクタム、尿素、ウレタン、スルホニル等から選択される一以上の基により置換されたアルキル基を指す。
「アルコキシ」の語は、酸素に結合されたアルキル基、ゆえにR−O−を意味する。この官能基において、Rはアルキル基を表す。例はメトキシ基CHO−であろう。
「アルケニル」の語は、エテニルのような、2〜12個の炭素原子、好適には2〜4個の炭素原子と、炭素結合(シス又はトランスのいずれか)に向かう少なくとも一つの二重炭素を有する直鎖又は分鎖の炭化水素基を指す。「置換アルケニル」の語は、好適にはアリル、置換アリル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、炭素環、置換炭素環、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ(選択的に置換される)、アリロキシ(選択的に置換される)、アルキルエステル(選択的に置換される)、アリルエステル(選択的に置換される)、アルカノイル(選択的に置換される)、アリオル(選択的に置換される)、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アミド、ラクタム、尿素、ウレタン、スルホニル等から選択される一以上の基により置換されたアルケニル基を指す。
「アルキニル」の語は、エチニルのような、2〜12個の炭素原子、好適には2〜4個の炭素原子と、炭素結合に向かう少なくとも一つの三重炭素を有する直鎖又は分鎖の炭化水素基を指す。「置換アルキニル」の語は、好適にはアリル、置換アリル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、炭素環、置換炭素環、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ(選択的に置換される)、アリロキシ(選択的に置換される)、アルキルエステル(選択的に置換される)、アリルエステル(選択的に置換される)、アルカノイル(選択的に置換される)、アリオル(選択的に置換される)、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アミド、ラクタム、尿素、ウレタン、スルホニル等から選択される一以上の基により置換されたアルキニル基を指す。
「アル(ar)」又は「アリル」の語は、フェニル、ナフチル及びビフェニルのような、好適には6〜12個の員を有する、芳香族単素環(例えば炭化水素)単環式、二環式又は三環式環状(ring-containing)基を指す。フェニルは好適なアリル基である。「置換アリル」の語は、好適にはアルキル、置換アルキル、アルケニル(選択的に置換される)、アリル(選択的に置換される)、ヘテロシクロ(選択的に置換される)、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ(選択的に置換される)、アリロキシ(選択的に置換される)、アルカノイル(選択的に置換される)、アロイル(選択的に置換される)、アルキルエステル(選択的に置換される)、アリルエステル(選択的に置換される)、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アミド、ラクタム、尿素、ウレタン、スルホニル等から選択される一以上の基により置換されたアリル基を指し、選択的に置換基の一以上の対はそれらが結合される原子と共に、3〜7個の員環を形成する。
「シクロアルキル」及び「シクロアルケニル」の語は、それぞれ完全に飽和した、及び部分的に不飽和の、3〜15個の炭素原子の単環式、二環式又は三環式単素環環状基を指す。「シクロアルケニル」の語は、全体として芳香族でないが芳香族部分を含む二環式及び三環式の環系を含む(例えばフルオレン、テトラヒドロナフタレン、ジヒドロインデン等)。多環シクロアルキル基の環は、一以上のスピロ結合を通じて融合、ブリッジ及び/又は結合のいずれかがなされ得る。「置換シクロアルキル」及び「置換シクロアルケニル」の語は、それぞれ、好適にはアリル、置換アリル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、炭素環、置換炭素環、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ(選択的に置換される)、アリロキシ(選択的に置換される)、アルキルエステル(選択的に置換される)、アリルエステル(選択的に置換される)、アルカノイル(選択的に置換される)、アリオル(選択的に置換される)、シアノ、ニトロ、アミノ、置換アミノ、アミド、ラクタム、尿素、ウレタン、スルホニル等から選択される一以上の基により置換されたシクロアルキル基及びシクロアルケニル基を指す。
「炭素環」、「炭素環式」又は「炭素環基」の語は、シクロアルキル基とシクロアルケニル基の両方を指す。「置換炭素環」、「置換炭素環式」又は「置換炭素環基」の語は、シクロアルキル及びシクロアルケニルの定義において述べられた一以上の基により置換された炭素環又は炭素環基を指す。
「ハロゲン」及び「ハロ」の語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を指す。
「複素環」、「複素環式」、「複素環基」又は「ヘテロシクロ」の語は、少なくとも一つの炭素原子を含む環に少なくとも一つのヘテロ原子を有する、完全に飽和した、又は部分的若しくは完全に不飽和である、芳香族(「ヘテロアリル」)又は非芳香族を含む環状基(例えば、好適には合計3〜10個の環原子を含む、3〜13個の員の単環式、7〜17の員の二環式、又は10〜20の員の三環式環系)を指す。ヘテロ原子を含む複素環基の各環は、窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子から選択された1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子を有し得る。ここで、窒素及び硫黄ヘテロ原子は選択的に酸化され得、窒素ヘテロ原子は選択的に四級化され得る。複素環基は、環又は環系の任意のヘテロ原子又は炭素原子に付加され得る。多環複素環の環は、一以上のスピロ結合を通じて融合、ブリッジ及び/又は結合のいずれかがなされ得る。
例示的な単環式複素環基は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル(isoxazolinyl)、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル(isothiazolidinyl)、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2‐オキソピペラジニル、2‐オキソピペリジニル、2‐オキソピロロジニル(oxopyrrolodinyl)、2‐オキソアゼピニル、アゼピニル、4‐ピペリドニル(piperidonyl)、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾイル、トリアゾリル、モルフォリニル、チアモルフォリニル(thiamorpholinyl)、チアモルフォリニルスルホキシド、チアモルフォリニルスルホン、1,3−ジオキソレン及びテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニル(dioxothienyl)等を含む。
例示的な二環式複素環基は、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル(tetra-hydroisoquinolinyl)、イソキノリニル、ベンジミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、ベンゾフランリ、ジヒドロベンゾフラニル、クロモニル、コウマリニル(coumarinyl)、ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾジオキソリル(dihydrobenzodioxolyl)、ベンゾジオキシニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、(フロ[2,3‐c]ピリジニル、フロ[3,2‐b]ピリジニル]又はフロ[2,3‐b]ピリジニルのような)フロピリジニル、ジヒドロイソインドリル、(3,4‐ジヒドロ‐4‐オキソ‐キナゾリニルのような)ジヒドロキナゾリニル(dihydroquinazolinyl)、テトラヒドロキノリニル(tetrahydroquinolinyl)、(6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンのような)アザビシクロアルキル(azabicycloalkyl)、(1,4ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカンのような)アザスピロアルキル(azaspiroalkyl)、(イミダゾ[1,5−a]ピリジン−3−イルのような)イミダゾピリジニル、(1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3−イルのような)トリアゾロピリジニル(triazolopyridinyl)及び(1,5,6,7,8,8a−ヘキサヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−3−イルのような)ヘキサヒドロイミダゾピリジニル等を含む。
例示的な三環式複素環基は、カルバゾリル、ベンジドリル(benzidolyl)、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル(phenanthridinyl)、キサンテニル等を含む。
「置換複素環」、「置換複素環式」、「置換複素環基」及び「置換ヘテロシクロ」の語は、好適にはアルキル、置換アルキル、アルケニル、オキソ、アリル、置換アリル、ヘテロシクロ、置換ヘテロシクロ、炭素環(選択的に置換される)、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ(選択的に置換される)、アリロキシ(選択的に置換される)、アルカノイル(選択的に置換される)、アロイル(選択的に置換される)、アルキルエステル(選択的に置換される)、アリルエステル(選択的に置換される)、シアノ、ニトロ、アミド、アミノ、置換アミノ、ラクタム、尿素、ウレタン、スルホニル等から選択される一以上の基により置換された複素環、複素環式及び複素環基を指し、選択的に置換基の一以上の対はそれらが結合される原子と共に、3〜7個の員環を形成する。
「アルカノイル」の語は、カルボニル基に結合された(上述したように選択的に置換され得る)アルキル基(すなわち、−−C(O)−アルキル)を指す。同様に、「アロイル」の語は、カルボニル基に結合された(上述したように選択的に置換され得る)アリル基(すなわち、−−C(O)−アリル)を指す。
本明細書の全体を通じて、その基及び置換基は、安定した部分及び化合物を提供するように選択され得る。
開示される化合物は、また本発明の範囲内にある塩を形成する。本明細書内の任意の化学式の化合物への参照は、別に表示されない限り、その塩への参照を含むと理解される。本明細書において使用されるように、「塩」の語は、有機及び/又は無機の酸及び塩基により形成される酸及び/又は塩基の塩を意味する。加えて、化学式(化1)又は化学式(化2)(下記)のいずれかの化合物が塩基部分及び酸部分の両方を含むとき、両性イオン(「内部塩」)が形成され得、これも本明細書において使用される「塩」の語に含まれる。薬剤として許容可能な(例えば非毒性の生理的に受容可能な)塩が好適であるが、他の塩も(例えば、準備中に使用され得る分離又は精製ステップにおいて)有用である。例えば、塩が沈殿するような溶媒又は水性溶媒において、化合物を酸又は塩基の等しい量のようなある量と反応させ、続いて凍結乾燥させることによって、化学式(化1)又は化学式(化2)のいずれかの化合物の塩が形成され得る。
塩基性部分を含む開示される化合物は、種々の有機及び無機酸を備えた塩を形成し得る。典型的な酸付加塩は、(酢酸又はトリハロ酢酸、例えばトリフルオロ酢酸により形成されるもののような)アセテート、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸エステル塩、ベンゼンスルホナート、重硫酸塩、ホウ酸塩、ブチラート、クエン酸塩、樟脳、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸エステル塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、(塩酸により形成される)塩酸塩、(臭化水素により形成される)臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、(マレイン酸により形成される)マレイン酸エステル塩、(メタンスルホン酸により形成される)メタンスルホン酸塩、2‐ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3‐フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸エステル塩、(硫酸により形成されるもののような)硫酸塩、(本明細書に記載されたもののような)スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシレートのようなトルエンスルホナート及びウンデカノアート等を含む。
酸部分を含む開示される化合物は、種々の有機及び無機塩基を備えた塩を形成し得る。典型的な塩基性塩は、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウム及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、ベンザチンのような有機塩基を備えた塩(例えば有機アミン)、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(hydrabamine)、N,N‐ビス(デヒドロアビエチン酸)エチレンジアミン、N‐メチル‐D‐グルカミン、N‐メチル‐D‐グルカミド、t‐ブチルアミン、アルギニンのようなアミノ酸を備えた塩及びリジン等を含む。
塩基性の窒素を含む基は、より低いハロゲン化アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル及びブチル塩化物、臭化物及びヨウ化物)、硫酸ジアルキル(例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル及び硫酸ジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えばデシル、ラウリル基、ミリスチル及びステアリル塩化物、臭化物及びヨウ化物)、ハロゲン化アラルキル(例えば臭化ベンジル及び臭化フェネチル)及び他のもののような物質により四級化され得る。
開示の化合物の溶媒和物もまた、本明細書において検討される。化合物の溶解和物は、好適には水和物である。
開示される化合物及びその塩が互変異性型において存在し得る範囲において、すべてのそのような互変異性型は、本発明の一部として本明細書において検討される。
(不斉炭素の不存在の場合にすら存在し得る)鏡像異性型及びジアステレオマー型を含む種々の置換基上で不斉炭素が原因で存在し得るもののような開示の化合物の全ての立体異性体は、本発明の範囲内にて検討される。開示の化合物の個々の立体異性体は、例えば実質的に他の異性体がなく、あるいは例えばラセミ化合物として混合され、あるいは他の全ての立体異性体又は他の選ばれた立体異性体と混合され得る。本発明の化合物の不斉中心は、IUPAC1974勧告により定義されたようなS又はR構成を有し得る。
「含む」、「そのような」及び「例えば」等の語は、例示的な実施例を指し、本発明の範囲を制限しないことが意図される。
本発明は、血管石灰化及び血管石灰化に関連した状態を有する個人を治療するために使用され得る組成及び薬剤を提供する。加えて、本発明は血管石灰化及び血管石灰化に関連した状態にかかりやすい個人を治療する組成及び方法を提供する。前記組成は、少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を含む。
ピロリン酸塩類化合物は、以下に図示された化学式(化1)の構造を含み得るが、これに限られない。
具体的には、ピロリン酸塩類化合物は、酸素陰イオン(O)とイオン結合され、又はこれと自由な関係にある任意の数の陽イオンX又は置換基を含み得る。陽イオンXの例は、Li,Na,K,Ca,Mg,Cr,Mn,Fe及び/又はZnを含むがこれらに限られない。各陽イオンXは、他の陽イオンXと同一であるか異なり得る。例えば、ピロリン酸塩類化合物は、テトラアルカリ金属ピロリン酸塩、ジアルカリ金属二塩基酸ピロリン酸塩、トリアルカリ金属一酸ピロリン酸塩又はその混合物であり得る。具体的には、ピロリン酸塩類化合物は、例えば、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二カルシウム、リン酸、酸性ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素ナトリウム又はその混合物であり得る。
ピロリン酸塩類化合物は、さらに以下の化学式(化2)の構造を含み得る。
ここで、例示的なピロリン酸塩類化合物の官能基は、Rとして示される。各官能基Rは、水素、アルキル基、アリル基、ハロ基(F,Cl,Br及びI)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシル基、カルボキシル基、カルボアミド基、スルホンアミド基、アミノアシル基、アミド基、アミン基、ニトロ基、有機セレン化合物、炭化水素、環状炭化水素、水素、窒素、酸素、硫黄、NR及びCRを個々に含み得るが、これらに限られない。各官能基Rは、他の官能基Rと同一であるか異なり得る。
ピロリン酸塩類化合物は、そのような形態が存在する場合には、個人における血管石灰化及び血管石灰化に関連した状態を治療するための機能及び/又は予防的に機能するピロリン酸塩誘導体を含み得るが、これに限られない。加えて、ピロリン酸塩類化合物は、そのような形態が存在する場合には、上述され又は上記にて参照された、薬剤として許容可能なピロリン酸塩類化合物の塩、エステル及びプロドラッグを含み得る。
本発明に含まれるものは、上述の少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を含む透析液である。一つの例示的な透析液は、少なくとも約1μMのピロリン酸塩濃度を含む。具体的には、ピロリン酸塩濃度は、約1μM乃至約10μM、又は約3μM乃至約5μMになり得る。
本発明に含まれるものは、上述の少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を含む透析液濃縮物である。一つの例示的な透析液濃縮物は、約50μM乃至約1mMのピロリン酸塩濃度を含む。
本発明に含まれるものは、治療を必要としている個人に血管石灰化治療を提供する方法である。そのような一つの例示的な方法は、治療に有効な量のピロリン酸塩類化合物を個人へ投与することを含む。上述の又は他の治療において使用される時、治療に有効な一以上のエフェクター薬剤が、純粋な形態において、又はそのような形態が存在する場合には、薬剤として許容可能な塩、エステル及びプロドラッグ形態により使用され得る。加えて、治療に有効な量は、一定又は個人の患者の必要により変化し得る投薬単位形態により投与され得る。好適には、治療に有効な量のピロリン酸塩類化合物は、薬剤として許容可能な担体又は媒質において投与される。追加の賦形剤が、ピロリン酸塩類化合物と共に投与され得る。
一つの実施形態において、ピロリン酸塩類化合物は、透析液又は透析中において個人に投与される。ピロリン酸塩類化合物は、少なくとも約1μMのピロリン酸塩類化合物の濃度で、透析液により個人に投与され得る。ピロリン酸塩濃度は、約1μM乃至約10μM、又は約3μM乃至約5μMになり得る。
本発明に含まれるものは、血液透析システムである。一つの例示的な血液透析システムは、図9に示される。図9に示される血液透析システム10は血液区画12と透析液区画14を含み、血液区画12と透析液区画14は薄膜16によって分離されている。薄膜16は、血液区画12と透析液区画14の間の半透性の流体の通信路を作り出す。本明細書において記述される透析液は透析液区画14に配置され、そこから血液区画12の中へ拡散し得る。血液区画12は個人に再循環され、これにより個人にピロリン酸塩類化合物を投与する。図9に示される血液透析システム10は、単に開示された組成及び方法の原理を示すことが意図された、極めて単純化されたブロック図版であることが留意されるべきである。
(血液透析患者におけるピロリン酸塩レベル)ピロリン酸塩(PPi)は、ヒドロキシアパタイト形成の抑制剤で知られ、ビタミンD中毒ラットにおける医学上の血管石灰化を抑制することが示された。PPiの体内生産は、CaとPOの高濃度で培養されるラットの大動脈の石灰化を防止することが証明された。PPi代謝が血液透析患者において変更されたか否かを決定するために、安定した血液透析患者において血漿レベル及びPPiの透析的除去が測定された。透析前の血漿試料は、外来患者15人の透析装置からと、入院患者23人から得られた。入院患者は臨床的に安定しており、移植評価又は透析アクセス問題のために認められた。血漿[PPi]は、正常な被験者36人での3.26+/−0.17と比べると、2.26+/−0.19μMであった(p<0.01)。ほぼ30%はタンパク結合で、これは透析患者において変更されなかった。年齢との弱い逆相関だけがあり、レベルは透析間隔期間2、3日の間において変化しなかった。血漿[PPi]は、17人の患者において標準の血液透析後、32+/−5%に減少した。生体外の2.1m酢酸セルロース透析装置によるPPiの除去は36%で、5人の患者における平均PPi除去は43±5μモルであり、同様の生体内の除去と一致する。除去されたPPiは、血漿プールより大きいが、推定の細胞外流体プールより小さい。赤血球PPiの含有量は24+/−4%減少し、なお細胞内PPiが除去されることが示される。結果として、血漿[PPi]は、血液透析患者において減少し、PPiは透析によって除去されることが結論付けられる。数人の患者における血漿レベルは、我々が以前に培養中の容器の石灰化を防ぐことを示したレベルより下であり、これは変更されたPPi代謝が血液透析患者において血管石灰化へ貢献し得ることを示唆する。
ラット大動脈は、非常に高いカルシウムとリン酸濃度において培養されるとき石灰化に失敗する。これは容器によって生成されるピロリン酸塩の抑制効果が原因である。この抑制は、人間の血漿において正常に存在しているPPi濃度で起こった。PPiは、軟骨における石灰化及び腎臓におけるシュウ酸カルシウム結晶化の抑制剤としてよく定着し、ビタミンD中毒ラットにおいて血管石灰化を抑制する。それは生体外でのヒドロキシアパタイト生成の直接及び強力な抑止剤で、血漿における小さい濃度(2〜4M)でさえ、カルシウム及びリン酸塩の飽和溶液からの結晶化を完全に防ぐ効果がある。低い濃度のPPiを備えた人間は、PPi生産酵素の不足が原因で重症の致命的な動脈の石灰化に進行し、前記石灰化はPPiの非加水分解性類似物であるビスホスフォネート(ジホスホン酸塩としても知られる)による治療によって防ぎ得る。これらの発見は、血管石灰化がピロリン酸塩の正常な濃度の存在下で起こり得ないことを示唆し、しかもESRDにおける中膜血管石灰化は、変更されたピロリン酸塩代謝と関連付けられるはずである。
正常な被験者及び血液透析患者(透析前)における血漿[PPi]の比較は、以下の表1において示される。平均濃度は、血液透析患者において31%低かった。なぜなら透析患者は、正常者において表されない年配の小集団が原因で著しく年上であったから、データは60歳より若い年齢についてさらに分析された。血漿[PPi]は、類似した年齢(正常者における47歳対41歳、p=NS)にかかわらず、血液透析患者においてまだ低かった。
図1に示されるように、減少した平均血漿[PPi]は、非常に低いレベルを有する一部の患者が原因であった。正常な個人及び血液透析患者において最も高いレベルが類似していたのに対して、15人の患者は正常な被験者における最低レベルより下のレベルを有した。血液透析患者における血漿[PPi]上の他のパラメータの効果は、以下の表2において示される。
いくつかの研究は、透析によるPPi除去の範囲を決定するために行われた。生体外のPPi除去は、2.1mセルロースアセテート膜を使用する800ml/分の流れにおいて、(PPiの沈殿を防ぐための)カルシウムなしに標準臨床透析に対して400ml/分の流れにおいて、生理食塩水によるPPiの4L溶液を透析することによって決定された。図2に示されるように、PPiの消失は、単一の指数関数に適合し、36%の透析除去が判明した。17人の患者において、透析前データにおいて含まれた数人の血漿PPi濃度は透析の前後に測定された(図3)。一人の患者を除き、全員において平均32±2.7%だけレベルは減少したが、その範囲は大きかった(増加があった一人の患者を除いて4%から59%)。透析は13人の患者のうち12人において赤血球PPi含有量を減少させ、他の患者においてはレベルは変わらなかった(図4)。平均減少は、24±7%であった。
透析液は、除去されたPPiの合計量を測定するために、4人の異なる患者における4つの治療中に収集された。これらの治療において除去された全体量は、42、42、32及び57(μモル)であった。平均値は43±5μモルであった。腎臓が正常にPPiを除去するという事実にも関わらず、血漿中濃度は血液透析患者において減少した。さらに、減少した血漿[PPi]を混合することは透析による除去であり、さらなる32%の減少に結実している。このように、透析の終わりに、レベルは正常レベルのおよそ半分になった。
血液透析患者において減少したピロリン酸塩レベルと、透析中のさらなる減少は、PPiがヒドロキシアパタイト結晶化の強力な抑制剤であるため、重要な意味を有する。正常な血漿[PPi]における濃度は、カルシウムやリン酸塩の過飽和溶液からの結晶化を防ぐ。我々は、以前にこの濃度が培養下のラットの大動脈の石灰化をも防ぐことを示した(Lomashvili KA、Cobbs S、Hennigar RA、Hardcastle KJ、O’Neill WC著「Phosphate-induced vascular calcification: role of pyrophosphate and osteopontin」J Am Soc Nephrol 15(2004年)、1392〜1401ページ参照)。このように、血液透析患者における減少した濃度は、発生するためにヒドロキシアパタイト生成を促進し得る。ビタミンD中毒ラットへのPPiの投与は、血管石灰化を抑制し(Schibler D、Russell GG、Fleisch H著「Inhibition by pyrophosphate and polyphosphate of aortic calcification induced by vitamin D3 in rats」Clin Sci 35(1968年)、363〜372ページ参照)、PPi又はビスホスフォネート類似物が治療法になり得ることを示唆する。
(血管石灰化の抑制剤としてのピロリン酸塩)ピロリン酸塩は、さらにラットの大動脈輪を研究することによって、可能な石灰化の抑制剤として調査されていた。DMEM媒質(Mediatech、アメリカ合衆国バージニア州ハーンドン)には存在しないが、大動脈輪の培養の三日後、その濃度は0.44+/−0.03μM(媒質の500μL中の一つの大動脈輪)であり、それは大動脈によって生成されたことを示す。これらの測定は、カルシウムリン酸塩沈殿におけるピロリン酸塩の金属イオン封鎖を防ぐために、正常なDMEMにおいて作られた。(図示されない[32P]ピロリン酸塩の消失から判断されるような)無機ピロホスファターゼを加えることによるピロリン酸塩の除去は、正常な大動脈の石灰化を誘発した(図5)。焦点の中膜石灰化は、ヘマトキシリン及びエオシン染色により明白であり(図6)、フォンコッサ染色はいくつかのエラスチン繊維の石灰化を明らかにした(図7)。
ピロリン酸塩の追加は傷ついた大動脈における石灰化を妨げ(図8)、ピロリン酸塩が中膜石灰化を抑制することを確かにする。2.5μMによる抑制はなかったが、10μMピロリン酸塩によるほぼ完全な抑制があった。培養大動脈(図示しない)における[32P]ピロリン酸塩の加水分解反応速度に基づいて、5、10、30μMピロリン酸塩を追加して三日後測定された濃度は、それぞれ18μM、3.1μM、7.9μMであった。このように、ピロリン酸塩による石灰化の抑制は、実際には図8に示されたものより有力である。培養基におけるピロリン酸塩の出現率は、傷ついた大動脈において実質的に減少し(36+4μmol/mg/d、n=12、対正常な大動脈において145+8μmol/mg/d、n−22)、アルカリ性ホスファターゼ活性が傷ついた大動脈(1.16+0.17ユニット/mg、n=15、対無傷の大動脈において0.43+0.04ユニット/mg、n=12)において大きく増加した。
この研究は、中膜石灰化はアルカリ性ホスファターゼ又は無機ピロホスファターゼと共に培養された無傷のラット大動脈において誘発され得ることを証明した。石灰化は、ヒドロキシアパタイトの形成において、高いPO4−3濃度を必要とし、組織学的に尿毒症患者及び慢性腎不全を伴うラットからの血管において観察された石灰化と類似する。ラット大動脈輪は、培養下で21日までもこれらの酵素なしに培養され、高いPO4−3媒質において石灰化のないことが示される損傷を受けない。正常な状態下における小さい45Caの初期結合は、推定上、細胞内のCaとCaを備えた均衡が、時間と共に増加しなかったことから、正常に細胞外マトリクスに結合することを表す。高いPO4−3媒体において、Ca2+とPO4−3の両方の濃度はヒト血清と比較して上昇し、遊離濃度に基づいて、180mg/dlのヒト血清における全体のカルシウム‐リン生成物に等しくなる。このヒト血清は、一般に許容された臨床閾値を軽く超えている。そのように高められたカルシウム‐リン生成物は、体外の中膜石灰化を生み出すために十分ではない。血管石灰化は、生体内における長期にわたる過程であり、我々はより長い培養時間が生体外における正常な血管の石灰化を観察するために必要とされる可能性を除外し得ない。しかしながら、3週間を超える45Caの堆積における任意の増加の不存在は、前記に反論する。
石灰化の不存在は、正常な大動脈における抑制活性が原因であり、この抑制は平滑筋からのピロリン酸塩の放出によって説明され得る。アルカリ性ホスファターゼ及び無機ピロホスファターゼは正常な大動脈の石灰化を促し、ピロリン酸塩は傷ついた大動脈の石灰化を抑制した。ピロリン酸塩は生体外のヒドロキシアパタイト生成を抑制し、ビタミンDの大量投与をされたラットにおいて、外来のピロリン酸塩は大動脈の石灰化を抑制する。ピロリン酸塩の類似物であるビスホスフォネートは、同様の特性を示す。培養されたラット大動脈において証明された内因性のピロリン酸塩による抑制は、傷ついた大動脈において石灰化が最大限に抑制された濃度(約3μM)が正常な人間の血漿に関して報告された濃度に近似するため、生体内においても起こり得る。さらにその上、ピロリン酸塩を生み出す外部ATPアーゼであるPC−1の欠乏は、血漿ピロリン酸塩レベル及び人間における広範囲の動脈の石灰化を減少させる結果となる。前記結果は、ビスホスフォネート治療により防止され得る。推定上のピロリン酸塩トランスポータであるANKが不足しているマウスは、血管においてではないが、減少したピロリン酸塩生成及び広範囲な異所性石灰化を示した。
(血液透析治療における透析液へのピロリン酸塩の追加)小さく、正常な血液における透析可能な分子の存在であるピロリン酸塩は、生体外における血管石灰化の強力な抑制剤である。ピロリン酸塩が人間を含む生体内において血管石灰化を抑制することについて、強力であるが間接的な証拠が存在する。我々の生体外における研究は、この抑制が人間の血漿において通常存在する濃度(3‐5μM)において起こることを示す。我々の最近の研究は、血漿ピロリン酸塩レベルが血液透析患者において減少し、さらに血液透析中にすら減少することを示した。透析液へのピロリン酸塩の追加は、透析を受けている患者の血液におけるピロリン酸塩の純損失を防ぐはずであり、血液透析患者における血管石灰化を減少させ又は防ぎ得る。
従って、本発明は、約50μMより大きく約1mMより小さい濃度において、ピロリン酸塩を有する透析液濃縮物の組成を含む。標準の45X透析システムにおいて、重炭酸塩濃縮物は、最終の透析液を産出するための水及び酸濃縮液により約25Xに薄められる。さらに含まれるものは、少なくとも約1μMのピロリン酸塩濃度を含む透析液の最終組成である。ピロリン酸塩の透析濃度は、約1μM乃至約10μM、又は約3μM乃至約5μMになり得て、最終組成は血液透析患者がさらされる透析組成である。
さらに含まれるものは、患者への透析液の投与を有する血管石灰化を減少させ又は防ぐための方法であり、最終の透析液は少なくとも約1μMのピロリン酸塩濃度を含む。ピロリン酸塩濃度は、約1μM乃至約10μM、又は約3μM乃至5μMになり得て、最終組成は血液透析患者がさらされる透析組成である。
異なる透析システムは、異なる方法により動作する。本発明は、最終の透析液が少なくとも約1μMのピロリン酸塩濃度を含む、方法及び組成を対象とすることを意図する。ピロリン酸塩濃度は、約1μM乃至約10μM、又は約3μM乃至約5μMになり得る。最終のピロリン酸塩濃度は、多くの異なる方法により、異なる透析システムにおいて到達し得る。例えば、(1)ピロリン酸塩を含む塩基性濃縮物の希釈による。通常は、塩基性透析濃縮物は約25倍に薄められるが、典型的にはその範囲は20倍から30倍である。従って、塩基性濃縮物におけるピロリン酸塩濃度は、典型的には約60μM乃至約150μMの範囲であろう。(2)ピロリン酸塩を含む粉末の濃縮物の希釈による。酸溶液又は塩基溶液のいずれか又は両方は、ピロリン酸塩を含む固体(例えば粉末、粒状及び結晶)組成の可溶化及び希釈によって得られうる。(3)ピロリン酸塩を含む酸溶液濃縮物の希釈による。典型的には、酸溶液濃縮物は、30倍と45倍の間の係数によって希釈される。従って、酸濃縮物におけるピロリン酸塩の濃度は、典型的には約90μM乃至約225μMの範囲であろう。
さらに、本発明によって対象とするものは、患者への透析液投与を含む血管石灰化を減少させ又は防ぐための方法であり、透析液は少なくとも約1μMのピロリン酸塩濃度を含む。ピロリン酸塩濃度は約1μM乃至約10μM、又は約3μM乃至約5μMになり得て、重炭酸塩濃度は約10mM乃至約100mMになり得る。ここで、最終の組成は血液透析患者がさらされる透析液の組成である。
本発明は、透析液の中へのピロリン酸ナトリウムの混和を意図する。ピロリン酸ナトリウムは、他のピロリン酸塩とも組み合わされ得る。例えば、ピロリン酸ナトリウムは、ピロリン酸第二鉄と組み合わされ得る。ピロリン酸第二鉄は、溶解性鉄を身体に提供する追加の利益を有し得る。この開示された組成及び方法は、血液透析患者におけるピロリン酸塩の減少を防ぐことによって、先行技術を超えた重要な利点を提供する。そしてその結果、血管石灰化を防ぎ、減少させ又は場合によっては反転させる。
ピロリン酸ナトリウム(125μM)及び重炭酸ナトリウム(967mM)を含むピロリン酸塩‐重炭酸塩透析液濃縮物が用意された。透析液は、適度な量の水による二つの濃縮された溶液(酸溶液濃縮物及び塩基性溶液濃縮物)の混合により、血液透析中に正常に構成される。ピロリン酸塩は、重炭酸塩溶液において125μMの濃度において安定し、可溶であることが発見された。ピロリン酸塩は、重炭酸塩濃縮物が希釈化された後に可溶であり続け、最終の透析液を産出するために酸透析液と組み合わされた。
ピロリン酸ナトリウム(125μM)及び重炭酸ナトリウム(967mM)を含むピロリン酸塩‐重炭酸塩透析液濃縮物が用意された。ピロリン酸塩は、重炭酸塩溶液において125μMの濃度で安定し、可溶であることが発見された。ピロリン酸塩は、重炭酸塩濃縮物が希釈化された後に可溶であり続け、最終の透析液を産出するために酸透析液と組み合わされた。
結果としての最終透析液は、腎臓病を持つ人間において血液透析を行うために使用される。患者は、ピロリン酸塩が不足している従来の血液透析溶液により治療された場合に患者が経験したであろうことと比較して、減少したカルシウム沈殿を経験する。
ピロリン酸ナトリウム(100μM)及び重炭酸ナトリウム(967mM)を含むピロリン酸塩‐重炭酸塩透析液濃縮物が用意される。塩基性透析液は水で希釈され、その後最終の透析液を産出するために酸透析液と混合される。結果としての最終の透析液は、腎臓病を持つ人間において血液透析を行うために使用される。
ピロリン酸ナトリウム(75μM)及び重炭酸ナトリウム(967mM)を含むピロリン酸塩‐重炭酸塩透析液濃縮物が用意される。塩基性透析液は水で25倍に希釈され、その後最終の透析液を産出するために酸透析液と混合される。結果としての最終透析液は、腎臓病を持つ人間において血液透析を行うために使用される。
ピロリン酸ナトリウム(90μM)、ピロリン酸第二鉄(10μM)及び重炭酸ナトリウム(967mM)を含むピロリン酸塩‐重炭酸塩透析液濃縮物が用意される。塩基性透析液は水で25倍に希釈され、その後最終の透析液を産出するために酸透析液と混合される。結果としての最終の透析液は、腎臓病を持つ人間において血液透析を行うために使用される。
酸透析液濃縮物は、ピロリン酸ナトリウム(136μM)に加えて、標準成分を使用することにより用意される。酸透析液濃縮物は、水で34倍に希釈され、その後最終の透析液を産出するために塩基性透析液と混合される。結果としての最終の透析液は、腎臓病を持つ人間において血液透析を行うために使用される。
本開示の上述の実施形態は、単なる可能な実施の例であり、単に本発明の原理の明確な理解のために述べられていることが強調されるべきである。多くの変形及び変更は、本発明の精神及び原理から実質的に離れることなしに、本開示の上述の実施形態についてなされ得る。そのような全ての変形及び変更は、本開示の範囲内において本明細書に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
本発明の多くの局面は、以下の図面を参照してより良く理解され得る。図面中の構成要素は必ずしも縮尺を示すものではなく、代わりに本発明の原理を明確に示すことに強調が置かれている。
通常の被験者(n=36)と透析前の血液透析患者(n=38)における血漿ピロリン酸塩濃度を示す例示的な図である。横棒は平均値を示す。 試験管内のピロリン酸塩の透析の結果を示す例示的なグラフである。カルシウムのない食塩液の中のピロリン酸塩の4Lの溶液は、カルシウムなしの標準の臨床溶液に対して400ml/mmにて2.1mの酢酸セルロース透析器を通じて循環された。ピロリン酸塩の濃度は、表示された時刻において測定された。線は、単一の指数関数が適合することを示す。 血液透析後の血漿ピロリン酸塩濃度の変化を示す例示的なグラフである。血漿サンプルは、予備透析管から透析の直前及び直後に取り出された。左右への線は、それぞれ透析前後の平均値を示す。 血液透析後の赤血球ピロリン酸塩含有量の変化を示す例示的なグラフである。血漿サンプルは、予備透析管から透析の直前及び直後に取り出され、洗浄された赤血球はHClOにより抽出された。左右への線は、それぞれ透析前後の平均値を示す。 ピロリン酸塩による血管石灰化の抑制を示す例示的な棒グラフである。具体的には、図5は、12〜20ユニット/mlの無機ピロホスファターゼ有り又は無しの3.8mMのPO −3を含むDMEMにおいて9日間培養された大動脈内へのカルシウムの取り込みを証明する。示される結果は、少なくとも10の大動脈環の平均値であり、p<0.001対実験対照である。 無機ピロホスファターゼと共に9日間培養された大動脈の組織像を示すスライドの例示的な顕微鏡写真であり、倍率400Xにてヘマトキシリン及びエオシン着色により管腔表面は左に示される。 無機ピロホスファターゼと共に9日間培養された大動脈の組織像を示すスライドの例示的な顕微鏡写真であり、倍率400Xにてフォンコッサ着色により管腔表面は左に示される。 損傷した大動脈におけるピロリン酸塩による石灰化の抑制を示す例示的なグラフである。損傷した大動脈は、3.8mMのPO −3を含むDMEMにおいて、変化するピロリン酸塩の濃度にて6日間培養された。結果は、少なくとも4つの大動脈環の平均値である。 開示された組成を含み、開示された方法を実行するために使用され得る例示的な血液透析システムのブロック図である。

Claims (34)

  1. 有効な量のピロリン酸塩類化合物を個人に投与するステップを含む、治療を必要とする個人に血管石灰化の治療を提供する方法。
  2. 前記ピロリン酸塩類化合物がアルカリ金属ピロリン酸塩である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ピロリン酸塩類化合物が四アルカリ金属ピロリン酸塩、二アルカリ金属二塩基酸ピロリン酸塩、三アルカリ金属一塩基酸ピロリン酸塩及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ピロリン酸塩類化合物がピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸二カルシウム、ピロリン酸、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸二水素ナトリウム及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記血管石灰化が腎臓病又は腎不全に起因する、請求項1に記載の方法。
  6. 透析液により前記個人を治療することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ピロリン酸塩類化合物が透析液により前記個人に投与される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ピロリン酸塩類化合物が透析中に前記個人に投与される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ピロリン酸塩類化合物が以下の構造式を有し、
    Xは水素及び陽イオンの少なくとも一つから選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 各Xが水素、ナトリウム、カリウム及びカルシウムのうちの少なくとも一つであるよう独立して選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ピロリン酸塩類化合物が少なくとも約1μMのピロリン酸塩類化合物の濃度にて透析液により個人に投与される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記ピロリン酸塩類化合物が約1μM乃至約10μMのピロリン酸塩類化合物の濃度にて透析液により個人に投与される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記ピロリン酸塩類化合物が約3μM乃至約5μMの濃度にて透析液により個人に投与される、請求項1に記載の方法。
  14. 有効な量の少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を治療を必要とする個人に投与することを含む、血管石灰化を予防的に治療する方法。
  15. 前記ピロリン酸塩類化合物がアルカリ金属ピロリン酸塩である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ピロリン酸塩類化合物が透析液により前記個人に投与される、請求項14に記載の方法。
  17. 薬剤として許容可能な担体と組み合わされた少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を含む薬剤組成であって、血管石灰化を治療するのに有効な投与量レベルにおいて前記少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物が存在する、薬剤組成。
  18. 前記少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物がアルカリ金属ピロリン酸塩である、請求項17に記載の薬剤組成。
  19. 前記少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物がピロリン酸塩類化合物の薬剤として許容可能な塩である、請求項17に記載の薬剤組成。
  20. 前記少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物がピロリン酸塩類化合物の薬剤として許容可能なプロドラッグである、請求項17に記載の薬剤組成。
  21. 前記薬剤として許容可能な担体が透析液である、請求項17に記載の薬剤組成。
  22. 血液透析システム内の薄膜を横切って少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を含む透析液を拡散するステップと、
    個人を有効な量の前記ピロリン酸塩類化合物にさらすステップ
    を含む、血液透析を必要とする個人の血液透析をする方法。
  23. 前記ピロリン酸塩類化合物がアルカリ金属ピロリン酸塩である、請求項22に記載の方法。
  24. 個人を有効な量の前記ピロリン酸塩類化合物にさらすことにより個人の血管石灰化を治療することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
  25. 少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物を含む、透析液濃縮物。
  26. 前記少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物が以下の構造の式を有し、
    Xは水素及び陽イオンの少なくとも一つから選択される、請求項25に記載の透析液濃縮物。
  27. 各Xが水素、ナトリウム、カリウム及びカルシウムのうちの少なくとも一つであるよう独立して選択される、請求項26に記載の透析液濃縮物。
  28. 前記ピロリン酸塩類化合物が約50μM乃至約1mMの濃度にて透析液濃縮物中に存在する、請求項25に記載の透析液濃縮物。
  29. 前記少なくとも一つのピロリン酸塩類化合物が以下の構造の式を有し、
    Rは水素、アルキル基、アリール基、ハロ基(F、Cl、Br及びI)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アシル基、カルボキシル基、カルボアミド基、スルホンアミド基、アミノアシル基、アミド基、アミン基、硝酸基、有機セレニウム化合物、炭化水素、環状炭化水素、水素、窒素、酸素、硫黄、NR及びCRのうち少なくとも一つの官能基となるように独立して選択される、請求項25に記載の透析液濃縮物。
  30. 血液区画と、
    前記血液区画との流体の伝達を行う薄膜と、
    ピロリン酸塩類化合物を含む透析液を含む透析液区画
    を備えた、血液透析システム。
  31. 前記ピロリン酸塩類化合物がアルカリ金属ピロリン酸塩である、請求項30に記載の血液透析システム。
  32. 前記ピロリン酸塩類化合物が以下の構造の式を有し、
    Xは水素及び陽イオンの少なくとも一つから選択される、請求項30に記載の血液透析システム。
  33. 各Xが水素、ナトリウム、カリウム及びカルシウムのうちの少なくとも一つであるよう独立して選択される、請求項32に記載の血液透析システム。
  34. 前記ピロリン酸塩類化合物が少なくとも約1μMの濃度にて透析液により個人に投与される、請求項30に記載の血液透析システム。
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