JPH07126167A - 腎疾患治療剤および人工腎臓用透析液 - Google Patents

腎疾患治療剤および人工腎臓用透析液

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JPH07126167A
JPH07126167A JP18428394A JP18428394A JPH07126167A JP H07126167 A JPH07126167 A JP H07126167A JP 18428394 A JP18428394 A JP 18428394A JP 18428394 A JP18428394 A JP 18428394A JP H07126167 A JPH07126167 A JP H07126167A
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JP
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renal
therapeutic agent
renal disease
artificial kidney
compound
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JP18428394A
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Kazumi Ogata
一美 緒方
Yukihiro Sakagami
享宏 阪上
Noriko Saito
則子 斎藤
Sachiko Matsuura
祥子 松浦
Toshie Nagao
利江 長尾
Shinya Ogino
真也 荻野
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】次の式 【化1】 [式中、R1 およびR2 は、同一または異なって水素原
子またはメチル基を示す。]で表されるリン酸ジエステ
ル化合物またはその薬理学的に許容できる塩を含有して
なる腎疾患治療剤および人工腎臓用透析液。 【効果】本発明の製剤は、生体内のフリーラジカルの発
生を抑制するので、糸球体腎炎、急性腎不全、尿毒症、
アドリアマイシン腎症、ピューロマインシ腎症、ゲンタ
マイシンやシスプラチンなどの薬剤による腎障害、パラ
コートなどの農薬による腎障害および免疫複合体腎炎等
の各種腎疾患の防止・治療のため有利に使用することが
できる。さらに、本発明の製剤は、透析性アミロイド症
の防止・治療効果を有する人工腎臓用透析液としても有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有用な腎疾患治療剤お
よび人工腎臓用透析液に関する。さらに詳しくは、本発
明はアスコルビン酸とトコフェロールとのリン酸ジエス
テル化合物またはその薬理学的に許容できる塩を含有し
てなる有用な腎疾患治療剤および人工腎臓用透析液に関
する。
【0002】
【従来の技術】生体内に生成する活性酸素・フリーラジ
カルは、生体に老化や発癌などの種々の病態を生じさせ
ることが知られている。特に腎臓は、その臓器の重要な
生理的機能から、活性酸素・フリーラジカルと密接に関
係している。腎臓には、種々の毒物および薬剤などあら
ゆるものが集まり、排泄や再吸収がなされる。その結
果、それらの物質による直接的なフリーラジカルによっ
て腎障害が生ずる。また、血液中に存在する免疫複合体
などの種々の物質により、好中球やマクロファージが活
性化されて活性酸素種を放出し、糸球体に障害が生ず
る。さらには、これらの血中因子による腎障害以外に、
自己免疫機序による腎炎の発生・増悪因子としてもフリ
ーラジカルが注目されている。現在、腎炎などの腎疾患
の治療薬として、免疫抑制剤、抗血小板作用を有する薬
剤や消炎剤などが用いられているが、それらの薬剤のな
かにも、フリーラジカルの産出抑制効果が見出されてい
る。しかしながら、それら薬剤は、フリーラジカルの産
出抑制効果の点において、未だ充分満足すべきものとは
いえない。
【0003】一方、腎臓の透析療法が長期にわたると、
腎臓透析患者に透析性アミロイド症が発症する。その治
療方法として、最近ではその原因物質であるβ2 −マイ
クログロブリン(β2 −MG)を除去するために、高性
能膜透析が普及してきた。しかしながら、その透析療法
を長期にわたって継続した場合、β2 −MGの改善にも
かかわらず、時として症状の悪化がみられる。そして、
透析性アミロイド症の発症にもフリーラジカルが関与し
ていることが指摘されているが、透析性アミロイド症の
防止・治療に効果的な人工腎臓用透析液は見当たらない
のが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、生
体内のフリーラジカルの発生を抑制・除去することによ
り、各種腎疾患の防止・治療に有用な薬剤および人工腎
臓用透析液がこの分野において強く求められている。
【0005】本発明者らは、アスコルビン酸とトコフェ
ロールとのリン酸ジエステル化合物の薬効を鋭意検討す
るうちに、これら化合物が生体内のフリーラジカルの生
成を効果的に抑制・除去し、腎疾患治療剤および人工腎
臓用透析液として有用であることを見出した。本発明
は、この新知見に基づき完成されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、次
の式
【0007】
【化2】
【0008】[式中、R1 およびR2 は、同一または異
なって水素原子またはメチル基を示す。]で表されるリ
ン酸ジエステル化合物またはその薬理学的に許容できる
塩(以下「本化合物」という。)を含有してなる腎疾患
治療剤、(2)腎疾患が糸球体腎炎、急性腎不全、尿毒
症、アドリアマイシン腎症、ピューロマインシ腎症、ゲ
ンタマイシン、シスプラチンおよびパラコートによる腎
障害および免疫複合体腎炎から選ばれる疾患である上記
(1)記載の腎疾患治療剤、(3)剤型が内服錠または
注射剤である上記(1)記載の腎疾患治療剤、(4)上
記(1)記載のリン酸ジエステル化合物またはその薬理
学的に許容できる塩を含有してなる人工腎臓用透析液、
(5)リン酸ジエステル化合物またはその薬理学的に許
容できる塩の濃度が0.001〜0.05(w/v)%
である上記(4)記載の人工腎臓用透析液、並びに、
(6)浸透圧が270〜300mOsm/kgH2 O、
pHが6〜8である(4)または(5)記載の人工腎臓
用透析液に関する。
【0009】本発明の腎疾患治療剤および人工腎臓用透
析液に用いられる本化合物は、たとえば特公平2−44
478号や特開昭62−205091号公報記載の方法
またはこれらに準じて適宜合成することができる。
【0010】本発明の腎疾患治療剤および人工腎臓用透
析液に用いられる本化合物は、抗白内障剤、更年期障害
予防・治療剤、美肌作用を有する化粧品(特公平2−4
4478号)、抗炎症剤(特公平1−27044号)、
抗潰瘍剤(特開昭63−270626号)さらに虚血性
臓器障害予防・治療剤(特開平2−111722号)な
どの種々の用途が既に知られている。
【0011】本発明の腎疾患治療剤および人工腎臓用透
析液に用いられる本化合物は、遊離のものであっても、
その薬理学的に許容できる塩であっても、本発明の目的
のため適宜に使用することができる。その薬理学的に許
容できる塩としては、たとえばナトリウム塩、カリウム
塩などのアルカリ金属塩やカルシウム塩、マグネシウム
塩などのアルカリ土類金属塩などが例示されるが、これ
ら以外の塩であっても薬理学的に許容できる塩であれば
いずれのものであっても適宜に使用することができる。
【0012】本発明の腎疾患治療剤および人工腎臓用透
析液には、目的と必要に応じて、本化合物のうち1種ま
たは2種以上を適宜組み合せて含有させることもでき
る。
【0013】本発明の腎疾患治療剤および人工腎臓用透
析液に活性成分として用いられる本化合物は、毒性がき
わめて低く安全性に優れているので、本発明の目的のた
め有利に用いることができる[たとえば、L−アスコル
ビン酸、DL−α−トコフェロールリン酸ジエステルカ
リウム(以下EPC−Kと略称する。)のLD50:経口
投与5g/kg(ラット)、静脈注射100mg/kg
(ラット)以上]。
【0014】本発明の腎疾患治療剤は、経口的にあるい
は非経口的に適宜に使用される。製剤の形態としては、
たとえば錠剤、顆粒、散剤、カプセル剤などの固形製剤
または注射剤などの液剤のいずれにも公知の方法により
適宜調製することができる。これら製剤には通常用いら
れる賦形剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、再吸収促進剤、
緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等
張化剤、安定化剤やpH調整剤などの各種添加剤を適宜
使用してもよい。
【0015】本発明の人工腎臓用透析液は、公知の方法
により液剤として適宜調製される。その液剤の浸透圧お
よびpHは、人工腎臓用透析液としての通常の範囲に調
節するのがよい。例えば、液剤の浸透圧としては270
〜300mOsm/kgH2O、好ましくは280〜2
90mOsm/kgH2 O程度に調製するのがよく、ま
た、そのpHは6〜8程度に調節するのがよい。これら
の製剤には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カル
シウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウムなどの塩類、グルコースなどの糖類などの通
常人工腎臓用透析液に配合される成分を、通常用いられ
る量適宜使用してもよい。場合によっては、錠剤、顆
粒、散剤などの固形製剤として、用時に溶解してもよ
い。
【0016】このように調製した本発明の人工腎臓用透
析液は、通常用いられているホローファイバー型(HF
K型)、キール型(平板型)およびコイル型などの人工
腎臓用透析器(ダイアライザー)によって、透析療法に
供される。これらダイアライザーは、セルロース膜系や
ポリメチルメタアクリレート(PMMA)などの半透膜
(透析膜)を境にして、一方に患者の血液が流れる区
画、他方に透析液が流れる区画から成り、各区画はそれ
ぞれ血液回路と透析液回路とにつながっている。所期の
透析療法は、これらダイアライザーを用いて、血液から
除去しようとする物質を透析膜を介して透析液に移動さ
せることによって行われる。
【0017】本化合物を腎疾患治療剤として使用する場
合の用量は、使用する化合物の種類、対象とする腎疾患
の種類、患者の年齢、体重、適応症状およびその剤型な
どによって異なるが、たとえば注射剤の場合成人1日1
回約1〜100mg程度、内服剤の場合は、成人1日数
回、1回量約10〜1000mg程度投与するのがよ
い。
【0018】本化合物を人工腎臓用透析液として使用す
る場合の濃度は、使用する化合物の種類、透析期間、透
析患者の年齢、体重および適応症状などによって異なる
が、通常約0.001〜0.05(w/v)%程度、好
ましくは約0.005〜0.02(w/v)%程度に調
製するのがよい。
【0019】本発明の腎疾患治療剤および人工腎臓用透
析液には、本発明の目的に反しないかぎり、その他の腎
疾患治療剤および/または別種の薬効を奏する成分を含
有させてもよい。
【0020】
【実施例】以下、実施例および製剤実施例を挙げて、本
発明をさらに詳細に説明する。
【0021】[実施例1]ビタミンE欠乏ラットにおけ
る腎障害に対する本化合物の効果 ビタミンE欠乏ラットにおける腎障害に対する、経口投
与による本化合物の効果について試験した。
【0022】試験物質: L−アスコルビン酸、DL−α
−トコフェロールリン酸ジエステルカリウム(略称:E
PC−K)。
【0023】方法:日本クレアより購入した4週齢のW
istar系雄性ラットを10週間ビタミンE欠乏食で
飼育後、本実験に使用した。ラット腎障害は、グルタチ
オン(略称:GSH)合成阻害剤であるDL−ブチオニ
ンスルフォキシミン(略称:BSO)を1mmol/k
g1日1回、3日間腹腔内投与し、作成した。
【0024】最終DL−ブチオニンスルフォキシミン
(BSO)投与5時間後に、ペントバルビタール麻酔下
腹部大動脈より採血し、腎機能を示す指標であるクレア
チニン、尿素窒素(略称:BUN)および過酸化脂質
(略称:LPO)について、それぞれJaffe法、ウ
レアーゼ・インドフェノール法、八木法によって血清中
濃度を測定した。
【0025】試験物質のEPC−Kは、141mg/5
ml/kgを1日1回採血日まで1週間連続経口投与し
た。対照として、蒸留水を用いた。
【0026】結果:その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】 ビタミンE欠乏ラットにおける腎障害に対する本化合物の効果 群 クレアチニン(mg/dl) BUN(mg/dl) LPO(nmol/ml) 蒸留水 5.8±0.2 208.5±17.7 5.4±0.9 EPC−K 2.0±1.3 * 62.5±37.1** 3.8±0.1 各値は平均±標準誤差を示す。例数は各々5例である。
【0028】*;p<0.05,**;p<0.01.
【0029】一般に、ビタミンE欠乏ラットにグルタチ
オン(GSH)合成阻害剤のDL−ブチオニンスルフォ
キシミン(BSO)を投与すると、腎臓が肥大し、腎障
害が起こる。腎障害をきたすと、排泄能に異常があらわ
れ、尿成分の血中停滞により尿素窒素(BUN)やクレ
アチニン量が上昇する。また、ビタミンE欠乏状態にお
いては、生体内過酸化脂質(LPO)の生成が促進され
る。一方、グルタチオン(GSH)は、ビタミンEの生
体内過酸化脂質(LPO)生成抑制効果を強めることが
でき、ビタミンE欠乏状態でGSHを枯渇させると、生
体内LPO生成がさらに促進される。
【0030】表1より明らかなように、本発明の製剤
は、経口投与により、腎機能を示す指標である尿素窒素
(BUN)、クレアチニンおよび過酸化脂質(LPO)
の血清中濃度の上昇を、それぞれ効果的に抑制している
ので、腎疾患治療剤および人工腎臓用透析液として極め
て有用であることが判った。
【0031】また、腎臓の病理学的所見においても、尿
細管上皮細胞の壊死、剥離などの軽減効果が観察され、
腎障害に対し有意な効果があることが判った。
【0032】[実施例2]アドリアマイシン腎炎ラット
に対する本化合物の効果 アドリアマイシン腎炎ラットに対する本化合物の効果に
ついて試験した。
【0033】試験物質: EPC−K
【0034】方法:本試験にはSLCより購入した雄性
SD系ラット(体重約180g)を用いた。ラットにア
ドリアマイシン7.5mg/kgを静脈注射し、腎障害
を惹起した。試験物質のEPC−Kは、1日1回腹腔内
投与し、80日目にラットを屠殺し、生化学的検査値を
測定した。対照として、生理食塩液を用いた。
【0035】結果:その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】 アドリアマイシン腎炎ラットに対する本化合物の効果 群 BUN クレアチン LPO 尿蛋白量 (mg/dl) (mg/dl) (nmol/ml) (mg/day) 対照群(生理食塩液) 23.5±1.7 0.50±0.28 2.5±1.8 696±710 EPC−K(1mg/kg,i.p.) 18.2±1.2 * 0.30±0 1.4±0.8 119± 54 各値は平均±標準誤差を示す。例数は5〜6例である。
【0037】*;p<0.0001.
【0038】表2より明らかなように、本化合物は、ア
ドリアマイシン腎炎ラットにおける各種の生化学的検査
値の上昇を効果的に抑制するので、アドリアマイシン腎
炎に有用であることが判った。
【0039】[実施例3]食塩感受性ラットに対する本
化合物の効果 食塩感受性ラットに対する本化合物の効果について試験
した。
【0040】試験物質: EPC−K
【0041】方法:成和実験動物研究所より購入した雄
性Dahl Sラット(食塩感受性ラット)に8%食塩
水を4週間負荷し、腎障害を惹起した。試験物質のEP
C−Kは、1日1回4週間投与した。対照として、蒸留
水を経口投与した。
【0042】結果:その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】 食塩感受性ラットに対する本化合物の効果 群 BUN(mg/dl) 対照群 ( 5ml/kg,p.o.) 30.0±2.9 EPC−K(141mg/kg,p.o.) 18.5±2.1* EPC−K( 5mg/kg,i.p.) 15.6±2.7* 各値は平均±標準誤差を示す。例数は4〜6例である。
【0044】*;p<0.0001.
【0045】表3より明らかなように、本化合物は、食
塩感受性ラットにおいて、血清中尿素窒素(BUN)濃
度の上昇を有意に抑制することが判った。
【0046】[実施例4]アデニン腎炎ラットに対する
本化合物の効果 アデニン腎炎ラットに対する本化合物の効果について試
験した。
【0047】試験物質: EPC−K
【0048】方法:SLCより購入した雄性Wista
r系ラット7週齢を用いた。ラットに0.5%アデニン
含有食を30日間給餌し、アデニン腎障害を惹起した。
試験物質のEPC−Kは、1日1回腹腔内投与した。対
照として、生理食塩液を用いた。
【0049】結果:その結果を表4に示す。
【0050】
【表4】 アデニン腎炎ラットに対する本化合物の効果 群 BUN(mg/dl) クレアチン(mg/dl) 対照群(生理食塩液) 98.4±34.5 1.95±0.64 EPC−K(5mg/kg,i.p.) 61.5±13.2* 1.14±0.32* (10mg/kg,i.p.) 40.2± 5.2** 0.73±0.15** 正常群 18.9± 1.6 0.39±0.06** 各値は平均±標準誤差を示す。例数は8〜9例である。
【0051】*;p<0.05,**;p<0.01.
【0052】表4より明らかなように、本化合物は、ア
デニン腎炎ラットにおいて、血清中尿素窒素(BUN)
およびクレアチン濃度の上昇を有意に抑制することが判
った。
【0053】[実施例5]透過膜素材の影響で発生する
好中球由来活性酸素に対する化学発光法による薬物の消
去作用検討 透過膜素材の影響で発生する好中球由来活性酸素に対す
る、化学発光法による本化合物の消去作用検討について
試験した。
【0054】材料透過膜 人工腎臓(医療用) 膜材質名 製造元 フィルトライザー ポリメチルメタ 東レ(株) (B2−1.5H) クリレート
【0055】試験物質:EPC−K
【0056】測定器機フォトンカウンター商品名 発売元 Lumat(LB9501) Berthold
【0057】方法: 1.好中球浮遊液の調製 SD系ラット腹腔内に1%カゼイン含有クレブス−リン
ゲルバイオカーボネート緩衝液(Krebs−Ring
er bicarbonate buffer)(Ca
2+−free)を120ml/kg注入し、15〜18
時間放置後腹腔内に氷冷したリン酸緩衝食塩液(Pho
sphate buffered saline)(C
2+、Mg2+−free、以下PBSと略称する。)を
注入し腹部をマッサージした後、開腹し、腹腔液を採取
した。これを4℃、150×g、5分間遠心し、沈渣に
溶血操作を行った後PBSで2回洗浄し、細胞数5×1
6 /mlとなるようにハンクス緩衝食塩液(Hank
s buffered saline)(Ca2+、Mg
2+−free、以下HBSと略称する。)に浮遊した。
【0058】2.膜素材懸濁液の調製(PMMA懸濁
液) フィルトライザーより中空糸状のポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)を取り出し水洗乾燥後、乳鉢で粉砕
(粒径約20〜100μm)し、HBSで100mg/
mlの懸濁液とした。
【0059】3.発光試薬の調製(MCLA溶液) MCLA(2-methyl-6-[p-methoxyphenyl]-3,7-dihydr
oimidazo[1,2-a]pyrazin-3-one)(ウミホタル・ルシフ
ェリン誘導体, Cypridina luciferin analog;東京化成
工業(株)製)にHBSを加えて溶かし5μMとした。
【0060】4.試験物質1μM、3μMおよび10μ
Mが好中球由来活性酸素による化学発光に及ぼす影響 EPC−KをHBSで溶かし、反応の終濃度がそれぞれ
1μM〜10μMとなにように調製した。この液100
μlに好中球浮遊液300μlおよびMCLA溶液10
0μlを加え37℃10分間加温した後、PMMA懸濁
液20μlを加え、発生するMCLA依存性化学発光を
5回ずつ測定した。最大発光時におけるカウント数から
PMMA懸濁液を加えた直後の最低カウント数を引いた
ものを発光カウント数(CPM)とした。そして、HB
S(空試験)と各薬物のカウント数を比較し、抑制率
(%)を下式より求めた。
【0061】
【数1】
【0062】結果:その結果を表5に示す。
【0063】
【表5】 透過膜素材の影響で発生する好中球由来活性酸素に対する本化合物の効果 薬物 濃度 発光カウント数(CPM) 抑制率(%) EPC−K 10μM 14518±3648 65.8 3μM 26800±3057 36.8 1μM 32230±6949 24.0 空試験 − 42392±12789 − 各値は平均±標準偏差を示す。例数は各々5例である。
【0064】表5より明らかなように、本化合物は、透
過膜素材の影響で発生する、好中球由来活性酸素を効果
的に抑制するので、人工腎臓用透析液として有用である
ことが判った。
【0065】[製剤実施例1]内服錠 EPC−K 100mg 乳糖 75mg デンプン 20mg ポリエチレングリコール6000 5mg 以上の成分を常法により混和し、1錠分の錠剤とする。
必要に応じて糖衣を付してもよい。
【0066】[製剤実施例2]注射剤 EPC−K 200mg マンニトール 5.0g 1N−水酸化ナトリウム 適量 蒸留水 全量100ml pH6.5 以上の成分を常法により混和し無菌濾過する。濾液を無
菌的に5mlずつガラスアンプルに充填熔閉し、注射剤
とする。
【0067】[製剤実施例3]人工腎臓用透析液 EPC−K 0.05g 塩化ナトリウム 4.0g 塩化カリウム 0.11g 塩化カルシウム(2水塩) 0.13g 塩化マグネシウム(6水塩) 0.11g クエン酸ナトリウム(3水塩) 1.0g 酢酸ナトリウム 2.0g グルコース 1.4g 0.1N−水酸化ナトリウム 適量 蒸留水 全量100ml pH7.2 以上の成分を用いて、常法により人工腎臓用透析液とす
る。使用時は7倍に希釈する。
【0068】
【発明の効果】本発明の製剤は、糸球体腎炎、急性腎不
全、尿毒症、アドリアマイシン腎症、ピューロマインシ
腎症、ゲンタマイシンやシスプラチンなどの薬剤による
腎障害、パラコートなどの農薬による腎障害および免疫
複合体腎炎等の各種腎疾患の防止・治療のため有利に使
用することができる。さらに、本発明の製剤は、透析性
アミロイド症の防止・治療効果を有する人工腎臓用透析
液としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻野 真也 兵庫県伊丹市千僧2−215−1 クレール 千僧205

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式 【化1】 [式中、R1 およびR2 は、同一または異なって水素原
    子またはメチル基を示す。]で表されるリン酸ジエステ
    ル化合物またはその薬理学的に許容できる塩を含有して
    なる腎疾患治療剤。
  2. 【請求項2】 腎疾患が糸球体腎炎、急性腎不全、尿毒
    症、アドリアマイシン腎症、ピューロマインシ腎症、ゲ
    ンタマイシン、シスプラチンおよびパラコートによる腎
    障害および免疫複合体腎炎から選ばれる疾患である請求
    項1記載の腎疾患治療剤。
  3. 【請求項3】 剤型が内服錠または注射剤である請求項
    1記載の腎疾患治療剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のリン酸ジエステル化合物
    またはその薬理学的に許容できる塩を含有してなる人工
    腎臓用透析液。
  5. 【請求項5】 リン酸ジエステル化合物またはその薬理
    学的に許容できる塩の濃度が0.001〜0.05(w
    /v)%である請求項4記載の人工腎臓用透析液。
  6. 【請求項6】 浸透圧が270〜300mOsm/kg
    2 O、pHが6〜8である請求項4または請求項5記
    載の人工腎臓用透析液。
JP18428394A 1993-09-10 1994-08-05 腎疾患治療剤および人工腎臓用透析液 Pending JPH07126167A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008263802A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Kowa Pharmaceutical Co Ltd 腎不全病態モデル動物

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JP2008263802A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Kowa Pharmaceutical Co Ltd 腎不全病態モデル動物

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