JP2007522846A - 骨ねじ - Google Patents

Abstract

骨ねじは、ねじ山（２）を付けたシャフト（３）、前端（４）および後端（５）を含むものであり、前記シャフト（３）の中央域（Ｌ_４）の外径「ｄ」または前記ねじ山（２）の谷径「ｋ」が、前記前端（４）に向かうに従って、大きめの寸法「ｄ２」および「ｋ２」から小さめの寸法「ｄ１」および「ｋ１」に減少して行き、ここで「ｄ１」および「ｋ１」はゼロではない。前記シャフト（３）は同軸に配置された、半径方向に拡張可能なスリーブ（１０）を備えてあり、スリーブは前記シャフト（３）の小さめ外径「ｄ１」または「ｋ１」を有する部分に位置している。
【選択図】 図１

Description

本発明は、特許請求項１の上位概念による骨ねじ、ならびに請求項１４の上位概念による、１つまたは複数のそのような骨ねじを含む、骨定着のための器具に関する。

このような骨ねじは、骨ねじのみならず骨ねじと協作用するアンカーをも示している特許文献１により周知である。ただしこの周知の器具においては、まず前記アンカーが別個に骨ねじに固定され、そしてその後に前記骨ねじが前記アンカーにねじ込まれる。この周知の器具の目的は、一般の固定技術からすでに周知の前記アンカー／ねじ原理による２つの骨断片の結合である。
ＤＥ−Ａ ３５ ３８ ２３８

この発明において二つの骨断片の結合することが主要な課題ではなく（付随的であるが、この課題は髄内釘によって実現する）、髄打釘の横穿孔に骨ねじを安定して固定することが課題である。周知の横固定ねじはすべて、髄内釘の横穿孔に対し遊びを持つ。この発明はその欠陥を除去するものである。この発明は前記髄内釘の前記横穿孔に遊び無く挿入可能な骨ねじを創造する課題を根拠としている。

この発明はこの与えられた課題を請求項１の特徴を有す骨ねじで解決する。この発明によって達成される長所は、本質的にその単純性（骨ねじに予め組み込まれたスリーブ）にあり、およびそれによって髄内釘に対して遊びを無くすることを可能にすることである。

一つの特別な実施形態において、中央域（Ｌ_４）のシャフトの中心軸の直径が前端の方向に向かって大きめの値「ｋ_２」から小さめの値「ｋ_１」に、ゼロに成ることなく減少していきながら、骨ねじのねじ山は一定の深さを保つ。このようにして半径方向の拡張が谷径の拡大によって起こり、髄内釘の横穿孔内において、一定の食い込み力を確保する。谷径の拡大はねじ外径の拡大と比較して程度が大きく、それがねじの閉塞を移動可能にしている。
一つの特別な実施形態において、前記スリーブが雌ねじを有す。ねじのピッチによって軸方向の移動が生まれ、中心域（Ｌ_４）の円錐状中心断面の特定の幾何形状によりスリーブの半径方向への拡大を引き起こす。回転およびねじ込み運動は髄内釘の横穿孔にねじを挿入するために、いずれにせよ必要になる。
前記スリーブは１本または複数の縦スリットを有することがある。これによってスリーブの半径方向の拡大が、より少ない力およびより低い回転トルクで達成できるという長所が生まれる。スリーブのねじへの事前装着がより容易になる、せん断力が均衡化され、さらにスリーブの残留応力がより少なくなる。縦スリットが１本のみの場合、スリーブの全高に亘って走らせることができる。縦スリットは、またスリーブの高さの一部に亘って走らせることもできる。この形態の場合、スリーブの一方の側が開、または両側が閉にできる。このような部分スリットの場合、複数の縦スリットが有り得て、主として上か下のどちらかが開となる。
その他の実施形態においては、径Ｄ_Ｈのスリーブがその後端に、周りを囲い、より拡大した径Ｄ_Ｆ＞Ｄ_Ｈのフランジを有す。前記フランジはストッパとして、および髄内釘上におけるスリーブの位置決めとして使われるため、骨ねじはその円錐状に拡張する中央部でスリーブにねじ込まなくてはならず、骨ねじはスリーブ自体がストッパに止まっている間、スリーブを半径方向に拡張する。
前記スリーブは、例えば、非吸収性の樹脂、主としてＰＥＥＫ、から成ることが有る。その長所は生体適合性、良好な生産性、容易な組み立て、および、釘が孔に引っ掛かった場合にも、釘を引き出す際にスリーブを押しつぶすことできることにある。
前記スリーブは金属材料から成ることも有る。その長所は高い強度、生体適合性、およびスリーブが髄内釘およびねじと同じ材料から成ることにある。金属スリーブはまた可塑性でもあるので、斜めに挿入されると、わずか降伏することもあり得る。結局、金属スリーブは破片が生じないという長所がある。
前記スリーブは吸収性樹脂から成ることもあり得る。第一の長所は、角度の変わらなくロックした部分が時間と共に衰えることにある。第二の長所は、この種のスリーブが紛失した場合にも、それが時間と共に吸収されるため大きな短所にはならないということにある。
その他の実施形態においては、骨ねじの後端とシャフトの大き目の外径「ｄ_２」を有す部分との間に、外径をｄ_３＞ｄ_２と、より大きくとった「Ｌ_２」域の軸部が配置されている。この配置の長所は、それが骨の前面皮質の掘削孔を塞ぐことにある。それによりスリーブのフランジを大きな力を加えることなく、第一皮質孔の穴に挿入することができる。シャフト部はその場合、外径ｄ_３＞ｄ_２を有す「Ｌ_２」域では雄ねじを備えることができる。外径ｄ_３の雄ねじは、さらにねじの原理で骨にロック効果を与える。
上に記述した骨ねじに使用するべき髄内釘は外径Ｄ_Ｎ、および縦軸に走る横穿孔を有す。その孔径Ｄ_Ｂは、目的に合わせｄ_２より大きく、かつＤ_Ｂ−Ｌ５より大きい。都合の良いことにスリーブの直径Ｄ_Ｈは条件Ｄ_Ｈ ＜１.２Ｄ_Ｂに従う。スリーブの長さＨ_Ｌは、都合の良いことに１.５Ｄ_Ｎ未満で、０.２Ｄ_Ｎを超える。
その他の実施形態においては、髄内釘は貫通する圧入溝および壁厚Ｗ_Ｎを持つ。スリーブの長さＨ_Ｌは、都合の良いことに髄内釘の壁厚Ｗ_Ｎに一致する。

（図面の簡単な説明）
発明と発明の再形成について、以降に多くの実施例を部分的に図解により詳細に説明する。
図１は、スリーブを被せた骨ねじの縦断面である、
図２は、横穿孔付き髄内釘に取り付けられた図１に基づくの骨ねじの縦断面である、
図３は、図１に基づく骨ねじの縦断面である、および
図４は、図１に基づくスリーブの遠近図である。

図１および図３には、シャフト３、前端４、およびねじの頭６を備えた後端５を含む骨ねじ１の実施形態を示す。骨ねじ１は前後に５つ配置されたセグメントを持ち、前記セグメントは以下のように形成されている。
- 後端５から測って長さＬ_１上に、ねじの頭６が占める、
- それに隣接して長さＬ_２上に、一定の外径ｄ_３および一定の谷径ｋ_３を有す雄ねじ９を備えたシャフト部８が閉める、
- それに隣接して長さＬ_３上に、一定の外径ｄ_２＜ｋ_３および一定の谷径ｋ_２を有すねじ山２を備えたシャフト３のセグメントが占める、
- それに隣接して長さＬ_４上に、前端４に対して角度αで減少するシャフト３のセグメントが占め、結果、前記セグメントにおいて、ねじ山の外径ｄ_２は外径ｄ_１に減少する。同様に、前記セグメントにおいて、谷径ｋ_２は谷径ｋ_１に減少し、そして
- 長さＬ_４のセグメントおよび前端４との間に、一定の外径およびまた一定の谷径ｋ_１を備えたねじ山２を有すシャフト３のセグメントが広がる。

前記ねじ山２は、長さＬ_５およびＬ_３のセグメント上で、ねじ山の深さｔ_１およびｔ_２が一致するように造られている。さらに図１において、前端４のスリーブ１０が、そのフランジ１２を備えた終端が、長さＬ４の円錐セグメントに達するまで、シャフト３上にねじ込まれている。円錐によって、スリーブ１０は容易に広げられ、直径Ｄ_Ｂ−Ｌ５＞Ｄ_Ｈ（図４）を有す。スリーブ１０が、さらに後端５に向かってねじ込まれると、スリーブは長さＬ_４の円錐セグメントによって、一定の外径ｄ_３を有す、長さＬ_３のセグメント上で、直径Ｄ_Ｂ−Ｌ３に達するまで拡大される（破線表示）。

図２には、図１に示した骨ねじ１の実施形態を、髄内釘２０の横穿孔２２に挿入されたスリーブ１０と合わせて示す。前記髄内釘２０はその縦軸２１と同軸に貫通した圧入溝２３を備え、外径Ｄ_Ｎと壁厚Ｗ_Ｎを有す。横穿孔２２はスリーブ１０の直径ｄ_Ｂ−Ｌ３の９０％になる孔径Ｄ_Ｂを有する。スリーブ１０は完全に横穿孔２２に挿入されて、フランジ１２により横穿孔２２のストッパ２４の額上で止まる。

図４には、直径Ｄ_Ｈの半径方向に拡張可能なスリーブ１０の実施形態を示す。スリーブ１０の外殻には、柔軟性を得るための貫通した縦スリット１１が設けられている。さらにスリーブ１０の空洞は雌ねじ１３を備える。接触面に好適に軸装着するために、スリーブ１０の一端に外径Ｄ_Ｆ＞Ｄ_Ｈのフランジ１２が装着されている。

スリーブを被せた骨ねじの縦断面である。 横穿孔付き髄内釘に取り付けられた図１に基づく骨ねじの縦断面である。 図１に基づく骨ねじの縦断面である。 図１に基づくスリーブの遠近図である。

符号の説明

１…骨ねじ、２…ねじ山、３…シャフト、４…前端、５…後端、６…ねじの頭、
７…中心軸、８…シャフト部、９…雄ねじ、１０…スリーブ、
１１…縦スリット、１２…フランジ、１３…雌ねじ

Claims (19)

1. ねじ山（２）を付けたシャフト（３）、前端（４）および後端（５）を備え、前記ねじ山（２）の外径「ｄ」または前記シャフト（３）の中央域（Ｌ_４）の前記シャフト（３）の谷径「ｋ」が、前記前端に向かうに従って、大きめの寸法「ｄ２」および「ｋ２」から小さめの寸法「ｄ１」および「ｋ１」に減少して行き、「ｄ１」または「ｋ１」はゼロではなく、
   Ａ）前記シャフト（３）が、同軸に配置されて半径方向に拡張可能なスリーブ（１０）を備え、
   Ｂ）前記スリーブ（１０）が前記シャフト（３）の小さめの外径「ｄ１」を有す部分に配置されていることを特徴とする骨ねじ（１）。
2. 前記ねじ山（２）が一定の深さを有し、中央域（Ｌ_４）の前記シャフト（３）の中心軸（７）の直径が、前端（４）に向かうに従って、ゼロになることなく、大きめの寸法「ｋ_２」から小さめの寸法「ｋ_１」に減少して行くことを特徴とする請求項１に記載の骨ねじ（１）。
3. 前記スリーブ（１０）が雌ねじ（１３）を有すことを特徴とする請求項１または２に記載の骨ねじ（１）。
4. 前記スリーブ（１０）が少なくとも１本の縦スリット（１１）を有すことを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の骨ねじ（１）。
5. 前記縦スリット（１１）が前記スリーブ（１０）の高さの全体に亘って走ることを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の骨ねじ（１）。
6. 縦スリット（１１）がスリーブ（１０）の高さの一部のみに亘って走ることを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の骨ねじ（１）。
7. 複数の縦スリット（１１）が存在し、主として上か下のどちらか一方が開いていることを特徴とする請求項６に記載の骨ねじ（１）。
8. 直径Ｄ_Ｈの前記スリーブ（１０）がその後端に、周りを囲い、より拡大した径Ｄ_Ｆ＞Ｄ_Ｈを持つフランジ（１２）を有すことを特徴とする請求項１から７のいずれかに記載の骨ねじ（１）。
9. 前記スリーブ（１０）が非吸収性の樹脂、主としてＰＥＥＫ、から成ることを特徴とする請求項１から８のいずれかに記載の骨ねじ（１）。
10. 前記スリーブ（１０）が金属材料からなることを特徴とする請求項１から８のいずれかに記載の骨ねじ（１）。
11. 前記スリーブ（１０）が生体適合性の樹脂からなることを特徴とする請求項１から８のいずれかに記載の骨ねじ（１）。
12. その後端（５）と前記シャフト（３）の大き目の外径「ｄ_２」を備えた部分との間に、より拡大した外径ｄ_３＞ｄ_２を有す「Ｌ_２」域にシャフト部（８）が配置されていることを特徴とする請求項１から１１のいずれかに記載の骨ねじ（１）。
13. 外径ｄ_３＞ｄ_２を有す「Ｌ_２」域のシャフト部（８）が雄ねじ（９）を有すことを特徴とする請求項１２に記載の骨ねじ（１）。
14. 請求項１から１３いずれかに記載の１つまたは複数の骨ねじ（１）を含み、１つの髄内釘（２０）を用いた骨定着のための器具であって、
    前記髄内釘（２０）が直径Ｄ_Ｎおよびその縦軸（２１）を直角に通る横穿孔（２２）を有し、その孔径Ｄ_Ｂがｄ_２を超え、およびｄ_Ｂ−Ｌ５を超えることを特徴とする器具。
15. 前記スリーブ（１０）の直径Ｄ_Ｈが条件Ｄ_Ｈ ＜１.２Ｄ_Ｂを満たすことを特徴とする請求項１４に記載の器具（１）。
16. 前記スリーブ（１０）の長さＨ_Ｌが１.５Ｄ_Ｎ未満であることを特徴とする請求項１４または１５に記載の器具（１）。
17. 前記スリーブ（１０）の長さＨ_Ｌが０.２Ｄ_Ｎを超えることを特徴とする請求項１４から１６のいずれかに記載の器具（１）。
18. 前記髄内釘（２０）が貫通する圧入溝２３を持ち、壁厚Ｗ_Ｎを有すことを特徴とする請求項１４から１７のいずれかに記載の器具（１）。
19. 前記スリーブ（１０）の長さＨ_Ｌが前記髄内釘（２０）の壁厚Ｗ_Ｎに一致することを特徴とする請求項１８に記載の器具（１）。
    

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