JP2007522807A - 高分子電解質コーティングされたサイズ排除イオン交換粒子 - Google Patents

高分子電解質コーティングされたサイズ排除イオン交換粒子 Download PDF

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    • B01J47/018Granulation; Incorporation of ion-exchangers in a matrix; Mixing with inert materials

Abstract

本発明は、イオン交換技術を用いてサンプルを濾過および/または精製するための装置および方法に関する。イオン交換材料コアを含む高分子電解質コーティングされた粒子、この粒子を使用するためのデバイス、PCR反応生成物および/またはDNA配列決定反応生成物を分離するために、この粒子を使用するための方法、ならびにこの粒子をコーティングするための組成物が、提供される。上記コアおよびコーティングは、PCR反応生成物またはDNA配列決定反応生成物を分離するように適合されている。

Description

(分野)
本教示は、イオン交換技術を用いてサンプルを濾過および/または精製するための装置および方法に関する。
(背景)
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または配列決定反応から得られた反応生成物の精製は、その後の、下流の処理に関する多くの課題を提示し得る。不純物は、その後の処理工程にアーチファクトを引き起こし得る。アーチファクトを排除するための多くの精製工程は、面倒かつ非効率的であり得る。プライマー、取り込まれていないヌクレオチド、プライマーダイマー、小さなDNAフラグメントを捕獲すること、ならびに一部の場合、PCR生成物を脱塩することが所望され得る。プライマー、色素標識化プライマー、ヌクレオチド、色素標識化ヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、および色素標識化ジデオキシヌクレオチドを捕獲すること、ならびにDNA配列決定反応生成物を脱塩することが所望され得る。従来の精製技術に関するこれらの問題および他の問題に対処する分離に対する必要性が存在する。
(要旨)
種々の実施形態によると、本教示は、イオン交換材料を含むコアおよび高分子電解質材料を含むコーティングを含む粒子を提供する。ここで、上記コアおよびコーティングは、PCR反応生成物を分離するように適合されている。種々の実施形態によると、本教示は、PCR反応生成物を精製するための方法を提供する。この方法は、複数の粒子を提供する工程(ここで、各粒子は、イオン交換のためのコアおよび高分子電解質のコーティングを含む)、ならびにPCR反応生成物を接触させて、dsDNAフラグメントを分離する工程を包含する。
種々の実施形態によると、本教示は、イオン交換材料を含むコアおよび高分子電解質材料を含むコーティングを含む粒子を提供する。ここで、上記コアおよびコーティングは、DNA配列決定反応生成物を分離するように適合されている。種々の実施形態によると、本教示は、DNA配列決定反応生成物を精製するための方法を提供する。この方法は、複数の粒子を提供する工程(ここで、各粒子は、イオン交換のためのコアおよび高分子電解質のコーティングを含む)、ならびにDNA配列決定反応生成物を接触させて、色素標識化ssDNAフラグメントを分離する工程を包含する。
種々の実施形態によると、本教示は、粒子を形成するための方法を提供する。この方法は、PCR反応生成物およびDNA配列決定反応生成物のうちの少なくとも1つを分離するように適合されたコア材料および高分子電解質材料を選択する工程、イオン交換材料を含むコアを提供する工程、ならびに高分子電解質材料でこのコアをコーティングする工程、を包含する。種々の実施形態によると、本教示は、高分子電解質材料を含む組成物を提供する。ここで、この高分子電解質材料は、イオン交換材料をコーティングすることのため、およびPCR反応生成物またはDNA配列決定反応生成物のうちの少なくとも1つの分離を提供することのために適合されている。種々の実施形態によると、本教示は、生物学的分離のためのシステムを提供する。このシステムは、高分子電解質材料を備える。ここで、この高分子電解質材料は、イオン交換材料をコーティングすること、およびPCR反応生成物またはDNA配列決定反応生成物のうちの少なくとも1つの分離のためのふるいを提供することのために適合されている。
種々の実施形態のさらなる特徴および利点は、一部は以下の記載に示され、そして一部は、この記載から明らかであるか、あるいは種々の実施形態の実施によって習得され得る。種々の実施形態の目的および他の利点は、本明細書における記載および添付の特許請求の範囲において特に指摘される要素および組み合わせによって理解され、そして達成される。
図面は、一定の比率に縮尺を合わせて描かれていないことが理解されるべきである。さらに、図面中の対象の間での関係は、一定の比率に縮尺を合わせていなくてもよく、実際、サイズに関して逆の関係を有し得る。図面は、示される各対象の構造に対する理解および明確さをもたらすように意図される。したがって、構造の特定の特徴を示すために、いくつかの特徴が強調され得る。
上記の一般的な説明および下記の詳細な説明の両方は、ただの例示および説明であり、そして本教示の種々の実施形態の説明を提供することを意図していることが理解されるべきである。
(種々の実施形態の説明)
本明細書において使用される節の表題は、構成目的のみのためであり、そして記載される対象を限定するものとして解釈されるべきではない。本出願において引用される全ての文献(特許、特許出願、論文、書籍、および学術論文が挙げられるが、これらに限定されない)は、任意の目的のために、それらの全体が明確に参考として援用される。
本明細書中で使用される場合、用語「粒子」とは、液体、固体、および/またはガスから作られた、コーティングされ得るイオン交換材料をいう。このコーティングは、粒子の外面全体またはそれらの実質的な部分を被覆し得る。このコーティングは、粒子の内表面の部分を被覆し得る。このコーティングは、不可逆的に、粒子を永久的にコーティングし得るか、または可逆的に、コーティングの溶解により粒子を放出し得る。粒子は、単一材料であっても材料の凝集体であってもよく、この凝集体は、例えば、融合、焼結、プレッシング、圧縮、層分離、沈殿、凝集、および合体によって調製され得るか、または別の方法で一緒に形成され得る。粒子は、規則的または不規則な任意の形状(例えば、球形、楕円形、三角形、円筒形など)を有し得る。
本明細書中で使用される場合、用語「材料」とは、分子レベルまたはバルク状の任意の物質をいい、そして液体および/または固体(例えば、乳濁液または樹脂)であり得る。
本明細書中で使用される場合、用語「孔サイズ」とは、平均測定値をいい、この孔サイズより大きい粒子は、この粒子の内部に浸透する可能性がより低いが、より小さな粒子は、この粒子の内部に浸透する可能性がより高いという指針を提供する。孔に収容される粒子または孔からそらされる粒子は、正確に所与の「孔サイズ」である必要がないことが、理解されるべきである。つまり、この孔への収容またはこの孔からの排除は、多くの要因に基づく(実際の孔サイズ(コアの各孔は、異なるサイズを有し得る)、立体障害の要因、イオン性引力、分極などが挙げられる)。さらに、いくつかの粒子(例えば、細孔ゲル型のイオン交換材料)は、規定された孔を有さない。この粒子は、サイズ排除限界を規定するゲルマトリックス内の分子間の間隔によって規定される「孔サイズ」を有する。
本明細書中で使用される場合、用語「イオン交換」とは、イオン交換表面に「結合」または「捕獲」され得る各々の電荷等価物が、適切な溶液中に等価な電荷を放出し得るプロセスをいう。このイオン交換コアからの対イオンの移動は、サンプル溶液中に多くの対イオンを放出し得る。イオン交換コアの選択性は、イオン交換コアの対イオンに対してよりもサンプル溶液から除去されるべきイオンに対してより大きくあり得る。対イオンと同様の親和性のイオンは、イオン交換体に対するこのイオンの相対的な親和性に基づいて平衡分布を確立する。この平衡は、溶液からのイオンの取り込みを、提供してもまたは提供しなくても、いずれでもよい。対イオンは、ほとんど全てのイオン(塩化物、水酸化物、アセテート、ホルメート、臭化物、サルフェート、ニトレート、ホスフェート、または任意の他の有機アニオンもしくは無機アニオンが挙げられる)であり得る。対イオンの選択は、溶液中における除去されるべきイオンの性質によって影響され得る。イオン交換コアに対して、溶液中のイオンと比較して非常に低い親和性を有する対イオンが選択され得、したがって、溶液中のイオンとの交換を提供する。混床中のカチオン交換樹脂を用いた中和は、溶液からのイオンの取り込みを駆動し得る。これは、樹脂に対するカチオンの親和性が対イオンについての親和性よりも低い場合でさえ、そうであり得る。上記でアニオン交換粒子の使用を記載したが、本教示は、カチオン交換粒子についても同様である。カチオン交換粒子に対する対イオンとしては、ヒドロニウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、または任意の他の有機カチオンもしくは無機カチオンが挙げられる。高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、任意のイオン形態で調製され得る。
用語「混合物」とは、本明細書中で用いられる場合、例えば、充填カラム、混床、均質床、流動床、連続フローの固定カラム、またはバッチ混合物で一緒に用いられる1より多い高分子電解質コーティングされた粒子を指す。混合物としては、高分子電解質コーティングされたカチオン交換粒子、高分子電解質コーティングされたアニオン交換粒子、コーティングされていないカチオン交換粒子、コーティングされていないアニオン交換粒子、不活性物、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。混合物は、分離の分野で公知の任意の物理学的構成、およびイオン交換の分野で公知の任意の化学的混合物を包含し得る。混合物は、任意の割合(化学量論的等価量が挙げられる)であり得る。粒子の混合物は、その溶液の脱塩によってサイズベースの除去を提供し得る。例は、ヒドロニウム形態のカチオン交換粒子を含む混床中の、水酸化物形態の高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子である。粒子の混合物は、その溶液の脱塩なしに小イオンのサイズベースの除去を提供する。例は、高分子電解質コーティングされた塩化物形態もしくは酢酸塩形態(または水酸化物以外の任意の他のアニオン)のイオン交換粒子、およびカチオン交換しない材料である。高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子に対して用いられる対イオンの形態の選択は、それらが意図される適用に基づき得る。
用語「コーティング」およびその文法的なバリエーションは、本明細書中で用いられる場合、粒子を覆っている、同じ電荷を有する高分子電解質の単層に満たないもの、単層、または多層、あるいは反対の電荷を有する様々な高分子電解質の多層を指す。例えば、無機緩衝イオンおよびヌクレオチドのようなより小さい分子は、コーティングに浸透(penetrate)もしくは透過(permeate)し得、そしてその粒子によって保持され得るかまたはその粒子によってイオン交換され得る。コーティングは、例えば、核酸のようなより大きい分子がそのコーティングを浸透もしくは透過し、粒子に達することを妨げ得る。
用語「ポリマー」、「重合」、「重合する」、「架橋生成物」、「架橋」、「架橋する」および他の同様の用語は、本明細書で用いられる場合、重合生成物と重合方法、および架橋生成物と架橋方法の両方を包含することが意味され、ここで、得られた生成物は、例えば、直鎖状ポリマーとは対照的に、三次元構造を有する。用語「ポリマー」とはまた、オリゴマー、ホモポリマー、およびコポリマーを指す。重合は、熱的に、光化学的に、イオン的に、またはポリマー化学の分野の当業者に公知の任意の他の手段によって開始され得る。種々の実施形態に従って、重合は、縮合(または逐次)重合、開環重合、高エネルギー電子ビームで開始される重合、フリーラジカル重合(原子移動ラジカル付加(ATRA)重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、または任意の他のリビングフリーラジカル重合を含む)であり得る。
接頭語「(メト)アクリル」とは、本明細書で用いられる場合、メタクリルおよびアクリルを指す。例えば、N−メチル(メト)アクリルアミドとは、N−メチルメタクリルアミドおよびN−メチルアクリルアミドを指し、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレートとは、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートを指す。
用語「DNA」とは、本明細書で用いられる場合、任意の核酸(RNA、PNAおよび分子生物学の分野の当業者に理解されるような他のものを含む)を指す。
種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングされた粒子は、例えば、生体分子の分離における用途のような多くの用途を有し得る。種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングされた粒子は、大分子が粒子のイオン交換活性部位と相互作用する能力を制限することによって、生体分子の分離を提供し得る。高分子電解質コーティングされた粒子に浸透し得る小分子(低分子)は、イオン交換活性部位と相互作用し得、そしてそれらの部位に保持され得る。より大きく高荷電の種は、コア粒子をコーティングするかまたはコア粒子の孔径によって、そのイオン交換コアと相互作用することが制限され得る。このようにより大きく高電荷の種は、イオン交換粒子と結合せずに溶液中にとどまり得る。溶液中にとどまるより大きい種は、分離され得る。より大きい分子は、コーティング上で固定されない。種々の実施形態に従って、小分子は、高分子電解質コーティングされた粒子から溶出され得る。種々の実施形態に従って、大分子としては、一本鎖DNA(ssDNA)フラグメントおよび二本鎖DNA(dsDNA)フラグメントが挙げられ得、そして小分子としては、ヌクレオチド、ssDNAの短いフラグメト、dsDNAの短いフラグメト、および小イオン(例えば、塩化物、酢酸塩、および界面活性剤)が挙げられ得る。
種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングされた粒子は、イオン交換コアを過剰の高分子電解質に曝露することによって提供され得る。そのコア表面は、高分子電解質コーティングされた状態になり得る。高分子電解質は、生体高分子(天然に存在する生体高分子(例えば、DNA)が挙げられる)、または本明細書中に記載されるような合成ポリマーであり得る。
種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングされた粒子は、イオン交換コアをそのコアの電荷と反対の電荷を含む高分子電解質に曝露することによって提供され得る。第1の高分子電解質のコーティングの後、そのコーティングされた粒子は、その第1の高分子電解質の電荷と反対の電荷を含む別の高分子電解質に曝露される。このコーティングプロセスは、ポリアニオンおよびポリカチオンの交互の多層を有する高分子電解質コーティングされた粒子を提供するために、繰り返され得る。
種々の実施形態に従って、高分子電解質を含むコーティングは、サイズふるい効果によって、大分子(ssDNAが挙げられる)とコアとの相互作用を減少させ得る。コーティングは、イオン交換コアの外面を覆い、その大分子とその表面との相互作用を減少させ得る。コーティングは、コア粒子の内部への大分子の浸透を減少させるサイズ排除障壁を生じ得る。高分子電解質の化学的特性は、その高分子電解質コーティングされた粒子が示すふるい特性を決定し得る。高分子電解質の特性(例えば、電荷、電荷密度、疎水性、立体規則性(tactility)、フレキシビリティー、コポリマーおよびターポリマーで使用されるモノマー単位の比、ならびに分子量)はすべて、所望のふるい特徴を提供するために改変され得る。種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングは、所望の物理的特性およびサイズ排除特徴を得るために、後の工程で架橋され得る。
種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングされた粒子は、そのイオン交換コアの固有の多孔性を利用することによって、サイズ排除型イオン交換体として機能し得る。イオン交換コアは、広範な孔径(例えば、5オングストローム(細孔)および1000オングストローム以上(マクロ孔))で得られ得る。イオン交換コアは、そのコアがその適用の要件に基づいて所定のサイズの分子を排除するように、孔径に基づいて選択され得る。種々の実施形態に従って、電解質コーティングは、そのイオン交換コアの孔から排除されるのに十分大きくあり得、それによって、孔の内側のコーティングを実質的に減少させて外側の面をコーティングする。高分子電解質コーティングは、表面のイオン交換部位の相当な量をブロックすることによって、大分子(例えば、ssDNA)とイオン交換コアの表面との相互作用を減少させ得る。イオン交換コアビーズの孔径は、大分子(例えば、ssDNA)のコアの孔への浸透、および大分子とコアイオン交換部位との相互作用を減少させるのに十分小さくあり得る。種々の実施形態に従って、表面イオン交換部位は実質的にブロックされ得、そして内部イオン交換部位は接近しにくくなり得、その結果、高分子電解質コーティングされた粒子が著しく少ない大分子(例えば、dsDNA)を保持し得る。対照的に、より小さいイオン(例えば、塩化物、酢酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、小さいオリゴヌクレオチド、およびヌクレオチド)は、イオン交換コアの孔に入り、内側のイオン交換部位と相互作用し得る。コーティングは、大分子と同様に、小イオンと表面のイオン交換部位との相互作用を減少させ得る。なぜなら、その表面部位は高分子電解質コーティングに占有されるからである。結果として生じるこのような高分子電解質コーティングされた粒子の(小イオンに対する)イオン交換能力は、裸のイオン交換コアの作業能力から、そのコアの表面の作業能力を減算したものに等しい。粒子の内側の孔は、表面のイオン交換部位が高分子電解質コーティングに占有された後に、高分子電解質コーティングされた粒子の実質的なイオン交換能力を提供する。
種々の実施形態に従って、コーティングは、イオン交換コア上で形成され得、その結果、そのコーティングは等価な単層に満たない厚さから多層の厚さを有する。コーティングの厚さは、イオン交換コアの表面で変わり得るか、またはコーティングの厚さは、イオン交換コアの全表面で均一であり得る。種々の実施形態に従って、コーティングは、少なくとも部分的にイオン交換コアを覆い得る。コーティング材料は、少なくとも部分的に、イオン交換コアの1以上の孔または表面の特徴(例えば、孔、クラック、クレバス、ピット、チャネル、穴、凹部、溝)を満たし得る。例えば、イオン交換コアは、すべての内面および外面で、コーティングを形成するのに適切な高分子電解質でコーティングされ得る。
種々の実施形態に従って、図1は、生体高分子300からなる高分子電解質層20でコーティングされた、孔32を有するイオン交換コア12を備え得る高分子電解質コーティングされた粒子30を示す。図2は、合成ポリマー310からなる高分子電解質層20でコーティングされた、孔32を有するイオン交換コア12を備え得る高分子電解質コーティングされた粒子30を示す。小イオン性粒子(示さず)は、アニオン交換コアの場合のように、ふるいにかけられ、そして/または孔32に入って正電荷で示されるイオン交換部位に結合し得る。高分子電解質コーティングは、イオン交換コアに結合する大きいssDNAフラグメトで示される大分子の量を、実質的に減少させ得る。
種々の実施形態に従って、イオン交換コアは、アニオン性材料またはカチオン性材料であり得る。イオン交換コアは、ポリマー、架橋ポリマーまたは無機材料(例えば、シリカ)であり得る。イオン交換コアは、イオン交換し得る固体コア材料、またはイオン交換樹脂で処理された固体コア材料であり得る。イオン交換コアは表面が活性化され得る。イオン交換コアは、非磁性、常磁性または磁性であり得る。例示的なイオン交換コア材料としては、以下に列挙されるものが挙げられる。
種々の実施形態に従って、コアのためのイオン交換材料としては、アニオン交換樹脂(例えば、Macro−Prep High Q、Macro−Prep 25Q、Aminex A−27、AG 1−X2、AG 1−X4、AG 1−X8およびAG 2−X8(Bio−Rad,Hercules,CA,USA)、Chromalite 30 SBG(Purolite Company,Bala Cynwyd,PA,USA)、POROS HQ 20(Applied Biosystems,Framingham,MA,USA)、CA08YおよびCA08S(Mitsubishi Chemical America,White Plains,NY,USA)、Powdex PAO(Graver Technologies,Glasgow,DE,USA)、Nucleosil SB(Alltech Associates,Inc.,Deerfield,IL,USA)、Fractogel TMAE(EM Science,Gibbstown,NJ,USA)、IE 1−X8(Spectrum Chromatography,Houston,TX,USA)、Super Q−650S(TosoHaas Bioscience,Montgomeryville,PA,USA)、TMAHP−100(Iontosorb AV,Czech Republic)、Chromalite 30 SBA(Purolite International Ltd.,UK)、ならびにANEX−QS(Transgenomic,Inc.,San Jose,CA,USA))が挙げられ得る。種々の実施形態に従って、コア材料としては、PMMA、PS−DVB、シリカ、および/またはセルロースが挙げられ得る。種々の実施形態に従って、イオン交換コアとしては、製造業者によって提供されるアニオン交換樹脂についてのコアと同様に、カチオン交換樹脂が挙げられる(Chromalite 30 SAG(Purolite International Ltd.,UK)、AG 50WX8およびMacro−Prep High S(Bio−Rad,Hercules,CA,USA)が挙げられる)。イオン交換コアとして使用され得る他のカチオン樹脂およびアニオン樹脂は、イオン交換樹脂の分野の当業者に明らかである。
イオン交換コアがイオン交換し得る固体コア材料を包含する種々の実施形態に従って、その固体コア材料は、多孔性シリカ、制御孔ガラス(CPG)、内孔を有する多孔性ポリマーミクロスフェア、イオン交換分離の分野の当業者に公知であるような他の多孔性材料、またはそれらの組み合わせであり得る。固体コア材料は、種々の表面特徴(例えば、孔、クラック、クレバス、ピット、チャネル、穴、凹部、または溝が挙げられる)を有し得る。固体コア材料は、酸化ナトリウム、二酸化シリコン、ホウ酸ナトリウム、またはそれらの組み合わせを含み得る。固体コア材料は、イオン交換し得るように表面が活性化(例えば、カチオン交換またはアニオン交換し得るように改変)され得る。固体コア材料の改変としては、固体コア材料の表面にカチオン性置換基またはアニオン性置換基を形成するための固体コア材料の処理が挙げられ得る。本明細書で用いられる場合、用語「表面」は、外面および/または内面を包含し得る。内面は、例えば、固体コア材料内の空隙または孔の表面であり得る。固体コア材料は、その固体コア材料の表面に1以上の四級化官能基、カルボン酸基、スルホン酸、イオン交換分離の分野の当業者に公知の他のカチオン性官能基またはアニオン性官能基、あるいはこれらの組み合わせを含むように表面が活性化され得る。
種々の実施形態に従って、生体高分子の高分子電解質は、DNAのような天然に存在する生体高分子であり得る。天然に存在するDNAの例としては、断片化サケ精子DNA、プラスミドDNA、プラスミドDNAの制限消化物、ニシン精子DNA、仔ウシ胸腺DNAおよび他の天然由来のDNAが挙げられる。市販のDNAの例は、せん断サケ精子DNA(Eppendorf AG,Hamburg、Germany)である。種々の実施形態に従って、コーティング中で高分子電解質として使用され得る天然に存在する生体高分子DNAは、その供給源が生物学的反応に供されたサンプルではないことを示すために非サンプルDNAとして区別される。
種々の実施形態に従って、イオン交換コアは、合成ポリマー高分子電解質でコーティングされ得る。種々の実施形態に従って、イオン交換コアは、水溶性のポリアニオンもしくは少なくともわずかに水溶性のポリアニオンでコーティングされ得る。種々の実施形態に従って、アニオン性官能基を含むポリアニオンがコーティングのために使用され得る。アニオン性官能基としては、カルボキシル基、ホウ素基、スルホン酸基、スルフィン基、リン酸基、またはリン基、あるいはそれらの組み合わせが挙げられ得る。無機酸官能基を含むポリアニオンもまた使用され得る。種々の実施形態に従って、水溶性のポリアニオンもしくは少なくともわずかに水溶性のポリアニオンは、酸含有モノマーまたはフェノール含有モノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、加水分解されてフェノール基を与え得る4−アセトキシスチレン、4−スチレンスルホン酸、酢酸スチリル、または無水マレイン酸)と、水溶性のコモノマー、少なくともわずかに水溶性のコモノマーもしくは水不溶性のコモノマーとの共重合によって調製され得る。種々の実施形態に従って、合成ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたは別のポリマーであり得る。
種々の実施形態に従って、合成ポリマーは、以下のモノマーを含み得る:(メト)アクリルアミド、N−メチル(メチル)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メチル)アクリルアミド、N−エチル(メト)アクリルアミド、N−n−プロピル(メト)アクリルアミド、N−イソ−プロピル(メト)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メト)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メト)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メト)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メチ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、重合後に加水分解されてビニルアルコールを与え得る酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メト)アクリレート、N−ビニルピロリドン、ポリ(エチレンオキシド)(メチ)アクリレート、N−(メト)アクリルオキシスクシンイミド、N−(メト)アクリロイルモルホリン、N−2,2,2−トリフルオロエチル(メト)アクリルアミド、N−アセチル(メト)アクリルアミド、N−アミド(メト)アクリルアミド、N−アセトアミド(メト)アクリルアミド、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メト)アクリルアミド、N−(メチル)アクリロイルトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミド、(メチル)アクリロイル尿素、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、またはそれらの組み合わせ。種々の実施形態に従って、合成ポリマー高分子電解質は、ポリ(アクリル酸−co−N,N−ジメチルアクリルアミド)またはポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−スチレンスルホン酸)であり得る。
種々の実施形態に従って、イオン交換は、水溶性のポリカチオンもしくは少なくともわずかに水溶性のポリカチオンでコーティングされ得る。種々の実施形態に従って、カチオン性官能基を含むポリカチオンがコーティングのために使用され得る。カチオン性官能基としては、プロトン化第一級アミン、プロトン化第二級アミンおよびプロトン化第三級アミンが挙げられ得る。種々の実施形態に従って、水溶性のポリカチオンもしくは少なくともわずかに水溶性のポリカチオンは、正に荷電したモノマーと、水溶性のコモノマー、少なくともわずかに水溶性のコモノマーもしくは水不溶性のコモノマーとの共重合によって調製され得る。ポリカチオンの例としては、アリルアミンヒドロクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリスメチル塩化アンモニウム、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミドヒドロクロリド、および加水分解されてアミノ基を与え得るN−ビニルアミドが挙げられ得る。種々の実施形態に従って、合成ポリマーは、ポリ(N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド−co−N,N−ジメチルアクリルアミド)であり得る。
種々の実施形態に従って、図2aは、モノマーサブユニットを示し、それらに対する合成ポリマーが列挙される。略語としては、アクリル酸(AA)、アクリルアミド(AAm)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、(ポリエチレンオキシド)モノアクリレート(PEOアクリレート)およびスルホン酸ビニル(VSA)が挙げられる。種々の実施形態に従って、合成ポリマーの調製は、50キロダルトン〜15.0メガダルトン、または200キロダルトン〜4.0メガダルトン、または500キロダルトン〜3.0メガダルトンの範囲の重量平均分子量(M)を提供し得る。種々の実施形態に従って、負もしくは正に荷電したコモノマーのモル百分率は、0.01パーセント〜100パーセント、または0.1パーセント〜20.0パーセント、または1.0パーセント〜10.0パーセントを提供し得る。
種々の実施形態に従って、他の合成ポリマーとしては、スチレンスルホン酸のホモポリマー、アクリル酸、メタクリル酸、スルホン酸ビニル、スチレンスルホン酸、4−アセトキシスチレン(4−ヒドロキシスチレンの前駆体)およびホスホン酸ビニルのホモポリマーならびにコポリマーが挙げられ得る。種々の実施形態に従って、他の合成ポリマーとしてとしては、アリルアミンヒドロクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチル塩化アンモニウム、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミドヒドロクロリドのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられ得る。コモノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、後の工程でビニルアルコールに変換され得る酢酸ビニル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよびビニルメチルエーテルが挙げられ得る。
種々の実施形態に従って、高分子電解質としては、ポリアニオン(例えば、ポリ(スチレンリン酸)、ポリ(リン酸)、マレイン酸、その誘導体などのホモポリマーおよびコポリマー、フマル酸、その誘導体などのホモポリマーおよびコポリマー、ペプチド型合成ポリアニオン(例えば、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(ガラクトロン酸)、ポリ(グルタミン酸))、核酸型合成ポリアニオン(例えば、ポリ(アデニル酸)、ポリ(イノシン酸)、ポリ(ウリジリン酸))、ならびに天然のポリアニオン(例えば、多糖類))が挙げられ得る。
種々の実施形態に従って、イオン交換コアは、多層の高分子電解質でコーティングされ得る。高分子電解質層としては、ポリアニオンとポリカチオンとの交互層が挙げられ得る。このような交互層は、強度耐久性およびコーティングの透過性を調整するための手段を提供し得る。その多層構造の最も外側の高分子電解質が負に荷電しているならば、DNAフラグメントはその溶液から固定されない。例えば、塩化物およびプライマーのような小アニオンは、多層構造に浸透もしくは透過して、そのコアに結合され得る。
種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングされた粒子は、混合物として提供され得る。この混合物は、吸着床またはカラムに取り込まれ得る。種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングされた粒子は、バルク形態で提供され得る。十分に形成された高分子電解質コーティングされた粒子のクロマトグラフ床は必ずしも必要ではない。
種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングされた粒子は、デバイスに提供され得る。デバイスは、1以上の経路を有する微小流体デバイスであり得、ここで、少なくとも1つの経路の少なくとも一部分は、高分子電解質コーティングされた粒子を含む。デバイスは、高分子電解質コーティングされた粒子と流体連絡する入口および出口を有し得る。この粒子は、例えば、カラム中に存在し得る。本明細書中で用いられる場合、カラムは、水平方向または垂直方向、あるいは水平方向と垂直方向との間の任意の位置であり得る。カラムとしては、キャビティ、チャンバ、レザバ、ウェル、反応領域、吸着床、凹部のようなレセプタクル、あるいは高分子電解質コーティングされた粒子および反応生成物を収容するかもしくは保持するのに適切な他のレセプタクルが挙げられ得る。カラムは、複数の高分子電解質コーティングされた粒子を含み得る。デバイスの出口は、レセプタクル(例えば、きれいにされたサンプルウェル、チューブ、ガラスプレート、または精製されたサンプルを収集する別の手段)と流体連絡し得る。種々の実施形態に従って、複数の高分子電解質コーティング粒子は、混合物であり得る。
種々の実施形態に従って、反応生成物を分離するためのデバイスが提供され得る。デバイスは、高分子電解質コーティング粒子の混合物を備え得る。この方法は、粒子をデバイスのカラムに添加する工程を包含し得る。反応生成物は、デバイスの入口に置かれるかまたはデバイスの入口に入れられ得る。反応生成物は、入口から高分子電解質コーティングされた粒子および任意の追加材料を含むカラムを通って移動し得る。サンプルは、サイズ排除分離およびイオン交換の組み合わせに供され得、反応生成物の濾過および/または精製を生じ得る。濾過および/または精製された溶液は、出口を通ってカラムから溶出または除去され得、分析および/またはさらなる処理のためにレセプタクルに指向され得る。反応生成物は、求心力によってカラムを進み得る。種々の実施形態に従って、複数の高分子電解質コーティング粒子は、反応生成物と大量に混合され得る。複数の高分子電解質コーティング粒子は第1の容積を形成し、反応生成物が第2の容積を形成し、ここで、第1の容積は第2の容積以下である。
種々の実施形態に従って、高分子電解質コーティングされた粒子を用いる反応生成物の分離は、適切なイオン交換能力(例えば、反応生成物のうちの少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%のイオン交換)を提供するのに十分な、一定容積の高分子電解質コーティング粒子を用いて達成され得る。分離は、10分以下、5分以下、または2分以下で生じ得る。分離は、反応生成物と高分子電解質コーティングされた粒子とを、その高分子電解質コーティングされた粒子が反応生成物とイオン交換されるのに十分な一定期間の間接触させる工程、およびその高分子電解質コーティングされた粒子から精製された反応生成物を取り出す工程を包含し得る。
種々の実施形態に従って、粒子から精製された反応生成物を取り出す工程は、高分子電解質コーティングされた粒子から精製された反応生成物を取り出す工程、その精製された反応生成物から粒子を除去する工程、および/または粒子と精製された反応生成物との混合物から精製された反応生成物をサンプリングする工程を包含し得る。粒子と精製された反応生成物との混合物から精製された反応生成物をサンプリングする工程の例としては、キャピラリーを直接チューブに液浸させ、さらなる分析のために機器に注入することによってチューブ中の生成物を分析する工程が挙げられ得る。
種々の実施形態によると、高分子電解質コーティングされた粒子に関する分離としては、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)生成物の分離、DNA配列決定反応混合物の分離、およびRNAの精製が挙げられ得る。高分子電解質コーティングされた粒子はまた、例えば、オリゴヌクレオチド、リガーゼ連鎖反応生成物、タンパク質、抗体結合反応生成物、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ生成物、ハイブリダイゼーション生成物および抗体の、精製および/または分離のために使用され得る。高分子電解質コーティングされた粒子はまた、生物学的な生成物または反応混合物の脱塩のために使用され得る。
種々の実施形態によると、高分子電解質コーティングされた粒子の選択性は、以下の基準の少なくとも1つに依存し得る:(1)コーティング中の高分子電解質の分子量、(2)荷電した官能基の化学的性質、およびコーティング中の高分子電解質の電荷密度またはモルパーセント、(3)イオン交換コアの孔のサイズ、(4)コーティングポリマー中のコモノマーの性質、ならびに(5)ポリマー中の種々のコモノマーの割合。各分離は、上記の基準の少なくとも一つに関する種々の所望の特徴を提供し得る。
種々の実施形態によると、PCR生成物は、下流の分析を妨害し得る物質を含む。PCR生成物は、増幅された標的配列(アンプリコン)、緩衝液の塩、界面活性剤、金属イオン、酵素(例えば、ポリメラーゼ)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプライマー、および溶液中の他の成分を含み得る。種々の実施形態によると、二本鎖DNA(dsDNA)の標的配列は、分析され得るか、または他のPCR生成物の少なくともいくつかに対して感受性であり得るその後の酵素反応に使用され得る。例えば、遊離のヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドプライマーは、下流の酵素反応を妨害し得る。種々の実施形態によると、高分子電解質コーティングされた粒子は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプライマーおよび緩衝液の塩を、dsDNAの標的配列から分離し得る。得られた溶液は、脱塩環境中に精製されたPCR生成物を含み得、そして下流の反応および分析に使用され得る。
種々の実施形態によると、PCR精製は、より大きな二本鎖DNA(dsDNA)を、より小さなssDNAおよびdsDNA(例えば、プライマーダイマー、所望されない副反応生成物(これはdsDNAである)、または他の非特異的に増幅されたフラグメント)、遊離ヌクレオチド、ならびに塩から分離することに関し得る。種々の実施形態によると、除去のためのPCR生成物は、ヌクレオチド、45ヌクレオチドのssDNAを有するプライマー、60bpのdsDNAを有するプライマーダイマー、および200bpより小さいdsDNAフラグメントを含む。種々の実施形態によると、プライマー、プライマーダイマー、および100bpより小さいDNAフラグメントは、高分子電解質コーティングされた粒子によって捕獲され得る。種々の実施形態によると、プライマー、プライマーダイマー、および300bpより小さいDNAフラグメントは、高分子電解質コーティングされた粒子によって捕獲され得る。
種々の実施形態によると、他のPCR生成物由来のより大きなdsDNAの分離は、脱塩を包含し得る。種々の実施形態によると、他のPCR生成物由来のより大きなdsDNAの分離は、脱塩を包含しない。脱塩が下流のプロセス(例えば、より大きなdsDNAのPCR生成物の分離および検出)を妨害する環境が存在する。
種々の実施形態によると、高分子電解質コーティングされた粒子は、PCR終了および精製の前のPCR反応物と同じPCR条件に供され得る。高分子電解質コーティングされた粒子は、65℃〜95℃の温度サイクリングに供され得る。高分子電解質コーティングされた粒子は、PCRおよびその後の精製を提供するデバイスと抱き合わせにされ得る。
種々の実施形態によると、100オングストローム〜2000オングストロームの範囲の孔サイズを有し、1.0メガダルトン〜3.0メガダルトンの範囲のMの高分子電解質でコーティングされたイオン交換コアが、PCR精製を提供する。種々の実施形態によると、1000オングストロームの孔サイズを有し、1.7メガダルトン〜2.6メガダルトンの範囲のMの高分子電解質でコーティングされたイオン交換コアが、PCR精製を提供する。
種々の実施形態によると、DNA配列決定反応生成物は、下流の分析を妨害し得る物質を含み得る。配列決定反応生成物の精製のための分離の質は、以下の基準の少なくとも1つを分析することによって評価され得る:(1)配列決定データの上に重ね合わされた幅広いピークとして見える、残留色素のアーチファクト(「ブロブ(blob)」)、(2)大きなフラグメント間または小さなフラグメント間でのピーク強度のバランス、ならびに(3)配列決定反応生成物の脱塩。
種々の実施形態によると、DNA配列決定反応生成物は、色素標識化標的配列(「配列決定ラダー」)、緩衝液の塩、リン酸イオンおよびピロリン酸イオン、金属イオン、酵素(例えば、ポリメラーゼ)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプライマー、色素標的化オリゴヌクレオチドプライマー、および他の成分(例えば、残った、取り込まれていない色素標識化ジデオキシヌクレオチド(「ダイターミネーター」)を含み得る。種々の実施形態によると、色素標識化標的配列は、電気泳動分析およびDNA配列決定(「ベースコーリング(basecalling)」)に供され得る。色素標識化標的配列は、他の配列決定反応生成物の少なくとも一部に感受性であり、「ベースコーリング」のエラーを引き起こし得る「ブロブ」を生じ得る。種々の実施形態によると、キャピラリーシークエンサーは、界面動電注入(electrokinetic injection)を使用して、電気泳動分離用の毛細管に配列決定反応生成物を導入し得る。配列決定反応生成物中の塩の存在は、毛細管中へのそれらの導入に影響を及ぼし得る(低い塩濃度は、毛細管への注入を向上させ得る)。
種々の実施形態によると、高分子電解質コーティングされた粒子は、配列決定反応生成物から「ブロブ」を生成する物質を除去し得、そして配列決定反応生成物を脱塩し得る。種々の実施形態によると、高分子電解質コーティングされた粒子によって精製された配列決定反応生成物は、100μM以下の塩濃度または50μM以下の塩濃度を有し得る。高分子電解質コーティングされた粒子によって精製されたサンプル溶液は、界面動電毛細管注入に適切であり得る。これらの目的および他の目的のため、高分子電解質コーティングされた粒子は、例えば、10ヌクレオチドssDNA未満のサイズ排除限界を有し得、そしてサンプル溶液から塩のような小さなイオンおよび色素標識化プライマーを除去し得る一方で溶液中にssDNAをそのまま残し得る。高分子電解質コーティングされた粒子を用いた配列決定反応物精製は、ssDNA(例えば、10ヌクレオチド〜1500ヌクレオチド以上のサイズを有する)を、より小さな成分(例えば、色素標識化プライマーおよび塩など)から分離するために使用され得る。
種々の実施形態によると、DNA配列決定反応生成物の分離は、プライマー、色素標識化プライマーおよび塩を、色素標識化ssDNA標的から、45ヌクレオチドより多くを有する色素標識化ssDNAフラグメントを実質的に順次排除することによって分離する工程を包含し得る。
種々の実施形態によると、配列決定反応サンプルの精製は、色素標識化ジデオキシヌクレオチドと塩とを、このような成分をコーティングに通過させてイオン交換コアと反応させることによって配列決定反応生成物から除去し得、濾過前の量に対して、70%以上、80%以上、90%以上、または95%以上の量のssDNA量を含む精製サンプルを残し得る。
種々の実施形態によると、5オングストローム〜1000オングストロームの範囲の孔サイズを有し、1000ダルトン〜6.0メガダルトンの範囲のMの高分子電解質でコーティングされたイオン交換コアが、配列決定反応物の精製を提供する。種々の実施形態によると、10オングストローム〜50オングストロームの孔サイズを有し、2.4メガダルトン〜4.9メガダルトンのMの高分子電解質でコーティングされたイオン交換コアが、配列決定反応物の精製を提供する。
種々の実施形態によると、DNA配列決定反応生成物を精製するための方法は、複数の高分子電解質コーティングされた粒子を提供する工程、およびDNA配列決定反応生成物を接触させて、色素標識化ssDNAフラグメントを分離する工程を包含し得る。この方法は、残った色素アーチファクト(例えば、配列決定分析においてブロブを生じ得る色素標識化プライマー)を除去する工程を包含し得る。この方法は、色素標識化ssDNAフラグメントの長さを維持する工程を包含し得る。
(生体高分子によって粒子をコーティングする)
イオン交換樹脂を、1000μLの1M塩溶液、酸溶液もしくは塩基溶液で100μLの体積の樹脂を洗浄することによって、イオン交換体に変換した。この混合物を、5分間ボルテックスし、遠心分離機でスピンダウンした。上清を除去し、そして別の、塩溶液、酸溶液もしくは塩基溶液の1000μLアリコートを添加した。これを3回繰り返した。次いで、イオン交換コアを洗浄し、DI水の1000μLアリコートを用いて、5回スピンした。
イオン交換コアを、1mg/mLせん断サケ精子DNA(Eppendorf AG,Hamburg,Germany)の100μLアリコートで繰り返し洗浄することによって、DNAでコーティングした。100μL体積の樹脂を100μLの1mg/mLせん断サケ精子DNAで洗浄することによって、コーティングを行った。この混合物を5分間ボルテックスし、そして遠心分離機でスピンダウンした。上清を除去し、そして別の1mg/mLせん断サケ精子DNAの100μLアリコートを添加した。これを2回繰り返した。次いでSEIE粒子を、DI水の1000μLアリコートを用いて3回洗浄し、スピンした。
(合成ポリマーによって粒子をコーティングする)
粒子をコーティングするためのポリ(AA−co−DMA)高分子電解質を、過硫酸アンモニウムを開始剤として用い、そしてN,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミンを触媒として用いた、200mLのDI水中、45℃で15時間の、0.32g(4.44mmol)のアクリル酸と8.04g(81.07mmol)のN,N−ジメチルアクリルアミドとのフリーラジカル重合によって提供した。得られたポリマーを、透析(50K MWCO)および凍結乾燥によって精製し、7.70g(92%収率)のポリマーを提供した;M=3.40MDa、M=2.67MDa。
コーティングの前に、アニオン交換樹脂を最初に、前の実施例と同様の様式で、水酸化アニオン交換コアへと変換した。DI水の1000μLアリコートを、0.20〜0.25mL体積の塩化物形態のアニオン交換コアに添加した。この混合物を2分間ボルテックスし、そして遠心分離機でスピンダウンした。上清を除去し、そしてDI水洗浄を2階繰り返した。2.0Mの水酸化アンモニウムの1000μLアリコートを、洗浄した樹脂に添加した。この混合物を2分間ボルテックスし、常温で5分間静置し、1分間ボルテックスし、そして遠心分離機でスピンダウンした。上清を除去し、そしてこの水酸化アンモニウム洗浄を2回繰り返した。DI水の1000μLのアリコートをイオン交換粒子のペレットに添加し、1分間ボルテックスし、遠心分離機でスピンダウンし、そして上清を除去した。この最後のDI水洗浄をもう1回繰り返した。樹脂を、スナップキャップ付きポリプロピレン微量遠心管中で500μLのDI水に再分散させ、使用前に冷蔵庫で保存した。
15μL〜20μLの湿ったアニオン交換樹脂を含む1.5mL微量遠心管へ、1.0mLのポリマー溶液(脱イオン水中の0.5重量%溶液)を添加した。これを1分間ボルテックスし、常温で5分間静置し、さらに1分間ボルテックスし、遠心分離機でスピンダウンし、そして上清を除去した。このポリマー溶液コーティングをもう1回繰り返した。次いで、このペレットを、1mLのDIで洗浄し、そして3回スピンダウンした。最終の洗浄された樹脂を、500μLのDI水に再分散させ、使用前に冷蔵庫で保存した。
あるいは、粒子をコーティングするためのポリ(AA−co−DMA)高分子電解質を不活性雰囲気(超純粋窒素)下での重合によって提供した。2インチのテフロン(登録商標)攪拌羽、パージ用ガラス製ブリーディング管、および水冷コンデンサを供える500mLの丸底3頚フラスコに、150.0mLのMilli−Q水、8.0160g(80.86mmol)の再蒸留したN,N−ジメチルアクリルアミド(Dajac)、0.3285g(4.56mmol)の再蒸留したアクリル酸(Aldrich Chemical)、および0.8043gの1.9972重量%の過硫酸アンモニウム水溶液を充填した。この混合物を、200rpmの一定速度で攪拌しながら、超純粋窒素を用いて、150mL/分で60分間パージした。パージ溶液に、80μLのN,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン(Aldrich Chemicalからの電気泳動用試薬)を添加した。この混合物を、50±1℃の湯浴中に下ろし、3.5時間の間、200rpmで攪拌した。反応時間の終わりに、50mLのDI水を添加し、5分間攪拌した。得られた透明な水溶液を、5GalのDI水中で4日間、24時間毎に水を2回交換しながら50K MWCO Spectra/Pro膜で透析した。透析された溶液を凍結乾燥し、7.70g(92.0%収率)のコポリマーを得た。分子量を、GPC/MALLSによって、2.4MDa Mおよび1.26MDa Mであると決定した。
(生体高分子を備える高分子電解質コーティングされた粒子によるDNA配列決定反応物の精製)
DNA配列決定反応物精製のため、400μLのdRhodamine Terminator Ready Reaction Mix(Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)、50μLのM13ユニバーサルリバースプライマー(3.2pmol/μL)、25μLのテンプレートアンプリコン(約100ng/μL)、および525μLのDI水を含むように、サンプルを調製した。この溶液を、20μL/ウェルの体積でサーマルサイクラープレート中のウェルに分取した。この混合物を25サイクルの加熱に供した。ここで、各サイクルは、95℃で10秒間加熱し、50℃で5秒間加熱し、そして60℃で120秒間加熱する工程を含んだ。
生体高分子を備える高分子電解質コーティングされた粒子を提供するため、各々100μLのAminex A−27、Bio−Rad AG 1−X8、およびBio−Rad AG 2−X8を、上記のように水酸化高分子電解質コーティングされた粒子として調製した。樹脂を、上記のように1mg/mLのせん断サケ精子DNAでコーティングし、DI水で洗浄した。各々100μLのコーティングされたアニオン交換粒子を、100μLの Chromalite 30 SAGと混合し、上記のように水素形態の高分子電解質コーティングされた粒子として調製し、混合されたイオン交換床を形成した。この混合された床を、上記のように1mg/mLのせん断サケ精子DNAで洗浄し、DI水で洗浄した。2μLのコーティングされた混床の各々を小さなMicroAmp(登録商標)管(Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)に添加した。未コーティングのAminex A−27およびChromalite 30 SAGから調製された混床を、コントロールとして調製した。
精製を行うため、1μLの上記の配列決定反応物を、2μLのDNAコーティングされた混床イオン交換樹脂を含む各MicroAmp(登録商標)管に添加した。この管を5分間ボルテックスし、その後5μLのDI水を各管に添加し、ピペットで混合した。この微量遠心管を5000×gでスピンし、5μLの上清を各管から取り出し、そしてABI Prism(登録商標)3100シークエンサー上での分析のため96ウェルプレートにピペットで移した。サンプルを、36cmのアレイ、POP6(登録商標)ポリマー(Applied Biosystems)、および標準的配列決定モジュールを使用して、ABI Prism(登録商標)3100上で分析した。
図3a〜3dは、この精製からの結果を示す。図3a〜3cは、生体高分子電解質コーティングされた粒子が所望の精製を提供したことを示す(図3aはDNAコーティングされたAminex A−27を示し、図3bはDNAコーティングされたBio−Rad AG 1−X8を示し、そして図3cはDNAコーティングされたBio−Rad AG 2−X8を示す。この3つは全てカチオン−アニオン混床中)。例えば、色素ブロブ(残った色素標識化ddNTP)の実質的な除去および比較的高いシグナル強度は、サンプルの望ましい脱塩を示す。対照的に、図3dは、未コーティング混床(Chromalite 30 SAGと混合されたAminex A−27)が望ましい精製を提供しなかったことを示す。未コーティングアニオン交換樹脂による精製から予測されるように、ほとんどのDNAフラグメントの消失が観察された。
(生体高分子を備える高分子電解質コーティングされた粒子によるPCR反応物の精製)
PCR反応物の精製を実証するため、PCR生成物が蛍光キャピラリーシークエンサー上で分析され得るように、サンプルを蛍光標識されたプライマーを用いて調製した。溶液を、102μLのPCRマスターミックス(Applied Biosystems)、4μLのFAM標識されたフォワードプライマー(20pmol/μL)、4μLのリバースプライマー(20pmol/μL)、20μLのヒトgDNA、CEPH 1347−02(50μg/μL)、および70μLの脱イオン水(DI)を含むように調製した。この溶液を、20μL/ウェルの容量でサーマルサイクラープレートのウェルに分取した。この混合物を96℃で5分間加熱し、続いて40サイクル加熱した(ここで、各サイクルは96℃で30秒間、次いで60℃で120秒間加熱する工程を含んだ)。
生体高分子でコーティングされた粒子を、前の実施例と同様に提供した。精製を行うため、1μLの上記溶液を、2μLのDNAコーティングされた混床イオン交換樹脂を含むMicroAmp(登録商標)管に添加した。この管を5分間ボルテックスし、その後5μLのDI水をこの管に添加し、ピペットで混合した。この微量遠心管を5000×gでスピンし、5μLの上清を取り出し、5μLの脱イオン化ホルムアミドに添加し、そしてABI Prism(登録商標)3100シークエンサー上での分析のため96ウェルプレートにピペットで移した。サンプルを、36cmのアレイ、POP−6(登録商標)キャピラリー電気泳動用ポリマー(Applied Biosystems)、および標準的フラグメント分析モジュールを使用して、ABI Prism(登録商標)3100上で分析した。
図4および図5は、GeneScan(登録商標)ソフトウェアを用いて分析した場合の、この精製からの結果を示す。この実験は、550bpのPCR生成物からの色素標識化プライマーの大多数の除去の一方で、二本鎖DNAアンプリコンを保持していることを観察するために設計された。図4aは、精製前のPCR反応溶液を示す。図4bは、高分子電解質コーティングされた粒子によって精製され、かつ脱塩されたPCR反応溶液を示す。図4aは、プライマーによって生じた4000〜5000スキャンからのピーク(330と表示される)を示し、一方15,500スキャンでのピーク(320と表示される)は、550bpのアンプリコンによって生じた。PCRプライマーの存在は、多くの場合、PCR生成物のその後の分析またはその後の反応を妨害し得る。PCR生成物からのプライマーの除去が所望され得る。図4bは、PCR生成物が、上記の段落に記載されるように、生体高分子を備える高分子電解質コーティングされた粒子を使用して精製される場合に得られるデータを示す。550bpのアンプリコン(320と表示される)は、まだ見ることができるが、プライマーは検出可能な量未満に減少している。
図5aおよび5bは、図4aおよび図4bに示されるエレクトロフォトグラム(electrophorogram)の一領域の拡大図であり、PCRプライマー(330と表示される)の領域に焦点をあてている。精製工程後、しかしABI Prism(登録商標)3100での分析の前に内部標準を注入溶液に加えた。内部標準(20nMの濃度の合成ROX標識オリゴヌクレオチド)を使用して、2つの溶液から相対的な注入効率を測定した。内部標準を、両方のエレクトロフォトグラム(340と表示される)において観察した。図5は、2つの溶液からの注入効率が同様であることを示す。ピークの高さを正規化するために内部標準を使用すると、プライマーの減少は100%であり、一方PCR生成物の消失は22%である。この例は、高分子電解質コーティングされた粒子との接触が、PCR溶液からプライマーを実質的に減少させ得る一方で、溶液中に78%のPCR生成物を残し得ることを示す。同じ溶液と未コーティングイオン交換ビーズとの接触は、ほとんどのプライマーおよび全てのPCR生成物の消失をもたらした(示さず)。
(合成ポリマーを備える高分子電解質コーティングされた粒子によるDNA配列決定反応物の精製)
DNA配列決定反応物の精製に関して、蛍光キャピラリーシークエンサー上で配列決定反応生成物が分析され得るように、蛍光標識化プライマーを用いてサンプルを調製した。400μLのdRhodamine Terminator Ready Reaction Mix(Applied Biosystems,Foster City,California)50μLのM13ユニバーサルリバースプライマー(3.2pmol/μL)、25μLのテンプレートアンプリコン(約100ng/μL)、および525μLのDI水を含むように、サンプルを調製した。このマスター溶液を、20μL/ウェルの体積でサーマルサイクラープレート中のウェルに分取した。この混合物を25サイクルの加熱に供した。ここで、各サイクルは、95℃で10秒間加熱し、50℃で5秒間加熱し、そして60℃で120秒間加熱する工程を含んだ。
合成ポリマーでコーティングされた高分子電解質コーティングされた粒子を提供するため、20uLのBio−Rad Macro−Prep High Qイオン交換樹脂を、本明細書において記載されるように水酸化高分子電解質コーティングされた粒子として調製した。この樹脂を、本明細書において記載されるように、ポリ(アクリル酸−co−N,N−ジメチルアクリルアミド)でコーティングし(これ以降、ポリ(AA−co−DMA)と称する)、そしてDI水で洗浄した。20μLのポリ(AA−co−DMA)コーティングされたMacro−Prep High Qを20μLのChromalite 30 SAGと混合した(本明細書において記載されるような水素高分子電解質コーティングされた粒子として)。5μLのイオン交換粒子混合物を小さなMicroAmp(登録商標)管(Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)に加えた。
精製を提供するため、1μLの上記の配列決定反応物を、5μLのDNAコーティングされた混床イオン交換樹脂を含む各MicroAmp(登録商標)管に添加した。この管を5分間ボルテックスし、その後5μLのDI水をこの管に添加し、ピペットで混合した。この微量遠心管を5000×gでスピンし、5μLの上清を取り出し、そしてABI Prism(登録商標)3100シークエンサー上での分析のため96ウェルプレートにピペットで移した。サンプルを、36cmのアレイ、POP−6(登録商標)(Applied Biosystems)、および標準的配列決定モジュールを使用して、ABI 3100上で分析した。
図6は、この精製からの結果を示す。図6は、合成ポリマー高分子電解質コーティングされた粒子が所望の精製を提供したことを示す。例えば、ポリ(AA−co−DMA)高分子電解質コーティングされた粒子は、色素ブロブ(残留色素標識化ddNTP)の実質的な除去、およびサンプルの望ましい脱塩を示す比較的高いシグナル強度を提供した。
他のdRhodamine配列決定反応生成物を、高分子電解質コーティングされた粒子によって精製した。図7aは、本明細書において記載されるように調製されたポリ(AA−co−DMA)でコーティングされたBio−Rad AG 1−X8イオン交換樹脂による、配列決定反応生成物の精製を示す。図7bは、本明細書において記載されるように調製されたポリ(AA−co−DMA)でコーティングされたAminex A−27イオン交換樹脂による、配列決定反応生成物の精製を示す。高分子電解質コーティングされた粒子は、色素ブロブ(残った色素標識化ddNTP)の実質的な除去、およびサンプルの望ましい脱塩を示す比較的高いシグナル強度を提供した。他のイオン交換樹脂(Nucleosil、Isolute、Chromalite 30 SBG、Purolite−Chromalite、Macro−Prep Hi−Q、Bio−Rad AG 2−X8、Bio−Rad AG 1−X8、Aminex A−27、Powdex−PAOが挙げられる)を、配列決定反応生成物精製のための種々の合成ポリマー高分子電解質(ポリ(AA)、ポリ(AA−co−AAm)、ポリ(AA−co−DMA)、ポリ(AA−co−PEOアクリレート)、ポリ(スルホン酸スチレン)、ポリ(スルホン酸スチレン−co−DMA)、およびポリ(AA−PEOアクリレート−VSA)が挙げられる)を用いて試験した。
図8は、ポリ(AA−co−DMA)でコーティングされた高分子電解質コーティングされた粒子によって精製された、配列決定反応生成物の精製を示す。配列決定反応生成物を、種々の分子量(第一列と第二列との両方に関してエレクトロフォトグラムの下から上に増加する)のポリ(AA−co−DMA)で精製した。高分子電解質コーティングされた粒子のサイズ弁別(Sizing discrimination)をGeneScan(登録商標)500 ROX試薬(Applied Biosystems)に基づいたアッセイを使用して評価した。サイズ標準は、35bp〜500bpのサイズの範囲にわたる16個のdsDNAフラグメントから構成される。このアッセイを、5μLのGeneScan(登録商標)500 ROX試薬を5μlの高分子電解質コーティングされた粒子に添加することによって行った。この混合物を5分間攪拌またはボルテックスし、そしてこの液体を高分子電解質コーティングされた粒子から分離した。液体からの高分子電解質コーティングされた粒子の分離を、この混合物を遠心分離し、上清をピペットで取り出すか、またはこの混合物を濾過することによって達成した。次いで、得られた液体を、DNAシークエンサーを用いて分析した。このようなアッセイの結果を図8に示す。図8の第一列は、10オングストローム〜15オングストロームの孔サイズを有するコーティングされた樹脂による分離後の、エレクトロフォトグラムを表す。第二列は、1000オングストロームの孔サイズのコーティングされた樹脂による分離後の、エレクトロフォトグラムを表す。エレクトロフォトグラムの初めに観察される最も大きなピークは、プライマーピークであり、そして25ヌクレオチドのフラグメントを表す。図8の第一列におけるエレクトロフォトグラムは、いずれの分子量のコーティングについても、小さなフラグメントの除去を示していない。これらのエレクトロフォトグラムは、未処理コントロールと同様である。図8の第二列のエレクトロフォトグラムは、より低い分子量のコーティングによる分離の後でのより早いピーク(より小さいフラグメント)の排除を示す。これらのデータは、図8の第二列における高分子電解質コーティングされた粒子についてのサイズカットオフが100bpである一方、図8の第一列における高分子電解質コーティングされた粒子についてのサイズカットオフが35bp未満であることを実証する。図8は、配列決定反応生成物の精製に関する高分子電解質コーティングされた粒子による分離についてのサイズカットオフを示す。
図9aおよび図9bは、ポリ(AA−co−DMA)によってコーティングされたPowdex−PAOイオン交換樹脂を含む、高分子電解質コーティングされた粒子によって精製された、配列決定反応生成物の精製を示す。図9aは、精製前に得たエレクトロフォトグラムを示し、そして図9bは、精製後に得たエレクトロフォトグラムを示す。高分子電解質コーティングされた粒子は、LIZ(登録商標)色素dTDP(2PP)およびLIZ(登録商標)色素dTTP(3PP)を、図9aに上で表示されるような配列決定反応生成物から除去した。高分子電解質コーティングされた粒子は、配列決定反応生成物から他のアニオンを除去し、そして配列決定反応生成物の界面動電注入を改善した。このことによってシグナル強度において10倍の増加が得られた。
(合成ポリマーを備える高分子電解質コーティングされた粒子によるPCR反応物の精製)
PCR反応生成物の精製を、合成ポリマーを備える高分子電解質コーティングされた粒子によって提供した。Macro−Prep HQイオン交換樹脂を、ポリ(AA−co−DMA)によってコーティングした。図10は、種々のモル百分率のアクリル酸および種々の分子量のポリ(AA−co−DMA)を示す。分子量とモルパーセンテージとは、一番下のエレクトロフォトグラム(1.1モル%のアクリル酸と98.9モル%のDMAでコーティングされた樹脂による分離を表す)から一番上のエレクトロフォトグラム(N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)を含まない、100モル%のアクリル酸またはポリ(AA)でコーティングされた樹脂による分離を表す)まで、下から上にかけて増加する。100%のアクリル酸を含む高分子電解質コーティングされた粒子は、プライマー、プライマーダイマーおよびあらゆるDNAフラグメントを除去した。同じ現象が、低いアクリル酸含有量(1.1モル%アクリル酸)を含むポリ(AA−co−DMA)で観察された。図11は、上記の範囲のポリ(AA−co−DMA)でコーティングされた、非脱塩Macro−Prep 50 HQ(塩化物形態)イオン交換樹脂による、オリゴヌクレオチドプライマー、プライマーダイマーおよびDNAフラグメントの除去を示す。図11のレーン1には、サイズ標準をローディングし、レーン2には、1マイクロリットルの生(高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子による分離なし)のPCR生成物を20マイクロモル濃度のプライマーとともにローディングし、レーン3〜7には、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子による分離後の、1マイクロリットルのPCR生成物をローディングし、そしてレーン8〜12には、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子による分離後の、2マイクロリットルのPCR生成物をローディングした。レーン2は、未分離のPCR生成物(例えば、プライマー、プライマーダイマーなど)を、主要なバンドの下の拡散したバンドとして示す。レーン3〜12は、対応するバンドのようなものを有さない。図12は、上記の範囲のポリ(AA−co−DMA)でコーティングされた、非脱塩Macro−Prep 50 HQ(塩化物形態)イオン交換樹脂による、プライマーダイマーおよび非特異的に増幅されたdsDNAの、PCR生成物からのサイズベースの除去を示す。上のエレクトロフォトグラムは、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子で分離されていないPCR生成物を示す。下のエレクトロフォトグラムは、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子で分離されたPCR生成物を示す。この違いは、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子による分離の後、100bpより小さいdsDNAフラグメントが、溶液中に残るより大きなフラグメントから分離されたことを示す。
(合成ポリマーおよび界面活性剤を備える高分子電解質コーティングされた粒子によるDNA配列決定反応物の精製)
サイズベースの精製法を使用する精製の前に、DNA配列決定反応物に界面活性剤が添加され得る。例えば、サイズ排除スピンカラムを使用するDNA配列決定反応物の精製前に、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が添加されて、精製を補助し得る。さらに、SDSを含むDNA配列決定反応物は、サイズ排除スピンカラムを使用する精製前に加熱され得る。種々の実施形態において、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子によって精製されたDNA配列決定反応物において、アニオン性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤に置き換えられ得る。このような置き換えは、イオン性界面活性剤とイオン交換粒子との相互作用を防止して、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子のイオン交換能に対する有害な影響を回避し得る。本明細書中で使用される場合、用語「非イオン性」界面活性剤とは、非イオン性界面活性剤、双生イオン性界面活性剤、または溶液の導電性に実質的に寄与しない他の界面活性剤をいう。非イオン性界面活性剤の例としては、Brij 35およびBrij 58(CalBiochem、San Diego、CA)、Triton X−100(Sigma、St.Louis、MO)、オクチル−β−D−グルコシド、オクチルグルコピラノシド、および(3−[(3−コラミドプロピル(Cholamidopropyl))ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート)(「CHAPS」)(Pierce Biotechnology,Rockford,IL)が挙げられる。種々の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、DNA配列決定反応物から取り込まれていないダイターミネーターの除去を促進するために、加熱することなく活性化可能であり得る。
DNA配列決定反応物精製のため、配列決定反応生成物が蛍光キャピラリーシークエンサー上で分析され得るように、サンプルを、蛍光標識化ジデオキシヌクレオチドターミネーターを使用して調製した。溶液を、8μLのBig Dye Terminator(登録商標)v.3.1 Ready Reaction Mix(Applied Biosystems,Foster City,California)を使用して、20μLを含むように調製した。配列決定用プライマーは、M13ユニバーサルリバースプライマー(3.2pmol/μL)であった。テンプレートは、プラスミドpGEM(200ng/μL)であった。このマスター溶液をGeneAmp(登録商標)9700サーマルサイクラープレート中のウェルに分取した。この混合物を、25サイクルの加熱に供した。ここで、各サイクルは、96℃で10秒間加熱し、50℃で5秒間加熱し、そして60℃で240秒間加熱する工程を含んだ。
プールした後、10μLのプールした未精製の反応混合物を、精製のため、新しい96ウェルMicroAmp(登録商標)トレイの16ウェルの各々に再分配した。各ウェルは、10μLの反応混合物、20μLの脱イオン水、10μLの界面活性剤、および10μLの高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子スラリー(上記のように調製されたAG50WX−8との混床中に、ポリ(スルホン酸スチレン)コーティングされたAG1X−8を含む)を含んだ。高分子電解質コーティングされたイオン交換スラリーは50%が水であったので、混合物の最終容量は45μLであった。これらの実施例において、2つの異なる界面活性剤溶液を使用した:(1)10μLの3体積%のBrij 35水溶液(全溶液中のBrij 35の最終濃度は、0.67%であった);および、(2)10μLの10体積%のTriton X−100水溶液(全溶液中のTriton X−100の最終濃度は、2.2%であった)。これらの界面活性剤の各々についてのコントロールは、この界面活性剤を10μLの水で置き換えた。種々の実施形態において、界面活性剤は、0.01%〜10%の範囲の濃度で有効であり得る。種々の実施形態において、界面活性剤は、0.1%〜5%の範囲の濃度で有効であり得る。
次いで、MicroAmp(登録商標)トレイ中のサンプルを、粘着フィルムで覆い、ボルテキサー(vortexer)で30分間混合した。混合後、サンプルを含むMicroAmp(登録商標)トレイを3000rpmで5分間遠心分離した。次いで、このMicroAmp(登録商標)トレイを、DNA配列決定のため、ABI Prism(登録商標)3100 Genetic Analyzerに移した。DNA配列決定を、50cmキャピラリーアレイおよびPOP−6(登録商標)キャピラリー電気泳動ポリマーを用いて実行した。注入条件は、以下に記載されるようなサンプルおよびビーズを含む管の中の上清から直接的に、1000Vで22秒であった。図15Aおよび15Bは、それぞれBrij 35界面活性剤ありおよびなしでのDNA配列決定物精製を示す。図15A(Brij 35界面活性剤なしでの精製)において、色素アーチファクトは、例えばこの配列の15〜60ヌクレオチドの範囲において現れた。図15B(Brij 35界面活性剤ありでの精製)において、色素アーチファクトは、同じ範囲に現れなかった。図16Aおよび16Bは、それぞれTriton X−100界面活性剤ありおよびなしでのDNA配列決定物精製を示す。図16A(Triton X−100界面活性剤なしでの精製)において、色素アーチファクトは、例えばこの配列の15〜60ヌクレオチドの範囲において現れた。図16B(Triton X−100界面活性剤ありでの精製)において、色素アーチファクトは、同じ範囲に現れなかった。どちらの例においても、界面活性剤は、加熱することなく、かつ直接界面動電注入または高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子精製を妨害することなく、色素アーチファクトの除去を容易にし得た。
(複数の合成ポリマー層を備えるコーティング粒子)
ポリ(AA−co−DMA)高分子電解質を、上記のように調製した。ポリ(塩酸アリルアミン)または「PAH」(M 0.07MDa)、およびポリ(アクリル酸)または「PAA」(M 4.00MDa)(Aldrich Chemicals)は、容易に入手可能であった。以下の高分子電解質溶液(0.5重量%)を、適量のポリマーを脱イオン水に添加し、次いで一晩常温で転倒(tumble)させることによって調製した:ポリ(AA−co−DMA)0.2286g/39.915g HO;PAH 0.2268g/40.033g HO;PAA 0.1192g/19.99g HO。
コーティングの前に、アニオン交換樹脂(Macro−Prep High Q 50,Bio−Rad)を脱イオン水で3回洗浄した。樹脂(3mL、0.35gの湿った樹脂)と20mLの脱イオン水とのスラリー溶液を、50mLの管に添加した。樹脂をコーティングするため、高分子電解質溶液(0.750mL)を添加した。管を1分間ボルテックスし、1760rpmで3分間スピンし、そして上清をデカントした。湿った樹脂を高真空オーブン下で、70℃で2時間乾燥させた。その後この高分子電解質溶液を用いてこのコーティングプロセスをさらに2回繰り返し、全部で3層の高分子電解質コーティング層を適用した。最後の乾燥工程として、コーティングを一晩乾燥させた。この乾燥したペレットを、40mLの脱イオン水とボルテックスによって混合し、1670rpmで3分間スピンし、そして上清を除去した。最終的な洗浄された樹脂を、10mLの脱イオン水に再分散させ、使用前に冷蔵庫で保存した。図13は、例のうちの1つにおける、樹脂に適用された複数の高分子電解質コーティングを示す。図14は、より少数の塩基対(bp)の除去を示すことによって、イオン交換樹脂上における未コーティング樹脂、コーティング樹脂、および複数の高分子電解質コーティングの3つの系列の数回の試行の性能を示す。高分子電解質の3つの系列は、以下の表1に記載されている。ここで、第一層は、樹脂の表面に最も近接し、その後の層は、その上にある。
Figure 2007522807
(高分子電解質コーティング樹脂の磁化)
PAA(M 4.00MDa)(Aldrich Chemicals)およびFe(EMG 1111)(Ferrotec Corp.)は、容易に入手可能であった。PAAの溶液(0.750mL)を樹脂(0.2gの湿った樹脂)と10mLの脱イオン水とのスラリー溶液に添加した。この混合物を1分間ボルテックスし、5分間常温でインキュベートし、1760rpmで3分間スピンし、そして上清をデカントした。樹脂を脱イオン水(10mL)で一度洗浄した。懸濁液を1760rpmで3分間スピンし、そして水をデカントした。脱イオン水とのFeの水溶液(0.20mL)をこの湿った樹脂に添加した。この懸濁液をボルテックスによって1分間混合し、常温で5分間インキュベートした。この懸濁液を1670rpmで3分間スピンし、水溶液を除去した。この樹脂を3回洗浄し、過剰な未結合Feを除去した。コーティングした樹脂を脱イオン水(10mL)に再分散させた。樹脂の磁化を観察した。
(高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子の分離)
上記に提供された反応物および/または実施例の各カテゴリーの範囲内で、多くの特定の用途が存在する。例えば、PCR反応物の高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、配列検出用途(終点およびリアルタイムの両方)、PCRクローニング用途などのための精製を提供し得、そしてDNA配列決定反応物の高分子電解質コーティングイオン交換粒子は、任意の型の核酸配列決定(例えば、配列決定、フラグメント分析、単一ヌクレオチド多型同定など)のための精製を提供し得る。
核酸を配列決定する前に、精製された上清液から高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子を分離することが所望され得る。配列決定は、例えば、キャピラリー電気泳動によって達成され得る。高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子から精製された上清液を単離することは、精製と配列決定との間に、ピペッティング、サンプル移送、遠心分離、磁性体除去および/または熱サイクリングのような工程を追加し得る。精製と配列決定との間で、使用者に対して効率および速度を向上させ、そして費用と処理時間とを低下させるために、このような工程を排除することが所望され得る。
種々の実施形態によると、精製された上清液からの高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子の単離は、粒子を保持する濾過によってか、または粒子を集める遠心分離およびその後の上清液の吸引によって達成され得る。上清液から直接的に、キャピラリー電気泳動のためのサンプルをローディングすることによって、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子を精製された上清液から除去する工程を排除することが所望される。しかし、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、界面動電注入を阻害し、配列決定データに無作為的な混乱を引き起こすことによって、または高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子がサンプル管の底に向けた毛細管によって破壊された場合に、毛細管を詰まらせることによって、ローディングを妨害し得る。
種々の実施形態によると、本教示は、サンプルウェル、サンプル管もしくはサンプルチャンバーの底から毛細管をローディングするための方法を提供する。高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、ウェルの側面または頂部へ動かされ得る。図17A〜図17Cは、ウェル170を示し、この中で、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子172が上清液174から単離されている。この教示は、図17Bに図示するように、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子172をウェル170の頂部に配置する工程、または図17Cに図示するように、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子172をウェル170の側面に配置する工程を提供する。
種々の実施形態によると、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、より高密度の溶媒によって浮かせることで、ウェルの頂部に配置され得る。上清液の密度は、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子よりも高密度を有するように増加され得る。上清の密度を増加させ得る溶媒の例としては、エチレングリコール(密度=1.113)、炭酸プロピレン(密度=1.189)、ポリエチレングリコール(密度=1.127を有する蝋状の固体)、グリセロール(密度=1.261)、および種々の濃度のこれらの組み合わせが挙げられる。種々の実施形態において、イオン交換樹脂は、1.03レベル以上の密度を有し得る。上清液の密度を増加させることにより、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、ウェルの頂部に浮く。次いで、毛細管および電極が、ウェルの、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子の層の下に浸漬され得る。毛細管のローディングは、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子を免れ得る。溶媒の添加は、サンプル調製における遠心分離工程を排除し得、そしてアレイピペッターによって自動化され得る。
種々の実施形態によると、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、磁気引力によってウェルの側面に配置され得る。上記のように、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、Feでコーティングされて磁化され得る。高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、磁石または電気的に誘導された磁界によって提供されるウェルの側面上またはウェル周辺の磁界によって、ウェルの側面に引きつけられ得る。次いで、毛細管および電極が、同心性の層のないウェルの中央または高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子の層のそばに浸漬され得る。毛細管のローディングは、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子を免れ得る。高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子の磁化は、サンプル調製における遠心分離工程を排除し得る。
種々の実施形態によると、本教示は、サンプルウェル、サンプル管、またはサンプルチャンバーの頂部から毛細管をローディングする方法を提供する。高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子は、ウェルの底へと動かされ得る。図17Aは、ウェル170を示す。ここでは、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子172が上清液174から分けられている。この粒子は、上記に考察されたように、遠心または磁化によって底へ動かされ得る。シークエンサー装置は、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子のないウェルのより高い点からサンプルをローディングするように較正され得る。上清ローディングのための毛細管位置の変更は、毛細管の先端から管の底までの間の距離を増加させることによって提供され得る。標準的マイクロタイタートレイに関しては、このような距離は、4.5mmである。これは、96ウェルトレイの30μLに対するウェル体積に対応する。上清の体積は、毛細管が良好な界面動電注入のために上清に浸漬することを確実にするように増加され得る。このことは、脱イオン水の添加によって上清の体積を増加させることによってなされ得る。脱イオン水と上清との混合物は、この混合物を30分間ボルテックスすることによって提供され得る。
種々の実施形態によると、シークエンサー装置は、トレイもしくはそのトレイが嵌まっているフレームを機械的に変更して、このトレイが装置以内においてより低い位置にあるようにすることによって、ウェルのより高い点からサンプルをローディングするように較正され得る。種々の実施形態によると、シークエンサー装置は、ファームウェア初期ファイルを改変して参照z軸点を変更することによって、ウェルのより高い点からサンプルをローディングするように較正され得る。種々の実施形態によると、シークエンサー装置は、底部のローディング位置から、高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子の上の上清液層中の点まで毛細管を引くようにソフトウェアをプログラムすることによって、ウェルのより高い点からサンプルをローディングするように較正され得る。図18A〜18Bは、Big Dye Terminator(登録商標)化学(図18A)およびdRhodamine terminator化学(図18B)を使用し、そしてファームウェア初期ファイルを改変して参照z軸点を変更することによってウェルのより高い点からサンプルをローディングするように較正されたシークエンサー装置を使用した、上清からの核酸配列決定を示す。
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的に関して、他に示されない限り、成分の量、材料のパーセンテージもしくは割合、反応条件、および本明細書および特許請求の範囲において使用される他の数値を表現する全ての数は、あらゆる例において、用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、そうではないと示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に示される数値パラメーターは、本発明によって得られることを求められる所望の特性に依存して変動し得る近似である。最低限でも、そして本特許請求の範囲と等価な理論の適用の限定への試みとしてではなく、各数値パラメーターは、少なくとも、多くの報告された有効数字に照らして、かつ通常の概数化技術を適用することによって、解釈されるべきである。
本発明の広範な範囲を示す多くの数値範囲および数値パラメーターが近似であるにもかかわらず、特定の実施例に示された数値は、可能な限り正確に報告されている。しかし、あらゆる数値は、本来、それらのそれぞれの試験測定値において見出される標準偏差から必然的に得られる特定の誤差を含む。さらに、本明細書において開示される全ての範囲はそこに含まれるありとあらゆる部分的範囲を含むことが、理解されるべきである。例えば、「1〜10」という範囲は、最低値1と最大値10との間(それらを含む)の、ありとあらゆる下位範囲を含む。すなわち、ありとあらゆる部分的範囲は、1以上の最低値および10以下の最大値を有する(例えば、5.5〜10)。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの」(「a」、「an」)および「その」(「the」)は、ある対象に対して明確かつ明白に制限されない限り、複数形を含むことが注記される。したがって、例えば、「1つのモノマー(a monomer)」に対する言及は、2以上のモノマーを含む。さらに、用語「含むこと」(「including」)ならびに他の形態(例えば、「含む」(「include」)および「含まれる」(「included」))の使用は、限定ではない。
本明細書において記載される種々の実施形態に対して、本発明の教示の精神または範囲を逸脱することなく種々の変更および改変がなされ得ることは、当業者にとって明らかである。したがって、本明細書において記載される種々の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内で、他の変更および改変を網羅することが意図される。
図1は、高分子電解質コーティングされた粒子の断面図を示す。このコーティングは、生体高分子を含む。 図2は、高分子電解質コーティングされた粒子の断面図を示す。このコーティングは、合成ポリマーである。 図2aは、高分子電解質コーティングされた粒子のためのコーティング中に含まれ得るいくつかの合成ポリマーを示す。 図3a〜3dは、標準的分離技術と比較した、生体高分子を備える高分子電解質コーティングされた粒子による配列決定反応生成物の分離を示す。図3a〜3cは、種々の実施形態による、高分子電解質コーティングされた粒子による分離を示す。図3dは、未コーティングのイオン交換粒子による分離を示す。 図4a〜4bは、生体高分子を備える高分子電解質コーティングされた粒子によるPCR反応生成物の分離を示す。図4aは、色素標識化アンプリコンと色素標識化プライマーとの混合物を含む、未精製のPCR反応生成物を示し、そして図4bは、高分子電解質コーティングされた粒子によって分離されて色素標識化プライマーを除去された、PCR反応生成物示す。 図5a〜5bは、それぞれ図4a〜4bの詳細を示すグラフのセットである。 図6は、合成ポリマーを備える高分子電解質コーティングされた粒子による、配列決定反応生成物の分離を示す。 図7a〜7bは、合成ポリマーを備える高分子電解質コーティングされた粒子による、配列決定反応生成物の分離を示す。 図8は、種々の分子量を有するコーティングポリマーを使用した分離についての、合成ポリマーを備える高分子電解質コーティングされた粒子による分離についてのサイズカットオフを示す。 図9aおよび9bは、合成ポリマーを備える高分子電解質コーティングされた粒子による、配列決定反応生成物の分離を示す。 図9aおよび9bは、合成ポリマーを備える高分子電解質コーティングされた粒子による、配列決定反応生成物の分離を示す。 図10は、合成ポリマーを備える高分子電解質コーティングされた粒子を使用した、より大きなdsDNAフラグメントからの、小さなdsDNAフラグメントのサイズベースの除去を示す。 図11は、2%アガロースゲルを用いたゲル電気泳動による構成要素の分離の結果を示すことによって、高分子電解質コーティングされた粒子を使用した、PCR生成物からのオリゴヌクレオチドプライマーの除去を示す。 図12は、非脱塩高分子電解質コーティングされた粒子を使用した、DNAサイズ弁別を示す。 図13は、樹脂に塗布された複数の高分子電解質コーティングを示す。 図14は、より少数の塩基対(bp)の除去を示すことによって、イオン交換樹脂上における未コーティング樹脂、コーティング樹脂、および複数の高分子電解質コーティングの3つの系列の数回の試行の性能を示す。 図15Aおよび15Bは、それぞれBrij 35界面活性剤ありおよびなしでのDNA配列決定物精製を示す。 図16Aおよび16Bは、それぞれTriton X−100界面活性剤ありおよびなしでのDNA配列決定物精製を示す。 図17A〜図17Cは、ウェル170を示す。高分子電解質コーティングされたイオン交換粒子172は、上清液174から単離されている。 図18A〜18Bは、Big Dye Terminator化学(図18A)およびdRhodamine terminator化学(図18B)を使用し、そしてファームウェア初期ファイルを改変して参照z軸点を変更することによってウェルのより高い点からサンプルをローディングするように較正されたシークエンサー装置を使用した、上清からの核酸配列決定を示す。

Claims (36)

  1. 粒子であって、以下:
    イオン交換材料を含むコア;および
    高分子電解質材料を含むコーティング
    を含み、ここで、該コアおよび該コーティングは、PCR反応生成物またはDNA配列決定反応生成物を分離するために適合されている、
    粒子。
  2. 前記コアが、プライマー、プライマーダイマー、ssDNAフラグメント、取り込まれていないヌクレオチドおよび塩から選択される、少なくとも1つのPCR反応生成物に結合する、請求項1に記載の粒子。
  3. 前記粒子が、100より多くの塩基対を有するdsDNAフラグメントを実質的に排除するように適合されている、請求項2に記載の粒子。
  4. 前記コアが、プライマー、色素標識化プライマー、ヌクレオチド、色素標識化ヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、色素標識化ジデオキシヌクレオチドおよび塩から選択される、少なくとも1つのDNA配列決定反応生成物に結合する、請求項1に記載の粒子。
  5. 前記粒子が、45より多くのヌクレオチドを有する色素標識化ssDNAフラグメントを実質的に排除するように適合されている、請求項4に記載の粒子。
  6. 前記コーティングが生体高分子を含む、請求項1〜5に記載の粒子。
  7. 前記生体高分子が非サンプルDNAである、請求項6に記載の粒子。
  8. 前記コーティングが合成ポリマーを含む、請求項1〜5に記載の粒子。
  9. 請求項8に記載の粒子であって、前記合成ポリマーがコポリマーを含み、該コポリマーが以下:(メト)アクリルアミド、N−メチル(メチル)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メチル)アクリルアミド、N−エチル(メト)アクリルアミド、N−n−プロピル(メト)アクリルアミド、N−イソ−プロピル(メト)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メト)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メト)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メト)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メト)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、酢酸ビニル(ビニルアルコールの前駆体)、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メト)アクリレート、N−ビニルピロリドン、ポリ(エチレンオキシド)(メト)アクリレート、N−(メト)アクリルオキシスクシンイミド、N−(メト)アクリロイルモルホリン、N−2,2,2−トリフルオロエチル(メト)アクリルアミド、N−アセチル(メト)アクリルアミド、N−アミド(メト)アクリルアミド、N−アセトアミド(メト)アクリルアミド、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メト)アクリルアミド、スルホン酸スチレン、スルホン酸スチレンのホモポリマー、スルホン酸スチレンのコポリマー、N−(メチル)アクリロイルトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミド、(メチル)アクリロイル尿素、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、アクリル酸、メタクリル酸、スルホン酸ビニル、スルホン酸スチレン、4−アセトキシスチレン(4−ヒドロキシスチレンの前駆体)、およびホスホン酸ビニル、ならびにビニルメチルエーテル、から選択される少なくとも1つのモノマーを含む、粒子。
  10. 前記合成ポリマーが、ポリ(アクリル酸−co−N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−スルホン酸スチレン)、ポリ(塩酸アリルアミン)、およびポリ(アクリル酸)のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の粒子。
  11. 前記イオン交換材料が多孔質である、請求項1〜10のいずれかに記載の粒子。
  12. 前記イオン交換材料が表面活性化されている、請求項11に記載の粒子。
  13. 前記イオン交換材料が、100オングストローム〜2000オングストローム、または5オングストローム〜1000オングストロームの孔サイズを有する、請求項11に記載の粒子。
  14. 前記高分子電解質材料が、1.0メガダルトン〜3.0メガダルトンまたは1000ダルトン〜6.0メガダルトンのMを有する、請求項13に記載の粒子。
  15. 前記イオン交換材料が、1000オングストロームの孔サイズおよび1.7メガダルトン〜2.4メガダルトンのMを有するか、または10オングストローム〜50オングストロームの孔サイズおよび2.4メガダルトン〜4.9メガダルトンのMを有する、請求項14に記載の粒子。
  16. 前記合成ポリマーがコポリマーを含み、該コポリマーが、以下:塩酸アリルアミン、(3−アクリルアミドプロピル)トリスメチル塩化アンモニウム、塩酸N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド、および加水分解されてアミノ基を1つ生じるN−ビニルアミド、から選択される少なくとも1つのモノマーを含む、請求項9に記載の粒子。
  17. 前記合成ポリマーが、ポリ(N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド−co−N,N−ジメチルアクリルアミド)である、請求項16に記載の粒子。
  18. 前記高分子電解質材料が複数の層を備える、請求項1〜17のいずれかに記載の粒子。
  19. 前記複数の層が、交互の層にポリアニオンおよびポリカチオンを含む、請求項18に記載の粒子。
  20. 前記コアがマクロ孔質であり、そして前記高分子電解質の複数の層の各々が、該マクロ孔質のコアに浸透し得る分子量を有する、請求項19に記載の粒子。
  21. 前記複数の層が磁性の層を備える、請求項18に記載の粒子。
  22. 溶液中にある請求項1〜21のいずれかに記載の粒子であって、該溶液が、カチオンイオン交換材料またはアニオンイオン交換材料を含む、粒子。
  23. 前記カチオンイオン交換材料または前記アニオンイオン交換材料が、前記粒子と混床を形成する、請求項22に記載の溶液。
  24. 前記カチオンイオン交換材料と前記アニオンイオン交換材料とが、化学量論的に当量で存在する、請求項23に記載の溶液。
  25. 非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項22に記載の溶液。
  26. 前記非イオン性界面活性剤が、取り込まれていないダイターミネーターの、DNA配列決定反応物からの除去を促進するように適合されている、請求項25に記載の溶液。
  27. 前記非イオン性界面活性剤が、加熱することなく活性化可能である、請求項26に記載の溶液。
  28. 請求項1〜27のいずれかに記載の粒子または溶液を使用するための方法であって、該方法は、以下:
    複数の粒子を提供する工程;および
    PCR反応生成物を接触させて、dsDNAフラグメントを分離する工程、またはDNA配列決定反応生成物を接触させて、色素標識化ssDNAフラグメントを分離する工程
    を包含する、方法。
  29. 前記複数の粒子を単離する工程をさらに包含する、請求項28に記載の方法。
  30. 単離する工程が、前記複数の粒子に力を適用する工程を包含する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記力が、遠心力、重力、磁力、および浮力のうちの少なくとも1つを包含する、請求項30に記載の方法。
  32. 前記複数の粒子が第一の体積を含み、前記PCR反応生成物またはDNA配列決定反応生成物が第二の体積を含み、そして該第一の体積が該第二の体積以上である、請求項28に記載の方法。
  33. 前記複数の粒子を固定位置に配置する工程をさらに包含する、請求項28に記載の方法。
  34. 前記固定位置が、カラムまたはコーティングである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記溶液から、キャピラリー電気泳動のためにサンプルをローディングする工程をさらに包含する、請求項28〜34に記載の方法。
  36. 前記サンプルをローディングする工程が、サンプル注入位置を変更する工程を包含する、請求項35に記載の方法。
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