JP2008536478A - 高分子電解質被覆イオン交換粒子 - Google Patents

高分子電解質被覆イオン交換粒子 Download PDF

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オールドリッチ エヌ.ケー. ラウ,
ベン エフ. ジョンソン,
ギルバート ピー. アンパロ,
フランク ダブリュー. マーサー,
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アプレラ コーポレイション
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Abstract

PCR反応産物及び/又はDNA塩基配列決定反応産物を精製するための方法及びそのような精製のための材料。様々な実施形態によれば、本発明の教示は、イオン交換材料を含むコア及び高分子電解質材料を含むコーティングを含有する粒子を提供し、このコアとこのコーティングがPCR反応産物を分離するように適合されている。様々な実施形態によれば、本発明の教示は、PCR反応産物を精製するための方法を提供し、この方法は、各々がイオン交換のためのコア及び高分子電解質のコーティングを含む複数の粒子を提供する工程、及びdsDNAフラグメントを分離するためにPCR反応産物に接触させる工程を包含する。

Description

(分野)
本教示は、イオン交換手法を使用することによって試料をろ過及び/又は精製するための装置及び方法に関する。
(背景)
例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又は配列決定反応から得られる反応産物の精製は、その後の下流のプロセスのために多くの課題を提示し得る。不純物はその後のプロセス工程でアーティファクトを生じさせることがある。アーティファクトを排除するための数多くの精製工程は面倒であり、非効率的であり得る。プライマー、組み込まれなかったヌクレオチド、プライマーダイマー、小さなDNAフラグメントを捕獲すること、及び一部の場合にはPCR産物を脱塩することが望ましくあり得る。プライマー、色素標識プライマー、ヌクレオチド、色素標識ヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド及び色素標識ジデオキシヌクレオチドを捕獲すること及びDNA塩基配列決定反応産物を脱塩することが望ましくあり得る。従来の精製手法に付随するこれらや他の問題に対処する分離が求められている。
(要旨)
様々な実施形態によれば、本発明の教示は、イオン交換材料を含むコア及び高分子電解質材料を含むコーティングを含有する粒子を提供し、このコアとこのコーティングがPCR反応産物を分離するように適合されている。様々な実施形態によれば、本発明の教示は、PCR反応産物を精製するための方法を提供し、この方法は、各々がイオン交換のためのコア及び高分子電解質のコーティングを含む複数の粒子を提供する工程、及びdsDNAフラグメントを分離するためにPCR反応産物に接触させる工程を包含する。
様々な実施形態によれば、本発明の教示は、イオン交換材料を含むコア及び高分子電解質材料を含むコーティングを含有する粒子を提供し、このコアとこのコーティングはDNA塩基配列決定反応産物を分離するように適合されている。様々な実施形態によれば、本発明の教示は、DNA塩基配列決定反応産物を精製するための方法を提供し、この方法は、各々がイオン交換のためのコア及び高分子電解質のコーティングを含む複数の粒子を提供する工程、及び色素標識ssDNAフラグメントを分離するためにDNA塩基配列決定反応産物に接触させる工程を包含する。
様々な実施形態によれば、本発明の教示は、粒子を形成するための方法を提供し、この方法は、PCR反応産物及びDNA塩基配列決定反応産物の少なくとも1つを分離するのに適合するコア材料及び高分子電解質材料を選択する工程、イオン交換材料を含むコアを提供する工程、及びコアを高分子電解質材料で被覆する工程を包含する。様々な実施形態によれば、本発明の教示は、高分子電解質材料を含有する組成物を提供し、この高分子電解質材料は、イオン交換材料を被覆すること及び少なくとも1つのPCR反応産物又はDNA塩基配列決定反応産物の分離を提供するように適合されている。様々な実施形態によれば、本発明の教示は、生物学的分離のためのシステムを提供し、このシステムは高分子電解質材料を含み、この高分子電解質材料は、イオン交換材料を被覆すること及び少なくとも1つのPCR反応産物又はDNA塩基配列決定反応産物の分離のためのふるいを提供するように適合されている。
様々な実施形態の付加的な特徴及び利点は、一部は以下の説明の中で述べられ、また一部は説明から明白であり、又は様々な実施形態の実施によって確認され得る。様々な実施形態の目的及び他の利点は、本明細書の説明および添付の特許請求の範囲において特に指摘される要素及び組み合わせによって理解され、達成される。
図面が一定の縮尺で描かれていないことは了解されるべきである。さらに、図面中の物体の間の関係は縮尺どおりではないことがあり、実際には大きさに関して逆の関係を有することがあり得る。図面は、理解を助け、示されている各々の物体の構造を明らかにすることを意図されており、それ故構造の特定の特徴を示すために一部の特徴が誇張されていることがある。
上記の一般的説明及び以下の詳細な説明は単なる例示及び説明であり、本発明の教示の様々な実施形態の説明を与えることを意図されていることは了解されるべきである。
(様々な実施形態の詳細な説明)
本明細書で使用される各項の見出しは、単に構成上の目的のためであり、述べられている主題を限定するものと解釈されるべきではない。特許、特許出願、記事、書籍及び論文を含むが、これらに限定されない、本出願の中で引用される全ての資料は、任意の目的のために、それらの全体が明白に参考として本明細書に援用される。
本明細書で使用される「粒子」という用語は、被覆することができる液体、固体及び/又は気体のイオン交換材料を指す。コーティングは、粒子の外側表面全体又はその実質的な部分を覆うことができる。コーティングは、粒子の内側表面の部分を被覆することができる。コーティングは、永続的に粒子を被覆するように不可逆性であり得るか又はコーティングの溶解時に粒子を放出するように可逆性であり得る。粒子は、単一材料又は、例えば融解、焼結、圧締、圧縮、相分離、沈殿、凝集及び合着によって製造され得るか、又はさもなければ相互に形成され得る材料の凝集体であり得る。粒子は、球状、楕円状、三角形又は円筒状等のような規則正しいか、又は不規則ないかなる形状も有し得る。
本明細書で使用される「材料」という用語は、分子レベル又はバルクのいかなる物質も指し、液体及び/又は固体、例えば乳剤又は樹脂であり得る。
本明細書で使用される「細孔径」という用語は、細孔径より大きい粒子は粒子の内部に入り込みにくいが、より小さな粒子は粒子の内部に入り込みやすいという指針を与える、平均測定値を指す。細孔に入ることが許容された又は細孔からそれた粒子が必ずしも正確に所与の「細孔径」ではないことは了解されるべきである。すなわち、細孔への侵入の許容又は細孔からの排除は、実際の細孔径(コアの各々の細孔は異なるサイズを有し得る)、立体障害因子、イオン引力、分極等を含む多くの因子に基づく。加えて、ミクロ細孔ゲル型イオン交換材料のような一部の粒子は、規定された細孔を持たない。粒子は、「サイズ排除限界を規定するためのゲルマトリックス内の分子間隔によって規定される細孔径」を有する。
本明細書で使用される「イオン交換」という用語は、イオン交換表面上で「結合」又は「捕獲」され得る各々の等しい電荷が、等しい電荷を適切な溶液中に放出する過程を指す。イオン交換コアからの対イオンのこの置換は、多数の対イオンを試料溶液中に放出することができる。イオン交換コアの選択性は、イオン交換コアの対イオンに対するよりも試料溶液から除去されるべきイオンに対してより大きい。対イオンとして同様の親和性のイオンは、イオン交換体に対するイオンの相対的親和性に基づき平衡分布を確立する。平衡は、溶液からのイオンの取り込みを与えることができるか又は与えることができない。対イオンは、塩化物、水酸化物、酢酸塩、ギ酸塩、臭化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩又は他の何らかの有機又は無機陰イオンを含むほとんどいかなるイオンでもあり得る。対イオンの選択は、除去されるべき溶液中のイオンの性質によって影響され得る。対イオンは、溶液中のイオンに比べてイオン交換コアに対して有意に低い親和性を有し、それ故溶液中のイオンとの交換を提供するように選択することができる。混床(mixed bed)で陽イオン交換樹脂を使用する中和は、溶液からのイオンの取り込みを促進することができる。これは、樹脂に対する陽イオンの親和性が対イオンに対する親和性より低い場合でも当てはまり得る。上記は陰イオン交換粒子の使用を説明しているが、本発明の教示は陽イオン交換粒子に関しても同様である。陽イオン交換粒子についての対イオンは、ヒドロニウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、又は他の何らかの有機又は無機陽イオンを含む。高分子電解質被覆イオン交換粒子はいかなるイオン形態でも製造することができる。
本明細書で使用される「混合物」という用語は、例えば充填カラム、混床、均一床、流動床、連続流を伴う静止カラム又はバッチ混合物において共に使用される2個以上の高分子電解質被覆粒子を指す。混合物は、高分子電解質被覆陽イオン交換粒子、高分子電解質被覆陰イオン交換粒子、非被覆陽イオン交換粒子、非被覆陰イオン交換粒子、不活性物質又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。混合物は、分離の技術分野において公知のいかなる物理的形状、及びイオン交換の技術分野において公知のいかなる化学的混合物も含み得る。混合物は、化学量論的に等しい量を含むいかなる割合でもあり得る。粒子の混合物は、溶液の脱塩によるサイズに基づく除去を提供し得る。一例は、ヒドロニウム形態の陽イオン交換粒子を含む混床における水酸化物形態の高分子電解質被覆イオン交換粒子である。粒子の混合物は、溶液を脱塩することなく小さなイオンのサイズに基づく除去を提供し得る。一例は、塩化物又は酢酸塩形態(又は水酸化物以外の他の何らかの陰イオン)で、陽イオン交換材料を含まない高分子電解質被覆イオン交換粒子である。高分子電解質被覆イオン交換粒子のために使用される対イオン形態の選択は、それらが実施される適用に基づき得る。
本明細書で使用される「コーティング」という用語及びその文法的変形は、粒子を覆う、同じ電荷を有する高分子電解質の単層未満、単層又は多層、又は反対の電荷を有する様々な高分子電解質の多層を指す。例えば無機緩衝イオン及びヌクレオチドのようなより小さな分子は、コーティングを通って侵入又は浸透することができ、粒子によって保持され得るか又は粒子とイオン交換され得る。コーティングは、例えば核酸のようなより大きな分子がコーティングを通って侵入又は浸透し、粒子と反応するのを妨げることができる。
本明細書で使用される「ポリマー」、「重合」、「重合する」、「架橋産物」、「架橋」、「架橋する」という用語及び他の同様の用語は、生じる産物が、例えば鎖状ポリマーと異なって、三次元構造を有する、重合の産物と方法、及び架橋の産物と方法の両方を含むことが意図されている。「ポリマー」という用語はまた、オリゴマー、ホモポリマー及びコポリマーを指す。重合は、熱によって、光化学的に、イオンによって、又はポリマー化学の当業者に公知の他の何らかの手段によって開始され得る。様々な実施形態によれば、重合は、縮合(又は段階)重合、開環重合、高エネルギー電子線開始重合、原子移動ラジカル付加(ATRA)重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合又は他の何らかのリビングフリーラジカル重合を含むフリーラジカル重合であり得る。
本明細書で使用される「(メト)アクリル」という接頭辞は、メタクリル及びアクリルを指す。例えばN−メチル(メト)アクリルアミドは、N−メチルメタクリルアミド及びN−メチルアクリルアミドを指し、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレートは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを指す。
本明細書で使用される「DNA」という用語は、RNA、PNA及び分子生物学の当業者に了解される他のものを含む、何らかの核酸を指す。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は、例えば生体分子の分離におけるような多くの用途を有し得る。様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は、大きな分子が粒子のイオン交換活性部位と相互作用する能力を制限することによって生体分子の分離を提供することができる。高分子電解質被覆粒子に入り込むことができる低分子は、イオン交換活性部位と相互作用することができ、それらの部位に保持され得る。より大きな、高い電荷を有する種は、コーティングによって又はコア粒子の細孔径によってイオン交換コアと相互作用することを制限され得る。そのような大型の高い電荷を有する種は、イオン交換粒子に結合せずに溶液中にとどまり得る。溶液中に残存するより大型の種を分離することができる。より大きな分子はコーティング上に固定化されない。様々な実施形態によれば、低分子は、高分子電解質被覆粒子から溶出され得る。様々な実施形態によれば、大型分子は、一本鎖DNA(ssDNA)フラグメント及び二本鎖DNA(dsDNA)フラグメントを含み得、低分子は、ヌクレオチド、ssDNAの短いフラグメント、dsDNAの短いフラグメント、及び塩化物、酢酸塩及び界面活性剤などの小さなイオンを含み得る。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は、イオン交換コアを過剰の高分子電解質に暴露することによって提供され得る。コア表面は高分子電解質で被覆され得る。高分子電解質は、DNAのような天然に存在するバイオポリマーを含む生体高分子、又は本明細書で記載される合成ポリマーであり得る。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は、イオン交換コアを、コアの電荷と反対の電荷を含む高分子電解質に暴露することによって提供され得る。最初の高分子電解質の被覆後、被覆した粒子を、最初の高分子電解質の電荷と反対の電荷を含むもう1つ別の高分子電解質に暴露する。交互に多価陰イオンと多価陽イオンから成る多数の層を有する高分子電解質被覆粒子を提供するために被覆工程を反復することができる。
様々な実施形態によれば、高分子電解質を含むコーティングは、サイズふるい作用によってコアと、ssDNAを含む大型分子との相互作用を低下させることができる。コーティングはイオン交換コアの外側表面を覆うことができ、表面と大型分子との相互作用を低下させ得る。コーティングは、コア粒子の内側への大型分子の侵入を低下させるサイズ排除障壁(size−exclusion barrier)を創造し得る。高分子電解質の化学的性質が、高分子電解質被覆粒子が示すふるい特性を決定し得る。電荷、電荷密度、疎水性、立体規則性、可撓性、コポリマー及びターポリマーにおいて使用されるモノマー単位の比率、及び分子量などの高分子電解質の性質は全て、所望のふるい特性を与えるために改変することができる。様々な実施形態によれば、高分子電解質コーティングは、所望の物理的性質及びサイズ排除特性を得るためにその後の工程で架橋することができる。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は、イオン交換コアの固有の多孔性を利用することによってサイズ排除イオン交換体として機能することができる。イオン交換コアは、5オングストローム(ミクロ細孔)及び1000オングストローム以上(マクロ細孔)などの多種多様な細孔径で得ることができる。イオン交換コアは、適用の必要条件に基づき所望のサイズの分子を排除するように、細孔径に基づいて選択することができる。様々な実施形態によれば、高分子電解質コーティングは、イオン交換コアの細孔から排除されるのに十分なほど大きく、それによって細孔の内部のコーティングを実質的に低くしながら外側表面を被覆することができる。高分子電解質コーティングは、表面イオン交換部位の実質的な量をブロックすることによってイオン交換コアの表面とssDNAなどの大型分子との相互作用を低下させることができる。イオン交換コアビーズの細孔径は、コアの細孔へのssDNAなどの大型分子の侵入及びコアのイオン交換部位との相互作用を低下させるのに十分なほど小さい。様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子が有意に少ないdsDNAなどの大型分子を保持するように、表面イオン交換部位を実質的にブロックし、内側のイオン交換部位をよりアクセス困難にすることができる。これに対し、塩化物、酢酸塩、リン酸塩、ピロリン酸塩、低分子オリゴヌクレオチド及びヌクレオチドなどのより小さなイオンは、イオン交換コアの細孔に入り込み、内部のイオン交換部位と相互作用することができる。コーティングは、表面部位が高分子電解質コーティングによって占められているので、表面イオン交換部位と、大型分子のような小さなイオンとの相互作用を低下させることができる。そのような高分子電解質被覆粒子の生じるイオン交換能力(小さなイオンについての)は、コアの表面の能力を差し引いた裸のイオン交換コアの作業能力に等しい。粒子の内部細孔は、表面イオン交換部位が高分子電解質コーティングによって占められた後、高分子電解質被覆粒子の実質的なイオン交換能力を提供する。
様々な実施形態によれば、コーティングは、コーティングが等価(equivalent)単層未満から多層までの厚さを有するようにイオン交換コア上に形成され得る。コーティングの厚さはイオン交換コアの表面上にわたって異なり得るか、又はコーティングの厚さはイオン交換コアの表面全体にわたって均一であり得る。様々な実施形態によれば、コーティングは、イオン交換コアを少なくとも部分的に覆い得る。コーティング材料は、イオン交換コアの1以上の細孔又は表面特徴、例えば細孔、亀裂、間隙、くぼみ、流路、穴、陥凹又は溝を少なくとも部分的に充填し得る。例えばイオン交換コアは、コーティングを形成するのに適した高分子電解質で全ての内側及び外側表面を被覆することができる。
様々な実施形態によれば、図1は、生体高分子300から成る高分子電解質層20で被覆された細孔32を有するイオン交換コア12を含み得る高分子電解質被覆粒子30を示す。図2は、合成ポリマー310から成る高分子電解質層20で被覆された細孔32を有するイオン交換コア12を含み得る高分子電解質被覆粒子30を示す。小さなイオン粒子(示していない)は、陰イオン交換コアの場合、篩過して及び/又は細孔32に入って、正電荷に例示されるイオン交換部位に結合することができる。高分子電解質コーティングは、イオン交換コアに結合する、大きなssDNAフラグメントに例示される大型分子の量を実質的に減少させることができる。
様々な実施形態によれば、イオン交換コアは陰イオン性又は陽イオン性材料であり得る。イオン交換コアは、ポリマー、架橋ポリマー又は無機材料、例えばシリカであり得る。イオン交換コアは、イオン交換することができる固体コア材料、又はイオン交換樹脂で処理される固体コア材料であり得る。イオン交換コアは表面活性化され得る。イオン交換コアは、非磁性、常磁性又は磁性であり得る。例示的なイオン交換コア材料は、以下に列挙するものを含む。
様々な実施形態によれば、コアのためのイオン交換材料は、Macro−Prep High Q、Macro−Prep 25Q、Aminex A−27、AG 1−X2、AG 1−X4、AG 1−X8及びAG 2−X8(Bio−Rad,Hercules,CA,USA)、Chromalite 30 SBG(Purolite Company,Bala Cynwyd,PA,USA)、POROS HQ 20(Applied Biosystems,Framingham,MA,USA)、CA08Y及びCA08S(Mitsubishi Chemical America,White Plains,NY,USA)、Powdex PAO(Graver Technologies,Glasgow,DE,USA)、Nucleosil SB(Alltech Associates,Inc.,Deerfield,IL,USA)、Fractogel TMAE(EM Science,Gibbstown,NJ,USA)、IE 1−X8(Spectrum Chromatography,Houston,TX,USA)、Super Q−650S(TosoHaas Bioscience,Montgomeryville,PA,USA)、TMAHP−100(Iontosorb AV, Czech Republic)、Chromalite 30 SBA(Purolite International Ltd.,UK)及びANEX−QS(Transgenomic,Inc.,San Jose,CA,USA)などの陰イオン交換樹脂を含み得る。様々な実施形態によれば、コア材料は、PMMA、PS−DVB、シリカ及び/又はセルロースを含み得る。様々な実施形態によれば、イオン交換コアは、Chromalite 30 SAG(Purolite International Ltd.,UK)、AG 50WX8及びMacro−Prep High S(Bio−Rad,Hercules,CA,USA)を含む陰イオン交換樹脂に関するものと同様の製造者によって提供される陽イオン交換樹脂を含み得る。イオン交換コアとして使用できる他の陽イオン及び陰イオン樹脂は、イオン交換樹脂の当業者には明白である。
イオン交換コアが、イオン交換することができる固体コア材料を含む様々な実施形態によれば、固体コア材料は、マクロ細孔シリカ、細孔性ガラス(CPG)、内部細孔を有するマクロ細孔性ポリマーミクロスフェア、イオン交換分離の当業者に公知の他の細孔性材料、又はそれらの組み合わせであり得る。固体コア材料は、例えば細孔、亀裂、間隙、くぼみ、流路、穴、陥凹又は溝を含む、様々な表面特徴を有し得る。固体コア材料は、酸化ナトリウム、二酸化ケイ素、ホウ酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせを含み得る。固体コア材料は、イオン交換できるように表面活性化され得、例えば陽イオン交換又は陰イオン交換できるように改変され得る。固体コア材料の改変は、固体コア材料の表面で陽イオン性又は陰イオン性置換基を形成するための固体コア材料の処理を含み得る。本明細書で使用される、「表面」という用語は、外側表面及び/又は内側表面を含み得る。内側表面は、例えば固体コア材料内の空隙又は細孔の表面であり得る。固体コア材料は、固体コア材料の表面で、四級化官能基、カルボン酸基、スルホン酸基、イオン交換分離の当業者に公知の他の陽イオン性又は陰イオン性官能基、又はそれらの組み合わせの1以上を含むように表面活性化され得る。
様々な実施形態によれば、バイオポリマー高分子電解質は、DNAのような天然に存在する生体高分子であり得る。天然に存在するDNAの例は、断片化したサケ精子DNA、プラスミドDNA、プラスミドDNAの制限消化物、ニシン精子DNA、仔ウシ胸腺DNA、及び他の天然由来のDNAを含む。商業的に購入されるDNAの一例は、断片化サケ精子DNA(Eppendorf AG,Hamburg,Germany)である。様々な実施形態によれば、コーティング中の高分子電解質として使用できる天然に存在する生体高分子DNAは、その供給源が生物学的反応に供された試料ではないことを指示するために非試料DNAとして区別される。
様々な実施形態によれば、イオン交換コアは、合成ポリマー高分子電解質で被覆することができる。様々な実施形態によれば、イオン交換コアは、水溶性又は少なくともわずかに水溶性の多価陰イオンで被覆できる。様々な実施形態によれば、陰イオン性官能基を含む多価陰イオンはコーティングのために使用することができる。陰イオン性官能基は、カルボン酸基、ホウ酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、リン酸基又はリン基、又はそれらの組み合わせを含み得る。無機酸官能基を含む多価陰イオンも使用できる。様々な実施形態によれば、水溶性又は少なくともわずかに水溶性の多価陰イオンは、水溶性、少なくともわずかに水溶性又は水不溶性のコモノマーと、酸又はフェノール含有モノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フェノール基を与えるように加水分解され得る4−アセトキシスチレン、4−スチレンスルホン酸、スチリル酢酸又はマレイン酸無水物との共重合によって作製することができる。様々な実施形態によれば、合成ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー又はもう1つ別のポリマーであり得る。
様々な実施形態によれば、合成ポリマーは、以下を含むモノマーを含み得る:(メト)アクリルアミド、N−メチル(メチル)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メチル)アクリルアミド、N−エチル(メト)アクリルアミド、N−n−プロピル(メト)アクリルアミド、N−イソ−プロピル(メト)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メト)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メト)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メト)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メチル)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、重合後ビニルアルコールを与えるように加水分解され得るビニルアセテート、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メト)アクリレート、N−ビニルピロリドン、ポリ(エチレンオキシド)(メト)アクリレート、N−(メト)アクリルオキシスクシンイミド、ポリアネトールスルホネートN−(メト)アクリロイルモルホリン、N−2,2,2−トリフルオロエチル(メト)アクリルアミド、N−アセチル(メト)アクリルアミド、N−アミド(メト)アクリルアミド、N−アセトアミド(メト)アクリルアミド、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メト)アクリルアミド、N−(メチル)アクリロイルトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミド、(メチル)アクリロイル尿素、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、又はそれらの組み合わせ。様々な実施形態によれば、合成ポリマー高分子電解質は、ポリ(アクリル酸−コ−N,N−ジメチルアクリルアミド)又はポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−コ−スチレンスルホン酸)であり得る。
様々な実施形態によれば、イオン交換コアは、水溶性又は少なくともわずかに水溶性の多価陽イオンで被覆することができる。様々な実施形態によれば、陽イオン性官能基を含む多価陽イオンはコーティングのために使用できる。陽イオン性官能基は、プロトン化第一級、第二級及び第三級アミンを含み得る。様々な実施形態によれば、水溶性又は少なくともわずかに水溶性の多価陽イオンは、水溶性、少なくともわずかに水溶性又は水不溶性のコモノマーと、正電荷を有するモノマーとの共重合によって作製することができる。多価陽イオンの例は、アリルアミンヒドロクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミドヒドロクロリド及びアミノ基を与えるように加水分解され得るN−ビニルアミドを含み得る。様々な実施形態によれば、合成ポリマーは、ポリ(N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド−コ−N,N−ジメチルアクリルアミド)であり得る。
様々な実施形態によれば、図2aは、列挙する合成ポリマーについてのモノマーサブユニットを示す。略語は、アクリル酸(AA)、アクリルアミド(AAm)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、(ポリエチレンオキシド)モノアクリレート(PEOアクリレート)及びビニルスルホン酸(VSA)を含む。様々な実施形態によれば、合成ポリマーの製造は、50キロダルトンから15.0メガダルトンまで、又は200キロダルトンから4.0メガダルトンまで、又は500キロダルトンから3.0メガダルトンまでの範囲の重量平均分子量(M)を提供することができる。様々な実施形態によれば、負電荷又は正電荷を有するコモノマーのモル百分率は、0.01%〜100%、又は0.1%〜20.0%、又は1.0%〜10.0%を提供し得る。
様々な実施形態によれば、他の合成ポリマーは、スチレンスルホン酸のホモポリマー、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、4−アセトキシスチレン(4−ヒドロキシスチレンの前駆体)及びビニルホスホン酸のホモポリマー及びコポリマーを含み得る。様々な実施形態によれば、他の合成ポリマーは、アリルアミンヒドロクロリド、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミドヒドロクロリドのホモポリマー及びコポリマーを含み得る。コモノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、その後の工程でビニルアルコールに変換され得るビニルアセテート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート及びビニルメチルエーテルを含み得る。
様々な実施形態によれば、高分子電解質は、ポリ(スチレンリン酸)、ポリ(リン酸)、マレイン酸のホモポリマー及びコポリマー、それらの誘導体等、フマル酸のホモポリマー及びコポリマー、それらの誘導体等のような多価陰イオン、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(ガラクトロン酸)、ポリ(グルタミン酸)などのペプチド型合成多価陰イオン、ポリ(アデニル酸)、ポリ(イノシン酸)、ポリ(ウリジル酸)などの核酸型合成多価陰イオン、及び多糖類のような天然多価陰イオンを含み得る。
様々な実施形態によれば、イオン交換コアは、高分子電解質の多層で被覆することができる。高分子電解質層は、多価陰イオンと多価陽イオンの交互の層を含み得る。そのような交互の層は、強度耐久性及びコーティングの透過率を調節するための手段を提供し得る。多層構造体の最も外側の高分子電解質が負に荷電していれば、DNAフラグメントはその溶液から固定化されない。例えば塩化物及びプライマーのような小さな陰イオンは、多層構造を貫通又は透過してコアに結合することができる。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は混合物として提供され得る。混合物は床又はカラムに組み込むことができる。様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子はバルク様式で提供され得る。高分子電解質被覆粒子の十分に形成されたクロマトグラフィー床は必ずしも必要ではない。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は装置中で提供され得る。装置は、1以上の経路を有する微小流動装置であり得、少なくとも1つの経路の少なくとも一部が高分子電解質被覆粒子を含む。装置は、高分子電解質被覆粒子と流体の交通がある入口と出口を有し得る。粒子は、例えばカラムに存在し得る。本明細書で使用されるカラムは、水平又は垂直方向であるか、又は水平と垂直方向の間のいかなる位置でもあり得る。カラムは、空洞、チャンバー、レザーバー、ウエル、反応領域、床、凹所、又は高分子電解質被覆粒子と反応産物とを含む又は保持するのに適した他の容器などの容器を含み得る。カラムは複数の高分子電解質被覆粒子を含み得る。装置の出口は、精製試料ウエル、チューブ、ガラスプレート又は精製試料を収集するための別の手段などの容器と流体の交通があり得る。様々な実施形態によれば、複数の高分子電解質被覆粒子は混合物であり得る。
様々な実施形態によれば、反応産物を分離するために装置が提供され得る。装置は高分子電解質被覆粒子の混合物を含み得る。その方法は、粒子を装置のカラムに添加することを含み得る。反応産物は、装置の入口に置かれるか又は入口へと導入され得る。反応産物は、入口から、高分子電解質被覆粒子と任意の添加材料を含むカラムを通って移動し得る。試料は、反応産物のろ過及び/又は精製を生じさせるサイズ排除分離とイオン交換の組み合わせに供され得る。ろ過及び/又は精製された溶液は、出口を通ってカラムから溶出又は除去され、分析及び/又はさらなるプロセスのために容器へと導かれ得る。反応産物は、求心力によってカラムを通って移動し得る。様々な実施形態によれば、複数の高分子電解質被覆粒子をバルクの反応産物と混合することができる。複数の高分子電解質被覆粒子は第一容積を形成し、反応産物が第二容積を形成し、第一容積は第二容積より小さいか又は等しい。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子を用いる反応産物の分離は、反応産物の少なくとも80%、少なくとも90%又は少なくとも95%のイオン交換のような、適切なイオン交換能力を提供するために十分な高分子電解質被覆粒子の容積を使用して達成され得る。分離は10分以内、5分以内、又は2分以内で起こり得る。分離は、高分子電解質被覆粒子が反応産物とイオン交換するのに十分な期間、反応産物を高分子電解質被覆粒子と接触させること、及び精製反応産物を高分子電解質被覆粒子から除去することを含み得る。
様々な実施形態によれば、精製反応産物を粒子から分離することは、精製反応産物を高分子電解質被覆粒子から除去すること、精製反応産物から粒子を除去すること、及び/又は精製反応産物を粒子と精製反応産物の混合物から採集することを含み得る。精製反応産物を粒子と精製反応産物の混合物から採集することの一例は、キャピラリーを直接試験管内に浸し、さらなる分析のための装置に注入することにより、試験管内の産物を分析することを含み得る。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子のための分離は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物の分離、DNA塩基配列決定反応混合物の分離、及びRNAの精製を含み得る。高分子電解質被覆粒子はまた、例えばオリゴヌクレオチド、リガーゼ連鎖反応産物、タンパク質、抗体結合反応産物、オリゴヌクレオチド連結反応アッセイ産物、ハイブリダイゼーション産物及び抗体の精製及び/又は分離のために使用できる。高分子電解質被覆粒子はまた、生物学的産物又は反応混合物の脱塩のためにも使用できる。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子の選択性は以下の判定基準の少なくとも1つに依存し得る:(1)コーティング中の高分子電解質の分子量、(2)コーティング中の高分子電解質の荷電官能基の化学的性質及び電荷密度又は電荷のモルパーセント、(3)イオン交換コアの細孔径、(4)コーティングポリマーのコモノマーの性質、及び(5)ポリマー中の様々なコモノマーの比率。各々の分離は、上記判定基準の少なくとも1つに関して種々の望ましい特徴を提供し得る。
様々な実施形態によれば、PCR産物は、下流の分析に干渉し得る物質を含む。PCR産物は、増幅された標的配列(アンプリコン)、緩衝塩、界面活性剤、金属イオン、酵素(例えばポリメラーゼ)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプライマー、及び溶液中の他の成分を含み得る。様々な実施形態によれば、二本鎖DNA(dsDNA)の標的配列は、他のPCR産物の少なくとも一部に感受性であり得るその後の酵素反応において分析又は使用することができる。例えば遊離ヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドプライマーは、下流の酵素反応に干渉し得る。様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプライマー及び緩衝塩をdsDNAの標的配列から分離することができる。生じる溶液は、脱塩環境中に精製PCR産物を含み得、それは下流の反応及び分析において使用できる。
様々な実施形態によれば、PCR精製は、より大きな二本鎖DNA(dsDNA)を、より小さなssDNA及びdsDNA(例えばプライマーダイマー、dsDNAである望ましくない副反応産物又は他の非特異的に増幅されたフラグメント)、遊離ヌクレオチド、及び塩から分離することを対象とし得る。様々な実施形態によれば、除去のためのPCR産物は、ヌクレオチド、ssDNAの45ヌクレオチドを有するプライマー、dsDNAの60bpを有するプライマーダイマー、及び200bpより小さいdsDNAフラグメントを含む。様々な実施形態によれば、プライマー、プライマーダイマー及び100bpより小さいDNAフラグメントを高分子電解質被覆粒子によって捕獲することができる。様々な実施形態によれば、プライマー、プライマーダイマー及び300bpより小さいDNAフラグメントを高分子電解質被覆粒子によって捕獲することができる。
様々な実施形態によれば、他のPCR産物からのより大きなdsDNAの分離は、脱塩を含み得る。様々な実施形態によれば、他のPCR産物からのより大きなdsDNAの分離は、脱塩を含まない。脱塩が、より大きなdsDNA PCR産物の分離及び検出などの下流のプロセスに干渉し得る状況が存在する。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は、PCRの終結及び精製の前のPCR反応物と同じPCR条件に供することができる。高分子電解質被覆粒子は、65〜95℃の温度サイクリングに供することができる。高分子電解質被覆粒子は、PCR及びその後の精製を提供する装置に組み込むことができる。
様々な実施形態によれば、100オングストローム〜2000オングストロームの範囲の細孔径を有し、1.0メガダルトン〜3.0メガダルトンの範囲のMの高分子電解質で被覆されたイオン交換コアは、PCR精製を提供する。様々な実施形態によれば、1000オングストロームの細孔径を有し、1.7メガダルトン〜2.6メガダルトンのMの高分子電解質で被覆されたイオン交換コアは、PCR精製を提供する。
様々な実施形態によれば、DNA塩基配列決定反応産物は、下流の分析に干渉し得る物質を含み得る。精製された配列決定反応産物の分離の質は、以下の判定基準の少なくとも1つを分析することによって評価できる:(1)配列データの上に重なる広いピークとして現われる残留色素アーティファクト(「ブロブ(blob)」)、(2)大型又は小型フラグメントの間のピーク強度の均衡、及び(3)配列決定反応産物の脱塩。
様々な実施形態によれば、DNA塩基配列決定反応産物は、色素標識標的配列(「配列決定ラダー」)、緩衝塩、リン酸及びピロリン酸イオン、金属イオン、酵素(例えばポリメラーゼ)、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドプライマー、色素標識オリゴヌクレオチドプライマー、及び残留する、組み込まれなかった色素標識ジデオキシヌクレオチド(「色素ターミネーター」)などの他の成分を含み得る。様々な実施形態によれば、色素標識標的配列は、DNA塩基配列決定(「ベースコーリング」)において誤差を引き起こし得る「ブロブ」を生じさせる他の配列決定反応産物の少なくとも一部に感受性であり得る電気泳動分析及び「ベースコーリング」に供することができる。様々な実施形態によれば、キャピラリーシーケンサーは、配列決定反応産物を電気泳動分離のためのキャピラリーに導入するために界面動電注入を使用することができる。配列決定反応産物中の塩の存在はキャピラリーへの導入に影響を及ぼすことがあり、塩濃度の低下はキャピラリーへの注入を増強し得る。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子は、配列決定反応産物から「ブロブ」を生じる物質を除去し、配列決定反応産物を脱塩することができる。様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆粒子で精製された配列決定反応産物は、100μMに等しい又はそれ以下、又は50μMに等しい又はそれ以下の塩濃度を有し得る。高分子電解質被覆粒子によって精製された試料溶液は、界面動電キャピラリー注入に適し得る。これらや他の目的のために、高分子電解質被覆粒子は、例えば10ヌクレオチドssDNA未満のサイズ排除限界を有することができ、溶液中にssDNAを遊離させたまま、試料溶液から塩及び色素標識プライマーなどの小さなイオンを除去することができる。高分子電解質被覆粒子を用いた配列決定反応物精製は、例えば10ヌクレオチド〜1500ヌクレオチド以上の大きさを有するssDNAを、例えば色素標識プライマー及び塩などのより小さな成分から分離するために使用できる。
様々な実施形態によれば、DNA配列決定反応産物の分離は、45ヌクレオチドより長い色素標識ssDNAフラグメントを実質的に排除することによって色素標識ssDNA標的からプライマー、色素標識プライマー及び塩を分離することを含み得る。
様々な実施形態によれば、配列決定反応物試料の精製は、色素標識ジデオキシヌクレオチド及び塩を、コーティングを通過させ、イオン交換コアと反応させることによって配列決定反応産物から除去することができ、事前にろ過した量に比べて70%以上、80%以上、90%以上、又は95%以上の量のssDNAの量を含む精製試料を残す。
様々な実施形態によれば、5オングストローム〜1000オングストロームの範囲の細孔径を有し、1000ダルトン〜6.0メガダルトンの範囲のMの高分子電解質で被覆されたイオン交換コアは、配列決定反応物精製を提供する。様々な実施形態によれば、10オングストローム〜50オングストロームの細孔径を有し、2.4メガダルトン〜4.9メガダルトンのMの高分子電解質で被覆されたイオン交換コアは、配列決定反応物精製を提供する。
様々な実施形態によれば、DNA塩基配列決定反応産物を精製するための方法は、複数の高分子電解質被覆粒子を提供すること、及び色素標識ssDNAフラグメントを分離するためにDNA塩基配列決定反応産物に接触させることを含み得る。前記方法は、配列決定分析においてブロブを生じさせ得る色素標識プライマーなどの残留色素アーティファクトを除去することを含み得る。前記方法は、色素標識ssDNAフラグメントの長さを維持することを含み得る。
生体高分子による粒子の被覆:
イオン交換樹脂を、樹脂100μL容量を1M塩、酸又は塩基溶液1000μLで洗浄することによってイオン交換体に変換した。混合物を5分間ボルテックスし、遠心分離機で沈殿させた。上清を取り、塩、酸又は塩基溶液の別の1000μLアリコートを添加した。これを3回反復した。次にイオン交換コアを、DI水の1000μLアリコートを用いて5回洗浄し、遠心した。
イオン交換コアを、1mg/mL断片化サケ精子DNA(Eppendorf AG,Hamburg,Germany)の100μLアリコートで反復洗浄することによってDNAで被覆した。被覆は、樹脂100μL容量を1mg/mL断片化サケ精子DNA 100μLで洗浄することによって実施した。混合物を5分間ボルテックスし、遠心分離機で沈殿させた。上清を取り、1mg/mL断片化サケ精子DNAの別の100μLアリコートを添加した。これを2回反復した。次にSEIE粒子を、DI水の1000μLアリコートを用いて3回洗浄し、遠心した。
合成ポリマーによる粒子の被覆:
粒子を被覆するためのポリ(AA−コ−DMA)高分子電解質を、過硫酸アンモニウムを開始剤として、及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを触媒として使用して、45℃で15時間、アクリル酸0.32g(4.44mmol)とDI水200mL中のN,N−ジメチルアクリルアミド8.04g(81.07mmol)のフリーラジカル重合によって提供した。生じたポリマーを透析(50K MWCO)及び凍結乾燥によって精製して、ポリマー7.70g(92%収率)を得た;M=3.40MDa、Mn=2.67MDa。
被覆の前に、陰イオン交換樹脂を、先の実施例と同じようにして最初に水酸化物陰イオン交換コアに変換した。DI水の1000μLアリコートを、塩化物形態の陰イオン交換コア0.20〜0.25mL容量に添加した。混合物を2分間ボルテックスし、遠心分離機で沈殿させた。上清を取り、このDI水洗浄を2回反復した。2.0M水酸化アンモニウム(ammonium hydroxide)の1000μLアリコートを洗浄した樹脂に添加した。混合物を2分間ボルテックスし、周囲温度で5分間放置して、1分間ボルテックスし、遠心分離機で沈殿させた。上清を取り、この水酸化アンモニウム洗浄を2回反復した。DI水の1000μLアリコートをイオン交換粒子のペレットに添加し、1分間ボルテックスして、遠心分離機で沈殿させ、上清を除去した。この最終的なDI水洗浄をもう一度反復した。樹脂を、スナップキャップポリプロピレンマイクロ遠心チューブにおいてDI水500μLに再分散し、使用まで冷蔵庫で保存した。
湿潤陰イオン交換樹脂15〜20μLを含む1.5mLマイクロ遠心チューブに、ポリマー溶液(脱イオン水中0.5重量%溶液)1.0mLを添加した。それを1分間ボルテックスし、周囲温度で5分間放置して、さらに1分間ボルテックスし、遠心分離機で沈殿させて、上清を除去した。ポリマー溶液被覆をもう一度反復した。次にペレットをDI水1mLで3回洗浄し、遠心分離機で沈殿させた。この最終洗浄樹脂をDI水500μLに再分散し、使用まで冷蔵庫で保存した。
あるいは、粒子を被覆するためのポリ(AA−コ−DMA)高分子電解質を、不活性雰囲気(超純粋窒素)下での重合によって提供した。2”Teflon攪拌刃、パージのためのガラス製ブリードチューブ及び水冷凝縮器を備えた500mL丸底三つ口フラスコに、Milli−Q水150.0mL、再蒸留したN,N−ジメチルアクリルアミド(Dajac)8.0160g(80.86mmol)、再蒸留したアクリル酸(Aldrich Chemical)0.3285g(4.56mmol)及び過硫酸アンモニウムの1.9972重量%水溶液0.8043gを入れた。この混合物を、200rpmの一定速度で攪拌しながら、150mL/分の超純粋窒素で60分間パージした。パージした溶液に、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(Aldrich Chemicalからの電気泳動試薬)80μLを添加した。混合物を50±1℃の油浴に入れ、200rpmで3時間半攪拌した。反応時間の終了時に、DI水50mLを添加し、5分間攪拌した。生じた無色透明の溶液を、DI水5ガロン中50K MWCO Spectra/Pro膜で4日間透析し、24時間ごとに2回水を交換した。透析した溶液を凍結乾燥して、コポリマー7.70g(92.0%収率)を得た。GPC/MALLSにより、分子量は2.4MDa Mw及び1.26MDa Mnと決定された。
生体高分子を含む高分子電解質被覆粒子によりDNA塩基配列決定反応物精製:
DNA塩基配列決定反応物精製のために、dRhodamine Terminator Ready Reaction Mix(Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)400μL、M13ユニバーサル逆方向プライマー(3.2pmol/μL)50μL、鋳型アンプリコン(約100ng/μL)25μL、及びDI水525μLを含む試料を調製した。この溶液を、20μL/穴の容量でサーマルサイクラープレートの穴に等しく分配した。混合物を25サイクルの加熱に供し、各々のサイクルは、95℃で10秒間の加熱、50℃で5秒間の加熱、及び60℃で120秒間の加熱を含んだ。
生体高分子を含む高分子電解質被覆粒子を提供するため、Aminex A−27、Bio−Rad AG 1−X8及びBio−Rad AG 2−X8の各々100μLを、上述したように水酸化物高分子電解質被覆粒子として調製した。樹脂を、上述したように1mg/mL断片化サケ精子DNAで被覆し、DI水で洗浄した。被覆した陰イオン交換粒子各々100μLを、上述したように水素型(hydrogen−form)高分子電解質被覆粒子として作製した、Chromalite 30 SAG 100μLと混合して、混合型イオン交換床を形成した。混床を、上述したように1mg/mL断片化サケ精子DNAで洗浄し、DI水で洗浄した。被覆した混床の各々2μLを、小さなMicroAmp(登録商標)チューブ(Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)に添加した。被覆していないAminex A−27及びChromalite 30 SAGから作製した混床を対照として調製した。
精製を実施するため、上述した配列決定反応物1μLを、DNA被覆混床イオン交換樹脂2μLを含む各々のMicroAmpチューブに添加した。チューブを5分間ボルテックスした後、DI水5μLを各々のチューブに添加し、ピペットで混合した。マイクロ遠心チューブを5000×gで遠心し、上清5μLを各々のチューブから取り、ABI Prism(登録商標)3100シーケンサーでの分析のために96穴プレートにピペットで入れた。試料を、36cmアレイ、POP6(登録商標)ポリマー(Applied Biosystems)及び標準配列決定モジュールを使用してABI Prism(登録商標)3100で分析した。
図3a〜3dは、この精製からの結果を示す。図3a〜3cは、生体高分子−高分子電解質被覆粒子が望ましい精製を提供したことを示す(図3aはDNA被覆Aminex A−27を示し、図3bはDNA被覆Bio−Rad AG1−X8を示し、及び図3cはDNA被覆Bio−Rad AG2−X8を示し、3つ全部が陽イオン−陰イオン混床である)。例えば色素ブロブ(残留色素標識ddNTP)の実質的な除去及び比較的高いシグナル強度は、試料の望ましい脱塩を示した。これに対し、図3dは、非被覆混床(Chromalite 30 SAGと混合したAminex A−2)が望ましい精製を提供しなかったことを示す。非被覆陰イオン交換樹脂での精製から予想されるようにDNAフラグメントの大部分の損失が認められた。
生体高分子を含む高分子電解質被覆粒子によるPCR反応物精製:
PCR反応物精製を明らかにするため、PCR産物を蛍光キャピラリーシーケンサーで分析できるように蛍光標識プライマーを用いて試料を作製した。PCRマスターミックス(Applied Biosystems)102μL、FAM標識正方向プライマー(20pmol/μL)4μL、逆方向プライマー(20pmol/μL)4μL、ヒトgDNA 20μL、CEPH 1347−02(50μg/μL)、及び脱イオン水(DI)70μLを含む溶液を調製した。この溶液を20μL/穴の容量でサーマルサイクラープレートの穴に等しく分配した。混合物を96℃で5分間加熱し、その後40サイクルの加熱に供した。各々のサイクルは96℃で30秒間、次に60℃で120秒間の加熱を含んだ。
先の実施例と同様に、生体高分子で被覆した粒子を提供した。精製を実施するため、上述した溶液1μLを、DNA被覆混床イオン交換樹脂2μLを含むMicroAmpチューブに添加した。チューブを5分間ボルテックスした後、DI水5μLをチューブに添加し、ピペットで混合した。このマイクロ遠心チューブを5000×gで遠心し、上清5μLを取って、脱イオンホルムアミド5μLに添加し、ABI Prism(登録商標)3100シーケンサーでの分析のために96穴プレートにピペットで入れた。試料を、36cmアレイ、POP6(登録商標)キャピラリー電気泳動ポリマー(Applied Biosystems)及び標準フラグメント分析モジュールを使用してABI Prism(登録商標)3100で分析した。
図4及び5は、GeneScan(登録商標)ソフトウエアを用いて分析したこの精製からの結果を示す。実験は、二本鎖DNAアンプリコンを保持しながら、550bpのPCR産物からの色素標識プライマーの大部分の除去を観察するために設計された。図4aは、精製前のPCR反応溶液を示す。図4bは、高分子電解質被覆粒子によって精製され、脱塩されたPCR反応溶液を示す。図4aは、プライマーによって生成された、330と表示される4000〜5000走査(scan)からのピークを示し、一方320と表示される、15,500走査でのピークは550bpアンプリコンによって生成された。PCRプライマーの存在は、しばしばPCR産物のその後の分析又はその後の反応に干渉し得る。PCR産物からのプライマーの除去は望ましいと考えられる。図4bは、PCR産物を、生体高分子を含む高分子電解質被覆粒子を用いて先の項で述べたように精製したときに生じるデータを示す。320と表示される550bpアンプリコンはまだ可視であるが、プライマーは検出可能量未満に低減した。
図5a及び5bは、330と表示される、PCRプライマーの領域に焦点を合わせた、図4a及び4bに示す電気泳動図の領域の拡大図である。精製工程後、但しABI Prism(登録商標)3100での分析に先立って、内部標準物質を注入溶液に添加した。内部標準物質である20nM濃度の合成ROX標識オリゴヌクレオチドは、2つの溶液からの相対注入効率を測定するために使用した。内部標準物質は両方の電気泳動図において認められ、340と表示されている。図5は、2つの溶液からの注入効率が同様であることを示す。ピーク高を正規化するために内部標準物質を使用して、プライマーの減少は100%であり、一方PCR産物の損失は22%である。この実施例は、高分子電解質被覆粒子との接触が、溶液中のPCR産物の78%を残しながら、PCR溶液からプライマーを実質的に減少させ得ることを示す。同じ溶液の非被覆イオン交換ビーズとの接触は、プライマーの大部分の損失並びに全てのPCR産物の損失を生じさせた(図示せず)。
合成ポリマーを含む高分子電解質被覆粒子によるDNA塩基配列決定反応物精製:
DNA塩基配列決定反応物精製のために、配列決定反応産物を蛍光キャピラリーシーケンサーで分析できるように蛍光標識プライマーを用いて試料を作製した。dRhodamine Terminator Ready Reaction Mix(Applied Biosystems,Foster City,California)400μL、M13ユニバーサル逆方向プライマー(3.2pmol/μL)50μL、鋳型アンプリコン(約100ng/μL)25μL、及びDI水525μLを含む溶液を調製した。このマスター溶液を、20μL/穴の容量でサーマルサイクラープレートの穴に等しく分配した。混合物を25サイクルの加熱に供し、各々のサイクルは、95℃で10秒間の加熱、50℃で5秒間の加熱、及び60℃で120秒間の加熱を含んだ。
合成ポリマーで被覆した高分子電解質被覆粒子を提供するため、Bio−Rad Macro−Prep High Qイオン交換樹脂20μLを、ここで述べるように水酸化物型高分子電解質被覆粒子として調製した。樹脂を、ここで述べるように、以下ポリ(AA−コ−DMAと称する、ポリ(アクリル酸−コ−N,N−ジメチルアクリルアミド)で被覆し、DI水で洗浄した。ポリ(AA−コ−DMA)被覆したMacro−Prep High Q 20μLをChromalite 30 SAG(ここで述べるように、水素型高分子電解質被覆粒子として)20μLと混合した。イオン交換粒子混合物5μLを小さなMicroAmp(登録商標)チューブ(Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)に添加した。
精製を提供するため、上述した配列決定反応物1μLを、DNA被覆混床イオン交換樹脂5μLを含むMicroAmpチューブに添加した。チューブを5分間ボルテックスした後、DI水5μLをチューブに添加し、ピペットで混合した。マイクロ遠心チューブを5000×gで遠心し、上清5μLを取って、ABI Prism(登録商標)3100シーケンサーでの分析のために96穴プレートにピペットで入れた。試料を、36cmアレイ、POP6(登録商標)ポリマー(Applied Biosystems)及び標準配列決定モジュールを使用してABI 3100で分析した。
図6は、この精製からの結果を示す。図6は、合成ポリマー−高分子電解質被覆粒子が望ましい精製を提供したことを示す。例えばポリ(AA−コ−DMA)高分子電解質被覆粒子は、色素ブロブ(残留色素標識ddNTP)の実質的な除去及び比較的高いシグナル強度を提供し、試料の望ましい脱塩を示した。
他のdRhodamine配列決定反応産物を高分子電解質被覆粒子によって精製した。図7aは、ここで述べるように作製した、ポリ(AA−コ−DMA)で被覆したBio−Rad AG1−X8イオン交換樹脂による配列決定反応産物の精製を示す。図7bは、ここで述べるように作製した、ポリ(AA−コ−DMA)で被覆したAminex A−27イオン交換樹脂による配列決定反応産物の精製を示す。高分子電解質被覆粒子は、色素ブロブ(残留色素標識ddNTP)の実質的な除去及び比較的高いシグナル強度を提供し、試料の望ましい脱塩を示した。Nucleosil、Isolute、Chromalite 30 SBG、Purolite−Chromalite、Macro−Prep Hi−Q、Bio−Rad AG 2−X8、Bio−Rad AG 1−X8、 Aminex A−27、Powdex−PAOを含む他のイオン交換樹脂を、配列決定反応産物精製に関して、ポリ(AA)、ポリ(AA−コ−AAm)、ポリ(AA−コ−DMA)、ポリ(AA−コ−PEOアクリレート)、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(スチレンスルホン酸−コ−DMA)、及びポリ(AA−PEOアクリレート−VSA)を含む様々な合成ポリマー高分子電解質で試験した。
図8は、ポリ(AA−コ−DMA)で被覆した高分子電解質被覆粒子によって精製した配列決定反応産物の精製を示す。配列決定反応産物を、第一カラムと第二カラムの両方について電気泳動図の下から上へと増大する種々の分子量のポリ(AA−コ−DMA)で精製した。高分子電解質被覆粒子のサイズ識別(sizing discrimination)を、GeneScan(登録商標)500 ROX試薬(Applied Biosystems)に基づくアッセイを用いて評価した。サイズ標準は、35bpから500bpまでのサイズ範囲の16個のdsDNAフラグメントから成る。GeneScan(登録商標)500 ROX試薬5μLを高分子電解質被覆粒子5μLに添加することによってアッセイを実施した。混合物を5分間攪拌又はボルテックスし、液体を高分子電解質被覆粒子から分離する。液体からの高分子電解質被覆粒子の分離は、混合物を遠心分離し、上清をピペットで取ることによって、又は混合物のろ過によって実施した。生じた液体を、次に、DNAシーケンサーを用いて分析した。そのようなアッセイの結果を図8に示す。図8の第一カラムは、10オングストローム〜15オングストロームの細孔径を有する被覆樹脂による分離後の電気泳動図を示す。第二カラムは、1000オングストロームの細孔径の被覆樹脂による分離後の電気泳動図を示す。電気泳動図において初期に認められる最大ピークはプライマーピークであり、25ヌクレオチドのフラグメントを示す。図8の第一カラムの電気泳動図は、いずれの分子量のコーティングに関しても小さなフラグメントが除去されていないことを示し、これらの電気泳動図は未処理対照と同様である。図8の第二カラムの電気泳動図は、低分子量コーティングによる分離後の初期ピーク(より小さなフラグメント)の排除を示す。これらのデータは、図8の第二カラムにおける高分子電解質被覆粒子についてのサイズカットオフが100bpであり、一方図8の第一カラムにおける高分子電解質被覆粒子についてのサイズカットオフが35bp未満であることを明らかにする。図8は、配列決定反応産物の精製のための高分子電解質被覆粒子による分離に関するサイズカットオフを示す。
図9a及び9bは、ポリ(AA−コ−DMA)で被覆した、Powdex−PAOイオン交換樹脂を含む高分子電解質被覆粒子によって精製した配列決定反応産物の精製を示す。図9aは精製の前に実施した電気泳動図を示し、図9bは精製後に実施した電気泳動図を示す。高分子電解質被覆粒子は、図9aに表示したように配列決定反応産物からLIZ(登録商標)色素dTDP(2PP)及びLIZ(登録商標)色素dTTP(3PP)を除去した。高分子電解質被覆粒子は、配列決定反応産物から他の陰イオンを除去し、配列決定反応産物の動電注入を改善して、シグナル強度の10倍の上昇を生じさせた。
合成ポリマーを含む高分子電解質被覆粒子によるPCR反応物精製:
PCR反応産物精製を、合成ポリマーを含む高分子電解質被覆粒子によって提供した。Macro−Prep HQイオン交換樹脂をポリ(AA−コ−DMA)で被覆した。図10は、アクリル酸の様々なモル百分率及びポリ(AA−コ−DMA)の分子量を示す。分子量及びモル百分率は下から上へと上昇し、一番下の電気泳動図は1.1モル%アクリル酸及び98.9モル%DMAで被覆した樹脂による分離を示し、一番上の電気泳動図は100モル%のアクリル酸又はN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)を含まないポリ(AA)で被覆した樹脂による分離を示す。100%アクリル酸を含む高分子電解質被覆粒子は、プライマー、プライマーダイマー及び全てのDNAフラグメントを除去した。同じ現象が、低いアクリル酸含量、すなわち1.1モル%アクリル酸を含むポリ(AA−コ−DMA)に関して認められた。図11は、上述した範囲のポリ(AA−コ−DMA)で被覆した非脱塩Macro−Prep 50HQ(塩化物形態)イオン交換樹脂によるオリゴヌクレオチドプライマー、プライマーダイマー及びDNAフラグメントの除去を示す。図11のレーン1にはサイズ標準を負荷し、レーン2には生(高分子電解質被覆イオン交換粒子による分離なし)PCR産物1μLとプライマー20μMを負荷し、レーン3〜7には高分子電解質被覆イオン交換粒子による分離後のPCR産物1μLを負荷し、レーン8〜12には高分子電解質被覆イオン交換粒子による分離後のPCR産物2μLを負荷した。レーン2は、主バンドの下に拡散したバンドとしてプライマー、プライマーダイマー等のような分離されていないPCR産物を示す。レーン3〜12はそのような対応するバンドを有さない。図12は、上述した範囲のポリ(AA−コ−DMA)で被覆した非脱塩Macro−Prep 50HQ(塩化物形態)イオン交換樹脂による、PCR産物からのプライマーダイマー及び非特異的増幅dsDNAのサイズに基づく除去を示す。上方の電気泳動図は、高分子電解質被覆イオン交換粒子で分離していないPCR産物を示す。下方の電気泳動図は、高分子電解質被覆イオン交換粒子で分離したPCR産物を示す。その相違は、100bpより小さいdsDNAフラグメントが、高分子電解質被覆イオン交換粒子による分離後に溶液中に残存するより大きなフラグメントから分離されたことを示す。
合成ポリマー及び界面活性剤を含む高分子電解質被覆粒子によるDNA塩基配列決定反応物精製:
サイズに基づく精製方法を用いた精製の前に、界面活性剤をDNA塩基配列決定反応物に添加することができる。例えばサイズ排除スピンカラムを用いたDNA塩基配列決定反応物の精製の前に、精製を助けるためにドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加することができる。さらに、サイズ排除スピンカラムを用いた精製の前に、SDSを含むDNA塩基配列決定反応物を加熱することができる。様々な実施形態では、高分子電解質被覆イオン交換粒子によって精製したDNA塩基配列決定反応物における陰イオン性界面活性剤を非イオン性界面活性剤で置換することができる。そのような置換は、高分子電解質被覆イオン交換粒子のイオン交換能力への有害作用を回避するために陰イオン性界面活性剤とイオン交換粒子の間の相互作用を防ぐことができる。本明細書で使用される「非イオン性」界面活性剤という用語は、非イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、又は溶液の伝導率に実質的に寄与しない他の界面活性剤を指す。非イオン性界面活性剤の例は、Brij 35及びBrij 58(CalBiochem,San Diego,CA)、Triton X−100(Sigma,St.Louis,MO)、オクチル−β−D−グルコシド、オクチルグルコピラノシド及び(3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート)(「CHAPS」)(Pierce Biotechnology,Rockford,IL)を含む。様々な実施形態では、非イオン性界面活性剤は、DNA塩基配列決定反応物からの組み込まれなかった色素ターミネーターの除去を促進するために、加熱せずに有効であり得る。
DNA塩基配列決定反応物精製のために、配列決定反応産物を蛍光キャピラリーシーケンサーで分析できるように蛍光標識ジデオキシヌクレオチドターミネーターを用いて試料を作製した。Big Dye Terminator(登録商標)バージョン3.1 Ready Reaction Mix(Applied Biosystems,Foster City,California)8μLを用いて20μLを含む溶液を調製した。配列決定プライマーは、M13ユニバーサル逆方向プライマー(3.2pmol/μL)であった。鋳型は、プラスミド、pGEM(200ng/μL)であった。このマスター溶液をGeneAmp(登録商標)9700サーマルサイクラープレートの穴に等しく分配した。混合物を25サイクルの加熱に供し、各々のサイクルは、96℃で10秒間の加熱、50℃で5秒間の加熱、及び60℃で240秒間の加熱を含んだ。
プール後、プールした未精製反応混合物10μLを、精製のために新たな96穴MicroAmp(登録商標)トレーの16穴の各々に再分配した。各々の穴は、反応混合物10μL、脱イオン水20μL、界面活性剤10μL、及び上述したように作製したAG50WX−8との混床中にポリ(スチレンスルホン酸)被覆AG1X−8を含む高分子電解質被覆イオン交換粒子スラリー10μLを含んだ。混合物の最終容量は、高分子電解質被覆イオン交換スラリーが50%水であったので、45μLであった。これらの実施例では、2つの異なる界面活性剤溶液を使用した:(1)3容量%のBrij 35水溶液10μL、溶液全体中のBrij 35の最終濃度は0.67%であった;及び(2)10容量%のTriton X−100水溶液10μL、溶液全体中のTriton X−100の最終濃度は2.2%であった。界面活性剤の各々についての対照は、界面活性剤を水10μLで置き換えた。様々な実施形態では、界面活性剤は0.01%〜10%の範囲の濃度で有効であり得る。様々な実施形態では、界面活性剤は0.1%〜5%の範囲の濃度で有効であり得る。
次に、MicroAmp(登録商標)トレー中の試料を接着フィルムで覆い、ボルテクサーで30分間混合した。混合後、試料を含むMicroAmp(登録商標)トレーを3000rpmで5分間遠心分離した。その後MicroAmp(登録商標)トレーを、DNA塩基配列決定のためにABI Prism(登録商標)3100 Genetic Analyzerに移した。DNA塩基配列決定は、50cmキャピラリーアレイ及びPOP−6(登録商標)キャピラリー電気泳動ポリマーで実施する。注入条件は、以下で述べるように試料とビーズを含むチューブ内の上清から直接22秒で1000Vであった。図15A及び15Bは、それぞれBrij 35界面活性剤を含む場合と含まない場合のDNA塩基配列決定精製を示す。Brij 35界面活性剤なしで精製した図15Aでは、例えば配列の15〜60ヌクレオチドの領域内に、色素アーティファクトが出現した。Brij 35界面活性剤を用いて精製した図15Bでは、同じ領域内に色素アーティファクトは出現しなかった。図16A及び16Bは、それぞれTriton X−100界面活性剤を含む場合と含まない場合のDNA塩基配列決定精製を示す。Triton X−100界面活性剤なしで精製した図16Aでは、例えば配列の15〜60ヌクレオチドの領域内に、色素アーティファクトが出現した。Triton X−100界面活性剤を用いて精製した図16Bでは、同じ領域内に色素アーティファクトは出現しなかった。どちらの場合にも、界面活性剤は、加熱を伴わず、かつ直接動電注入又は高分子電解質被覆イオン交換粒子精製に干渉することなく、色素アーティファクトの除去を促進することができた。
複数の合成ポリマー層による粒子の被覆:
ポリ(AA−コ−DMA)高分子電解質を上述したように作製した。ポリ(アリルアミンヒドロクロリド)又は「PAH」、M0.07MDa及びポリ(アクリル酸)又は「PAA」、M4.00MDa(Aldrich Chemicals)は容易に入手可能であった。適切な量のポリマーを脱イオン水に添加することによって以下の高分子電解質溶液(0.5重量%)を調製し、周囲温度で一晩回転攪拌した:ポリ(AA−コ−DMA)0.2286g/39.915g HO;PAH 0.2268g/40.033g HO;PAA 0.1192g/19.99g HO。
被覆の前に、陰イオン交換樹脂(Macro−Prep High Q 50,Bio−Rad)を脱イオン水で3回洗浄した。樹脂のスラリー溶液(3mL、湿潤樹脂0.35g)及び脱イオン水20mLを50mLチューブに添加した。樹脂を被覆するため、高分子電解質溶液(0.750mL)を添加した。チューブを1分間ボルテックスし、1760rpmで3分間遠心して、上清をデカントで捨てた。湿潤樹脂を高真空オーブン下に70℃で2時間乾燥した。この被覆工程をさらに2回反復し、その後高分子電解質溶液を3つの高分子電解質コーティング層全体に適用した。最後の乾燥工程のために、コーティングを一晩乾燥した。乾燥したペレットを、脱イオン水40mLと共にボルテックスすることによって混合し、1670rpmで3回遠心して、上清を取った。最終洗浄した樹脂を脱イオン水10mL中に再分散し、使用まで冷蔵庫で保存した。図13は、実施例の1つにおいて樹脂に適用した複数の高分子電解質コーティングを示す。図14は、より少数の塩基対(bp)の除去を示すことによる、非被覆樹脂、被覆樹脂、及びイオン交換樹脂への3つの順番での複数の高分子電解質コーティングのいくつかの試行の成績を示す。3つの順番での高分子電解質は以下の表1に示されており、第一層が樹脂の表面に最も近く、その後の層はそれに続く。
Figure 2008536478
高分子電解質被覆樹脂の磁化:
PAA M4.00MDa(Aldrich Chemicals)及びFe(EMG 1111)(Ferrotec Corp.)は容易に入手可能であった。PPAの溶液(0.750mL)を樹脂(湿潤樹脂0.2g)のスラリー溶液及び脱イオン水10mLに添加した。混合物を1分間ボルテックスし、周囲温度で5分間インキュベートして、1760rpmで3分間遠心し、上清をデカントで捨てた。樹脂を脱イオン水(10mL)で1回洗浄した。懸濁液を1760rpmで3分間遠心し、水をデカントで捨てた。脱イオン水によるFe(0.20mL)の水溶液を湿潤樹脂に添加した。懸濁液をボルテックスによって1分間混合し、周囲温度で5分間インキュベートした。懸濁液を1670rpmで3分間遠心し、水溶液を取った。過剰の非結合Feを除去するために樹脂を3回洗浄した。被覆した樹脂を脱イオン水(10mL)に再分散した。樹脂の磁化を認めた。
高分子電解質被覆イオン交換粒子の分離:
上記に提供した反応及び/又は実施例の各々のカテゴリー内で、数多くの特殊な適用が存在する。例えばPCR反応の高分子電解質被覆イオン交換粒子は、配列検出適用(エンドポイント及びリアルタイムの両方)、PCRクローニング適用等のための精製を提供することができ、DNA塩基配列決定反応の高分子電解質被覆イオン交換粒子は、あらゆる種類の核酸配列決定、例えば配列決定、フラグメント分析、一ヌクレオチド多型特定等のための精製を提供することができる。
核酸を配列決定する前に、精製された上清液から高分子電解質被覆イオン交換粒子を分離することが望ましい場合がある。配列決定は、例えばキャピラリー電気泳動によって達成することができる。高分子電解質被覆イオン交換粒子から精製された上清液を単離することは、精製と配列決定の間にピペット分注(pipetting)、試料の移動、遠心分離、磁気除去及び/又はサーマルサイクリングなどの工程を追加し得る。精製と配列決定の間の効率と速度を高め、使用者にとっての時間あたりの費用と手間を低減するためにはそのような工程を排除することが望ましい。
様々な実施形態によれば、精製上清液からの高分子電解質被覆イオン交換粒子の単離は、粒子を保持するためのろ過又は粒子を収集するための遠心分離とそれに続く上清液の吸引によって達成できる。キャピラリー電気泳動のための試料を上清液から直接負荷することにより、精製上清液から高分子電解質被覆イオン交換粒子を除去する工程を排除することが望ましい。しかし、高分子電解質被覆イオン交換粒子は、動電注入を阻害して配列データのランダムな分断を生じさせることによってか、又は高分子電解質被覆イオン交換粒子が試料チューブの底部でキャピラリーによって粉砕されるときにキャピラリーを詰まらせることによって、負荷に干渉し得る。
様々な実施形態によれば、本発明の教示は、試料のウエル、チューブ又はチャンバーの底部からキャピラリーを負荷するための方法を提供する。高分子電解質被覆イオン交換粒子をウエルの側面又は上部に移動させることができる。図17A〜17Cは、高分子電解質被覆イオン交換粒子172が上清液174から単離されたウエル170を示す。本発明の教示は、図17Bに示すように高分子電解質被覆イオン交換粒子172をウエル170の上部に位置づけること又は図17Cに示すように高分子電解質被覆イオン交換粒子172をウエル170の側面に位置づけることを提供する。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆イオン交換粒子は、より高密度の溶媒で浮遊させることによってウエルの上部に位置づけることができる。上清液が高分子電解質被覆イオン交換粒子より高い密度を有するように上清液の密度を上昇させることができる。上清の密度を高めることができる溶媒の例は、エチレングリコール(密度=1.113)、プロピレンカーボネート(密度=1.189)、ポリエチレングリコール(密度=1.127を有するろう状固体)、グリセロール(密度=1.261)、及び様々な濃度でのそれらの組み合わせを含む。様々な実施形態において、イオン交換樹脂は1.03レベルまでの低い密度を有し得る。上清液の密度を上昇させたとき、高分子電解質被覆イオン交換粒子はウエルの上部に浮上する。キャピラリーと電極を、その後、高分子電解質被覆イオン交換粒子の層の下のウエルに浸すことができる。キャピラリーの負荷は高分子電解質被覆イオン交換粒子を含まないようにすることができる。溶媒の添加は、試料調製における遠心分離工程を排除し、アレイピペッターによって自動化され得る。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆イオン交換粒子は磁力によってウエルの側面に位置づけることができる。上述したように、高分子電解質被覆イオン交換粒子は、磁化するためにFeで被覆できる。高分子電解質被覆イオン交換粒子は、磁石又は電気的に誘導される磁場によって提供されるウエルの側面又はウエルの周囲の磁場によってウエルの側面に誘引され得る。キャピラリーと電極を、その後、同心円層の無いウエルの中央部にか、又は高分子電解質被覆イオン交換粒子の層を外して浸すことができる。キャピラリーの負荷は高分子電解質被覆イオン交換粒子を含まないようにすることができる。高分子電解質被覆イオン交換粒子の磁化は、試料調製における遠心分離工程を排除する。
様々な実施形態によれば、本発明の教示は、試料のウエル、チューブ又はチャンバーの上部からキャピラリーを負荷するための方法を提供する。高分子電解質被覆イオン交換粒子をウエルの底部に移動させることができる。図17Aは、高分子電解質被覆イオン交換粒子172が上清液174から単離されたウエル170を示す。粒子は、上述したように遠心分離又は磁化によって底部に移動させることができる。シーケンサー装置は、高分子電解質被覆イオン交換粒子を含まないウエルのより高い位置から試料を負荷するように較正することができる。上清負荷のためのキャピラリー位置の修正は、キャピラリーの先端とチューブの底部までの距離を上昇させることによって提供され得る。標準的なマイクロタイタートレーに関して、そのような距離の一例は4.5mmである。これは30μLの96穴トレーについてのウエル容量に相当する。上清の容量は、キャピラリーが良好な動電注入のために上清中に浸されることを確実にするように上昇させ得る。これは、脱イオン水の添加によって上清の容量を上昇させることによって実施できる。脱イオン水と上清の混合物は、混合物を30分間ボルテックスすることによって提供され得る。
様々な実施形態によれば、シーケンサー装置は、トレー又はトレーが係合するフレームを、トレーが装置の下部に位置するように機械的に変化させることによってウエル内のより高い位置から試料を負荷するように較正することができる。様々な実施形態によれば、シーケンサー装置は、Z軸基準点を変更するためにファームウエア初期化ファイルを修正することによってウエル内のより高い位置から試料を負荷するように較正することができる。様々な実施形態によれば、シーケンサー装置は、キャピラリーを、底部の負荷位置から高分子電解質被覆イオン交換粒子の上の上清液層の位置に引き込むようにソフトウエアをプログラミングすることによってウエル内のより高い位置から試料を負荷するように較正することができる。図18A〜18Bは、Z軸基準点を変更するためにファームウエア初期化ファイルを修正することによってウエル内のより高い位置から試料を負荷するように較正されたシーケンサー装置を使用して、Big Dye Terminator(登録商標)化学(図18A)及びdRhodamine terminator化学(図18B)を用いた上清からの核酸配列決定を示す。
合成ポリマーによる粒子の被覆:
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆イオン交換粒子は、粒子のサイズ排除特性のための所望のカットオフを選択するためにコポリマーで被覆することができる。所望のカットオフは、溶液中のより少数の塩基対(bp)によって示されるように(「ロールオフ(rolloff)」)一定サイズ以下の種の量の著しい減少である。カットオフを試験するためのロールオフアッセイは、キャピラリー電気泳動を用いてフラグメントの損失をサイズの関数として示すことにより、蛍光標識dsDNAサイズ標準を用いて高分子電解質被覆イオン交換粒子の性能を測定する。各々のフラグメントについてのピーク高を標準及びサイズ識別を示す曲線に対して正規化することができる。プロトコールの一例は、ROX−500をdsDNAサイズ標準として及びLIZ−500を内部標準として使用することであり得る。ロールオフアッセイは精製の間のフラグメントの損失を示すことができる。低いロールオフを示す試料は、アッセイに用いられるROX−500標準の小さな塩基対フラグメントの有意な損失を示さない。高いロールオフを示す試料は、より小さな塩基対フラグメント、例えば35、50、100及び139塩基対フラグメントの高い損失を示す。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆イオン交換粒子を被覆するためのコポリマーは、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)とアクリル酸(AA)から作られるものとのコポリマーを含む。図19に示すように、MP−1M BioRadイオン交換樹脂を被覆するために使用したDMA−AAコポリマーは、AAの画分が15%、10%、7.5%及び5%から低下したので、より高いロールオフを示した。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆イオン交換粒子を被覆するためのコポリマーは、アクリルアミドとAAから作られるものとのコポリマーを含む。図20に示すように、MP−1M BioRadイオン交換樹脂を被覆するために使用したアクリルアミド−AAコポリマーは、AAの画分が10%及び5%から低下したので、より高いロールオフを示した。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆イオン交換粒子を被覆するためのコポリマーは、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)とAAから作られるものとのコポリマーを含む。図21に示すように、MP−1M BioRadイオン交換樹脂を被覆するために使用したHEA−AAコポリマーは、AAの画分が10%及び5%から低下したので、より高いロールオフを示した。
様々な実施形態によれば、コポリマーは、ロールオフ性能及び処理したイオン交換樹脂の貯蔵寿命を高めることができる。助剤(co−agent)は、水溶性又はわずかに水溶性のホモポリマー又は、例えば(メト)アクリルアミド、N−メチル(メチル)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メチル)アクリルアミド、N−エチル(メト)アクリルアミド、N−n−プロピル(メト)アクリルアミド、N−イソ−プロピル(メト)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メト)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メト)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メト)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メト)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、重合後ビニルアルコールを与えるように加水分解され得るビニルアセテート、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メト)アクリレート、N−ビニルピロリドン、ポリ(エチレンオキシド)(メト)アクリレート、N−(メト)アクリルオキシスクシンイミド、N−(メト)アクリロイルモルホリン、N−2,2,2−トリフルオロエチル(メト)アクリルアミド、N−アセチル(メト)アクリルアミド、N−アミド(メト)アクリルアミド、N−アセトアミド(メト)アクリルアミド、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル(メト)アクリルアミド、N−(メチル)アクリロイルトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、(メチル)アクリロイル尿素、ビニルオキサゾリドン、ビニルメチルオキサゾリドン、又はそれらの組み合わせを含むモノマーによって作製されるコポリマーであり得、アクリル酸と共重合され得る。
合成ポリマー、界面活性剤及び安定化添加剤を含む高分子電解質被覆粒子によるDNA塩基配列決定反応物精製:
DNA塩基配列決定反応産物は、DNAシーケンサーにおけるキャピラリー電気泳動(CE)による分離の前に精製することができる。精製は、CEによる分離に干渉し得る、取り込まれなかった色素標識ジデオキシヌクレオチドを除去し得る。CEシステムへの注入は、適切な注入を提供するために、実質的に低いイオン強度、例えば1mM塩の溶液からであるべきである。CEを備えるDNAシーケンサーは、DNA塩基配列決定試料の多数のトレーを保存し、処理することができる自動化装置であり得る。これらのシステムは、処理前24時間まで、自動DNAシーケンサーの貯蔵領域に試料セットの列を形成し得る。ほとんどの既存の精製方法は、分解を避けるため8時間より長い期間精製媒質を試料セットと接触した状態で維持することができない。48時間などの、8時間より長い期間分解に対して安定であり得る高分子電解質被覆粒子によるDNA塩基配列決定反応物精製を提供することが望ましい。
CEシステムへのDNA塩基配列決定産物の動電注入を阻害することなく安定で、分解に抗する脱イオン注入水溶液中のDNA塩基配列決定反応産物を提供することが望ましい。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)の添加などの他の安定化方法は、DNA配列決定産物溶液のイオン強度を上昇させ、それによって動電注入を阻害する。高分子電解質被覆イオン交換粒子の混床でDNA塩基配列決定反応物を精製することが望ましい。混床は、DNA配列決定溶液のイオン強度を実質的に低いイオン強度に維持することができる。イオン性の安定剤は、粒子によって吸収され、溶液から除去され得る。高分子電解質被覆イオン交換粒子によって溶液から除去される非イオン物質でDNA配列決定溶液を安定化することが望ましい。
CEシステムのための動電注入溶液は、DI水又は脱イオンホルムアミド(DIホルムアミド)を含み得る。EDTAは、DIホルムアミドを含むDNA塩基配列決定産物溶液のための安定剤として使用されてきた。重炭酸ナトリウムを添加した又は添加していないDTTは、蛍光色素分解に抵抗するためにホルムアミドを含むDNA配列決定産物溶液のための安定剤として使用されてきた。DI水中でのDNA配列決定反応産物の不安定性はごくわずかとみなされてきた。しかし、DI水中で保存されたDNA配列決定反応産物は、不安定になり、分解し得る。例えばDI水中で24時間保存されたDNA配列決定反応産物は、分析したとき実質的なピークの広がりを示す。図22Aに示すように、3時間目のDI水中のDNA配列決定反応産物はごくわずかなピークの広がりを示した。一方で、図22Bに示すように、24時間目のDI水中のDNA配列決定反応産物は実質的なピークの広がりを示した。DI水は安価で非毒性であり、DI水はDIホルムアミドからの注入よりも高いシグナル強度を提供し、高分子電解質被覆イオン交換粒子と適合性であるので、CEに注入するDNA配列決定産物溶液ではDI水を使用することが望ましい。
様々な実施形態によれば、両性イオン化合物はDI水中でのDNA配列決定反応産物の分解に抵抗することができる。例えば1−カルボキシメチル−N,N,N−トリメチル−メタンアミニウムヒドロキシド内部塩(ベタイン)は、DI水中のDNA配列決定反応物を安定化して、動電注入のための安定な水溶液を形成することができる。両性イオン化合物は、CEシステムへの動電注入のための実質的に中性の、実質的に低い伝導率及び/又はごくわずかなイオン条件を提供することができる。両性イオン化合物は、DNA配列決定反応産物の精製において使用される高分子電解質被覆イオン交換粒子によって中性として処理され、塩などの他のイオン種のように粒子によって実質的に吸収されることはない。
様々な実施形態によれば、安定化添加剤は、精製媒質、例えば高分子電解質被覆イオン交換粒子等と共にDNA配列決定反応産物に導入され得るか、又は他の手段、例えばエタノール沈殿、イソプロパノール沈殿、スピンカラム、高分子電解質被覆イオン交換粒子等によって既に精製されたDNA配列決定反応産物に導入され得、その後精製媒質から分離され得る。
様々な実施形態によれば、上述したように、精製に先立つDNA配列決定反応産物への界面活性剤の添加は、試料がDNAシーケンサーにおいてCEによって実質的に分離されたとき色素アーティファクトの除去を促進し得る。様々な実施形態では、界面活性剤は、安定化添加剤及び高分子電解質被覆イオン交換粒子を含むDNA配列決定反応産物溶液中に存在し得る。界面活性剤は、陰イオン、陽イオン、非イオン、両性イオン又はこれらのタイプの界面活性剤の組み合わせであり得る。界面活性剤は、0.01%〜10%又は0.5%〜5%又は1%〜10%の濃度で添加され得る。安定化添加剤は、両性イオン、例えばベタイン、硫黄含有化合物、例えばジチオトレイトール、酸化性(oxidizable)フェノール、例えばカテコール、単糖、二糖、多糖又はアミノ酸であり得る。安定化添加剤は、1mM〜5M又は0.5M〜2M又は0.1mM〜250mM又は1M〜3Mの濃度であり得る。
様々な実施形態によれば、界面活性剤は、オクチルフェノールエトキシレート(Triton X−100)、ポリオキシエチレングリコールドデシルエーテル(Brij 35)、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル(Brij 58)、オクチルフェノキシルポリエトキシエタノール(NP−40)、Brij 97、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween 20、Tween 80)、3−(デシルジメチルアンモニオ)プロパンスルホネート内部塩(Zwittergent 3−8、3−12、3−14)、3−[3](コールアミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]プロパンスルホネート(CHAPS)、3−[3−(コールアミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート(CHAPSO)、N,N−ビス[3−D−グルコアミド]プロピル)コールアミド(Big CHAP)、界面活性剤スルホベタイン(C7BzO)、Tergitol(NP7、9、11、13、15)、N−(アルキルC10−C16)−N,N−ジメチルグリシンベタイン(Empigen BB)、n−ドデシルマルトシド、Luberol PX、n−オクチルグルコシド、3−(4−ヘプチル)フェニル−3−ヒドロキシプロピル−ジメチルアンモニオ−プロパンスルホネート(C7BzO)、非界面活性剤スルホベタイン、又はそれらの組み合わせを含み得る。
様々な実施形態によれば、安定化添加剤は、1−カルボキシメチル−N,N,N−トリメチル−メタンアミニウムヒドロキシド(ベタイン)、メチルグリシン、ジメチルグリシン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−プロパンスルホン酸(EPPS)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(トリシン)、N,N−ビス(2−(ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、グッド緩衝液、2−メルカプトエタノール、DTT、トリス(2−カルボキシルエチル)ホスフィンヒドロクロリド(TCEP)、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、及びそれらの組み合わせを含み得る。
図23A〜23C及び24A〜24Cは、本発明を例示する実験に関してABI PRISM 3100 Genetic Analyzer(Applied Biosystems,Foster City,CA)によって作成したDNAシーケンサー電気泳動図の結果を示す。図23Aは、1Mベタイン及び2.5mM DTTと共にDNA塩基配列決定反応産物を界面活性剤なしで精製した場合の電気泳動図を示す。望ましくない色素アーティファクトが塩基70近くでベースコーリングに干渉しているのが認められた。図23Bは、安定化添加剤、ベタイン及びDTTに加えて3%Triton X−100を用いて精製した同じ反応産物を示す。Triton X−100の添加は、色素アーティファクトのない電気泳動図を生じさせた。図23Cは、安定化添加剤、ベタイン及びDTTに加えて3%Brij 35を用いて精製した同じ反応産物を示す。Brij 35の添加は、色素アーティファクトのない電気泳動図を生じさせた。選択的実験は、DTTなしでも同様の結果を示した。
図24A〜24Cは、DNA配列決定反応産物を1.5Mベタイン、2.5mM DTT及び3%CHAPSと組み合わせて、この溶液を、精製媒質として使用した高分子電解質被覆イオン交換粒子と接触させて維持したときの電気泳動図を示す。溶液を様々な時間インキュベートした。図22Bは、添加剤の不在下では、DNA配列決定電気泳動図の質が低下することを示した。図24Aは、室温(20℃)で6時間インキュベートした溶液から生じた電気泳動図を示す。図22Bで認められた劣化と比較して、図24Aにおけるピーク分解能は良好で、配列は800ヌクレオチドまで読み取り可能であり、配列の初期部分に色素アーティファクトは認められなかった。図24B及び24Cは、それぞれ24時間及び48時間インキュベートした同じ反応物を示す。24及び48時間目でも、配列決定反応検出の質の有意の低下は存在しなかった。これらの実施例は、高分子電解質被覆イオン交換粒子の存在下であっても、色素アーティファクトの除去を増強し、脱イオン水溶液中のDNA配列決定反応物を安定化する安定化添加剤の能力を明らかにした。
様々な実施形態によれば、高分子電解質被覆イオン交換粒子による精製のための方法は、配列決定反応産物へのCHAPS及びベタインの添加、高分子電解質被覆イオン交換粒子と非被覆イオン交換粒子の混合物の添加、溶液の密封、30〜60分間の混合、遠心分離、及び上清注入を含み得る。
本明細書及び付属の特許請求の範囲の目的に関して、異なる指示がない限り、成分の量、物質のパーセンテージ又は割合、反応条件、及び本明細書と特許請求の範囲とにおいて使用される他の数値を表す全ての数字は、全ての場合に「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。従って、逆の指示がない限り、以下の明細書及び付属の特許請求の範囲において示される数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に依存して異なり得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲の等価物の教義の適用を限定する企図としてではなく、各々の数値パラメータは、少なくとも、報告される重要な数字の数に照らして及び通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるが、特定実施例に示す数値はできる限り正確に報告されている。いかなる数値も、しかしながら、それぞれの試験測定値において認められる標準偏差から必然的に生じる若干の誤差を本質的に含む。さらに、ここで開示する全ての範囲は、その中に含まれるあらゆる部分的範囲を包含すると理解されるべきである。例えば「1〜10」の範囲は、最小値の1と最大値の10の間(及びそれらを含む)のあらゆる部分的範囲、すなわち1に等しいか又は1より大きい最小値と10に等しいか又は10未満の最大値を有するあらゆる部分的範囲、例えば5.5〜10を含む。
本明細書及び付属の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形態「a」、「an」及び「the」は、明確にはっきりと1つの指示対象に限定されない限り、複数の指示対象を包含することが留意される。それ故、例えば「モノマー」への言及は2以上のモノマーを包含する。さらに、「含んで」という用語並びに「含む」及び「含まれる」などの他の形態の使用は、限定的ではない。
様々な修正及び変形が、本発明の教示の精神又は範囲から逸脱することなくここで述べる様々な実施形態に施され得ることは、当業者には明白である。それ故、ここで述べる様々な実施形態は、付属の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内の他の修正及び変形をカバーすることが意図されている。
図1は、コーティングが生体高分子を含む、高分子電解質被覆粒子の断面図を示す。 図2は、コーティングが合成ポリマーである、高分子電解質被覆粒子の断面図を示す。 図2aは、高分子電解質被覆粒子のためのコーティングに含めることができるいくつかの合成ポリマーを示す。 図3a〜3dは、標準分離手法と比較した、生体高分子を含む高分子電解質被覆粒子による配列決定反応産物の分離を明らかにし、図3a〜3cは、様々な実施形態に従った高分子電解質被覆粒子による分離を示し、図3dは、非被覆イオン交換粒子による分離を示す。 図4a〜4bは、生体高分子を含む高分子電解質被覆粒子によるPCR反応産物の分離を明らかにし、図4aは、色素標識アンプリコンと色素標識プライマーとの混合物を含む未精製PCR反応産物を示し、図4bは、色素標識プライマーを除去するために高分子電解質被覆粒子で分離されたPCR反応産物を示す。 図5a〜5bは、それぞれ図4a〜4bの詳細を示す一組のグラフである。 図6は、合成ポリマーを含む高分子電解質被覆粒子による配列決定反応産物の分離を明らかにする。 図7a〜7bは、合成ポリマーを含む高分子電解質被覆粒子による配列決定反応産物の分離を明らかにする。 図8は、種々の分子量を有するコーティングポリマーを使用する分離のための、合成ポリマーを含む高分子電解質被覆粒子による分離についてのサイズカットオフを明らかにする。 図9aは、合成ポリマーを含む高分子電解質被覆粒子による配列決定反応産物の分離を明らかにする。 図9bは、合成ポリマーを含む高分子電解質被覆粒子による配列決定反応産物の分離を明らかにする。 図10は、合成ポリマーを含む高分子電解質被覆粒子を用いた、より大きなdsDNAフラグメントからの小さなdsDNAフラグメントのサイズに基づく除去を明らかにする。 図11は、2%アガロースゲルを用いたゲル電気泳動で成分を分離した結果を示すことにより、高分子電解質被覆粒子を用いたPCR産物からのオリゴヌクレオチドプライマーの除去を明らかにする。 図12は、非脱塩高分子電解質粒子を用いたDNAサイズ識別を明らかにする。 図13は、付加的な例を示す。 図14は、付加的な例を示す。 図15は、付加的な例を示す。 図16は、付加的な例を示す。 図17は、付加的な例を示す。 図18は、付加的な例を示す。 図19は、付加的な例を示す。 図20は、付加的な例を示す。 図21は、付加的な例を示す。 図23は、付加的な例を示す。 図24は、付加的な例を示す。

Claims (23)

  1. イオン交換材料を含むコア;及び
    高分子電解質材料を含むコーティング;
    を含む粒子、ならびに
    非イオン性界面活性剤を含む、溶液であって、
    該コアと該コーティングはDNA塩基配列決定反応産物を分離するように適合されている、溶液。
  2. 前記非イオン性界面活性剤が両性イオン界面活性剤である、請求項1に記載の溶液。
  3. 前記両性イオン界面活性剤がCHAPSである、請求項2に記載の溶液。
  4. 安定化添加剤をさらに含む、請求項1に記載の溶液。
  5. 前記安定化添加剤が両性イオン化合物である、請求項4に記載の溶液。
  6. 前記両性イオン化合物がベタインである、請求項5に記載の溶液。
  7. 前記非イオン性界面活性剤が、DNA塩基配列決定反応からの組み込まれなかった色素ターミネーターの除去を促進するように適合されている、請求項1に記載の溶液。
  8. 前記非イオン性界面活性剤が加熱なしで有効である、請求項7に記載の溶液。
  9. 前記イオン交換材料が陽イオン性である、請求項1に記載の溶液。
  10. 陰イオン交換粒子をさらに含む、請求項9に記載の溶液。
  11. 前記イオン交換材料が陰イオン性である、請求項1に記載の溶液。
  12. 陽イオン交換粒子をさらに含む、請求項11に記載の溶液。
  13. DNA塩基配列決定のための方法であって、該方法は、
    精製媒質を提供する工程;
    組み込まれなかった色素ターミネーター及び塩を除去するために該精製媒質とDNA塩基配列決定反応産物とを接触させる工程;
    該精製媒質を単離する工程;及び
    該精製媒質からの干渉を伴わずに該DNA塩基配列決定産物からキャピラリー電気泳動のための試料を負荷する工程
    を包含する、方法。
  14. 前記精製媒質が複数の粒子を含み、各々の粒子が、イオン交換材料を含むコア及び高分子電解質材料を含むコーティングを含有する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記負荷する工程が動電注入を含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記精製媒質が複数の粒子を含み、前記単離する工程が、複数の粒子を磁気的に操作すること、複数の粒子を浮遊させること又は複数の粒子に遠心力又は重力を適用することを含む、請求項13に記載の方法。
  17. 負荷する工程が、複数の粒子の上方又は下方で起こる、請求項16に記載の方法。
  18. 試料注入位置を調節する工程、及び前記複数の粒子の上方の前記DNA塩基配列決定産物からキャピラリー電気泳動のための試料を負荷する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  19. 非イオン性界面活性剤を提供する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  20. 非イオン性界面活性剤がCHAPSである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記溶液を両性イオン化合物で安定化する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  22. 両性イオン化合物がベタインである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記DNA塩基配列決定反応産物、前記精製媒質及び前記両性イオン化合物を少なくとも8時間、該DNA塩基配列決定反応産物を不安定化させずに保存する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
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