JP2007522804A - 血栓形成傾向の識別のために開発された方法(mert) - Google Patents

血栓形成傾向の識別のために開発された方法(mert) Download PDF

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Abstract

多様な人種集団において静脈血栓症の発症に関する個体の遺伝的リスクを予測するための方法が開示され、本方法を実施するために用い得るアレイおよびキットも同様に開示される。本方法は、静脈血栓症と関連性のあるアンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、プロトロンビン(第II因子)、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(MTHFR)、およびアンジオテンシンI転換酵素(ACE)分子といった少なくとも8種の静脈血栓症関連分子における変異、多型またはその両方に関してスクリーニングを行う段階を含む。

Description

分野
本出願は、静脈血栓症に対する個体の遺伝的感受性を予測する方法、ならびに開示される方法を実施するために用い得るキットに関する。なお、本出願は、2004年1月15日に提出された米国仮出願第60/537,463号の恩典を主張し、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
背景
静脈血栓症には毎年1000人当たり1人が罹患し、これは死亡および病的状態の主な死因の一つであり、米国だけでも毎年約300,000件の入院および50,000例の死亡の原因となっている(Rosendaal, Thromb. Haemost. 78: 1-6, 1997;Nordstrom et al., J. Inter. Med. 232: 155-60, 1992;およびHansson et al., Arch. Intern. Med. 157: 1665-70, 1997)。
さまざまな病状が、個体を静脈血栓症に罹患しやすくする素因となる。このような危険因子の例には、妊娠、産褥、経口避妊薬および/またはホルモン補充療法の使用、外傷、外科手術、骨折、持続性の不動化、高齢、抗リン脂質抗体、血栓症の既往歴、骨髄増殖性疾患、悪性疾患、ならびに軽症ないし中等症の高ホモシステイン血症が含まれる(Abramson et al., Southern Med. J. 94: 1013-20, 2001;およびSeligsohn and Lubetsky, N. Engl. J. Med. 344: 1222-31, 2001)。静脈血栓症はしばしば、深部静脈血栓症(DVT)として下肢に起こり、これはしばしば致死的である肺塞栓症を招くことが往々にしてある。特に不運なことに、このような血栓塞栓現象はしばしば、既に生理的に障害のある患者に起こる。
静脈血栓症に対する後天的な危険因子のほかに、見たところ単一遺伝子性で、常染色体優性で、さまざまな浸透性を有するように思われる数多くの遺伝子変異または遺伝的多型も、静脈血栓症に対するリスク増大をもたらしている。このような変異または多型の例には、凝固促進タンパク質(第V因子、プロトロンビンおよびフィブリノーゲン)、天然の抗凝固タンパク質(プロテインC、プロテインSおよびアンチトロンビンIII)およびその他の血栓症関連タンパク質(アンジオテンシン-I転換酵素およびメチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ)をコードする遺伝子におけるものがある。したがって、静脈血栓症は複合的な遺伝的障害である。凝固系の活動亢進を招く遺伝的欠陥は、静脈血栓症の患者の高い割合に存在する。血栓症への素因の60%超は遺伝要素に起因する(Souto et al., Am. J. Hum. Genet. 67: 1452-9, 2000)。
従来の複数の報告が、血栓症と関連性のある1つまたは複数の多型に関するスクリーニング、例えばPCR(Harrington et al., Clin. Chem. Lab. Med. 41: 496-500, 2003)またはマイクロプレートアレイ対角線ゲル電気泳動(Bauer et al., Thromb. Haemost. 84: 396-400, 2000)を用いることによるものを記載している。マイクロアレイ技術を、静脈血栓症に関与する特定の遺伝子における変異に関するスクリーニングのために用いることが提唱されているが、これらのマイクロアレイは、予測的価値が低い上、白人集団に多く認められる変異しか検出しないため、不十分である(例えば、Pecheniuk et al., Blood Coagul. Fibrinolysis 11: 683-700, 2000;Pollak et al., Ital. Heart J. 2: 568-72, 2001;Evans and Lee-Tataseo, Clin. Chem. 48: 1406-11, 2002;Schrijver et al., Am. J. Clin Pathol. 119: 490-6, 2003;Erali et al., Clin. Chem. 49: 732-9, 2003)。マイクロアレイ技術は、血栓症に関与するさまざまな遺伝子変異および遺伝的多型のスクリーニングのために利用し得るようになるまでには、さらなる進歩を遂げる必要があると指摘している者もいる(Grody、Annu. Rev. Med.,54: 473-90, 2003)。
したがって、個体が静脈血栓症を発症するリスクを正確に予測することができ、数多くの人種集団をスクリーニングするために用いることが可能な方法に対しては需要が存在する。
概要
静脈血栓症は、先進国における死亡および病的状態の主要原因の一つであるが、これは未分画ヘパリン、低分子量ヘパリン、アスピリンおよびクマジン/ワルファリンといった抗血液凝固剤による予防療法を用いることによって回避し得る疾患である。したがって、静脈血栓塞栓症の発症を回避するために、個体のリスクに合わせた予防のための層別化プロトコールを開発する目的で個体の血栓症リスクを推測することは有益である。この層別化のためには、血流遮断の単一または複合的な危険因子と関連性のある個体のリスクを推測する。
本発明者らは、個体が静脈血栓症を発症する遺伝的感受性を複数の人種集団において高い精度で予測することを可能にする、静脈血栓症関連分子における変異および多型の組み合わせを同定した。一例として、静脈血栓症と統計学的関連性がある分子における頻発性の変異および多型の組み合わせは、個体が静脈血栓症を発症する総合的な遺伝的感受性を複数の人種集団において高い精度で予測することを可能にする。頻発性の変異および多型とは、少なくとも2つの遺伝的に異なる家系といった複数の家系にみられるもののことである。例えば、1つの家系のみで観察される変異または多型は、頻発性の変異または多型ではない。
例えば、開示される方法を用いた、静脈血栓症と関連性のある少なくとも10種の遺伝的差異の同時検査に関する、開示される統計分析により、静脈血栓症の予測の精度が、白人集団で少なくとも99%、アジア人集団で少なくとも85%、アフリカ人集団で少なくとも88%もの高さであることが示された。血栓形成傾向の識別のために開発された方法(MERT)と本明細書中で呼ばれる、開示される方法は、静脈血栓症に対する感受性と統計学的に関連性のある分子、例えばアンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、プロトロンビン(第II因子)、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(MTHFR)、およびアンジオテンシンI転換酵素(ACE)における同時並行的な遺伝子検査を可能にする、迅速で費用効果の高いアッセイを提供する。
1つの例において、本方法は、対象が、アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEからの配列を含む、それらから本質的になる、またはそれらからなる、静脈血栓症関連分子において、1つまたは複数の変異、多型またはその両方を有するか否かを決定する段階を含む。一例としては、無症候性の個体を、彼らが、血栓症を誘発する高リスクの状況、例えば妊娠、産褥、経口避妊薬またはホルモン補充療法の使用、血栓症の既往歴、持続性の不動化、骨髄増殖性疾患、悪性疾患、外科手術、骨折、高齢、抗リン脂質抗体およびそれらの組み合わせなどに曝露される前または曝露されている間にスクリーニングする。
血栓形成傾向の感受性に関する最大6種の一塩基多型をスクリーニングするための検査はすでにいくつか存在するが、それらの能力は限られており、最大適中率(maximum predictive value)は1.7%である。このような検査のスクリーニング能力は、白人集団のみに多く認められる一塩基多型(SNP)を検出することのみが可能である(Erali et al., Clin. Chem. 49: 5, 2003;Evans et al., Clin. Chem 48: 1406-11, 2002)。これに対して、本明細書で開示される方法およびアレイは、例えば、静脈血栓症と統計学的に関連性のある遺伝子における変異および多型(SNPに関してのみならず、挿入および欠失に関しても)をスクリーニングすることにより、静脈血栓症の遺伝的感受性に関して非常に正確で総合的な予測を提供する初めてのものである。特定の例においては、静脈血栓症と統計学的に関連性のある既知の頻発性の変異および多型のすべてをスクリーニングするか、またはこのような既知の変異および多型のすべてのうちのサブセットをスクリーニングする。いくつかの例において、変異または/および多型は、そのp値が0.005未満である場合に、静脈血栓症と統計学的に関連性がある。
特定の例において、本方法は、対象の静脈血栓症に対する総合的な遺伝的感受性を検出するためにゲノムDNAマイクロアレイ技術を用い、そのマイクロアレイデータを、多様な人種集団に対して適用し得る一群のVT関連感受性遺伝子に関する複合尤度比と直接結びつける。
1つの特定の例において、本方法は、対象から入手した核酸分子を増幅して増幅産物を入手する段階を含む。増幅産物は、アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、プロトロンビン(第II因子)、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(MTHFR)、およびアンジオテンシンI転換酵素(ACE)の遺伝子からの配列を含み得る、それらから本質的になり得る、またはそれらからなり得る。その結果得られた増幅産物を、アレイと接触させるか、またはアレイに対して適用する。アレイは、1つもしくは複数の変異、1つもしくは複数の多型、またはそれらの組み合わせを含むアンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEの配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを含む。具体的な変異および多型の例は表1に提示されている。いくつかの例において、アレイはさらに、野生型アンチトロンビンIII、野生型プロテインC、野生型プロテインS、野生型フィブリノーゲン、野生型第V因子、野生型第II因子、野生型MTHFR、および野生型ACEとハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドを含む。これらの増幅産物を、増幅産物とオリゴヌクレオチドプローブとの間のハイブリダイゼーションが行われるのに十分な時間にわたって、アレイとともにインキュベートし、それによって増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を形成させる。続いて、増幅産物がアンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、またはACE中に1つまたは複数の変異、多型またはその両方を含むか否かを判定するために、増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を分析する。1つもしくは複数の変異、または1つもしくは複数の多型の存在により、その対象が静脈血栓症に対する遺伝的素因を有することが示される。特定の例においては、複数の変異または多型の存在により、1つしか変異または多型を有しない対象よりも、その対象の静脈血栓症に対するリスクが大きいことが示される。
開示される方法は、静脈血栓症の発症に関する総合的な遺伝的リスクを正確に評価し、それによって、例えば適切な予防療法を適切な状況で開始することにより、静脈血栓症を回避することを導くことができる。本明細書に提示した結果は、静脈血栓症と関連性のある少なくとも8種の分子に関する一群の遺伝子検査の同時使用は、静脈血栓症またはそれを発症する素因を検出するために用いた場合には、陽性適中率を30倍超に高めることを示している。したがって、静脈血栓症の処置法を選択する方法であって、本明細書に開示される方法を用いて、対象の少なくとも1つのVT関連分子における変異、多型またはそれらの組み合わせ(1つまたは複数の置換、欠失または挿入など)を検出する段階、および、このような変異または多型が同定された場合に、静脈血栓症を回避するため、静脈血栓症の発症を遅らせるため、またはその転帰を最小限に抑えるための処置を選択する段階を含む方法が開示される。
同じく、静脈血栓症に対する遺伝的感受性(総合的な静脈血栓症に対する遺伝的感受性など)に関する迅速で費用効果の高い複数の遺伝子検査を可能とするアレイも開示される。このようなアレイは、アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、第V因子、第II因子、フィブリノーゲン、MTHFR、およびACEの野生型もしくは変異型の配列またはその両方に対して相補的なオリゴヌクレオチドを含む。対象における静脈血栓症に対する遺伝的素因を検出するための、このようなアレイを含むキットも開示される。
本開示の上記およびその他の特徴および利点は、以下のいくつかの態様の詳細な説明からさらに明らかになると考えられる。
配列表
添付の配列表に列記された核酸配列は、ヌクレオチド塩基に関する標準的な略号文字を用いて示されている。それぞれの核酸配列の一方の鎖のみが示されているが、示された鎖に対するいかなる言及によってもその相補鎖が含まれるものと解釈される。
ATIII
SEQ ID NO:1は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置2770で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:2は、アンチトロンビンIIIにおける2770 insTを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:3は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置5311-5320で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:4は、アンチトロンビンIIIにおける5311-5320、del6bpを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:5は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置5356-5364で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:6は、アンチトロンビンIIIにおける5356-5364、delCTTを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:7は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置5381 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:8は、アンチトロンビンIIIにおける5381 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:9は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置5390 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:10は、アンチトロンビンIIIにおける5390 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:11は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置5493 Aで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:12は、アンチトロンビンIIIにおける5493 A/G置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:13は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置α(16)Arg:CGT6490 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:14は、アンチトロンビンIIIにおける6490 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:15は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置α(16)Arg:CGT9788 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:16は、アンチトロンビンIIIにおける9788 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:17は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置α(19)Arg:AGG9819 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:18は、アンチトロンビンIIIにおける9819 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:19は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置13342で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:20は、アンチトロンビンIIIにおける13342 insAを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:21は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置13380 Tで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:22は、アンチトロンビンIIIにおける13380 T/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:23は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置β(14)Arg、CGT6460 Aで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:24は、アンチトロンビンIIIにおける6460 A/G置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:25は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置β(68)Ala、GCT13262 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:26は、アンチトロンビンIIIにおける13262 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:27は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置β(255)Arg、CGT13268 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:28は、アンチトロンビンIIIにおける13268 G/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:29は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置γ(275)Arg、CGC13268 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:30は、アンチトロンビンIIIにおける13268 G/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:31は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置γ(275)Arg、CG13295 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:32は、アンチトロンビンIIIにおける13295 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:33は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置γ(292)Gly、GGC13296 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:34は、アンチトロンビンIIIにおける13296 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:35は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置γ(308)Asn、AAT13299 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:36は、アンチトロンビンIIIにおける13299 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:37は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置γ(318)Asp、GAC2484 Tで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:38は、アンチトロンビンIIIにおけるγ(318)Asp/Gly:GAC/GGC2484 T/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:39は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置Thr312、ACT2586 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:40は、アンチトロンビンIIIにおける2586 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:41は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置2603 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:42は、アンチトロンビンIIIにおける2603 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:43は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置2604 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:44は、アンチトロンビンIIIにおける2604 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:45は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置2759 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:46は、アンチトロンビンIIIにおける2759 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:47は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置5382 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:48は、アンチトロンビンIIIにおける5382 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:49は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置13324 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:50は、アンチトロンビンIIIにおける13324 C/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:51は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置13328 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:52は、アンチトロンビンIIIにおける13328 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:53は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置13333 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:54は、アンチトロンビンIIIにおける13333 C/G置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:55は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置13337 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:56は、アンチトロンビンIIIにおける13337 C/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:57は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置13338 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:58は、アンチトロンビンIIIにおける13338 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:59は、野生型アンチトロンビンIII配列をヌクレオチド位置13392 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:60は、アンチトロンビンIIIにおける13392 G/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
プロテインC
SEQ ID NO:61は、野生型プロテインC配列をタンパク質のC41Gにおけるヌクレオチド位置3363/3364で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:62は、プロテインCにおける41G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:63は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置1357Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:64は、プロテインCにおける1357 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:65は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置1381Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:66は、プロテインCにおける1381 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:67は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置3103Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:68は、プロテインCにおける3103 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:69は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置3169 Tで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:70は、プロテインCにおける3169 T/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:71は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置3217 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:72は、プロテインCにおける3217 G/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:73は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置3222 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:74は、プロテインCにおける3222 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:75は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置3222 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:76は、プロテインCにおける3222 G/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:77は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置3359Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:78は、プロテインCにおける3359 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:79は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置3360 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:80は、プロテインCにおける3360 C/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:81は、野生型プロテインC配列をプロテインCにおけるヌクレオチド位置3363/3364で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:82は、プロテインCにおける3363/4 insCを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:83は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置3438 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:84は、プロテインCにおける3438 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:85は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置6128 Tで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:86は、プロテインCにおける6128 T/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:87は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置6152 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:88は、プロテインCにおける6152 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:89は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置6182 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:90は、プロテインCにおける6182 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:91は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置6216 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:92は、プロテインCにおける6216 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:93は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置6245 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:94は、プロテインCにおける6245 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:95は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置6246 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:96は、プロテインCにおける6246 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:97は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置6265 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:98は、プロテインCにおける6265 G/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:99は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置6274 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:100は、プロテインCにおける6274 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:101は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置7176 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:102は、プロテインCにおける7176 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:103は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置7253 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:104は、プロテインCにおける7253 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:105は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8403 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:106は、プロテインCにおける8403 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:107は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8481 Aで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:108は、プロテインCにおける8481 A/G置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:109は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8485〜7で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:110は、プロテインCにおける8485/6 delACまたは8486/7 delCAを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:111は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8551 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:112は、プロテインCにおける8551 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:113は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8559 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:114は、プロテインCにおける8559 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:115は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8571 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。。
SEQ ID NO:116は、プロテインCにおける8571 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:117は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8572 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:118は、プロテインCにおける8572 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:119は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8589 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:120は、プロテインCにおける8589 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:121は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8604 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:122は、プロテインCにおける8604 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:123は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8608 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:124は、プロテインCにおける8608 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:125は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8631 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:126は、プロテインCにおける8631 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:127は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8678〜80で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:128は、プロテインCにおける8678-80 del3ntを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:129は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8689 Tで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:130は、プロテインCにおける8689 T/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:131は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8695 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:132は、プロテインCにおける8695 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:133は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置84708763 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:134は、プロテインCにおける8763 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:135は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8857で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:136は、プロテインCにおける8857 delGを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:137は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8895 Aで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:138は、プロテインCにおける8895 A/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:139は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8924 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:140は、プロテインCにおける8924 C/G置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:141は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置1387 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:142は、プロテインCにおける1387 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:143は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置1388 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:144は、プロテインCにおける1388 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:145は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置1432 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:146は、プロテインCにおける1432 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:147は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置-34 TG6218 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:148は、プロテインCにおける-34、delG6218 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:149は、野生型プロテインC配列を-24 GTG(この際、24はコドンヌクレオチド位置である)6219 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:150は、プロテインCにおける6219 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:151は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置7219 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:152は、プロテインCにおける7219 C/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:153は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8470 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:154は、プロテインCにおける8470 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:155は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置448744 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:156は、プロテインCにおける8744 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:157は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8769 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:158は、プロテインCにおける8769 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:159は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8790 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:160は、プロテインCにおける8790 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:161は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置8886 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:162は、プロテインCにおける8886 G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:163は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置-1654 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:164は、プロテインCにおける-1654 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:165は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置-1641 Aで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:166は、プロテインCにおける-1641 A/G置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:167は、野生型プロテインC配列をヌクレオチド位置-1476 Aで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:168は、プロテインCにおける1476 A/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
プロテインS
SEQ ID NO:169は、野生型プロテインS配列を位置-34、TGCで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:170は、プロテインSにおける-34、delGを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:171は、野生型プロテインS配列を位置-24、GTGで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:172は、プロテインSにおける-24、GTG/GAG置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:173は、野生型プロテインS配列を位置19、GAAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:174は、プロテインSにおける19、GAA/TAA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:175は、野生型プロテインS配列を位置26、GAAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:176は、プロテインSにおける26、GAA/GCA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:177は、野生型プロテインS配列を位置44で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:178は、プロテインSにおける44、delCTTAを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:179は、野生型プロテインS配列を位置46、GTTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:180は、プロテインSにおける46、GTT/CTT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:181は、野生型プロテインS配列をイントロンd、エクソン4、+1の位置で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:182は、プロテインSにおけるイントロンd、G/A、エクソン4、+1置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:183は、野生型プロテインS配列を位置155、AAGで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:184は、プロテインSにおける155、AAG/GAG置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:185は、野生型プロテインS配列を位置217、AATで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:186は、プロテインSにおける217、AAT/AGT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:187は、野生型プロテインS配列を位置238、CAGで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:188は、プロテインSにおける238、CAG/TAG置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:189は、野生型プロテインS配列を位置265で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:190は、プロテインSにおける265、insTを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:191は、野生型プロテインS配列を位置293、TCAでで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:192は、プロテインSにおける293、TCA/TGA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:193は、野生型プロテインS配列を位置295、GGCで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:194は、プロテインSにおける295、GGC/GTC置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:195は、野生型プロテインS配列をイントロンj、エクソン10、+5の位置で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:196は、プロテインSにおけるイントロンj、G/A、エクソン10、+5置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:197は、野生型プロテインS配列を位置349、GAAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:198は、プロテインSにおける349、GAA/AAA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:199は、野生型プロテインS配列を位置372で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:200は、プロテインSにおける372、delCTTTTT、insAAを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:201は、野生型プロテインS配列をイントロンk、エクソン12、-9の位置で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:202は、プロテインSにおけるイントロンk、A/G、エクソン12、-9置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:203は、野生型プロテインS配列を位置-25405、CTAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:204は、プロテインSにおける405、CTA/CCA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:205は、野生型プロテインS配列を位置410、CGAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:206は、プロテインSにおける410、CGA/TGA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:207は、野生型プロテインS配列を位置431で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:208は、プロテインSにおける431、insAを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:209は、野生型プロテインS配列を位置465、TGGで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:210は、プロテインSにおける465、TGG/TGA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:211は、野生型プロテインS配列を位置474、CGTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:212は、プロテインSにおける474、CGT/TGT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:213は、野生型プロテインS配列をイントロンb、エクソン2 +5522、CAGの位置で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:214は、プロテインSにおける522、CAG/TAG置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:215は、野生型プロテインS配列を位置534、CTGで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:216は、プロテインSにおける534、CTG/CGG置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:217は、野生型プロテインS配列をイントロンk、エクソン11 +54625、TGTの位置で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:218は、プロテインSにおける625、TGT/CGT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:219は、野生型プロテインS配列を位置-2、CGTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:220は、プロテインSにおける-2、CGT/CTT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:221は、野生型プロテインS配列を位置9、AAAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:222は、プロテインSにおける9、AAA/GAA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:223は、野生型プロテインS配列をイントロンe、エクソン5、+5の位置で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:224は、プロテインSにおけるイントロンe、G/A、エクソン5、+5置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:225は、野生型プロテインS配列をエクソン15、終止コドン-25後の520ntで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:226は、プロテインSにおける25、insTを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:227は、野生型プロテインS配列を位置467、GTAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:228は、プロテインSにおける467、GTA/GGA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:229は、野生型プロテインS配列を位置633で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:230は、プロテインSにおける633、delAAを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:231は、野生型プロテインS配列を位置636、TAAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:232は、プロテインSにおける636、TAA/TAT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:233は、野生型プロテインS配列をイントロンk、エクソン11 +54の位置で探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:234は、プロテインSにおけるイントロンk、C/T、エクソン11 +54置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:235は、野生型プロテインS配列を位置460、TCCで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:236は、プロテインSにおける460、TCC/CCC置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:237は、野生型プロテインS配列を位置626、CCAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:238は、プロテインSにおける626、CCA/CCG置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:239は、野生型プロテインS配列をエクソン15、終止コドン後の520ntで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:240は、プロテインSにおけるエクソン15、終止コドン置換後のC/A 520ntを探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
フィブリノーゲン
SEQ ID NO:241は、野生型フィブリノーゲン配列を位置α(16)Arg、CGTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:242は、フィブリノーゲンにおけるα(16)Arg/Cys:CGT/TGT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:243は、野生型フィブリノーゲン配列を位置α(16)Arg、CGTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:244は、フィブリノーゲンにおけるα(16)Arg/His:CGT/CAT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:245は、野生型フィブリノーゲン配列を位置α(19)Arg、AGGで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:246は、フィブリノーゲンにおけるα(l9)Arg/Gly:AGG/GGG置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:247は、野生型フィブリノーゲン配列を位置α(461)Lys、AAAで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:248は、フィブリノーゲンにおけるα(461)Lys/Stop:AAA/TAA置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:249は、野生型フィブリノーゲン配列を位置α(554)Arg、CGTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:250は、フィブリノーゲンにおけるα(554)Arg/Cys:CGT/TGT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:251は、野生型フィブリノーゲン配列を位置β(14)Arg、CGTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:252は、フィブリノーゲンにおけるβ(14)Arg/Cys:CGT/TGT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:253は、野生型フィブリノーゲン配列を位置β(68)Ala、GCTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:254は、フィブリノーゲンにおけるβ(68)Ala/Thr:GCT/ACT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:255は、野生型フィブリノーゲン配列を位置β(255)Arg、CGTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:256は、フィブリノーゲンにおけるβ(255)Arg/Cys:CGT/TGT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:257は、野生型フィブリノーゲン配列を位置γ(275)Arg、CGCで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:258は、フィブリノーゲンにおけるγ(275)Arg/Cys:CGC/TGC置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:259は、野生型フィブリノーゲン配列を位置γ(275)Arg、CGCで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:260は、フィブリノーゲンにおけるγ(275)Arg/His:CGC/CAC置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:261は、野生型フィブリノーゲン配列を位置γ(292)Gly、GGCで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:262は、フィブリノーゲンにおけるγ(292)Gly/Val:GGC/GTC置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:263は、野生型フィブリノーゲン配列を位置γ(308)Asn、AATで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:264は、フィブリノーゲンにおけるγ(308)Asn/Lys:AAT/AAG置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:265は、野生型フィブリノーゲン配列を位置γ(318)Asp、GACで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:266は、フィブリノーゲンにおけるγ(318)Asp/Gly:GAC/GGC置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:267は、野生型フィブリノーゲン配列を位置Thr312、ACTで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:268は、フィブリノーゲンにおけるThr3l2Ala:ACT/GCT置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
第V因子
SEQ ID NO:269は、野生型第V因子配列をヌクレオチド位置1691 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:270は、第V因子における1691G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:271は、野生型第V因子配列をヌクレオチド位置1628Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:272は、第V因子における1628G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:273は、野生型第V因子配列をヌクレオチド位置4070Aで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:274は、第V因子における5382 G置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:275は、野生型第V因子配列をヌクレオチド位置1090Aで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:276は、第V因子における1090A/G置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:277は、野生型第V因子配列をヌクレオチド位置1091Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:278は、第V因子における1091G/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
第II因子
SEQ ID NO:279は、野生型プロトロンビン配列をヌクレオチド位置20210 Gで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:280は、プロトロンビンにおける20210G/A置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
MTHFR
SEQ ID NO:281は、野生型MTHFR配列をヌクレオチド位置677 Cで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:282は、MTHFRにおける677 C/T置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:283は、野生型MTHFR配列をヌクレオチド位置1298 Aで探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:284は、MTHFRにおける1298 A/C置換を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
ACE
SEQ ID NO:285は、イントロン16に288bp挿入を有する野生型ACE配列の開始部分を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:286は、イントロン16に288bp挿入を有する野生型ACE配列の中央部分を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
SEQ ID NO:287は、イントロン16に288bp欠失を有する変異型ACE配列を探索するために用い得るオリゴヌクレオチド配列である。
いくつかの態様の詳細な説明
略号および用語
以下の用語および方法の説明は、本開示をさらに良く記述するため、および本開示の実施において当業者を手引きするために提供される。単数形の「1つの(a)、(an)」および「その」は、文脈で明らかに別の指示がなされない限り、1つまたは複数を指す。例えば、「1つの核酸(a nucleic acid)を含む」という用語は、単一または複数の核酸を含んでおり、これは「少なくとも1つの核酸を含む」という語句と等価であるとみなされる。「または」という用語は、文脈で明らかに別の指示がなされない限り、記述された複数の択一的な要素または2つもしくはそれ以上の要素の組み合わせのうち、単一の要素を指す。本明細書で用いる場合、「含む(comprise)」は、「含む(include)」を意味する。したがって、「AまたはBを含む」とは、そのほかの要素を除外することなしに、「A、B、またはAおよびBを含む」を意味する。例えば、「変異または多型」または「1つまたは複数の変異または多型」という語句は、1つの変異、1つの多型またはそれらの組み合わせを意味し、ここでの「1つの」は複数も指し得る。
別に説明する場合を除き、本明細書で用いるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載したものと同様または同等な方法および材料を、本発明の実施または検査に用いることはできるが、適した方法および材料は以下に記載するものである。材料、方法および例は例示的であるに過ぎず、限定を意図したものではない。
アフリカ人:アフリカの黒色人種群のいずれかに起源がある人々を含む、ヒトの人種分類。いくつかの例においては、アフリカの出身者または住民である肌の色の黒い人々のほか、アフリカの出身者または住民とかなり高い遺伝的類似性を保っている人々である、アフリカ系アメリカ人などのアフリカ系の人々も含まれる。1つの特定の例において、アフリカ人とは少なくとも1/64血統のアフリカ人である。
核酸分子を増幅すること:遺伝子または遺伝子の断片、例えば静脈血栓症(VT)関連遺伝子の一領域といった核酸分子のコピー数を増加させること。その結果得られた増幅された産物は増幅産物と呼ばれる。
インビトロ増幅の一例はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であり、この場合には、対象から得た生物試料を、一対のオリゴヌクレオチドプライマーと、プライマーと試料中の核酸分子とのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で接触させる。これらのプライマーを適した条件下で伸長させ、テンプレートから解離させた後に、再アニーリング、伸長および解離を行って核酸分子のコピー数を増加させる。インビトロ増幅法のその他の例には、定量的リアルタイムPCR、鎖置換増幅法(USPN 5,744,311号を参照);転写を用いない等温増幅法(USPN 6,033,881号を参照);反復的連鎖反応増幅法(WO 90/01069号を参照);リガーゼ連鎖反応増幅法(EP-A-320 308号を参照);ギャップ充填リガーゼ連鎖反応増幅法(USPN 5,427,930号を参照);リガーゼ検出とPCRとの連結法(USPN 6,027,889号);および転写を用いないNASBA(商標)RNA増幅法(USPN 6,025,134号を参照)が含まれる。
アンジオテンシンI転換酵素(ACE):アンジオテンシンIを血管収縮因子アンジオテンシンIIに変換する酵素であり、ブラジキニンの分解に関与する。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆるACE遺伝子、cDNA、RNAまたはタンパク質が含まれる。その例には、GenBankアクセッション番号BC048144に開示された配列(ならびに対応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。
ヒトACEにおける少なくとも1つの変異が、静脈血栓症と関連づけられている:これはイントロン16における288bp断片の挿入(ins)または欠失(del)からなる多型である。
抗血液凝固剤:異常な血液凝固を低下させる、または防止する薬剤。抗血液凝固剤は、例えば、血液が凝固するために必要なタンパク質の産生を低下または停止させることにより、新たな血塊の形成を回避させ、既存の血塊が成長(拡大)するのを防止することができる。その例には、アスピリン、ヘパリンおよびワルファリンが非制限的に含まれる。
アンチトロンビンIII(AT III):セルピン(セリンプロテイナーゼ阻害因子)スーパーファミリーのタンパク質のメンバー。AT IIIは主要なトロンビン因子であり、第IXa因子、第Xa因子、第XIa因子および第XIIa因子といった他の凝固因子に対する阻害作用を有する。さらに、AT IIIは第VIIa因子-組織因子複合体の解離を促進するとともに、その再結合を防止する。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆるAT III遺伝子、cDNAもしくはRNAの産物、またはAT IIIタンパク質が含まれる。その例には、GenBankアクセッション番号NM_000488に開示されたmRNA配列(ならびに対応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。ヒトAT IIIをコードする遺伝子は、染色体1q23-25に局在し、13.4kbのDNAの範囲にわたり、7つのエクソンを有する。
ヘテロ接合性AT III欠損症は、静脈血栓症のリスク増大と関連づけられている。AT III欠損症の分子的基盤は非常に異種混交的である。AT III欠損症はI型(機能的AT IIIおよび免疫学的AT IIIとも血漿レベルが低い)およびII型(血漿中に変異型AT IIIが存在)に分けられる。II型はさらにRS(反応部位の欠陥)、HBS(ヘパリン結合部位の欠陥)およびPE(多面的、すなわち機能に対する複数の影響)に細分される。
AT III欠損症と関連づけられている欠陥には、少なくとも127種類の異なるものがある:I型AT III欠損症に関しては92種の変異(40種の点変異、40種の小規模な挿入または欠失、および12種の大規模欠失)、II型AT III欠損症に関しては35種の変異(12種がRS、12種がHBSで11種がPEの変異、すべて点変異)。I型の変異のうち、少なくとも11種類の変異(7種の点変異および4種の欠失または挿入)は血縁関係のない複数の家系で記載されており、残りの変異は単一の家族に特有であり、このため個別的な変異とされている。II型においては、35種の変異のうち19種(7種がRS、6種がHBSで6種がPEの変異)が血縁関係のない複数の家系で記載されており、残りのものは個別的な変異であることが報告されている。
静脈血栓症と関連する頻発性AT III遺伝子変異の例は表1に示されている。
アレイ:基板の上または中のアドレス指定可能な位置にある、生体高分子(ポリペプチドまたは核酸など)または生物試料(組織切片など)などの分子の配置物。「マイクロアレイ」とは、評価または分析のために顕微鏡検査が必要となるように、またはそれによって支援されるように小型化されたアレイのことである。アレイは時にDNAチップまたはバイオチップと呼ばれる。
分子(「特徴」)のアレイは、1つの試料に対して極めて多数の分析を同時に行うことを可能にする。ある種の例示的なアレイにおいては、例えば、内部対照を用意するために、1つまたは複数の分子(オリゴヌクレオチドプローブなど)が、アレイ上に複数回(2回など)存在すると考えられる。アレイ上のアドレス指定可能な位置の数はさまざまであってよく、例えば、数個(3個など)から少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも200個、少なくとも250個、少なくとも300個、少なくとも500個、少なくとも600個、少なくとも1000個、少なくとも10,000個またはそれ以上であってよい。特定の例において、アレイは、少なくとも15ヌクレオチド長である、例えば、少なくとも18ヌクレオチド長、少なくとも21ヌクレオチド長またはさらには少なくとも25ヌクレオチド長といった約15〜40ヌクレオチド長などである、オリゴヌクレオチド配列などの核酸分子を含む。1つの例において、分子は、その5'末端または3'末端を介してアレイと結合したオリゴヌクレオチドを含む。
特定の例において、アレイは、SEQ ID NO:1〜287、または、奇数番号のSEQ ID NO:1〜285およびSEQ ID NO:286(野生型VT関連配列を検出するため)もしくは偶数番号のSEQ ID NO:2〜284およびSEQ ID NO:287(変異型または多型性のVT関連配列を検出するため)、さらにはSEQ ID NO:1〜287に示された配列のうち少なくとも20種、例えばSEQ ID NO:1〜287に示された配列のうち少なくとも50種、少なくとも75種、少なくとも100種、少なくとも150種、少なくとも200種、少なくとも250種もしくは少なくとも260種などといったそのサブセットを含む。
アレイの内部にある、アレイ化されたそれぞれの試料は、アレイの少なくとも二次元の内部で、その位置を確実にしかも一貫して決定し得るという点で、アドレス指定可能である。アレイ上への特徴の適用位置に関しては、さまざまな形状を想定することができる。例えば、アレイは規則的でもよく(均一な横列および縦列として配置されている、など)または不規則的でもよい。このように、秩序立ったアレイにおいて、各試料の位置はそれがアレイに適用される時点で試料に対して割り当てられ、それぞれの位置を適切な標的または特徴の場所と相関づける目的でキー(key)を用意してもよい。しばしば、秩序立ったアレイは対称性グリッドパターンとして配置されるが、試料を他のパターン(放射状に分布する線、渦巻き状の線または秩序立ったクラスターなど)として配置することも可能と考えられる。アドレス指定可能なアレイは通常、アレイ上の特定のアドレスをその位置での試料に関する情報(ハイブリダイゼーションデータまたは結合データ、例えばシグナル強度を含む)と相関づけるようにコンピュータをプログラムし得るという点で、コンピュータ可読性である。コンピュータ可読形式のいくつかの例において、アレイ中の個々の特徴は、規則的に、例えばコンピュータによってアドレス情報と相関づけることが可能な直交グリッドパターンとして、配置される。
また、プローブ分子がタンパク質であるかタンパク質を含む、または標的分子がタンパク質であるかタンパク質を含んでいてアレイがタンパク質/ペプチドが結合する核酸を含む、もしくはその反対であるような、タンパク質ベースのアレイも本明細書において想定している。
アジア人:極東、東南アジア、インド亜大陸または太平洋諸島の原住民のいずれかに起源を有する人々を含む、ヒトの人種分類。この地域には、例えば、中国、インド、日本、韓国、フィリピン諸島およびサモアが含まれる。特定の例において、アジア人には、アジアの出身者または住民とかなり高い遺伝的類似性を保っている人々である、アジア系アメリカ人などのアジア系の人々が含まれる。1つの特定の例において、アジア人は少なくとも1/64血統のアジア人である。
結合または安定的な結合:1つの核酸分子と別のもの(またはそれ自体)とのハイブリダイゼーション、および抗体とペプチドとの結びつきといった、2つの物質または分子の間の結びつき。オリゴヌクレオチド分子は、その結合の検出が可能となるのに十分な量のオリゴヌクレオチド分子がその標的核酸分子と塩基対を形成するかハイブリダイズするならば、標的核酸分子と結合する、または安定的に結合する。結合は、標的:オリゴヌクレオチド複合体の物理的または機能的な特性などによる、当業者に公知の任意の手順によって検出することができる。例えば、結合が、遺伝子の発現、DNA複製、転写、翻訳といった生合成過程に対して観測可能な影響を及ぼすか否かを明らかにすることにより、結合を機能的に検出することができる。
核酸分子の相補鎖の結合を検出する物理的方法には、DNアーゼIフットプリント法または化学的フットプリント法、ゲルシフトアッセイおよびアフィニティー切断アッセイ、ノーザンブロット法、ドットブロット法ならびに吸光検出手順などの方法が非制限的に含まれる。例えば、1つの方法は、オリゴヌクレオチド(または類似体)および標的核酸を含む溶液の220〜300nmでの吸光度の変化を、温度をゆっくりと上昇させながら観測する段階を含む。オリゴヌクレオチドまたは類似体がその標的と結合しているならば、オリゴヌクレオチド(または類似体)および標的が互いに解離または融解する特徴的な温度で吸光度の急激な上昇がみられる。もう1つの例において、本方法は、一方または両方の相補鎖に存在する、検出可能な標識などのシグナルを検出する段階を含む。
オリゴマーとその標的核酸との結合は、往々にして、オリゴマーの50%がその標的から融解する温度(T)によって特徴づけられる。より高い(T)は、より低い(T)の複合体よりも、複合体が強力である、または安定であることを意味する。
白色人種:極めて薄い色ないし褐色の皮膚色素沈着、および直毛ないしウェーブ状または縮れ状の毛といった身体的特徴によって伝統的に識別されている、ヒトの人種分類であり、これには欧州、北米または中東の原住民のいずれかに起源を有する人々が含まれる。一般的には、北米では「白人」という用語が「白色人種」と同義に用いられる。このような人々は、欧州、北米または中東の出身者または住民とかなり高い遺伝的類似性を保ってもいる。1つの特定の例において、白色人種は少なくとも1/64血統の白色人種である。
cDNA(相補的DNA):内部の非コード性セグメント(イントロン)および転写を決定する調節配列を欠いたDNAの小片。cDNAは、細胞から抽出したメッセンジャーRNAからの逆転写によって合成することができる。
相補性および相補性のパーセンテージ:相補的核酸を有する分子は、ワトソン-クリック型塩基対、フーグスティーン型塩基対または逆フーグスティーン型塩基対を形成することによって鎖が互いに結合(ハイブリダイズ)した際に、安定な二重鎖または三重鎖を形成する。安定的な結合は、必要とされた条件下で、オリゴヌクレオチド分子が標的核酸配列と検出可能なように結合を保っている場合に起こる。
相補性とは、1つの核酸鎖における塩基が第2の核酸鎖における塩基と塩基対を形成する程度のことである。相補性は、パーセンテージによって、すなわち、2つの鎖の間または2つの鎖の特定の領域もしくはドメインの内部で塩基対を形成するヌクレオチドの割合によって記述することが好都合である。例えば、15ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドのうち10ヌクレオチドが、DNA分子の標的とした領域と塩基対を形成するならば、そのオリゴヌクレオチドは標的としたDNAの領域に対して66.67%の相補性を有すると言われる。
本開示において、「十分な相補性」とは、オリゴヌクレオチド分子と標的核酸配列(アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEなど)との間に、検出可能な結合が起こるのに十分な数の塩基対が存在することを意味する。形成された塩基対のパーセンテージによって表現または測定する場合、この目標を満たす相補性のパーセンテージは、約50%の相補性という低い程度から完全に(100%)相補的であるまでの範囲にわたり得る。一般に、十分な相補性とは、少なくとも約50%、例えば少なくとも約75%の相補性、少なくとも約90%の相補性、少なくとも約95%の相補性、少なくとも約98%の相補性またはさらには少なくとも約100%の相補性である。
当業者が所望の条件下で用いるための適切なオリゴヌクレオチドを設計することを可能にする結合条件を確立することにかかわる質的および量的な検討事項の詳細な取り扱いについては、Beltz et al. Methods Enzymol 100: 266-285, 1983およびSambrook et al.(ed.),「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」, 2nd ed., vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989によって提示されている。
DNA(デオキシリボ核酸):ほとんどの生物(いくつかのウイルスはリボ核酸、RNAを含む遺伝子を有する)の遺伝物質を含む長鎖重合体。DNA重合体における反復単位は4種類のヌクレオチドであり、そのそれぞれはアデニン、グアニン、シトシンおよびチミンという4種の塩基のうち1つがデオキシリボース糖と結合し、それにリン酸基が結合したものを含む。DNA分子におけるコドンと呼ばれるヌクレオチドのトリプレットは、ポリペプチド中のアミノ酸をコードする。コドンという用語は、DNA配列が転写されたmRNAにおける、対応する(および相補的な)3つのヌクレオチドの配列に対しても用いられる。
欠失:核酸配列からの1つまたは複数のヌクレオチド(またはタンパク質配列からの1つもしくは複数のアミノ酸)が除去されて、除去された配列の両側の領域が互いに連結されること。
第V因子(FV):第Xa因子およびα-トロンビンによるプロトロンビンのトロンビンへの変換において補助因子として作用するタンパク質。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆるFV遺伝子、cDNAもしくはRNAの産物、またはFVタンパク質が含まれる。FV核酸配列の例には、GenBankアクセッション番号NM_000130に開示されたmRNA配列(ならびに対応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。
FVは血漿中を330kDaの一本鎖糖タンパク質として循環する。活性化FV(FVa)の凝固促進活性のダウンレギュレーションは、活性化プロテインC(APC)により媒介される、3つの異なる逐次的な切断部位でのFVaのタンパク質分解によって行われる。第V因子はまずArg 506で切断され、続いてArg 306で、最後にArg 679で切断される。Arg 506でのペプチド結合の切断は、その後にArg 306およびArg 679での切断部位が最適に露出するために必要である。Arg 306でのペプチド結合切断はまず活性の70%消失の原因となり、その後のArg 679での切断は残存活性の消失をもたらす。
ヒトFV遺伝子における少なくとも5種類の単一ヌクレオチド置換が、血栓症のリスクの増大と関連づけられている:Arg506Gln多型を招く1691G→A転位;R485K多型を招く1628G→A転位;Arg306Thr変異を招く1091G→C転位;Arg306Gly変異を招く1090A→G転位;およびHis1299Arg多型を招く4070A→G転位。
フィブリノーゲン:血液凝固において、フィブリン凝塊の形成、第XIII因子を介したフィブリン架橋、非基質性トロンビン結合、血小板凝集およびフィブリン溶解といった複数の機能を有する血漿タンパク質。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆるフィブリノーゲン遺伝子、cDNA、RNAの産物、またはフィブリノーゲンタンパク質が含まれる。フィブリノーゲン核酸配列の例には、GenBankアクセッション番号NM_021871.1、BC007030およびNM_021870に開示されたmRNA配列(それぞれα、βおよびγサブユニットに関する、ならびに対応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。
ヒトフィブリノーゲンは340kDaの糖タンパク質であり、ジスルフィド結合によって連結した2つの同一なサブユニットから構成される。各サブユニットは3つのポリペプチド鎖(α、βおよびγ)を含み、それらはヒト染色体4の長腕上にある3つの別々の遺伝子によってコードされる。異常フィブリノーゲン血症は、異常なフィブリノーゲン機能をもたらすフィブリノーゲン分子における種々の構造異常によって引き起こされる。
少なくとも25種類の単独のフィブリノーゲン変異(22種類の単一ヌクレオチド置換、1種類の挿入および2種類の欠失)が、血栓症のリスクの増大と関連づけられており、これにはThr312Ala多型が含まれる。少なくとも13種の変異が、血縁関係のない異なる家系からの複数の報告において記載されており、残りの変異は単一の家族に特有であることから個別的な変異とされている。
静脈血栓症と関連性のある、頻発性の血栓形成傾向性フィブリノーゲン遺伝子変異の例および1つの一般的な多型が表1に示されている。
遺伝的素因:静脈血栓症などの遺伝病に対する対象の感受性。しかし、このような感受性は、疾患の実際の発症をもたらすこともあれば、もたらさないこともある。
ハイブリダイゼーション:DNA、RNAの2つの鎖の相補的領域の間、またはDNAとRNAとの間で塩基対を形成させ、それによって二重鎖分子を形成させること。特定の程度のストリンジェンシーをもたらすハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーションの方法ならびにハイブリダイズさせる核酸配列の組成および長さに応じて異なると考えられる。一般的には、ハイブリダイゼーションの温度およびハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度(Na+濃度など)がハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定すると考えられる。特定の程度のストリンジェンシーを得るためのハイブリダイゼーション条件に関する計算は、Sambrook et al.,(1989)「Molecular Cloning」second edition, Cold Spring Harbor Laboratory, Plainview, NY(第9章および11章)で考察されている。以下は、ハイブリダイゼーション条件の例示的な一組であり、限定的なものではない:
極めて高いストリンジェンシー(少なくとも90%の同一性を有する配列を検出する)
ハイブリダイゼーション:5×SSC、65℃で16時間
洗浄を2回:2×SSC、室温(RT)で各15分間
洗浄を2回:0.5×SSC、65℃で各20分間
高ストリンジェンシー(少なくとも80%の同一性を有する配列を検出する)
ハイブリダイゼーション:5×〜6×SSC、65℃〜70℃で16-20時間
洗浄を2回:2×SSC、RTで各5〜20分間
洗浄を2回:1×SSC、55℃〜70℃で、各30分間
低ストリンジェンシー(少なくとも50%の同一性を有する配列を検出する)
ハイブリダイゼーション:6×SSC、RT〜55℃で16〜20時間
洗浄を少なくとも2回:2×〜3×SSC、RT〜55℃で各20〜30分間
挿入:1つもしくは複数のヌクレオチドを核酸配列に追加すること、または1つもしくは複数のアミノ酸をタンパク質配列に追加すること。
単離された:「単離された」生体成分(核酸分子、タンパク質またはオルガネラ)は、その成分が自然下で存在する生物体の細胞内の他の生体成分から、例えば他の染色体性および染色体外性のDNAおよびRNA、タンパク質ならびにオルガネラなどから、実質的に分離または精製されている。「単離された」核酸分子およびタンパク質には、標準的な精製方法によって精製された核酸分子およびタンパク質が含まれる。この用語はまた、宿主細胞における組換え発現によって調製された核酸分子およびタンパク質、ならびに化学合成された核酸分子およびタンパク質も含む。
標識:例えばELISA、分光法、フローサイトメトリーまたは顕微鏡法により、検出が可能な因子。例えば、標識を核酸分子に結合させ、それによって核酸分子の検出を可能にすることができる。標識の例には、放射性同位体、酵素基質、補助因子、リガンド、化学発光物質、蛍光団、ハプテン、酵素およびそれらの組み合わせが非制限的に含まれる。標識の方法、およびさまざまな目的にとって適切な標識の選択についての手引きは、例えば、Sambrook et al.(「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」, Cold Spring Harbor, New York, 1989)およびAusubel et al.(「Current Protocols in Molecular Biology」, John Wiley & Sons, New York, 1998)に考察されている。
メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(MTHFR):細胞内ホモシステイン代謝の再メチル化経路に関与するタンパク質。メチオニンシンターゼによって触媒されるこの再メチル化経路では、コバラミンが補助因子として作用し、MTHFRによる5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸の還元によって生じる5-メチル-テトラヒドロ葉酸によってメチル基が供与される。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆるMTHFR遺伝子、cDNAもしくはRNAの産物、またはMTHFRタンパク質が含まれる。その例には、GenBankアクセッション番号NM_005957に開示されたmRNA配列(ならびに対応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。
ヒトMTHFR遺伝子は染色体1p36.3に位置し、ほぼ17kbのDNAを含み、11個のエクソンを有する。ヒトMTHRFにおける少なくとも2つの多型:677C→T多型および1298A→C多型が、静脈血栓症と関連づけられている。
変異:遺伝的差異の源としての、核酸配列のあらゆる変化。例えば、変異は遺伝子または染色体の内部に起こってもよく、これには染色体の非コード領域における特定の変化、例えば、遺伝子の調節領域の内部または近傍における変化が含まれる。変異の種類には、塩基置換性点変異(転位または転換)、欠失および挿入が非制限的に含まれる。ミスセンス変異とは、コードされるタンパク質の配列に異なるアミノ酸を導入するものである;ナンセンス変異とは、新たな終止コドンを導入するものである;サイレント変異とは、同じアミノ酸を導入するものであり、これはしばしばコドンの3番目の位置における塩基変化を伴う。挿入または欠失の場合、変異はインフレーム(全体的な配列のフレームを変化させない)でもよく、または、多数のコドンの誤読(およびしばしば、代替的フレームにおける終止コドンの存在のためにコード産物の異常な終結を招く)をもたらす可能性のあるフレームシフト変異でもよい。
核酸アレイ:cDNAアレイまたはオリゴヌクレオチドアレイに見られるような、マトリックス上の割り当てられた位置にある核酸分子(DNAまたはRNAなど)の配置物。
遺伝子を代表する核酸分子:プローブまたは他の指標分子として用いるのに適した長さであって、対応する遺伝子に関する情報を与える、あらゆる核酸分子、例えばDNA(イントロンまたはエクソンまたはその両方)、cDNAまたはRNA。
核酸分子:cDNA、mRNA、ゲノムDNAおよび合成(化学合成など)DNAを非制限的に含む、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドの重合体。核酸分子は二本鎖でも一本鎖でもよい。一本鎖の場合、核酸分子はセンス鎖でもアンチセンス鎖でもよい。さらに、核酸分子は環状でも線状でもよい。
本開示は、特定の長さのVT関連ヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を含む。このような分子は、これらの配列の少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個または少なくとも50個の連続したヌクレオチド、またはそれ以上を含み得る。
ヌクレオチド:これには、糖と結合したピリミジン、プリンなどの塩基、またはその合成類似体、またはペプチド核酸(PNA)におけるようにアミノ酸と結合した塩基、を含む単量体が非制限的に含まれる。ヌクレオチドとは、ポリヌクレオチド中の1つの単量体である。ヌクレオチド配列とは、ポリヌクレオチドにおける塩基の配列のことを指す。
オリゴヌクレオチド:オリゴヌクレオチドとは、天然のホスホジエステル結合によって連結された、約6〜約300ヌクレオチド長である複数の連結ヌクレオチドのことである。オリゴヌクレオチド類似体とは、オリゴヌクレオチドと同様に機能するが、天然には存在しない部分を含む成分のことを指す。例えば、オリゴヌクレオチド類似体は、ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドのように、改変された糖部分または糖間結合などの天然には存在しない部分を含み得る。
個々のオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド類似体は、最大で約200ヌクレオチド長の線状配列、例えば、少なくとも6塩基、例えば少なくとも8塩基、少なくとも10塩基、少なくとも15塩基、少なくとも20塩基、少なくとも21塩基、少なくとも25塩基、少なくとも30塩基、少なくとも35塩基、少なくとも40塩基、少なくとも45塩基、少なくとも50塩基、少なくとも100塩基、もしくはさらには少なくとも200塩基長の、または約6〜約50塩基、例えば、12塩基、15塩基、20塩基、21塩基もしくは25塩基のような約10〜25塩基の(DNAまたはRNAのような)配列を含み得る。
オリゴヌクレオチドプローブ:分子ハイブリダイゼーションによって相補的配列の存在を検出するために用いられる、少なくとも8ヌクレオチド長、少なくとも10ヌクレオチド長、少なくとも15ヌクレオチド長、少なくとも20ヌクレオチド長、少なくとも21ヌクレオチド長、少なくとも25ヌクレオチド長または少なくとも30ヌクレオチド長といったヌクレオチドの短い配列。特定の例において、オリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオチドプローブ:標的配列ハイブリダイゼーション複合体の検出を可能にする標識を含む。
機能的に結合した:第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的な関連の下で配置されている場合、第1の核酸配列は第2の核酸配列と機能的に結合している。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を及ぼすならば、プロモーターはコード配列と機能的に結合している。一般に、機能的に結合したDNA配列は連続しており、2つのタンパク質コード領域を連結することが必要な場合には同一のリーディングフレーム中にある。
オープンリーディングフレーム(ORF):内部に終止コドンを伴わない、アミノ酸をコードする一連のヌクレオチドトリプレット(コドン)これらの配列は通常、ペプチドへと翻訳され得る。
多型:変異の結果として、遺伝子配列は個体間で異なることがある。このような異なる配列は対立遺伝子と呼ばれる。所定の座位(染色体上の遺伝子の「位置」は座位と呼ばれる)に存在する対立遺伝子は、個体の遺伝子型と呼ばれる。座位の中には、個体間で大きく異なるものがある。集団における頻度がそれぞれ1%を上回る2つまたはそれ以上の対立遺伝子を座位が有するならば、その座位は多型性であると呼ばれる。多型性の部位は多型と呼ばれる。多型という用語はまた、機能の変化した遺伝子産物を生じさせる差異、すなわち、機能的に等価でない遺伝子産物をもたらす遺伝子配列における変異も含む。この用語はまた、遺伝子産物を生じさせない、または活性のない遺伝子産物、活性の上昇もしくは低下した遺伝子産物を生じさせる、またはさらには生物学的な影響のない、差異も含まれる。
多型は、例えば、差異が存在するヌクレオチド位置により、ヌクレオチドの差異によって起こるアミノ酸配列の変化により、またはその差異と関連性のある核酸分子もしくはタンパク質の何らかの他の特徴の変化により、言及することができる。
プライマー:10〜100ヌクレオチド長、例えば約15、20、21、25、30または50ヌクレオチド長またはそれ以上といった短い核酸分子、例えばDNAオリゴヌクレオチド。プライマーは、核酸ハイブリダイゼーションによって相補的な標的DNA鎖とアニーリングして、プライマーと標的DNA鎖とのハイブリッドを形成することができる。プライマー対は、PCRまたは当技術分野で公知のその他の核酸増幅方法などによる、核酸配列の増幅のために用いることができる。
核酸プライマーの調製および使用のための方法は、例えば、Sambrook et al.(「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」, CSHL, New York, 1989)、Ausubel et al.(ed.)(「Current Protocols in Molecular Biology」, John Wiley & Sons, New York, 1998)およびInnis et al.(「PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications」, Academic Press, Inc., San Diego, CA, 1990)に記載されている。PCR用プライマー対は、既知の配列から得ることができ、これは例えば、Primer(バージョン0.5、(著作権)1991, Whitehead Institute for Biomedical Research, Cambridge, MA)などの、それを目的とするコンピュータプログラムを用いることによって行える。当業者は、特定のプローブまたはプライマーの特異性がその長さに伴って高くなることを理解しているであろう。したがって、例えば、VT関連タンパク質をコードするヌクレオチドのうち30個の連続したヌクレオチドを含むプライマーは、15ヌクレオチドに過ぎない対応するプライマーよりも、指定されたVT関連タンパク質の別のホモログのような標的配列に対してより高い特異性でアニーリングすると考えられる。このため、より高い特異性を得る目的で、VT関連タンパク質をコードするヌクレオチド配列のうち少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個またはそれ以上の連続したヌクレオチドを含むようにプローブおよびプライマーを選択することができる。
プロテインC(PC):PCは、トロンビンとその内皮受容体であるトロンボモジュリンとの結合の後に活性化される。活性化PCは第Va因子および第VIIIa因子を切断および不活性化することによって血塊形成を阻害する。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆるPC遺伝子、cDNAもしくはRNAの産物、またはPCタンパク質が含まれる。その例には、GenBankアクセッション番号BC034377.1に開示されたmRNA配列(ならびに対応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。
ヒトPC遺伝子はヒト染色体2q13-14に位置する;これは約10kbの範囲にわたり、9つのエクソンを含む。PC遺伝子における機能喪失型変異はPCの欠損症をもたらすが、これはVTの十分に確立された原因である。PC欠損症はI型(機能的PCおよび免疫学的PCともに血漿中濃度が低い)およびII型(機能的タンパク質の血漿レベルが低く、抗原レベルは正常)に分類される。
ヒトにおける静脈血栓症と関連づけられている少なくとも161種類のPC遺伝子変異のうち、少なくとも51種類の変異(48種の点変異、2種の欠失および1種の挿入)は、血縁関係のない複数の家系で記載されており、残りの変異は単一の家族に特有であり、このため個別的な変異とされている。少なくとも40種の頻発性の変異がI型PC欠損症と関連づけられており、11種の変異がII型PC欠損症の患者で見いだされている。
PC遺伝子の5'非翻訳領域に位置する3つの多型性部位(nt -1654C/T、-1641A/Gおよび-1476A/T)も血漿PCレベルに影響を及ぼす。CGTアレルを保有する対象は他の遺伝子型を有する対象よりも血漿PCレベルが低く、このためこのアレルは静脈血栓症の危険因子である。
静脈血栓症と関連性のある頻発性のPC遺伝子変異および多型の例は表1に示されている。
プロテインS(PS):第Va因子および第VIIIa因子のタンパク質分解性不活性化における活性化PCの非酵素的な補助因子。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆるPS遺伝子、cDNAもしくはRNAの産物、またはPSタンパク質が含まれる。その例には、GenBankアクセッション番号NM_000313.1に開示されたmRNA配列(ならびに対応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。
ヒトDNAは2種類のPS遺伝子:活性のあるPROS1遺伝子および偽遺伝子PRSO2を含み、これらは3p11.1-q11.2に位置が特定されている。PRSO1は80kbのゲノムDNAの範囲にわたり、15個のエクソンおよび14個のイントロンを含む。PRSO1における機能喪失型変異はPSの欠損症を招く。血漿測定に基づいて3種類のPS欠損症が認識されている:I型は総PS抗原レベルおよび遊離PS抗原レベルの低さを特徴とし、II型は活性の低さならびに総PS抗原レベルおよび遊離PS抗原レベルが正常であることを特徴とし、III型は遊離PSレベルの選択的低下を特徴とする。
ヒトにおける静脈血栓症と関連づけられている少なくとも131種類のPS遺伝子変異のうち、少なくとも32種類の変異(25種の点変異、3種の欠失、3種の挿入ならびに1種の欠失および挿入)は、血縁関係のない複数の家系で記載されており、残りの変異は単一の家族に特有であり、このため個別的な変異とされている。25種の頻発性の変異が量的(I型および/またはIII型)PS欠損症と、3種の変異が質的(II型)PS欠損症と関連づけられるが、残りの4種の変異ではPS欠損症の型を決定することができなかったと報告されており、これは血漿アッセイが行われていなかったか対象が経口抗凝固療法を受けていたためであった。PS遺伝子における4種の頻発性多型は遺伝性PS欠損症の家族における欠陥性表現型と共分離する。
静脈血栓症と関連性のある頻発性のPS遺伝子変異および多型の例は表1に示されている。
プロトロンビン(第II因子、FII):セリンプロテアーゼであるトロンビンの前駆体であり、ビタミンK依存性糖タンパク質である。FXaによって活性化される(FVaおよびリン脂質の存在下で);FIIaは凝固促進活性、抗凝固活性および抗線維素溶解活性を示す。これには、ヒトなどの任意の生物由来のあらゆるFII遺伝子、cDNAもしくはRNAの産物、またはFIIタンパク質が含まれる。その例には、GenBankアクセッション番号V00595.1に開示されたmRNA配列(ならびに対応するゲノム配列およびタンパク質配列)が含まれる。
FIIをコードするヒト遺伝子は第11番染色体、バンド11p11-q12に位置し、21kbのDNAの範囲にわたる。FII遺伝子は、14個のエクソンが13個のイントロンによって隔てられ、それに5'および3'非翻訳(UT)領域を伴ったものから構成される。
ヒトFII遺伝子における少なくとも1つの単一ヌクレオチド置換:ヌクレオチド20210でのG→A多型は、血栓症のリスクの増大と関連づけられている。
精製された:「精製された」という用語は、絶対的な純粋さを必要とはしない;そうではなくて、これは相対的な用語であることを意図している。したがって、例えば、精製されたタンパク質調製物とは、その中の言及したタンパク質が、細胞内の天然の環境内にあるタンパク質よりも純粋なもののことである。例えば、タンパク質の調製物を、そのタンパク質が調製物の総タンパク質含有量のうち少なくとも50%に相当するように精製する。同様に、精製されたオリゴヌクレオチド調製物とは、その中のオリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの複合的な混合物を含む環境内よりも純粋なもののことである。
組換え:組換え核酸分子とは、天然に存在しない配列を有する、または2つの別々の配列のセグメントの人為的組み合わせによって作られた配列を有するもののことである。この人為的組み合わせは、核酸分子の単離されたセグメントの化学合成、または遺伝子工学の手法などによる人為的操作によって実現することができる。
試料:ゲノムDNA、RNA(mRNAを含む)、タンパク質またはそれらの組み合わせなどを含む生物標本。その例には、末梢血、尿、唾液、生検組織、外科手術標本、羊水試料および剖検材料が非制限的に含まれる。
配列の同一性/類似性:2つもしくはそれ以上の核酸配列または2つもしくはそれ以上のアミノ酸配列の間の同一性/類似性は、配列間の同一性または類似性に関して表される。配列同一性は、一致度(percentage identity)に関して測定される;このパーセンテージが高いほど、配列の同一性は高い。配列類似性は、類似度(これは保存的アミノ酸置換を考慮に入れている)に関して測定される;このパーセンテージが高いほど、配列の類似性は高い。核酸配列またはアミノ酸配列のホモログまたはオルソログは、標準的な方法を用いて整列化した場合、比較的高い程度の配列同一性/類似性を有する。この相同性は、オルソロガスなタンパク質またはcDNAが比較的近縁な関係にある種(ヒト配列およびマウス配列など)に由来する場合に、比較的遠い関係にある種(ヒト配列およびC.エレガンス配列など)と比較して特に顕著である。
比較のための配列のアラインメントの方法は当技術分野で周知である。さまざまなプログラムおよびアライメントアルゴリズムが、以下のものに記載されている:Smith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2: 482, 1981;Needleman & Wunsch、J. Mol. Biol. 48: 443, 1970;Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 2444,1988;Higgins & Sharp, Gene, 73: 237-44, 1988;Higgins & Sharp、CABIOS 5: 151-3, 1989;Corpet et al., Nuc. Acids Res. 16: 10881-90, 1988;Huang et al. Computer Appls. in the Biosciences 8, 155-65,1992;およびPearson et al., Meth. Mol. Bio. 24: 307-31, 1994。Altschul et al., J. Mol. Biol. 215: 403-10, 1990は、配列アラインメントの方法および相同性の計算に関する詳細な考察を提示している。
NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)(Altschul et al., J. Mol. Biol. 215: 403-10, 1990)は、米国国立生物情報センター(National Center for Biological Information)(NCBI, National Library of Medicine, Building 38A, Room 8N805, Bethesda, MD 20894)およびインターネットを含むいくつかの源から入手可能であり、配列解析プログラムであるblastp、blastn、blastx、tblastnおよびtblastxとともに用いられる。このほかの情報はNCBIのウェブサイトで見ることができる。
BLASTNは核酸配列を比較するために用いられ、一方、BLASTPはアミノ酸配列を比較するために用いられる。2つの核酸配列を比較するためには、オプションを以下のように設定することができる:-iは、比較しようとする第1の核酸配列を含むファイル(C:\seq1.txtなど)に設定する;-jは、比較しようとする第2の核酸配列を含むファイル(C:\seq2.txtなど)に設定する;-pはblastnに設定する;-oは任意の所望のファイル名(C:\output.txtなど)に設定する;-qは-1に設定する;-rは2に設定する;他のすべてのオプションはデフォールト設定のままとする。例えば、以下のコマンドを用いて、2つの配列間の比較を含む出力ファイルを生成することができる:C:\Bl2seq -i c:\seq1.txt -j c:\seq2.txt -p blastn -o c:\output.txt -q -1 -r 2。
2つのアミノ酸配列を比較するためには、Bl2seqのオプションを以下のように設定する:-iは、比較しようとする第1の核酸配列を含むファイル(C:\seq1.txtなど)に設定する;-jは、比較しようとする第2の核酸配列を含むファイル(C:\seq2.txtなど)に設定する;-pはblastpに設定する;-oは任意の所望のファイル名(C:\output.txtなど)に設定する;他のすべてのオプションはデフォールト設定のままとする。例えば、以下のコマンドを用いて、2つのアミノ酸配列間の比較を含む出力ファイルを生成することができる:C:\Bl2seq -i c:\seq1.txt -j c:\seq2.txt -p blastp -o c:\output.txt。比較した2つの配列に相同性があれば、指定した出力ファイルは相同性の領域を整列化された配列として提示すると考えられる。比較した2つの配列に相同性がなければ、指定した出力ファイルは整列化された配列を提示しないと考えられる。
ひとたびアラインメントが行われれば、両方の配列に同一なヌクレオチドまたはアミノ酸残基が存在する位置の数を算定することによって一致の数を決定する。配列一致度は、一致の数を、同定される配列中の示された配列の長さによって、または区切られた長さ(特定された配列中の示された配列からの100個の連続したヌクレオチドまたはアミノ酸残基)によって除算し、その後に結果として得られた値に100を乗算することによって決定される。例えば、1154ヌクレオチドを有する被験配列とのアラインメントを行った場合に1166個の一致がある核酸配列は、被験配列と75.0%の同一性がある(すなわち、1166÷1554*100=75.0)。配列一致度の値は、小数点以下で四捨五入する。例えば、75.11、75.12、75.13および75.14は端数切り捨てで75.1とし、75.15、75.16、75.17、75.18および75.19は端数切り上げで75.2となる。長さの値は常に整数である。もう1つの例において、以下のように、同定される配列からの20個の連続したヌクレオチドとアラインメントを行う20ヌクレオチドの領域を含む標的配列は、その同定される配列に対して75%の配列同一性を有する領域を含む(すなわち、15÷20*100=75)。
Figure 2007522804
約30アミノ酸を上回るアミノ酸配列の比較のためには、デフォールトのパラメーター(ギャップ存在コスト11および残基当たりのギャップコスト1)に設定されたデフォールトのBLOSUM62マトリックスを用いて、Blast 2配列関数を用いる。ホモログは通常、NCBI Basic Blast 2.0、ギャップトblastpをnrまたはswissprotデータベースなどのデータベースとともに用いたアミノ酸配列の完全長アラインメントにわたる算定で、少なくとも70%の配列同一性を有することによって特徴づけられる。blastnプログラムを用いて検索したクエリーを、DUST(Hancock and Armstrong, 1994, Comput. Appl. Biosci. 10: 67-70)によってフィルター処理する。また別のプログラムではSEGを用いる。さらに、手作業によるアラインメントを行うこともできる。さらに高い類似性を有するタンパク質は、この方法によって評価した場合、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性といった、さらに高い一致度を示すと考えられる。
短いペプチド(30アミノ酸前後よりも短い)のアラインメントを行う場合には、アラインメントは、デフォールトのパラメーター(オープンギャップ9、伸長ギャップ1ペナルティー)に設定されたデフォールトのPAM30マトリックス設定を用いて、Blast 2配列関数を用いて行われる。参照配列に対してさらに高い類似性を有するタンパク質は、この方法によって評価した場合、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性といった、さらに高い一致度を示すと考えられる。全長に満たない配列を配列同一性に関して比較する場合には、ホモログは通常、10〜20アミノ酸の短いウィンドウにわたって少なくとも75%の配列同一性を有し、参照配列に対する同一性によっては少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも98%の配列同一性を有し得ると考えられる。このような短いウィンドウにわたる配列同一性を決定するための方法はNCBIのウェブサイトに記載されている。
2つの核酸分子に密接な類縁性があるという指標の一つは、2つの分子が上記のようなストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズすることである。高度な同一性を示さない核酸配列が、それにもかかわらず、遺伝暗号の縮重性のために同一または類似の(保存された)アミノ酸配列をコードする可能性もある。この縮重性を利用して、核酸配列に変化を加え、すべてが実質的に同じタンパク質をコードする多数の核酸分子を作製することができる。このような相同な核酸配列は、この方法による決定で、例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%の配列同一性を有し得る。2つの核酸配列が実質的に同一であることの1つの代替的な(必ずしも累積的ではない)指標は、第1の核酸がコードするポリペプチドに、第2の核酸によってコードされるポリペプチドに対する免疫学的な交差反応性があることである。
当業者は、具体的な配列同一性の範囲は手引きのみを目的として提示されたことを理解すると考えられる;提示した範囲を大きく外れる、十分に意味のあるホモログを得ることも可能である。
一塩基多型(SNP):集団における個体間でのDNA配列中の単一の塩基(ヌクレオチド)の違い。SNPは、起因性(SNPと結び付きのある状態もしくは形質に実際に関与するか、またはそれに影響を及ぼす)のこともあり、または連合性(結び付きはあるが、SNPと結び付きのある状態または形質に実際に関与することも、それに影響を及ぼすこともない)のこともある。
対象:ヒトおよび非ヒト哺乳動物(獣医学的な対象など)を含むカテゴリーである、生きている多細胞性脊椎動物のこと。
標的配列:1つまたは複数のヌクレオチド置換、欠失、挿入、増幅またはそれらの組み合わせといった1つまたは複数の特定の遺伝子異常に対応する、ゲノム(ヒトゲノムまたは任意の哺乳動物のゲノム)中の特定の領域に位置するヌクレオチドの配列。標的は例えばコード配列であってもよい;また、それはコード配列に対応する非コード鎖であってもよい。標的配列の例には、表1に列記されたものなどの、静脈血栓症と関連性のある配列が含まれる。
静脈血栓症(VT):静脈内部に形成される血塊。特定の例において、VTは、停滞した血流(例えば、長期的な臥床、妊娠および外科手術の際に起こるようなもの)または血液の急速な凝固と関連性がある。その例には、下肢の深部静脈または骨盤静脈内に生じる深部静脈血栓(DVT)が含まれる。このような血栓は時折、肺に移動し、心肺の崩壊および死亡を招く肺塞栓を形成する。
静脈血栓症(VT)関連(または付随する)分子:静脈血栓症の発症に関与する分子。このような分子には、例えば、核酸(DNA、cDNAまたはmRNAなど)およびタンパク質が含まれる。VT関連分子の具体的な例には、表1に列記されたもののほか、VTに対する個体の感受性を高める原因となる変異、多型またはその両方を含む完全長遺伝子またはcDNAの断片、ならびにそれらによってコードされるタンパク質およびタンパク質断片が含まれる。
VT関連分子は、起因性(VT関連分子の変化が静脈血栓症の発症またはその進行を招くという点で)または結果性(静脈血栓症の発症または進行がVT関連分子の原因となるかそれをもたらすという点で)を含むさまざまな様式で、静脈血栓症に関与する、またはそれによる影響を受ける。
野生型:変異型のものとは対照的に、生物の自然下での集団において主体をなす遺伝子型。
静脈血栓症にかかわる変異および多型
静脈血栓症などの複合的な形質は、感受性遺伝子の候補における種々の変異、多型またはその両方の間での相互作用を想定することによって理解することができる。それぞれの遺伝的欠陥と関連性のあるリスクは、単独では比較的わずかなこともあるが、いくつかの変異または多型が同時に存在すると疾患感受性が劇的に高まることがある。さらに、環境因子が1つまたは複数の遺伝的差異と相互作用してリスクをさらに増大させることもある。静脈血栓症表現型の発現は、いくつかの座位からの遺伝子産物と環境的または後天的な影響との相互作用に依存する。したがって、VTは複合的な遺伝的障害である。
VTを発症するリスクと関連性のある遺伝子における、いくつかの変異および多型(1つまたは複数のヌクレオチド置換、挿入、欠失またはそれらの組み合わせなど)が知られている。しかし、複数の人種群において、対象のVTに対する総合的な遺伝的素因の正確な予測を可能にする、変異および多型(VTと統計学的に関連性のある遺伝子などにおけるもの)の組み合わせは、これまでに同定されていない。
プロテインC、プロテインSおよびアンチトロンビンIII
プロテインC(PC)、プロテインS(PS)およびアンチトロンビンIIIを含め、静脈血栓症に関与するいくつかの遺伝子は、抗凝固経路にかかわっている。PC欠損症およびPS欠損症は、活性化されたPC抗凝固系における欠陥をもたらす。
ヒトでは、少なくとも161種類の有害なPC遺伝子変異が報告されている(Reitsma et al., Thromb. Haemost. 73: 876-89, 1995)。これらの161種類のPC遺伝子変異のうち、51種類の変異(48種の点変異、2種の欠失および1種の挿入)のみが、血縁関係のない複数の家系で記載されており、残りの109種の変異は単一の家族に特有であり、このため個別的な変異とされている。40種の頻発性の変異はI型PC欠損症と関連づけられており、11種の変異はII型PC欠損症の患者で観察されている。3つの多型性部位(nt -1654C/T、-1641A/Gおよび-1476A/T)は、血漿PCレベルに影響を及ぼす遺伝子の5'非翻訳領域に位置する。
PS欠損症は高度に異種混交的な分子的基盤を有し、少なくとも131種類の変異がみられる(Gandrille et al., Thromb. Haemost. 84: 918, 2000)。PS遺伝子の有害な変異すべてのうち、32種類の変異(25種の点変異、3種の欠失、3種の挿入ならびに1種の欠失および挿入)のみが、血縁関係のない複数の家系で記載されており、残りの100種の変異は単一の家族に特有であり、このため個別的な変異とされている。25種の頻発性の変異が、量的(I型および/またはIII型)PS欠損症と、3種の変異が質的(II型)PS欠損症と関連づけられている。PS遺伝子における4種の頻発性多型は遺伝性PS欠損症の家族における欠陥性表現型と共分離する。
一般集団におけるPC欠損症の有病率は約1/300である。PC欠損症およびPS欠損症の保有状態では、VTに関する血栓症リスクが約10倍に増大する。ホモ接合性のPC欠損症およびPS欠損症は通常、出生後早期の微小循環における高度な血栓形成を特徴とする、電撃性紫斑病として知られるいくつかの臨床的表典型を伴う。
ヘテロ接合性アンチトロンビンIII(AT III)欠損症は、VTのリスク増大を伴う。AT III欠損症と関連づけられている変異には、少なくとも127種類の異なるものがある(Lane et al., Thromb. Haemost. 77: 197-211, 1997):I型AT III欠損症に関しては92種の変異(40種の点変異、40種の小規模な挿入または欠失、および12種の大規模な欠失)、II型AT III欠損症に関しては35種の変異(12種はRS、12種はHBS、11種はPEの変異、すべて点変異)。I型の変異のうち、11種類の変異(7種の点変異および4種の欠失または挿入)のみは、血縁関係のない複数の家系で記載されており、残りの81種の変異は単一の家族に特有であり、このため個別的な変異とされている。II型においては、35種の変異のうち19種(7種がRS、6種がHBSで6種がPEの変異)が血縁関係のない複数の家系で記載されており、残りの16種は個別的な変異であることが報告されている。
一般集団におけるAT III欠損症の有病率は0.2/1000〜18/1000の範囲である。集団を対象としたコントロール研究では、AT III欠損症に関連してVTの5倍のリスク増大が報告されている。血栓症患者におけるAT III欠損症の有病率は1%〜8%の範囲である。
第V因子、プロトロンビンおよびフィブリノーゲン
静脈血栓症に関与する他の遺伝子には、第V因子(FV)、プロトロンビン(第II因子)およびフィブリノーゲンが含まれ、これらは凝固促進経路にかかわる。変異型FVの活性変化は、VTの発症に影響を及ぼす、最も頻度の高い遺伝性血液凝固障害である(Nicolaes et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 22: 530-8, 2002)。活性化FV(FVa)の凝固促進活性のダウンレギュレーションは、活性化プロテインC(APC)により媒介される、3つの異なる逐次的な切断部位:Arg 506、Arg 306およびArg 679(本明細書におけるヌクレオチドまたはアミノ酸の番号付けはヒト遺伝子を指している)での、FVaのタンパク質分解によって行われる。これらの3つの切断部位の1つまたは複数の箇所での欠陥は、凝固促進活性がたとえ正常に保たれていても、APC不活性化過程に影響を及ぼし得る。
ヒトFV遺伝子における少なくとも5種類の単一ヌクレオチド置換が、血栓症のリスクの増大と関連づけられている。症例の90%には、Arg506のGlnへの置換(R506Q)をもたらす単一ヌクレオチド置換(FV Leiden;1691G→A)に起因するAPCに対する抵抗性がある。白人集団におけるその有病率は約5%であり、VTの患者では20%〜40%と高い。しかし、FV Leidenの症例は他の人種でもごく少数報告されているが、これは東南亜細亜およびアフリカでは見つかっていないことから、FV Leiden変異は白色人種に特異的であると考えられている(Takamiya et al., Thromb. Haemost. 74: 996, 1995;Fujimura et al., Thromb. Haemost.74: 1381-2, 1995;Chan et al., Thromb. Haemost. 75: 522-3, 1996)。
FV遺伝子におけるもう1つの単一ヌクレオチド置換であるR485Kは、極東集団における血栓症のリスクの増大と関連づけられている(Hiyoshi et al., Thromb. Haemost. 80: 705-6, 1998;Le et al., Clin. Genet. 57: 296-303, 2000)。R485K多型は、ヌクレオチド1628に起こるG→A転位であり、Arg 485のコドンAGAの、Lys残基が予測されるAAAコドンへの置換をもたらす。K485アレルの頻度は白色人種では低く、アジア人およびアフリカ人では高いが、この多型は極東集団および白人集団の両方で血栓症のリスクの増大と関連づけられている(Faisel et al., Eur. J. Hum. Genet. 12: 187-91, 2004)。
他の3種類の単一ヌクレオチド置換は、種々の集団において血栓症のリスクの増大と関連づけられている。ヒトFV遺伝子のエクソン7における2種類の変異は、Arg306 APC切断部位に影響を及ぼす。これらの2種類の変異も人種間分布が不均一である。FV Cambridge変異は、ヌクレオチド位置1091でのGからCへの転位であり、アミノ酸位置306でのアルギニンのトレオニンへの置換(Arg306Thr)が予測される。この変異は白人集団のみで記載されている(Franco et al., Thromb. Haemost. 81: 312-3, 1999)。第2の変異であるFV Hong Kongは、ヌクレオチド位置1090でのAからGへの転位であり、Arg306をGlyに変化させる。この変異は当初、中国人集団において記載されたが、白色人種における有病率が0.4%に上る(Franco et al., Thromb. Haemost. 81: 312-3, 1999)。
R2アレルと呼ばれるヒトFV遺伝子のエクソン13におけるもう1つの単一ヌクレオチド置換は、ヌクレオチド位置4070でのAからGへの転位であり、これは位置1299でHisをArgに置換する(H1299R)。R2アレルの頻度はVT患者の方が健常対照よりも有意に高く、それぞれ18.5%および11.4%という値である(Alhenc-Gelas et al., Thromb. Haemost. 81: 193-7, 1999)。この多型の頻度は、米国の白色人種では11.9%、アフリカ系アメリカ人では5.6%、アジア人または太平洋諸島の人々では13.4%であり、ラテンアメリカ系の人々では11.3%である(Benson et al., Thromb. Haemost. 86: 1188-92, 2001)。
プロトロンビン(第II因子、FII)遺伝子では、少なくとも1つの単一ヌクレオチド置換が血栓症のリスクの増大と関連づけられている。プロトロンビン遺伝子の3'UT領域におけるヌクレオチド20210でのG→A多型は、静脈血栓症の2番目に頻度の高い遺伝性危険因子である(Poort et al., Blood 88: 3698-703, 1996)。FII G20210Aは高プロトロンビン血症と関連性があり、VTのリスクが2〜5倍に増大する。これは白人集団では健常対象の1%〜3%、VT患者の6%〜18%に認められるが(Rosendaal et al., Thromb. Haemost. 79: 706-8, 1998)、アフリカ系アメリカ人およびブラジルからのアメリカ先住民では極めて稀である(Dilley et al., Blood 90: 652a, 1997;Arruda et al., Thromb. Haemost. 78: 1430-3, 1997)。この変異は、西アフリカの人々、アマゾン先住民、オーストラリア人、ラテンアメリカ人、日本人または中国人の対象では見つかっていない(Ferraresi et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 17: 2418-22, 1997;Rahimy et al., Thromb. Haemost. 79: 444-5, 1998;Isshiki et al., Blood Coagul. Fibrinol. 9: 105-6, 1998;Miyata et al., Blood Coagul. Fibrinol. 9: 451-2, 1998, Rees et al. Br. J. Haematol. 105: 564-566, 1999)。
少なくとも25種類の血栓形成傾向性フィブリノーゲン変異(22種の単一ヌクレオチド置換、1種の挿入および2種の欠失)が、VTと関連づけられている(De Stefano et al.、Br. J. Haematol. 106: 564-8, 1999)。これらの変異のうち少なくとも13種は、血縁関係のない異なる家系からのものである;残りの変異は単一の家族に特有であることから個別的な変異とされている。一般集団における遺伝性異常フィブリノーゲン血症の有病率は不明である;しかし、静脈血栓症の既往歴のある患者における有病率は0.8%である(Carter et al., Blood 96: 1177-9, 2000)。フィブリノーゲンAα鎖のカルボキシ末端におけるコドン312でのトレオニンのアラニンによる置換を招く、頻度の高い多型(Thr312Ala多型)は、血塊の安定性に影響を及ぼして、血塊が静脈血管系統に塞栓を形成する素因となることにより、静脈血栓塞栓症と関連づけられている(Carter et al., Blood 96: 1177-9, 2000;Standeven et al., Circulation 107: 2326-30, 2003;Hayes, Arch. Pathol. Lab. Med. 126: 1387-90, 2002)。この多型は、肺塞栓症患者の51%および健常対象の40%で観察される。白色人種およびアジア人においてThr312Ala多型の遺伝子型分布には差が認められず、この多型はいずれの集団においてもフィブリノーゲンレベルの上昇と関連性がある(Liu et al., J. Med. Genet. 38: 31-5, 2001;Kain et al., Am. J. Epidemiol. 156: 174-9, 2002)。
アンジオテンシンI転換酵素およびメチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ
静脈血栓症に関与するそのほかの遺伝子には、アンジオテンシンI転換酵素(ACE)およびメチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(MTHFR)が非制限的に含まれる。
レニン-アンジオテンシン系は、さまざまな機序を介して血流遮断に影響を及ぼす。ヒトACE遺伝子のイントロン16では、288bp断片の挿入または欠失からなる多型が知られている(Rigat et al., Nuc. Acids Res. 20: 1433, 1992)。このACE DD遺伝子型は流血中酵素のレベル上昇と関連性があり、白色人種およびアフリカ系アメリカ人における静脈血栓塞栓症のリスクは3〜10倍に増大する。ACE DD遺伝子型は日本人集団でも報告されている。
軽症ないし中等症の高ホモシステイン血症(空腹時の総ホモシステインレベルが15〜100μmol/の間)は、VTの確立された危険因子であり、血栓症のリスクの2〜4倍の増大を伴う。これはビタミンB12、ビタミンB6および葉酸の栄養素欠乏、高齢、慢性腎不全ならびに葉酸拮抗薬の使用を含む、いくつかの後天的な原因によって起こり得るが、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(MTHFR)遺伝子における2種類の頻度の高い多型は、軽症ないし中等症の高ホモシステイン血症と関連づけられている(Cattaneo, Thromb. Haemost. 81: 165-76, 1999;Franco and Reitsma, Hum. Genet. 109: 369-84, 2001)。
MTHFR 677C→T多型は、ヒトのエクソン4における葉酸結合部位に位置し、アラニンをバリンに変換させる。そのホモ接合性状態において、C677T多型はMTHFRの熱不安定性と関連性があり、酵素活性の60〜70%の低下および軽症ないし中等症の高ホモシステイン血症を招く(Franco and Reitsma, Hum. Genet. 109: 369-84, 2001;Frosst et al., Nat. Genet. 10:111-3, 1995)。ヒトMTHFRにおけるC677T多型は世界中で比較的高い頻度でみられ、TT遺伝子型は一般集団の約5%〜17%に存在するが、異なる人種群間では分布に大きな差があり、欧州で頻度が最も高く、アフリカで頻度が最も低い(Frosst et al., Nat. Genet. 10: 111-3, 1995;Schneider et al., Am. J. Hum. Genet. 62: 1258-60, 1998;De Franchis et al., Am. J. Hum. Genet. 59: 262-4, 1996;Ma et al., Circulation 94: 2410-6, 1996;Deloughery et al., Circulation 94: 3074-8, 1996;Arruda V et al., Thromb. Haemost. 77: 818-21, 1997)。ホモ接合性のMTHRF C677T多型は、白色人種では静脈血栓症の独立した危険因子であり、静脈血栓症患者における頻度が11%〜27%であるが、アジア人およびアフリカ人ではVTとの関連性はない(Arruda et al., Thromb. Haemost. 77: 818-21, 1997;Margaglione et al., Thromb. Haemost. 79: 907-11, 1998;Salomon et al., Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 19: 511-8, 1999)。
もう1つのMTHFR多型である1298A→Cは、ヒトエクソン7中の、調節ドメインと推測されるものの内部にあり、グルタミンをアラニンに変換させる。単独では、この多型は高ホモシステイン血症と関連性はないように思われるが、MTHFR 677C→Tとの合成ヘテロ接合は酵素活性の低下およびホモシステインレベルの上昇をもたらす(Weisberg et al., Mol. Genet. Metab. 68: 511-2, 1999)。
静脈血栓症に対する遺伝的素因の決定
本明細書で提供されるのは、対象、例えばそれ以外の点では健常な対象、または血栓症が疑われるかそのリスクを有する対象に、静脈血栓症(VT)を発症する感受性があるか否かを判定する方法である。本方法は、凝固関連タンパク質をコードする核酸分子といった、対象の少なくとも1つのVT関連分子における異常(変異または多型など)を検出する段階を含む。含まれる具体的な態様には、個体の細胞におけるVT関連核酸分子中の1つまたは複数の変異または多型を検出する、診断的または予後判定的な方法が含まれる。特定の態様において、異常の検出は、VTの発症に関する対象の遺伝的素因を選択的に検出する、VT関連分子(核酸配列)のサブセットまたはすべての既知のVT関連分子において行われる。
特定の例において、分子のサブセットは、静脈血栓イベントと関連性のある10種のVT関連感受性アレルのセットを含み、この際、この10種のVT関連感受性アレルは、静脈血栓症のリスクを有する(またはそれを経験した)白色人種対象の少なくとも95%に存在する。特定の例において、この10種のVT関連感受性アレルは、VTを有するかそれを発症するリスクを有する、白色人種の少なくとも98%、例えば少なくとも99%、ならびにアジア人およびアフリカ人集団の少なくとも82%、例えばアフリカ人の少なくとも85%に存在する。
さらに別の態様において、スクリーニングが行われるVT関連感受性アレルの数は、少なくとも10種、例えば少なくとも15種、少なくとも20種、少なくとも50種、少なくとも100種、少なくとも143種、少なくとも200種、少なくとも287種、またはさらには少なくとも500個のアレルである。また別の態様において、本方法は、600種を超えない、500種を超えない、400種を超えない、287種を超えない、200種を超えない、143種を超えない、100種を超えない、50種を超えない、または10種を超えないVT関連感受性アレルのスクリーニングを利用する。具体的なVT関連感受性アレルの例は表1に示されている。
本明細書で用いる場合、「VT関連分子」という用語には、VTに関連した核酸分子(DNA、RNAまたはcDNAなど)およびVTに関連したタンパク質が含まれる。この用語は、表1に列記された分子(および列記されたものに対応する分子)には限定されず、本明細書中に列記されたすべての分子を含む、静脈血栓症により、またはその期間中に(レベル、活性、局在などに対して)影響を受ける、その他の核酸分子およびタンパク質も含まれる。
VT関連遺伝子の例には、アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、プロトロンビン(第II因子)、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(MTHFR)、およびアンジオテンシン-I転換酵素(ACE)が含まれる。ある特定の態様において、異常の検出は、少なくとも1つのVT関連核酸、例えば少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、少なくとも7種、少なくとも8種、少なくとも10種、少なくとも15種またはそれ以上のVT関連核酸分子において行われる。特定の例において、記載された方法のうちある種のものは、100種を超えない、50種を超えない、40種を超えない、30種を超えない、20種を超えない、または15種を超えないVT関連遺伝子のスクリーニングを利用する。
開示されるこの方法(MERT)は、無症候性の病因保有者の同定に関して高い予測能力のある、静脈血栓症に対する総合的な遺伝的感受性を1つのアッセイでスクリーニングするための、迅速で簡単明瞭で正確でしかも手頃な、多数の遺伝子のスクリーニング法を提供する。これは、妊娠、産褥、経口避妊薬またはホルモン補充療法の使用、外傷、外科手術、骨折、持続性の不動化、長時間の飛行機搭乗(4時間を超えるものなど)、高齢、抗リン脂質抗体、血栓症の既往歴、骨髄増殖性疾患、悪性疾患またはそれらの組み合わせといった高リスク状況の際に予防的な抗凝固療法を必要とする可能性のある対象の早期認識を可能にする。開示されるアッセイは、遺伝性リスクを有する個体の早期識別により、静脈血栓症の毎年の発生率を低下させることができる。個体を、彼らが症状を発症する前に検出することにより、早期の血栓形成予防、またはさらには経口避妊薬もしくはホルモン補充療法の使用を避けるといった決断のように、有効な予防的手段を開始することができる。
以上に考察したように、遺伝性静脈血栓症の原因には人種群によって違いがある。FV Leiden多型およびプロトロンビンG0210A多型は白色人種では静脈血栓症に関して最も頻度の高い危険因子であるが、アジア人およびアフリカ人の患者は、FV Leiden多型またはプロトロンビンG20210A多型を全くまたは稀にしか示さない。開示される方法およびアレイは、遺伝性の静脈血栓形成傾向のリスクを、白色人種だけでなく多様な人種集団においても判定するために設計されている。1つの特定の例において、本方法は、さまざまな人種集団において高い予測能力を有する(白色人種については少なくとも98%、アジア人については少なくとも84%、アフリカ人については少なくとも87%)。また別の例において、本方法は、VT関連分子(核酸配列など)における異常を検出し、これらの異常はVTを起こした白色人種の少なくとも99%、アジア人の少なくとも85%およびアフリカ人の少なくとも88%に認められる。このように、開示される方法およびアレイは多様な人種集団に適用可能であることから強力なアプローチとなる。
特定の例において、開示される方法およびアレイは、プロテインCおよびSの抗原性および活性に基づく測定、AT III抗原および活性、異常フィブリノーゲン血症に関するトロンビン時間およびレプチラーゼ時間、フィブリノーゲンレベルの定量的測定、ならびにFV Leiden多型、プロトロンビン20210A多型およびMTHFR多型のPCRに基づく直接的な変異分析を含む、現在入手可能な血漿ベースの血栓形成傾向スクリーニングパネルと比較して費用効果が高い。
例えば、開示される方法はAT III欠損症アッセイを上回る利点を提供するが、その理由は、開示される方法が、I型およびII型欠損症を続けて行われる2回の検査の代わりに1回のアッセイで検出すること、診療現場で用いられる多くの自動化された機能的ヘパリン補助因子アッセイでは長いインキュベーション時間のために残念ながら見落とされる恐れのある変異型AT III II型欠損を検出すること、ならびに高率な偽陽性を回避することによる。
また別の例において、開示される方法は、機能性PCレベルに関する凝固アッセイ、免疫学的PCアッセイおよびPC活性に関する発色アッセイを含む、PC欠損症アッセイを上回る利点を提供するが、その理由は、開示される方法が1つの態様において、I型およびII型欠損症を続けて行われる3回の検査の代わりに1回のアッセイで検出し得ること、低い正常レベルと軽症PC欠損症との間にかなりの重複が存在することに起因する健常対象と無症候性のPC欠損症個体との識別という困難性を克服し得ること、PC濃度が年齢の関数として10年毎に約4%上昇することに起因するPC欠損症個体の過少判定を回避すること、ならびに高率の偽陽性を回避することによる。
また別の例において、開示される方法は、機能性PSレベルに関する凝固アッセイ、PSのイムノアッセイならびに総PSおよび遊離PSの測定のための固相酵素結合アッセイを含む、PS欠損症アッセイを上回る利点を提供するが、その理由は、開示される方法が1つの態様において、量的および機能的な欠陥を、続けて行われる4回の表現型アッセイの代わりに1回のアッセイで検出し得ること、血漿中に2種類の分子形態のPSが存在すること(遊離PSおよびC4b-BP/PS複合体)によって複雑化する免疫学的アッセイを用いたPS欠損症の診断の困難性を克服すること、対照とPS欠損症個体との間に重複した値が存在することに起因する健常対象と無症候性のPS欠損症個体、特にIII型PS欠損症の者との識別という困難性を克服すること、ならびに高率の偽陽性を回避することによる。
また別の例において、開示される方法は、第一選択の検査としてのトロンビン時間およびレプチラーゼ時間を含む、異常フィブリノーゲン血症に関するアッセイを上回る利点を提供するが、その理由は、開示される方法が高率の偽陽性を回避することによる。
臨床標本
対象のVTに対する遺伝的素因の判定において本開示に用いるための適切な標本には、任意の従来の臨床試料、例えば血液または血液画分(血清など)が含まれる。このような試料の収集のための手法は当技術分野で周知である(例えば、血清試料の採取については、Schluger et al. J. Exp. Med. 176: 1327-33, 1992を参照されたい)。血清またはその他の血液画分は従来の様式で調製することができる。例えば、約200μLの血清を、増幅反応に用いるためのDNAの抽出用に用いることができる。
ひとたび試料を入手すれば、試料をそのまま用いること、濃縮すること(例えば、遠心処理または濾過による)、精製すること、またはそれらの組み合わせを行うこと、さらには増幅反応を行うことができる。例えば、迅速なDNA調製を、市販のキット(InstaGene Matrix, BioRad, Hercules, CA;NucliSens isolation kit, Organon Teknika, Netherlands)を用いて行うことができる。1つの例において、DNA調製方法により、核酸増幅に利用可能で適用可能である、ヌクレオチド調製物が得られる。
核酸分子の増幅
AT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、プロトロンビン(第II因子)、MTHFR、およびACEからの配列を含む、対象から入手して増幅産物を得るための核酸試料は、検出前に臨床試料から増幅することができる。1つの例においては、DNA配列を増幅する。もう1つの例においては、RNA配列を増幅する。
あらゆる核酸増幅方法を用いることができる。1つの具体的で非制限的な例においては、静脈血栓症と関連性のある核酸配列を増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が用いられる。その他の例示的な方法には、RT-PCR法および転写を介した増幅(TMA)が非制限的に含まれる。
対象から増幅しようとする標的配列には、AT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、ACEおよびMTHFRが含まれる。特定の例において、増幅しようとするVT関連標的は、AT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEから本質的になる、またはそれらのみからなる。
増幅反応にはプライマーの対を利用することができる。プライマーの一方または両方を、例えば検出可能な放射性標識、蛍光団またはビオチン分子によって標識することができる。プライマーの対には、上流プライマー(下流プライマーにとって5'側に結合する)および下流プライマー(上流プライマーにとって3'側に結合する)が含まれる。増幅反応に用いられるプライマーの対は、静脈血栓症に関与する核酸の増幅を可能にする選択的プライマーである。プライマーは、表1に列記された核酸分子、または表1に列記されたものによって代表される核酸分子を増幅するように選択することができる。
もう一対のプライマーを増幅反応に内部対照として含めることができる。例えば、これらのプライマーは「ハウスキーピング」核酸分子を増幅するために用いることができ、適切な増幅のためのコンフォメーションを与えるために役立つ。もう1つの例においては、プライマーハイブリダイゼーション部位を含む標的核酸分子を構築し、増幅反応器に含めることができる。当業者は、内部対照プライマーとして役立てるためのプライマー対を容易に特定し得ると考えられる。
核酸配列およびタンパク質配列を検出するためのアレイ
特定の例において、少なくとも1つのVT関連遺伝子における異常を検出するための方法は、本明細書に開示されるアレイを利用する。このようなアレイは核酸分子を含み得る。1つの例において、アレイは、AT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、プロトロンビン(第II因子)、MTHFR、およびACEといった野生型、変異型または多型性のVT遺伝子配列とハイブリダイズし得る核酸オリゴヌクレオチドプローブを含む。1つの特定の例において、アレイは、表1に列記された143種のVT関連の頻発性の変異および多型を認識し得るオリゴヌクレオチド、例えば、偶数番号のSEQ ID NO:2〜284およびSEQ ID NO:287に示されたオリゴヌクレオチドプローブなどを含む。また別の例において、アレイは、変異型および野生型のいずれもの第V因子、プロトロンビン(第II因子)、AT III、PC、PS、フィブリノーゲン、MTHFR、およびACEの配列、例えばSEQ ID NO:1〜287などを認識し得るオリゴヌクレオチドプローブを含む。このようなアレイのある種のもの(ならびに本明細書に記載した方法)は、表1には列記されていないVT関連分子のほか、1つまたは複数のハウスキーピング遺伝子を認識する1つまたは複数のプローブといった他の配列も含み得る。
アレイは、特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いて、アンチトロンビンIII、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、プロトロンビン(第II因子)、MTHFR、およびACEの配列といった静脈血栓症に関与する増幅配列の存在を検出するために用いることができる。本明細書において「VT検出用アレイ」と称するアレイは、対象が静脈血栓症を発症する遺伝的感受性を判定するために用いられる。1つの例においては、オリゴヌクレオチドプローブのセットを、対象から入手した増幅核酸配列などのVT関連配列の検出に用いるための固体支持体の表面に結合させる。さらに、内部対照核酸配列を増幅反応で増幅させる場合には(上記参照)、この増幅された核酸分子の存在を検出するためにオリゴヌクレオチドプローブを含めることができる。
アレイに結合したオリゴヌクレオチドプローブは、増幅反応(高ストリンジェンシー条件下などで)で増幅された配列と特異的に結合することができる。したがって、本方法に用いられる配列は、アンチトロンビンIII、PC、PS、フィブリノーゲン、第V因子、プロトロンビン(第II因子)、MTHFR、およびACEの遺伝子配列といったVT関連配列を認識するオリゴヌクレオチドプローブである。このような配列は、さまざまな種の配列を調べ、特定の野生型または変異型の配列(表1に列記されたもの、または表1に列記されたものによって代表されるもの)とは特異的にアニーリングするが、他のものとはアニーリングしないプライマーを選択することによって決定し得る。当業者は、増幅された他のVT関連核酸配列の検出のために固体支持体の表面に結合させ得る、その他のVT関連オリゴヌクレオチド分子を特定し得ると考えられる。
本開示に従った方法および装置は、適切な条件下ではオリゴヌクレオチドが相補的塩基配列を有する核酸分子と塩基対合性二重鎖を形成するという事実を利用している。二重鎖の安定性は、オリゴヌクレオチドの長さ、塩基組成およびハイブリダイゼーションが行われる溶液の組成を含む、さまざまな要因に依存する。二重鎖の安定性に対する塩基組成の影響は、例えば、高濃度の第三級アミンまたは第四級アミンの存在下のような特定の溶液中でハイブリダイゼーションを行うことによって軽減され得る。
二重鎖の熱安定性も配列間の配列類似性の程度に依存する。標的配列とアレイに結合したオリゴヌクレオチドとの間で形成されると考えられる二重鎖のタイプについて予想されるTmに近い温度でハイブリダイゼーションを行うことにより、ミスマッチ二重鎖の形成の速度をかなり抑制することができる。
アレイ中に用いられる各オリゴヌクレオチド配列の長さは、標的VT関連核酸配列の結合が最適化されるように選択することができる。特定のスクリーニング条件下で特定のVT関連核酸配列とともに用いるために最適な長さは経験的に決定し得る。このようにして、アレイ中のものを含む、オリゴヌクレオチド配列のセットのそれぞれの個々の要素の長さを、スクリーニング用に最適化することができる。1つの例において、オリゴヌクレオチドプローブは約20〜約35ヌクレオチド長または約25〜約40ヌクレオチド長である。
アレイを形成するオリゴヌクレオチドプローブ配列は、例えばプローブの5'末端または3'末端を介して、支持体と直接結合させることができる。1つの例において、オリゴヌクレオチドは5'末端によって固体支持体と結合している。しかし、当業者は、オリゴヌクレオチドの3'末端または5'末端の使用が、固体支持体に対する結合に適しているか否かを判定することができる。一般に、3'末端および5'末端の領域におけるオリゴヌクレオチドプローブの内部相補性が支持体に対する結合を決定する。または、固体支持体に対するスペーサーまたはリンカーとして役立つオリゴヌクレオチドまたはその他の分子のようなVTと関連性のない配列により、オリゴヌクレオチドプローブを支持体と結合させることもできる。
もう1つの例において、アレイは、表1に列記された核酸分子(または列記された配列のいずれかを含む遺伝子、cDNAもしくは他のポリヌクレオチド分子、またはその断片)によってコードされるもの、またはこのようなタンパク質もしくは抗体の断片、またはこのようなタンパク質もしくはタンパク質断片に対して特異的な抗体といった、少なくとも1つのVT関連タンパク質を含むタンパク質配列を含む。このようなアレイはまた、表1に列記された核酸(または対応する分子)の任意の特定のサブセットも含み得る。アレイを形成するタンパク質または抗体は、支持体と直接結合させることができる。または、タンパク質または抗体を、支持体に対するスペーサーまたはリンカーによって支持体と結合させることもできる。
VT関連タンパク質における異常は、例えば、VTタンパク質に特異的な結合物質を用いて検出することができ、これは場合によっては検出可能なように標識されると考えられる。したがって、ある特定の例において、異常の検出は、対象からの試料をVTタンパク質に特異的な結合物質と接触させる段階;および結合物質が試料と結合したか否かを検出し、それによって試料中に存在するVT関連タンパク質のレベルを測定する段階を含み、試料中のVT関連タンパク質のレベルに、VTを発症する素因のない対象からの類似の試料で認められるVT関連タンパク質のレベル、またはVTを発症する素因を有しない類似の試料における標準的なVT関連タンパク質レベルとの差があることによってそのVT関連分子における異常が表される。
特定の例において、マイクロアレイ材料は、ガラス(二酸化ケイ素)によって構成される。固体支持体用に適した二酸化ケイ素のタイプには、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、シリカ、ソーダ石灰、チタン酸亜鉛および溶融シリカが非制限的に含まれる(例えば、Schena, 「Micraoarray Analysis.」John Wiley & Sons, Inc,Hoboken, New Jersey, 2003を参照されたい)。ガラスの表面に対する核酸の結合は、当技術分野で公知の方法によって、例えば、有機ポリマーを形成する表面処理によって行うことができる。具体的な例には以下のものが非制限的に含まれる:ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリビニルピロリジン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオリド、ポリフルオロエチレン-プロピレン、ポリエチレンビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリスルホン、水酸化二軸延伸ポリプロピレン、アミノ化二軸延伸ポリプロピレン、チオール化二軸延伸ポリプロピレン、エチレンアクリル酸、チレン(thylene)メタクリル酸およびそれらの共重合体の混合物(米国特許第5,985,567号を参照のこと。これは本明細書に参照として組み入れられる)、化学的活性のあるアミン基またはアルデヒド基を与えるオルガノシラン化合物、エポキシまたはポリリジンによるマイクロアレイの処理。固体支持体表面のもう1つの例はポリプロピレンである。
一般に、固体支持体表面を構成するために用い得る材料の適した特性には、以下のものが含まれる:活性化されると支持体の表面にオリゴヌクレオチドなどの生体分子が共有結合し得るように、表面活性化が適用可能であること;生体分子の「インサイチュー」合成が適用可能であること;オリゴヌクレオチドによって占有されていない支持体上の領域が非特異的結合を受けないように、化学的に不活性であること、または非特異的結合が起こる場合には、オリゴヌクレオチドを除去せずに、このような材料を表面から容易に除去し得ること。
1つの例において、表面処理物質はアミンを含むシラン誘導体である。アミン表面に対する核酸の結合は、DNA骨格上の負に荷電したリン酸基と正に荷電したアミノ基との間の相互作用によって起こる(Schena,「Micraoarray Analysis」. John Wiley & Sons, Inc, Hoboken, New Jersey, 2003。これは本明細書に参照として組み入れられる)。もう1つの例では、反応性アルデヒド基を表面処理物質として用いる。アルデヒド表面に対する結合は、関心対象のDNAに5'アミノ基またはアミノリンカーを付加することによって行われる。結合は、アミンリンカー上の非結合性電子対が、アルデヒド基の電気陽性炭素原子を攻撃する求核基として作用した場合に起こる(同上)。
多岐にわたるアレイ形式を本開示に従って用いることができる。その一例にはオリゴヌクレオチドのバンドの線状アレイが含まれ、これは一般に当技術分野ではディップスティックと呼ばれる。もう1つの適した形式には、離散的セルの二次元パターンが含まれる(64×64アレイ状の4096個の正方形など)。当業者には理解されるであろうが、スロット状(矩形)および環状のアレイを非制限的に含むその他のアレイ形式も同様に使用に適している(米国特許第5,981,185号を参照のこと。これは本明細書に参照として組み入れられる)。1つの例において、アレイは、線維、膜またはフィルムであるポリマー媒質上に形成される。有機ポリマー媒質の一例は、厚みが約1ミル(0.001インチ)〜約20ミル程度であるポリプロピレンシートであるが、フィルムの厚みは特に重要ではなく、かなり広い範囲にわたり得る。今回アレイの作製に関して特に開示されるのは、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルムである;BOPPフィルムは耐久性があることに加えて、バックグラウンドの蛍光が少ない。1つの特定の例において、アレイはアレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)をベースにした固相核酸アレイである。
本開示のアレイ形式には、多岐にわたるさまざまなタイプの形式が含まれ得る。「形式」には、固体支持体を付着させ得る、マイクロタイタープレート、試験管、無機シート、ディップスティックなどの任意の形式が含まれる。例えば、固体支持体がポリプロピレン糸である場合には、1つまたは複数のポリプロピレン糸を合成樹脂製のディップスティック型デバイスに対して付着させることができる;ポリプロピレン膜はスライドガラスに付着させ得る。具体的な形式それ自体は重要ではない。必要なのは、固体支持体またはその上に吸収された生体高分子の機能的挙動に影響を及ぼさずに固体支持体を付着させ得ること、およびその形式(ディップスティックまたはスライドなど)が、デバイスが内部に導入される材料(臨床試料およびハイブリダイゼーション溶液など)に対して安定であることだけである。
本開示のアレイは、さまざまなアプローチによって作製することができる。1つの例においては、オリゴヌクレオチド配列またはタンパク質配列を別々に合成し、続いて固体支持体に結合させる(米国特許第6,013,789号を参照のこと。これは本明細書に参照として組み入れられる)。もう1つの例において、配列は、所望のアレイを得るために支持体上で直接合成される(米国特許第5,554,501号を参照のこと。これは本明細書に参照として組み入れられる)。オリゴヌクレオチドおよびタンパク質を固体支持体と共有結合させるため、ならびにオリゴヌクレオチドまたはタンパク質を支持体上で直接合成するために適した方法は、当業者に公知である;適した方法の概要は、Matson et al., Anal. Biochem. 217: 306-10, 1994に記載されている。1つの例において、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドを固体支持体上で調製するための従来の化学的手法を用いて支持体上で合成される(PCT出願WO 85/01051号およびWO 89/10977号または米国特許第5,554,501号などを参照のこと。これらは本明細書に参照として組み入れられる)。
適したアレイは、4種の塩基の前駆体を所定のパターンで固着させることによってオリゴヌクレオチドをアレイのセル内に合成するための自動化された手段を用いて作製することができる。手短に述べると、多チャンネルの自動化された化学物質送出システムを用いて、オリゴヌクレオチドプローブ集団を、基板を横断するような平行した列(送出システムにおけるチャンネル数に対応する)として作り出す。第1の方向でのオリゴヌクレオチド合成の完了後に、基板を90°回転させ、第1のセットに対して今度は直交する第2の(2゜)セットの列における合成を進行させる。この工程は、交点が多数の離散的セルとなった多チャンネルのアレイを作り出す。
特定の例において、アレイ上のオリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオチドプローブ:標的配列ハイブリダイゼーション複合体の検出を可能にする1つまたは複数の標識を含む。
核酸およびタンパク質の検出
対象から入手した核酸およびタンパク質は、表1に列記されたものなどの、静脈血栓症と関連性のある1つまたは複数の遺伝子中に、1つまたは複数の挿入、欠失、置換またはそれらの組み合わせを含む可能性がある。このような変異または多型(またはその両方)を検出することで、対象が静脈血栓症を発症する遺伝的素因を有するか否かを判定することができる。物理的または機能的アッセイといった、核酸分子またはタンパク質を検出するための任意の方法を用いることができる。
核酸分子およびタンパク質を、それらを検出し得るように標識するための方法は周知である。このような標識の例には、非放射性標識および放射性標識が含まれる。非放射性標識には、酵素、化学発光性化合物、蛍光性化合物(FITC、Cy3およびCy5など)、金属複合体、ハプテン、酵素、比色用物質、色素またはそれらの組み合わせが非制限的に含まれる。放射性標識には、125Iおよび35Sが非制限的に含まれる。例えば、放射性および蛍光性の標識方法、ならびに当技術分野で公知の他の方法が、本開示に用いるのに適している。1つの例では、対象の核酸を増幅するために用いるプライマーを標識する(ビオチン、放射性標識または蛍光団などにより)。もう1つの例では、増幅された核酸試料を末端標識して、標識された増幅材料を形成させる。例えば、標識ヌクレオチドを増幅反応に含めることにより、増幅された核酸分子を標識することができる。1つの特定の例においては、対象から入手したタンパク質を標識し、その後に、例えばそれらをアレイに対して適用することによって分析する。
静脈血栓症と関連性のある、増幅された核酸分子を、VT検出用アレイに対して適したハイブリダイゼーション条件下で適用し、ハイブリダイゼーション複合体を形成させる。特定の例において、増幅された核酸分子は標識を含む。1つの例において、有機化合物の前処理用溶液、有機化合物を含む溶液、または温水を、ハイブリダイゼーションの前に適用することができる(米国特許第5,985,567号を参照のこと。これは本明細書に参照として組み入れられる)。
アレイと標的材料との所定の組み合わせに関するハイブリダイゼーション条件を、予想される二重鎖のTmに近い経験的な様式でルーチン的に最適化し、それによって方法の識別能力を最大限に高めることができる。結合が起こるアレイ中の位置(セルなど)の同定により、増幅された材料中に存在する、静脈血栓症と関連性のある配列の迅速かつ正確な同定が可能となる(以下を参照)。
ハイブリダイゼーション条件は、合致するオリゴヌクレオチドと合致しないオリゴヌクレオチドとの識別を可能にするように選択される。ハイブリダイゼーション条件は、フィルターに対するハイブリダイゼーションのための標準的な手順に適することが知られたものに対応するように選択して、続いて本開示のアレイに用いるために最適化することができる。例えば、1つの型の標的のハイブリダイゼーションのために適した条件は、他の標的をアレイに対して用いるために調整されると考えられる。具体的には、温度は、厳密に相補的なVT関連の野生型または変異型配列以外の配列間での二重鎖の形成が実質的に排除されるように制御される。さまざまな公知のハイブリダイゼーション溶媒を用いることができ、その選択は当業者に公知の検討事項に依存する(米国特許第5,981,185号を参照のこと。これは本明細書に参照として組み入れられる)。
ひとたび、静脈血栓症と関連性のある増幅された核酸分子が、VT検出用アレイ中に存在するオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしたところで、ハイブリダイゼーション複合体の存在を、例えば複合体を検出することによって分析することができる。
オリゴヌクレオチドプローブのアレイにおけるハイブリダイズした複合体の検出は、以前に記載されている(米国特許第5,985,567号を参照のこと。これは本明細書に参照として組み入れられる)。1つの例において、検出は、オリゴヌクレオチド、増幅配列またはその両方に存在する、1つまたは複数の標識を検出する段階を含む。特定の例において、顕色化は、緩衝液を適用する段階を含む。1つの態様において、緩衝液は、クエン酸ナトリウム食塩水、リン酸ナトリウム食塩水、塩化テトラメチルアンモニウム、クエン酸ナトリウム食塩水-エチレンジアミン四酢酸、クエン酸ナトリウム食塩水-ドデシル硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム食塩水-エチレンジアミン四酢酸、リン酸ナトリウム食塩水-ドデシル硫酸ナトリウム、塩化テトラメチルアンモニウム-エチレンジアミン四酢酸、塩化テトラメチルアンモニウム-ドデシル硫酸ナトリウム、またはそれらの組み合わせである。しかし、他の適した緩衝液を用いることもできる。
検出はさらに、ハイブリダイズした複合体を、ハイブリダイズした複合体と検出用標識との結合またはカップリングを行わせるために結合用溶液で処理する段階、および結合したハイブリダイズした複合体を検出用試薬で処理する段階を含む。1つの例において、結合用溶液には、ストレプトアビジンアルカリホスファターゼ、アビジンアルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼが含まれる。結合用溶液の具体的で非制限的な例には、ストレプトアビジンアルカリホスファターゼ、アビジンアルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼが含まれる。結合したハイブリダイズした複合体を、検出用試薬で処理することができる。1つの例において、検出用試薬には、酵素標識された蛍光試薬または熱量測定(calorimetric)試薬が含まれる。1つの具体的で非制限的な例において、検出用試薬は、Molecular Probes, Inc.(Eugene, OR)の酵素標識蛍光試薬(ELF)である。続いて、ハイブリダイズした複合体を、紫外線(UV)徹照装置(Upland, CAのUVP, Inc.により製造)などの検出用デバイスに配置する。シグナルを顕色化し、シグナル強度の上昇を電荷結合素子(CCD)カメラ(Tucson, AZのPhotometrics, Inc.により製造)などの記録装置を用いて記録することができる。特定の例において、これらの段階は、放射性標識を用いる場合には行われない。
特定の例において、本方法はさらに、例えばハイブリダイゼーションの量を測定することによる定量を含む。
キット
本開示は、それ以外の点では健常なヒト対象などの対象に、静脈血栓症に対する遺伝的な素因があるか否かを判定するためのキットを提供する。このようなキットは、対象が、表1に列記されたものを含む静脈血栓症と関連性のある配列中に1つまたは複数の遺伝的変異または多型を有するか否かを判定することを可能にする。
開示されるキットは、キットの標的であるVT関連分子(変異型または野生型の核酸分子など)と選択的にハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドプローブなどの結合性分子を含む。1つの例において、キットは、SEQ ID NO:1〜287に示されたオリゴヌクレオチドプローブまたはそのサブセット、例えば、偶数番号のSEQ ID NO:2〜284およびSEQ ID NO:287、または奇数番号のSEQ ID NO:1〜285およびSEQ ID NO:286などを含む。もう1つの例において、キットは、SEQ ID NO:1〜287に示されたプローブのうち少なくとも20種、例えば、SEQ ID NO:1〜287に示されたプローブのうち少なくとも50種、少なくとも75種、少なくとも100種、少なくとも125種、少なくとも150種、少なくとも175種、少なくとも200種、少なくとも225種または少なくとも250種を含む。SEQ ID NO:1〜287のいずれかの少なくとも15個の連続したヌクレオチド、例えば、SEQ ID NO:1〜287のいずれかの少なくとも16個の連続したヌクレオチド、少なくとも17個の連続したヌクレオチド、少なくとも18個の連続したヌクレオチド、少なくとも19個の連続したヌクレオチド、少なくとも20個の連続したヌクレオチド、少なくとも21個の連続したヌクレオチド、少なくとも22個の連続したヌクレオチド、少なくとも23個の連続したヌクレオチドまたは少なくとも24個の連続したヌクレオチドを含む断片といった、SEQ ID NO:1〜287に示された完全長プローブの断片も用い得ることは認識されている。
1つの特定の例において、キットは、野生型VT関連タンパク質に対して、または変異型もしくは多型性タンパク質に対して結合し得る抗体を含む。このような抗体は、野生型VT関連タンパク質と変異型または多型性のVT関連タンパク質とを識別する能力を有する。
本キットはさらに、緩衝液、関心対象のシグナルを顕色化するための結合用溶液、または関心対象のシグナルを検出するための検出用試薬のうち1つまたは複数を、容器などのそれぞれ別々のパッケージ中に含み得る。もう1つの例において、キットは、陽性対照として役立つ、VT検出用アレイとのハイブリダイゼーションのための複数のVT関連標的核酸配列を含む。標的核酸配列には、DNA、RNAおよびペプチド核酸などのオリゴヌクレオチドが含まれ得る、またはPCR断片が含まれ得る。
静脈血栓症の予防的療法
本開示はまた、静脈血栓症を発症する遺伝的素因があると判定された対象における静脈血栓症の発生を回避する、またはその発生率を低下させる方法も提供する。例えば、上記のスクリーニング方法を用いて対象における少なくとも1つのVT関連分子中の変異または多型が検出されたならば、静脈血栓症の発生を回避するため、もしくはその発生率を低下させるため、または静脈血栓症の発症を遅らせるための処置を選択する。続いて、対象をこの選択に従って、例えば1つまたは複数の抗血液凝固剤の投与によって処置することができる。いくつかの例において、選択される処置は、1つまたは複数のVT関連分子に関する対象のプロフィールに基づき、対象に対して特異的であって適合化されたものとなっている。
本開示をさらに、以下の非制限的な実施例によって例示する。
実施例1
静脈血栓症と関連性のある変異および多型
表1は、8種類の遺伝子における静脈血栓症と関連性のある現在判明している143種の頻発性の変異および多型のすべてのスクリーニングを可能にするアレイを設計するために用いられる、VTに関連した核酸配列およびタンパク質配列を記載している。しかし、当業者は、現時点では同定されていない、そのほかの頻発性のVTに関連した変異および多型も用い得ることを理解していると考えられる。変異/多型の部位である可能性のある各部位に関して、オリゴヌクレオチドプローブを2つずつ設計した(実施例3参照)。
(表1)静脈血栓症と関連性のある変異および多型
Figure 2007522804
Figure 2007522804
*ヌクレオチドまたはアミノ酸の番号はヒトの配列を指している。しかし当業者は他の生物に関して対応するヌクレオチドまたはアミノ酸を決定することができる。
実施例2
静脈血栓症の予測に関する統計分析
この実施例は、MERTが、143種のアレルを同時に評価することにより、たとえリスクに対する各アレルの寄与が小さくてVTを引き起こすには十分でないとしても、VTを発症するリスクが極めて高い個体の同定において高度の臨床的有効性を与えることを示す。
開示される方法が、健常対象が静脈血栓症を発症する確率を予測し得ることを統計学的に示すために、以下の方法を用いた。以下に記載した結果は、素因となる多数の遺伝因子を同時に考慮することにより、静脈血栓症に関する疾患予測が大きく改善されることを示している。多数の静脈血栓症(VT)関連感受性遺伝子の欠陥に関する同時スクリーニングが静脈血栓症の発症に関する予測をいかに改善するかを示すために、各々のVT関連感受性遺伝子検査に関する尤度比をロジスティック回帰によって算出し、続いて一群のVT関連感受性遺伝子検査に関する複合尤度比(LR)を、各検査が独立していると仮定して個々の検査の尤度比(LR)の積として単純に算出した。
これらの算出のためには、対照被験者および任意抽出したVT患者の双方において頻度が確立されている、8つのVT関連遺伝子における10種のVT関連感受性アレルを選択した。
該当するアレル頻度を、VTに関連した遺伝的感受性に関してさまざまな人種集団で実施された、以前に報告されたケースコントロール研究からのデータを用いて、AT III、プロテインCおよびプロテインS欠損症、フィブリノーゲンThr312Ala、FV Leiden(G1691A)、FV G1628A、FV A4070G(R2アレル)、プロトロンビンG20210A、MTHFR C677GおよびACE DDの変異に関して得た。
Figure 2007522804
Figure 2007522804
(表2)対照被験者および任意抽出したVT患者における遺伝性血栓形成傾向の頻度
Figure 2007522804
I白人被験者
IIアジア人被験者
IIIアフリカ、北米、アジア、オーストラリア、ラテンアメリカおよび中東およびイヌイットからの被験者である、欧州外の被験者
IVアフリカ人被験者
V北米、ラテンアメリカ、アジアおよび太平洋諸島からの、欧州外の被験者
VIアフリカ系アメリカ人被験者
LRの算出はロジスティック回帰によって行った。さまざまな人種集団におけるVTの遺伝的感受性に関する以前に報告されたケースコントロール研究から取得したデータをリスクオッズ比の妥当な推測値として処理することにより、各アレルの検査陽性に関するLRを、以前の記載の通りに結果の外挿によって算出した(Albert, Clin. Chem.. 28: 1113-9, 1982;McCullagh and Nelder, Chapman and Hall, London, 1989;Yang et al., Am. J. Hum. Genet., 72: 636-49, 2003)。静脈血栓症の事後確率(静脈血栓症を発症する確率)を、各遺伝子検査に関して、アレル検査結果が陽性である個体に関して決定した(各遺伝子検査の陽性適中率としても知られる)。
それぞれの静脈血栓症関連感受性遺伝子に関する、算出された尤度比および陽性適中率は表3に示されている。
(表3)健常対象におけるVTの発症に関する、MERTを用いた単一の感受性遺伝子および多数の遺伝子のスクリーニングの尤度比および陽性適中率
Figure 2007522804
†白人集団;‡アジア人集団;*アフリカ人集団
続いて、8種類の遺伝子における遺伝的欠陥のそれぞれの影響が独立していること、およびすべての相互作用的な影響が純粋に相乗的であることを仮定して、LRを、10種のVT関連遺伝子感受性検査の一群に関して、個々の検査結果の尤度比の積として算出した。
表3に示されているように、それぞれの遺伝子検査では、静脈血栓症を発症する確率に関して限定的な予測情報しか得られなかったが(各検査に関して疾患の事後確率は0.12%〜2.5%の範囲であった)、開示される方法を用いることにより、任意抽出した患者を用いて推定した場合に静脈血栓症が発生する事後確率は白色人種に関しては99.7%、アジア人に関しては85.1%、アフリカ人集団に関しては88.7%に上昇し、これは30倍を上回る上昇であった。
実施例3
静脈血栓症に対する感受性を検出するためのアレイ
変異/多型の部位である可能性のあるそれぞれの部位に関して(表1)、オリゴヌクレオチドプローブを2つずつ設計した(SEQ ID NO 1〜287)。第1のものは野生型配列に対して相補的であり(奇数番号のSEQ ID NO:1〜285およびSEQ ID NO:286)、第2のものは変異型配列に対して相補的である(偶数番号のSEQ ID NO:2〜284およびSEQ ID NO:287)。例えば、SEQ ID NO:1は野生型AT III配列に対して相補的であり、SEQ ID NO:2は変異型AT III配列に対して相補的であり、後者はヌクレオチド2770での「T」挿入の存在を検出するために用いることができる。開示されるオリゴヌクレオチドプローブはさらに、プローブと標的配列との間のハイブリダイゼーションシグナルの検出を可能にする1つまたは複数の検出可能な標識を含み得る。
ハイブリダイゼーションシグナルの「損失」および「利得」を集計することにより、VTに関連した143種の既知の頻発性欠陥に関する個体の遺伝的状況が明らかになると考えられる。
実施例4
核酸を利用した分析
本明細書で提供したVT関連核酸分子は、野生型核酸分子との比較によるVT関連核酸分子の多型/変異をもとにした静脈血栓症に対する素因に関する遺伝子検査の方法に用いることができる。このような手順のためには、対象の生物試料を、表1に列記されたものなどのVT関連核酸分子における多型または変異(またはその両方)に関してアッセイする。適した生物試料には、末梢血、尿、唾液、組織生検、外科手術標本、羊水試料および剖検材料に存在するものといった対象の細胞から得られるゲノムDNAまたはRNA(mRNAを含む)を含む試料が含まれる。
生物試料中の、表1に列記されたものなどの1つまたは複数のVT関連核酸分子における多型/変異の検出は、アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)を用いるハイブリダイゼーション(Wallace et al., CSHL Symp. Quant. Biol. 51: 257-61, 1986)、直接DNAシークエンシング(Church and Gilbert, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 1991-1995, 1988)、制限酵素の使用(Flavell et al., Cell 15: 25, 1978;Geever et al., 1981)、変性試薬を用いたゲル中での電気泳動移動度に基づく識別(Myers and Maniatis, Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 51: 275-84, 1986)、RNアーゼ保護(Myers et al., Science 230: 1242, 1985)、化学切断(Cotton et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 4397-401, 1985)およびリガーゼを介した検出手順(Landegren et al., Science 241: 1077, 1988)などの方法によって行うことができる。
野生型または変異型のVT関連配列に対して特異的なオリゴヌクレオチドは、市販の機器を用いて化学合成することができる。続いて、これらのオリゴヌクレオチドを、例えば放射性同位体(32Pなど)で、またはビオチン(Ward and Langer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 6633-6657, 1981)もしくは蛍光団などの非放射性標識で標識し、ドットブロット法または電気泳動後のゲルからの移行により、膜またはその他の固体支持体に対して固定化された個々のDNA試料とハイブリダイズさせることができる。これらの特異的配列は、例えば、オートラジオグラフィーまたは蛍光反応(Landegren et al., Science 242: 229-237, 1989)もしくは比色反応(Gebeyehu et al., Nucleic Acids Res. 15: 4513-4534, 1987)などの方法によって可視化することができる。野生型アレルに対して特異的なASOを用いると、ハイブリダイゼーションが存在しないことにより、その遺伝子の特定領域に変異または多型があることが示される。これに対して、変異型アレルに対して特異的なASOが臨床試料とハイブリダイズするならば、そのことはASOにより規定される領域に変異または多型が存在することを示す。
実施例5
タンパク質を利用した分析
この実施例は、VT関連タンパク質の量に関する欠陥を検出するため、またはアミノ酸配列自体における変化を検出するために用い得る方法を記載している。VT関連タンパク質配列は、野生型タンパク質との比較によるVT関連タンパク質の多型または変異(またはその両方)をもとにした静脈血栓症に対する素因に関する遺伝子検査の方法に用いることができる。このような手順のためには、対象の生物試料を、表1に列記されたものなどのVT関連タンパク質における多型または変異に関してアッセイする。適した生物試料には、、末梢血、尿、唾液、組織生検、外科手術標本、羊水試料および剖検材料に存在するものといった対象の細胞から得られるタンパク質を含む試料が含まれる。
対象における1つまたは複数のVT関連タンパク質の量の減少により、その対象がVTの発症に関して高い感受性を有することが示される。同様に、野生型タンパク質との比較による、VT関連タンパク質における1つまたは複数の変異または多型の存在により、その対象がVTの発症に関して高い感受性を有することを示すことができる。
VT関連タンパク質レベルが、正常対象(VTを発症する素因のない対象など)におけるこのような発現と比較して低いことを明らかにすることは、以上に概説した方法によってVT関連核酸の変異または多型の存在を直接明らかにすることに対する代替的または補足的なアプローチである。特定のVT関連タンパク質に対して特異的な抗体を利用し得ることにより、Harlow and Lane(「Antibodies, A Laboratory Manual」、CSHL, New York, 1988)に提示されたものといった、当技術分野で周知のさまざまなイムノアッセイ方法のいずれかによる細胞性VT関連タンパク質の検出および定量が容易になると考えられる。このような抗体を構築する方法は当技術分野で公知である。
野生型VT関連タンパク質との比較によるVT関連タンパク質における1つまたは複数の変異または多型の存在を明らかにすることは、以上に概説した方法によってVT関連核酸の変異または多型の存在を直接明らかにすることに対する、もう1つの代替的または補足的なアプローチである。変異型または多型性タンパク質と野生型タンパク質を識別し得る抗体は、当技術分野で公知の方法を用いて調製することができる。
任意の標準的なイムノアッセイ形式(ELISA、ウエスタンブロット法またはRIAアッセイ)を、VT関連ポリペプチドまたはタンパク質のレベルを測定するため、およびVT関連タンパク質における変異または多型を検出するために用いることができる。野生型(正常)VT関連タンパク質のレベルと比較し、VT関連ポリペプチドのレベルが低いことにより、VTを発症する素因が示される。同様に、1つまたは複数の変異型または多型性のVT関連タンパク質の存在もVTを発症する素因を示す。免疫組織化学の手法を、VT関連ポリペプチドまたはタンパク質の検出および定量のために利用することもできる。例えば、組織試料を対象から入手し、切片を、適切なVT関連タンパク質特異的結合物質および任意の標準的な検出システム(二次抗体を西洋ワサビペルオキシダーゼと結合させたものなど)を用いて野生型または多型性もしくは変異型のVT関連タンパク質の存在に関して染色することができる。このような手法に関する一般的な手引きは、 Bancroft and Stevens(「Theory and Practice of Histological Techniques」、Churchill Livingstone, 1982)およびAusubel et al.(「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley & Sons, New York, 1998)に記載がある。
VT関連タンパク質を定量する目的には、細胞性タンパク質を含む試料である、細胞の生物試料を用いることができる。VT関連タンパク質の定量をイムノアッセイによって行い、その量を、VTを発症する遺伝的な素因のない対象からの細胞で認められるタンパク質のレベルと比較することができる。対象の細胞における1つまたは複数のVT関連タンパク質の量が、正常ヒト細胞で認められる同じVT関連タンパク質の量と比較して有意に少ないとは、通常、約30%またはそれ以上の差があることをいう。1つまたは複数のVT関連タンパク質の実質的な過少発現を、VTを発症する遺伝的素因を示す指標とすることができる。
実施例6
キット
対象がVT関連核酸配列中に1つまたは複数の多型または変異を有するか否かを判定するためのキットが提供される(VT検出用アレイを含むキットなど)。また、アレイ上のオリゴヌクレオチドと、対象から増幅されたVT関連核酸との間で形成されるハイブリダイゼーション複合体を検出するために必要な試薬を含むキットも提供される。これらのキットはそれぞれ、指示書、例えば、決定された(例えば、実験的に測定された)値と比較するための較正曲線またはチャートを提供する指示書を含み得る。
1つの例において、キットは、表1に列記されたものなどのVT関連核酸分子を増幅し得るプライマーを含む。特定の例において、プライマーは、水溶液中に懸濁化された状態で、またはフリーズドライもしくは凍結乾燥された粉末として提供される。プライマーを供給するための容器は、例えば微量遠心管、アンプルまたは瓶といった供給される形態を保持し得る任意の従来の容器であり得る。いくつかの用途において、プライマーの対は、個別の典型的には使い捨て式であるチューブまたは同等な容器中に、あらかじめ計量された単回使用量として提供される。
キット中に供給される各々のプライマーの量は、例えばその製品が向けられる市場に応じた、任意の量でよい。例えば、キットが研究または臨床の用途用に適合化される場合には、用意される各々のオリゴヌクレオチドプライマーの量は、数回のインビトロ増幅反応のプライミングを行うのに十分な量である可能性が高い。当業者は単回の増幅反応に用いるのに適したオリゴヌクレオチドプライマーの量を周知している。一般的な指針は、例えば、Innis et al.(「PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications」、Academic Press, Inc., San Diego, CA, 1990)、Sambrook et al.(「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor, New York, 1989)およびAusubel et al.(「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley & Sons, New York, 1998)に記載されている。
特定の例において、キットは、表1に列記されたものなどの野生型、変異型または多型性のVT関連配列を認識するオリゴヌクレオチドを有するアレイを含む。アレイは、例えば陰性または陽性対照として役立てるための、他のオリゴヌクレオチドを含み得る。野生型および変異型の配列を認識するオリゴヌクレオチドは、同一のアレイ上にあってもよく、または異なるアレイ上にあってもよい。具体的なアレイは実施例3に開示されている。例えば、キットは、SEQ ID NO:1〜287に示されたオリゴヌクレオチド、またはそれらのサブセット、例えば、SEQ ID NO:1〜287に示されたオリゴヌクレオチドのうち少なくとも10種など、例えば、SEQ ID NO:1〜287に示されたオリゴヌクレオチドのうち少なくとも20種、少なくとも50種、少なくとも100種、少なくとも143種、またはさらには少なくとも250種を含み得る。1つの特定の例において、アレイは、奇数番号のSEQ ID NO:1〜285(すなわち、SEQ ID NO:1、3、5、7など)および同じ例においてSEQ ID NO:286をも含み、または偶数番号のSEQ ID NO:2〜284(すなわち、SEQ ID NO:2、4、6、8など)および同じ例においてSEQ ID NO:287をも含む。しかし、このようなアレイの両方を単一のキットに含めることができる。
いくつかの例において、キットはさらに、例えば適切な緩衝液を含む、ハイブリダイゼーションおよび検出反応を実施するために必要な試薬を含む。書面による指示書を含めることもできる。
VT関連タンパク質の発現、例えば表1に列記された核酸分子によってコードされるタンパク質の過少発現の検出のためのキットも提供される。このようなキットは、1つまたは複数の野生型または変異型のAT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子(FV)、プロトロンビン(第II因子)、MTHFR、およびACEタンパク質(完全長、断片もしくは融合物)または特異的結合物質(ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体または抗体断片)を含み、少なくとも1つの対照を含むことができる。VT関連タンパク質に特異的な結合物質および対照は、別々の容器に含めることができる。キットはまた、VT関連タンパク質:作用物質の複合体を検出するための手段を含むこともでき、例えば、この作用物質は検出可能なように標識されていてもよい。検出可能な作用物質が標識されていない場合には、これを二次抗体またはプロテインAによって検出することもでき、いくつかのキットにおいては、これらの2つのうちいずれかを1つまたは複数の別々の容器に入れて提供することができる。このような手法は周知である。
いくつかのキットにおけるそのほかの成分には、アッセイを実施するための指示書が含まれる。指示書は、検査者が、VTと関連する発現レベルが対照試料と比較して低下しているか否かを判定することを可能にする。反応容器および補助的試薬、例えば発色団、緩衝剤、酵素などをキットに含めることもできる。
本発明者らの発明の原理を適用し得る数多くの考えられる態様に鑑みて、例示された態様は本発明の好ましい一例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものとみなされるべきではないことが認識されるべきである。実際には、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって規定される。したがって、本発明者らは、これらの特許請求の範囲および精神に含まれるものすべてを、本発明者らの発明として請求する。

Claims (35)

  1. 対象における静脈血栓症(VT)に対する遺伝的素因を検出するための方法であって、
    対象が少なくとも8種のVT関連分子において1つまたは複数の変異または多型を有するか否かを判定する段階であって、少なくとも8種の静脈血栓症分子がアンチトロンビンIII(AT III)、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子(FV)、プロトロンビン(第II因子)、メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(MTHFR)、およびアンジオテンシン1転換酵素(ACE)を含み、1つまたは複数の変異または多型の存在によって対象が静脈血栓症に対する遺伝的素因を有することが示される段階
    を含む方法。
  2. 1つまたは複数の変異または多型が、表1に列記された1つまたは複数の変異または多型を含む、請求項1記載の方法。
  3. 対象が表1に列記された変異または多型のうち少なくとも10種において1つまたは複数の変異または多型を有するか否かを判定する段階を含む、請求項1記載の方法。
  4. 対象が表1に列記された変異または多型のうち少なくとも50種において1つまたは複数の変異または多型を有するか否かを判定する段階を含む、請求項1記載の方法。
  5. 対象が表1に列記された変異または多型のうち少なくとも143種において1つまたは複数の変異または多型を有するか否かを判定する段階を含む、請求項1記載の方法。
  6. 対象が表1に列記された変異または多型のうち10種を超えないものにおいて1つまたは複数の変異または多型を有するか否かを判定する段階を含む、請求項1記載の方法。
  7. 1つまたは複数の変異または多型が、AT III欠損症、PC欠損症、PS欠損症、フィブリノーゲンThr312Ala多型、FV Leiden(G1691A)多型、FV G1628多型、FV A4070G多型、プロトロンビンG20210A多型、MTHFR C677T、およびACEイントロン16、288bp挿入/欠失多型を含む、請求項2記載の方法。
  8. VTを発症する確率が、白色人種では少なくとも98%、アジア人では少なくとも85%、およびアフリカ人では少なくとも87%の精度で得られる、請求項1記載の方法。
  9. 対象が少なくとも8種のVT関連分子において1つまたは複数の変異または多型を有するか否かを判定する段階を含む、請求項1記載の方法。
  10. 少なくとも8種のVT関連分子が核酸分子を含む、請求項1記載の方法。
  11. 核酸分子を対象から増幅してそれによって増幅産物を生じさせ、その増幅産物を、1つまたは複数の変異または多型を検出するオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせる、請求項10記載の方法。
  12. オリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせる段階が、
    増幅産物とオリゴヌクレオチドプローブとの間のハイブリダイゼーションが行われるのに十分な期間にわたって、増幅産物をオリゴヌクレオチドプローブとともにインキュベートし、それによって増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を形成させる段階;および
    増幅産物がVT関連核酸中に1つまたは複数の変異または多型を含むか否かを判定するために、増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を分析する段階であって、1つまたは複数の変異または多型の存在によって対象がVTに対する遺伝的素因を有することが示される段階
    を含む、請求項11記載の方法。
  13. 増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を分析する段階が、核酸ハイブリダイゼーションの量を決定する段階であって、変異型配列の1つまたは複数に対するハイブリダイゼーションの量が対応する野生型配列に対するハイブリダイゼーションの量と比較して多いことによって対象がVTに対する遺伝的素因を有することが示される段階を含む、請求項12記載の方法。
  14. 増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を分析する段階が、複合体を検出して定量する段階を含む、請求項12記載の方法。
  15. オリゴヌクレオチドプローブがアレイ基板上に存在する、請求項11記載の方法。
  16. アレイが、野生型VT関連核酸分子に対して相補的なオリゴヌクレオチドプローブをさらに含む、請求項15記載の方法。
  17. 野生型VT関連核酸分子が、野生型AT III、野生型プロテインC、野生型プロテインS、野生型フィブリノーゲン、野生型第V因子、野生型第II因子、野生型MTHFR、および野生型ACEの核酸配列に対して相補的なオリゴヌクレオチドプローブを含む、請求項16記載の方法。
  18. 少なくとも8種のVT関連分子が、AT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEからの配列からなる、請求項1記載の方法。
  19. 対象が、静脈血栓症を発症するリスクを潜在的に有する群に属している、請求項1記載の方法。
  20. 対象が、妊娠している、産褥中である、経口避妊薬もしくはホルモン補充療法を用いている、血栓症の既往歴がある、持続性の不動化を受けたかまたは受ける見込みである、骨髄増殖性疾患を有する、悪性疾患を有する、外科手術を受けたかまたは受ける見込みである、骨折を有する、高齢である、抗リン脂質抗体を有する、またはそれらの組み合わせである、請求項19記載の方法。
  21. 対象から得られる核酸分子が血清から得られる、請求項11記載の方法。
  22. 対象におけるVTに対する遺伝的素因を検出する方法であって、
    増幅産物をアレイに適用する段階であって、アレイが変異型AT III、変異型プロテインC、変異型プロテインS、変異型フィブリノーゲン、変異型第V因子、変異型第II因子、変異型MTHFR、および変異型ACEの配列に対して相補的なオリゴヌクレオチドプローブを含み、増幅産物が、対象から得られたAT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEからの核酸配列を含む段階;
    増幅産物とオリゴヌクレオチドプローブとの間のハイブリダイゼーションが行われるのに十分な期間にわたって、増幅産物をアレイとともにインキュベートし、それによって増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を形成させる段階;および
    増幅産物がAT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、またはACEの配列中に1つまたは複数の変異または多型を含むか否かを判定するために、増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を分析する段階であって、1つまたは複数の変異または多型の存在によって対象がVTに対する遺伝的素因を有することが示される段階
    を含む方法。
  23. 静脈血栓症(VT)療法を選択する方法であって、
    請求項1記載の方法を用いて、対象の少なくとも1つのVT関連分子における変異または多型を検出する段階;および
    このような変異または多型が同定された場合に、VTを回避もしくは緩和するため、またはVTの発症を遅らせるための処置を選択する段階
    を含む方法。
  24. 選択された処置を対象に施す段階をさらに含む、請求項23記載の方法。
  25. 選択された処置が、対象を抗血液凝固剤で処置する段階を含む、請求項24記載の方法。
  26. 野生型遺伝子配列、変異型遺伝子配列、またはその両方に対して相補的なオリゴヌクレオチドプローブを含むアレイであって、遺伝子配列がAT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEの遺伝子からのコード配列または非コード配列を含むアレイ。
  27. 変異型遺伝子配列が、表1に列記された10種またはそれ以上の変異または多型を含む、請求項26記載のアレイ。
  28. 変異型遺伝子配列が、本質的に表1に列記された変異または多型からなる、請求項27記載のアレイ。
  29. 対象における静脈血栓症(VT)に対する遺伝的素因を検出する方法であって、
    増幅産物を請求項13記載のアレイに適用する段階であって、増幅産物が対象から得られた増幅された核酸を含み、核酸がAT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEからのコード配列または非コード配列を含む段階;
    増幅産物とオリゴヌクレオチドプローブとの間のハイブリダイゼーションが行われるのに十分な期間にわたって、増幅産物をアレイとともにインキュベートし、それによって増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を形成させる段階;および
    増幅産物がAT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、またはACEの遺伝子中に1つまたは複数の変異または多型を含むか否かを判定するために、増幅産物:オリゴヌクレオチドプローブ複合体を分析する段階であって、1つまたは複数の変異または多型の存在によって対象がVTに対する遺伝的素因を有することが示される段階
    を含む方法。
  30. 対象における静脈血栓症(VT)に対する遺伝的素因を検出するためのキットであって、
    所定のパターンで固体ポリマー支持体表面と化学的に連結された複数のオリゴヌクレオチドプローブを含む固相核酸アレイであって、オリゴヌクレオチドプローブが、AT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEの遺伝子中にVTに関連した変異または多型を有する1つまたは複数の核酸分子と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る固相核酸アレイ
    を含むキット。
  31. オリゴヌクレオチドがSEQ ID NO:1〜287を含む、請求項30記載のキット。
  32. 対象から得られた核酸分子を増幅して増幅産物を得るためのプライマーを別個のパッケージ中にさらに含み、増幅産物がAT III、プロテインC、プロテインS、フィブリノーゲン、第V因子、第II因子、MTHFR、およびACEの遺伝子からの配列を含む、請求項30記載のキット。
  33. 増幅酵素を別個のパッケージ中にさらに含む、請求項30記載のキット。
  34. 緩衝液を別個のパッケージ中にさらに含む、請求項30記載のキット。
  35. アレイが、野生型AT III、野生型プロテインC、野生型プロテインS、野生型フィブリノーゲン、野生型第V因子、野生型第II因子、野生型MTHFR、および野生型ACEとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項30記載のキット。
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