JP2007522272A - 光学物品用重合性組成物 - Google Patents
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Abstract
輝度向上フィルム用に特に有用な重合性組成物。
Description
本発明は、例えば輝度向上フィルムなどの光学物品用に特に有用な重合性組成物に関する。
米国特許第5,175,030号明細書および米国特許第5,183,597号明細書に記載されるような特定のミクロ複製光学製品は、一般的に「輝度向上フィルム(brightness enhancing film)」と呼ばれている。エレクトロルミネセントパネル、ラップトップコンピューターディスプレイ、ワープロ、デスクトップモニター、テレビ、ビデオカメラ、ならびに自動車用および航空機用ディスプレイにおいて使用されるものを含む液晶ディスプレイ(LCD)などのバックライト付フラットパネルディスプレイの輝度を増加させるために、輝度向上フィルムは多くの電子工学製品において利用される。
輝度向上フィルムは、生じる輝度ゲイン(すなわち「ゲイン」)に関連のある輝度向上フィルムの屈折率を含む特定の光学特性および物理特性を望ましく示す。輝度の改善によって、より少ない電力を使用してディスプレイが照明され、電子工学製品のより効率的な操作が可能となる。それによって電力消費が低下し、その部品における熱負荷が低下し、そして製品寿命が延長される。
例えば米国特許第5,908,874号明細書;米国特許第5,932,626号明細書;米国特許第6,107,364号明細書;米国特許第6,280,063号明細書;米国特許第6,355,754号明細書;ならびにEP1 014113号明細書および国際公開第03/076528号パンフレットに記載されるように、硬化または重合される高屈折率モノマーから輝度向上フィルムは調製される。
輝度向上フィルムの製造のために適切である様々な重合性組成物が既知であるが、代替組成物において工業的利点が見出される。
本発明の一実施形態において、
a)i)次の構造
(式中、R1は独立して水素またはメチルである)を有する主要部分を含んでなるモノマー;および
ii)次の構造
(式中、R1は独立して水素またはメチルであり、そして
Lは、
直鎖C2〜C12アルキル基、
分枝鎖C2〜C12アルキル基、および
−CH2CH(OH)CH2−
からなる群から独立して選択される連結基である)を有する主要部分を含んでなるモノマー;およびそれらの混合物からなる群から選択される一種以上の第1のモノマー;
b)2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる第2のモノマー;
c)ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される架橋剤;
d)任意に単官能希釈剤;ならびに
e)任意に光開始剤;
から本質的になる重合性組成物の反応生成物を含んでなる輝度向上フィルムが提供される。
a)i)次の構造
ii)次の構造
Lは、
直鎖C2〜C12アルキル基、
分枝鎖C2〜C12アルキル基、および
−CH2CH(OH)CH2−
からなる群から独立して選択される連結基である)を有する主要部分を含んでなるモノマー;およびそれらの混合物からなる群から選択される一種以上の第1のモノマー;
b)2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる第2のモノマー;
c)ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される架橋剤;
d)任意に単官能希釈剤;ならびに
e)任意に光開始剤;
から本質的になる重合性組成物の反応生成物を含んでなる輝度向上フィルムが提供される。
第1のモノマーは少なくとも20wt%の量で、かつ40wt%未満の量で重合性組成物中に存在し得る。第1のモノマーは、好ましくは主要部分の2−プロペン酸、(1−メチルエチリデン)ビス[(2,6−ジブロモ−4,1−フェニレン)オキシ(2−ヒドロキシ−3,1−プロパンジイル)]エステルを含んでなる。2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートモノマーは少なくとも約25wt%の量で、かつ50wt%未満の量で存在し得る。架橋剤および/または任意の単官能希釈剤は、好ましくは周囲温度で液体である。架橋剤は少なくとも約5wt%の範囲の量で、かつ30wt%未満の量で存在し得る。架橋剤は、好ましくはペンタエリトリトールトリアクリレートである。単官能希釈剤は少なくとも約10wt%の量で、かつ20wt%未満の量で存在し得る。単官能(メタ)アクリレート希釈剤は、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物を含み得、そして好ましくはフェノキシエチルアクリレートである。
本明細書に記載される重合性組成物は、他の光学物品のためにも都合がよい。
本明細書で使用される場合:
「屈折率」は、自由空間における電磁放射線の速度とその材料における放射線の速度との比率として理解される材料(例えばモノマー)の絶対屈折率を指す。ここで、放射線は、約589.3nmの波長におけるナトリウム黄色光である。屈折率は、例えば、ペンシルバニア州、ピッツバーグ(Pittsburgh,PA)のフィッシャー インストルメンツ(Fisher Instruments)から市販品として入手可能なアッベ(Abbe)屈折計を使用して測定可能である。器具次第で、測定された屈折率がいくらか異なり得ることは一般的に認識される。
「屈折率」は、自由空間における電磁放射線の速度とその材料における放射線の速度との比率として理解される材料(例えばモノマー)の絶対屈折率を指す。ここで、放射線は、約589.3nmの波長におけるナトリウム黄色光である。屈折率は、例えば、ペンシルバニア州、ピッツバーグ(Pittsburgh,PA)のフィッシャー インストルメンツ(Fisher Instruments)から市販品として入手可能なアッベ(Abbe)屈折計を使用して測定可能である。器具次第で、測定された屈折率がいくらか異なり得ることは一般的に認識される。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレート化合物の両方を指す。
「重合性組成物」は、少なくとも識別された硬化可能または重合可能のモノマーを含む、本明細書に記載されるような一種以上の重合性成分を含有する化学組成物を指す。
「輝度向上フィルム」は、対称的な先端部と溝との規則的な繰返しパターンを有するミクロ構造関連物品を含む。溝パターンの他の例としては、先端部と溝とが対称的ではなく、そしてサイズ、配向、または先端部と溝との間の距離が均一ではないパターンが挙げられる。輝度向上フィルムの例は、ルー(Lu)ら、米国特許第5,175,030号明細書およびルー(Lu)、米国特許第5,183,597号明細書に記載される。
図1を参照すると、本発明の輝度向上フィルム30は、一般的にベース層2と光学層4とを含んでなる。光学層4は、プリズム6、8、12および14として識別される規則的な直角プリズムの直線状配列を含んでなる。各プリズム、例えばプリズム6は、第1の面10および第2の面11を有する。プリズム6、8、12および14は、プリズムが形成される第1の表面18と、実質的に平面であって第1の表面18の反対側にある第2の表面20とを有するベース2上で形成される。直角プリズムとは、頂角αが典型的に約90°であることを意味する。しかしながら、この角度は70°から120°まで変動可能であり、80°から100°まで変動してもよい。さらには、角が鋭角であっても丸形であってもよい。プリズム面が同一である必要はなく、プリズムが互いに対して傾斜していてもよい。光学物品の全厚さ24とプリズムの高さ22との関係は変動してもよい。しかしながら、明瞭に画定されたプリズム面を有する比較的薄い光学層を使用することが典型的に望ましい。プリズム高さ22と全厚さ24との典型的比率は一般的に25/125と2/125との間にある。
輝度向上フィルムのベース層は、光学製品、すなわち光の流れを制御するように設計された製品での使用に適切な天然由来および組成物であり得る。多くの材料がベース材料として使用可能であるが、ただし、材料は十分光学的に透明であって、特定の光学製品中に組み立てられるか、またはその内部で使用されるために十分な構造強度を有する。好ましくは、光学製品の性能が時間とともに低下しないように、温度および老化に対する十分な耐性を有するベース材料が選択される。
いずれの光学製品のベース材料の特定の化学組成物および厚さも、構成される特定の光学製品の必要条件次第であり得る。すなわち、中でも、強度、透明性、温度耐性、表面エネルギー、光学層への接着の要求を釣り合わせる。ベース層の厚さは、典型的に少なくとも約0.025ミリメートル(mm)であり、そしてより典型的に少なくとも約0.075mmである。さらにベース層は、一般的に約0.5mm以下の厚さ、好ましくは約0.175以下を有する。
有用なベース層材料としては、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド、ジンジオタクチックポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸をベースとするコポリマーまたはブレンド、およびガラスが挙げられる。任意にベース材料は、これらの材料の混合物または組み合わせを含有し得る。例えば、ベースは多層であっても、連続相中に懸濁または分散された分散相を含有してもよい。代表的なベース層材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリカーボネートが挙げられる。有用なPETフィルムの例としては、フォトグレードのポリエチレンテレフタレート(PET)およびデラウェア州、ウィルミントン(Wilmington,Delaware)のデュポン フィルムス(DuPont Films)から商標名「ミリネックス(Milinex)」で市販品として入手可能なPETが挙げられる。
ベース層材料は光学的に活性であり得、そして偏光材料として機能し得る。多くのベース層材料が偏光材料として有用であることは既知である。例えば、通過する光を選択的に吸収するフィルム材料中の二色性偏光子の包含によって、フィルムを通しての偏光が達成され得る。また整列された雲母チップなどの無機材料を含むことによって、または連続フィルム内で分散された不連続相(例えば連続フィルム内に分散された光変調液晶の液滴)によっても偏光を達成することができる。あるいは、異なる材料の超微粒層からフィルムを調製することができる。例えばフィルムの伸張、電気場または磁場の適用およびコーティング技術などの方法を使用することによって、フィルム内の偏光材料を偏光配向に整列することができる。
偏光フィルムの例としては、米国特許第5,825,543号明細書および米国特許第5,783,120号明細書に記載されるものが挙げられる。輝度向上フィルムと組み合わせてこれらの偏光子フィルムを使用することについては、米国特許第6,111,696号明細書に記載されている。偏光フィルムのもう1つの例は、米国特許第5,882,774号明細書に記載される。市販品として入手可能であるかかるフィルムの一例は、ミネソタ州、セントポールの3M カンパニー(3M Company,St.Paul,MN)から商標名DBEF(デュアル ブライトネス エンハンスメント フィルム(Dual Brightness Enhancement Film)で販売される多層フィルムである。輝度向上フィルムにおけるかかる多層偏光フィルムの使用については、米国特許第5,828,488号明細書に記載されている。
他の偏光フィルムおよび非偏光フィルムも本発明の輝度向上フィルムのためのベース層として有用であり得るが、中でも、例えば米国特許第5,612,820号明細書および米国特許第5,486,949号明細書に記載される。
本発明は、光学物品、特に輝度向上フィルムの光学層に有用な重合性樹脂組成物に関する。重合性組成物は少なくとも三種のモノマーを含む。重合性樹脂組成物は、各々が少なくとも1.54の屈折率を有する第1のモノマーおよび第2のモノマーと、少なくとも一種の架橋剤と、さらに任意に好ましくは少なくとも一種の単官能反応性希釈剤とを含んでなる。適切な重合法は当該分野で既知であり、例えばフリーラジカル開始剤の存在下で、溶液重合、懸濁重合、乳化重合およびバルク重合が挙げられる。本発明の組成物は、好ましくは光開始剤の存在下で紫外または可視光による照射によって重合可能である。第1のモノマーおよび第2のモノマー、架橋剤ならびに任意の希釈剤は、好ましくは(メタ)アクリレート官能基を含んでなる。好ましい実施形態において、第1のモノマーおよび第2のモノマーは、架橋剤に加えてアクリレート官能性のみを含み、従って実質的にメタクリレート官能基を含まない。
各構造IおよびIIにおいて、各R1は独立して水素またはメチルである。典型的に、R1基は同一である。構造IIにおいて、Lは連結基である。各Lは分枝鎖または直鎖C2〜C12アルキル基を独立して含み得る。典型的に連結基は同一アルキル基である。好ましくはアルキル基は8個以下の炭素原子、そしてより好ましくは6個以下の炭素原子を含んでなる。あるいはLは−CH2CH(OH)CH2−である。
第1のモノマーは合成可能であるか、または購入可能である。本明細書で使用される場合、主要部分とは、ここに記載された特定の構造を含有するモノマーの少なくとも60〜70wt%を指す。また、かかるモノマーの合成の副産物として他の反応生成物も典型的に存在することが一般的に認められる。
第1のモノマーは、好ましくは、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物である。好ましい第1のモノマーはアクリレート官能性を有し、そしてメタクリレート官能性を実質的に含まない。例えば、第1のモノマーはジョージア州、スミュルナのUCB コーポレイション(UCB Corporation,Smyrna,GA)から商標名「RDX−51027」で入手可能である。この材料は、主要部分の2−プロペン酸、(1−メチルエチリデン)ビス[(2,6−ジブロモ−4,1−フェニレン)オキシ(2−ヒドロキシ−3,1−プロパンジイル)]エステルを含んでなる。
かかる第1のモノマーの混合物も適切に使用されてもよいが、製造の容易さのため、好ましくは可能な限り少数の異なるモノマーが使用され、なお適切なゲインを伴って輝度向上フィルムが得られる。このような結果を得るために、輝度向上フィルムがこれらの第1のモノマーの一種のみの反応生成物、特にテトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸との反応生成物から構成されることが好ましい。
第1のモノマーは、好ましくは少なくとも約20wt%(例えば25wt%、30wt%)の量で重合性組成物中に存在する。典型的に第1のモノマーの量は約50wt%未満、そして好ましくは約40wt%未満である。第1のモノマーは、ここに記載された最小量と最大量との間のいずれかの量(例えば整数)で存在し得る。
第2のモノマーは、少なくとも約25wt%(例えば26wt%、27wt%、28wt%、29wt%)の量で組成物中に存在する。第2のモノマーはハロゲン化(すなわち臭素化)され、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる。2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートモノマーは、第一工業製薬株式会社(日本、京都)から商標名「BR−31」で市販品として入手可能である。典型的に、このモノマーの量は約50wt%以下である。このモノマーの量は、好ましくは約30wt%〜約45wt%(30と45との間の整数を含む)の範囲の量で存在する。
高屈折率を有する第1のモノマーに加えて、本発明の重合性組成物は、少なくとも一種、好ましくは一種のみの架橋剤も含む。重合性組成物の重合から得られるポリマーのガラス転移温度を増加させる架橋剤として多官能性モノマーを使用可能である。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)、変調DSCまたは動的機械分析などの当該分野において既知の方法によって測定可能である。好ましくは、45℃より高いガラス転移温度を提供するようにポリマー組成物は十分に架橋される。架橋剤は、少なくとも3個の(メタ)アクリレート官能基を含んでなる。メタクリレート基はアクリレート基より反応性が低い傾向があるため、架橋剤が3個以上のアクリレート基を含んでなることが好ましい。適切な架橋剤としては、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物が挙げられる。より好ましくは、架橋剤はメタクリレート官能性を含まない。ペンタエリトリトールトリアクリレート(PETA)は特に好ましい。ペンタエリトリトールトリアクリレート(PETA)はいくつかの供給源から市販品として入手可能であり、ペンシルベニア州、エクストンのサートマー(Sartomer,Exton,PA)から商標名「SR444」;日本、大阪の大阪有機化学工業株式会社から商標名「ビスコート(Viscoat)#300」;日本、東京の東亞合成株式会社から商標名「アロニックス(Aronix)M−305」;および台湾、高雄のエターナル ケミカル カンパニー リミテッド(Eternal Chemical Co.,Ltd.,Kaohsiung,Taiwan)から商標名「エターマー(Etermer)235」が挙げられる。トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)は、サートマー(Sartomer)から商標名「SR351」および東亞合成株式会社から商標名「アロニックス(Aronix)M−309」で市販品として入手可能である。
架橋剤は、好ましくは少なくとも約5wt%の量で重合性組成物中に存在する。典型的に、架橋剤の量は約30wt%以下である。同様に、架橋剤は5wt%と30wt%との間のいずれかの量(すなわち整数)で存在してもよい。好ましくは、架橋剤の濃度は約20wt%を超えない。
任意に、なお好ましくは、重合性樹脂組成物は、重合性樹脂組成物の粘度を低下させるために約20wt%までの反応性希釈剤を含んでなる。粘度の低下によって、加工性の改善ももたらされる。反応性希釈剤は、1.50より高い屈折率を典型的に有する一官能性または二官能性(メタ)アクリレート官能性モノマーである。かかる反応性希釈剤は、典型的にハロゲン化(例えば臭素化)されていない。適切な反応性希釈剤としては、例えばフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−(1−メチル−1−フェネチル)フェノキシエチル(メタ)アクリレートおよびフェニルチオエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
製造の容易さのため、一種のみの希釈剤が含まれることが好ましい。好ましい希釈剤はフェノキシエチル(メタ)アクリレート、特にフェノキシエチルアクリレート(PEA)である。フェノキシエチルアクリレートは1つより多い供給源から市販品として入手可能であり、サートマー(Sartomer)から商標名「SR339」;エターナル ケミカル カンパニー リミテッド(Eternal Chemical Co.,Ltd.)から商標名「エターマー(Etermer)210」;および東亞合成株式会社から商標名「TO−1166」が挙げられる。ベンジルアクリレートは、マサチューセッツ州、ワード ヒルのアルファアサー コーポレイション(AlfaAeser Corp,Ward Hill,MA)から市販品として入手可能である。
適切な重合法としては、当該分野において既知の溶液重合、懸濁重合、乳化重合およびバルク重合が挙げられる。適切な方法としては、フリーラジカル開始剤の存在下での加熱、ならびに光開始剤の存在下での紫外または可視光などの電磁放射線による照射が挙げられる。合成、輸送および保管の間の樹脂の早期重合を防止するために、重合性組成物の合成において抑制剤がしばしば使用される。適切な抑制剤としては、50〜1000ppmのレベルのヒドロキノンおよび4−メトキシフェノールが挙げられる。当業者に既知であるように、抑制剤の他の種類および/または量が使用されてもよい。
本発明の組成物は、任意に少なくとも一種の光開始剤を含んでなる。本発明の輝度強化フィルムにおいて、単一の光開始剤またはそのブレンドが使用されてもよい。一般的に、光開始剤は少なくとも部分的に可溶性(例えば樹脂の加工温度において)であり、そして重合後、実質的に無色である。光開始剤は(例えば黄色に)着色していてもよいが、ただしUV光源に暴露後、光開始剤は実質的に無色となる。
適切な光開始剤としては、モノアシルホスフィンオキシドおよびビスアシルホスフィンオキシドが挙げられる。市販品として入手可能なモノまたはビスアシルホスフィンオキシド光開始剤としては、BASF(ノースカロライナ州、シャーロット(Charlotte,NC))から商標名「ルシリン(Lucirin)TPO」で市販品として入手可能である2,4,6−トリメチルベンゾイジフェニルホスフィンオキシド;BASFから商標名「ルシリン(Lucirin)TPO−L」で市販品として入手可能であるエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート;およびチバ スペシャルティ ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から商標名「イルガキュア(Irgacure)819」で市販品として入手可能であるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドが挙げられる。他の適切な光開始剤としては、チバ スペシャルティ ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から商標名「ダロキュア(Darocur)1173」で市販品として入手可能である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、ならびにチバ スペシャルティ ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から商標名「ダロキュア(Darocur)4265」、「イルガキュア(Irgacure)651」、「イルガキュア(Irgacure)1800」、「イルガキュア(Irgacure)369」、「イルガキュア(Irgacure)1700」および「イルガキュア(Irgacure)907」で市販品として入手可能である他の光開始剤が挙げられる。
約0.1〜約10wt%の濃度で光開始剤を使用することが可能である。より好ましくは、約0.5〜約5wt%の濃度で光開始剤を使用する。輝度向上フィルムの黄変を引き起こす傾向を考慮して、5wt%より多いと一般的に不都合である。当業者によって決定され得るように、他の光開始剤も適切に使用され得る。
表面張力を低下させる、湿潤性を改善する、コーティングをより滑らかにさせる、およびコーティングの欠陥を低下させるなどのため、フルオロ界面活性剤およびシリコーンをベースとする界面活性剤のような界面活性剤が重合性組成物中に任意に含まれてもよい。
ルー(Lu)およびルー(Lu)らに記載されるように、(a)重合性組成物(すなわち本発明の重合性組成物)を調製する工程と;(b)マスターのキャビティを充填するために辛うじて十分な量でマスターのネガ型のミクロ構造化された成型表面上に重合性組成物を配置する工程と;(c)少なくとも一方が可撓性である、予め形成されたベースとマスターとの間で重合性組成物のビーズを移動させることによってキャビティを充填する工程と;(d)組成物を硬化する工程とを含む方法によってミクロ構造関連物品(例えば輝度向上フィルム)を調製可能である。マスターはニッケル、ニッケルメッキ銅または真鍮のような金属であり得るか、あるいは重合条件下で安定な熱可塑性材料であり得、そして好ましくはマスターから重合材料のクリーンな取り外しを可能にする表面エネルギーを有するものである。ベースへの光学層の接着を促進するために、ベースフィルムの1以上の表面は任意に下塗り処理されるか、または他の様式で処理されてよい。
本発明の輝度向上フィルムは、ゲインを改善する目的のため、ディスプレイにおいて有効に使用される。バックライト付液晶ディスプレイの実例の概略図は、図2の110に一般的に示される。実際のディスプレイにおいては、描写された様々な部品が輝度向上フィルムと接触していることが多い。本発明の輝度向上フィルム111は、一般的に光ガイド118と液晶ディスプレイパネル114との間に位置する。液晶ディスプレイパネルは、両表面上で典型的に吸収偏光子を含む。従って、かかる吸収偏光子は本発明の輝度向上フィルムに隣接して配置される。バックライト付液晶ディスプレイは、蛍光灯などの光源116、および液晶ディスプレイパネルの方に光を反射するための白色の反射体120も含み得る。輝度向上フィルム111は光ガイド118から放射された光を集束し、それによって液晶ディスプレイパネル114の輝度を増加させる。輝度の増加によって、液晶ディスプレイパネルがより鮮明な像を生じることが可能となり、そして選択された輝度をもたらすために、光源116の電力を低下させてもよい。バックライト付液晶ディスプレイは、コンピュータディスプレイ(ラップトップディスプレイおよびコンピューターモニター)、テレビ、ビデオレコーダー、移動通信デバイス、携帯デバイス(すなわち携帯電話、パーソナル携帯情報機器(PDA))、自動車用および航空電子工学の器具ディスプレイなどの機器において有用であり、そして引用符号121によって表される。
ディスプレイは、輝度向上フィルムと液晶ディスプレイパネル114との間に位置するもう1つの光学フィルム112をさらに含んでもよい。他の光学フィルムとしては、例えば拡散体、反射偏光子または第2の輝度向上フィルムが挙げられる。当該分野で既知であるように、他の光学フィルムは光学フィルム112と液晶ディスプレイパネル114との間、または輝度向上フィルム111と光ガイド118との間に位置してもよい。
偏光フィルムの例としては、米国特許第5,825,543号明細書および米国特許第5,783,120号明細書に記載されるものが挙げられる。これらはそれぞれ本明細書に援用される。輝度向上フィルムと組み合わせられたこれらの偏光子フィルムの使用については、米国特許第6,111,696号明細書に記載される。偏光フィルムのもう1つの例は米国特許第5,882,774号明細書に記載されている。市販品として入手可能であるかかるフィルムの一例は、3M カンパニー(3M Company)から商標名DBEF(デュアル ブライトネス エンハンスメント フィルム(Dual Brightness Enhancement Film)で販売される多層フィルムである。多層偏光フィルムについては、例えば米国特許第5,828,488号明細書に記載されている。これらの追加的な光学フィルムが輝度向上フィルムのベース層として含まれる場合、ベース層の厚さは前記よりも大きくてよい。
本明細書に記載される重合性組成物は、ミクロ構造関連光学物品(例えばフィルム)などの他の光学材料のためにも都合がよい。代表的な光学材料としては、光学レンズ、例えばフレネルレンズ、光学フィルム、例えば高屈折率フィルム、例えばミクロ複製フィルム、例えば完全内部反射フィルム、または輝度向上フィルム、フラットフィルム、多層フィルム、再帰反射シート、光学光ファイバーまたはチューブなどが挙げられる。高屈折率の重合性組成物からの光学製品の製造は、例えば米国特許第4,542,449号明細書に記載される。
以下の実施例によって本発明の利点をさらに説明するが、実施例に記載された特定の材料およびそれらの量、ならびに他の条件および詳細は本発明を過度に限定するものとして解釈されるべきではない。ここでは全てのパーセントおよび比率は、特記されない限り重量による。
試験法
1.ゲイン試験法
カリフォルニア州、チャッツワースのフォト リサーチ インコーポレイテッド(Photo Research,Inc,Chatsworth,CA)から入手可能であるスペクトラスキャン(SpectraScan)(登録商標)PR−650 スペクトラカロリメーター(SpectraColorimeter)上でゲイン(標準材料と比較された光学材料の伝送された光強度の差異)を測定した。以下で形成される各実施例に関する本方法の結果は、以下の結果の項目に報告される。単一シートゲイン(すなわち「SS」)を測定するためにフィルム試料を切断し、そしてプリズムの溝がテフロン(登録商標)(Teflon)光キューブの前面に対して垂直であるようにフォスター(Foster)DCR II光源を使用して光パイプを介して照射されるテフロン(登録商標)(Teflon)光キューブ上に配置した。交差シートゲイン(すなわち「XS」)に関して、同一材料の第2のシートを第1のシートの下に配置し、そして第2のシートの溝がテフロン(登録商標)(Teflon)光キューブの前面と平行であるように配向した。
1.ゲイン試験法
カリフォルニア州、チャッツワースのフォト リサーチ インコーポレイテッド(Photo Research,Inc,Chatsworth,CA)から入手可能であるスペクトラスキャン(SpectraScan)(登録商標)PR−650 スペクトラカロリメーター(SpectraColorimeter)上でゲイン(標準材料と比較された光学材料の伝送された光強度の差異)を測定した。以下で形成される各実施例に関する本方法の結果は、以下の結果の項目に報告される。単一シートゲイン(すなわち「SS」)を測定するためにフィルム試料を切断し、そしてプリズムの溝がテフロン(登録商標)(Teflon)光キューブの前面に対して垂直であるようにフォスター(Foster)DCR II光源を使用して光パイプを介して照射されるテフロン(登録商標)(Teflon)光キューブ上に配置した。交差シートゲイン(すなわち「XS」)に関して、同一材料の第2のシートを第1のシートの下に配置し、そして第2のシートの溝がテフロン(登録商標)(Teflon)光キューブの前面と平行であるように配向した。
プリズム側面の傾斜によって画定されるように90°頂点を有するマスターツールを使用して、重合性樹脂組成物から輝度向上フィルムを調製することができる。実験の第1の組においては、隣接頂点間の平均距離は約24マイクロメートルであり、そしてプリズム頂点は鋭利であった。実験の第2の組においては、隣接頂点間の平均距離は約50マイクロメートルであり、そしてプリズム頂点は丸形であった。重合性樹脂組成物を約50℃の温度まで加熱可能であり、そして連続フィルムを製造するために十分な体積でマスターツール上に注入可能である。コーティングバーデバイスを通してマスターツールおよび重合性樹脂を引き、実験の第1の組において約13ミクロン、そして実験の第2の組において約25ミクロンの重合性樹脂の厚さを生じ得る。コーティング後に、PETフィルムを重合性樹脂上へ積層する。マスターツール、重合性樹脂およびPETフィルムをUV硬化機に配置し、そして3000ミリジュール/cm2で露光可能である。硬化後、重合樹脂およびPETをマスターツールから剥離する。
実験の第1の組において、対照(すなわち表Iの対照1)とともに輝度向上フィルムを重合性樹脂組成物1〜7から調製した。実験の第2の組において、対照(すなわち表IIの対照2)とともに輝度向上フィルムを重合性樹脂組成物8から調製した。実験の各組に関して、対照は12.5wt%のPEA、37.5wt%のBR−31、30wt%のRDX−51027、20wt%のEB−9220および1pphのダロキュア(Darocur)1173の混合物からなった。
以下の表Iに、実施例で使用される第1のモノマーの量、単官能希釈剤(すなわちフェノキシエチルアクリレート(PEA)、ベンジルアクリレート)の種類および量、架橋剤(すなわちPETA、TMPTA)の種類および量、ならびに光開始剤の種類および量を明示する。実施例で使用される第1のモノマーは、少なくとも約60〜70wt%の2−プロペン酸、(1−メチルエチリデン)ビス[(2,6−ジブロモ−4,1−フェニレン)オキシ(2−ヒドロキシ−3,1−プロパンジイル)]エステルを含んでなった。実施例で使用される第2のモノマーは、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレートであった。各実施例ならびに対照は、3M カンパニー(3M Company)から商標名「FC−430」で市販品として入手可能である界面活性剤を0.3wt%含有した。各実施例1〜8は、他の樹脂成分の総量合計の1%に等しい量で樹脂に添加された「ダロキュア(Darocur)1173」光開始剤も含有した。
この結果は、全ての例示された重合組成物が、輝度向上フィルムとして使用するために適切なゲインを有することを示す。驚くべきことに、いくつかの重合性組成物は対照よりもさらに高いゲインを示す。
本明細書で引用される特許、特許文献および刊行物の全開示は、それぞれが個々に援用されるように全体的に援用される。本発明への様々な修正および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者にとって明らかとなるであろう。本明細書に記載される実例となる実施形態および実施例によって本発明が過度に限定される意図はなく、そしてかかる実施例および実施形態は単に例として示されるだけであり、そして本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定されることは理解されるべきである。
Claims (22)
- a)i)次の構造
ii)次の構造
Lは、
直鎖C2〜C12アルキル基、
分枝鎖C2〜C12アルキル基、および
−CH2CH(OH)CH2−
からなる群から独立して選択される連結基である)を有する主要部分を含んでなるモノマー;およびそれらの混合物からなる群から選択される一種以上の第1のモノマー;
b)2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる第2のモノマー;
c)ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される架橋剤;
d)任意に単官能希釈剤;ならびに
e)任意に光開始剤;
から本質的になる重合性組成物の反応生成物を含んでなる輝度向上フィルム。 - 第1のモノマーが少なくとも約20wt%の量で重合性組成物中に存在する、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 第1のモノマーが約40wt%未満の量で重合性組成物中に存在する、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 第1のモノマーが、主要部分の2−プロペン酸、(1−メチルエチリデン)ビス[(2,6−ジブロモ−4,1−フェニレン)オキシ(2−ヒドロキシ−3,1−プロパンジイル)]エステルを含んでなる、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートが少なくとも約25wt%の量で存在する、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートが約50wt%未満の量で存在する、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 架橋剤が周囲温度で液体である、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 架橋剤が約5wt%〜約30wt%の範囲の量で重合性組成物中に存在する、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 架橋剤がペンタエリトリトールトリアクリレートである、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 単官能希釈剤が約10wt%〜約20wt%の範囲の量で重合性組成物中に存在する、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 単官能(メタ)アクリレート希釈剤が周囲温度で液体である、請求項1に記載の輝度向上フィルム。
- 単官能(メタ)アクリレート希釈剤がフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物を含んでなる、請求項11に記載の輝度向上フィルム。
- 単官能(メタ)アクリレート希釈剤がフェノキシエチルアクリレートを含んでなる、請求項11に記載の輝度向上フィルム。
- 請求項1に記載の輝度向上フィルムと、輝度向上フィルムに接触している第2の光学フィルムとを含んでなる物品。
- 第2の光学フィルムが拡散体である、請求項14に記載の物品。
- 第2の光学フィルムが吸収偏光子である、請求項14に記載の物品。
- 第2の光学フィルムが反射偏光子である、請求項14に記載の物品。
- 第2の光学フィルムがプリズム構造を含んでなる、請求項14に記載の物品。
- a)i)次の構造
ii)次の構造
Lは、
直鎖C2〜C12アルキル基、
分枝鎖C2〜C12アルキル基、および
−CH2CH(OH)CH2−
からなる群から選択される連結基である)を有する主要部分を含んでなるモノマー;およびそれらの混合物からなる群から選択される一種以上の第1のモノマー;
b)2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレートからなる第2のモノマー;
c)ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される架橋剤;
d)任意に単官能希釈剤;ならびに
e)任意に光開始剤;
から本質的になる重合性組成物の反応生成物を含んでなる重合性樹脂組成物。 - 請求項19に記載の反応生成物を含んでなる光学材料。
- 材料がフィルムである、請求項20に記載の光学材料。
- フィルムがミクロ構造表面を含んでなる、請求項21に記載の光学材料。
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