いくつかの実施形態によれば、本発明は、新生物、例えば、悪性の細胞または組織を特異的にマークすることに基づいている。本発明の実施形態に従って、他の細胞または状況がマークされてもよい。本発明のある実施形態の生体内診断用のシステムを、図1に概略的に示す。本システムは、標識したマーキング剤12、生体内検出装置14、および受信ユニット16を備える。標識したマーキング剤12は、典型的には少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体124を含む組成物に含まれてよい。本発明のある実施形態によれば、この組成物は、例えば静脈内に、患者の身体15に投与されてよく、標識したマーキング剤12は、病理状態および非病理状態などの種々の生体内状態について種々のパターンを示し得る。一実施形態によれば、標識したマーキング剤12は、典型的には異形成、腫瘍、あるいは悪性または癌性の細胞に移動しかつ付着する。異形成という用語は、特に、新生物、病変、および/または悪性病変を含むものとして理解され得る。他の実施形態によれば、標識したマーキング剤12は、典型的には正常組織に移動かつ/または付着するが、病理学的細胞または組織には特異的に移動かつ/または付着しない。他の実施形態によれば、標識したマーキング剤12の分布パターンおよび/または動態は、生体内状態を示し得る。別の実施形態では、マーキング剤12は、病理に関連する病理学的な細胞または構造体あるいは物質などの、他の細胞、構造体、または物質に、移動かつ/または付着し得る。さらに、マーキング剤12は、病理に関連しないこともある他の細胞、構造体、または物質に移動かつ/または付着し得る。
本発明のある実施形態によれば、検出装置14が、患者の体腔(胃腸管などであるが、他の体腔を検査することもできる)に導入され、マークされた領域を検出する。いくつかの実施形態によれば、検出装置14は、画像センサを備えてよく、マークされた領域の検出とともに体腔環境の画像を得ることができる。さらに分析および診断のために、得られたデータ(画像データを含む)は、典型的には外部の受信ユニット16に送信される。受信ユニット16は、画像処理能力を含んでよい。いくつかの実施形態によれば、画像処理は、画像データが受信ユニットに送信される前後のいずれかに行われる。
本発明の実施形態によれば、標識したマーキング剤12は、典型的には放射性核種を含む。一実施形態によれば、放射性核種は、β、α、オージェ、または低いエネルギー変換の電子エミッタなどの高い線エネルギー付与(LET)であってよい。他のマーキング剤または放射性核種を用いてよい。一実施形態によれば、標識したマーキング剤12は、腫瘍マーカ標的分子を含む。腫瘍マーカは、癌に関与する血液または組織で発生する分子であり得る。典型的には、腫瘍マーカは、癌性細胞または癌性細胞の産物であり、典型的には正常な元素であり得る物の異常産生を示す。抗体などのいくつかのマーカは、癌の存在に応答して生成される。腫瘍マーカ標的分子は、典型的には腫瘍マーカに対して高親和性を有し、ある条件下では液体環境で腫瘍マーカに付着する。このような分子には、腫瘍マーカ抗体に対して特異性のある抗原を含み得る。別の場合には、腫瘍マーカ標的分子は、腫瘍マーカ抗原に特異的な抗体を含み得る。本発明のある実施形態によれば、腫瘍マーカ標的分子は、放射性核種部分を含むように修飾され得る。
別の実施形態によれば、標識したマーキング剤12は、正常な組織および/または細胞に移動または付着する分子または化合物、例えば、カルボマー化合物、(血清アルブミンなどの)蛋白化合物、または代謝されないのでグルコースを摂取する細胞内に蓄積するグルコース類似体(例えば、2−fluoro−2−deoxy−D−glucose)を含む。マーキング剤12は、他のタイプの細胞、構造体、または物質に移動または付着する分子または化合物を含んでよい。
本発明のある実施形態によれば、生体内検出装置14は、例えば、放射線検出器ユニット114を備えてよい摂取可能なカプセルであり得る。カプセル以外の構成を用いてよい。例えば、内視鏡を用いてよい。本装置は、体腔(例えば、胃腸管)を照射する照明源、体腔の画像を取得する画像センサ、および画像または他のデータを受信ユニット16に送信する送信器(例えば、図2Aの26)を備えてもよい。受信ユニット16は、典型的には患者の身体外に設置され、例えば、装置14から画像および恐らくは他のデータを受け取るアンテナまたはアンテナアレイ、画像および他のデータを格納する受信器格納ユニット、データプロセッサ、データプロセッサ格納ユニット、および特に、送信器によって送信されかつ受信ユニット16によって記録された画像を表示する画像モニタを含み得る。典型的には、受信器および受信器格納ユニットは、小型で、携帯可能であり、画像を記録する間に患者の身体に装着され得る。典型的には、データプロセッサ、データプロセッサ格納ユニット、およびモニタは、プロセッサ、メモリ、ディスクドライブ、および入出力装置などの標準的構成要素を備えてよいパーソナルコンピュータまたはワークステーションの一部であるが、別の構成が可能である。別の実施形態では、データ受信および格納構成要素は、別の構成であってよい。例えば、実際の画像データを処理する処理能力が、受信ユニットまたはワークステーションに含まれてよい。
一実施形態では、すべての構成要素は、装置ボディ内に密封されてよい(ボディまたはシェルは2つ以上の部品を含み得る)。例えば、撮像素子、照明ユニット、電源ユニット、ならびに送信および制御ユニットが、装置ボディ内にすべて密封されてよい。本願明細書に開示した種々の実施形態の態様は、本願明細書に開示した他の実施形態と組み合わせ可能である。
ここで図2A〜図2Dを参照すると、図1の装置14などの本発明の実施形態による生体内検出装置が概略的に示されている。図2Aを参照すると、例示的実施形態では、装置20は、体腔内から放射線を検出することのできる、自律的なカプセル状装置である。この装置は、カプセル以外の形状であってよく、嚥下可能である必要はない。典型的には、装置20は、少なくとも1つの放射線検出器ユニット28および送信器26を備える。典型的には、放射線検出器ユニット28は、放射線がある物質において生成する光の極小の閃光を検出することによって、放射線を測定するシンチレーション検出器を備える。他の適した放射線検出ユニットを用いてよい。このような光の閃光(例えば、シンチレーション)は、電気パルスに変換され、適した電子機器に送られると、種々のタイプの放射線を、さらには同じ放射線の種々のエネルギーを区別することができる。(検出器ユニット28などの)この検出器システムは、光学的に結合された2つの構成要素を含み得る。第1の構成要素は、放射線がエネルギーを与えるときに光パルスを放出する、固体(例えば、結晶、粉末等)、ガス、または液体であってよいシンチレータである。第2の構成要素は、光パルスを電流のパルスに変換する光電子増倍管である。NaI(T1)、CsI(T1)、およびCsI(Na)は、ガンマ線、X線、αおよびβ粒子などのイオン化放射線の検出に使用されるシンチレーション結晶の例である。また、胃腸管の診断および局所心筋血流を測定するために、例えば、Ce−141が使用されることもある。ポジトロン放射検出器を使用してもよい。他の構成要素または構成要素のセットを用いてよい。
いくつかの実施形態によれば、装置20は、光センサ24および少なくとも1つの照明源23などの付加的なセンサまたは要素を備えてよい(相応して例示のため、図2Aおよび図2Bには、2つの照明源23および4つの照明源23が含まれている。他の数が使用されてもよい)。光センサ24は、シリコンアレイなどの任意の適したシンチレーションアレイであってよい。いくつかの実施形態によれば、光センサ24は、透明なテープに埋め込まれたプラスチックシンチレータまたは硫化亜鉛などのシンチレーション材料の薄いシートを含み得る。
いくつかの実施形態によれば、光センサ24は、CMOS、CCD、または他の任意の適した生体内画像センサなどの画像センサであってよい。いくつかの実施形態によれば、装置20は、光ドーム21を備えてよく、光ドーム21は、(検出器ユニット28、光源23、光センサ24、および付随する任意の電子回路などの)検出要素のための略透明なカバーを提供し、体液に対して密閉された障壁を提供し、かつ(光学要素を保持するなどの)他の機能を実行してよい。例えば、1つまたは複数のレンズまたは複合レンズアセンブリといった1つまたは複数の光学要素、または任意の適した光学要素を含む光学システム22は、典型的には画像を取得するために、反射光を光センサ24に集束させ、かつ他の光処理を実行するのに役立ち得る。放射線検出器ユニット28は、光センサ24のセル(例えば、画素)の全部(例えば、図2A)または一部(例えば、図2B)を包含し得る。
装置20は、典型的には画像および恐らくは他の(例えば、画像ではない)情報を受信装置に送信する送信器26を備え、例えば、データを圧縮する圧縮モジュールなどの他の構成要素を備えてよい。一実施形態によれば、送信器26は、恐らくチップスケールパッケージングで提供される、帯域幅入力が高い超低電力無線周波数(RF)送信器である。送信器26は、アンテナを介して無線で送信し得る。送信器26は、装置20を制御する回路および機能性を備えてもよい。例えば、送信器26に含まれたマスタークロックは、装置の照明機能を制御してよい。典型的には、この装置は、1つまたは複数の電池などの電源25を備える。例えば、電源25は、酸化銀電池、リチウム電池、またはエネルギー密度の高い他の電気化学セル等を含んでよい。他の電源が使用されてよい。他の構成要素および構成要素のセットが使用されてよい。例えば、電源は、装置に電力を送る外部電源であってもよく、送信器26から離れたコントローラが使用されてもよい。
(例えば、図2Aに示したような)一実施形態によれば、検出器ユニット28は、画像センサ24(一実施形態では、CMOS撮像素子であるが、CCD撮像素子など、他のタイプの撮像素子が使用されてよい)に設置され、光センサ24の画素の実質的に大半または全部を覆う。いくつかの実施形態では、光センサ24は、感光領域が約2.5mm×2.5mmであり得る、約4.5mm×4.5mmのCMOS画像センサチップである。別の実施形態では、他の画像センサが使用されてよく、かつ/または他の形状および大きさが利用されてよい。一実施形態によれば、放射線検出器ユニット28は、約1.5mm×1.5mmまたは2.5mm×2.5mmのシンチレーション結晶を含む。いくつかの実施形態によれば、放射線検出器ユニット28は、コリメート手段を備える。他のタイプの検出器ユニットが使用されてよい。
(例えば、図2Aの線B−Bで切った断面図である図2Bに示したように)他の実施形態によれば、検出器28、28’、28”、および28”’(同じ検出器または異なった検出器であってよい)は、体腔の画像を取得するために、他の部分(例えば、部分29)を自由にした状態で光センサ24の小さな部分に設置される。
(例えば、図2Cに示したように)さらに別の実施形態によれば、検出器28は、光ドーム21内か、または別の位置に、光センサ24に近接しないが光センサ24の視界内に設置される。いくつかの実施形態によれば、検出器ユニット28からのシンチレーションは、光センサ24に光学的に記録される。
(例えば、図2Dに示したような)さらに他の実施形態によれば、2つ以上の放射線検出器ユニットが使用される。一実施形態によれば、放射線検出器ユニット28aおよび28bは、直接光センサ24の視界内にはないように装置20に設置され得る。光ダイバータ201などのダイバータを用いて、検出器ユニット28aおよび/または28bにおいて発生された光を、光センサ24に導くことができる。シンチレーション光は、光センサ24の任意の適した部分、例えば、光センサ24の角部まで導かれ得る。光ファイバまたは管、光パイプ、プリズム、鏡等などの任意の適したダイバータを用いてよい。いくつかの実施形態によれば、光センサ24は、放射線データを基板上で処理するためにプロセッサ204が利用され得る放射線検出システムの一部であってよい。例えば、PET(陽電子放射断層撮影)様の情報を提供するように、プロセッサ204は、断層撮影技術と組み合わせて使用されてよい。一実施形態によれば、崩壊の過程で陽電子を放出する半減期の短い(約数分)放射性元素が使用されてよい。この陽電子が電子と衝突するとき、2つの粒子が互いに消滅し、反対方向に移動する2つの光子を発生する。例えば、検出器ユニット28aおよび28bなどの相互に反対に位置決めされた2つの検出器を用いて、その事象を検出することができる。2つの光子が、いくつかの短い時間窓で検出されるとき、その光子は、1つの消滅から来たものであり、この消滅は、検出地点を接続するライン上で生じたものと推定される。適した処理はプロセッサ204で行われ得る。処理は、患者身体の外部で、例えば、外部受信ユニット16あるいは上記のようなパーソナルコンピュータ、またはワークステーションで行われてもよい。
上記実施形態を含む本発明のいくつかの実施形態によれば、標識した薬剤を含んだ組成物を、患者に投与し、代謝期間(例えば、1〜24時間。他の期間を用いてよい)後に、装置20などの検出装置を、生体内に導入して体腔を監視する。一実施形態によれば、本発明の実施形態による放射性標識腫瘍マーカ標的分子または他の薬剤が、体腔内または体腔壁内の癌腫および/または他の癌性細胞などの病理学的部位に付着される。他の実施形態によれば、標識された化合物は、生体内状態を表すことのできる典型的なパターンで生体内に分布する。典型的には自律的検出装置である装置20は、体腔の環境および壁を走査し得る。例えば体腔内の病理学的部位において放射線標識したマーカから放射された放射線エネルギーは、検出ユニット28(例えば、シンチレーション結晶)に与えられ、得られた光パルスが、光センサ(例えば、光センサ24)によって検出されよう。典型的には、信号が生成され、外部受信ユニットに送信され、これによって外部のオペレータに注意を促す。(例えば、図2Aおよび2Bに記載したような)いくつかの実施形態によれば、シンチレーションは、光センサ24で直接検出され、光センサ24の回路によって処理され得る。例えば、図2Cおよび図2Dに記載されたように、他の実施形態によれば、検出システムは、専用の回路を備えてよく、専用の回路は、検出器ユニット28で発生するシンチレーションを処理し、かつ外部受信ユニットに(例えば、送信器26または別の送信器によって)直接送信することのできる信号、または光センサ24が見ることができ、故に光センサ24から送信される画像データと共に送信することのできる信号を与える。
いくつかの実施形態によれば、装置20の場所は、例えば、当該技術で知られた方法によってわかるので、(放射線の部位によって示されるような)病理の場所も知ることができる。他の実施形態によれば、体腔内の特定の領域またはエリアを監視するように、装置20を生体内で固定することができる。生体内装置を固定するいくつかの方法は、例えば、国際特許出願第WO02/26103号、および公開された米国出願第US−2002−0042562−A1号に記載されており、各これらの出願は、本発明の共通の譲受人に譲渡され、参照によって本願明細書にその全体が組み込まれる。
一実施形態によれば、放射線標識した腫瘍マーカ標的分子を利用して、新生細胞および/または悪性細胞を特異的に標識する。本発明の実施形態の組成物を患者に投与し、代謝期間(例えば、24時間。他の期間を用いてよい)後に、装置20などの検出装置を、生体内に導入して体腔を走査および/または監視する。本発明の実施形態によれば、小腸などの典型的には到達するのがさらに困難な胃腸管の部分を、走査/監視することができる。装置20は、体腔を通過することによって体腔を走査し得る。典型的には、本発明の実施形態の装置は、体腔壁に近接して体腔を通過し得る。体腔の監視は、体腔壁を走査することによって実行されて、放射線(例えば、所定のバックグラウンドレベルを超える放射線)を識別し得る。一実施形態によれば、走査は、典型的には装置20を走査される経尿道に接近させるか、またはさらには接触させることを含み得る。例えば、カプセル状の装置が、自然な小腸の蠕動運動によりヒトの小腸を推進され得るので、装置を、実質的に小腸全体に近接し、小腸を走査することが可能となる。いくつかの実施形態によれば、装置20は、マーカ分子自身に接近することができるので、α粒子または他の典型的には短い波長を放出するマーカの高感度な検出が得られことができる。いくつかの実施形態によれば、結腸内の放射線の検出は、典型的には不快な準備を患者に受けさせることなく行うことができる。
いくつかの実施形態によれば、装置20および適した受信システムまたは受信ユニットは、構造体から適合され得るか、または構造体を含んでよく、各々全体が参照によって組み込まれる、Iddanらに付与された米国特許第5604531号、および/またはGlukhovskyらの公開された国際特許出願第WO01/65995号に記載された実施形態と機能的に類似してよい。例えば、送信、受信、および表示システムは、そのような実施形態と類似してよいか、またはそのような実施形態から適合されてよい。このような実施形態によれば、放射線の検出には、走査された内腔壁の画像を取得することを伴ってよい。
本発明の実施形態による、悪性および/または癌性の細胞または組織を検出する方法を図3に示す。
一実施形態によれば、放射線標識した腫瘍マーカ標的分子複合体を患者に投与する(310)。次に、本発明の実施形態の検出装置を、生体内に挿入し(311)、放射線を示す信号を、患者の身体の外部で受信する(312)。いくつかの実施形態によれば、受信された信号を、分析しかつ/または所定の放射線レベル(例えば、バックグラウンドレベル)と比較することができ、検出された放射線の有意性に関する決定を行うことができる(313)。例えば、検出された放射線が、所定の放射線レベルを超える場合、病理または他の状態を示すことができるのに対し、検出された放射線が、所定の放射線レベルよりも低い場合、病理または他の状態が一切検出されなかったと決定することができる。別の場合には、放射線のある分布を決定して、正常状態を示すことができるのに対し、別の分布は、出血または他の胃腸疾患などの病理を示すことができる。
いくつかの実施形態によれば、腫瘍マーカ標的分子は、CA19.9(膵臓、結腸直腸、および胃などの癌に関連する抗原決定基)、およびCEA(膵臓、結腸直腸、肝臓、および胃などの癌に関連する抗原決定基)などの癌に関連する抗原決定基に対する抗体を含み得る。他の実施形態によれば、腫瘍マーカ標的分子は、胃癌および結腸癌に関連するIgG抗体に特異性のある胃粘素などの癌に関連する抗体に対して親和性を有する抗原決定基を含み得る。多数の腫瘍マーカ標的分子が、市販されており、例えば、116−NS−19−9は、CA19.9特異抗体であり、mCEAは、CEA特異抗体であり、両者ともFitzgerald IndustriesのARUP Laboratoriesから入手可能である。このような分子は、放射性核種部分を含むように当該技術で知られているように修飾されてよい。例えば、I−125で標識したCEAモノクローナル抗体が記載されている。いくつかの実施形態によれば、腫瘍マーカ標的分子は、抗体−抗原複合体の形成を通して、標的の癌細胞に結合し、その組織を洗浄した後でもその細胞に付着するであろう。
いくつかの実施形態によれば、組成物は、放射線標識した血清アルブミンまたはグルコース類似体を含み得る。
本発明の実施形態の方法では、組成物は、従来の非毒性の薬学的に許容可能な担体、アジュバント、および媒質を含んだ投与形態で、経口、非経口、吸入スプレー、局所、経直腸、経鼻、経口腔、経膣的にまたは移植されたレザバーを用いて、投与され得る。本願明細書で使用されるような非経口的という用語は、特に、経皮、経静脈、筋内、腹腔内、髄腔内、心室内、胸骨内、頭蓋内注射および注入技術を含む。化合物は、無菌注射可能な製剤の形態で、例えば、無菌注射可能な水性または油性懸濁液として投与することもできる。このような懸濁液は、適した分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、当該技術で知られた技術に従って調整することができる。この無菌注射可能な製剤は、例えば、1,3ブタンジオール水溶液のような、無毒性の非経口的に許容可能な希釈液または溶媒における無菌注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。使用されてよい許容可能な媒質および溶媒には、水、リンゲル液、および生理食塩水がある。さらに、無菌性の不揮発性油が、従来、溶媒または懸濁媒体として用いられている。この目的として、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドなどの無刺激性の不揮発性油が使用されてよい。オリーブオイルおよびひまし油を含む、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、特にポリオキシエチレン化形態で注射可能物の調整に有用である。このような油状の溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含んでもよい。さらに、本化合物は、カプセル、錠剤、水性の懸濁液または溶液の形態で経口投与されてよい。錠剤は、乳糖、およびコーンスターチ、および/またはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤を含んでよい。カプセルは、乳糖および乾燥コーンスターチを含んだ希釈剤を含んでよい。水性懸濁液は、活性成分と組み合わせた乳化剤および懸濁剤を含んでよい。この経口投与形態は、甘味剤および/または着香剤および/または着色剤をさらに含んでよい。さらに本化合物は、座薬の形態で直腸投与されてよい。このような組成物は、直腸で解けて薬剤を放出するように、室温では固体であるが直腸温では液体である、適した無刺激性の賦形剤と薬剤を混合することによって調整することができる。いくつかの実施形態によれば、そのような賦形剤は、カカオ脂、蜜蝋、およびポリエチレングリコールを含む。
化合物は、局所投与されてもよい。化合物は、例えば、鉱油、透明なワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート50、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水などの1つまたは複数の適した物質との混合物に懸濁または溶解された化合物を含んだ、適した軟膏、ローション、またはクリームに調整することができる。下部腸管への局所適用は、直腸坐剤(上記参照)としてまたは適した浣腸剤として行うことができる。本発明の実施形態の組成物および方法は、当該技術で知られた放出制御技術を利用してもよい。2つ以上の組成物がある場合、各組成物は、異なる形態で製造され得る。別の実施形態では、この組成物は、同じ形態で製造され得る。代替的な実施形態では、本発明の実施形態の組成物は、当該技術では知られた方法によって、例えば、内視鏡またはバースト放出型カプセルを用いることによって、内腔壁上に吹き付けられてよい。環境のpHまたは温度が変化したら、活性成分を放出する錠剤が知られており、本発明のある実施形態に従って利用されてよい。他の添加剤が、本発明の実施形態の組成物に含まれてよい。適した添加剤は、それら添加剤が、標的分子の活性に干渉しないように、かつ標的分子と腫瘍マーカとの反応を促進するように選択されてよい。ある場合には、添加剤は、標的部分の特異性、毒性、可溶性、血清の安定性、および/または細胞内の利用可能性を増大させるように選択されてよい。
薬学的に適合可能な結合剤およびアジュバント物質を、組成物の一部として含むことができる。
標識した薬剤を患者に投与する工程は、準備工程の前または後であってよく、例えば、ある量の水を摂取することによって、内腔壁を洗浄することを含んでよい。他の準備工程には、投与前に患者に絶食させること、または大腸などの内腔を空っぽにすることを含んでよい。しかし、本発明の実施形態の検出方法の一利点は、患者を一切調整しなくても、(例えば、大腸を含む)胃腸管のすべての部分において標識が検出され得るという事実を含む。
体腔に生体内装置を挿入する工程には、内腔に装置を適切に位置決めし、内腔を十分に走査することを確実にするように、患者を位置決めすることを伴ってよい。患者を位置決めおよび回転すれば、検査される内腔の装置による位置決めおよび走査が容易になることが理解されよう。例えば、水平に位置決めされた状態で装置を嚥下すれば、所望の時間量の間、装置は食道に確実に留置される。しかし、液体および/または装置20は、僅か数分で胃に達し、小腸には1〜3時間で、大腸へは約6時間で達することが理解されよう。このため、種々の工程のタイミングを、必要に応じて調整することができる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、腸疾患および/または悪性または癌性の細胞または組織を診断するキットが提供される。一実施形態によれば、キットは、少なくとも1つの放射線標識した薬剤を含む少なくとも1つの組成物を含んでよい。別の実施形態によれば、キットは、典型的には単回使用の無線生体内検出装置を含んでもよい。
本発明の実施形態によるキット、装置、方法、およびシステムによって、例えば、典型的に内視鏡で接近不可能な領域の新生物性または悪性の細胞または組織の簡単で患者に優しい生体内検出が可能となる。
当業者であれば、本発明は、上記に特定的に示し、記載したものに限定されるものではないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。