JP2007520734A - 光学的に透明な基板の反射を低減する光学構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、光学的に透明な基板の反射を低減する光学構造に関する。本発明の目的は、可視光の広い波長範囲の、表面反射する入射光の反射割合を低減することにあり、反射それ自体の値、低減が実現可能な各波長範囲、及び/又は結果発生するカラーエフェクトに対して特定の影響を及ぼすことが可能である。
【解決手段】各基板の表面上に交互に配置され、光学的屈折率がより低い第1の材料及び光学的屈折率がより高い第2の材料からそれぞれ形成される層によって層構造が形成される。これは好ましくは、可視光波長範囲で使用することができる。光学的層構造の個々の積層は、規定可能な波長λの1/4の少なくとも2倍に対応する光学的厚さを有し、好ましくは、規定可能な波長λの1/4の整数倍に対応する光学的厚さを有する。
【解決手段】各基板の表面上に交互に配置され、光学的屈折率がより低い第1の材料及び光学的屈折率がより高い第2の材料からそれぞれ形成される層によって層構造が形成される。これは好ましくは、可視光波長範囲で使用することができる。光学的層構造の個々の積層は、規定可能な波長λの1/4の少なくとも2倍に対応する光学的厚さを有し、好ましくは、規定可能な波長λの1/4の整数倍に対応する光学的厚さを有する。
Description
本発明は、光学的に透明な基板の反射を低減する光学構造に関する。これにより、各基板の表面上に交互に配置され、光学的屈折率がより低い第1の材料及び光学的屈折率がより高い第2の材料からそれぞれ形成される層によって層構造が形成される。これは好ましくは、可視光波長範囲で使用することができる。
本発明による解決策を用いて、比較的広範囲で網羅的な波長範囲(スペクトル範囲)内の各基板の表面上の入射光の反射の大幅な低減を実現することができる。さらに、光のそれぞれ異なる入射角度の影響が従来の解決策と比較して低減し、最も広範囲の色の中立性を実現することができる。したがって、本発明により被覆された光学的に透明な基板は、大抵の多様な用途に使用することができる。したがって、このような層構造は、たとえば、ガラス及びプラスチック材料で作られた眼鏡レンズ、電子表示部材(ディスプレイ)のカバーリング、またプラスチック材料物体の保護カバーリング又はハウジングに使用することができる。
光学的に透明な基板の表面上の入射光の反射を低減するために、原理上、光学的屈折率の異なる材料から形成される個々の層を含む交互になった層構造を形成することが既知である。
通常、このためにいわゆる3層構造MHLが使用される。このような層構造の場合、各基板の光学的屈折率よりも低い光学的屈折率を有する層である、周囲大気、一般には空気に直接接触する第1の外層Lがある。中間層はより高い光学的屈折率を有する材料で作られ、M層は、基板の光学的屈折率とそのより高い光学的屈折率の間の光学的屈折率を有する。
このため、これらの個々の層に、このような3層構造の2つの外層のそれぞれに規定の波長λの1/4である光学的厚さ(物理的な厚さと光学的屈折率の積)に対応する層厚が選択される。これとは対照的に、より高い光学的屈折率を有する材料で作られる中間層は、この波長λの1/2の光学的厚さで形成される。このため、この規定の波長は、光の反射の低減が達成されるように意図され、通常は480〜600nmの範囲内にある波長間隔から選択された。
米国特許第3,432,225号に、このような3層構造体に代えて、中間の光学的屈折率を有する層領域が、より低い光学的屈折率及びより高い光学的屈折率を有する材料から形成される層に帰属し得る部分で置き換えられた3層延長部を選択することが提案されている。
この場合でも、波長λの1/4に対応する3層の厚さが用いられる。
プラスチック材料基板上のハード層と組み合わせて頻繁に用いられるこれらいわゆる従来の反射防止膜の場合、波長範囲420nm〜680nmの表面上で反射される可視光の割合を平均で≦1%に低減することができる。しかしこのために、このような層構造の形成に際してわずかなずれであっても変化に繋がる青又は緑の方向でのカラーエフェクトが見られるため、たとえば眼鏡を修理する場合に、たとえ交換する必要があるのは片方だけであっても眼鏡の両方のレンズを交換することが必要になる。
既知の解決策では、このような色の変化はまた、異なる光入射角度又は視角が発生し得る場合にも不利である。斜めに傾いた角度での光入射の場合、光の反射割合はここでも大幅に増大する。
既知の解決策では、基板でカラーエフェクトを発生させることなく、各光波スペクトルの反射割合の所望の大幅低減を実現することに加えて、この光学的屈折率が比較的低いことも問題である。これは特に、ガラス等の基板材料、及び光学的屈折率がこのような基板の光学的屈折率よりも低い選択される材料又は化合物がほんのわずかであることから、光学的屈折率が可視光の平均波長で1.5〜1.6の範囲内にある適したプラスチック材料、たとえばポリメタクリル酸メチルやポリカーボネート等の基板材料に該当する。
したがって、本発明の目的は、可視光の広い波長範囲の、表面反射する入射光の反射割合を低減することにあり、反射それ自体の値、低減が実現可能な各波長範囲、及び/又は結果発生するカラーエフェクトに対して特定の影響を及ぼすことが可能である。
この目的は、請求項1に記載の光学構造の助けにより本発明により達成される。有利な実施の形態及び本発明の発展を従属項に記載の特徴により達成することができる。
本発明による光学層構造は、より低い光学的屈折率を有する材料の層とより高い光学的屈折率の層が交互に配置されたものから形成される。
このため、このような層を含む積層が形成される。そしてこれら積層は、規定可能な波長λに相対する光学的等価屈折率を有する。この光学的等価屈折率は、基板の光学的屈折率よりも低い。このため、各積層が個々の層を形成するように各積層を光学的に観察するべきである。
規定可能な波長λは、反射性の低減が実現されるように意図される波長範囲内にあることができる。
このような個々の積層は、より高い光学的屈折率を有する材料の少なくとも1つの層Hから形成される。この層Hは、その両側を、より低い光学的屈折率を有する材料から形成された2層で囲まれる。
したがって、より高い光学的屈折率を有する材料の積層中の複数の層Hも、その両側を層Lで囲むことができる。
このため、本発明による光学層構造は、上下に形成される少なくとも2つの積層から形成される。このため、積層は、互いに異なる光学的等価屈折率を有し、積層の光学的等価屈折率は基板から始まって周囲媒体(一般には空気)に向かって下がる。
光学的層構造の個々の積層は、規定可能な波長λの1/4の少なくとも2倍に対応する光学的厚さを有するべきである。好ましくは、積層は、規定可能な波長λの1/4の整数倍に対応する光学的厚さを有するべきである。
さらに、すべての積層の光学的等価屈折率がすべて、より低い光学的屈折率を有する層Lが形成される材料の光学的屈折率よりも低いことが有利である。
したがって、積層の光学的等価屈折率は、基板の表面から始まって周囲媒体に向かって漸進的に下がる。
本発明による層構造の場合、層構造全体の個々の層H及びLはすべて、規定可能な波長λの1/4の整数倍から外れた光学的層厚を有することができる。
基板の表面上に直接形成される個々の層に関して、光学的屈折率が基板の光学的屈折率よりも低い材料が使用された場合、この層の一部は、考慮中の規定の波長λについてλ/4層として形成することができる。
本発明による光学層構造は、光学的屈折率が≦2である、すなわち1.5〜1.6の範囲内にもある基板上に有利に形成することができる。
光学的屈折率がより低い層Lは、SiO2又はMgF2から有利に形成することができ、これは、各ケースのこれらの光学的屈折率が、通常使用される基板材料の光学的屈折率よりも低いためである。
光学的屈折率がより高い層Hは、光学的屈折率nが1.9〜2.35の範囲内にあるTiO2、HfO2、ZrO2、Ta2O5、及び/又はNb2O5から形成することができる。
単一の積層をそれぞれ形成する個々の層の数は3層〜7層であると選択することができ、反射を低減する波長範囲には、各積層の層数、またそれに対応して積層の厚さによって影響を及ぼすことができる。
層構造のすべての積層の層数はそれぞれ同一であることができる。これは同様に、同一であることもできる光学的層構造の積層の光学的層厚にも当てはまる。
さらに、より低い光学的屈折率を有する材料から、層構造の周囲媒体に直接接触する最上層を形成することが有利である。このため、最上層は規定の波長λの1/4よりも厚い光学的層厚を有するべきである。
本発明による光学的層構造の場合、より高い光学的屈折率を有する材料から形成される層Hの層厚全体の割合は、基板表面から始まって周囲媒体の方向に連続して増大し、そのためこの方向での光学的層厚Hの合計は、このような層の層Lの部分の光学的層厚の合計に対して増す。
各規定の波長λは好ましくは、480〜600nmの波長範囲、好ましくは500〜550nmの範囲から選択されるべきである。
層構造全体は、特にプラスチック材料で作られる基板の場合に、機械的保護が向上するとともに、十分に高い接着強度及び耐引掻性があるように800〜3,000nmの範囲の物理的な厚さを有することができる。
説明するプラスチック材料基板にはさらに、より高い光学的屈折率を有する材料から形成しなければならない層Hの割合が光学層構造全体に対して比較的低く、そのため、層を真空中で形成する際に、基板に認められる加熱がほんの少しであり得るという点で有利な効果がある。
積層及び必要であれば基板材料よりも低い光学的屈折率を有する材料を含むλ/4層のそれぞれの数により、光学層構造の光学的屈折率を基板表面から始まって周囲媒体に向かって低減できるようにするステップの数が決まる。
λ/4層厚(QW)の整数倍として各積層の厚さを具体的に選択することにより、所望の反射低減効果を実現可能な波長範囲に影響を及ぼすことができる。したがって、光学的層厚が規定の波長の1/4の3倍である積層が使用される場合、より広い波長範囲をカバーすることができる。
本発明について、例としてより詳細に以下説明することにする。
実施例1
実施例1では、≦0.4%である、波長範囲400〜800nmでの光の反射の低減の実現を目的とする。
実施例1では、≦0.4%である、波長範囲400〜800nmでの光の反射の低減の実現を目的とする。
光学的屈折率1.52を有する基板上に光学的層構造を形成した。屈折率n=1.46を有する、SiO2で作られた層Lを形成し、より高い光学的屈折率n=2.35を有する、TiO2で作られた層Hを形成した。
光学的層構造の設計は規定の波長λ=500nmに対して行い、交互に変えて配置された、総計で17のこのような個々の層を形成した。
層構造の構成は、後の表1aから導き出すことができ、実際の各層の厚さd(nm)、光学的層厚n×d(nm)、個々の層L及びHに入射している規定の波長λの1/4に対する各割合cである。
さらに、このため、それぞれ光学的層厚(QW厚)を有する総計で5つの個々の積層A1〜E1が、規定の波長λの1/4、また積層A1〜E1の光学的等価屈折率のそれぞれに関連して示される。このため、A1は、基板の表面上に直接配置され、より低い光学的屈折率を有する材料を含み、規定の波長λの1/4の層厚を有する層である。
基板の表面上に直接形成され、より低い光学的屈折率を有する材料としてSiO2で作られた層1a(A1)は、規定の波長λの1/4に対応する厚さを有する。これは、SiO2は光学的屈折率1.46を有し、これは基板材料の光学的屈折率よりも低いため好ましい。
表1b中、積層の勾配付き等価屈折率を明らかにすることを目的とする。
表1b 実施例1の勾配付き屈折率nsk、勾配付き差Δns、及び積層屈折率nE(等価屈折率)、kは積層番号である。
表1a中、さらに、より低い光学的屈折率を有するSiO2で作られた層Lが、積層A1〜E1での層厚割合を表すことが明らかになる。これは、積層B1〜E1の外縁に配置される層1b及び5a、5b及び9a、9b及び13a、13bに関連する。
SiO2で作られた最外層17は光学的層厚143.7nmを有し、これは規定の波長λ=500nmの1.14×1/4に対応する。
個々の層厚及び積層を以下のように決定した。
ステップ1
使用される積層数を決定する番号qを規定する。
使用される積層数を決定する番号qを規定する。
ステップ2
規定の波長λで実現するように意図される残留反射R0が定義される。この値及び周囲媒体の屈折率n0を用いて、
nOT=(n0+√R0)/(n0−√R0)
に従って目標屈折率nOTが求められる。
規定の波長λで実現するように意図される残留反射R0が定義される。この値及び周囲媒体の屈折率n0を用いて、
nOT=(n0+√R0)/(n0−√R0)
に従って目標屈折率nOTが求められる。
ステップ3
基板の屈折率nsと目標屈折率nOTとの差をqで割り、この差を用いて、新規の勾配付き屈折率nskが、
Δns=(1/q)(ns−nOT)
nsk=nsk−1−Δns
に従って形成され、k=1…qは勾配率であり、ns0=ns、且つnsq=nOTである。
基板の屈折率nsと目標屈折率nOTとの差をqで割り、この差を用いて、新規の勾配付き屈折率nskが、
Δns=(1/q)(ns−nOT)
nsk=nsk−1−Δns
に従って形成され、k=1…qは勾配率であり、ns0=ns、且つnsq=nOTである。
ステップ4
積層はそれぞれ、勾配ごとに計算され、この光学的層厚は規定の波長λの1/4に5を掛けたものに対応すべきであり、各積層は、
nEk=√(nsk−1nsk)
に従って計算される等価屈折率に対応する。
積層はそれぞれ、勾配ごとに計算され、この光学的層厚は規定の波長λの1/4に5を掛けたものに対応すべきであり、各積層は、
nEk=√(nsk−1nsk)
に従って計算される等価屈折率に対応する。
ステップ5
第1の積層の等価屈折率が低屈折率材料Lの屈折率におおよそ等しい場合、1つのみのλ/4層の材料を有する第1の積層(すなわち、光学的厚さが規定の波長λの1/4に等しい層)が低光学的屈折率で形成される。
第1の積層の等価屈折率が低屈折率材料Lの屈折率におおよそ等しい場合、1つのみのλ/4層の材料を有する第1の積層(すなわち、光学的厚さが規定の波長λの1/4に等しい層)が低光学的屈折率で形成される。
ステップ6
この層及び基板の屈折率から、第1の基板勾配の新規の屈折率ns1が、
ns1=n2 L/ns
に従って形成される。その後、この手順をステップ3及びステップ4に従って再び実行する。
この層及び基板の屈折率から、第1の基板勾配の新規の屈折率ns1が、
ns1=n2 L/ns
に従って形成される。その後、この手順をステップ3及びステップ4に従って再び実行する。
ステップ7
残留反射の構成が、複数のステップのうちの1つのステップではなくステップ3に従って勾配付き等価屈折率の線形結合を行うことが有利であることができる。
例1:まず、より低い屈折率を有する材料の第1の等価屈折率が求められる。その後、さらなる勾配付き等価屈折率はすべて、ステップ3からの線形結合に従って求められる。
例2:まず、第1の等価屈折率が、より低い屈折率を有する材料の屈折率により再び求められる。その後、2つのみのさらなる勾配付き等価屈折率が求められ、その後、残りの2つの光学的等価屈折率が求められる。
残留反射の構成が、複数のステップのうちの1つのステップではなくステップ3に従って勾配付き等価屈折率の線形結合を行うことが有利であることができる。
例1:まず、より低い屈折率を有する材料の第1の等価屈折率が求められる。その後、さらなる勾配付き等価屈折率はすべて、ステップ3からの線形結合に従って求められる。
例2:まず、第1の等価屈折率が、より低い屈折率を有する材料の屈折率により再び求められる。その後、2つのみのさらなる勾配付き等価屈折率が求められ、その後、残りの2つの光学的等価屈折率が求められる。
ステップ8
反射範囲の所望の帯域幅に従って、規定の波長λの1/4の3倍、4倍、又は5倍に対応する積層の光学的層厚が選択される。
反射範囲の所望の帯域幅に従って、規定の波長λの1/4の3倍、4倍、又は5倍に対応する積層の光学的層厚が選択される。
ステップ9
所望の等価屈折率を有し、第1層及び第3層がL層であり、中間層がH層である3層ら形成される、規定の波長λの1/4の3倍に対応する光学的層厚を有する積層の場合、層の光学的層厚は、式:
に従って計算され、2つのL層は同一であり、
ψM=(π/2)・CH
である。
所望の等価屈折率を有し、第1層及び第3層がL層であり、中間層がH層である3層ら形成される、規定の波長λの1/4の3倍に対応する光学的層厚を有する積層の場合、層の光学的層厚は、式:
ψM=(π/2)・CH
である。
ステップ10
(規定の波長λの1/4の3倍に対応する光学的層厚を有する積層の)各等価屈折率毎に、関連する光学的厚さをステップ9に従って求める。
(規定の波長λの1/4の3倍に対応する光学的層厚を有する積層の)各等価屈折率毎に、関連する光学的厚さをステップ9に従って求める。
ステップ11
規定の波長λの1/4の4倍に対応する光学的層厚を有する積層の場合、対応する等価屈折率は5層で形成され、そのうちの第1層、第3層及び第5層はL層であり、第2層及び第4層はH層である。光学的層厚は、式:
に従って計算され、
に従って計算される副屈折率(auxiliary refractive index)nA及びnBを有し、と共に及び。
次いで、個々の層の光学的層厚が、
y=N4 L/(nSnE)
C1(L)=1+CLA
C2(H)=CHA
C3(L)=CLA+CLB
C4(H)=CHB
C5(L)=1+CLB
においてもたらされる。
規定の波長λの1/4の4倍に対応する光学的層厚を有する積層の場合、対応する等価屈折率は5層で形成され、そのうちの第1層、第3層及び第5層はL層であり、第2層及び第4層はH層である。光学的層厚は、式:
次いで、個々の層の光学的層厚が、
y=N4 L/(nSnE)
C1(L)=1+CLA
C2(H)=CHA
C3(L)=CLA+CLB
C4(H)=CHB
C5(L)=1+CLB
においてもたらされる。
ステップ12
ステップ11は、積層の各等価屈折率毎に実施され、屈折率nE、nS及びn0をそれに対応して、ステップ3及びステップ4に従って現在値nEk、nSk−1又はnSkで置換する必要がある。
その結果、実際に形成すべきこのような光学構造の層の絶対総数は、21から事実上17に低減する。
積層A1〜E1はそれぞれ、L層としてSiO2を、H層としてTiO2をそれぞれ含み、L層及びH層が交互に配置された5層から形成される。
ステップ11は、積層の各等価屈折率毎に実施され、屈折率nE、nS及びn0をそれに対応して、ステップ3及びステップ4に従って現在値nEk、nSk−1又はnSkで置換する必要がある。
その結果、実際に形成すべきこのような光学構造の層の絶対総数は、21から事実上17に低減する。
積層A1〜E1はそれぞれ、L層としてSiO2を、H層としてTiO2をそれぞれ含み、L層及びH層が交互に配置された5層から形成される。
図4に示すように、波長範囲400〜800nmでの光の反射割合の大幅な低減を、実施例1に定義するような光学層構造を用いて実現することができる。この層構造の続く計算最適化(改良)により、濃い線で示す反射の振る舞いを、上記波長範囲にわたって平らにすることができ、またこれに加えて、実際の光学的屈折率の分散を考慮に入れることができるため少なくとも部分的に低減することができた。このため、事前に計算された層厚の変化はごくわずかであった(図3参照)。
実施例2
実施例2の光学層構造を用いる場合、波長範囲450nm〜570nmでの反射光の割合は0.1%未満に下がるべきである。
実施例2の光学層構造を用いる場合、波長範囲450nm〜570nmでの反射光の割合は0.1%未満に下がるべきである。
ここでも、光学的屈折率1.52を有する基板に、この実施例に対応して構成された本発明による光学層構造を設けた。ここでも、交互に変えて配置されたSiO2で作られた層及びTiO2で作られた層Hを形成した。
この実施例2による光学層構造の構成は、以下の表2aで生成される。ここでも、表2bは、図5において概説した等価屈折率の勾配を明らかにする。
この層構造でも、上下に構成された5つの積層A2〜E2が形成され、各積層にはTiO2で作られた1つのみの層Hが配置されることが明らかになる。このような層Hはここでも、その両側をSiO2で作られた層Lで囲まれている。総計で9層を形成した。層1b及び3a、3b及び5a、5b及び7a、7bは、より低い光学的屈折率を有する材料で作られた層Lの層厚割合を表す。
実施例2によるこの光学層構造の設計では、手順をここでも規定の波長λ=500nmで開始した。
層厚及び積層の設計を実施例1と同様に決定した。
波長範囲450〜570nmでの反射光の割合を、細い描線の実施例2による光学層構造に関する図8から導き出すことができる。太い描線は、その後、計算によって実現される実施例の最適化を考慮に入れた達成可能な反射光の割合をもたらす。このような後続最適化の場合、各層を形成する材料の種々の光学的性質を考慮に入れることができる。先に触れたように、このため決定された層厚を変更する必要があるのはごくわずかである。
次に、透明なポリカーボネートで作られた光窓での光の反射の割合を低減する光学層構造を形成する可能性を説明することを意図する。このような窓はたとえば、自動車両の電子表示部材のカバーリングであることができる。このような光窓が入射光角度60度の場合、赤のカラーエフェクトは発生しないはずである。
光学層構造は総計で1600nm厚を有し、ここでも交互になったSiO2及びTiO2で作られた層を電子ビーム蒸着によって析出(堆積)した。真空中での析出中、各層に、電流密度およそ0.1mA/cm2でエネルギー80eV(SiO2)及び120eV(TiO2)を有するアルゴンイオン衝撃を与えた。
すでに説明した実施例1に対応する層構造のような層構造を選択した。実際の各光学的屈折率の分散を考慮に入れて、その後の各層厚の最適化を行った。
反射割合は、図9に示す図から導き出すことができるように、波長範囲380nm〜770nmで1%未満に保つことができた。
可視光の波長範囲での透明性は、片側被覆の場合の92%と比較して、基板としての光窓上への光学層構造の両面形成の場合に98%に上げることができた。
斜めに傾いた角度で入射する光の場合、わずかに緑がかったカラーエフェクトが認められることがある。垂直光入射の場合、色の中立性が実現された。
ポリカーボネート基板上に形成された光学構造は、ISO9211−02−04による引掻試験に、瑕疵を形成することなく耐え、また鋼綿での引掻試験にも耐えた。ポリカーボネート基板の耐引掻性はこうして、被覆されない基板材料と比較して大幅に上げることができた。
Claims (12)
- より低い光学的屈折率を有する材料の層とより高い光学的屈折率を有する材料の層が基板の表面上に交互に配置された、光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造であって、
前記層から、より低い光学的屈折率を有する材料で作られた2層で囲まれた、より高い光学的屈折率を有する材料の少なくとも1つの層Hを有する積層(B、C、D、E)が形成され、
前記積層(B、C、D、E)は、前記基板の前記光学的屈折率よりも低い規定可能な波長λに関して光学的等価屈折率を有し、したがって、
少なくとも2つの積層が上下に形成され、該積層の前記それぞれの光学的等価屈折率は前記基板から始まって低減し、
前記個々の積層(B、C、D、E)は、前記規定可能な波長λの1/4の少なくとも2倍に対応する光学的厚さを有する、光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。 - 各積層(B、C、D、E)の前記光学的等価屈折率は、より低い光学的屈折率を有する層が形成される材料の前記光学的屈折率よりも低いことを特徴とする、請求項1記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 前記層構造の前記個々の層H及びLのいずれも、前記規定可能な波長の1/4の整数倍に対応する光学的層厚を有さないことを特徴とする、請求項1又は2記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 前記基板の表面上に直接形成され、前記光学的屈折率が前記基板の前記光学的屈折率よりも低い材料から形成される層(A)がλ/4層を形成することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 前記基板の前記光学的屈折率は≦2であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 前記光学的屈折率がより低い前記層LはSiO2又はMgF2から形成されることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 前記光学的屈折率がより高い前記層Hは、TiO2、HfO2、ZrO2、Ta2O5、及び/又はNb2O5から形成されることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 前記個々の積層(B、C、D、E)は3層、5層、又は7層から形成されることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 前記周囲媒体の方向を向き、より低い光学的屈折率を有する前記材料で作られる最上層は、前記規定の波長λの1/4よりも厚い光学的層厚を有することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 前記積層(B、C、D、E)での、より高い光学的屈折率を有する材料から形成される層Hの層厚割合は、前記基板の表面から始まって前記周囲媒体の方向に増大することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 800〜3000nmの範囲の厚さを有することを特徴とする、請求項乃至10のいずれか1項記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
- 前記規定の波長λは480〜600nmの波長範囲から選択されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか1項記載の光学的に透明な基板の反射を低減する光学層構造。
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